JP5609864B2 - テープユニットおよびテープカセット - Google Patents

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Description

本発明は、テープ印字装置に着脱自在なテープカセット、およびテープカセットに収納されるテープユニットに関する。
従来、テープがホルダに巻回されたテープユニットを、箱状のカセットケースの内部に着脱可能な詰め替え式(所謂、リフィルタイプ)のテープカセットが知られている(例えば、特許文献1参照)。リフィルタイプのテープカセットでは、例えばテープの残量が乏しくなったときやテープの種類を替えるときなどに、カセットケースの内部に収納されているテープユニットのみが交換される。テープユニットのみを交換することで、カセットケースを再利用できる。
リフィルタイプのテープカセットでは、カセットケースの右後部に、上下方向に貫通する孔部が複数設けられている。テープユニットの右後部には、上下方向に突出する棒状の遮蔽部がテープの種類に応じて複数設けられている。テープユニットがカセットケース内に収納されると、複数の遮蔽部が複数の孔部に選択的に嵌まる。テープ印字装置のカセット装着部には、常には上方に付勢される複数のマイクロスイッチが設けられている。テープカセットがカセット装着部に装着されると、下方に突出する複数の遮蔽部が複数のマイクロスイッチを選択的に押圧する。テープ印字装置は、複数のマイクロスイッチのいずれが押下されたか、または押下されなかったかを検出することで、テープの種類を特定する。
特開2002−179300号公報
リフィルタイプのテープカセットでは、例えばテープカセットの製造時またはテープユニットの交換時に、複数の遮蔽部に対応するテープ種類とは異なるテープが、カセットケース内に誤って収納されるおそれがあった。カセットケース内に収納されたテープの種類が複数の遮蔽部に対応していない場合、テープ印字装置はテープの種類を誤検出する。この場合、テープ印字装置は、印字動作の実行時に、テープの印字不良や走行不良を生じるおそれがあった。
本発明の目的は、カセットケース内に誤った種類のテープが収納されることを抑制できるテープユニットおよびテープカセットを提供することである。
本発明の第1態様に係るテープユニットは、印字媒体であるテープが巻回されたテープロールを保持し、テープ印字装置が備えるカセット装着部に着脱可能なカセットケースに収納されるテープユニットであって、前記テープロールの巻回中心に形成される軸孔に挿入され、前記テープロールを回転自在に支持するホルダ軸部と、前記ホルダ軸部によって支持される前記テープロールの径外側に設けられ、少なくとも1つの孔部を含んで前記テープの種類を示す指標部と、前記テープロールから引き出された前記テープの面と平行に、且つ、前記テープの搬送経路に沿って設けられた案内壁と、前記搬送経路の下流側の端部に設けられ、前記搬送経路上を搬送された前記テープを前記テープユニットから排出するテープ排出部とを備え、前記案内壁は、前記テープ排出部と隣接して設けられ、且つ、前記搬送経路の最下流側に沿って延びる下流側壁部を含み、前記指標部は、前記下流側壁部に設けられ、前記テープ排出部から排出された前記テープの面は、前記指標部と同時に目視可能な方向を向くことを特徴とする
これによれば、人間がテープユニットに設けられた指標部を目視することで、テープユニットに組み付けられているテープの種類、または、テープユニットに組み付けるべきテープの種類を認識することができる。さらに、人間は、例えばテープカセットの製造時またはテープユニットの交換時に、正しい種類のテープが組み付けられたテープユニットを、カセットケース内に収納することができる。したがって、カセットケース内に誤った種類のテープが収納されることを抑制できる。
また、テープを案内するための案内壁に指標部を設けたので、テープユニットが指標部を設けるための専用部品を備える必要がない。
また、テープ排出部から排出されるテープと、下流側壁部に設けられた指標部とを、人間が同時に目視することができる。
前記テープユニットにおいて、前記テープロールから引き出された前記テープの下方に設けられ、前記搬送経路に沿って延び、且つ、前記テープユニットの底面を形成する経路壁と、前記経路壁における前記底面の一部を上方に向けて凹ませた凹部であって、前記底面よりも上方に位置する平面である基準面部を有する下側凹部と、前記経路壁における前記搬送経路上に設けられ、前記基準面部から前記テープの幅に応じた距離だけ前記テープユニットの上下方向に離れた位置で、前記テープの上方向への移動を規制する規制部とを備えてもよい。この場合、テープユニットにおいて、規制部の上下方向位置は基準面部を基準として定められる。したがって、規制部を製造する際の寸法精度が高められて、テープの搬送精度が向上する。加えて、テープユニットの製造後には、基準面部を基準とすることで、規制部の寸法管理が容易となる。
前記テープユニットにおいて、前記基準面部は、前記ホルダ軸部に前記テープロールが支持された状態で、前記テープの幅方向中心位置から上下方向に一定の距離をおいて設けられてもよい。この場合、基準面部の上下方向位置に対するテープの上下方向位置がより明確になり、テープの搬送精度がさらに向上する。
前記テープユニットにおいて、前記中心位置と前記基準面部との前記上下方向の距離は、前記テープの幅によらず一定であってもよい。この場合、異なるテープ幅を有するテープがそれぞれ組み付けられた複数種類のテープユニットであっても、共通の基準面部の位置を基準とすることで、テープユニットの寸法測定や部品管理が容易となる。
前記テープユニットにおいて、前記規制部は、前記テープ排出部またはその近傍に設けられてもよい。この場合、テープが排出されるテープ排出部またはその近傍で、テープの上方向への移動が規制されるため、テープユニットからのテープの引き出しが安定する。
前記テープユニットにおいて、前記下側凹部は、前記経路壁における前記規制部の近傍に設けられてもよい。この場合、下側凹部と規制部とが隣接した位置に設けられるため、テープユニットの寸法測定や部品管理がさらに容易となる。
前記テープユニットにおいて、前記ホルダ軸部によって支持される前記テープロールから引き出される前記テープが搬送されるテープ搬送部と、前記ホルダ軸部に設けられ、前記テープロールの軸孔と同一方向に開口する第1ホルダ開口部と、前記テープ搬送部を挟んで前記第1ホルダ開口部とは反対側に設けられ、前記第1ホルダ開口部と同一方向に開口する第2ホルダ開口部とを備えてもよい。この場合、テープ搬送部を挟んだ両側にそれぞれホルダ開口部が設けられている。人間は、各ホルダ開口部に挿入される案内軸に沿って、テープユニットを安定的に移動させることができる。
本発明の第2態様に係るテープカセットは、前記テープユニットと、前記カセットケースとを備えたテープカセットであって、前記カセットケースは、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記指標部を前記カセットケースの外部に露出させる指標露出部を備えている。
これによれば、テープユニットがカセットケースの内部に装着されると、テープユニットに設けられた指標部がカセットケースの指標露出部を介して外部に露出する。人間は指標部を目視することで、テープカセットに組み付けられているテープの種類、または、テープカセットに組み付けるべきテープの種類を認識することができる。つまり、人間は、例えばテープカセットの製造時またはテープユニットの交換時に、正しい種類のテープが組み付けられたテープユニットを、カセットケース内に収納することができる。したがって、カセットケース内に誤った種類のテープが収納されることを抑制できる。
前記テープカセットにおいて、前記カセットケースは、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記テープロールから引き出される前記テープを、前記カセットケースから排出するためのケース側排出部と、前記ケース側排出部との間に前記テープの露出部位を形成し、前記ケース側排出部から排出された前記テープを案内するケース側案内部とを備え、前記指標露出部は、前記テープの露出部位と隣接した位置に設けられてもよい。この場合、ケース側排出部からテープの露出部位に排出されるテープと、テープの露出部位と隣接した位置にある指標部とを、人間が同時に目視することができる。
前記テープカセットにおいて、前記テープユニットは、前記ホルダ軸部によって支持される前記テープロールから引き出される前記テープが搬送されるテープ搬送部を備え、前記カセットケースは、底面、前面、背面および一対の側面と、前記前面の一部を含み、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された場合に、少なくとも前記テープ搬送部における前記搬送経路の下流側が収納されるアーム部とを備え、前記テープ排出部は、前記テープ搬送部に設けられ、且つ前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記搬送経路上を搬送された前記テープを前記アーム部の内部に排出、前記ケース側排出部は、前記アーム部に設けられて、前記テープ排出部から前記アーム部の内部に排出された前記テープを、前記カセットケースの外部に排出してもよい。この場合、テープユニットがカセットケースの内部に装着された状態では、テープロールから引き出されるテープがテープユニットによってアーム部まで搬送される。したがって、テープユニットにおけるテープの搬送経路を長くすることができ、カセットケース内におけるテープの走行が安定する。
前記テープカセットにおいて、前記案内壁は、前記テープ搬送部に設けられ、且つ前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、少なくとも前記指標部が設けられる部位が前記前面と略平行であり、前記指標露出部は、前記アーム部において前記前面の一部を構成する側壁に設けられてもよい。この場合、テープを案内するための案内壁に指標部を設けて、アーム部において前面の一部を構成する側壁から指標部が露出するので、テープカセットが指標部を設けるための専用部品を備える必要がない。
前記テープカセットにおいて、前記指標露出部は、前記下流側壁部と略一致する形状及び大きさを有しており、前記下流側壁部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された場合に、前記指標露出部に嵌め込まれて前記アーム部における前記側壁の一部を構成してもよい。この場合、テープユニットがカセットケースの内部に装着されると、指標部が設けられた下流側壁部が指標露出部に嵌め込まれる。これにより、テープユニットにおけるテープ搬送方向の下流側が固定されるため、カセットケース内におけるテープの走行が安定する。
前記テープカセットにおいて、前記テープユニットは、前記ホルダ軸部が一端側に設けられたテープホルダを備え、前記カセットケースは、対向配置された矩形状の平面をなす一対の壁面と、前記一対の壁面の周縁部に沿って所定高さで形成された側壁とを有し、前記一対の壁面の少なくとも一方における一の角部に設けられた第1開口部と、前記第1開口部が設けられた前記壁面に設けられ、前記一の角部の対角上に位置する第2開口部と、前記第1開口部が設けられた前記壁面に設けられ、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で前記テープロールの軸孔を臨む第3開口部とを備えてもよい。この場合、カセットケース内に重量物であるテープロールを備えたテープユニットが収納されていても、3つの開口部のそれぞれに挿入される3つの案内軸に沿って、人間がテープカセットを安定的に移動させることができる。
前記テープカセットにおいて、前記テープホルダは、前記テープロールの軸孔と同一方向に開口するホルダ開口を、前記ホルダ軸部が設けられた一端側とは異なる他端側に備え、前記第1開口部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記ホルダ開口を臨んでもよい。この場合、テープカセットの3つの開口部のそれぞれに案内軸が挿入されると、カセットケース内でテープユニットが2つの案内軸によって両端側が案内される。これにより、テープカセットが移動される場合でも、カセットケース内でのテープユニットの振動や傾斜が抑制される。
前記テープカセットにおいて、前記テープホルダは、前記カセットケースの内部で前記搬送経路をまたいで、前記一端側から前記他端側に向けて延びてもよい。この場合、カセットケース内で2本の案内軸に沿って案内されるテープユニットの両端間に、テープの搬送経路が設けられている。そのため、テープカセットが移動される場合でも、テープの搬送経路に対する振動や傾斜を抑制することができる。


前記テープカセットにおいて、前記ホルダ軸部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記第3開口部から臨まれる軸孔を備え、前記第3開口部は、前記ホルダ軸部の軸孔を完全に含む形状および大きさを有し、前記軸孔の全体を臨んでもよい。この場合、第3開口部が軸孔の全体を臨んでいるため、第3開口部を介して軸孔が露出する。従って、人間は、テープユニットの振動や傾斜が生じても第3開口部を介して軸孔に案内軸を挿入することができ、重量物であるテープロールを案内軸に沿って移動させることができる。
前記テープカセットにおいて、前記第1開口部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記カセットケースにおける前記矩形状の平面の長手方向中心を基準として、前記テープロールの重心位置とは反対側に形成されてもよい。この場合、重量物であるテープロールの重心位置に設けられる第3開口部と、その重心位置から離間した位置に設けられる第1開口部とを含む3点で、人間はテープカセットを安定的に移動させることができる。
前記テープカセットにおいて、前記一対の壁面間に回転自在に設けられ、前記テープロールから前記テープを引き出す筒状のテープ駆動ローラを備え、前記第2開口部は、前記テープ駆動ローラの挿嵌孔を臨んでもよい。この場合、人間は、テープ走行や印字品質への影響が大きいテープ駆動ローラおよびその近傍を、案内軸に沿って安定的に移動させることができる。
カセットカバー6が閉じられた状態にあるテープ印字装置1の上方からの斜視図である。 カセットカバー6が開かれた状態にあるテープ印字装置1の上方からの斜視図である。 テープカセット30およびカセット装着部8を説明するための斜視図である。 カセット装着部8の平面図である。 プラテンホルダ12が待機位置にある場合の、テープカセット30が装着されたカセット装着部8の平面図である。 プラテンホルダ12が印字位置にある場合の、テープカセット30が装着されたカセット装着部8の平面図である。 ヘッドホルダ74の正面図である。 プラテンホルダ12の背面図である。 図8のI−I線における矢視方向断面図である。 テープ印字装置1の電気的構成を示すブロック図である。 テープカセット30の平面図である。 テープカセット30の底面図である。 テープカセット30の部品展開図である。 ケース本体38の平面図である。 ローラ支持孔64およびテープ駆動ローラ46の分解斜視図である。 テープユニット500の平面図である。 テープユニット500の部品展開した状態における縦断面図である。 テープユニット500の組み立てた状態における縦断面図である。 テープカセット30におけるアーム部34の拡大斜視図である。 ガイド孔47を部分断面で示す、テープカセット30の右側面図である。 テープカセット30におけるアーム前面壁35の拡大正面図である。 テープカセット30が装着される前のカセット装着部8を右側から見た説明図である。 テープカセット30が装着される途中のカセット装着部8を右側から見た説明図である。 テープカセット30が装着された後のカセット装着部8を右側から見た説明図である。 ヘッドホルダ74で支持されるテープカセット30を正面側から見た説明図である。 テープ駆動軸100が挿入されたテープ駆動ローラ46を正面側から見た縦断面図である。 補助軸110が挿入されたテープユニット500を正面側から見た縦断面図である。 図21に示すテープカセット30にプラテンホルダ12が対向した状態を示す、図21のII−II線における矢視方向断面図である。
