JP2007008757A - ガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法及びガラス熔融用混合原料 - Google Patents
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Abstract
【課題】均質なガラス物品を従来よりも低温の熔融環境で製造することができるガラス熔融用の混合原料とその原料嵩密度の計測方法の提供。
【解決手段】本発明のガラス熔融用混合原料の熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法は、ガラス熔融炉に投入する混合原料粉体を固結させた混合原料塊の嵩密度についての計測方法であって、容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うものである。また本発明のガラス熔融用混合原料は、上記に記載のガラス用混合原料塊の嵩密度計測方法によって嵩密度を特定され、構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下である混合原料塊を使用する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のガラス熔融用混合原料の熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法は、ガラス熔融炉に投入する混合原料粉体を固結させた混合原料塊の嵩密度についての計測方法であって、容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うものである。また本発明のガラス熔融用混合原料は、上記に記載のガラス用混合原料塊の嵩密度計測方法によって嵩密度を特定され、構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下である混合原料塊を使用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、均質な無機ガラス物品を製造するためのガラス熔融用混合原料とガラス熔融用混合原料を構成するガラス熔融用混合原料塊の嵩密度の計測方法に関する。
ガラス溶融炉によって均質なガラス物品を製造するための技術は、ガラス物品が使用される産業分野の発展やガラス物品の使用用途の拡大に伴って、大きな進歩を遂げてきており、今後もあらゆる最先端の技術を駆使した改善、改良が行われていくこととなる技術分野である。ガラス物品の製造において、最も重要かつ基本的な工程の一つは、ガラス物品の製造における最初の工程、すなわち溶融炉に投入するガラス原料をどのような性状、外観のものとして調製し、さらにそれをどのように評価して安定した原料品位のものとするかということが重要である。
ガラス物品の材質の各構成成分を実現するためにガラス原料としてどのような材質、組成のものを選択するかということに加え、それをどのような形態とするか、さらにどのように供給するかといった基本的な一連の課題に関しては、これまでにも多くの発明が行われてきている。例えば特許文献1では、ソーダ灰やドロマイトなどのガラス原料をペレット化することでフロート法での溶融ガラス製造時に硫酸ナトリウムの含量を減少させても均質な溶融ガラスとすることが可能となるという発明が開示されている。
また特許文献2では、珪砂及び他の粉粒状固体ガラス原料と苛性ソーダ水溶液をガラスカレットと共に燃焼排ガスの存在下で混合し、苛性ソーダの一部を炭酸化して湿ったガラスバッチを調整することによって原料の溶融性状の改善と燃焼排ガスからの熱回収によってエネルギー利用効率の高いガラスの製造方法が発明されている。
さらに特許文献3では、ガラス原料カレットの移動や搬送操作中にガラスカレットが溶融炉の側壁に擦れて接触面を削剥することがないように、ガラス原料を略球形状とするという考案が行われている。
特許文献4では、ブラウン管用ガラス原料、液晶用ガラス原料等の珪砂と炭酸ストロンチウムあるいはドロマイトを含有するガラス用混合原料において、炭酸ストロンチウムあるいはドロマイトの平均粒径が珪砂の8倍以内とすることによって難熔解性原料であっても低温での熔解が実現できるという発明が行われている。
また特許文献5では、ガラスカレットを選別する方法としてラマン散乱光によるスペクトルの違いを利用することで的確な選別を行うことができるという発明も開示されている。
特開昭51−129408号公報
特開昭53−46311号公報
実登第3107767号
特開2003−40641号公報
特開2004−219125号公報
