JP2015527965A5 - - Google Patents

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耐熱性コーティングを有する耐層間剥離性ガラス容器 優先権
本出願は、2012年6月28日に出願され、表題名「Delamination Resistant Glass Containers With Heat Resistant Coatings」の米国仮特許出願第61/665,682号、2013年6月7日に出願され、表題名「Delamination Resistant Glass Containers」の米国特許出願第13/912,457号、2012年10月25日に出願され、表題名「Glass Compositions With Improved Chemical And Mechanical Durability」の米国特許出願第13/660,394号、および2013年2月28日に出願され、表題名「Glass Articles With Low Friction Coatings,」の米国特許出願第13/780,740号に優先権を主張し、その各々が、引用により本明細書に援用されている。
本発明は、概して、ガラス容器、さらに具体的には医薬製剤(これに限定されない)を含む傷みやすい製品の保管に使用するためのガラス容器に関する。
歴史的に、ガラスは、その密閉性、光学的透明性、および他の材料と比較して優れた化学的耐久性故に、医薬品をパッケージするのに好適な材料として使用されてきた。具体的には、医薬品をパッケージするのに使用されるガラスは、そこに含まれる医薬製剤の安定性に影響しないように、十分な化学的耐久性を有する必要がある。適切な化学的耐久性を有するガラスには、長年の実績のある化学的耐久性を有するASTM規格「Type1A」および「Type1B」ガラス組成物の範囲内のこれらのガラス組成物が含まれる。
Type1AおよびType1Bガラス組成物は、医薬品パッケージに通例使用されるが、それらは、医薬品溶液に暴露された後にガラス粒子が脱落するまたは「層間剥離する」医薬品パッケージの内面の傾向を含めて、いくつかの欠陥に悩まされる。
さらに、医薬品をパッケージするのにガラスを使用することは、ガラスの機械的性能により、制限されることもある。具体的には、ガラス医薬品パッケージの製造および充填に使用する処理速度が速いので、結果としてパッケージが、加工装置、取り扱い装置、および/または他のパッケージと接触する状態になる際にパッケージの表面に摩耗等の機械的損傷を生じる。この機械的損傷が、ガラス医薬品パッケージの強度を著しく低下させ、ガラスに亀裂が発生する可能性が増大する結果となり、パッケージに包まれる医薬品の無菌状態を危険に曝すことになるであろう。
従って、機械的損傷に対して改善された耐性を有し、層間剥離する傾向が低減された、医薬品パッケージとして使用される代替のガラス容器の必要性が存在する。
一実施形態に従って、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、10以下の層間剥離因子と、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率とを有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
別の一実施形態において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、10以下の層間剥離因子と、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率とを有しうる。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングを有するガラス本体の外面は、約0.7未満の摩擦係数を有しうる。
別の一実施形態において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率を有しうる。内部域は、ガラス本体の内面とガラス本体の外面との間に及んでもよい。内部域は、持続的な層均質性を有しうる。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
別の一実施形態において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。内面は、持続的な表面均質性を有してもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率を有しうる。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
別の一実施形態において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体は、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率を有するアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物と、ISO720に準拠した耐加水分解性のタイプHGA1とから成形されてもよい。ガラス本体の少なくとも内面が10以下の層間剥離因子を有するように、ガラス組成物が、ホウ素およびホウ素化合物を殆ど含有しなくてもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
別の一実施形態において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体は、約74モル%〜約78モル%のSiO;約4モル%〜約8モル%のアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、MgOおよびCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約4モル%以上かつ約8モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下の量でNaOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含むガラス組成物から形成されてもよい。ガラス本体は、10以下の層間剥離因子を有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面上に位置付けされてもよく、1枚の低摩擦層と1枚のカップリング剤層を含んでなり、低摩擦層は、1種のポリマー化学組成物を含んでなり、カップリング剤層は、第一シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第一シラン化学組成物は、芳香族シラン化学組成物である)、および第二シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第二シラン化学組成物は、脂肪族シラン化学組成物である)の少なくとも1種の混合物、並びに少なくとも第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物のオリゴマー化から形成される化学組成物を含む。
別の一実施形態において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体は、約74モル%〜約78モル%のSiO;CaOとMgOの両方を含むアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、約0.1モル%以上かつ約1.0モル%以下の量でCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約2モル%以上かつ約10モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約0.01モル%〜約1.0モル%のKOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含むガラス組成物から形成されてもよく、ガラス本体は、10以下の層間剥離因子を有する。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面上に位置付けされてもよく、1枚の低摩擦層と1枚のカップリング剤層を含む。低摩擦層は、1種のポリマー化学組成物を含んでもよく、カップリング剤層は、第一シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第一シラン化学組成物は、芳香族シラン化学組成物である)、および第二シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第二シラン化学組成物は、脂肪族シラン化学組成物である)の少なくとも1種の混合物、並びに少なくとも第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物のオリゴマー化から形成される化学組成物を含んでもよい。
本明細書に記載されるガラス容器の実施形態のさらなる特徴および利点は、以下の詳細の説明で述べられ、或いは以下の詳細の説明、請求項、さらに添付の図面を含む本明細書に記載される実施形態を実践することにより、その説明から当業者にある程度は容易に明白となるであろう。
上述の全般的説明および以下の詳細な説明は共に、様々な実施形態を記載し、請求項に記載された主題の本質および特性を理解するために概要または骨組みを提供することを意図とすることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供することを含み、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本明細書に記載される様々な実施形態を例証し、その記載と共に請求項に記載された主題の原理および実施を説明するのを助力する。
本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、耐熱性コーティングを有するガラス容器の断面を概略的に示す。 図1のガラス容器の側壁の一部を概略的に示す。 図1のガラス容器の側壁の一部を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、低摩擦層およびカップリング剤層を備える耐熱性コーティングを有するガラス容器の断面を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、低摩擦層、カップリング剤層および界面層を備える耐熱性コーティングを有するガラス容器の断面を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、ジアミンモノマー化学組成物の一例を示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、ジアミンモノマー化学組成物の一例を示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、ガラス容器に塗布されるポリイミドコーティングとして使用されてうるモノマーの化学構造を示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、シランが基体に結合する反応工程を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、ポリイミドがシランに結合する反応工程を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、2表面間の摩擦係数を決定するための試験治具を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、2表面間の摩擦係数を決定するための試験治具を概略的に示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、可視光スペクトル400〜700nmにおいて測定した、コーティングしたバイアルおよび未コーティングのバイアルに関する光透過率のデ−タをグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、アルミナに対するアルカリ酸化物の比(x−軸)と、歪み点、徐冷点、および軟化点(y−軸)との関係をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、アルミナに対するアルカリ酸化物の比(x−軸)と、最大圧縮応力および応力変化(y−軸)との関係をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、アルミナに対するアルカリ酸化物の比(x−軸)と、ISO720規格により決定されている耐加水分解性(y−軸)との関係をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、(CaO/(CaO+MgO))の比(x−軸)の関数として、拡散率D(y−軸)をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、(CaO/(CaO+MgO))の比(x−軸)の関数として、最大圧縮応力(y−軸)をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、比(B/(RO−Al))(x−軸)の関数として、拡散率D(y−軸)をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物に関して、比(B/(RO−Al))(x−軸)の関数として、ISO720規格により決定されている耐加水分解性(y−軸)をグラフで示す。 化学量論でのメタン火炎と平衡状態にある、従来のType1Aホウケイ酸ガラスの温度(x−軸)の関数として、様々な種のガラス組成物の分圧(y−軸)をグラフで示す。 化学量論でのメタン火炎と平衡状態にある、従来のType1Bホウケイ酸ガラスの温度(x−軸)の関数として、様々な種のガラス組成物の分圧(y−軸)をグラフで示す。 化学量論でのメタン火炎と平衡状態にある、特定のZnO含有のガラスの温度(x−軸)の関数として、様々な種のガラス組成物の分圧(y−軸)をグラフで示す。 化学量論でのメタン火炎と平衡状態にある、例示的なアルカリアルミノケイ酸塩ガラスの温度(x−軸)の関数として、様々な種のガラス組成物の分圧(y−軸)をグラフで示す。 従来のType1Bホウケイ酸ガラスから成形されるガラスバイアルのヒール部、底部および側壁部の内面からの深さの関数として、ホウ素濃度(y−軸)をグラフで示す。 従来のType1Bホウケイ酸ガラスから成形されるガラスバイアルのヒール部、底部および側壁部の内面からの深さの関数として、ナトリウム濃度(y−軸)をグラフで示す。 例示的なホウ素無含有のアルカリアルミノケイ酸塩ガラスから成形されるガラスバイアルのヒール部、底部および側壁部の内面からの深さの関数として、ナトリウム濃度(y−軸)をグラフで示す。 表面均質性を示す例示的なアルカリアルミノケイ酸塩ガラスから成形されるガラスバイアルの内面の距離(x−軸)の関数として、原子比(y−軸)をグラフで示す。 表面不均質性を示す従来のType1Bガラスから成形されるガラスバイアルの内面の距離(x−軸)の関数として、原子比(y−軸)をグラフで示す。 1500℃において化学量論のメタン火炎と平衡状態にある、本発明のガラス組成物に添加したB(x−軸)の関数として、気相中のホウ素の元素分率(y−軸)をグラフで示す。 層間剥離を起こす傾向があるガラス組成物から成形されるガラスバイアルに関する、層間剥離試験中に発現したフレークの光学顕微鏡写真である。 耐層間剥離性のガラス組成物から成形されるガラスバイアルに関する、層間剥離試験中に発現したフレークの光学顕微鏡写真である。 層間剥離を起こす傾向があるガラス組成物から成形されるイオン交換ガラスバイアルに関する、層間剥離試験中に発現したフレークの光学顕微鏡写真である。 耐層間剥離性のガラス組成物から成形されるイオン交換ガラスバイアルにおける、層間剥離試験中に発現したフレークの光学顕微鏡写真である。 本発明のガラス組成物および従来のType1Bガラス組成物の深さ(x−軸)の関数として、カリウムイオンの濃度(y−軸)をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および従来のType1Bガラス組成物から成形されるガラス管の破損応力(x−軸)の関数として、曲げ応力破損確率(y−軸)をグラフで示す。 本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物から成形されるコーティングしたガラス容器の破損応力(x−軸)の関数として、横圧縮破損確率(y−軸)をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、バイアルの横圧縮試験における印加荷重の関数として、破損確率をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、Type1Bガラスバイアルと、イオン交換してコーティングを施したReference Glass Compositionから成形したバイアルとの、荷重および測定摩擦係数を報告する表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、未処理の状態、イオン交換した状態(未コーティング)、イオン交換した状態(コーティングおよび摩耗を施した)、イオン交換した状態(未コーティングおよび摩耗を施した)におけるReference Glass Compositionから成形した管、および未処理の状態、イオン交換状態におけるType1Bガラスから成形した管に関して、4点曲げにおける印加した応力の関数として、破損確率をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APS/Novastra(登録商標)800コーティングに関するガスクロマトグラフ質量分析計の出力データを示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、DC806Aコーティングに関するガスクロマトグラフ質量分析計の出力データを示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、凍結乾燥状態下で試験した異なる耐熱性コーティング組成物を報告する表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、バイアル−オン−バイアル治具で試験した、露出ガラスバイアルおよびシリコーン樹脂コーティングを有するバイアルに関して摩擦係数を報告する図表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APS/Kaptonポリイミドコーティングを施し、バイアル−オン−バイアル治具で異なる印加荷重の下で複数回の摩耗を施したバイアルに関して摩擦係数を報告する図表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APSコーティングを施し、バイアル−オン−バイアル治具で異なる印加荷重の下で複数回の摩耗を施したバイアルに関して摩擦係数を報告する図表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APS/Kaptonポリイミドコーティングを施し、バイアルを300℃で12時間暴露した後に、バイアル−オン−バイアル治具で異なる印加荷重の下で、複数回の摩耗を施したバイアルに関して摩擦係数を報告する図表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APSコーティングを施し、バイアルを300℃で12時間暴露した後に、バイアル−オン−バイアル治具で異なる印加荷重の下で、複数回の摩耗を施したバイアルに関して摩擦係数を報告する図表を包含する。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、Kaptonポリイミドコーティングを施し、バイアル−オン−バイアル治具で異なる印加荷重の下で複数回の摩耗を施したType1Bバイアルに関して摩擦係数を報告する図表を含む。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APS/Novastra(登録商標)800コーティングしたバイアルに関して、凍結乾燥前および凍結乾燥後の摩擦係数を示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、APS/Novastra(登録商標)800コーティングしたバイアルに関して、オ−トクレ−ブ処理前およびオ−トクレ−ブ処理後の摩擦係数を示す。 異なる温度条件に暴露されたコーティングしたガラス容器、および未コーティングのガラス容器に関して摩擦係数をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、バイアルの横圧縮試験における印加荷重の関数として、破損確率をグラフで示す。 本明細書に記載されるガラス容器に塗布した耐熱性コーティングのカップリング剤の組成を変えて、摩擦係数の変化を例証する表を包含する。 発熱物質除去の前および発熱物質除去の後の、コーティングしたガラス容器に関して、摩擦係数、印加力および摩擦力をグラフで示す。 発熱物質除去の前および発熱物質除去の後の、本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づくコーティングしたガラス容器に関して、摩擦係数、印加力および摩擦力をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、バイアルの横圧縮試験における印加荷重の関数として、破損確率をグラフで示す。 発熱物質除去の前および発熱物質除去の後の、本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づくコーティングしたガラス容器の摩擦係数、印加力および摩擦力をグラフで示す。 異なる発熱物質除去条件での、コーティングしたガラス容器の摩擦係数、印加力および摩擦力をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に従う、熱処理時間を変えた後の摩擦係数をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、コーティングしたバイアルおよび未コーティングのバイアルに関して、400〜700nmの可視光スペクトルで測定した光透過率のデータをグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、発熱物質除去の前および発熱物質除去の後の、コーティングしたガラス容器に関する摩擦係数、印加力および摩擦力をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づく、バイアルに対する横圧縮試験における印加荷重の関数として、破損確率をグラフで示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づくコーティングの走査電子顕微鏡画像を示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づくコーティングの走査電子顕微鏡画像を示す。 本明細書に示され記載される1つ以上の実施形態に基づくコーティングの走査電子顕微鏡画像を示す。 比較例のコーティングしたままのバイアルの、加えた引っ掻き傷の長さ(x座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力、および摩擦力(y座標)をグラフで示す。 比較例の熱処理したバイアルの、加えた引っ掻き傷の長さ(x座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力、および摩擦力(y座標)をグラフで示す。 比較例のコーティングしたままのバイアルの、加えた引っ掻き傷の長さ(x座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力および摩擦力(y座標)をグラフで示す。 比較例の熱処理したバイアルの、加えた引っ掻き傷の長さ(x座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力および摩擦力(y座標)をグラフで示す。
ここで、ガラス容器の実施形態が詳細に参照され、それらの例が、添付の図面に例証されている。可能である場合には常に、同じ参照番号は、図面を通して同一または類似の部分を指すように使用されている。一実施形態において、ガラス容器は、内面、外面および内面から外面に及ぶ壁厚を有するガラス本体を含む。ガラス本体の少なくとも内面は、耐層間剥離性である。耐熱性コーティングが、ガラス本体の外面上に位置付けされてもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面と直接接触してカップリング剤層を含んでもよい。カップリング剤層は、少なくとも1種のシラン組成物を含んでもよい。耐熱性コーティングは、またカップリング剤層と直接接触して摩擦性のコーティング層も含んでもよい。耐熱性コーティングは、260℃以上の温度で熱安定性でありうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングは、400℃以下の温度で熱安定性でありうる。耐熱性コーティングを有するガラス本体の外面は、同一の耐熱性コーティングを有する2番目の医薬品容器に対して、約0.7未満の摩擦係数を有しうる。ガラス容器は、医薬製剤をパッケージするのに特によく適合する。ガラス容器およびガラス容器の特性は、添付の図面を具体的に参照して、本明細書においてさらに詳細に説明されるであろう。
本明細書に記載されるガラス容器の実施形態において、それからガラス容器が成形されるガラス組成物の構成成分(例えば、SiO、Al、B等)の濃度は、特に明記しない限り、酸化物基準でのモルパーセント(モル%)で特定される。
用語「ほぼ無含有」は、ガラス組成物の濃度および/または特定の構成成分の欠如を説明するのに用いる場合、構成成分が意図的にガラス組成物に加えられていないことを意味する。しかしながら、ガラス組成物は、0.05モル%未満の量で汚染または混入として、構成成分の痕跡を含有することもある。
本明細書で用いる用語「化学的耐久性」は、特定の化学条件に曝された際に劣化に抵抗するガラス組成物の能力を指す。具体的には、本明細書に記載されるガラス組成物の化学的耐久性は、3つの既定の材料試験規格に準拠して評価される。2001年3月付けのDIN12116、表題名「Testing of glass−Resistance to attack by a boiling aqueous solution of hydrochloric acid−Method of test and classification」;ISO695:1991表題名「Glass−Resistance to attack by a boiling aqueous solution of mixed alkali−Method of test and classification」;ISO720:1985表題名「Glass−Hydrolytic resistance of glass grains at 121 degrees C−Method of test and classification」;およびISO719:1985「Glass−Hydrolytic resistance of glass grains at 98 degrees C −Method of test and classification」。各規格および各規格内の分類は、本明細書にさらに詳細に記載される。別法として、USP<660>表題名「Surface Glass Test,」および/またはEuropean Pharmacopeia3.2.1表題名「Glass Containers For Pharmaceutical Use」(ガラス表面の耐久性を評価する)に準拠してガラス組成物の化学的耐久性を評価してもよい。
本明細書で用いる用語「軟化点」は、ガラス組成物の粘度が、1×107.6ポアズ(0.1×107.6Pa・s)である温度を指す。
本明細書で用いる用語「徐冷点」は、ガラス組成物の粘度が、1×1013ポアズ(1×1012Pa・s)である温度を指す。
本明細書で用いる用語「歪み点」および「Tstrain」は、ガラス組成物の粘度が、3×1014ポアズ(3×1013Pa・s)である温度を指す。
本明細書で用いる用語「CTE」は、およそ室温(RT)から約300℃の温度範囲にわたるガラス組成物の熱膨張係数を指す。
医薬組成物を包含するための従来のガラス容器またはガラスパッケージは、一般的に、化学的耐久性および低い熱膨張を呈すると知られているガラス組成物(例、アルカリホウケイ酸ガラス等)から成形される。アルカリホウケイ酸ガラスは、良好な化学的耐久性を呈するが、容器製造業者らは、ガラス容器に包含された溶液中にシリカに富むガラスフレークが分散しているのを観察してきた。この現象は、層間剥離と呼ばれる。層間剥離は、溶液がガラス表面と直接接触して長い期間(数か月から数年にわたって)保存されている場合に特に生じる。従って、良好な化学的耐久性を呈するガラスは、必ずしも耐層間剥離性ではないことがある。
層間剥離は、ガラス粒子が、一連の浸出、腐食、および/または風化反応の後に、ガラス表面から放たれる現象を指す。一般に、ガラス粒子は、パッケージ内に包含された溶液中に変性イオンが浸出する結果として、パッケージの内面から起こるシリカに富むガラスのフレークである。これらのフレークは、一般的に約50μmを超える幅を伴い約1nm〜約2μm厚であることがある。これらのフレークは、主にシリカからなるので、フレークは、ガラス表面から放たれた後に、通常はさらに分解しない。
層間剥離は、ガラスが容器の形状にガラスを再成形するために用いられる高温に曝される場合、アルカリホウケイ酸ガラスに生じる相分離に起因すると今までは仮定されてきた。
しかしながら、ガラス容器内面からのシリカに富むガラスフレークの層間剥離は、その成形時のままの状態におけるガラス容器の組成特性に起因すると、今や確信されている。具体的には、アルカリホウケイ酸ガラスのシリカ含有量が高いために、ガラスは比較的に高い融点および成形温度を有することとなる。しかしながら、ガラス組成物中のアルカリおよびホウ酸塩成分は、かなり低い温度で溶融および/または気化する。特に、ガラス中のホウ酸塩種は、揮発性が高く、ガラスを成形および再成形するのに必要な高い温度で、ガラス表面から蒸発する。
具体的には、ガラス素材は、高温でそして直火でガラス容器に再成形される。より速い装置速度において必要とされる高い温度は、ホウ酸塩種をさらに揮発性にさせて、ガラス表面の部分から蒸発させる。この蒸発がガラス容器の内容積部内で生じる場合、揮発したホウ酸塩種が、ガラス容器表面の他の区域に再沈着して、ガラス容器表面に、特にガラス容器内部の表面近くの領域(つまり、ガラス容器内面での領域またはガラス容器内面に直接隣接した領域)に、組成の不均質化が生じる。例えば、ガラス管の一端は閉じられて容器の底または床を形成するので、ホウ酸塩種が、管の底部から蒸発して、管のどこか他の場所に再沈着することがある。容器のヒール部および底部から材料が蒸発するのは、容器のこれらの区域が最も広範囲に再成形されて、それ自体最も高い温度まで曝される際だと、特に言明される。結果として、他より高い温度まで曝される容器の区域は、シリカに富む表面を有することがある。ホウ素沈着しやすい容器の他の区域は、表面でホウ素に富む層を有することもある。ガラス組成物の徐冷点よりも高いが再成形中にガラスが受ける最も熱い温度よりも低い温度であるホウ素沈着しやすい区域は、ガラス表面上にホウ素を組み込む結果となりうる。容器に入った溶液は、ホウ素に富む層からホウ素を浸出することがある。ホウ素に富む層がガラスから浸出される際に、高度の石英ガラスの網状構造(ゲル)は、そのままの状態で水和中に膨張して歪み、結局は表面から剥落する。
層間剥離に対する従来の解決法のひとつは、無機コーティング(例、SiO等)でガラス容器の本体の内面をコーティングすることである。このコーティングは、厚さ約100nm〜200nmを有し、容器の内容物が本体の内面に接触して、層間剥離が生じるのを回避しうる。しかしながら、このようなコーティングの塗布は、難しく、追加の製造工程および/または検査工程を必要とし、従って容器製造の総原価を増大させることがある。さらに、コーティングの割れを通るような、容器の内容物がコーティングに浸透して本体の内面に接触するならば、その結果生じるガラス本体の層間剥離が、コーティングの部分に起こり、本体の内面から分離することがある。
本明細書に記載されるガラス容器は、DIN12116規格、ISO695規格、ISO719規格およびISO720規格により決定されている通り、化学的耐久性があり、耐劣化性である。さらに、本明細書に記載されるガラス容器は、成形時のままの状態において均質の組成特性を有し、いかなる追加の加工も必要なく、従って改善された耐層間剥離性を呈する。さらに、本明細書に記載されるガラス容器は、またガラス容器の外面に塗布される高温コーティングを含み、それが、摩擦損傷に対するガラス容器の耐性を改善し、高温で熱的に安定でもある。本明細書に記載されるガラス容器は、またイオン交換により強化されやすく、それが、ガラス容器の機械的耐久性をさらに向上させる。
ここで図1を参照すると、傷み易い製品(例、医薬製剤、生物製剤、ワクチン、食料品等)を保存するためのガラス容器100が、断面で概略的に示される。ガラス容器100は、一般的にガラス本体102を備える。ガラス本体102は、内面104から外面106に及んでおり、概して内部容積108を取り囲む。図1に示されるガラス容器100の実施形態において、ガラス本体102は、一般的に壁部110と底部112のような第二壁部とを備える。壁部110は、ヒール部114を通って、底部112のような第二壁部に移行されてもよい。ガラス本体102は、内面104から外面106に及ぶ壁厚Tを有する。ガラス容器100はまた、ガラス本体102の外面に位置する耐熱性コーティング120を含む。耐熱性コーティングは、熱的に安定である。句「熱的に安定」は、有機コーティングを説明するのに使用される場合、所定時間の間に高温に曝された後にガラス容器に密着されたままで残るコーティングの能力、また所定時間の間に高温に曝された後にその物理的特性を維持するコーティングの能力も指し、それは、本明細書にさらに詳細に記載されるであろう。耐熱性コーティング120は、ガラス本体102の外面106の全体を覆ってもよく、或いは別法として、ガラス本体102の外面106の一部を覆ってもよい。本明細書に記載される実施形態において、ガラス容器内面104は、コーティングされてなくてもよい。本明細書で用いる用語「未コーティング」は、その表面が、無機コーティング、有機コーティング、または有機成分と無機成分との組合せを含むコーティングされてなく、その結果、ガラス容器100の内部容積108に保存される内容物が、ガラス容器100を成形するガラスと直接接触していることを意味する。
ガラス容器100は、特定の形状形態(つまり、バイアル)を有するように図1に示されているが、ガラス容器100は、バキュテナー、カートリッジ、シリンジ、シリンジ用外筒、アンプル、瓶、フラスコ、薬瓶、管、ビーカー等(これらに限定されない)を含む他の形状形態を有してもよいと理解されたい。
ガラス容器100のガラス本体102は、耐層間剥離性であるアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物から成形されるので、少なくともガラス容器100の内面104は、耐層間剥離性である。句「耐層間剥離性」は、ガラス表面が、特定の条件下で特定の溶液に曝されて密接に接触する際に、劣化およびガラスフレークの脱落を低減することを意味する。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離に対するガラス容器の耐性は、本明細書にさらに詳細に記載されるように、層間剥離の要因の観点から特徴付けられてよい。
