JP2010202413A - ガラスの製造方法、ガラス原料の製造方法及びガラス原料 - Google Patents

ガラスの製造方法、ガラス原料の製造方法及びガラス原料 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス原料から溶融ガラスを調製する際における溶融温度を低下させてエネルギー消費の低下を図ると同時に、ガラス組成の均質化を図ることを可能とするガラスの製造方法、ガラス原料の製造方法及びガラス原料を提供する。
【解決手段】ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形することによりガラスを製造する際に用いるガラス原料であり、平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末とが含有されてなり、かつ前記珪砂の表面に、珪酸ナトリウム塩が付着されていることを特徴とするガラス原料を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスの製造方法、ガラス原料の製造方法及びガラス原料に関するものであり、特に、組成の均質性に優れたガラスの製造方法に関するものである。
一般に、ガラスは、珪砂等のケイ素源と、カルシウム塩等のアルカリ土類金属源と、必要に応じてナトリウム塩等のアルカリ金属源との混合物からなるガラス原料粉末を用意し、このガラス原料粉末を溶融・清澄して溶融ガラスとし、溶融ガラスを例えばフロート法などの手段によって板状に成形することによって製造している。
ガラスの製造工程のうち、最もエネルギーを要する工程は、言うまでもなく、ガラス原料を溶融して溶融ガラスにする工程である。ガラス原料の溶融に要する熱エネルギーが小さいほど、ガラスを製造する際のエネルギーコストが小さくなり、省エネルギーに寄与することになる。また、ガラスの均質性はガラス原材料の溶融に起因するところが多い。そこで従来から、ガラス原料の改良が試みられている。
下記の非特許文献1には、ケイ酸塩ガラスを製造する際に、ナトリウム源となる成分を造粒し、この造粒した成分を含む造粒ガラス原料を用いた場合に、非造粒ガラス原料と比べて、溶融温度が低下することが示唆されている。
また、下記の非特許文献2には、粒径が0.3mm程度の比較的粗い粒径のガラス原料粉末に圧縮造粒を施し、その後、粒径が0.5mm程度になるまで再粉砕したものを用いてガラスを製造すると、造粒・粉砕を行わなかった場合と比べて、溶融温度が数十℃程度低下することが示されている。
Silikattechnik,33,1982,Heft 5,p.155−156 「ガラス アンド セラミックス」(Glass and Ceramics),vol.61,Nos.5−6,2004,p.164−167
しかし、従来の方法では、ガラスの溶融温度が低下するといってもその低下幅は数十℃程度に過ぎず、更なる溶融温度の低下が望まれている。また、ガラス製造時には常に、ガラス組成の不均質が問題となるが、従来の方法では、溶融温度の低下とガラス組成の均質化とを同時に実現するまでに至っていなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガラス原料から溶融ガラスを調製する際の溶融温度を低下させてエネルギー消費の低下を図ると同時に、ガラス組成の均質化を図ることを可能とするガラスの製造方法、ガラス原料の製造方法及びガラス原料を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のガラス原料は、ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形することによりガラスを製造する際に用いるガラス原料であり、平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末とが含有されてなり、かつ前記珪砂の表面に、珪酸ナトリウム塩が付着されていることを特徴とする。
また、本発明のガラス原料は、造粒物であることが好ましく、例えば、平均粒径30〜150μmの範囲に造粒されていることが好ましい。
更に、本発明のガラス原料においては、酸化物基準の質量百分率表示で下記組成(1)のガラスとなるガラス原料を用いることが好ましい。
SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.5%・・・(1)。
次に、本発明のガラス原料の製造方法は、ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形することによりガラスを製造する際に用いるガラス原料の製造方法であって、平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末と、をも含有する混合粉末に水を添加して、少なくとも前記炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥させて水を除去して製造されることを特徴とする。
