JP2009146377A - ドライバ状態推定装置及びプログラム - Google Patents

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貴史 町田
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Abstract

【課題】ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができるようにする。
【解決手段】レーン位置センサ12によって、レーン中心からの距離を示すレーン位置信号の時系列データを出力する。信号抽出部22によって、レーン位置信号の時系列データから、各区間の区間最大値を抽出する。分布パラメータ推定部24によって、抽出された区間最大値に基づいて、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定する。リスク推定部26によって、推定されたパラメータによって決定される確率分布関数から、レーン中心からの距離が所定値以上となる逸脱確率を事故発生リスクとして推定し、不適運転推定部28によって、推定された逸脱確率に基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドライバ状態推定装置及びプログラムに係り、特に、車両の走行状態やドライバの操作状態に基づいて、ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定装置及びプログラムに関する。
従来より、車両の横変位に関する所定時間内の標準偏差を得て、その値が閾値以上である場合に、居眠り運転(運転不適状態)であることを検出する車両用居眠り検出装置が知られている(特許文献1)。
また、ヨーレートおよび車速から横変位量を推定し、推定した横変位量から、所定変動幅に対する大小、横変位の偏りの大小、及び横変位の偏りの持続時間の大小の3種類の基準に基づいて、異常運転であることを検出する車両用運転状況監視装置が知られている(特許文献2)。
特開平05−069757号公報 特開2001−167397号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2に記載の技術では、例えばレーンからの逸脱度合いなどの横変位量を検出して、現在の運転が危険か否かを判定しており、逸脱直前の危険報知には有効であるが、さらに事前に危険報知することができれば、より効果的に事故を抑止することができる。
本発明は、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができるドライバ状態推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために第1の発明に係るドライバ状態推定装置は、自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段と、前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段と、前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量が第2所定値以上となる頻度又は確率に基づいて、リスクを推定するリスク推定手段と、前記リスク推定手段によって推定されたリスクに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段とを含んで構成されている。
第2の発明に係るプログラムは、コンピュータを、自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段、前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段、前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量が第2所定値以上となる頻度又は確率に基づいて、リスクを推定するリスク推定手段、及び前記リスク推定手段によって推定されたリスクに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段として機能させるためのプログラムである。
第1の発明及び第2の発明によれば、検出手段によって、自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する。
そして、抽出手段によって、検出手段により出力された物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する。また、関数推定手段によって、抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、物理量の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する。
そして、リスク推定手段によって、関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される関数における、物理量が第2所定値以上となる頻度又は確率に基づいて、リスクを推定し、ドライバ状態推定手段によって、リスク推定手段によって推定されたリスクに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定する。
このように、走行状態、操作状態、又は心身状態を示す大きな物理量から、物理量の増加に応じて頻度又は確率が減少する関数を決定するパラメータを推定し、物理量が所定値以上となる頻度又は確率に基づいて、リスクを推定して、ドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
第3の発明に係るドライバ状態推定装置は、自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段と、前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段と、前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少する度合いに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段とを備えている。
第4の発明に係るプログラムは、コンピュータを、自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段、前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段、及び前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少する度合いに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段として機能させるためのプログラムである。
第3の発明及び第4の発明によれば、検出手段によって、自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する。
そして、抽出手段によって、検出手段により出力された物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する。また、関数推定手段によって、抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する。
そして、ドライバ状態推定手段によって、関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される関数における、物理量の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少する度合いに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定する。
このように、走行状態、操作状態、又は心身状態を示す大きな物理量から、物理量の増加に応じて頻度又は確率が減少する関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータによって決定される関数における、物理量の増加に応じて頻度又は確率が減少する度合いに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
第1の発明に係るドライバ状態推定装置は、ドライバが運転したときに検出手段により過去に検出された物理量及び推定手段により過去に推定されたリスクの少なくとも一方を記憶した記憶手段を更に含み、ドライバ状態推定手段は、リスク推定手段によって推定されたリスクと、記憶手段に記憶された物理量及びリスクの少なくとも一方から求められる運転習慣係数とに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することができる。これによって、ドライバの過去の運転行動を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を精度よく推定することができる。
上記の記憶手段を含むドライバ状態推定装置は、自車両の位置を取得する位置取得手段を更に含み、記憶手段は、自車両の位置の各々と対応させて、位置において検出手段により過去に検出された物理量及び位置において推定手段により過去に推定されたリスクの少なくとも一方を記憶し、ドライバ状態推定手段は、リスク推定手段によって推定されたリスクと、位置取得手段によって取得された自車両の位置に対応して記憶手段に記憶された物理量及びリスクの少なくとも一方から求められる運転習慣係数とに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することができる。これによって、ドライバの各位置における過去の運転行動を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を更に精度よく推定することができる。
第1の発明に係るドライバ状態推定装置は、ドライバが運転したときに検出手段により過去に検出された物理量及び推定手段により過去に推定されたリスクの少なくとも一方から予め求められた運転習慣係数を記憶した記憶手段を更に含み、ドライバ状態推定手段は、リスク推定手段によって推定されたリスクと、記憶手段に記憶された運転習慣係数とに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することができる。これによって、ドライバの過去の運転行動を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を精度よく推定することができる。
