図1は、自動車100のさまざまな構成要素の一実施形態の概略図である。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「自動車」という用語は、一人以上の乗員を乗せることが可能であり、任意の形態のエネルギーによって動力供給される任意の移動車両を意味する。「自動車」という用語は、乗用車、トラック、バン、ミニバン、SUV、オートバイ、スクータ、ボート、個人用船舶および航空機を含むが、これらに限定されるものではない。
場合によっては、自動車は、1つ以上のエンジンを含む。本明細書および特許請求の範囲において使用される「エンジン」という用語は、エネルギーの変換が可能な任意の装置または機械を意味する。場合によっては、ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに変換される。例えば、エネルギー変換は、燃料や燃料電池の化学的ポテンシャルエネルギーが回転運動エネルギーに変換されたり、または電気的ポテンシャルエネルギーが回転運動エネルギーに変換されたりする状況を含みうる。また、エンジンは、運動エネルギーをポテンシャルエネルギーに変換する機能も含みうる。例えば、駆動系から得られる運動エネルギーがポテンシャルエネルギーに変換される回生制動システムを含むエンジンもある。また、エンジンは、太陽エネルギーや核エネルギーを別の種類のエネルギーに変換する装置も含みうる。エンジンのいくつかの例として、内燃機関、電気モータ、太陽エネルギー変換器、タービン、原子力発電所、および2つ以上の異なる種類のエネルギー変換プロセスを組み合わせたハイブリッドシステムが含まれるが、これらに限定されるものではない。
明瞭にするために、この実施形態には、自動車100の一部の構成要素のみしか示していない。さらに、他の実施形態において、構成要素の一部が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。さらに、他の実施形態において、本明細書に例示された構成要素の任意の他の配列も、自動車100に動力供給するために使用可能であることを理解されたい。
一般に、自動車100は、任意の動力源によって推進されてもよい。いくつかの実施形態において、自動車100は、2つ以上の動力源を使用するハイブリッド車として構成されてもよい。他の実施形態において、自動車100は、エンジンなどの単一動力源を使用してもよい。
一実施形態において、自動車100は、エンジン102を含みうる。一般に、エンジン102の気筒数は、さまざまでありうる。ある場合では、エンジン102は、6気筒を含みうる。また、ある場合では、エンジン102は、3気筒、4気筒または8気筒エンジンでありうる。さらなる他の場合では、エンジン102は、任意の他の数の気筒を有しうる。
いくつかの実施形態において、自動車100は、エンジン102および/または自動車100の他のシステムに関連するさまざまな構成要素と通信し、場合によっては、これらの構成要素を制御するための機能を含んでもよい。いくつかの実施形態において、自動車100は、コンピュータまたは同様のデバイスを含んでもよい。この実施形態において、自動車100は、ここではECU150と呼ばれる電子制御ユニット(electronic control unit)150を含んでもよい。一実施形態において、ECU150は、自動車100のさまざまな構成要素と通信し、および/またはこれらの構成要素を制御するように構成されてもよい。
ECU150は、エンジンのさまざまなパラメータ、並びに自動車100の他の構成要素またはシステムを監視および管理するようにすべてが働くマイクロプロセッサ、RAM、ROMおよびソフトウェアを含んでもよい。例えば、ECU150は、エンジンに設置された多数のセンサ、デバイスおよびシステムから信号を受信可能である。さまざまなデバイスの出力は、RAMなどの電子記憶装置にデバイス信号が格納されてもよいECU150に送信される。電流および電子格納信号の両方が、ROMなどの電子メモリに格納されたソフトウェアに従って中央演算処理装置(CPU)によって処理されてもよい。
ECU150は、情報の入出力および電力の入出力を容易にする複数のポートを含んでもよい。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「ポート」という用語は、2つの導体間の任意のインタフェースまたは任意の共通の境界を意味する。場合によっては、ポートは、導体の抜き差しを容易にすることができる。このような種類のポートの例としては、機械的なコネクタが挙げられる。他の場合においては、ポートは、一般に、簡単に差したり抜いたりできないインタフェースである。このような種類のポートの例としては、回路基板上のはんだ、または電子トレースが挙げられる。
以下のポートおよびECU150に関連する機能のすべては任意選択である。実施形態によっては、所与のポートまたは機能を含むものもあれば、これらを含まないものもある。以下の説明は、使用されうる可能性のあるポートおよび機能の多くを開示しているが、所与の実施形態においてすべてのポートまたは機能が使用または含まれる必要はないことを留意されたい。
いくつかの実施形態において、ECU150は、エンジン102に関連するさまざまなシステムと通信し、および/またはこれらのシステムを制御する機能を含みうる。一実施形態において、ECU150は、さまざまな種類のステアリング情報を受信するポート151を含みうる。ある場合では、ECU150は、ポート151を通して、EPS160とも呼ばれる電子パワーステアリングシステム(electronic power steering system)160と通信してもよい。EPS160は、ステアリング補助を与えるために利用されるさまざまな構成要素およびデバイスを備えてもよい。例えば、EPS160が、運転者にステアリング補助を与えるためのアシストモータおよび他の機能を含む場合もある。加えて、EPS160は、トルクセンサ、ステアリング角センサおよび他の種類のセンサを含むさまざまなセンサに関連付けられうる。電子パワーステアリングシステムの例は、2006年2月27日に出願された、Kobayashiの米国特許第7,497,471号および2006年2月27日に出願されたKobayashiの米国特許第7,497,299号に開示されており、両特許の内容全体は、参照により本明細書に引用されたものとする。
いくつかの実施形態において、ECU150は、さまざまな種類の光情報を受信する機能を含みうる。一実施形態において、ECU150は、光学検知デバイス162などの1つ以上の光学検知デバイスから情報を受信するポート152を含みうる。光学検知デバイス162は、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、赤外線センサ、レーザセンサおよび光情報の検出が可能な任意の他のデバイスを含む任意の種類の光学デバイスでありうる。一実施形態において、光学検知デバイス162は、ビデオカメラでありうる。加えて、ECU150が、熱検知デバイス163との通信用ポート159を含む場合もある。熱検知デバイス163は、熱情報を検出するように構成されてもよい。熱検知デバイス163および光学検知デバイス162が単一のセンサに組み合わされうることがある。
一般に、1つ以上の光学検知デバイスおよび/または熱検知デバイスが、自動車の任意の部分に関連付けられうる。光学検知デバイスが、車室内の屋根に取り付けられうることもある。光学検知デバイスが、車両ダッシュボードに取り付けられうることもある。さらに、場合によっては、複数の異なる角度から運転者または乗員の視点を与えるために、自動車に複数の光学検知デバイスが据え付けられうる。一実施形態において、光学検知デバイス162は、光学検知デバイス162が運転者または乗員の顔面および/または頭部の画像を取り込むことができるように、自動車100の一部分に据え付けられてもよい。同様に、熱検知デバイス163が、ダッシュボード、屋根または任意の他の部分を含む自動車100の任意の部分に設置されうる。また、熱検知デバイス163は、運転者の顔面および/または頭部の概観を与えるように設置されてもよい。
いくつかの実施形態において、ECU150は、運転者の頭部の位置に関する情報を受信する機能を含みうる。一実施形態において、ECU150は、運転者の頭部およびヘッドレスト137との間の距離に関する情報を受信するポート135を含みうる。この情報は、近接センサ134から受信されうる場合もある。近接センサ134は、運転者の頭部とヘッドレスト137との間の距離を検出するように構成された任意のタイプのセンサであってもよい。場合によっては、近接センサ134は、キャパシタでありうる。他の場合において、近接センサ134は、レーザ検知デバイスでありうる。さらなる他の場合において、当業者に既知の任意の他のタイプの近接センサが、近接センサ134のために使用されうる。さらに、他の実施形態において、近接センサ134は、運転者の任意の部位と自動車100の任意の部分との間の距離を検出するために使用されてもよく、自動車100の任意の部分は、ヘッドレスト、シート、ステアリングホイール、屋根または天井、運転者側のドア、ダッシュボード、中央コンソールおよび自動車100の任意の他の部分を含むが、これらに限定されるものではない。
いくつかの実施形態において、ECU150は、運転者の生体情報に関する情報を受信する機能を含みうる。例えば、ECU150は、運転者の自律神経系(または内臓神経系)に関する情報を受信しうる。一実施形態において、ECU150は、バイオモニタリングセンサ164からの運転者の状態に関する情報を受信するポート153を含んでもよい。バイオモニタリングセンサ164から受信されうる運転者に関する異なる情報の例は、心拍数、血圧、酸素含有量などの心臓情報、脳波(EEG)測定、機能的近赤外分光法(fNIRS)、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)などの脳情報、消化情報、呼吸数情報、唾液分泌情報、発汗情報、瞳孔拡張情報、および運転者の自律神経系または他の生体系に関する他の種類の情報を含むが、これらに限定されるものではない。
一般に、自動車の任意の部分にバイオモニタリングセンサが配置されうる。バイオモニタリングセンサが、運転者に近接した場所に配置されうる場合もある。例えば、一実施形態において、運転席190の表面内または表面上にバイオモニタリングセンサ164が設置されうる。しかしながら、他の実施形態において、バイオモニタリングセンサ164が、ステアリングホイール、ヘッドレスト、アームレスト、ダッシュボード、バックミラーおよび任意の他の場所を含むが、これらに限定されるものではない自動車100の任意の他の部分に設置されてもよい。さらに、バイオモニタリングセンサ164が、携帯型のセンサであってもよい場合もあり、携帯型のセンサは、運転者が着用したり、スマートフォンまたは同様のデバイスなど、運転者の身近に置かれる携帯型デバイスに関連付けられたり、運転者が着用する衣服に関連付けられたりする。
いくつかの実施形態において、ECU150は、さまざまな視覚デバイスと通信し、および/またはこれらの視覚デバイスを制御する機能を含みうる。視覚デバイスは、情報を視覚的に表示可能な任意のデバイスを含む。これらのデバイスは、照明(ダッシュボードの照明、車室内照明など)、視覚インジケータ、ビデオスクリーン(ナビゲーションスクリーンまたはタッチスクリーンなど)および任意の他の視覚デバイスを含みうる。一実施形態において、ECU150は、視覚デバイス166との通信用ポート154を含む。
いくつかの実施形態において、ECU150は、さまざまな音声デバイスと通信し、および/またはこれらの音声デバイスを制御する機能を含みうる。音声デバイスは、情報を可聴音で与えることが可能な任意のデバイスを含む。これらのデバイスは、無線機、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、カセットプレーヤ、MP3プレーヤ、ナビゲーションシステムおよび音声情報を与える任意の他のシステムなど、スピーカおよびスピーカに関連付けられたシステムの任意のものを含みうる。一実施形態において、ECU150は、音声デバイス168との通信用ポート155を含みうる。さらに、音声デバイス168がスピーカであってもよい場合もあり、一方で、音声デバイス168が、運転者が聴こえる音声情報をスピーカに与えることが可能な任意のシステムを含むものであってもよい場合もある。
いくつかの実施形態において、ECU150は、さまざまな触覚デバイスと通信し、および/またはこれらの触覚デバイスを制御する機能を含みうる。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「触覚デバイス」という用語は、運転者または乗員に触覚刺激を与えることが可能な任意のデバイスを意味する。例えば、触覚デバイスは、振動したり、または運転者が感知しうる方法で他の何らかの方法で動いたりする任意のデバイスを含みうる。触覚デバイスは、車両の任意の部分に配置されうる。触覚デバイスは、運転者に触覚フィードバックを与えるようにステアリングホイールに設置されうる場合もある。また、触覚フィードバックを与えたり、または運転者をリラックスさせたりするために、車両シートに触覚デバイスが設置されうる場合もある。一実施形態において、ECU150は、触覚デバイス170と通信し、および/またはこれらの触覚デバイスを制御するポート156を含みうる。
いくつかの実施形態において、ECU150は、ユーザからの入力を受信する機能を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ECU150は、ユーザ入力デバイス111からの情報を受信するポート158を含みうる。場合によっては、ユーザ入力デバイス111は、1つ以上のボタン、スイッチ、タッチスクリーン、タッチパッド、ダイアル、ポインタまたは任意の他のタイプの入力デバイスを含みうる。例えば、一実施形態において、入力デバイス111は、キーボードまたはキーパッドでありうる。別の実施形態において、入力デバイス111は、タッチスクリーンでありうる。一実施形態において、入力デバイス111は、オン/オフスイッチでありうる。入力デバイス111は、車両または運転者に関連付けられた任意の身体状態モニタリングデバイスをオンまたはオフするために使用されうる場合もある。例えば、身体状態情報を検出するために光学センサが使用される実施形態において、入力デバイス111は、このタイプのモニタリングをオンまたはオフに切り換えるために使用されうる。複数のモニタリングデバイスを使用する実施形態において、入力デバイス111は、これらのモニタリングデバイスに関連付けられるすべての異なるタイプのモニタリングを同時にオンまたはオフにするために使用されうる。他の実施形態において、入力デバイス111は、いくつかのモニタリングデバイスを選択的にオンまたはオフするが、その他のものはオンまたはオフしないように使用されうる。
いくつかの実施形態において、ECU150は、さまざまな異なるエンジン構成要素またはシステムとの通信用および/または制御用のポートを含んでもよい。異なるエンジン構成要素またはシステムの例は、燃料噴射器、スパークプラグ、電子制御弁、絞り弁およびエンジン102の動作用に利用される他のシステムまたは構成要素を含むが、これらに限定されるものではない。
この実施形態において、自動車100の一部の構成要素しか示されていないことを理解されたい。他の実施形態において、さらなる構成要素が含まれうるが、ここに示す構成要素の一部は任意選択でありうる。さらに、ECU150は、自動車100のさまざまな他のシステム、センサまたは構成要素とのさらなる通信用ポートを含みうる。一例として、ECU150は、車両速度、車両位置、ヨーレート、横g力、燃料レベル、燃料組成、さまざまな診断パラメータ並びに任意の他の車両動作パラメータおよび/または環境パラメータ(周囲温度、圧力、高度など)を含むが、これらに限定されるものではない自動車100のさまざまな動作パラメータを検出するさまざまなセンサと電気的通信状態にある場合もある。
いくつかの実施形態において、ECU150は、さまざまな異なる車両システムとの通信用および/または制御用の機能を含みうる。車両システムは、運転経験を積み、および/または安全性を高めるために使用されてもよい任意の自動または手動システムを含む。一実施形態において、ECU150は、車両システム172との通信用および/または制御用ポート157を含みうる。説明するために、この実施形態には、車両システム172との通信用として1つのポートが示されている。しかしながら、いくつかの実施形態において、2つ以上のポートが使用可能であることを理解されたい。例えば、車両システム172の各別個の車両システムとの通信用に別個のポートが使用されてもよい場合もある。さらに、ECU150が車両システムの部品を含む実施形態において、ECU150は、車両システムのさまざまな異なる構成要素またはデバイスとの通信用および/または制御用にさらなるポートを含みうる。
図2に、異なる車両システム172の例が示されている。図2に示すシステムは、例示的なものにすぎず、いくつかの他の追加のシステムが含まれてもよい場合もあることを理解されたい。また、システムの一部が任意選択のものであって、すべての実施形態に含まれなくてもよい場合もある。
自動車100は、電子安定性制御システム(electronic stability control system)222(ESCシステム222とも呼ばれる)を含みうる。ESCシステム222は、自動車100の安定性を維持するための機能を含みうる。ESCシステム222は、トラクションおよび安定性を高めやすくするために、自動車100のヨーレートおよび/または横g加速を監視してもよい場合もある。ESCシステム222は、トラクションを高めやすいように自動的に1つ以上のブレーキを作動してもよい。2010年3月17日に出願された、Ellisらの米国特許出願第12/725,587号(米国特許第(未定)号)に、電子安定性制御システムの一例が開示されており、同出願の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。一実施形態において、電子安定性制御システムは、車両安定性システムであってもよい。
いくつかの実施形態において、自動車100は、アンチロックブレーキシステム(antilock brake system)224(ABSシステム224とも呼ばれる)を含みうる。ABSシステム224は、速度センサ、圧力をブレーキラインへ適用するポンプ、圧力をブレーキラインから除去する弁およびコントローラなどのさまざまな異なる構成要素を含みうる。専用ABSコントローラが使用されてもよい場合もある。また、ECU150がABSコントローラとして機能しうる場合もある。アンチロックブレーキシステムの例が当業者に知られている。1つの例が、2003年11月18日に出願された、Ingakiらの米国特許第6,908,161号において開示されており、同特許の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。ABSシステム224を使用すると、制動中に車輪のロックを防止することによって、自動車100のトラクションを高めやすくなりうる。
自動車100は、ブレーキアシストシステム226を含みうる。ブレーキアシストシステム226は、運転者がブレーキペダルを踏むために要求される力を低減しやすくする任意のシステムであってもよい。ブレーキアシストシステム226は、ブレーキ補助を必要とする可能性のある高齢の運転者または任意の他の運転者に対して作動されてもよい場合もある。ブレーキアシストシステムの一例が、1999年11月17日に出願された、Wakabayashiらの米国特許第6,309,029号に見られ、同特許の内容全体は、本明細書に参照により援用されたものとする。
