JP3862192B2 - 車両運転者健康状態判定方法及びその装置 - Google Patents

車両運転者健康状態判定方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の安全運転状態を維持するために有用な車両の運転者の健康状態を判定及び管理する方法とそれらの装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転という動作は、道路上の先行車や後続車、対向車線の走行車両、通行人、信号等、非常に多くの対象物の状態を認識する必要があるので、例えば、タクシーや長距離トラックのような長時間続けて運転する車両の場合には特に、運転者の心身的な負担が非常に大きくなり、それが原因で健康状態を害することもないとは言い切れない。
【0003】
したがって、運転者の健康管理は、車両の安全運転を確保し事故の発生を防ぐという点からして非常に重要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、車両の事故防止を図った従来の提案は、特開平6−150199号公報に開示された車両予防安全装置のように、車両の走行状態が実際に危険となったことを検出してこれを警報を出力するものや、特開平8−332871号公報の覚醒度検出装置等のように、運転者の覚醒状態の低下を検出してこれを警報するものばかりであり、運転者の健康状態の面から車両の安全運転の維持を図るような提案は、従来全く見られなかった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、車両の安全運転の維持を図る際に参照して有用な運転者の健康状態の良否を、精度良く把握することができる車両運転者健康状態判定方法と、この方法を実施する際に用いて好適な車両運転者健康状態判定装置とを提供することにある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、運転者の健康状態に応じて車両の安全運転の維持を図ることができる車両運転者健康状態管理方法と、この方法を実施する際に用いて好適な車両運転者健康状態管理装置とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成する請求項1乃至請求項12に各々記載した本発明は車両運転者健康状態判定方法に関するものであり、請求項13乃至請求項25に各々記載した本発明は車両運転者健康状態判定装置に関するものである。
【0009】
そして、請求項1に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、車両を運転する運転者の、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報を監視し、該監視した身体情報と、予め定められた、前記パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す判定基準に合致しているか否かによって、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するに当たり、前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を蓄積し、前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を所定の複数回分蓄積した時点で、該所定の複数回分蓄積した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した第2判定基準を決定し、前記第2判定基準の決定後は、該第2判定基準と前記監視した身体情報とを基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記第2判定基準の決定後における前記監視した過去の身体情報を所定の複数回分蓄積した時点で、該所定の複数回分蓄積した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新することで、前記第2判定基準を補正するようにした。
【0012】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記車両の室内環境を監視し、前記監視した身体情報を当該監視時点における前記車両の室内環境に応じて補正し、当該補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした。
【0013】
また、請求項4に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記監視した身体情報を当該監視時点における暦及び時刻のうち少なくとも一方に応じて補正し、当該補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした。
【0014】
さらに、請求項5に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、当該判定結果を前記運転者に報知する警報を前記車内で出力するようにした。
【0015】
また、請求項6に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記警報の出力後に該警報を前記運転者に確認させ、該運転者による前記警報の確認がない場合に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行するようにした。
【0016】
さらに、請求項7に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、当該判定結果を前記車両の外部の所定箇所に無線で通知するようにした。
【0017】
また、請求項8に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記車両の現在位置を併せて前記所定箇所に無線で通知するようにした。
【0018】
さらに、請求項9に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記警報の出力後に該警報を前記運転者に確認させ、該運転者による前記警報の確認がなされたこと及び前記運転者による前記警報の確認がなされていないことのうち少なくとも一方を、前記車両の外部の所定箇所に無線で通知するようにした。
【0019】
また、請求項10に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行するようにした。
【0020】
さらに、請求項11に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、前記車両の走行状態を監視し、当該監視した前記車両の走行状態を基に、該車両の走行状態が危険であるか否かを判定し、前記車両の走行状態が危険であると判定された場合に、前記運転者に健康状態が正常でないとの判定結果を報知する前記警報の内容に、前記車両の運転操作に関する指示を報知する内容を加えるようにした。
【0021】
また、請求項12に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法は、前記車両の走行状態が危険であると判定された場合、前記車両の走行状態を監視した結果を基に、該車両を停止させる危険回避動作の実行の要否を判定し、該危険回避動作の実行を要すると判定された場合に、前記警報の内容に、前記危険回避動作の実行を報知する内容をさらに加えるようにした。
【0022】
さらに、請求項13に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、図1に基本構成図で示すように、車両を運転する運転者の、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報を監視し、該監視した身体情報が、予め定められた、前記パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す判定基準に合致しているか否かによって、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定し管理する装置であって、前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報が記憶される情報記憶手段61bAと、前記情報記憶手段61bAに前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を記憶させる過去情報記憶実行手段61Aと、前記情報記憶手段61bAに記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報が所定の複数回分に達した時点で、前記情報記憶手段61bAに前記所定の複数回分記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するための第2判定基準を設定する判定基準設定手段61Bと、前記予め定められた判定基準を前記判定基準設定手段61Bの設定した前記第2判定基準に変更する判定基準変更手段61Cとを備えることを特徴とする。
【0023】
また、請求項14に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記判定基準設定手段61Bによる前記第2判定基準の設定後における前記監視した過去の身体情報が所定の複数回分前記情報記憶手段61bAに記憶された時点で、該情報記憶手段61bAに所定の複数回分記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新することで、前記第2判定基準を補正する判定基準補正手段61Dをさらに備えるものとした。
【0024】
尚、図2に基本構成図で示すように、車両を運転する運転者の身体情報を監視し、該監視した身体情報と予め定められた判定基準とを基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定する装置であって、前記監視した過去の身体情報が記憶される情報記憶手段61bAと、前記情報記憶手段61bAに前記監視した過去の身体情報を記憶させる過去情報記憶実行手段61Aと、前記情報記憶手段61bAに記憶された前記監視した過去の身体情報を基に、前記判定基準を補正する第2判定基準補正手段61Eとを備える車両運転者健康状態判定装置とすることもできる。
【0025】
さらに、請求項15に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記車両の室内環境を監視する室内環境監視手段30と、該室内環境監視手段30の監視結果を基に前記監視した身体情報を補正する身体情報環境補正手段61Fとをさらに備え、該身体情報環境補正手段61Fによる補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かが判定されるものとした。
【0026】
また、請求項16に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、暦及び時刻のうち少なくとも一方をカレンダ情報として管理するカレンダ情報管理手段64と、前記監視した身体情報を、当該監視時点において前記カレンダ情報管理手段64が管理している前記カレンダ情報に応じて補正する身体情報カレンダ補正手段61Gとをさらに備え、該身体情報カレンダ補正手段61Gによる補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かが判定されるものとした。
【0027】
さらに、請求項17に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果を前記運転者に報知する警報を前記車内において出力する警報出力手段61Hをさらに備えるものとした。
【0028】
また、請求項18に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記運転者により操作され、前記警報出力手段61Hにより出力された前記警報を確認したことが入力される警報確認手段69と、該警報確認手段69の前記運転者による操作を検出する確認操作検出手段61Jと、前記警報出力手段61Hによる前記警報の出力から所定時間が経過するまでの間に前記警報確認手段69の前記運転者による操作を前記確認操作検出手段61Jが検出しなかった場合に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行する危険回避動作実行手段61Kとをさらに備えるものとした。
【0029】
さらに、請求項19に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果を前記車両の外部の所定箇所に無線により通知させる外部通知手段61Mをさらに備えるものとした。
【0030】
また、請求項20に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記車両の現在位置を検出する現在位置検出手段35をさらに備え、前記外部通知手段61Mが、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果に加えて前記現在位置検出手段35が検出した前記車両の現在位置を通知させるものとした。
【0031】
さらに、請求項21に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記運転者により操作され、前記警報出力手段61Hにより出力された前記警報を確認したことが入力される警報確認手段69と、該警報確認手段69の前記運転者による操作を検出する確認操作検出手段61Jと、前記警報出力手段61Hによる前記警報の出力から所定時間が経過するまでの間に前記警報確認手段69の前記運転者による操作を前記確認操作検出手段61Jが検出したか否かを、前記車両の外部の所定箇所に無線で通知する警報確認結果通知手段61Nとをさらに備えるものとした。
【0032】
また、請求項22に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行する第2危険回避動作実行手段61Pをさらに備えるものとした。
【0033】
さらに、請求項23に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記車両の走行状態を監視する車両状態監視手段20と、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、前記車両状態監視手段20の監視結果を基に、該車両の走行状態が危険であるか否かを判定する車両危険状態判定手段61Rと、前記車両の走行状態が危険であると前記車両危険状態判定手段61Rが判定した場合に、前記警報出力手段61Hが出力する前記警報の内容に、前記車両の運転操作に関する指示を報知する内容を加える警報内容付加手段61Sとをさらに備えるものとした。
【0034】
また、請求項24に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記車両状態監視手段20の監視結果を基に、前記車両危険状態判定手段61Rが危険であると判定した前記車両の走行状態が、該車両を停車させる危険回避動作の実行を要する状態であるか否かを判定する危険回避動作実行判定手段61Tと、前記車両の走行状態が前記危険回避動作の実行を要する状態であると前記危険回避動作実行判定手段61Tが判定した場合に、前記警報出力手段61Hが出力する前記警報の内容に、前記危険回避動作の実行を報知する内容をさらに加える第2警報内容付加手段61Vとをさらに備えるものとした。
【0035】
さらに、請求項25に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置は、前記身体情報の監視が前記運転者に装着される身体情報監視手段10を用いて行われ、前記運転者の健康状態が正常であるか否かの判定が前記車両に設けられた健康状態判定手段61Wにより行われ、前記身体情報監視手段10から前記健康状態判定手段61Wへの前記身体情報の受け渡しを行う無線通信手段Aをさらに備えるものとした。