上記の運転習慣係数を記憶した記憶手段を含むドライバ状態推定装置は、自車両の位置を取得する位置取得手段を更に含み、記憶手段は、自車両の位置の各々と対応させて、位置において検出手段により過去に検出された物理量及び位置において推定手段により過去に推定されたリスクの少なくとも一方から予め求められた運転習慣係数を記憶し、ドライバ状態推定手段は、リスク推定手段によって推定されたリスクと、位置取得手段によって取得された自車両の位置に対応して記憶手段に記憶された運転習慣係数とに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することができる。これによって、ドライバの各位置における過去の運転行動を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を更に精度よく推定することができる。
上記の記憶手段を含むドライバ状態推定装置は、自車両の車両状態を取得する車両状態取得手段を更に含み、記憶手段は、自車両の車両状態の各々と対応させて、車両状態において検出手段により過去に検出された物理量及び車両状態において推定手段により過去に推定されたリスクの少なくとも一方を記憶し、ドライバ状態推定手段は、リスク推定手段によって推定されたリスクと、車両状態取得手段によって取得された自車両の車両状態に対応して記憶手段に記憶された物理量及びリスクの少なくとも一方から求められる運転習慣係数とに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することができる。これによって、ドライバの各車両状態における過去の運転行動を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を更に精度よく推定することができる。
上記の運転習慣係数を記憶した記憶手段を含むドライバ状態推定装置は、自車両の車両状態を取得する車両状態取得手段を更に含み、記憶手段は、自車両の車両状態の各々と対応させて、車両状態において検出手段により過去に検出された物理量及び車両状態において推定手段により過去に推定されたリスクの少なくとも一方から予め求められた運転習慣係数を記憶し、ドライバ状態推定手段は、リスク推定手段によって推定されたリスクと、車両状態取得手段によって取得された自車両の車両状態に対応して記憶手段に記憶された運転習慣係数とに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することができる。これによって、ドライバの各車両状態における過去の運転行動を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を更に精度よく推定することができる。
上記の抽出手段は、検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、所定区間毎の値が最大となる物理量を抽出し、関数推定手段は、抽出された物理量に基づいて、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータを推定することができる。
上記の抽出手段は、検出手段により出力された物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量を抽出し、関数推定手段は、抽出された物理量に基づいて、一般パレート分布を表わす関数を決定するパラメータを推定することができる。
上記の抽出手段は、検出手段により出力された物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量を抽出し、関数推定手段は、抽出された物理量に基づいて、指数分布を表わす関数を決定するパラメータを推定することができる。
以上説明したように、本発明のドライバ状態推定装置及びプログラムによれば、走行状態、操作状態、又は心身状態を示す大きな物理量から、物理量の増加に応じて頻度又は確率が減少する関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータによって決定される関数から、ドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、車両に搭載されたドライバ状態推定装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置10は、車両の走行状態としてのレーン位置を検出するレーン位置センサ12と、レーン位置センサ12からの出力に基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、推定結果に応じて、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させるコンピュータ14とを備えている。
レーン位置センサ12は、レーン中心から自車位置までの距離をレーン位置として出力し、自車位置がレーン中心から遠ざかるにしたがって大きな値を出力する。従って、レーン位置センサ12によって検出されるレーン位置は、事故発生のリスクが高くなるに従って、値が大きくなる。なお、レーン位置センサ12では、例えば、走行時のビデオ画像からレーン中心とレーン端とを検出し、レーン中心から自車位置までの距離を出力すればよいが、必ずしもこれに限定するものではない。
コンピュータ14は、CPUと、RAMと、後述するドライバ状態推定処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。コンピュータ14は、レーン位置センサ12から連続して出力されたレーン位置信号を取得して、FIFO型の信号バッファ(図示省略)に格納する信号取得部20と、信号バッファを一定の区間幅に分割し、各区間における値が最大となるレーン位置信号を抽出して区間最大値バッファ(図示省略)に格納する信号抽出部22と、抽出された区間最大値となるレーン位置信号の値から、区間最大値の増加に応じて確率が減少するように定めた関数であって、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組を推定する分布パラメータ推定部24と、推定されたパラメータの組に基づく一般極値分布の確率分布関数から、事故発生リスクとして、レーン中心からの距離が閾値を越える確率(逸脱確率)を推定するリスク推定部26と、推定された逸脱確率に基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、警報装置16に警報を出力させる不適運転推定部28とを備えている。
信号取得部20は、図2(A)に示すように、レーン中心からの距離を示すレーン位置信号の測定期間T分の時系列データを信号バッファに格納する。
信号抽出部22は、区画の時間幅w(<T)を示す信号バッファのインデックスを用いて、信号バッファを一定の時間幅wの区間に分割し、区間単位で信号バッファ全体を走査して、図2(B)に示すように、各区間において値が最大となるレーン位置信号の値を区間最大値として抽出して、区間最大値の時系列データを区間最大値バッファに格納する。
分布パラメータ推定部24は、パラメータの初期値を設定し、また、区間最大値バッファの値から区間最大値のヒストグラムを求め、区間最大値のヒストグラムから一般極値分布の対数尤度関数が最大となるようなパラメータの組(μ、σ、ξ)を求めて、図2(C)に示すような一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組(μ、σ、ξ)を推定する。なお、パラメータμは、一般極値分布を表わす確率分布関数を示す曲線の平行移動を決定するパラメータであり、パラメータσは、一般極値分布を表わす確率分布関数を示す曲線の左右方向の圧縮度合いを決定するパラメータである。また、パラメータξは、一般極値分布を表わす確率分布関数を示す曲線の右下がり度合い(傾き)を決定する形状パラメータであり、レーン位置の値の増加に応じて確率が減少する度合いを示している。
ここで、一般極値分布を表わす確率分布関数は、以下の(1)式で表される。
Figure 2009146377
ここで、zは、レーン位置の値(レーン中心からの距離)である。
また、パラメータの初期値として、以下の(2)式で得られる値を用いる。
Figure 2009146377
また、一般極値分布の対数尤度関数l(μ、σ、ξ)は、以下の(3)式で表わされる。
Figure 2009146377
ここで、nは、区間最大値バッファのバッファ長(区間数)を表わし、zは、区間最大値バッファにおけるインデックスiの値を表す。また、Γ(・)は、ガンマ関数を表わす。
ここで、本実施の形態の原理について説明する。区間最大値の分布は一般極値分布に収束する。また、車両の走行状態を示す物理量の極値統計量が、一般極値分布から生成されるというモデルをおいた場合、将来の事故発生リスクが、一般極値分布の閾値以上の積分区間における確率値として計算される。
そこで、本実施の形態では、リスク推定部26によって、図2(D)に示すように、推定されたパラメータの組によって決定される一般極値分布を表わす確率分布関数から、レーン中心から自車位置までの距離が、事故発生状況に相当する所定距離(例えば、レーン端までの距離)を越える逸脱確率を算出し、事故発生のリスクの推定値とする。リスク推定部26では、推定されたパラメータの組によって決定された確率分布関数において、レーン中心からの距離がレーン端までの距離d以上となる区間を積分して得られる確率値c(d)を、以下の(4)式に従って算出し、算出された確率を逸脱確率とする。
Figure 2009146377
不適運転推定部28は、算出された逸脱確率が閾値より大きい場合、ドライバが運転不適状態であると判断し、警報装置16によってドライバに対して警告を出力させる。
次に、第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置10の作用について説明する。ドライバ状態推定装置10を搭載した車両の走行中に、コンピュータ14において、図3に示すドライバ状態推定処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ100において、レーン位置センサ12から連続して出力されるレーン位置信号を取得し、測定期間のレーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。
