JP3031439B2 - リボンカセットおよび印字装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テープリール及びリボ
ンリールを有するリボンカセットに関し、また該リボン
カセットを使用してテープに文字や図形を形成する印字
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ＰＥＴ等の透明テープの片面に、
インクリボンを使用して任意の文字や図形を形成し、さ
らに文字や図形が形成された面に、両面に粘着材が塗布
され片面に剥離紙が付けられた両面テープを貼付けて、
印字テープを製作する印字装置が広く使用されている。
そのように製作された印字テープは、コンテナ、ファイ
ルケース、ビデオカセット等に貼付されインデックス等
として使用されている。

【０００３】印字テープを製作する従来装置の一例であ
る印字装置の外観を図３に示す。印字装置１は、本体ケ
ース３の前部に設けられたキーボード４及びその後方に
設けられた液晶ディスプレイ５と、本体ケース３の後部
の右半部内に組み込まれた印字機構と、同右半部内のカ
セット収容部２に着脱自在に装着されたテープカセット
７と、本体ケース３の左半分内に組み込まれたテープカ
ット機構及びコントロールユニット等を備えている。

【０００４】図４にテープカセット７及び印字装置１の
印字機構の構成を示す。印字装置１は、透明テープ１５
の片面にインクリボン１６により熱転写印字を行い、両
面テープ１２を貼り付けてラミネートタイプの印字テー
プ１８を作成するための装置である。テープカセット７
内には、透明テープ１５が巻かれた透明テープリール１
３、両面テープ１２が巻かれた両面テープリール１１、
インクリボン１６が巻かれたインクリボンリール１４の
３種類のリールが回転可能に保持されている。

【０００５】透明テープ１５は、インクリボン１６と重
ね合わされた状態で、印字装置１のサーマルヘッド２２
とプラテンローラ２１とに挟み込まれ、サーマルヘッド
２２に組み込まれている発熱素子により、キーボード４
で入力された任意の文字、図形等を印字する。次に、透
明テープ１５の印字面に、テープ駆動ローラ２３とテー
プ送りローラ２４とにより、両面テープ１１が貼り合わ
されて印字テープ１８が製作される。印字テープ１８
は、テープカット機構により切断された後、本体ケース
３の外部に排出される。

【０００６】ここで、リボンカセット７の固定方法を図
５により説明する。図５は、カセット収納部２内にリボ
ンカセット７が収納されている状態を示す断面図であ
る。カセットカバー２５の左右一対のヒンジ部２６はフ
レーム２９の枢支穴２７に回転可能に各々軸支され、カ
セットカバー２５の後端部には板バネ２８が取り付けら
れている。テープカセット７が装着状態のときは、板バ
ネ２８がテープカセット７の印字位置とは反対位置であ
る裏側にあるリブ１９に当接し、テープカセット７の浮
き上がりを防止している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、 従来
の印字装置において、リボンカセット７は、印字装置に
装着されたとき平面方向での位置決めはされるが、上下
方向については、ヘッドから離れたリボンカセット７後
背部で浮き上がりが規制されているだけであった。従っ
て、ヘッド付近におけるテープ及びリボンの安定した走
行が最も重要であるにも関わらず、ヘッド付近における
テープ及びリボンカセット本体の浮き上がり防止がされ
ていないために、テープ及びリボン走行時にリボンカセ
ット７がリボンカセット収納部の底面より浮き上がって
しまっていた。それによって、テープ及びリボンの蛇行
は増長される結果となり、印字が歪んだり、テープ及び
リボンの折れなどの問題を発生していた。

【０００８】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、テープ及びリボンの走行時でも
安定してリボンカセットの浮き上がりを防止できるリボ
ンカセット及び印字装置を提供することを目的としてい
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のリボンカセットは、インクリボンの巻かれた
リボンリールと、テープの巻かれたテープリールとを有
し、該インクリボンと該テープとを重ね合わせた状態で
プラテンとヘッドとの間に常時挟み込んでテープ表面に
文字や図形を形成する印字装置のカセット収納部に対し
て着脱自在なリボンカセットであって、前記印字装置の
プラテン及びヘッドの近傍にあって、リボンカセットを
カセット収納部に装着したときに、リボンカセットをカ
セット収納部の底面に押しつける力を受け、常時リボン
カセットをカセット収納部の底面に押しつける力を常時
受ける凸部または凹部を有している。

【００１０】また、この目的を達成するために本発明の
印字装置は、インクリボンの巻かれたリボンリールと、
テープの巻かれたテープリールとを有し、カセット収納
部に対し着脱自在なリボンカセットを使用し、該インク
リボンとテープとをプラテンとヘッドの間に挟み込ん
で、該テープ表面に文字または図形を形成するときに、
前記プラテンと前記ヘッドとの位置関係が常時変化しな
い印字装置であって、前記プラテン及びヘッドの近傍に
あって、前記プラテンまたはヘッドの少なくとも一方が
他方に対して接近する方向へ移動して前記インクリボン
とテープを挟み込むときに、前記プラテンまたはヘッド
の移動に連動して前記リボンカセットをカセット収納部
の底面に押しつけ、常時前記リボンカセットをカセット
収納部の底面に押し付けるカセット押えを有している。

