JP2519609Y2 - リボンカセット - Google Patents

リボンカセット

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JP2519609Y2
JP2519609Y2 JP1673792U JP1673792U JP2519609Y2 JP 2519609 Y2 JP2519609 Y2 JP 2519609Y2 JP 1673792 U JP1673792 U JP 1673792U JP 1673792 U JP1673792 U JP 1673792U JP 2519609 Y2 JP2519609 Y2 JP 2519609Y2
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cassette
ribbon cassette
platen
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進 葛谷
喜秋 長尾
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、相対的に接離する印字
ヘッドとプラテンとの間を走行するインクリボンを収納
し、印字ヘッドとプラテンとが離間している状態で印字
装置に対して着脱されるリボンカセットに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のリボンカセットの一つと
して、熱転写プリンタに用いられるリボンカセットがあ
げられる。代表的な熱転写プリンタでは、長尺状のプラ
テンに沿ってキャリッジが往復移動可能に設けられてお
り、そのキャリッジ上に、プラテンに対して圧接、リリ
ースするサーマルヘッドが配設されている。
【0003】そして、サーマルヘッドがプラテンからリ
リースしている状態でリボンカセットがキャリッジに対
して着脱されるのであるが、このリボンカセットには、
リリース状態のサーマルヘッドの進退を許容する凹所が
設けられているのが一般的であり、その凹所の前方、す
なわち、サーマルヘッドとプラテンとの間をインクリボ
ンが走行するようにされている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のリボンカセットでは、リリース状態のサーマル
ヘッドの進退が確実に行われるようにするために、前記
凹所の大きさに余裕を持たせていた。
【0005】その結果、リボンカセットの本来の機能で
あるインクリボンの収納のための空間が前記凹所に占有
されていまい、リボンカセットのサイズに対するインク
リボンの収納効率が悪いという問題があった。
【0006】また、前記収納効率を向上させるために、
前記凹所の大きさを必要最小限にした場合、リボンカセ
ットをキャリッジに装着する際に、サーマルヘッドが凹
所前方のインクリボンに引っ掛かって、インクリボンを
損傷したり、インクリボンの蛇行を促すことになる等の
問題が生じてくる。
【0007】本考案は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、着脱時にインクリボンの損傷等を起こすこと
なく収納効率の向上したリボンカセットを提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案のリボンカセットは、相対的に接離する印字ヘ
ッドとプラテンとの間を走行するインクリボンを収納
し、印字ヘッドとプラテンとが離間している状態で印字
装置に対して着脱されるリボンカセットにおいて、リボ
ンカセットのケースに形成され、インクリボンを露出さ
せる露出部と、その露出部にインクリボンを案内するガ
イド部と、リボンカセットの印字装置に対 する着脱時
に、印字ヘッドがリボンカセットに対して進退するのを
許容する凹所と、露出部に位置するインクリボンを常に
は凹所とは反対方向に付勢案内し、リボンカセットを印
字装置に装着した後、装置側に設けられた解除手段によ
りその付勢状態が解除される付勢手段とを備えている。
【0009】
【作用】上記の構成を有する本考案のリボンカセット