そして、ステップ102において、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから各区間の区間最大値を抽出する。上記ステップ102は、図4に示す区間最大値抽出処理ルーチンによって実現される。まず、ステップ120において、区間最大値バッファをクリアし、ステップ122において、信号バッファのインデックスt1を初期値である0にセットし、信号バッファのインデックスt2を区間の時間幅に対応する値にセットする。
そして、ステップ124において、信号バッファの区間[t1、t2]の最大値を抽出して、区間最大値バッファに格納する。次のステップ126では、インデックスt1、t2の各々に対して、区間の時間幅に対応する値を加算し、抽出対象区間を次の区間に設定する。そして、ステップ128において、インデックスt2が信号バッファ幅より大きいか否かを判定する。
上記ステップ128において、インデックスt2が信号バッファ幅以下であって、信号バッファのすべての区間から区間最大値を抽出していない場合には、ステップ124へ戻るが、一方、信号バッファのすべての区間から区間最大値を抽出し、インデックスt2が信号バッファ幅より大きくなっている場合には、区間最大値抽出処理ルーチンを終了する。
そして、ドライバ状態推定処理ルーチンのステップ104において、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータの組を推定する。上記ステップ104は、図5に示す関数パラメータ推定処理ルーチンによって実現される。まず、ステップ140において、上記(2)式で表される値を、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータの組(μ、σ、ξ)の候補の初期値として設定し、ステップ142において、最大尤度lに、初期値として−∞を設定する。
そして、ステップ144において、上記(3)式で表される対数尤度関数に従って、パラメータの組(μ、σ、ξ)の候補に対する対数尤度を算出し、次のステップ146において、上記ステップ144で算出された対数尤度が、最大尤度lより大きいか否かを判定する。上記ステップ146において、算出された対数尤度が、最大尤度以下である場合には、ステップ150へ移行するが、算出された対数尤度が、最大尤度より大きい場合には、ステップ148において、現在のパラメータの組(μ、σ、ξ)の候補を、推定されるパラメータの組として更新し、上記ステップ144で算出された対数尤度を、最大尤度として更新して、ステップ150へ移行する。
ステップ150では、パラメータ更新を終了するか否かを判定し、パラメータ更新の終了条件に合致した場合には、関数パラメータ推定処理ルーチンを終了する。一方、上記ステップ150で、パラメータ更新の終了条件に合致しなかった場合には、ステップ152において、パラメータの組(μ、σ、ξ)の候補を、所定の更新規則に基づいて更新し、ステップ144へ戻る。
そして、ドライバ状態推定処理ルーチンのステップ106において、上記ステップ104で推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、事故発生のリスクとしての逸脱確率を算出する。上記ステップ106では、確率分布関数において、レーン中心からの距離(レーン位置)がレーン端までの距離d以上となる区間を積分して得られる確率値c(d)を、上記の(4)式に従って算出し、事故につながるレーン逸脱が発生する逸脱確率を求める。
次のステップ108では、上記ステップ106で算出された逸脱確率が、閾値より大きいか否かを判定する。なお、上記の閾値については、実験的又は統計的に、事故が発生する場合における逸脱確率を求めておき、求められた逸脱確率に基づいて閾値を設定しておけばよい。上記ステップ108で、算出された逸脱確率が閾値以下である場合には、ドライバが運転不適状態でないと判断し、ステップ100へ戻る。一方、上記ステップ108で、算出された逸脱確率が閾値より大きい場合には、ドライバが運転不適状態であると判断し、ステップ110において、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させて、ステップ100へ戻る。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置によれば、レーン位置信号の区間最大値から、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータによって決定される確率分布関数から、リスクとして逸脱確率を算出して、ドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
また、レーン位置信号の値の時系列データから、各区間の区間最大値を抽出して、一般極致分布の確率分布関数を決定するパラメータを推定し、確率分布関数に基づいて、将来事故につながる予兆として、そのリスクを見積もることによって、例えば車線を逸脱する前に警報を出力することが出来る。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組のうちの形状パラメータに基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
図6に示すように、第2の実施の形態に係るドライバ状態推定装置210のコンピュータ214は、信号取得部20と、信号抽出部22と、分布パラメータ推定部24と、推定されたパラメータの組のうちの形状パラメータに基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、警報装置16に警報を出力させる不適運転推定部228とを備えている。
ここで、本実施の形態の原理について説明する。一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組のうち、形状パラメータξは、図2(D)に示すような確率分布関数を示す曲線の裾の厚さを決定するパラメータである。すなわち、確率分布関数を示す曲線の裾が厚いほど(パラメータξの値が大きいほど)、大幅なレーン逸脱が生じる確率が大きいことを示している。
そこで、本実施の形態では、不適運転推定部228によって、推定されたパラメータの組のうちの形状パラメータξと、閾値とを比較して、形状パラメータが閾値より大きい場合に、ドライバが運転不適状態であると推定する。
次に、第2の実施の形態に係るドライバ状態推定処理ルーチンについて図7を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ100において、レーン位置センサ12からレーン位置信号を取得し、レーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、ステップ102において、各区間の区間最大値を抽出し、ステップ104において、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組を推定する。
そして、ステップ250において、上記ステップ104で推定されたパラメータの組のうちの形状パラメータξの値が、閾値より大きいか否かを判定する。なお、上記の閾値は、実験的又は統計的に、事故が発生する場合における確率分布関数を決定するパラメータの組を求めておき、求められたパラメータの組のうちの形状パラメータに基づいて設定しておけばよい。上記ステップ250で、推定された形状パラメータξの値が閾値以下である場合には、ドライバが運転不適状態でないと判断し、ステップ100へ戻る。一方、上記ステップ250で、推定された形状パラメータの値が閾値より大きい場合には、ドライバが運転不適状態であると判断し、ステップ110において、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させて、ステップ100へ戻る。
このように、レーン位置信号の区間最大値から、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータのうちの形状パラメータに基づいてドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態に係るドライバ状態推定装置は、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータによって決定される一般パレート分布の確率分布関数から、逸脱確率を求めている点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
上記の第1の実施の形態では、区間最大値に基づいてパラメータを推定していたが、精度の高いパラメータ推定には十分なデータが必要になる。すなわちデータ数を増やすためには、区間幅を小さくするか、または信号バッファのサイズを拡大して、区間数を増やす必要がある。本実施の形態では、ある一定水準の閾値を超過したデータの極値分布を求めることによって、精度の高いパラメータ推定を行う。
第3の実施の形態に係るドライバ状態推定処理装置では、信号抽出部22によって、図8(A)に示すような信号バッファの時系列データから、図8(B)に示すように、閾値t以上の信号値の系列を抽出して、抽出した信号値から閾値tを減じた値を、水準超過値として水準超過バッファに格納する。
分布パラメータ推定部24は、パラメータの初期値を設定し、水準超過バッファの値から、一般パレート分布の対数尤度関数が最大となるようなパラメータの組(σ、ξ)を求め、図8(C)に示すような一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組(σ、ξ)を推定する。なお、パラメータσは、関数の曲線の左右方向の圧縮度合いを決定するパラメータであり、パラメータξは、関数の曲線の右下がり度合い(傾き)を決定する形状パラメータであり、レーン位置の値の増加に応じて確率が減少する度合いを示している。
ここで、一般パレート分布を表わす確率分布関数は、以下の(5)式で表される。
Figure 2009146377
ここで、zは、レーン位置の値(レーン中心から閾値tを減じた距離)である。
また、パラメータの初期値として、以下の(6)式で得られる値を用いる。
Figure 2009146377
また、一般パレート分布の対数尤度関数l(σ、ξ)は、以下の(7)式で表わされる。
Figure 2009146377
ここで、nは、水準超過バッファのバッファ長を表わし、zは、水準超過バッファにおけるインデックスiの値を表す。
ここで、本実施の形態の原理について説明する。水準超過データの分布は一般パレート分布に収束する。また、車両の走行状態を示す物理量の極値統計量が、一般パレート分布から生成されるというモデルをおいた場合、将来の事故発生リスクが、一般パレート分布の閾値以上の積分区間における確率値として計算される。
