JP3393463B2 - 車両運転状態検出装置 - Google Patents

車両運転状態検出装置

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JP3393463B2
JP3393463B2 JP13613496A JP13613496A JP3393463B2 JP 3393463 B2 JP3393463 B2 JP 3393463B2 JP 13613496 A JP13613496 A JP 13613496A JP 13613496 A JP13613496 A JP 13613496A JP 3393463 B2 JP3393463 B2 JP 3393463B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W40/00Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models
    • B60W40/08Estimation or calculation of non-directly measurable driving parameters for road vehicle drive control systems not related to the control of a particular sub unit, e.g. by using mathematical models related to drivers or passengers
    • B60W40/09Driving style or behaviour

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行中の車両の運
転者の運転状態を検出する車両運転状態検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、道路網の著しい発達によって自動
車のもつ移動能力が大幅に向上することでその行動半径
が拡大すると共に、生活の安定と余暇の増加によって家
族のレジャー指向が強くなり、また、日常生活の中でも
自動車を運転する機会が増えてきている。この自動車の
運転走行に際して運転者は常に安定した心身の健康が望
まれるが、一般に、運転者は自己の体調不良を自覚しな
がらもほとんどの場合、これを軽視してハンドルを握る
傾向にある。自動車の運転は自己の体調にあった適正な
範囲で行うことが望ましいが、自己の体調不良は本人が
気づかずについつい無理してしまう場合もある。車両を
長時間休みなく連続して運転すると、運転者に疲労が蓄
積して健康状態が悪化し、集中力が低下する。
【0003】そのため、従来、疲労運転や居眠り運転な
どを防止するために、車両に警報装置を設けるようにし
たものが各種提案されている。例えば、運転開始からの
累積時間を継続して計測し、一定時間を越えたら警報を
発して運転者に休憩を促すようにしたものや、ある時間
間隔で運転者に応答を求める信号を与え、運転者の応答
時間の適否によって覚醒度の低下を判定して警報を与え
るようにしたものがある。
【0004】また、自己の体調による運転状態を監視し
て適正運転限界を越えたときには運転者にこれを知らせ
ることによって事故を未然に防ぐことが考えられてお
り、例えば、人間の心臓の心拍数が運転強度や精神的な
緊張あるいは恐怖感などに応じて増減することを適用
し、運転者に直接心拍数センサを装着したり、心拍数セ
ンサをステアリングホイールに装着したりし、この心拍
数センサによって車両を運転中の運転者の心拍数を検出
し、この心拍数の周期を順次演算、変換し、その数値が
許容範囲内にあるか否かを判定することにより運転者の
覚醒度を判定するものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の装置において、運転開始からの累積時間によって警
報を発して運転者に休憩を促すようにしたものにあって
は、警報が一定時間ごとに発せられるため、居眠り警報
装置としては不十分である。即ち、疲労の蓄積度は個人
個人異なるものであり、運転者が疲労しているのに警報
が発せられなかったり、疲労していないのに警報が発せ
られることがある。そのため、市街地やカーブ走行時な
どの運転者が神経を集中しなければならないときや覚醒
度が低下していないときに警報が発せられて運転者にと
っては煩わしいという問題がある。また、ある時間間隔
で運転者に与えられた信号に対する運転者の応答時間の
適否によって警報を与えるようにしたものにあっても、
前述と同様に、運転者が疲労しているのに警報が発せら
れなかったり、疲労していないのに警報が発せられてそ
の応答が煩わしいという問題がある。
【0006】また、心拍数センサによって運転中の運転
者の心拍数を検出し、この検出した心拍数データに基づ
いて覚醒度を判定するものにおいて、この心拍数センサ
を運転者に直接装着するものにあっては、運転者が車両
を運転するたびにこのセンサを装着しなければならず、
操作が面倒であるという問題がある。一方、心拍数セン
サをステアリングホイールに装着したものにあっては、
運転者がステアリングホイールの所定の位置を握らなけ
ればならないが、運転者が居眠り状態となった場合、手
の握力も低下してステアリングホイールからも手を離し
てしまって運転者の心拍数を正確に検出することができ
ない虞がある。
【0007】ところで、運転者の操舵角情報に基づいて
覚醒度を判定するものとして、例えば、特開平4−12
2242号公報、あるいは、特開平5−58192号公
報に開示されたものがある。特開平4−122242号
公報に開示されたものは、ステアリングの角速度を示す
信号のパルス間隔を判定してステアリング操作間隔を求
め、このステアリング操作間隔が長い場合に、運転者の
覚醒度が低下したと判断するものである。しかし、ステ
アリング操作間隔には個人差が生ずるものであり、運転
者に適した判定を行うことができず、誤判定を起こす虞
がある。
【0008】また、特開平5−58192号公報に開示
されたものは、操舵角から特定の周波数成分を抽出し、
この抽出した周波数成分に基づいて運転者の覚醒度の低
下を検出するものである。しかし、操舵角から特定の周
波数成分を抽出するのに、高速フーリエ変換などの複雑
な処理を行う必要があり、高価な検出装置が必要となっ
てしまう。