以下、本開示を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本開示が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1〜図28を参照して、本実施形態に係るテープ印字装置1およびテープカセット30について説明する。本実施形態の説明では、図1の左下側、右上側、右下側、左上側を、それぞれテープ印字装置1の前側、後側、右側、左側とする。図3の右下側、左上側、右上側、左下側を、それぞれテープカセット30の前側、後側、右側、左側とする。
なお、実際には、図3に示されているギヤ91、93、94、97、98、101を含むギヤ群は、キャビティ8Aの底面により覆い隠されているが、これらのギヤ群を説明する必要上、図3にはキャビティ8Aの底面は図示されていない。図3では、カセット装着部8の周囲を形成する側壁が図示されているが、これはあくまでも模式図であって図中に示す側壁は実際よりも厚く描かれている。図5および図6では、カセット装着部8にテープカセット30が装着された状態を、カセット蓋33および補助カバー体51を取り除いて示している。
はじめに、本実施形態に係るテープ印字装置1の概略構成について説明する。テープ印字装置1は、1台で感熱タイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、感熱ラミネートタイプ等、各種のテープカセットを使用可能な汎用のテープ印字装置である。サーマルタイプは、感熱紙テープのみが収納された種類のテープカセットである。レセプタタイプは、印字テープとインクリボンとが収納された種類のテープカセットである。ラミネートタイプは、両面粘着テープとフィルムテープとインクリボンとが収納された種類のテープカセットである。感熱ラミネートタイプは、両面粘着テープと感熱紙テープとが収納された種類のテープカセットである。
図1および図2に示すように、テープ印字装置1は、平面視長方形状の本体カバー2を備えている。本体カバー2の前側には、文字、記号、及び数字等の文字キーや、種々の機能キー等を含むキーボード3が配設されている。キーボード3の後側には、入力した文字や記号を表示可能なディスプレイ5が設けられている。ディスプレイ5の後側には、テープカセット30(図3参照)の交換時に開閉されるカセットカバー6が設けられている。本体カバー2の左側面後方には、印字済みのテープを外部に排出するための排出スリット9が設けられている。カセットカバー6の左側面には、カセットカバー6を閉じた状態で排出スリット9を外部に露出させる排出窓11が形成されている。カセットカバー6の前面略中央には、下面から下方に突出する鉤状の係止ロック4が設けられている。本体カバー2には、係止ロック4に対応する位置にロック孔7が設けられている。カセットカバー6が閉じられると、係止ロック4がロック孔7に嵌め込まれて、カセットカバー6の自然開放が防止される。
図2〜図6を参照して、カセットカバー6下の本体カバー2の内部構造について説明する。図3〜図6では、理解を容易にするために、本体カバー2の内部構造(特に、カセット装着部8の形状や構造など)を模式的に図示している。図2〜図6に示すように、カセット装着部8は、テープカセット30が着脱自在な領域であり、キャビティ8Aおよび角支持部8Bを含む。キャビティ8Aは、カセットケース31の平面形状と略対応するように凹設され、平面状の底面を有する凹部である。角支持部8Bは、キャビティ8Aの外縁から水平に延びる平面部である。角支持部8Bは、テープカセット30がカセット装着部8に装着された場合、テープカセット30の周縁(より詳細には、後述の角部321〜324)の下面に対向する部位である。
カセット装着部8の前部には、発熱体(図示外)を備えるサーマルヘッド10を搭載したヘッドホルダ74が固設されている。カセット装着部8の外側(図3では右上側)には、ステッピングモータであるテープ送りモータ23が配設されている。テープ送りモータ23の駆動軸の下端には、ギヤ91が固着されている。ギヤ91は、開口を介してギヤ93に噛み合っている。ギヤ93は、ギヤ94に噛み合っている。ギヤ94の上面には、略円柱状のリボン巻取軸95が立設されている。ギヤ94は、ギヤ97に噛み合っている。ギヤ97は、ギヤ98に噛み合っている。ギヤ98は、ギヤ101に噛み合っている。ギヤ101の上面には、略円柱状のテープ駆動軸100が立設されている。テープ駆動軸100には、基部側から先端側に向けて延びる複数のカム部材100Aが、平面視で放射状に設けられている(図22参照)。
テープカセット30がカセット装着部8に装着された状態で、テープ送りモータ23が反時計回り方向にギヤ91を回転駆動すると、ギヤ93、ギヤ94を介して、リボン巻取軸95が反時計回り方向に回転駆動する。リボン巻取軸95は、リボン巻取軸95に装着されたリボン巻取スプール(図示外)を回転駆動する。さらに、ギヤ94の回転は、ギヤ97、ギヤ98、ギヤ101を介してテープ駆動軸100に伝達されて、テープ駆動軸100が時計回り方向に回転駆動する。テープ駆動軸100は、テープ駆動軸100に装着されたテープ駆動ローラ46を回転駆動する。ギヤ98の後側には、略円柱状の補助軸110が立設されているが、詳細は後述する。
角支持部8Bの2箇所に、2つの位置決めピン102、103が設けられている。より具体的には、キャビティ8Aの左側に位置決めピン102が、キャビティ8Aの右側に位置決めピン103が、それぞれ設けられている。位置決めピン102、103は、テープカセット30がカセット装着部8に装着された場合に、テープカセット30の底面に形成された2つの凹部であるピン孔52、53(図12参照)に挿入され、テープカセット30の周縁部の左右位置でテープカセット30を前後・左右方向に位置決めする。
カセット装着部8の右側後部には、略円柱状のガイド軸120が立設されている。ガイド軸120は、直径が異なる2つの軸部(大径軸部120Aおよび小径軸部120B)と、テーパ部120Cとを有する(図22参照)。大径軸部120Aは、ガイド軸120の基部側を構成する軸部であり、ガイド軸120において直径が最も大きい部位である。小径軸部120Bは、ガイド軸120の先端側を構成する軸部であり、大径軸部120Aよりも直径が小さい。テーパ部120Cは、大径軸部120Aと小径軸部120Bとの間に設けられた、大径軸部120Aから小径軸部120Bに向けて軸径が漸減するテーパ状の傾斜面である。
カセット装着部8に立設された各部材の位置関係について、図4を参照して説明する。図4における二点鎖線は、後述する分割線Jを示している。テープ駆動軸100、ガイド軸120、補助軸110、リボン巻取軸95、ヘッドホルダ74は、テープカセット30のローラ支持孔64、ガイド孔47、テープ支持孔65、巻取支持孔67、ヘッド挿入部39と対応する位置にそれぞれ設けられている(図22参照)。
テープ駆動軸100は、カセット装着部8における左前方に位置する角部を含む第1軸設置領域8Cに立設されている。第1軸設置領域8Cは、カセット装着部8の前部中央に固設されたヘッドホルダ74の左側に隣接しており、印字テープ55の搬送方向(以下、テープ搬送方向とよぶ。)におけるサーマルヘッド10の印字位置よりも下流側に位置している。ガイド軸120は、カセット装着部8における右後方に位置する角部を含む第2軸設置領域8Dに立設されている。つまり、カセット装着部8を平面視した場合に、第2軸設置領域8Dに含まれる角部は、第1軸設置領域8Cに含まれる角部の対角に位置している。
テープ駆動軸100とガイド軸120とを平面視で結ぶ分割線Jを基準として、カセット装着部8を平面視で分割した場合に、分割線Jよりも後側を占めるのが第1設置領域8Eであり、分割線Jよりも前側を占めるのが第2設置領域8Fである。補助軸110は、第1設置領域8Eに立設されており、詳細にはカセット装着部8の平面視中央からみた左後側に位置している。リボン巻取軸95は、第2設置領域8Fに立設されており、詳細にはカセット装着部8の平面視中央からみた右前側に位置している。補助軸110およびリボン巻取軸95は、平面視で分割線Jを中心としてほぼ対称に位置している。
テープ駆動軸100の後側には、位置決めピン102が隣接して設けられている。ガイド軸120の前側には、位置決めピン103が隣接して設けられている。位置決めピン102,103は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を、それぞれテープ駆動軸100およびガイド軸120の近傍で位置決めする。
カセット装着部8に立設された各部材の高さ関係は、先述のキャビティ8Aおよび角支持部8Bのいずれに設けられているかによって異なる。角支持部8Bに設けられる部材(本実施形態では、ガイド軸120、位置決めピン102,103)のほうが、キャビティ8Aに設けられる部材(本実施形態では、リボン巻取軸95、テープ駆動軸100、補助軸110、ヘッドホルダ74)よりも上方から立設される。カセット装着部8に立設された各部材の高さ関係については、後述する。
図2〜図6に戻り、ヘッドホルダ74の前側には、アーム状のプラテンホルダ12が軸支部12Aを中心に揺動可能に軸支されている。プラテンホルダ12の先端側には、プラテンローラ15および可動搬送ローラ14が共に回転可能に軸支されている。プラテンローラ15は、サーマルヘッド10に相対して、サーマルヘッド10と接離可能である。可動搬送ローラ14は、テープ駆動軸100が嵌挿されるテープ駆動ローラ46に相対して、テープ駆動ローラ46と接離可能である。
プラテンホルダ12には、カセットカバー6の開閉に連動して左右方向に移動する図示外のリリースレバーが連結されている。カセットカバー6が開放されると、リリースレバーが右方向に移動して、プラテンホルダ12が図5に示す待機位置に向けて移動する。図5に示す待機位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8から離間しているため、テープカセット30をカセット装着部8に着脱することができる。プラテンホルダ12は、図示外の巻きバネにより常に待機位置に弾性付勢されている。
カセットカバー6が閉鎖されると、リリースレバーが左方向に移動して、プラテンホルダ12が図6に示す印字位置に向けて移動する。図6に示す印字位置では、プラテンホルダ12がカセット装着部8に近接する。そのため、カセット装着部8にテープカセット30が装着されていれば、プラテンローラ15が印字媒体のテープ(本実施形態では、印字テープ55)を介してサーマルヘッド10を押圧する。可動搬送ローラ14が、テープを介してテープ駆動ローラ46を押圧する。図6に示す印字位置では、テープ印字装置1がカセット装着部8に装着されたテープカセット30を使用して印字することができる。
テープ排出部49から排出スリット9までの間には、印字済テープが搬送される搬送経路が設けられている。この搬送経路には、印字済テープを所定位置で切断するカット機構17が設けられている。カット機構17は、固定刃18と、固定刃18に対向して前後方向(図5および図6に示す上下方向)に移動可能に支持された移動刃19とで構成されている。移動刃19は、カッターモータ24(図10参照)によって前後方向に移動される。
図4および図7を参照して、ヘッドホルダ74の詳細な構成について説明する。ヘッドホルダ74は、1枚の板状部材から形成されており、台座部743とヘッド固着部744とを備えている。台座部743は、キャビティ8Aの底面(図示せず)の下方に固定されている。ヘッド固着部744は、台座部743から略垂直に屈曲されて上方へ延び、且つ、テープ印字装置1の左右方向に沿って配置されている。カセット装着部8におけるヘッドホルダ74の配置位置は、テープカセット30が装着された場合に、後述するヘッド挿入部39に対応する位置である。ただし、ヘッドホルダ74の右端部は、ヘッド挿入部39の右端部よりも右側に延びている。サーマルヘッド10は、ヘッド固着部744の前面に固着されている。
ヘッド固着部744には、テープ印字装置1に装着されているテープカセット30を下方から支持するカセット支持部741が設けられている。カセット支持部741は、ヘッド固着部744の右端部を正面視でL字型に切り欠くことにより所定の高さ位置に形成された段差部である。カセット支持部741は、サーマルヘッド10に対してテープ搬送方向上流側で、テープカセット30を支持する。カセット支持部741は、サーマルヘッド10の上下方向中心位置から上下方向に所定距離離れた位置に設定されている。よって、カセット支持部741は、サーマルヘッド10の上下方向中心位置に対して、テープカセット30を上下方向に位置決めする基準となる。カセット支持部741によるテープカセット30の支持については、後で詳述する。
図4〜図6に示すように、プラテンホルダ12の後側面、つまり、サーマルヘッド10と対向する側の面には、長手方向の中間位置からやや右側に、アーム検出部200が設けられている。以下ではプラテンホルダ12の後側面を、カセット対向面12Bという。アーム検出部200は、複数の検出スイッチ210を含む。各検出スイッチ210のスイッチ端子222は、カセット対向面12Bからカセット装着部8に向けて略水平に突出している。
言い換えると、各検出スイッチ210は、カセット装着部8に対するテープカセット30の着脱方向(図3の上下方向)と略直交する方向に突出し、カセット装着部8内に存在するテープカセット30の前面(より詳細には、後述する先端側前壁525)と対向する。各検出スイッチ210は、テープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着された状態で、後述するアーム指標部800(図3参照)と相対する高さ位置に設けられている。
図8および図9を参照して、プラテンホルダ12が備える検出スイッチ210の詳細な配置及び構造について説明する。図8に示すように、プラテンホルダ12のカセット対向面12Bには、5つの貫通孔12Cが上下方向に3列に並べて設けられている。より具体的には、最上列に2つ、真ん中の列に2つ、最下列に1つの配置である。貫通孔12Cの左右方向位置は、それぞれ異なっている。具体的には、カセット対向面12Bの右側(図8の左側)から順に、最下列、最上列の右側、真ん中の列の右側、最上列の左側、そして真ん中の列の左側の順に、5つの貫通孔12Cがジグザグに配置されている。これらの貫通孔12Cに対応して、5つの検出スイッチ210が設けられている。