いくつかの実施形態において、自動車100は、自動ブレーキプレフィルシステム(automatic brake prefill system)228(ABPシステム228とも呼ばれる)を含みうる。ABPシステム228は、衝突前に1つ以上のブレーキラインをブレーキ流体で予め満たす機能を含む。これにより、運転者がブレーキペダルを踏むときにブレーキシステムの反応時間が長くなりうる。自動ブレーキプレフィルシステムの例が当業者に知られている。2007年5月24日に出願された、Bitzの米国特許出願第11/613762号(米国特許第(未定)号)に、1つの例が開示されており、同出願の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
いくつかの実施形態において、自動車100は、低速追従システム(low speed follow system)230(LSFシステム230とも呼ばれる)を含みうる。LSFシステム230は、所定の距離または距離範囲で先行車両を自動的に追従する機能を含む。これにより、低速走行の交通状況において、運転者がアクセルペダルを常に踏み込んだり弱めたりする必要性が低減されうる。LSFシステム230は、(例えば、ライダーまたはレーダーなどの遠隔検知デバイスを用いて)先行車両の相対位置を監視する構成要素を含んでもよい。LSFシステム230が、GPS位置および/または車両速度を求めるために、任意の先行車両と通信するための機能を含んでもよい場合もある。
低速追従システムの例が当業者に知られている。1つの開示が、2005年3月23日に出願されたAraiの米国特許第7,337,056号に開示されており、同特許の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。別の例が、2000年5月19日に出願された、Higashimataらの米国特許第6,292,737号に開示されており、同特許の内容全体は参照により本明細書に開示される。
自動車100は、クルーズコントロールシステム232を含みうる。クルーズコントロールシステムは、当業者によく知られており、このシステムにより、車両制御システムによって自動的に維持されるクルーズ速度をユーザが設定できる。例えば、高速道路の走行中、運転者はクルーズ速度を55mph(約88.5km/h)に設定してもよい。クルーズコントロールシステム232は、運転者がブレーキペダルを踏み込み、または別の方法でクルーズ機能を非作動にするまで、自動的に車両速度をおよそ55mphで維持してもよい。
自動車100は、衝突警報システム234を含みうる。衝突警報システム234は、1台以上の車両と衝突するおそれがあることを運転者に警告する機能を含んでもよい場合もある。例えば、衝突警報システムは、自動車100が交差点に近付くさい、別の車両が同じ交差点を通過しているとき、運転者に警告しうる。衝突警報システムの例は、2010年9月20日に出願された、Mochizukiの米国特許出願第12/885,790号(米国特許第(未定)号)、および2010年7月28日に出願された、Mochizukiらの米国特許出願第12/845,092号(米国特許第(未定)号)に開示され、両出願の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。一実施形態において、衝突警報システム234は、前方衝突警報システムでありうる。
自動車100は、衝突軽減ブレーキシステム236(CMBS236とも呼ばれる)を含みうる。CMBS236は、車両運転条件(車両の環境にあるターゲット車両および物体を含む)を監視し、衝突を軽減するためにさまざまな警報および/または制御段階を自動的に適用する機能を含んでもよい。例えば、CMBS236は、レーダーまたは他のタイプの遠隔検知デバイスを用いて前方車両を監視してもよい場合もある。自動車100が前方車両に接近しすぎると、CMBS236は、第1の警報段階に入りうる。第1の警報段階中、運転者に警告するために、視覚および/または音声警報が与えられてもよい。自動車100が、前方車両に接近したままであれば、CMBS236は、第2の警報段階に入りうる。第2の警報段階中、CMBS236は、自動シートベルトプリテンションを適用しうる。視覚および/または音声警報が、第2の警報段階の間中、継続しうる場合もある。さらに、車両速度を低減しやすいようにするために、第2の段階中、自動ブレーキが作動化されうる場合もある。CMBS236の動作の第3の段階では、車両を制動し、衝突の可能性が非常に高い状況において、シートベルトを自動的に締め付けてもよい場合もある。このようなシステムの例が、2002年1月17日に出願された、Bondらの米国特許第6,607,255号に開示されており、同特許の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される衝突軽減ブレーキシステムという用語は、衝突のおそれの可能性を検知し、衝突の可能性に応答して、さまざまなタイプの警報応答を与えるとともに、自動ブレーキをかけることが可能である任意のシステムを意味する。
自動車100は、オートクルーズコントロールシステム(auto cruise control system)238(ACCシステム238とも呼ばれる)を含みうる。ACCシステム238は、先行車両の後方で所定の車間距離を維持したり、先行車両に対して車両が所定の距離より接近したりしないようにするために、車両を自動的に制御する機能を含んでもよい場合もある。ACCシステム238は、(例えば、ライダーまたはレーダーなどの遠隔検知デバイスを用いて)先行車両の相対位置を監視する構成要素を含んでもよい。ACCシステム238が、GPS位置および/または車両速度を求めるために、任意の先行車両と通信するための機能を含んでもよい場合もある。オートクルーズコントロールシステムの例が、2005年8月31日に出願された、Araiらの米国特許第7,280,903号に開示されており、同特許の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
自動車100は、車線逸脱警報システム(lane departure warning system)240(LDWシステム240とも呼ばれる)を含みうる。LDWシステム240は、運転者が車線から逸脱しているときを決定し、運転者に警告するために警報信号を与えてもよい。車線逸脱警報システムの例が、2007年12月17日に出願された、Tanidaらの米国特許出願第12/002,371号(米国特許第(未定)号)に見られ、同出願の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
自動車100は、死角インジケータシステム242を含みうる。死角インジケータシステム242は、運転者の視覚を監視するのに役立つ機能を含みうる。死角インジケータシステム242は、車両が死角内の位置にあれば、運転者に警告を発する機能を含みうる場合もある。車両の周囲を走行する物体を検出するための任意の既知のシステムが使用されうる。
いくつかの実施形態において、自動車100は、車線維持アシストシステム244を含みうる。車線維持アシストシステム244は、現在の車線に運転者が留まるようにする機能を含みうる。車線維持アシストシステム244は、自動車100が、意図せずに別の車線に移ろうとしているのであれば、運転者に警告を発しうる場合もある。また、車線維持アシストシステム244は、所定の車線に車両を維持するために、補助制御を与えてもよい場合もある。車線維持アシストシステムの例が、1997年5月7日に出願された、Nishikawaらの米国特許第6,092,619号に開示されており、同特許の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
いくつかの実施形態において、自動車100は、ナビゲーションシステム248を含みうる。ナビゲーションシステム248は、ナビゲーション情報を受信、送信および/または処理可能な任意のシステムでありうる。「ナビゲーション情報」という用語は、位置を特定したり、ある位置への方向を示したりするさいの支援に使用可能な任意の情報を意味する。ナビゲーション情報のいくつかの例は、所在地住所、通りの名称、通りまたは住所の番地、アパートまたは続き部屋の番号、交差点情報、地点情報、駐車場、任意の政治的または地理的な細区分、例えば、町、郡区、省、県、市、州、区、ZIPコードまたは郵便番号および国などの再区分を含む。また、ナビゲーション情報は、企業およびレストランの名称、商業地域、ショッピングセンター、駐車場施設を含む商業的情報を含みうる。ナビゲーションシステムは、自動車に組み込みされうる場合もある。また、ナビゲーションシステムは、携帯型または独立型のナビゲーションシステムでありうる場合もある。
自動車100は、環境制御システム250を含みうる。環境制御システム250は、自動車100の車内温度または他の周囲条件の制御に使用される任意のタイプのシステムであってもよい。環境制御システム250は、暖房、換気および空調システムおよびHVACシステムを動作するための電子コントローラで構成してもよい。いくつかの実施形態において、環境制御システム250は、別個の専用コントローラを含みうる。他の実施形態において、ECU150は、環境制御システム250のコントローラとして機能してもよい。当業者に既知の任意の種類の環境制御システムが使用されてもよい。
自動車100は、電子プリテンションシステム(electronic pretensioning system)254(EPTシステム254とも呼ばれる)を含みうる。EPTシステム254は、自動車のシートベルトとともに使用されてもよい。EPTシステム254は、シートベルトを自動的に締め付ける機能、いわゆる、テンション機能を含みうる。EPTシステム254は、衝突前にシートベルトに自動的にプリテンションをかけてもよい場合もある。電子プリテンションシステムの例が、1999年4月20日に出願された、Masudaらの米国特許第6164,700号に開示されており、同特許の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
さらに、車両システム172は、電子パワーステアリングシステム160、視覚デバイス166、音声デバイス168および触覚デバイス170、並びに車両とともに使用される任意の他の種類のデバイス、構成要素またはシステムを組み込みうる。
これらの車両システムの各々は、独立型のシステムであってもよく、ECU150と一体化されてもよいことを理解されたい。例えば、ECU150は、1つ以上の車両システムのさまざまな構成要素のコントローラとして動作してもよい場合もある。また、システムが、1つ以上のポートを通してECU150と通信する別個の専用コントローラを備えてもよい場合もある。
図3は、自動車100に関連付けられうるさまざまな自律型モニタリングシステムの一実施形態を示す。これらの自律型モニタリングシステムは、1つ以上のバイオモニタリングセンサ164を含みうる。例えば、いくつかの実施形態において、自動車100は、心臓モニタリングシステム302を含みうる。心臓モニタリングシステム302は、運転者の心臓情報を監視する任意のデバイスまたはシステムを含みうる。心臓モニタリングシステム302は、心拍数センサ320、血圧センサ322および酸素含有量センサ324、並びに心臓情報および/または心血管情報を検出する任意の他の種類のセンサを含みうる場合もある。さらに、心臓情報を検出するセンサが、自動車100内の任意の位置に配置されうる。例えば、心臓モニタリングシステム302は、運転者の心臓情報を検出するステアリングホイール、シート、アームレストまたは他の構成要素に配置されるセンサを含みうる。自動車100は、呼吸モニタリングシステム304を含みうる。呼吸モニタリングシステム304は、運転者の呼吸機能(例えば、息づかい)を監視する任意のデバイスまたはシステムを含みうる。例えば、呼吸モニタリングシステム304は、運転者が息を吸い込み、吐き出すときを検出するために、シートに配置されたセンサを含みうる。いくつかの実施形態において、自動車100は、発汗モニタリングシステム306を含みうる。発汗モニタリングシステム306は、運転者から発汗または汗を検知するための任意のデバイスまたはシステムを含んでもよい。いくつかの実施形態において、自動車100は、運転者の瞳孔拡張量、いわゆる、瞳孔の大きさを検知するための瞳孔拡張モニタリングシステム308を含みうる。瞳孔拡張モニタリングシステム308は、1つ以上の光学検知デバイスを含みうる場合もある。
さらに、いくつかの実施形態において、自動車100は、さまざまな種類の脳情報を監視する脳モニタリングシステム310を含んでもよい。脳モニタリングシステム310は、脳波(EEG)センサ330、機能的近赤外分光法(fNIRS)センサ332、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)センサ334、および脳情報を検出可能な他の種類のセンサを含みうる場合もある。このようなセンサは、自動車100の任意の部分に設置されうる。脳モニタリングシステム310に関連付けられるセンサが、ヘッドレストに配置されうる場合もある。また、自動車100の屋根にセンサが配置されうる場合もある。さらに、任意の他の場所にセンサが配置されうる場合もある。
いくつかの実施形態において、自動車100は、消化モニタリングシステム312を含んでもよい。他の実施形態において、自動車100は、唾液分泌モニタリングシステム314を含んでもよい。消化および/または唾液分泌の監視が、運転者が眠気を催しているかを判定するさいの支援となりうる場合もある。消化情報および/または唾液分泌情報を監視するセンサが、車両の任意の部分に配置されうる。運転者によって使用され、または運転者が身に着ける携帯型デバイス上にセンサが配置されうる場合もある。
上述したモニタリングシステムの各々が、1つ以上のセンサまたは他のデバイスに関連付けられうることを理解されたい。センサが、自動車100の1つ以上の部分に配置されうる場合もある。例えば、センサは、自動車100のシート、ドア、ダッシュボード、ステアリングホイール、中央コンソール、屋根または任意の他の部分に組み込まれうる。しかしながら、センサが、運転者が身に着けたり、運転者が所持する携帯型デバイスに組み込まれたり、または運転者が着用する衣服に組み込まれていたりする携帯型センサでありうる場合もある。
便宜上、図1から図3に示し上述したさまざまな構成要素は、運転者の挙動応答システム199と呼ばれてもよく、単に応答システム199とも呼ばれることもある。応答システム199が、ECU150とともに、上述した1つ以上のセンサ、構成要素、デバイスまたはシステムを備える場合もある。応答システム199が、運転者の挙動に関するさまざまなデバイスからの入力を受信してもよい場合もある。この情報は、「モニタリング情報」と呼ばれてよい場合もある。モニタリング情報は、モニタリングシステムから受信されうる場合もあり、モニタリングシステムは、光学デバイス、熱デバイス、自律型モニタリングデバイスおよび任意の他の種類のデバイス、センサまたはシステムなどのモニタリング情報を与えるように構成された任意のシステムを含んでもよい。モニタリング情報は、運転者の挙動を監視するようにされたシステムまたは構成要素からではなく、車両システムから直接受信されうる場合もある。また、モニタリング情報は、モニタリングシステムと車両システムとの両方から受信されうる場合もある。応答システム199は、1つ以上の車両システム172の動作を修正するために、この情報を使用してもよい。さらに、異なる実施形態において、応答システム199が、自動車100を動作するために利用される任意の他の構成要素またはシステムを制御するために使用されうることを理解されたい。
応答システム199は、運転者の自律神経系に関する情報を含む生体情報に基づいて、運転者が眠気を催しているかを判定する機能を含みうる。例えば、応答システムは、心臓情報、呼吸数情報、脳情報、発汗情報および任意の他の種類の自律神経情報を分析することによって、運転者の眠気状態を検出しうる。
自動車は、運転者の挙動を評価し、評価した挙動に応答して1つ以上の車両システムの動作を自動的に調節する機能を含みうる。本明細書全体において、眠気は、評価される例示的な挙動として使用されるが、眠気挙動、注意散漫挙動、低運転能力挙動および/または一般に注意不足の挙動を含むが、これらに限定されるものではない任意の運転者挙動が評価されうることを理解されたい。以下に記述する評価および調節は、運転者の低反応速度、注意力低下および/または警戒態勢に対処するものであってもよい。例えば、運転者が眠気を催しうる状況において、自動車は、運転者が眠気を催していることを検出する機能を含みうる。さらに、眠気は運転状況の危険性を高めうるため、自動車は、危険な運転状況を軽減するために1つ以上の車両システムを自動的に修正する機能を含みうる。一実施形態において、運転者の挙動応答システムは、運転者の状態に関する情報を受信し、1つ以上の車両システムの動作を自動的に調節しうる。
以下の詳細な説明は、運転者の挙動に応答して車両システムを動作するための種々の異なる方法を記述する。異なる実施形態において、これらのプロセスのさまざまな異なるステップは、1つ以上の異なるシステム、デバイスまたは構成要素によって達成されてもよい。いくつかの実施形態において、これらのステップのいくつかは、自動車の応答システム199によって達成されうる。これらのステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、これらのステップのいくつかは、車両システム172を含むが、これに限定されるものではない自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらに、以下に記述され、図面に例示される各プロセスに対して、いくつかの実施形態において、これらのステップのうちの1つ以上が任意選択のものでありうることを理解されたい。
図4は、運転者の状態に応じて自動車の1つ以上の車両システムを制御するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ402において、応答システム199は、モニタリング情報を受信してもよい。モニタリング情報は、1つ以上のセンサから受信されうる場合もある。また、モニタリング情報が、1つ以上の自律型モニタリングシステムから受信されうる場合もある。さらに、モニタリング情報が、1つ以上の車両システムから受信されうる場合もある。さらに、モニタリング情報が、自動車100の任意の他のデバイスから受信されうる場合もある。さらに、モニタリング情報が、センサ、モニタリングシステム、車両システムまたは他のデバイスの任意の組み合わせから受信されうる場合もある。
ステップ404において、応答システム199は、運転者状態を判定してもよい。ある場合では、運転者状態は、通常状態または眠気状態であってもよい。また、運転者状態は、通常状態から強い眠気を催した状態(または居眠り状態)までの範囲にある3つ以上の状態のものであってもよい場合もある。このステップにおいて、応答システム199は、任意の種類のセンサまたはシステムからの情報を含む、ステップ402中に受信した任意の情報を使用してもよい。例えば、一実施形態において、応答システム199は、実質的な時間、運転者が目を閉じていることを示す情報を光学検知デバイスから受信してもよい。以下、運転者の状態を判定する他の例について記述する。
ステップ406において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているか否かを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、追加のモニタリング情報を受信するために、ステップ402に戻ってもよい。しかしながら、運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ408に進んでもよい。ステップ408において、応答システム199は、上述した車両システムの任意のものを含む1つ以上の車両システムの制御を自動的に修正してもよい。1つ以上の車両システムの制御を自動的に修正することによって、応答システム199は、眠気を催した運転者が生じうるさまざまな危険な状況を回避するのに役立つことがある。