【0009】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、運転者の運転リズムを的確に推測して運転者に
よる車両の運転状態を判定することのできる車両運転状
態検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明の車両運転状態検出装置は、走行中
の車両の操舵角を検出する操舵角センサと、該操舵角セ
ンサによって検出された操舵角から所定時間内の操舵角
速度の分散を算出する操舵角速度分散演算手段と、前記
操舵角センサによって検出された操舵角から所定時間内
の操舵操作頻度を算出する操舵操作頻度演算手段と、
記操舵角速度分散演算手段によって算出された初期運転
時における操舵角速度分散に基づいて所定経過時間ごと
に操舵角速度分散の平均値を算出して該操舵角速度分散
平均値のバラツキが所定範囲以内となったときに該操舵
角速度分散平均値を操舵角速度分散基準値に設定する操
舵角速度分散基準値算出手段と、前記操舵操作頻度演算
手段によって算出された初期運転時における操舵操作頻
度に基づいて所定経過時間ごとに操舵操作頻度の平均値
を算出して該操舵操作頻度平均値のバラツキが所定範囲
以内となったときに 該操舵操作頻度平均値を操舵操作頻
度基準値に設定する操舵操作頻度基準値演算手段と、
記操舵角速度分散演算手段によって算出された操舵角速
度分散及び前記操舵操作頻度演算手段によって算出され
た操舵操作頻度と前記操舵角速度分散基準値算出手段が
設定した操舵角速度分散基準値及び前記操舵操作頻度基
準値演算手段が設定した操舵操作頻度基準値とを比較し
て運転者の運転状態の低下を判定する運転状態判定手段
とを具えたことを特徴とするものである。
【0011】従って、操舵角センサが走行中の車両の操
舵角を検出し、操舵角速度分散演算手段はこの操舵角セ
ンサによって検出された操舵角から所定時間内の操舵角
速度の分散を算出する一方、操舵操作頻度演算手段はこ
の操舵角から所定時間内の操舵操作頻度を算出し、
た、操舵角速度分散基準値算出手段は初期運転時におけ
る操舵角速度分散に基づいて操舵角速度分散平均値のバ
ラツキが所定範囲以内となったときに操舵角速度分散基
準値を設定する一方、操舵操作頻度基準値演算手段は初
期運転時における操舵操作頻度に基づいて操舵操作頻度
平均値のバラツキが所定範囲以内となったときに操舵操
作頻度基準値に設定し、運転状態判定手段は算出された
操舵角速度分散及び操舵操作頻度を操舵角速度分散基準
値及び操舵操作頻度基準値と比較して運転者の運転状態
の低下を判定することとなり、運転者の運転状態の低下
が各運転者に応じて高精度に判定される。
【0012】また、請求項2の発明の車両運転状態検出
装置は、走行中の車両の操舵角を検出する操舵角センサ
と、該操舵角センサによって検出された操舵角から所定
時間内の操舵角速度の分散を算出する操舵角速度分散演
算手段と、前記操舵角センサによって検出された操舵角
から所定時間内の操舵操作頻度を算出する操舵操作頻度
演算手段と、前記操舵角速度分散演算手段によって算出
された初期運転時における所定時間内の操舵角速度分散
に基づいて操舵角速度分散基準値を算出する操舵角速度
分散基準値演算手段と、前記操舵操作頻度演算手段によ
って算出された初期運転時における所定時間内の操舵操
作頻度に基づいて操舵操作頻度基準値を演算する操舵操
作頻度基準値演算手段と、前記操舵角速度分散演算手段
によって算出された現在の操舵角速度分散及び前記操舵
操作頻度演算手段によって算出さ れた操舵操作頻度と前
記操舵角速度分散基準値演算手段によって算出された操
舵角速度分散基準値及び前記操舵操作頻度基準値演算手
段によって算出された操舵操作頻度基準値との差の合計
に基づいて運転リズム変調度を算出する運転リズム変調
度演算手段と、該運転リズム変調度演算手段によって算
出された運転リズム変調度と予め設定された運転リズム
変調度基準値とを比較して運転者の運転状態の低下を判
定する運転状態判定手段とを具えたことを特徴とするも
のである。
【0013】従って、操舵角センサが走行中の車両の操
舵角を検出し、操舵角速度分散演算手段はこの操舵角セ
ンサによって検出された操舵角から所定時間内の操舵角
速度の分散を算出する一方、操舵操作頻度演算手段はこ
の操舵角から所定時間内の操舵操作頻度を算出し、ま
た、操舵角速度分散基準値演算手段は初期運転時におけ
る所定時間内の操舵角速度分散に基づいて操舵角速度分
散基準値を算出する一方、操舵操作頻度基準値演算手段
は初期運転時における所定時間内の操舵操作頻度に基づ
いて操舵操作頻度基準値を演算し、運転リズム変調度演
算手段は現在の操舵角速度分散及び操舵操作頻度と操舵
角速度分散基準値及び操舵操作頻度基準値との差の合計
に基づいて運転リズム変調度を算出し、運転状態判定手
段は運転リズム変調度と予め設定された運転リズム変調
度基準値とを比較して運転者の運転状態の低下を判定す
ることとなり、運転者の運転リズムから運転状態変化を
的確に推定できる。
【0014】また、請求項3の発明の車両運転状態検出
装置は、前記運転リズム変調度演算手段は、下記数式4
【数4】 に基づいて前記運転リズム変調度を算出することを特徴
とするものである。
【0015】従って、運転者の運転リズムから運転状態
変化を的確に推定できる。
【0016】また、請求項4の発明の車両運転状態検出
装置は、車両運転開始から現在まで継続する運転時間を
計測する累積運転時間計測手段と、該累積運転時間計測
手段が計測した累積運転時間から下記数式5
【数5】 に基づいて肉体疲労度を演算する肉体疲労度演算手段
と、前記運転リズム変調度演算手段が演算した運転リズ
ム変調度と該肉体疲労度演算手段が演算した肉体疲労度
から下記数式3
【数6】 に基づいて安全運転勧告必要度を算出する安全運転勧告
必要度演算手段とを設け、前記運転状態判定手段は、該
安全運転勧告必要度演算手段によって算出された安全運
転勧告必要度と予め設定された安全運転勧告基準値とを
比較して運転者の運転状態の低下を判定することを特徴
とするものである。
【0017】従って、運転者の肉体疲労度と運転リズム
から安全運転勧告必要度を推定し、安全運転勧告必要度
と予め設定された安全運転勧告基準値とを比較すること
で運転者の運転状態の低下を的確に判定できる。
【0018】また、請求項5の発明の車両運転状態検出
