JPH0516342U - テープカートリツジ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構成でテープカートリッジ内の印字用テ
ープに搬送抵抗を与える。 【構成】 テープカートリッジにおけるケース本体１内
の巻回収納部から引き出される印字用テープ３の直線状
の搬送経路を、ケース本体１に設けた円筒状ガイド部２
７及びリブ２８の凸条部２８ａと、蓋体２下面から下向
き突出するリブ２９とにより、蓋体２をケース本体１に
組み込んだとき、非直状に湾曲させて印字用テープ２に
搬送抵抗を与える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、印字装置に対して着脱自在に装着されるテープカートリッジであっ て、該テープカートリッジから引き出される途中における合成樹脂製透明フイル ム等の印字用テープに、印字装置にて入力した任意の文字や記号等を印字部で印 字するようにした、いわゆるテープライター等に用いられるテープカートリッジ 装置の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人は、先に実開平２−５６６６６号公報において、ラベル表示のための ラベルテープ等を製作するためのテープライターに使用されるテープカートリッ ジを提案した。このテープカートリッジは、合成樹脂製のケース本体と蓋体とか らなり、ケース本体内には、印字用テープの巻回収納部と、インクリボンの巻回 収納部及び巻取り部と、片面に剥離紙を添設した両面粘着テープの巻回収納部と を設ける。そして、インクリボンにおけるインク面と 印字用テープの内面とを 合わせた状態でテープカートリッジにおける搬送出口放出部から外に引き出す。 該搬送出口の近傍に設けた回転するプラテンと位置固定した発熱型（サーマルヘ ッド型）印字ヘッドとの間に、前記インクリボンが印字ヘッドに対面するように して印字テープと共に挟持して搬送させ、前記印字部で印字装置にて入力された 文字のパターンに対応してインクを印字用テープの内面に鏡像として印字させる 。印字済みのインクリボンは印字部の搬送下流側で再度テープカートリッジ内に 引き込まれて巻取り部に巻き取られる。他方、前記印字部よりも搬送方向下流側 で、テープカートリッジから外に出した前記両面粘着テープの片方の露出した粘 着面を、前記インク付着面に接着するように印字用テープに貼着し、テープライ ターの外側に出たものを所定の寸法で切断する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、テープカートリッジ内の印字用テープの巻回収納部から引き出され るときの印字用テープは、印字部で間欠的に移動させられるから、当該印字用テ ープにバックテンションが作用していないと、印字用テープに弛みが生じて、印 字部に送られる前の箇所でインクリボンとの重なりが円滑にできない等の不都合 がある。

【０００４】 この不都合を解消し、印字用テープの走行性を安定させるため、前記先行技術 においては、印字用テープの巻回収納部から引き出される印字用テープの搬送経 路を、テープカートリッジのケース本体の外壁の内周側に略沿うように形成する 一方、ケース本体の角部にて平面視に略直角に変更させるためのガイドローラを 突設してあり、このガイドローラに印字用テープを挟持するように片持ち梁的な 板ばねの自由端部で押圧するように構成し、前記印字用テープに一定の張力（バ ックテンション）を作用させるようにしていた。

【０００５】 しかしながら、テープカートリッジは、印字用テープを消費してしまうと捨て る一回限りの消耗品であるため、前述のように板ばねを使用するとコストの低減 を図ることができない。また、ケース本体内に印字用テープを収納して後、板ば ねをケース本体に組付けるには、当該板ばねに弾性変形を与えつつ取付けなけれ ばならず、しかもこの板ばねを印字用テープに接触させなければならないから、 組立用ロボットにて前記組立作業を実行すると、テープカートリッジの組付け性 も悪いという問題があった。

【０００６】 本考案は、前記の問題を解決するため、従来の板ばねを使用することなく、印 字用テープに張力を与えることができ、且つテープカートリッジの組付け性を良 好できるようにすることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため本考案は、巻回してケース本体内に収納された合成樹 脂製の印字用テープが、ケース本体内の搬送経路から外に引き出されるように構 成してなるテープカートリッジ装置において、前記搬送経路の適宜位置には、当 該搬送経路を非直線状に変更させて印字用テープに搬送抵抗を付与するための障 害物を設けたものである。