いくつかの実施形態において、ユーザが任意の車両システムの修正または調節を望まない場合もある。これらの場合、ユーザは、入力デバイス111または同様の種類の入力デバイスのスイッチをオフ位置に切り換えてもよい(図1を参照)。こうすることで、すべての身体状態モニタリングがオフにされ、それ以降、応答システム199が任意の車両システムの制御を修正することができなくなる。さらに、応答システム199は、入力デバイス111をオン位置に切り換えることによって、任意の時間に再び作動されうる(図1を参照)。他の実施形態において、個々のモニタリングシステムをオン/オフするために、追加のスイッチまたはボタンが設けられうる。
図5は、一実施形態による、運転者の挙動の変化によりさまざまな車両システムに及ぼす応答システム199の影響と、各変化に対する運転者の恩恵とを明確にした表である。特に、列421は、図2に示す上述した車両システム172の多くを含むさまざまな車両システムを列挙している。列422は、運転者が注意散漫、眠気、注意力低下および/または低運転能力状態にありうる運転者挙動の場合、各車両システムの動作に及ぼす応答システム199の影響を表す。列423は、列422に表される応答システム影響の恩恵を表す。列424は、各車両システムの応答システム199によって実行される影響のタイプを表す。特に、列424において、各車両システムへの応答システム199の影響は、「制御」タイプまたは「警報」タイプのいずれかとして表される。制御タイプは、車両システムの動作が制御システムによって修正されることを示す。警報タイプは、車両システムが運転者に警報を出したり、または別の方法で運転者に警告したりするために使用されることを示す。
図5に示すように、運転者が眠気状態または注意不足の状態にあることを検出すると、応答システム199は、運転者の遅延する可能性のある反応時間を補償するように、電子安定性制御システム222、アンチロックブレーキシステム224、ブレーキアシストシステム226およびブレーキプレフィルシステム228を制御してもよい。例えば、応答システム199が、ステアリング精度を高め、安定性を向上させるために、電子安定性システム222を動作してもよい場合もある。応答システム199が、停止距離が短縮されるように、アンチロックブレーキシステム224を動作してもよい場合もある。応答システム199が、補助制動力がすぐにかけられるようにブレーキアシストシステム226を制御してもよい場合もある。応答システム199が、運転者が眠気を催している場合、ブレーキラインがブレーキ流体で自動的に予め満たされるように、ブレーキプレフィルシステム228を制御してもよい場合もある。これらの措置を講じることで、運転者が眠気を催している場合、ステアリング精度およびブレーキ応答性が高められることがある。
さらに、運転者が眠気状態または注意不足の状態にあることを検出すると、応答システム199は、運転者の注意力低下による保護を提供するために、低速追従システム230、クルーズコントロールシステム232、衝突警報システム234、衝突軽減ブレーキシステム236、オートクルーズコントロールシステム238、車線逸脱警報システム240、死角インジケータシステム242および車線維持アシストシステム244を制御してもよい。例えば、低速追従システム230、クルーズコントロールシステム232および車線維持アシストシステム244は、これらのシステムを意図せず使用しないように、運転者が眠気を催すと無効にされうる。同様に、衝突警報システム234、衝突軽減ブレーキシステム236、車線逸脱警報システム240および死角インジケータシステム242は、危険が起こりうる可能性について運転者にすぐに警報を出しうる。オートクルーズコントロールシステム238は、自動車100と先行車両との間の最小車間距離を増大するように構成されうる場合もある。
いくつかの実施形態において、運転者が眠気状態または注意不足の状態にあることを検出すると、応答システム199は、運転者の警戒態勢を補強するために、電子パワーステアリングシステム160、視覚デバイス166、環境制御システム250(HVACなど)、音声デバイス168、シートベルト用の電子プリテンションシステム254および触覚デバイス170を制御してもよい。例えば、電子パワーステアリングシステム160は、パワーステアリングアシストを低減するように制御されてもよい。このように制御すると、運転者はより多くの労力をかける必要があり、意識や警戒態勢を高める効果が得られうる。視覚デバイス166および音声デバイス168は、視覚フィードバックおよび音声フィードバックのそれぞれを提供するように使用されてもよい。触覚デバイス170および電子プリテンションシステム254は、運転者に触覚フィードバックを提供するように使用されうる。また、環境制御システム250は、運転者の眠気状態に作用するように車室内温度または運転者の体温を変化させるように使用されてもよい。例えば、車室内温度を変えることで、運転者の警戒心を高めてもよい。
図5に列挙したさまざまなシステムは例示的なものにすぎず、他の実施形態は、応答システム199によって制御されてもよいさらなる車両システムを含みうる。さらに、これらのシステムは、単一の影響または機能に限定されるものではない。また、これらのシステムは、単一の恩恵に限定されるものではない。その代わり、各システムに対して列挙された影響および利益は例として意図されたものである。多くの異なる車両システムの制御の詳細な説明が詳細に記述され、図面に示されている。
応答システムは、運転者の眠気レベルを判定する機能を含みうる。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「眠気レベル」という用語は、2つ以上の眠気状態を区別するための任意の数値的な値または他の種類の値を意味する。例えば、眠気レベルは、0%〜100%の割合で与えられてもよい場合もあり、ここで、0%は、運転者が完全に警戒態勢にあることを意味し、100%は、運転者が完全に眠気を催した状態またはすでに居眠り状態にあることを意味する。また、眠気レベルは、1〜10の範囲の値でありうる場合もある。また、眠気レベルは、数値的な値でなくてもいが、「眠くなさそう」、「やや眠そう」、「眠そう」、「とても眠そう」および「かなり眠そう」など、所与の別個の状態に関連付けられうる場合もある。さらに、眠気レベルは、不連続な値または連続した値でありうる。眠気レベルが、身体状態指標に関連付けられてもよい場合もあり、これについては、以下にさらに記述される。
図6は、検出された眠気レベルによる車両システムの動作を修正するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む図1〜図3に示す構成要素について記述する。
ステップ442、応答システム199は、モニタリング情報を受信してもよい。モニタリング情報は、1つ以上のセンサから受信されうる場合もある。モニタリング情報は、1つ以上の自律型モニタリングシステムから受信されうる場合もある。また、モニタリング情報が、1つ以上の車両システムから受信されうる場合もある。さらに、モニタリング情報が、自動車100の任意の他のデバイスから受信されうる場合もある。さらに、モニタリング情報が、センサ、モニタリングシステム、車両システムまたは他のデバイスの任意の組み合わせから受信されうる場合もある。
ステップ444において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ442に戻ってもよい。運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ446に進んでもよい。ステップ446において、応答システム199は、眠気レベルを判定してもよい。上述したように、眠気レベルは、数値的な値で表されてもよく、または名前や変数で表示された別個の状態であってもよい。ステップ448において、応答システム199は、眠気レベルによる1つ以上の車両システムの制御を修正してもよい。
眠気レベルに応じて修正されうるシステムの例は、アンチロックブレーキシステム224、自動ブレーキプレフィルシステム228、ブレーキアシストシステム226、オートクルーズコントロールシステム238、電子安定性制御システム222、衝突警報システム234、車線維持アシストシステム244、死角インジケータシステム242、電子プリテンションシステム254および環境制御システム250を含むが、これらに限定されるものではない。加えて、電子パワーステアリングシステム160は、視覚デバイス166、音声デバイス168および触覚デバイス170と同様に、眠気レベルに応じて修正されうる。いくつかの実施形態において、さまざまな警報インジケータ(視覚インジケータ、音声インジケータ、触覚インジケータなど)に関連するタイミングおよび/または強度は、眠気レベルに応じて修正されうる。例えば、一実施形態において、電子プリテンションシステム254は、眠気レベルに適当なレベルで運転者に警報を出すために、自動シートベルトの締め付け強度および/または頻度を増減しうる。
一例として、運転者の眠気がかなり強い場合、アンチロックブレーキシステム224は、運転者がやや眠気がある場合より短い停止距離を達成するように修正されてもよい。別の例として、自動ブレーキプレフィルシステム228は、眠気レベルに応じてプレフィル中またはプレフィルのタイミングで送出されるブレーキ流体の量を調節しうる。同様に、ブレーキアシストシステム226によって提供されるブレーキアシストレベルは、眠気レベルに応じて変動しうるものであり、眠気が強くなるほどアシストも高くなる。また、オートクルーズコントロールシステム238の運転間隔距離も眠気レベルとともに増大されうる。加えて、電子安定性制御システム222によって求められるヨーレートとステアリングヨーレートとの間の誤差は、眠気レベルに比例して減少しうる。衝突警報システム234および車線逸脱システム240が、眠気を催した運転者に早期段階で警報を出しえ、眠気レベルに応じて警報を出すタイミングが修正される場合もある。同様に、死角インジケータシステム242に関連する検出領域サイズは、眠気レベルに応じて変更されうる。電子プリテンションシステム254によって発生する警報パルスの強度が、眠気レベルに比例して変動してもよい場合もある。また、環境制御システム250は、眠気レベルに応じて温度が変わるように程度の数値を変更してもよい。さらに、運転者が眠気を催している場合、視覚デバイス166によって作動される照明の輝度は、眠気レベルに比例して変更されうる。また、音声デバイス168によって発生する音量は、眠気レベルに比例して変更されうる。加えて、触覚デバイス170によって送り出される振動または触覚刺激の量は、眠気レベルに比例して変更されうる。低速追従システム230が動作する最大速度は、眠気レベルに応じて修正されうる場合もある。同様に、クルーズコントロールシステム232が設定可能なオン/オフ設定または最大速度は、眠気レベルに比例して修正されてもよい。さらに、電子パワーステアリングシステム160によって提供されるパワーステアリングアシストの程度は、眠気レベルに比例して変更されうる。また、衝突軽減ブレーキシステムの制動開始距離を長くすることもでき、または車線維持アシストシステムが、運転者がより多くの入力をシステムに与える必要があるように修正されうる。
図7は、検出された眠気レベルに応じて車両システムの動作を修正するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ452において、応答システム199は、図6のステップ442に関して上述したように、モニタリング情報を受信してもよい。ステップ454において、応答システム199は、1つ以上の車両システムから任意の種類の車両運転情報を受信しうる。ステップ454中に受信される運転情報のタイプは、関係する車両システムのタイプによりさまざまなものであってもよい。例えば、ブレーキアシストシステムの動作に現行のプロセスが使用されれば、受信される運転情報は、ブレーキ圧力、車両速度およびブレーキアシストシステムに関する他の動作パラメータであってもよい。別の例として、電子安定性制御システムの動作に現行のプロセスが使用されれば、運転情報は、ヨーレート、車輪速度情報、ステアリング角、横G、縦G、道路摩擦情報および電子安定性制御システムの動作に使用される任意の他の情報を含んでもよい。
次に、ステップ456において、応答システム199は、運転者の身体状態指標を決定しうる。「身体状態指標」という用語は、運転者の眠気の程度を意味する。身体状態指標が、数値的な値として与えられうる場合もある。また、身体状態指標が、非数値的な値として与えられうる場合もある。さらに、身体状態指標は、完全な警戒態勢を示す値から非常に強い眠気を示す値または運転者が居眠りしている状態まで幅広いものであってもよい。一実施形態において、身体状態指標は、値1、2、3および4をとるものでありえ、ここで、1は最低レベルの眠気であり、4は最高レベルの眠気である。別の実施形態において、身体状態指標は、1〜10の値をとりうる。
一般に、運転者の身体状態指標は、眠気に関するものであるため、運転者の挙動を検出するために本明細書の詳細な説明を通して記述された方法の任意のものを用いて求められうる。特に、眠気レベルは、運転者の挙動の異なる程度を検知することによって検出されてもよい。例えば、以下に記述するように、運転者の眠気は、瞼運動および/または頭部運動を検知することによって検出されてもよい。瞼運動の程度(目の開閉程度)または頭部運動の程度(頭部の傾き程度)が、身体状態指標を決定するために使用されうる場合もある。また、自律型モニタリングシステムが、身体状態指標を決定するために使用されうる場合もある。さらに、車両システムが、身体状態指標を決定するために使用されうる場合もある。例えば、異常ステアリング挙動の程度または車線逸脱の程度が、ある身体状態指標を示すこともある。
ステップ458において、応答システム199は、制御パラメータを決定してもよい。本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「制御パラメータ」という用語は、1つ以上の車両システムによって使用されるパラメータを意味する。制御パラメータが、特定の機能が所与の車両システムに対して作動されるべきかを判定するために使用される動作パラメータであってもよい場合もある。例えば、電子安定性制御システムが使用される状況において、制御パラメータは、安定性制御が作動されるべきかを判定するために使用されるステアリングヨーレートのしきい値誤差であってもよい。別の例として、自動クルーズコントロールが使用される状況において、制御パラメータは、クルーズコントロールが自動的にオフにされるべきかを判定するために使用されるパラメータであってもよい。制御パラメータのさらなる例が、以下に詳細に記述され、例えば、安定性制御作動しきい値、ブレーキアシスト作動しきい値、死角監視ゾーンしきい値、衝突余裕時間しきい値、道路横断しきい値、車線維持アシストシステム状態、低速追従状態、電子パワーステアリング状態、オートクルーズコントロール状態および他の制御パラメータを含むが、これらに限定されるものではない。
制御パラメータが、車両システム情報およびステップ456中に判定された身体状態指標を用いて判定されうる場合もある。また、制御パラメータを決定するために、身体状態指標のみが使用されてもよい場合もある。さらに、制御パラメータを決定するために、車両運転情報のみが使用されてもよい場合もある。ステップ458の後、ステップ460中、応答システム199は、制御パラメータを使用して車両システムを動作してもよい。
図8および図9は、運転者の身体状態指標および車両運転情報を用いて制御パラメータを決定する一般的な方法の概略図を示す。特に、図8は、制御係数を取り出すためにどのように身体状態指標が使用可能であるかを現した概略図を示す。制御係数は、制御パラメータを決定するさいに使用される任意の値であってもよい。制御係数が、身体状態指標の関数として変動し、制御パラメータを計算するための入力として使用される場合もある。制御係数の例は、電子安定性制御システム係数、ブレーキアシスト係数、死角ゾーン警報係数、警報強度係数、前方衝突警報係数、車線逸脱警報係数および車線維持アシスト係数を含むが、これらに限定されるものではない。システムによっては、制御パラメータを決定するために制御係数を使用しないものもある。例えば、制御パラメータが、身体状態指標から直接決定されうる場合もある。
一実施形態において、制御係数470の値は、身体状態指標が1から4に上昇すると、0%から25%に上昇する。制御係数が、制御パラメータの値を増減するための倍数因子として作用してもよい場合もある。例えば、身体状態指標が4である場合、制御パラメータの値を25%上昇させるために、制御係数が使用されてもよい場合もある。他の実施形態において、制御係数は、任意の他の方法で変動しうる。制御係数が、身体状態指標の関数として線形変化しうる場合もある。また、制御係数が、身体状態指標の関数として非線形変化しうる場合もある。さらに、制御係数が、身体状態指標の関数として2つ以上の不連続な値間で変動しうる場合もある。
図9に示すように、算出ユニット480が、制御係数482および車両運転情報484を入力として受信する。算出ユニット480は、制御パラメータ486を出力する。車両運転情報484は、制御パラメータの算出に必要な任意の情報を含みうる。例えば、車両システムが電子安定性制御システムである状況において、システムは、車輪速度情報、ステアリング角の情報、道路摩擦情報および安定性制御が作動されるべきときを決定するために使用される制御パラメータの算出に必要な他の情報を受信してもよい。さらに、上述したように、制御係数482は、例えば、ルックアップテーブルを使用して身体状態指標から求められてもよい。次に、算出ユニット480は、制御パラメータ486を算出するさい、車両運転情報および制御係数の両方を考慮に入れる。
算出ユニット480が、1つ以上の制御パラメータを決定するために使用される任意の一般的なアルゴリズムまたはプロセスであるように意図されていることを理解されたい。算出ユニット480が、応答システム199および/またはECU150に関連付けられてもよい場合もある。しかしながら、算出ユニット480が、前述した車両システムの任意のものを含む、自動車100の任意の他のシステムまたはデバイスに関連付けられうる場合もある。
いくつかの実施形態において、制御パラメータが、所与の車両システムの現状または状態に関連付けられてもよい。図10は、運転者の身体状態指標とシステム状態490との一般的な関係の一実施形態を示す。ここに示すシステムは、一般的なものであって、任意の車両システムに関連付けられうる。低身体状態指標(1または2)の場合、システム状態はオンである。しかしながら、身体状態指標が3または4に上昇すると、システム状態はオフにされる。さらなる他の実施形態において、制御パラメータは、身体状態指標に応じて複数の異なる「状態」に設定されうる。このような構成を用いて、車両システムの状態は、運転者の身体状態指標に応じて修正されうる。
応答システムが、運転者の目を監視することによって運転者の状態を検出する機能を含みうる。図11は、応答システム199が、運転者の状態または挙動を監視可能なシナリオの概略図を示す。図11を参照すると、ECU150は、光学検知デバイス162からの情報を受信してもよい。光学検知デバイス162が、自動車100のダッシュボードに搭載されたビデオカメラであってもよい場合もある。情報は、運転者の状態502を判定するために解析可能な画像シーケンス500を含んでもよい。第1の画像510は、目520が大きく開かれた完全に覚醒した状態にある運転者502を示す。しかしながら、第2の画像512は、目520の開きが半分になった眠気状態にある運転者502を示す。最後に、第3の画像514は、目520が完全に閉じられた眠気の強い状態にある運転者502を示す。いくつかの実施形態において、応答システム199は、運転者502のさまざまな画像を解析するように構成されてもよい。さらに詳しく言えば、応答システム199は、運転者が通常の状態にあるか、または眠気状態にあるかを判定するために、目520の動きを解析してもよい。