装置は、車両運転開始から現在まで継続する運転時間を
計測する累積運転時間計測手段と、前記運転リズム変調
度と前記累積運転時間とに基づいて安全運転勧告必要度
を算出する安全運転勧告必要度演算手段とを設け、前記
運転状態判定手段は、該安全運転勧告必要度演算手段に
よって算出された安全運転勧告必要度と予め設定された
安全運転勧告基準値とを比較して運転者の運転状態の低
下を判定することを特徴とするものである。
【0019】従って、運転リズム変調度と累積運転時間
とから算出された安全運転勧告必要度と予め設定された
安全運転勧告基準値とを比較して運転者の運転状態の低
下を判定することとなり、車両運転の継続による運転者
の肉体疲労と運転者の運転リズムから運転状態変化から
的確に運転者の運転状態が推定される。
【0020】また、請求項6の発明の車両運転状態検出
装置は、前記運転状態判定手段が運転者の運転状態の低
下を判定したときには、運転者に対して勧告を行うこと
を特徴とするものである。
【0021】従って、運転状態の低下時に運転者に対し
て勧告がなされることで、運転者は自身の運転状態の低
下を確実に認識でき、車両の運転操作を慎重に行った
り、休憩を行ったりすることができる。
【0022】また、請求項7の発明の車両運転状態検出
装置は、前記操舵角速度分散基準値及び前記操舵操作頻
度基準値が、所定時間以上の停車、もしくは、運転席の
ドアの開閉操作によってリセットされることを特徴とす
るものである。
【0023】従って、運転者が交替するために、所定時
間以上停車し、もしくは、運転席のドアが開閉操作され
ると、操舵角速度分散基準値及び操舵操作頻度基準値は
リセットされ、交替した新しい運転者が車両を運転開始
すると、再び、操舵角速度分散基準値及び操舵操作頻度
基準値を演算する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】図1に本発明の第1実施形態に係る車両運
転状態検出装置の概略構成を表すブロック、図2に操舵
角速度分散及び操舵操作頻度の各基準値の設定方法を説
明するマップ、図3に時間の経過と共に変化する運転勧
告必要度を説明するためのグラフ、図4に運転者の車両
運転状態検出及び勧告の処理の流れを表すフローチャー
トを示す。
【0026】本実施形態の車両運転状態検出装置におい
て、図1に示すように、車両のステアリングホイール1
1には操舵角センサ12が装着されており、この操舵角
センサ12はステアリング機構における操舵軸の中立位
置からのずれ(以下、これを操舵角と呼称する。)を検
出するものである。また、車両の速度計13には車速セ
ンサ14が装着されており、この車速センサ14は車両
の走行速度(以下、これを車速と呼称する。)を検出す
るものである。更に、車両には運転時間を計測するカウ
ンタ15が装着されている。そして、この操舵角センサ
12及び車速センサ14、カウンタ15は制御部(以
下、これをECUと呼称する。)16に接続され、検出
した操舵角と車速、時間がこのECUに出力されてい
る。
【0027】このECU16は、操舵角速度分散演算部
21と、操舵操作頻度演算部22と、操舵角速度分散基
準値演算部23と、操舵操作頻度基準値演算部24と、
運転リズム変調度演算部25と、累積運転時間計測部2
6と、肉体疲労度演算部27と、安全運転勧告必要度演
算部28と、運転状態判定部29とを具えている。そし
て、ECU16には運転状態判定部29が運転者の運転
状態の低下を判定したときに運転者に対して勧告を行う
ディスプレイユニット31とスピーカユニット32とが
装着されている。ディスプレイユニット31はダッシュ
ボードにディスプレイを埋設して運転リズム変調のマー
クをフロントウインドウへ透過表示するものである。ま
た、スピーカユニット32は運転リズム変調の音声をイ
ンストルメントパネル内に組み込まれた警報ブザーから
発することで行う。なお、図示しないが、これらの警報
は運転者が解除スイッチを操作することで即座に解除で
きるようになっている。
【0028】ここで、前述したECU16について、詳
細に説明する。操舵角速度分散演算部21は操舵角セン
サ12が検出した操舵角から所定時間、例えば、1分間
の操舵角速度の分散を算出するものである。操舵操作頻
度演算部22は操舵角センサ12が検出した操舵角から
所定時間、例えば、1分間の操舵操作頻度(所定変化量
以上の操舵回数)を算出するものである。操舵角速度分
散基準値演算部23はこの操舵角速度分散演算部21が
算出した初期運転時における1分間の操舵角速度分散を
所定数、例えば、10個取込み、10個の操舵角速度分
散に基づいて操舵角速度分散基準値を算出するものであ
る。また、操舵操作頻度基準値演算部24は操舵操作頻
度演算部22が算出した初期運転時における1分間の操
舵操作頻度を所定数、例えば、10個取込み、10個の
操舵操作頻度に基づいて操舵操作頻度基準値を算出する
ものである。
【0029】そして、この算出した操舵角速度分散基準
値及び操舵操作頻度基準値は車両が走行した道路形状に
左右されるため、各基準値を補正する。例えば、車両が
屈曲した道路を走行したときの操舵角を検出し、これを
所定の周波数分析すると、屈曲した道路に相応するもの
は0.2Hz以下の周波数帯であると考えられる。従っ
て、操舵角の0.2Hz以下の周波数成分はローパスフ
ィルタ、もしくは、現在から過去に至るサンプリング周
期毎の複数点の平均値を求める、いわゆる移動平均の計
算をもって検出データを処理することで抽出することが
できる。そして、図2に示すように、取り込んだ10個
の操舵角速度分散基準値及び操舵操作頻度基準値に対し
て操舵角低周波数成分の関数を用いて補正を行う。
【0030】一方、累積運転時間計測部26はカウンタ
15が計測した運転時間に基づいて車両運転開始から現
在まで継続する運転時間を計測し、肉体疲労度演算部2
7はこの累積運転時間計測部26が計測した累積運転時
間から肉体疲労度を演算するものである。即ち、下記数
式(7)より算出される。
【0031】
【数7】
【0032】そして、運転リズム変調度演算部25は操
舵角速度分散演算部21が算出した現在の操舵角速度分
散及び操舵操作頻度演算部22が算出した現在の操舵操
作頻度を4分移動平均化処理し、操舵角速度分散基準値
演算部23が算出した初期運転時の操舵角速度分散基準
値及び操舵操作頻度基準値演算部24が算出した初期運
