JP2006052641A - 硬質床板からなる床仕上げ材、および該床板の製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】互いに最適な態様で接合でき、接合部の隙間の発生を防止して塵芥や湿気の侵入を最小限にする床板およびその製造法を提供する。
【解決手段】少なくとも対向する２つの側面２、３の縁部に互いに共働する実質的にさね９と溝１０の形式の接合部４、５を備えた硬質床板からなる床仕上げ材であって、接合部４、５には接合された２枚の床板が関連する縁部２、３に対して垂直で、接合された床板１の下側面７と平行な方向にずれて離脱することを防止する統合形の機械的ロック手段を設けたことを特徴とする床仕上げ材。
【選択図】図３

Description

本発明は硬質床板からなる床仕上げ材、および該床板の製造方法に関する。

第１の実施例では、本発明はいわゆる積層板の床に向けられたものであるが、本発明はベニア寄木、プレハブの寄木板、または積層板の床に匹敵するその他の床板のような硬質床板からなる他の種類の床仕上げ材にも応用できる。

このような床板は様々な態様で利用できることが知られている。

第１の可能性では、床板は接着または釘打ちによって下層の床に取付けられる。この技術には、比較的面倒で、後に変更するには床板を取り壊すしかないという欠点がある。

第２の可能性では、床板を床に緩やかに取付けて、床板がさねはぎによって互いに組合わされるようにし、それによって床板の接合も主としてさねはぎで行われる。このようにして形成された寄木浮き床とも呼ばれるこの床には、据付けが容易で、床全体を移動することができ、発生する可能性がある膨張や収縮現象を許容するのに便利である場合が多いという利点がある。

上記の種類の床仕上げ材の欠点は、なかんずく床板を床に緩く取付けた場合には、床の膨張中、およびその後の収縮中に、例えば接着による接合が剥離した場合に、床板自体がずれて、その結果不都合な継ぎ目が形成されることにある。

このような欠点を修復するため、金属製の接合部材を個々の床板の間に取付けて床板同士を保持する技術が既に考案されている。しかし、このような接合部材は製造コストが割合に高く、更にそれを準備したり取付けるには時間がかかる。

このような金属製接合部材を利用した例は、とりわけ文献ＷＯ９４／２６９９９号およびＷＯ９３／１３２８０号に記載されている。

更に、床部材を互いにスナップ式に嵌め込むことができる継手が特に文献ＷＯ９４／１６２８、ＷＯ９６／２７７１９、およびＷＯ９６／２７７２１号から公知である。しかし、このような実施態様によって得られる相互スナップ作用は、特に相互のスナップ作用を確実なものにするには実際には厳密に規定された遊びを設けなければならないので、床板相互間の隙間の発生に対する１００％理想的な防止手段を保証するものではない。

ＧＢ４２４．０５７号から、寄木部材用の継手が公知であるが、これは継手の性質を考慮すれば、塊状の木材寄木にしか適していない。

更に、文献ＧＢ２．１１７．８１３号、ＧＢ２．２５６．０２３号およびＤＥ３．５４４．８４５号から板材用の継手が公知である。しかし、これらの継手は床板を接合するには適していない。

本発明はその床板を互いに最適な態様で接合でき、かつ（または）その床板を平滑に製造でき、それによって前記の１つ以上の欠点を取り除くことができる前述の種類の改良形の床仕上げ材を目的とするものである。

本発明は更に、据付け中に隙間などのようなミスが発生することがないという利点を備えた床仕上げ材をも目的とするものである。

更に、本発明は後になって隙間が発生することがないようにし、または少なくとも最適な態様でこれを防止することによって塵芥や湿気が侵入する可能性を最小限にする床仕上げ材をも目的とするものである。

上記の目的のため、本発明は少なくとも対向する２つの側面の縁部に互いに共働する実質的にさねと溝の形式の接合部を備えた硬質床板からなる床仕上げ材であって、接合部には接合された２枚の床板が関連する縁部に対して垂直で、接合された床板の下側面と平行な方向にずれて離脱することを防止する統合形の機械的ロック手段を設けたことを特徴とする床仕上げ部材に関するものである。その際に、上記の接合部はどんな形態の遊びの形成も予防され、好ましくは排除されるように最適なものにされる。

統合形の機械的ロック手段とは、固定的に床板に連結されるか、または床板と一体に形成されることによって床板の固定部品を形成する部分であるものと理解されたい。

本発明の重要な第１の好適な実施態様では、２枚以上の前記床板の嵌合位置で互いに引張り力を加え、この引張り力によって床板が互いの方向に押しこまれるようにするロック手段が接合部に設けられている。その結果、据付け中の隙間の形成を予防できるだけではなく、後の段階になっても何らかの原因に起因する隙間の発生が防止される。