は、付勢手段が、露出部に位置するインクリボンを常に
は凹所とは反対方向に付勢案内しているため、リボンカ
セットの着脱時に印字ヘッドと露出部に位置するインク
リボンとが接触するのを防ぐことができ、インクリボン
が印字ヘッドと接触することによるインクリボンの損傷
を防止することが可能になる。また、従来のように凹所
を広く確保する必要がなく、インクリボンの収納効率を
向上させることができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案を具体化した一実施例について
図面を参照して説明する。
【0011】図3にテープ印字装置1の全体構成を示
す。このテープ印字装置1のハウジング3上面には、回
転操作可能な選字ダイヤル5が設けられている。この選
字ダイヤル5は円環状を成し、その円環状ダイヤル面7
には英数字、記号、符号等のキャラクタが等間隔に表示
されている。以下、煩雑さを避けるために、これらのキ
ャラクタを代表的に文字と称する。
【0012】ハウジング3上面にはまた、選字ダイヤル
5に隣接して選字ダイヤル5の選字位置を規定する位置
合わせポイント9が設けられている。選字ダイヤル5の
内側には、印字すべき文字を確定するために操作される
確定キー11が選字ダイヤル5と同心的に設けられてい
る。選字ダイヤル5の選字操作の後、この確定キー11
が押されることにより、位置合わせポイント9に位置し
ている文字が入力文字として確定されることになる。位
置合わせポイント9に順次合わせられる文字は、図示し
ない選字機構及び制御手段に基づき、ハウジング3上面
の液晶ディスプレイ13の最下位桁に順次表示され、確
定キー11により確定処理が行われる毎に表示された文
字が1桁ずつ上位桁側にスクロールされるようになって
いる。また、入力された文字は内部メモリに順次記憶さ
れる。
【0013】ハウジング3上面には更に、選字ダイヤル
5の隣りに位置して、印字キー17の他、このテープ印
字装置1の制御のために用いられる複数のファンクショ
ンキー19が設けられている。そして、印字キー17が
操作されると、液晶ディスプレイ13に表示されるとと
もに内部メモリに記憶された文字に対応する印字像の形
成された貼付けテープ21が作成され、ハウジング3側
面に設けられたテープ排出口23からハウジング3の外
へ送り出されるものであり、この貼付けテープ21が適
宜の長さにカットされて所望の貼付け受容体に貼付けら
れて使用される。
【0014】ここで、テープ印字装置1によって作成さ
れる貼付けテープ21の構成を図8に基づいて説明す
る。
【0015】貼付けテープ21は、透明テープ25と、
その透明テープ25に貼合わせられた両面テープ27と
から構成されている。両面テープ27は、透明な基材2
7aの両面に形成された第1粘着面27b及び第2粘着
面27cと、その第2粘着面27cに貼合わせられた剥
離紙27dとから構成されている。前記透明テープ25
の裏面に、透明テープ25の表面から見たときに正像と
なるような文字の印字像29が形成され、この透明テー
プ25の裏面と両面テープ27の第1粘着面27bとが
貼合わせられているのである。従って、印字像29は透
明テープ25と両面テープ27の間に挟まれることによ
り、外部からの摩擦等により汚れたりかすれたりするこ
とがない。
【0016】そして、この貼付けテープ21は、適宜の
長さにカットされた後、剥離紙27dが剥されることに
よって露出する第2粘着面27cの粘着力によって、所
望の貼付受容体に貼付けられて使用される。
【0017】図4はテープ印字装置1を後方から見た斜
視図であり、同図に示すように、ハウジング3の背面に
はカセット収納凹所31が形成されており、この収納凹
所31を塞ぐ形状のカセットカバー33が取付けられる
ことにより、テープ印字装置1が一つの筐体を成すので
ある。カセット収納凹所31の上方には、リリースレバ
ー34がスライド可能に設けられており、同レバー34
が図4の右方にスライドされたとき、図示しないカム機
構の作用によって後述するローラホルダ59が上方へ持
ち上げられ、サーマルヘッド83とプラテンローラ75
がリリースする構成とされている。