また、本発明のガラス原料の製造方法においては、水を除去する際に、スプレードライ造粒法によって造粒することが好ましく、例えば、平均粒径30〜150μmの範囲に造粒することが好ましい。
更に、本発明のガラス原料の製造方法においては、酸化物基準の質量百分率表示で下記組成(2)のガラスとなるガラス原料であることが好ましい。
SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.5%・・・(2)。
次に、本発明のガラスの製造方法は、ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形するガラスの製造方法において、前記ガラス原料として、先の何れかに記載のガラス原料、または、先の何れかに記載の製造方法によって製造されたガラス原料を用いることを特徴とする。
本発明によれば、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末を含む混合粉末に水を添加して少なくとも炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥して水を除去することによって、このような処理を行わない場合と比べて、ガラス原料の溶融温度を100℃以上低下させることができ、ガラス製造時のエネルギー消費を低減することができる。また、このような処理を行うことによって、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末の分散性を向上させ、これによりガラスの均質性を高めることができる。
また、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末を含む混合粉末に水を添加して少なくとも炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥して水を除去することによって、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末とが少なくとも含有され、前記珪砂の表面に珪酸ナトリウム塩が付着されているガラス原料を得ることができる。このガラス原料を用いることで、溶融ガラスにする際の溶融温度を100℃以上低下させ、かつガラスの均質性を更に高めることができる。
以下、本発明の実施形態であるガラス原料、ガラス原料の製造方法及びガラスの製造方法について説明する。
本発明に係るガラスは、珪砂等を含むガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、これを成形することによって製造される。本発明に係るガラスは、たとえば以下のように製造する。
(i)珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末と、必要に応じてAl、清澄剤等とを、目標とするガラスの組成となるような割合にて混合し、後述する所定の処理を行ってガラス原料を調製する。
(ii)該ガラス原料、および必要に応じて、目標とするガラスの組成と同じ組成のカレットを、溶融窯のガラス原料投入口から溶融窯内に連続的に投入し、1500〜1600℃にて溶融させ溶融ガラスとする。カレットとは、ガラスの製造の過程等で排出されるガラス屑である。
また、ガラス原料を溶融窯に投入する際に、ガラス原料を、酸素バーナー炎、プラズマ、または酸素バーナー炎とプラズマとの複合雰囲気中で溶融し、この溶融状態のガラス原料を溶融窯に連続的に投入してもよい。
(iii)該溶融ガラスを、フロート法等の公知の成形法により所定の厚さとなるように成形する。
(iv)成形されたガラスリボンを徐冷した後、所定の大きさに切断し、板状のガラスを得る。
「ガラス原料及びその製造方法」
本発明に係るガラス原料は、平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末とを少なくとも含有する混合粉末を用意し、この混合粉末に水を添加して少なくとも炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥させて水を除去することによって得られたものである。また、水を除去する際には、例えばスプレードライ造粒法によって造粒することが好ましい。混合粉末を調製する際には、必要に応じてAl、清澄剤等を添加し、目標とするガラスの組成となるような割合にて混合することが好ましい。また、水に溶解させる物質は炭酸ナトリウムに限らず、水に可溶なものであれば、炭酸ナトリウムと同時に水に溶解させればよい。