【0047】
請求項1に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、運転者の監視した、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報が所定の複数回分蓄積されて、その所定の複数回分蓄積されたパラメータについての身体情報を基に、予め定められた判定基準を構成するパラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した第2判定基準が決定されると、車両を運転する運転者の健康状態が正常であるか否かの判定が、この第2判定基準を基になされるので、運転者の監視した身体情報を所定の複数回分蓄積することによって、運転者固有の身体情報に関する特徴を加味して健康状態が正常であるか否かを、精度良く判定、把握することが可能となる。
【0048】
尚、請求項13に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0049】
また、請求項2に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、所定の複数回分蓄積された運転者の過去のパラメータについての身体情報により決定した第2判定基準が、その後に監視した運転者の身体情報によって随時補正されるので、健康状態が正常であるか否かを判定するための基準に、運転者固有の身体情報に関する特徴をより一層反映させることが可能となる。
【0050】
尚、請求項14に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0053】
さらに、請求項3に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1又は2記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、運転者のいる室内の環境に変動があり、その変動が運転者の身体情報に変化をもたらす場合であっても、そのような身体情報の変化が、健康状態が正常であるか否かの判定に影響して、判定の正確度が変化してしまうのを防ぐことが可能となる。
【0054】
尚、請求項15に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0055】
また、請求項4に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1、2又は3記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、季節や時間帯によって運転者の身体情報に規則的な変化が生じる場合であっても、そのような身体情報の変化が、健康状態が正常であるか否かの判定に影響して、判定の正確度が変化してしまうのを防ぐことが可能となる。
【0056】
尚、請求項16に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0057】
さらに、請求項5に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1、2、3又は4記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、運転者の健康状態が正常でない旨を運転者に車内で警報することで、健康状態に対する注意、即ち、通院の必要性等を自覚させ、かつ、健康状態が運転に及ぼす影響に対する注意を喚起させて、車両の安全運転の維持を図ることが可能となる。
【0058】
尚、請求項17に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0059】
また、請求項6に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項5に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、運転者の健康状態が正常でないと判定され、その旨の警報が車内で出力された場合に、運転者による警報の確認がないことにより、運転者が警報を認識できない状況や警報を無視している状況を把握し、そのような安全運転の維持を図ることが必ずしも保証されないような状況で、車両が運転され続けてしまうのを防ぐことが可能となる。
【0060】
尚、請求項18に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0061】
さらに、請求項7に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1、2、3、4、5又は6記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、例えば、かかりつけの医者がいる病医院や運転者の勤務先を、車両の外部の所定箇所をとしておくことにより、かかりつけの医者や勤務先の人員に、運転者の健康状態が正常でないと判定されたことを自動的に通知し、必要な準備や対策を行わせておくことが可能となる。
【0062】
尚、請求項19に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0063】
また、請求項8に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項7に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、所定箇所に車両の現在位置を併せて通知することで、例えば、健康状態が正常でないと判定された運転者の運転する車両に所定箇所から出向かせ、必要な対処をその場で実行させることが可能となる。
【0064】
尚、請求項20に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0065】
さらに、請求項9に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項4、5、6、7又は8記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、運転者の健康状態が正常でないと判定され、その旨の警報が車内で出力された場合に、運転者による警報の確認がないことにより、運転者が警報を認識できない状況や警報を無視している状況を把握し、そのような状況であることを車両から離れた所定箇所において確認させることが可能となる。
【0066】
尚、請求項21に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0067】
また、請求項10に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1、2、3、4又は5記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、健康状態が正常でないと判定された運転者によって、安全運転の維持を図ることが必ずしも保証されないような状況のまま車両が運転され続けてしまうのを、即座に防ぐことが可能となる。
【0068】
尚、請求項22に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0069】
さらに、請求項11に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項1、2、3、4又は5記載の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、車両の走行状態が危険であるという車両の挙動に現れるような事態が既に発生している場合に、その危険な走行状態を解消させるための運転操作を、健康状態が正常でないと判定された運転者の判断のみに頼らずに的確に指示し、車両がいち早く安全運転状態に復帰するように誘導することが可能となる。
【0070】
尚、請求項23に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0071】
また、請求項12に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、請求項11に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述したことに加えて、車両の走行状態が危険であるまま車両が運転され続けてしまうのを防ぐために、危険回避動作を実行する場合、その旨を運転者に車内で警報することで、運転者が全く予期しない状況で唐突に危険回避動作が実行されることがないようにして、これにより、健康状態が正常でないと判定された運転者に状況把握能力の鈍化が見られていたとしても、驚き等の心理的負担が新たにかかる可能性を低減、或は、なくすことが可能となる。
【0072】
尚、請求項24に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置についても、上述と同様のことが言える。
【0073】
さらに、請求項25に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、運転者に装着される身体情報監視手段10による運転者の身体情報の監視結果が、車両に設けられた健康状態判定手段61Wに対して無線通信手段Aによって無線により受け渡されるため、この監視結果の受け渡しを有線で行うことにより運転者の周囲に配線が存在して運転操作に支障を来してしまう、という事態の発生を防ぐことが可能となる。
【0084】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による車両運転者健康状態判定方法及び車両運転者健康状態管理方法を、本発明による車両運転者健康状態判定装置及び車両運転者健康状態管理装置と共に、図面を参照して説明する。
【0085】
図3は本発明の一実施形態に係る車両運転者用健康状態判定装置と、本発明の一実施形態に係る車両運転者健康状態管理装置とを適用した安全監視システムの電気的な概略構成を示すブロック図である。
【0086】
そして、図3中引用符号1で示す本実施形態の安全監視システムは、運転者身体情報監視センサ系(以下、身体センサ系と略記する)10と、車両状態監視センサ系(以下、車両センサ系と略記する)20と、車内環境監視センサ系(以下、室内環境センサ系と略記する)30と、GPS受信機35と、携帯電話40と、危険回避動作ユニット50と、コントローラ60とを有している。
【0087】
前記身体センサ系10(身体情報監視手段に相当)は、不図示の車両を運転する運転者(図示せず)の身体情報を監視するための単一又は複数のセンサからなり、この単一又は複数のセンサの例としては、視線、瞬目、血圧、心拍数、並びに、体温の各センサや、携帯型心電計等が挙げられる。
【0088】
この身体センサ系10は、例えば、運転者の頭部にヘアバンド状に装着されて眼前に配置されたり、運転者の腕部に巻装される等、運転者の運転操作に支障がないように配置され、身体センサ系10による検出信号は、アナログ信号のまま、或は、デジタル信号に変換された後、送受信回路11a及びアンテナ11bを介して、無線によってコントローラ60に伝送される。
【0089】
前記車両センサ系20(車両状態監視手段に相当)は、前記不図示の車両の各種状態を監視するための単一又は複数のセンサからなり、この単一又は複数のセンサの例としては、速度、加速度、操舵角、車間距離の各センサ等が挙げられる。
【0090】
前記室内環境センサ系30(室内環境監視手段に相当)は、前記不図示の車両の室内環境を監視するための単一又は複数のセンサからなり、この単一又は複数のセンサの例としては、温度、湿度、振動の各センサ等が挙げられる。
【0091】
前記GPS受信機35(現在位置検出手段に相当)は、GPS衛星(図示せず)からのGPS信号をGPSアンテナ35aにより受信して、内部時計において計時している現在時刻における車両の位置を割り出し、この現在時刻における車両の位置を示す位置データをコントローラ60に出力するものである。
【0092】
前記危険回避動作ユニット50は、前記不図示の車両のブレーキやアクセルを各々作動させるブレーキアクチュエータ51及びアクセルアクチュエータ53と、ハンドルを駆動させるためのハンドルアクチュエータ55と、ハザードランプを点消灯させるためのハザードランプスイッチ57と、車外監視センサ系59とを有している。
【0093】
前記車外監視センサ系59は、前記不図示の車両の周辺の状況を監視するための単一又は複数のセンサからなり、本実施形態では、走行車線、障害物、信号機、路面状態の各センサによって車外監視センサ系59が構成されている。
【0094】
尚、上述した車両センサ系20の検出信号、室内環境センサ系30の検出信号、及び、車外監視センサ系59の検出信号は、不図示のリード線を介してコントローラ60に各々有線伝送される。
【0095】
前記コントローラ60は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記する)61と、不揮発性メモリ(以下、NVMと略記する)63と、時計IC64と、身体センサ系10の送受信回路11a及びアンテナ11bに対応して設けられた送受信回路65a及びアンテナ65bと、ディスプレイ66及びスピーカ67と、ICメモリカード用のリーダライタ68と、確認スイッチ69等を有している。
【0096】
前記マイコン61は、CPU61a、RAM61b、及び、ROM61cを有しており、このうち、CPU61aには、RAM61b及びROM61cの他、前記NVM63、送受信回路65a、ディスプレイ66、スピーカ67、リーダライタ68、及び、確認スイッチ69が各々接続されている。
【0097】
また、CPU61aには、車両センサ系20及びGPS受信機35と、危険回避動作ユニット50のブレーキアクチュエータ51、アクセルアクチュエータ53、ハンドルアクチュエータ55、ハザードランプスイッチ57、並びに、車外監視センサ系59と、前記不図示の車両に設けられたオートクルーズスイッチ70とが各々接続されている。
【0098】
さらに、CPU61aには、コントローラ60に内蔵された不図示のモデムを介して、前記携帯電話40が接続されている。
【0099】
前記RAM61bは、各種データ記憶用のデータエリア及び各種処理作業に用いるワークエリアを有しており、前記ROM61cには、CPU61aに各種処理動作を行わせるための制御プログラムが格納されている。
【0100】
前記NVM63には、身体センサ系10による検出信号を基に運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するための、視線の動きや瞬きの回数、血圧値、心拍数、体温値等の各パラメータについての、正常状態における値やその範囲を示す一般判定基準値のテーブルが格納されており、また、性別及び年齢層に応じて値を補正した、性別及び年齢層別の判定基準値のテーブルも合わせて格納されている。
【0101】
前記時計IC64(カレンダ情報管理手段に相当)は、日付をカウントすると共に現在時刻を計時し、マイコン61からの要求に応じてその時点でカウントしている日付や計時している現在時刻をカレンダ情報として出力するように構成されている。
【0102】
前記ディスプレイ66及びスピーカ67は、身体センサ系10から無線により伝送される検出信号と、車両センサ系20から入力される検出信号と、オートクルーズスイッチ70のオンオフ状態とを基にマイコン61が生成する警報メッセージ等を、文字表示又は音声出力するように、各々構成されている。
【0103】
前記リーダライタ68は、装填されたICメモリカード80に対するデータの書き込みや読み出しを行うものであり、本実施形態では主に、ICメモリカード80に書き込まれているデータの読み出しが、リーダライタ68によって行われる。
【0104】
尚、ICメモリカード80には、車両の運転者が乗務前に計測した血圧、心拍数、及び、体温のうち一部又は全部の実測値と、運転者の性別や年齢(又は年齢層)が、その運転者の個人判定基準データとして書き込まれ、或は、運転者の性別や年齢のみが、その運転者の個人データとして書き込まれる。