いくつかの実施形態において、ガラス容器のガラス本体102全体が、耐層間剥離性を有するガラス組成物から成形される。しかしながら、他の実施形態において、ガラス本体の102の内面だけが、耐層間剥離性を有するガラス組成物から成形されている場合がある(例、ガラス本体がラミネート構造を有する場合等)。適切なガラス組成物の実施形態として、2012年10月25日に出願された米国特許出願第13/660,394号明細書および表題名「Glass Compositions With Improved Chemical And Mechanical Durability」(その全てが引用により本明細書に援用されている)に記載されるアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物が挙げられる。アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物は、通常SiOと1種または複数のアルカリ酸化物(例、NaOおよび/またはKO等)との組合せを含む。ガラス組成物は、Alおよび少なくとも1種のアルカリ土類酸化物を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、ホウ素無含有でも、ホウ素を含有する化合物でもよい。ガラス組成物は、耐化学的劣化性であり、またイオン交換による化学的強化にも適している。いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、1種または複数の追加の酸化物(例えば、SnO、ZrO、ZnO、TiO、As等)を少量さらに含んでなってもよい。これらの成分は、清澄剤としておよび/またはガラス組成物の化学的耐久性をさらに向上させるために、添加されてもよい。
本明細書に記載されるガラス容器100の実施形態において、ガラス容器は、SiOが組成物の最も大きな構成成分であり、従って結果として生じるガラス網状構造の主要な構成成分であるガラス組成物から成形される。SiOは、ガラスの化学的耐久性、具体的には、酸中での分解に対するガラス組成物の耐性および水中での分解に対するガラス組成物の耐性を向上させる。従って、高濃度のSiOが、一般的に望まれる。しかしながら、SiOの含有量があまりに高いならば、SiOの濃度が高くなるにつれてガラス溶融の困難さが増大し、次第にガラスの成形性に悪影響をあたえるので、ガラスの成形性が低下することがある。本明細書に記載される実施形態において、ガラス組成物は、概して、67モル%以上かつ約80モル%以下またはさらには78モル%以下の量でSiOを含む。いくつかの実施形態において、ガラス組成物中のSiOの量は、約68モル%超、約69モル%超、または約70モル%超でさえでもよい。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物中のSiOの量は、72モル%超、73モル%超、または74モル%超でさえでもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、約68モル%から約80モル%までまたはさらには約78モル%までのSiOを含んでもよい。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物は、約69モル%〜約80モル%またはさらには78モル%のSiOを含んでもよい。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物は、約70モル%〜約80モル%またはさらには約78モル%のSiOを含んでもよい。さらに他の実施形態において、ガラス組成物は、70モル%以上かつ78モル%以下の量でSiOを含む。いくつかの実施形態において、SiOは、約72モル%〜約78モル%の量でガラス組成物中に存在してもよい。他のいくつかの実施形態において、SiOは、約73モル%〜約78モル%の量でガラス組成物中に存在してもよい。他の実施形態において、SiOは、約74モル%〜約78モル%の量でガラス組成物中に存在してもよい。さらに他の実施形態において、SiOは、約70モル%〜約76モル%の量でガラス組成物中に存在してもよい。
それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、Alをさらに含む。Alは、ガラス組成物中に存在するアルカリ酸化物(例、NaO等)と共に、ガラスのイオン交換強化に対する感受性を改善する。本明細書に記載される実施形態において、Alは、ガラス組成物中にXモル%で存在し、一方アルカリ酸化物は、ガラス組成物中にYモル%で存在する。本明細書に記載されるガラス組成物中でY:Xの比は、前述のイオン交換強化の受け易さを助長するために、約0.9超またはさらには約1以上である。詳細には、ガラス組成物の拡散係数または拡散率Dは、イオン交換中にアルカリイオンがガラス表面内に浸透する割合に関係する。約0.9超またはさらには約1超のY:Xの比を有するガラスは、0.9未満のY:Xの比を有するガラスよりも大きい拡散率を有する。アルカリイオンがより大きな拡散率を有するガラスは、所与のイオン交換時間およびイオン交換温度に対して、アルカリイオンが低い拡散率を有するガラスよりも、大きな層深さを得ることができる。さらに、Y:Xの比が増大するにつれて、ガラスの歪み点、徐冷点、および軟化点が下がり、その結果ガラスは、さらに成形し易くなる。さらに、所与のイオン交換時間およびイオン交換温度に対して、約0.9超かつ2以下のY:Xの比を有するガラス中で誘導される圧縮応力は、Y:Xの比が0.9未満または2を超えるガラスにおいて生じる圧縮応力よりも一般的に大きいことが判明した。従って、いくつかの実施形態において、Y:Xの比は、0.9超またはさらには1超である。いくつかの実施形態において、Y:Xの比は、0.9超、またはさらには1超、および約2以下である。さらに他の実施形態において、Y:Xの比は、特定のイオン交換時間および特定のイオン交換温度に対して、ガラス中で誘導される圧縮応力の量を最大にするために、約1.3以上かつ約2.0以下であってよい。
しかしながら、ガラス組成物中のAlの量が多すぎると、ガラス組成物の酸攻撃に対する耐性が低下する。従って、本明細書に記載されるガラス組成物は、一般的に約2モル%以上かつ約10モル%以下の量でAlを含む。いくつかの実施形態において、ガラス組成物中のAlの量は、約4モル%以上かつ約8モル%以下である。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物中のAlの量は、約5モル%以上から約7モル%以下である。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物中のAlの量は、約6モル%以上から約8モル%以下である。さらに他の実施形態において、ガラス組成物中のAlの量は、約5モル%以上かつ約6モル%以下である。
それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、また1種または複数のアルカリ酸化物(例、NaOおよび/またはKO等)も含む。アルカリ酸化物は、ガラス組成物のイオン交換能力を助長し、それによりガラスの化学的強化を助長する。アルカリ酸化物は、1種または複数のNaOおよびKOを含んでよい。アルカリ酸化物は、一般的に総濃度のYモル%でガラス組成物中に存在する。本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、Yは、約2モル%超かつ約18モル%以下であってよい。他のいくつかの実施形態において、Yは、約8モル%超、約9モル%超、約10モル%超またはさらには約11モル%超であってよい。例えば、本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、Yは、約8モル%以上かつ約18モル%以下である。さらに他の実施形態において、Yは、約9モル%以上かつ約14モル%以下であってよい。
ガラス容器100のイオン交換能力は、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中に最初に存在するアルカリ酸化物NaOの量により、ガラス容器のイオン交換強化に先立って、ガラス容器100に本質的に付与される。従って、本明細書に記載されるガラス容器の実施形態において、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中に存在するアルカリ酸化物は、少なくともNaOを含む。具体的には、イオン交換強化の際におけるガラス容器の所望の圧縮強度および層深さを実現するために、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、約2モル%〜約15モル%の量でNaOを含む。いくつかの実施形態において、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、ガラス組成物の分子量を基準として少なくとも約8モル%のNaOを含む。例えば、NaOの濃度は、9モル%超、10モル%超、またはさらには11モル%超であってよい。いくつかの実施形態において、NaOの濃度は、9モル%以上またはさらには10モル%以上であってよい。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下またはさらには約9モル%以上かつ13モル%以下の量でNaOを含んでもよい。
上述のように、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中のアルカリ酸化物は、さらにKOを含んでもよい。ガラス組成物中に存在するKOの量は、またガラス組成物のイオン交換能力に関係する。具体的には、ガラス組成物中に存在するKOの量が増大するにつれて、イオン交換を通して得られる圧縮応力が、カリウムイオンとナトリウムイオンの交換の結果として、低下する。従って、ガラス組成物中に存在するKOの量を制限することが望まれる。いくつかの実施形態において、KOの量は、0モル%以上かつ3モル%以下である。いくつかの実施形態において、KOの量は、2モル%以下またはさらには1.0モル%以下である。ガラス組成物がKOを含む実施形態において、KOは、約0.01モル%以上かつ約3.0モル%以下またはさらには約0.01モル%以上かつ約2.0モル%以下の濃度で存在してもよい。いくつかの実施形態において、ガラス組成物中に存在するKOの量は、約0.01モル%以上かつ約1.0モル%以下である。従って、KOは、ガラス組成物中に存在する必要がないと理解されたい。しかしながら、KOがガラス組成物中に含まれる場合、KOの量は、一般的にガラス組成物の分子量を基準として、約3モル%未満である。
それからガラス容器100が成形される組成物に存在するアルカリ土類酸化物は、一般的にガラスバッチ材料の溶融能力を改善し、ガラス組成物およびガラス容器100の化学的耐久性を増大させる。本明細書に記載されるガラス容器100の実施形態において、ガラス組成物中に存在するアルカリ土類酸化物の総モル%は、ガラス組成物のイオン交換能力を改善するために、ガラス組成物中に存在するアルカリ酸化物の総モル%よりも一般的に小さい。本明細書に記載される実施形態において、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、概して約3モル%〜約13モル%のアルカリ土類酸化物を含む。これらの実施形態のいくつかにおいて、ガラス組成物中のアルカリ土類酸化物の量は、約4モル%〜約8モル%またはさらには約4モル%〜約7モル%であってよい。
それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中のアルカリ土類酸化物は、MgO、CaO、SrO、BaOまたはそれらの組合せを含んでよい。いくつかの実施形態において、アルカリ土類酸化物は、MgO、CaOまたはそれらの組合せを含む。例えば、本明細書に記載される実施形態において、アルカリ土類酸化物は、MgOを含む。MgOは、約3モル%以上かつ約8モル%以下のMgOである量でガラス組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、MgOは、ガラス組成物の分子量により、約3モル%以上かつ約7モル%以下またはさらには4モル%以上かつ約7モル%以下である量でガラス組成物中に存在してもよい。
いくつかの実施形態において、アルカリ土類酸化物は、CaOをさらに含んでもよい。これらの実施形態において、CaOは、ガラス組成物の分子量に基づいて約0モル%〜6モル%以下の量でガラス組成物中に存在する。例えば、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中に存在するCaOの量は、5モル%以下、4モル%以下、3モル%以下、またはさらには2モル%以下であってよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、CaOは、約0.1モル%以上かつ約1.0モル%以下の量で、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中に存在してもよい。例えば、CaOは、約0.2モル%以上かつ約0.7モル%以下またはさらには約0.3モル%以上かつ約0.6モル%以下の量で、ガラス組成物中に存在してもよい。
本明細書に記載される実施形態において、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、一般的にMgOに富んでいる(つまり、ガラス組成物中のMgOの濃度は、CaO(これに限定されない)を含むガラス組成物中の他のアルカリ土類酸化物の濃度よりも高い)。ガラス組成物がMgOに富んでいるガラス組成物からガラス容器100を成形することにより、特にイオン交換強化した後に、生成するガラスの耐加水分解性を改善する。さらに、MgOに富むガラス組成物は、一般的に、他のアルカリ土類酸化物に富むガラス組成物と比べて改善されたイオン交換性能を呈する。具体的には、MgOに富むガラス組成物から成形したガラスは、一般的に他のアルカリ土類酸化物(例、CaO等)に富むガラス組成物によりも大きい拡散率を有する。拡散率が大きいほど、イオン交換強化中にガラス内により深い層深さの形成を可能にする。MgOに富むガラス組成物はまた、他のアルカリ土類酸化物(例、CaO等)に富むガラス組成物と比べて大きな圧縮応力がガラス表面に実現できる。さらに、イオン交換プロセスが進み、アルカリイオンがガラス中のさらに深くに浸透するので、ガラス表面で実現した最大圧縮応力は、時間と共に低下する場合があると一般的に理解されている。しかしながら、MgOに富むガラス組成物から形成されるガラスは、CaOに富むガラス組成物または他のアルカリ土類酸化物に富むガラス組成物から形成されるガラス(つまり、MgOが少ないガラス)よりも小さい圧縮応力の減少を示す。このようにMgOに富むガラス組成物は、他のアルカリ土類酸化物に富むガラスよりも表面での圧縮応力が大きく、層深さが大きいガラスを可能にする。
本明細書に記載されるガラス組成物中のMgOの利点を十分に理解するために、CaOの濃度とMgOの濃度の合計に対するCaOの濃度(モル%)の比(つまり、(CaO/(CaO+MgO))を最小限に抑えるのが望ましいと確認されてきた。具体的には、(CaO/(CaO+MgO)は、0.5以下であるのが望ましいと確認されてきた。いくつかの実施形態において(CaO/(CaO+MgO)は、0.3以下またはさらには0.2以下である。他のいくつかの実施形態において、(CaO/(CaO+MgO))は、さらには0.1以下であってよい。
酸化ホウ素(B)は、所与の温度(例えば、歪み温度、徐冷温度および軟化温度)で、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物に添加されて、粘度を低下させそれによりガラスの成形性を改善する融剤である。しかしながら、ホウ素の添加により、ガラス組成物中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンの拡散率が著しく低下し、つまりそれが生成するガラスのイオン交換性能に悪影響を与えることが判明されている。具体的には、ホウ素の添加が、ホウ素無含有のガラス組成物と比べて所与の層深さを実現するのに要する時間を著しく増大させることが判明されている。従って、本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、ガラス組成物に添加するホウ素の量は、ガラス組成物のイオン交換性能を改善するために、最小限に抑えられている。
例えば、ガラス組成物のイオン交換性能へのホウ素の影響は、アルカリ酸化物(つまり、RO、ここでRは、アルカリ金属である)の総濃度とアルミナの総濃度の差に対するBの濃度の比(つまり、B(モル%)/(RO(モル%)−Al(モル%))を制御することにより、緩和されることが可能であることが、確認されている。具体的には、B/(RO−Al)の比が、約0以上かつ約0.3未満またはさらには約0.2未満である場合、ガラス組成物中のアルカリ酸化物の拡散率は低減しない、だからガラス組成物のイオン交換性能は、維持されることが確認されている。従って、いくつかの実施形態において、B/(RO−Al)の比は、0を超えかつ0.3以下である。これらの実施形態のいくつかにおいて、B/(RO−Al)の比は、0を超えかつ0.2以下である。いくつかの実施形態において、B/(RO−Al)の比は、0を超えかつ0.15以下またはさらには0.1以下である。他のいくつかの実施形態において、B/(RO−Al)の比は、0を超えかつ0.05以下であってよい。B/(RO−Al)の比を0.3以下またはさらには0.2以下であるように維持することにより、Bを含有させて、Bがガラスのイオン交換性能に悪影響を与えることなく、ガラス組成物の歪み点、徐冷点および軟化点を下げることが可能となる。
本明細書に記載される実施形態において、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中のBの濃度は、一般的に約4モル%以下、約3モル%以下、約2モル以下、またはさらには1モル%以下である。例えば、Bがガラス組成物中に存在する実施形態において、Bの濃度は、約0.01モル%超かつ4モル%以下であってよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、Bの濃度は、約0.01モル%超かつ3モル%以下であってよい。いくつかの実施形態において、Bは、約0.01モル%以上かつ2モル%以下、またはさらには1.5モル%以下の量で存在してもよい。別法として、Bは、約1モル%以上かつ4モル%以下、約1モル%以上かつ3モル%以下またはさらには約1モル%以上かつ2モル%以下の量で存在してもよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、Bの濃度は、約0.1モル%以上かつ1.0モル%以下であってよい。
いくつかの実施形態において、ガラス組成物中のBの濃度は、ガラスのイオン交換性能を損なうことなくガラス特性の形成を改善するために、最低限に抑えられている。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物は、ホウ素やホウ素化合物(例、B等)を含有していない。具体的には、ホウ素もホウ素化合物も含有しないガラス組成物を形成することは、圧縮応力および/または層深さの特定値を実現するのに要するプロセス時間および/またはプロセス温度を低減させることにより、ガラス組成物のイオン交換能力を改善することが確認されている。
いくつかの実施形態において、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、リンおよびリン含有化合物(Pを含む、これに限定されない)を含有していない。具体的には、リンもリン化合物も含有しないガラス組成物を配合することにより、ガラス容器の化学的耐久性を増大させることが確認されている。
SiO、Al、アルカリ酸化物およびアルカリ土類酸化物に加えて、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、任意的に1種または複数の清澄剤(例えば、SnO、As、および/またはCl(NaCl等から)をさらに含んでなってもよい。清澄剤が、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中に存在する場合、清澄剤は、約1モル%以下またはさらには約0.4モル%以下の量で存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、清澄剤としてSnOを含んでもよい。これらの実施形態において、SnOは、約0モル%を超えかつ約1モル%以下の量またはさらには約0.01モル%以上かつ約0.30モル%以下の量でガラス組成物中に存在してもよい。
さらに、本明細書に記載されるガラス組成物は、ガラス組成物の化学的耐久性をさらに改善するために、1種または複数の追加の金属酸化物を含んでなってもよい。例えば、ガラス組成物は、ZnO、TiO、またはZrOをさらに含んでもよく、それらの各々は、化学的攻撃に対するガラス組成物の耐性をさらに改善する。これらの実施形態において、追加の金属酸化物が、約0モル%以上かつ約2モル%以下の量で存在してもよい。例えば、追加の金属酸化物がZnOである場合、ZnOは、1モル%以上かつ約2モル%以下の量で存在してもよい。追加の金属酸化物が、ZrOまたはTiOである場合、ZrOまたはTiOは、約1モル%以下の量で存在してもよい。しかしながら、これらの構成成分は任意であることと、いくつかの実施形態においてガラス組成物はこれらの構成成分なしで形成されてもよいこととを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、亜鉛および/または亜鉛含有の化合物を殆ど含有しなくてもよい。同様に、ガラス組成物は、チタンおよび/またはチタン含有の化合物ど含有しなくてもよい。同様にガラス組成物は、ジルコンおよび/またはジルコン含有の組成物を殆ど含有しなくてもよい。
ガラス組成物の構成成分の様々な濃度範囲が、本明細書に記載されているが、各濃度範囲がガラス組成物の様々な実施形態に適用されてもよいことを理解されたい。例示的な一実施形態において、ガラス組成物は、約67モル%〜約78モル%のSiO;約3モル%〜約13モル%のアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、0.1モル%以上かつ1.0モル%以下の量でCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、2モル%以上かつ約10モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでY:Xの比は、1より大きい)を含んでもよい。
例示的な別の一実施形態において、ガラス組成物は、約72モル%〜約78モル%のSiO;約4モル%〜約8モル%のアルカリ土類酸化物(ここで、アルカリ土類酸化物は、MgOおよびCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約4モル%以上かつ約8モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下の量でNaOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含んでもよい。
さらに別の例示的な実施形態において、ガラス組成物は、約74モル%〜約78モル%のSiO;約4モル%〜約8モル%のアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、MgOとCaOの両方を含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約2モル%以上かつ約10モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下の量でNaOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含んでもよく、並びにガラス組成物は、ホウ素およびホウ素化合物を含有しない。
別の例示的な実施形態において、ガラス組成物は、約74モル%〜約78モル%のSiO;約4モル%〜約8モル%のアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、MgOおよびCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約4モル%以上かつ約8モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下の量でNaOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含んでもよい。
さらに別の例示的な実施形態において、ガラス組成物は、約74モル%〜約78モル%のSiO;CaOとMgOの両方を含むアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、約0.1モル%以上かつ約1.0モル%以下の量でCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約2モル%以上かつ約10モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約0.01モル%〜約1.0モル%のKOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含んでもよい。
さらに、それからガラス容器が成形されうるガラス組成物の構成成分の特定種は、ガラス成形温度および再成形温度で揮発性であることがあり、それは次に、組成の不均質化、続いてガラス容器の層間剥離を引き起こすことが判明されている。ガラス組成物の成形温度および再成形温度は、一般的にガラス組成物が約200ポアズ(20Pa・s)〜約20キロポアズ(2kPa・s)またはさらには約1キロポアズ(0.1kPa・s)〜約10キロポアズ(1kPa・s)の範囲で粘度を有する温度に相当する。従って、いくつかの実施形態において、それからガラス容器が成形されるガラス組成物は、約200ポアズ(20Pa・s)〜約50キロポアズ(5kPa・s)の範囲での粘度に対応する温度で揮発する化学種を形成する構成成分を含有しない。他の実施形態において、それからガラス容器が成形されるガラス組成物は、約1キロポアズ(0.1kPa・s)〜約10キロポアズ(1kPa・s)の範囲での粘度に対応する温度で揮発する化学種を形成する構成成分を含有しない。
本明細書に記載されるガラス組成物は、一群のガラス原料が所望の組成物を有するように、一群のガラス原料(例えば、粉末のSiO、Al、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物等)を混合することにより形成される。その後、一群のガラス原料を加熱し、溶融したガラス組成物を形成し、続いて冷却し、凝固してガラス組成物を形成する。凝固中に(つまり、ガラス組成物が塑性変形可能である場合)、ガラス組成物は、標準の成形技術を用いてガラス組成物を所望の最終形態に賦形することにより、賦形されてもよい。別法として、ガラス組成物は、素材の形態(例、シート、管等)に賦形され、続いて再加熱されて、ガラス容器100に成形されてもよい。
本明細書に記載されるガラス組成物は、様々な形態(例えば、シート、管等)に賦形されてよい。しかしながら、ガラス組成物の化学的耐久性が付与されるならば、本明細書に記載されるガラス組成物は、液体、粉末等のような医薬製剤を包含するための医薬品パッケージの成形における使用に特によく適している。例えば、本明細書に記載されるガラス組成物を用いて、ガラス容器(例、バイアル、アンプル、カートリッジ、シリンジ本体および/または医薬製剤を保管するための任意の他のガラス容器等)を成形してもよい。さらに、イオン交換を介してガラス組成物を化学的に強化する能力を利用して、このような医薬品パッケージングの機械的耐久性を改善することができる。従って、少なくとも1つの実施形態において、医薬品パッケージングの化学的耐久性および/または機械的耐久性を改善するために、ガラス組成物を医薬品パッケージングに組み込むことを理解されたい。
さらに図1を参照すると、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物中のアルカリ酸化物の存在は、イオン交換によるガラスの化学的な強化を促進する。具体的には、アルカリイオン(例、カリウムイオン、ナトリウムイオン等)は、イオン交換を促進するのに十分な可動性がある。いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、イオン交換性であり、約3μm以上かつ約150μmまでの層深さを有する圧縮応力層を形成する。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス組成物は、イオン交換性であり、10μm以上の層深さを有する圧縮応力層を形成する。いくつかの実施形態において、層深さは、約25μm以上またはさらには約50μm以上であってよい。他のいくつかの実施形態において、層深さは、75μm以上またはさらには100μm以上であってよい。さらに他の実施形態において、層深さは、10μm以上かつ約100μm以下であってよい。いくつかの実施形態において、層深さは、約30μm以上かつ約150μm以下であってよい。いくつかの実施形態において、層深さは、約30μm以上かつ約80μm以下であってよい。他のいくつかの実施形態において、層深さは、約35μm以上かつ約50μm以下であってよい。ガラス容器の表面(つまり、外面106および/または内面104)での圧縮応力は、約200MPa以上である。例えば、いくつかの実施形態において、イオン交換強化後、圧縮応力は、300MPa以上またはさらには約350MPa以上であってよい。いくつかの実施形態において、ガラス容器表面の圧縮は、約300MPa以上かつ約750MPa以下であってよい。他のいくつかの実施形態において、ガラス容器表面の圧縮は、約400MPa以上かつ約700MPa以下であってよい。さらに他の実施形態において、ガラス容器表面の圧縮は、約500MPa以上かつ約650MPa以下であってよい。
様々なイオン交換技術を使用して、ガラス容器100に所望の圧縮応力および層深さを実現してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、塩浴内の大きいアルカリイオンをガラス中の小さいアルカリイオンに交換し、それにより所望の層深さおよび圧縮応力を実現するために、溶融塩浴にガラス容器を沈めさせ、所定時間、所定温度でガラス容器を塩浴中に保持することにより、ガラス容器をイオン交換強化する。塩浴は、100%のKNOまたはKNOとNaNOの混合物を含んでもよい。例えば、一実施形態において、溶融塩浴は、約10%までのNaNOを伴うKNOを含んでもよい。溶融塩浴の温度は、350℃以上かつ500℃以下であってよい。いくつかの実施形態において、溶融塩浴の温度は、400℃以上かつ500℃以下であってよい。さらに他の実施形態において、溶融塩浴の温度は、450℃以上かつ475℃以下であってよい。ガラス容器は、所望の層深さおよび圧縮応力を実現するために、約0.5時間以上〜約30時間以下またはさらには20時間以下、溶融塩浴内に保持されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス容器は、4時間以上かつ約12時間以下、溶融塩浴内に保持されててもよい。他の実施形態において、ガラス容器は、約5時間以上かつ約8時間以下、溶融塩浴内に保持されててもよい。例示的な一実施形態において、ガラス容器は、約400℃以上かつ約500℃以下の温度で、約5時間以上かつ約8時間以下の期間、100%KNOを含む溶融塩浴内でイオン交換されてよい。
本明細書に記載されるガラス容器は、ISO719のHGB2またはさらにはHGB1の耐加水分解性および/またはISO720のHGA2またはさらにはHGA1の耐加水分解性(本明細書にさらに記載される通り)を有してもよく、さらにイオン交換強化の結果改善された機械的特性を有する。本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、ガラス物品は、ガラス物品内の表面から層深さ25μm以上またはさらには35μm以上までに及ぶ圧縮応力層を有してもよい。いくつかの実施形態において、層深さは、40μm以上またはさらには50μm以上であってよい。ガラス物品の表面圧縮応力は、250MPa以上、350MPa以上、またはさらには400MPa以上であってよい。本明細書に記載されるガラス組成物は、上文に記載される通りガラス組成物のアルカリイオンの拡散率を向上させることが起因して、従来のガラス組成物よりも迅速におよび/または低い温度で、前述の層深さおよび表面圧縮応力の実現を促進する。例えば、層深さ(つまり、25μm以上)および圧縮応力(つまり、250MPa以上)は、100%KNOの溶融塩浴(またはKNOとNaNOを混合した塩浴)内で、5時間以下、またはさらには4.5時間以下の期間、500℃以下またはさらには450℃以下の温度で、ガラス物品をイオン交換することにより、実現されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの層深さおよび圧縮応力を実現するための時間は、4時間以下またはさらには3.5時間以下であってよい。これらの層深さおよび圧縮応力を実現するための温度は、400℃以下であってよい。
これらの改善されたイオン交換特性は、それからガラス容器100が成形されるガラス組成物が、450℃以下の温度で約16μm/時より大きい、またはさらには450℃以下の温度で20μm/時以上の閾値の拡散率を有する場合に実現されることが可能である。いくつかの実施形態において、閾値の拡散率は、450℃以下の温度で約25μm/時以上またはさらには450℃以下の温度で30μm/時であってよい。他のいくつかの実施形態において、閾値の拡散率は、450℃以下の温度で約35μm/時以上またはさらには450℃以下の温度で40μm/時であってよい。さらに他の実施形態において、閾値の拡散率は、450℃以下の温度で約45μm/時以上またはさらには450℃以下の温度で50μm/時であってよい。
それからガラス容器100が成形されるガラス組成物は、一般的に約525℃以上かつ約650℃以下の歪み点を有してよい。そのガラスは、さらに約560℃以上かつ約725℃以下の徐冷点と、約750℃以上かつ約960℃以下の軟化点とを有してよい。
本明細書に記載される実施形態において、ガラス組成物は、約70×10−7−1未満またはさらには約60×10−7−1未満のCTEを有する。これらのより低いCTE値は、それより高いCTEを有するガラス組成物と比較して熱サイクルまたは熱応力条件に対してガラスの残存力を改善する。
さらに、それからガラス容器100が成形されうるガラス組成物は、DIN12116規格、ISO695規格、ISO719規格、およびISO720規格により定められる通り、化学的耐久性および耐劣化性である。
ISO695規格は、塩基性溶液に入れた場合の分解に対するガラスの耐性の尺度である。要するに、ISO695規格は、秤量した後1MのNaOH+0.5MのNaCOの煮沸液に3時間入れた磨き板ガラス試料を利用する。次に、試料を溶液から取り出し、乾燥させ、再び秤量する。塩基性溶液に曝した間のガラスの質量損失は、試料の塩基耐久性の尺度である(小さい数字ほど大きい耐久性を表す)。DIN12116規格と同様に、ISO695規格の結果は、表面積当たりの質量の単位、具体的にはmg/dmで報告される。ISO695規格は、個々のクラスに分類される。クラスA1は、75mg/dmまでの重量損失を表し;クラスA2は、75mg/dm〜175mg/dmまでの重量損失を表し;およびクラスA3は、175mg/dmを超える重量損失を表す。
ISO720規格は、CO無含有の浄水における劣化に対するガラスの耐性の尺度である。要するにISO720規格プロトコルは、オートクレーブ処理条件下(121℃、2気圧)で30分間、CO無含有の浄水と接触して置かれた破砕ガラス粒子を利用する。次に、溶液を比色分析的に希釈のHClで中性pHまで滴定する。次に、中性溶液まで滴定するのに要するHClの量をガラスから抽出したNaOの当量に換算し、ガラスの重量当たりのNaOをμgで報告する(小さい値ほど大きい耐久性を表す)。ISO720規格は、個々のタイプに分類される。Type HGA1は、62μgまでの、試験したガラスのグラム当たりの抽出したNaOの当量を表し;Type HGA2は、62μg超かつ527μgまでの、試験したガラスのグラム当たりの抽出したNaOの当量を表し;およびType HGA3は、527μg超かつ930μgまでの、試験したガラスのグラム当たりの抽出したNaOの当量を表す。