【００１１】

【作用】上記の構成を有する本発明のリボンカセット
は、印字装置のカセット収納部に対して着脱自在であ
り、インクリボンとテープとを印字装置に供給する。イ
ンクリボンとテープとは重ね合わせた状態でプラテンと
ヘッドとの間に挟み込まれ、ヘッドによりテープ表面に
文字や図形が形成される。リボンカセットの印字装置の
プラテン及びヘッドの近傍にある凸部または凹部は、リ
ボンカセットをカセット収納部に装着したときに、リボ
ンカセットをカセット収納部の底面に押しつける力を受
ける。また、印字装置のカセット押えは、プラテン及び
ヘッドの近傍にあって、プラテンまたはヘッドの少なく
とも一方が他方に対して接近する方向へ移動してインク
リボンとテープを挟み込むときに、プラテンまたはヘッ
ドの移動に連動してリボンカセットをカセット収納部の
底面に押しつける。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。図１に本発明の一実施例であるリボ
ンカセット７を印字装置１に挿入した状態の断面図を示
す。印字装置１及びリボンカセット７の構成は、ほとん
どが従来の印字装置と同様であり、従来と同じ部分につ
いては、同一の符号を付している。印字装置１は、透明
テープ１５の片面にインクリボンにより熱転写印字を行
い、両面テープ１２を貼り付けてラミネートタイプの印
字テープ１８を作成するための装置である。テープカセ
ット７内には、透明テープ１５が巻かれた透明テープリ
ール１３、両面テープ１２が巻かれた両面テープリール
１１、インクリボン１６が巻かれたインクリボンリール
１４の３種類のリールが回転可能に保持されている。

【００１３】透明テープ１５は、インクリボン１６と重
ね合わされた状態で、印字装置１のサーマルヘッド２２
とプラテンローラ２１とに挟み込まれ、サーマルヘッド
２２に組み込まれている発熱素子により、キーボード４
で入力された文字、図形等を印字する。そして、透明テ
ープ１５の印字面に、テープ駆動ローラ２３とテープ送
りローラ２４とにより、両面テープ１１が貼り合わされ
て印字テープ１８が製作される。印字テープ１８は、テ
ープカット機構により切断された後、本体ケース３の外
部に排出される。

【００１４】次に、本発明の要部であるリボンカセット
７の固定方法について図面により詳細に説明する。プラ
テンローラ２１を回転可能に軸支するプラテンレバー３
０は、スイッチレバー６の中心軸６ａを支点として回転
可能に支持されている。プラテンレバー３０には、プラ
テンローラ２１及びテープ送りローラ２４が各々回転可
能、かつ、サーマルヘッド２２及びテープ駆動ローラ２
４に対し圧接されるように配設されている。

【００１５】リボンカセット７を取り出すときは、スイ
ッチレバー６を半時計回りに回転させることにより、プ
ラテンレバー３０が図に示す位置から反時計回りに回動
する。それにより、インクリボン１６と透明テープ１５
とを重ね合わせた状態で、サーマルヘッド２２との間に
挟み込んでいたプラテンローラ２１がサーマルヘッド２
２から離間して、インクリボン１６と透明テープ１５と
が解放される。また、テープ送りローラ２４もテープ駆
動ローラ２３から離間する。さらにカセットカバー２５
をヒンジ２７を支点として上向きに回転させることによ
り、リボンカセット７が解放され、リボンカセット７を
カセット収納部２から取り出すことが可能となる。

【００１６】次に、リボンカセット７を収納する場合を
説明する。カセット収納部２のカセットカバー２５が開
いている状態で、リボンカセット７を挿入する。カセッ
ト収納部２には、図示しない位置決めピンが複数本立っ
ており、リボンカセット７の位置決め孔に嵌合して、リ
ボンカセット７の平面方向での位置決めがなされる。こ
のとき、サーマルヘッド２２は、リボンカセット７の切
り欠き部に入り込んでインクリボン１６と透明テープ１
５とが重ね合わされている位置の内側に入っている。カ
セットカバー２が閉じられた後で、スイッチレバー６が
時計回りに回転されることにより、プラテンレバー３０
が時計回りに回動する。そして、プラテンローラ２１が
サーマルヘッド２２の方向に移動して、インクリボン１
６と透明テープ１５とを重ね合わされた状態で挟み込
む。また、テープ送りローラ２４がテープ駆動ローラ２
３に当接する。