【0105】
尚、前記確認スイッチ69(警報確認手段に相当)は、ディスプレイ66やスピーカ67による警報メッセージの文字表示や音声出力を確認した際に、車両の運転者によって操作されるものであり、前記オートクルーズスイッチ70は、オンすることでその時点での速度に前記不図示の車両の走行速度が維持され、オフすることでこの走行速度維持状態が解除されるという、従来公知の車両定速走行装置に用いられるものである。
【0106】
次に、前記ROM61cに格納された制御プログラムに従いCPU61aが行う処理を、図4乃至図12のフローチャートを参照して説明する。
【0107】
コントローラ60の不図示の電源スイッチが投入されてマイコン61が起動し、プログラムがスタートすると、CPU61aは、まず、図4にメインルーチンのフローチャートで示すように、初期設定を行う(ステップS1)。
【0108】
このステップS1の初期設定では、RAM61bのワークエリアに設けられた各種フラグエリアのフラグ及びカウンタエリアのカウント値のリセットや、各種バッファエリアに格納されている内容のクリア等を行う。
【0109】
そして、ステップS1の初期設定が済んだならば、次に、判定基準データ設定処理を行う(ステップS3)。
【0110】
このステップS3の判定基準データ設定処理では、図5にサブルーチンのフローチャートで示すように、リーダライタ68にICメモリカード80が装填されているか否かを確認し(ステップS3a)、装填されていない場合は(ステップS3aでN)、NVM63に格納されている一般判定基準値を健康状態判定基準データとしてRAM61bの判定基準バッファエリアに格納し(ステップS3b)、その後、判定基準データ設定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0111】
一方、リーダライタ68にICメモリカード80が装填されている場合は(ステップS3aでY)、そのICメモリカード80に書き込まれているデータを読み出し(ステップS3c)、読み出したデータに個人判定基準データが含まれているか否かを確認する(ステップS3d)。
【0112】
個人判定基準データが含まれていない場合は(ステップS3dでN)、後述するステップS3kに進み、個人判定基準データが含まれている場合は(ステップS3dでY)、読み出したデータに個人データが含まれているか否かを確認する(ステップS3e)。
【0113】
個人データが含まれていない場合は(ステップS3eでN)、後述するステップS3hに進み、個人データが含まれている場合は(ステップS3eでY)、NVM63に格納されている性別及び年齢層別の判定基準値のテーブルのうち、ステップS3bでICメモリカード80から読み出した個人データの内容に対応するテーブルの判定基準値と、ステップS3bでICメモリカード80から読み出した個人判定基準データの値とを基に、健康状態判定基準データを生成する(ステップS3f)。
【0114】
そして、生成した健康状態判定基準データをRAM61bの判定基準バッファエリアに格納し(ステップS3g)、その後、判定基準データ設定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0115】
尚、ステップS3fにおける健康状態判定基準データの生成は、次のようにして行われる。
【0116】
即ち、ICメモリカード80から読み出した個人データの内容に対応するNVM63のテーブルの判定基準値のうち、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に実測値があるパラメータについては、個人判定基準データ中の実測値を健康状態判定基準データとして採用し、また、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に実測値があるパラメータについて、NVM63のテーブル上において値の範囲が設定されている場合には、個人判定基準データ中でのそのパラメータの実測値を中心とした同じ大きさの範囲を、健康状態判定基準データとする。
【0117】
また、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に実測値がないパラメータについては、全て、NVM63に格納されている性別及び年齢層別の判定基準値のテーブルのうち、個人判定基準データ中の運転者の性別や年齢に対応するテーブルの判定基準値を、健康状態判定基準データとする。
【0118】
さらに、ステップS3eにおいてICメモリカード80から読み出したデータに個人データが含まれていない場合(N)に進むステップS3hでは、NVM63に格納されている一般判定基準値と、ステップS3bでICメモリカード80から読み出した個人判定基準データの値とを基に、健康状態判定基準データを生成し、次に、生成した健康状態判定基準データをRAM61bの判定基準バッファエリアに格納した後(ステップS3j)、個人判定基準データ設定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0119】
尚、ステップS3hにおける健康状態判定基準データの生成は、次のようにして行われる。
【0120】
即ち、NVM63の一般判定基準値のうち、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に値があるパラメータについては、個人判定基準データ中の値を健康状態判定基準データとして採用し、また、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に値があるパラメータについて、NVM63のテーブル上において値の範囲が設定されている場合には、個人判定基準データ中でのそのパラメータの値を中心とした同じ大きさの範囲を、健康状態判定基準データとする。
【0121】
また、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に値がないパラメータについては、全て、NVM63の一般判定基準値を健康状態判定基準データとする。
【0122】
これに対し、ステップS3dにおいてICメモリカード80から読み出したデータに個人判定基準データが含まれていない場合(N)に進むステップS3kでは、NVM63に格納されている性別及び年齢層別の判定基準値のテーブルのうち、ステップS3bでICメモリカード80から読み出した個人データの内容に対応するテーブルの判定基準値を、健康状態判定基準データとしてRAM61bの判定基準バッファエリアに格納し、その後、判定基準データ設定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0123】
ステップS3の判定基準データ設定処理が済んだ後に進むステップS5では、図4に示すように、身体情報収集処理を行う。
【0124】
このステップS5の身体情報収集処理では、図6にサブルーチンのフローチャートで示すように、身体センサ系10が送受信回路11a及びアンテナ11bを介して出力する検出信号を、アンテナ65b及び送受信回路65aを介して取り込んで(ステップS5a)、取り込んだ検出信号の内容にエラーがあるか否かを、取り込みエラーを含めて確認する(ステップS5b)。
【0125】
身体センサ系10からの検出信号の取り込みそのものにエラーがあったり、検出信号は取り込んだもののその内容にエラーがある場合は(ステップS5bでY)、ステップS5aにリターンし、エラーがない場合は(ステップS5bでN)、エラーがないと判定された身体センサ系10からの検出信号が、健康状態の良否判定に必要な所定回数分取り込まれたか否かを確認する(ステップS5c)。
【0126】
所定回数分の検出信号が身体センサ系10から取り込まれていない場合は(ステップS5cでN)、ステップS5aにリターンし、取り込まれた場合は(ステップS5cでY)、時計IC64からカレンダ情報を取り込むと共に(ステップS5d)、室内環境センサ系30が出力する検出信号を取り込む(ステップS5e)。
【0127】
そして、これらの取り込んだカレンダ情報と室内環境センサ系30からの検出信号とを基に、身体センサ系10から取り込まれた所定回数分の検出信号の値を、パラメータ毎に各々補正し(ステップS5f)、RAM61bの判定用バッファエリアの格納値を、身体センサ系10から取り込まれた所定回数分の検出信号の、ステップS5fにおける補正後の値に更新した後(ステップS5g)、身体情報収集処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0128】
ステップS5の身体情報収集処理が済んだ後に進むステップS7では、図4に示すように、判定基準補正処理を行う。
【0129】
このステップS7の判定基準補正処理では、図7にサブルーチンのフローチャートで示すように、判定用バッファエリアに格納されている、身体センサ系10から取り込まれた所定回数分の検出信号の補正値を、RAM61bの判定基準補正用バッファエリアにパラメータ毎に追加して格納し(ステップS7a)、RAM61bの累積数カウンタエリアのカウント値Cを「1」インクリメントした後(ステップS7b)、このカウント値Cが補正可能累積数Caに達したか否かを確認する(ステップS7c)。
【0130】
累積数カウンタエリアのカウント値Cが補正可能累積数Caに達していない場合は(ステップS7cでN)、判定基準補正処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、達した場合は(ステップS7cでY)、RAM61bの判定基準補正用バッファエリアにパラメータ毎に格納されている、身体センサ系10から取り込まれた検出信号の補正値の分布や偏差等を基に、各パラメータについての正常状態における値やその範囲を補正用判定基準値として割り出す(ステップS7d)。
【0131】
そして、RAM61bの判定基準バッファエリアに格納されている健康状態判定基準データをこの補正用判定基準値に更新した後(ステップS7e)、判定基準補正処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0132】
ステップS7の判定基準補正処理が済んだ後に進むステップS9では、健康状態判定処理を行う。
【0133】
このステップS9の健康状態判定処理では、図8にサブルーチンのフローチャートで示すように、RAM61bの判定基準バッファエリアに格納されている健康状態判定基準データと、RAM61bの判定用バッファエリアの格納値とを基に、心筋梗塞や心不全等の、意識障害を起こすような症状の発症の兆候が運転者に見られるか否かを確認する(ステップS9a)。
【0134】
発症の兆候が運転者に見られない場合は(ステップS9aでN)、後述するステップS9cに進み、兆候が運転者に見られる場合は(ステップS9aでY)、RAM61bの発症フラグエリアのフラグF1を「1」に設定した後(ステップS9b)、健康状態判定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0135】
また、ステップS9aにおいて意識障害を起こすような症状の発症の兆候が運転者に見られない場合(N)に進むステップS9cでは、RAM61bの判定基準バッファエリアに格納されている健康状態判定基準データと、RAM61bの判定用バッファエリアの格納値とを基に、運転者の健康状態が正常と推定できるか否かを確認する。
【0136】
そして、健康状態が正常と推定できる場合は(ステップS9cでY)、健康状態判定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、正常と推定できない場合は(ステップS9cでN)、RAM61bの警報フラグエリアのフラグF3を「1」に設定した後(ステップS9d)、健康状態判定処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0137】
ステップS9の健康状態判定処理が済んだ後に進むステップS11では、警報出力処理を行う。
【0138】
このステップS11の警報出力処理では、図9にサブルーチンのフローチャートで示すように、警報フラグF3が「0」であるか否かを確認し(ステップS11a)、「0」である場合は(ステップS11aでY)、警報出力処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、「0」でない場合は(ステップS11aでN)、車両センサ系20からの検出信号を基に、車両が危険な状態であるか否かを確認する(ステップS11b)。
【0139】
車両が危険である場合は(ステップS11bでY)、後述するステップS11fに進み、危険な状態でない場合は(ステップS11bでN)、オートクルーズスイッチ70がオンであるか否かを確認する(ステップS11c)。
【0140】
オートクルーズスイッチ70がオンである場合は(ステップS11cでY)、後述するステップS11gに進み、オンでない場合は(ステップS11cでN)、健康状態が正常でない旨のみを報知する警告メッセージをディスプレイ66に文字表示させると共にスピーカ67から音声出力させる、第1パターンの警報出力を開始し(ステップS11d)、RAM61bの第1警報中フラグエリアのフラグF5を「1」に設定した後(ステップS11e)、後述するステップS11rに進む。
【0141】
一方、ステップS11bにおいて車両が危険な状態である場合(Y)に進むステップS11fでは、車両センサ系20からの検出信号を基に、車両が加速中であるか否かを確認し、加速中である場合は(ステップS11fでY)、後述するステップS11jに進み、加速中でない場合は(ステップS11fでN)、ステップS11gに進む。
【0142】
ステップS11cにおいてオートクルーズスイッチ70がオンである場合(Y)と、ステップS11fにおいて車両が加速中である場合(Y)とに各々進むステップS11gでは、車両センサ系20からの検出信号を基に、車両の速度が所定速度以上であるか否かを確認し、所定速度以上でない場合は(ステップS11gでN)、後述するステップS11kに進む。
【0143】
一方、所定速度以上である場合は(ステップS11gでY)、車両センサ系20からの検出信号を基に、前後の車両との車間距離が所定距離以上であるか否かを確認し(ステップS11h)、所定距離以上でない場合は(ステップS11hでN)、後述するステップS11nに進み、所定距離以上である場合は(ステップS11hでY)、ステップS11kに進む。
【0144】
また、ステップS11fにおいて車両が加速中である場合(Y)に進むステップS11jでは、車両センサ系20からの検出信号を基に、前後の車両との車間距離が所定距離以上であるか否かを確認し、所定距離以上でない場合は(ステップS11jでN)、ステップS11nに進み、所定距離以上である場合は(ステップS11jでY)、ステップS11kに進む。
【0145】
ステップS11gにおいて車両の速度が所定速度以上でない場合(N)と、ステップS11hやステップS11jにおいて前後の車両との車間距離が所定距離以上でない場合(N)とに各々進むステップS11kでは、健康状態が正常でない旨に加えて車両の危険回避動作の実行を促す警告メッセージをディスプレイ66に文字表示させると共にスピーカ67から音声出力させる、第2パターンの警報出力を開始し、次に、RAM61bの第2警報中フラグエリアのフラグF7を「1」に設定した後(ステップS11m)、ステップS11rに進む。
【0146】
これに対し、ステップS11hやステップS11jにおいて前後の車両との車間距離が所定距離以上である場合(Y)に各々進むステップS11nでは、健康状態が正常でない旨に加えて車両の危険回避動作の実行を報知する警告メッセージをディスプレイ66に文字表示させると共にスピーカ67から音声出力させる、第3パターンの警報出力を開始し、次に、RAM61bの第3警報中フラグエリアのフラグF9を「1」に設定した後(ステップS11p)、ステップS11rに進む。
【0147】
ステップS11eにおいて第1警報中フラグF5を「1」に設定した後と、ステップS11mにおいて第2警報中フラグF7を「1」に設定した後と、ステップS11pにおいて第3警報中フラグF9を「1」に設定した後とに各々進むステップS11rでは、警報フラグエリアのフラグF3を「0」に設定し、その後、警報出力処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0148】