【０００８】

【実施例】

次に本考案を具体化した実施例について説明する。符号１はテープカートリッ ジにおける上面開放状のケース本体、符号２はケース本体１の上面を覆うための 板状の蓋体で、ケース本体１及び蓋体２は共に合成樹脂製の射出成形等により形 成される。図１は、印字用テープ３とインクリボン４と両面粘着テープ５とを収 納したケース本体１と、蓋体２との分解斜視図であり、図２は、ケース本体１に 対して印字用テープ３とインクリボン４と両面粘着テープ５とを装着する前の状 態を示す斜視図、図３は印字装置１００にテープカートリッジを装着した状態の 説明図である。

【０００９】 ケース本体１の底板１ａには、図２で示すように円筒状の嵌合軸６，７，８が 立設されている。印字用テープ３のスプール３ａが前記嵌合軸６に回転自在に支 持されて、印字用テープ３の巻回収納部を構成する。インクリボン４のスプール ４ａは嵌合軸７に回転自在に支持されて、インクリボン４の巻回収納部を形成し 、また片面（巻回部の半径外側）に剥離紙９を添設した両面粘着テープ５のスプ ール５ａは嵌合軸８に回転自在に支持されて、両面粘着テープ５の巻回収納部を 形成する。

【００１０】 インクリボン４の巻取りスプール４ｂは、ケース本体１の底板１ａに穿設され た軸受け孔１０箇所にて回転自在に支持され、印字装置１００に設けたリボン駆 動軸１０１が巻取りスプール４ｂの内径部に嵌合して、インクリボン４を巻き取 る。前記両面粘着テープ５を外に送り出し搬送するための送りローラ１１は、底 板１ａに穿設した軸受け孔１２箇所に回転自在に支持されており、印字装置１０ ０から突出する送り出し駆動軸１０２にて送りローラ１１を回転駆動する。

【００１１】 ケース本体１ａの形状は次のようになっている。即ち、ケース本体１ａの周囲 壁１ｂの一側を切欠いて形成した開口部１３に、円周面一側が露出するように前 記送りローラ１１を設け、両面粘着テープ５片面の剥離紙９を送りローラ１１の 円周面に接するように経由させ、後述する印字部で印字終了した印字用テープ３ と両面粘着テープ５とが、印字装置１００における駆動ローラ１０３と送りロー ラ１１とで挟持されて搬送される。両テープ３，５が互い接着された状態で、前 記開口部１３側方に架設したテープ押え１４により形成されたテープ孔１５を通 過して印字装置１００外に出す。なお、前記送りローラ１１に対峙して底板１ａ から突出する支軸１６に、シリコーンゴム製のガイドローラ１７を回転自在に被 嵌し、開口部１３から外に出る両面粘着テープ５の粘着面が湾曲分離壁１８に接 着しないように構成する。また、湾曲分離壁１８には、送りローラ１１と対面す る箇所に複数突条の難接着部を形成してある。

【００１２】 開口部１３に隣接して、前記湾曲分離壁１８を挟んでインクリボン４の巻取り 入口１９を、またインクリボン４及び印字用テープ３の搬送出口２０を形成すべ く、平面視略Ｕ字状の周壁２１を設ける。該周壁２１で囲まれた空所２２には、 印字装置１００におけるサーマルヘッド１０４が嵌り込む。符号２３は、周壁２ １に断面Ｕ字状基端２３ａが差し込まれて取付き、湾曲状先端２３ｂが空所２２ 内で巻取り入口１９に向かって延びる板ばね体で、該板ばね体２３の湾曲状先端 ２３ｂ部分には、搬送出口２０から出た印字用テープ３及びインクリボン４が重 なった状態で載置されている。