本発明のその他の特徴によれば、それによって接合部が床板の芯材と一体に実施される。

本発明の第２の好適な実施態様では、上記の最適化は下記の特徴、すなわち、接合部とロック手段とが床板の芯材と一体に実施されること、接合部は、連続する２枚の床板が互いのスナップ式はめ込みおよび（または）回転によってのみ互いに嵌合できるような形状を有しており、それによって連続するそれぞれの床板を前の床板に横から挿入できるようになっていること、接合部は前述の縁部に対して垂直に位置する面の全方向に遊びなく相互に嵌合（インターロック）すること、床板の面と溝の長手方向に垂直な面で測定して、前述の溝の境界を形成するリップの上下のリップに差異が生じた場合、その差異は厚さ全体の１倍未満であること、関連するそれぞれの床板の厚さ全体が５ｍｍ以上であること、および前述の芯材とロック手段が形成される床板の基本材料が接着剤または相互の融解によって一枚の合板に構成された粉砕製品、および（または）合成材料を基材にした製品、および（または）微細チップのチップボードからなること、の組合わせによって実現される。

接合部が遊びなく相互に嵌合することにより、また、これらの接合部が床板の基本材料から一体で製造されることにより、床表面が膨張と収縮を繰り返した場合でも隣接する床板相互の完璧な接合が常に保証される。

上記の特徴のこのような組合わせは、ロック手段が互いに引張り力を加えるという前述の特徴と組合わせてもよく、組合わせなくてもよい。

その特徴を上記の実施例の特徴と組合わせても、組合わせなくてもよい本発明の第３の好適な実施態様では、床仕上げ材は、溝の下側面の境界を定める下部リップが上部リップを越えて延びていること、ロック手段が少なくとも下方内側に傾斜した部分から形成されていること、およびこの部分の少なくとも一部が上部リップを越えて延びた下部リップの部分に位置していること、を特徴としている。これらの特徴の利点は以下の説明から明らかにされる。

好適な実施例では、床板は細長い板からなり、前述の接合部はこれらの板材の長手方向の側に沿って取付けられる。

特定の実施例では、接合部は上記の構造の場合でも、そうではない場合でも他の２つの側面にも取付けられる。

最も好適な実施態様では、基本材料として前述のように粉砕され、接着剤によって一枚の合板として合成される前記のような製品が使用される。より具体的には、芯材として好適には接着され、特に防水接着される微細粉砕木材が使用される。更に具体的には、芯材としていわゆるＨＤＦボード（高密度ファイバーボード）またはＭＤＦボード（中密度ファイバーボード）が使用される。

その基本材料が上記の材料からなる床板に本発明が応用されることによって、この材料の処理で極めて平滑な表面が得られ、それによって極めて精密な接合を実現できる。このことは第１の例では、遊びがない相互スナップ接合および（または）回転接合の場合に重要である。更に、前述の種類の材料を特に容易に加工できるので極めて特殊な形態の接合部を極めて簡単に製造することができる。

ＨＤＦおよびＭＤＦによって得られる表面には、引張り力で嵌合した場合でも、床板が嵌合状態で互いの側面で安定して移動できるという利点が得られる。

発明者は更に、上記の材料、特にＨＤＦおよびＭＤＦは一方では相互のスナップ作用を実現し、他方では膨張および収縮力を弾力的に受容することにより、床板が離脱したり修復不能なダメージを受けることが防止されるので、このような材料が前述のような継ぎ目を実現するための理想的な特徴を有していることを発見した。

芯材として合成材料をベースにした材料を使用する場合、その目的のため純然たる合成材料、並びに場合によってはリサイクル材料からなる合成材料の混合物を使用することができる。

床の仕上げは接着なしで床板を互いに接合することによって形成される。その場合の継ぎ目は床板を損傷することなく分解できるような性質のものであるので、例えば移動する場合に取り外して、再び配置することができる。しかし、さねと溝の間の接着を排除するものではないことは言うまでもない。

本発明は勿論、前述の床仕上げを実現できる床板にも関するものである。

本発明は更に、対応するロック手段を含むさねおよび（または）溝を問題なく迅速な製造速度で床板に備えつけることができるという利点を有する前述の床板の製造方法にも関するものである。より具体的には、本発明は加工物の形状に関わりなく直径を選択できるフライスを用いて前述の種類の床板の複雑な形状のさねと溝を実現でき、従ってさねまたは溝の深さよりも直径が小さい、例えばフィンガーカッタのような小型のフライスを使用しなくても済むような方法を目的としている。

上記の目的のため、この方法は関連する床板に対して異なる角度で配置したフライスを使用して少なくとも２回連続するフライス削り工程でフライス削りを行うことによってさねおよび（または）溝を形成できるという特徴を有している。