ステップS11の警報出力処理が済んだ後に進むステップS13では、図4に示すように、外部通知処理を行う。
【0149】
このステップS13の外部通知処理では、図10にサブルーチンのフローチャートで示すように、RAM61bの外部通知済フラグエリアのフラグF11が「0」であるか否かを確認し(ステップS13a)、「0」でない場合は(ステップS13aでN)、外部通知処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0150】
一方、外部通知済フラグF11が「0」である場合は(ステップS13aでY)、発症フラグF1が「0」であるか否かを確認し(ステップS13b)、「0」でない場合は(ステップS13bでN)、後述するステップS13jに進み、「0」である場合は(ステップS13bでY)、第1警報中フラグF5が「0」であるか否かを確認する(ステップS13c)。
【0151】
第1警報中フラグF5が「0」でない場合は(ステップS13cでN)、後述するステップS13hに進み、「0」である場合は(ステップS13cでY)、第2警報中フラグF7が「0」であるか否かを確認する(ステップS13d)。
【0152】
第2警報中フラグF7が「0」でない場合は(ステップS13dでN)、後述するステップS13gに進み、「0」である場合は(ステップS13dでY)、第3警報中フラグF9が「0」であるか否かを確認する(ステップS13e)。
【0153】
第3警報中フラグF9が「0」である場合は(ステップS13eでY)、外部通知処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、「0」でない場合は(ステップS13eでN)、GPS受信機35から、このGPS受信機35により割り出された車両の現在位置を取り込んで、これと、ステップS11nにおいてディスプレイ66やスピーカ67から出力された第3パターンの警報メッセージの内容とを基に、外部通知データを生成した後(ステップS13f)、後述するステップS13kに進む。
【0154】
また、ステップS13dにおいて第2警報中フラグF7が「0」でない場合(N)に進むステップS13gでは、GPS受信機35から、このGPS受信機35により割り出された車両の現在位置を取り込んで、これと、ステップS11kにおいてディスプレイ66やスピーカ67から出力された第2パターンの警報メッセージの内容とを基に、外部通知データを生成し、その後、ステップS13kに進む。
【0155】
さらに、ステップS13cにおいて第1警報中フラグF5が「0」でない場合(N)に進むステップS13hでは、GPS受信機35から、このGPS受信機35により割り出された車両の現在位置を取り込んで、これと、ステップS11dにおいてディスプレイ66やスピーカ67から出力された第1パターンの警報メッセージの内容とを基に、外部通知データを生成し、その後、ステップS13kに進む。
【0156】
また、ステップS13bにおいて発症フラグF1が「0」でない場合(N)に進むステップS13jでは、GPS受信機35から、このGPS受信機35により割り出された車両の現在位置を取り込んで、これと、意識障害を起こすような症状の発症の兆候が運転者に見られる旨のメッセージとを基に、外部通知データを生成し、その後、ステップS13kに進む。
【0157】
ステップS13f、ステップS13g、ステップS13h、並びに、ステップS13jにおいて各々外部通知データを生成した後に進むステップS13kでは、生成した外部通知データを、運転者のかかりつけの医者がいる病医院や運転者の勤務先といった、予め定められた特定の箇所(所定箇所に相当)に伝送し、次に、外部通知済フラグF11を「1」に設定した後(ステップS13m)、外部通知処理を終了して、図4のメインルーチンにリターンする。
【0158】
尚、ステップS13hによる外部通知データの特定箇所への無線伝送は、不図示のモデムを介して携帯電話40に、RAM61bのシステムデータエリアに格納されている特定箇所の電話機の電話番号へ自動発呼させて、ステップS13f、ステップS13g、ステップS13h、並びに、ステップS13jにおいて各々生成された外部通知データを、携帯電話40の自動発呼により特定箇所の電話機との間に形成される電話回線に送出することで行われる。
【0159】
ステップS13の外部通知処理が済んだ後に進むステップS15では、図4に示すように、警報確認処理を行う。
【0160】
このステップS15の警報確認処理では、図11にサブルーチンのフローチャートで示すように、確認スイッチ69が操作されたか否かを確認し(ステップS15a)、操作されていない場合は(ステップS15aでN)、後述するステップS15hに進み、操作された場合は(ステップS15aでY)、第1警報中フラグF5、第2警報中フラグF7、及び、第3警報中フラグF9がいずれも「0」であるか否かを確認する(ステップS15b)。
【0161】
第1警報中フラグF5、第2警報中フラグF7、及び、第3警報中フラグF9がいずれも「0」である場合は(ステップS15bでY)、発症フラグF1を「0」に設定した後(ステップS15c)、後述するステップS15fに進む。
【0162】
一方、第1警報中フラグF5、第2警報中フラグF7、及び、第3警報中フラグF9のうちいずれか1つでも「0」でない場合は(ステップS15bでN)、第1パターンや第2パターン、或は、第3パターンの警報出力を終了すると共に(ステップS15d)、第1警報中フラグF5、第2警報中フラグF7、及び、第3警報中フラグF9のうち「0」でないフラグを「0」に設定した後(ステップS15e)、ステップS15fに進む。
【0163】
ステップS15cにおいて発症フラグF1を「0」に設定した後と、ステップS15eにおいて第1警報中フラグF5、第2警報中フラグF7、及び、第3警報中フラグF9のうち「0」でないフラグを「0」に設定した後とに各々進むステップS15fでは、外部通知済フラグF11を「0」に設定し、次に、RAM61bの未確認通知済フラグエリアのフラグF13が「0」であるか否かを確認する(ステップS15g)。
【0164】
未確認通知済フラグF13が「0」である場合は(ステップS15gでY)、警報確認処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、「0」でない場合は(ステップS15gでN)、未確認通知済フラグF13を「0」に設定した後(ステップS15h)、警報確認処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0165】
また、ステップS15aにおいて確認スイッチ69が操作されていない場合(N)に進むステップS15kでは、未確認通知済フラグF13が「0」であるか否かを確認し、「0」でない場合は(ステップS15kでN)、警報確認処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0166】
一方、未確認通知済フラグF13が「0」である場合は(ステップS15kでY)、ステップS11d、ステップS11k、及び、ステップS11nにおける第1パターンや第2パターン、或は、第3パターンの警報出力の開始から、一定時間が経過したか否かを確認する(ステップS15m)。
【0167】
一定時間が経過していない場合は(ステップS15mでN)、警報確認処理を終了して図4のメインルーチンにリターンし、経過している場合は(ステップS15mでY)、警報に対する運転者の確認がないことを示す未確認通知データを、ステップS13f、ステップS13g、ステップS13h、並びに、ステップS13jにおいて各々生成された外部通知データと同様にして特定箇所に伝送し(ステップS15n)、未確認通知済フラグF13を「1」に設定した後(ステップS15p)、警報確認処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0168】
ステップS15の警報確認処理が済んだ後に進むステップS17では、図4に示すように、発症フラグF1が「0」であるか否かを確認し、「0」でない場合は(ステップS17でN)、後述するステップS29に進み、「0」である場合は(ステップS17でY)、第1警報中フラグF5及び第2警報中フラグF7がいずれも「0」であるか否かを確認する(ステップS19)。
【0169】
第1警報中フラグF5及び第2警報中フラグF7のうちいずれか一方でも「0」でない場合は(ステップS19でN)、ステップS15にリターンし、第1警報中フラグF5及び第2警報中フラグF7がいずれも「0」である場合は(ステップS19でY)、第3警報中フラグF9が「0」であるか否かを確認する(ステップS21)。
【0170】
第3警報中フラグF9が「0」である場合は(ステップS21でY)、RAM61bの危険回避フラグエリアのフラグF15が「0」であるか否かを確認し(ステップS23)、「0」である場合は(ステップS23でY)、ステップS5にリターンし、「0」でない場合は(ステップS23でN)、危険回避フラグF15を「0」に設定した後(ステップS25)、ステップS5にリターンする。
【0171】
また、ステップS21において第3警報中フラグF9が「0」でない場合(N)は、未確認通知済フラグF13が「0」であるか否かを確認し(ステップS27)、「0」である場合は(ステップS27でY)、ステップS15にリターンし、「0」でない場合は(ステップS27でN)、ステップS29に進む。
【0172】
ステップS17において発症フラグF1が「0」でない場合(N)と、ステップS27において未確認通知済フラグF13が「0」でない場合(N)とに各々進むステップS29では、危険回避処理を行う。
【0173】
このステップS29の危険回避処理では、図12にサブルーチンのフローチャートで示すように、危険回避フラグF15が「0」であるか否かを確認し(ステップS29a)、「0」でない場合は(ステップS29aでN)、危険回避処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0174】
一方、危険回避フラグF15が「0」である場合は(ステップS29aでY)、車両センサ系20からの検出信号と、車外監視センサ系59からの検出信号とを基に、現在の車両の走行状態を解析し(ステップS29b)、この解析結果に応じて、車両を安全に停車させるための危険回避動作パターンを決定する(ステップS29c)。
【0175】
次に、その危険回避動作パターンに応じて、ブレーキアクチュエータ51、アクセルアクチュエータ53、ハンドルアクチュエータ55の適宜作動させつつ車両を停車させると共に、停車後にハザードランプスイッチ57によってハザードランプを点灯させる危険回避動作を実行させ(ステップS29d)、危険回避動作が完了したか否かを確認する(ステップS29e)。
【0176】
危険回避動作が完了していない場合は(ステップS29eでN)、完了するまで捨て29eをリピートし、完了した場合は(ステップS29eでY)、危険回避フラグF15を「1」に設定した後(ステップS29f)、危険回避処理を終了して図4のメインルーチンにリターンする。
【0177】
ステップS29の危険回避処理が済んだならば、図4に示すように、ステップS15にリターンする。
【0178】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図7のフローチャートにおけるステップS7aが、請求項中の過去情報記憶実行手段61Aに対応する処理となっており、図7中のステップS7b乃至ステップS7dが、請求項中の判定基準設定手段61B、判定基準変更手段61C、並びに、判定基準補正手段61D(請求項14)に各々対応する処理となっている。
【0179】
また、本実施形態では、図6のフローチャートにおけるステップS5e及びステップS5fが、請求項中の身体情報環境補正手段61Fに対応する処理となっており、図6中のステップS5d及びステップS5fが、請求項中の身体情報カレンダ補正手段61Gに対応する処理となっている。
【0180】
さらに、本実施形態では、図9のフローチャートにおけるステップS11dが、請求項中の警報出力手段61Hに対応する処理となっており、図11のフローチャートにおけるステップS15a、ステップS15k、及び、ステップS15mが、請求項中の確認操作検出手段61Jに対応する処理となっている。
【0181】
また、本実施形態では、図8のフローチャートにおけるステップS9c及びステップS9dと、図11中のステップS15a、ステップS15k、ステップS15m、並びに、ステップS15pと、図4のフローチャートにおけるステップS27及びステップS29とが、請求項中の危険回避動作実行手段61Kに対応する処理となっている。
【0182】
さらに、本実施形態では、図10のフローチャートにおけるステップS13b乃至ステップS13kが、請求項中の外部通知手段61Mに対応する処理となっており、図11中のステップS15nが、請求項中の警報確認結果通知手段61Nに対応する処理となっている。
【0183】
また、本実施形態では、図8中のステップS9a及びステップS9bと、図4中のステップS17及びステップS29とが、請求項中の第2危険回避動作実行手段61Pに対応する処理となっており、図9中のステップS11bが、請求項中の車両危険状態判定手段61Rに対応する処理となっている。
【0184】
さらに、本実施形態では、図9中のステップS11dが、請求項中の警報内容付加手段61Sに対応する処理となっており、図4中のステップS9と図9中のステップS11bとが、請求項中の危険回避動作実行判定手段61Tに対応する処理となっている。
【0185】
また、本実施形態では、図9中のステップS11k及びステップS11nが、請求項中の第2警報内容付加手段61Vに対応する処理となっており、図8中のステップS9a及びステップS9cが、請求項中の健康状態判定手段61Wに対応する処理となっている。
【0186】
さらに、本実施形態では、身体センサ系10に付随する送受信回路11a及びアンテナ11bと、これらに対応してコントローラ60に設けられた送受信回路65a及びアンテナ65bとにより、請求項中の無線通信手段Aが構成されており、また、マイコン61のRAM61bのワークエリアに確保された判定基準補正用バッファエリアによって、請求項中の情報記憶手段61bAが構成されている。
【0187】
次に、上述のように構成された本実施形態の安全監視システム1の動作(作用)について説明する。
【0188】
まず、リーダライタ68にICメモリカード80を装填していない状態でコントローラ60の電源スイッチを投入すると、NVM63に格納されている一般判定基準値が、身体センサ系10からの検出信号を基に運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するための健康状態判定基準データとして設定され、マイコン61のRAM61bに格納される。
【0189】
これに対し、運転者の性別や年齢を示す個人データが書き込まれているICメモリカード80をリーダライタ68に装填した状態で、コントローラ60の電源スイッチを投入すると、NVM63に格納されている性別及び年齢層別の判定基準値のテーブルのうち、ICメモリカード80に書き込まれている個人データの内容に対応するテーブルの判定基準値が、健康状態判定基準データとして設定され、マイコン61のRAM61bに格納される。
【0190】
また、車両の運転者が乗務前に計測した血圧、心拍数、及び、体温のうち一部又は全部の実測値と、運転者の性別や年齢とが、その運転者の個人判定基準データとして書き込まれているICメモリカード80をリーダライタ68に装填した状態で、コントローラ60の電源スイッチを投入すると、次の内容で健康状態判定基準データが設定され、マイコン61のRAM61bに格納される。
【0191】
即ち、NVM63の一般判定基準値のうち、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に実測値があるパラメータについては、個人判定基準データ中の実測値が健康状態判定基準データとして設定され、また、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に実測値があるパラメータについて、NVM63のテーブル上において値の範囲が設定されている場合には、個人判定基準データ中でのそのパラメータの実測値を中心とした同じ大きさの範囲が、健康状態判定基準データとして設定される。