ISO719規格は、CO無含有の浄水における劣化に対するガラスの耐性の尺度である。要するにISO719規格プロトコルは、98℃の温度、1気圧で30分間、CO無含有の浄水と接触して置かれた破砕ガラス粒子を利用する。次に、溶液を比色分析的に希釈のHClで中性pHまで滴定する。次に、中性溶液まで滴定するのに要するHClの量をガラスから抽出したNaOの当量に換算し、ガラスの重量当たりのNaOをμgで報告する(小さい値ほど大きい耐久性を表す)。ISO719規格は、個々のタイプに分類される。Type HGB1は、31μgまでの抽出したNaOの当量を表し;Type HGB2は、31μg超かつ62μgまでの抽出したNaOの当量を表し;Type HGB3は、62μg超かつ264μgまでの抽出したNaOの当量を表し;Type HGB4は、264μg超かつ620μgまでの抽出したNaOの当量を表し;およびType HGB5は、620μg超かつ1085μgまでの抽出したNaOの当量を表す。本明細書に記載されるガラス組成物は、タイプHGB2のISO719耐加水分解性を有し、或いは、いくつかの実施形態においてさらに良好なことにタイプHGB1耐加水分解性を有する。
本明細書に記載されるガラス組成物は、イオン交換強化前とイオン交換強化後の両方に、DIN12116に準拠した少なくともクラスS3の耐酸性を有し、いくつかの実施形態においてイオン交換強化後に少なくともクラスS2またはさらにはクラスS1の耐酸性を有する。他のいくつかの実施形態において、ガラス組成物は、イオン交換強化前とイオン交換強化後の両方に少なくともクラスS2の耐酸性を有することがあり、いくつかの実施形態においてイオン交換強化後にクラスS1の耐酸性を有する。さらに、本明細書に記載されるガラス組成物は、イオン交換強化前とイオン交換強化後に、少なくともクラスA2のISO695に準拠した耐塩基性を有し、いくつかの実施形態においてイオン交換強化の少なくとも後にクラスA1耐塩基性を有する。本明細書に記載されるガラス組成物はまた、イオン交換強化前とイオン交換強化後の両方に、ISO720タイプHGA2耐加水分解性も有し、いくつかの実施形態においてイオン交換強化の後にタイプHGA1耐加水分解性を有し、他のいくつかの実施形態においてイオン交換強化前とイオン交換強化後の両方にタイプHGA1耐加水分解性を有する。本明細書に記載されるガラス組成物は、タイプHGB2のISO719耐加水分解性を有し、或いはいくつかの実施形態においてさらに良好なことにタイプHGB1耐加水分解性を有する。DIN12116、ISO695、ISO720およびISO719に準拠した上の参考分類を参照する場合、「少なくとも」1種の特定の分類を有するガラス組成物またはガラス物品は、ガラス組成物の性能が、特定の分類と同じように良好またはそれよりも優れていることを意味することを理解されたい。例えば、「少なくともクラスS2」のDIN12116耐酸性を有するガラス物品は、S1またはS2のいずれかのDIN12116分類を有することもある。
USP<660>試験および/またはEuropean Pharmacopeia3.2.1試験に関して、本明細書に記載されるガラス容器は、Type1化学的耐久性を有する。上述の通り、USP<660>およびEuropean Pharmacopeia3.2.1試験は、破砕ガラス粒子よりもむしろ非損傷のガラス容器において実施され、従ってUSP<660>およびEuropean Pharmacopeia3.2.1試験は、ガラス容器内面の化学的耐久性を直接評価するために使用されてよい。
DIN12116規格、ISO695規格、ISO719規格およびISO720規格により確定されている通りの化学的耐久性および耐劣化性であることに加えて、本明細書に記載されるガラス容器は、2013年6月7日に出願の米国特許出願第13/912,457号明細書および表題名「Delamination Resistant Glass Containers」(その全てが参照により本明細書に組み込まれる)に記載される通り、成形時のままの状態において均質の組成特性を有する。従って、ガラス容器は、改善された耐層間剥離性を呈する。ガラス容器の改善された耐層間剥離性が揮発性種(例、リンから形成される化学種等)を殆ど含有しないガラス組成物からガラス容器を成形することに起因し、それが、次に結果として、ガラス容器の厚さ全体およびガラス容器の内面全体にわたってさらに均質の組成分布となることが、確信されている。
ここで図1および2を参照すると、本明細書に記載されるガラス容器は、ガラス本体102の厚みを通して壁部、ヒール部、および底部の各部において均質の組成物を有する。具体的には、図2は、ガラス容器100の壁部110の部分的断面を概略的に示す。ガラス容器100のガラス本体102は、内部域160を有し、その内部域は、ガラス容器100の内面104の下約10nm(図2にDLR1として記載)から、壁部110の厚みの中へ、ガラス容器の内面104からDLR2の深さに及ぶ。内面104の下約10nmから延びる内部域は、実験的結果によると、表面から下の最初の5〜10nm内の組成物とは違いが認められる。DSIMS分析法の開始時において、3つの懸念(外来炭素が原因となり表面からのイオンのスパッタリング率が変動すること、変動的なスパッタリング率が起因して電荷の定常状態が部分的になること、および定常のスパッタリング状態を確立する間に化学種が混合すること)があるので、最初の5〜10nmを分析に含めない。結果として、図25A、25Bおよび26の例示的な点に示されるように、分析の最初の2データ点は除外される。従って、内部域160は、DLR2−DLR1に等しい厚さTLRを有すると理解されたい。内部域のガラス組成物は、持続的な層均質性を有し、それは内部域の厚さTLRと併せて、ガラス容器の内容積部に包含される溶液に長期間暴露された後のガラス本体の層間剥離を妨げるのに十分である。いくつかの実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約100nmである。いくつかの実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約150nmである。他のいくつかの実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約200nmまたはさらには約250nmである。他のいくつかの実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約300nmまたはさらには約350nmである。尚他の実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約500nmである。いくつかの実施形態において、内部域160は、少なくとも約1μmまたはさらには少なくとも約2μm厚TLRまで及んでもよい。
内部域は、ガラス容器100の内面104の下10nmから、壁部110の厚みの中へ、ガラス容器の内面104からDLR2の深さに及ぶと本明細書で上述されているが、他の実施形態が可能であると理解されたい。例えば、上述の実験的結果に反して、持続的な層均質性を有する内部域は、ガラス容器100の内面104から壁部の厚さまで実際に及んでもよいと仮定する。従って、いくつかの実施形態において、厚さTLRは、内面から深さDLR2まで及んでもよい。これらの実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約100nmであってよい。いくつかの実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約150nmである。いくつかの他の実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約200nmまたはさらには約250nmである。いくつかの他の実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約300nmまたはさらには約350nmである。尚他の実施形態において、厚さTLRは、少なくとも約500nmである。いくつかの実施形態において、内部域160は少なくとも約1μmまたはさらには少なくとも約2μm厚TLRまで及んでもよい。
本明細書に記載される実施形態において、句「持続的な層均質性」は、内部域のガラス組成物の構成成分(例えば、SiO、Al、NaO等)の濃度が、ガラス本体の厚さの中間点(つまり、内面104から外面106までのガラス本体を二等分する中心線MP上の点)における同一構成成分の濃度(その量によりガラス容器内に包含される溶液に長期間暴露された際にガラス本体の層間剥離が生じる結果となりうる)と異ならないことを意味する。本明細書に記載される実施形態において、ガラス本体の内部域における層均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、内部域160におけるガラス組成物の各構成成分の層濃度の極値(つまり、最小値または最大値)が、ガラス本体の厚さの中心点での同一構成成分の約80%以上かつ約120%以下であることである。他の実施形態において、ガラス本体の内部域における層均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、内部域160におけるガラス組成物の各構成成分の層濃度の極値(つまり、最小値または最大値)が、ガラス本体の厚さの中心点での同一構成成分の約90%以上かつ約110%以下であることである。さらに他の実施形態において、ガラス本体の内部域における層均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、内部域160におけるガラス組成物の各構成成分の層濃度の極値(つまり、最小値または最大値)が、ガラス本体の厚さの中心点での同一構成成分の約92%以上かつ約108%以下であることである。いくつかの実施形態において、層均質性では、約2モル%未満の量で存在するガラス組成物の構成成分を除外する。
本明細書で用いる用語「成形時のままの状態」は、ガラス容器がガラス素材から成形された後であるがガラス容器が任意の付加的な加工工程(例、イオン交換強化、コーティング、硫酸アンモニウム処理等)を受ける前であるガラス容器100の組成物について表す。本明細書に記載される実施形態において、ガラス組成物中の構成成分の層濃度は、着目する区域におけるガラス本体の厚みを通して組成物試料を捕集することにより、動的二次イオン質量分析法を用いて決定される。本明細書に記載される実施形態において、組成分布は、ガラス本体102の内面104の区域から試料抽出される。試料抽出域は、最大1mmの面積を有する。この技術は、試料抽出域におけるガラス本体の内面からの深さの関数として、ガラス内の化学種の組成分布をもたらす。
上述の持続的な層均質性を有するガラス容器を成形することにより、ガラス容器の耐層間剥離性を通常改善する。具体的には、組成が均質(つまり、内部域における構成成分の濃度極値が、ガラス本体の厚さの中心点での同一構成成分の+/−20%内)である内部域を提供することにより、ガラス組成物の構成成分の濃度局在(浸出され易くなることもある)が、回避され、それは結局、これらの構成成分がガラス表面から浸出することによるガラス容器内面からのガラス粒子の損失を緩和する。
本明細書に記載のように、成形時のままの状態の容器は、ガラス本体の内面に塗布される無機および/または有機コーティングを含むコーティングが施されていない。従って、ガラス容器の本体が、内面から本体の厚みの中へ少なくとも250nmまたはさらには少なくとも300nmの深さに及ぶ本ほぼ単一性組成物から形成されると理解されたい。用語「単一性組成物」は、本体部分が内面から本体の厚みの中へ少なくとも250nmまたはさらには少なくとも300nmの深さに及ぶところのガラスが、同一または異なる組成物のいずれかの他の材料に塗布されるコーティング材料と比較して、単一の組成物の材料である事実を表す。例えば、いくつかの実施形態において、容器本体は、単一のガラス組成物で構成されてもよい。他の一実施形態において、容器本体は、本体の内面が単一性組成物(内面から少なくとも250nmまたはさらには少なくとも300nmの深さに及ぶ)を有するように、積層ガラスで構成されてもよい。ガラス容器は、上述のように、内面からまたは内面下10nmからのいずれかから少なくとも100nmの深さに及ぶ内部域を含んでもよい。この内部域は、持続的な層均質性を有してもよい。
ここで図1および3を参照すると、本明細書に記載されるガラス容器はまた、壁部、ヒール部および底部を含むガラス本体102の内面104上の均質な表面組成物も有してもよい。図3は、ガラス容器100の壁部110の部分的な断面を概略的に示す。ガラス容器100は、ガラス容器の全内面上に及ぶ表面域165を有する。表面域165は、ガラス容器100の内面104から、ガラス本体の厚みの中へ、外面に向かって及ぶ深さDSRを有する。従って、表面域165は、深さDSRと等しい厚さTSRを有すると理解されたい。いくつかの実施形態において、表面域は、ガラス容器100の内面104から少なくとも約10nmの深さDSRに及ぶ。他のいくつかの実施形態において、表面域165は、少なくとも約50nmの深さDSRまで及んでもよい。いくつかの他の実施形態において、表面域165は、約10nm〜約50nmの深さDSRに及んでもよい。従って、表面域165は、内部域160より浅い深さに及ぶと理解されたい。表面域のガラス組成物は、内部域の深さDSRと併せて持続的な表面均質性を有し、その表面均質性は、ガラス容器の内容積部に包含される溶液への長期間暴露の後、ガラス本体の層間剥離を回避するのに十分である。
本明細書に記載される実施形態において、句「持続的な表面均質性」は、内部域の離散点におけるガラス組成物の構成成分(例えば、SiO、Al、NaO等)の濃度が、表面域の任意の第二離散点における同一構成成分の濃度(その量によりガラス容器の内部に包含される溶液に長い期間暴露される際のガラス本体の層間剥離という結果をもたらす)と異ならないことを意味する。本明細書に記載される実施形態において、表面域の持続的な表面均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、ガラス容器の内面104上の一離散点に関して、一離散点における表面域165内の構成成分の各々の表面濃度の極値(つまり、最小値または最大値)が、ガラス容器100の内面104上の任意の第二離散点における表面域165内の同一構成成分の約70%以上かつ約130%以下であることである。例えば、図3は、壁部110の内面104上の3離散点(A、B、およびC)を表す。各点は、隣接する点から少なくとも約3mm離れている。表面域165上の点「A」における構成成分の各々の表面濃度の極値は、表面域165上の点「B」、「C]における同一構成成分の約70%以上かつ約130%以下である。容器のヒール部に言及すると、離散点は、隣接点が容器底部に沿っておよび容器壁部に沿ってヒール部の最上点から少なくとも3mmのところに位置して、ヒール部の最上点でほぼ中心にあってもよく、点と点(つまり、バイアル壁部がバイアル肩部に移行する点)との距離はバイアルの半径および側壁の高さによって制限されている。
いくつかの実施形態において、表面域の持続的な表面均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、ガラス容器100の内面104上の任意の離散点に関して、表面域165内のガラス組成物の構成成分の各々の表面濃度の極値が、ガラス容器100の内面104上の任意の第二離散点における表面域165内の同一構成成分の約75%以上かつ約125%以下であることである。他のいくつかの実施形態において、表面域の持続的な表面均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、ガラス容器100の内面104上の任意の離散点に関して、表面域165内のガラス組成物の構成成分の各々の表面濃度の極値が、ガラス容器100の内面104上の任意の第二離散点における表面域165内の同一構成成分の約80%以上かつ約120%以下であることである。さらに他の実施形態において、表面域の持続的な表面均質性は、ガラス容器100が成形時のままの状態である場合、ガラス容器100の内面104上の任意の離散点に関して、表面域165内のガラス組成物の構成成分の各々の表面濃度の極値が、ガラス容器100の内面104上の任意の第二離散点における表面域165内の同一構成成分の約85%以上かつ約115%以下であることである。本明細書に記載される実施形態において、表面域におけるガラス組成物の構成成分の表面濃度は、光電子分光法により測定される。いくつかの実施形態において、表面域における持続的な表面均質性では、約2モル%未満の量で存在するガラス組成物の構成成分は除外される。
表面域165におけるガラス構成成分の表面濃度の均質性は、一般的にガラス組成物がガラス容器100の内面104から層間剥離し、ガラス粒子を脱落する傾向の目安となる。ガラス組成物が、表面域165に持続的な表面均質性を有する(つまり、内面104上の離散点における表面域165内のガラス構成成分の表面濃度の極値が、内面104上の任意の第二離散点における表面域165内の同一構成成分の+/−30%内である)場合、ガラス組成物は改善された耐層間剥離性を有する。
ここで、本明細書に記載されるガラス容器が、持続的な層均質性および/または持続的な表面均質性を有し、各々の均質性により、ガラス容器の耐層間剥離性が改善されることを理解されたい。持続的な層均質性および/または持続的な表面均質性は、内容積部の境界となるガラス容器の表面が耐層間剥離性であるように、ガラス容器の側壁部だけでなく、ガラス容器のヒール部および底部にも存在する。
上述の通り、層間剥離は、溶液に長期間にわたり暴露された後、ガラス容器に包含される溶液中にシリカに富むガラスフレークが放たれる結果となることがある。従って、耐層間剥離性は、特定の条件下で溶液に長期間にわたり暴露された後、ガラス容器に包含された溶液中に存在するガラス微粒子数により特徴付けられてもよい。長期間にわたるガラス容器の耐層間剥離性を評価するために、層間剥離加速試験を利用した。試験は、イオン交換ガラス容器および非イオン交換ガラス容器の両方において実施された。試験は、ガラス容器を室温で1分間洗浄し、約320℃で1時間、発熱物質除去することで構成された。その後、pH10を有する20mMグリシン水溶液をガラス容器全量の80〜90%まで入れ、ガラス容器を密閉し、急速に100℃まで加熱し、次に2気圧の圧力で1度/分の上昇率で100℃〜121℃まで加熱する。ガラス容器および溶液をこの温度で60分間保持し、0.5度/分の速度で室温まで冷却し、その加熱サイクルおよび保持を繰り返す。次にガラス容器を50℃まで加熱し、10日以上保持し、高温コンディショニングする。加熱後、ガラス容器を少なくとも18インチ(45.72センチメートル)の距離から堅固な表面(例、積層タイル床等)上に落下させ、ガラス容器の内面に弱く付着したフレークまたは粒子を取り除く。落下距離は、大サイズのバイアルが衝撃で破砕するのを回避するように適切に率に応じて定められてもよい。
その後、ガラス容器に包含された溶液を分析し、溶液リットル当たりに存在するガラス粒子数を確認する。具体的には、溶液5mLを10〜15秒内でフィルターを通して吸引する真空吸引に付随するMillipore Isopore Membraneフィルター(#AP1002500および#M000025A0部分を伴う集成装置に保持されるMillipore#ATTP02500)の中央に、ガラス容器からの溶液を直接注ぐ。その後、濯ぎとして水をさらに5mL用いて、濾過材からバッファー残渣を除去した。次に、光学顕微鏡およびデジタル画像の基本、New York:Wiley−Liss、pp153−168の「Differential interference contrast(DIC)microscopy and modulation contrast microscopy」に記載されるように、反射モードで微分干渉顕微鏡(DIC)により微粒子フレークを計数する。視野は、ほぼ1.5mm×1.5mmに設定し、50マイクロメートルより大きい粒子を手動で計数する。画像間に重複なく3×3パタ−ン内で各フィルタ−膜の中央で行われたこのような9測定が存在する。大きい面積の濾過材を分析するならば、結果は等しい面積(つまり、20.25mm)に正規化することができる。光学顕微鏡から収集される画像を、画像解析プログラム(Media Cybernetic’s ImagePro Plus version 6.1)で検討し、存在するガラスフレーク数を測定し、計数する。以下のようにこれを遂行した。単純なグレースケールのセグメント化によって、背景より暗く見える画像内のすべての特徴をハイライト表示した;次に25マイクロメートルを超える長さを有するハイライト表示された全ての特徴の長さ、幅、面積および外辺部を測定する;次に、明らかな非ガラス粒子のいずれもデータから除去する;次に、測定データをスプレッドシート形式でエクスポートする。次に、長さが25マイクロメートルを超え背景より明るい全ての特徴を抜き出し、測定しする;25マイクロメートルを超える長さを有するハイライト表示された全ての特徴の長さ、幅、面積、外辺部およびX−Yアスペクト比を測定する;明らかな非ガラス粒子のいずれもデータから除去する;測定データをスプレッドシート形式で事前にエクスポートしたデータに追加する。次に、スプレッドシート内のデータを特徴の長さにより分類し、サイズに基づいて細分化する。報告された結果は、50マイクロメートルを超える長さの特徴におけるものである。次に、これらの各群を計数し、各試料の計測数を報告した。
最低量100mLの溶液を試験する。従って、多数の小容器からの溶液を貯留して、総量100mLの溶液としてもよい。10mLを超える体積を有する容器に対して、同一の加工条件下で、同一のガラス組成物から成形される10個の容器の試行に関して試験を繰り返し、粒子数の結果を10個の容器において平均し、平均粒子数を決定した。別法として、小容器の場合、10バイアルの試行に関する試験を繰り返し、各試行を分析し、複数回の試行にわたって粒子数を平均し、試行当たりの平均粒子数を決定する。複数の容器にわたって粒子数を平均することにより、個々の容器の層間剥離挙動における潜在的な変化の程度を説明する。表1に試料体積および試験の容器の数の例(これらに限定されない)を要約する。
前述の試験は、層間剥離が起因してガラス容器の内壁部から脱落した粒子(形成プロセスから容器内に存在する混入粒子でもなく、溶液とガラスとの反応の結果として、ガラス容器に取り囲まれた溶液から凝結した粒子でもない)を同定するために用いられると理解されたい。具体的には、層間剥離の粒子は、粒子のアスペクト比(つまり、粒子の厚さに対する粒子の最大長の比、または最大寸法と最小寸法との比)を基準として、混入ガラス粒子と区別してよい。層間剥離は、不揃いに賦形されて典型的には約50μm超(約200μmを超えることも多い)の最大長を有する、微粒子フレークまたは剥離片を生成する。フレークの厚さは、通常約100nm超であり、約1μmの大きさであってよい。従って、フレークの最小アスペクト比は、典型的には約50より大きい。アスペクト比は、約100より大きくてもよく、約1000より大きいことも多い。対照的に、混入ガラス粒子は、一般的に約3未満の低いアスペクト比を有するであろう。従って、層間剥離から生成する粒子は、顕微鏡を用いた観察中に、アスペクト比を基準として混入ガラス粒子と区別されてもよい。他の一般的な非ガラス粒子として、毛髪、繊維、金属粒子、プラスチック粒子、および他の汚染物質が挙げられるが、検査中に除外される。結果の検証は、試験容器の内部域を評価することにより遂行されてよい。観察の際に、Journal of Pharmaceutical Sciences 101(4)、 2012、 1378−1384頁からの「Nondestructive Detection of Glass Vial Inner Surface Morphology with Differential Interference Contrast Microscopy」に記載されるように、皮膚腐食/孔食/フレーク除去の痕跡を記載する。
本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に存在する粒子の数を利用して、一連の試験バイアルにおける層間剥離因子を確定してもよい。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均10未満であるガラス容器の試行が、剥離因子10を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均9未満であるガラス容器の試行が、剥離因子9を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均8未満であるガラス容器の試行が、剥離因子8を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均7未満であるガラス容器の試行が、剥離因子7を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均6未満であるガラス容器の試行が、剥離因子6を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均5未満であるガラス容器の試行が、剥離因子5を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均4未満であるガラス容器の試行が、剥離因子4を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均3未満であるガラス容器の試行が、剥離因子3を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均2未満であるガラス容器の試行が、剥離因子2を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり平均1未満であるガラス容器の試行が、剥離因子1を有するとみなされる。本明細書に記載される実施形態において、層間剥離加速試験の後に、約50μmの最小長および約50超のアスペクト比を有するガラス粒子が、1試行当たり0を有するガラス容器の試行が、剥離因子0を有するとみなされる。従って、層間剥離因子が小さいほど、ガラス容器の耐層間剥離性が良好になると理解されたい。本明細書に記載される実施形態において、ガラス容器は、10未満の層間剥離因子(例えば、3、2、1または0の層間剥離因子)を有する。
本明細書に上述した特性(つまり、内面上および厚みにわたる均質な組成と同様に耐層間剥離性)を有するガラス容器は、ガラス組成物の構成成分が必要とされる温度で比較的に低い蒸気圧を有する化学種(つまり、低揮発性を有する化学種)を形成して、ガラス素材からガラス容器を所望の容器の形状に再成形するガラス組成物からガラス容器を成形することにより、獲得される。これらの構成成分は、再成形温度で比較的に低い蒸気圧を有する化学種を形成するので、構成成分は、ガラスの表面から揮発および蒸発する可能性が低く、それにより、ガラス容器の内面上およびガラス容器の厚みにわたって均質な組成を有するガラス容器を成形する
DIN12116規格、ISO695規格、ISO719規格およびISO720規格により決定されているような化学的耐久性および耐劣化性であること、並びに改善された耐層間剥離性を有することに加えて、本明細書に記載されるガラス容器には、また、ガラス容器の摩擦損傷に対する耐性を改善する耐熱性コーティングも含まれる。コーティングは、高温において熱的に安定であり、従って充填に先立って高温加工を実施する医薬品パッケージに使用するのに適切である。
図1および4を参照すると、耐熱性コーティング120は、ガラス容器100の外面106上に位置付けされる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120は、ガラス容器100の外面106と直接接触するカップリング剤層180を備えてもよく、さらにカップリング剤層180と直接接触する低摩擦層170を備えてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120が、カップリング剤層180を含まなくてもよく、低摩擦層170が、ガラス容器100の外面106と直接接触してもよいと理解されたい。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120は、2013年2月28日に出願され、表題名「Glass Articles With Low Friction Coatings、」の米国特許出願第13/780,740号明細書(その全てが引用により本明細書に援用されている)に記載されるようなコーティングである。
一般的に、耐熱性コーティングは、医薬品パッケージとして用いられてもよい容器等のガラス物品の表面に塗布されてもよい。耐熱性コーティングは、コーティングしたガラス物品に有利な特性(例、低減された摩擦係数および増大された耐損傷性等)を提供しうる。低減摩された擦係数は、ガラスに対する摩擦損傷を軽減することにより、ガラス物品に改善された強度および耐久性を与えうる。さらに、耐熱性コーティングは、高温および他の条件(例、医薬品をパッケージするのに利用されるパッケージング工程および事前パッケージング工程中に施される条件)(例えば、発熱物質除去、オートクレーブ処理等)に暴露された後、前述の改善された強度および耐久的な特性を維持しうる。従って、耐熱性コーティングおよび耐熱性コーティングを有するガラス物品は、熱的に安定である。
耐熱性コーティングは、通常シランおよびポリマー化学組成物(例、ポリイミド等)などのようなカップリング剤を含んでなってもよい。いくつかの実施形態において、カップリング剤は、ガラス物品の表面に位置付けされるカップリング剤層に配置されてもよく、ポリマー化学組成物は、カップリング剤層上に位置付けされる低摩擦層に配置されてもよい。従って、低摩擦層は、ポリマー化学組成物を含むと理解されたい。他の実施形態において、カップリング剤およびポリマー化学組成物は、耐熱性コーティングを形成する単層内に混合されてもよい。
図1は、耐熱性コーティング120を有するガラス容器100の断面を概略的に示す。耐熱性コーティング120は、ガラス本体102の少なくとも一部の外面106上に位置付けされる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120が、ガラス本体102の外面106上のほぼ全体に位置付けされてもよい。耐熱性コーティング120は、外表面122とガラス本体接触面124とを有し、ガラス本体接触面は、ガラス本体102と耐熱性コーティング120との境界面である。耐熱性コーティング120は、外面106でガラス本体102に結合されてもよい。
ここで図1および4を参照すると、一実施形態において、耐熱性コーティング120は、2層構造を備える。図4は、ガラス容器100の断面を示し、耐熱性コーティングは、低摩擦層170とカップリング剤層180とを備える。ポリマー化学組成物は、低摩擦層170に含有されてもよく、カップリング剤は、カップリング剤層180に含有されてもよい。カップリング剤層180は、壁部110の外面106と直接接触してもよい。低摩擦層170は、カップリング剤層180と直接接触してもよく、耐熱性コーティング120の外表面122を形成してもよい。いくつかの実施形態において、カップリング剤層180は、壁部110に結合し、低摩擦層170は、境界面でカップリング剤層180に結合する。しかしながら、いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120は、カップリング剤を含まなくてもよく、ポリマー化学組成物は、壁部110の外面106と直接接触して低摩擦層170に配置されてもよいと理解されたい。別の一実施形態において、ポリマー化学組成物とカップリング剤は、単層に実質的に混合されてもよい。いくつかの他の実施形態において、低摩擦層は、カップリング剤層の上に位置付けされてもよく、低摩擦層170が、ガラス容器100のカップリング剤層180および壁部110に対して外側の層であることを意味する。本明細書で用いるように、第2層の「上に」位置付けされる第1層とは、第1層が第2層と直接接触することができる、または第2層から離れている(例、第3層が、第1層と第2層の間に配置されている)ことを意味する。
ここで図5を参照すると、一実施形態において、耐熱性コーティング120は、カップリング剤層180と低摩擦層170との間に位置付けされる界面層190をさらに備えてもよい。層界面層190は、低摩擦層170の1種または複数の化学組成物(カップリング剤層180の1種または複数の化学組成物と結合する)を含んでなってもよい。この実施形態において、カップリング剤層と低摩擦層との境界面は、ポリマー化学組成物とカップリング剤との間で結合が生じる界面層190を形成する。しかしながら、いくつかの実施形態において、カップリング剤層180と低摩擦層170との境界面(図4を参照して上述したように、ポリマーとカップリング剤とが互いに化学結合する)で感知できるほどの層が全く存在しなくてもよいと理解されたい。
ガラス本体102に塗布された耐熱性コーティング120は、約100μm未満、またはさらには約1μm以下厚を有してもよい。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120の厚さは、約100nm厚以下であってよい。他の実施形態において、耐熱性コーティング120は、約90nm厚未満、約80nm厚未満、約70nm厚未満、約60nm厚未満、約50nm未満、またはさらには約25nm厚未満であってよい。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120は、ガラス本体102の全体にわたって均一の厚さでなくてもよい。例えば、耐熱性コーティング120を形成する1種または複数のコーティング溶液とガラス本体102を接触させるプロセスの結果、ガラス容器100が、一部の区域において他よりも厚い耐熱性コーティング120を有してもよい。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120は、不均一な厚さを有してもよい。例えば、コーティング厚は、ガラス容器100の異なる領域にわたって異なってもよく、それにより、選択された領域での保護が促進されうる。
低摩擦層170、界面層190、および/またはカップリング剤層180のように少なくとも2層を含む実施形態において、各層は、約100μm未満またはさらには約1μm以下の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態において、各層の厚さは、約100nm厚以下であってよい。他の実施形態において、各層は約90nm厚未満、約80nm厚未満、約70nm厚未満、約60nm厚未満、約50nm未満、約25nm厚未満であってよい。
本明細書に記載の通り、いくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120は、カップリング剤を含む。カップリング剤は、ガラス本体102へのポリマー化学組成物の密着または結合を改善することがあり、通常、ガラス本体102とポリマー化学組成物との間に配置されるか、またはポリマー化学組成物と混合される。本明細書で用いる接着力は、ガラス容器に塗布する処理(例、熱処理等)の前および後における、耐熱性コーティングの密着または結合する強さを表す。熱処理として、オートクレーブ処理、発熱物質除去、凍結乾燥等が挙げられる(これらに限定されない)。
一実施形態において、カップリング剤は、少なくとも1種のシラン化学組成物を含んでなってもよい。本明細書で用いる「シラン」化学組成物は、水溶液中でシランから形成されるシラノールだけでなく、官能性有機シランを含むシラン部を含む任意の化学組成物である。カップリング剤のシラン化学組成物は、芳香族であっても脂肪族であってよい。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のシラン化学組成物は、第1級アミン部または第2級アミン部等のアミン部を含んでなってもよい。さらに、カップリング剤は、そのようなシランの水解物および/またはオリゴマー(例、1種または複数のシラン化学組成物から形成される1種または複数のシルセスキオキサン化学組成物等)を含んでなってもよい。シルセスキオキサン化学組成物は、完全かご型構造、部分的かご型構造、または非かご型構造を含んでなってもよい。