前記の各フライス削り工程中、好ましくは実質的に１フランクのさねまたは溝の最終形態が実現される。

このように、上記の２回のフライス削り工程のために、溝やさねのそれぞれの外側に延びるフライスが使用される。より具体的には、これらのフライスの直径は床板の厚みの少なくとも５倍とし、より好適には２０倍であるものとする。

上記の直径のフライスを使用することで、伝統的な線形のさねおよび溝のフライス削り中にも通常の製造速度を保持できるという利点が得られる。更に、このようなフライスをモータシャフトの上に直に置くことができ、および（または）通常の機械を使用できるので、このようなフライスを据付けても最小限のコストしかかからず、または追加コストがかからないという利点が得られる。

本発明に基づく特徴をより明解に示すため、添付図面を参照して、それに限定されるものではない幾つかの好適な実施態様を以下に説明する。

本発明は例えば図１に示したような硬質床板１からなる床仕上げ材に関するものである。

これらの床板１は例えば長方形または正方形、またはその他の任意の形状のような多様な形状のものでよい。

最も好ましい実施形態では、これらの床板は図１に示したような例えば１メートルから２メートルの細長い形状で製造される。しかし、厚みは変えることができるものの、０．５から１．５ｃｍであり、０．８ｃｍであることがより好ましい。

各々の床板１は少なくとも２つの対向する側面２、３の縁部に、隣接する床板１を互いに接合できるようにする接合部４、５を備えている。

本発明によれば、図２から図４に示した接合部４、５には接合された２枚の床板１がそれぞれの側面２、３に対して垂直で、接合された床板１の下側面７と平行な方向Ｄにずれて離脱することを防止する統合された機械的ロック手段６が設けられている。接合部４、５とロック手段６とは床板１の芯材８と一体に形成されている。接合部４、５の形状は、連続する２枚の床板１を互いのスナップ嵌め、および（又は）回転によってのみ嵌合することができ、従って連続する各々の床板１を前の床板に横から挿入できるような形状である。また、接合部４、５は好適には前述の縁部に対して垂直に位置する平面の全方向に遊びなく相互に嵌合する。

細長い形状の床板１の場合は、図１に示したようにそれぞれの接合部４、５は長手方向の側面２、３に位置している。

その基本的な形状は常にさね９と溝１０とで形成されるが、接合部４、５は多様な形態で形成することができる。

図２から図４に示した実施態様では、関連する床板１には接合部４、５と、２枚の床板１を相互のスナップ作用なしで回転運動によって相互に嵌合させることができるロック手段６とが設けられている。

図示した実施例では、ロック手段９はさね９の下側面１２の丸く湾曲した形状の突起部によって形成された第１ロック部材１１と、溝１０の下壁１４内の湾曲した中空の形状の凹部で形成された第２ロック部材１３とからなっている。

ロック手段１１、１３は互いに接合された２枚の床板１が互いに水平面で横にずれることができないようにするために設けられている。

２枚の床板１を回転運動によって互いに挿入できるようにするため、湾曲部は円形であることが好ましい。底面１２はその中心が床板１の関連する上縁１５と一致するＲ１の曲率半径を有し、一方、下壁１４は半径Ｒ１と等しいが、そのため中心が関連する上縁１６と一致するＲ２の曲率半径を有している。上縁１５、１６までの距離よりも大きく、または小さく、および（または）サイズが互いに異なる半径Ｒ１とＲ２を採用してもよい。

さね９の上側面１７と、溝１０の上壁１８とは平坦であることが好ましく、また水平面上にあることが好ましい。

相互に嵌合する２枚の床板１のさね９と溝１０の前側１９と２０とは互いに密着して適合しないようにして、双方の間に中間スペース２１が作成され、塵芥の残滓等がある場合にそれらをさね９で前記スペース内に押し出すことができるようにすることが好ましい。

さね９と溝１０の形状を互いに相補形にして、２枚の床板１が噛み合った状態でさね９が溝１０の上壁１８と下壁１４とに対して精密に着座することにより、上部リップ２２に加わる圧力Ｐがこのリップ２２によってだけではなく、構造全体で受容されるようにすることが好ましい。何故ならば、その圧力がさね９および下部リップ２３を経て伝達されることがあるからである。

しかし、上記のような相補形の形状には多くの僅かなずれがあってもよいことは明らかである。いずれにせよそのようなずれは圧力の受容と伝達には全く、またはほとんど影響を及ぼさない。例えば、図２から図４に示すように面取り部２４と溝２５を設けることができ、その結果、連続する床板１を互いに容易に押し込むことができるので、リッジ等があっても挿入が困難になることはない。

図５から図７に示すように、本発明に基づく床板１には、側面２、３に対して直角の側面２６、２７に沿ってこれもロック手段３０を有する接合部２８、２９を設けることもできる。接合部２８、２９もさね３１と溝３２の形状で形成することが好適である。その場合、ロック手段３０はロック手段６と同じ性質のものである必要はない。