転時の操舵操作頻度基準値とを用いて運転リズム変調度
を算出する。即ち、下記数式(8)より算出される。
【0033】
【数8】
【0034】従って、安全運転勧告必要度演算部28
は、図3に示すように、運転リズム変調度演算部25が
算出した運転リズム変調度と肉体疲労度演算部27が算
出した肉体疲労度をベクトル合成して安全運転勧告必要
度を算出するものである。即ち、下記数式(9)より算
出される。
【0035】
【数9】
【0036】そして、運転状態判定部29は安全運転勧
告必要度演算部28が算出したこの安全運転勧告必要度
と予め設定された安全運転勧告基準値とを比較して運転
者の運転状態の低下を判定するものである。その後、運
転者の運転状態が低下している場合には、ディスプレイ
ユニット31とスピーカユニット32とに指令信号を出
力し、運転者に対して勧告を行う。
【0037】ここで、このような本実施形態の車両運転
状態検出装置における処理の流れを図4のフローチャー
トに基づいて説明する。図4に示すように、ステップS
1において、走行中の車両の操舵角が15度以下で、且
つ、車速が60km/h以上であるかどうかを判定する。こ
れは車両が高速道路を走行中であるかを判別するもので
あり、一般に、車両を長時間休みなく連続して運転した
場合、運転者に対して高速道路は一般道路に比べて刺激
が少なく、集中力が低下して居眠り運転に陥りやすいた
め、この条件のときにのみシステムを作動させる。従っ
て、前述のステップS1にて、車両の操舵角が15度よ
り大きいか車速が60km/h未満であれば、この判定処理
を繰り返し、車両の操舵角が15度以下で、且つ、車速
が60km/h以上であれば、ステップS1に移行する。
【0038】このステップS2では、操舵角センサ12
が検出した操舵角から1分間の操舵角速度の分散を算出
すると共に、1分間の操舵操作頻度を算出してステップ
S3に移行する。このステップS3にて、操舵角速度分
散と操舵操作頻度の各個人基準値が未設定であるかを判
定する。運転を開始して間もない頃は通常この個人基準
値は未設定であり、ステップS4に移行し、ここで、個
人基準値の取込み条件がOKであるか、即ち、走行中の
車両の操舵角が15度以下で、且つ、車速が60km/h以
上である時が1分以上継続しているかを判断し、継続し
ていれば、ステップS5にて、基準データを随時取り込
んでいく。ステップS6では、個人基準値が計算可能で
あるか、操舵角速度分散と操舵操作頻度の各個人基準値
を算出するには、1分間の操舵角速度分散及び1分間の
操舵操作頻度の各データが10個必要であり、必要量だ
け蓄積されるまで前述した処理を繰り返す。
【0039】そして、1分間の操舵角速度分散及び1分
間の操舵操作頻度の各データが10個蓄積されたら、ス
テップS7において、操舵角速度分散基準値及び操舵操
作頻度基準値を演算する。以降、運転者が交替するま
で、この設定された操舵角速度分散基準値及び操舵操作
頻度基準値に基づいて運転者の運転状態を判定する。
【0040】即ち、各基準値が設定されたら、ステップ
S8において、操舵角センサ12が検出した操舵角から
4分移動平均化処理によって操舵角速度の分散及び操舵
操作頻度を算出してステップS9に移行する。このステ
ップS9では、累積運転時間から前述の数式(7)によ
って肉体疲労度を算出する。また、このステップS9で
は、走行中の車両の操舵角速度分散及び操舵操作頻度か
ら前述の数式(8)によって運転リズム変調度を算出す
る。
【0041】ステップS10では、走行中の車両の速度
が50km/h以下であるかどうかを判定しており、車速が
50km/hを越えていれば、ステップS11において、肉
体疲労度及び運転リズム変調度から前述の数式(9)に
よって安全運転勧告必要度を算出する。そして、ステッ
プS12にて、算出された安全運転勧告必要度と予め設
定された安全運転勧告基準値(例えば、本実施形態で
は、0.8)とを比較して運転者の運転状態の低下を判
定する。ここで、安全運転勧告必要度が0.8以上であ
れば、運転者の運転状態が低下していると判定し、ステ
ップS13にて、運転者に対して安全運転の勧告を行
う。即ち、ディスプレイユニット31によって運転リズ
ム変調のマークをフロントウインドウへ透過表示すると
共に、スピーカユニット32から運転リズム変調の音声
を出力することで、運転者に知らせる。一方、安全運転
勧告必要度が0.8より小さければ、運転者の運転状態
は低下していないと判定し、ステップS1に戻って前述
の処理を繰り返す。
【0042】なお、ステップS10にて、車両の速度が
50km/h以下であるときは、車両が途中で高速道路を降
りたと判断され、この場合、運転リズム変調度を0とし
て肉体疲労度のみによって安全運転勧告必要度を算出す
る。
【0043】なお、上記処理は運転者ごとに行われるも
のであり、車両が10分以上停車するか、もしくは、運
転席のドアが開閉操作されたときに、運転者の交替を判
定するようになっており、このとき、設定した操舵角速
度分散基準値及び操舵操作頻度基準値はリセットされ
る。そして、交替した新しい運転者が車両の運転を開始
すると、再び、操舵角速度分散基準値及び操舵操作頻度
基準値を演算する。
【0044】このように車両が高速道路を継続して走行
しているときに、運転者の肉体疲労度と運転リズム変調
度から安全運転勧告必要度を算出し、算出された安全運
転勧告必要度と安全運転勧告基準値とを比較して運転者
の運転状態の低下を常時判定しているが、運転時間の累
積に伴う肉体疲労度と運転リズム変調度の変化について
図3のグラフに基づいて説明する。
【0045】図3に示すように、運転者の肉体疲労度は
累積運転時間に伴って一定に増加するものであり、累積
運転時間が3.5時間のときに安全運転勧告基準値
(0.8)を越えるように設定されている。一方、運転
リズム変調度は、前述したように、操舵角速度分散基準
値と操舵操作頻度基準値に基づいて算出されるものであ
り、常時変化している。従って、両者の合成値が0.8
を越えたときに運転者に勧告するようにしている。
【0046】このように本実施形態の車両運転状態検出
装置にあっては、操舵角センサ12が検出した操舵角か
ら操舵角速度分散及び操舵操作頻度を算出し、初期運転
時の操舵角速度分散と操舵操作頻度から各個人基準値を
設定し、その後、走行中の運転者の累積運転時間から肉
体疲労度を算出すると共に、操舵角速度分散及び操舵操