【0192】
また、ICメモリカード80から読み出した個人判定基準データ中に実測値がないパラメータについては、全て、NVM63に格納されている性別及び年齢層別の判定基準値のテーブルのうち、個人判定基準データ中の運転者の性別や年齢に対応するテーブルの判定基準値が、健康状態判定基準データとして設定される。
【0193】
尚、NVM63に格納されている性別及び年齢層別の判定基準値の具体的内容を、血圧について説明すると、次のようになる。
【0194】
例えば、性別で言うと、図13(a),(b)に説明図で示す、男性60人の最大血圧及び最小血圧の各分布と、図14(a),(b)に説明図で示すように、女性34人の最大血圧及び最小血圧の各分布とを比較すると分かるように、最大血圧及び最小血圧のいずれも、男性の方が女性よりも相対的に高い値の範囲に分布する傾向がある。
【0195】
そこで、血圧の判定基準値については、男性の方が女性よりも値の範囲が高めに設定されている。
【0196】
また、年齢層について言うと、図15(a),(b)に説明図で示す、40歳から59歳の男性52人の最大血圧及び最小血圧の各分布と、図16(a),(b)に説明図で示す、40歳から59歳の女性52人の最大血圧及び最小血圧の各分布と、図17(a),(b)に説明図で示す、60歳から89歳の男女102人の最大血圧及び最小血圧の各分布とを比較すると分かるように、男性及び女性のいずれも、最大血圧及び最小血圧が、年齢層の高い方が相対的に広範囲に分布する傾向がある。
【0197】
そこで、血圧の判定基準値については、男性及び女性の双方とも、高年齢層の方が低年齢層よりも値の範囲が広めに設定されている。
【0198】
そして、身体センサ系10からの無線による検出信号の取り込みが行われ、その取り込み処理自体にエラーがなく、しかも、取り込んだ内容にもエラーのない正常な検出信号が所定回数分蓄積されると、その所定回数分の検出信号の内容が、今日の日付や現在時刻と、室内の環境によって、パラメータ毎に補正される。
【0199】
尚、身体センサ系10からの正常な検出信号の内容を、今日の日付や現在時刻と室内の環境とによって、パラメータ毎に補正するための具体的な手法としては、次のようなものが採用できる。
【0200】
まず、血圧については、図18に説明図で示すように、年間を通じて見ると、春夏は相対的に低く秋冬は相対的に高いという一般的傾向があり、また、図19に説明図で示すように、睡眠時を除いた日中を通じて見ると、朝夜は相対的に低く午後2時頃に相対的に一番高くなるという一般的傾向がある。
【0201】
そこで、身体センサ系10に血圧センサが含まれている場合には、その検出値を、今日の日付や現在時刻に応じて、他の日付や時刻の場合との上述した相対的な高低差を除去するために補正する。
【0202】
また、温度や湿度、振動等の環境状況が血圧の値に一定の規則的な変動をもたらすことが統計的に知られているならば、身体センサ系10に含まれている血圧センサの検出値を、温度、湿度、振動等の環境状況による変動分を除去するために補正する。
【0203】
次に、体温については、図20に説明図で示すように、睡眠時を除いた日中を通じて見ると、夕方から夜にかけてが他の時間帯に対して相対的に高いという一般的傾向があるので、身体センサ系10に体温センサが含まれている場合には、その検出値を現在時刻に応じて、他の時刻の場合との上述した相対的な高低差を除去するために補正する。
【0204】
続いて、心拍数(脈拍)については、図19に示すように、血圧と同じような傾向で時間帯に応じて変動するので、身体センサ系10に心拍数センサが含まれている場合には、その検出値を現在時刻に応じて、他の時刻の場合との上述した相対的な高低差を除去するために補正する。
【0205】
尚、温度や湿度、振動等の環境状況が心拍数の値に一定の規則的な変動をもたらすことが統計的に知られているならば、身体センサ系10に含まれている心拍数センサの検出値を、温度、湿度、振動等の環境状況による変動分を除去するために補正する。
【0206】
このようにして、所定回数分の正常な検出信号の内容が、今日の日付や現在時刻と、室内の環境によって、パラメータ毎に補正されると、その補正後の所定回数分の正常な検出信号の内容と、マイコン61のRAM61bに格納されている健康状態判定基準データとを基に、運転者に意識障害を起こすような症状の発症の兆候があるか否かと、運転者の健康状態が正常であると推定できるか否かとが、各々確認される。
【0207】
尚、運転者に意識障害を起こすような症状の発症の兆候があるか否かを確認するための具体的な手法としては、次のようなものが採用できる。
【0208】
まず、身体センサ系10に血圧センサや心拍数センサが含まれている場合には、それらにより検出される血圧や心拍数の値が、健康状態判定基準データ中の正常状態における血圧や心拍の値又はその範囲を大きく下回っているか否かによって確認することができる。
【0209】
また、身体センサ系10に携帯型心電計が含まれている場合には、その検出波形を健康状態判定基準データ中の正常状態における心電図波形と比べてみて、心筋梗塞時に認められる特徴である、図21に波形図で示すQRS波とT波との移行部におけるST部の上昇が、携帯型心電計の検出波形に認められるか否によって確認することができる。
【0210】
一方、運転者の健康状態が正常であると推定できるか否かを確認するための具体的な手法としては、次のようなものが採用できる。
【0211】
まず、身体センサ系10に血圧センサや体温センサが含まれている場合には、それらにより検出される血圧や体温の値が、健康状態判定基準データ中の血圧や体温の正常状態における値又はその範囲内にあるか否かによって、運転者の健康状態が良好であるか否かという形で確認することができる。
【0212】
また、身体センサ系10に血圧センサと心拍数センサとが含まれている場合には、それらにより検出される血圧や心拍数の値が共に、健康状態判定基準データ中に示されている血圧や心拍数の正常状態における値又はその範囲よりも高いか否かによって、運転者が緊張状態にあるか否かという形で確認することができる。
【0213】
さらに、身体センサ系10に瞬目センサや血圧センサが含まれている場合には、瞬目センサにより検出される瞬きの回数の単位時間当たりの値が、健康状態判定基準データ中の正常状態における単位時間当たりの瞬き回数値又はその範囲よりも極端に低く、かつ、血圧センサにより検出される血圧値が、健康状態判定基準データ中の正常状態における血圧値又はその範囲よりも高いか、それとも、単位時間当たりの瞬き回数値と血圧値とのうちどちらかがそのような値でないかによって、運転者が居眠り等の疲労に伴う症状を見せているか否かという形で確認することができる。
【0214】
また、身体センサ系10に視線センサが含まれている場合には、視線センサにより検出される視線の変化の頻度やその範囲が、健康状態判定基準データ中の正常状態における視線の変化の頻度やその範囲の標準値又はその範囲から極端に外れているか否かによって、集中力が散漫になっているか否かという形で確認することができる。
【0215】
そして、運転者に意識障害を起こすような症状の発症の兆候があることが確認された場合には、車両の危険回避動作が実行される。
【0216】
この危険回避動作は、具体的には次のような内容とすることができる。
【0217】
即ち、車外監視センサ系59を構成する走行車線、障害物、信号機、路面状態の各センサの検出結果により、車両が現在走行している道路の車線、歩道や中央分離帯等の障害物、道路上の信号機の状態、道路の傾斜やカーブの有無等を解析し、車両センサ系20からの検出信号により認識される車両の現在の走行状態を基にして、車両を安全かつ迅速に、近辺の道端に停車させるためのパターンを割り出す。
【0218】
そして、割り出したパターンとおりに車両を停車させるように、ブレーキアクチュエータ51やアクセルアクチュエータ53により車両の速度調整を行い、また、ハンドルアクチュエータ55により車両の操舵を行い、停止後に、ハザードランプスイッチ57によりハザードランプを点灯させる。
【0219】
また、上述したような、健康状態が良好でない、緊張状態にある、疲労に伴う症状を見せている、或は、集中力が散漫になっているといったことが確認された場合、即ち、運転者の健康状態が正常でないと推測できると確認された場合には、ディスプレイ66及びスピーカ67による警報の出力が開始される。
【0220】
但し、ディスプレイ66及びスピーカ67により出力される警報の具体的内容は、その時点での車両の状況に応じて異なる。
【0221】
まず、運転者の健康状態が正常でないと推測できると確認された時点で、車両が停止していたり、走行状態であっても車両が危険な状態でなければ、「健康状態に正常でない点が見られます。医師の診断を受けることをお勧めします。」等の、健康状態が正常でないと推定されることのみを報知する内容による、第1パターンの警報出力が行われる。
【0222】
これに対し、運転者の健康状態が正常でないと推測できると確認された時点で、走行状態の車両が危険な状態であれば、或は、オートクルーズスイッチ70がオンされていれば、その危険度が比較的低い場合は、車両の停止時や走行状態の車両が危険な状態でない場合に出力される上述した内容に、「減速、停止して休息して下さい。」等の、車両の危険回避動作の実行を促す旨を併せて報知する内容による、第2パターンの警報出力が行われる。
【0223】
また、危険度が比較的高い場合は、車両の停止時や走行状態の車両が危険な状態でない場合に出力される上述した内容に、「減速、停止します。休息して下さい。」等の、車両の危険回避動作の実行の予告を併せて報知する内容による、第3パターンの警報出力が行われる。
【0224】
尚、車両が停止しているか否かは、速度センサの検出値により確認することができ、また、走行状態の車両が危険な状態であるか否かを確認するための具体的な手法としては、次のようなものが採用できる。
【0225】
まず、車両センサ系20に速度センサや加速度センサが含まれている場合には、それらの検出値が異常に高すぎるか否かにより、運転者が無意識下での異常なアクセルの踏み込みを行っているか否かという形で確認することができる。
【0226】
また、車両センサ系20に操舵角センサが含まれている場合には、その検出値がある程度以上の振幅で周期的に変化しているか否かにより、車両が蛇行しているか否かという形で確認することができる。
【0227】
さらに、車両センサ系20に速度センサと操舵角センサとが含まれている場合には、速度センサの検出値が大きいほど操舵角センサの標準値を下げることとして、その標準値を操舵角センサの検出値が上回るか否かにより、車両の走行速度からして安全な角度を上回る急ハンドル操作がされているか否かという形で確認することができる。
【0228】
また、車両センサ系20に車間距離センサが含まれている場合には、その検出値が標準値以上であるか否かにより、十分な車間距離が確保されているか否かという形で確認することができ、さらに、速度センサが車両センサ系20に含まれている場合には、速度センサの検出値が大きいほど車間距離センサの標準値を下げることとして、車両の走行速度に見合った車間距離が確保されているか否かという形で確認することもできる。
【0229】
そして、危険な状態であると確認された車両や、オートクルーズスイッチ70がオンされていると確認された車両の危険度が高いか低いかの確認は、次のようにして行われる。
【0230】
即ち、車両が加速中である場合については、前後の車両との車間距離が所定距離以上でなければ、走行速度に関係なく危険度が高いものとされ、車間距離が所定距離以上であれば、走行速度に関係なく危険度が低いものとされる。
【0231】
また、車両が加速中でない場合については、車両の走行速度が所定速度以上であり、しかも、車間距離が所定距離以上でなければ、危険度が高いものとされ、走行速度が所定速度以上であっても車間距離が所定距離以上であれば、危険度が低いものとされ、さらに、走行速度が所定速度以上でなければ、車間距離に関係なく危険度が低いものとされる。
【0232】
そして、運転者に意識障害を起こすような症状の発症の兆候があると確認されると、或は、上述した第1乃至第3パターンによる警報出力が開始されるとその時点で、その旨を示す外部通知データが、GPS受信機35により割り出された車両の現在位置を含めて、携帯電話40によって、例えば、かかりつけの医者がいる病医院や運転者の勤務先といった、車両の外部の特定箇所に無線伝送される。
【0233】
尚、上述した第1乃至第3パターンによる警報出力が開始された後に、確認スイッチ69が操作されると、その時点で、第1乃至第3パターンによる警報の出力が終了する。
【0234】
但し、第1乃至第3パターンによる警報出力の開始から一定時間が経過するまでの間に確認スイッチ69が操作されないと、第1乃至第3パターンによる警報に対する運転者の確認がないことを示す未確認通知データ、携帯電話40によって車両の外部の特定箇所に無線伝送される。
【0235】
そして、第3パターンによる警報の出力から一定時間が経過するまでの間に確認スイッチ69が操作されないと、上述した未確認通知データの無線伝送と共に、運転者に意識障害を起こすような症状の発症の兆候があることが確認された場合と同じく、車両の危険回避動作が実行される。
【0236】
尚、身体センサ系10からの検出信号を基に運転者の健康状態が正常であると推定できるか否かを判定するための基準として設定されて、マイコン61のRAM61bに格納される健康状態判定基準データは、今日の日付や現在時刻と、室内の環境によってパラメータ毎に補正された、補正後の正常な所定回数分の検出信号が補正可能累積数Caに達するまで蓄積されると、その蓄積された補正後の検出信号の分布や偏差等を基に、各パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す補正用判定基準値に更新される。
【0237】
即ち、日付や時刻、室内環境に応じて補正された後の、身体センサ系10からの検出信号がある程度蓄積されると、運転者の健康状態が正常であるか否かを判定する基準とする健康状態判定基準データが、身体センサ系10からの検出信号、つまり、運転者の実際の身体情報を加味した内容の補正用判定基準値に更新され、換言すると、補正される。
【0238】
そして以後は、この補正用判定基準値を健康状態判定基準データとした上で、運転者の健康状態が正常であるか否かが判定される。
【0239】
また、健康状態判定基準データが補正用判定基準値に更新、補正された後は、意識障害を起こすような症状の発症の兆候が運転者に見られるか否かも、当然ながら、運転者の実際の身体情報を加味したこの補正用判定基準値を健康状態判定基準データとした上で判定されることになる。
【0240】
さらに、健康状態判定基準データが補正用判定基準値に更新、補正された後は、身体センサ系10から検出信号が取り込まれてその検出信号が日付や時刻、室内環境に応じて補正される毎に、その補正後の正常な所定回数分の検出信号によって、健康状態判定基準データである補正用判定基準値が繰り返し補正される。
【0241】
このように、本実施形態の安全監視システム1によれば、身体センサ系10からの検出信号を基に運転者の健康状態が正常であると推定できるか否かを判定するに当たって、身体センサ系10からの正常な検出信号がある程度蓄積されると、運転者の健康状態についての判定基準とする健康状態判定基準データを、NVM63に格納されている蓄積された判定基準値を基にした汎用的な基準から、正常な検出信号を基に割り出した補正用判定基準値に更新、補正する構成とした。
【0242】
このため、運転者固有の身体情報に関する特徴を加味して健康状態が正常であると推定できるか否かを、精度良く判定、把握することができる。
【0243】
尚、健康状態判定基準データが補正用判定基準値に更新、補正された後、身体センサ系10から検出信号が取り込まれる毎に、その正常な所定回数分の検出信号によって、健康状態判定基準データである補正用判定基準値が繰り返し補正されるようにするための構成は、省略してもよい。
