JP2006069881A - ガラス用混合原料、その調製方法及びガラス物品の製造方法 - Google Patents

ガラス用混合原料、その調製方法及びガラス物品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006069881A
JP2006069881A JP2005142124A JP2005142124A JP2006069881A JP 2006069881 A JP2006069881 A JP 2006069881A JP 2005142124 A JP2005142124 A JP 2005142124A JP 2005142124 A JP2005142124 A JP 2005142124A JP 2006069881 A JP2006069881 A JP 2006069881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
raw material
mixed raw
mixed
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005142124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4862279B2 (ja
Inventor
Tsutomu Kato
勉 加藤
Yukinobu Imamura
行延 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2005142124A priority Critical patent/JP4862279B2/ja
Publication of JP2006069881A publication Critical patent/JP2006069881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862279B2 publication Critical patent/JP4862279B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B1/00Preparing the batches
    • C03B1/02Compacting the glass batches, e.g. pelletising

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】低温の熔融環境下でも均質なガラス物品を得ることができるガラス用混合原料、及びその調整方法、さらにその混合原料を使用することでガラス製造装置の耐用年数を延長することの可能となるガラス物品の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のガラス用混合原料は、ガラス熔融炉に投入されるガラス熔融用の混合原料であって、混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっている。本発明のガラス用混合原料の調整方法は、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、混合物無機原料を粉砕する工程を有することを特徴とする。本発明のガラス物品の製造方法は、前記のガラス用混合原料を加熱して熔融ガラスにする工程と、該熔融ガラスを成形する工程とを有するものである。

Description

本発明は、均質な無機ガラス物品を製造するためのガラス熔融用の混合原料とその混合原料を使用するガラスの製造方法に関する。
ガラス物品は、その光学的な性質や化学的な耐久性等を活用するため、種々の用途で利用されており、一般的な窓板ガラスや容器用途で利用されるガラスに加え、現代の各種産業を支える基盤となる生産物である。特に電子産業、高度情報産業においては、特殊機能を付与されたガラス製品が多くの分野で利用されている。光ファイバとその関連する光部品、液晶表示装置やプラズマディスプレイのようなフラットパネル用途のディスプレイ、デジタルカメラ等の画像入力装置等の用途では、複数の部材に高機能を実現するガラス物品が採用されている。このようなガラス物品の製造方法は、高温下で熔融することによって無機ガラスとなる各種の無機ガラス原料を所定の比率に混合してガラス熔融用の混合原料(これをバッチ原料、熔融用バッチ、混合バッチ等と表現することもある。)とし、耐火物や白金等の高融点金属材料を採用したガラス熔融炉、ガラス熔融ポット(あるいはガラス熔融坩堝、ガラス熔融容器)に投入し、所定時間加熱することによって原料中の気化成分を反応除去して熔融ガラスとし、さらに各種の均質化手段を利用して熔融ガラスの均質度を向上させ、ガラス物品の用途に応じた各種成形法を使用することで所望の形状を有するものに成形することでガラス物品とするのが一般的なものである。
このような製造工程で得られるガラス物品の均質性を決定する要因は多数存在するが、その中でも重要なものの1つは、どのようなガラス原料をガラス熔融炉内に投入するのかということがある。各種の無機ガラス原料の中から最適な組成、性状を有する原料を選定し、原料相互の高温状態におけるガラス化反応が迅速に進行するような最適な混合方法を実現し、得られたガラス原料のバッチ混合物を炉内に投入するという一連の工程は、ガラス物品を製造する全工程の中でも最初期の基礎的な工程ではあるが、ガラス物品の性能や均質性を決める最も重要な工程の1つであることには、議論の余地はない。
このため、以前からこの初期工程について、各種の改善、発明が行われてきた。特許文献1は、ソーダ石灰ガラスで一般的に利用されるガラス原料用ソーダ灰の製造方法について改良が行われたもので、トロナ鉱石を粉砕後に酸素含有雰囲気下にて500〜800℃で焙焼することで容易にソーダ灰を調整することができるというものである。また特許文献2には、ガラス原料用カレット中に混入する金属片等を除去する方法についての発明が行われている。さらに、特許文献3では、ブラウン管用ガラス原料、液晶用ガラス原料等の珪砂と炭酸ストロンチウムあるいはドロマイトを含有するガラス用混合原料において、炭酸ストロンチウムあるいはドロマイトの平均粒径が珪砂の8倍以内とすることによって難熔解性原料であっても低温での熔解が実現できるという発明が行われている。一方、特許文献4では、熔融炉から発生する高温の排ガスをガラス原料の予熱に利用する方法とその装置に関する技術が開示されている。また特許文献5は、発生する排ガス中の二酸化炭素を回収して再利用する点に注目したものである。さらに特許文献6には、ガラス熔融プロセスからの廃熱を利用して原料を予熱する方法に静電気を使用してその能力を高める方法と装置に関する発明が行われている。
特開平10−139423号公報 特開平11−157846号公報 特開2003−40641号公報 特開平10−101341号公報 特開平09−118529号公報 特開平2001−220148号公報
しかしながら、これまで行われてきたガラス原料についての改善だけではその用途により充分なものではない。情報伝達用途等の電子機器に搭載利用される各種ガラス物品に求められる均質度は、常に高い水準の品位が求められてきたし、今後の技術の発達は、いっそう高い品位を必要とする可能性が高いからである。また、画像表示技術の進歩や大型画像表示装置への要望もあり、ガラス物品は大型かつ高い均質性を有するものが一層必要となっている。このため、ガラス製造工程は、製造を巡るあらゆる技術に関しての見直しを迫られており、次世代のガラス製造工程を構築する各種の技術革新を早急に確立する必要性が高くなっている。
そして、どのようなガラス原料をガラス熔融炉内に投入するのかという基本的な問題についても例外ではなく、ガラス物品に求められる高い性能を実現するために採用される難熔性の原料構成であっても、少しでも低温で均質な状態に熔融することができないかという問題の解決が求められている。また、ガラス原料を低温で均質に熔融することは、ガラス製造装置の耐用年数を延長することによって、コストパフォーマンスの高いガラス物品の製造を実現するという観点からも大切なものとなっている。
本発明者らは、係る状況に鑑み、均質なガラス物品を低温の熔融環境で製造することができるガラス用混合原料及びその調整方法、さらにそのガラス用混合原料を使用することでガラス製造装置の耐用年数を延長することが可能となるガラス物品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明のガラス用混合原料は、ガラス熔融炉に投入されるガラス熔融用の混合原料であって、混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっていることを特徴とする。
ここで、ガラス熔融炉に投入されるガラス熔融用の混合原料であってとは、原料を加熱して熔融ガラスとする機能を有するガラス熔融炉内に投入する無機ガラスの熔融用原料であって、2以上の種類の原料について、混合装置等を利用することで混合された状態にある原料を意味するものである。