【0018】次に、カセット収納凹所31内に装着され
リボンカセット35、及びテープ印字装置1の印字機
構の構成について説明する。
【0019】図1は、前記テープ排出口23を通る平面
にてハウジング3を破断するとともに、装着されたリボ
カセット35の一部を破断して示す背面図である。同
図に示すように、ハウジング3の内部には、テープ排出
口23に隣接してサイドフレーム37が設けられてい
る。サイドフレーム37の下端に形成された軸穴39に
は、一端にカム部41を有するカム軸43が回動可能に
挿嵌されており、ハウジング3の外へ突出したカム軸4
3の他端には、カッターレバー45が固定されている。
【0020】また、サイドフレーム37には、上下方向
に長い2つの長穴47が形成されている。そして、上端
にカッター49を有するカッターホルダ51が、長穴4
7を介して2つの平ねじ53によって取付けられてお
り、長穴47のサイドフレーム37に沿って上下動可能
とされている。
【0021】このカッターホルダ51は、図示しない引
張りばねによって常時下方に付勢されているが、カッタ
ーホルダ51の下端がカム軸43のカム体1に当接する
ことにより、下方への移動が規制されている。そして、
カッターレバー45の回動に応じてカム部41とカッタ
ーホルダ51の下端との当接位置が変化することによっ
て、カッターホルダ51が上下動する構成とされてい
る。
【0022】サイドフレーム37の上部であって、テー
プ排出口23と対向する位置には、前記貼付けテープ2
1の走行を許容するテープ通路55が形成されている。
テープ通路55により更に上方に形成された支持軸57
には、ローラホルダ59が図1に示すリリース位置と図
2に示す圧接位置の間で回動可能に取付けられており、
このローラホルダ59は、サイドフレーム37に一端が
固定された湾曲形状を成した板ばね61の弾性復元力に
よって常時下方へ付勢されている。尚、図1は前記リリ
ースレバー34が右方へスライドされて、ローラホルダ
59が板ばね61の付勢力に抗して上方へ持ち上げられ
た状態を示している。
【0023】図5に示すようにローラホルダ59は、上
板部59aと、その上板部59aの両端から下方に垂下
した垂下部59b,59cとから構成されている。そし
て、垂下部59b,59cには、サイドフレーム37の
支持軸57と勘合する回動軸穴63をはじめとして、送
りローラ軸穴65や、小判穴形状のプラテンローラ軸6
7が、それぞれ対向する位置に形成されている。
【0024】送りローラ軸穴65には、従動送りローラ
69と従動ギア71とを同軸上に有する送りローラ体7
3が回転可能に取付られている。一方、プラテンローラ
軸穴67には、プラテンローラ75が、回転可能且つプ
ラテンローラ軸穴67の範囲で上下動可能に取付られて
いる。
【0025】また、前記垂下部59b,59c先端の対
向面には、一対の短軸77が突設されており、この短軸
77にプラテンローラ押えばね79は、2つのコイルば
ね部79aを連結部79bで連結した態様を成してお
り、両コイルばね部79の端からはアーム部79cがそ
れぞれ延出している。
【0026】そして、プラテンローラ押えばね79は、
コイルばね部79aが前記短軸77に嵌挿されるととも
に連結部79bがローラホルダ59の上板部59aの下
面に当接され、さらにアーム部79cがプラテンローラ
75の両端に形成された段部75aに係合された状態で
取付けられている。
【0027】従って、プラテンローラ75は、プラテン
ローラ押えばね79のコイルばね部79aの弾性復元力
によって常時下方に付勢されているのである。尚、プラ
テンローラ押えばね79がプラテンローラ75を付勢す
る力は、板ばね61がローラホルダ59を付勢する力よ
り弱く設定されている。
【0028】さらに、ローラホルダ59の一方の垂下部
59bの先端には、下方に突出したばね押え部81が形
成されている。
【0029】図1及び図5に示すようにプラテンホルダ
59の下方には、多数の発熱抵抗体が一列に並べられて
成る印字素子83aが配設されたサーマルヘッド83
が、図示しないフレームに固定されている。そして、こ