カップリング剤は、任意の数の異なる化学組成物、例えば、1種の化学組成物、2種の異なる化学組成物、または3種以上の異なる化学組成物(複数種のモノマー化学組成物から形成されるオリゴマーを含む)を含んでなってもよい。一実施形態において、カップリング剤は少なくとも1種の(1)第一シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー、および(2)少なくとも第一シラン化学組成物と第二シラン化学組成物とのオリゴマー化から形成される化学組成物を含んでなってもよい。別の一実施形態において、カップリング剤は、第一シランおよび第二シランを含んでなってもよい。本明細書で用いる「第一」シラン化学組成物および「第二」シラン化学組成物は、異なる化学組成物を有するシランである。第一シラン化学組成物は、芳香族の化学組成物でも脂肪族の化学組成物であってもよく、任意選択的にアミン部を含んでなってもよく、および任意選択的にアルコキシシランであってよい。同様に、第二シラン化学組成物は、芳香族の化学組成物でも脂肪族の化学組成物であってもよく、任意選択的にアミン部を含んでなってもよく、および任意選択的にアルコキシシランであってよい。
例えば、一実施形態において、1種のみのシラン化学組成物が、カップリング剤として適用される。そのような実施形態において、カップリング剤は、シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマーを含んでなってもよい。
別の一実施形態において、複数種のシラン化学組成物が、カップリング剤として適用される。そのような実施形態において、カップリング剤は、少なくとも1種の(1)第一シラン化学組成物と第二シラン化学組成物との混合物、および(2)少なくとも第一シラン化学組成物と第二シラン化学組成物とのオリゴマー化から形成される化学組成物を含んでなってもよい。
上述の実施形態を参照すると、第一シラン化学組成物、第二シラン化学組成物、またはその両方が、芳香族の化学組成物であってよい。本明細書で用いる芳香族の化学組成物は、1種または複数種の、ベンゼン系列に特有の6炭素環および関連した有機部を含有する。芳香族シラン化学組成物は、アルコキシシラン(例、ジアルコキシシラン化学組成物、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマー、またはトリアルコキシシラン化学組成物、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマー(これらに限定されない)等)であってよい。いくつかの実施形態において、芳香族シランは、アミン部を含んでなってもよく、アミン部を含むアルコキシシランであってよい。別の一実施形態において、芳香族シラン化学組成物は、芳香族アルコキシシラン化学組成物、芳香族アシルオキシシラン化学組成物、芳香族ハロゲン化シラン化学組成物、または芳香族アミノシラン化学組成物であってよい。別の一実施形態において、芳香族シラン化学組成物は、アミノフェニル、3−(m−アミノフェノキシ)プロピル、N−フェニルアミノプロピル、もしくは(クロロメチル)フェニル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、またはアミノシランからなる群から選択されてもよい。例えば、芳香族アルコキシシランは、アミノフェニルトリメトキシシラン(本明細書では「APhTMS」と表されることがある)、アミノフェニルジメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、アミノフェニルジエトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルジメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルジエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルジメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルジエトキシシラン、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー化学組成物であってよい(これらに限定されない)。例示的な一実施形態において、芳香族シラン化学組成物は、アミノフェニルトリメトキシシランであってよい。
上述の実施形態を再び参照すると、第一シラン化学組成物、第二シラン化学組成物、またはその両方が、脂肪族の化学組成物であってよい。本明細書で用いる脂肪族の化学組成物は、開鎖構造を有する化学組成物等の非芳香族(例、アルカン、アルケン、およびアルキン(これらに限定されない)等)である。例えば、いくつかの実施形態において、カップリング剤は、アルコキシシランである化学組成物を含んでなってもよく、脂肪族アルコキシシラン(例えば、ジアルコキシシラン化学組成物、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマー、またはトリアルコキシシラン化学組成物、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマー(これらに限定されない)等)であってよい。いくつかの実施形態において、脂肪族シランは、アミン部を含んでなってもよく、アミン部を含むアルコキシシラン(例、アミノアルキルトリアルコキシシラン等)であってよい。一実施形態において、脂肪族シラン化学組成物は、3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、ビニル、メチル、N−フェニルアミノプロピル、(N−フェニルアミノ)メチル、N−(2−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、またはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択されてもよい。アミノアルキルトリアルコキシシランは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(本明細書では「GAPS」と表されることがある)、3−アミノプロピルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジエトキシシラン、それらの水解物、およびそれらのオリゴマー化された化学組成物を含む(それらに限定されない)。他の実施形態において、脂肪族アルコキシシラン化学組成物は、アミン部(例、アルキルトリアルコキシシランまたはアルキルビアルコキシシラン等)を含有しなくてもよい。このようなアルキルトリアルコキシシランまたはアルキルビアルコキシシランは、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー化された化学組成物を含む(これらに限定されない)。例示的な一実施形態において、脂肪族シラン化学組成物は、3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
異なる化学組成物の組合せ、特にシラン化学組成物の組合せからカップリング剤を形成することにより、耐熱性コーティング120の熱安定性が改善されうることが判明された。例えば、上述の組成物等のような芳香族シランと脂肪族シランとの組合せは、耐熱性コーティングの熱安定性を改善し、それにより、高温での熱処理後にその機械的特性(例、摩擦係数および接着性能等)を保持するコーティングを生み出すことが判明された。従って、一実施形態において、カップリング剤は、芳香族シランと脂肪族シランとの組合せを含む。これらの実施形態において、芳香族シランに対する脂肪族シランの比(脂肪族:芳香族)は、約1:3〜約1:0.2であってよい。カップリング剤が、2種以上の化学組成物(例、少なくとも1種の脂肪族シランと少なくとも1種の芳香族シラン等)を含むならば、2つの化学組成物の重量比は、第二シラン化学組成物に対する第一シラン化学組成物の重量比(第一シラン:第二シラン)等のような任意の比が、約0.1:1〜約10:1であってよい。例えば、いくつかの実施形態において、その比は、0.5:1〜約2:1(例、2:1、1:1、0.5:1等)であってよい。いくつかの実施形態において、カップリング剤は、複数種の脂肪族シランおよび/または複数種の芳香族シランの組合せを含んでなってもよく、カップリング剤は、1つ以上の工程において、有機または無機充填材を含有または無含有で、ガラス容器に適用されうる。いくつかの実施形態において、カップリング剤は、脂肪族シランと芳香族シランとの両方から形成されるオリゴマー(例、シルセスキオキサン等)を含む。
例示的な一実施形態において、第一シラン化学組成物は、芳香族シラン化学組成物であり、第二シラン化学組成物は、脂肪族シラン化学組成物である。例示的な一実施形態において、第一シラン化学組成物は、少なくとも1種のアミン部を含む芳香族アルコキシシラン化学組成物であり、第二シラン化学組成物は、少なくとも1種のアミン部を含む脂肪族アルコキシシラン化学組成物である。別の例示的な一実施形態において、カップリング剤は、1種または複数のシラン化学組成物のオリゴマーを含んでなり、オリゴマーは、シルセスキオキサン化学組成物であり、少なくとも1種のシラン化学組成物は、少なくとも1種の芳香族部と少なくとも1種のアミン部とを含む。特定の例示的な一実施形態において、第一シラン化学組成物は、アミノフェニルトリメトキシシランであり、第二シラン化学組成物は、3−アミノプロピルトリメトキシシランである。脂肪族シランに対する芳香族シランの比は、約1:1であってよい。別の特定の例示的な一実施形態において、カップリング剤は、アミノフェニルトリメトキシおよび3−アミノプロピルトリメトキシから形成されるオリゴマーを含む。別の一実施形態において、カップリング剤は、アミノフェニルトリメトキシと3−アミノプロピルトリメトキシとの混合物と、これら2種から形成されるオリゴマーとの両方を含んでなってもよい。
別の一実施形態において、カップリング剤は、アミノアルキルシルセスキオキサンである化学組成物を含んでなってもよい。一実施形態において、カップリング剤は、アミノプロピルシルセスキオキサン(APS)オリゴマー(Gelestから水溶液として市販されている)を含む。
一実施形態において、芳香族シラン化学組成物は、クロロシラン化学組成物である。
別の一実施形態において、カップリング剤は、加水分解されたアミノアルコキシシラン類似体(例、(3−アミノプロピル)シラントリオール、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−シラントリオールおよび/またはそれらの混合物(これらに限定されない)等)である化学組成物を含んでなってもよい。
別の一実施形態において、カップリング剤は、金属および/またはセラミック膜等の無機材料であってよい。カップリング剤として使用されるのに適切な無機材料の例として、チタネート、ジルコネート、スズ、チタン、および/またはそれらの酸化物が挙げられる(これらに限定されない)。
一実施形態において、カップリング剤は、浸漬法によって、希釈したカップリング剤と接触することにより、ガラス本体102の外面106に塗布される。カップリング剤は、ガラス本体102に塗布される場合、溶媒中に混合されてもよい。別の一実施形態において、カップリング剤は、噴霧または他の適切な手法により、ガラス本体102に塗布されてもよい。次に、カップリング剤を有するガラス本体102は、およそ120℃で約15分間、或いは壁部110の外面106上に存在する水および/または他の有機溶媒を適切に発散させるのに十分な任意の時間および温度で乾燥される。
図4を参照すると、一実施形態において、カップリング剤は、ガラス容器上にカップリング剤層180として位置付けされ、水および少なくとも1種の有機溶媒(例、メタノール(これに限定されない)等)と混合された、約0.5質量%の第一シランおよび約0.5質量%の第二シラン(合計1質量%のシラン)を含む溶液として塗布される。しかしながら、溶液中のシランの総濃度は、ほぼ約1質量%(例、約0.1質量%〜約10質量%、約0.3質量%〜約5.0質量%、約0.5質量%〜約2.0質量%等)であってよいと理解されたい。例えば、一実施形態において、水に対する有機溶媒の重量比(有機溶媒:水)は、約90:10〜約10:90であってもよく、一実施形態において、約75:25であってよい。溶媒に対するシランの重量比は、カップリング剤層の厚さに影響を与えることがあり、カップリング剤溶液中のシラン化学組成物の百分率を増大させると、カップリング剤層180の厚さが、増大することがある。しかしながら、他の変化する要素(例、浴からの引き揚げ速度などの浸漬コーティング法の仕様(これに限定されない)等)が、カップリング剤層180の厚さに影響を与えることがあると理解されたい。例えば、引き揚げ速度が速いほど、より薄いカップリング剤層180を形成しうる。
別の一実施形態において、カップリング剤層180は、市販のアミノプロピルシルセスキオキサンのオリゴマーを0.1体積%含む溶液として塗布されてもよい。他の濃度のカップリング剤層溶液(0.01〜10.0体積%のアミノプロピルシルセスキオキサンのオリゴマー溶液を含む)(これに限定されない)を用いてもよい。
本明細書に記述されるように、耐熱性コーティングの低摩擦層は、ポリマー化学組成物を含む。ポリマー化学組成物は、有機もしくは無機充填材を含有または無含有の、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリフェニル、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリビスチアゾール、および多環式芳香族複素環ポリマー(これらに限定されない)等のような熱的に安定なポリマーまたはポリマーの混合物であってよい。ポリマー化学組成物は、他の熱的に安定なポリマー(例、200℃〜400℃(250℃、300℃、および350℃を含む)の範囲の温度で分解しないポリマー等)から形成されてもよい。これらのポリマーは、カップリング剤の含有にかかわらず、塗布されてよい。
一実施形態において、ポリマー化学組成物は、ポリイミド化学組成物である。耐熱性コーティング120が、ポリイミドを含むならば、そのポリイミド組成物は、ポリアミド酸由来であってよく、ポリアミド酸は、溶液内でモノマーの重合により形成される。このようなポリアミド酸のうちの1種は、Novastrat(登録商標)800(NeXolveより市販されている)である。硬化工程では、ポリアミド酸をイミド化してポリイミドを形成する。ポリアミド酸は、ジアミンモノマー(例、ジアミン等)と無水物モノマー(例、二無水物等)との反応から形成されてもよい。本明細書で用いるポリイミドモノマーは、ジアミンモノマーおよび二無水物モノマーとして記載される。しかしながら、以下の記載の中でジアミンモノマーは、2つのアミン部を含むが、少なくとも2つのアミン部を含むいずれのモノマーも、ジアミンモノマーとして適切でありうると理解されたい。同様に、以下の記載の中で二無水物モノマーは、2つの無水物部を含むが、少なくとも2つの無水物部を含むいずれのモノマーも、二無水物モノマーとして適切でありうると理解されたい。無水物モノマーの無水物部とジアミンモノマーのアミン部との反応により、ポリアミド酸を形成する。従って、本明細書で用いる特定のモノマーの重合から形成されるポリイミド化学組成物は、それらの特定のモノマーから形成されるポリアミド酸のイミド化の後に形成されるポリイミドを指す。一般的に、無水物モノマーとジアミンモノマーの全体のモル比は、約1:1であってよい。ポリイミドは、2種の異なる化学組成物(1種の無水物モノマーと1種のジアミンモノマー)のみから形成されてもよいが、少なくとも1種の無水物モノマーが、重合されてもよく、少なくとも1種のジアミンモノマーが、重合されてポリイミドを形成してもよい。例えば、1種の無水物モノマーが、2種の異なるジアミンモノマーと重合されてもよい。任意の数のモノマー種の組合せを用いてもよい。さらに、異なった無水物モノマーに対する1種の無水物モノマーの比、または異なったジアミンモノマーに対する1種または複数のジアミンモノマーの比は、任意の比(例、約1:0.1〜0.1:1、約1:9、1:4、3:7、2:3、1:1、3:2、7:3、4:1または1:9)であってよい。
無水物モノマーは、ジアミンモノマーと共にポリイミドを形成するが、任意の無水物モノマーを含んでなってよい。一実施形態において、無水物モノマーは、ベンゾフェノン構造を含む。例示的な一実施形態において、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物は、それからポリイミドが形成される少なくとも1種の無水物モノマーであってよい。他の実施形態において、ジアミンモノマーは、アントラセン構造、フェナントレン構造、ピレン構造、またはペンタセン構造(上述の二無水物の置換されたものを含む)を有してよい。
ジアミンモノマーは、無水物モノマーと共にポリイミドを形成するが、任意のジアミンモノマーを含んでなってよい。一実施形態において、ジアミンモノマーは、少なくとも1つの芳香環部を含む。図6および7は、1種または複数の選択された無水物モノマーと共にポリイミド(ポリマー化学組成物を含む)を形成しうるジアミンモノマーの例を示す。ジアミンモノマーは、図7に示すように2つの芳香環部を一緒に連結する1つ以上の炭素分子を有してもよく、図7のRは、1つ以上の炭素原子を含むアルキル部に相当する。別法として、図6に示すように、ジアミンモノマーは、直接連結されて、少なくとも1つの炭素分子によって隔てられていない2つの芳香環部を有することもある。ジアミンモノマーは、図6および7においてR’およびR’’と表される1つ以上のアルキル部を有することもある。例えば、図6および7において、R’およびR’’は、1つ以上の芳香環部に結合するアルキル部(例、メチル、エチル、プロピル、またはブチル部等)を表してよい。例えば、ジアミンモノマーは、各芳香環部がそれに連結してアミン部(芳香環部に連結する)に隣接するアルキル部を有する、2つの芳香環部を有してよい。図6および7の両方において、R’およびR’’は、同一の化学的部であってもよく、異なる化学的部であってよいと理解されたい。別法として、図6および7の両方において、R‘および/またはR’’は、原子が全く存在しないことを表してよい。
ジアミンモノマーの2つの異なる化学組成物は、ポリイミドを形成しうる。一実施形態において、第一ジアミンモノマーは、直接結合されて、連結炭素分子により隔てられていない2つの芳香環部を含んでなり、第二ジアミンモノマーは、2つの芳香環部を連結する少なくとも1つの炭素分子で連結している2つの芳香環部を含む。例示的な一実施形態において、第一ジアミンモノマー、第二ジアミンモノマー、および無水物モノマーは、約0.465:0.035:0.5のモル比(第一ジアミンモノマー:第二ジアミンモノマー:無水物モノマー)を有する。しかしながら、第一ジアミンモノマーと第二ジアミンモノマーの比は、約0.01:0.49〜約0.40:0.10の範囲で変化してもよく、一方無水物モノマーの比は約0.5のままである。
一実施形態において、ポリイミド組成物は、少なくとも1種の第一ジアミンモノマー、第二ジアミンモノマー、および無水物モノマーの重合により形成され、第一ジアミンモノマーと第二ジアミンモノマーは、異なる化学組成物である。一実施形態において、無水物モノマーは、ベンゾフェノンであり、第一ジアミンモノマーは、一緒に直接結合する2つの芳香環を含んでなり、第二ジアミンモノマーは、第一芳香環と第二芳香環を連結する少なくとも1つの炭素分子で一緒に結合する2つの芳香環を含む。第一ジアミンモノマー、第二ジアミンモノマー、および無水物モノマーは、約0.465:0.035:0.5のモル比(第一ジアミンモノマー:第二ジアミンモノマー:無水物モノマー)を有してよい。
例示的な一実施形態において、第一ジアミンモノマーは、オルト−トリジンであり、第二ジアミンモノマーは、4,4’−メチレン−ビス(2−メチルアニリン)であり、無水物モノマーは、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物である。第一ジアミンモノマー、第二ジアミンモノマー、および無水物モノマーは、約0.465:0.035:0.5のモル比(第一ジアミンモノマー:第二ジアミンモノマー:無水物モノマー)を有してよい。
いくつかの実施形態において、ポリイミドは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸1,2;3,4−二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2t,3t,6c,7c−テトラカルボン酸2,3:6,7−二無水物、2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸2,3:6,7−二無水物、5−endo−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−2−exo,3−exo,5−exo−トリカルボン酸2,3:5,5−二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、または4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)の異性体、ピロメリト酸二無水物(PMDA)3,3’,4,4’−ビフェニル二無水物(4,4’−BPDA),3,3’,4,4’−ベンゾフェノン二無水物(4,4’−BTDA)、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸無水物(4,4’−ODPA)、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシル−フェノキシ)ベンゼン二無水物(4,4’−HQDPA)、1,3−ビス(2,3−ジカルボキシル−フェノキシ)ベンゼン二無水物(3,3’−HQDPA)、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシル−フェノキシフェニル)−イソプロピリデン二無水物(4,4’−BPADA)、4,4’−(2,2,2−トリフルオロ−1−ペンタフルオロフェニルエチリデン)ジフタル酸二無水物(3FDA)、4,4’−オキシジアニリン(ODA)、m−フェニレンジアミン(MPD)、p−フェニレンジアミン(PPD)、m−トルエンジアミン(TDA)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(1,4,4−APB)、3,3’−(m−フェニレンビス(オキシ))ジアニリン(APB)、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(DMMDA)、2,2’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BAPP)、1,4−シクロヘキサンジアミン2,2’−ビス[4−(4−アミノ−フェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロイソプロピリデン(4−BDAF)、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)、無水マレイン酸(MA)、シトラコン酸無水物(CA)、ナド酸無水物(NA)、4−(フェニルエチニル)−1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物(PEPA)、4,4’−ジアミノベンズアミリド(DABA)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプリピリデン)ジフタル酸無水物(6−FDA)、ピロメリト酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプリピリデン)ジフタル酸無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、そして同様に米国特許第7,619,042号明細書、米国特許第8,053,492号明細書、米国特許第4,880,895号明細書、米国特許第6,232,428号明細書、米国特許第4,595,548号明細書、国際公開第2007/016516号、米国特許出願公開第2008/0214777号明細書、米国特許第6,444,783号明細書、米国特許第6,277,950号明細書、および米国特許第4,680,373号明細書に記載されるこれらの材料のうち1種または複数の重合により形成されうる。図8は、ガラス本体102に塗布されるポリイミドコーティングを形成するのに使用されるのに適切なモノマーの化学構造を表す。別の一実施形態において、それからポリイミドが形成されるポリアミド酸溶液は、ポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸(Aldrichから市販されている)を含んでなってもよい。
別の一実施形態において、ポリマー化学組成物は、フルオロポリマーを含んでなってよい。フルオロポリマーは、両方のモノマーが高度にフッ素化されているコポリマーであってよい。フルオロポリマーのいくつかのモノマーは、フルオロエチレンであってよい。一実施形態において、ポリマー化学組成物は、テフロン(登録商標)AF(DuPontより市販されている)(これに限定されない)等のアモルファスフルオロポリマーを含む。別の一実施形態において、ポリマー化学組成物は、「テフロン」PFA TE−7224(DuPontより市販されている)(これに限定されない)等のパーフルオロアルコキシ(PFA)樹脂の粒子を含む。
別の一実施形態において、ポリマー化学組成物は、シリコーン樹脂を含んでなってよい。シリコーン樹脂は、RSi(X)(式中、Rは、非反応性置換基であり、通常、メチルまたはフェニルであり、Xは、OHまたはHである)の一般式を有する、分岐、かご型のオリゴシロキサンから形成される高分岐の3次元ポリマーであってよい。理論に束縛されることは望まないが、Si−O−Si結合の形成を伴うSi−OH部の縮合反応を通じて、樹脂の硬化が起こると確信されている。シリコーン樹脂は、可能な官能性シロキサンモノマー単位の4つのうちの少なくとも1つを有してよく、その4つのモノマー単位には、M−樹脂、D−樹脂、T−樹脂、およびQ−樹脂が含まれ、M−樹脂は、一般式RSiOを有する樹脂を指し、D−樹脂は、一般式RSiOを有する樹脂を指し、T−樹脂は、一般式RSiOを有する樹脂を指し、Q−樹脂は、一般式SiO(溶融石英ガラス)を有する樹脂を指す。いくつかの実施形態において、樹脂は、D単位とT単位(DT樹脂)、またはM単位とQ単位(MQ樹脂)から形成される。他の実施形態において、他の組合せ(MDT,MTQ,QDT)も使用される。
一実施形態において、ポリマー化学組成物は、メチルシリコーン樹脂またはフェニルシリコーン樹脂と比較してフェニルメチルシリコーン樹脂の熱安定性が高いので、フェニルメチルシリコーン樹脂を含む。シリコーン樹脂中のメチル部に対するフェニル部の比は、ポリマー化学組成物によって異なってもよい。一実施形態において、メチルに対するフェニルの比は、約1.2である。別の一実施形態において、メチルに対するフェニルの比は、約0.84である。他の実施形態において、メチル部に対するフェニル部の比は、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.3、1.4、または1.5であってよい。一実施形態において、シリコーン樹脂は、DC255(Dow Corningから市販されている)である。別の一実施形態において、シリコーン樹脂は、DC806A(Dow Corningから市販されている)である。他の実施形態において、ポリマー化学組成物は、DC系樹脂(Dow Corningから市販されている)、および/またはHardsil Series APおよびAR樹脂(Gelestから市販されている)のいずれかを含んでなってもよい。シリコーン樹脂は、カップリング剤を使用、不使用にかかわらず、用いられることができる。
別の一実施形態において、ポリマー化学組成物は、シルセスキオキサンベースのポリマー(例、T−214(Honeywellから市販されている)、SST−3M01(Gelestから市販されている)、POSS Imiclear(Hybrid Plasticsから市販されている)、およびFOX−25(Dow Corningから市販されている)等)(これらに限定されない)を含んでなってもよい。一実施形態において、ポリマー化学組成物は、1つのシラノール部を含んでなってもよい。
図1および4を再び参照すると、耐熱性コーティング120は、複数段階のプロセスで塗布されてもよく、ガラス本体102は、カップリング剤溶液と接触して、カップリング剤層180(上述の通り)を形成し、乾燥された後、例えば浸漬法などによってポリマー化学組成物溶液(例、ポリマー溶液またはポリマー前駆物質溶液等)と接触させられる。別法として、ポリマー化学組成物層170は、噴霧または他の適切な手段により、塗布され、乾燥された後、高温で硬化されてもよい。別法として、カップリング剤層180を使用しないならば、低摩擦層170のポリマー化学組成物は、ガラス本体102の外面106に直接塗布されてもよい。別の一実施形態において、ポリマー化学組成物およびカップリング剤は、耐熱性コーティング120中で混合されて、ポリマー化学組成物とカップリング剤を含む溶液が、単一のコーティング工程において、ガラス本体102に塗布されてもよい。
一実施形態において、ポリマー化学組成物は、ポリイミドを含んでなり、ポリアミド酸溶液が、カップリング剤層180の上に塗布される。他の実施形態において、ポリアミド酸誘導体(例えば、ポリアミド酸塩、ポリアミド酸エステル等)が、使用されてもよい。一実施形態において、ポリアミド酸溶液は、1体積%のポリアミド酸と99体積%の有機溶媒の混合液を含んでなってもよい。有機溶媒は、トルエンとN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、および1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)溶媒のうちの少なくとも1種またはそれらの混合物との混合液を含んでなってもよい。一実施形態において、有機溶媒の溶液は、DMAc、DMF、およびNMPのうち少なくとも1種を約85体積%、並びにトルエンを約15体積%含む。しかしながら、他の適切な有機溶媒を使用してもよい。次に、ガラス容器100は、約150℃で約20分間、または耐熱性コーティング120中に存在する有機溶媒を適切に発散させるのに十分な任意の時間および温度で、乾燥される。
積層した耐熱性コーティングの実施形態において、ガラス本体102がカップリング剤と接触してカップリング剤層180を形成し、およびポリアミド酸溶液と接触して低摩擦層170を形成した後、ガラス容器100は、高温で硬化されてもよい。ガラス容器100は、300℃で約30分以下硬化されてもよく、或いは300℃よりも高い温度(例、少なくとも320℃、340℃、360℃、380℃、または400℃)でそれより短い時間で硬化されてもよい。理論に束縛されることなく、硬化工程は、カルボン酸部とアミド部の反応により低摩擦層170中のポリアミド酸をイミド化し、ポリイミドを含む低摩擦層170をもたらすと確信されている。硬化はまた、ポリイミドとカップリング剤間の結合を促進させることがある。その後、ガラス容器100は、室温まで冷却される。
さらに、カップリング剤、ポリマー化学組成物、または両方を硬化することにより、揮発性物質(例、水および他の有機分子)を追い出すと確信されている(これに限定されない)。従って、物品(容器として使用されるならば)を熱処理する(発熱物質除去のために等)場合または医薬品等用のパッケージである物品の材料が接触する場合、硬化中に発散するこれらの揮発性物質は、存在しない。本明細書に記載される硬化プロセスは、本明細書に記載されるように、本明細書に記載される他の熱処理(例、発熱物質除去または熱安定性を決定するのに用いる熱処理等の医薬品パッケージング業界におけるプロセスと同様なまたは同一のこれらの熱処理)と異なり、別々の熱処理であることを理解されたい。
一実施形態において、カップリング剤は、シラン化学組成物(例、アルコキシシラン等)を含んでなり、シラン化学組成物は、ポリマー化学組成物のガラス本体への接着力を改善しうる。理論に束縛されることなく、アルコキシシラン分子は、水中で容易に加水分解して、単離されたモノマー、環式オリゴマー、および大きな分子内環を形成する。様々な実施形態において、どの種が優位を占めるかに関する制御は、シランの種類、濃度、pH、温度、保管条件、および時間により、決定されてよい。例えば、低濃度で水溶液中のアミノプロピルトリアルコキシシラン(APS)は、安定であり、トリシラノールモノマーおよび非常に低分子量のオリゴマー環を形成しうる。
尚、理論に束縛されることなく、1種または複数のシランの化学組成物のガラス本体に対する反応は、いくつかの工程を伴うことが確信されている。図9に示すように、いくつかの実施形態において、シラン化学組成物の加水分解後、反応性のシラノール部が形成され、反応性のシラノール部は、他のシラノール部(例えば、ガラス本体等の基体の表面上の他のシラノール部)と縮合できる。第一および第二加水分解性部が加水分解された後、縮合反応が始まることがある。いくつかの実施形態において、自己縮合に向かう傾向は、新規の溶液、アルコール溶媒、希釈溶液を用いることにより、およびpH範囲を注意深く選択することにより、制御されることが可能である。例えば、シラントリオールは、pH3〜6で最も安定するが、pH7〜9.3で容易に縮合し、シラノールモノマーの部分縮合が、シルセスキオキサンを生成することがある。図9に示すように、形成した化学種のシラノール部は、基体上のシラノール部と水素結合を形成することがあり、乾燥または硬化中に、水の脱離を伴い基体と共に共有結合を形成することがある。例えば、中程度の硬化サイクル(110℃で15分間)は、シラノール部を遊離状態のままにしておくこともあり、および任意のシラン有機官能基と共に、続いてのトップコートと結合して改善された接着力を提供しうる。
いくつかの実施形態において、カップリング剤の1種または複数のシラン化学組成物は、1つのアミン部を含んでなってもよい。さらに理論に束縛されることなく、このアミン部は、加水分解および共縮重合において塩基触媒として働き、ガラス表面上でアミン部を有するシランの吸着率を高めうると確信されている。シランの高い吸着率は、水溶液のpHを高く(9.0〜10.0)し、高いpHは、ガラス表面をコンディショニングし、表面のシラノール部の密度を増大させる。水とプロトン性溶媒との強い相互作用が、アミン部を有するシラン化学組成物(例、APS等)の溶解度および安定性を維持する。
例示的な実施形態において、ガラス本体は、イオン交換ガラスを含んでなってもよく、カップリング剤は、シランであってよい。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングのイオン交換ガラス本体への接着力は、耐熱性コーティングの非イオン交換ガラス本体への接着力よりも強力でありうる。理論に束縛されることなく、イオン交換ガラスのいくつかの態様のうちのいずれかは、非イオン交換ガラスと比べて、結合および/または接着力を助長しると確信されている。第一に、イオン交換ガラスは、カップリング剤の安定性および/またはガラス表面へのその接着力に影響を与えうる化学的/加水分解安定性を向上させうる。非イオン交換ガラスは、典型的に高湿度および/または高温条件下で加水分解安定性が劣り、アルカリ金属は、ガラス本体からガラス表面とカップリング剤層(存在するならば)との境界面に移動し、またはさらにはカップリング剤層(存在するならば)の中に移動しうる。上述のようにアルカリ金属が移動し、pH変化が生じるならば、ガラス/カップリング剤層の境界面でのSi−O−Si結合またはカップリング剤層自体中でのSi−O−Si結合の加水分解が、カップリング剤の機械的特性またはカップリング剤のガラスへの接着力を弱めることがある。第二に、イオン交換ガラスが、強い酸化剤浴(例、亜硝酸カリウム浴等)に高温(例、400℃〜450℃等)で曝され、取り出される場合、ガラス表面上の有機化学組成物は、除去され、追加の清浄をしなくてもシランカップリング剤に特によく適するようにする。例えば、非イオン交換ガラスに追加の表面の清浄処理を施し、プロセスに時間および費用を加算しなければならないことがある。