そこで、本実施の形態では、リスク推定部26によって、図8(D)に示すように、推定されたパラメータの組によって決定される一般パレート分布を表わす確率分布関数から、レーン中心からの自車位置までの距離が、事故発生状況に相当する所定距離(例えば、レーン端までの距離)を越える逸脱確率を算出し、事故発生のリスクの推定値とする。リスク推定部26では、推定されたパラメータの組によって決定された確率分布関数において、レーン中心からの距離がレーン端までの距離d以上となる区間を積分して得られる確率値c(d)を、以下の(8)式に従って算出し、算出された確率を逸脱確率とする。
Figure 2009146377
次に、第3の実施の形態に係るドライバ状態推定処理ルーチンについて図9を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して説明を省略する。
まず、ステップ100において、レーン位置センサ12からレーン位置信号を取得し、レーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、ステップ350において、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから水準超過データを抽出する。上記ステップ350は、図10に示す水準超過データ抽出処理ルーチンによって実現される。まず、ステップ360において、水準超過バッファをクリアし、ステップ362において、信号バッファのインデックスtを初期値である0にセットする。
そして、ステップ364において、信号バッファのインデックスtのレーン位置信号の値が、閾値以上であるか否かを判定する。なお、閾値には、例えば、レーン中心からレーン端までの距離の半分の値を設定しておけばよく、これに限定されるものではない。
上記ステップ364で、信号バッファのインデックスtのレーン位置信号の値が、閾値未満である場合には、水準を超過していないと判断し、レーン位置信号の値を抽出せずに、ステップ368へ移行する。一方、上記ステップ364で、信号バッファのインデックスtのレーン位置信号の値が、閾値以上である場合、ステップ366において、信号バッファのインデックスtのレーン位置信号の値を抽出し、抽出したレーン位置信号の値から閾値を引いた値を、区間最大値バッファに格納して、ステップ368へ移行する。
ステップ368では、インデックスtが信号バッファ幅より大きいか否かを判定する。上記ステップ368において、インデックスtが信号バッファ幅以下であって、信号バッファのすべての値を走査していない場合には、ステップ364へ戻るが、一方、信号バッファのすべての値を走査し、インデックスtが信号バッファ幅より大きくなっている場合には、水準超過データ抽出処理ルーチンを終了する。
そして、ドライバ状態推定処理ルーチンのステップ352において、一般パレート分布を表わす関数を決定するパラメータの組を推定する。上記ステップ352は、図11に示す関数パラメータ推定処理ルーチンによって実現される。まず、ステップ380において、上記(6)式で表される値を、一般パレート分布を表わす関数を決定するパラメータの組(σ、ξ)候補の初期値として設定し、ステップ142において、最大尤度lに、初期値として−∞を設定する。
そして、ステップ382において、上記(7)式で表される対数尤度関数に従って、パラメータの組(σ、ξ)の候補に対する対数尤度を算出し、次のステップ146において、算出された対数尤度が、最大尤度lより大きいか否かを判定する。上記ステップ146において、算出された対数尤度が、最大尤度以下である場合には、ステップ150へ移行するが、算出された対数尤度が、最大尤度より大きい場合には、ステップ384において、現在のパラメータの組(σ、ξ)の候補を、推定されるパラメータの組として更新し、上記ステップ382で算出された対数尤度を、最大尤度として更新して、ステップ150へ移行する。
ステップ150では、パラメータ更新を終了するか否かを判定し、パラメータ更新の終了条件に合致した場合には、関数パラメータ推定処理ルーチンを終了する。一方、上記ステップ150で、パラメータ更新の終了条件に合致しなかった場合には、ステップ384において、パラメータの組(σ、ξ)の候補を、所定の更新規則に基づいて更新し、ステップ382へ戻る。
そして、ドライバ状態推定処理ルーチンのステップ354において、上記ステップ352で推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、事故発生のリスクとしての逸脱確率を算出する。上記ステップ354では、確率分布関数において、レーン中心からの距離(レーン位置)がレーン端までの距離d以上となる区間を積分して得られる確率値c(d)を、上記の(8)式に従って算出し、事故につながるレーン逸脱が発生する逸脱確率を求める。
次のステップ108では、上記ステップ106で算出された逸脱確率が、閾値より大きいか否かを判定し、算出された逸脱確率が閾値以下である場合には、ドライバが運転不適状態でないと判断し、ステップ100へ戻る。一方、上記ステップ108で、算出された逸脱確率が閾値より大きい場合には、ドライバが運転不適状態であると判断し、ステップ110において、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させて、ステップ100へ戻る。
以上説明したように、第3の実施の形態に係るドライバ状態推定装置によれば、レーン位置信号の水準超過値から、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータによって決定される確率分布関数から、リスクとして逸脱確率を算出して、ドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
なお、上記の実施の形態では、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、一般パレート分布の特性を近似的に計算した指数分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定するようにしてもよい。この場合には、推定されたパラメータによって決定される指数分布を表わす確率分布関数から、逸脱確率を算出して、ドライバの運転適否状態を推定すればよい。
次に、第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態に係るドライバ状態推定装置は、第2の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態では、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定する形状パラメータに基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを判断している点が、第3の実施の形態と異なっている。
第4の実施の形態に係るドライバ状態推定装置のコンピュータ214では、信号抽出部22によって、信号バッファの時系列データから、閾値t以上の信号値の系列を抽出し、抽出した信号値から閾値tを減じた値を、水準超過値として水準超過バッファに格納する。また、分布パラメータ推定部24によって、水準超過バッファの値から、一般パレート分布の対数尤度関数が最大となるようなパラメータの組(σ、ξ)を求め、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組(σ、ξ)を推定する。
また、不適運転推定部228は、推定されたパラメータの組のうちの形状パラメータに基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、警報装置16に警報を出力させる。
ここで、本実施の形態の原理について説明する。一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組のうち、形状パラメータξは、図8(D)に示すような確率分布関数を示す曲線の裾の厚さを決定するパラメータである。すなわち、確率分布関数を示す曲線の裾が厚いほど(パラメータξの値が大きいほど)、大幅なレーン逸脱が生じる確率が大きいことを示している。
そこで、本実施の形態では、不適運転推定部228によって、推定されたパラメータの組のうちの形状パラメータξと、閾値とを比較して、形状パラメータが閾値より大きい場合に、ドライバが運転不適状態であると推定する。
次に、第4の実施の形態に係るドライバ状態推定処理ルーチンについて図12を用いて説明する。なお、第3の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ100において、レーン位置センサ12からレーン位置信号を取得し、レーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、ステップ350において、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから水準超過データを抽出し、ステップ352において、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組を推定する。
そして、ステップ450において、上記ステップ352で推定されたパラメータの組のうちの形状パラメータξの値が、閾値より大きいか否かを判定する。なお、上記の閾値は、実験的又は統計的に、事故が発生する場合における、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組を求めておき、求められたパラメータの組のうちの形状パラメータに基づいて設定しておけばよい。上記ステップ450で、推定された形状パラメータξの値が閾値以下である場合には、ドライバが運転不適状態でないと判断し、ステップ100へ戻る。一方、上記ステップ450で、推定された形状パラメータの値が閾値より大きい場合には、ドライバが運転不適状態であると判断し、ステップ110において、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させて、ステップ100へ戻る。
このように、レーン位置信号の水準超過値から、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータのうちの形状パラメータに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定することにより、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