また、混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっていることとは、2種類以上の原料が混合された後に粉砕され、組成の異なる原料に起因する粒子が粉砕されて分散された状態となり、その状態での粉粒体についての粒径加積曲線における有効粒径であるD90に相当する粒度が50μm以下であることを意味している。
粒径加積曲線における有効粒径であるD90に相当する粒度が50μm以下であることによって、ガラス原料相互の高温における反応が促進され、ガラス化反応が高速に進行し、熔融ガラスの均質化に要する時間が短縮されることになるため好ましい。そしてこのような観点から、より好ましくは粒径加積曲線における有効粒径であるD90に相当する粒度が30μm以下であることであって、さらに好ましくは25μm以下、一層好ましくは20μm以下であることである。
本発明のガラス熔融用の混合原料とは、単独で複数のカチオンを有する原料一種類を意味するものではない。すなわち混合操作によって物理的に複数の異なる組成を有する粒子がランダムに存在する状態となっているものである。このことを具体的に例示すると、ムライト、カオリナイト、モンモリロナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、ブラペイサイト、コレマナイトなどのような、複数のカチオンを含有する鉱物原料、また窒化珪素、サイアロン、結晶化ガラス等のような人工的に焼結操作や造粒操作等によって生成された人工鉱物を一品種のみ選択して複数のカチオンが存在するので混合された原料であるとするものではない。そのような考え方は、本件には該当しないものである。本件のガラス熔融用の混合原料とは、これらの複数のカチオンを含む原料も一品種の原料と見なし、さらに他の原料種と粉末状態で混合された状態になって、初めて本発明に該当するものとなるということである。
ただし、前記したように2種類の原料のみを混合した後に粉砕するという工程によって製造を行うのは、製造工程が長くなるため決して理にかなうものではない。よって、好ましくは2種より3種、3種より4種、4種より5種の原料を粉砕前に予め混合するということであり、最も好ましいのは、ガラス熔融炉に投入する全ての原料種を予め粉砕の前に混合するということである。
しかし特定の複数構成原料種のみを混合した後に予め粉砕し、他の構成原料は粉砕しないような場合であっても、この特定の複数原料種の粉砕が、効果的なものであるならば、必ずしも全ての原料種の粉砕が必要とはならない。よって全ての原料種を予め粉砕するかどうかは、その費用等の粉砕に関する諸条件の検討の上で行うことが望ましい。
そして反応を促進するという観点からは、少なくともSiやBあるいはP等ガラスのネットワークフォーマー(Network−former、NWFとも呼ぶもので、その酸化物は加熱して熔融すると単独で酸化物ガラスとなるもの)を形成することになる元素を含む原料一種と他の原料一種を粉砕前に混合するということが好ましい。
さらに本発明では、その原料中に、ネットワークフォーマーを酸化物換算、すなわちSiO2、B23あるいはP25として、少なくとも1種類以上を含み、その合計が原料の総質量を基準として40質量%以上であることが好ましい。そして一層好ましくは、ネットワークフォーマーの酸化物は50質量%以上とすることである。
また本発明では、その原料中のネットワークモディファイヤー(Network−modifier、NWMとも呼ぶ)、すなわちナトリウムやカリウム等のアルカリ金属元素を酸化物換算で少なくとも1種以上含み、その合計が原料の総質量を基準として20質量%以下となっていることが好ましい。
また、混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあるというのは、互いに組成を異にする粒子同士が隣接、当接する状態で存在することを表すものである。さらに、粉砕によって機械的に粉末状態となったそれぞれの粒子が、水や結合剤、粉砕助剤あるいは粉砕促進剤といった他の媒体等の働きによって、フロック状、凝集状、塊状あるいはケーキ状に固結した状態となっているものは、本発明の混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態に相当する好ましい状態にあるものである。さらに水や結合剤、粉砕助剤、粉砕促進剤といった他の媒体等の働きによって、フロック状、凝集状、塊状あるいはケーキ状に固結した状態となった後に適切な加熱手段を採用することによって固結した状態で乾燥処理、加熱処理等を行い、互いに組成を異にする粒子が隣接する状態で焼結されて固化した状態となっているものであってもよい。
このように、無機原料が固結あるいはさらに焼結した状態となっていることによって、それぞれの粉末は充分に微細な粒度になった状態であり、しかも原料の取り扱いが容易な状態にあることは、本発明をガラス熔融炉に投入するまでの秤量、保管、搬送、そしてガラス熔融炉内への投入操作等のバッチプラントにおける一連の工程において粉塵の発生や飛散防止に役立つために好都合であるばかりでなく、一連の工程において原料に加えられる操作によって異なる粒度、異なる重量の原料間等で発生する原料の偏析現象(セグリゲーションともいう)を防止することが可能となる。またガラス熔融炉に投入された後に加熱によって熔融反応が始まるまでに炉内雰囲気によって原料の飛散(キャリーオーバーともいう)などの問題を起こす危険が少なくなるため好適である。またこのような原料の性能の向上については、原料を評価する手段として、例えばダストメーター、粒子硬度計、パウダーメーターによる安息角、嵩密度等の評価手段によって計測した結果を反映させることが可能である。
以上のような観点から、本発明のガラス用混合原料は、用途に応じて微粉砕された状態のまま使用することもでき、また必要に応じて上記したような固結した状態でも取り扱うことができる。
このような原料の固結状態や焼結状態を実現するための方法としては、どのようなものであってもよいが、固結状態や焼結状態についての諸条件を適宜コントロールすることができるのなら好ましい。このような方法として、固結状態とするためには例えば適切な材料により構成された押型を使用したプレス成形法、ロール成型法、有機溶媒等を使用する鋳込み成型法等を採用することができ、さらに乾燥固化としてはスプレードライ等による顆粒化法、所定容量ごとに乾燥装置にて行う乾燥固化法等を採用することができる。また焼結状態とするためには、例えば前記した固結状態とする方法との併用によって焼成炉やベルト炉等の適切な設備を使用し、加熱時に焼結時間、焼結温度、焼結雰囲気を適宜調整することで最適な焼結状態とすることが可能である。
混合装置、混合方法、粉砕装置及び粉砕方法については、所望の機能を実現することができるものであるならばどのようなものであってもよい。また粉砕装置については、粉砕中の装置から原料への装置起因の不純物がある程度は混入することになるが、この点についても考慮して選定されることが好ましい。
また、混合操作、粉砕操作は乾式、湿式のいずれの方法を採用してもよい。すなわち、乾式で操作を行う際の雰囲気としては、空気、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンキセノン、フッ素、塩素、臭素、ノックス(NOx)、ソックス(SOx)、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、塩素、水蒸気あるいはこれらのガスの混合雰囲気を採用してもよい。さらに、これらの気体の圧力は任意に変化させることが可能であり、大気圧下で行うものであっても、減圧状態下、高圧状態下で行うものであってもよい。また湿式で操作を行う際には、その溶媒として水、過酸化水素水、界面活性剤を添加した水溶液、食塩等の様に原料の一部あるいは全てをイオンに解離させた状態の反応性成分を有する水溶液、酸溶液、アルカリ性溶液、イオン活性水、プラズマ照射水、炭酸ガス飽和水等の各種ガス飽和水、非極性有機溶媒、極性有機溶媒などの液体を適量使用することが可能である。
粒度分布の計測については、どのような原理であってもよいが、それぞれの粒子を分散した状態で測定することができる方法であって、測定結果の再現性が5%以内に収まる方法であり、ハンドリングによる個人差が出にくいものであれば好適である。例えば、縮分操作した試料によるレーザー回折計測装置による計測を採用するのが好ましい。また焼結した原料の計測の場合には、電子顕微鏡や各種微細構造の観測装置と得られた画像の解析装置等を併用することによって、粒度分布を計測することで代用することも可能である。
本発明のガラス用混合原料は、上述に加え加熱により発生する二酸化炭素ガスの300℃から500℃までの間のガス放出量が、粉砕前の複数の無機原料混合物の同条件下のガス放出量に対して3倍以上であることが好適である。