図9に示すように、検出スイッチ210は、プラテンホルダ12の内部に設置された略円筒状の本体部221と、本体部221の一端側から軸線方向に進退可能な棒状のスイッチ端子222とを備えている。本体部221は、他端側がスイッチ支持板220に取り付けられて、プラテンホルダ12の内部に設置されている。本体部221の一端側では、プラテンホルダ12のカセット対向面12Bに形成された複数の貫通孔12Cを介して、スイッチ端子222が進退可能である。スイッチ端子222は、常には本体部221の内部に設けられたバネ部材(図示せず)によって、本体部221から伸出した状態に保持される。スイッチ端子222は、押圧されていないときは本体部221から伸出した状態(オフ状態)とされ、押圧されているときに本体部221内に退入した状態(オン状態)となる。
カセット装着部8にテープカセット30が装着されている場合、プラテンホルダ12が待機位置に向けて移動すると(図5参照)、各検出スイッチ210はテープカセット30から離間するため、全てオフ状態となる。プラテンホルダ12が印字位置に向けて移動すると(図6参照)、各検出スイッチ210は、テープカセット30の前面(詳細には、先端側前壁525)と対向し、アーム指標部800によって選択的に押圧される。テープ印字装置1は、各検出スイッチ210のオン・オフの組合せに基づいて、テープカセット30のテープ種類を検出する。アーム検出部200によるテープ種類の検出については、後で詳述する。
図4および図5に示すように、プラテンホルダ12のカセット対向面12Bには、左右方向に延びる板状の突起部である係止片225が設けられている。係止片225は、検出スイッチ210のスイッチ端子222と同様、カセット対向面12Bからカセット装着部8に向けて略水平に突出している。つまり、カセット装着部8内に存在するテープカセット30の前面(より詳細には、後述する先端側前壁525)と対向するように突出している。係止片225は、テープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着された状態で、後述の係止孔820(図3参照)と相対する高さ位置に設けられている。
図8および図9を参照して、プラテンホルダ12における係止片225の配置及び構成について説明する。図8に示すように、係止片225は、プラテンホルダ12のカセット対向面12Bにおいて、最上列の検出スイッチ210より上方に設けられ、最上列の右側(図8の左側)の検出スイッチ210と最下列の検出スイッチ210との間の左右方向位置から右側に延びている。図9に示すように、係止片225は、プラテンホルダ12のカセット対向面12Bから後方側(図9では左側)に突出するように、プラテンホルダ12と一体成型されている。カセット対向面12Bを基準として、係止片225の突出高さは、各検出スイッチ210のスイッチ端子222の突出高さと比較して略同一か、若干大きくなっている。
図10を参照して、テープ印字装置1の電気的構成について説明する。図10に示すように、テープ印字装置1は、制御基板上に形成される制御回路部400を備えている。制御回路部400では、各機器を制御するCPU401に、ROM402、CGROM403、RAM404、入出力インターフェース411がデータバス410を介して接続されている。
ROM402には、CPU401がテープ印字装置1を制御するために実行する各種プログラムが記憶されている。カセット装着部8に装着されたテープカセット30のテープ種類を特定するためのテーブルも、ROM402に記憶されている。CGROM403には、キャラクタを印字するための印字用ドットパターンデータが記憶されている。RAM404には、テキストメモリ、印字バッファ等、複数の記憶エリアが設けられている。
入出力インターフェース411には、検出スイッチ210、キーボード3、液晶駆動回路(LCDC)405、駆動回路406、407、408等が接続されている。駆動回路406は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路407は、テープ送りモータ23を駆動するための電子回路である。駆動回路408は、移動刃19を動作させるカッターモータ24を駆動するための電子回路である。液晶駆動回路(LCDC)405は、ディスプレイ5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有する。
次に、本実施形態に係るテープカセット30の構造について説明する。本実施形態のテープカセット30は、カセットケース31内に収納されたテープユニット500を交換可能なリフィルタイプのテープカセットである。
図3、図5、図6、図11〜図13を参照して、テープカセット30の全体構成について説明する。図13では、ケース本体38の前部形状を明示するため、テープ駆動ローラ46および補助カバー体51を外して図示している。テープカセット30は、全体としては平面視で丸みを帯びた角部を有する略直方体状(箱型)の筐体であるカセットケース31を有している。カセットケース31は、ケース本体38と、カセット蓋33と、補助カバー体51とを有する。ケース本体38は、上方に開口する箱状体であり、テープユニット500が収納される。カセット蓋33は、ケース本体38の開口に対して上方から着脱自在な蓋である。補助カバー体51は、ケース本体38に設けられているテープ駆動ローラ46等の上方を覆う板状部材である。
上記のカセットケース31は、上下方向で対向配置された矩形状の平面である一対の上壁面85および下壁面86と、上壁面85および下壁面86の外縁に亘って所定高さで形成された側壁87とを含む。本実施形態では、上壁面85は、後述するカセット蓋33の上板部33A(図13参照)と、補助カバー体51とを含む。下壁面86は、後述するケース本体38の下板である。
カセットケース31は、上壁面85および下壁面86の周縁部全体が側壁87によって囲われている必要はない。例えば、側壁87の一部(例えば後壁)にカセットケース31内を露出させるような開口部が設けられていたり、その開口部を臨む位置に上壁面85および下壁面86を接続するボスが設けられたりしてもよい。
テープカセット30の平面視中央からみた左後側には、テープユニット500が備える印字テープ55を回転可能に支持するテープ支持孔65が形成されている。テープ支持孔65には、テープカセット30の着脱時に補助軸110が挿脱されるが、詳細は後述する。
テープカセット30の平面視中央からみた右前側には、巻取支持孔67が形成されている。巻取支持孔67は、リボンスプール(図示外)からインクリボンを引き出し、文字等の印字にて使用されたインクリボンを巻き取るリボン巻取スプール(図示外)を回転可能に支持する。本実施形態の印字テープ55は、インクリボンを使用することなく文字等の印字が可能な感熱発色性の感熱紙テープである。よって、テープカセット30はインクリボンを収納する必要がないため、リボンスプールおよびリボン巻取スプールを備えていない。
テープカセット30の前面右側には、テープカセット30の前方にやや延び、且つ、中央に向かって直角に折り返されたアーム部34が設けられている。アーム部34は、カセットケース31内に収納されている印字テープ55を案内して、先端に設けられた排出口34Aからヘッド挿入部39の前方に排出する。ヘッド挿入部39は、アーム部34によって取り囲まれた隙間であって、先述のヘッドホルダ74が挿入される。
テープカセット30の左前部には、ローラ支持孔64が設けられている。ローラ支持孔64の内側には、先述のテープ駆動軸100が挿脱されるテープ駆動ローラ46が回転可能に支持されている。テープ駆動ローラ46は、対向する可動搬送ローラ14との協働により、未使用の印字テープ55を引き出す。テープ駆動ローラ46からみたテープ搬送方向の上流側には、上下一対の規制部材63が設けられている。規制部材63は、サーマルヘッド10からみたテープ搬送方向の下流側に、印字済テープを幅方向に規制してテープ排出部49に向かって案内する。
テープ排出部49は、カセットケース31の左側面の前端部から僅かに前方に離間して設けられた、上壁面85と下壁面86に亘る板状部材である。テープ排出部49は、テープ駆動ローラ46を経て搬送されてきた印字済の印字テープ55を、カセットケース31の左側面の前端部との間に形成される通路内に案内して、通路の終端に位置する排出スリット9から排出する。
テープカセット30の右後部には、テープカセット30の着脱時に先述のガイド軸120が挿脱されるガイド孔47が設けられている。本実施形態のガイド孔47は、平面視で前後方向に対向する両辺が直線状をなし、かつ、左右方向に対向する両辺がガイド孔47の開口中心からの距離が一定となる曲線状の開口形状を有する。ガイド孔47の開口幅は、平面視でガイド孔47の開口中心を通る全ての方向について、ガイド軸120の小径軸部120Bの直径よりも大きい。ただし、ガイド孔47は、平面視でガイド孔47の開口中心を通る左右方向の開口幅が最も大きく、平面視でガイド孔47の開口中心を通る前後方向の開口幅が最も小さい。ガイド孔47の開口中心を通る前後方向の開口幅は、ガイド軸120の大径軸部120Aの直径と略等しい。
テープカセット30の前面(詳細には、アーム部34の前面)には、アーム指標部800および係止孔820が設けられている。アーム指標部800は、人間がテープカセット30に収納されたテープの種類を特定可能とする部位である。また、アーム指標部800は、アーム検出部200の検出スイッチ210を選択的に押圧することにより、テープ印字装置1にテープカセット30のテープ種類を検出させる部位である。係止孔820には、係止片225が挿入される。アーム指標部800および係止孔820については、別途後述する。
図3、図11〜図15を参照して、ケース本体38について説明する。図14では、ケース本体38の前部形状を明示するため、補助カバー体51を外して図示している。実際には、ケース本体38における前部中央から左端部にかけて、補助カバー体51が設けられている。そのため、ケース本体38は、テープユニット500およびカセット蓋33が組み付けられていない状態で、補助カバー体51が設けられている部位を除いて上方に開口する。
図11、図12および図14に示すように、ケース本体38は、テープカセット30のテープ種類にかかわらず、同一の幅(上下方向の長さが同一)に形成された4つの角部321〜324を有する。以下では、左後方の角部を第1角部321、右後方の角部を第2角部322、右前方の角部を第3角部323、左前方の角部を第4角部324とする。4つの角部321〜324は、平面視で直角にケース本体38の側面から外側方向に突出している。ただし、左前方の第4角部324は、テープ排出部49が角に設けられているので直角ではない。
図12に示すように、各角部321〜324の下面は、テープカセット30がカセット装着部8に装着されたときに、前述した角支持部8Bに対向する部位である。第2角部322および第4角部324の下面の2箇所に、それぞれ、前述の位置決めピン102、103に対応するピン孔52、53が設けられている。
図3に示すように、ケース本体38の上下(高さ)方向において各角部321〜324と同一の位置、且つ、同一の幅でケース本体38の側面を全周に亘って取り巻く部位(各角部321〜324を含む)を、共通部32という。より詳細には、共通部32は、ケース本体38の上下(高さ)方向における中心線Nに関して、上下方向に対称の幅を有する部位である(図21参照)。テープカセット30の高さは、収納される印字媒体(本実施形態では、印字テープ55)のテープ幅に応じて異なっている。しかし、共通部32の幅(上下方向の長さ)Tは、これらのテープのテープ幅にかかわらず、同一寸法に設定されている。
例えば、共通部32の幅Tが12mmである場合、テープ幅が大きくなると(例えば、18mm、24mm、36mm)、それに応じてケース本体38の高さも大きくなるが、共通部32の幅T(図21参照)は一定である。テープ幅が共通部32の幅T以下である場合は(例えば、6mm、12mm)、ケース本体38の高さ(幅)は、共通部32の幅T+所定幅である。この場合、ケース本体38(つまり、カセットケース31)の高さは最も小さくなる。
図11〜図14に示すように、ケース本体38の前面には、平面視で略半円状の溝部である半円溝42が、ケース本体38の上下方向(つまり、上壁面85から下壁面86)に亘って設けられている。半円溝42は、テープカセット30がカセット装着部8に装着されたときに、プラテンホルダ12の軸支部12A(図4参照)がテープカセット30と干渉しないように設けられた逃がし部である。
ケース本体38において半円溝42から左に延びる部分を、テープカセット30の前面の一部を構成するアーム前面壁35という。アーム前面壁35と、アーム前面壁35から後方へ離間した位置に高さ方向に亘って設けられたアーム背面壁36とで規定される、ケース本体38の右側から左方に延びる部位が、先述のアーム部34である。アーム前面壁35の左端部は、後方へ向かって屈曲しており、アーム前面壁35およびアーム背面壁36の左端の間に形成される上下方向に延びる隙間が、先述の排出口34Aである。アーム部34では、テープユニット500から引き出された印字テープ55が案内されて、排出口34Aから露出部77に向けて排出される。露出部77は、排出口34Aとテープ排出部49との間に形成された、印字テープ55の露出部位である。
アーム前面壁35には、アーム前面壁35の上辺から下方に向けて切り欠かれた形状を有する凹部である識別用開口部35Aが設けられている。識別用開口部35Aは、排出口34Aのやや右側から半円溝42のやや左側に亘って、ケース本体38の下板(つまり、下壁面86)から上方に向けて形成されている。識別用開口部35Aには、下壁面86の前端部から後方に切り欠かれた切欠部35Bが形成されている。ケース本体38にテープユニット500が収納されると、後述の先端側前壁525が識別用開口部35Aに嵌め込まれるが、詳細は後述する。
アーム背面壁36と、アーム背面壁36の後方に設けられた周壁面とによって囲まれた、テープカセット30を上下方向に貫通する平面視略長方形状の空間が、先述のヘッド挿入部39である。ヘッド挿入部39は、テープカセット30の前面に設けられた開口である露出部77によって、テープカセット30の前面で外部とつながっている。露出部77では、アーム部34の排出口34Aから排出された印字テープ55の一面が前方に露出され、且つその他面が後方のサーマルヘッド10に対向する。サーマルヘッド10は、露出部77で露出する印字テープ55に印字可能である。
ヘッド挿入部39の右端部には、平面視でヘッド挿入部39から右方向に凹み、上下方向に貫通する逃がし部50が形成されている。逃がし部50は、ヘッド挿入部39にヘッドホルダ74が挿入された場合に、ヘッドホルダ74の右端部(詳細には、カセット支持部741)をケース本体38に接触しないように上方に逃がす部位である。
ヘッド挿入部39の背後には、後述の弾性係止フック体33Cが係止される係止長孔139が設けられている。ケース本体38の後壁38Aの両側位置には、後述の係止爪33Bがそれぞれ係止される一対の係止孔134が穿設されている。さらに、ヘッド挿入部39とケース本体38の左側壁との間には、先述のテープ駆動ローラ46を回転自在に支持するローラ支持孔64が形成されている。
図15に示すように、ローラ支持孔64は、上下方向に対向して設けられた2つの開口部64A、64Bを含む。開口部64Aは、補助カバー体51(すなわち、上壁面85)に形成されている。開口部64Bは、ケース本体38の底壁(すなわち、下壁面86)に形成されている。開口部64A,64Bの各近傍位置には、カセットケース31の前端縁に沿って、先述の規制部材63がそれぞれ対向する方向に突設されている。一対の規制部材63の基端の間隔幅は、印字テープ55のテープ幅と同一に設定されている。
