JP2938384B2 - 熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタに使用されるリボンカセット - Google Patents

熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタに使用されるリボンカセット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクリボンに収
納されているインクリボンのインクに熱を加えて用紙に
転写して印字を行なう熱転写プリンタおよびこの熱転写
プリンタに使用されるリボンカセットに係り、特に、形
状の異なる複数種類のカセットケースを用いることな
く、リボンカセットに収納されるインクリボンの種類を
判別することを可能とした熱転写プリンタおよびリボン
カセットに関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の一般的な熱転写プリンタを
示したもので、プリンタのフレーム1のほぼ中央部に
は、平板状のプラテン2がその印字面がほぼ垂直となる
ように配設されており、前記フレーム1の前記プラテン
2の前側下方には、キャリッジシャフト3が前記プラテ
ン2と平行に配設されている。また、前記フレーム1の
前端縁には、フランジ状のガイド部4が形成されてお
り、前記キャリッジシャフト3および前記ガイド部4に
は、キャリッジ5が前記キャリッジシャフト3およびガ
イド部4に沿って往復動自在に取付けられている。前記
キャリッジ5の先端部には、前記プラテン2に対向し、
図示しない駆動機構によりプラテン2に対して接離動作
自在とされたサーマルヘッド6が取付けられており、前
記キャリッジ5の上面には、内部にインクリボンが収納
され、このインクリボンを前記サーマルヘッド6とプラ
テン2との間に案内するリボンカセット(図示せず)が
着脱自在に装着されている。さらに、前記キャリッジ5
の上面には、前記リボンカセットのインクリボンを巻取
るための巻取りボビン7およびインクリボンを送り出す
送出しボビン8がそれぞれ配設されている。
【0003】また、前記プラテン2の後方には、用紙
(図示せず)をプラテン2の前方に送る用紙挿入口9が
形成されており、前記用紙挿入口9の部分には、所定速
度で前記用紙を搬送する紙送りローラ10が配設されて
いる。この紙送りローラ10の下方には、この紙送りロ
ーラ10に圧接される圧接ローラ11が回転自在に配設
されており、前記フレームの一側面には、前記紙送りロ
ーラ10を伝達歯車群12を介して回転駆動させる紙送
りモータ13が配設されている。そして、前記紙送りモ
ータ13を駆動して紙送りローラ10を回転駆動させる
ことにより、用紙挿入口9から前記紙送りローラ10と
この圧接ローラ11との間に挿入される用紙を挟持して
搬送するようになされている。
【0004】前記従来の熱転写プリンタにおいては、前
記用紙挿入口9から用紙を挿入し、この用紙を前記紙送
りローラ10と圧接ローラ11との間に挟み込んで、紙
送りモータ13により紙送りローラ10を回転駆動させ
ることにより、前記用紙をキャリッジ5の移動方向と直
交方向に所定速度で搬送する。一方、サーマルヘッド6
を前記用紙に対して所定の圧接力で圧接させた状態で、
前記キャリッジ5を移動させるとともに、前記巻取りボ
ビン7を回転させてリボンカセットのインクリボンを巻
取りながら、前記サーマルヘッド6を所望の印字信号に
基づいて駆動することにより、前記用紙に所望の印字を
行なうものである。
【0005】このような従来の熱転写プリンタにおい
て、前記リボンカセットに収納されるインクリボンに
は、熱時剥離用インクリボンあるいは冷時剥離用インク
リボン、単色のインクリボンあるいはカラーインクリボ
ンなど多くの種類があるが、従来から、インクリボンの
種類に応じてリボンカセットのカセットケースの形状を
変化させ、この形状の変化により、キャリッジに配設さ
れた図示しない検出スイッチをON、OFF動作させ、
インクリボンの種類を識別するようになっていた。そし
て、例えば、冷時剥離用インクリボンの場合は、剥離ロ
ーラを動作させることによりインクリボンの引き剥し距
離を長く形成して冷時剥離を行なうように制御したり、
また、カラーインクリボンの場合は、カラーセンシング
を行なうように制御するなどインクリボンの種類に応じ
て所望の印字制御を行なうようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の熱転写プリンタに適用されるリボンカセットに
おいては、カセットケースの形状を変化させることによ
り、収納されているインクリボンの種類を識別するよう
にしているので、インクリボンの種類に対応して複数種
類のカセットケースを用意する必要があり、リボンカセ