画像から眼球運動を解析するための当業者に既知の任意のタイプのアルゴリズムが使用可能であることを理解されたい。特に、目を認識し、閉位置と開位置との間の瞼位置を決定可能な任意のタイプのアルゴリズムが使用されてもよい。このようなアルゴリズムの例が、当業者に既知のさまざまなパターン認識アルゴリズムを含んでもよい。
他の実施形態において、瞼運動を検知するために、熱検知デバイス163が使用されうる。例えば、開位置と閉位置との間での瞼の動きに伴い、熱検知デバイス163が受ける熱放射量が変動することがある。言い換えれば、熱検知デバイス163は、目の検出温度のばらつきに基づいてさまざまな瞼位置を区別するように構成されうる。
図12は、運転者の眼球運動を監視することによって眠気を検出するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ602において、応答システム199は、光/熱情報を受信してもよい。カメラまたは他の光学検知デバイスから光情報が受信されうる場合もある。また、熱情報が、熱検知デバイスから受信されうる場合もある。さらに、光情報および熱情報の両方が、光学デバイスおよび熱デバイスの組み合わせから受信されうる場合もある。
ステップ604において、応答システム199は、瞼運動を解析してもよい。瞼運動を検出することによって、応答システム199は、運転者の目が開位置か、閉位置か、または部分的閉位置にあるかを判定しうる。瞼運動は、ステップ602中に受信された光情報または熱情報のいずれかを用いて判定されうる。さらに、上述したように、光情報または熱情報から瞼運動を判定するために、任意のタイプのソフトウェアまたはアルゴリズムが使用されうる。この実施形態は、瞼運動を解析するステップを含むが、他の実施形態において、眼球運動が解析されることもありうる。
ステップ606において、応答システム199が、瞼運動に応じて運転者の身体状態指標を決定する。身体状態指標は、任意の値を有してもよい。ある場合では、値は1〜4の範囲のものであり、1は最低眠気状態および4は最高眠気状態である。また、身体状態指標を決定するために、応答システム199は、長い時間期間、目が閉じられているか、または部分的に閉じられているかを判定する場合もある。眠気により下がる瞼と瞬きとを区別するために、応答システム199は、瞼が閉じられ、または部分的に閉じられるしきい値時間を使用してもよい。運転者の目が、しきい値時間より長い期間閉じられ、または部分的に閉じられれば、応答システム199は、その動きが眠気によるものであると判定してもよい。このような場合、運転者が眠気を催していることを示すために、1より大きい身体状態指標が運転者に割り当てられてもよい。さらに、応答システム199は、瞼運動または瞼閉鎖の異なる程度に対して異なる身体状態指標値を割り当ててもよい。
いくつかの実施形態において、応答システム199は、長時間の瞼閉鎖または部分的瞼閉鎖を一回検出すると、それに基づいて身体状態指標を決定してもよい。また、応答システム199は、ある時間的間隔にわたって眼球運動を解析し、平均眼球運動を観察しているであろうことは言うまでもない。
応答システムは、運転者の頭部を監視することによって運転者の状態を検出する機能を含みうる。図13は、応答システム199が、運転者の状態または挙動を監視可能であるシナリオの概略図を示す。図13を参照すると、ECU150は、光学検知デバイス162からの情報を受信してもよい。光学検知デバイス162が、自動車100のダッシュボードに搭載されたビデオカメラであってもよい場合もある。また、熱検知デバイスが使用されうる場合もある。情報は、運転者の状態702を判定するために解析可能な画像シーケンス700を含んでもよい。第1の画像710は、頭部720が直立位置にある完全に覚醒した状態にある運転者702を示す。しかしながら、第2の画像712は、頭部720が前方に傾いた眠気状態にある運転者702を示す。最後に、第3の画像714は、頭部720が完全に前方に傾いた眠気の強い状態にある運転者702を示す。いくつかの実施形態において、応答システム199は、運転者702のさまざまな画像を解析するように構成されてもよい。さらに詳しく言えば、応答システム199は、運転者が通常の状態にあるか、または眠気状態にあるかを判定するために、頭部720の運動を解析してもよい。
画像から頭部運動を解析するための当業者に既知の任意のタイプのアルゴリズムが使用可能であることを理解されたい。特に、頭部を認識し、頭部の位置を決定可能な任意のタイプのアルゴリズムが使用されてもよい。このようなアルゴリズムの例が、当業者に既知のさまざまなパターン認識アルゴリズムを含んでもよい。
図14は、運転者の頭部運動を監視することによって眠気を検出するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ802において、応答システム199は、光情報および/または熱情報を受信してもよい。カメラまたは他の光学検知デバイスから光情報が受信されうる場合もある。また、熱情報が、熱検知デバイスから受信されうる場合もある。さらに、光情報および熱情報の両方が、光学デバイスおよび熱デバイスの組み合わせから受信されうる場合もある。
ステップ804において、応答システム199は、頭部運動を解析してもよい。頭部運動を検出することによって、応答システム199は、運転者が前傾姿勢になっているかを判定しうる。頭部運動は、ステップ802中に受信された光情報または熱情報のいずれかを用いて判定されうる。さらに、上述したように、光情報または熱情報から頭部運動を判定するために、任意のタイプのソフトウェアまたはアルゴリズムが使用されうる。
ステップ806において、応答システム199は、検出された頭部運動に応答して運転者の身体状態指標を決定する。例えば、運転者の身体状態指標を決定するために、応答システム199が、長い時間期間、頭部が任意の方向に傾いているかを判定する場合もある。応答システム199は、頭部が前方に傾いているかを判定してもよい場合もある。応答システム199は、傾斜レベルおよび/または頭部が傾斜したままである時間間隔に応じて身体状態指標を割り当ててもよい場合もある。例えば、頭部の前傾時間期間が短ければ、運転者がわずかに眠い状態にあることを示すために、身体状態指標の値に2が割り当てられてもよい。頭部の前傾時間期間が長ければ、運転者がかなり眠い状態であることを示すために、身体状態指標の値に4が割り当てられてもよい。
いくつかの実施形態において、応答システム199は、運転者の頭部前傾を一回検出すると、それに基づいて身体状態指標を決定してもよい。また、応答システム199は、ある時間的間隔にわたって頭部運動を解析し、平均頭部運動を観察しているであろうことは言うまでもない。
応答システムが、ヘッドレストに対する運転者の頭部の相対位置を監視することによって運転者の状態を検出する機能を含みうる。図15は、応答システム199が、運転者の状態または挙動を監視可能であるシナリオの概略図を示す。図15を参照すると、ECU150は、近接センサ134からの情報を受信してもよい。近接センサ134は、キャパシタであってもよい場合もある。また、近接センサ134は、レーザベースのセンサであってもよい場合もある。さらに、当業者に既知の任意の他の種類の近接センサが使用されうる場合もある。応答システム199は、運転者の頭部とヘッドレスト137との間の距離を監視してもよい。特に、応答システム199は、運転者の頭部とヘッドレスト137との間の距離を求めるために使用されうる近接センサ134から情報を受信してもよい。例えば、第1の配置131は、ヘッドレスト137に頭部138を付けた状態の完全に覚醒した状態にある運転者139を示す。しかしながら、第2の配置132は、やや眠気状態にある運転者139を示す。この場合、運転者がわずかに前かがみになるため、頭部138がヘッドレスト137からさらに離れる方向に移動する。第3の配置133は、完全に眠気状態にある運転者139を示す。この場合、運転者がさらに前かがみになるため、頭部138がヘッドレスト137からさらに離れる方向に移動する。いくつかの実施形態において、応答システム199は、運転者の頭部138とヘッドレスト137との間の距離に関する情報を解析するように構成されてもよい。さらに、応答システム199は、運転者139が通常の状態または眠気状態にあるかを判定するために、頭部位置および/または運動(傾き、前かがみおよび/または上下の動きを含む)を解析しうる。
近接情報または距離情報から頭部距離および/または運動を解析するための当業者に既知の任意のタイプのアルゴリズムが使用可能であることを理解されたい。特に、ヘッドレストと運転者の頭部との間の相対距離を求めることができる任意のタイプのアルゴリズムが使用可能である。また、頭部の動きを判定するために距離の変化を解析する任意のアルゴリズムが使用されうる。このようなアルゴリズムの例が、当業者に既知のさまざまなパターン認識アルゴリズムを含んでもよい。
図16は、ヘッドレストから運転者の頭部の距離を監視することによって、眠気を検出するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ202において、応答システム199は、近接情報を受信してもよい。近接情報が、キャパシタまたはレーザベースのセンサから受信されうる場合もある。また、任意の他のセンサから近接情報が受信されうる場合もある。ステップ204において、応答システム199は、ヘッドレストからの頭部の距離を解析してもよい。運転者の頭部とヘッドレストとの間の距離を求めることによって、応答システム199は、運転者が前傾姿勢になっているかを判定しうる。さらに、頭部の距離を経時的に解析することによって、応答システム199は、頭部の動きも検出しうる。ヘッドレストからの頭部の距離は、ステップ202中に受信された任意のタイプの近接情報を用いて求められうる。さらに、上述したように、頭部の距離および/または頭部の動き情報を求めるために、任意のタイプのソフトウェアまたはアルゴリズムが使用されうる。
ステップ206において、応答システム199は、検出された頭部距離および/または頭部の動きに応答して運転者の身体状態指標を決定する。例えば、運転者の身体状態指標を決定するために、応答システム199が、長い時間期間、頭部がヘッドレストから離れる方向に傾いているかを判定する場合もある。また、応答システム199は、頭部が前方に傾いているかを判定してもよい場合もある。また、応答システム199は、ヘッドレストからの頭部の距離に応じて、および頭部がヘッドレストから離れる位置にある時間間隔から身体状態指標を割り当ててもよい場合もある。例えば、頭部がヘッドレストから離れた位置にある時間が短ければ、運転者がわずかに眠い状態にあることを示すために、身体状態指標の値に2が割り当てられてもよい。頭部がヘッドレストから離れている時間期間が長ければ、運転者がかなり眠い状態であることを示すために、身体状態指標の値に4が割り当てられてもよい。運転者の警告状態が、頭部とヘッドレストとの間の所定の距離に関連付けられるようにシステムが構成されうる場合もあることを理解されたい。この所定の距離は、工場設定値または運転者を経時的に監視することによって求められた値でありうる。次に、身体状態指標は、所定の距離に対してヘッドレストへ近付く方向または離れる方向に運転者の頭部が動くと、増大されてもよい。言い換えれば、システムは、運転者が眠気を催している場合、運転者の頭部が前方向および/または後ろ方向に傾斜することがあることを認識してもよい場合もある。
いくつかの実施形態において、応答システム199は、運転者の頭部とヘッドレストとの間の単一の距離測定を検出すると、それに基づいて身体状態指標を決定してもよい。また、応答システム199が、運転者の頭部とヘッドレストとの間の距離を時間間隔にわたって解析し、身体状態指標を決定するために平均距離を使用するであろうことは言うまでもない。
いくつかの他の実施形態において、応答システム199は、運転者の頭部と車両内での任意の他の参照位置との間の距離を検出しうる。例えば、近接センサが車両の天井に設置され、応答システム199が、近接センサの位置に対する運転者の頭部の距離を検出してもよい場合もある。また、近接センサが、車両の任意の他の部分に設置されうる場合もある。さらに、他の実施形態において、運転者の任意の他の部分は、運転者が眠気を催しているか、または警戒態勢にあるかを判定するために監視されうる。例えば、さらなる別の実施形態において、背もたれと運転者の背中との間の距離を測定するために、シートの背もたれに近接センサが使用されうる。
応答システムは、運転者が眠気を催しているかを判定する目的のために、運転者による異常ステアリングを検出する機能を含みうる。図17は、運転者902によって運転されている自動車100の概略図を示す。この状況において、ECU150は、時間の関数としてステアリング角またはステアリング位置に関する情報を受信してもよい。加えて、ECU150は、時間の関数としてステアリングホイールにかかるトルクに関する情報を受信しうる。ステアリング角の情報またはトルク情報は、ステアリング角度センサおよびトルクセンサを含むこともあるEPSシステム160から受信されうる場合もある。ステアリング位置またはステアリングトルクを経時的に解析することによって、応答システム199が、ステアリングの一貫性が失われているかを判定し、一貫性のなさは、運転者が眠気を催した状態にあることを示す場合がある。
図18は、運転者のステアリング挙動を監視することによって眠気を検出するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ1002において、応答システム199は、ステアリング角の情報を受信してもよい。ステアリング角の情報が、EPS160から、またはステアリング角度センサから直接受信されてもよい場合もある。次に、ステップ1004において、応答システム199は、ステアリング角の情報を解析してもよい。特に、応答システム199は、時間の関数としてのステアリング角のパターンを探してもよく、このパターンは、一貫性のないステアリングを示唆し、ひいては、運転者が眠気を催した状態であることを示しうる。ステアリングの一貫性が失われているかを判定するためにステアリング情報を解析する任意の方法が使用されうる。さらに、いくつかの実施形態において、応答システム199は、運転者が現在の車線から離脱して自動車100を操縦しているかを判定するために、車線維持アシストシステム244からの情報を受信してもよい。
ステップ1006において、応答システム199は、ステアリングホイールの動きに基づいて運転者の身体状態指標を決定してもよい。例えば、ステアリングホイールの動きに一貫性がなければ、応答システム199は、運転者が眠気を催していることを示すために、身体状態指標に2以上の値が割り当てられてもよい。
応答システムは、車線逸脱情報を監視することによって、異常運転挙動を検出する機能を含みうる。図19は、運転者950により運転されている自動車100の一実施形態の概略図を示す。この状況において、ECU150は、車線逸脱情報を受信してもよい。車線逸脱情報は、LDWシステム240から受信されうる場合もある。車線逸脱情報は、1車線以上の車線に対する車両の位置、ステアリング挙動、軌跡に関する任意の種類の情報または任意の他の種類の情報を含みうる。車線逸脱情報が、何らかの種類の車線逸脱挙動を示すLDWシステム240によって解析された処理情報でありうる場合もある。車線逸脱情報を解析することによって、応答システム199が、運転挙動の一貫性が失われているかを判定し、一貫性のなさは、運転者が眠気を催した状態にあることを示す場合がある。いくつかの実施形態において、LDWシステム240が、車線逸脱警報を発するたびに、応答システム199は、運転者が眠気を催していることを決定してもよい。さらに、眠気レベルは、警報の強度によって決定されうる。
図20は、車線逸脱情報を監視することによって眠気を検出するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ1020において、応答システム199は、車線逸脱情報を受信してもよい。車線逸脱情報が、LWDシステム240から受信されてもよく、または何らかの種類のセンサ(ステアリング角度センサや相対位置センサなど)から直接受信されてもよい場合もある。次に、ステップ1022において、応答システム199が、車線逸脱情報を解析してもよい。車線逸脱情報を解析する任意の方法が使用されうる。
ステップ1024において、応答システム199は、車線逸脱情報に基づいて運転者の身体状態指標を決定してもよい。例えば、車両が現在の車線から外れていれば、応答システム199は、運転者が眠気を催していることを示すために、身体状態指標に2以上の値が割り当てられてもよい。同様に、車線逸脱情報が、LDWシステム240からの車線逸脱警報であれば、応答システム199は、運転者が眠気を催していることを示すために、身体状態指標に2以上の値が割り当てられてもよい。このプロセスを用いて、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかの判定の助けとなるように1つ以上の車両システム172からの情報を使用しうる。これは、眠気(または他のタイプの不注意)が、運転者の挙動として明らかなだけでなく、さまざまな車両システム172によって監視されてもよい車両の運転に変化を生じさせうるため可能なことである。
図21は、応答システム199が呼吸数情報を検出可能である自動車100の一実施形態の概略図を示す。特に、バイオモニタリングセンサ164を使用することで、ECU150は、運転者1102の毎分呼吸数を求めることが可能であってもよい。この情報は、測定された毎分呼吸数が、通常状態と一致するか、または眠気状態と一致するかを判定するために解析されうる。毎分呼吸数は、一例として与えられたものであり、任意の他の自律神経情報が監視され、この状態を決定するために使用されうる。
図22は、運転者の自律神経情報を監視することによって眠気を検出するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ1202において、応答システム199は、運転者の自律神経系に関する情報を受信してもよい。情報がセンサから受信されうる場合もある。センサは、シート、アームレストまたは任意の他の部分を含む自動車100の任意の部分に関連付けられうる。さらに、センサは、携帯型センサでありうる場合もある。
ステップ1204において、応答システム199は、自律神経情報を解析してもよい。一般に、運転者が眠気を催しているかを判定するために自律神経情報を解析する任意の方法が使用されうる。自律神経情報を解析する方法は、解析される自律神経情報のタイプに応じて変更されてもよいことを理解されたい。ステップ1206において、応答システム199は、ステップ1204中に行われた解析に基づいて運転者の身体状態指標を決定してもよい。
眼球運動、頭部運動、ステアリングホイールの動きおよび/または検知自律神経情報に応じて運転者の身体状態指標を決定する上述した方法は、例示的なものにすぎず、他の実施形態において、眠気に関連する挙動を含む運転者の挙動を検出する任意の他の方法が使用されうることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態において、身体状態指標を決定するために運転者の挙動を検出する複数の方法が同時に使用されうることを理解されたい。
応答システムは、眠気を催した運転者の覚醒を促すための1つ以上の車両システムを制御する機能を含みうる。例えば、応答システムは、何らかの方法で(例えば、視覚的に、口頭で、または動きを通して)運転者に刺激を与えるためにさまざまなシステムを制御しうる。また、応答システムが、運転者の覚醒を促すことで、運転者の警戒態勢を高めるために、自動車の周囲条件を変化させてもよい。