テープ駆動ローラ46は、カセットケース31の幅長(つまり、上下方向の長さ)とほぼ等しい高さを有する円筒体である。テープ駆動ローラ46の本体部46Eは、開口部64A,64Bよりも径が大きく、その外周面が印字媒体に当接するローラ面46Cである。ローラ面46Cの上下方向長さ(つまり、テープ送り幅)は、印字媒体のテープ幅と同一に設定されている。テープ駆動ローラ46の本体部46Eから上下方向にそれぞれ突出する上端部46Aおよび下端部46Bは、それぞれ開口部64A,64Bよりも径が若干小さい。テープ駆動ローラ46の内部では、本体部46Eを上下方向に貫通する軸孔46Dを介して両端部46A,46Bが連通する。
カセットケース31の内部では、上端部46Aが開口部64Aに嵌合され、且つ、下端部46Bが開口部64Bに嵌合されている。本体部46Eは、補助カバー体51に下方から当接して上方向への移動が規制され、ケース本体38に上方から当接して下方向への移動が規制されている。これにより、テープ駆動ローラ46は、両端部46A,46Bにて支持されつつ、カセットケース31内で軸線中心に回転自在となる。
テープ駆動ローラ46の内周面(つまり、軸孔46Dを形成する内壁)には、その下端側に複数の係合リブ46F(図26参照)が設けられている。テープカセット30がカセット装着部8に装着されると、先述のテープ駆動軸100が開口部64Bを介して軸孔46Dに挿入される。テープ駆動ローラ46に設けられた複数の係合リブ46Fに、テープ駆動軸100の周囲に形成された複数のカム部材100Aが噛み合う。これにより、テープ駆動軸100の回転がテープ駆動ローラ46に伝達される(つまり、テープ駆動軸100の回転に伴ってテープ駆動ローラ46が回転する)。
図14に示すように、ケース本体38の左後部には、後述のテープユニット500が備えるテープスプール40が収納されるテープ収納部141が設けられている。テープ収納部141は、ケース本体38にカセット蓋33が装着された状態で、後述のテープスプール40が回転可能に収納される深さを有する。テープ収納部141の深さは、テープユニット500が備えるテープの幅に応じて異なる。
ケース本体38の右部には、後述のテープユニット500が備えるテープホルダ510が収納されるホルダ収納部142が設けられている。ホルダ収納部142は、テープ収納部141およびアーム部34と同程度の深さを有する。ホルダ収納部142は、テープ収納部141と左右方向に連通し、且つ、アーム部34と左右方向に連通する空間である。つまり、テープ収納部141、ホルダ収納部142、アーム部34は、平面方向に連通して上方に開口する一つの空間であって、テープユニット500が収納されるユニット収納部140を形成している。
ケース本体38の底壁(すなわち、下壁面86)を貫通して、テープ用開口部69,開口部67B,第3ガイド形成孔47Cがそれぞれ形成されている。テープ用開口部69は、テープ収納部141の略中心位置に設けられ、先述のテープ支持孔65に対向する孔部である。開口部67Bは、アーム部34の後方に設けられ、先述の巻取支持孔67の一部を構成する孔部である。第3ガイド形成孔47Cは、ケース本体38の右後部に設けられ、先述のガイド孔47の一部を構成する孔部である。テープ用開口部69,開口部67B,第3ガイド形成孔47Cの詳細は、別途後述する。
ケース本体38の底壁(下壁面86)には、テープスプール40に巻回されている印字テープ55の搬送経路を挟んで、一対の角孔144,145が設けられている。テープカセット30がカセット装着部8に装着されると、カセット装着部8内に立設されている発光器と受光器とからなるフォトセンサ(図示外)が一対の角孔144,145に嵌めこまれる。テープ印字の実行時には、テープスプール40から引き出される印字テープ55がフォトセンサ(図示外)によって検知される。
図13、図16〜図18を参照して、テープユニット500について説明する。図13および図16に示すように、テープユニット500は、印字テープ55が巻回されたテープスプール40と、テープスプール40を回転自在に支持するテープホルダ510とを有する。
テープスプール40は、その内部を上下方向に貫通する軸孔40Aが形成された円筒体であり、印字テープ55のテープ幅と略同一の高さ寸法を有する。印字テープ55は、ベーステープの一面に感熱発色層を形成し、他面には粘着剤層を介して剥離紙を貼付した感熱紙テープである。印字テープ55は、感熱発色層を内側にしてテープスプール40の外周面に巻回されている。
テープホルダ510は、平面視でケース本体38のユニット収納部140に略対応する形状を有する合成樹脂製の板状部材である。テープホルダ510は、回転支持部511と、連設部512と、案内部513と、下スプール580とを有する。回転支持部511は、平面視でテープスプール40の軸孔40Aから径外側(図16では右方向)に延び、テープスプール40に巻回された印字テープ55の上側面と対峙して支持する。回転支持部511の左端縁部には、印字テープ55の巻回中心(つまり、軸孔40A)を臨む開口部65Aが形成されている。回転支持部511には、印字テープ55の巻回部における径方向(ここでは、開口部65Aからみた右方向)に延びる観察窓519が形成されている。
図17および図18に示すように、回転支持部511の下面側には、テープスプール40の軸孔40Aに嵌まる凸座部514が下向きに突設されている。凸座部514の外周には、複数の係止孔515が形成されている。下スプール580における鍔部581から上向きに突出する筒部582の内壁面には、複数の係止爪582Aが内向きに突設されている。軸孔40A内に筒部582が挿入され、各係止爪582Aがそれぞれ対応する係止孔515に係止されると、回転支持部511と下スプール580とが連結される。回転支持部511および下スプール580の間隙で、テープスプール40が筒部582を中心に回転自在に保持される。
下スプール580は、上下方向に貫通する軸孔65Bと、軸孔65Bに連通して下方に開口する開口部65Cとを有する。上記のように、印字テープ55が巻回されたテープスプール40を挟んで回転支持部511および下スプール580が連結された状態(つまり、テープユニット500が組み立てられた状態)では、開口部65A,軸孔65B,開口部65Cが上下方向に連通する貫通孔であるテープ支持孔65を形成する。
図13および図16に示すように、連設部512は、回転支持部511の右端部で段差を介して連なり、回転支持部511の右端部から径外側(図16では右側)に延びている。連設部512における左右方向のほぼ中央部には、テープスプール40から引き出された印字テープ55を右前方向に案内する断面略U字状の案内溝512Aが形成されている。連設部512の右端縁部には、先述のガイド孔47の一部を構成する第2ガイド形成孔47Bが上下方向に貫通形成されているが、詳細は後述する。
案内部513は、テープスプール40に支持される印字テープ55の巻回方向(図16では左下方向)に沿って、連設部512から延びている。案内部513の内部では、案内溝512Aを経由した印字テープ55が、テープホルダ510におけるテープ搬送方向の最下流側に設けられた排出口500Aまで案内される。案内部513は、下側案内壁521、前側案内壁522、後側案内壁523、内側案内壁524を含む。
下側案内壁521は、案内部513内で搬送される印字テープ55の下端に対向する壁部であり、案内溝512Aの底面と同一高さで連なっている。下側案内壁521は、テープ搬送方向に沿って、連設部512から左前方向(図16では左下方向)に延びている。下側案内壁521には、テープユニット500がケース本体38の内部に収納された状態で、先述の角孔144と重なる角孔521Aが形成されている。内側案内壁524は、角孔521Aに沿って、印字テープ55のテープ幅に対応する高さで立設された壁部である。
前側案内壁522および後側案内壁523は、下側案内壁521の両縁部に沿って、印字テープ55のテープ幅に対応する高さで立設された壁部である。言い換えると、前側案内壁522および後側案内壁523は、テープスプール40から引き出された印字テープ55の面と平行に、且つ、案内部513における印字テープ55の搬送経路に沿って設けられている。詳細には、前側案内壁522は、テープ支持孔65(図18参照)からみて、下側案内壁521上で案内される印字テープ55よりも径外側に設けられている。後側案内壁523は、テープ支持孔65(図18参照)からみて、下側案内壁521上で案内される印字テープ55よりも径内側に設けられている。なお、後側案内壁523の基部側(図16では上側)は、テープユニット500がケース本体38の内部に収納された状態で、平面視で開口部67Bの輪郭に沿って湾曲する湾曲部523Aである。
前側案内壁522の先端側は、連設部512が延びる方向(図16では左右方向)と平行に延びる先端側前壁525である。後側案内壁523の先端側は、先端側前壁525の後側(図16では上側)で、先端側前壁525と平行に延びる先端側後壁526である。下側案内壁521の先端側は、先端側前壁525と先端側後壁526とに挟まれる先端側下壁527である。つまり、先端側前壁525、先端側後壁526、先端側下壁527は、案内部513におけるテープ搬送方向の下流側に設けられている。先端側前壁525と先端側後壁526の間隔(先端側下壁527の前後方向長さ)は、アーム部34の前後方向長さよりも小さい。先端側前壁525および先端側後壁526の各左端の間に形成される上下方向に延びる隙間が、先述の排出口500Aである。
先端側前壁525は、先述の識別用開口部35Aと略一致する幅(左右方向長さ)と高さ(上下方向長さ)を有する。テープユニット500がケース本体38の内部に収納されると、先端側前壁525は識別用開口部35Aに嵌め込まれて、アーム前面壁35と共にカセットケース31の前面の一部を構成する。先端側前壁525には、アーム指標部800および係止孔820が設けられているが、詳細は後述する。
テープスプール40から引き出された印字テープ55は、先述の案内溝512Aから右前方向(図16では右下方向)に搬送されて、前側案内壁522と内側案内壁524との間に案内される。印字テープ55は、内側案内壁524の右壁に沿って移動したのち左前方向に搬送されて、先端側前壁525と先端側後壁526との間に案内される。印字テープ55は、先端側後壁526の右端壁に沿って移動したのち、左方向に搬送されて排出口500Aから排出される。案内部513の先端側には、印字テープ55の幅方向への移動を規制する下規制部528および上規制部530が設けられている。
下規制部528は、先端側下壁527の左右方向の略中央位置で上方へ僅かに突出した、先端側前壁525と先端側後壁526に亘って前後方向に延びる突条である。上規制部530は、先端側後壁526の左端部上端に設けられ、先端側後壁526から前方に向かって突出する突出片である。下規制部528および上規制部530は、先端側前壁525と先端側後壁526との間を案内される印字テープ55の下方向および上方向の移動をそれぞれ規制する。下規制部528と上規制部530との上下方向の距離は、印字テープ55の幅と同一である。
下側案内壁521には、テープカセット30がテープ印字装置1に装着される際の上下方向の位置決めに使用される支持受け部550が設けられている。具体的には、支持受け部550は、テープユニット500がケース本体38の内部に収納された状態で、先述の逃がし部50(図14参照)と重なる位置に形成されている。支持受け部550は、下側案内壁521を上方に向かって凹ませた凹部であり、且つ、後側案内壁523から右方向に凹んでいる。
支持受け部550は、下側案内壁521より上方に位置する平面部(凹部の底部分)である支持面550Aを有する。テープホルダ510の上下方向(高さ方向)における支持面550Aの位置と、カセットケース31に収納される印字テープ55の幅方向中心位置との間の距離は、テープカセット30のテープ種類にかかわらず、つまりテープホルダ510の上下方向の高さが異なっていても一定である。よって、テープカセット30に収納される印字テープ55の幅が大きいほど、下側案内壁521からみた支持受け部550の深さは大きくなる。なお、支持面550Aは、印字テープ55の幅方向中心位置から上下方向に同一の距離だけ離れた位置にある。つまり、支持面550Aは、テープホルダ510において同一の高さ位置にある。本実施形態では、印字テープ55の幅方向中心位置と、テープホルダ510の上下方向中心位置とは一致している。
支持面550Aは、テープカセット30がカセット装着部8に装着された場合、ヘッドホルダ74に設けられたカセット支持部741によって下方から支持される部位としても機能する。また、支持面550Aは、テープホルダ510における基準面である。基準面とは、ある部位の寸法設定や寸法測定の際に基準として用いられる面である。本実施形態では、支持面550Aは、印字テープ55の幅方向への移動を規制する規制部(下規制部528および上規制部530)に対する基準面として設けられている。
言い換えると、下規制部528および上規制部530は、支持面550Aを基準面として、テープホルダ510の上下方向における高さ位置が設定されている。より詳細には、下規制部528の突出端(上端)と支持面550Aとの上下方向の距離、および上規制部530の下端と支持面550Aとの上下方向の距離は、テープの幅に応じて設定されている。これらの規制部は、基準面である支持面550Aと近接した位置にある。
規制部の寸法設定や、製造後の寸法測定を行う際に従来使用されていた基準位置(例えば、ピン孔52、53の底部)は、規制部とは離れた位置にあったため、両者を成形する金型の駒が異なる場合がある。このような場合、基準位置の駒が遠くなるほど、製造されたテープホルダ510の規制部の寸法誤差が大きくなる。同一の駒で形成できたとしても、基準位置と規制部とが離れた位置にある場合には、測定誤差もあり、寸法精度が低くなる。本実施形態のように、規制部と基準面の距離をより近くすれば測定誤差が少なくなり、両者を同じ駒で成形できる可能性が高くなる。
加えて、テープユニット500の製造後には、支持面550Aを基準として、各規制部の寸法管理を容易に行うことができる。例えば、テープユニット500の検品時には、基準面である支持面550Aを治具の載置面に載置して各規制部の寸法測定が行われる。この際、各規制部と基準面との距離が従来よりも近いので、検査員は、正確に寸法を測定できる。
また、支持面550Aは、テープスプール40に保持されたテープの幅方向中心位置から上下方向に一定の距離をおいて設けられている。したがって、支持面550Aの上下方向位置に対するテープの上下方向位置がより明確になり、テープの搬送精度がさらに向上する。さらに、本実施形態では、テープの幅方向中心位置と支持面550Aとの距離は、テープの幅によらず一定である。したがって、異なるテープ幅を有するテープが収納された複数種類のテープユニット500について、支持面550Aの位置を統一的な基準とすることができ、テープホルダ510の寸法測定や部品の管理が容易となる。
図11〜図13を参照して、カセット蓋33について説明する。カセット蓋33は、ケース本体38のうちでヘッド挿入部39よりも後方を占める部位とほぼ同一の形状および大きさを有する矩形状の板状部材である。カセット蓋33の後縁における左右両側位置には、一対の係止爪33Bが下向きに突設されている。カセット蓋33の前縁における左右方向の略中央位置には、上板部33Aから下向きに延設された、側面視で略U字状の弾性係止フック体33Cが設けられている。弾性係止フック体33Cの先端側には、上方に湾曲された摘み部が形成されている。