ットの部品点数の増大を招き、部品コストが増大し、製
造コストが高くなってしまうという問題点を有してい
る。
【0007】本発明は、前述した点に鑑みなされたもの
で、形状の異なる複数種類のカセットケースを用いるこ
となく、リボンカセットに収納されるインクリボンの種
類を判別することができ、しかもリボンカセットを小型
化し得る熱転写プリンタおよびこの熱転写プリンタに使
用されるリボンカセットを提供することを目的とするも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載の発明に係る熱転写プリンタの特徴は、
サーマルヘッドを搭載しプラテンに沿って往復移動自在
に構成されたキャリッジの上面に送出しボビンおよび第
2送出しボビンと巻取りボビンおよび第2の巻取りボビ
ンとを配設し、このキャリッジの上面に送出しボビン
およびリボンカセットに収納されているインクリボンに
常に一定のテンションを付与するための第2送出しボビ
ンと巻取りボビンおよび前記インクリボンに常に一定
のテンションを付与するための第2の巻取ボビンとを配
設し、このキャリッジの上面に前記にリボンカセットを
装着し、キャリッジの上面にキャリッジの端面に対して
傾斜しリボンカセットの検出部に対向する複数の検出ス
イッチを整列配置した点にある。また、請求項2に記載
の発明に係る熱転写プリンタの特徴は、検出スイッチ
が、前記送出しリールと巻取りリールとに巻回されたイ
ンクリボン最外周より外側となる前記カセットケースの
表面に形成された前記検出部に対向するように配置され
ている点にある。さらに、請求項3に記載の発明に係る
リボンカセットの特徴は、カセットケースの内部にイン
クリボンが巻回され前記送出しボビンおよび巻取りボビ
ンにそれぞれ係合する送出しリールおよび巻取りリール
と、前記サーマルヘッドが挿入される凹部と前記送出し
リールとの間に前記第2の送出しボビンに係合するガイ
ドローラと、前記凹部と前記巻取りリールとの間に前記
第2の巻取りボビンに係合する第2のガイドローラとを
配設するとともに、各ガイドローラより対応する前記い
ずれかのリール側のインクリボンを巻回して各ガイドロ
ーラに巻回されるインクリボンの角度を一定にする1対
のガイド部材を配設し、前記送出しリールと巻取りリー
ルとに巻回されたインクリボン最外周より外側となる前
記カセットケースの表面に、前記キャリッジの上面にキ
ャリッジの端面に対して傾斜するように整列配置された
複数の検出スイッチの少なくとも1つを押圧する検出部
を設けた点にある。
【0009】そして、このような構成を採用したことに
より、リボンカセットをキャリッジに装着することによ
り、リボンカセットに収納されるインクリボンの種類に
応じて、特定位置の検出スイッチが選択的に押圧動作さ
れ、この検出スイッチのON、OFF動作の組合わせに
より、リボンカセットの内部のインクリボンの種類を検
出することができ、リボンカセットのカセットケースの
形状を変化させることなく、インクリボンの種類に応じ
て所望の印字制御を行なうことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
および図2を参照して説明する。
【0011】図1および図2は本発明に係る熱転写プリ
ンタのキャリッジ部分およびこのキャリッジに装着され
る本発明のリボンカセットの実施の形態を示したもの
で、この熱転写プリンタにおいて、図示しないプラテン
に沿って往復動自在とされたキャリッジ5には、サーマ
ルヘッド6が前記プラテンに対して接離動作自在に取付
けられており、キャリッジ5の上面には、前記サーマル
ヘッド6の接離動作の中心となる支持軸14が突出して
形成されている。また、前記キャリッジ5の上面には、
巻取りボビン7および送出しボビン8が回転駆動自在に
配設されており、前記キャリッジ5の上面には、第2巻
取りボビン15および第2送出しボビン16が回転駆動
自在に配設されている。さらに、前記キャリッジ5の上
面角部には、3つの検出スイッチ17,17…が傾斜し
て配設されており、前記キャリッジ5の上面の前記支持
軸14の近傍には、使用するインクリボンの終端を検出
したり、カラーインクリボンのカラーマーカを検出する
ためのフォトセンサ18が配設されている。
【0012】また、前記キャリッジ5に装着されるリボ
ンカセット19のカセットケース20の内部には、イン
クリボン21が巻回され前記キャリッジ5の送出しボビ
ン8および巻取りボビン7にそれぞれ係合される送出し
リール22および巻取りリール23がそれぞれ収納され
ており、前記リボンカセット19の内部両側部分には、
前記キャリッジ5の第2送出しボビン16および第2巻
取りボビン15に係合され前記インクリボン21を案内
する一対のガイドローラ24a,24bが配設されてい