このようにして得られるガラス原料は、平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末とが少なくとも含有され、珪砂の表面に、珪酸ナトリウム塩が付着されたものとなる。
珪砂は、ガラスにおけるSiO成分となるものである。珪砂としては、平均粒径が10μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の超微粒珪砂が好ましい。珪砂の平均粒径が10μmを超えると、結果的に珪砂の比表面積が小さくなり、表面に形成される珪酸ナトリウム塩の量が減少し、これによりガラス原料を溶融ガラスにする際の溶融温度が高くなってしまうので好ましくない。また、平均粒径が1μm以下であれば、既存のスプレー造粒装置をそのまま利用して造粒物に成形できるので好ましい。なお、上記の珪砂の他に、SiO成分となるものとして他のケイ素含有化合物を添加してもよい。
次に、炭酸ナトリウムは、ガラスにおけるNaO成分となるものである。炭酸ナトリウムとしては、粉末状または塊状であって、水に容易に溶解可能な形態のものであれば平均粒径等に特に制限されない。炭酸ナトリウムは、水の添加によって一旦溶解し、その後、水を除去することによって大部分が再析出するが、一部は珪砂の表面に付着して反応し、珪酸ナトリウム塩となって析出する。なお、上記の炭酸ナトリウムの他に、NaO成分となるものとしてNaO、NaOH等を併せて添加してもよい。
次に、カルシウム塩粉末は、ガラスにおけるCaO成分となるものである。カルシウム塩としては例えば、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等を例示できる。また、Mgが一部に含まれるドロマイト((Mg,Ca)CO)等を用いてもよい。これらのカルシウム塩のうち、特に炭酸カルシウム粉末が好ましい。カルシウム塩粉末の平均粒径は、例えば、10μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が最も好ましい。カルシウム塩粉末の平均粒径が10μmを超えると、ガラス原料中におけるカルシウム塩粉末と珪砂とが均質に混じり難く、これによりガラスの均質性向上の効果が低下するので好ましくない。
(アルカリ土類金属源)
ガラス原料には、アルカリ土類金属源として、上記のカルシウム塩粉末の他に、Mg、Sr及びBaのうちのいずれか1種または2種以上の元素を含む化合物を添加することができる。アルカリ土類金属を含む化合物としては、例えば、MgCO、BaCO、SrCO、(Mg,Ca)CO(ドロマイト)等の炭酸塩や、MgO、BaO、SrO等の酸化物や、Mg(OH)、Ba(OH)、Sr(OH)等の水酸化物を例示できる。
(アルカリ金属源)
また、ガラス原料には、アルカリ金属源として、上記の炭酸ナトリウムの他に、K、Liの一方または両方を含む化合物を添加することができる。アルカリ金属を含む化合物としては、例えば、KO、LiO等の酸化物や、KCO、LiCO等の炭酸塩や、KOH、LiOH等の水酸化物を例示できる。
(ホウ素源)
また、ガラス原料には、ホウ素源としてホウ素化合物を添加することが好ましい。ホウ素化合物としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、四ホウ酸(H)、無水ホウ酸(B)等が挙げられる。通常のガラスの製造においては、安価で、入手しやすい点から、オルトホウ酸が用いられる。
(他の成分)
ガラス原料に添加する他の成分としては、Al、Fe、TiO、CeO、ZnO、ZrO、SnO等が挙げられる。また、溶融性、清澄性、成形性を改善するため、F、Clを含有させてもよい。
本発明に係るガラス原料は、前記各原料を混合した混合粉末を用意し、この混合粉末に水を添加して少なくとも炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥して水を除去することによって得られる。ガラス原料の組成は、目標とする組成のガラスとなるような組成とする。ガラス原料の組成としては、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.3%、という組成を例示できる。
上記成分の限定理由について以下に述べる。
SiO2は、ネットワークフォーマであり、必須である。SiO2含有量が65%未満であると耐候性が悪化し、75%超だと粘度が高くなり溶融が困難になる。SiO2含有量は、68〜73%であることがより好ましい。
Al23は必須ではないが、耐候性を向上させるために3%まで含有してもよい。3%超だと溶融性が低下する。耐候性の点から、Al23含有量は0.1%以上であることが好ましい。Al23含有量は、より好ましくは0.7〜2.2%である。