【００１３】 そして、テープカートリッジの印字装置１００への装着時にサーマルヘッド１ ０４の空所２２への進入に伴い、当該サーマルヘッド１４の下面で板ばね体２３ の側方傾斜部２３ｃを押圧し、インクリボン４の下面と板ばね体２３との間にサ ーマルヘッド１０４が介挿され、当該サーマルヘッド１４と回転可能なプラテン ローラ１０５との挟持部に印字用テープ３とインクリボン４とが挟まれる。

【００１４】 符号２４は巻取りスプール４ｂに巻き取られるインクリボン４に押圧して弛み を防止するための板ばねであり、該板ばね２４の先端は、前記周壁２１に差し込 み装着された板ばね体２３と反対向きにケース本体１内に臨む。 印字用テープ３のケース本体１内での搬送経路は次のようになっている。符号 ２５は、印字用テープ３の巻回収納部とインクリボン４の巻回収納部とを区画す る平面視湾曲状の区画壁である。該区画壁２５の先端切欠き溝２６から出た印字 用テープ３は、ケース本体１の周囲壁１ｂの内側に沿って延び、角部に底板１ａ から立設した円筒状ガイド部２７の周面で平面視略９０度湾曲し、前記搬送出口 ２０方向に延びるものである。

【００１５】 そして、前記切欠き溝２６に接近して区画壁２５から半径外向きに延びるリブ ２８の凸条部２８ａと、前記円筒状ガイド部２７周面と、その両者の間にて蓋体 ２の下面から下向きに突出するリブ２９の長手先端部との三者で、印字用テープ ３の直線状搬送経路を非直線状に曲げるための非弾性体からなる障害物となし（ 図１参照）、この三者でテープカートリッジから引き出される印字用テープ３に 、搬送抵抗を付与する。これにて、いわゆるバックテンション（張力）を印字用 テープ３に与えて弛みが発生するのを防止するのである。

【００１６】 なお、図１に示すように、蓋体２の下面から下向きに突出する前記障害物用の リブ２９を、その基端側にガイド壁２９ａが連設されるように平面視Ｌ字状に形 成すれば、リブ２９の強度が向上すると共に、ガイド壁２９ａが蓋体２をケース 本体１に被せるときの案内の役割をも果たす。 さらに、図４に示すように、リブ２９の突出下端縁を、下端に行くに従ってケ ース本体の周囲壁１ｂ内面に近づくように、傾斜部２９ｂに形成すれば、蓋板２ をケース本体１に被せるにつれて、印字用テープ３の外面にリブ２９の長手先端 部を順次接当させることができ、印字用テープ３の縁を不必要な力で折り曲げし てまうという事態も生じない。

【００１７】 このようなリブ２９は、図１の二点鎖線で示すような箇所、例えば前記円筒状 ガイド部２７とインクリボン４の搬送経路を湾曲案内させる筒状ガイド部３４と の間に位置させても良い。 板ばね３０は前記リブ２８に基端を差し込み、先端を円筒状ガイド部２７に支 持させ、中途部を巻回収納部におけるインクリボン４に接触させてバックテンシ ョンを与えるものである。また、図１に示すように、蓋体２の下面には、ケース 本体１における底板から突出しまたは周囲壁１ｂ内面に設けた多数の嵌合用支柱 ３１，３２等に嵌合する係合ピン３３を下向きに突出させ、さらに、蓋板２の周 縁に下向き突設したガイド壁３５、３６がケース本体１の周囲壁１ｂ内面に沿う ので、これらにより蓋体２がケース本体１に位置狂いなく固定される。

【００１８】 図６から図８に示すのは、第２実施例で、リブ３７の基端に鍔３８を一体的に 形成した断面略Ｔ字状のものである。他方、ケース本体１の周囲壁１ｂに、リブ ３７が嵌挿する縦長孔３９と、鍔３８の内面に突出させた係合ピン４０，４０が 係合する係合孔４１とを穿設する。この構成によれば、巻回収納部から引き出し 、円筒状ガイド部２７箇所を経て搬送出口２０まで延ばした印字用テープ３の外 面に対してリブ３７の先端が押圧するように縦長孔３９内に差し込めば良く、係 合ピン４０が係合孔４１に嵌入したのち、抜け不能とするように係合ピン４０の 先端部近傍に返りを設けたり、接着剤で固着しても良い。この実施例では、搬送 経路における印字用テープ３の広幅面に対して略一斉に近づくようにリブ３７が 進入するので、印字用テープ３に無理な力が作用しない。