る。このうち一方のガイドローラ24aは第2送出しボ
ビン16に係合するガイドローラとされ、他方のガイド
ローラ24bは第2巻取りボビン15に係合する第2ガ
イドローラとされている。また、前記カセットケース2
0の一側中央部には、前記キャリッジ5に装着された状
態でサーマルヘッド6が挿入される凹部25が形成され
ており、前記カセットケース20の前記凹部25の両側
対称位置には、前記支持軸14が挿入される切り欠き部
26,26がそれぞれ形成されている。
【0013】さらに、前記カセットケース20の内部の
前記送出しリール22、巻取りリール23と各ガイドロ
ーラ24a,24bとの間部分および前記凹部25、各
切り欠き部26の先端部分には、それぞれ複数のガイド
部材27a,27b,28a,28b,29a,29b
が配設されている。このうち、前記ガイド部材27a,
27bは、それぞれ対応する各ガイドローラ24a,2
4bより前記送出しリール22または巻取りリール23
側に位置するインクリボン21を巻回して各ガイドロー
ラ24a,24bに巻回されるインクリボン21の角度
を一定に設定する機能を有している。
【0014】また、前記カセットケース20の角部であ
って前記送出しリール22に巻回されたインクリボン2
1の最外周より外側位置には、検出部を構成する3つの
検出孔30,30…が前記キャリッジ5の検出スイッチ
17に対応するようにカセットケース20の端面に対し
て傾斜して穿設されており、このように前記検出孔30
を傾斜して形成することにより、形成スペースを大きく
確保することができるようになっている。そして、これ
ら各検出孔30は、インクリボン21の種類に応じて特
定の検出孔30がシール等で閉塞され、この閉塞された
検出孔30が、前記キャリッジ5に搭載された検出スイ
ッチ17を押圧動作するという機械的動作によりインク
リボン21の種類を検出することができるようになって
いる。
【0015】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0016】本実施の形態においては、前記リボンカセ
ット19を熱転写プリンタのキャリッジ5に装着するこ
とにより、前記各検出孔30のうち、閉塞された検出孔
30が対応する検出スイッチ17が押圧動作され、この
検出スイッチ17のON、OFF動作の組合わせによ
り、リボンカセット19の内部のインクリボン21の種
類を検出することになる。
【0017】そして、前記検出スイッチ17により、例
えば、インクリボン21が冷時剥離用インクリボン21
であることを検出した場合は、図示しない剥離ローラを
動作させることによりインクリボン21の引き剥し距離
を長く形成して冷時剥離を行なうように制御し、また、
熱時剥離用インクリボン21であることを検出した場合
は、前記剥離ローラを動作させずに、インクリボン21
の引き剥し角度を大きく確保するように制御したり、さ
らに、インクリボン21がカラーインクリボン21の場
合は、カラーセンシングを行なうように制御するなどイ
ンクリボン21の種類に応じて所望の印字制御を行なう
ようになっている。
【0018】したがって、本実施の形態においては、リ
ボンカセット19のカセットケース20の形状は変化さ
せず、カセットケース20に形成した検出孔30の閉塞
状態により、インクリボン21の種類を検出し、適正な
印字駆動制御を行なうことができるので、形状の異なる
複数のリボンカセット19を用いる必要がなく、その結
果、部品点数の低減をはかることができ、部品コストを
低減させることができ、安価に製造することができる。
しかも、検出孔30をカセットケース20の端面に対し
て傾斜して形成するようにしているので、前記カセット
ケース20の端面あるいは側面に対して平行に形成する
場合に比べて、検出孔30の形成スペースを大きく確保
することができるし、カセットケース20の小型化をは
かることができる。さらに、リボンカセット19の検出
孔30の閉塞状態により熱転写プリンタのキャリッジ5
に配置されている検出スイッチ17を機械的に動作させ
てインクリボン21の種類に対応するように検出スイッ
チ17のON,OFF状態を設定できるので、機械的な
動作により安定的にインクリボン21の種類を検出する
ことができる。また、リボンカセット19のカセットケ
ース20には、キャリッジ5の第2送出しボビン16に
係合するガイドローラ24aが設けられており、インク
リボン21にバックテンションを掛けつつ送り出すの
で、インクリボン21の負荷が一定となるし、さらに
は、キャリッジ5の第2巻取りボビン15に係合するガ
イドローラ24bが設けられており、印字後のインクリ
ボン21にテンションを与えるので、インクリボン21
の走行が安定して、インクリボンの斜行等を防止するこ
とができる。