のサーマルヘッド83は、印字素子83aがローラホル
ダ59の回動に伴って移動するプラテンローラ75の軌
跡上に位置するように位置決めされている。
【0030】前記フレームにはまた、図示しないステッ
プモータ及び動力伝達機構によって互いに逆回転駆動さ
れるリボン巻取体85及びテープ送り体87が所定位置
に設けられている。尚、リボン巻取体85に関する動力
伝達機構の一部にはスリップ機構が含まれており、この
スリップ機構の作用によって、リボン巻取体85の回転
量はリボン巻取体85にかかる負荷に応じて変化するよ
うになっている。また、テープ送り体87には、送りロ
ーラ体73の従動ギア71と噛合する駆動ギア(図示せ
ず)が一体回転可能に設けられている。
【0031】次に、リボンカセット35の内部構成につ
いて説明する。その内部には、透明テープ25が巻回さ
れた透明テープスプール89、熱転写リボン91がその
インク面を内側にして巻回されたリボン供給スプール9
3、リボン供給スプール93から引出された熱転写リボ
ン91を巻取るリボン巻取スプール95、及び両面テー
プ27が剥離紙27bを外側にして巻回された両面テー
プスプール97が、図1に示す位置にそれぞれ回転可能
に支持されている。尚、リボン巻スプール95は、その
内周面にリボン巻取体85と係合する6個の爪95aを
有している。
【0032】リボンカセット35の側壁であって、リボ
ンカセット35をテープ印字装置1に装着したときにテ
ープ通路55と対向する位置には、貼付けテープ21の
通過を許容する開口99が設けられている。開口99の
近傍には、両側にフランジを有し、テープ送り体87と
係合可能な円柱状の駆動送りローラ101が回転可能に
支持されている。この駆動送りローラ101の円柱部分
の長さと透明テープ25、両面テープ27の幅は略同一
とされている。
【0033】また、リボンカセット35には、図1及び
図2から明かなように、リボンカセット35をテープ印
字装置1に装着したときに、印字ヘッド83及びプラテ
ンローラ75と対向する位置には、熱転写リボン91を
露出させる露出部98が設けられている。
【0034】リボンカセット35の底面には、リボンカ
セット35のテープ印字装置1への着脱時に、サーマル
ヘッド83がリボンカセット35に対して進退するのを
許容する凹所103が形成されており、その凹所103
の両縁には、サーマルヘッド83と略平行となるよう
に、第1ガイド板105と第2ガイド板107が立設さ
れている。第1ガイド板105の下方には、支持ピン1
09が突設されており、この支持ピン109にコイルば
ね111が取付けられている。コイルばね111の一方
のアームはリボン巻取スプール95に係合しており、巻
取られた熱転写リボン91が不用意に引出されないよう
にするための回転負荷をリボン巻取スプール95に与え
ている。
【0035】また、コイルばね111の他方のアームは
図5に示すように、途中にクランク部111aが形成さ
れてサーマルヘッド83の印字素子83aを通り越した
位置まで延びており、その位置で印字素子83aと平行
となるように屈曲された部分がリボンガイドアーム11
1bとされている。尚、クランク部111aは、リボン
カセット35をテープ印字装置1に装着したときに、ロ
ーラホルダ59の回動に伴って移動するばね押え部81
の軌跡上に位置するように形成されている。
【0036】図1に示すように、リボン供給スプール9
3から引出された熱転写リボン91は、リボンカセット
35内に突設されたガイドピン113,第1ガイド板1
05,リボンガイドアーム111b,第2ガイド板10
7にそれぞれ案内されたリボン巻取スプール95に巻取
られる。そして、熱転写リボン91は、第1ガイド板1
05から第2ガイド板107に向かって案内される過程
で、前記露出部98に位置するようになっている。
【0037】リボン供給スプール93の近傍に突設され
た支持板15には、シリコンによるコーティングが施さ
れたセパレートフィルム117の一端が固着されてお
り、そのセパレートフィルム117の他端は、図7に拡
大して示すようにガイドピン113を通過した位置まで
延びている。