【００１７】このとき、プラテンレバー３０の回動によ
り、リボンカセット７がプラテンローラ２１近傍でカセ
ット収納部２の下面に押しつけられため、リボンカセッ
ト７の浮き上がりが防止される。次にその方法を説明す
る。図２にリボンカセット７がカセット収納部２の中に
収納されている状態でのＡ−Ａ断面図を示す。リボンカ
セット７のインクリボン１６と透明テープ１５とが重な
っている位置である印字位置の近傍には、印字装置１と
連動してリボンカセット７をカセット収納部２の下面に
押しつけるためのカセット凸部７ａが形成されている。

【００１８】一方、プラテンレバー３０のリボンカセッ
ト７に当接する位置に、カセット押えリブ３０ａが形成
されている。そして、プラテンレバー３０が印字位置に
回動されることにより、カセット押えリブ３０ａがカセ
ット凸部７ａの上面に当接し、リボンカセット７をカセ
ット収納部２の下面に押しつけて、リボンカセット７の
浮き上がりを防止している。カセット押えリブ３０ａと
カセット凸部７ａとは、印字装置１の印字位置であるプ
ラテンローラ２１の近傍にあって、リボンカセット７を
カセット収納部の下面に押さえつけているので、印字装
置１が駆動中にプラテンローラ２１付近でリボンカセッ
ト７が浮き上がることがないため、インクリボン１６の
蛇行等がなくなり、安定した印字を行うことができる。

【００１９】本実施例によれば、リボンカセット７の浮
き上がり防止対策として、余分の部品や動作を必要とし
ないので、コストアップとならずにリボンカセット７の
浮き上がりが防止できる。

【００２０】本実施例では、リボンカセット７の側面に
凸部が形成されている場合について説明したが、リボン
カセット７に凹部が形成されていて、印字装置側のカセ
ット押えが突き出した形状をしていてもよい。また、本
実施例では、プラテンローラ２１が移動してサーマルヘ
ッド２２と当接するのと連動してカセット押えを動作さ
せていたが、プラテンローラ２２を固定して、サーマル
ヘッド２２を移動させる印字装置の場合は、サーマルヘ
ッド２２の移動と連動してカセット押えを動作させれば
よい。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のリボンカセットと印字装置によれば、プラテン及
びヘッドの近傍にあって、プラテンまたはヘッドの少な
くとも一方が他方に対して接近する方向へ移動してイン
クリボンとテープを挟み込むときに、プラテンまたはヘ
ッドの移動に連動してリボンカセットをカセット収納部
の底面に押しつけているので、印字装置が駆動中にプラ
テンローラ付近でリボンカセットが浮き上がることがな
いため、インクリボンの蛇行等がなくなり、安定した印
字を行うことができ、インクリボンの折れ等の故障がな
くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である印字装置に収納された
リボンカセットの周辺断面図である。

【図２】図１中のＡ−Ａ断面図である。

【図３】印字装置の全体を示す平面図である。

【図４】従来の印字装置に収納されたリボンカセット周
辺の平面断面図である。

【図５】従来の印字装置に収納されたリボンカセット周
辺の側面断面図である。

【符号の説明】

１ 印字装置 ２ カセット収納部 ７ リボンカセット ７ａ カセット凸部 １１ 両面テープ １５ 透明テープ １６ インクリボン ２１ プラテンローラ ２２ サーマルヘッド

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 32/00 B41J 15/04 B41J 35/28

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクリボンの巻かれたリボンリール
   と、テープの巻かれたテープリールとを有し、該インク
   リボンと該テープとを重ね合わせた状態でプラテンとヘ
   ッドとの間に常時挟み込んでテープ表面に文字や図形を
   形成する印字装置のカセット収納部に対して着脱自在な
   リボンカセットにおいて、 前記印字装置のプラテン及びヘッドの近傍にあって、リ
   ボンカセットをカセット収納部に装着したときに、リボ
   ンカセットをカセット収納部の底面に押しつける力を受
   け、常時リボンカセットをカセット収納部の底面に押し
   つける力を受ける凸部または凹部を有することを特徴と
   するリボンカセット。
2. 【請求項２】 インクリボンの巻かれたリボンリール
   と、テープの巻かれたテープリールとを有し、カセット
   収納部に対し着脱自在なリボンカセットを使用し、該イ
   ンクリボンとテープとをプラテンとヘッドの間に挟み込
   んで、該テープ表面に文字または図形を形成するとき
   に、前記プラテンと前記ヘッドとの位置関係が常時変化
   しない印字装置において、 前記プラテン及びヘッドの近傍にあって、前記プラテン
   またはヘッドの少なくとも一方が他方に対して接近する
   方向へ移動して前記インクリボンとテープを挟み込むと
   きに、前記プラテンまたはヘッドの移動に連動して前記
   リボンカセットをカセット収納部の底面に押しつけ、常
   時前記リボンカセットをカセット収納部の底面に押し付
   けるカセット押えを有することを特徴とする印字装置。