側面２６、２７には図６および図７に示すように並進運動Ｔによってのみ互いの嵌合が可能であるロック手段を設けることが好適である。この目的のため、ロック手段３０は互いの背後から締付けるロック部材３３および３４を有する相互スナップ式の接合部からなっている。

図５から図７に示すように、ロック部材３３は溝３２の下壁３７内の凹部３６内に突起することが可能なさね３１の下側面３５の突起部からなっていることが好適である。ロック部材３４は凹部３６を制限する上向きの部分によって形成される。

この場合、ロック部材３３、３４は互いに平行で、相互スナップが簡単になる方向に傾斜して延びていることが好ましい接触面３８、３９を有している。それによって、接触面３８、３９によって規定される接線Ｌは下側面７に対して９０°未満の角度を形成する。

ロック部材３３、３４には、２枚の床板１を嵌め合わせる場合に、ロック部材３３、３４が相互スナップ作用によって互いの背後から締付けられるまでロック部材３３、３４を容易に押し重ねることができるように互いに連動する傾斜部分４０および４１を設けることが好適である。

さね３１の厚みＷ１を溝３２の幅Ｗと等しくして、上部リップ４２に圧力Ｐがかかった場合にこのリップがさね３１によって支えられ、一方、さね３１は下部リップ４３によって支えられるようにすることが好適である。

面取り部２４および溝２５と同様に、縁部２８、２９にも溝４４と面取り部４５とが設けられる。

このような相互スナップ式の接合は縁部２、３にも施すことができることを付記しておく。その場合、これは図５から図７に示したものと類似したスナップ式接合であるが、例えば図８および図９に示したような別の形状の接合部による相互スナップ式の接合でもよい。どちらかといえば局部的な突起図からなるロック部材３３、３４とは異なり、図８および図９の実施態様では接合部の全体幅Ｂと比較して長い距離に亘って延びるロック部材４６、４７が使用される。

この場合は、ロック部材４６、４７はさね９の下側面１２と溝１０の下壁１４にも設けられる。

図８に示すように、ロック部材４６、４７は床板１の平面に対して角度がある接触面４８、４９を有している。それによって、特にしっかりと固定されて相互に嵌合する接合が達成される。

図９に示すように、ロック部材４６、４７は、例えば互いに向き合った接触面が異なる曲率半径で形成されるので直線的な接触だけが得られるように実施することも可能である。

その場合は、ロック部材４６、４７の互いに向き合った表面は湾曲面からなっている。接線Ｌは９０°未満であり、７０°未満であるほうが好ましい角度Ａをなす。

その場合、ロック部材４６は曲率が異なる２つの部分を有していることが好ましく、その一方は湾曲度が強い部分５０であり、他方は湾曲度が弱い部分５１である。湾曲度が強い部分５０はきつい接合を形成する。湾曲度が弱い部分５１によって接合部４、５の互いの接合が緩やかなる。中間スペースＳは、２枚の床板１を噛み合せる際にあるかもしれない塵芥等を収容する空間を形成する。

例えば図７から図９に示すよう接合のような相互スナップ式の接合の場合は、さね９、３１は常に溝１０内の幅広い部分と連動できる下方に向かって先細の形状を有していることが好適である。

図１０には、少なくとも上縁部１５、１６に密閉材料５２が備えられ、その結果防水性の密閉が保証されるバリエーションが示されている。この密閉材料５２は予め床板１の一方または双方の上縁部１５、１６に備えられる条片またはカバーでよい。

図１１にはロック手段６が、回転運動の結果として上壁１８の下向きの部分５４の背後に来るさね９の部位の上向き部分５３からなっている更に別のバリエーションが示されている。より具体的には、これは上側面１７と上壁１８とを中心が縁部１５、１６に位置する曲率半径Ｒ３で形成し、下側面１２と下壁１４とを中心がこれも上縁部１５と１６のそれぞれに位置する半径Ｒ４で形成することによって実施される。これらの半径Ｒ３、Ｒ４としてその他の寸法を選択することもできる。

本発明によれば一般に、一方では半径Ｒ１とＲ３、および他方では半径Ｒ２、Ｒ４はそれぞれ２ｍｍ未満であることが好適である。

更に、これらの半径の中心は例えば図２に示すように上縁部１５、１６の周囲で３ｍｍの半径Ｒ５で延びる円Ｃ１、Ｃ２のそれぞれの内側に位置していることが好適である。

最後に、本発明によれば、図２から図７に示したような下部リップ２３、４３を上部リップ２２、４２よりも長く形成できることを付記しておく。それによって接合部４、５、２８、２９をフライス等でより簡単に形成できるという利点が得られる。それによって更に、連続する各床板１を据付け中に突起する下部リップ２３、４３の上に載せることができ、その結果さね９、３１と溝１０、３２とが自動的に互いの前に配置されるので、２枚の床板１の嵌め合わせが簡単になる。