例示的な一実施形態において、カップリング剤は、1つのアミン部を含む少なくとも1種のシランを含んでなり、ポリマー化学組成物は、ポリイミド化学組成物を含んでなってもよい。さて、図10を参照すると、理論に束縛されることなく、このアミン部と、ポリイミドの前駆物質であるポリアミド酸との間の相互作用が、段階プロセスに続くと確信されている。図10に示すように、第一工程は、ポリアミド酸のカルボキシル部とアミン部とのポリアミド酸塩の形成である。第二工程は、塩のアミド部への熱変換である。第三工程は、ポリマーのアミド結合の開裂を伴い、アミド部のイミド部へのさらなる変換である。結果は、図10に示すように、短くなったポリマー鎖(ポリイミド鎖)の、カップリング剤のアミン部への共有イミド結合である。
ガラス容器の様々な特性(つまり、摩擦係数、横圧縮強度、4点曲げ強度)は、ガラス容器がコーティングしたままの状態である(つまり、コーティングを塗布した後いかなる追加の処理も施さない)場合、または1種または複数の加工処理(例、洗浄、凍結乾燥、発熱物質除去、オートクレーブ処理等(これらに限定されない)を含む医薬品充填ラインで実施される処理と同様もしくは同一の処理)の後、測定されてもよい。
発熱物質除去は、発熱因子を物質から除去するプロセスである。ガラス物品(例、医薬品パッケージ等)の発熱物質除去は、試料を高温まで一定時間加熱する熱処理を試料に施すことより、実施されることが可能である。例えば、発熱物質除去は、約250℃〜約380℃の温度まで20分、30分、40分、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、48時間、および72時間(これに限定されない)を含む約30秒〜約72時間の一定期間、ガラス容器を加熱することを含んでよい。熱処理後、ガラス容器は、室温まで冷却される。医薬品業界で一般的に採用されている従来の発熱物質除去の条件の一つは、約250℃の温度で約30分の熱処理である。しかしながら、より高い温度を利用するならば、熱処理時間が削減されることがあると企図される。本明細書に記載されるガラス容器は、高温に一定時間曝されてもよい。本明細書に記載される高温および時間は、ガラス容器を発熱物質除去するのに十分である場合も十分でない場合もある。しかしながら、本明細書に記載される加熱温度および時間のうちいくつかは、本明細書に記載されるガラス容器のようなガラス容器を発熱物質除去するのに十分であることを理解されたい。例えば、本明細書に記載されるように、ガラス容器は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで30分の一定期間曝されうる。
本明細書で用いる、凍結乾燥の条件(つまり、冷凍乾燥)は、タンパク質を含有する液体で試料を満たした後、−100℃で凍結した後、20時間、−15℃、真空下で水を昇華させるプロセスを指す。
本明細書で用いる、オートクレーブ処理条件は、試料を10分間、100℃で水蒸気パージした後、試料を121℃の環境に曝して20分の停止時間の後、121℃で30分の熱処理をすることを指す。
耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数(μ)は、同一のガラス組成物から成形した未コーティングのガラス容器の表面よりも小さい摩擦係数を有することがある。摩擦係数(μ)は、2表面間の摩擦の定量測定であり、第一および第二表面の機械的および化学的特性(環境条件(例、温度および湿度(これらに限定されない)だけでなく表面の粗さも含む)の関数である。本明細書で用いる、ガラス容器100の摩擦係数の測定は、第一ガラス容器(約16.00mm〜約17.00mmの外径を有する)の外面と第二ガラス容器の外面(第一ガラス容器と同一である)間の摩擦係数として報告され、第一ガラス容器と第二ガラス容器は、同じガラス本体および同じコーティング組成物(塗布された場合)を有し、製作前、製作中、および製作後に同じ環境に曝されている。特に本明細書に明記しない限り、摩擦係数は、本明細書に記載されるように、バイアル−オン−バイアル試験治具上での測定で、垂直荷重30Nで測定した最大摩擦係数を示す。しかしながら、特定の印可荷重で最大摩擦係数を呈するガラス容器は、また、それより小さい荷重で同一もしくは良好な(つまり、同一より低い)最大摩擦係数を呈するであろうと理解されたい。例えば、ガラス容器が、50Nの印可荷重下で0.5以下の最大摩擦係数を呈するならば、ガラス容器は、また、25Nの印可荷重下で0.5以下の最大摩擦係数を呈するであろう。
本明細書に記載される実施形態において、ガラス容器(コーティングしたガラス容器と未コーティングのガラス容器の両方)の摩擦係数は、バイアル−オン−バイアル試験治具で測定される。試験治具200を図11に概略的に示す。同じ装置を用いて、治具に位置付けされる2個のガラス容器間の摩擦力を測定してもよい。バイアル−オン−バイアル試験治具200は、十字形に配置された第一クランプ212と第二クランプ222を備える。第一クランプ212は、第一基部216に取り付けられた第一固定アーム214を備える。第一固定アーム214は、第一ガラス容器210に属し、第一クランプ212に対して第一ガラス容器210を固定する。同様に、第二クランプ222は、第二基部226に取り付けられた第二固定アーム224を備える。第二固定アーム224は、第二ガラス容器220に属し、第二クランプ222対して第二ガラス容器を固定する。第一ガラス容器210の長軸と第二ガラス容器220の長軸が、x−y軸によって決定される水平面上に互いに対して約90°の角度で位置付けされるように、第一ガラス容器210は、第一クランプ212上に位置付けされ、第二ガラス容器220は、第二クランプ222上に位置付けされる。
第一ガラス容器210は、接触点230で第二ガラス容器220と接触して位置付けされる。垂直抗力は、x−y軸によって決定される水平面に対して直交する方向に加わる。垂直抗力は、固定された第一クランプ212上の第二クランプ222に加わる静重量または他の力により、印加されてもよい。例えば、重量が、第二基部226上に位置付けされてもよく、および第一基部216は、安定した表面上に置かれてもよく、このようにして、接触点230での第一ガラス容器210と第二ガラス容器220間の測定可能な力を誘導する。別法として、その力は、機械的装置(例、UMT(汎用機械試験機)機等)を用いて印加されてよい。
第一クランプ212または第二クランプ222を、第一ガラス容器210および第二ガラス容器220の長軸と45°の角度である方向に、他方に対して動かしてよい。例えば、第二ガラス容器220がx−軸の方向に第一ガラス容器210を超えて動くように、第一クランプ212を固定して、第二クランプ222を動かしてもよい。同様の装備が、The Journal of Adhesion,78:113−127,2002において「Scratch Resistant Polyimide Coatings for Alumino Silicate Glass surfaces」にR.L.De Rosaらにより記載されている。摩擦係数を測定するために、第二クランプ222を動かすのに必要な力並びに第一および第二ガラス容器210、220に加わる垂直抗力をロードセルを用いて測定し、摩擦力と垂直抗力の比として摩擦係数を算出する。25℃および相対湿度50%の環境で、治具を作動する。
本明細書に記載される実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、上述のバイアル−オン−バイアル治具を用いて決定した際に、類似のコーティングしたガラス容器に対して約0.7以下の摩擦係数を有する。他の実施形態において、摩擦係数は、約0.6以下、またはさらには約0.5以下であることがある。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、約0.4以下、またはさらには約0.3以下を有する。約0.7以下の摩擦係数を有するガラス容器は、概して、摩擦損傷に対して改善された耐性を呈し、結果として改善された機械的特性を呈する。例えば、従来のガラス容器(耐熱性コーティングを施していない)は、0.7を超える摩擦係数を有することがある。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、同一のガラス組成物から成形した未コーティングのガラス容器の表面の摩擦係数よりも少なくとも20%小さい。例えば、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、同一のガラス組成物から成形した未コーティングのガラス容器の表面の摩擦係数よりも少なくとも20%小さく、少なくとも25%小さく、少なくとも30%小さく、少なくとも40%小さく、またはさらには少なくとも50%小さいこともある。
いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで、30分の一定期間曝した後に、約0.7以下の摩擦係数を有しうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで、30分の一定期間曝された後に、約0.7以下の摩擦係数(つまり、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、またはさらには約0.3以下)を有しうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、約260℃の温度まで30分の一定期間曝された後に約30%以下の増大でありうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで、30分の一定期間曝した後に、約30%(つまり、約25%、約20%、約15%、またはさらには約10%)以下の増大でありうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで、30分の一定期間曝した後に、約0.5(つまり、約0.45、約.04、約0.35、約0.3、約0.25、約0.2、約0.15、約0.1、またはさらには約0.5)以下の増大でありうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで、30分の一定期間間曝した後に、全く増大しないこともある。
いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、約70℃の温度で10分間水浴中に沈めた後に約0.7以下の摩擦係数を有しうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、約70℃の温度で5分、10分、20分、30分、40分、50分、またはさらには1時間間水浴中に沈めた後に約0.7以下(つまり、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、またはさらには約0.3以下)の摩擦係数を有しうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、約70℃の温度で10分間水浴中に沈めた後に約30%以下の増大でありうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、約70℃の温度で5分、10分、20分、30分、40分、50分、またはさらには1時間間水浴中に沈めた後に、約30%以下(つまり、約25%、約20%、約15%、またはさらには約10%)の増大をしうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は約70℃の温度で5分、10分、20分、30分、40分、50分、またはさらには1時間間水浴中に沈めた後に全く増大しないこともある。
いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、凍結乾燥の条件に曝した後に約0.7以下の摩擦係数を有しうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、凍結乾燥の条件に曝した後に約0.7以下(つまり、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、またはさらには約0.3以下)の摩擦係数を有しうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、凍結乾燥の条件に曝した後に約30%以下の増大でありうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、凍結乾燥の条件に曝した後に約30%以下(つまり、約25%、約20%、約15%、またはさらには約10%)まで増大しうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、凍結乾燥の条件に曝した後に全く増大しないこともある。
いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、オートクレーブ処理条件に曝した後に、約0.7以下の摩擦係数を有しうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分は、オートクレーブ処理条件に曝した後に約0.7以下(つまり、約0.6以下、約0.5以下、約0.4以下、またはさらには約0.3以下)の摩擦係数を有しうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、オートクレーブ処理条件に曝した後に約30%以下の増大でありうる。他の実施形態において、耐熱性コーティングを有するガラス容器の部分の摩擦係数は、オートクレーブ処理条件に曝した後に約30%以下(つまり、約25%、約20%、約15%、またはさらには約10%)まで増大しうる。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングを有するコーティングしたガラス容器の部分の摩擦係数は、オートクレーブ処理条件に曝した後に全く増大しないこともある。
本明細書に記載されるガラス容器は、横圧縮強度を有する。図1を参照すると、横圧縮強度は、本明細書に記載されるように、ガラス容器の長軸に平行に配向される2つの並行した圧盤の間に水平にガラス容器100を位置付けすることにより、測定される。次に、圧盤でガラス容器100に機械的荷重をガラス容器の長軸と垂直の方向に印加する。バイアル圧縮の荷重速度は、0.5インチ/分(1.27cm/分)であり、圧盤が0.5インチ/分(1.27cm/分)の速度で互いに向かって動くことを意味する。25℃および相対湿度50%で横圧縮強度を測定する。選択される垂直圧縮荷重での破損確率として、横圧縮強度の測定値を付与できる。本明細書で用いるように、破損は、ガラス容器が試料の少なくとも50%において横圧縮下で破裂する場合に生じる。いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器は、未コーティングのバイアルよりも少なくとも10%、20%、または30%大きい横圧縮強度を有しうる。
さて、図1および図11を参照すると、横圧縮強度の測定はまた、摩耗したガラス容器上で実施されてもよい。具体的には、試験治具200の作動は、コーティングしたガラス容器の外面122上に損傷(例、コーティングしたガラス容器100の強度を弱める表面の引っ掻き傷または摩耗等)を生じることがある。次に、ガラス容器に上述の横圧縮手順を施し、2つの圧盤の間に圧盤に平行に、外側に引っ掻き傷が向くように容器を置く。引っ掻き傷は、バイアル−オン−バイアル治具によって加わる選択される垂直圧力および引っ掻き傷の長さにより、特徴付けられることができる。特に明記しない限り、横圧縮手順に対して摩耗したガラス容器の引っ掻き傷は、30Nの垂直荷重により生じた長さ20mmの引っ掻き傷により、特徴付けられる。
熱処理後の横圧縮強度に関してコーティングしたガラス容器を評価することができる。熱処理は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで、30分間曝されてもよい。いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器の横圧縮強度は、上述のように熱処理に曝され、次に上述のように摩耗された後に、約20%、30%、またはさらには40%以下の低下である。一実施形態において、コーティングしたガラス容器の横圧縮強度は、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、または約400℃の温度まで30分間熱処理に曝され、次に摩耗された後に、約20%以下の低下である。
本明細書に記載されるコーティングしたガラス容器は、少なくとも260℃の温度まで30分間加熱した後に、熱的に安定でありうる。本明細書で用いる句「熱的に安定」は、ガラス容器に塗布した耐熱性コーティングが、高温に曝された後にほぼ非損傷でガラス容器の表面上に残っていることを意味し、つまり、暴露後に、コーティングしたガラス容器の機械的特性(具体的には、摩擦係数および横圧縮強度)が、たとえあったとしても、最小限に影響を受けるだけである。これは、耐熱性コーティングが、高温に曝された後もガラス表面に密着したままであり、ガラス容器を機械的攻撃(例、摩耗、衝撃)等から保護し続けることを示唆する。
本明細書に記載される実施形態において、コーティングしたガラス物品が、特定の温度まで加熱し特定の時間その温度を維持して保った後に、摩擦係数の標準および横圧縮強度の標準の両方を満たすならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされる。摩擦係数の標準が満たされるかどうか決定するために、未処理の状態(つまり熱暴露する前)において、図11に示す試験治具と30Nの印可荷重を用いて、コーティングした第一ガラス容器の摩擦係数を決定する。コーティングした第二ガラス容器(つまり、コーティングした第一ガラス容器と同一のガラス組成物および同一のコーティング組成物を有するガラス容器)を規定条件下で熱的に暴露し、室温まで冷却する。その後、図11に示す試験治具を用いて第二ガラス容器の摩擦係数を決定し、コーティングしたガラス容器を30Nの印可荷重で摩耗し、結果として摩耗域(つまり、「引っ掻き傷」)はおよそ20mmの長さを有する。コーティングした第二ガラス容器の摩擦係数が0.7未満であり、かつ摩耗域において第二ガラス容器のガラス表面に識別可能な損傷が全くないならば、その時点で摩擦係数の標準は、耐熱性コーティングの熱安定性を決定する目的に適っている。本明細書で用いる用語「識別可能な損傷」は、LEDもしくはハロゲン光源を伴ってNomarskiまたは微分干渉分光顕微鏡(DIC)を倍率100Xで用いて観察した際に、ガラス容器の摩耗域におけるガラス表面が、摩耗域の長さ0.5cm当たり6つ未満のガラスの浅割れを含むことを意味する。ガラスの浅割れまたはガラスの浅割れ目の標準定義は、G.D.Quinn「NIST Recommended Practice Guide:Fractography of Ceramics and Glasses」NIST特別報告960−17(2006)に記載されている。
横圧縮強度の標準が満たされているかどうかを決定するために、図11に示す試験治具において30Nの荷重下でコーティングした第一ガラス容器を摩耗して、20mmの引っ掻き傷を形成する。次に、本明細書に記載されるように、コーティングした第一ガラス容器に横圧縮試験を施し、コーティングした第一ガラス容器の残留強度を決定する。コーティングした第二ガラス容器(つまり、コーティングした第一ガラス容器と同一のガラス組成物および同一のコーティング組成物を有するガラス容器)を規定条件下で熱的に暴露し、室温まで冷却する。その後、図11に示す試験治具において30Nの荷重下でコーティングした第二ガラス容器を摩耗する。本明細書に記載されるように、次に、コーティングした第二ガラス容器に横圧縮試験を施し、コーティングした第二ガラス容器の残留強度を決定する。コーティングした第二ガラス容器の残留強度が、コーティングした第一ガラス容器に対して約20%以下の低下であるならば、その時点で、横圧縮強度の標準が、耐熱性コーティングの熱安定性を決定する目的に対して、達成される。
本明細書に記載される実施形態において、コーティングしたガラス容器を少なくとも約260℃の温度まで約30分の一定期間、曝した後に、摩擦係数の標準および横圧縮強度の標準が満されるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされる(つまり、コーティングしたガラス容器は、少なくとも約260℃の温度で約30分の一定期間、熱的に安定である)。熱安定性を約260℃から約400℃までの温度で同様に評価してよい。例えば、いくつかの実施形態において、その標準が、少なくとも約270℃またはさらには約280℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。さらに他の実施形態において、その標準が、少なくとも約290℃またはさらには約300℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。さらなる実施形態において、その標準が、少なくとも約310℃またはさらには約320℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。さらに他の実施形態において、その標準が、少なくとも約330℃またはさらには約340℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。尚他の実施形態において、その標準が、少なくとも約350℃またはさらには約360℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。他のいくつかの実施形態において、その標準が、少なくとも約370℃またはさらには約380℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。さらに他の実施形態において、その標準が、少なくとも約390℃またはさらには約400℃の温度で約30分の一定期間満たされるならば、コーティングしたガラス容器は、熱的に安定であるとみなされるであろう。
本明細書に開示したコーティングしたガラス容器はまた、ある温度範囲にわたって熱的に安定でありうる。それは、各温度での摩擦係数の標準および横圧縮強度の標準にその範囲において達成することにより、コーティングしたガラス容器が熱的に安定であることを意味する。例えば、本明細書に記載される実施形態において、コーティングしたガラス容器は、少なくとも約260℃から約400℃以下の温度まで熱的に安定でありうる。いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器は、少なくとも約260℃〜約350℃の範囲で熱的に安定でありうる。他のいくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器は、少なくとも約280℃から約350℃以下の温度まで熱的に安定でありうる。さらに他の実施形態において、コーティングしたガラス容器は、少なくとも約290℃〜約340℃で熱的に安定でありうる。別の一実施形態において、コーティングしたガラス容器は、約300℃〜約380℃の温度範囲で熱的に安定でありうる。別の一実施形態において、コーティングしたガラス容器は、約320℃〜約360℃の温度範囲で熱的に安定でありうる。
本明細書に記載されるコーティングしたガラス容器は、4点曲げ強度を有する。ガラス容器の4点曲げ強度を測定するために、コーティングしたガラス容器100の前駆物質であるガラス管を測定に利用する。ガラス管は、ガラス容器と同じ直径を有するが、ガラス容器の底部もガラス容器口部も含まない(つまり、管をガラス容器に成形する前)。次に、ガラス管に4点曲げ応力試験を施し、機械的破損を誘導する。外側の接触部材を9インチ(22.86cm)間隔をあけ内側の接触部材を3インチ(7.62cm)間隔をあけ荷重速度10mm/分、相対湿度50%で試験を実施する。
4点曲げ応力の測定もまたコーティングし摩耗した管で実施してよい。試験治具200の作動により、摩耗したバイアルの横圧縮強度の測定において記載したように、管の表面上に摩耗(例、管の強度を弱める表面の引っ掻き傷等)が生じることがある。次に、ガラス管に4点曲げ応力試験を施し、機械的破損を誘導する。外側のプローブを9インチ(22.86cm)間隔をあけ、内側の接触部材を3インチ(7.62cm)間隔をあけて用い、荷重速度10mm/分で、25℃、相対湿度50%で試験を実施し、同時に試験中に引っ掻き傷が張力下に置かれるように管を位置付けする。
いくつかの実施形態において、摩耗後の耐熱性コーティングを有するガラス管の4点曲げ強度は、同一条件下で摩耗した未コーティングのガラス管の機械的強度よりも平均で少なくとも10%、20%、またはさらには50%高い。
いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器100を同一のガラス容器によって30Nの垂直抗力で摩耗した後、コーティングしたガラス容器100の摩耗域の摩擦係数は、同じ地点での同一のガラス容器による30Nの垂直抗力での別の摩耗の後に、約20%以下の増大であるか、或いは全く増加しない。他の実施形態において、同一のガラス容器によって30Nの垂直抗力でコーティングしたガラス容器100を摩耗した後、コーティングしたガラス容器100の摩耗域の摩擦係数は、同じ地点での同一のガラス容器による30Nの垂直抗力での別の摩耗の後に、約15%またはさらには10%以下の増大であるか、或いは全く増加しない。しかしながら、コーティングしたガラス容器100の全ての実施形態がこのような特性を表す必要はない。
質量損失は、コーティングしたガラス容器100の測定可能な特性を示し、質量損失は、コーティングしたガラス容器が、選択された一定期間の時間、選択された高温まで曝される際に、コーティングしたガラス容器100から発散される揮発性物質の量に関係する。質量損失は、一般的に、熱暴露に起因するコーティングの機械的劣化を示唆する。コーティングしたガラス容器のガラス本体は、報告される温度で測定可能な質量損失を示さないので、質量損失試験は、本明細書に詳細に記載されるように、ガラス容器に塗布される耐熱性コーティングだけに関して質量損失データを付与する。複数の要素が質量損失に影響を与えることがある。例えば、コーティングから除去されることができる有機材料の量は、質量損失に影響しうる。ポリマー中の炭素主鎖および側鎖の分解は、結果として理論上100%コーティングの剥離となるであろう。有機金属ポリマー材料は、通常それらの全有機成分を失うが、無機成分は残っている。このように、完全に理論上の酸化に基づいてコーティングのどのくらいが有機であるかおよび無機であるか(例えば、コーティング中のシリカ%)に基づいて、質量損失の結果を正規化する。
質量損失を決定するために、コーティングした試料(例、コーティングしたガラスバイアル等)を最初に150℃まで加熱し、この温度で30分保持し、コーティングを乾燥させ、コーティングからHOを効果的に取り除く。次に、酸化性環境(例、大気)中10℃/分の上昇率で150℃から350℃まで試料を加熱する。質量損失を決定する目的のため、150℃〜350℃から収集したデータのみを考察する。いくつかの実施形態において、耐熱性コーティングは、10℃/分の上昇率で150℃の温度から350℃まで加熱した場合、その質量の約5%未満の質量損失を有する。他の実施形態において、耐熱性コーティングは、10℃/分の上昇率で150℃の温度から350℃まで加熱した場合、その質量の約3%未満またはさらには約2%未満の質量損失を有する。他のいくつかの実施形態において、耐熱性コーティングは、10℃/分の上昇率で150℃の温度から350℃まで加熱した場合、その質量の約1.5%未満の質量損失を有する。他のいくつかの実施形態において、耐熱性コーティングは、約10℃/分の上昇率で150℃の温度から350℃まで加熱した場合、その質量を殆ど損失しない。
質量損失の結果は、本明細書に記載されるように、コーティングしたガラス容器の重量を熱処理前と熱処理後で比較する手順(例、150℃から350℃まで10℃/分の温度上昇等)に基づく。熱処理前と熱処理後のバイアルの重量の差が、コーティングの重量損失であり、それにより、コーティングの重量損失パーセントとして標準化されることができ、未コーティングのガラス容器を、処理前のコーティングしたガラス容器と重量を比較することにより、熱処理前のコーティングの重量(容器のガラス本体を含まない予備の加熱工程後の重量)がわかる。別法として、全有機炭素検査または他の類似の手段により、コーティングの総質量を決定してもよい。
ガス放出は、コーティングしたガラス容器を選択した高温に、選択した一定の時間、曝す際に、コーティングしたガラス容器100から発散した揮発性物質の量に関係する、コーティングしたガラス容器100の測定可能な特性を指す。高温に一定の時間曝す間に、コーティングを有するガラス容器の表面積当たりの発散する揮発性物質の重量によって、ガス放出の測定を量として本明細書に報告する。コーティングしたガラス容器のガラス本体は、ガス放出が報告される温度で測定可能なガス放出を示さないので、ガス放出試験は、上に詳細に記載するように、実質的に、ガラス容器に塗布される低摩擦コーティングのみのガス放出データを付与する。ガス放出結果は、図12に示される装置400のガラス試料室402にコーティングしたガラス容器100を置く手順に基づく。各試料が流れる前に、空の試料室のバックグランド試料を捕集する。窯炉404を350℃まで加熱し、その温度を1時間保ち、試料室のバックグランド試料を捕集する間、ロトメーター406により測定した一定の100ml/分の空気パージ下に試料室を保持する。その後、コーティングしたガラス容器100を試料室402内に置き、試料室を一定の100ml/分の空気パージ下に保ち、高温まで加熱し、一定時間、温度を保持して、コーティングしたガラス容器100から試料を捕集する。ガラス試料室402は、Pyrex(登録商標)製で、分析の最大温度を600℃に制限する。Carbotrap300吸着トラップ408を試料室の排出口に取り付けて、生成する揮発性種が試料から放出され、空気パージガス410により吸収性樹脂(揮発性種が吸収される)の上を掃引する際に、揮発性種を吸収する。次に、吸収性樹脂をHewlett Packard 5890 Series IIガスクロマトグラフ/Hewlett Packard 5989 MSエンジンに直接連結されたGerstel Thermal Desorptionユニット内に直接配置する。ガス放出種を350℃で吸着性樹脂から熱脱着し、非極性ガスクロマトグラフィーカラム(DB−5MS)のヘッドで極低温に焦点を合わせる。揮発性物質および準揮発性有機種の分離および精製を提供するように、ガスクロマトグラフ内の温度を10℃/分の割合で最終温度325℃まで上昇させる。分離のメカニズムは、種々の有機種の蒸発熱に、結果として本質的に沸点または蒸留クロマトグラムに基づいて実証されている。分離の後、従来の電子衝撃イオン化質量分析プロトコルにより、精製した化学種を分析する。標準化条件で作動し、結果としてのマススペクトルを既存のマススペクトルライブラリーと比較してもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるコーティングしたガラス容器は、約250℃、約275℃、約300℃、約320℃、約360℃、またはさらには約400℃の高温まで約15分、約30分、約45分、または約1時間の一定期間曝される間、約54.6ng/cm以下、約27.3ng/cm以下またはさらには約5.5ng/cm以下のガス放出を呈する。さらに、コーティングしたガラス容器は、特定の温度範囲において熱的に安定であり、それは、コーティングした容器が特定の範囲内の全ての温度で上述のように特定のガス放出を呈することを意味する。ガス放出測定の前、コーティングしたガラス容器は、コーティングしたままの状態(つまり、耐熱性コーティングを塗布した直後)、または発熱物質除去、凍結乾燥、もしくはオートクレーブ処理のいずれか1つを施した後であってよい。いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器100は、殆どガス放出を示さないこともある。
いくつかの実施形態において、ガス放出データを用いて、耐熱性コーティングの質量損失を決定してよい。コーティング厚(SEM画像または他の方法により決定)、耐熱性コーティングの密度、およびコーティングの表面積により、熱処理前のコーティングの質量を決定することができる。その後、コーティングしたガラス容器にガス放出手順を施し、熱処理前の質量に対するガス放出において追い出される質量の比を見出すことにより、質量損失を決定することができる。
図13を参照すると、400〜700nmの波長の範囲内で分光光度計を用いて容器の光透過度を測定することにより、コーティングした容器の透明性と色を評価しうる。ビームが耐熱性コーティングを2度(最初に容器に入る際とその後容器を出る際)通過するように、光ビームを容器壁に対して垂直に向けて、測定を実施する。いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器を通しての光透過度は、約400nm〜約700nmの波長に対して、未コーティングのガラス容器を通しての光透過度の約55%以上であってよい。本明細書に記載されるように、本明細書に記載される熱処理のように熱処理の前または熱処理後に光透過度を測定することができる。例えば、約400nm〜約700nmの各波長に対して、光透過度は、未コーティングのガラス容器を通しての光透過度の約55%以上であってよい。他の実施形態において、コーティングしたガラス容器を通しての光透過度は、約400nm〜約700nmの各波長に対して、未コーティングのガラス容器を通しての光透過度の約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、またはさらには約90%以上である。
本明細書に記載されるように、光透過度を環境処理(例、本明細書に記載される熱処理等)の前、または環境処理の後に測定できる。例えば、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、約300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、もしくは約400℃、30分の一定時間の熱処理後に、または凍結乾燥の条件に曝した後に、或いはオートクレーブ処理条件に曝した後に、コーティングしたガラス容器を通しての光透過度は、約400nm〜約700nmの各波長に対して、未コーティングのガラス容器を通しての光透過度の約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、またはさらには約90%以上である。
いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器100は、いずれの角度で検査しても無色透明と裸眼で認識されうる。他のいくつかの実施形態において、耐熱性コーティング120が、Aldrichから市販されているポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸から形成されるポリイミドを含むような場合、耐熱性コーティング120は、認識できる色合いを有することがある。
いくつかの実施形態において、コーティングしたガラス容器100は、接着ラベルを受け入れることが可能である耐熱性コーティング120を有する。それは、コーティングしたガラス容器100は、接着ラベルがしっかりと貼着されるように、コーティングした表面上に接着ラベルを受け入れうることである。しかしながら、接着ラベルの貼着力は、本明細書に記載されるコーティングしたガラス容器100の全ての実施形態に対する必要条件ではない。
本明細書に記載されるガラス容器の実施形態は、以下の実施例によりさらに明確にされるであろう。
実施例1