ここで、加熱により発生する二酸化炭素ガスの300℃から500℃までの間のガス放出量が、粉砕前の複数の無機原料混合物の同条件下のガス放出量に対して3倍以上であることとは、前記したガラス熔融用の混合された粉砕済み原料を常圧状態で加熱することによって、混合済みで粉砕された原料中に存在する炭酸塩等の炭素含有成分の熱分解が発生し、その結果6℃/分の昇温速度で300℃から500℃になる間に発生する二酸化炭素ガスの放出量が、粉砕する前の混合だけが行われた状態の原料混合物に対して同条件で加熱昇温した場合の二酸化炭素ガスの放出量と比較して3倍以上の大きい値となることを意味している。
粉砕する前と比較して、ガラス化反応の初期段階に相当する二酸化炭素の300℃から500℃までの総発生量を比較すると3倍以上の大きい値となることによって、より多量の炭素に起因するガスが生じることになり、ガラス化に伴って発生せねばならないガスがいつまでも残留せずに離脱するため、熔融ガラスが生成した後に熔融ガラス中に多数の二酸化炭素による気泡が残ることがなく、それだけ熔融ガラスは速やかな均質化が促進させることとなるので好ましい。この二酸化炭素の300℃から500℃までの総発生量が3倍未満であると、特に大容量の混合済みの粉砕された原料を一度に加熱する必要のあるガラス熔融装置では、大きな効果が期待できなくなる。よって、この総発生量は、より好ましくは3.5倍以上となることであって、さらに好ましくは4倍以上となることであり、一層好ましくは4.5倍以上となることであり、最も好ましくは5倍以上となることである。
ここで、加熱により発生する二酸化炭素ガスのガス放出量を測定する方法としては、例えば四重極型質量分析装置等を使用することによって、加熱により発生するガス量を時間経過とともに連続的に計測して算出を行うことができる。
また、「粉砕前の複数の無機原料混合物」とは、粉砕装置などを使用して粉砕される前の状態であって、それぞれの原料種を秤量して混合し、容器内に入れて保持した状態にある原料を意味するもので、混合操作が行われただけで粉砕が行われていない原料である。
また、本発明のガラス用混合原料は、上述に加え加熱により発生する二酸化炭素ガスのガス放出速度が、400℃、1atmの条件下で0.005〜0.5μl/g・sec(0℃、1atm)の範囲であることが好適である。
ここで、加熱により発生する二酸化炭素ガスのガス放出速度が400℃、1atmの条件下で0.005〜0.5μl/g・sec(0℃、1atm)の範囲であるとは、前記したようなガラス熔融用の混合済みの粉砕された原料を常圧状態にて6℃/分の昇温速度で加熱することによって、混合済みの粉砕された原料中に存在する炭酸塩等の炭素含有成分の熱分解が発生し、その結果発生する二酸化炭素ガスの放出の速度が昇温時に400℃の条件下で0.005μl/g・sec(0℃、1atm)から0.5μl/g・sec(0℃、1atm)の範囲内になることを意味している。
そして、二酸化炭素ガスの放出速度が昇温時に400℃、1atmで0.005μl/g・sec(0℃、1atm)以上となることによって、各々の原料の粒子同士の融着が生じて進行し、発生するガスが粒子間に閉じこめられるようになる前に多くのガスが粒子間から放出されることとなり、効率よく反応が進むことになるので、400℃よりもさらに高温の状態において、熔融ガラスを均質化するために熔融ガラス中から泡として放出させねばならなくなるガスの容積が少なくなる。このため二酸化炭素ガスの放出速度は、400℃、1atmの条件下で0.005μl/g・sec(0℃、1atm)以上であるのが好ましく、より好ましくは0.01μl/g・sec(0℃、1atm)以上であって、さらに好ましくは0.02μl/g・sec(0℃、1atm)以上、一層好ましくは0.04μl/g・sec(0℃、1atm)以上、最も好ましくは0.08μl/g・sec(0℃、1atm)以上とすることである。
一方、二酸化炭素ガスの放出速度が昇温時に400℃、1atmで0.5μl/g・sec(0℃、1atm)より大きい値であると、初期加熱時のガラス原料からの微粉末原料の飛散が発生し易くなる。このような原料の飛散は、熔融ガラスの組成を目標組成から逸脱させる危険性を高め、さらに未熔解の原料が熔融ガラス中に混入することで、熔解が不充分となり、不均質なガラス物品として成形されて不良品を大量に発生させる虞もある。このため、二酸化炭素ガスの放出速度は、400℃、1atm条件下で0.5μl/g・sec(0℃、1atm)以下であることが好ましく、より好ましくは0.4μl/g・sec(0℃、1atm)以下、さらに好ましくは0.35μl/g・sec(0℃、1atm)以下、一層好ましくは0.30μl/g・sec(0℃、1atm)以下とすることである。
また、本発明のガラス用混合原料は、上述に加え加熱により発生する二酸化炭素ガスの400℃、1atm条件下のガス発生速度が、300℃、1atm条件下の値に対し8倍以上であるのが好適である。
ここで、加熱昇温時に発生する二酸化炭素ガスの400℃、1atm条件下のガス発生速度が、300℃、1atm条件下の値に対し8倍以上であるとは、前記したようなガラス熔融用の混合が済んだ後に粉砕された原料を常圧状態で加熱することによって、混合済みの粉砕された原料中に存在する炭酸塩等の炭素含有成分の熱分解が発生し、その結果発生する二酸化炭素ガスの発生の速度が1atmで300℃に対して400℃では8倍以上の大きい値となることを意味している。
二酸化炭素ガスの発生の速度が300℃に対して400℃で8倍以上の大きい値となることによって、900℃〜1000℃のような高温となってからも引き続き大量にガスの放出現象が続くようなことがなく、低温状態で充分に大量のガスを放出することができるようになるので好ましい。よって、二酸化炭素ガスの放出の速度が1atmで300℃に対して400℃では9倍以上の値となるのが好ましく、さらに好ましくは10倍以上の値となることであって、一層好ましくは12倍以上の値となることである。
また、本発明のガラス用混合原料は、上述に加えガラス得率が98質量%から60質量%であり、少なくともSi、Al及びBの内の1以上の元素の酸化物を含むことが好適である。
ここで、ガラス得率が98質量%から60質量%であり、少なくともSi、Al及びBの内の1以上の元素の酸化物を含むとは、前記したようなガラス熔融用の混合済みの粉砕された原料が、ガラス熔融用の混合済みの粉砕された原料の質量を100としたときに熔融によって得られたガラス物品の質量値を表すガラス得率の値が98質量%から60質量%の範囲内にあって、珪素、アルミニウム、ホウ素のいずれか1元素を有するものであり、複数の原料の内にこれらの酸化物を主成分とする原料が1以上含まれることである。
ガラス得率については、98質量%から60質量%の範囲とすることで、ガラス化に要する熱エネルギーの付与を少なく抑えることができ、しかも加熱により発生するガスの総容積を少ない条件とすることができるものである。ここで98質量%を越えるガラス得率で熔融を行う場合については、発生する気体の量が少ないため、本発明を適用せずともそれなりに早い熔解を実現することが可能となるため、積極的に本発明を適用する必要はない。また、60質量%より低いガラス得率については、余りにガス発生量が多いため、本発明はそれなりに寄与することはできるが、本発明だけでは不充分な場合もある。
また、少なくともSi、Al及びBの内の1以上の元素の酸化物を含むとは、本発明のガラス熔融用の混合が済んだ後に粉砕された原料が、酸化物ガラス物品中でガラスの網目構造を形成する主要な成分元素の内のSiとBのいずれかを含有し、そして直接的には網目構造の形成には加わらないが、ガラス構造中で熱力学的、化学的な安定性をガラス物性にもたらすことのできるAlも選択することによって、優れた機能を実現するガラス物品を構成可能な原料種とすることができる。
さらに、上記のいずれかの酸化物を含む構成とすることによって、加熱した際に気体が発生することなくガラス化する原料種を混合原料に加えることが可能であって、発生する気体の容積を小さくすることができるものである。
また、本発明のガラス用混合原料は、上記の元素に加えてP、Zn、Ca、Mg、K、Na、Li、Sb、Cl、S、Ga、Cs、Tl、Ti、Fe、Pb、Pt、Ba、As、V、Bi、F、Mn、La、Rh、Zr、Sn、N、Sr、Cu、Y、Ag、Ce、Mo又はCoといった元素を含有することができるものである。
また本発明のガラス用混合原料は、上述に加え嵩密度が1.4g/mlから0.3g/mlの範囲であることが好適である。これは、前記したようなガラス熔融用の混合済みの粉砕された原料について、単位体積当たりの質量数として表される嵩密度の値で1.4g/mlから0.3g/mlの範囲内にあるということである。
ここで、嵩密度が1.4g/mlから0.3g/mlの範囲とすることによって、嵩張らず、しかも加熱時に発生するガスを迅速に系外に放出するこのできる好適な原料構成が実現できるものとなる。嵩張りすぎる混合原料は、炉内の気流等により飛散し易い等の欠点に加え、原料粒子間に存在する気相が熔融時のガラスの均質化を遅らせる原因ともなるので好ましくない。