しかし、これまで行われてきたガラス原料に関連する発明だけでは、近年利用されるようになったさらに高い均質性を実現する必要性のあるガラス物品に十分に対応することができない。情報産業用途等の電子機器や高い光学機能を有する部品などに利用される各種ガラス物品については、ガラスの物理化学的な各種性能、例えば各種薬剤などに対する化学的な耐久性や耐候性といった機能を高い水準で満足しつつ、さらに光学的な均質度についても高い性能を有することが望まれる状況となっている。
具体的には各種の情報を表示する画像表示装置の大型化に伴って、そこに搭載されて使用される大型の薄板ガラスのような高い光学性能を要求されるガラス物品については、ガラス表面の化学的な耐久性といった物理化学的な性能に加えて、ガラス単位体積当たりの均質度はより高い品位の要求がなされるものへと推移してきており、今後さらにこの傾向にますます拍車がかかることとなるのは確実である。またFRP等で使用されるガラス繊維では、特に電子部品用途などで利用される場合に従来よりも細い繊維径へのシフトが進み、高い均質度が実現されないと充分は性能が発揮できないという状況にもなっている。
このような状況下にあって、ガラス物品の均質化を向上させる方法は種々存在するが、その中でも溶融の初期工程について、その熔融ガラスの均質度に関しては、製造されたガラス物品の均質度の品位に大きく寄与するものであるため、極めて重要なものとなっている。そして、どのようなガラス原料をガラス熔融炉内に投入するのか決めることによって溶融ガラスの均質性の実現を図り、ガラス物品に求められる種々の高い性能、例えば化学的な耐久性の向上やガラス物品の軽量化等を実現することを目的とする。そのために採用されるガラス原料構成について、そのガラス材質を実現するため熔融時に難熔性のガラス原料であっても、少しでも低温で均質な状態に熔融できるものとするという問題を解決することは、将来的にガラスの利用範囲を拡げてその価値を高めるためにも大きな課題の一つである。
本発明者らは、係る状況に鑑み、均質なガラス物品を従来よりも低温の熔融環境で製造することができるガラス熔融用の混合原料とその計測方法の提供を課題とする。
すなわち本発明のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法は、ガラス熔融炉に投入する混合原料粉体を固結させた混合原料塊の嵩密度についての計測方法であって、容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うことを特徴とする。
ここで、ガラス熔融炉に投入する混合原料粉体を固結させた混合原料塊の嵩密度についての計測方法であって、容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うとは、容積と質量の既知の容器内に嵩密度を測定済みの粉粒体、及び嵩密度の被測定試料である混合原料塊を一緒に容器容積の満杯まで充填し、その状態で容器を含んだ質量を測定することによって、被測定試料である混合原料塊の嵩密度の計測を行うことを意味している。
固結させた混合原料塊については、どのような方法によって固結状態としたものであってもよい。すなわち、溶媒として水や粉体表面の結合剤、粉砕助剤、粉砕促進剤といった他の媒体等の働きによるものでもよく、あるいは有機溶媒等の添加によって原料を分散した状態とし、その後溶媒を気化、乾燥させることによって固結状態としてもよいし、加圧成形法等によって圧力を印加することで強制的に固結したものであってもよい。また必要ならば急速冷却等の操作によって固結させることも可能である。また固結状態は、水素結合やファンデルワールス力などの弱い力によって結合したものであっても良いし、イオン結合や共有結合のような強い結合の介在があるものであってもよい。すなわちここでの固結とは、単なる乾燥固化ではなく、より高温に加熱させることによって生じる焼結状態をも含む状態を表すものである。
そして混合原料塊の寸法やその形状についても、特に限定されることはない。すなわち形状については、破砕形状であってもよく、さらにフロック状、凝集状、塊状、ケーキ状、タブレット状、薄片状、顆粒状、略球形状、錠剤状、略柱状、シート状、あるいはフィルム状などの形態のものを必要に応じて使用することができる。
また容器内へと充填する手段としては、筒状のホッパーやロート状の投入器等を使用することもできるし、トングや匙、柄杓等の形態を有する治具、用具等を適宜使用することによって混合原料塊を不用意に破壊、損傷することなく計測することもできる。