CaOは、原料の溶融を促進し耐候性を改善する成分であり、必須である。CaO含有量が5%未満だと上述の効果が小さく、15%超だと失透しやすくなる。CaO含有量は、7.0〜12.0%であることがより好ましい。
MgOは、原料の溶融を促進し耐候性を改善する成分であるため、15%まで含有してもよい。15%超だと失透しやすくなる。上述の効果のためには1%以上含有させることが好ましい。MgO含有量は、2.0〜7.0%であることがより好ましい。
Na2Oは、原料の溶融を促進する成分であり、必須である。10%未満だと上述の効果が小さく、20%超だと耐候性が悪化する。Na2O含有量は、12.0〜15.0%であることがより好ましい。
2Oは、原料の溶融を促進する成分であり、3%まで含有してもよい。3%超だと耐候性が悪化する。上述の効果のためには0.2%以上含有させることが好ましい。K2O含有量は、0.4〜1.6%であることがより好ましい。
Li2Oは、原料の溶融を促進する成分であり、5%まで含有してもよい。5%超だと耐候性が悪化する。Li2O含有量は、1%以下であることがより好ましい。
Fe23は、必須ではないが、製造されるガラスの光線吸収能、特に赤外線吸収能および紫外線吸収能を高める成分であり、かつガラスの着色成分でもあることから3%まで含有させることができる。3%超とすると、溶融時に輻射熱が遮断され熱が内部へ到達しにくくなり溶融が困難となる。上述の効果のためには0.005%以上含有させることが好ましい。Fe23含有量は、0.010〜1.5%であることがより好ましい。
本明細書において、製造されるガラス中の鉄酸化物の全量は、標準分析法にしたがってFe23の量として表しているが、ガラス中に存在する鉄酸化物が全てFe23の形で存在しているわけではない。通常、ガラス中にはFe23以外に2価の鉄酸化物(FeO)が存在している。赤外線吸収能について着目した場合、Fe23よりもFeOのほうが優れている。したがって、ガラスの赤外線吸収能を高めるためには、製造されるガラスにおいて、下記式で表される全鉄中のFeOの割合(%)を高めることが好ましい。
FeO/(FeO+Fe23)×100
ここで、FeOおよびFe23は、製造されるガラスにおけるFe23に換算したFeOおよびFe23の含有割合(酸化物基準の百分率表示による)を示す。
なお、以下本明細書において、上記式で表される全鉄中のFeOの割合のことを、「全鉄中のFeOの割合」という。
全鉄中のFeOの割合は、20〜60%であることが好ましい。全鉄中のFeOの割合が20〜60%であれば、製造されるガラスが赤外線吸収能に優れている。全鉄中のFeOの割合は、25〜55%であることがより好ましく、30〜50%であることがさらに好ましい。
TiO2は必須ではないが、製造されるガラスの光線透過率、具体的には可視光透過率および紫外線透過率を調整するため5%まで含有させることができる。5%超としても、光線透過率の調整にはもはや寄与しないため、コスト上好ましくない。また、フロート法でガラスを成形する場合に、フロートバス中でTiO2が溶融スズと反応してしまい、所望の色調のガラスを得ることができない。光線透過率の調整を目的とする場合、0.05〜4.5%含有させることが好ましく、0.1〜4.2%含有させることがより好ましい。
CeO2は必須ではないが、製造されるガラスの紫外線吸収能を上げるため3%まで含有させることができる。3%超だとガラスにリーム状の欠点が発生しやすくなる。製造されるガラスの紫外線吸収能を上げるためには、0.05〜2.0%含有させることが好ましく、0.1〜1.8%含有させることがより好ましい。
BaOおよびSrOは必須ではないが、溶融性向上のため5%まで含有させることができる。5%超だと失透しやすくなる。BaOおよびSrOの含有量は2%以下であることが好ましい。
ZnOは必須ではないが、耐候性向上のため5%まで含有させることができる。5%超だとガラスの熱膨張率が低下するため風冷強化しにくくなる。ZnOの含有量は1%以下であることが好ましい。
ZrO2は必須ではないが、ガラスの弾性率向上のため5%まで含有させることができる。5%超だと原料の溶融が困難になる。ZrO2の含有量は1%以下であることが好ましい。
23は必須ではないが、溶融性向上のために5%まで含有してもよい。5%超では軟化点が低くなる。好ましくは1%以下である。
SnO2は必須ではないが、全鉄中のFeOの割合を調整する目的で3%まで含有させることができる。3%超だとガラスにリーム状の欠点が発生しやすくなる。SnO2の含有量は1%以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係るガラスは、上記の成分以外に下記群から選択される少なくとも1つを任意成分として含有してもよい。