図23および図24は、電子パワーステアリングシステムの制御を修正することによって運転者を覚醒させる方法の概略図を示す。図23を参照すると、運転者1302は眠気を催した状態にある。応答システム199は、上述した検出方法の任意のものを用いて、または任意の他の検出方法によって、運転者1302が眠気を催していることを検出してもよい。通常動作中、EPSシステム160は、運転者がステアリングホイール1304を回転させるさいに支援するように機能している。しかしながら、ある状況下において、この支援を低減させることが有益な場合がある。例えば、図24に示すように、パワーステアリングアシストを低減することによって、運転者1302は、ステアリングホイール1304の回転にそれまで以上の労力をかける必要が出てくる。これは、運転者1302がステアリングホイール1304を回転させるのにより大きな力をかけなければならないため、運転者1302を覚醒させる効果がある。
図25は、運転者の検出された眠気レベルに応じてパワーステアリングアシストを制御するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ1502において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。眠気情報は、運転者が通常状態にあるか、眠気状態にあるかを含む場合もがある。さらに、眠気情報は、例えば、最低眠気状態を1、最高眠気状態を10で表した1〜10の段階で眠気レベルを示す値を含みうる場合もある。
ステップ1504において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを眠気情報に基づいて判定する。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199はステップ1502に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199はステップ1506に進む。ステップ1506において、ステアリングホイール情報が受信されてもよい。ステアリングホイール情報が、EPSシステム160から受信されうる場合もある。また、ステアリングホイールの情報が、ステアリング角度センサから受信され、またはステアリングトルクセンサから直接受信されうる場合もある。
ステップ1508において、応答システム199は、運転者がステアリングホイールを回転しているかを判定してもよい。回転していなければ、応答システム199はステップ1502に戻る。運転者がステアリングホイールを回転していれば、パワーステアリングアシストが低減される応答システム199はステップ1510に進む。いくつかの実施形態において、応答システム199が、パワーステアリングアシストを低減する前にステアリングホイールが回転されているかを確認するチェックをしないこともあることを理解されたい。
図26は、身体状態指標に応じて運転者へのパワーステアリングアシストを制御する詳細なプロセスの一実施形態を示す。ステップ1520において、応答システム199は、ステアリング情報を受信してもよい。ステアリング情報は、ステアリング角、ステアリングトルク、回転速度、モータ速度並びにステアリングシステムおよび/またはパワーステアリングアシストシステムに関する任意の他のステアリング情報を含む任意のタイプの情報を含みうる。ステップ1522において、応答システム199は、パワーステアリングアシストを運転者に与えてもよい。応答システム199が、運転者の要求(例えば、運転者がパワーステアリング機能をオンにするとき)に応答してパワーステアリングアシストを与える場合もある。また、応答システム199が、車両条件または他の情報に応じてパワーステアリングアシストを自動的に与える場合もある。
ステップ1524において、応答システム199は、身体状態指標を決定するための上述した方法の任意のものを用いて、運転者の身体状態指標を決定してもよい。次に、ステップ1526において、応答システム199は、電子パワーステアリングシステムによって与えられるステアリング支援量に対応するパワーステアリング状態を設定してもよい。例えば、パワーステアリング状態は、「低」状態および「標準」状態を含む2つの状態に関連する場合もある。「標準」状態において、操縦性を高め、使用者の運転の快適性向上に助力するパワーステアリング支援量に対応する所定のレベルで、パワーステアリングアシストが適用される。「低」状態では、より低いステアリング支援が与えられるため、運転者に要求されるステアリング労力(操舵力)は増大する。ルックアップテーブル1540に示すように、パワーステアリング状態は、身体状態指標に応じて選択されてもよい。例えば、身体状態指標が1または2(まったく眠気がない状態またはわずかに眠気のある状態に相当)であれば、パワーステアリング状態は標準状態に設定される。しかしながら、身体状態指標が3または4(運転者が眠気を催している状況に相当)であれば、パワーステアリング状態は低状態に設定される。ルックアップテーブル1540は例示的なものにすぎず、他の実施形態において、身体状態指標とパワーステアリング状態との間の関係は任意の方法で変更されうることを理解されたい。
ステップ1526においてパワーステアリング状態が設定されると、応答システム199はステップ1528に進む。ステップ1528において、応答システム199は、パワーステアリング状態が低に設定されているかを判定する。低に設定されていなければ、応答システム199はステップ1520に戻り、現行レベルでのパワーステアリングアシスト運転を継続する。しかしながら、応答システム199が、パワーステアリング状態が低に設定されていると判定すれば、応答システム199はステップ1530に進む。ステップ1530において、応答システム199は、パワーステアリングアシストを低減してもよい。例えば、パワーステアリングアシストが、所定量のトルク支援を供給していれば、パワーステアリングアシストは、支援トルクを低減するように変更されてもよい。この変更により、運転者に要求されるステアリング労力が高くなる。眠気を催した運転者にとって、ステアリングホイールを回転させるのに必要な労力が増すと、運転者の警戒態勢の増強および車両の操縦性の向上が促されうる。
ステップ1532中において、応答システム199が、パワーステアリングアシストが低減したという警報を運転者に与えてもよい場合もある。例えば、「パワーステアリングオフ」または「パワーステアリング低減中」と表示されたダッシュボードの照明が点けられうる場合もある。また、車両に関連付けられたナビゲーションスクリーンまたは他のディスプレイスクリーンが、パワーステアリングアシストが低減中であることを示すメッセージを表示しうる場合もある。さらに、運転者に警告を出すために、音声または触覚インジケータが使用されうる場合もある。これは、運転者がパワーステアリングが故障したのではないかと心配しないように、パワーステアリングアシストの変更を運転者に通知する助けとなる。
図27および図28は、環境制御システムの動作を自動的に修正することによって、眠気を催した運転者の覚醒を促す方法の概略図を示す。図27を参照すると、環境制御システム250は、運転者1602によって自動車100の車室内の温度が75゜F(約24℃)に維持されるように設定されている。これは、ディスプレイスクリーン1620上に示されている。応答システム199が、運転者1602が眠気状態になりつつあることを検出すると、応答システム199は、環境制御システム250の温度を自動的に変更してもよい。図28に示すように、応答システム199は、温度を60゜F(約15℃)に自動的に調節する。自動車100内の温度が下がっていくと、運転者1602の眠気が弱まる可能性があり、運転者1602の運転中の警戒態勢を高める助けとなる。他の実施形態において、温度は、運転者の警戒態勢を高めるために上昇されてもよい。
図29は、車両の温度を制御することによって、運転者の覚醒を促すプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ1802において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ1804において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定する。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199はステップ1802に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199はステップ1806に進む。ステップ1806において、応答システム199は、車室内温度を自動的に調節する。応答システム199が、ファンまたは空調装置を作動させることによって車室内温度を低下してもよい場合もある。しかしながら、応答システム199が、ファンまたはヒータを使用して車室内温度を上昇させうる場合もある。さらに、これらの実施形態が、温度を変更することだけに限定されるわけではなく、他の実施形態において、空気流、湿度、圧力または他の周囲条件を含む車室内環境の他の面が変更されうることを理解されたい。例えば、応答システムが、車室内への空気流を自動的に高めうることで、運転者に刺激を与え、眠気の低減を促してもよい場合もある。
図30および図31は、運転者に対する視覚、聴覚および触覚フィードバックを用いて眠気を催した運転者に警告を出す方法の概略図を示す。図30を参照すると、運転者1902は、自動車100の走行時に眠気に襲われている。応答システム199がこの眠気状態を検出すると、応答システム199は、運転者1902の覚醒を促すために1つ以上のフィードバック機構を作動させてもよい。図31を参照すると、運転者を覚醒させる3つの異なる方法が示されている。特に、応答システム199は、1つ以上の触覚デバイス170を制御してもよい。触覚デバイスの例は、振動デバイス(振動シートまたはマッサージシートなど)またはデバイスの表面特性が修正可能なもの(例えば、加熱や冷却または表面の剛性調節により)を含む。一実施形態において、応答システム199は、運転席190が揺れたり振動したりするように動作してもよい。これは、運転者1902を覚醒させる効果を有しうる。また、ステアリングホイール2002が振動したり揺れたりするようにされうる場合もある。加えて、応答システム199が、1つ以上の照明または他の視覚インジケータを作動しうる場合もある。例えば、一実施形態において、ディスプレイスクリーン2004上に警報が表示されてもよい。1つの例において、警報は「起きて!」であってもよく、運転者の注意を引くように明るく光ったスクリーンを含んでもよい。また、運転者の覚醒を促すために、オーバーヘッドライトまたは他の視覚インジケータがオンにされうる場合もある。いくつかの実施形態において、応答システム199は、スピーカ2010を通してさまざまな音を発生しうる。例えば、応答システム199は、スピーカ2010を通して音楽を再生したり、または他の音を鳴らしたりするために、無線機、CDプレーヤ、MP3プレーヤまたは他の音声デバイスを作動させうる場合もある。また、応答システム199が、運転者に覚醒するように話しかける声など、メモリに記録されたさまざまな録音した音声を再生しうる場合もある。
図32は、さまざまな視覚、聴覚および触覚刺激を用いて運転者を覚醒させるプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ2102において、応答システム199は眠気情報を受信してもよい。ステップ2104において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定する。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199はステップ2102に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199はステップ2106に進む。ステップ2106において、応答システム199は、運転者に触覚刺激を与えてもよい。例えば、応答システム199は、自動車100のシートまたは他の部分(例えば、ステアリングホイール)が揺れ、および/または振動するように制御しうる。また、応答システム199が、自動車100のシートまたは他の表面の剛性を変更しうる場合もある。
ステップ2108において、応答システム199は、1つ以上の照明またはインジケータをオンにしてもよい。照明は、ダッシュボードライト、ルーフライトまたは任意の他の照明を含む自動車100に関連する任意の照明でありうる。応答システム199が、ナビゲーションシステムディスプレイスクリーンまたは環境制御ディスプレイスクリーンなどのディスプレイスクリーン上に、明るく光るメッセージまたは背景を与えてもよい場合もある。ステップ2110において、応答システム199は、自動車100のスピーカを用いてさまざまな音声を発生してもよい。これらの音声は、話し言葉、音楽、アラームまたは任意の他の種類の音声でありうる。さらに、これらの音声の音量レベルは、運転者が音声によって警戒態勢に入るように選択されうるが、あまり大きな音で運転者に不快感を生じさせない程度で選択されうる。
応答システムは、運転者の覚醒を促すように、シートベルトシステムを制御する機能を含みうる。応答システムが、運転者に警報パルスを与えるようにシートベルトの電子プリテンションシステムを制御しうる場合もある。
図33および図34は、応答システムがシートベルトの電子プリテンションシステムを制御する一実施形態の概略図を示す。図33および図34を参照すると、運転者2202が眠気を感じ始めているため、応答システム199は、警報パルスを運転者2202に与えるようにEPTシステム254を自動的に制御してもよい。特に、図33に示すように、シートベルト2210は、最初は緩く締められてもよいが、運転者2202が眠気状態に入ると、図34に示すように、シートベルト2210は、少しの間、運転者2202に対してピンと張られた状態になる。この瞬間的な締め付けは、運転者2202の覚醒を促す警報パルスとして作用する。
図35は、EPTシステム254を制御するプロセスの一実施形態を示す。ステップ2402中、応答システム199は眠気情報を受信する。ステップ2404中、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定する。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199はステップ2402に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、警報パルスが送信されるステップ2406に進む。特に、シートベルトは、運転者の覚醒を促したり、運転者への警告を行ったりするために締め付けられてもよい。
自動車は、運転者の挙動に応じてさまざまなブレーキ制御システムを調節する機能を含みうる。例えば、応答システムは、運転者が眠気を催している場合、アンチロックブレーキ、ブレーキアシスト、ブレーキプレフィルおよび他のブレーキシステムの制御を修正しうる。このような構成は、運転者が眠気を催している場合に生じうる危険な運転状況において、ブレーキシステムの効果を高めるように促す。
図36および図37は、アンチロックブレーキシステムの動作の概略図を示す。図36を参照すると、運転者2502が完全に覚醒している場合、ABSシステム224は、第1の停止距離2520に関連付けられてもよい。特に、特定の初期速度2540の場合、運転者2502がブレーキペダル2530を踏み込むと、自動車100は、完全な停止状態になる前に第1の停止距離2520まで走行しうる。この第1の停止距離2520は、ABSシステム224のさまざまな動作パラメータの結果であってもよい。
以下、図37を参照すると、運転者2502が眠気状態になると、応答システム199は、ABSシステム224の制御を修正してもよい。特に、ABSシステム224の1つ以上の動作パラメータが、停止距離を短くするために変更されてもよい場合もある。この場合、運転者2502がブレーキペダル2530を踏み込むと、自動車100は、完全な停止状態になる前に第2の停止距離2620まで走行しうる。一実施形態において、第2の停止距離2620は、第1の停止距離2520より実質的に短いものであってもよい。言い換えれば、停止距離は、運転者2502が眠気を催している場合、短縮されてもよい。眠気を催した運転者が、注意力低下が原因でブレーキペダルの踏み込みが遅くなることもあるため、応答システム199が停止距離を短縮できると、運転者の反応時間の遅れを補償する助けになることもある。別の実施形態において、車両が滑りやすい路面上にあれば、停止距離の短縮が生じないこともあるため、代わりに、ブレーキペダルを通して触覚フィードバックが適用されてもよい。
図38は、運転者の挙動に応じてアンチロックブレーキシステムの制御を修正するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ2702において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ2704において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ2702に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ2706に進んでもよい。ステップ2706において、応答システム199は、現在の停止距離を求めてもよい。現在の停止距離は、現在の車両速度、およびブレーキシステムに関連するさまざまなパラメータを含む他の動作パラメータの関数であってもよい。ステップ2708において、応答システム199は、停止距離を自動的に短縮してもよい。これは、ABSシステム224の1つ以上の動作パラメータを修正することによって達成されてもよい。例えば、ブレーキライン圧力は、ABSシステム224内のさまざまな弁、ポンプおよび/またはモータを制御することによって修正されうる。
いくつかの実施形態において、応答システムは、運転者の挙動に応答して自動車の1つ以上のブレーキラインを自動的に予め満たしうる。図39は、運転者の挙動に応答して、自動車のブレーキラインを制御するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ2802において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ2804において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ2802に戻ってもよい。運転者が眠気を催していれば、ステップ2806において、応答システム199は、ブレーキ流体でブレーキラインを自動的に予め満たしてもよい。例えば、応答システム199は、自動ブレーキプレフィルシステム228を使用してもよい。これは、運転者が眠気を催している間に危険な状況が生じれば、制動応答を高める助けとなりうる場合もある。ステップ2806中に予め満たされうるブレーキラインの数は任意であることを理解されたい。さらに、任意のポンプ、弁、モータまたはブレーキラインに自動的にブレーキ流体を供給するために必要な他のデバイスを含む、ブレーキラインを予め満たす当業者に既知の任意の機能が使用されうる。
自動車の中には、運転者がブレーキの踏み込みかける力の大きさを減らす助けとなるブレーキアシストシステムが備えられてもよいものもある。これらのシステムは、ブレーキ補助を必要とする可能性のある高齢の運転者または任意の他の運転者に対して作動されてもよい。眠気を催した運転者が、自動車を即時停止するために必要な力をブレーキペダルにかけることができない場合があるため、運転者が眠気を催している場合、応答システムがブレーキアシストシステムを利用してもよい場合もある。
図40は、運転者の挙動に応答して、自動ブレーキアシストを制御する方法の一実施形態を示す。ステップ2902において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ2904において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ2902に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ2906において、ブレーキアシストシステム226がすでにオンであるかを判定してもよい。ブレーキアシストシステム226がすでにオンであれば、応答システム199は、ステップ2902に戻ってもよい。ブレーキアシストシステム226が現在作動していなければ、応答システム199は、ステップ2908において、ブレーキアシストシステム226をオンにしてもよい。眠気を催した運転者は、自動車100を即時停止しなければならない場合に必要な制動力をかけることができない場合があるため、この構成により眠気を催した運転者のブレーキアシストが可能になる。