また、本発明のガラス用混合原料は、上述に加え粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であることが好適である。
ここで、粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であるとは、1種類の無機原料についてということではなく、複数種の原料を均質に混合した状態で計測することによって得られるD50を意味するものである。
また、粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であるとは、JIS R1629(1997)に定義されるレーザー粒子径計測装置による粒子径の計測によるものである。
また、本発明のガラス熔融用混合原料は、上述に加え少なくとも50質量%以上のSiO2を含有することが可能である。
ここで、少なくとも50質量%以上のSiO2を含有するとは、本発明のガラス熔融原料は、その構成成分として質量百分率表示で50質量%以上のシリカを含むものとすることができることを意味している。
また、本発明のガラス用混合原料は、上述に加え硼珪酸ガラス用、無アルカリガラス用又はアルミノシリケートガラス用の原料であることが好適である。
ここで、硼珪酸ガラスとは、硼素と珪酸を主成分とするガラスであり、無アルカリガラスは実質的にアルカリ成分を含有しないガラスである。また、アルミノシリケートガラスは、アルミナとシリカを主成分とするガラスを意味するものである。そして、これらのガラスを熔融によって構成し得る原料は、ガラス物品を得るために1500℃以上に加熱されねばならないという共通点がある。このように高温に加熱せねば均質化されない熔融ガラスでは、本発明の原料構成を適用することが、特に好適なものである。
本発明のガラス用混合原料は、上述に加えガラスカレットを含有することが好ましい。
ここで、ガラスカレットを含有するとは、ガラス熔融用の混合原料が、一度原料を熔融して冷却してガラスとした後に、そのガラスを粉砕することによって得られたガラスカレットを含有するということを意味するものである。
ここでガラスカレットを含有させる方法としては、種々の方法を適用することが可能であって、粉砕前の他の原料と一緒にガラスカレットを加えて粉砕するものであっても、粉砕済みの混合原料にガラスカレットを添加するものであっても、粉砕前後にガラスカレットを加えるものであってもよい。また、ガラスカレットは、複数種のガラス組成を有するものを添加するものであってもよい。そして、ガラスカレットについては、粒度を適宜変更することが可能であり、その添加量も必要に応じて変更することができる。
本発明のガラス用混合原料の調製方法は、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を粉砕する工程を有することを特徴とする。
ここで、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を混合状態で粉砕する工程を有するとは、2以上の原料種を予め算出した原料秤量計算に基づいて、少なくとも小数点以下1桁グラム(0.1g)以上の精度で秤量操作を行い、次いで秤量した後の各原料を1つの容器内に投入して混合装置を使用して混合操作を行い、さらに混合された後の混合済み原料を粉砕することによって前記したような性能を有する微粉砕状態の混合済み原料とすることを意味している。
本発明のガラス用無機原料の調整方法に係る複数の無機原料を秤量する工程については、2以上の原料種を上記したような精度で計測する機能を有する秤量計を使用し、ガラス熔融炉に投入する量に見合う容量の計測が迅速に行える方法であるなら、どのような秤量工程であってもよい。
また、本発明の調整方法に係る秤量後の原料を混合する工程については、2以上の無機原料種を1回の混合操作で均質な状態に混合することのできる混合装置を使用することによって混合することができる工程であるならば、どのような混合工程であってもよい。
本発明のガラス用混合原料の調整方法に係る無機原料混合物を混合状態で粉砕する工程としては、所望の混合効果を実現することが可能であるならばどのような粉砕装置を使用することも可能である。
特に好適なものとして、湿式粉砕を行うことができるものであればよい。例えば、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機の何れかを使用して粉砕することが可能である。
ここで、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機の何れかを使用して粉砕するとは、前述の諸環境にある粉砕装置として、少なくともボールミル、媒体撹拌ミルそして気流式粉砕機の何れか一以上を利用するものである。
ここでのボールミルとは、前述した広義のボールミルを意味している。すなわち、ボールと呼ばれるメディアとしてセラミックスや天然鉱石等を使用し、そのメディアを被粉砕物の表面へ繰り返し衝突させることで、被粉砕物を徐々に破砕、粉砕していく加工装置である。このボールミルとしては、最も一般的な円筒形や円錐形の容器内で粉砕をおこなう転動型のボールミル(狭義のボールミル)、ボールに微振動を付与することで微粉砕を行う振動ミル、ボールに加速を与えて粉砕効率を向上させた媒体遊星ミル等を含むものである。この装置に本発明を適用する場合には、容器内に水、過酸化水素水等の水溶液を添加しながら粉砕を行うことができる。またこの装置を作動する環境内の酸素濃度、窒素濃度、二酸化炭素濃度等を調整することによって、本発明の製造方法を実現することもできる。
また、媒体撹拌ミルとは、ボールミル同様にメディアを被粉砕物に衝突させるが、メディアを収納する容器内にディスクや翼状の回転体を設けてメディアに複雑な運動をさせるものであって、効率的な粉砕が可能となる粉砕装置である。媒体撹拌ミルとしては、一般にアニラーミル型、タワーミル型、サンドグラインダミル型、アトライタミル型等が使用可能である。そしてこれらの装置を利用する場合にも、上記のボールミルの場合と同様の対処をすることによって、本発明に適用可能となるものである。
さらに、気流式粉砕機とは、高速ジェット気流等によって被粉砕物を強制的に衝突させて粉砕を行う方式を採用した粉砕装置であって、粒度の揃った粉末を調整するに好適である。そして特に、本装置を利用する際には、利用するジェット気流そのものを高湿度環境に保持されるように調整した雰囲気とすることによって、所望の粉砕環境を実現することも可能である。
また、前述の粉砕装置は、単独で使用してもよいし、他の粉砕装置などと接続することによって連続したプラント設備として利用することも可能であって、利用者の要望や、粉砕する封着材料の種類、量、用途などに応じて適宜選択することが可能である。
また、本発明のガラス用混合原料の調製方法は、上述に加え画像入出力装置に搭載されるガラス用の混合原料を調製するものであることが好適である。
ここで、画像入出力装置に搭載されるガラス用の混合原料を調整するものとは、本件に係る混合済みの微粉砕された原料に調整されたものを使用することで、製造されたガラス物品の用途が、静止画、動画といった各種の画像の入出力を司る電子装置に組み込まれ、直接画像データを電送するインターフェースとしての役割を担う部位に使用される部材としての用途として使用されるものであって、高い均質性や寸法精度を要求されることの多いものであることを意味している。
画像入力装置あるいは画像出力装置について、具体的に例示すると、テレビ(TV)、フラットパネルディスプレイ(FPD)等の静止画・動画表示装置、プロジェクター等の投射管、ラインセンサーやエリアセンサーを搭載した各種スキャナー、デジタルカメラ等に代表される各種のカメラ、カメラ付き携帯電話、PHS等の画像表示携帯端末、LD、ネオン管等を配設した大面積電飾画像の表示装置、各種の光ファイバ伝送装置等であって、このような電子機器、電子装置が該当するものである。
また、本発明のガラス用混合原料の調製方法は、上述に加え画像入出力装置が、フラットパネルディスプレイであることが好適である。
ここで、画像入出力装置が、フラットパネルディスプレイであるとは、本件に係る画像入出力装置が、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイ)、VFD(Vacuum Fluoresscent Display:蛍光表示管ディスプレイ)、FED(Field Emission Display:電界放射ディスプレイ)、ELD(Elctro Luminescent Display:エレクトロルミネセントディスプレイ)、LED Display(Light Emitting Display:発光ダイオードディスプレイ)、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、ECD(Elctro Chromic Display:エレクトロクロミックディスプレイ)、EPD(Electrophoretic Display:電気泳動ディスプレイ)等を含むものという意味である。