6種の例示的な本発明のガラス組成物(組成物A−F)を調製した。例示的なガラス組成物各々の特定の組成を以下の表2に報告する。例示的なガラス組成物各々の多数の試料を作製した。各組成物1セットの試料を100%KNOの溶融塩浴中で450℃の温度で少なくとも5時間イオン交換して、試料の表面に圧縮層を誘導した。圧縮層は、少なくとも500MPaの表面圧縮応力と少なくとも45μmの層深さを有した。
次に、上述のDIN12116規格、ISO695規格、およびISO720規格を用いて、例示的なガラス組成物各々の化学的耐久性を決定した。具体的には、例示的なガラス組成物各々の非イオン交換の試験試料をDIN12116規格、ISO695規格、またはISO720規格のうちの1つに準拠して試験を施し、試験試料各々の耐酸性、耐塩基性または耐加水分解性を決定した。ISO720規格に準拠して、各々例示的な組成物のイオン交換した試料の耐加水分解性を決定した。イオン交換した試料の耐加水分解性を決定するために、ISO720規格において必要とされる粒度までガラスを破砕し、100%KNOの溶融塩浴において450℃の温度で少なくとも5時間イオン交換して、個々のガラス粒子に圧縮応力層を誘導した後、ISO720規格に準拠して試験した。試験した全ての試料の平均結果を下の表2に報告する。
表2に示すように、例示的なガラス組成物A−Fの全てが、DIN12116規格に準拠して試験した後、5mg/dm未満かつ1mg/dm超のガラス質量損失を実証し、例示的なガラス組成物Eは、1.2mg/dmで最も小さい質量損失を有した。従って、例示的なガラス組成物の各々は、DIN12116規格の少なくともクラスS3に分類され、例示的なガラス組成物Eは、クラスS2に分類された。これらの試験結果に基づいて、ガラス試料の耐酸性は、SiO2の含有量の増加に伴って改善したことを確信する。
さらに、例示的なガラス組成物A−Fの全てが、ISO695規格に準拠して試験した後、80mg/dm未満のガラス質量損失を実証し、例示的なガラス組成物Aは、60mg/dmで最も小さい質量損失を有した。従って、例示的なガラス組成物の各々は、ISO695規格の少なくともクラスA2に分類され、例示的なガラス組成物A、B、DおよびFは、クラスA1に分類された。一般に、シリカ含有量が多い組成物ほど、低い耐塩基性を示し、アルカリ/アルカリ土類の含有量が多い組成物ほど、大きい耐塩基性を示す。
表2は、さらに、例示的なガラス組成物A−F全ての非イオン交換の試験試料が、ISO720に準拠して試験した後、少なくともType HGA2の耐加水分解性を実証し、例示的なガラス組成物C−Fが、Type HGA1の耐加水分解性を有することを示す。例示的なガラス組成物C−Fの耐加水分解性は、例示的なガラス組成物AおよびBと比較してSiOの量が多いことと、ガラス組成物中のNaOの量が少ないことに起因すると確信される。
さらに、例示的なガラス組成物B−Fのイオン交換した試験試料は、ISO720規格に準拠して試験した後、同じ例示的なガラス組成物の非イオン交換の試験試料よりも、ガラスのグラム当たりの抽出するNaOの量が少ないことを実証する。
実施例2
3種の例示的な本発明のガラス組成物(組成物G−I)と3種の比較ガラス組成物(組成物1−3)を調製した。アルミナに対するアルカリ酸化物の比(つまり、Y:X)を、結果として生成するガラス溶融物およびガラスの様々な特性におけるこの比率の効果を評価するために、各々の組成物で変えた。例示的な本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物の各々の特定の組成を表3に報告する。ガラス組成物の各々から形成した溶融物の歪み点、徐冷点、および軟化点を決定し、表3に報告する。さらに、結果として生じるガラスの熱膨張係数(CTE)、密度、および応力光学係数(SOC)も決定し、表3に報告する。100%KNOの溶融塩浴における450℃で5時間のイオン交換の前とイオン交換の後の両方に、ISO720規格に準拠して、各々の例示的な本発明のガラス組成物および各々の比較のガラス組成物から成形したガラス試料の耐加水分解性を決定した。イオン交換したこれらの試料に関して、基本応力計(FSM)機器を用い、測定した応力光学係数(SOC)に基づいた圧縮応力値で、圧縮応力を決定した。FSM機器は、複屈折ガラス表面の中と外で光を連結する。次に測定した複屈折を、材料定数、応力係数または光弾性係数(SOCまたはPEC)を介して応力に関連付け、最大表面圧縮応力(CS)と交換した層深さ(DOL)の2つのパラメーターを得る。ガラス中のアルカリイオンの拡散率および時間平方根当たりの応力の変化も決定した。関係式:DOL=約1.4*sqrt(4*D*t)に基づいて、測定した層深さ(DOL)とイオン交換時間(t)からガラスの拡散率(D)を算出した。アレニウスの式に従って、拡散率は、温度と共に増大するので、それを特定の温度で報告する。
表3におけるデータは、アルミナに対するアルカリの比Y:Xが、イオン交換強化を通して獲得可能な溶融挙動、耐加水分解性、および圧縮応力に影響を与えることを示唆する。特に、図14は、表3のガラス組成物に関してY:Xの比の関数として歪み点、徐冷点、および軟化点をグラフに表す。図14は、Y:Xの比が0.9より小さくなると、ガラスの歪み点、徐冷点、および軟化点が急速に増大することを実証する。従って、容易に溶融できて成形できるガラスを得るために、Y:Xの比は、0.9以上またはさらには1以上であるのが望ましい。
さらに、表3におけるデータは、ガラス組成物の拡散率は、概してY:Xの比と共に減少していることを示唆する。従って、プロセス時間(およびコスト)を削減するために迅速にイオン交換できるガラスを実現するように、Y:Xの比は、0.9以上またはさらには1以上であるのが望ましい。
さらに、図15は、所与のイオン交換時間およびイオン交換温度に関して、Y:Xの比が、約0.9以上、またはさらには約1以上、かつ約2以下、具体的には、約1.3以上かつ約2.0以下である場合に、最大圧縮応力を得ることを示唆する。従って、ガラスの耐荷重強度における最大の改善は、Y:Xの比が約1より大きくかつ約2以下である場合に得られることができる。イオン交換によって実現できる最大応力は、応力変化率(つまり、測定圧縮応力をイオン交換時間の平方根で除する)によって示されるように、イオン交換の所要時間の増加と共に減少することが概して理解される。図15は、Y:Xの比が減少するにつれて、応力変化率が低減することを概して示す。
図16は、Y:Xの比(x−軸)の関数として耐加水分解性(y−軸)をグラフで表す。図16に示すように、ガラスの耐加水分解性は、Y:Xの比が減少するにつれて概して改善される。
前述に基づいて、ガラス中のY:Xの比を約0.9以上またはさらには約1以上から約2以下までに維持することにより、良好な溶融挙動、優れたイオン交換性能、および優れた耐加水分解性を有するガラスを実現することができることを理解されたい。
実施例3
3種の例示的な本発明のガラス組成物(組成物J−L)と3種の比較のガラス組成物(組成物4−6)を調製した。ガラス組成物中のMgOおよびCaOの濃度を変えて、MgOに富んだ組成物(つまり、組成物J−Lおよび4)とCaOに富む組成物(つまり、組成物5−6)の両方を生成した。ガラス組成物が(CaO/(CaO+MgO))の比に対して異なる値を有するようにMgOおよびCaOの相対量も変えた。例示的な本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物の各々の特定の組成を下の表4に報告する。実施例2に関して上述のように、各組成物の特性を決定した。
図17は、表4に列挙した組成物の拡散率Dを(CaO/(CaO+MgO))の比の関数としてグラフで表す。具体的には、図17は、(CaO/(CaO+MgO))の比が増大するにつれて、結果として生成するガラス中のアルカリイオンの拡散率が低下し、それによりガラスのイオン交換性能を低減させることを示唆する。表4のデータおよび図18は、この傾向を支持する。図18は、(CaO/(CaO+MgO))の比の関数として最大圧縮応力および応力変化率(yー軸)をグラフで表す。図18は、(CaO/(CaO+MgO))の比が増大するにつれて、最大の獲得可能な圧縮応力が、所与のイオン交換温度およびイオン交換時間に関して、減少することを示唆する。図18はまた、(CaO/(CaO+MgO))の比が増大するにつれて、応力変化率が増大する(つまり、さらに芳しくなく望ましくないこととなる)ことを示唆する。
従って、表4のデータならびに図17および18に基づいて、(CaO/(CaO+MgO))の比を最小限に抑えることにより、拡散率がさらに高いガラスを生成することができることを理解されたい。(CaO/(CaO+MgO))の比が、約0.5未満である場合に、適切な拡散率を有するガラスを生成できると確認されてきた。(CaO/(CaO+MgO))の比が約0.5未満である場合のガラスの拡散率値は、所与の圧縮応力および層深さを実現するのに必要とされるイオン交換プロセス時間を削減する。別法として、(CaO/(CaO+MgO))の比に起因するより高い拡散率を有するガラスを用いて、所与のイオン交換温度およびイオン交換時間で、より大きい圧縮応力および層深さを実現してもよい。
さらに、表4のデータは、MgO濃度を増大させることにより(CaO/(CaO+MgO))の比を低減させることが、ISO720規格により測定される、加水分解劣化に対するガラスの耐性を概して改善することも示唆する。
実施例4
3種の例示的な本発明のガラス組成物(組成物M−O)と3種の比較のガラス組成物(組成物7−9)を調製した。その結果生成するガラスが、B/(RO−Al)の比に対して異なる値を有するように、ガラス組成物中のBの濃度を0モル%〜約4.6モル%の間で変えた。例示的な本発明のガラス組成物および比較のガラス組成物の各々の特定の組成を下の表5に報告する。実施例2および3に関して上述のように、各ガラス組成物の特性を決定した。
図19は、表5のガラス組成物に関してB/(RO−Al)の比(x−軸)の関数として、表5におけるガラス組成物の拡散率D(y−軸)をグラフで表す。図19に示すように、B/(RO−Al)の比が増大するにつれて、ガラス中のアルカリイオンの拡散率は、概して減少する。
図20は、表5のガラス組成物に関してB/(RO−Al)の比(x−軸)の関数として、ISO720規格に準拠した耐加水分解性(y−軸)をグラフで表す。図20に示すように、B/(RO−Al)の比が増大するにつれて、ガラス組成物の耐加水分解性は、概して改善される。
図19および20に基づいて、B/(RO−Al)の比を最小限に抑えることにより、ガラス中のアルカリイオンの拡散率を改善し、それによりガラスのイオン交換特性を改善することを理解されたい。さらに、B/(RO−Al)の比を増大させることにより、加水分解劣化に対するガラスの耐性も概して改善される。加えて、酸性溶液中での劣化に対するガラスの耐性(DIN12116規格により測定)が、Bの濃度が減少するとともに概して改善されることが判明されている。従って、B/(RO−Al)の比を約0.3以下までに維持することにより、改善されたイオン交換特性を備えるだけでなく、改善された耐加水分解性および耐酸性を有するガラスを提供することが確認されている。
比較例1
従来のType1Aホウケイ酸ガラス組成物中のホウ素およびナトリウムの揮発度を例証するために、メタンに対する酸素の比2を有する化学量論火炎において平衡状態にあるType1Aガラスで熱化学的計算を行った。モデルのType1Aガラス組成物は、83.4モル%のSiO、1.5モル%のAl、11.2モル%のBおよび3.8モル%のNaOを含む。FACTsageソフトウェアを用いて、温度の関数として化学量論のメタン火炎においてガラスと平衡状態にある気相の組成を化学的熱力学から算出した。図21は、温度(x−軸)の関数として主な気相種の分圧(y−軸)をグラフで表す。図21に示すように、ホウ素種とナトリウム種の両方とも、1000℃〜1600℃の温度範囲において比較的に高い分圧を有する。この温度範囲は、通常ガラス素材をガラス容器に再成形するのに用いる温度に相当する。従って、Type1Aガラスにおけるホウ素種とナトリウム種の両方とも、ガラスが再成形される際に加熱したガラス内面から揮発および蒸発し、その後ガラス内面の冷温部分で凝縮するであろうと確信されている。この挙動が、ガラスの表面組成において不均質化を生じ、それが、結果として層間剥離を導くこともある。
比較例2
従来のType1Bホウケイ酸ガラス組成物中のホウ素およびナトリウムの揮発度を例証するために、メタンに対する酸素の比2を有する化学量論火炎において平衡状態にあるType1Bガラスで熱化学的計算を行った。このモデルのガラス組成物は、76.2モル%のSiO、4.2モル%のAl、10.5モル%のB、8.2モル%のNaO、0.4モル%のMgOおよび0.5モル%のCaOを含んだ。FACTsageソフトウェアを用いて、温度の関数として化学量論のメタン火炎においてガラスと平衡状態にある気相の組成を化学的熱力学から算出した。図22は、温度(x−軸)の関数として主な気相種の分圧(y−軸)をグラフで表す。比較例1と同様に、比較例2においてホウ素種とナトリウム種の両方とも、1000℃〜1600℃の温度範囲において比較的に高い分圧を有する。この温度範囲は、通常ガラス素材をガラス容器に再成形するのに用いる温度に相当する。従って、Type1Bガラスからのホウ素種とナトリウム種の両方とも、ガラスが再成形される際に加熱したガラス内面から揮発および蒸発し、その後ガラス内面の他よりも冷温の部分で凝縮するであろうと確信されている。この挙動が、ガラスの組成において不均質化を生じ、それが結果として層間剥離を導くこともある。
比較例3
ZnOを含むガラス組成物における亜鉛の揮発度を例証するために、メタンに対する酸素の比2を有する化学量論火炎において平衡状態にあるZnO含有ガラスで熱化学的計算を行った。ガラス組成物は、74.3モル%のSiO、7.4モル%のAl、5.1モル%のNaO、5.0モル%のMgO、5.1モル%のCaOおよび3.1モル%のZnOを含んだ。FACTsageソフトウェアを用いて、温度の関数として化学量論のメタン火炎においてガラスと平衡状態にある気相の組成を化学的熱力学から算出した。図23は、温度(x−軸)の関数として主な気相の分圧(y−軸)をグラフで表す。比較例3において亜鉛種は、1000℃〜1600℃の温度範囲において比較的に高い分圧を有する。この温度範囲は、一般的にガラス素材をガラス容器に再成形するのに用いる温度に相当する。従って、このガラス組成物における亜鉛種は、ガラスが再成形される際に加熱したガラス内面から揮発および蒸発し、その後ガラスの他よりも冷温の部分で凝縮するであろうと確信されている。火炎に曝された場合のこのガラスからの亜鉛の揮発を実験で観察している。この挙動が、ガラスの組成において不均質化を生じ、それが、結果として層間剥離を導くこともある。
実施例5
例示的なアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物の比較的に低い揮発度を例証するために、メタンに対する酸素の比2を有する化学量論火炎において平衡状態にあるこのガラスで熱化学的計算を行った。このガラス組成物は、76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.7モル%のNaO、0.5モル%のCaO、および4.8モル%のMgOを含む。FACTsageソフトウェアを用いて、温度の関数として化学量論のメタン火炎においてガラスと平衡状態にある気相の組成を化学的熱力学から算出した。図24は、温度(x−軸)の関数として主な気相の分圧(y−軸)をグラフで表す。図24に示すように、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス中のナトリウム、マグネシウム、およびカルシウム種の分圧は、Type1A(比較例1)およびType1B(比較例2)のガラスのホウ素およびナトリウム種と比較して、1000℃〜1600℃の温度範囲にわたって比較的に低かった。これは、ナトリウム、マグネシウム、およびカルシウム種は、再成形温度で揮発することが少なく、従って、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスから成形されるガラス容器が、表面においておよびガラス容器の厚さ全体で、均質の組成を有する可能性がより高いことを示唆する。
比較例4
従来のType1Bホウケイ酸ガラス組成物から成形される、成形時のままの状態のガラスバイアルの組成特性をで評価した。Type1Bホウケイ酸のガラス管(外径およそ17mmおよび壁厚およそ1.1mm)からガラスバイアルを成形した。直火および標準変換装置を用いてガラス管を標準3〜4mlのバイアルに成形するのに、従来の管からバイアルへの変換プロセスを用いた。バイアルの底部からおよそ1.5mmの位置で、バイアルの側壁と底部との間のヒール部域の内面からバイアルの試料を収集した。底部の中心近くのバイアルの底部の内面からバイアルの第二試料を収集した。底部から15mm上の側壁から第三試料を収集した。動的二次イオン質量分析(D−SIMS)により、各試料を分析した。四重極質量分析計を有するPHI Adept−1010機器を用いてD−SIMSを実施した。ガラスは、電気絶縁材料であるので、その表面は、高エネルギーイオンビームにより、拡大した衝撃中に電荷を生じる傾向がある。結果として、この電荷効果は、ガラス表面マトリックスを通って可動ナトリウムイオンが移動するのを回避するために、二次イオンガンまたは電子ビームを使用することにより正しく中性化される必要がある。この研究において、比較のType1Bのバルクガラスから、およびバルクガラスアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物(例、上の実施例5に記載のガラス組成物等)から調製されるガラスロッドの新たな破断面をプロファイル加工することにより、ナトリウムの移動を最小限に抑えるための機器の条件に達した。正極性のイオンを用いて最外部のガラス表面から一定の(凹凸の無い)Na分布を得ることにより、適切な条件を確保した。ガラスロッドの破断面を分析し、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)により測定したバルクガラス組成物を校正して、各ガラス元素(Si、Al、B、Na、K、Ca、Mg)を量子化するための相対感度係数も得た。バイアル表面のマトリックスおよび表面の電子状態が破断面と同じでないので、予想される相対誤差は、約10%である。深さの目盛りは、NISTトレーサブル校正を伴う触針式表面粗さ測定機により測定したガラス内の分析に用いたクレータの深さから算出したスパッタレートを基準とした。深さ校正の1シグマの精度は、±1〜10%(つまり、±0.01〜0.1×〔深さ〕)以内であった。図25Aは、底部、ヒール部、および側壁領域からの試料のホウ素濃度(y−軸)を表面からの深さ(x−軸)の関数として示し、一方図25Bは、底部、ヒール部、および側壁領域からの試料のナトリウム濃度(y−軸)を表面からの深さ(x−軸)の関数として示す。ヒール部域における試料の組成は、ホウ素に富む層およびナトリウムに富む層が、ヒール部域の内面で100nmの深さまで存在した。しかしながら、ホウ素とナトリウム両方ともの濃度は、深さ100nm超でかなり低く、追加のホウ素およびナトリウムが、成形中にバイアルのヒール部で豊富になったことを示唆する。図25Aおよび25Bは、バイアルの底部におけるホウ素およびナトリウムの濃度が、深さと共に大きくなり、ホウ素およびナトリウムが、成形中に底部から揮発したことを示す。従って、図25Aおよび25Bは、ホウケイ酸ガラスバイアルは、ガラスバイアルの表面域にわたってだけでなく、ガラスバイアルの厚み全体にわたっても組成の不均質化を有することを示唆する。
実施例
ホウ素無含有のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物から成形される、成形時のままの状態のガラスバイアルの組成特性を評価した。ホウ素無含有のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス管(つまり、実施例5のガラスと同じ組成を有するガラス管)(外径およそ17mmおよび壁厚およそ1.1mm)からガラスバイアルを成形した。直火および標準変換装置を用いてガラス管を標準3〜4mlのバイアルに成形するのに、従来の管からバイアルへの変換プロセスを用いた。底部、ヒール部(バイアルの底部からおよそ1.5mmの位置で、バイアルの側壁と底部との間)および側壁領域の内面からバイアルの試料を収集した。上述の通り、動的二次イオン質量分析により、各試料を分析した。図26は、底部、ヒール部、および側壁領域(y−軸)からの試料のナトリウム濃度を表面からの深さ(x−軸)の関数として示す。図26は、底部、ヒール部および側壁領域からの試料の組成は、バイアルの内面から少なくとも500nmの深さまで均一で均質であり、通常少なくとも2μmの深さまで及ぶことを示唆する。従って、図26は、ホウ素無含有のアルカリアルミノケイ酸塩ガラスから成形されるバイアルの組成が、ガラスバイアルの表面域にわたってだけでなく、ガラスバイアルの厚み全体にわたってもほぼ均質であったことを示唆する。この組成の均質性は、ホウ素無含有のアルカリアルミノケイ酸塩ガラスバイアルにおいて観察される層間剥離を低減することに直接関係すると確信されている。
実施例
76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.6モル%のNaO、0.1モル%のKO、0.5モル%のCaO、4.8モル%のMgO、および0.2モル%のSnOを含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物から、ガラスバイアルを成形した。外径およそ17mmおよび壁厚およそ1.1mmを有するガラス管からガラスバイアルを成形した。直火および標準変換装置を用いてガラス管を標準3〜4mlのバイアルに成形するのに、従来の管からバイアルへの変換プロセスを用いた。X線光電子分光法により、バイアルのヒール部からの距離の関数として、ガラス組成物の内面から深さ10nmまでに及ぶ表面域内の離散点で、ガラス組成物中の構成成分の表面濃度を測定した。2モル%未満の濃度を有する、ガラス組成物中のこれらの元素の表面濃度は、分析されなかった。X線光電子分光法(XPS)を用いてガラス組成物の表面濃度を正確に定量化するために、標準物質に由来する相対感度係数を採用した。測定用の解析領域は、分析面積(スポットサイズまたは開口径)と情報の深さの積である。光電子が、X線侵入深さ(通常、数マイクロメートル)内に発生し、表面を脱出するのに十分な運動エネルギー(光電子の脱出深さのおよそ3倍)を有する光電子だけが、検出される。脱出深さは、およそ15〜35Åであり、それは結果として、およそ50〜100Åの分析深さとなる。典型的には、95%のシグナルが、この深さ内から生じる。電子エネルギー分析器および検出器を用いて、ガラス表面からの放出光電子を収集し、それらの運動エネルギーを測定した。各放出光電子の固有の運動エネルギーは、元素、つまり光電子が起因する内殻電子準位の唯一シグネチャーである。放出光電子の数を数え(シグナル強度)、運動エネルギーの関数としてプロットして光電子スペクトルを作り出した。スペクトルのピークは、個々の元素の内殻電子準位に独自のものである。ガラス表面における各構成成分の原子分率を定量化するために、各ピーク下の面積を積分した後、適切な相対感度係数(標準物質から由来)で除する。XPSによるデータを解析する場合、各元素と関連する複数のスペクトル線が存在する。バルク濃度が低い元素に関して、雑音比に対して最も高いシグナルを伴うスペクトル線を使用するのが望ましい。例えば、Mgは、他の元素と一緒に容易に含まれることが可能であるので、Mg(2p)スペクトル線が、従来的にさらに使用されてきたが、Mg(2p)スペクトル線よりもMg KLLスペクトル線を使用するのが望ましい。炭素含有量5原子%未満で、試料を測定した。UV/オゾン、アルコールまたは他の非水の処置により、試料の表面を清浄してもよい。XPSから決定した元素組成(原子%)は、Siに対しての比である。次に、図27に示すように、この原子比をヒール部からの距離(mm)の関数してプロットした。図27に示すように、表面域におけるガラス容器の組成は、平均から25%未満の差で変わった。
比較例5
外径およそ17mmおよび壁厚およそ1.1mmを有するType1Bホウケイ酸ガラス管からガラスバイアルを成形した。直火および標準変換装置を用いてガラス管を標準3〜4mlのバイアルに成形するのに、従来の管からバイアルへの変換プロセスを用いた。上述のようにXPSにより、バイアルのヒール部からの距離の関数として、ガラス組成物の内面から深さ10nmまで及ぶ表面域内の離散点で、ガラス組成物中の構成成分の表面濃度を測定した。2モル%未満の濃度を有する、ガラス組成物中のこれらの元素の表面濃度は、分析されなかった。XPSから決定した元素組成(原子%)は、Siに対しての比である。次に、図28に示すように、この原子比をヒール部からの距離(mm)の関数してプロットした。図28に示すように、表面域におけるガラス容器の組成は、ホウ素およびナトリウム種に関して30%超まで変わった。
実施例
アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物中のホウ素の揮発度閾値を例証するために、1500℃の温度でメタンに対する酸素の比2を有する化学量論火炎において平衡状態にあるこのガラスで熱化学的計算を行った。モデルのガラス組成物は、76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.7モル%のNaO、0.5モル%のCaO、および4.8モル%のMgOを含んだ。FACTsageソフトウェアを用いて、添加したBの関数として化学量論のメタン火炎においてガラスと平衡状態にある気相の組成を化学的熱力学から算出した。ガラス組成物に追加して添加したBの量を約0.001モル%〜約10モル%で変えた。本実施例において、平衡状態の気相の組成を元素分率として表した。実際に存在する特定種(例えば、HBO、NaBO等)の代わりに、気相を元素(例えば、H、B、Na、O等)から構成されるとみなす。気相中の全ての化学種をそれらの構成成分の元素に分割(例えば、1モルのHBOは、1モルのH+1モルのB+2モルのOとなる)した後、その濃度を元素ベースで表す。例として、化学量論火炎(図21に示す)における比較例1からのガラスを検討する。平衡状態の気体中のNaのモル数は、:
nNa=nNaBO+nNa+nNaOH+nNaO+nNaH+2nNaであり、
およびNaの元素分率は:
nNa/(nNa+nB+nSi+nAl+nO+nH+nC)であり、
式中、nは、モル数を示す。同じ方法で、本実施例の平衡状態の気体中のホウ素の元素分率を算出した。
図29は、ガラス組成物に追加して添加したBの関数として、気相中のホウ素の元素分率をグラフで表す。図29はまた、従来のType1Bホウケイ酸ガラスに関するホウ素の元素分率だけでなく、この特定のガラス組成物に関するNaの元素分率も表す。Bを添加しないならば、ナトリウムが、ガラス組成物中で最も揮発性のある成分である。しかしながら、Bを組成物に添加するにつれて、およそ0.01モル%の濃度でナトリウムを超えて、ホウ素が直ちにガラス中で最も揮発性のある成分となる。このモデルデータを用いて、層間剥離への傾向をあまり増大させることな、くBのいくらかの濃度をガラス組成に導入できることが判明されている。上述のように、本明細書に記載される実施形態においてBの添加に対する閾値は、1.0モル%以下である。
実施例
ホウケイ酸ガラス組成物(組成物A)およびアルミノケイ酸塩ガラス組成物(組成物B)を管に成形して、管をバイアルに変換して、バイアルに層間剥離加速試験を施して、層間剥離され易いバイアルを層間剥離され難いバイアルと比較した。組成物Aは、75.9モル%のSiO、4.1モル%のAl、10.5モル%のB、6.6モル%のNaO、1.6モル%のKO、0.5モル%のMgO、0.6モル%のCaO、および0.1モル%のClを含んだ。組成物Bは、76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.6モル%のNaO、0.1モル%のKO、4.8モル%のMgO、0.5モル%のCaO、および0.2モル%のSnOを含んだ。溶融した組成物を溶融物から直接管に成形した後に、続いて業界標準の変換装置(例、AMBEG機等)を用いて、およそ3mlのサイズのバイアルに変換した。ガラス管は、外径およそ17mmおよび壁厚およそ1.1mmを有した。高品質のバイアルを成形する能力を依然として維持しながら、過大加熱条件を用いて管の変換を実施した。次に、本明細書に記載される層間剥離加速試験をバイアルに施した。各種類の30個のバイアルをシンク内でデブリの洗浄をして、320℃で1時間、発熱物質除去し、20mMのグリシン溶液で満たしNaOHを用いてpH=10にした。バイアルに栓をして蓋をした。バイアルを121℃で2時間オートクレーブ処理した後、50℃で10日間、熱対流炉内に入れた。本明細書に既に記載した手法で、フレークを数えた。その試験の結果を下の表6に示す。
その結果は、組成物Bは試験条件下で層間剥離しなかったが、一方、組成物Aは層間剥離したことを示す。さらに、組成物Bにおいて、検出された粒子(表6でによって示す)が、まさに50μmを超える長さであった。これらの検出された粒子がフレークかまたは混入粒子かどうかは、光学顕微鏡によってそれを明確に確認されないこともある。従って、それらの粒子をフレークとして数えた。組成物Aからの1個または2個の粒子に関して、同様の議論がされるかもしれない。しかしながら、組成物Aから成形したバイアルから一貫して観察される多数のフレークは、フレークが主として層間剥離から生じ、混入粒子ではないことを示す。各組成物に対して観察されるフレークの例を図30A(組成物A)と30B(組成物B)に示す。図30Aにおいて、光沢のある表面を有するフレークと粗い表面を有する黒色フレークとが存在し、それらの両方とも、まだらの灰色の背景上に表示されている。フレークの光沢のある表面は、バイアルの内面を暗示し、一方黒色フレークの粗い表面は、多分光沢のあるフレークの下面であると確信されている。図30Bにおいて、画像は、本質的には、組成物Bから成形したバイアルの表面から脱落するフレークを欠くことによる、使用した濾過材の表面である。
実施例1
ホウケイ酸ガラス組成物(組成物A)およびアルミノケイ酸塩ガラス組成物(組成物B)を管に成形して、管をバイアルに変換して、バイアルをイオン交換し、バイアルに層間剥離加速試験を施して、層間剥離され易いイオン交換(IOX)バイアルを層間剥離され難いイオン交換バイアルと比較した。組成物Aは、イオン交換の前に75.9モル%のSiO、4.1モル%のAl、10.5モル%のB、6.6モル%のNaO、1.6モル%のKO、0.5モル%のMgO、0.6モル%のCaO、および0.1モル%のClを含んだ。組成物Bは、イオン交換の前に76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.6モル%のNaO、0.1モル%のKO、4.8モル%のMgO、0.5モル%のCaO、および0.2モル%のSnOを含んだ。溶融した組成物を溶融物から直接管に成形した後に、続いて業界標準の変換装置(例、AMBEG機等)を用いて、およそ3mlのサイズのバイアルに変換した。ガラス管は、外径およそ17mmおよび壁厚およそ1.1mmを有した。高品質のバイアルを成形する能力を依然として維持しながら、過大加熱条件を用いて管の変換を実施した。100%KNO塩浴内で3〜10時間、400〜500℃の温度で、組成物Aおよび組成物Bから成形したバイアルをイオン交換した。本明細書に記載される層間剥離加速試験をバイアルに施した。各種類の30個のバイアルをシンク内でデブリの洗浄をして、320℃で1時間、発熱物質除去し、20mMのグリシン溶液で満たしNaOHを用いてpH=10にした。バイアルに栓をして蓋をした。バイアルを121℃で2時間オートクレーブ処理した後、50℃で10日間、熱対流炉内に入れた。既に記載した手法で、フレークを数えた。その試験の結果を下の表7に示す。
その結果は、組成物Bから成形したイオン交換バイアルは、試験条件下で層間剥離しなかったが、一方、組成物Aから成形したイオン交換バイアルは、層間剥離したことを示す。さらに、組成物Bから成形したイオン交換バイアルに関して、検出された粒子(表7でによって示す)が、まさに50μmを超える長さであった。これらの検出された粒子がフレークかまたは混入粒子であるかどうかは、光学顕微鏡によって明確に確認されないこともある。従って、これらの粒子をフレークとして数えた。組成物Aから成形したイオン交換バイアルからの1または2個の粒子に関して同様の議論がされるかもしれない。しかしながら、組成物Aから成形したイオン交換バイアルから一貫して観察される多数のフレークは、フレークが主として層間剥離から生じ、混入粒子ではないことを示す。各組成物に対して観察されるフレークの例を図31A(組成物A)と31B(組成物B)に示す。図31Aにおいて、滑らかな光沢のある表面を有するフレークと粗い表面を有する黒色フレークとが存在し、それらの両方とも、まだらの灰色の背景上に表示されている。フレークの光沢のある表面は、バイアルの内面を暗示し、一方黒色フレークの粗い表面は、多分光沢のあるフレークの下面であると確信されている。図31Bにおいて、画像は、本質的には、組成物Bから成形したバイアルの表面から脱落するフレークを欠くことによる、使用した濾過材の表面である。
実施例1
本明細書に記載されるアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物から形成されたガラスを成形してイオン交換した。ガラスは、76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.6モル%のNaO、0.1モル%のKO、0.5モル%のCaO、4.8モル%のMgO、および0.2モル%のSnOを含む組成を有した。100%KNO塩浴内で450℃で、5時間ガラスをイオン交換した。ガラス表面からの深さの関数として、カリウムイオンの濃度(モル%)を測定した。y−軸にカリウムイオンの濃度およびx−軸に深さ(マイクロメートル)を用いて、図32において、結果をグラフで表す。ガラス表面から生じる圧縮応力は、表面でのカリウムイオンの濃度に概して比例する。
比較する目的のため、従来のType1Bガラスを形成し、イオン交換した。ガラス組成物は、74.6モル%のSiO、5.56モル%のAl、6.93モル%のNaO、10.9モル%のB、および1.47モル%のCaOを含んでなった。上述のアルカリアルミノケイ酸塩ガラスと同様の条件下でType1Bガラスをイオン交換した。具体的には、Type1Bガラスを100%KNO塩浴内で475℃で6時間イオン交換した。カリウムイオンの濃度(モル%)をガラス表面からの深さの関数として測定した。y−軸にカリウムイオンの濃度およびx−軸に深さ(マイクロメートル)を用いて、図32において結果をグラフで表す。図32に示すように、本発明のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物は、Type1Bガラスよりもガラス表面でのカリウムイオン濃度が大きく、本発明のアルカリアルミノケイ酸塩ガラスは、同様の条件で処理された場合に、Type1Bガラスよりも大きい圧縮応力を有することが概して示唆されている。図32は、本発明のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物がまた、同様の条件で処理されたType1Bガラスと比較して、深さが深いほど大きな圧縮応力を生み出すことも示す。従って、本明細書に記載される本発明のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物で生産されるガラス容器は、同様の条件で処理されたType1Bガラスと比較して、改善された機械的特性および耐損傷性を有するであろうと期待されている。
実施例1