F,Cl,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Se,Mo,Ag,In,Te,La,Pr,Nd,Er,W,Au
FおよびClは原料の溶融を促進する目的で含有させることができる。また、V,Cr,Mn,Co,Cu,Mo,Ag,In,Te,La,Pr,Nd,Er,WおよびAuは、光吸収成分として含有させることができる。
Niは、NiOの形でガラスの着色成分として含有させることができる。本実施形態では、芒硝のような清澄剤を使用しないため、ガラス中のNiO含有量を高くしても、NiSによる自然破損のおそれがない。このため、従来よりもガラス中のNiO含有量を高くすることができ、0.5%まで含有させることができ、ガラスの着色の自由度を向上させることができる。
特に、多様な着色が要求される自動車ガラスで、その効果は大きい。0.5%超だとフロートバス中でNiOが溶融スズと反応してしまい、所望の色調のガラスを得ることができないおそれがある。上述の効果のためには、0.005〜0.3%含有させることが好ましく、0.05〜0.1%含有させることがより好ましい。
Seはガラスの着色成分として0.05%まで含有させることができる。0.05%超だと色調補正にはもはや寄与しないため、コスト上好ましくない。上述の効果のためには、0.01%以下含有させることが好ましく、0.005%以下含有させることがより好ましい。
本実施形態では、芒硝のような清澄剤を使用しないため、溶融中におけるSeの揮散が少なく、Se残存率に優れている。本実施形態では、下記式で表されるSe残存率が30〜60%である。
Se残存率(%)=製造されたガラス中のSe含有量(g)/原料中に投入したSeの量(g)×100
次に、ガラス原料の製造方法について説明する。まず、目標とする組成のガラスとなるように、上記の原料をそれぞれ混合して混合粉末とする。次いで、混合粉末の質量とほぼ同程度の質量の水を、混合粉末に添加する。これにより、混合粉末に含まれる化合物等のうち、水溶性の化合物が溶解する。特に本発明では、炭酸ナトリウムを溶解させることが好ましい。このように原料粉末に水を添加することで、原料スラリーを調製する。
次に、原料スラリーを乾燥して水を除去する。原料スラリーの乾燥は、自然乾燥でもよいが、乾燥時間の短縮のためには加熱乾燥がよい。加熱乾燥の温度は、130℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、350℃以上が最も好ましい。また、乾燥時には、原料スラリーを攪拌しながら乾燥することが、ガラス原料を均質化できる点で好ましい。原料スラリーの乾燥の際に、水に溶解した炭酸ナトリウムの大部分が再析出し、炭酸ナトリウムの一部が珪砂表面に付着し、更にその一部が珪砂のSiOと反応して珪酸ナトリウム塩を形成する。このように、珪砂の表面に炭酸ナトリウムが付着し、更にケイ酸ナトリウム塩が生成することによって、ガラス原料の溶融温度が低下するものと考えられる。
原料スラリーを乾燥する手段として、スプレー造粒法を用いてもよい。スプレードライ造粒法は、原料スラリーを噴霧させると同時に水を蒸発させる方法であり、原料スラリーにおける珪砂、カルシウム塩等の比較的良好な混合状態を保ったまま造粒できる。また、原料スラリーの乾燥を同時に行いつつ造粒物とすることができる。スプレードライ造粒法は、造粒物の平均粒径が30〜100μmの範囲になるように造粒するとよい。スプレードライ造粒法によって水を蒸発させるためには、原料スラリーの噴霧を例えば130℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは350℃以上の加熱雰囲気中で行えばよい。
以上のようにして、本発明に係るガラス原料が得られる。
そして、得られたガラス原料を溶融して溶融ガラスとし、これを成形することによって、ガラスを製造できる。
上記のガラス原料の製造方法によれば、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末を含む混合粉末に水を添加して少なくとも炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥して水を除去することによって、このような処理を行わない場合と比べて、ガラス原料の溶融温度を100℃以上低下させることができ、ガラス製造時のエネルギー消費を低減することができる。また、このような処理を行うことによって、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末の分散性を向上させ、これによりガラスの均質性を高めることができる。