カセット蓋33には、上板部33Aを上下方向に貫通して、支持開口68,開口部67A,第1ガイド形成孔47A等が形成されている。支持開口68は、先述のテープ収納部141に対向する位置に設けられ、先述の回転支持部511と対応する形状を有する開口部である。開口部67Aは、カセット蓋33の前部に設けられ、先述の巻取支持孔67の一部を構成する孔部である。第1ガイド形成孔47Aは、カセット蓋33の右後部に設けられ、先述のガイド孔47の一部を構成する孔部である。支持開口68,開口部67A,第1ガイド形成孔47Aの詳細は、別途後述する。
図13に示すように、テープカセット30の組み付け時には、ケース本体38のユニット収納部140にテープユニット500が上方から収納される。これにより、図5および図6に示すように、テープ収納部141にテープスプール40が収納され、且つ、ホルダ収納部142にテープホルダ510が収納される。ケース本体38の角孔144は、テープホルダ510の角孔521Aと上下方向に連通する。ケース本体38の開口部67Bは、テープホルダ510の湾曲部523Aによって被覆されることなく上方に露出する。
さらに、図19に示すように、案内部513(図13参照)の先端側(先端側前壁525、先端側後壁526、先端側下壁527)は、アーム部34の内部に収納され、且つ、先端側前壁525がケース本体38の識別用開口部35Aに上方から嵌め込まれる。これにより、先端側前壁525に設けられたアーム指標部800および係止孔820が、ケース本体38(詳細には、アーム部34)の内部から前方に露出する。
図12に示すように、ケース本体38にテープユニット500が収納された状態では、テープユニット500のテープ支持孔65(図18参照)が、テープ用開口部69を介してテープカセット30の下方に露出する。テープホルダ510の支持面550Aが、ケース本体38の逃がし部50を介して下方に露出する。なお、テープカセット30がカセット装着部8に装着されると、支持面550Aはヘッド挿入部39の外周上に位置してヘッド挿入部39を臨む。具体的には、支持面550Aは、サーマルヘッド10(図5および図6参照)の挿入位置(より詳細には、印字位置)を基準として、テープ搬送方向の上流側に位置する。
テープカセット30は、テープユニット500が収納されたケース本体38に、カセット蓋33が取り付けられて組み立てられる。これにより、図3および図13に示すように、カセット蓋33の開口部67Aとケース本体38の開口部67Bとが対向して、カセットケース31を上下方向に貫通する巻取支持孔67が形成される。テープユニット500の回転支持部511がカセット蓋33の支持開口68に嵌め込まれる。支持開口68を介して、観察窓519がテープカセット30の上方から目視可能に露出する。図20に示すように、カセット蓋33の第1ガイド形成孔47Aと、テープユニット500の第2ガイド形成孔47Bと、ケース本体38の第3ガイド形成孔47Cとが連通して、カセットケース31を上下方向に貫通するガイド孔47が形成される。
図19および図21を参照して、アーム指標部800および係止孔820の詳細について説明する。アーム指標部800は、先述の検出スイッチ210にそれぞれ対応する位置に、非押圧部801および押圧部802のいずれかを含む。非押圧部801は、先端側前壁525の下端縁に沿って形成される場合を除き、スイッチ端子222を挿脱可能な正面視縦長長方形状のスイッチ孔である。押圧部802は、スイッチ端子222を挿脱不可能な面部である。本実施形態のアーム指標部800は、5つの検出スイッチ210に対応する5箇所の位置に、非押圧部801および押圧部802のいずれかを有する。
非押圧部801と押圧部802とは、テープカセット30のテープ種類に応じた特定のパターンで配置される。係止孔820は、先端側前壁525の右上方に設けられた、平面視横長長方形状の貫通孔である。以下では、非押圧部801および押圧部802を総称する場合、または何れかを特定しない場合には、単に指標部という。
アーム指標部800は、指標部として少なくとも1つの孔部(本実施形態では、非押圧部801)を含み、テープ種類を示すものであればよい。本実施形態では、テープユニット500の前側案内壁522(詳細には、先端側前壁525)に、アーム指標部800が設けられる。このように、印字テープ55を案内する壁部(本実施形態では先端側前壁525)にアーム指標部800を設けたことにより、テープユニット500はアーム指標部800を設けるための専用部品を備える必要がない。
アーム指標部800の指標部(非押圧部801および押圧部802)の少なくとも一部は、先端側前壁525において所定の高さT1の範囲内に設けられる。より好適には、指標部(非押圧部801および押圧部802)の少なくとも一部は、先端側前壁525における、カセットケース31の上下(高さ)方向における中心線Nを中心とした上下方向に対称な共通指標部831内に設けられる。
所定の高さT1は、複数の異なる高さを有するテープカセット30のうち、最小高さを有するテープカセット30の高さ寸法である。先端側前壁525における所定高さT1の範囲内にある領域を、共通指標部831という。なお、カセットケース31の高さ寸法が所定の高さT1よりも大きい幅広カセットでは、共通指標部831の上方および下方の少なくともいずれかに、さらに指標部が設けられていてもよい。
本実施形態のアーム指標部800は、共通指標部831内に設けられた5つの指標部800A〜800Eを含む。5つの指標部800A〜800Eは、共通指標部831の高さT1の範囲内に3列で設けられ、且つ、各指標部の左右方向の位置はそれぞれ異なっている。つまり、5つの指標部800A〜800Eは、上下方向に重ならないようにジグザグに配置されている。よって、各指標部800A〜800Eを結ぶ線は、テープカセット30の着脱方向(つまり、上下方向)と交差する。
より具体的には、共通指標部831には、左側から右側に向けて、非押圧部801、押圧部802、押圧部802、押圧部802、非押圧部801の順に、5つの指標部800A〜800Eがほぼ等間隔に並ぶ。これら5つの指標部800A〜800Eは、共通指標部831にて3列で並ぶ。左側から2番目と4番目の指標部800B、800Dが上列を構成し、左側から1番目と3番目の指標部800A、800Cが中列を構成し、左側から5番目の指標部800Eが下列を構成する。本実施形態の指標部800Eは、先端側前壁525の下端縁に沿って形成された非押圧部801である。従って、指標部800Eに対応する非押圧部801は、他の非押圧部801(指標部800A)と比べて上下方向長さが小さく、正面視で略正方形状の切欠部である。
係止孔820は、先述の係止片225に対応する位置に設けられた、平面視で左右方向に長い長方形状の貫通孔である。本実施形態の係止孔820は、アーム指標部800のすべての指標部よりも上方に設けられ、且つ、最も右側に位置する指標部(図21の例では、最下列の非押圧部801)とほぼ同じ左右方向位置から右方向に延びている。
アーム指標部800の指標部(非押圧部801および押圧部802)の配置パターンは、テープ種類に応じた所定の規則に基づいている。具体的には、指標部800A、800B、800Eは、それぞれ非押圧部801および押圧部802の組み合わせによって、テープカセット30に収納されるテープの幅(例えば、3.5mm〜36mmまでの7種類)を示す。指標部800Cは、非押圧部801および押圧部802のいずれであるかによって、テープカセット30に収納されるテープの印字態様(例えば、正像印字または鏡像印字)を示す。指標部800Dは、非押圧部801および押圧部802のいずれであるかによって、テープカセット30に収納されるテープの色情報(例えば、印字色が黒または黒以外の色)を示す。このように、アーム指標部800の指標部をテープ種類に応じた所定の規則性に従って配設することで、人間がアーム指標部800を目視してテープ種類を認識できる。
本実施形態のテープユニット500では、テープスプール40の軸孔40Aからみた径外側に位置する先端側前壁525に、アーム指標部800が設けられている。従って、例えばテープユニット500の製造時において、テープホルダ510にテープスプール40を組み付ける前に、アーム指標部800が示すテープ種類を確認することで、作業者はテープホルダ510に組み付けるべきテープの種類を認識できる。さらに、先端側前壁525は排出口500Aと隣接しているため、作業者は排出口500Aから引き出されるテープをアーム指標部800と同時に目視可能である。従って、テープホルダ510にテープスプール40が組み付けられたのちに、作業者は排出口500Aから引き出したテープの種類が、アーム指標部800が示すテープ種類と一致するか否かを照合することができる。
本実施形態のテープカセット30では、テープユニット500がケース本体38に収納されると、識別用開口部35Aに先端側前壁525が嵌め込まれる。従って、例えばテープカセット30の製造時において、ケース本体38にテープユニット500を収納する前に、アーム指標部800が示すテープ種類を確認することで、作業者はテープホルダ510に組み付けられているテープの種類を認識できる。さらに、識別用開口部35Aは排出口34Aと隣接しているため、ユーザは排出口34Aから引き出されるテープをアーム指標部800と同時に目視可能である。従って、テープユニット500がケース本体38に収納されたのちに、作業者は排出口34Aから引き出したテープの種類が、アーム指標部800が示すテープ種類と一致するか否かを照合することができる。
ユーザがケース本体38に収納されているテープユニット500を交換する場合も同様である。すなわち、ケース本体38に収納されているテープユニット500を交換する前に、ユーザは新たなテープホルダ510に組み付けられているテープの種類を、アーム指標部800を参照して認識できる。テープユニット500がケース本体38に収納されたのち、ユーザは排出口34Aから引き出したテープの種類が、アーム指標部800が示すテープ種類と一致するか否かを照合することができる。以上のように、テープユニット500にアーム指標部800を設けることで、カセットケース31内に誤った種類のテープが収納されることを抑制できる。
ところで、アーム指標部800の上下方向長さが所定幅よりも小さい場合、複数の指標部800A〜800Eのうちで最も下方に設けられた指標部800Eは、他の指標部800A〜800Dよりも上下方向長さが小さくなることがある。すると、指標部800Eが非押圧部801であるにも係わらず、指標部800Eに対向する検出スイッチ210のスイッチ端子222が、ケース本体38の下板(つまり、下壁面86)に接触してしまい、誤ってオン状態となるおそれがある。
本実施形態では、指標部800Eが非押圧部801である場合は、先端側前壁525が識別用開口部35Aに装着されると、この非押圧部801が識別用開口部35Aに形成されている切欠部35Bと上下方向に連通する(図19及び図21参照)。これにより、指標部800Eの上下方向長さが他の指標部800A〜800Dよりも小さい場合でも、指標部800Eに対向する検出スイッチ210が下壁面86に接触することなく、非押圧部801内に適切に挿入される。
一方、アーム指標部800の上下方向長さが所定幅よりも大きい場合は、指標部800Eは他の指標部800A〜800Dと同じ上下方向長さを有する。したがって、指標部800Eが非押圧部801である場合には、他の指標部800A〜800Dが非押圧部801である場合と同様に、テープカセット30の前面にのみ開口した孔部とすることができる。
本実施形態のテープカセット30に設けられた各部の位置関係について、図11および図12を参照して説明する。図11および図12における二点鎖線は、後述する分割線Kを示している。
ローラ支持孔64は、テープカセット30における左前方に位置する第4角部324を含む第1孔形成領域30Aに形成されている。第1孔形成領域30Aは、テープカセット30の前部中央に設けられたヘッド挿入部39の左側に隣接している。言い換えると、第1孔形成領域30Aはヘッド挿入部39からみたテープ搬送方向の下流側に位置している。そのため、テープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着されると、第1孔形成領域30Aに含まれる第4角部324が先述の第1軸設置領域8C(図4参照)に対向する。
ガイド孔47は、テープカセット30における右後方に位置する第2角部322を含む第2孔形成領域30Bに形成されている。つまり、テープカセット30を平面視した場合に、第2孔形成領域30Bは第1孔形成領域30Aの対角に位置している。そのため、テープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着されると、第2孔形成領域30Bに含まれる第2角部322が先述の第2軸設置領域8D(図4参照)に対向する。
ローラ支持孔64とガイド孔47とを平面視で結ぶ分割線Kを基準としてテープカセット30を平面視で分割した場合に、分割線Kよりも後側を占めるのが第1収納領域30Cであり、分割線Kよりも前側を占めるのが第2収納領域30Dである。テープ支持孔65は、平面視で三角形状である第1収納領域30Cの重心(つまり、第1収納領域30Cを形成する3辺の中線を結ぶ交点)またはその近傍に形成される。巻取支持孔67は、平面視で三角形状である第2収納領域30Dの重心(つまり、第2収納領域30Dを形成する3辺の中線を結ぶ交点)またはその近傍に形成される。ここでは、テープ支持孔65および巻取支持孔67は、平面視で分割線Kを中心としてほぼ対称に位置している。
上記のような位置関係によって、本実施形態に係るテープカセット30の重量バランスは次のようになる。先述したようにテープ支持孔65では、テープカセット30の内部でテープスプール40が回転支持されている。これは、少なくともテープスプール40の回転中心(つまり、軸孔40A)が、平面視で第1収納領域30Cの範囲内に設けられていることを意味する。言い換えると、テープスプール40に巻回されている印字テープ55の重心が、平面視で第1収納領域30Cの範囲内に位置していることを意味する。
本実施形態のテープカセット30は、他の印字媒体やインクリボンを備えていないため、印字テープ55の重心が位置する第1収納領域30Cのほうが第2収納領域30Dよりも重量が大きい。このような重量バランスを有するテープカセット30を、例えばユーザが左右両端の側壁87を指で挟持すると、分割線Kを回転中心として第1収納領域30C側が下方傾斜しやすい。
しかしながら、テープカセット30がカセット装着部8に装着される場合には、カセット装着部8に立設された3つの案内軸(テープ駆動軸100、ガイド軸120、補助軸110)がテープカセット30に設けられた3つの案内孔(ローラ支持孔64、ガイド孔47、テープ支持孔65)にそれぞれ挿入される。テープカセット30は、各案内孔に挿入された各案内軸に沿って、カセット装着部8の適正位置に案内される。
以下では、本実施形態における、カセット装着部8に対するテープカセット30の着脱態様について、図22〜図27を参照して説明する。図22〜図24では、テープカセット30の右側面を示しているが、理解を容易にするためにテープカセット30の着脱に関する孔部のみを仮想線(二点鎖線)で示している。また、カセット装着部8を右側からみた概略断面を示しているが、理解を容易にするためにテープカセット30の着脱に関する部材のみを図示している。ただし、図24では、ガイド孔47およびその近傍を右側面視での断面図として表している。