また、本発明のガラス用混合原料の調製方法は、上述に加え混合物無機原料を粉砕する工程で、メカノケミカル効果を伴う粉砕が行われていることが好適である。
ここで、混合物無機原料を粉砕する工程で、メカノケミカル効果を伴う粉砕が行われているとは、2種類以上の原料を混合状態で粉砕するための機械的なエネルギーを付与することで、機械エネルギーによって原料を構成する粒子間の原子レベルの結合を切断して、それぞれの粒子構造を変化させ、反応性に富んだ活性状態とすることによって強制的に固相反応を促進させるような効果を実現するような粉砕条件下での粉砕が行われていることである。
本発明のガラス物品の製造方法は、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を粉砕する工程で調整された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっているガラス用混合原料を加熱して熔融ガラスにする工程と、該熔融ガラスを成形する工程とを有することを特徴とする。
ここで、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を粉砕する工程で調整された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっているガラス用混合原料を加熱して熔融ガラスにする工程と、該熔融ガラスを成形する工程とを有することとは、前述したような混合済みの微粉砕された原料を種々の熱源によって加熱することで共融反応を生じさせ、気化成分を系外に放出させて熔融ガラスとし、このよう熔融ガラスを均質にした後に、ガラス物品の用途に応じた成形方法を採用して成形を行うことを意味している。
本発明に係る混合された後に粉砕された原料を加熱して熔融ガラスにする工程については、ガラスを製造するに要する構造的な強度を高温状態で維持することができ、熔融ガラスとの化学的な反応性が低い材料によって構成された設備、装置を使用し連続的、あるいは断続的に混合済み微粉砕原料を加熱することのできるものであり、熔融したガラスを均質化する付帯設備を配設したものであるならばどのような熔融設備であってもよい。
また上記の加熱のための熱源としては、気体燃料であっても液体燃料であっても、あるいは微粉化した固体燃料であっても差し支えない。さらに均質化のための付帯設備としては、熔融ガラス中の異質ガラス部を均質化する働きをするスターラーのような撹拌装置であってもよいし、各種の気体を発生させ、熔融ガラス中の気泡を脱泡する働きを有するバブリング装置であってもよい。
また、熔融設備について具体的に例示するなら、耐火性のセラミック材料によって構築されたガラス熔融炉を使用することで、混合済み微粉砕原料を加熱するものであってもよく、また白金族元素によって構成されたポット、あるいは坩堝、容器を使用して混合済み微粉砕原料を加熱するものであってもよい。
本発明に係る熔融ガラスを成形する工程については、ガラス物品の用途に適用する形状に成形することのできる成形装置をもって連続成形あるいは間欠成形することのできるものであるならどのようなものであっても支障はない。
また本発明のガラス物品の製造方法は、電子部品用の各種ガラス製品、例えば液晶バックライト用ガラス管、ダイオード用ガラス管、リードスイッチ用ガラス管、キセノンランプ用ガラス管、真空排気用ガラスステム管、蛍光灯用等照明用ガラス管、光ファイバー接続用フェルール用管ガラスにも適用することができる。またさらに、結晶化ガラスや粉末ガラス等の母材用ガラス、放射線遮蔽用ガラスブロック、建材用ガラスブロック等の用途に供されるガラスの製造方法、あるいはFRPやFRC等の各種の用途に供されるガラス繊維の製造にも適用することができる。
(1)以上のように、本発明のガラス用混合原料は、ガラス熔融炉に投入されるガラス熔融用の混合原料であって、混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が、分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっているため、未熔解物の発生を低減し、しかも高速の反応によって熔融ガラスの均質化が早くなり、従前と比較して100℃以上の低温熔融が可能となるという優れた機能を実現するものである。
(2)また、本発明のガラス用混合原料は、加熱により発生する二酸化炭素ガスの300℃から500℃までの間のガス放出量が、粉砕前の複数の無機原料混合物の同条件下のガス放出量に対して3倍以上であるあるならば、加熱温度を低温に設定しても熔融ガラスの製造を行うことができる場合もあり、製造に関連する諸設備の耐用期間を延長することができ、ガラスの熔融に必要となる経費を削減することができるものである。
(3)また、本発明のガラス用混合原料は、加熱により発生する二酸化炭素ガスのガス放出速度が、400℃、1atmの条件下で0.005〜0.5μl/g・sec(0℃、1atm)の範囲であるならば、ガラス熔融環境下におけるガラス化反応を促進することが可能であり、従前よりも高速のレートでの製造を実現することが可能となる場合もある。
(4)さらに、本発明のガラス用混合原料は、加熱により発生する二酸化炭素ガスの400℃、1atm条件下のガス発生速度が、300℃、1atm条件下の値に対し8倍以上であるならば、加熱初期段階における原料の飛散を抑制することができ、しかも初期段階以降に於ける反応が高速に進行することで原料が未反応状態のまま成形域にまで流出するような不具合が発生しにくい混合原料となっており、熔融工程に関連する諸設備をコンパクトなものとすることが可能となる。
(5)また、本発明のガラス用混合原料は、ガラス得率が98質量%から60質量%であり、少なくともSi、Al及びBの内の1以上の元素の酸化物を含むものであるならば、安価な複数の原料構成の中から最適な組み合わせを選択することによって製造原価を低減することが可能となるものである。
(6)また、本発明のガラス用混合原料は、粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であるならば、各種の原料投入装置を必要に応じて採用することができ、原料投入装置等のガラス熔融装置の付帯設備について、その長期的な利用において、原料投入装置が早期で損耗することのない安定した運用を可能とする品位である。
(7)また、ガラス用混合原料は、少なくとも50質量%以上のSiO2を含有するものであるならば、安定した品位を有し以前から利用されてきたガラス材質を構成する組成について、これまでよりも容易に均質化を実現し、高い機能を有するガラス物品を大量に市場に供給することのできる製造条件を確立する助けとなるものである。
(8)また、本発明のガラス用混合原料は、硼珪酸ガラス用、無アルカリガラス用又はアルミノシリケートガラス用の原料であるならば、加熱による初期熔解性という点で難熔性を示すものや高温熔融を必要とするために揮発等に伴う均質化への阻害要因を認める様な場合についても、易熔解性を実現することによる改善効果をもたらすものである。
(9)また、本発明のガラス用混合原料は、ガラスカレットを含有するものであるならば、実使用に応じた条件下でのカレットの利用が可能なものであって、損傷あるいは破損したガラス物品等の再利用を妨げるものではなく、むしろ利用可能な資源の有効活用を促進するものである。
(10)本発明のガラス用混合原料の調製方法は、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた混合物無機原料を粉砕する工程を有するものであるため、従来から行われてきたガラス製造システムに大きな変更を行うことなく本発明を組み込むことが可能であって、従来工程の良い部分をうまく生かしながら最善の工程を構築することを可能とするものである。
(11)また、本発明のガラス用混合原料の調製方法は、画像入出力装置に搭載されるガラス用の混合原料を調製するものであるならば、画像入出力装置で求められる品位の均質性を達成するに要する製造時の労力を少しでも低下させることが可能になるものである。
(12)さらに、本発明のガラス用混合原料の調製方法は、画像入出力装置が、フラットパネルディスプレイであるならば、大量の容積を要するにもかかわらず、一方で高い光学的均質性が要求され、ガラス物品の性能を可能な限り発揮させる必要のあるような場合には、好適なものである。
(13)また、ガラス用混合原料の調製方法は、混合物無機原料を粉砕する工程で、メカノケミカル効果を伴う粉砕が行われているものであるならば、あらゆる熔融ガラスの製造方法に利用される基礎技術となるものであって、近年のガラス熔融技術に大きな進歩、進展をもたらすものである。