なお、上記の実施の形態では、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、一般パレート分布の特性を近似的に計算した指数分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定するようにしてもよい。この場合には、推定されたパラメータのうちの形状パラメータに基づいて、ドライバの運転適否状態を推定すればよい。
次に、第5の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第5の実施の形態では、ドライバの瞬目波形から、居眠り運転状態であるか否かを推定している点が、第1の実施の形態と異なっている。
図13に示すように、第5の実施の形態に係るドライバ状態推定装置510は、ドライバの心身状態としての眼の開度を連続して検出して瞬目波形を出力する瞬き検出器512と、瞬目波形から眠気の指標となる瞬目率(例えば、単位時間に対する閉眼時間の割合(PERCLOS))の時系列データを計算する瞬目率計算器513と、瞬目率計算器513からの出力に基づいて、ドライバが運転不適状態としての居眠り運転状態であるか否かを推定し、推定結果に応じて、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させるコンピュータ514とを備えている。
瞬き検出器512は、例えばビデオカメラを備え、ビデオカメラで眼球周辺の撮像画像を取得し、取得した動画像データから開眼度の時系列データを検出して、開眼度の時系列データを出力する。なお、開眼時の開眼度を100とし、閉眼時の開眼度を0とする。
瞬目率計算器513は、眠気の指標として用いられるPERCLOSを計算して、PERCLOSを示す瞬目率信号を出力する。PERCLOSは、単位時間当たりの閉眼状態(虹彩が20%以上隠れる状態)が占める割合を表わしたもので、PERCLOSの値が大きいほど、ドライバは眠気を催しており、リスクとしての眠気度合いが高くなる。図14に示すように、開眼度が20%以下の時間割合、すなわち(t1+t2+t3)/Tが、単位時間TにおけるPERCLOSの値として計算される。
コンピュータ514は、瞬目率計算器513から出力されたPERCLOSの時系列データを取得して、FIFO型の信号バッファ(図示省略)に格納する信号取得部520と、信号抽出部22と、分布パラメータ推定部24と、推定されたパラメータの組に基づく一般極値分布の確率分布関数から、眠気度合いとして、閉眼時間が所定の長時間を越える確率を推定する眠気推定部526と、推定された確率に基づいて、ドライバが居眠り運転状態であるか否かを推定し、警報装置16に警報を出力させる居眠り運転推定部528とを備えている。
信号取得部520は、PERCLOSを示す瞬目率信号の測定期間T分の時系列データを信号バッファに格納する。
眠気推定部526は、分布パラメータ推定部24によって推定されたパラメータの組によって決定される一般極値分布を表わす確率分布関数から、閉眼時間が所定の長時間を越える確率を算出し、眠気度合いの推定値とする。眠気推定部526では、推定されたパラメータの組によって決定された確率分布関数において、閉眼時間が所定の長時間d以上となる区間を積分して得られる確率値c(d)を、上記(4)式に従って算出し、算出された確率を、居眠り状態に相当する閉眼時間となる確率とする。
居眠り運転推定部528は、算出された確率が閾値より大きい場合、ドライバが居眠り運転状態であると判断し、警報装置16によってドライバに対して警告を出力させる。
次に、第5の実施の形態に係るドライバ状態推定処理ルーチンについて図15を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ550において、瞬目率計算器513から連続して出力されるPERCLOSを示す瞬目率信号を取得し、測定期間の瞬目率信号の時系列データを信号バッファに格納する。
そして、ステップ102において、信号バッファに格納された瞬目率信号の時系列データから各区間の区間最大値を抽出し、ステップ104において、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータの組を推定する。
次のステップ552では、上記ステップ104で推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、眠気度合いとして、閉眼時間が所定の長時間を越える確率を算出する。上記ステップ552では、確率分布関数において、閉眼時間が所定の長時間d以上となる区間を積分して得られる確率値c(d)を、上記(4)式に従って算出し、居眠り状態に相当する閉眼時間となる確率を求める。
次のステップ554では、上記ステップ552で算出された閉眼時間が所定の長時間を越える確率が、閾値より大きいか否かを判定する。なお、上記の閾値については、実験的又は統計的に、居眠りしている場合における、閉眼時間が所定の長時間以上となる確率を求めておき、求められた確率に基づいて閾値を設定しておけばよい。上記ステップ554で、算出された確率が閾値以下である場合には、ドライバが居眠り運転状態でないと判断し、ステップ550へ戻る。一方、上記ステップ554で、算出された確率が閾値より大きい場合には、ドライバが居眠り運転状態であると判断し、ステップ110において、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させて、ステップ550へ戻る。
以上説明したように、第5の実施の形態に係るドライバ状態推定装置によれば、瞬目率信号の区間最大値から、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定し、推定されたパラメータによって決定される確率分布関数から、眠気度合いとして、居眠り状態に相当する閉眼時間となる確率を算出して、ドライバの居眠り運転状態を推定することにより、ドライバが居眠り運転状態であるか否かを推定でき、将来の事故発生を防ぐことができる。
なお、上記の実施の形態では、推定されたパラメータによって決定される確率分布関数から、眠気度合いとして、居眠り状態に相当する閉眼時間となる確率を算出して、ドライバの居眠り運転状態を推定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、推定されたパラメータのうちの形状パラメータに基づいて、ドライバの居眠り運転状態を推定するようにしてもよい。
また、瞬目率信号の水準超過値から、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定するようにしてもよい。この場合、推定されたパラメータによって決定される確率分布関数から、眠気度合いとして、居眠り状態に相当する閉眼時間となる確率を算出して、ドライバの居眠り運転状態を推定してもよく、また、推定されたパラメータのうちの形状パラメータに基づいて、ドライバの居眠り運転状態を推定するようにしてもよい。
次に、第6の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第6の実施の形態では、過去の運転行動を記憶したデータから求められる運転習慣係数によって逸脱確率を重み付けして、運転不適状態であるか否かを推定している点が第1の実施の形態と主に異なっている。
図16に示すように、第6の実施の形態に係るドライバ状態推定装置610は、レーン位置センサ12と、レーン位置センサ12からの出力、及び自車両の搭載されたGPS612からの出力に基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、推定結果に応じて、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させるコンピュータ614とを備えている。
コンピュータ614は、信号取得部20と、信号抽出部22と、分布パラメータ推定部24と、リスク推定部26と、GPS612から現在の自車両位置を取得する位置取得部620と、推定された逸脱確率を、取得した自車両位置と対応させて、運転行動データベース624に記憶させる運転行動記憶制御部622と、取得した自車両位置に対応する逸脱確率を、運転行動データベース624から取得して、運転習慣係数を算出する係数算出部626と、推定された逸脱確率及び算出された運転習慣係数に基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、警報装置16に警報を出力させる不適運転推定部628とを備えている。
運転行動データベース624には、ドライバが運転したときに過去に推定された逸脱確率が、運転行動記録として、逸脱確率の推定時の自車両位置と対応して記憶されている。また、運転行動データベース624には、自車両位置と対応して、逸脱確率の平均値が記憶されている。
運転行動記憶制御部622は、リスク推定部26によって推定された逸脱確率を、位置取得部620によって取得された自車両位置と対応させて、過去の運転行動記録として運転行動データベース624に記憶させる。また、運転行動記憶制御部622は、運転行動データベース624に記憶された自車両位置に対応する逸脱確率の平均値を算出し、取得した自車両位置と対応させて、逸脱確率の平均値を運転行動データベース624に記憶させる。
ここで、本実施の形態の原理について説明する。個々のドライバの運転行動には、個人特性がある。例えば、車線の左寄りを走行する車両のドライバに対しては、逸脱確率が比較的高い数値に保たれると考えられる。従って、日々の運転行動を記録し、自車のレーン位置の癖を学習することにより、個々のドライバに最適なタイミングで警報を出力することができる。
そこで、本実施の形態では、係数算出部626によって、現在の自車両位置に対応して運転行動データベース624に記憶されている逸脱確率の平均値vと、推定された現在の逸脱確率pとを比較し、ある閾値sよりも逸脱確率の差が大きい場合にレーンを逸脱したものとみなすように、以下の(9)式で表される運転習慣係数αを算出する。
Figure 2009146377
上記(9)式で算出される運転習慣係数は、現在の逸脱確率が平均値よりも大きい場合に大きくなり、一方、現在の逸脱確率が平均値より小さい場合に運転習慣係数は小さくなる。この運転習慣係数によって逸脱確率の重み付けを行うことにより、個人の運転特性による逸脱確率の補正が行うことができる。なお、閾値sについては、実験的又は統計的に、レーンを逸脱する場合における上記の逸脱確率の差を求めておき、求められた逸脱確率の差に基づいて予め設定しておけばよい。
不適運転推定部628は、算出された運転習慣係数を、推定された逸脱確率に乗算して、逸脱確率の重み付けを行う。