作頻度から運転リズム変調度を算出し、この肉体疲労度
及び運転リズム変調度から安全運転勧告必要度を算出
し、算出した安全運転勧告必要度と安全運転勧告基準値
とを比較して運転者の運転状態の低下を判定して運転者
に対して安全運転の勧告を行うようにしたので、運転者
に相応した疲労度と運転リズムの変調を的確に検出し、
運転者に疲労が蓄積しているときの集中力の低下を防止
して事故を未然に防ぐことができる。
【0047】なお、前述の実施形態において、肉体疲労
度と運転リズム変調度から算出した安全運転勧告必要度
を安全運転勧告基準値とを比較して運転者の運転状態の
低下を判定したが、走行中の運転者の肉体疲労度及び運
転リズム変調度と予め設定された肉体疲労度及び運転リ
ズム変調度の各基準値とを比較して運転者の運転状態の
低下を判定しても良い。また、走行中の運転者の運転リ
ズム変調度と予め設定された運転リズム変調度の基準値
とを比較するだけで運転者の運転状態の低下を判定して
も良い。更に、走行中の運転者の操舵角速度分散及び操
舵操作頻度と予め設定された操舵角速度分散基準値及び
操舵操作頻度基準値と比較して運転者の運転状態の低下
を判定してもよい。
【0048】図5に本発明の第2実施形態に係る車両運
転状態検出装置の概略構成を表すブロック、図6に運転
者の車両運転状態検出及び勧告の処理の流れを表すフロ
ーチャートを示す。なお、前述の第1実施形態で説明し
たものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付し
て重複する説明は省略する。
【0049】本実施形態の車両運転状態検出装置におい
て、図5に示すように、車両のステアリングホイール1
1には操舵角センサ12が装着され、車両の速度計13
には車速センサ14が装着され、また、この車両には運
転時間を計測するカウンタ15が装着されている。そし
て、この操舵角センサ12及び車速センサ14、カウン
タ15は制御部(以下、これをECUと呼称する。)1
6に接続され、検出した操舵角と車速、時間がこのEC
Uに出力されている。
【0050】このECU16は、操舵角速度分散演算部
21と、操舵操作頻度演算部22と、操舵角速度分散基
準値演算部41と、操舵操作頻度基準値演算部42と、
運転リズム変調度演算部25と、累積運転時間計測部2
6と、肉体疲労度演算部27と、安全運転勧告必要度演
算部28と、運転状態判定部29とを具えている。そし
て、ECU16には運転状態判定部29が判定した運転
者の運転状態の度合を表示する運転リズム表示計43が
装着されると共に、運転状態判定部29が運転者の運転
状態の低下を判定したときに運転者に対して勧告を行う
スピーカユニット32が装着されている。この運転リズ
ム表示計43はインストルメントパネル内に組み込まれ
た運転リズム変化バーグラフによって運転者の運転状態
の度合を表示するものである。また、スピーカユニット
32は運転リズム変調の音声をインストルメントパネル
内に組み込まれた警報ブザーから発するものである。な
お、図示しないが、これらの警報は運転者が解除スイッ
チを操作することで即座に解除できるようになってい
る。
【0051】ここで、前述したECU16について、詳
細に説明する。操舵角速度分散演算部21は操舵角セン
サ12が検出した操舵角から所定時間、例えば、10秒
間の操舵角速度の分散を算出するものである。操舵操作
頻度演算部22は操舵角センサ12が検出した操舵角か
ら所定時間、例えば、10秒間の操舵操作頻度(所定変
化量以上の操舵回数)を算出するものである。
【0052】操舵角速度分散基準値演算部41はこの操
舵角速度分散演算部21が算出した初期運転時における
10秒間の操舵角速度分散において、所定経過時間ごと
に平均値を算出し、この平均値のバラツキが所定範囲以
内となったときに操舵角速度分散平均値を操舵角速度分
散基準値に設定するものである。また、操舵操作頻度基
準値演算部42は操舵操作頻度演算部22が算出した初
期運転時における10秒間の操舵操作頻度において、所
定経過時間ごとに平均値を算出し、この平均値のバラツ
キが所定範囲以内となったときに操舵操作頻度平均値を
操舵操作頻度基準値に設定するものである。
【0053】即ち、所定経過時間ごとの操舵角速度分散
の平均値と操舵操作頻度の平均値は下記数式(7)より
算出される。
【0054】
【数10】
【0055】そして、この各平均値のバラツキ、つま
り、変化量(差)は今回算出したものから前回算出した
ものを減算すればよく、下記数式(8)より算出され
る。
【0056】
【数11】
【0057】そして、この操舵角速度分散及び操舵操作
頻度の各平均値の変化量が所定範囲以内となったかどう
か、下記数式(9)より算出され、各平均値の変化量が
所定範囲以内となったら、各平均値を各基準値に設定す
る。
【0058】
【数12】
【0059】この場合、操舵角速度分散基準値の設定に
おいて、例えば、取込みデータが10秒ごとに更新され
るとすると、操舵角速度分散平均値が1分間で6回算出
されることとなる。そして、今回算出された平均値を前
回のものと比較して両者の差が所定範囲以内かどうか判
定し、1分間で、比較した6回の平均値の差のうち50
%以上、つまり、3回以上が所定範囲以内にあれば、こ
の1分間で最後に算出した操舵角速度分散平均値を操舵
角速度分散基準値とする。
【0060】また、操舵操作頻度基準値の設定におい
て、例えば、取込みデータが10秒ごとに更新されると
すると、操舵操作頻度平均値が1分間で6回算出される
こととなる。そして、今回算出された平均値を前回のも
のと比較して両者の差が所定範囲以内かどうか判定し、
1分間で、比較した6回の平均値の差のうち50%以
上、つまり、3回以上が所定範囲以内にあれば、この1
分間で最後に算出した操舵操作頻度平均値を操舵操作頻
度基準値とする。そして、この算出した操舵角速度分散
基準値及び操舵操作頻度基準値は車両が走行した道路形
状に左右されるため、各基準値を補正する。
【0061】一方、累積運転時間計測部26はカウンタ
15が計測した運転時間に基づいて車両運転開始から現
在まで継続する運転時間を計測し、肉体疲労度演算部2
7はこの累積運転時間計測部26が計測した累積運転時
間から肉体疲労度を演算するものである。即ち、前述し
た数式(4)より算出される。
【0062】そして、運転リズム変調度演算部25は操