まず、カセット装着部8に立設された各部材の高さ関係について説明する。ヘッドホルダ74、テープ駆動軸100、リボン巻取軸95、補助軸110、ガイド軸120は、少なくとも共通部32の高さ寸法よりも大きな軸長(上下方向長さ)を有する。このうち、3つの案内軸(テープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120)は、それぞれの軸長が略等しい。テープ駆動軸100、補助軸110およびガイド軸120の各軸長は、リボン巻取軸95の軸長およびヘッドホルダ74の縦サイズよりも大きい。そのため、ヘッドホルダ74、テープ駆動軸100、リボン巻取軸95、補助軸110が立設された状態では、キャビティ8Aの底面の高さ位置を基準として、テープ駆動軸100および補助軸110の上端における高さ位置が最も大きく、次いでヘッドホルダ74の上端における高さ位置が大きく、リボン巻取軸95の上端における高さ位置が最も小さい。リボン巻取軸95の上端における高さ位置は、ヘッドホルダ74に固着されているサーマルヘッド10の上端における高さ位置とほぼ等しい。
先述したようにガイド軸120は、キャビティ8Aよりも上方に位置する角支持部8B上に立設されている。ガイド軸120の上端は、ヘッドホルダ74、テープ駆動軸100、リボン巻取軸95、補助軸110のいずれの上端よりも高さ位置が大きい。テープ駆動軸100および補助軸110の各上端からガイド軸120の上端までの高さ寸法(上下方向長さ)は、テープカセット30の下壁面86から共通部32の下面までの高さ寸法(上下方向長さ)にほぼ等しい。つまり、ガイド軸120は、テープカセット30の厚みが共通部32の段差形状によって小さくなっている分だけ、テープ駆動軸100および補助軸110の高さ位置よりも上方に延びている。
図22に示すように、ユーザがテープカセット30をカセット装着部8に装着する場合は、ローラ支持孔64、テープ支持孔65、ガイド孔47をそれぞれテープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120に対して平面視での相対位置をほぼ一致させ、上壁面85および下壁面86を略水平に維持しつつ垂直に嵌め込む。テープカセット30がカセット装着部8に向けて下方に移動すると、図23に示すようにテープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120の各上端が、テープカセット30の下壁面86に設けられた開口部64B、テープ用開口部69(つまり、開口部65C)、第3ガイド形成孔47Cにほぼ同時にそれぞれ進入する。一方、ヘッドホルダ74およびリボン巻取軸95は、それぞれの上端が下壁面86の下方に位置している状態であるため、テープカセット30の内部に進入していない。
本実施形態のテープ用開口部69は、底面視でテープ支持孔65(詳細には、軸孔65B)を内包する形状および大きさを有している(図27参照)。これにより、軸孔65Bとテープ用開口部69との平面位置が多少異なる場合でも、テープ用開口部69を介して軸孔65Bが下方に露出する。従って、カセットケース31内でテープユニット500の振動や傾斜が生じた場合でも、ユーザはテープ用開口部69を介して軸孔65B内に補助軸110を挿入することができる。
図23に示す状態から、テープカセット30をさらに下方に移動させると、テープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120はそれぞれ開口部64B、開口部65C、第3ガイド形成孔47Cを介して、軸孔46D、軸孔65B、第2ガイド形成孔47Bに下方から挿入される。軸孔46D、軸孔65B、第2ガイド形成孔47Bの内部では、それぞれに挿入されたテープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120が内壁によって周方向への移動が規制され、その立設方向(つまり、上下方向)に沿って摺動可能な状態となる。言い換えると、テープカセット30は、ローラ支持孔64、テープ支持孔65、ガイド孔47にそれぞれ挿入されるテープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120の立設方向に沿って案内されつつ、自重の作用も加わって下方に移動する。
先述したようにガイド孔47は、ガイド軸120の先端部(先述の小径軸部120B)の軸径よりも開口幅が大きく、特に前後方向の開口幅よりも左右方向の開口幅が大きい。そのため、テープカセット30の装着時には、ガイド軸120に対する平面視でのガイド孔47の相対位置が若干左右方向にずれていても、ユーザはガイド孔47にガイド軸120を挿入可能である。これにより、カセット装着部8に設けられた3つの案内軸の全てに対してテープカセット30の対応する各孔部を正確に位置決めする必要がなくなり、テープカセット30の装着時におけるユーザの負担が軽減される。また、テープカセット30の製造時において、ローラ支持孔64およびガイド孔47との寸法幅を、テープ駆動軸100とガイド軸120との寸法幅と完全一致させるためには、作業者に高度な寸法精度が要求される。その点、ガイド孔47に左右方向の遊びを形成することで、ガイド孔47を形成する寸法精度の僅かな誤差が許容され、テープカセット30の製造時の負担も軽減される。
図24に示すように、テープカセット30がテープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120に沿って下方に案内されるのに伴って、サーマルヘッド10を備えたヘッドホルダ74がヘッド挿入部39に下方から挿入され、リボン巻取軸95が開口部67Bに下方から進入する。また、ガイド軸120の小径軸部120Bが挿入されたガイド孔47は、テーパ部120Cに沿って下方に案内されて、先述の大径軸部120Aに嵌め込まれる。先述したように、大径軸部120Aの軸径はガイド孔47の開口幅に略等しいため、大径軸部120Aはガイド孔47の前後方向から緊密に係止される。なお、図示しないが、位置決めピン102、103がそれぞれピン孔52、53に挿入される。これにより、テープカセット30の前後左右方向への移動が規制される。
テープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着されると、カセット装着部8の角支持部8Bがカセットケース31の各角部321〜324の下面に対向して、テープカセット30を支持する。これにより、カセット装着部8に装着されたテープカセット30は、下方向への移動が規制される。
図25に示すように、ヘッドホルダ74のカセット支持部741が、ケース本体38に設けられた逃がし部50(図12参照)を介して、テープホルダ510に設けられた支持面550Aに下方から当接する。これにより、カセット装着部8に装着されたテープカセット30は、印字を行うサーマルヘッド10に近接した位置で、下方向への移動が規制される。
さらに、テープカセット30は、サーマルヘッド10の上下方向中心位置の基準となるカセット支持部741によって、基準面である支持面550Aが下方から支持された状態で維持される。従って、サーマルヘッド10による上下方向の印字中心位置と印字テープ55の幅方向中心位置を精度よく一致させることができる。
カセット支持部741は、支持面550Aを下方から支持して、ケース本体38に収納されているテープユニット500の上下方向の移動を直接規制する。テープユニット500は、印字テープ55を保持するテープスプール40が回転自在に設けられ、且つ、印字テープ55の搬送経路の一部を含むテープホルダ510を有する。そのため、印字テープ55の引き出しおよび搬送を安定させて、印字テープ55の幅方向中心位置を一定にすることができる。
テープカセット30がカセット支持部741によって支持された状態では、テープカセット30の上下方向(高さ方向)における支持面550Aと、カセットケース31に収納された印字テープ55の上下方向中心位置(カセットケース31の上下方向中心線)Nとの距離Hは、テープカセット30のテープ種類に関わらず一定である。これにより、同一のテープ印字装置1で高さの異なる複数種類のテープカセット30を使用することができる。幅が異なるテープであっても、テープ幅方向の中心が一致する位置で搬送することで、テープ幅方向で中心に一致していないときにテープ幅方向でのテープへの圧力差によって生じる蛇行を防止することができる。
さらに、本実施形態では、テープカセット30のテープ種類に係わらず、下規制部528(図16参照)と中心線Nとの距離H1と、上規制部530(図16参照)と中心線Nとの距離H2とは等しく設定されている。この場合、テープカセット30に対する下方からの支持と上方からの押圧のバランスがよい。そのため、サーマルヘッド10による上下方向の印字中心位置と、印字テープ55の幅方向中心位置との適切な位置関係を維持することができる。
なお、サーマルヘッド10による印字は、テープ搬送方向と直交する方向(ここでは、テープカセット30の前後方向)に沿って行われる。そのため、テープに対する印字位置のズレを防止するためには、テープカセット30の前後方向および上下方向の装着位置が正確に規定されることが好適である。逆に、テープカセット30の装着位置がテープ搬送方向(ここでは、テープカセット30の左右方向)に沿って多少ズレが生じたとしても、印字品質に大きな影響を与えない。本実施形態のガイド孔47は、ガイド軸120が挿入されると大径軸部120Aに対して左右方向に若干の遊びを生じるため、印字品質を犠牲にすることなくテープカセット30の着脱をスムーズにすることができる。
このように、本実施形態では、テープカセット30が3つの案内軸(テープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120)によってカセット装着部8の適正位置まで案内される。テープカセット30は、ガイド軸120および位置決めピン102、103によって適正な平面位置に位置決めされ、且つ、カセット支持部741および角支持部8Bによって適正な高さ位置に位置決めされる。テープカセット30が適正位置に位置決めされた状態では、平面視で分割線Jと分割線Kとが略一致する(図5、図6参照)。
この状態では、図26に示すように、テープ駆動軸100がテープ駆動ローラ46に対して軸ズレを生じることなく適切に嵌挿され、カム部材100Aが係合リブ46Fに適正に噛み合う。図5および図6に示すように、ヘッドホルダ74に設けられたサーマルヘッド10が、ヘッド挿入部39の適正な印字位置に配置される。そのため、テープ印字装置1では、印字テープ55の走行不良や印字不良が発生するおそれが大幅に低減され、適正な印字を実行することが可能である。
テープカセット30をカセット装着部8から取り外す場合は、例えばユーザが左右両端の側壁87を指で挟持しながら、テープカセット30をカセット装着部8から上方に引き抜けばよい。このときも、テープカセット30が3つの案内軸(テープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120)によって上方向に案内される。よって、テープカセット30をカセット装着部8から取り外す過程で、テープカセット30に傾きが生じてカセット装着部8の内壁等に引っ掛かるおそれが防止される。
先述のように、本実施形態のテープカセット30は、第1収納領域30C側が下方傾斜しやすい重量バランスを有する。しかしながら、第1収納領域30Cには、印字テープ55の重心を貫通するテープ支持孔65が設けられている。テープ印字装置1には、テープ支持孔65に挿入される補助軸110が設けられている。テープカセット30の着脱時には、カセット装着部8の内部で浮きや傾きが生じやすい第1収納領域30Cが、テープ支持孔65に挿入される補助軸110によって上下方向に案内される。そのため、テープカセット30の装着時において、第1収納領域30Cが下方傾斜することに起因するテープカセット30の浮きや傾きの発生が抑制される。
リフィルタイプのテープカセット30では、その着脱時にカセットケース31内でテープユニット500の振動や変位等が生じると、テープカセット30の重量バランスが安定せずに浮きや傾きを生じるおそれがある。その点、テープカセット30の着脱時には、テープユニット500の一端側に設けられたテープ支持孔65に補助軸110が挿入され、テープユニット500の他端側に設けられたガイド孔47にガイド軸120が挿入される。つまり、カセットケース31内では、テープユニット500が長手方向の両端側で補助軸110およびガイド軸120に沿って案内される。そのため、テープカセット30の着脱時におけるテープユニット500の振動や変位等が抑制されて、テープカセット30の重量バランスを安定させることができる。
図27に示すように、テープカセット30がカセット装着部8に装着されたのちも、テープユニット500の一端側は、テープ支持孔65に挿入されている補助軸110によって前後左右方向への変位が規制される。テープユニット500の他端側は、ガイド孔47に挿入されているガイド軸120によって前後左右方向への変位が規制される(図24参照)。つまり、テープカセット30内に収納されたテープユニット500は、補助軸110およびガイド軸120によって、その長手方向の両端側で適正な平面位置に保持される。
そのため、例えばテープ印字装置1の印字実行時に振動が発生した場合でも、その振動がテープカセット30に収納されたテープユニット500に与える影響が抑制されて、印字テープ55の引き出しや搬送を安定的に行うことができる。さらに、テープユニット500の両端間に、印字テープ55の搬送経路(案内溝512Aおよび案内部513)が設けられている。そのため、例えばテープカセット30の着脱時において、印字テープ55の搬送経路に対する振動や傾斜を抑制することができる。
テープカセット30は、平面視でテープカセット30の一対の対角部(具体的には、ローラ支持孔64およびガイド孔47)と印字テープ55の重心位置(具体的には、テープ支持孔65)との3点において上下方向に案内される。そのため、カセット装着部8に装着される過程で、テープカセット30に位置ズレや傾きが生じることが適切に防止される。なお、テープカセット30の全体の重心が、平面視でローラ支持孔64、テープ支持孔65、ガイド孔47を結ぶ領域内に位置することが好適である。これによれば、平面視でテープカセット30が案内される3点(すなわち、テープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120)に、テープカセット30の自重が均等に分散して作用する。そして、テープカセット30の着脱方向への移動がスムーズになり、且つ、テープカセット30が装着される過程での位置ズレや傾きの発生がより確実に防止される。
また、ローラ支持孔64が設けられた左前方の角部324と、その対角に位置してガイド孔47が設けられた右後方の角部322との少なくとも2点において、テープカセット30の着脱が案内される。角部324およびその近傍では、テープ駆動ローラ46によるテープ送り出しが行われ、且つ、サーマルヘッド10による印字が行われる。角部324の近傍に位置する露出部77では、カセットケース31から印字テープ55が外部に露出している。そのため、角部324におけるテープカセット30の位置決めが、印字品質やテープ走行に大きな影響を与える。また、テープの送り出しを行うためには、テープ駆動ローラ46を回転させるテープ駆動軸100が必須となる。
本実施形態では、テープカセット30がローラ支持孔64(つまり、テープ駆動ローラ46)に挿入されるテープ駆動軸100に沿って着脱方向に案内されるため、角部324の近傍でテープカセット30の位置決めを正確に行うことができる。また、テープカセット30の装着過程で外部に露出したテープが他の部材に絡んでしまうこと(いわゆる、ジャムの発生)を抑制できる。また、テープ駆動軸100を案内軸の一つとして利用することで、角部324を案内する軸体を別途立設する必要がなく、テープ印字装置1の構造を簡素化することができる。