【0244】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、身体センサ系10から取り込まれる検出信号という運転者の実際の身体情報の内容を、運転者の健康状態が正常であると推定できるか否かを判定するための基準に、より一層反映させて、健康状態が正常であると推定できるか否かの判定精度を一層向上させることができるので、有利である。
【0247】
さらに、身体センサ系10からの正常な検出信号を、時計IC64から取り込まれるその時点での日付や時刻に応じて補正するための構成と、室内環境センサ系30により監視される室内環境に応じて補正するための構成とについては、それらのうちいずれか一方又は両方を省略するようにしてもよい。
【0248】
しかし、本実施形態のように、身体センサ系10からの正常な検出信号をその時点での日付や時刻に応じて補正するための構成を設ければ、季節や時間帯によって運転者の身体情報、つまり、血圧や心拍数、体温、心電図波形等に規則的な変化が生じる場合であっても、そのような変化が、健康状態が正常であると推定できるか否かの判定に影響して、判定の正確度が変化してしまうのを防ぐことができるので、有利である。
【0249】
同様に、本実施形態のように、身体センサ系10からの正常な検出信号を室内環境に応じて補正するための構成を設ければ、運転者のいる室内の環境に変動があり、その変動が運転者の身体情報に変化をもたらす場合であっても、そのような身体情報の変化が、健康状態が正常であるか否かの判定に影響して、判定の正確度が変化してしまうのを防ぐことができるので、有利である。
【0250】
そして、身体センサ系10からの正常な検出信号がある程度蓄積された時点で、それらの検出信号を基に、季節や時間帯によって運転者の身体情報に生じる規則的な変化のパターンを解析し、その解析したパターンを、その運転者固有の、日付や時刻に応じて検出信号を補正するための補正データとして用いるようにしてもよい。
【0251】
同様に、身体センサ系10からの正常な検出信号がある程度蓄積された時点で、それらの検出信号を基に、室内環境によって運転者の身体情報に生じる変化の傾向を解析し、その解析した傾向を、その運転者固有の、室内環境に応じて検出信号を補正するための補正データとして用いるようにしてもよい。
【0252】
また、本実施形態のように、季節や時間帯によって、或は、運転者のいる室内の環境によって、身体センサ系10からの正常な検出信号を補正する代わりに、季節や時間帯によって、或は、運転者のいる室内の環境によって、運転者の健康状態についての判定基準とする健康状態判定基準データを、パラメータ毎に補正するようにしてもよい。
【0253】
さらに、コントローラ60の電源スイッチを投入した際に、リーダライタ68によるICメモリカード80からの個人判定基準データや個人データの読み出しがなされた場合に、その中の性別や年齢に対応するNVM63のテーブルの判定基準値が、健康状態判定基準データとして設定されるようにするための構成は、省略してもよい。
【0254】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、性別や年齢層によって身体情報に特徴がある場合に、その特徴を加味して判定基準値を設定し、それによって、健康状態が正常であると推定できるか否かの判定精度を一層向上させることができるので、有利である。
【0255】
尚、図13(a),(b)と図14(a),(b)とを比較してみても分かるように、男女の性別が異なると、日中の血圧が互いに異なるパターンで推移する傾向があり、また、図15(a),(b)や図16(a),(b)と図17(a),(b)とを比較してみても分かるように、男女共に年齢層が異なると、日中の血圧が互いに異なるパターンで推移する傾向がある。
【0256】
そこで、本実施形態のように、コントローラ60の電源スイッチを投入した際にリーダライタ68によってICメモリカード80から読み出された、個人判定基準データや個人データの中の性別や年齢に応じて、NVM63の性別や年齢層別の判定基準値のテーブルを選択する代わりに、個人判定基準データや個人データの中の性別や年齢に対応する血圧の推移のパターンを考慮して、現在時刻に応じた血圧センサの検出値の補正を行うように構成してもよい。
【0257】
また、本実施形態の安全監視システム1によれば、身体センサ系10からの検出信号を基に、運転者の健康状態が正常であると推定できるか否かを判定し、運転者の健康状態が正常であると推定できない場合に、第1乃至第3パターンによる警報を、ディスプレイ66による文字表示やスピーカ67による音声出力の形態で行う構成とした。
【0258】
このため、運転者に対して自身の健康状態に対する注意、即ち、通院の必要性等を自覚させ、かつ、健康状態が運転に及ぼす影響に対する注意を喚起させて、車両の安全運転の維持を図ることができる。
【0259】
尚、運転者の健康状態が正常であると推定できない場合に、その上、車両が危険な状態であり、しかもその危険度が比較的高いと判定したら、その時点で車両の危険回避動作の実行を予告する第3パターンによる警報を出力し、この第3パターンによる警報の出力時点から一定時間が経過するまでの間に、確認スイッチ69の操作がないと、車両を停車させる危険回避動作を実行するようにするための構成は、省略してもよい。
【0260】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、健康状態が正常であると推定できない運転者が、そのような状態であることを無視して運転を続けている状態や、確認スイッチ69の操作による警報の確認動作ができないほど意識のない状態であること等を把握し、そのような安全運転の維持を図ることが必ずしも保証されないような状況で車両が運転され続けてしまうのを、危険回避動作の実行により防ぐことができるので、有利である。
【0261】
また、上述した第3パターンの警報中に、車両を停車させる危険回避動作の実行を予告する内容を含めさせるための構成は、省略してもよい。
【0262】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、危険な状態にあるまま車両が運転され続けてしまうのを防ぐために、危険回避動作を実行する場合、その旨を運転者に車内で警報することで、運転者が全く予期しない状況で唐突に危険回避動作が実行されることがないようにして、これにより、健康状態が正常であると推定できない運転者に状況把握能力の鈍化が見られていたとしても、驚き等の心理的負担が新たにかかる可能性を低減、或は、なくすことができるので、有利である。
【0263】
さらに、運転者の健康状態が正常であると推定できない場合に、その上、車両が危険な状態であり、しかもその危険度が比較的低いと判定したら、その時点で車両の危険回避動作を指示する内容を含む第2パターンによる警報を出力するようにするための構成は、省略してもよい。
【0264】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、車両の走行状態が危険であるという車両の挙動に現れるような事態が既に発生している場合に、その危険な走行状態を解消させるための運転操作を、健康状態が正常であると推定できない運転者の判断のみに頼らずに的確に指示し、車両がいち早く安全運転状態に復帰するように誘導することができるので、有利である。
【0265】
また、第1乃至第3パターンによる警報出力の開始から一定時間が経過するまでの間に、確認スイッチ69が操作されないと、携帯電話40を使って車両の外部の特定箇所に、警報に対する運転者の確認がない旨を示す未確認通知データが伝送されるようにするための構成は、省略してもよい。
【0266】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、健康状態が正常であると推定できない運転者が、そのような状態であることを無視して運転を続けている状態や、確認スイッチ69の操作による警報の確認動作ができないほど意識のない状態であること等を、車両から離れた特定箇所、例えば、かかりつけの医者がいる病医院や勤務先において、医者や勤務先の担当者等に確認させるすることができるので、有利である。
【0267】
しかも、本実施形態のようにこの構成を設ければ、未確認通知データを受けたかかりつけの医者がいる病医院や勤務先側から、携帯電話40に電話をかける等して、運転者に運転を中止し通院するように、或は、帰社するように、といった指示を送ることもできるようになるので、有利である。
【0268】
さらに、上述したように、第1乃至第3パターンによる警報出力の開始から一定時間が経過するまでの間に、確認スイッチ69が操作されないと、未確認通知データが伝送されるようにする構成に代えて、第1乃至第3パターンによる警報出力の開始から一定時間が経過するまでの間に、確認スイッチ69が操作されると、警報に対する運転者の確認があった旨を示す確認通知データが伝送されるようにするための構成を設けてもよい。
【0269】
また、第1乃至第3パターンによる警報出力の開始に伴って、上述した特定箇所に携帯電話40を使って伝送される、出力した警報の内容を示す外部通知データに、GPS受信機35によって割り出された車両の現在位置を含めるようにするための構成は、省略してもよい。
【0270】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、健康状態が正常であると推定できない運転者の運転する車両がいる現在位置に、病医院からかかりつけの医者が出向いて診察したり、或は、勤務先から担当者や交代用の運転者を派遣する等の、必要な対処をその場で実行することができるので、有利である。
【0271】
さらに、第1乃至第3パターンによる警報出力の開始に伴って、上述した特定箇所に携帯電話40を使って外部通知データを伝送するための構成自体についても、省略してもよいが、本実施形態のようにこの構成を設ければ、運転者の健康状態が正常であると推定できないことを、かかりつけの医者がいる病医院や運転者の勤務先に自動的に通知して、診察のためや運転者の交代のための必要な準備や対策を行わせておくことができるので、有利である。
【0272】
尚、上述した外部通知データや未確認通知データの電送に用いる通信手段は、本実施形態のような携帯電話40に限らず、例えば、MCA無線等の他の無線通信手段であってもよいのは勿論のことである。
【0273】
また、本実施形態では、運転者に装着される身体センサ系10からの検出信号を、車両に設けられたコントローラ60側に無線により伝送する構成とし、これにより、身体センサ系10からの検出信号をコントローラ60側に有線で伝送することによって運転者の周囲に配線が存在して運転操作に支障を来してしまう、という事態の発生を防ぐことができるようにした。
【0274】
しかし、上述したような、運転者の運転操作に支障を来すことがないようにすることができるのであれば、身体センサ系10の検出信号を車両センサ系20の検出信号と同様に有線でコントローラ60側に伝送する構成としてもよいことはいうまでもない。
【0275】
さらに、身体センサ系10からの検出信号を基に、運転者に意識障害を起こすような症状の発症の兆候があるか否かを判定し、意識障害を起こすような症状の発症の兆候が運転者にあると判定した場合に、車両を停車させる危険回避動作を実行するようにするための構成は、省略してもよい。
【0276】
しかし、本実施形態のようにこの構成を設ければ、意識障害を起こすような症状の発症の兆候があると判定された運転者によって、安全運転の維持を図ることが必ずしも保証されないような状況のまま車両が運転され続けてしまうのを、即座に防ぐことができるので、有利である。
【0277】
尚、身体センサ系10からの検出信号を基に、意識障害を起こすような症状の発症の兆候が運転者にあると判定した場合や、運転者の健康状態が正常であると推定できないと判定した場合に、運転者がそのような状況であることを、外部の車両や通行人等に、例えば、ハザードランプやヘッドランプの点灯、点滅等により視覚的に報知したり、専用のスピーカクラクションにより聴覚的に報知するようにしてもよい。
【0278】
また、本実施形態の安全監視システム1では、車両センサ系20からの検出信号やオートクルーズスイッチ70のオンオフ状態を基に、車両の走行状態に異常があるか否かを確認し、走行状態に異常があると確認された際に、第2パターン又は第3パターンによる警報出力や車両の危険回避動作を行う構成とした。
【0279】
しかし、これに代えて、車両センサ系20の速度センサの検出信号を基にして確認される車両が走行しているか否かによって、車両が危険な状態であるか否かを判定し、車両が走行中である場合に、車両が危険な状態であるものとして第2パターン又は第3パターンによる警報出力や車両の危険回避動作を実行させ、車両が走行中でない場合には、車両が危険な状態にないものとして第1パターンによる警報出力のみを行う構成としてもよい。
【0280】
そして、仮にこのように構成する場合には、ROM61cに格納された制御プログラムに従いCPU61aが行う処理のうち警報出力処理が、図9に示した内容から、図22にサブルーチンのフローチャートで示す内容に変更される。
【0281】
即ち、ステップS11aにおける警報フラグF3が「0」であるか否かの確認において、警報フラグF3が「0」でない場合(N)に、車両が危険な状態であるか否かを確認する代わりに、車両センサ系20の速度センサの検出信号を基に車両が走行中であるか否かを確認し(ステップS11B)、走行中でない場合は(ステップS11BでN)、ステップS11dに進み、走行中である場合は(ステップS11BでY)、ステップS11fに進んで、その後のステップS11d乃至ステップS11rは、車両が危険な状態であるか否かを確認する場合と全く同様の処理を行う。
【0282】
尚、この場合には、図22のフローチャートにおけるステップS11Bが請求項中の危険回避動作実行判定手段61Tに対応する処理となり、また、この場合には、オートクルーズスイッチ70のオンオフ状態をコントローラ60のマイコン61により監視する必要はなくなる。
【0283】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、車両を運転する運転者の、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報を監視し、該監視した身体情報と、予め定められた、前記パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す判定基準に合致しているか否かによって、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するに当たり、前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を蓄積し、前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を所定の複数回分蓄積した時点で、該所定の複数回分蓄積した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した第2判定基準を決定し、前記第2判定基準の決定後は、該第2判定基準と前記監視した身体情報とを基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした。
【0284】