さらに、必要に応じて嵩密度既知の粉粒体が容器内の混合原料塊と容器との隙間の空隙個所に同等の充填率で充填された状態とするために、所定の条件のバイブレーション、すなわち振動を施すことができる。振動の周波数については、充填率を同等の状態とすることができるものであるならば、どのようなものであっても問題はないが、再現性のある条件を選択することが好ましい。また湿度、温度、雰囲気等の環境条件は一定の条件下で測定することが好ましい。
そして本発明の嵩密度の計測方法では、充填された状態で容器ごとの質量、すなわち容器に嵩密度既知の粉粒体及び嵩密度未知の被測定試料を充填した状態での質量Zを計測し、それ以外に嵩密度未知の被測定試料の質量A、嵩密度既知の粉粒体の嵩密度B、容器の内容積C、容器の質量Mの各測定値に基づいて、嵩密度未知の被測定試料の嵩密度の値を数1の式に従って計測するものである。
また本発明の嵩密度の計測方法では、前記したように所定容積、所定質量の容器内に嵩密度既知の粉粒体と混合原料塊を一緒に充填し、嵩密度既知の粉粒体で嵩密度未知の混合原料塊を置換した状態の質量を算出することによって、嵩密度未知の混合原料塊について、その嵩密度の迅速な計測が可能となるため好ましい。ここで所定容積、所定体積の容器としては、その構成材料が充填操作を行う際に、嵩密度既知の粉粒体や混合原料塊と擦れて摩擦、摩耗し難い材料で構成されているか、あるいは充填によって形状が変形し難い材料でなければ、どのような容器を使用してもよい。さらに容器の寸法についても特に限定はしない。例えば、ステンレス等の金属材料やセラミックス等の耐摩耗性材料で構成された容器等が好ましい。
また嵩密度既知の粉粒体の嵩密度は、公知の計測方法によって計測したものであって、再現性のある方法により充分に高い精度で計測されたものであれば、どのような方法により計測されたものであっても支障ない。
また、本発明のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法は、上述に加え混合原料塊が、複数種のガラス原料を混合、粉砕する工程により得られた混合原料粉体を固結工程により固結させたものであるならば、固結された原料を構成する粒子の集合状態を的確に表すことができるものであるため好ましい。
ここで、混合原料塊が、複数種のガラス原料を混合、粉砕する工程により得られた混合原料粉体を固結工程により固結させたものであるとは、固結させた状態にある混合原料塊は、複数の異なる粒度、異なる組成を有する原料粒子を分散させるように混合して、さらに粉砕する工程を経ることによって1つの固体として振る舞うようにまとまった状態にあることを表している。
複数種のガラス原料とは、ある特定の原料について、その原料が複数のカチオンを含有する原料、すなわち複数のカチオンを含有する鉱物原料、また窒化珪素、サイアロン、結晶化ガラス等のような人工的に焼結操作や造粒操作等によって生成された人工鉱物を意味するものではなく、そのような複数のカチオンを有するものであっても、一品種の原料と見なし、このような原料が2以上含まれることを意味している。例えば、ムライト、カオリナイト、モンモリロナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、ブラペイサイト、コレマナイトなどのような、複数のカチオンにより構成される原料は、例え複数種のカチオンを含有しても複数種のガラス原料には相当せず、1品種の原料と見なされるものである。そして異なる粒度を有するとは、複数の粒子がある粒度分布を有する状態で存在することを表している。
ただし、前記したように複数種の原料を混合、粉砕するというのは、製造時間を長くするものであるため、常に許容されない場合も生じる。よって、好ましくは2種より3種、3種より4種、4種より5種の原料を粉砕前に予め混合するということであり、最も好ましいのは、ガラス熔融炉に投入する全ての原料種を予め粉砕の前に混合するということである。
しかし特定の複数構成原料種のみを混合した後に予め粉砕し、他の構成原料は粉砕しないような場合であっても、この特定の複数原料種の粉砕が、効果的なものであるならば、必ずしも全ての原料種の粉砕が必要とはならない。よって全ての原料種を予め粉砕するかどうかは、その費用等の粉砕に関する諸条件の検討の上で行うことが望ましい。
そして反応を促進するという観点からは、少なくともSiやBあるいはP等のガラスのネットワークフォーマー(NWFとも呼ぶもので、その酸化物は加熱して熔融すると単独で酸化物ガラスとなるもの)を形成することになる元素を含む原料一種と他の原料一種を粉砕前に混合するということが好ましい。
また、複数種の原料を混合、粉砕するというのは、混合操作と粉砕操作とを別工程で行うものであっても、同じ工程で行うものであってもよい。また同じ工程で行う場合には、同時に行うことも許容するものである。よって例えば粉砕装置等で粉砕操作に加えて混合操作をも同時におこなうことも可能である。本発明に該当しない手順は、先にそれぞれの原料を個別に微粉砕化し、次いでその微粉砕物を混合することで微粉砕物の混合体を得る場合である。このような操作を行っても、異なる原料粒子間で生じる固相状態での化学反応は全く進んでいないため、均質化への寄与は少ないものとなるのである。