一方、下部リップ２３の長さが上部リップ２２と等しいかそれよりも短い実施例には、床の最縁部に突起したリップ２３が残って、仕上げの際に問題を生ずることがなくなる。

平滑な組立てを可能にし、必要な安定性と頑丈さを保証し、かつ切断する材料の量を節減するため、床板の面と溝１０の長手方向に垂直な面で測定して、上部リップ２２、４２と下部リップ２３、４３との差Ｅは床板１の全体の厚みＦの１倍未満であるようにすることが好適である。安定性を図るため、この全体の厚みＦは５ｍｍ未満であってはならない。

差異Ｅの寸法が小さいことにより、下部リップを補強用の条片等で強化しなくてもよいという利点が得られる。

特定の実施態様では、上部リップ２２、４２が下部リップ２３、４３よりも厚くなるように、さね９と溝１０とを貫く中線Ｍ１は床板１の中心Ｍ２よりも下に位置している。第１の実施例では、屈曲するのは下部リップ２３、４３であり、従って床板１の上側面には変形する可能性がないので、この種類の接合には上記のことは不可欠である。

導入部に記載したように、芯材８としては以下の系列の材料が選択される。
−接着剤または互いの融解によって一枚の合板として合成される粉砕製品
−合成材料をベースにした製品
−微細チップのチップボード

本発明は第１の例では導入部に記載した理由により、好ましくは積層フローリングに有用である。

図２から図１１の例に示すように、上記のような積層フローリングはＭＤＦボード、ＨＤＦボートまたはその類似物製の芯材８からなることによって、この芯材８の少なくとも上側面に１層以上の層が積層されることが好適である。

より具体的には、積層フローリングには装飾層５５と、防護用の上層５６を備えることが好適である。装飾層５５は、例えば木目、石、コルク等、または変わり模様のパターンのような多様なパターンをプリントできる樹脂含浸紙製の層である。防護用の上層５６も例えばメラミン樹脂のような透明材料からなる樹脂含浸層からなることが好適である。

装飾層５５を上に重ねる中間層５７のような他の層を積層してもよいことは明らかである。

上層用の釣合部材を形成して、床板１の形状を安定させるための裏張り層５８を下側面７に施すことも好適である。この裏張り層５８は例えばメラミン樹脂のような樹脂含浸紙のような材料からなるものでよい。

図１２に概略的に示すように、さね９と溝１０、および好適にはさね３１と溝３２はフライス削りによって加工される。４つの側面全体に断面形状（プロフィル）を形成すべき場合は、床板１を２つの垂直な動きＶ１およびＶ２によって変位させ、それによって最初の動きの間に、この場合は長手方向の縁部である対向する２つの縁部にフライス５９、６０によってプロフィルが形成され、一方、第２の動きの間に、この場合は横縁である他の縁部にフライス６１、６２によってプロフィルが形成される。これらの加工工程中、床板１の装飾層は下向きに置いておくことが好ましい。

本発明の重要な特徴によれば、各々のさね９、３１と溝１０、３２はそれぞれ関連する床板１に対して異なる角度で配置されたフライスによって少なくとも２回連続するフライス削り工程によって形成される。

この工程は２個のフライス６３と６４を使用して２回のフライス削り工程で溝１０が形成される態様を示した図１３、１４および１５に示されている。図１６および図１７はフライス６５と６６を使用してさね９が形成される態様を示している。

図１８、１９および図２０、２１は溝３２とさね３１とが角度をもって配置されたフライス６７、６８および６９、７０によって形成される態様を示した同様の図面である。

前記の各フライス削り工程の間、その都度１フランクの実質的には最終的な形状が形成される。例えば、図１４のフライス６３は溝１０の下フランク７１の最終的な形状を定め、一方、フライス６４は上フランク７２の最終的な形状を定める。

導入部に記載したように、直径Ｇが床板１の厚みＦの少なくとも５倍であり、より好適には少なくとも２０倍以上であるフライス６３から７２を使用するものとする。

例えば最初の事前加工工程中に既に材料の一部を削除するために、前述のフライスではなく別のフライスを使用してもよい。

図２２から図２５には、本発明に基づく床板１の特に好適な実施態様が示されている。この図では、前述の実施態様を踏襲する部品は対応する参照符号で示されている。

この実施例の重要な特徴は、嵌合状態では接合部４、５に互いに引張り力を加え、その結果嵌合した床板１が互いの方向に押し込まれるロック手段６が設けられていることである。図示のとおり、これは好適には、この場合にはリップ４３である弾力的に屈曲可能な部分を接合部に設け、これが嵌合状態では少なくとも部分的に屈曲し、それによって嵌合した床板１が互いの方向に押し込まれる引張り力を生ずるようにすることによって達成される。それによって生ずる撓みＶ並びにそれに付随する引張り力Ｋは図２３に拡大して示されている。