また、請求項13に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、車両を運転する運転者の、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報を監視し、該監視した身体情報が、予め定められた、前記パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す判定基準に合致しているか否かによって、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定し管理する装置であって、前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報が記憶される情報記憶手段と、前記情報記憶手段に前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を記憶させる過去情報記憶実行手段と、前記情報記憶手段に記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報が所定の複数回分に達した時点で、前記情報記憶手段に前記所定の複数回分記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するための第2判定基準を設定する判定基準設定手段と、前記予め定められた判定基準を前記判定基準設定手段の設定した前記第2判定基準に変更する判定基準変更手段とを備える構成とした。
【0285】
このため、運転者の監視した、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報が所定の複数回分蓄積されて、その所定の複数回分蓄積されたパラメータについての身体情報を基に、予め定められた判定基準を構成するパラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した第2判定基準が決定されると、車両を運転する運転者の健康状態が正常であるか否かの判定が、この第2判定基準を基になされるので、運転者の監視した身体情報を所定の複数回分蓄積することによって、運転者固有の身体情報に関する特徴を加味して健康状態が正常であるか否かを、精度良く判定、把握することができる。
【0286】
さらに、請求項2に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記第2判定基準の決定後における前記監視した過去の身体情報を所定の複数回分蓄積した時点で、該所定の複数回分蓄積した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新することで、前記第2判定基準を補正するようにした。
【0287】
また、請求項14に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記判定基準設定手段による前記第2判定基準の設定後における前記監視した過去の身体情報が所定の複数回分前記情報記憶手段に記憶された時点で、該情報記憶手段に所定の複数回分記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新することで、前記第2判定基準を補正する判定基準補正手段をさらに備える構成とした。
【0288】
このため、請求項1に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、所定の複数回分蓄積された運転者の過去のパラメータについての身体情報により決定した第2判定基準が、その後に監視した運転者の身体情報によって随時補正されるので、健康状態が正常であるか否かを判定するための基準に、運転者固有の身体情報に関する特徴をより一層反映させることができる。
【0292】
また、請求項3に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記車両の室内環境を監視し、前記監視した身体情報を当該監視時点における前記車両の室内環境に応じて補正し、当該補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした。
【0293】
さらに、請求項15に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記車両の室内環境を監視する室内環境監視手段と、該室内環境監視手段の監視結果を基に前記監視した身体情報を補正する身体情報補正手段とをさらに備え、該身体情報補正手段による補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かが判定される構成とした。
【0294】
このため、請求項1又は2記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、運転者のいる室内の環境に変動があり、その変動が運転者の身体情報に変化をもたらす場合であっても、そのような身体情報の変化が、健康状態が正常であるか否かの判定に影響して、判定の正確度が変化してしまうのを防ぐことができる。
【0295】
また、請求項4に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記監視した身体情報を当該監視時点における暦及び時刻のうち少なくとも一方に応じて補正し、当該補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした。
【0296】
さらに、請求項16に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、暦及び時刻のうち少なくとも一方をカレンダ情報として管理するカレンダ情報管理手段と、前記監視した身体情報を、当該監視時点において前記カレンダ情報管理手段が管理している前記カレンダ情報に応じて補正する身体情報カレンダ補正手段とをさらに備え、該身体情報カレンダ補正手段による補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かが判定される構成とした。
【0297】
このため、請求項1、2又は3記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、季節や時間帯によって運転者の身体情報に規則的な変化が生じる場合であっても、そのような身体情報の変化が、健康状態が正常であるか否かの判定に影響して、判定の正確度が変化してしまうのを防ぐことができる。
【0298】
また、請求項5に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、当該判定結果を前記運転者に報知する警報を前記車内で出力するようにした。
【0299】
さらに、請求項17に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果を前記運転者に報知する警報を前記車内において出力する警報出力手段をさらに備える構成とした。
【0300】
このため、請求項1、2、3又は4記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、運転者の健康状態が正常でない旨を運転者に車内で警報することで、健康状態に対する注意、即ち、通院の必要性等を自覚させ、かつ、健康状態が運転に及ぼす影響に対する注意を喚起させて、車両の安全運転の維持を図ることができる。
【0301】
また、請求項6に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記警報の出力後に該警報を前記運転者に確認させ、該運転者による前記警報の確認がない場合に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行するようにした。
【0302】
さらに、請求項18に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記運転者により操作され、前記警報出力手段により出力された前記警報を確認したことが入力される警報確認手段と、該警報確認手段の前記運転者による操作を検出する確認操作検出手段と、前記警報出力手段による前記警報の出力から所定時間が経過するまでの間に前記警報確認手段の前記運転者による操作を前記確認操作検出手段が検出しなかった場合に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行する危険回避動作実行手段とをさらに備える構成とした。
【0303】
このため、請求項5に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、運転者の健康状態が正常でないと判定され、その旨の警報が車内で出力された場合に、運転者による警報の確認がないことにより、運転者が警報を認識できない状況や警報を無視している状況を把握し、そのような安全運転の維持を図ることが必ずしも保証されないような状況で、車両が運転され続けてしまうのを防ぐことができる。
【0304】
また、請求項7に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、当該判定結果を前記車両の外部の所定箇所に無線で通知するようにした。
【0305】
さらに、請求項19に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果を前記車両の外部の所定箇所に無線により通知させる外部通知手段をさらに備える構成とした。
【0306】
このため、請求項1、2、3、4、5又は6記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、例えば、かかりつけの医者がいる病医院や運転者の勤務先を、車両の外部の所定箇所をとしておくことにより、かかりつけの医者や勤務先の人員に、運転者の健康状態が正常でないと判定されたことを自動的に通知し、必要な準備や対策を行わせておくことができる。
【0307】
また、請求項8に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記車両の現在位置を併せて前記所定箇所に無線で通知するようにした。
【0308】
さらに、請求項20に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記車両の現在位置を検出する現在位置検出手段をさらに備え、前記外部通知手段が、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果に加えて前記現在位置検出手段が検出した前記車両の現在位置を通知させる構成とした。
【0309】
このため、請求項7に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、所定箇所に車両の現在位置を併せて通知することで、例えば、健康状態が正常でないと判定された運転者の運転する車両に所定箇所から出向かせ、必要な対処をその場で実行させることができる。
【0310】
また、請求項9に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記警報の出力後に該警報を前記運転者に確認させ、該運転者による前記警報の確認がなされたこと及び前記運転者による前記警報の確認がなされていないことのうち少なくとも一方を、前記車両の外部の所定箇所に無線で通知するようにした。
【0311】
さらに、請求項21に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記運転者により操作され、前記警報出力手段により出力された前記警報を確認したことが入力される警報確認手段と、該警報確認手段の前記運転者による操作を検出する確認操作検出手段と、前記警報出力手段による前記警報の出力から所定時間が経過するまでの間に前記警報確認手段の前記運転者による操作を前記確認操作検出手段が検出したか否かを、前記車両の外部の所定箇所に無線で通知する警報確認結果通知手段とをさらに備える構成とした。
【0312】
このため、請求項4、5、6、7又は8記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、運転者の健康状態が正常でないと判定され、その旨の警報が車内で出力された場合に、運転者による警報の確認がないことにより、運転者が警報を認識できない状況や警報を無視している状況を把握し、そのような状況であることを車両から離れた所定箇所において確認させることができる。
【0313】
また、請求項10に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行するようにした。
【0314】
さらに、請求項22に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行する第2危険回避動作実行手段をさらに備える構成とした。
【0315】
このため、請求項1、2、3、4又は5記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、健康状態が正常でないと判定された運転者によって、安全運転の維持を図ることが必ずしも保証されないような状況のまま車両が運転され続けてしまうのを、即座に防ぐことができる。
【0316】
また、請求項11に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、前記車両の走行状態を監視し、当該監視した前記車両の走行状態を基に、該車両の走行状態が危険であるか否かを判定し、前記車両の走行状態が危険であると判定された場合に、前記運転者に健康状態が正常でないとの判定結果を報知する前記警報の内容に、前記車両の運転操作に関する指示を報知する内容を加えるようにした。
【0317】
さらに、請求項23に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記車両の走行状態を監視する車両状態監視手段と、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、前記車両状態監視手段の監視結果を基に、該車両の走行状態が危険であるか否かを判定する車両危険状態判定手段と、前記車両の走行状態が危険であると前記車両危険状態判定手段が判定した場合に、前記警報出力手段が出力する前記警報の内容に、前記車両の運転操作に関する指示を報知する内容を加える警報内容付加手段とをさらに備える構成とした。
【0318】
このため、請求項1、2、3、4又は5記載の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、車両の走行状態が危険であるという車両の挙動に現れるような事態が既に発生している場合に、その危険な走行状態を解消させるための運転操作を、健康状態が正常でないと判定された運転者の判断のみに頼らずに的確に指示し、車両がいち早く安全運転状態に復帰するように誘導することができる。
【0319】
また、請求項12に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法によれば、前記車両の走行状態が危険であると判定された場合、前記車両の走行状態を監視した結果を基に、該車両を停止させる危険回避動作の実行の要否を判定し、該危険回避動作の実行を要すると判定された場合に、前記警報出力手段が出力する前記警報の内容に、前記危険回避動作の実行を報知する内容をさらに加えるようにした。
【0320】
さらに、請求項24に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記車両状態監視手段の監視結果を基に、前記車両危険状態判定手段が危険であると判定した前記車両の走行状態が、該車両を停車させる危険回避動作の実行を要する状態であるか否かを判定する危険回避動作実行判定手段と、前記車両の走行状態が前記危険回避動作の実行を要する状態であると前記危険回避動作実行判定手段が判定した場合に、前記警報の内容に、前記危険回避動作の実行を報知する内容をさらに加える第2警報内容付加手段とをさらに備える構成とした。
【0321】
このため、請求項11に記載した本発明の車両運転者健康状態判定方法について上述した効果に加えて、車両の走行状態が危険であるまま車両が運転され続けてしまうのを防ぐために、危険回避動作を実行する場合、その旨を運転者に車内で警報することで、運転者が全く予期しない状況で唐突に危険回避動作が実行されることがないようにして、これにより、健康状態が正常でないと判定された運転者に状況把握能力の鈍化が見られていたとしても、驚き等の心理的負担が新たにかかる可能性を低減、或は、なくすことができる。
【0322】
また、請求項25に記載した本発明の車両運転者健康状態判定装置によれば、前記身体情報の監視が前記運転者に装着される身体情報監視手段を用いて行われ、前記運転者の健康状態が正常であるか否かの判定が前記車両に設けられた健康状態判定手段により行われ、前記身体情報監視手段から前記健康状態判定手段への前記身体情報の受け渡しを行う無線通信手段をさらに備える構成とした。