いくつかの実施形態において、応答システムは、ブレーキアシストシステムの補助の程度を修正しうる。例えば、ブレーキアシストシステムは、所定の作動しきい値を有する通常の条件下で動作してもよい。作動しきい値は、マスタシリンダブレーキ圧の変化率に関連付けられてもよい。マスタシリンダブレーキ圧の変化率が作動しきい値を超えれば、ブレーキアシストが作動されてもよい。しかしながら、運転者が眠気を催している場合、ブレーキアシストシステムは、ブレーキアシストがすぐに作動されるように作動しきい値を修正してもよい。作動しきい値が、眠気の程度に応じて変動しうる場合もある。例えば、運転者がわずかに眠いだけであれば、作動しきい値は、運転者がかなり眠い状態にある場合より高いものであってもよい。
図41は、運転者の挙動に応答して、自動ブレーキアシストを制御する詳細なプロセスの一実施形態を示す。特に、図41は、ブレーキアシストが、運転者の身体状態指標に応じて修正される方法を示す。ステップ2930において、応答システム199は、ブレーキ情報を受信してもよい。ブレーキ情報は、任意のセンサおよび/または車両システムからの情報を含みうる。ステップ2932において、応答システム199は、ブレーキペダルが踏み込まれているかを判定してもよい。応答システム199が、運転者が現在ブレーキをかけているかを判定するために、ブレーキスイッチが適用されたという情報を受信してもよい場合もある。また、ブレーキがかけられているかを判定するために、任意の他の車両情報が監視されうる場合もある。ステップ2934において、応答システム199は、ブレーキ圧の上昇率を測定してもよい。言い換えれば、応答システム199は、ブレーキ圧の上昇速度、またはブレーキペデルの踏み込みの「強さ」を求める。ステップ2936において、応答システム199は、作動しきい値を設定する。作動しきい値は、ブレーキ圧の上昇率のしきい値に相当する。以下に、このステップの詳細について詳述する。
ステップ2938において、応答システム199は、ブレーキ圧の上昇率が作動しきい値を超えているかを判定する。超えていなければ、応答システム199は、ステップ2930に戻る。超えていれば、応答システム199は、ステップ2940に進む。ステップ2940において、応答システム199は、ブレーキ圧を自動的に上昇するために、変調器ポンプおよび/または弁を作動させる。言い換えれば、ステップ2940において、応答システム199は、ブレーキアシストを作動する。これにより、車輪にかかる制動力量が増大する。
図42は、上述した作動しきい値を選択するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、図42に示すプロセスは、図41のステップ2936に対応する。ステップ2950において、応答システム199は、ブレーキ圧率および車両速度並びに任意の他の運転情報を受信してもよい。ブレーキ圧率および車両速度は、通常の動作条件下にある作動しきい値を求めるために使用されてもよい現在の車両の状況に相当する。ステップ2952において、車両の運転条件に応じて、初期しきい値設定値が決定されてもよい。
眠気によるブレーキアシストの変化に対応するために、初期しきい値設定値は、運転者の状態に応じて修正されてもよい。ステップ2954において、応答システム199は、上述した任意の方法を用いて運転者の身体状態指標を決定する。次に、ステップ2956において、応答システム199は、ブレーキアシスト係数を決定する。ルックアップテーブル2960に見られるように、ブレーキアシスト係数は、身体状態指標に応じて0%〜25%の間で変動してもよい。さらに、ブレーキアシスト係数は、一般に、身体状態指標の増大に伴い増大する。ステップ2958において、作動しきい値は、初期しきい値設定値およびブレーキアシスト係数に応じて選択される。ブレーキアシスト係数の値が0%であれば、作動しきい値は、初期しきい値設定値に等しい。しかしながら、ブレーキアシスト係数の値が25%であれば、作動しきい値は、運転者が眠気を催している場合にブレーキアシストの感度を高めるために、最大25%だけ修正されてもよい。作動しきい値は、最大25%(またはブレーキアシスト係数に相当する任意の他の量)だけ増大されてもよい場合もある。また、作動しきい値は、最大25%(またはブレーキアシスト係数に相当する任意の他の量)だけ低減されてもよい場合もある。
自動車は、運転者が眠気を催している場合、車両安定性を高める機能を含みうる。応答システムが、電子安定性制御システムの動作を修正しうる場合もある。例えば、応答システムが、検出されたヨーレートおよびステアリングヨーレート(ヨーレートはステアリング情報から推定)が互いに非常に近いものであるようにしうる場合もある。これは、運転者が眠気を催している間、ステアリング精度を高め、危険な運転状況の可能性を低減する助けとなりうる。
図43および図44は、道路3000の曲線を旋回する自動車100の一実施形態の概略図である。図43を参照すると、運転者3002は、目が冴えた状態であり、ステアリングホイール3004を回転している。また、図43には、運転者の目標経路3006および実際の車両経路3008が示されている。運転者の目標経路は、ステアリングホイール情報、ヨーレート情報、横g情報および他の種類の運転情報から決定されてもよい。運転者の目標経路は、運転者からのステアリング入力を考慮した車両の理想経路を表す。しかしながら、道路トラクションおよび他の条件の変動により、実際の車両経路と運転者の目標経路とは、わずかに異なることがある。図44を参照すると、運転者3002が眠気状態に入ると、応答システム199は、電子安定性制御システム222の動作を修正する。特に、ESCシステム222は、実際の車両経路3104が、運転者の目標経路3006に近くなるように修正される。これは、運転者が眠気を催している場合、運転者の目標経路と実際の車両経路との間の差が最小限に抑えられることで、運転精度を向上させる助けとなりうる。
図45は、運転者の挙動に従って電子車両安定性システムを制御するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ3202において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ3204において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定する。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ3202に戻ってもよい。眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ3206において、ヨーレート情報を受信する。ヨーレート情報は、ヨーレートセンサから受信されうる場合もある。ステップ3208において、応答システム199は、ステアリング情報を受信する。これは、例えば、ステアリング角度センサから受信したステアリングホイール角度を含みうる。ステップ3210において、応答システム199は、ステアリング情報を用いてステアリングヨーレートを決定する。ステアリングヨーレートを決定するために、追加の運転情報が使用されうる場合もある。ステップ3212において、応答システム199は、測定されたヨーレートとステアリングヨーレートとの間の許容誤差を低減してもよい。言い換えれば、応答システム199は、運転者の目標経路と実際の車両経路との間の差を最小限に抑える助けとなる。
ヨーレートとステアリングヨーレートとの間の許容誤差を低減するために、応答システム199は、自動車100を運転者の目標経路の近くに維持するために、自動車100の1つ以上のブレーキに制動を適用してもよい。車両を運転者の目標経路の近くに維持する例が、2010年3月17日に出願された、Ellisらの米国特許出願第12/725,587号(米国特許第(未定)号)に見られ、同出願の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
図46は、運転者の挙動に応答して、電子安定性制御システムを制御するプロセスの一実施形態を示す。特に、図46は、電子安定性制御システムの動作が、運転者の身体状態指標に応じて修正される実施形態を示す。ステップ3238において、応答システム199は、運転情報を受信する。この情報は、ヨーレート、車輪速度、ステアリング角、および電子安定性制御システムによって使用される他の情報などの任意の運転情報を含みうる。ステップ3240において、応答システム199は、車両挙動が安定しているかを判定してもよい。特に、ステップ3242において、応答システム199は、アンダーステアリングまたはオーバーステアリングに関連するステアリングの安定性誤差を測定する。安定性は、車両の実際の経路と運転者の目標経路とを比較することによって決定される場合もある。
ステップ3244において、応答システム199は、電子安定性制御システムに関連する作動しきい値を設定する。作動しきい値は、所定の安定性誤差に関連付けられてもよい。ステップ3246において、応答システム199は、安定性誤差が作動しきい値を超過するかを判定する。超過していなければ、応答システム199は、ステップ3238に戻ってもよい。超過していれば、応答システム199は、ステップ3248に進んでもよい。ステップ3248において、応答システム199は、車両の安定性を高めるように個々のホイールブレーキ制御を適用する。いくつかの実施形態において、応答システム199はまた、エンジンブレーキをかけるようにエンジンを制御し、または車両を安定化する助けとなるために、シリンダ動作を修正しうる。
ステップ3250において、応答システム199が、警報インジケータを作動させてもよい場合もある。警報インジケータは、ナビゲーションスクリーンまたは他のビデオスクリーン上に表示される任意のダッシュボードライトまたはメッセージでありうる。警報インジケータは、電子安定性制御システムが作動されたことを運転者に警告する助けとなる。警報が、聴覚警報および/または触覚警報でありうる場合もある。
図47は、上記方法で使用された作動しきい値を設定するプロセスの一実施形態を示す。ステップ3260において、応答システム199は、車両運転情報を受信する。例えば、車両運転情報は、車輪速度情報、路面条件(湾曲、摩擦係数など)、車両速度、ステアリング角、ヨーレートおよび他の運転情報を含みうる。ステップ3262において、応答システム199は、ステップ3260において、受信された運転情報に応じて初期しきい値設定値を決定する。ステップ3264において、応答システム199は、運転者の身体状態指標を決定する。
ステップ3266において、応答システム199は、安定性制御係数を決定する。ルックアップテーブル3270に見られるように、安定性制御係数は、身体状態指標から決定されてもよい。1つの例において、安定性制御係数は、0%から25%の範囲のものである。さらに、安定性制御係数は、一般に、身体状態指標とともに増大する。例えば、身体状態指標が1であれば、安定性制御係数は0%である。身体状態指標が4であれば、安定性制御係数は25%である。安定性制御係数のこれらの範囲は例示的なものにすぎず、安定性制御係数が、身体状態指標の関数として任意の他の方法で変動しうる場合もあることを理解されたい。
ステップ3268において、応答システム199が、初期しきい値設定値および安定性制御係数を用いて作動しきい値を設定してもよい。例えば、安定性制御係数の値が25%であれば、作動しきい値は、初期しきい値設定値より大きな最大25%までのものであってもよい。また、作動しきい値が、初期しきい値設定値より小さい最大25%までのものであってもよい場合もある。言い換えれば、作動しきい値は、安定性制御係数の値に比例して初期しきい値設定値から増減されてもよい。この構成は、運転者の状態に比例して作動しきい値を修正することによって、電子安定性制御システムの感度を高めるように促す。
図48は、衝突警報システム234が装備された自動車100の概略図を示す。衝突警報システム234は、衝突の可能性があることについて運転者に警報を出すように機能しうる。明瞭にするために、本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲において使用される「ホスト車両」とう用語は、応答システムを含む任意の車両を意味するのに対して、「ターゲット車両」という用語は、ホスト車両によって監視されまたはホスト車両と通信状態にある任意の車両を意味する。この実施形態において、例えば、自動車100は、ホスト車両であってもよい。この例において、ターゲット車両3302が交差点3300を通過する間、自動車100が交差点3300に近付くさい、衝突警報システム234は、ディスプレイスクリーン3320上に警報アラート3310を与えてもよい。2010年9月20日に出願された、Mochizukiの米国特許出願第12/885,790号(米国特許第(未定)号)および2010年7月28日に出願された、Mochizukiらの米国特許出願第12/845,092号(米国特許第(未定)号)に、衝突警報システムのさらなる例が開示され、両出願の内容全体は、参照により本明細書に援用されたものとする。
図49は、運転者の挙動に従って衝突警報システムを修正するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ3402において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ3404において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ3402に戻ってもよい。眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ3406に進んでもよい。ステップ3406において、応答システム199は、衝突の可能性についての警報を運転者に早期に出すように、衝突警報システムの動作を修正してもよい。例えば、衝突警報システムが、衝突点までの距離が25メートル未満であれば、衝突の可能性についての警報を運転者に出すように初期設定されていれば、応答システム199は、衝突点までの距離が50メートル未満であれば、運転者に警報を出すようにシステムを修正しうる。
図50は、運転者の挙動に従って衝突警報システムを修正するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ3502において、衝突警報システム234は、接近車両の方向、位置および速度を取得してもよい。この情報が、DSRCネットワークなどのワイヤレスネットワークを通して接近車両から取得されうる場合もある。また、この情報が、レーダー、ライダーまたは他の遠隔検知デバイスを用いて遠隔検知されうる場合もある。
ステップ3504において、衝突警報システム234は、車両衝突点を推定してもよい。車両衝突点は、自動車100と接近車両とが衝突する可能性のある場所であり、接近車両は、自動車100に対して任意の方向に走行しつつありうる。ステップ3504において、衝突警報システム234が、車両衝突点を算出するために、自動車100の位置、方向および速度についての情報を使用してもよい場合もある。いくつかの実施形態において、この情報は、衝突警報システム234または応答システム199と通信するGPS受信機から受信されうる。他の実施形態において、車両速度は、車両速度センサから受信されうる。
ステップ3506において、衝突警報システム234は、車両衝突点までの距離および/または時間を算出してもよい。特に、この距離を決定するために、衝突警報システム234は、車両衝突点と自動車100の現在の位置との間の差を算出してもよい。同様に、衝突までの時間を決定するために、衝突警報システム234は、車両衝突点に達するまでにかかる時間量を算出しうる。
ステップ3508において、衝突警報システム234は、応答システム199から、または任意の他のシステム若しくは構成要素から眠気情報を受信してもよい。ステップ3509において、衝突警報システム234は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、衝突警報システム234は、第1のしきい値パラメータが取得されるステップ3510に進んでもよい。運転者が眠気を催していれば、衝突警報システム234は、第2のしきい値距離が取得されるステップ3512に進んでもよい。第1のしきい値パラメータおよび第2のしきい値パラメータは、衝突余裕時間または衝突余裕距離がステップ3506中に決定されたかに従って、時間しきい値または距離しきい値のいずれかでありうる。衝突点までの時間および距離の両方が使用される場合、第1のしきい値パラメータおよび第2のしきい値パラメータの各々が、距離しきい値および時間しきい値の両方を含みうる場合もある。さらに、運転者が眠気を催しているか、または催していないかに従って、衝突警報システム234に異なる動作構成を与えるために、第1のしきい値パラメータおよび第2のしきい値パラメータが、実質的に異なるしきい値のものであってもよいことを理解されたい。ステップ3510および3512の両方の後、衝突警報システム234は、ステップ3514に進む。ステップ3514において、衝突警報システム234は、衝突点までの現在の距離および/または時間が、前のステップ(第1のしきい値パラメータまたは第2のしきい値パラメータのいずれか)の間に選択されたしきい値パラメータ未満であるかを判定する。
第1のしきい値パラメータおよび第2のしきい値パラメータが任意の値を有してもよい。第1のしきい値パラメータが、第2のしきい値パラメータ未満であってもよい場合もある。特に、運転者が眠気を催していれば、これが衝突の可能性についての警報を運転者に早期に出すことに対応するため、より低いしきい値パラメータを使用することが有益であってもよい。現在の距離または時間がしきい値距離または時間(しきい値パラメータ)より短ければ、衝突警報システム234は、ステップ3516において、運転者に警報を出してもよい。長ければ、衝突警報システム234は、ステップ3518において、運転者に警報を出さなくてもよい。
応答システムが、運転者の挙動に従ってオートクルーズコントロールシステムの動作を修正する機能を含みうる。いくつかの実施形態において、応答システムは、オートクルーズコントロールシステムに関連する運転間隔距離を変更しうる。ある場合において、運転間隔距離は、自動車が先行車両に到達しうる最短距離である。オートクルーズコントロールシステムが、自動車が運転間隔距離より近くにいることを検出すれば、システムは、運転者に警告を出してもよく、および/または、運転間隔距離を長くするために車両を自動的に遅くしてもよい。
図51および図52は、先行車両3602の後方を走行している自動車100の概略図を示す。この状況において、オートクルーズコントロールシステム238は、先行車両3602の後方で所定の運転間隔距離を自動的に維持するように動作する。運転者3600が目覚めているとき、オートクルーズコントロールシステム238は、図51に示すように、第1の運転間隔距離3610を使用する。言い換えれば、オートクルーズコントロールシステム238は、先行車両3602に対する第1の運転間隔距離3610より自動車100が接近しないように自動的に防止する。図52に示すように、運転者3600が眠気状態になると、応答システム199は、オートクルーズコントロールシステム238が運転間隔距離を第2の運転間隔距離3710へ長くするように、オートクルーズコントロールシステム238の動作を修正してもよい。第2の運転間隔距離3710は、運転者3600が眠気を催している場合、運転者3600の反応時間が遅い場合があるため、第1の運転間隔距離3610より実質的に長いものであってもよい。