また、水を除去する際にスプレードライ造粒法を用いる場合、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末の分散性をより向上させ、これによりガラスの均質性を更に高めることができる。
また、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末を含む混合粉末に水を添加して少なくとも炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥して水を除去することによって、珪砂、炭酸ナトリウム及びカルシウム塩粉末とが少なくとも含有され、前記珪砂の表面に珪酸ナトリウム塩が付着されているガラス原料を得ることができる。このガラス原料を用いることで、溶融ガラスにする際の溶融温度を100℃以上低下させ、かつガラスの均質性を更に高めることができる。
「実験1」
酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:73.4%、CaO:10%、Na2O:16%、Fe23:0.1%、SO3:0.5%の組成を有するガラスとなるように、平均粒径1μmの珪砂、平均粒径300μmの炭酸ナトリウム粉末、平均粒径2μmの炭酸カルシウム粉末およびその他の原料を調整して混合粉末とした。
次いで、ガラス化後の質量が100gとなる量の混合粉末を分取し、分取した混合粉末と同質量の水を混合粉末に加えて攪拌して原料スラリーとした。次いで、原料スラリーを350℃で1時間乾燥して水を除去し、粉砕することによって、試験例1のガラス原料を調製した。
また、試験例1と同様の混合粉末を分取し、分取した混合粉末と同質量の水を混合粉末に加えて攪拌して原料スラリーとした。次いで、原料スラリーを、スプレードラーヤー装置(大河原加工機株式会社製、OD−25G)を用いてスプレードライ造粒した。スプレードライ造粒の際の加熱温度は350℃とした。このようにして、平均粒径70μmの試験例2のガラス原料を調製した。
更に、ガラス化後の質量が100gとなる量の試験例1の混合粉末を分取し、これをそのまま試験例3のガラス原料とした。
次に温度傾斜路試験として、試験例1〜3のガラス原料100gを、長さ4000mm×幅20mmの白金ボートに均一に敷きつめ、この白金ボードを傾斜加熱炉に導入した。そして、白金ボードの一端側において加熱温度が800℃となり、他端側において加熱温度が1500℃となり、一端と他端との間において加熱温度が800℃から1500℃まで順次上昇するように加熱温度を制御しつつ、かつガラス原料を強制的に撹拌することなく、1時間かけて室温から徐々に昇温してガラス原料を溶融させた。そして、溶融ガラスについて、この温度傾斜路試験を行うことにより、各溶融ガラスの溶融温度を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2010202413
表1に示すように、混合粉末に水を添加して原料スラリーの調製を経た試験例1及び試験例2のガラス原料は、原料スラリーの調製を経ない試験例3のガラス原料に比べて、溶融温度が100℃以上低下していることが分かる。特に、原料スラリーの調整後にスプレー造粒を行った試験例2では、試験例3に比べて溶融温度が190℃程度低下することが分かる。
「実験2」
試験例1と同様にしてガラス原料を調製し、これを試験例4とした。
平均粒径が5μmの珪砂を用いたこと以外は上記試験例1と同様にして、試験例5のガラス原料を調製した。
また、平均粒径が10μmの珪砂を用いたこと以外は上記試験例1と同様にして、試験例6のガラス原料を調製した。
更に、平均粒径が200μmの珪砂を用いたこと以外は上記試験例1と同様にして、試験例7のガラス原料を調製した。
次に、図1(a)に示すように、試験例4〜7のガラス原料を、高さ60mm、外径50mmの有底円筒形の、白金ロジウム製の坩堝に入れた。該坩堝を加熱炉に入れ、強制的に坩堝内を撹拌することなく、1350℃(ガラス粘度ηがlogη=2.5に相当する温度)で1時間加熱し、試験例4〜7のガラス原料を溶融させた。溶融ガラスを坩堝ごと冷却した後、図1(b)に示すように、坩堝内のガラスの中央部から縦10mm、横20mm、厚さ1mmのサンプルを切り出した。
波長分散型EPMA(島津製作所製EPMA1600)を用いて、ガラスサンプルの断面上下方向に沿って点分析を約0.1mmの間隔毎に実施した。尚、測定ビーム径は20μmである。そして得られたSiO(質量%)、NaO(質量%)とCaO(質量%)の組成値を0.1質量%の範囲ごとに分析点をヒストグラム表記し、このヒストグラム化したグラフをガウス関数で近似して半値幅を求めた。そして、分布曲線の半値幅を測定した。なお、半値幅は狭いほど均質性が優れていることを表している。結果を図2に示す。図2は、上記分析法において測定したSiO(質量%)、NaO(質量%)及びCaO(質量%)の分布の半値幅と、ガラス原料の種類との関係を示すグラフである。