【0038】また、透明テープスプール89から引出さ
れた透明テープ25は、ガイドピン113の部分でセパ
レートフィルム117を介して熱転写リボン91に重ね
合わされ、その後、第1ガイド板105に案内されてサ
ーマルヘッド83の上方を経て開口99へと送り出され
るものであるが、送りローラ101に到達したところ
で、両面テープスプール97から引出された両面テープ
27と貼合わされるため、リボンカセット35の外へ送
り出される際にはすでに前記貼付けテープ21の態様を
なしている。
【0039】さらに、リボンカセット35内には、図1
において供給スプール93の左方に設けられた3つのリ
ブ119によって、バックテンションばね121が支持
されている。このバックテンションばね121は、図6
に示すように一枚の板材を加工して形成されたものであ
り、リブ119に支持された固定端側から延びる一対の
押圧部121aと、その押圧部121aの中央において
押圧部121aとは独立して延びる当接アーム121b
とから構成されている。
【0040】この当接アーム121bは、その中央にお
いて屈曲されており、先端部分が透明テープ25と当接
している。当接アーム121bは、重ね合わせ状態の透
明テープ25と熱転写リボン91とを屈曲付勢して、ガ
イドピン113と第1ガイド板105の左端部分に倣わ
せるとともに、先端部分の上下端に折曲げ形成された庇
部121cによって幅方向の移動を規制する作用を有し
ており、透明テープ25と熱転写リボン91の蛇行を防
止する役割を担うものである。また、当接アーム121
bと当接する部分のそれらテープ25とリボン91にか
かるテンションに応じて変異可能であるため、常に上記
作用を行い得るのである。
【0041】以下、上記構成のテープ印字装置1の操作
及び動作について説明する。
【0042】まず、カセットカバー33を取り外し、リ
リースレバー34(図4参照)を右方へスライドさせ
て、ローラホルダ59を上方へ持ち上げた状態、すなわ
ち、プラテンローラ75と従動送りローラ69がそれぞ
れサーマルヘッド83と駆動送りローラ101からリリ
ースした状態に保持しておき、リボンカセット35をカ
セット収納凹所31に装着する。これに伴って、リボン
巻取スプール95がリボン巻取体5に係合されるととも
に駆動送りローラ101がテープ送り体7に係合され
る。リボンカセット35を装着したときにサーマルヘッ
ド83の先端部分は、第1,第2のガイド板105,1
07の右端を結ぶ直線よりリボンカセット35の外方寄
りの位置に位置するように設定されている。
【0043】しかしながら、このリボンカセット35の
装着時には、図1に示すように、コイルばね111のリ
ボンガイドアーム111bが、第1ガイド板105の右
端と第2ガイド板107の右端との間、即ちリボンカセ
ット35の露出部98に位置する熱転写リボン91と透
明テープ25とを前記凹所103とは反対側(前記両ガ
イド板105,107の右端を結ぶ直線よりも外方)へ
向けて付勢案内しているので、サーマルヘッド83が
ボンカセット35に対して進退するための空間が充分確
保されている。従って、リボンカセット35の装着に際
してサーマルヘッド83が熱転写リボン91や透明テー
プ25に引っ掛かって、それらを破損したりそれらの蛇
行を発生したりすることがない。
【0044】リボンカセット35の装着が完了した後に
リリースレバー34を左方へスライドさせると、リリー
スレバー34のカム機構(図示せず)に基づく持ち上げ
が解除され、ローラホルダ59は、板ばね61の作用で
図2に示す圧接位置に移動する。
【0045】すると、従動送りローラ69が透明テープ
25と両面テープ27を介して駆動送りローラ101に
強く圧接され、これと同時に送りローラ体73の従動ギ
ア71(図5参照)が駆動送りローラ101の駆動ギア
(図示せず)に噛合される。また、プラテンローラ75
は、リボンカセット35の露出部98に位置している
明テープ25と熱転写リボン91を介してサーマルヘッ
ド83に圧接される。ところで、プラテンローラ押えば
ね79の作用によってプラテンローラ軸穴67の下端に
位置されているプラテンローラ75は、従動送りローラ