さらに、テープカセット30は、ガイド孔47に挿入されるガイド軸120に沿って着脱方向に案内される。つまり、テープカセット30は、平面視で最も大きい2点間距離を確保できる両対角位置(つまり、角部322、324)にて、着脱方向に案内される。したがって、テープカセット30をより安定的に着脱方向に案内することができる。
さらに、テープホルダ510は、テープ用開口部69から臨まれる軸孔65Bを有する。印字テープ55が巻回されたテープスプール40は、開口部65Cから遊挿された筒部582によって、回転自在に保持される。カセットケース31の内部では、テープ支持孔65(つまり、軸孔65B)に挿入される補助軸110に沿って、重量物であるテープスプール40をスムーズに案内することができる。テープホルダ510の筒部582を回転中心として、テープスプール40から印字テープ55を安定的に引き出すことができる。
上記のようにテープカセット30がカセット装着部8の適正位置に装着された状態でカセットカバー6が閉鎖されると、プラテンホルダ12が待機位置(図5参照)から印字位置(図6参照)に向けて移動する。このとき、プラテンホルダ12のカセット対向面12Bに設けられたアーム検出部200および係止片225が、テープカセット30の先端側前壁525に設けられたアーム指標部800および係止孔820にそれぞれ対向する位置に移動する。このとき、係止片225は係止孔820に挿入されて、以下のようにテープ種類が検出される。
図28に示すように、カセット対向面12Bから突出する5つの検出スイッチ210のスイッチ端子222は、アーム指標部800の対応する位置にそれぞれ設けられた非押圧部801または押圧部802に対向し、選択的に押圧される。すなわち、非押圧部801に対向した検出スイッチ210は、スイッチ端子222が非押圧部801に挿入されてオフ状態となる。押圧部802に対向した検出スイッチ210は、スイッチ端子222が押圧部802に接触してオン状態となる。
このようにして得られた5つの検出スイッチ210のオン・オフの組合せに基づいて、テープカセット30のテープ種類が特定される。より詳細には、検出スイッチ210のオン・オフの組合せがテープ種類に対応付けられているカセット特定テーブルが、あらかじめROM402(図10参照)に記憶されている。CPU401(図10参照)が、カセット特定テーブルを参照して、検出スイッチ210のオン・オフの組合せに対応するテープ種類を特定する。
なお、ROM402に記憶されているカセット特定テーブルでは、検出スイッチ210のオン・オフの組合せは、アーム指標部800における非押圧部801および押圧部802と同様のパターンで、テープ種類と対応づけられている。ただし、カセット特定テーブルでは、非押圧部801が検出スイッチ210のオフ状態に対応し、押圧部802が検出スイッチ210のオン状態に対応している。
本実施形態では、上下方向の位置決めに用いられる支持面550Aが、アーム指標部800が設けられた先端側前壁525の近傍に設けられている。支持面550Aおよび先端側前壁525は、ともにテープホルダ510に設けられている。そのため、カセット支持部741は、支持面550Aを下方から支持することで、アーム指標部800を上下方向に直接位置決めする。したがって、テープカセット30がテープ印字装置1に装着される際、検出スイッチ210とアーム指標部800との位置関係が精度よく確保されるので、検出スイッチ210による誤検出を防止することができる。
一方、テープカセット30の下方向への押し込みが足りない場合等、カセット装着部8の適正位置に装着されていない場合は、係止片225がアーム前面壁35の面部に接触する。係止片225は、前述したように、各スイッチ端子222と比較して突出高さが略同一または大きい。よって、係止片225がアーム前面壁35の面部に接触した場合は、全てのスイッチ端子222がアーム前面壁35に接触しないため、全ての検出スイッチ210はオフ状態となる。
また、アーム指標部800に設けられた指標部は、ジグザグに配置されており、上下方向において同一位置に設けられた指標部はない。つまり、例えばテープ印字装置1の係止片225が欠損している場合などには、テープカセット30が適正位置から上下方向にずれていると、全ての検出スイッチ210がオン状態となる。
したがって、前述したカセット特定テーブルにおいて、全てオフの組合せおよび全てオンの組合せを、それぞれテープカセット30が適正に装着されていない状態であると定めておけば、テープ印字装置1はテープカセット30の装着状態を検出することができる。これにより、テープ印字装置1がテープ種類を誤検出するおそれを低減することができる。
テープ印字装置1における印字実行時には、テープ駆動軸100を介して回転駆動されるテープ駆動ローラ46が、可動搬送ローラ14との協働によってテープスプール40から印字テープ55を引き出す。テープスプール40から引き出された印字テープ55は、テープホルダ510内の搬送経路に沿って搬送され、排出口500Aから排出される。排出口500Aから排出された印字テープ55は、排出口500Aから僅かに左側に位置する排出口34Aから露出部77に排出される。印字テープ55は、サーマルヘッド10とプラテンローラ15との間に搬送されて、文字、図形、記号等が印字される。印字済みの印字テープ55は、テープ駆動ローラ46と可動搬送ローラ14との協働によってテープ排出部49に向かって搬送され、カット機構17によって切断される。
本実施形態のテープホルダ510は、ケース本体38に収納された状態で、テープスプール40から引き出された印字テープ55をアーム部34の排出口34Aの近傍まで搬送するための案内部513を有する。したがって、テープユニット500における印字テープ55の搬送経路を長くすることができ、テープスプール40から引き出された印字テープ55を安定的に搬送することができる。また、識別用開口部35Aに先端側前壁525が嵌め込まれているため、テープユニット500におけるテープ搬送方向の下流側が固定されて、カセットケース31内における印字テープ55の走行が安定する。
また、案内部513の先端側に、印字テープ55を幅方向に規制する下規制部528および上規制部530を備えている。そのため、排出口34Aから排出させる印字テープ55は、排出口500Aの近傍で幅方向に規制される。さらに、テープホルダ510は、テープカセット30がカセット装着部8に装着された状態で、カセット支持部741によって直接下方から支持される。したがって、印字テープ55の上下方向位置がサーマルヘッド10の上下方向位置と一致した状態を維持して、印字品質を向上させることができる。
上記の印字実行時には、リボン巻取軸95も回転駆動される。しかしながら、本実施形態のテープカセット30はリボンスプールおよびリボン巻取スプールを備えておらず、巻取支持孔67内でリボン巻取軸95が空転する。言い換えると、リボン巻取軸95を備えたテープ印字装置1にサーマルタイプのテープカセット30が使用された場合でも、リボン巻取軸95の回転駆動が印字テープ55への印字動作に影響を与えることなく適正に印字を行うことができる。
本実施形態のテープカセット30は、テープスプール40に巻回されている印字テープ55の残量を、観察窓519にて目視可能な印字テープ55の巻回径に基づいて判別できる。例えばテープ印字装置1での印字実行中に印字テープ55の残量が少なくなった場合、ユーザは次の手順でテープユニット500を交換することができる。まずユーザは、テープカセット30をカセット装着部8から取り出して、カセット蓋33の弾性係止フック体33Cの摘み部を押す。これにより、弾性係止フック体33Cと係止長孔139との係合が解除され、カセット蓋33をケース本体38から取り外すことができる。
次に、ユーザは、印字テープ55の残量が少なくなったテープユニット500をケース本体38のユニット収納部140から取り出して、未使用の印字テープ55が巻回された新たなテープユニット500をユニット収納部140に装着する。本実施形態のテープユニット500は、案内部513にて印字テープ55が案内されている。そのため、ユーザは、排出口500Aから引き出された印字テープ55の先端側を、さらに排出口34Aを介してアーム部34の外部に引き出すだけで、印字テープ55の引き回しが完了する。その後、ユーザがケース本体38にカセット蓋33を取り付けて、テープカセット30をカセット装着部8に装着すれば、テープ印字装置1では新たなテープユニット500に保持された印字テープ55を使用して印字可能な状態となる。このように、本実施形態のテープカセット30では、テープユニット500の交換が容易である。
上記実施形態において、印字テープ55が本発明の「テープ」に相当する。印字テープ55が巻回されたテープスプール40が、本発明の「テープロール」に相当する。筒部582が、本発明の「ホルダ軸部」に相当する。アーム指標部800が、本発明の「指標部」に相当する。前側案内壁522が、本発明の「案内壁」に相当する。排出口500Aが、本発明の「テープ排出部」に相当する。先端側前壁525が、本発明の「下流側壁部」に相当する。下側案内壁521が、本発明の「経路壁」に相当する。支持受け部550が、本発明の「下側凹部」に相当する。支持面550Aが、本発明の「基準面部」に相当する。上規制部530が、本発明の「規制部」に相当する。案内部513が、本発明の「テープ搬送部」に相当する。開口部65Aが、本発明の「第1ホルダ開口部」に相当する。第2ガイド形成孔47Bが、本発明の「第2ホルダ開口部」に相当する。軸孔40Aが、本発明の「ロール開口」に相当する。識別用開口部35Aが、本発明の「指標露出部」に相当する。排出口34Aが、本発明の「ケース側排出部」に相当する。テープ排出部49が、本発明の「ケース側案内部」に相当する。第3ガイド形成孔47Cが、本発明の「第1開口部」に相当する。開口部64Bが本発明の「第2開口部」に相当する。テープ用開口部69が本発明の「第3開口部」に相当する。第2ガイド形成孔47Bが、本発明の「ホルダ開口」に相当する。
なお、本発明に係るテープカセットおよびテープユニットは、前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、印字テープ55が巻回されたテープスプール40を、テープロールとして例示した。これに代えて、印字テープ55がテープスプール40を用いずに巻回された、いわゆるコアレスタイプのテープロールであってもよい。
上記実施形態では、アーム指標部800における指標部(非押圧部801および押圧部802)の形状、サイズ、数、および配置パターンは、上記実施形態で例示されたものに限らず、適宜変更が可能である。上記実施形態では、アーム指標部800の非押圧部801は正面視縦長方形状の貫通孔であるが、他の形状としてもよい。アーム指標部800に設けられる非押圧部801は、先端側前壁525に形成された凹部であってもよい。アーム指標部800に複数の非押圧部801が含まれる場合、これらの非押圧部801をつなぐ溝部、または、これらの非押圧部801を包含する凹部であってもよい。
上記実施形態では、3つの案内孔(ローラ支持孔64、ガイド孔47、テープ支持孔65)が全て上下方向に開口しているが、各案内孔は同一方向から案内軸を挿脱可能であればよい。具体的には、各案内孔は、下方向から案内軸を挿脱可能とするために、少なくとも下方向に開口していればよい。
上記実施形態では、カセット装着部8に着脱されるテープカセット30は、3つの案内軸(テープ駆動軸100、補助軸110、ガイド軸120)に沿って案内されているが、2つの案内軸(テープ駆動軸100およびガイド軸120)に沿って案内されてもよい。この場合、テープカセット30には、テープ支持孔65が設けられていなくてもよい。
上記実施形態では、上規制部530が先端側後壁526の左端部上端に設けられているが、先端側後壁526の左端部下端に印字テープ55の下方向への移動を規制する規制部を設けてもよい。この場合、テープホルダ510から引き出される印字テープ55が、排出口500Aから排出される直前で上下方向への移動が規制される。そのため、サーマルヘッド10で印字される印字テープ55の上下方向位置を一定にすることができ、印字品質が向上する。
以上、本発明に係るテープカセットおよびテープユニットの一実施形態を説明した。上記実施形態に開示されたテープカセットおよびテープユニットの各技術的特徴は、単独で用いられてもよいし、複数を組み合わせて用いられてもよい。
例えば、従来のテープカセットでは、カセットケース内に収納されるテープの重量によって、重量バランスが悪くなることがあった。重量バランスが悪いテープカセットは把持されると傾きやすいため、人がテープカセットの位置を操作しにくいおそれがあった。例えば、人がテープカセットをカセット装着部に装着した場合に、カセット装着部内でテープカセットが傾くおそれがあった。
特に、リフィルタイプのテープカセットでは、重量物であるテープユニットがテープカセットの重量バランスに大きな影響を与える。テープカセットの装着時にカセットケース内でテープユニットが振動すると、テープカセットの重量バランスが崩れて傾斜しやすい。テープ印字装置では、このように傾斜したテープカセットが装着された状態で印字が行われると、テープの走行不良や印字不良が発生するおそれがあった。
そこで、以下に説明するテープカセットのように、上記技術的特徴を1つまたは複数備えてもよい。なお、以下に説明する技術的特徴に付された括弧書きは、上記実施形態において各技術的特徴が対応する構成要素の符号を例示している。
テープカセット(30)は、対向配置された矩形状の平面を有する一対の壁面(85、86)、および、前記一対の壁面(85、86)の周縁部に沿って所定高さで形成された側壁(87)を有する箱状のカセットケース(31)と、印字媒体であるテープ(55)が巻回されたテープロール(40)、および、前記テープロール(40)を回転自在に保持するテープホルダ(510)を有し、前記カセットケース(31)の内部に着脱自在なテープユニット(500)とを備えている。前記テープロール(40)は、前記テープホルダ(510)の一端側で保持され、且つ、前記テープ(55)の巻回中心を臨むロール開口(40A)を有する。前記カセットケース(31)は、前記一対の壁面(85、86)の少なくとも一方における一の角部(30A)に設けられた第1開口部(47C)と、前記一対の壁面(85、86)の少なくとも一方における前記一の角部(30A)の対角上に位置する他の角部(30B)に設けられる第2開口部(64B)と、前記一対の壁面(85、86)の少なくとも一方に設けられ、前記カセットケース(31)の内部に装着されている前記テープユニット(500)の前記ロール開口(40A)を臨む第3開口部(69)とを備える。
この場合、カセットケース(31)内に重量物であるテープロール(40)が収納されていても、3つの開口部(47C、64B、69)のそれぞれに挿入される3つの案内軸(例えば、ガイド軸120、テープ駆動軸100、補助軸110)に沿って案内されるため、テープカセット(30)の傾斜が抑制される。従って、人はテープカセット(30)をテープ印字装置(1)に対して正確かつ容易に着脱することができ、印字実行時におけるテープの走行不良や印字不良の発生を抑制できる。
前記テープカセット(30)において、前記テープホルダ(510)は、前記ロール開口(40A)と同一方向に開口するホルダ開口(47B)を、前記一端側とは異なる他端側に有し、前記第1開口部(47C)は、前記カセットケース(31)の内部に装着されている前記テープユニット(500)の前記ホルダ開口(47B)を臨んでもよい。