これによって、図17(A)、(B)、(C)に示すように、自車両が走行している道路の道路形状が曲線路であり、推定される逸脱確率が高い場合であっても、図17(D)に示すように、普段の運転行動では逸脱しない位置であり、逸脱確率の平均値が低い場合には、重み付けされた逸脱確率が小さい値となる。なお、上記図17(C)は、曲線路であるか直線路であるかをグラフで表したものであり、水平な直線部分は直線路を表わし、斜辺部分は曲線路を表している。
また、不適運転推定部628は、重み付けされた逸脱確率が閾値より大きい場合、ドライバが運転不適状態であると判断し、警報装置16によってドライバに対して警告を出力させる。
次に第6の実施の形態に係るドライバ状態推定装置610の作用について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
ドライバ状態推定装置610を搭載した車両の走行中に、コンピュータ614において、図18に示す運転行動学習処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ100において、レーン位置センサ12から連続して出力されるレーン位置信号を取得し、測定期間のレーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、ステップ650において、GPS612から現在の自車両位置を取得する。
次のステップ102では、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから各区間の区間最大値を抽出し、ステップ104において、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータの組を推定する。
そして、ステップ106において、上記ステップ104で推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、事故発生のリスクとしての逸脱確率を算出する。
次のステップ652では、運転行動データベース624から、上記ステップ650で取得した現在の自車両位置に対応して運転行動記録として記憶された逸脱確率を取得し、ステップ654において、上記ステップ106で算出された逸脱確率と上記ステップ652で取得された逸脱確率とに基づいて、逸脱確率の平均値を算出する。
そして、ステップ656において、上記ステップ106で算出された逸脱確率を、運転行動記録として、上記ステップ650で取得した現在の自車両位置と対応させて運転行動データベース624に記憶させると共に、上記ステップ654で算出された逸脱確率の平均値を、上記ステップ650で取得した現在の自車両位置と対応させて運転行動データベース624に記憶させて、ステップ100へ戻る。
上記のように運転行動学習処理ルーチンを実行されると、運転行動データベース624に、各位置について、運転行動記録としての逸脱確率が記憶されると共に、各位置について、逸脱確率の平均値が記憶される。
また、ドライバ状態推定装置610を搭載した車両の走行中に、コンピュータ614において、図19に示すドライバ状態推定処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ100において、レーン位置センサ12から連続して出力されるレーン位置信号を取得し、測定期間のレーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、ステップ660において、GPS612から現在の自車両位置を取得する。
次のステップ102では、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから各区間の区間最大値を抽出し、ステップ104において、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータの組を推定する。
そして、ステップ106において、上記ステップ104で推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、事故発生のリスクとしての逸脱確率を算出する。
次のステップ662では、運転行動データベース624から、上記ステップ660で取得した現在の自車両位置と対応して記憶された逸脱確率の平均値を取得し、ステップ664において、上記ステップ106で算出された逸脱確率、及び上記ステップ662で取得した逸脱確率の平均値に基づいて、上記(9)式に従って、運転習慣係数を算出する。
そして、ステップ666では、上記ステップ106で算出された逸脱確率に、上記ステップ664で算出された運転習慣係数を乗算して重み付けを行う。次のステップ668では、上記ステップ666で重み付けされた逸脱確率が、閾値より大きいか否かを判定する。上記ステップ668で、重み付けされた逸脱確率が閾値以下である場合には、ドライバが運転不適状態でないと判断し、ステップ100へ戻る。一方、上記ステップ668で、重み付けされた逸脱確率が閾値より大きい場合には、ドライバが運転不適状態であると判断し、ステップ110において、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させて、ステップ100へ戻る。
以上説明したように、第6の実施の形態に係るドライバ状態推定装置によれば、過去の逸脱確率の平均値を用いて求められる運転習慣係数によって、逸脱確率を重み付けして、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定することにより、ドライバの過去の運転行動の特性を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を精度よく推定することができる。
また、各位置における過去の逸脱確率の平均値を用いて、各位置について運転習慣係数を算出することにより、ドライバの各位置における過去の運転行動の特性を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を更に精度よく推定することができる。
また、日々のドライバの運転行動を記録することにより、そのドライバの運転行動の癖などを運転適否状態の推定に組みこむことができるため、個々のドライバの特性に合わせたタイミングで警報することが可能となると共に、誤って警報してしまうことを防ぐことができる。
なお、上記の実施の形態では、逸脱確率の平均値を記憶し、逸脱確率の平均値を用いて運転習慣係数を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、レーン位置センサによって検出されたレーン位置の平均値を記憶し、レーン位置の平均値を用いて運転習慣係数を算出するようにしてもよい。
また、逸脱確率の平均値を用いて、運転習慣係数を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、逸脱確率の分散値を用いて、運転習慣係数を算出するようにしてもよい。この場合には、運転行動学習処理ルーチンにおいて、自車両位置に対応する逸脱確率の分散値を算出して、運転行動データベースに記憶させればよい。また、逸脱確率の平均値と分散値とを用いて、運転習慣係数を算出するようにしてもよい。
また、車両位置と対応させて逸脱確率の平均値を記憶した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、道路形状の曲率と対応させて逸脱確率の平均値を記憶しておいてもよい。この場合には、道路地図情報などを用いて、現在の自車両位置の道路形状の曲率を算出し、算出された曲率に対応して記憶された逸脱確率の平均値を用いて、運転習慣係数を算出するようにすればよい。
また、各位置について逸脱確率の平均値を記憶した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ドライバに対する逸脱確率の全体的な平均値を1つだけ記憶しておいてもよい。この場合には、逸脱確率の全体的な平均値を用いて、運転習慣係数を算出するようにすればよい。
また、各車両位置と対応させて逸脱確率の平均値を記憶し、各車両位置について運転習慣係数を算出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、自車両の車速、ヨーレート、車間距離、及び加速度の少なくとも1つを示す車両状態の各々と対応させて逸脱確率の平均値を記憶し、各車両状態について運転習慣係数を算出するようにしてもよい。この場合には、自車両の車速、ヨーレート、車間距離、及び加速度の少なくとも1つを検出するセンサを備え、運転行動学習処理ルーチンにおいて、センサによって検出された車両状態について逸脱確率の平均値を算出し、車両状態と対応させて逸脱確率の平均値を記憶すればよい。また、ドライバ状態推定処理ルーチンにおいて、センサから検出された現在の車両状態に対応して記憶された逸脱確率の平均値を用いて、現在の車両状態について運転習慣係数を算出し、算出された運転習慣係数を用いて逸脱確率を重み付けすればよい。
次に、第7の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態及び第6の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第7の実施の形態では、過去の運転行動を記憶したデータから求められる運転習慣係数を予め求めて記憶している点が第6の実施の形態と主に異なっている。
図20に示すように、第7の実施の形態に係るドライバ状態推定装置710のコンピュータ714は、信号取得部20と、信号抽出部22と、分布パラメータ推定部24と、リスク推定部26と、位置取得部620と、推定された逸脱確率を、取得した自車両位置と対応させて運転行動データベース724に記憶させる運転行動記憶制御部722と、各位置に対する逸脱確率を運転行動データベース724から取得して、各位置に対応する運転習慣係数を算出する係数算出部726と、各位置に対応して運転習慣係数を記憶した係数データベース727と、推定された逸脱確率及び記憶された運転習慣係数に基づいて、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定し、警報装置16に警報を出力させる不適運転推定部728とを備えている。
運転行動データベース724には、ドライバが運転したときに過去に推定された逸脱確率が、運転行動記録として、逸脱確率の推定時の自車両位置と対応して記憶されている。運転行動記憶制御部722は、リスク推定部26によって推定された逸脱確率を、位置取得部620によって取得された自車両位置と対応させて、過去の運転行動記録として運転行動データベース624に記憶させる。