(14)本発明のガラス物品の製造方法は、複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を粉砕する工程で調整された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっているガラス用混合原料を加熱して熔融ガラスにする工程と、該熔融ガラスを成形する工程とを有するものであるため、他のガラス均質化手段との併用が容易であり、また他の手段を併用することによってさらに高度な技術へと発展させることのできるものである。
以下に本発明のガラス熔融用の混合原料とその調整方法、そして混合原料を使用するガラスの製造方法について、実施例に基づいて説明する。
まず、ガラスチョップドストランドやロービング、ヤーン等として利用されるガラス繊維を製造するためのガラスの熔融用原料について本発明を適用した事例を示す。このガラスは通常Eガラスと呼称されるアルミノシリケートガラスであり、そのガラス組成は一般的に質量百分率表示でSiO2 54%、B23 7%、Al23 15%、CaO 21%、MgO 2%、R2O+MO(R=Na+K、M=Sr+Ba+Zn) 1%であって、Si、Al、Bを含有する原料を使用することが必要である。また、原料構成上Si原料は酸化物原料を採用するため、アルカリ土類元素等の原料として炭酸塩の使用が必要となる。酸化ガラスの熔融における均質度の向上は、紡糸時における糸切れの発生率を低くするばかりか、製造されたガラス繊維の品質を高くするため、ガラス繊維の製造を行う工程では重要な課題の1つである。
従来、このガラス繊維用の原料は、それぞれの原料を大型秤量機で秤量した後、回転型ミキサーで6時間混合操作を行ってガラス熔融用のバッチとし、原料投入装置に接続した供給容器内に蓄えられ、順次スクリューチャジャーによって炉内に投入されてガラス熔融炉の熔解室内で加熱されて熔融ガラスとなり、その後清澄されて均質化された後にガラスモノフィラメントとして成形されていた。全ての原料について混合操作後のバッチ粒度を縮分操作後に計測すると平均粒径(D50)は15.2μmであり、D90は70.4μmであった。
しかし、熔融されたガラス中の異物不良等の欠陥に伴う不良率を低減するため、以下のような改善を実施した。まず上記の回転型ミキサーで混合された原料混合物をアルミナ製直径30mmのアルミナボールを使用してボールミルにて4時間の粉砕処理を行った。こうして得られたガラス熔融用の微粉砕混合済み原料について、その粒度についてレーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製 SALD−2000J)を使用して計測したところ、平均粒径(D50)は7.2μm、D90は40.4μmであった。このガラス熔融用の微粉砕混合済み原料を質量比で85%に、Eガラスカレット25%を添加してガラス熔融炉に同様の手順で添加した。高温状態に維持された熔融炉内で熔融用の微粉砕混合済み原料ガラスとガラスカレットを加熱して熔融ガラスとし、均質化操作の終了した熔融ガラス生地を成形域に導入してガラス繊維の成形を行った。このような一連の製造方法を採用することによって、製造されたガラス生地中の異物不良に起因する不良に関して2.2%の改善が行えることが判明し、製造原価の低減に大きく貢献することが可能となった。
次いで、本発明の無機ガラス熔融用の混合済みの粉砕された原料の調整方法とその性質について以下に示す。この本発明の混合済み原料の1つとして、フラットパネルディスプレイに搭載される液晶用の薄板ガラスや固体撮像素子に搭載されるカバーガラス、あるいは建築材料用途の大型成形材としても利用されるガラス物品を製造するためのガラス熔融用混合原料についての調査結果をまとめる。この液晶用薄板ガラスは、構成元素がSi、Al、B、R'(R'=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)よりなる無アルカリガラスであって、原料としてはSi、Al、Bは酸化物原料、R'は炭酸塩が使用される。そしてこの原料のガラス得率は原料調合計算によれば、83.3%となっている。
この原料について、予めガラス1000g相当の原料を小数点3桁グラムの精度で秤量し、タンブラーミキサーを使用して1時間混合したバッチを作製した。そしてこのバッチについて、3リットルの水を添加し、バッチが取り込んだ気体を脱気するため容器を転動させる手動操作を数回繰り返した後、ジルコニア製ボールミル(回転速度100rpm、ボール直径1.5〜2.5cm、ボール重量5.3kg)を使用して湿式環境下での粉砕処理を行った。粉砕時間については、未粉砕、1時間、4時間、32時間、64時間でサンプリングを行った。サンプリングした後に、一連の評価を行うため、80℃で24時間、100℃で72時間の加熱による乾燥を常圧の大気雰囲気中で行い、乾燥後に得られたケーキ状物を砕いて10〜5mm程度のペレットとし、このペレットにより一連の評価をおこなった。また未粉砕でのサンプリング品との比較のため粒度の評価を前記同様の方法で行った。またそれぞれサンプリングしたバッチ混合粉砕原料から作成したペレット50gを白金製坩堝内に入れた状態で1500℃、2時間大気雰囲気中にて箱型電気抵抗炉内に保持して原料の初期熔解性の評価を行った。熔解性評価については、前記の加熱処理を行った試料を電気炉内から取り出して、泡や未熔解物について目視観察を行い、泡や未熔解物が全容積の1割以下であるならば○、そうでない場合を×と判定したものである。以上の結果を表1の試料No.1からNo.5にまとめる。
また、比較例としてこのような原料混合後の粉砕処理を行うのではなく、単に原料を混合した後3リットルの水を添加して、その後乾燥処理を行うという操作を行うことで粉砕処理を除いたものとして試料No.6を準備して一連の評価を行った。さらに、予めそれぞれの原料を個別に微粉砕し、それを上述したと同様の操作によって混合した試料としてNo.7を準備し、前記と同じ評価を実施した。これらの結果についても、表1にまとめる。
Figure 2006069881
表1から判るように、各原料を混合した後に粉砕時間を4時間、32時間、64時間とした本発明の実施例の試料No.3〜No.5については、平均粒径(D50)が10μm以下のものが得られ、D90も10μmであり、熔解性試験についても良好な結果が得られるものであった。このガラスの重量の測定を行いガラス得率の計算すると、88.2%と高い得率値となった。一方、比較例の試料No.2については粉砕処理を行っても、平均粒径が10μm以下ではなく、さらにD90も50μmを越える状態であり、熔解性評価でも微細な泡が多数残留することが確認でき、熔解性判定は×であり、本発明には相当しないものであることが判明した。
そして、試料No.6については、粉砕処理のみを省いたものであるが、未粉砕の試料No.1とほとんど同じ傾向を示す結果となり、本発明には当たらないものであった。さらに試料No.7については、混合後に粉砕するのではなく、予め粉砕したものを混合したものである。このため、混合後の原料粒度はD50が10μm以下であり、D90も10μm以下であるが、熔解性評価については良好な結果が得られず、多数の微細気泡や未熔解原料の存在を確認することとなった。
以上の調査から、本発明の無機ガラス熔融用混合原料は、熔解性に優れた性能を実現することができるものであることが判明した。
次いで、本発明のガラス熔融用原料の加熱時の挙動についての調査結果を以下にまとめる。この試験の一連の試験結果を表2にまとめる。
前記したと同じガラス組成を実現するためのガラス原料をアルミナ製ボールミル(容量 7.3リットル;ボール直径1.5〜2.5cm)を使用して、850gのバッチを1時間、20時間の条件で乾式条件下で大気雰囲気にて常圧で粉砕し、得られた原料(表2の試料No.10、表3の試料No11に相当する。)について未粉砕で準備した同じ原料構成のバッチ(試料No.8に相当する)との比較を行った。まずそれぞれ1gの試料を秤量し、白金坩堝中に保持してヘリウム雰囲気中で6℃/分の加熱速度で加熱を行い、発生するガスを10-4Paの条件で四重極質量分析装置(アネルバ(株)製 M−100QA−M)によって計測した。得られた結果を表2にまとめる。
Figure 2006069881
表2から明らかなように、二酸化炭素ガスの発生速度は、未粉砕の場合、常圧300℃で0.0008μl/g・sec(0℃、1atm)であり、常圧400℃で0.0038μl/g・sec(0℃、1atm)となる。よって400℃での値は300℃の4.7倍である。また試料No.9のように粉砕を行っても、1時間では不充分であって、常圧300℃で0.0004μl/g・sec(0℃、1atm)であり、常圧400℃で0.0009μl/g・sec(0℃、1atm)となる。よって400℃での値は300℃の2.0倍である。一方、本発明の20時間の粉砕を実施した試料No.10では、常圧300℃で0.0023μl/g・sec(0℃、1atm)であり、常圧400℃で0.1760μl/g・sec(0℃、1atm)となる。よって400℃での値は300℃の75.0倍となっている。