図2に示すように、珪砂の平均粒径が10μm以下の試験例4〜6は、珪砂の平均粒径が200μmの試験例7に比べて、SiOの半値幅が相対的に大幅に小さくなっており、ガラスの組成の均質性が高くなっていることが分かる。特に、珪砂の平均粒径が5μm以下の試験例4〜5については、半値幅が相対的により小さくなり、均質性により優れていることが分かる。このような結果から、珪砂の平均粒径は、10μm以下で均質性の優れたガラスが得られることが分かる。
「実験3」
平均粒径1μmで最大粒径と最小粒径の差が4μmである珪砂を用いたこと以外は上記試験例3と同様にして、混合粉末を分取し、これを試験例8のガラス原料とした。
また、試験例3と同様の混合粉末を転動造粒法によって平均粒径200μm程度の造粒体とした。これを試験例9のガラス原料とした。
また、ガラス化後の質量が100gとなる量の試験例3と同様の混合粉末を分取し、分取した混合粉末と同質量の水を混合粉末に加えて攪拌して原料スラリーとした。次いで、原料スラリーを120℃、2時間乾燥して水を除去し、粉砕することによって、試験例10のガラス原料を調製した。
更に、試験例3と同様の混合粉末を分取し、分取した混合粉末と同質量の水を混合粉末に加えて攪拌して原料スラリーとした。次いで、原料スラリーを、スプレードラーヤー装置(大河原加工機株式会社製、OD−25G)を用いてスプレードライ造粒した。スプレードライ造粒の際の加熱温度は350℃とした。このようにして、平均粒径70μmの試験例11のガラス原料を調製した。
試験例8〜11のガラス原料について、上記実験2の場合と同様にして、ガラスサンプルを調整した後にガラスサンプルの断面上下方向に沿って点分析を実施し、SiO(質量%)、NaO(質量%)及びCaO(質量%)の分布の半値幅と、ガラス原料の種類との関係を調べた。結果を図3に示す。
図3に示すように、混合粉末に水を添加して原料スラリーの調製を経た試験例10及び試験例11のガラス原料は、原料スラリーの調製を経ない試験例8及び試験例9のガラス原料に比べて、SiOの半値幅が相対的に大幅に小さくなっており、ガラスの組成の均質性が高くなっていることが分かる。また、単に珪砂等を混合した混合粉末である試験例8と、混合粉末を転動造粒した試験例9とを比べると、SiOの半値幅の変化が相対的に小さく、均質性がほとんど改善されていないことが分かる。一方、試験例8と、原料スラリーの調製を経た試験例10及び11とを比べると、SiOの半値幅の変化が相対的に大きく、均質性が改善されていることがわかる。以上のように、ガラスの組成比の均質化を図るためには、単に、平均粒径が小さく粒度範囲が狭い珪砂を使用したり、当該珪砂を含む混合粉末を転動造粒するだけでは十分ではなく、混合粉末に水を添加して乾燥する処理が必要であることが分かる。
「実験4」
酸化物基準の質量百分率表示でSiO2:73.4%、CaO:10%、Na2O:16%、Fe23:0.1%、SO3:0.5%の組成を有するガラスにおけるSiO2及びNa2Oの成分比となるように、平均粒径1μmの珪砂と平均粒径300μmの炭酸ナトリウム粉末とを混合し、この混合物と同質量の水を混合物に加えて攪拌して原料スラリーとした。この原料スラリーを150℃で1時間乾燥させた。次いで、乾燥後の原料スラリーから1gを採取してこれを水に分散させた。そして、分散液中に溶解したケイ素の濃度を測定することにより、原料スラリーの調製に伴う珪砂の溶解率を測定した。即ち、原料スラリーを調製して150℃で乾燥する工程において、どの程度の割合の珪砂が炭酸ナトリウムの作用によってケイ酸塩になっているかを調べた。同様にして、平均粒径10μmの珪砂と、平均粒径100μmの珪砂についても調べた。結果を図4に示す。図4は、珪砂に対する水に溶解したSi量の割合(Si成分反応率)と珪砂の平均粒径との関係を示すグラフである。
図4に示すように、珪砂の平均粒径が小さくなるにつれて、Si成分反応率が高くなっていることが分かる。このSi成分反応率の変化の傾向は、実験2におけるガラス組成の均質性の傾向に共通している。従って、Si成分反応率の向上が、ガラス組成の均質性の向上に関連しているものと考えられる。
「実験5」
酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:73.4%、CaO:10%、Na2O:16%、Fe23:0.1%、SO3:0.5%の組成を有するガラスとなるように、平均粒径200μmの珪砂、平均粒径200μmの炭酸ナトリウム粉末、平均粒径10μmの炭酸カルシウム粉末およびその他の原料を調整して混合粉末とした。この混合粉末を、試験例12のガラス原料とした。