【００１９】 前記第７図に示す実施例で、蓋体２をケース本体１に被せた後、周囲壁１ｂ内 面に沿う蓋体２におけるガイド壁４２（一点鎖線で示す）を貫通するように前記 係合ピン４０を長くして差し込めば、蓋体２の抜け落ち防止も同時に達成できる ことになる。 以上に述べたことから理解できるように、印字用テープ３の搬送経路中に介在 させてその搬送経路を非直線状態にして、且つ、印字用テープに搬送抵抗を与え るための非弾性体からなる障害物は、前記の搬送経路を平面視で略９０度湾曲さ せるための円筒状ガイド部２７だけでは不十分である。印字用テープ３の片面を 支持する一つの障害物とこの障害物に接近した位置で印字用テープ３の他方の面 を押圧して搬送経路を湾曲させるような他方の障害物との少なくとも２つの障害 物が必要となる。そして、この少なくとも２つの障害物により、印字用テープの 搬送経路が凹と凸のように互いに異なる方向に湾曲させる必要がある。

【００２０】

【考案の作用及び効果】

以上に述べたごとく、本考案では、巻回してケース本体内に収納された合成樹 脂製の印字用テープが、ケース本体内の搬送経路から外に引き出されるように構 成してなるテープカートリッジ装置において、前記搬送経路の適宜位置には、当 該搬送経路を非直線状に変更させて印字用テープに搬送抵抗を付与するための障 害物を設けたもので、この障害物は、従来の板ばねのごとく、それ自体を変形さ せる等の操作を不要とするので、テープカートリッジの組立作業性が向上する。 また、障害物の配置間隔や、形状を適宜設定することで、印字用テープに与える 搬送抵抗力の大きさを最適なものに選ぶことができる。

【００２１】 さらに、障害物をケース本体や蓋体等に予め形成し、ケース本体と蓋体との組 み込み作業時に、印字用テープの搬送経路を湾曲させるように設定すれば、障害 物設置のためのコストの低減と組立て作業性の向上とを同時に達成することがで きる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例における印字用テープ等を収納したケ
ース本体と、蓋体との分解斜視図である。

【図２】ケース本体に対して印字用テープ３等をを装着
する前の状態を示す斜視図である。

【図３】印字装置にテープカートリッジを装着した状態
の説明図である。

【図４】図３のIV−IV矢視要部断面図である。

【図５】ラベルテープの構成斜視図である。

【図６】第２実施例における要部斜視図である。

【図７】組み込み状態の断面図である。

【図８】図７の VIII −VIII矢視断面図である。

【符号の説明】

１ ケース本体 １ｂ 周囲壁 ２ 蓋体 ３ 印字用テープ ４ インクリボン ５ 両面粘着テープ ９ 剥離紙 １１ 送りローラ １４ テープ押え １７ ガイドローラ １８ 湾曲分離壁 １９ 巻取り入口 ２０ 搬送出口 ２１ 周壁 ２２ 空所 ２３ 板ばね体 ２４ 板ばね ２５ 区画壁 ２６ 切欠き溝 ２７ 円筒状ガイド部 ２８ リブ ２８ａ 凸条部 ２９ リブ ３７ リブ ３８ 鍔 ３９ 縦長孔 ４０ 係合ピン ４１ 係合孔 １００ 印字装置 １０１ リボン駆動軸 １０２ 送出し駆動軸 １０３ 駆動ローラ １０４ サーマルヘッド １０５ プラテンローラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻回してケース本体内に収納された合成
   樹脂製の印字用テープが、ケース本体内の搬送経路から
   外に引き出されるように構成してなるテープカートリッ
   ジ装置において、前記搬送経路の適宜位置には、当該搬
   送経路を非直線状に変更させて印字用テープに搬送抵抗
   を付与するための障害物を設けたことを特徴とするテー
   プカートリッジ装置。