またこの試料について、前記同様の熔解性評価を行ったところ、試料No.8と9は泡が多く、×判定であったが、試料No.10は均質度の良好なことが確認でき○判定となった。さらにこれらの粉末の性質について調べると、比較例の試料No.8は、嵩密度が1.18g/ml、平均粒径が96μmであり、試料No.9は、嵩密度が0.70g/ml、平均粒径が33.6μm、さらに試料No.10は、嵩密度が0.71g/ml、平均粒径が3.2μmであり、試料No.10のみが本発明に相当するものであることが明瞭であった。
次いで、実施例3に続いて加熱時の挙動に関して、湿式粉砕を行った場合及び乾式粉砕の場合について、粉砕せずに単に混合されただけの状態の原料との比較として、300℃から500℃までの昇温過程についての二酸化炭素ガスのその温度間における発生量、加熱による熔解性、原料の粒度についての比較を行った結果について、以下に示す。
実施例2と同じガラス組成となる原料構成で、常圧条件下でジルコニア製ボールミル(容量7.3リットル;ボール直径1.5〜2.5cm;ボール総量5.3Kg)を使用して乾式条件下で16時間、湿式条件下で6時間の粉砕を行った。ここで湿式粉砕時の条件は、混合バッチ1118.8gに対して純水2リットルを添加した状態で、粉砕時の回転速度は100rpmである。
湿式粉砕品については、実施例3と同様に80℃で24時間、100℃で72時間の加熱による乾燥を常圧の大気雰囲気中で行い、乾燥後に得られた固化したケーキ状物を砕いて10〜5mm程度の固化した状態のペレットとし、上記した一連の評価を行った。評価結果を表3にまとめる。
Figure 2006069881
二酸化炭素ガスの300℃から400℃までの昇温の間に、300℃から500℃までの昇温の間に発生した気体量については、前記の発生速度の計測同様の方法によるものである。すなわち原料1gの試料を秤量し、白金坩堝中に保持してヘリウム雰囲気中で6℃/分の加熱速度で加熱を行い、発生するガスを10-4Paの条件で四重極質量分析装置(アネルバ(株)製 M−100QA−M)によって計測した。その結果、湿式粉砕、乾式粉砕のいずれについても昇温時における二酸化炭素ガスの300℃から500℃までの温度間における発生量は、試料No.13の乾式粉砕が90.5μl/g、試料No.12の湿式粉砕が1025.8μl/gであって、比較例の試料No.11の未粉砕の場合には12.4μl/gであるのに対して、乾式粉砕では7.3倍であり、湿式粉砕では82.7倍であって、いずれも3倍以上のガス発生量を示し、高い性能を有するものであった。また、原料粒度については、No.12、No.13のいずれもがD90が50μm以下であって、D50についても10μm以下の値であり、本発明の実施例としての品位を示すものであった。
以上の様に本発明の構成を有する混合済み粉砕原料は、加熱時の反応性に富む原料であり、熔融ガラスの製造において有効な性能を発揮できるものであることが明確なものとなった。また上記の結果を見ると、湿式粉砕は乾式粉砕より粉砕操作以外における工程が多くなるものの、短時間で所望の性能の得られる方法であるという性格を有することも明らかになった。

Claims (14)

  1. ガラス熔融炉に投入されるガラス熔融用の混合原料であって、混合後に粉砕された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっていることを特徴とするガラス用混合原料。
  2. 加熱により発生する二酸化炭素ガスの300℃から500℃までの間のガス放出量が、粉砕前の複数の無機原料混合物の同条件下のガス放出量に対して3倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス熔融用混合原料。
  3. 加熱により発生する二酸化炭素ガスのガス発生速度が、400℃、1atmの条件下で0.005〜0.5μl/g・sec(0℃、1atm)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のガラス用混合原料。
  4. 加熱により発生する二酸化炭素ガスの400℃、1atm条件下のガス発生速度が、300℃、1atm条件下の値に対し8倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス用混合原料。
  5. ガラス得率が98質量%から60質量%であり、少なくともSi、Al及びBの内の1以上の元素の酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス用混合原料。
  6. 粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のガラス用混合原料。
  7. 少なくとも50質量%以上のSiO2を含有することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のガラス用混合原料。
  8. 硼珪酸ガラス用、無アルカリガラス用又はアルミノシリケートガラス用の原料であることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のガラス用混合原料。
  9. ガラスカレットを含有することを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のガラス用混合原料。
  10. 複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を粉砕する工程を有することを特徴とするガラス用混合原料の調製方法。
  11. 画像入出力装置に搭載されるガラス用の混合原料を調製するものであることを特徴とする請求項10に記載のガラス用混合原料の調製方法。
  12. 画像入出力装置が、フラットパネルディスプレイであることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のガラス用混合原料の調製方法。
  13. 無機原料混合物を粉砕する工程で、メカノケミカル効果を伴う粉砕が行われていることを特徴とする請求項10から請求項12の何れかに記載のガラス用混合原料の調製方法。
  14. 複数の無機原料を秤量する工程、秤量後の無機原料を混合する工程、得られた無機原料混合物を粉砕する工程で調整された複数の異なる組成を有する無機原料の粒子が分散された状態にあり、粉粒体の粒径加積曲線における有効粒径であるD90が50μm以下となっているガラス用混合原料を加熱して熔融ガラスにする工程と、該熔融ガラスを成形する工程とを有することを特徴とするガラス物品の製造方法。
JP2005142124A 2004-08-03 2005-05-16 ガラス用混合原料の調製方法及びガラス物品の製造方法 Active JP4862279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005142124A JP4862279B2 (ja) 2004-08-03 2005-05-16 ガラス用混合原料の調製方法及びガラス物品の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004226555 2004-08-03
JP2004226555 2004-08-03
JP2005142124A JP4862279B2 (ja) 2004-08-03 2005-05-16 ガラス用混合原料の調製方法及びガラス物品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006069881A true JP2006069881A (ja) 2006-03-16
JP4862279B2 JP4862279B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=36150874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005142124A Active JP4862279B2 (ja) 2004-08-03 2005-05-16 ガラス用混合原料の調製方法及びガラス物品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862279B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007129509A1 (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Asahi Glass Company, Limited ガラス製造方法
JP2009096708A (ja) * 2007-07-17 2009-05-07 Schott Ag ガラス製造における清澄剤としての有機及び無機過酸化物