本明細書に記載されるアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物からガラス管を成形した。本発明のガラス管は、76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.6モル%のNaO、0.1モル%のKO、0.5モル%のCaO、4.8モル%のMgO、および0.2モル%のSnOを含む組成を有した。ガラス管のうちいくつかの試料を100%KNO塩浴内で450℃で、8時間イオン交換した。ガラス管の他の試料を未処理の状態にしておいた(非イオン交換)。比較する目的のため、Type1Bガラス組成物からもガラス管を成形した。比較のガラス管は、74.6モル%のSiO、5.56モル%のAl、6.93モル%のNaO、10.9モル%のB、および1.47モル%のCaOを含む組成を有した。比較のガラス管のうちいくつかの試料を100%KNO塩浴内で450℃で8時間イオン交換した。ガラス管の他の試料を未処理の状態にしておいた(非イオン交換)。
全ての試料を4点曲げ試験において試験して、個々の管の曲げ強度を決定した。図33に示すように、4点曲げ治具は、3インチ(7.62センチメートル)荷重スパンおよび9インチ(22.86センチメートル)支持スパンを有した。図33はまた、破損応力(x−軸)の関数として破損確率(y−軸)のワイブルプロットを含む。図33に示すように、本発明のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス管は、未処理のType1Bガラス管と比較すると、未処理の状態で僅かに良好な曲げ強度を有した。しかしながら、イオン交換強化後、本発明のアルカリアルミノケイ酸塩ガラス管は、Type1Bガラス管よりも著しく大きい曲げ強度を有し、本発明のガラス管から成形したガラス容器は、Type1Bガラス管から成形したガラス容器と比較して、改善された機械的特性を有するであろうことを示唆している。
実施例1
ここで図34を参照して、バイアルの残留強度への高温コーティングの効果を横圧縮試験において測定した。具体的には、74.6モル%のSiO、5.56モル%のAl、6.93モル%のNaO、10.9モル%のB、および1.47モル%のCaOの組成を有する未コーティングのType1Bホウケイ酸バイアルと、76.8モル%のSiO、6.0モル%のAl、11.6モル%のNaO、0.1モル%のKO、0.5モル%のCaO、4.8モル%のMgO、および0.2モル%のSnOを含む本発明のガラス組成物から成形したコーティングしたバイアルとを引っ掻き傷のある状態と引っ掻き傷のない状態において試験した。30Nの印可荷重下でのバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を通して、引っ掻き損傷をバイアルに導入した。図34に示すように、コーティングしたバイアルは、摩擦損傷後に、Type1Bホウケイ酸ガラス組成物から成形した未コーティングのバイアルよりも大きい残留強度を有する。
実施例1
Schott Type1Bガラスと、表2の「例E」と特定されたガラス組成物(以下「Reference Glass Composition」)からガラスバイアルを成形した。バイアルを脱イオン水で洗浄し、窒素で吹き込み乾燥させて、0.1%のAPS(アミノプロピルシルセスキオキサン)溶液で浸漬コーティングした。APSコーティングを熱対流炉内で100℃で15分乾燥させた。次に、15/85のトルエン/DMF溶液に溶かしたNovastrat(登録商標)800ポリアミド酸の0.1%溶液中に、またはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶かした0.1%〜1%のポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸溶液(Kapton前駆物質)中にバイアルを浸漬させた。コーティングしたバイアルを150℃まで加熱し、20分間保持して溶媒を蒸発させた。その後、コーティングしたバイアルを300℃に予熱した窯炉に30分間入れて、コーティングを硬化した。硬化後、Novastrat(登録商標)800の0.1%溶液でコーティングしたバイアルは、いかなる色も視認されなかった。しかしながら、ポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’オキシジアニリン)の溶液でコーティングしたバイアルは、明白に黄色に見えた。両方のコーティングは、バイアル対バイアルの接触試験において低い摩擦係数を示した。
実施例1
Schott Type1Bガラスバイアル(未処理/未コーティング)と、耐熱性コーティングで覆ったバイアルとを比較して、摩耗による機械的強度の損失を評価した。Reference Glass Compositionから生産されたガラスバイアルを第一イオン交換強化することにより、コーティングしたバイアルを生産した。100%KNO浴内で、450℃で8時間イオン交換強化を実施した。その後、バイアルを脱イオン水で洗浄し、窒素で吹き込み乾燥させて、0.1%のAPS(アミノプロピルシルセスキオキサン)溶液で浸漬コーティングした。APSコーティングを熱対流炉内で100℃で15分乾燥させた。次に、15/85のトルエン/DMF溶液に溶かしたNovastrat(登録商標)800ポリアミド酸の0.1%溶液中にバイアルを浸漬させた。コーティングしたバイアルを150℃まで加熱し、20分間保持して溶媒を蒸発させた。その後、コーティングしたバイアルを300℃に予熱した窯炉に30分間入れて、コーティングを硬化した。次に、コーティングしたバイアルを70℃の脱イオン水に1時間浸し、大気中において320℃で2時間加熱し、実際の加工状態をシミュレーションした。
Schott Type1Bガラスから成形した未摩耗のバイアルと、イオン交換強化してコーティングしたReference Glass Compositionから成形した未摩耗のバイアルを横圧縮試験において破損に関して試験をした(つまり、プレート1枚をバイアルの上面の上に置き、プレート1枚をバイアルの底の下に置き、それらのプレートを一緒にプレスして、破損点での印可荷重をロードセルで決定した)。図35は、Reference Glass Compositionから成形したバイアル、コーティングして摩耗状態におけるReference Glass Compositionから成形したバイアル、Schott Type1Bガラスから成形したバイアル、および摩耗状態におけるSchott Type1Bガラスから成形したバイアルに対して、横圧縮試験における印可荷重の関数として、破損確率をグラフで表す。未摩耗のバイアルの破損荷重をワイブルプロットにおいてグラフで表す。次に、Schott Type1Bガラスから成形した試料のバイアルと、イオン交換強化してコーティングしたガラスから成形した未摩耗のバイアルとを図11のバイアル−オン−バイアル治具に置いてバイアルを摩耗して、0.3mmの直径を有する接触区域にわたりバイアルを一緒に擦った際にバイアルとバイアルの間の摩擦係数を決定した。試験中のバイアルへの荷重は、UMT機を用いて印加し、24N〜44Nで荷重を変えた。印可荷重および対応する最大摩擦係数を図36に含まれる表に報告する。未コーティングのバイアルに関して、最大摩擦係数は、0.54〜0.71で変わり(それぞれバイアル試料「3&4」および「7&8」として図36に示す)、そして一方コーティングしたバイアルに関して、最大摩擦係数は、0.19〜0.41で変わった(それぞれバイアル試料「15&16」および「12&14」として図36に示す)。その後、引っ掻き傷のあるバイアルを横圧縮試験において試験し、未摩耗のバイアルと比較して機械的強度の損失を評価した。未摩耗のバイアルに印加した破損荷重を図35にワイブルプロットにおいてグラフで表す。
図35に示すように、未コーティングのバイアルは、摩耗後に強度が著しく低下したが、コーティングしたバイアルは、摩耗後に比較的僅かな強度の減少があった。これらの結果を踏まえて、バイアルとバイアルの間の摩擦係数は、バイアルの上にバイアルを重ねて摩耗した後の強度の損失を緩和するために、0.7未満もしくは0.5未満、またはさらには0.45未満であるのが望ましいと確信されている。
実施例1
本実施例において、複数組のガラス管を4点曲げ試験し、それらのそれぞれの強度を評価した。Reference Glass Compositionから成形した第一組の管を未処理の状態(未コーティング、非イオン交換強化)において4点曲げ試験した。Reference Glass Compositionから成形した第二組の管を100%KNO浴内で450℃で8時間イオン交換強化した後、4点曲げ試験した。Reference Glass Compositionから成形した第三組の管を100%KNO浴内で450℃で8時間イオン交換強化し、実施例1に記載した0.1%のAPS/0.1%のNovastrat(登録商標)800でコーティングした後、4点曲げ試験した。コーティングした管を同様に70℃の脱イオン水に1時間浸し、大気中で320℃で2時間加熱して、実際の加工状態をシミュレーションした。これらのコーティングした管を曲げ試験に先立って30N荷重下で図11に示すバイアル−オン−バイアル治具において同様に摩耗した。Reference Glass Compositionから成形した第四組の管を100%KNO浴内で450℃で1時間イオン交換強化した後、4点曲げ試験した。これらの未コーティングのイオン交換強化した管を、曲げ試験に先立って30N荷重下で図11に示すバイアル−オン−バイアル治具において同様に摩耗した。Schott Type1Bガラスから成形した第五組の管を未処理の状態で(未コーティング、非イオン交換強化)において4点曲げ試験した。Schott Type1Bガラスから成形した第六組の管を100%KNO浴内で450℃で1時間イオン交換強化した後、4点曲げ試験した。試験の結果を図37に示したワイブルプロットにおいてグラフで表す。
図37を参照すると、Reference Glass Compositionから成形し、イオン交換強化した未摩耗の第二組の管は、破壊の前の最も高い応力に耐性があった。摩耗に先立って0.1%のAPS/0.1%のNovastrat(登録商標)800でコーティングした第三組の管は、それらの未コーティングで未摩耗の状態の同等の管(つまり、第三組の管)と比べて強度に僅かな低下を示した。しかしながら、強度の低下は、コーティング後に摩耗を受けたにもかかわらず、比較的小さかった。
実施例1
2組のバイアルを調製し、医薬品充填ラインに通した。感圧テープ(富士フィルムから市販されている)をバイアルとバイアルの間に挿入して、バイアルとバイアルの間およびバイアルと装置間の密着力/衝撃力を測定した。第一組のバイアルをReference Glass Compositionから成形し、コーティングを施さなかった。第二組のバイアルをReference Glass Compositionから成形し、上述の約0.25の摩擦係数を有する低摩擦性のポリイミドベースのコーティングで覆った。バイアルを医薬品充填ラインに通した後、感圧テープを分析し、第二組のコーティングしたバイアルが、第一組の未コーティングのバイアルと比較して2〜3倍の応力の低下を示したことを実証した。
実施例1
3組の各々4個のバイアルを調製した。全てのバイアルをReference Glass Compositionから成形した。第一組のバイアルを実施例1に記載のようにAPS/Novastrat(登録商標)800コーティングで覆った。第二組のバイアルをトルエン中で0.1%のDC806Aで浸漬コーティングした。50℃で溶媒を蒸発させ、コーティングを300℃で30分間硬化した。管の中に各組のバイアルを置き、320℃で2.5時間、空気パージ下で加熱して、実験室環境においてバイアルに吸収された微量の汚染物質を除去した。次に、各組の試料を管中でさらに30分加熱し、ガス放出した揮発性物質を活性炭素吸着トラップ上で捕集した。トラップを350℃まで30分を超えて加熱して、全ての捕集物質を脱着して、それをガスクロマトグラフ・質量分析計に送った。図38は、APS/Novastrat(登録商標)800コーティングに関するガスクロマトグラフ・質量分析計の出力データを表す。図39は、DC806Aコーティングに関するガスクロマトグラフ・質量分析計の出力データを表す。0.1%のAPS/0.1%のNovastrat(登録商標)800コーティングまたはそのDC806Aコーティングからは、ガス放出が全く検出されなかった。
メタノール/水との混合液に溶かした0.5%/0.5%のGAPS/APhTMS溶液を用いて、1組の4個のバイアルを結合層でコーティングした。各バイアルは、約18.3cmのコーティングした表面積を有した。溶媒を120℃で、15分間コーティングしたバイアルから蒸発させた。次に、ジメチルアセトアミド中に溶かした0.5%のNovastrat(登録商標)800溶液を試料に塗布した。150℃で20分間、溶媒を蒸発させた。これらの未硬化のバイアルに上述のガス放出試験を施した。バイアルを320℃まで空気流(100ml/分)中で加熱し、320℃に達した際に、活性炭素吸着トラップ上でガス放出した揮発性物質を15分毎に捕集した。次に、トラップを350℃まで30分を超えて加熱して、全ての捕集物質を脱着して、それをガスクロマトグラフ・質量分析計に送った。表8は、試料を320℃で保持した区切りの時間中に捕集した物質の量を示す。時間0は、試料が最初に320℃の温度に達した時間に相当する。表8からわかるように、30分の加熱後、揮発性物質の量は、機器検出下限の100ngを下回って減少する。表8はまた、コーティングした表面の平方cm当たりの揮発性物質の損失も報告する。
実施例19
シリコーン樹脂またはポリイミドをベースとする様々なコーティング(カップリング剤の使用および不使用)で、複数のバイアルを調製した。カップリング剤を使用する場合、カップリング剤として、APSおよびGAPS(3−アミノプロピルトリアルコキシシラン)が挙げられ、GAPSは、APSの前駆物質である。Novastrat(登録商標)800、上述のポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’オキシジアニリン)、またはシリコーン樹脂(例、DC806AおよびDC255等)から、外側コーティング層を調製した。APS(アミノプロピルシルセスキオキサン)の0.1%溶液と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶かしたポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸(Kapton前駆物質)の0.1%溶液、0.5%溶液または1.0%溶液とを用いて、APS/Kaptonコーティングを調製した。カップリング剤を使用しないで、NMPに溶かしたポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’オキシジアニリン)の1.0%溶液を用いて、Kaptonコーティングも塗布した。APS(アミノプロピルシルセスキオキサン)の0.1%溶液と、15/85のトルエン/DMF溶液に溶かしたNovastrat(登録商標)800ポリアミド酸の0.1%溶液とを用いて、APS/Novastrat(登録商標)800コーティングを調製した。カップリング剤を使用しないで、トルエンに溶かしたDC255の1.0%溶液を用いて、DC255コーティングをガラスに直接塗布した。最初にAPSの0.1%水溶液、次にトルエンに溶かしたDC806Aの0.1%溶液または0.5%溶液を塗布して、APS/DC806Aコーティングを調製した。95質量%のエタノール水溶液にGAPSを溶かした1.0%溶液をカップリング剤として用い、そして次にトルエンに溶かしたDC806Aの1.0%溶液を用い、GAPS/DC806Aコーティングを塗布した。本明細書に記載される浸漬コーティング方法(塗布後にカップリング剤を加熱処理し、塗布後にシリコーン樹脂およびポリイミドコーティングを乾燥させて、硬化する)を用い、カップリング剤およびコーティングを塗布した。使用する溶液の濃度に基づいて、コーティング厚を推定した。図40に包含される表は、様々なコーティング組成物、推定したコーティング厚および試験条件を列挙する。
その後、いくつかのバイアルを転がしコーティングの損傷をシミュレーションし、他のバイアルを図11に示すバイアル−オン−バイアル治具において30Nおよび50Nの荷重下で摩耗させた。その後、バイアルを0.5mLの塩化ナトリウム溶液で満たした後、−100℃で凍結させる凍結乾燥(凍結乾燥プロセス)を全てのバイアルに施した。次に、−15℃、真空下で20時間凍結乾燥を実施した。光学品質保証機器を用い顕微鏡の下でバイアルを検査した。凍結乾燥によるコーティングへの損傷は、観察されなかった。
実施例2
3組の6個のバイアルを調製して、未コーティングのバイアルとDow Corning DC255シリコーン樹脂でコーティングしたバイアルに関して、荷重増大の摩擦係数に与える影響を評価した。Type1Bガラスから第一組のバイアルを成形し、未コーティングのままにした。Reference Glass Compositionから第二組のバイアルを成形し、トルエンに溶かしたDC255の1%溶液でコーティングし、300℃で30分間硬化した。Schott Type1Bガラスから第三組のバイアルを成形し、トルエンに溶かしたDC255の1%溶液でコーティングした。各組のバイアルを図11に示すバイアル−オン−バイアル治具に置き、同様なコーティングをしたバイアルに対して10N、30N、および50Nの静荷重下での摩耗中の摩擦係数を測定した。結果を図41においてグラフで報告する。図41に示すように、コーティングしたバイアルは、ガラス組成物とは関係なく同一条件下での摩耗の場合、未コーティングのバイアルと比較するとかなり低い摩擦係数を示した。
実施例2
3組の2個のガラスバイアルをAPS/Kaptonコーティングして調製した。最初に、APS(アミノプロピルシルセスキオキサン)の0.1%溶液中で各バイアルを浸漬コーティングした。APSコーティングを熱対流炉内で100℃で15分間乾燥させた。次に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶かした0.1%のポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸溶液(Kapton前駆物質)にバイアルを浸漬させた。その後、コーティングしたバイアルを予熱した窯炉に300℃で30分間入れて、コーティングを硬化した。
図11に示すバイアル−オン−バイアル治具に2個のバイアルを置き、10N荷重下で摩耗した。摩耗手順を同一区域にわたり4回を超えて繰り返し、各摩耗に対して、摩擦係数を決定した。摩耗と摩耗の間でバイアルを拭い、以前に摩耗されていない区域に各摩耗の出発点を位置付けした。しかしながら、各摩耗は、同じ「痕跡」の上を移動した。同一手順を30Nおよび50Nの荷重に対して繰り返した。図42において、各荷重に対して、各摩耗(つまり、A1〜A5)の摩擦係数をグラフで表す。図42に示すように、APS/Kaptonコーティングしたバイアルの摩擦係数は、全ての荷重で全ての摩耗に対して、概して0.30未満であった。本実施例は、カップリング剤で処理したガラス表面に塗布された場合、ポリイミドコーティングに対して、改善された耐摩耗性を実証する。
実施例2
3組の2個のガラスバイアルをAPSコーティングして調製した。APS(アミノプロピルシルセスキオキサン)の0.1%溶液中で各バイアルを浸漬コーティングし、熱対流炉内で100℃で15分間乾燥させた。図11に示すバイアル−オン−バイアル治具に2個のバイアルを置き、10N荷重下で摩耗した。摩耗手順を同一区域にわたり4回を超えて繰り返し、各摩耗に対して、摩擦係数を決定した。摩耗と摩耗の間でバイアルを拭い、以前に摩耗されていない区域に各摩耗の出発点を位置付けした。しかしながら、各摩耗は、同じ「痕跡」の上を移動した。同一手順を30Nおよび50Nの荷重に対して繰り返した。図43において、各荷重に対して、各摩耗(つまり、A1〜A5)の摩擦係数をグラフで表す。図43に示すように、APSだけでコーティングしたバイアルの摩擦係数は、概して0.3より大きく、0.6に達することも多くまたはさらには0.6よりも大きい。
実施例2
3組の2個のガラスバイアルをAPS/Kaptonコーティングして調製した。APS(アミノプロピルシルセスキオキサン)の0.1%溶液中で各バイアルを浸漬コーティングした。APSコーティングを熱対流炉内で100℃で15分間加熱した。次に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶かした0.1%のポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸溶液(Kapton前駆物質)にバイアルを浸漬させた。その後、コーティングしたバイアルを予熱した窯炉に300℃で30分間入れて、コーティングを硬化した。次に、300℃で12時間、コーティングしたバイアルを発熱物質除去(加熱)した。
図11に示すバイアル−オン−バイアル治具に2個のバイアルを置き、10N荷重下で摩耗した。摩耗手順を同一区域にわたり4回を超えて繰り返し、各摩耗に対して、摩擦係数を決定した。摩耗と摩耗の間でバイアルを拭い、以前に摩耗された区域に各摩耗の出発点を位置付けし、各摩耗は、同じ「痕跡」の上を実施した。同一手順を30Nおよび50Nの荷重に対して繰り返した。図44において、各荷重に対して、各摩耗(つまり、A1〜A5)の摩擦係数をグラフで表す。図44に示すように、APS/Kaptonコーティングしたバイアルの摩擦係数は、概して均一であり、10Nおよび30Nの荷重で導入した摩耗に対しておよそ0.20以下であった。しかしながら、印可荷重を50Nまで増大した場合、摩擦係数は、5番目の摩耗が0.40未満よりも僅かに小さい摩擦係数を有し、各々継続的な摩耗に対して増大した。
実施例2
3組の2個のガラスバイアルをAPS(アミノプロピルシルセスキオキサン)コーティングして調製した。APSの0.1%溶液中で各バイアルを浸漬コーティングし、熱対流炉内で100℃で15分間加熱した。次に、300℃で12時間、コーティングしたバイアルを発熱物質除去(加熱)した。図11に示すバイアル−オン−バイアル治具に2個のバイアルを置き、10N荷重下で摩耗した。摩耗手順を同一区域にわたり4回を超えて繰り返し、各摩耗に対して、摩擦係数を決定した。摩耗と摩耗の間でバイアルを拭い、以前に摩耗された区域に各摩耗の出発点を位置付けし、各摩耗は、同じ「痕跡」の上を移動した。同一手順を30Nおよび50Nの荷重に対して繰り返した。図45において、各荷重に対して、各摩耗(つまり、A1〜A5)の摩擦係数をグラフで表す。図45に示すように、12時間発熱物質除去した、APSコーティングしたバイアルの摩擦係数は、図43に示すAPSコーティングしたバイアルよりも著しく大きく、未コーティングのガラスバイアルが示す摩擦係数と同じくらいであり、バイアルが摩耗によって機械的強度にかなり損失を受け得ることを示唆する。
実施例2
Schott Type1Bガラスから成形した3組の2個のガラスバイアルをKaptonコーティングして調製した。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶かした0.1%のポリ(ピロメリト酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミド酸溶液(Kapton前駆物質)にバイアルを浸漬させた。その後、コーティングを150℃で20分間乾燥させ、次にコーティングしたバイアルを予熱した窯炉に300℃で30分間入れることにより、硬化した。
図11に示すバイアル−オン−バイアル治具に2個のバイアルを置き、10N荷重下で摩耗した。摩耗手順を同一区域にわたり4回を超えて繰り返し、各摩耗に対して、摩擦係数を決定した。摩耗と摩耗の間でバイアルを拭い、以前に摩耗されていない区域に各摩耗の出発点を位置付けた。しかしながら、各摩耗は、同じ「痕跡」の上を移動した。同一手順を30Nおよび50Nの荷重に対して繰り返した。図46において、各荷重に対して、各摩耗(つまり、A1〜A5)の摩擦係数をグラフで表す。図46に示すように、Kaptonコーティングしたバイアルの摩擦係数は、最初の摩耗後に概して増大し、カップリング剤を使用しないでガラスに塗布したポリイミドコーティングの乏しい耐摩耗性を実証した。
実施例2
実施例19のAPS/Novastrat(登録商標)800コーティングしたバイアルを、凍結乾燥後のそれらの摩擦係数に関して、図11に示すバイアル−オン−バイアル治具を30Nの荷重で用い、試験した。凍結乾燥後、摩擦係数のいかなる増大も検出されなかった。図47には、凍結乾燥の前および後における、APS/Novastrat(登録商標)800コーティングしたバイアルの摩擦係数を示す表が含まれる。
実施例2
実施例1に記載するように、Reference Glass Compositionバイアルをイオン交換し、コーティングした。以下のプロトコルを用いて、コーティングしたバイアルをオートクレーブ処理した:100℃で10分間の蒸気パージ、その後コーティングしたガラス容器100を121℃の環境に曝して20分の停止時間の後、30分の121℃での処理。図11に示すバイアル−オン−バイアル治具を30Nの荷重で用いて、オートクレーブ処理したバイアルおよびオートクレーブ処理しなかったバイアルの摩擦係数を測定した。図48は、オートクレーブ処理前とオートクレーブ処理後のAPS/Novastrat(登録商標)800コーティングしたバイアルの摩擦係数を示す。オートクレーブ処理後に摩擦係数のいかなる増大も検出しなかった。
実施例2
3組のバイアルを調製して、バイアルの損傷を軽減することへのコーティングの効能を評価した。中間のカップリング剤層を有するポリイミドの外側のコーティング層で第一組のバイアルを覆った。外側の層は、Novastrat(登録商標)800ポリイミドからなり、それは、ジメチルアセトアミドに溶かしたポリアミド酸の溶液として塗布され、300℃まで加熱してイミド化される。カップリング剤層は、APSとアミノフェニルトリメトキシシラン(APhTMS)とから1:8の比で構成された。これらのバイアルを320℃で12時間、発熱物質除去した。第一組のバイアルと同様に、中間のカップリング剤層を有するポリイミドの外側コーティング層で、第二組のバイアルを覆った。第二組のバイアルを320℃で12時間、発熱物質除去した後、121℃で1時間オートクレーブ処理した。第三組のバイアルは、未コーティングのままにしておいた。次に、各組のバイアルに30Nの荷重下で、バイアルの上にバイアルを重ねて摩擦試験を施した。各組のバイアルの摩擦係数を図49に報告する。各バイアルが受けた損傷(または損傷なし)を示すバイアル表面の写真も図49に示す。図49に示すように、未コーティングのバイアルは、概して約0.7を超える摩擦係数を有した。試験の結果として、未コーティングのバイアルは、また視覚的に認識できる損傷を被った。しかしながら、コーティングしたバイアルは、視覚的に認識できる表面損傷がなく、0.45未満の摩擦係数を有した。
コーティングしたバイアルに、上述のような発熱物質除去、オートクレーブ処理条件、またはその両方を同様に施した。図50は、バイアルに関して横圧縮試験における印可荷重の関数として、破損確率をグラフで表す。発熱物質除去したバイアルと発熱物質除去してオートクレーブ処理したバイアルの間に統計的有意差は、存在しなかった。
実施例29
ここで図51を参照すると、3種の異なるコーティング組成物でバイアルを調製し、塗布したコーティングの摩擦係数に与える異なるシランの比の影響を評価した。第一のコーティング組成物は、1:1の比のGAPS:アミノフェニルトリメチルオキシシランを有するカップリング剤層と、1.0%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドからなる外側コーティング層とを含む。第二のコーティング組成物は、1:0.5の比のGAPS:アミノフェニルトリメチルオキシシランを有するカップリング剤層と、1.0%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドからなる外側コーティング層を含む。第三のコーティング組成物は、1:0.2の比のGAPS:アミノフェニルトリメチルオキシシランを有するカップリング剤層と、1.0%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドからなる外側コーティング層を含む。320℃で12時間、全てのバイアルを発熱物質除去した。その後、バイアルに20Nおよび30Nの荷重下でバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。各バイアルに対する平均の印加した垂直抗力、摩擦係数、および最大摩擦力(Fx)を図51に報告する。図51に示すように、芳香族シラン(つまり、アミノフェニトリメチルオキシシラン)の量を減らすことにより、バイアルが受ける摩擦力だけでなく、バイアルとバイアルの間の摩擦係数も増大させる。
実施例3
シランの比が異なる耐熱性コーティングで、タイプ1Bイオン交換ガラスから成形したバイアルを調製した。
1:8の比を有して0.125%のAPSと1.0%のアミノフェニルトリメチルオキシシラン(APhTMS)とから形成されるカップリング剤層と、0.1%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドから形成される外側コーティング層とを含む組成物で、試料を調製した。発熱物質除去の前と後にバイアルの摩擦係数および摩擦力を決定することにより、塗布したコーティングの熱安定性を評価した。具体的には、コーティングしたバイアルに30Nの荷重下でバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。摩擦係数および摩擦力を測定し、図52に時間の関数としてプロットする。第二組のバイアルを320℃で12時間、発熱物質除去し、30Nの荷重下で同一のバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。摩擦係数は、発熱物質除去の前と後の両方で同じままであり、コーティングが熱的に安定であったことを示唆した。ガラスの接触区域の写真も示す。
1:8の比を有して0.0625%のAPSと0.5%のアミノフェニルトリメチルオキシシラン(APhTMS)とから形成されるカップリング剤層と、0.05%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドから形成される外側コーティング層とを含む組成物で、試料を調製した。発熱物質除去の前と後にバイアルの摩擦係数および摩擦力を決定することにより、塗布したコーティングの熱安定性を評価した。具体的には、コーティングしたバイアルに30Nの荷重下でバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。摩擦係数および摩擦力を測定し、図53に時間の関数としてプロットする。第二組のバイアルを320℃で12時間、発熱物質除去し、30Nの荷重下で同一のバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。摩擦係数は、発熱物質除去の前と後の両方で同じままであり、コーティングが熱的に安定であったことを示唆した。ガラスの接触区域の写真も示す。
図54は、1:8の比を有して0.125%のAPSと1.0%のアミノフェニルトリメチルオキシシラン(APhTMS)から形成される耐熱性コーティングおよび0.1%のNovastrat(登録商標)800ポリイミド(図54に「260」として示す)から形成される外側コーティング層を伴うバイアルと、並びに1:8の比を有して0.0625%のAPSと0.5%のアミノフェニルトリメチルオキシシラン(APhTMS)とから形成される耐熱性コーティングおよび0.05%のNovastrat(登録商標)800ポリイミド(図54に「280」として示す)から形成される外側コーティング層を伴うバイアルとに関して、横圧縮試験における印可荷重の関数として破損確率をグラフで表す。ガラスの接触区域の写真も示す。データは、コーティングし発熱物質除去しそして引っ掻き傷のある試料に対して、破損荷重が、未コーティングで引っ掻き傷の無い試料から変わらないままであることを示し、コーティングによりガラスを損傷から保護することを実証する。
シランの比が異なる耐熱性コーティングで、バイアルを調製した。1:1の比を有する0.5%のDynasylan(登録商標)Hydrosil1151と0.5%のアミノフェニルトリメチルオキシシラン(APhTMS)から形成されるカップリング剤層と、0.05%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドから形成される外側コーティング層とを含む組成物で、試料を調製した。発熱物質除去の前と後にバイアルの摩擦係数および摩擦力を決定することにより、塗布したコーティングの熱安定性を評価した。具体的には、コーティングしたバイアルに30Nの荷重下でバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。摩擦係数および摩擦力を測定し、図55に時間の関数としてプロットする。第二組のバイアルを320℃で12時間、発熱物質除去し、30Nの荷重下で同一のバイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を施した。摩擦係数は、発熱物質除去の前と後の両方で同じままであり、コーティングが熱的に安定であったことを示唆した。ガラスの接触区域の写真も示す。これは、アミノシランの水解物(例、アミノシルセスキオキサン等)が、コーティング製剤にも有用であることを暗示する。
一連の発熱物質除去条件に対しても同様に、塗布したコーティングの熱安定性を評価した。具体的には、アミノフェニルトリメチルオキシシラン(0.5%)に対するGAPS(0.5%)の比1:1を有するカップリング剤層と0.5%のNovastrat(登録商標)800ポリイミドからなる外側コーティング層とを含む組成物で、Type1Bイオン交換ガラスバイアルを調製した。試料バイアルに以下の発熱物質除去サイクルのひとつを施した:320℃で12時間;320℃で24時間;360℃で12時間;または360℃で24時間。次に、バイアルの上にバイアルを重ねた摩擦試験を用いて、摩擦係数および摩擦力を測定し、図56に示すように、各々の発熱物質除去条件に対して時間の関数としてプロットした。図56に示すように、バイアルの摩擦係数は、発熱物質除去の条件によって変化せず、コーティングが熱的に安定であったことを示唆する。図57は、360℃および320℃における熱処理時間を変えた後の摩擦係数をグラフで表す。
実施例3
実施例1に記載したように、APS/Novastrat800コーティングでバイアルを被覆した。未コーティングのバイアルだけでなくコーティングしたバイアルの光透過度も、分光光度計を用いて400〜700nmの波長の範囲内で測定した。ビームが耐熱性コーティングを2度(最初に容器に入る際とその後容器を出る際)通過するように、光ビームを容器壁に対して垂直に向けて、測定を実施した。図13は、可視光スペクトル400〜700nmにおいて測定したコーティングしたバイアルおよび未コーティングのバイアルの光透過率のデータをグラフで表す。スペクトル線440は、未コーティングのガラス容器を示し、スペクトル線442は、コーティングしたガラス容器を示す。
実施例3
0.25%のGAPS/0.25%のAPhTMSカップリング剤と1.0%Novastrat(登録商標)800ポリイミドで、バイアルをコーティングし、320℃で12時間発熱物質除去する前と後に光透過度に関して試験した。未コーティングのバイアルも試験した。結果を図58に示す。
実施例3
ポリイミドコーティングの均一性を改善するために、Novastrat(登録商標)800ポリアミド酸をポリアミド酸の塩に変換し、メタノールに溶かした。4gのトリエチルアミンを1Lのメタノールに添加した後、Novastrat(登録商標)800ポリアミド酸を添加して、0.1%の溶液を形成することにより、ジメチルアセトアミドと比べて著しく速く溶媒を蒸発させた。
メタノール/水との混合液に溶かした1.0%のGAPS/1.0%のAPhTMSと、メタノールに溶かした0.1%のNovastrat(登録商標)800ポリアミド酸塩とで、Type1Bイオン交換バイアルをコーティングした。コーティングしたバイアルを360℃で12時間発熱物質除去し、バイアル−オン−バイアル治具において10N,20Nおよび30Nの垂直荷重で、発熱物質除去していない試料および発熱物質除去した試料に引っ掻き傷をつけた。いかなるガラス損傷も10N、20Nおよび30Nの垂直抗力で観察されなかった。図59は、360℃で12時間の熱処理後の試料の摩擦係数、印加力および摩擦力を示す。図60は、試料の横圧縮試験における印可荷重の関数として、破損確率をグラフで表す。統計的に、10N、20Nおよび30Nでの試料系列は、互いに区別できなかった。低い荷重の破損試料は、引っ掻き傷から離れて位置決めされた基点から破壊した。