69と駆動送りローラ101が圧接する前にサーマルヘ
ッド83に対する圧接を開始する関係に設定されてい
る。
【0046】しかしながら、プラテンローラ押えばね7
9の付勢力が板ばね61のそれより弱く設定されている
ことにより、プラテンローラ押えばね79が弾性変形さ
れてプラテンローラ75がプラテンローラ軸穴67に沿
って退避し、両送りローラ69,101の圧接と、プラ
テンローラ75とサーマルヘッド83の圧接とが達成さ
れる。
【0047】そして、このときのプラテンローラ75の
退避に応じて弾性変形したプラテンローラ押えばね79
が生ずる付勢力によって、プラテンローラ75とサーマ
ルヘッド83との圧接力が規定されるのである。また、
プラテンローラ75は、その長軸方向の両端部でプラテ
ンローラ押えばね79のアーム部79cによって独立し
て付勢されているため、仮にローラホルダ59の回動軸
線とサーマルヘッド83の当接面(すなわち、印字素子
83a)との平行度に若干のくるいがあったとしても、
そのくるいが補正され、サーマルヘッド83に偏りなく
確実に圧接されるのである。
【0048】また、ローラホルダ59の圧接位置への移
動に伴って、コイルばね111のクランク部111aが
ばね押え部81に当接しながら図2に示す位置まで押し
下げられる。その結果、リボンガイドアーム111b
は、第1,第2ガイド板105,107の右端を結ぶ直
線より内方に位置させられるため、プラテンローラ75
のサーマルヘッド83への圧接動作の妨げになったり、
熱転写リボン91の走行に影響を与えたりすることがな
い。
【0049】以上の操作によりテープ印字装置1は印字
可能な状態とされるのである。
【0050】選字ダイヤル5や確定キー7等の操作によ
り入力文字が内部メモリに記憶された後に印字キー17
が操作されると、前記ステップモータが回転されるのに
伴って印字素子83aが適宜発熱されて印字動作が行わ
れる。
【0051】前記ステップモータが回転されると、テー
プ送り体87が図2の時計方向に回転される。すると、
駆動ローラ101が時計方向に回転されるとともに、前
記駆動ギア及び従動ギア71を介して従動送りローラ6
9が反時計方向に回転され、これら両ローラ69,10
1の間に挟まれている透明テープ25と両面テープ27
は、貼合わせられながら開口99の外方(図2において
右方)に向けて送られる。
【0052】一方、前記ステップモータが回転される
と、リボン巻取体85は図2の反時計方向に回転され
る。ところで、熱転写リボン91と透明テープ25は、
プラテンローラ75とサーマルヘッド83との間に挟持
されているのであるが、この部分において熱転写リボン
91と透明テープ25との間に作用する摩擦力は、前記
スリップ機構を介してステップモータの回転が伝えられ
るリボン巻取スプール95の巻取力より大となってい
る。
【0053】従って、巻取スプール95が熱転写リボン
91を巻取る量は、前記摩擦力によって制限されること
になり、その量は、駆動送りローラ101と従動送りロ
ーラ69の作用によって送られてサーマルヘッド83と
プラテンローラ75の間を通過する透明テープ25,熱
転写リボン91,及び両面テープ27の送り量は、総て
両送りローラ101,69の回転量に支配されているこ
とになる。
【0054】こうして送られる熱転写リボン91を介し
て透明テープ25に印字像29が形成されるのである
が、その印字方法は、印字されるパターンが左右に反転
されていることを除けば周知のサーマルプリンタと同様
であるため詳細な説明は省略する。
【0055】上述したように、両ローラ101,69に
よって送られる透明テープ25と熱転写リボン91に
は、バックテンションばね121の押圧部121aの作
用によりバックテンションが付与されているため、これ
らテープ25とリボン91が必要以上に引出されること
がなく、また、当接アーム121bが上記バックテンシ
ョンに応じて変異することによって、常にこれらテープ
25とリボン91の蛇行が防止されている。
【0056】透明テープ25に対して印字像が形成さ
れ、両面テープ27に貼合わされることによって作成さ
れた貼付けテープ21は、最後に印字された印字像がカ