引張り力Ｋが嵌合した床板１を相互に押圧するようにするため、この場合はリップ４３である屈曲可能部分には図示のように、好適には対応する接触面７４と連動可能である内側に傾斜した接触面７３を設けることが好ましい。これらの接触面７３、７４は前述の接触面３９、３８と同様であり、かつ図２から図４の下リップの傾斜部分とも同様である。

図２および図５では、上記の部分は相補形に適合する形状をなしている。しかし、修正によって図２３と同様の引張り作用を達成可能であることは明らかである。

一方では角度Ａを伴う接触により、また他方では引張り力Ｋが生成されることにより、合力Ｋ１が生じ、その結果、床板１は互いの方向に引張られる。

接触面７３、７４の水平面に対する角度Ａは３０度から７０度の間であることが好適である。引張り力Ｋが生成される第１の実施例では、一方では床板１が最適に互いに押圧され、他方では床板１を容易にそれぞれ嵌め合わせ、かつ分解できるように、角度Ａは３０度から７０度が理想的である。

圧縮力Ｋ１は前述のリップ４３によって送り込まれるが、本発明はこの力が他の屈曲可能な部分によって与えられる他の実施態様を除外するものではない。

撓みＶは例えば数百分の１ないし数十分の１ミリ程度の極めて僅かであり、床の仕上げ材を設置するのに影響がないことを付記しておく。更に、このような床仕上げ材は基本的に弾力的に圧縮可能な下層の上に設置され、その結果リップ４３の撓みＶによって下層が局部的にやや多めに圧縮されるだけであることを付記しておく。

リップ４３は撓み、かつ嵌合位置でもある程度撓んだ状態に留まるので、例えば上に物を置いた時のように床の仕上げ材に圧力がかかった場合にも、互いの圧縮力が増強され、ひいては隙間の発生が更に防止される。

発明者は更に、あらゆる予測に反して、ロック部材３３、３４を含む接合部分４、５および、好適には芯材８全体をＨＤＦボードまたはＭＤＦボードで製造することによって、これらの材料は最小限の弾性変形しか許容しないにも係わらず理想的な引張り力を達成できることを発見した。

ＨＤＦおよびＭＤＦには更に平滑な表面が得られるという利点があり、その結果、ロック部材を相互の上で容易に動かすことができる。

本発明のバリエーションでは、引張り力は接合部分の材料の弾性圧縮によって生成することも可能であり、その目的のためには、これらの接合部および好適には芯材８全体も弾性圧縮可能な材料で製造することが必要である。

図２２から２５の実施例の更に別の特徴は、床板１を図２５に示すように互いの方向に移動することによってと同様に、図２４に示すように回転運動によって嵌合させることができる点にある。好適には、回転運動による嵌め合わせ中には最大撓みＶm が接合部、特にリップ４３に生じ、この撓みＶm は床板１を互いの方向に移動することによって嵌合される場合に生ずる撓みＶm と比較して、全く存在しないことはないにせよ、図２、４に示すようにそれほど顕著なものではないような撓みである。

このことの利点は、床板１を移動によって嵌合させる可能性は残す一方で、そのための工具を使用する必要なく回転運動によって容易に嵌合させることができることにある。移動式の嵌合は第１の例では、最後の板の一部をドア枠等の下に置かなければならない場合に有用である。このような場合は、床板１の嵌め合わせる必要がない側面をドア枠の下に押し込み、その後、場合によっては工具を用いて隣接する床板１にスナップ式に嵌め込むことができる。

図２２から図２５に示した接合部４、５の形状は短い側の接合部２８、２９にも利用できることを付記しておく。

本発明に従って、４つの側面２、３、２６、２７に接合部４、５、２８、２９を設ける場合、これらの接合部は１方向では他の方向での場合よりもきつい嵌め合わせになるように実施することができる。例えば図１に示すような細長い床板１の場合、短い側２６、２７での締付けを長手方向の側２、３よりも強くすることが好適である。すなわち短い側での接合部の長さは短く、原理的に嵌め込み状態はそれほどきつくない。このことは締付けをより強くすることによって補償される。

嵌合状態のこのような差異は接触面７３、７４を異なる角度で実施することによって達成される。

好適には、前述の突起部、特にロック部材３３は少なくとも２つの部分７５、７６、すなわち、締付け用の急な傾斜を有する部分７５と、接合部の嵌合をより容易にするより緩い傾斜の部分７６によってそれぞれ境界が形成される。図２２から図２５の実施例では、これらの部分７５、７６は直線的な面によって形成されるが、図９を参照して前述したように、湾曲部分５０、５１を利用することもできる。図５では、これらの部分は接触面３８と傾斜部分４０である。