図61〜63にそれぞれ示すように、偏光解析および走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてコーティング層の厚さを概算した。シリコンウェーハ(偏光解析)およびガラススライド(SEM)を用いて、コーティング厚を測定用の試料を作製した。その方法は厚さが55〜180nm(シルセスキオキサンの結合層)および35nm(Novastrat(登録商標)800ポリアミド酸塩)と異なることを示す。
実施例3
0.5%のGAPS、75/25(体積/体積)のメタノール/水の混合液に溶かした0.5%のAPhTMS溶液を用いて、プラズマ清浄したSiウェーハ片を浸漬コーティングした。コーティングを120℃で15分間曝した。偏光解析を用いて、コーティング厚を決定した。3種の試料を調製し、30.6nmの標準偏差でそれぞれ92.1nm、151.7nm、および110.2nmの厚さを有した。
ガラススライドを浸漬コーティングし、走査電子顕微鏡を用いて調べた。図61は、150℃で15分間硬化した後に、1.0%のGAPS、1.0%のAPhTMS、および0.3%のNMPのコーティング溶液中に、8mm/sの引抜速度で浸漬したガラススライドのSEM画像を示す。コーティングは、約93nm厚であるように見える。図62は、150℃で15分間硬化した後に、1.0%のGAPS、1.0%のAPhTMS、および0.3%のNMPのコーティング溶液中に、4mm/sの引抜速度で浸漬したガラススライドのSEM画像を示す。コーティングは、約55nm厚であるように見える。図63は、150℃で15分間硬化し320℃で30分間熱処理した後に、0.5のNovastrat(登録商標)800溶液のコーティング溶液中に、2mm/sの引抜速度で浸漬したガラススライドのSEM画像を示す。コーティングは、約35nm厚であるように見える。
比較例6
Baysilone MのBayer Silicone水性エマルション(約1〜2%の固形分を有する)の希釈したコーティングで、Type1Bガラスから成形したガラスバイアルを覆った。バイアルを150℃で2時間処理して、水を表面から追い出し、ガラスの外面上のポリジメチルシロキサンコーティングを残した。コーティングの公称厚みは、約200nmであった。第一組のバイアルを未処理の状態で(つまり、「コーティングしたままのバイアルとして」)維持した。第二組のバイアルを280℃で30分間処理した(つまり、「処理したバイアル」)。UMT−2摩擦計を用いて、0〜48Nの直線的に増大する荷重および約20mmの長さを有する引っ掻き傷を加えることにより、各組からいくつかのバイアルを最初に機械的試験した。引っ掻き傷を摩擦係数および形態に関して評価し、引っ掻きの手順がガラスを損傷したかどうか、或いはコーティングが引っ掻きが原因となる損傷からガラスを保護したかどうかを決定した。
図64は、コーティングしたままのバイアルに関して、加えた引っ掻き傷の長さ(x−座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力、および摩擦力(y−座標)を示すプロットである。図64においてグラフで表すように、コーティングしたままのバイアルは、約30Nの荷重までおよそ0.03の摩擦係数を呈する。データから、およそ30N未満でCOFが常に0.1未満であることがわかる。しかしながら、30Nを超える垂直抗力で、引っ掻き傷の長さに沿ってガラスの浅割れ目が存在することによりわかるように、コーティングは、破損し始めた。ガラスの浅割れ目は、ガラス表面の損傷、そしてその損傷の結果としてガラスの破損の増大を暗示する。
図65は、処理したバイアルに関して、加えた引っ掻き傷の長さ(x−座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力、および摩擦力(y−座標)を示すプロットである。処理したバイアルに関して、印可荷重がおよそ5Nの値に達するまで、摩擦係数は低いままであった。その点で、荷重の増大に伴って生じるガラスの浅割れ目の量が増大することから明らかなように、コーティングは、破損し始め、ガラス表面は、激しく損傷した。処理したバイアルの摩擦係数は、約0.5まで増大した。しかしながら、コーティングは、熱暴露の後30Nの荷重でガラス表面を保護できず、コーティングが熱的に安定していなかったことを示唆する。
次に、20mmの引っ掻き傷の長さ全体に30Nの静荷重を印加することにより、バイアルを試験した。20mmの引っ掻き傷の長さ全体に30Nの静荷重を印加することにより、コーティングしたままのバイアルの10試料と処理したバイアルの10試料とを横圧縮試験した。コーティングしたままの試料のいずれも引っ掻き傷で破損していなく、一方、処理したバイアルの10のうち6が引っ掻き傷で破損し、処理したバイアルの残留強度が低いことを示唆する。
比較例7
Wacker Silres MP50(部品番号60078465 ロット番号EB21192)の溶液を2%まで希釈し、Reference Glass Compositionから成形したバイアルに塗布した。コーティングに先立って、最初にプラズマを10秒間当ててバイアルを清浄した。バイアルを315℃で15分間乾燥させ、コーティングから水を取り除いた。第一組のバイアルを「コーティングしたままの」状態に維持した。第二組のバイアルを250℃〜320℃の範囲の温度で30分間処理した(つまり、「処理したバイアル」)。UMT−2摩擦計を用いて0〜48Nの直線的に増大する荷重および約20mmの長さを有する引っ掻き傷を加えることにより、各組からのバイアルのうちいくつかを最初に機械的試験した。引っ掻き傷を摩擦係数および形態に関して評価し、引っ掻きの手順がガラスを損傷したかどうか、或いはコーティングが引っ掻きが原因となる損傷からガラスを保護したかどうかを決定した。
図66は、コーティングしたままのバイアルの加えた引っ掻き傷の長さ(x−座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力、および摩擦力(y−座標)を示すプロットである。コーティングしたままのバイアルは、コーティングに損傷を呈したが、ガラスに損傷はなかった。
図67は、280℃で処理したバイアルの加えた引っ掻き傷の長さ(x−座標)の関数として、摩擦係数、引っ掻き深さ、印加した垂直抗力、および摩擦力(y−座標)を示すプロットである。処理したバイアルは、印可荷重が約20Nを超えると著しいガラス表面の損傷を呈した。ガラス損傷に対する荷重閾値が、熱暴露温度の増大に伴って低減したことも確認され、コーティングが、温度の増大に伴って分解した(つまり、コーティングが熱的に安定でない)ことを示唆する。280℃未満の温度で処理した試料は、30Nを超える荷重でガラス損傷を示した。
比較例8
2%の固形分まで水で希釈したEvonik Silikophen P40/Wで、Reference Glass Compositionから成形したバイアルを処理した。次に、試料を150℃で15分間乾燥させ、続いて315℃で15分間硬化した。第一組のバイアルを「コーティングしたまま」の状態に維持した。第二組のバイアルを260℃の温度で30分間処理した(つまり、「260℃処理したバイアル」)。第三組のバイアルを280℃の温度で30分間処理した(つまり、「280℃処理したバイアル」)。図11に示す試験治具を用いて、バイアルに30Nの静荷重で引っ掻き傷を付けた。次に、バイアルを横圧縮試験した。260℃処理したバイアルおよび280℃処理したバイアルは、圧縮で破損し、一方コーティングしたままのバイアル16個のうち2個は、引っ掻き傷で破損した。これは、高温に暴露した際にコーティングが分解し、結果として、コーティングが30Nの荷重から表面を十分に保護しなかったことを示唆する。
ここで、本明細書に記載される耐熱性コーティングを有するガラス容器が、イオン交換後に、化学的耐久性、耐層間剥離性、および増大する機械的強度を呈することを理解されたい。本明細書に記載される耐熱性コーティングを有するガラス容器が、耐熱性コーティングの塗布の結果として、機械的損傷に対して改善された耐性を呈し、従って、ガラス容器は、向上した機械的耐久性を有することもまた理解されたい。これらの特性により、ガラス容器は、医薬製剤を保管するための医薬品パッケージ(これに限定されない)を含む様々な用途での使用にうまく適するようになる。
ここで、本明細書に記載されるガラス容器が、多くの種々の態様を実施してよいことを理解されたい。第1態様において、ガラス容器は、内面と外面を有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、10以下の層間剥離因子と、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率とを有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
第2態様において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、10以下の層間剥離因子と、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率とを有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングを有するガラス本体の外面は、約0.7未満の摩擦係数を有してもよい。
第3態様において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率を有してもよい。内部域は、ガラス本体の内面とガラス本体の外面の間に及んでもよい。内部域は、持続的な層均質性を有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
第4態様において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。内面は、持続的な表面均質性を有してもよい。ガラス本体の少なくとも内面は、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率を有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
第5態様において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体は、450℃以下の温度で約16μm/時を超える閾値の拡散率を有するアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物と、ISO720に準拠した耐加水分解性のタイプHGA1とから成形されてもよい。ガラス本体の少なくとも内面が10以下の層間剥離因子を有するように、ガラス組成物が、ホウ素およびホウ素化合物を殆ど含有しなくてもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面の少なくとも一部分と結合されてもよい。耐熱性コーティングは、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定でありうる。
第6態様において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体は、約74モル%〜約78モル%のSiO;約4モル%〜約8モル%のアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、MgOおよびCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約4モル%以上かつ約8モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下の量でNaOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含むガラス組成物から形成されてもよい。ガラス本体は、10以下の層間剥離因子を有してもよい。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面上に位置付けされてもよく、1枚の低摩擦層と1枚のカップリング剤層を含んでなり、低摩擦層は、1種のポリマー化学組成物を含んでなり、カップリング剤層は、第一シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第一シラン化学組成物は、芳香族シラン化学組成物である)、および第二シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第二シラン化学組成物は、脂肪族シラン化学組成物である)の少なくとも1種の混合物、並びに少なくとも第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物のオリゴマー化から形成される化学組成物を含む。
第7態様において、ガラス容器は、内面と外面とを有するガラス本体を含んでもよい。ガラス本体は、約74モル%〜約78モル%のSiO;CaOとMgOの両方を含むアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、約0.1モル%以上かつ約1.0モル%以下の量でCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約2モル%以上かつ約10モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約0.01モル%〜約1.0モル%のKOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含むガラス組成物から形成されてもよく、ガラス本体は、10以下の層間剥離因子を有する。耐熱性コーティングは、ガラス本体の外面上に位置付けされてもよく、1枚の低摩擦層と1枚のカップリング剤層を含む。低摩擦層は、1種のポリマー化学組成物を含んでもよく、カップリング剤層は、第一シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第一シラン化学組成物は、芳香族シラン化学組成物である)、および第二シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー(第二シラン化学組成物は、脂肪族シラン化学組成物である)の少なくとも1種の混合物、並びに少なくとも第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物のオリゴマー化から形成される化学組成物を含んでもよい。
第8態様は、第1態様および第3〜第7態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングを有するガラス本体の外面は、約0.7未満の摩擦係数を有する。
第9態様は、第1態様〜第8態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、約10℃/分の上昇率で150℃の温度から350℃まで加熱する場合、耐熱性コーティングは、その質量の約5%未満の質量損失を有する。
第10態様は、第1〜第2態様および第4〜第7態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体は、ガラス本体の内面とガラス本体の外面の間に及ぶ内部域を有してもよく、内部域は、持続的な層均質性を有する。
第11態様は、第3態様および第10態様のいずれかのガラス容器を含み、内部域が、少なくとも約100nm厚TLRを有する。
第12態様は、第3態様および第10態様のいずれかのガラス容器を含み、内部域は、ガラス本体の内面下10nmから延び、少なくとも約100nm厚TLRを有する。
第13態様は、第1〜第3態様または第5〜第12態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体の内面は、持続的な表面均質性を有する。
第14態様は、第4態様または第13態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、持続的な表面均質性が、ガラス本体の壁部の厚みの中で、ガラス本体の内面から約50nm以下の深さ(約10nm〜約50nmを含む)に及ぶ。
第15態様は、第1〜第14態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体は、ガラス本体の内面からガラス本体の壁部の厚みの中へ及ぶ表面域を有し、表面域は、持続的な表面均質性を有する。
第16態様は、第15態様のガラス容器を含み、表面域は、ガラス本体の壁部の厚みの中でガラス本体の内面から少なくとも10nmの深さまで及ぶ。
第17態様は、第1〜第16態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、カップリング剤層を備える。
第18態様は、第17態様のガラス容器を含み、カップリング剤層が、少なくとも1種のシラン化学組成物を含む。
第19態様は、第17または第18態様のいずれかのガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、カップリング剤層と接触する低摩擦層を備える。
第20態様は、第19態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、ポリマー化学組成物を含む低摩擦層を備える。
第21態様は、第1〜第20態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス容器のコーティングした部分を通る光透過度が、約400nm〜約700nmの波長に関して、未コーティングのガラス物品を通る光透過度の約55%以上である。
第22態様は、第1〜第21態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、DIN12116に準拠した少なくともクラスS3の耐酸性を有する。
第23態様は、第1〜第22態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ISO695に準拠した少なくともクラスA2の耐塩基性を有する。
第24態様は、第1〜第23態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ISO719に準拠した少なくともタイプHgB2の耐加水分解性を有する。
第25態様は、第1〜第24態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ISO720に準拠した少なくともタイプHgA2の耐加水分解性を有する。
第26態様は、第1〜第25態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス容器が、医薬品パッケージである。
第27態様は、第1〜第26態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ガラス本体の少なくとも外面において300MPa以上の圧縮応力および少なくとも30μmの層深さを有する。
第28態様は、第2態様および第6〜第7態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、少なくとも260℃の温度で30分間熱的に安定である。
第29態様は、第1態様〜第27態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、少なくとも320℃の温度で30分間熱的に安定である。
第30態様は、第1態様〜第29態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物を含む。
第31態様は、第30態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ホウ素およびホウ素含有化合物を殆ど含有しない。
第32態様は、第4態様または第13態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、持続的な表面均質性が、ガラス本体の壁部の厚みの中でガラス本体の内面から少なくとも10nmの深さまで及ぶ。
第33態様は、第32態様のガラス容器を含み、持続的な表面均質性の深さが、50nm以下である。
第34態様は、第33態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ガラス本体の内面からガラス本体の壁部の厚み中で深さDSRまで及ぶ表面域を有し、持続的な表面均質性が、表面域全体にわたって表面域の深さDSRまで及ぶ。
第35態様は、第34態様のガラス容器を含み、表面域の深さDSRが、ガラス本体の内面から少なくとも10nmである。
第36態様は、第30態様のガラス容器を含み、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物が、リンおよびリン含有化合物を殆ど含有しない。
第3態様は、第1態様〜第5態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス容器が、約74モル%〜約78モル%のSiO;約4モル%〜約8モル%のアルカリ土類酸化物(アルカリ土類酸化物は、MgOおよびCaOを含んでなり、(CaO(モル%)/(CaO(モル%)+MgO(モル%)))の比は、0.5以下である);Xモル%のAl(ここで、Xは、約2モル%以上かつ約10モル%以下である);およびYモル%のアルカリ酸化物(ここでアルカリ酸化物は、約9モル%以上かつ約15モル%以下の量でNaOを含んでなり、Y:Xの比は、1より大きい)を含むアルカリアルミノケイ酸塩ガラス組成物から成形され、ガラス組成物がホウ素およびホウ素化合物を含有しない。
第3態様は、第3態様のガラス容器を含み、Xが、約4モル%〜約8モル%である。
第3態様は、第3態様〜第3態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、アルカリ土類酸化物が、約0.1モル%以上かつ約1.0モル%以下の量でCaOを含む。
40態様は、第3態様〜第3態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、アルカリ土類酸化物が、約3モル%〜約7モル%のMgOを含む。
第4態様は、第3態様〜第40態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、アルカリ酸化物が、約0.01モル%以上および1.0モル%以下の量でKOをさらに含む。
第4態様は、第1態様〜第4態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス本体がイオン交換強化される。
第4態様は、第4態様のガラス容器を含み、ガラス本体が、ガラス本体の少なくとも外面において300MPa以上の圧縮応力および少なくとも3μmの層深さを有する。
第4態様は、第1態様〜第4態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、第一シラン化学組成物、それらの水解物、またはそれらのオリゴマー、並びに少なくとも第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物のオリゴマー化から形成される化学組成物の少なくとも1種を含むカップリング剤層を備え、第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物が、異なる化学組成物である。
第4態様は、第4態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、芳香族シラン化学組成物である。
第4態様は、第4態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、少なくとも1種のアミン部を含む。
第4態様は、第4態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、芳香族アルコキシシラン化学組成物、芳香族アシルオキシシラン化学組成物、芳香族ハロゲンシラン化学組成物、または芳香族アミノシラン化学組成物である。
第4態様は、第4態様のガラス容器を含み、カップリング剤が、第一シラン化学組成物と、第二シラン化学組成物(第二シラン化学組成物は、脂肪族シラン化学組成物である)との少なくとも1種の混合物、および少なくとも第一シラン化学組成物および第二シラン化学組成物のオリゴマー化から形成される化学組成物を含む。
第4態様は、第4態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、少なくとも1種のアミン部を含む芳香族アルコキシシラン化学組成物であり、および第二シラン化学組成物が、少なくとも1種のアミン部を含む脂肪族アルコキシシラン化学組成物である。
50態様は、第4態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、アミノフェニル、3−(m−アミノフェノキシ)プロピル、N−フェニルアミノプロピル、または(クロロメチル)フェニル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、或いはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択され、かつ第二シラン化学組成物が、3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、ビニル、メチル、N−フェニルアミノプロピル、(N−フェニルアミノ)メチル、N−(2−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、またはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択される。
第5態様は、第4態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、アミノフェニルトリメトキシシランであり、かつ第二シラン化学組成物が、3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
第5態様は、第4態様のガラス容器を含み、耐熱性コーティングが、1種のポリマー化学組成物を含む低摩擦層をさらに備える。
第5態様は、第5態様のガラス容器を含み、ポリマー化学組成物が、1種のポリイミド化学組成物である。
第5態様は、第5態様のガラス容器を含み、ポリイミド化学組成物が、少なくとも2つのアミン部を含む少なくとも1種のモノマー化学組成物と、少なくとも2つの無水物部を含んでなり、ベンゾフェノン構造を有する少なくとも1種のモノマー化学組成物との重合から形成される。
第5態様は、第6態様のガラス容器を含み、ガラス組成物は、ホウ素およびホウ素化合物を含有しない。
第5態様は、第6態様および第5態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス組成物は、Bを含んでなり、比(B(モル%)/(Yモル%−Xモル%)は、0より大きくかつ0.3未満である。
第5態様は、第6態様および第5〜第5態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス組成物は、リンおよびリン含有化合物を殆ど含有しない。
第5態様は、第6態様および第5〜第5態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、CaOが、0.1モル%以上かつ1.0モル%以下の量でガラス組成物中に存在する。
第5態様は、第6態様および第5〜第5態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、MgOが、約3モル%〜約7モル%の量でガラス組成物中に存在する。
60態様は、第6態様および第5〜第5態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ガラス組成物中のアルカリ酸化物が、0.01モル%以上かつ1.0モル%以下の量でKOをさらに含む。
第6態様は、第6態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、少なくとも1つのアミン部を含む1種の芳香族アルコキシシラン化学組成物であり、かつ第二シラン化学組成物が、少なくとも1つのアミン部を含む1種の脂肪族アルコキシシラン化学組成物である。
第6態様は、第6態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、アミノフェニル、3−(m−アミノフェノキシ)プロピル、N−フェニルアミノプロピル、または(クロロメチル)フェニル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、或いはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択され、かつ第二シラン化学組成物が、3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、ビニル、メチル、N−フェニルアミノプロピル、(N−フェニルアミノ)メチル、N−(2−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、またはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択される。
第6態様は、第7態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、アミノフェニルトリメトキシシランであり、かつ第二シラン化学組成物が、3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
第6態様は、第6態様または第7態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、ポリマー化学組成物が、ポリイミド化学組成物である。
第6態様は、第6態様のガラス容器を含み、ポリイミド化学組成物が、少なくとも2つのアミン部を含む少なくとも1種のモノマー化学組成物と、少なくとも2つの無水物部を含んでなり、ベンゾフェノン構造を有する少なくとも1種のモノマー化学組成物との重合から形成される。
第6態様は、第7態様のガラス容器を含み、ガラス組成物が、Bを含んでなり、比(B(モル%)/(Yモル%−Xモル%)は、0より大きくかつ0.3未満である。
第6態様は、第7態様および第6態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、アルカリ酸化物が、9モル%以上のNaOかつ15モル%以下のNaOを含む。
第6態様は、第7態様および第6〜第6態様のいずれかの態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、少なくとも1つのアミン部を含む1種の芳香族アルコキシシラン化学組成物であり、かつ第二シラン化学組成物が、少なくとも1つのアミン部を含む1種の脂肪族アルコキシシラン化学組成物である。
第6態様は、第7態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、アミノフェニル、3−(m−アミノフェノキシ)プロピル、N−フェニルアミノプロピル、または(クロロメチル)フェニル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、或いはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択され、かつ第二シラン化学組成物が、3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、ビニル、メチル、N−フェニルアミノプロピル、(N−フェニルアミノ)メチル、N−(2−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピル置換のアルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、またはアミノシラン、それらの水解物、もしくはそれらのオリゴマーからなる群から選択される。
70態様は、第7態様のガラス容器を含み、第一シラン化学組成物が、アミノフェニルトリメトキシシランであり、かつ第二シラン化学組成物が、3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
請求項に記載された主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対して、様々な修正形態および変形形態を実施できることは当業者には明らかであろう。従って、このような修正形態および変形形態が、添付の請求項およびそれらと同等の物の範囲内に含まれるならば、本明細書は、本明細書に記載される様々な実施形態の修正形態および変形形態を包含することが意図される。

Claims (10)

  1. ガラス容器において、
    内面と外面を有するガラス本体であって、前記ガラス本体の少なくとも前記内面は、10以下の層間剥離因子、および450℃以下の温度で16μm/時を超える閾値の拡散率を有するガラス本体と、
    前記ガラス本体の前記外面の少なくとも一部分に結合した耐熱性コーティングであって、少なくとも260℃の温度で30分間、熱的に安定である耐熱性コーティングと、
    を備えることを特徴とするガラス容器。
  2. 前記耐熱性コーティングを有する前記ガラス本体の前記外面が、0.7未満の摩擦係数を有することを特徴とする請求項1に記載のガラス容器。
  3. 前記耐熱性コーティングが、10℃/分の上昇率で150℃の温度から350℃まで加熱された場合、質量損失がその質量の5%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス容器。
  4. 前記耐熱性コーティングが、
    少なくとも1種のシラン化学組成物を含むカップリング剤層と、
    前記カップリング剤層と接触する低摩擦層であって、ポリマー化学組成物を含む低摩擦層と、
    を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス容器。
  5. 前記ガラス容器のコーティングした部分を通る光透過度が、400nm〜700nmの波長に関して、未コーティングのガラス物品を通る光透過度の55%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス容器。
  6. 前記ガラス本体が、
    DIN12116に準拠した少なくともクラスS3の耐酸性と、
    ISO695に準拠した少なくともクラスA2の耐塩基性と、
    ISO720に準拠した少なくともタイプHgA2の耐加水分解性と、
    を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス容器。
  7. 前記ガラス本体が、前記ガラス本体の少なくとも前記外面において300MPa以上の圧縮応力および少なくとも30μmの層深さを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス容器。
  8. 前記ガラス本体の前記内面と前記ガラス本体の前記外面との間に及ぶ内部域を有し、前記内部域が、持続的な層均質性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス容器。
  9. 前記内部域が、前記ガラス本体の前記内面下10nmから延び、少なくとも100nm厚TLRを有することを特徴とする請求項8に記載のガラス容器。
  10. 前記ガラス本体の前記内面が、前記ガラス本体の壁部の厚みの中で前記ガラス本体の前記内面から10nm〜50nmの深さに及ぶ持続的な表面均質性を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のガラス容器。
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