ッター49の上方を通過するのに必要な所定量の送りが
行われた後に、カッタレバー45が回動されることによ
ってカッター49にカットされて使用されている。
【0057】印字の終了後、リボンカセット35を取り
外す場合にはリリースレバー34を再び右方へスライド
させればよい。すると、図1に示すようにプラテンホル
ダ59がリリース位置に移動し、これに伴ってコイルば
ね111が弾性復元してリボンガイドアーム111bが
再び、熱転写リボン91を凹所103とは反対側に付勢
し、サーマルヘッド83が進退するための空間を確保す
るため、リボンカセット35の取り外しをスムーズに行
うことができる。
【0058】上述したことから明かなように、本実施例
においては、リボンカセット35内に透明テープ25、
熱転写リボン91及び両面テープ27が収納され、透明
テープ25の裏面に、透明テープ25の表面から見た時
に正像となるような文字の印字像29が形成され、この
透明テープ25の裏面と両面テープ27の第1粘着面2
7bとが貼合わせられる。従って、印字像29は透明テ
ープ25と両面テープ27の間に挟まれることになり、
外部からの摩擦等によって汚れたりかすれたりすること
がない。また、剥離紙27bを剥がすことにより第2粘
着面27cの粘着力により対象物に貼付けることがで
き、使用者は印字像29を透明テープ25の表面から正
像として視認することができる。
【0059】さらに図2から明らかなように、両面テー
プ27のカセット35内での配置が、透明テープ25及
びリボン91よりも開口99に近接させた構成となって
いるので、第1粘着面27bが露出された両面テープ2
7の経路を他のテープ、リボンの経路と比較して短くす
ることができる。従って、両面テープ27の第1粘着面
27bが不意に他の部材に貼付いてしまうことを最小限
に防ぐことができる。
【0060】
【考案の効果】以上説明したように本考案においては、
着脱時にリボンカセットの損傷等を起こすことなく収納
効率の向上したリボンカセットを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】テープ印字装置のハウジングとカセットの一部
を破断して示す背面図であり、ローラホルダがリリース
位置にある状態を示している。
【図2】テープ印字装置のハウジングとカセットの一部
を破談して示す背面図であり、ローラホルダが圧接位置
にある状態を示している。
【図3】テープ印字装置を前方から見た斜視図である。
【図4】テープ印字装置を後方から見た斜視図である。
【図5】ローラホルダの構成及びサーマルヘッド周辺の
構成を示す分解斜視図である。
【図6】バックテンションばね周辺の構成を示す拡大斜
視図である。
【図7】ガイドピン周辺の構成を示す拡大平面図であ
る。
【図8】テープ印字装置によって作成される貼付けテー
プの拡大斜視図である。
【符号の説明】
35 カセット 75 プラテンローラ 83 サーマルヘッド 98 露出部 103 凹所 105 第1ガイド板 107 第2ガイド板 111 コイルばね

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に接離する印字ヘッドとプラテン
    との間を走行するインクリボンを収納し、印字ヘッドと
    プラテンとが離間している状態で印字装置に対して着脱
    されるリボンカセットにおいて、リボンカセットのケースに形成され、前記インクリボン
    を露出させる露出部と、 その露出部に前記インクリボンを案内するガイド部と、 リボンカセットの印字装置に対する着脱時に、前記印字
    ヘッドがリボンカセットに対して進退するのを 許容する
    凹所と、前記露出部に位置するインクリボンを常には前記凹所と
    は反対方向に付勢案内し、リボンカセットを印字装置に
    装着した後、装置側に設けられた解除手段によりその付
    勢状態が解除される 付勢手段とを備えることを特徴とす
    るリボンカセット。
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