好適な実施例では、本発明に基づく床板１は以下の特徴の１つ、または以下の特徴の２つ以上の組合わせを有する接合部４、５および（または）２８、２９を備えている。すなわち、
−２枚の床板１を互いに回転させる場合の案内を形成する、さね９の下側面の湾曲部７７と、リップ４３の湾曲部７８。これは据付け中に床板１を互いに容易に嵌め合わせることができるという利点をもたらす。
−ロック部材３３、３４の縁部の丸み付け部分７８、７９。これは床板１の嵌合中、および分解中にそれぞれロック部材が互いの上で容易に移動でき、かつ床板が反復的に嵌合もしくは分解される場合でも、ロック部材が例えば縁部で砕けるような損傷を受けないという利点をもたらす。
−嵌合した床板１の互いの方向に横向きの全ての側面の間の塵芥室８１、または図４に示すようなスペース２１。これは嵌合中に床板１の間に塵芥が含まれていても、良好な嵌合状態に悪影響を及ぼさないという利点をもたらす。
−例えば面取り部８２の存在によって、床板１が図２５に示すように、同じレベルで互いの方向に押された場合に、既に最初から接触するさね９の上側面が上リップ４２の下側面の下に位置するようなさね９の成形。これは床板が同じレベルで互いの方向に押された場合に、さね９の前端部が上リップ４２の前側面を押圧しないという利点をもたらす。
−下リップ４３の自由端に形成された、これまで傾斜部分４１とも呼ばれているランプ面８３。これはロック部材３３、３４が互いの上を平滑に移動し、下リップ４３が均一に屈曲するという利点をもたらす。
−床板１の上側面の位置でセクション８４によって形成される、嵌合方向で唯一の重要な接点。これは前述の引張り力が床板１の上側面に最適に伝達され、かつ床板１相互に隙間が生ずることを防止する利点をもたらす。
−さね９の上側面と溝１０の上側面とによって形成され、接触面の長さの最大部分に亘って床板１によって規定される平面と平行に延びる接触面８５、８６、特に接合面、並びに湾曲部７７、７８によって形成される、互いに連動する接触面。これらは、さね９を溝１０内に挿入する深さが何らかの理由で変化しても嵌合する２枚の床板１の高さが互いにずれないという利点、言い換えると、隣接する床板の間に高さの差が生じないという利点をもたらす。

図２２から２５の実施態様では、上記の全ての特徴を組合わせてある。しかし、図２ないし図１１から明らかであるように、これらの特徴は個別であっても、限定的に組合わせてもよいことは明白である。

図５から７、および図２２ないし２５から明らかであるように、本発明の好適な実施態様の重要な特徴は、ロック手段６、言い換えると相互スナップおよび嵌合作用をもたらす部分は上リップ２２、４２を越えて延びている下リップ２３、４３の部分に位置していることにある。より具体的には、ロック部分３３の最も下のポイント８７は床板１の上層の下に位置していることにある。図面を簡明にするため、この上層は図２２から図２５では単一層としてしか示されていない。

下リップ２３、４３が上リップ２２、４２よりも長く延びていること、ロック手段６が少なくとも下方内側に傾斜した部分によって形成されていること、およびこの部分の少なくとも一部が上リップ２２、４２を越えて延びている下リップ２３、４３の部分内に位置していること、の特徴の組み合わせは、特に文献ＷＯ９４／０１６２８号、ＷＯ９４／２６９９９号、ＷＯ９６／２７７１９号およびＷＯ９６／２７７２１号に記載されている床板用の継手と比較すると特に有利であることを付記しておく。傾斜部分によって、床板１を再度分解できるという利点が得られる。加えて、この傾斜部分が下リップ２３、４３の更に延びた部分に位置していることによって、接合中に上層にまで顕在化する変形が生じることがないという利点が得られる。

本発明の好適な特徴によって、前述の部分、すなわち接触面３９または７３は、好適には上縁部１６までの距離が下から上方の方向へと減少するように延びている。言い換えると、図２２に示すように、距離Ｘ２は距離Ｘ１よりも短い。これは図７の場合にも同様である。

更に好適には、この部分は上リップ４２からの明確な距離Ｅ１を隔てた地点から始まっている。

接合部２２から２５は前記フライスによっても形成できることは明白である。

本発明の特定の特徴に基づき、床板１の側面２、３および（または）２６、２７は表面稠密剤、特に表面硬化剤によって処理され、これは以下の系列の製品から選択することが好ましい。すなわち、含浸剤、細孔密封剤、ラッカー、樹脂、オイル、パラフィン等である。

図２２にはこのような含浸状態８８が概略的に示されている。この表面処理は側面２、３および（または）２６、２７の表面全体に施してもよく、または例えばさね９と溝１０の表面だけのような厳密に限定された表面部分だけに施してもよい。