舵角速度分散演算部21が算出した現在の操舵角速度分
散及び操舵操作頻度演算部22が算出した現在の操舵操
作頻度を4分移動平均化処理し、操舵角速度分散基準値
演算部41が算出した初期運転時の操舵角速度分散基準
値及び操舵操作頻度基準値演算部42が算出した初期運
転時の操舵操作頻度基準値とを用いて運転リズム変調度
を算出する。即ち、前述した数式(5)より算出され
る。
【0063】従って、安全運転勧告必要度演算部28
は、運転リズム変調度演算部25が算出した運転リズム
変調度と肉体疲労度演算部27が算出した肉体疲労度を
ベクトル合成して安全運転勧告必要度(図3参照)を算
出するものである。即ち、前述した数式(6)より算出
される。そして、運転状態判定部29は安全運転勧告必
要度演算部28が算出したこの安全運転勧告必要度と予
め設定された安全運転勧告基準値とを比較して運転者の
運転状態の低下を判定するものである。その後、運転状
態判定部29は運転リズム表示計43に運転者の運転状
態を出力し、その運転状態の度合を運転リズム変化バー
グラフによって表示し、運転者の運転状態が低下してい
る場合には、スピーカユニット32に指令信号を出力
し、運転者に対して勧告を行う。
【0064】ここで、このような本実施形態の車両運転
状態検出装置における処理の流れを図6のフローチャー
トに基づいて説明する。図6に示すように、ステップT
1において、走行中の車両の操舵角が15度以下である
かどうかを判定する。これは車両が走行する道路形状が
直線や直線に近いものであるかどうかを判別するもので
あり、一般に、車両が直線や直線に近い道路を走行する
場合、運転者は操舵頻度が少なく、屈曲路に比べて居眠
り運転やわき見や考え事などに陥りやすいため、この条
件のときにのみシステムを作動させる。従って、前述の
ステップT1にて、車両の操舵角が15度より大きけれ
ば、この判定処理を繰り返し、車両の操舵角が15度以
下であれば、ステップT2に移行する。
【0065】このステップT2では、操舵角センサ12
が検出した操舵角から1分間の操舵角速度の分散を算出
すると共に、1分間の操舵操作頻度を算出してステップ
T3に移行する。このステップT3にて、操舵角速度分
散と操舵操作頻度の各個人基準値が未設定であるかを判
定する。運転を開始して間もない頃は通常この個人基準
値は未設定であり、ステップT4に移行し、このステッ
プT4以降で操舵角速度分散と操舵操作頻度の各個人基
準値を設定する。まず、ステップT4では、操舵角速度
分散と操舵操作頻度各基準データを随時取り込んでい
き、ステップT5では、初期運転時における10秒間の
操舵角速度分散及び操舵操作頻度において、前述した数
式(7)によって所定経過時間ごとにその平均値を順次
算出していき、これを仮基準値とする。次に、ステップ
T6では、今回の仮基準値と前回の仮基準値の差を前述
した数式(8)によって求め、その差が所定範囲以内と
なったかどうかを前述した数式(9)によって判定し、
ステップT7にて、差が所定範囲以内となったときに
は、最後に算出した操舵角速度分散の仮基準値(平均
値)及び操舵操作頻度の仮基準値(平均値)を操舵各速
度分散基準値及び操舵操作頻度基準値として設定する。
【0066】そして、操舵角速度分散基準値及び操舵操
作頻度基準値が設定されたら、以降、運転者が交替する
まで、この設定された操舵角速度分散基準値及び操舵操
作頻度基準値に基づいて運転者の運転状態を判定する。
【0067】即ち、各基準値が設定されたら、ステップ
T8において、操舵角センサ12が検出した操舵角から
4分移動平均化処理によって操舵角速度の分散及び操舵
操作頻度を算出してステップT9に移行する。このステ
ップT9では、累積運転時間から前述の数式(4)によ
って肉体疲労度を算出する。また、このステップT9で
は、走行中の車両の操舵角速度分散及び操舵操作頻度か
ら前述の数式(5)によって運転リズム変調度を算出す
る。
【0068】ステップT10では、肉体疲労度及び運転
リズム変調度から前述の数式(6)によって安全運転勧
告必要度を算出する。そして、ステップT11におい
て、運転リズム表示計43が運転者の運転状態の度合を
運転リズム変化バーグラフによって表示し、ステップT
12にて、算出された安全運転勧告必要度と予め設定さ
れた安全運転勧告基準値(例えば、本実施形態では、
0.8)とを比較して運転者の運転状態の低下を判定す
る。ここで、安全運転勧告必要度が0.8以上であれ
ば、運転者の運転状態が低下していると判定し、ステッ
プT13にて、運転者に対する安全運転の勧告として、
スピーカユニット32から運転リズム変調の音声を出力
する。一方、安全運転勧告必要度が0.8より小さけれ
ば、運転者の運転状態は低下していないと判定し、ステ
ップT1に戻って前述の処理を繰り返す。
【0069】なお、上記処理は運転者ごとに行われるも
のであり、車両が10分以上停車するか、もしくは、運
転席のドアが開閉操作されたときに、運転者の交替を判
定するようになっており、このとき、設定した操舵角速
度分散基準値及び操舵操作頻度基準値はリセットされ
る。そして、交替した新しい運転者が車両の運転を開始
すると、再び、操舵角速度分散基準値及び操舵操作頻度
基準値を演算する。
【0070】このように本実施形態の車両運転状態検出
装置にあっては、走行中の車両の操舵角が15度以下で
あるときには、走行する道路の形状が直線状であり、運
転者が居眠りやわき見、考え事などをして運転に集中し
ていない可能性があるので、このとき、操舵角センサ1
2が検出した操舵角から操舵角速度分散及び操舵操作頻
度を算出すると共に平均値を算出し、この各平均値のバ
ラツキが所定範囲以内となったときに各平均値をそれぞ
れ基準値として設定し、その後、走行中の運転者の累積
運転時間から肉体疲労度を算出すると共に、操舵角速度
分散及び操舵操作頻度から運転リズム変調度を算出し、
この肉体疲労度及び運転リズム変調度から安全運転勧告
必要度を算出し、算出した安全運転勧告必要度と安全運
転勧告基準値とを比較して運転者の運転状態の低下を判
定して運転者に対して安全運転の勧告を行うようにした
ので、車両が高速道路ではなく、一般道路を走行してい
るときでも、運転者がわき見や考え事などをして運転に
集中していないときには運転者に対して勧告することで
事故を未然に防ぐことができると共に、運転者の運転状
態を常時運転リズム表示計43にて表示することで、運