係数算出部726は、運転行動データベース724に記憶された各位置に対応する逸脱確率の平均値を算出し、各位置について、逸脱確率の平均値に基づいて、以下の(10)式で表される運転習慣係数αを算出する。
Figure 2009146377
ただし、sは、逸脱確率の閾値であり、pは、算出された逸脱確率の平均値である。つまり、運転習慣係数αは、算出された逸脱確率の平均値が、逸脱確率の閾値からどの程度離れているかを表わしている。
また、係数算出部726は、算出した運転習慣係数を、位置と対応させて、係数データベース727に記憶させる。
不適運転推定部728は、現在の自車両位置に対応して係数データベース727に記憶された運転習慣係数を、推定された逸脱確率に乗算して、重み付けを行い、重み付けされた逸脱確率が閾値より大きい場合、ドライバが運転不適状態であると判断し、警報装置16によってドライバに対して警告を出力させる。
第7の実施の形態に係る運転行動学習処理ルーチンでは、レーン位置センサ12から連続して出力されるレーン位置信号を取得し、測定期間のレーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、GPS612から現在の自車両位置を取得する。
次に、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから各区間の区間最大値を抽出し、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータの組を推定する。
そして、推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、事故発生のリスクとしての逸脱確率を算出し、算出された逸脱確率を、運転行動記録として、取得した現在の自車両位置と対応させて運転行動データベース724に記憶させる。
また、オフラインに、コンピュータ714は、係数算出対象の位置の各々について、運転行動データベース724から、係数算出対象の位置と対応して運転行動記録として記憶された逸脱確率を取得し、取得された逸脱確率の平均値を算出する。そして、算出した逸脱確率の平均値に基づいて、上記(10)式に従って、運転習慣係数を算出して、算出した運転習慣係数を、係数算出対象の位置と対応させて係数データベース727に記憶させる。
上記のオフライン処理によって、各位置と対応して運転習慣係数が、係数データベース727に記憶される。
また、第7の実施の形態に係るドライバ状態推定処理ルーチンでは、レーン位置センサ12から連続して出力されるレーン位置信号を取得し、測定期間のレーン位置信号の時系列データを信号バッファに格納する。そして、GPS612から現在の自車両位置を取得する。
次に、信号バッファに格納されたレーン位置信号の時系列データから各区間の区間最大値を抽出し、一般極値分布を表わす関数を決定するパラメータの組を推定する。そして、推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、事故発生のリスクとしての逸脱確率を算出する。
そして、係数データベース727から、取得した現在の自車両位置に対応して記憶された運転習慣係数を取得し、算出された逸脱確率に、取得された運転習慣係数を乗算して重み付けを行う。
次に、重み付けされた逸脱確率が、閾値より大きいか否かを判定する。重み付けされた逸脱確率が閾値より大きい場合には、ドライバが運転不適状態であると判断し、警報装置16によってドライバに対して警報を出力させる。
このように、過去の逸脱確率の平均値を用いて予め求められた運転習慣係数によって、逸脱確率を重み付けして、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定することにより、ドライバの過去の運転行動の特性を考慮することができるため、ドライバの運転適否状態を精度よく推定することができる。
なお、上記の実施の形態では、各位置について運転習慣係数を記憶した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ドライバに対する運転習慣係数を1つだけ記憶しておいてもよい。この場合には、ドライバに対する逸脱確率の全体的な平均値を用いて、運転習慣係数を1つだけ算出するようにすればよい。
また、各車両位置と対応させて運転習慣係数を記憶した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、自車両の車速、ヨーレート、車間距離、及び加速度の少なくとも1つを示す車両状態の各々と対応させて運転習慣係数を記憶するようにしてもよい。この場合には、自車両の車速、ヨーレート、車間距離、及び加速度の少なくとも1つを検出するセンサを備え、運転行動学習処理ルーチンにおいて、センサによって検出された車両状態について逸脱確率を算出し、車両状態と対応させて逸脱確率を記憶し、オフライン処理において、各車両状態について逸脱確率の平均値を算出して、各車両状態について運転習慣係数を算出し、記憶すればよい。また、ドライバ状態推定処理ルーチンにおいて、センサから検出された現在の車両状態に対応して記憶された運転習慣係数を用いて逸脱確率を重み付けすればよい。
また、上記の第6の実施の形態及び第7の実施の形態では、レーン位置信号の区間最大値から、一般極値分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定する場合を例に説明したが、レーン位置信号の水準超過値から、一般パレート分布を表わす確率分布関数を決定するパラメータを推定するようにしてもよい。この場合には、推定されたパラメータの組によって決定される確率分布関数に基づいて、逸脱確率を算出するようにすればよい。
また、運転習慣係数を逸脱確率に乗算する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、運転習慣係数を逸脱確率に加算して、ドライバの運転行動の特性に合うように、逸脱確率を補正するようにしてもよい。
また、運転習慣係数を用いて、ドライバの運転行動の特性にあった閾値となるように、閾値を変更するようにしてもよい。この場合には、運転習慣係数を閾値に乗算又は加算して閾値を変更し、変更された閾値を用いて、算出された逸脱確率の閾値判断を行って、ドライバが運転不適状態であるか否かを推定すればよい。
また、上記の第1の実施の形態〜第4の実施の形態、第6の実施の形態、及び第7の実施の形態では、自車両の走行状態を示す物理量としてレーン位置を検出する場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、自車両の走行状態を示す物理量として、横方向加速度、ヨーレート、操舵角、車速、車間距離、前後方向加速度、又は相対車速を検出してもよく、また、ドライバの操作状態を示す物理量として、ブレーキ操作量又はアクセル操作量を検出するようにしてもよい。この場合にも、上記の実施の形態と同様に、ドライバの運転適否状態を推定することができる。また、例えば、車間距離のように、値が小さいほどリスクが高くなる物理量に対しては、信号値の逆数を用いるか、十分大きな値からの差分を用いることによって、上記の実施の形態と同様に、定式化することができる。
また、信号値を直接用いるのではなく、操舵角の標準偏差など、事故に関連の深い統計量に変換し、統計量の時系列データから、上記の実施の形態と同様に、ドライバの運転適否状態を推定することができる。例えば、検出された信号値から、ふらつき度を算出し、ふらつき度の時系列データから、ドライバの運転適否状態を推定するようにしてもよい。
さらに、車間距離及び相対車速から、TTC(Time−To−Collision)に変換した上で、上記の実施の形態と同様の手法を適用したり、相対車速から相対加速度に変換した上で、同様の手法を適用しても、ドライバの運転適否状態を推定することが出来る。
また、1種類の物理量を検出した場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数種類の物理量の組み合わせを検出し、複数種類の物理量の時系列データから、ドライバの運転適否状態を推定してもよい。また、ドライバの操作状態を示す物理量、走行状態を示す物理量、及び心身状態を示す物理量の組み合わせを検出し、これらの物理量の組み合わせから、ドライバの運転適否状態を推定してもよい。
また、上記の実施の形態では、ドライバの運転適否状態が、運転不適状態であるかを推定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ドライバの運転適否状態が、正常運転状態であるか否かを推定するようにしてもよい。
また、確率分布関数を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、頻度を示す分布関数を用いてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置の構成を示す概略図である。 (A)レーン位置信号の時系列データを示すグラフ、(B)区間最大値の時系列データを示すグラフ、(C)一般極値分布を表わす確率分布関数を示すグラフ、及び(D)確率分布関数から逸脱確率を算出するイメージ図である。 本発明の第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置におけるドライバ状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置における区間最大値抽出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るドライバ状態推定装置における関数パラメータ推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るドライバ状態推定装置の構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係るドライバ状態推定装置におけるドライバ状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 (A)レーン位置信号の時系列データを示すグラフ、(B)水準超過データの時系列データを示すグラフ、(C)一般極値分布を表わす確率分布関数を示すグラフ、及び(D)確率分布関数から逸脱確率を算出するイメージ図である。 本発明の第3の実施の形態に係るドライバ状態推定装置におけるドライバ状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係るドライバ状態推定装置における水準超過データ抽出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係るドライバ状態推定装置における関数パラメータ推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係るドライバ状態推定装置におけるドライバ状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係るドライバ状態推定装置の構成を示す概略図である。 PERCLOSの算出方法を説明するためのイメージ図である。 本発明の第5の実施の形態に係るドライバ状態推定装置におけるドライバ状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態に係るドライバ状態推定装置の構成を示す概略図である。 (A)レーン位置信号の時系列データを示すグラフ、(B)逸脱確率の時系列データを示すグラフ、(C)道路形状の時系列データを示すグラフ、及び(D)普段の運転行動から算出される逸脱確率の時系列データを示すグラフである。 本発明の第6の実施の形態に係るドライバ状態推定装置における運転行動学習処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施の形態に係るドライバ状態推定装置におけるドライバ状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係るドライバ状態推定装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