【0019】なお、本発明は前記実施の形態のものに限
定されるものではなく、必要に応じて種々変更すること
が可能である。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る熱転写プ
リンタおよびリボンカセットにおいては、リボンカセッ
トのカセットケースに形成した検出部の閉塞状態により
各検出スイッチのON、OFF動作の組合わせによりイ
ンクリボンの種類を検出して適正な印字駆動制御を行な
うようにしたので、形状の異なる複数のリボンカセット
を用いる必要がなく、その結果、部品点数の低減を図る
ことができ、部品コストを低減させることができ、安価
に製造することができる。しかも、キャリッジの端面に
対して傾斜配置されている複数の検出スイッチに対向す
るリボンカセットの検出部を前記カセットケースの端面
あるいは側面に対して平行に形成する場合に比べて、検
出部の形成スペースを大きく確保することができ、検出
スイッチによるインクリボンの種類の検出を安定的に行
うことができる。さらに、本発明のリボンカセットは、
その検出部が熱転写プリンタの検出スイッチを押圧する
という機械的動作により検出スイッチの状態を設定する
ので、使用されるインクリボンの種類をこの点において
も安定的に検出することができる。また、付随的な効果
ではあるが、インクリボンの走行を安定して、良好な印
字を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る熱転写プリンタの実施の形態を
示すキャリッジ部分およびこのキャリッジに装着される
リボンカセットの斜視図
【図2】 図1のリボンカセットの概略構成図
【図3】 従来の一般的な熱転写プリンタを示す斜視図
【符号の説明】
5 キャリッジ 6 サーマルヘッド 17 検出スイッチ 19 リボンカセット 20 カセットケース 21 インクリボン 22 送出しリール 23 巻取りリール 24 ガイドローラ 25 凹部 26 切り欠き部 30 検出孔(検出部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 32/00 B41J 35/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドを搭載しプラテンに沿っ
    て往復移動自在に構成されたキャリッジの上面に送出
    しボビンおよびリボンカセットに収納されているインク
    リボンに常に一定のテンションを付与するための第2送
    出しボビンと巻取りボビンおよび前記インクリボンに
    常に一定のテンションを付与するための第2の巻取りボ
    ビンとを配設し、このキャリッジの上面に前記リボンカ
    セットを装着し、前記キャリッジの上面にキャリッジの
    端面に対して傾斜しリボンカセットの検出部に対向する
    複数の検出スイッチを整列配置したことを特徴とする熱
    転写プリンタ。
  2. 【請求項2】 前記検出スイッチは、前記送出しリール
    と巻取りリールとに巻回されたインクリボン最外周より
    外側となる前記カセットケースの表面に形成された前記
    検出部に対向するように配置されている請求項1に記載
    の熱転写プリンタ。
  3. 【請求項3】 サーマルヘッドを搭載しプラテンに沿っ
    て往復移動自在に構成されたキャリッジの上面に送出し
    ボビンおよび第2送出しボビンと巻取りボビンおよび第
    2の巻取りボビンとを配設してなる熱転写プリンタの前
    記キャリッジの上面に装着されて使用されるリボンカセ
    ットであって、カセットケースの内部にインクリボンが
    巻回され前記送出しボビンおよび巻取りボビンにそれぞ
    れ係合する送出しリールおよび巻取りリールと、前記サ
    ーマルヘッドが挿入される凹部と前記送出しリールとの
    間に前記第2の送出しボビンに係合するガイドローラ
    と、前記凹部と前記巻取りリールとの間に前記第2の巻
    取りボビンに係合する第2のガイドローラとを配設する
    とともに、各ガイドローラより対応する前記いずれかの
    リール側のインクリボンを巻回して各ガイドローラに巻
    回されるインクリボンの角度を一定にする1対のガイド
    部材を配設し、前記送出しリールと巻取りリールとに巻
    回されたインクリボン最外周より外側となる前記カセッ
    トケースの表面に、前記キャリッジの上面にキャリッジ
    の端面に対して傾斜するように整列配置された複数の検
    出スイッチの少なくとも1つを押圧する検出部を設けた
    ことを特徴とするリボンカセット。
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