転者は自身の運転状態を把握でき、勧告前に休憩をとっ
て疲労の回復を図ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように、請求項1の発明の車両運転状態検出装置によれ
ば、操舵角センサが走行中の車両の操舵角を検出し、操
舵角速度分散演算手段はこの操舵角から所定時間内の操
舵角速度の分散を算出する一方、操舵操作頻度演算手段
は操舵角から所定時間内の操舵操作頻度を算出し、
た、操舵角速度分散基準値算出手段は初期運転時におけ
る操舵角速度分散に基づいて操舵角速度分散平均値のバ
ラツキが所定範囲以内となったときに操舵角速度分散基
準値を設定する一方、操舵操作頻度基準値演算手段は初
期運転時における操舵操作頻度に基づいて操舵操作頻度
平均値のバラツキが所定範囲以内となったときに操舵操
作頻度基準値に設定し、運転状態判定手段は操舵角速度
分散及び操舵操作頻度を操舵角速度分散基準値及び操舵
操作頻度基準値と比較して運転者の運転状態の低下を判
定するので、運転者の個人差に関係なく運転開始から現
在までの運転者の継続的な状態変化を的確に検出して運
転者の運転状態を高精度に推定することで、車両走行安
全性の向上を図ることができる。
【0072】また、請求項2の発明の車両運転状態検出
装置によれば、操舵角センサが走行中の車両の操舵角を
検出し、操舵角速度分散演算手段はこの操舵角から所定
時間内の操舵角速度の分散を算出する一方、操舵操作頻
度演算手段は操舵角から所定時間内の操舵操作頻度を算
出し、また、操舵角速度分散基準値演算手段は初期運転
時における所定時間内の操舵角速度分散に基づいて操舵
角速度分散基準値を算出する一方、操舵操作頻度基準値
演算手段は初期運転時における所定時間内の操舵操作頻
度に基づいて操舵操作頻度基準値を演算し、運転リズム
変調度演算手段は現在の操舵角速度分散及び操舵操作頻
度と操舵角速度分散基準値及び操舵操作頻度基準値との
差の合計に基づいて運転リズム変調度を算出し、運転状
態判定手段は運転リズム変調度と予め設定された運転リ
ズム変調度基準値とを比較して運転者の運転状態の低下
を判定するので、運転者の個人差に関係なく運転開始か
ら現在までの運転者の継続的な状態変化を運転リズムか
ら的確に検出して運転者の運転状態を高精度に推定する
ことで、車両走行安全性の向上を図ることができる。
【0073】また、請求項3の発明の車両運転状態検出
装置によれば、運転リズム変調度演算手段を、下記数式
13
【数13】 に基づいて運転リズム変調度を算出するので、この運転
者の運転リズムから運転状態変化を的確に推定すること
ができる。
【0074】また、請求項4の発明の車両運転状態検出
装置によれば、累積運転時間計測手段が車両運転開始か
ら現在まで継続する運転時間を計測し、肉体疲労度演算
手段がこの累積運転時間から下記数式14
【数14】 に基づいて肉体疲労度を演算し、安全運転勧告必要度演
算手段がこの運転リズム変調度と肉体疲労度から下記数
式15
【数15】 に基づいて安全運転勧告必要度を算出し、運転状態判定
手段が安全運転勧告必要度と予め設定された安全運転勧
告基準値とを比較して運転者の運転状態の低下を判定す
るので、運転者の運転状態の低下を的確に判定できる。
【0075】また、請求項5の発明の車両運転状態検出
装置によれば、累積運転時間計測手段が車両運転開始か
ら現在まで継続する運転時間を計測し、安全運転勧告必
要度演算手段が運転リズム変調度と累積運転時間とに基
づいて安全運転勧告必要度を算出し、運転状態判定手段
がこの安全運転勧告必要度と予め設定された安全運転勧
告基準値とを比較して運転者の運転状態の低下を判定す
るようにしたので、車両運転の継続による運転者の蓄積
される肉体疲労の度合とその瞬間での運転者の運転リズ
ムの変調から運転状態変化を的確に推定することができ
る。
【0076】また、請求項6の発明の車両運転状態検出
装置によれば、運転状態判定手段が運転者の運転状態の
低下を判定したときに運転者に対して勧告を行うように
したので、運転者は自身の運転状態の低下を確実に認識
でき、車両の運転操作を慎重に行ったり、休憩を行った
りすることができ、走行安全性の向上を図ることができ
る。
【0077】また、請求項7の発明の車両運転状態検出
装置によれば、所定時間以上の停車、もしくは、運転席
のドアの開閉操作によって操舵角速度分散基準値及び操
舵操作頻度基準値をリセットするようにしたので、運転
者が交替するごとに各基準値がリセットされて新しい基
準値が設定されることとなり、運転者の疲労の個人差を
考慮して運転者の運転状態を正確に判定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両運転状態検出
装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】操舵角速度分散及び操舵操作頻度の各基準値の
設定方法を説明するマップである。
【図3】時間の経過と共に変化する運転勧告必要度を説
明するためのグラフである。
【図4】本実施形態における運転者の車両運転状態検出
及び勧告の処理の流れを表すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両運転状態検出
装置の概略構成を表すブロック図である。
【図6】本実施形態における運転者の車両運転状態検出
及び勧告の処理の流れを表すフローチャートである。
【符号の説明】
11 ステアリングホイール 12 操舵角センサ 13 速度計 14 車速センサ 15 カウンタ 16 制御部(ECU) 21 操舵角速度分散演算部 22 操舵操作頻度演算部 23,41 操舵角速度分散基準値演算部 24,42 操舵操作頻度基準値演算部 25 運転リズム変調度演算部 26 累積運転時間計測部 27 肉体疲労度演算部 28 安全運転勧告必要度演算部 29 運転状態判定部 31 ディスプレイユニット 32 スピーカユニット 43 運転リズム表示計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古市 哲也 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 菅原 淳史 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−319134(JP,A) 特開 平7−93678(JP,A) 特開 平7−96767(JP,A) 特開 昭49−102021(JP,A) 実開 昭58−98233(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 28/00 - 28/14 G08G 1/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行中の車両の操舵角を検出する操舵角