10、210、510、610、710 ドライバ状態推定装置
12 レーン位置センサ
14、214、514、614、714 コンピュータ
16 警報装置
22 信号抽出部
24 分布パラメータ推定部
26 リスク推定部
28、228、628、728 不適運転推定部
512 瞬き検出器
513 瞬目率計算器
526 眠気推定部
528 居眠り運転推定部
620 位置取得部
622、722 運転行動記憶制御部
624、724 運転行動データベース
626、726 係数算出部
727 係数データベース

Claims (13)

  1. 自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段と、
    前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段と、
    前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量が第2所定値以上となる頻度又は確率に基づいて、リスクを推定するリスク推定手段と、
    前記リスク推定手段によって推定されたリスクに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段と、
    を含むドライバ状態推定装置。
  2. 自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段と、
    前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段と、
    前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少する度合いに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段と、
    を含むドライバ状態推定装置。
  3. 前記ドライバが運転したときに前記検出手段により過去に検出された前記物理量及び前記推定手段により過去に推定された前記リスクの少なくとも一方を記憶した記憶手段を更に含み、
    前記ドライバ状態推定手段は、前記リスク推定手段によって推定されたリスクと、前記記憶手段に記憶された前記物理量及び前記リスクの少なくとも一方から求められる運転習慣係数とに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定する請求項1記載のドライバ状態推定装置。
  4. 自車両の位置を取得する位置取得手段を更に含み、
    前記記憶手段は、自車両の位置の各々と対応させて、前記位置において前記検出手段により過去に検出された前記物理量及び前記位置において前記推定手段により過去に推定された前記リスクの少なくとも一方を記憶し、
    前記ドライバ状態推定手段は、前記リスク推定手段によって推定されたリスクと、前記位置取得手段によって取得された自車両の位置に対応して前記記憶手段に記憶された前記物理量及び前記リスクの少なくとも一方から求められる運転習慣係数とに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定する請求項3記載のドライバ状態推定装置。
  5. 前記ドライバが運転したときに前記検出手段により過去に検出された前記物理量及び前記推定手段により過去に推定された前記リスクの少なくとも一方から予め求められた運転習慣係数を記憶した記憶手段を更に含み、
    前記ドライバ状態推定手段は、前記リスク推定手段によって推定されたリスクと、前記記憶手段に記憶された運転習慣係数とに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定する請求項1記載のドライバ状態推定装置。
  6. 自車両の位置を取得する位置取得手段を更に含み、
    前記記憶手段は、自車両の位置の各々と対応させて、前記位置において前記検出手段により過去に検出された前記物理量及び前記位置において前記推定手段により過去に推定された前記リスクの少なくとも一方から予め求められた前記運転習慣係数を記憶し、
    前記ドライバ状態推定手段は、前記リスク推定手段によって推定されたリスクと、前記位置取得手段によって取得された自車両の位置に対応して前記記憶手段に記憶された前記運転習慣係数とに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定する請求項5記載のドライバ状態推定装置。
  7. 自車両の車両状態を取得する車両状態取得手段を更に含み、
    前記記憶手段は、自車両の車両状態の各々と対応させて、前記車両状態において前記検出手段により過去に検出された前記物理量及び前記車両状態において前記推定手段により過去に推定された前記リスクの少なくとも一方を記憶し、
    前記ドライバ状態推定手段は、前記リスク推定手段によって推定されたリスクと、前記車両状態取得手段によって取得された自車両の車両状態に対応して前記記憶手段に記憶された前記物理量及び前記リスクの少なくとも一方から求められる運転習慣係数とに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定する請求項3記載のドライバ状態推定装置。
  8. 自車両の車両状態を取得する車両状態取得手段を更に含み、
    前記記憶手段は、自車両の車両状態の各々と対応させて、前記車両状態において前記検出手段により過去に検出された前記物理量及び前記車両状態において前記推定手段により過去に推定された前記リスクの少なくとも一方から予め求められた前記運転習慣係数を記憶し、
    前記ドライバ状態推定手段は、前記リスク推定手段によって推定されたリスクと、前記車両状態取得手段によって取得された自車両の車両状態に対応して前記記憶手段に記憶された前記運転習慣係数とに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定する請求項5記載のドライバ状態推定装置。
  9. 前記抽出手段は、前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、所定区間毎の値が最大となる物理量を抽出し、
    前記関数推定手段は、前記抽出された物理量に基づいて、一般極値分布を表わす前記関数を決定するパラメータを推定する請求項1〜請求項8の何れか1項記載のドライバ状態推定装置。
  10. 前記抽出手段は、前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量を抽出し、
    前記関数推定手段は、前記抽出された物理量に基づいて、一般パレート分布を表わす前記関数を決定するパラメータを推定する請求項1〜請求項8の何れか1項記載のドライバ状態推定装置。
  11. 前記抽出手段は、前記検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量を抽出し、
    前記関数推定手段は、前記抽出された物理量に基づいて、指数分布を表わす前記関数を決定するパラメータを推定する請求項1〜請求項8の何れか1項記載のドライバ状態推定装置。
  12. コンピュータを、
    自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段、
    前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段、
    前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量が第2所定値以上となる頻度又は確率に基づいて、リスクを推定するリスク推定手段、及び
    前記リスク推定手段によって推定されたリスクに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段
    として機能させるためのプログラム。
  13. コンピュータを、
    自車両の走行状態、ドライバが自車両を操作したときの操作状態、及びドライバの心身状態の少なくとも一つを示す物理量を連続して検出し、リスクが高くなるに従って大きくなる物理量の時系列データを出力する検出手段により出力された前記物理量の時系列データから、第1所定値以上の物理量及び所定区間毎の値が最大となる物理量の何れか一方を抽出する抽出手段、
    前記抽出手段によって抽出された物理量に基づいて、前記物理量の所定以上の値の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少するように定めた関数を決定するパラメータを推定する関数推定手段、及び
    前記関数推定手段によって推定されたパラメータによって決定される前記関数における、前記物理量の増加に応じて該物理量となる頻度又は確率が減少する度合いに基づいて、前記ドライバの運転適否状態を推定するドライバ状態推定手段
    として機能させるためのプログラム。
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