相互スナップ作用と組合わせて、表面稠密化剤は様々な側面でより優れた接合が達成できるという利点をもたらす。その結果、接合部４、５および（または）２８、２９は床板１を繰り返し嵌め合わせたり分解したりした場合でも形状と強度を保つ。芯剤８としてＨＤＦ、ＭＤＦまたはその類似物を使用した場合は、前記の表面処理によって、嵌合中、もしくは分解中に材料の損耗が生じないような表面状態の優れた品質が達成される。

この処理によって更に、少なくとも表面硬化の場合は、前述の弾性引張り作用が増強されるという利点も得られる。

本発明は例示し、図面に図示した実施態様に決して限定されるものではなく、発明の範囲から離れることなく上記の床仕上げ剤および関連する床板１を様々な形状と寸法で実施することができる。

例えば、図示した実施態様で説明した様々な特徴を互いに組合わせても組合わせなくてもよい。

更に、前述の接合部材の全ての実施例は床板の長手方向の側面にも短い側面にも適用できる。

本発明に基づく床仕上げ材の床板を示している。 図１のII−II線に沿った拡大断面図を示している。 図２に示した接合部で２枚の床板が互いに接合する態様を示している。 図２に示した接合部で２枚の床板が互いに接合する態様を示している。 図１のＶ−Ｖ線に沿った拡大断面図を示している。 図５に示した接合部で２枚の床板が互いに接合する態様を示している。 図５に示した接合部で２枚の床板が互いに接合する態様を示している。 本発明に基づく床板の接合部の多数のバリエーションを示している。 本発明に基づく床板の接合部の多数のバリエーションを示している。 本発明に基づく床板の接合部の多数のバリエーションを示している。 本発明に基づく床板の接合部の多数のバリエーションを示している。 床板に接合部を取付ける態様を概略的に示している。 図１２のＸIII-ＸIII線に沿った断面図を示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 図１２に矢印Ｆ１４からＦ２１で示したフライスの貫入を拡大断面図で示している。 本発明に基づく床板を示している。 図２２の２枚の床板の接合を拡大図で示している。 図２２に示した床板の相互接合の態様を示している。 図２２に示した床板の相互接合の態様を示している。

Claims (10)

1. 床板の製造方法であって、該床板（１）が、硬質床板（１）から成り、少なくとも対向する２つの側面（２、３、２６、２７）の縁部に、２枚の該床板の接合状態において互いに共働する接合部（４、５、２８、２９）を備え、該接合部が、実質的にさね（９、３１）と溝（１０、３２）の形式から成り、２枚の接合された床板が関連する縁部（２、３、２６、２７）に対して垂直で、接合された床板の下側面（７）と平行な方向にずれて離脱することを防止する統合形の機械的ロック手段（６）を備えており、該溝が、上部リップ及び下部リップにより境界が形成され、該ロック手段（６）が、さね（９、３１）の下側面（１２）に設けられた突起部の形状のロック部材と、該下部リップに設けられた凹部の形状のロック部材と、から成り、少なくともロック部材を含む溝がそれぞれ関連する床板（１）に対して異なる角度で配置されたフライス（６３、６４、６７、６８）による少なくとも２回連続するフライス削り工程によって形成されることを特徴とする床板の製造方法。
2. 該下部リップが、該上部リップを末端で越えて延びるように形成され、それにより、該上部リップの下側に位置する部分と、該上部リップを越えて延びている部分と、を有する該下部リップを規定していることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 該凹部が、部分的に該上部リップの下側に位置する該下部リップの部分と、部分的に該上部リップを越えて延びている該下部リップの部分と、に位置するように形成されることを特徴とする請求項２に記載の方法。
4. 該２つのフライスの第１のフライスが実質的に該溝の上部面を形成し、該２つのフライスの第２のフライスが実質的に該下部リップの該凹部を形成することを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 該２つのフライスの第１のフライスが該床板から成る平面と実質的に平行な平面に配置され、該２つのフライスの第１のフライスが該床板の該側縁に平面に沿って挿入され、該２つのフライスの第２のフライスが、該床板から成る該平面に関して９０度未満の角度で傾斜していることを特徴とする請求項１に記載の方法。
6. 該回転式のフライスが該溝の外側に延びており、直径が該床板の厚さの少なくとも５倍であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
7. 該直径が該床板の厚さの少なくとも２０倍であることを特徴とする請求項６に記載の方法。
8. さねの上側面と上部リップの下側面とが対応する平坦な接触面を備えていることを特徴とする請求項１に記載の方法。
9. 該接触面が床板により規定される平面に対して実質的に平行であることを特徴とする請求項８に記載の方法。
10. 該突起部を含む該さねもまたそれぞれ関連する床板（１）に対して異なる角度で配置されたフライスによる少なくとも２回連続するフライス削り工程によって形成されることを特徴とする請求項１に記載の方法。

Images