JP2009527455A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 コーニング インコーポレイテッド ガラス組成物の製造方法
JP2009179508A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Nippon Electric Glass Co Ltd 混合造粒ガラス原料及びガラス物品の製造方法
US20100107697A1 (en) * 2007-08-28 2010-05-06 Asahi Glass Company, Limited Method for producing alkali-free glass
JP2011157229A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Nippon Electric Glass Co Ltd 混合ガラス原料とガラス物品の製造方法
JP2015189620A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラスの製造方法本発明は、無アルカリガラスの製造方法に関し、具体的には液晶ディスプレイ、有機el(oled)ディスプレイ等のディスプレイ基板等として好適な無アルカリガラスの製造方法に関する。
JP2016113363A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 日本電気硝子株式会社 珪酸塩ガラスの製造方法、珪酸塩ガラス及び珪酸塩ガラス用シリカ原料
CN112479559A (zh) * 2020-12-04 2021-03-12 信和光能(安徽)有限公司 一种高硼硅玻璃管制备工艺

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000290042A (ja) * 1999-04-01 2000-10-17 Nippon Electric Glass Co Ltd 耐アルカリ性ガラスの製造方法
JP2003516298A (ja) * 1999-12-06 2003-05-13 アールジーエス90 ガラスを製造する方法とそれによって製造されたガラス
JP2004067408A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Nippon Electric Glass Co Ltd 無アルカリガラスの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000290042A (ja) * 1999-04-01 2000-10-17 Nippon Electric Glass Co Ltd 耐アルカリ性ガラスの製造方法
JP2003516298A (ja) * 1999-12-06 2003-05-13 アールジーエス90 ガラスを製造する方法とそれによって製造されたガラス
JP2004067408A (ja) * 2002-08-02 2004-03-04 Nippon Electric Glass Co Ltd 無アルカリガラスの製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009527455A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 コーニング インコーポレイテッド ガラス組成物の製造方法
WO2007129509A1 (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Asahi Glass Company, Limited ガラス製造方法
JP2009096708A (ja) * 2007-07-17 2009-05-07 Schott Ag ガラス製造における清澄剤としての有機及び無機過酸化物
US20100107697A1 (en) * 2007-08-28 2010-05-06 Asahi Glass Company, Limited Method for producing alkali-free glass
US8272235B2 (en) * 2007-08-28 2012-09-25 Asahi Glass Company, Limited Method for producing alkali-free glass
JP2009179508A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Nippon Electric Glass Co Ltd 混合造粒ガラス原料及びガラス物品の製造方法
JP2011157229A (ja) * 2010-02-01 2011-08-18 Nippon Electric Glass Co Ltd 混合ガラス原料とガラス物品の製造方法
JP2015189620A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラスの製造方法本発明は、無アルカリガラスの製造方法に関し、具体的には液晶ディスプレイ、有機el(oled)ディスプレイ等のディスプレイ基板等として好適な無アルカリガラスの製造方法に関する。
JP2016113363A (ja) * 2014-12-16 2016-06-23 日本電気硝子株式会社 珪酸塩ガラスの製造方法、珪酸塩ガラス及び珪酸塩ガラス用シリカ原料
CN112479559A (zh) * 2020-12-04 2021-03-12 信和光能(安徽)有限公司 一种高硼硅玻璃管制备工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP4862279B2 (ja) 2012-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4862279B2 (ja) ガラス用混合原料の調製方法及びガラス物品の製造方法
US8919151B2 (en) Process for producing glass material granules and process for producing glass product
CN103547541B (zh) 造粒体及其制造方法、熔融玻璃的制造方法以及玻璃物品的制造方法
KR101965007B1 (ko) 용융 유리의 제조 방법 및 유리 제품의 제조 방법
JP5680767B2 (ja) ガラスバッチプロセスで使用するためのペレット、該ペレットを作製する方法、及びガラスを作製する方法
KR20080096764A (ko) 유리 제조 방법
CN104114502B (zh) 造粒体及其制造方法
CN107074603B (zh) 玻璃原料造粒体的制造方法、熔融玻璃的制造方法和玻璃物品的制造方法
JP2009040675A (ja) 珪酸塩ガラスの製造方法、珪酸塩ガラス熔融用混合原料及び電子材料用ガラス物品
US10035726B2 (en) Granules, method for their production, and method for producing glass product
JP2007008757A (ja) ガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法及びガラス熔融用混合原料
CN108698873B (zh) 玻璃原料造粒体及其制造方法
JP6056716B2 (ja) 造粒体、その製造方法およびガラス物品の製造方法
CN100999391A (zh) 低硅高钙单晶体电熔镁砂熔炼方法
JP2014094841A (ja) ガラス原料用造粒体、溶融ガラス、およびガラス物品の製造方法
CN108025946B (zh) 玻璃原料造粒体的制造方法、熔融玻璃的制造方法以及玻璃物品的制造方法
WO2023281182A1 (fr) Procédé de préparation d'un mélange de matières premières comprenant de l'oxyde de calcium
JP6520358B2 (ja) ガラス原料造粒体の製造方法、溶融ガラスの製造方法、およびガラス物品の製造方法
JP2007045683A (ja) 電極支持棒用ガラス粉末、電極支持棒およびそれらの製造方法
JPH08277124A (ja) ガラス粉末の製造方法
JPWO2012173154A1 (ja) ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス物品の製造方法およびガラス物品の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4862279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150