【0324】
このため、運転者に装着される身体情報監視手段による運転者の身体情報の監視結果が、車両に設けられた健康状態判定手段に対して無線通信手段によって無線により受け渡されることになり、したがって、この監視結果の受け渡しを有線で行うことにより運転者の周囲に配線が存在して運転操作に支障を来してしまう、という事態の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両運転者健康状態判定装置の基本構成図である。
【図2】 本発明の車両運転者健康状態判定装置の基本構成図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る車両運転者用健康状態判定装置と、本発明の一実施形態に係る車両運転者健康状態管理装置とを適用した安全監視システムの電気的な概略構成を示すブロック図である。
【図4】 図3のマイクロコンピュータのROMに格納された制御プログラムに従いCPUが行う処理を示すメインルーチンのフローチャートである。
【図5】 図4の判定基準データ設定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図6】 図4の身体情報収集処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図7】 図4の判定基準補正処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図8】 図4の健康状態管理処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図9】 図4の警報出力処理の一例を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図10】 図4の外部通知処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図11】 図4の警報確認処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図12】 図4の危険回避処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図13】 男性60人についての血圧分布を示すもので、(a)最大血圧の説明図、(b)は最小血圧の説明図である。
【図14】 女性34人についての血圧分布を示すもので、(a)最大血圧の説明図、(b)は最小血圧の説明図である。
【図15】 40歳から59歳の男性52人についての血圧分布を示すもので、(a)最大血圧の説明図、(b)は最小血圧の説明図である。
【図16】 40歳から59歳の女性52人についての血圧分布を示すもので、(a)最大血圧の説明図、(b)は最小血圧の説明図である。
【図17】 60歳から89歳の男女102人についての血圧分布を示すもので、(a)最大血圧の説明図、(b)は最小血圧の説明図である。
【図18】 血圧の季節による変動パターンを示す説明図である。
【図19】 血圧と心拍数との時間による変動パターンを示す説明図である。
【図20】 体温の時間による変動パターンを示す説明図である。
【図21】 健康な状態における心電波形の一例を示す波形図である。
【図22】 図4の警報出力処理の他の例を示すサブルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 身体情報監視手段
20 車両状態監視手段
30 室内環境監視手段
35 現在位置検出手段
61 マイクロコンピュータ
61a CPU
61b RAM
61c ROM
61A 過去情報記憶実行手段
61B 判定基準設定手段
61C 判定基準変更手段
61D 判定基準補正手
1F 身体情報環境補正手段
61G 身体情報カレンダ補正手段
61H 警報出力手段
61J 確認操作検出手段
61K 危険回避動作実行手段
61M 外部通知手段
61N 警報確認結果通知手段
61P 第2危険回避動作実行手段
61R 車両危険状態判定手段
61S 警報内容付加手段
61T 危険回避動作実行判定手段
61V 第2警報内容付加手段
61W 健康状態判定手段
61bA 情報記憶手段
64 カレンダ情報管理手段
69 警報確認手段
A 無線通信手段

Claims (25)

  1. 車両を運転する運転者の、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報を監視し、該監視した身体情報が、予め定められた、前記パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す判定基準に合致しているか否かによって、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するに当たり、
    前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を蓄積し、
    前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を所定の複数回分蓄積した時点で、該所定の複数回分蓄積した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した第2判定基準を決定し、
    前記第2判定基準の決定後は、該第2判定基準と前記監視した身体情報とを基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした、
    ことを特徴とする車両運転者健康状態判定方法。
  2. 前記第2判定基準の決定後における前記監視した過去の身体情報を所定の複数回分蓄積した時点で、該所定の複数回分蓄積した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新することで、前記第2判定基準を補正するようにした請求項1記載の車両運転者健康状態判定方法。
  3. 前記車両の室内環境を監視し、前記監視した身体情報を当該監視時点における前記車両の室内環境に応じて補正し、当該補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした請求項1又は2記載の車両運転者健康状態判定方法。
  4. 前記監視した身体情報を当該監視時点における暦及び時刻のうち少なくとも一方に応じて補正し、当該補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するようにした請求項1、2又は3記載の車両運転者健康状態判定方法。
  5. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、当該判定結果を前記運転者に報知する警報を前記車内で出力するようにした請求項1、2、3又は4記載の車両運転者健康状態判定方法。
  6. 前記警報の出力後に該警報を前記運転者に確認させ、該運転者による前記警報の確認がない場合に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行するようにした請求項5記載の車両運転者健康状態判定方法。
  7. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、当該判定結果を前記車両の外部の所定箇所に無線で通知するようにした請求項1、2、3、4、5又は6記載の車両運転者健康状態判定方法。
  8. 前記車両の現在位置を併せて前記所定箇所に無線で通知するようにした請求項7記載の車両運転者健康状態判定方法。
  9. 前記警報の出力後に該警報を前記運転者に確認させ、該運転者による前記警報の確認がなされたこと及び前記運転者による前記警報の確認がなされていないことのうち少なくとも一方を、前記車両の外部の所定箇所に無線で通知するようにした請求項4、5、6、7又は8記載の車両運転者健康状態判定方法。
  10. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行するようにした請求項1、2、3、4又は5記載の車両運転者健康状態判定方法。
  11. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定した際に、前記車両の走行状態を監視し、当該監視した前記車両の走行状態を基に、該車両の走行状態が危険であるか否かを判定し、前記車両の走行状態が危険であると判定された場合には、前記運転者に健康状態が正常でないとの判定結果を報知する前記警報の内容に、前記車両の運転操作に関する指示を報知する内容を加えるようにした請求項1、2、3、4又は5記載の車両運転者健康状態判定方法。
  12. 前記車両の走行状態が危険であると判定された場合、前記車両の走行状態を監視した結果を基に、該車両を停止させる危険回避動作の実行の要否を判定し、該危険回避動作の実行を要すると判定された場合には、前記警報の内容に、前記危険回避動作の実行を報知する内容をさらに加えるようにした請求項11記載の車両運転者健康状態判定方法。
  13. 車両を運転する運転者の、健康状態が正常であるか否かを判定するためのパラメータについての身体情報を監視し、該監視した身体情報が、予め定められた、前記パラメータについての正常状態における値やその範囲を示す判定基準に合致しているか否かによって、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定し管理する装置であって、
    前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報が記憶される情報記憶手段と、
    前記情報記憶手段に前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を記憶させる過去情報記憶実行手段と、
    前記情報記憶手段に記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報が所定の複数回分に達した時点で、前記情報記憶手段に前記所定の複数回分記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新した、前記運転者の健康状態が正常であるか否かを判定するための第2判定基準を設定する判定基準設定手段と、
    前記予め定められた判定基準を前記判定基準設定手段の設定した前記第2判定基準に変更する判定基準変更手段とを備える、
    ことを特徴とする車両運転者健康状態判定装置。
  14. 前記判定基準設定手段による前記第2判定基準の設定後における前記監視した過去の身体情報が所定の複数回分前記情報記憶手段に記憶された時点で、該情報記憶手段に所定の複数回分記憶された前記監視した過去の前記パラメータについての身体情報を基に、前記予め定められた判定基準を構成する前記パラメータについての正常状態における値やその範囲の内容を更新することで、前記第2判定基準を補正する判定基準補正手段をさらに備える請求項14記載の車両運転者健康状態判定装置。
  15. 前記車両の室内環境を監視する室内環境監視手段と、該室内環境監視手段の監視結果を基に前記監視した身体情報を補正する身体情報環境補正手段とをさらに備え、該身体情報環境補正手段による補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かが判定される請求項13又は14記載の車両運転者健康状態判定装置。
  16. 暦及び時刻のうち少なくとも一方をカレンダ情報として管理するカレンダ情報管理手段と、前記監視した身体情報を、当該監視時点において前記カレンダ情報管理手段が管理している前記カレンダ情報に応じて補正する身体情報カレンダ補正手段とをさらに備え、該身体情報カレンダ補正手段による補正後の前記監視した身体情報を基に、前記運転者の健康状態が正常であるか否かが判定される請求項13、14又は15記載の車両運転者健康状態判定装置。
  17. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果を前記運転者に報知する警報を前記車内において出力する警報出力手段をさらに備える請求項13、14、15又は16記載の車両運転者健康状態判定装置。
  18. 前記運転者により操作され、前記警報出力手段により出力された前記警報を確認したことが入力される警報確認手段と、該警報確認手段の前記運転者による操作を検出する確認操作検出手段と、前記警報出力手段による前記警報の出力から所定時間が経過するまでの間に前記警報確認手段の前記運転者による操作を前記確認操作検出手段が検出しなかった場合に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行する危険回避動作実行手段とをさらに備える請求項17記載の車両運転者健康状態判定装置。
  19. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果を前記車両の外部の所定箇所に無線により通知させる外部通知手段をさらに備える請求 項13、14、15、16、17又は18記載の車両運転者健康状態判定装置。
  20. 前記車両の現在位置を検出する現在位置検出手段をさらに備え、前記外部通知手段は、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、当該判定結果に加えて前記現在位置検出手段が検出した前記車両の現在位置を通知させる請求項19記載の車両運転者健康状態判定装置。
  21. 前記運転者により操作され、前記警報出力手段により出力された前記警報を確認したことが入力される警報確認手段と、該警報確認手段の前記運転者による操作を検出する確認操作検出手段と、前記警報出力手段による前記警報の出力から所定時間が経過するまでの間に前記警報確認手段の前記運転者による操作を前記確認操作検出手段が検出したか否かを、前記車両の外部の所定箇所に無線で通知する警報確認結果通知手段とをさらに備える請求項19又は20記載の車両運転者健康状態判定装置。
  22. 前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、前記車両を停車させる危険回避動作を実行する第2危険回避動作実行手段をさらに備える請求項13、14、15、16又は17記載の車両運転者健康状態判定装置。
  23. 前記車両の走行状態を監視する車両状態監視手段と、前記運転者の健康状態が正常でないと判定された際に、前記車両状態監視手段の監視結果を基に、該車両の走行状態が危険であるか否かを判定する車両危険状態判定手段と、前記車両の走行状態が危険であると前記車両危険状態判定手段が判定した場合に、前記警報出力手段が出力する前記警報の内容に、前記車両の運転操作に関する指示を報知する内容を加える警報内容付加手段とをさらに備える請求項13、14、15、16又は17記載の車両運転者健康状態判定装置。
  24. 前記車両状態監視手段の監視結果を基に、前記車両危険状態判定手段が危険であると判定した前記車両の走行状態が、該車両を停車させる危険回避動作の実行を要する状態であるか否かを判定する危険回避動作実行判定手段と、前記車両の走行状態が前記危険回避動作の実行を要する状態であると前記危険回避動作実行判定手段が判定した場合に、前記警報出力手段が出力する前記警報の内容に、前記危険回避動作の実行を報知する内容をさらに加える第2警報内容付加手段とをさらに備える請求項23記載の車両運転者健康状態判定装置。
  25. 前記身体情報の監視は前記運転者に装着される身体情報監視手段を用いて行われ、前記運転者の健康状態が正常であるか否かの判定は前記車両に設けられた健康状態判定手段により行われ、前記身体情報監視手段から前記健康状態判定手段への前記身体情報の受け渡しを行う無線通信手段をさらに備える請求項13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23又は24記載の車両運転者健康状態判定装置。
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