図53は、運転者の挙動に従ってオートクルーズコントロールシステムの制御を修正する方法の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ3802において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ3804において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ3802に戻ってもよい。運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ3806に進んでもよい。ステップ3806において、応答システム199は、オートクルーズコントロールが使用されているかを判定してもよい。使用されていなければ、応答システム199は、ステップ3802に戻ってもよい。オートクルーズコントロールが使用されていれば、応答システム199は、ステップ3808に進んでもよい。ステップ3808において、応答システム199は、オートクルーズコントロールの現在の運転間隔距離を取得してもよい。ステップ3810において、応答システム199は、運転間隔距離を長くしてもよい。この構成を用いることで、運転者が眠気を催している間に危険な運転状況の可能性を低減するために、運転者が眠気を催している場合、応答システム199は、自動車100と他の車両との間の距離を長くする助けとなってもよい。
図54は、運転者の挙動に応答して自動クルーズコントロールを制御するプロセスの一実施形態を示す。この実施形態は、通常のクルーズコントロールシステムにも適用しうる。特に、図54は、自動クルーズコントロールシステムの動作が、運転者の身体状態指標に応答して変更されるプロセスの一実施形態を示す。ステップ3930において、応答システム199は、自動クルーズコントロール機能がオンになることを決定してもよい。これは、運転者がクルーズコントロールをオンにするように選択した場合に起こることがある。ステップ3931において、応答システム199は、上述した任意の方法および当業者に既知の任意の方法を用いて、運転者の身体状態指標を決定してもよい。ステップ3932において、応答システム199は、運転者の身体状態指標に基づいてオートクルーズコントロール状態を設定してもよい。例えば、ルックアップテーブル3950は、オートクルーズコントロール状態が1、2および3の身体状態指標に対してオンに設定されることを示す。また、オートクルーズコントロール状態は、4の身体状態指標に対してオフに設定される。他の実施形態において、オートクルーズコントロール状態は、任意の他の方法で身体状態指標に従って設定されうる。
ステップ3934において、応答システム199は、オートクルーズコントロール状態がオンであるかを判定する。オンであれば、応答システム199は、ステップ3942に進む。また、オートクルーズコントロール状態がオフであれば、応答システム199は、ステップ3936に進む。ステップ3936において、応答システム199は、自動クルーズコントロールの制御を低減する。例えば、応答システム199が、所定の速度に次第に車両を低速化してもよい場合もある。ステップ3938において、応答システム199は、自動クルーズコントロールをオフにしてもよい。ステップ3940において、応答システム199が、ダッシュボード警報ライトまたは何らかの種類のスクリーン上に表示されるメッセージを用いて、自動クルーズコントロールの動作が停止されたことを運転者に通知してもよい場合もある。また、応答システム199が、自動クルーズコントロールの動作が停止されたという音声警報を提供しうる場合もある。さらに、触覚警報が使用されうる場合もある。
オートクルーズコントロール状態が、ステップ3934においてオンになるように決定されれば、応答システム199は、ステップ3942において、オートクルーズコントロールの距離設定値を設定してもよい。例えば、ルックアップテーブル3946は、身体状態指標を距離設定値に関連させるルックアップテーブルの1つの可能な構成を提供する。この場合、身体状態指標1は、第1の距離に相当し、身体状態指標2は、第2の距離に相当し、身体状態指標3は、第3の距離に相当する。各距離は、実質的に異なる値をもつものであってもよい。眠気を催しているか、または注意力不足の状態にある運転者に対してより多くの運転間隔空間を与えるために、各運転間隔距離の値は、身体状態指標が増大すると増大してもよい場合もある。ステップ3944において、応答システム199は、ステップ3942中に決定された距離設定値を用いて、オートクルーズコントロールを動作してもよい。
応答システムは、運転者モニタリング情報に基づいてクルーズコントロールシステムのクルーズ速度を自動的に低下させる機能を含みうる。図55は、クルーズ速度を制御する方法の一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ3902において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ3904において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ3902に戻り、眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ3906に進む。ステップ3906において、応答システム199は、クルーズコントロールが動作しているかを決定する。動作していなければ、応答システム199は、ステップ3902に戻る。クルーズコントロールが動作していれば、応答システム199は、ステップ3908において現在のクルーズ速度を決定する。ステップ3910において、応答システム199は、所定の割合を取得する。所定の割合は、0%から100%の間の任意の値を有しうる。ステップ3912において、応答システム199は、所定の割合だけクルーズ速度を低減してもよい。例えば、自動車100が60mph(約96km/h)で走行中であり、所定の割合が50%であれば、クルーズ速度は30mph(約48km/h)に低減されてもよい。他の実施形態において、クルーズ速度は、所定量だけ、例えば、20mph(約32km/h)または30mph(約48km/h)だけ低減されうる。さらなる他の実施形態において、所定の割合は、運転者身体指標に従ってある範囲の割合から選択されうる。例えば、運転者がやや眠いだけの状態であれば、所定の割合は、運転者がかなり眠い場合に使用される割合より小さいものでありうる。この構成を用いることで、自動車の速度を遅くすると、眠気を催した運転者がもたらす可能性のある危険性が低減されることがあるため、応答システム199は、自動車100の速度を自動的に低減してもよい。
図56は、運転者の挙動に応答して、低速追従システムを制御するプロセスの一実施形態を示す。ステップ3830において、応答システム199は、低速追従システムがオンであるかを判定してもよい。「低速追従」とは、低速で先行車両を自動的に追従するために使用される任意のシステムを意味する。
ステップ3831において、応答システム199は、運転者の身体状態指標を決定してもよい。次に、ステップ3832において、応答システム199は、運転者の身体状態指標に基づいて低速追従状態を設定してもよい。例えば、ルックアップテーブル3850は、身体状態指標と低速追従状態との間の例示的な関係を示す。特に、低速追従状態は、「オン」状態および「オフ」状態の間で変動する。低身体状態指標(身体状態指標1または2)の場合、低速追従状態は「オン」に設定されてもよい。高身体状態指標(身体状態指標3または4)の場合、低速追従状態は「オフ」に設定されてもよい。ここに示される身体状態指標と低速追従状態との間の関係は例示的なものにすぎず、他の実施形態において、この関係は任意の他の方法で変動しうることを理解されたい。
ステップ3834において、応答システム199は、低速追従状態がオンまたはオフであるかを決定する。低速追従状態がオンであれば、応答システム199は、ステップ3830にも戻る。オンでなければ、応答システム199は、低速追従状態がオフである場合、ステップ3836に進む。ステップ3836において、応答システム199は、低速追従機能の制御を低減してもよい。例えば、低速追従システムは、ステップ3838において、システムがシャットダウンされるまで、先行車両との運転間隔距離を次第に長くしてもよい。運転者が眠気を催している場合、低速追従を自動的に転換にすることによって、応答システム199は、運転者が自動車の運転により多くの労力をかける必要があるため、運転者の注意力および警戒態勢を高める助けとなることもある。
ステップ3840において、応答システム199は、ダッシュボード警報ライトまたは何らかの種類のスクリーン上に表示されるメッセージを用いて、低速追従の動作が停止されたことを運転者に通知してもよい場合もある。また、応答システム199が、低速追従の動作が停止されたという音声警報を提供しうる場合もある。
応答システムが、自動車が現在の車線を意図せずに離れていれば、運転者に警報を出す助けとなる車線逸脱警報システムの動作を修正する機能を含みうる。応答システムが、車線逸脱警報システムが運転者に警報を出すときを修正しうる場合もある 例えば、車線維持逸脱警報システムが、自動車が車線境界線を越えるまで警報を出すのではなく、自動車が車線境界線を越える前に運転者に警報を出しうる。
図57および図58は、車線逸脱警報システムの動作を修正する方法の一実施形態の概略図を示す。図57および図58を参照すると、自動車100は道路4000上を走行している。運転者4002が完全に警戒態勢にある状況下において(図57を参照)、車線逸脱警報システム240は、自動車100が、警報4012を出す前に車線境界線4010を越えるまで待機してもよい。しかしながら、運転者4002が眠気を催している状況下において(図58を参照)、車線逸脱警報システム240は、自動車100が車線境界線4010を越える瞬間の直前に警報4012を出してもよい。言い換えれば、車線逸脱警報システム244は、運転者4002が眠気を催している場合、運転者4002に早期に傾向を出す。これにより、運転者4002が現在の車線内に留まる可能性が高められることがある。
図59は、運転者の挙動に応答して車線逸脱警報システムを動作するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ4202において、応答システム199は、眠気情報を取得してもよい。ステップ4204において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ4202に戻る。眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ4206に進む。ステップ4206において、応答システム199は、車線逸脱の可能性について運転者に早期に警報が出されるように、車線逸脱警報システム240の動作を修正してもよい。
図60は、運転者の挙動に応答して車線逸脱警報システムを動作するプロセスの一実施形態を示す。特に、図60は、車線逸脱警報システムの動作が、運転者の身体状態指標に応答して修正されるプロセスの一実施形態を示す。ステップ4270において、応答システム199は、道路情報を受信する。道路情報は、道路サイズ、形状および任意の道路標示または車線の位置を含みうる。ステップ4272において、応答システム199は、道路に対する車両位置を決定してもよい。ステップ4274において、応答システム199は、車線を越えるまでの時間を算出してもよい。これは、車両位置、車両旋回位置および車線位置情報から決定されうる。
ステップ4276において、応答システム199は、道路横断しきい値を設定してもよい。道路横断しきい値は、車線を越えるまでの時間に関連付けられた時間であってもよい。ステップ4278において、応答システム199は、車線を越えるまでの時間が、道路横断しきい値を超えているかを判定する。超えていなければ、応答システム199は、ステップ4270に戻る。超えていれば、応答システム199は、車両が車線を越えていることを示す警報インジケータが照明されるステップ4280に進む。また、聴覚または触覚警報が提供されうる場合もある。車両が車線を越え続ければ、ステップ4282において、ステアリング労力補正が適用されてもよい。
図61は、道路横断しきい値を設定するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4290において、応答システム199は、車両が回復するための最小反応時間を決定する。最小反応時間が、運転者が車線を越える可能性を意識すると、車両が車線を越えないようにするための最小時間量に関連付けられる場合もある。ステップ4292において、応答システム199は、車両運転情報を受信してもよい。車両運転情報は、道路情報および道路内の車両の位置に関する情報を含みうる。
ステップ4294において、応答システム199は、最小反応時間および車両運転情報から初期しきい値設定値を決定する。ステップ4296において、応答システム199は、運転者の身体指標状態を決定する。ステップ4298において、応答システム199は、身体状態指標に従って車線逸脱警報係数を決定する。例示的なルックアップテーブル4285は、身体状態指標の関数として0%〜25%の係数値の範囲を含む。最後に、ステップ4299において、応答システム199は、車線逸脱警報係数および初期しきい値設定値に従って道路横断しきい値を設定してもよい。
車線逸脱警報システムを通して運転者に早期に警報を出す以外にも、応答システム199は、車線維持アシストシステムの動作を修正して、所定の車線に車両を維持するために、警報および運転補助を与えてもよい。
図62は、運転者の挙動に応答して車線維持アシストシステムを動作するプロセスの一実施形態を示す。特に、図62は、車線維持アシストシステムの動作が運転者の身体状態指標に応答して修正される方法を示す。ステップ4230において、応答システム199は、動作情報を受信してもよい。例えば、応答システム199が、道路のサイズおよび/または形状、並びに道路上にあるさまざまな線の位置に関する道路情報を受信してもよい場合もある。ステップ4232において、応答システム199は、道路中央位置および道路の幅を決定する。これは、道路の光情報などの検知情報、マップベースの情報を含む格納情報または検知および格納情報の組み合わせを用いて決定されうる。ステップ4234において、応答システム199は、道路に対して車両位置を決定してもよい。
ステップ4236において、応答システム199は、道路中央からの車両経路のずれを判定してもよい。ステップ4238において、応答システム199は、運転者の中央走行習性を学習してもよい。例えば、警戒態勢にある運転者は、一般に、車を車線の中央に維持しようとしてステアリングホイールを一定に調節する。運転者の中央走行習性は、応答システム199によって検出され、学習されうる場合もある。運転者の中央走行習性を決定するために、任意の機械学習方法またはパターン認識アルゴリズムが使用されうる。
ステップ4240において、応答システム199は、車両が道路の中央から逸れているかを判定してもよい。逸れていなければ、応答システム199は、ステップ4230に戻る。車両が逸れていれば、応答システム199は、ステップ4242に進む。ステップ4242において、応答システム199は、運転者の身体状態指標を決定してもよい。次に、ステップ4244において、応答システム199は、身体状態指標を用いて車線維持アシスト状態を設定してもよい。例えば、ルックアップテーブル4260は、身体状態指標と車線維持アシスト状態との間の関係の一例である。特に、車線維持アシスト状態は、低身体状態指標(指標1または2)の場合、標準状態に設定され、高身体状態指標(指標3または4)の場合、低状態に設定される。他の実施形態において、身体状態指標と車線維持アシスト状態との間の任意の他の関係が使用されうる。
ステップ4246において、応答システム199は、車線維持アシスト状態をチェックしてもよい。車線維持アシスト状態が標準的であれば、応答システム199は、車両を車線に維持しやすいように標準的なステアリング労力補正が適用されるステップ4248に進む。しかしながら、応答システム199は、ステップ4246において、車線維持アシスト状態が低いことを決定すれば、応答システム199は、ステップ4250に進んでもよい。ステップ4250において、応答システム199は、道路が湾曲しているかを決定する。湾曲していなければ、応答システム199は、運転者が、車両が車線から逸れていることを認識するように車線維持アシスト警報を照明するために、ステップ4256に進む。ステップ4250において、応答システム199が、道路が湾曲していることを決定すれば、応答システム199は、ステップ4252に進む。ステップ4252において、応答システム199は、運転者の手がステアリングホイール上に置かれているかを判定する。手が置かれていれば、応答システム199は、プロセスが終了するステップ4254に進む。手が置かれていなければ、応答システム199は、ステップ4256に進む。
この構成により、応答システム199は、運転者の挙動に応答して車線維持アシストシステムの動作を修正することができる。特に、車線維持アシストシステムは、運転者状態が警戒態勢である場合(低身体状態指標)、車両を自動ステアリングする助けになるのみであってもよい。逆に、運転者が眠気を催していたり、眠気がかなり強い状態にあったりすれば(高身体状態指標)、応答システム199は、ステアリング支援を与えずに車線逸脱の警報のみを与えるように、車線維持アシストシステムを制御してもよい。これにより、運転者が眠気を催しているときに運転者の警戒心を増す助けになることもある。
応答システムは、運転者が眠気を催している場合、死角インジケータシステムの制御を修正する機能を含みうる。例えば、応答システムは、検出領域を増大しうる場合もある。また、応答システムは、早期に(すなわち、接近車両が離れた位置にあるとき)警報を出すようにモニタリングシステムを制御しうる場合もある。
図63および図64は、死角インジケータシステムの動作の一実施形態の概略図を示す。この実施形態において、自動車100は、道路4320上を走行している。死角インジケータシステム242(図2を参照)は、死角監視ゾーン4322内を走行する任意の対象物を監視するために使用されてもよい。例えば、この実施形態において、死角インジケータシステム242は、死角監視ゾーン4322の内側に対象物がないことを判定してもよい。特に、ターゲット車両4324は、死角監視ゾーン4322のちょうど外側にある。この場合、運転者にアラートが送信されない。
図63において、運転者4330が完全に警戒態勢にあるように示されている。この警戒態勢の状態において、死角監視ゾーンは、所定の設定値および/または車両運転情報に従って設定される。しかしながら、図64に示すように、運転者4330が眠気状態になると、応答システム199は、死角インジケータシステム242の動作を修正してもよい。例えば、一実施形態において、応答システム199は、死角監視ゾーン4322のサイズを増大してもよい。図64に示されているように、これらの修正された条件下において、ターゲット車両4324は、死角監視ゾーン4322内を走行している。したがって、この状況において、運転者4330は、ターゲット車両4324の存在に関して警告される。
図65は、運転者の挙動に応答して死角インジケータシステムを動作するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ4302において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ4304において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定する。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ4302に戻る。運転者が眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ4306に進む。ステップ4306において、応答システム4306は、死角検出領域を増大してもよい。例えば、初期死角検出領域が、助手席側のサイドミラーからリアバンパの後方約3〜5メートルの間にある車両領域に関連付けられていれば、修正された死角検出領域は、助手席側のサイドミラーからリアバンパの後方約4〜7メートルの間にある車両領域に関連付けられてもよい。この後、ステップ4308において、応答システム199は、車両がさらに離れた位置にあるときにシステムが運転者に警報を出すように、死角インジケータシステム242の動作を修正してもよい。言い換えれば、最初、接近車両が自動車100の5メートル以内、いわゆる、死角にあれば、システムが運転者に警報を出す場合、システムは、接近車両が自動車100の10メートル以内、いわゆる、自動車100の死角にある場合に運転者に警告するように修正されてもよい。言うまでもなく、ステップ4306またはステップ4308が任意選択のステップであってもよい場合もあることを理解されたい。加えて、死角ゾーンの他のサイズおよび位置が可能である。