この場合、テープカセット(30)の着脱時には、第3開口部(69)に対応する案内軸(例えば、補助軸110)がロール開口(40A)に挿入され、且つ、第1開口部(47C)に対応する案内軸(例えば、ガイド軸120)がホルダ開口(47B)に挿入される。カセットケース(31)内でテープユニット(500)の両端側が、2つの案内軸(例えば、補助軸110およびガイド軸120)に沿って案内される。従って、カセットケース(31)内でのテープユニット(500)の振動や傾斜が抑制されて、テープカセット(30)の着脱時における重量バランスを安定させることができる。
前記テープカセット(30)において、前記テープホルダ(510)は、前記一端側から前記他端側に向けて、前記カセットケース(31)の内部で前記テープロール(40)から引き出されて搬送される前記テープ(55)の搬送経路をまたいで延伸され、前記テープロール(40)と前記ホルダ開口(47B)との間に形成されて前記テープ(55)を案内する溝部(512A)は、前記搬送経路の一部であってもよい。
この場合、カセットケース(31)内では、2本の案内軸(例えば、補助軸110およびガイド軸120)に沿って、テープ(55)の搬送経路の一部をなす溝部(512A)も案内される。従って、テープカセット(30)の着脱時において溝部(512A)の位置ズレが抑制されて、搬送経路上のテープ(55)が損傷するおそれが低減される。
前記テープカセット(30)において、前記テープホルダ(510)は、前記第3開口部(69)から臨まれる軸孔(65B)が設けられた、前記ロール開口(40A)に遊挿される筒状の軸部(582)が、前記一端側に設けられており、前記テープロール(40)は、前記ロール開口(40A)に遊挿されている前記軸部(582)を中心に回転自在に保持されてもよい。
この場合、カセットケース(31)内では、第3開口部(69)から臨まれる軸孔(65B)に案内軸(例えば、補助軸110)が挿入される。軸孔(65B)に挿入される案内軸に沿って、重量物であるテープロール(40)をスムーズに案内することができる。さらに、テープホルダ(510)の軸部(582)を回転中心として、テープロール(40)からテープ(55)を安定的に引き出すことができる。
前記テープカセット(30)において、前記第3開口部(69)は、前記軸孔(65B)を内包する形状および大きさを有し、前記軸孔(65B)の全体を臨んでもよい。この場合、第3開口部(69)と軸孔(65B)との平面位置が多少異なる場合でも、第3開口部(69)を介して軸孔(65B)が露出する。従って、カセットケース(31)内でテープユニット(500)の振動や傾斜が生じた場合でも、第3開口部(69)を介して軸孔(65B)に案内軸(例えば、補助軸110)を挿入することができる。つまり、重量物であるテープロール(40)を案内軸に沿って案内することができる。
前記テープカセット(30)において、前記第1開口部(47C)は、前記カセットケース(31)における前記矩形状の平面の長手方向中心を基準として、前記テープロール(40)の重心位置とは反対側に形成されてもよい。この場合、重量物であるテープロール(40)の重心位置に設けられる第3開口部(69)と、テープロール(40)の重心位置から離間した位置に設けられる第1開口部(47C)とを含む3点で、テープカセット(3)をスムーズに案内することができる。


前記テープカセット(30)において、前記一対の壁面(85、86)間に回転自在に設けられ、前記テープロール(40)から前記テープ(55)を引き出す筒状のテープ駆動ローラ(46)を備え、前記テープ駆動ローラ(46)は、前記テープ駆動ローラ(46)を回転自在に支持するローラ支持軸(100)が挿嵌される挿嵌孔(46D)を有しており、前記第2開口部(64B)は、前記テープ駆動ローラ(46)の挿嵌孔(46D)を臨んでもよい。この場合、テープ走行や印字品質への影響が大きいテープ駆動ローラ(46)およびその近傍を、ローラ支持軸(100)に沿って正確に案内および位置決めすることができる。また、第2開口部(64B)に挿入される案内軸を別途設ける必要がなく、テープ印字装置(1)側の構成を簡素化することができる。
前記テープカセット(30)において、前記一対の壁面(85、86)が対向する方向は、前記テープ印字装置(1)に対する前記テープカセット(30)の着脱方向であり、前記第1開口部(47C)、前記第2開口部(64B)および前記第3開口部(69)は、前記一対の壁面(85、86)のうちで、前記テープカセット(30)の装着時に前記テープ印字装置(1)に対向する第1壁面(86)に設けられてもよい。この場合、テープカセット(30)の装着時に、第1開口部(47C)、第2開口部(64B)および第3開口部(69)にそれぞれ対応する案内軸(例えば、ガイド軸120、テープ駆動軸100、補助軸110)を挿入させることができる。
前記テープカセット(30)において、前記第1開口部(47C)は、前記第1開口部(47C)に対応して前記テープ印字装置(1)に設けられた案内軸(120)が挿入された場合に、前記案内軸(120)の側面の少なくとも一部と緊密に係止される開口幅を有する長孔であってもよい。この場合、テープカセット(30)がテープ印字装置(1)に装着されると、第1開口部(47C)が案内軸(120)と緊密に係止される方向について、テープカセット(30)を位置決めすることができる。
前記テープカセット(30)において、前記テープカセット(30)は、前記カセットケース(31)における第1開口部(47C)、第2開口部(64B)および第3開口部(69)を結ぶ線の領域内に重心が位置してもよい。この場合、3つの開口部(47C、64B、69)のそれぞれに挿入される3つの案内軸(例えば、ガイド軸120、テープ駆動軸100、補助軸110)に沿ってテープカセット(30)を案内する場合に、テープカセット(30)の自重が3つの案内軸に均等に分散して作用するため、テープカセット(30)の着脱をよりスムーズにすることができる。
30 テープカセット
31 カセットケース
33 カセット蓋
34 アーム部
34A 排出口
35 アーム前面壁
35A 識別用開口部
36 アーム背面壁
38 ケース本体
39 ヘッド挿入部
40 テープスプール
46 テープ駆動ローラ
47 ガイド孔
47A ガイド形成孔
47B ガイド形成孔
47C ガイド形成孔
49 テープ排出部
55 印字テープ
64 ローラ支持孔
64A 開口部
64B 開口部
65 テープ支持孔
65A 開口部
65B 軸孔
65C 開口部
68 支持開口
69 テープ用開口部
77 露出部
85 上壁面
86 下壁面
87 側壁
140 ユニット収納部
141 テープ収納部
142 ホルダ収納部
500 テープユニット
500A 排出口
510 テープホルダ
511 回転支持部
512 連設部
512A 案内溝
513 案内部
521 下側案内壁
522 前側案内壁
523 後側案内壁
524 内側案内壁
525 先端側前壁
526 先端側後壁
527 先端側下壁
528 下規制部
530 上規制部
550 支持受け部
550A 支持面
580 下スプール
582 筒部
741 カセット支持部
743 台座部
744 ヘッド固着部
800 アーム指標部
801 非押圧部
802 押圧部

Claims (18)

  1. 印字媒体であるテープが巻回されたテープロールを保持し、テープ印字装置が備えるカセット装着部に着脱可能なカセットケースに収納されるテープユニットであって、
    前記テープロールの巻回中心に形成される軸孔に挿入され、前記テープロールを回転自在に支持するホルダ軸部と、
    前記ホルダ軸部によって支持される前記テープロールの径外側に設けられ、少なくとも1つの孔部を含んで前記テープの種類を示す指標部と
    前記テープロールから引き出された前記テープの面と平行に、且つ、前記テープの搬送経路に沿って設けられた案内壁と、
    前記搬送経路の下流側の端部に設けられ、前記搬送経路上を搬送された前記テープを前記テープユニットから排出するテープ排出部とを備え、
    前記案内壁は、前記テープ排出部と隣接して設けられ、且つ、前記搬送経路の最下流側に沿って延びる下流側壁部を含み、
    前記指標部は、前記下流側壁部に設けられ、
    前記テープ排出部から排出された前記テープの面は、前記指標部と同時に目視可能な方向を向くことを特徴とするテープユニット。
  2. 前記テープロールから引き出された前記テープの下方に設けられ、前記搬送経路に沿って延び、且つ、前記テープユニットの底面を形成する経路壁と、
    前記経路壁における前記底面の一部を上方に向けて凹ませた凹部であって、前記底面よりも上方に位置する平面である基準面部を有する下側凹部と、
    前記経路壁における前記搬送経路上に設けられ、前記基準面部から前記テープの幅に応じた距離だけ前記テープユニットの上下方向に離れた位置で、前記テープの上方向への移動を規制する規制部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のテープユニット。
  3. 前記基準面部は、前記ホルダ軸部に前記テープロールが支持された状態で、前記テープの幅方向中心位置から上下方向に一定の距離をおいて設けられていることを特徴とする請求項に記載のテープユニット。
  4. 前記中心位置と前記基準面部との前記上下方向の距離は、前記テープの幅によらず一定であることを特徴とする請求項に記載のテープユニット。
  5. 記規制部は、前記テープ排出部またはその近傍に設けられたことを特徴とする請求項に記載のテープユニット。
  6. 前記下側凹部は、前記経路壁における前記規制部の近傍に設けられることを特徴とする請求項に記載のテープユニット。
  7. 前記ホルダ軸部によって支持される前記テープロールから引き出される前記テープが搬送されるテープ搬送部と、
    前記ホルダ軸部に設けられ、前記テープロールの軸孔と同一方向に開口する第1ホルダ開口部と、
    前記テープ搬送部を挟んで前記第1ホルダ開口部とは反対側に設けられ、前記第1ホルダ開口部と同一方向に開口する第2ホルダ開口部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のテープユニット。
  8. 請求項1に記載のテープユニットと、前記カセットケースとを備えたテープカセットであって
    記カセットケースは、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記指標部を前記カセットケースの外部に露出させる指標露出部を備えたことを特徴とするテープカセット。
  9. 前記カセットケースは、
    前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記テープロールから引き出される前記テープを、前記カセットケースから排出するためのケース側排出部と、
    前記ケース側排出部との間に前記テープの露出部位を形成し、前記ケース側排出部から排出された前記テープを案内するケース側案内部とを備え、
    前記指標露出部は、前記テープの露出部位と隣接した位置に設けられたことを特徴とする請求項に記載のテープカセット。
  10. 前記テープユニットは、
    前記ホルダ軸部によって支持される前記テープロールから引き出される前記テープが搬送されるテープ搬送部を備え、
    前記カセットケースは、
    底面、前面、背面および一対の側面と、
    前記前面の一部を含み、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された場合に、少なくとも前記テープ搬送部における前記搬送経路の下流側が収納されるアーム部とを備え、
    前記テープ排出部は、前記テープ搬送部に設けられ、且つ前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記搬送経路上を搬送された前記テープを前記アーム部の内部に排出
    前記ケース側排出部は、前記アーム部に設けられて、前記テープ排出部から前記アーム部の内部に排出された前記テープを、前記カセットケースの外部に排出することを特徴とする請求項に記載のテープカセット。
  11. 記案内壁は、前記テープ搬送部に設けられ、且つ前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、少なくとも前記指標部が設けられる部位が前記前面と略平行であり、
    前記指標露出部は、前記アーム部において前記前面の一部を構成する側壁に設けられたことを特徴とする請求項10に記載のテープカセット。
  12. 記指標露出部は、前記下流側壁部と略一致する形状及び大きさを有しており、
    前記下流側壁部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された場合に、前記指標露出部に嵌め込まれて前記アーム部における前記側壁の一部を構成することを特徴とする請求項11に記載のテープカセット。
  13. 前記テープユニットは、前記ホルダ軸部が一端側に設けられたテープホルダを備え、
    前記カセットケースは、
    対向配置された矩形状の平面をなす一対の壁面と、前記一対の壁面の周縁部に沿って所定高さで形成された側壁とを有し、
    前記一対の壁面の少なくとも一方における一の角部に設けられた第1開口部と、
    前記第1開口部が設けられた前記壁面に設けられ、前記一の角部の対角上に位置する第2開口部と、
    前記第1開口部が設けられた前記壁面に設けられ、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で前記テープロールの軸孔を臨む第3開口部とを備えたことを特徴とする請求項に記載のテープカセット。
  14. 前記テープホルダは、前記テープロールの軸孔と同一方向に開口するホルダ開口を、前記ホルダ軸部が設けられた一端側とは異なる他端側に備え、
    前記第1開口部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記ホルダ開口を臨むことを特徴とする請求項13に記載のテープカセット。
  15. 前記テープホルダは、前記カセットケースの内部で前記搬送経路をまたいで、前記一端側から前記他端側に向けて延びることを特徴とする請求項14に記載のテープカセット。
  16. 前記ホルダ軸部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記第3開口部から臨まれる軸孔を備え、
    前記第3開口部は、前記ホルダ軸部の軸孔を完全に含む形状および大きさを有し、前記軸孔の全体を臨むことを特徴とする請求項13に記載のテープカセット。
  17. 前記第1開口部は、前記テープユニットが前記カセットケースの内部に装着された状態で、前記カセットケースにおける前記矩形状の平面の長手方向中心を基準として、前記テープロールの重心位置とは反対側に形成されることを特徴とする請求項13に記載のテープカセット。
  18. 前記一対の壁面間に回転自在に設けられ、前記テープロールから前記テープを引き出す筒状のテープ駆動ローラを備え、
    前記第2開口部は、前記テープ駆動ローラの挿嵌孔を臨むことを特徴とする請求項13に記載のテープカセット。
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