平均粒径1μmの珪砂を用いると共に、平均粒径2μmの炭酸カルシウム粉末を用いたこと以外は試験例12の場合と同様にして混合粉末を調製した。この混合粉末を、試験例13のガラス原料とした。
試験例13の混合粉末に、同質量の水を加えて攪拌して原料スラリーとした。次いで、原料スラリーをスプレードラーヤー装置(大河原加工機株式会社製、OD−25G)を用いてスプレー造粒した。スプレー造粒の際の加熱温度は350℃とした。このようにして、造粒体の平均粒径70μmの試験例14のガラス原料を調製した。
試験例13の混合粉末に、同質量の水を加えて攪拌して原料スラリーとした。次いで、原料スラリーを350℃で1時間乾燥して水を除去し、粉砕することによって、試験例15のガラス原料を調製した。
試験例12〜15のガラス原料について、TG/MASS(加熱減量−質量分析装置)によって、室温から1400℃までHe(ヘリウム)雰囲気中で加熱した場合の、炭酸ガスの発生量を測定した。結果を図7に示す。
図5に示すように、原料スラリーの調製を経た試験例14及び15のガラス原料は、原料スラリーの調製を経ていない試験例12及び13に比べて、150℃〜350℃付近における炭酸ガスの発生量が高くなっていることが分かる。また、試験例14及び15の場合は、試験例12及び13のような900℃前後における炭酸ガスのピーク的な発生挙動が観察されないことが分かる。このように、試験例14及び15については、原料スラリーの調製を経ることによって、炭酸ガスの発生挙動に変化が見られる。この炭酸ガスの発生挙動の変化が、溶融ガラスの溶融温度の低下に関連しているものと考えられる。
図1は、実験2におけるガラスの製造方法を示す概略図である。 図2は、試験例4〜7のガラス原料によって製造されたガラスの成分の均質性を示すグラフである。 図3は、試験例8〜11のガラス原料によって製造されたガラスの成分の均質性を示すグラフである。 図4は、珪砂の平均粒径と、Si成分反応率との関係を示すグラフである。 図5は、試験例12〜15のガラス原料を加熱した際に発生する炭酸ガスの発生挙動を示すグラフであって、TG/MASSの測定結果である。
符号の説明
12…ガラス原料、16…ガラス

Claims (7)

  1. ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形することによりガラスを製造する際に用いるガラス原料であり、
    平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末とが含有されてなり、かつ前記珪砂の表面に、珪酸ナトリウム塩が付着されていることを特徴とするガラス原料。
  2. 前記ガラス原料が造粒物であることを特徴とする請求項1に記載のガラス原料。
  3. 酸化物基準の質量百分率表示で下記組成(1)のガラスとなるガラス原料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス原料。
    SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.5%・・・(1)。
  4. ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形することによりガラスを製造する際に用いるガラス原料の製造方法であって、
    平均粒径が10μm以下の珪砂と、炭酸ナトリウムと、カルシウム塩粉末と、をも含有する混合粉末に水を添加して、少なくとも前記炭酸ナトリウムを溶解し、その後乾燥させて水を除去して製造されることを特徴とするガラス原料の製造方法。
  5. 水を除去する際に、スプレードライ造粒法によって造粒されることを特徴とする請求項4に記載のガラス原料の製造方法。
  6. 酸化物基準の質量百分率表示で下記組成(2)のガラスとなるガラス原料であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のガラス原料の製造方法。
    SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.5%・・・(2)。
  7. ガラス原料を溶融して溶融ガラスにし、次いで前記溶融ガラスを成形するガラスの製造方法において、
    前記ガラス原料として、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス原料、または、請求項4〜6の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたガラス原料を用いることを特徴とするガラスの製造方法。
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