図66は、運転者の身体状態指標の関数として、運転者の挙動に応答して死角インジケータシステムを動作するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4418において、応答システム199は対象物情報を受信する。この情報は、車両の近傍内にあるさまざまな物体(他の車両を含む)の位置を検出可能な1つ以上のセンサからの情報を含みうる。例えば、応答システム199は、1つ以上の対象物の存在を検出するための遠隔検知デバイス(カメラ、ライダーまたはレーダーなど)から情報を受信する場合もある。
ステップ4420において、応答システム199は、追跡対象物の位置および/または方角を決定してもよい。ステップ4422において、応答システム199は、ゾーンしきい値を設定する。ゾーンしきい値は、対象物が死角監視ゾーン間に入るときを決定する位置しきい値であってもよい。ゾーンしきい値が、運転者の身体状態指標および追跡対象物についての情報を用いて決定されてもよい場合もある。
ステップ4424において、応答システム199は、追跡対象物がゾーンしきい値を交差するかを判定する。交差しなければ、応答システム199はステップ4418に進む。交差すれば、応答システム199は、ステップ4426に進む。ステップ4426において、応答システム199は、対象物の相対速度が所定の範囲内にあるかを判定する。対象物の相対速度が所定の範囲内にあれば、長い時間、死角監視ゾーンに留まる可能性があり、非常に高い脅威を与えることもある。応答システム199は、あまり長い間、死角監視ゾーンに対象物が留まる可能性が低いため、所定の範囲外の相対速度の対象物は無視してもよい。相対速度が所定の範囲内になければ、応答システム199は、ステップ4418に戻る。範囲内であれば、応答システム199は、ステップ4428に進む。
ステップ4428において、応答システム199は、身体状態指標を用いて警報のタイプを決定する。ステップ4430において、応答システム199は、身体状態指標を用いて警報の強度および頻度を設定する。ルックアップテーブル4440は、身体状態指標と警報強度係数との間の関係の一例である。最後に、ステップ4432において、応答システム199は、死角にある対象物の存在を運転者に警告するように死角インジケータ警報を作動する。
図67は、ゾーンしきい値を決定するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4450において、応答システム199は、追跡された対象物情報を取得する。ステップ4452において、応答システム199は、初期しきい値設定値を決定してもよい。ステップ4454において、応答システム199は、運転者の身体状態指標を決定してもよい。ステップ4456において、応答システム199は、死角ゾーン係数を決定してもよい。例えば、ルックアップテーブル4460は、身体状態指標と死角ゾーン係数との間の所定の関係を含む。死角ゾーン係数は、場合によっては、0%〜25%の範囲であってもよく、一般に、身体状態指標とともに増大してもよい。最後に、ステップ4458において、応答システム199は、ゾーンしきい値を決定してもよい。
一般に、ゾーンしきい値は、初期しきい値設定値(ステップ4452において決定)および死角ゾーン係数を用いて決定されうる。例えば、死角ゾーン係数の値が25%であれば、ゾーンしきい値は、初期しきい値設定値より大きい最大25%であってもよい。また、ゾーンしきい値は、初期しきい値設定値より低い最大25%であってもよい場合もある。言い換えれば、ゾーンしきい値は、死角ゾーン係数の値に比例して初期しきい値設定値から増減されてもよい。さらに、ゾーンしきい値の値が変化すると、死角ゾーンまたは死角検出エリアのサイズが変更されてもよい。例えば、ゾーンしきい値の値が増大するにつれ、死角検出領域の長さが増大することで、検出領域が広がり、システムの感度も高まる場合もある。同様に、ゾーンしきい値の値が小さくなると、死角検出エリアの長さが低減されることで、検出領域が狭くなり、システム感度も落ちる場合もある。
図68は、ルックアップテーブル4470の形態の身体状態指標に従ったさまざまな警報設定値の一実施形態の一例を示す。例えば、運転者の身体状態指標が1である場合、警報タイプは、インジケータのみに設定されてもよい。言い換えれば、運転者が眠気を催していない場合、警報タイプは、1つ以上の警報インジケータのみを照明するように設定されてもよい。身体状態指標が2である場合、インジケータおよび音声の両方が使用されてもよい。運転者の身体状態指標が3であれば、インジケータおよび触覚フィードバックが使用されてもよい。例えば、ダッシュボードライトは点滅してもよく、運転者のシートまたはステアリングホイールが振動してもよい。運転者の身体状態指標が4である場合、インジケータ、音声および触覚フィードバックがすべて使用されてもよい。言い換えれば、運転者の眠気状態がより強くなると(高身体状態指標)、多種多様な警報タイプが同時に使用されてもよい。この実施形態は、異なる身体状態指標に対する例示的な警報タイプを示しているだけであって、他の実施形態において、身体状態指標に対して任意の他の警報タイプ構成が使用されうることを理解されたい。
図69および図72は、運転者の挙動に応答して衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)の動作の例示的な実施形態を示す。衝突軽減ブレーキシステムは、前方衝突警報システムと組み合わせて使用されうる場合もある。特に、衝突軽減ブレーキシステムは、前方衝突警報システムと組み合わせ、または前方衝突警報システムの代わりに、前方衝突警報を発生しうる場合もある。さらに、衝突軽減ブレーキシステムは、衝突の回避を助けるために、ブレーキシステムおよび電子シートベルトプリテンションシステムを含む、さまざまなシステムをさらに作動するように構成されうる。しかしながら、衝突軽減ブレーキシステムおよび前方衝突警報システムが、独立したシステムとして作動されうる場合もある。以下に記述される例示的な状況において、衝突軽減ブレーキシステムは、前方衝突する可能性の警報を運転者に出すことが可能である。しかしながら、別個の前方衝突警報システムによって前方衝突警報が提供されうる場合もある。
図69に示すように、自動車100は、ターゲット車両4520の後方を走行中である。この状況において、自動車100は、およそ60mph(約96km/h)で走行中であるのに対して、ターゲット車両4520は、およそ30mph(約48km/h)で低速走行中である。この時点で、自動車100およびターゲット車両4520は、距離D1だけ離れている。しかしながら、運転者は警戒態勢にあるため、CMBS236は、距離D1が前方衝突警報を要求するほど短い距離ではないことを判定する。対照的に、図70に示すように、運転者が眠気を催している場合、応答システム199は、CMBS236の第1の警報段階中に警報4530が発生されるようにCMBS236の動作を修正してもよい。言い換えれば、CMBS236は、運転者が眠気を催している場合、より感度が高い状態になる。さらに、以下に記述するように、感度レベルは、眠気の程度(身体状態指標によって示される)に比例して変更されてもよい。
以下、図71を参照すると、自動車100は、ターゲット車両4520に接近し続けている。この時点で、自動車100およびターゲット車両4520は、距離D2だけ離れている。この距離は、前方衝突警報4802を作動するためのしきい値未満である。警報が、視覚的アラートおよび/または聴覚的アラートとして与えられうる場合もある。しかしながら、運転者が警戒態勢にあるため、距離D2は、自動ブレーキおよび/または自動シートベルトプリテンションなどの追加の衝突軽減機能を作動させるほど短い距離であるとは判定されない。対照的に、図72に示すように、運転者が眠気を催している場合、応答システム199は、前方衝突警報4802を与えること以外にも、CMBS23がシートベルト4804に自動的にプリテンションをかけてもよいように、CMBS236の動作を修正してもよい。また、CMBS236が、自動車100の速度を落とすために、軽制動4806をかけてもよい場合もある。しかしながら、この時点でブレーキをかけなくてもよい場合もある。
説明上、車間距離は、応答システム199が警報を発し、および/または、他のタイプの介入を適用するかを決定するためのしきい値として使用される。しかしながら、応答システム199がとりうるアクションを決定するためのしきい値として、車両同士の衝突余裕時間が使用されてもよい場合もあることを理解されたい。例えば、ホストおよびターゲット車両の速度および車両間の相対距離についての情報の使用が、衝突余裕時間を推定するために使用されうる場合もある。応答システム199は、警報および/または他の動作が、推定衝突余裕時間に従って実行されるべきであるかを判定してもよい。
図73は、運転者の挙動に応答して衝突軽減ブレーキシステムを動作するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4550において、応答システム199は、ターゲット車両情報およびホスト車両情報を受信してもよい。例えば、応答システム199は、ターゲット車両およびホスト車両の速度、位置および/または方角を受信してもよい場合もある。ステップ4552において、応答システム199は、ターゲット車両などの検知領域にある対象物の位置を決定してもよい。ステップ4554において、応答システム199は、ターゲット車両との衝突余裕時間を決定してもよい。
ステップ4556において、応答システム199は、第1の衝突余裕時間しきい値および第2の衝突余裕時間しきい値を設定してもよい。第1の衝突余裕時間しきい値は、第2の衝突余裕時間しきい値より大きくてよい場合もある。しかしながら、第1の衝突余裕時間しきい値が、第2の衝突余裕時間しきい値以下であってもよい場合もある。第1の衝突余裕時間しきい値および第2の衝突余裕時間しきい値を決定する詳細が以下に記述され、図74に示される。
ステップ4558において、応答システム199は、衝突余裕時間が、第1の衝突余裕時間しきい値未満であるかを決定してもよい。しきい値未満でなければ、応答システム199は、ステップ4550に戻る。第1の衝突余裕時間しきい値が、すぐに衝突のおそれはない値であってもよい場合もある。衝突余裕時間しきい値が、第1の衝突余裕時間しきい値未満であれば、応答システム199はステップ4560に進む。
ステップ4560において、応答システム199は、衝突余裕時間が第2の衝突余裕時間しきい値未満であるかを決定してもよい。しきい値未満でなければ、応答システム199は、ステップ4562で第1の警報段階に入る。次に、応答システム199は、以下に記述され、図75に示すさらなるステップを通して進行してもよい。衝突余裕時間しきい値が第2の衝突余裕時間しきい値より大きければ、応答システム199は、ステップ4564において、第2の警報段階に入ってもよい。次に、応答システム199は、以下に記述され、図76に示すさらなるステップを通して進行してもよい。
図74は、第1の衝突余裕時間しきい値および第2の衝突余裕時間しきい値を設定するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4580において、応答システム199は、衝突を回避するための最小反応時間を決定してもよい。ステップ4582において、応答システム199は、位置、相対速度、絶対速度および任意の他の情報などのターゲットおよびホスト車両情報を受信してもよい。ステップ4584において、応答システム199は、第1の初期しきい値設定値および第2の初期しきい値設定値を決定してもよい。第1の初期しきい値設定値が、運転者に警報を出すためのしきい値設定値n相当する場合もある。第2の初期しきい値設定値が、運転者に警報を出すとともに、ブレーキおよび/またはシートベルトのプリテンションを行うためのしきい値設定値に相当する場合もある。これらの初期しきい値設定値が、運転者が完全に警戒態勢にある場合に使用されてもよいデフォルト設定値として機能してもよい場合もある。次に、ステップ4586において、応答システム199は、運転者の身体状態指標を決定してもよい。
ステップ4588において、応答システム199は、衝突余裕時間係数を決定してもよい。衝突余裕時間係数を運転者の身体状態指標に関係させるルックアップテーブル4592を使用して、衝突余裕時間係数が決定可能である場合もある。衝突余裕時間係数が、身体状態指標の増大に伴い、0%から25%増大する場合もある。ステップ4590において、応答システム199は、第1の衝突余裕時間しきい値および第2の衝突余裕時間しきい値を設定してもよい。この実施形態において、単一の衝突余裕時間係数が使用されているが、第1の衝突余裕時間しきい値および第2の衝突余裕時間しきい値は、第1の初期しきい値設定値および第2の初期しきい値設定値のそれぞれに応じてさまざまであってもよい。この構成を用いることで、第1の衝突余裕時間しきい値および第2の衝突余裕時間しきい値が、運転者の身体状態指標の増大に伴い低減されてもよい場合もある。これにより、応答システム199は、運転者が眠気を催している場合、危険の可能性を早期に警告できるようになる。さらに、警報のタイミングは、身体状態指標に比例して変動する。
図75は、CMBS236の第1の警報段階にある自動車を動作するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4702において、応答システム199は、前方衝突の可能性を運転者に警告するための視覚および/または聴覚警報を選択してもよい。警報ライトが使用されてもよい場合もある。また、警告音などの音声ノイズが使用されうる場合もある。さらに、警報ライトおよび警告音の両方が使用されうる場合もある。
ステップ4704において、応答システム199は、警報頻度および強度を設定してもよい。これは、場合によっては、身体状態指標を用いて決定されてもよい。特に、運転者状態が、運転者の眠気が強くなることにより増大すると、警報状態頻度および強度も増大されうる。例えば、警報頻度および強度を決定するために、ルックアップテーブル4570が使用されうる場合もある。特に、警報強度係数が増大すると(身体状態指標の関数として)、任意の警報の強度は、最大25%まで増大されうる場合もある。ステップ4706において、応答システム199は、前方衝突の警戒用の警報を出してもよい。警報強度係数が大きい状況の場合、警報の強度が増大されうる場合もある。例えば、低警報強度係数(0%)の場合、警報強度は、所定のレベルに設定されてもよい。警報強度係数が高い場合(0%より大きい)、警報強度は、所定のレベルより増大されてもよい。視覚インジケータの輝度が増大されうる場合もある。また、音声警報の音量が上げられうる場合もある。さらに、視覚インジケータを照明するか、聴覚警報を発するパターンが変更されうる場合もある。
図76は、CMBS236の第2の段階において自動車を動作するプロセスの一実施形態を示す。ステップ4718中、CMBS236が、衝突の可能性を運転者に警告するために、視覚および/または聴覚警報を使用してもよい場合もある。上述したように、および図75のステップ4704において示したように、警報のレベルおよび/または強度が、運転者状態指標に従って設定されうる場合もある。次に、ステップ4720において、応答システム199は、触覚警報を使用してもよい。視覚および/または聴覚警報も使用される状況において、触覚警報は、視覚および/または聴覚警報と同時に与えられうる。ステップ4722において、応答システム199は、触覚警報の警報頻度および強度を設定してもよい。これは、例えば、ルックアップテーブル4570を使用して達成されてもよい。次に、ステップ4724において、応答システム199は、運転者に警告するためにシートベルトを自動プリテンションしてもよい。テンションをかける頻度および強度は、ステップ4722において決定されるようにさまざまなものであってもよい。ステップ4726において、応答システム199は、車両の速度を落とすために、軽制動を自動的にかけてもよい。ステップ4726が、任意選択のステップであってもよい場合もある。
図77は、運転者の挙動に応答してナビゲーションシステムを動作するプロセスの一実施形態を示す。いくつかの実施形態において、以下のステップのいくつかが、自動車の応答システム199によって達成されうる。以下のステップのいくつかが、自動車のECU150によって達成されてもよい場合もある。他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両システム172などの自動車の他の構成要素によって達成されうる。さらなる他の実施形態において、以下のステップのいくつかが、車両のシステムまたは構成要素の任意の組み合わせによって達成されうる。いくつかの実施形態において、以下のステップの1つ以上が任意選択のものであってもよいことを理解されたい。参照のために、以下の方法は、応答システム199を含む、図1から図3に示す構成要素について記述する。
ステップ4602において、応答システム199は、眠気情報を受信してもよい。ステップ4604において、応答システム199は、運転者が眠気を催しているかを判定してもよい。運転者が眠気を催していなければ、応答システム199は、ステップ4602に戻る。眠気を催していれば、応答システム199は、ステップ4606に進む。ステップ4606において、応答システム199は、ナビゲーションシステム4606をオフにしてもよい。これは、運転者の注意散漫を低減する助けとなることもある。
いくつかの実施形態において、複数の車両システムが、運転者の挙動に従って実質的に同時に修正されうることを理解されたい。例えば、運転者が眠気を催している場合、応答システムが、衝突するおそれのある可能性または意図していない車線逸脱を運転者に早期に警告するために、衝突警報システムの動作および車線維持アシストシステムの動作を修正しうる場合もある。同様に、運転者が眠気を催している場合、応答システムが、ブレーキ応答を高めるために、アンチロックブレーキシステムの動作およびブレーキアシストシステムの動作を自動的に修正しうる場合もある。運転者の挙動に応答して同時に作動可能である車両システム数は、限定的ではない。
この実施形態は、運転者の挙動を検知し、それに応じて1つ以上の車両システムの動作を修正する機能を例示および記述していることを理解されたい。しかしながら、これらの方法は、運転者を伴った使用に限定されるものではない。他の実施形態において、これらの同じ方法は、車両の任意の乗員に適用されうる。言い換えれば、応答システムは、自動車のさまざまな他の乗員が眠気を催しているかを検出するために構成されてもよい。さらに、1つ以上の車両システムが、それに応じて修正されうる場合もある。
さまざまな実施形態について記述してきたが、本記載は、限定的なものではなく、例示的であることを意図したものであって、当業者であれば、実施形態の範囲内にあるより多くの実施形態および実施例が可能であることは明らかであろう。したがって、これらの実施形態は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物を除き制約的なものではない。また、さまざまな修正例および変更例が、添付の特許請求の範囲内において可能であってもよい。