    センサと、該操舵角センサによって検出された操舵角か
    ら所定時間内の操舵角速度の分散を算出する操舵角速度
    分散演算手段と、前記操舵角センサによって検出された
    操舵角から所定時間内の操舵操作頻度を算出する操舵操
    作頻度演算手段と、前記操舵角速度分散演算手段によっ
    て算出された初期運転時における操舵角速度分散に基づ
    いて所定経過時間ごとに操舵角速度分散の平均値を算出
    して該操舵角速度分散平均値のバラツキが所定範囲以内
    となったときに該操舵角速度分散平均値を操舵角速度分
    散基準値に設定する操舵角速度分散基準値算出手段と、
    前記操舵操作頻度演算手段によって算出された初期運転
    時における操舵操作頻度に基づいて所定経過時間ごとに
    操舵操作頻度の平均値を算出して該操舵操作頻度平均値
    のバラツキが所定範囲以内となったときに該操舵操作頻
    度平均値を操舵操作頻度基準値に設定する操舵操作頻度
    基準値演算手段と、前記操舵角速度分散演算手段によっ
    て算出された操舵角速度分散及び前記操舵操作頻度演算
    手段によって算出された操舵操作頻度と前記操舵角速度
    分散基準値算出手段が設定した操舵角速度分散基準値及
    前記操舵操作頻度基準値演算手段が設定した操舵操作
    頻度基準値とを比較して運転者の運転状態の低下を判定
    する運転状態判定手段とを具えたことを特徴とする車両
    運転状態検出装置。
  2. 【請求項2】 走行中の車両の操舵角を検出する操舵角
    センサと、該操舵角センサによって検出された操舵角か
    ら所定時間内の操舵角速度の分散を算出する操舵角速度
    分散演算手段と、前記操舵角センサによって検出された
    操舵角から所定時間内の操舵操作頻度を算出する操舵操
    作頻度演算手段と、前記操舵角速度分散演算手段によっ
    て算出された初期運転時における所定時間内の操舵角速
    度分散に基づいて操舵角速度分散基準値を算出する操舵
    角速度分散基準値演算手段と、前記操舵操作頻度演算手
    段によって算出された初期運転時における所定時間内の
    操舵操作頻度に基づいて操舵操作頻度基準値を演算する
    操舵操作頻度基準値演算手段と、前記操舵角速度分散演
    算手段によって算出された現在の操舵角速度分散 及び前
    記操舵操作頻度演算手段によって算出された操舵操作頻
    度と前記操舵角速度分散基準値演算手段によって算出さ
    れた操舵角速度分散基準値及び前記操舵操作頻度基準値
    演算手段によって算出された操舵操作頻度基準値との差
    の合計に基づいて運転リズム変調度を算出する運転リズ
    ム変調度演算手段と、該運転リズム変調度演算手段によ
    って算出された運転リズム変調度と予め設定された運転
    リズム変調度基準値とを比較して運転者の運転状態の低
    下を判定する運転状態判定手段とを具えたことを特徴と
    する車両運転状態検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両運転状態検出装置に
    おいて、前記運転リズム変調度演算手段は、下記数式1 【数1】 に基づいて前記運転リズム変調度を算出することを特徴
    とする車両運転状態検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の車両運転状態検出装置に
    おいて、車両運転開始から現在まで継続する運転時間を
    計測する累積運転時間計測手段と、該累積運転時間計測
    手段が計測した累積運転時間から下記数式2 【数2】 に基づいて肉体疲労度を演算する肉体疲労度演算手段
    と、前記運転リズム変調度演算手段が演算した運転リズ
    ム変調度と該肉体疲労度演算手段が演算した肉体疲労度
    から下記数式3 【数3】 に基づいて安全運転勧告必要度を算出する安全運転勧告
    必要度演算手段とを設け、前記運転状態判定手段は、該
    安全運転勧告必要度演算手段によって算出された安全運
    転勧告必要度と予め設定された安全運転勧告基準値とを
    比較して運転者の運転状態の低下を判定することを特徴
    とする車両運転状態検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項記載の車両運転状態検出装置に
    おいて、車両運転開始から現在まで継続する運転時間を
    計測する累積運転時間計測手段と、前記運転リズム変調
    度と前記累積運転時間とに基づいて安全運転勧告必要度
    を算出する安全運転勧告必要度演算手段とを設け、前記
    運転状態判定手段は、該安全運転勧告必要度演算手段に
    よって算出された安全運転勧告必要度と予め設定された
    安全運転勧告基準値とを比較して運転者の運転状態の低
    下を判定することを特徴とする車両運転状態検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の車両運転状態検
    出装置において、前記運転状態判定手段が運転者の運転
    状態の低下を判定したときには、運転者に対して勧告を
    行うことを特徴とする車両運転状態検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の車両運転状態検
    出装置において、前記操舵角速度分散基準値及び前記操
    舵操作頻度基準値は、所定時間以上の停車、もしくは、
    運転席のドアの開閉操作によってリセットされることを
    特徴とする車両運転状態検出装置。
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