混合操作や粉砕操作については、その操作を確実に実現できる装置であれば、すなわち所望の機能を実現することができるものであるならばどのようなものであってもよい。また粉砕装置については、粉砕中の装置から原料への装置起因の不純物がある程度は混入することになるが、この点についても考慮して選定されることが好ましい。
また、混合操作、粉砕操作では、乾式、湿式のいずれの方法による操作を採用してもよい。すなわち、乾式で操作を行う際の雰囲気としては、空気、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンキセノン、フッ素、塩素、臭素、ノックス(NOx)、ソックス(SOx)、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、塩素、水蒸気あるいはこれらのガスの混合雰囲気を採用してもよい。また湿式で操作を行う際には、その溶媒として水、過酸化水素水、界面活性剤を添加した水溶液、食塩等の様に原料の一部あるいは全てをイオンに解離させた状態の反応性成分を有する水溶液、酸溶液、アルカリ性溶液、イオン活性水、プラズマ照射水、炭酸ガス飽和水等の各種ガス飽和水、非極性有機溶媒、極性有機溶媒などの液体を適量使用することが可能である。
また本発明で原料を混合するのに好適な混合あるいは粉砕する装置としては、例えば混合と共に湿式粉砕を行うことができるものであればよい。例えば、ボールミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機の何れかを使用して混合かつ粉砕することが可能である。
ボールミル、媒体撹拌ミル、気流式粉砕機の何れかを使用して混合かつ粉砕するとは、前述の諸環境にある粉砕装置として、少なくともボールミル、媒体撹拌ミルそして気流式粉砕機の何れか一以上を利用することである。
ここでのボールミルとは、広義のボールミルを意味している。すなわち、ボールと呼ばれる混合粉砕に供するメディアとしてセラミックスや天然鉱石等を採用し、そのメディアを被粉砕物の表面へ繰り返し衝突させることによって、被粉砕物を徐々に破砕、粉砕していくものである。この装置としては、最も一般的な円筒形や円錐形の容器内で粉砕をおこなう転動型のボールミル(狭義のボールミル)、ボールに微振動を付与することで微粉砕を行う振動ミル、あるいはボールそのものに加速を付与して粉砕効率を向上させた媒体遊星ミル等をも含むも。この装置を使用する場合には、容器内に水、過酸化水素水等の水溶液を添加しながら粉砕を行ってもよい。またこの装置を作動する環境内の酸素濃度、窒素濃度、二酸化炭素濃度等を調整することも可能である。
また、媒体撹拌ミルとは、ボールミル同様にメディアを被粉砕物に衝突させるが、メディアを収納する容器内にディスクや翼状の回転体を設けてメディアに複雑な運動をさせるものであって、効率的な粉砕が可能となる装置である。媒体撹拌ミルとしては、一般にアニラーミル型、タワーミル型、サンドグラインダミル型、あるいはアトライタミル型等が使用可能である。そしてこれらの装置を利用する場合にも、上記のボールミルの場合と同様に他の装置との併用も可能である。
さらに、気流式粉砕機とは、高速ジェット気流等によって被粉砕物を強制的に衝突させて粉砕を行う方式を採用した装置であって、粒度の揃った粉末を調整するに好適である。そして必要に応じて利用するジェット気流そのものを高湿度環境に保持されるように調整した雰囲気とすることによって、所望の粉砕環境を実現することも可能である。
また、これらの装置は、単独で使用してもよいし、他の装置などと接続することによって連続したプラント設備として利用することも可能であって、利用者の要望や、粉砕する材料の種類や量、用途などに応じて適宜選択することが可能である。
また、本発明のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法は、上述に加え混合原料塊の嵩密度の計測で、嵩密度既知の粉粒体として粒径加積曲線における有効粒径であるD50が1μmから500μmの範囲にある粉粒体を使用するものであるならば、種々の粉粒体を使用できるため、嵩密度未知の混合原料塊との化学反応性なども考慮した選択ができるので好ましい。
ここで、本発明のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法は、嵩密度既知の粉粒体として粒径加積曲線における有効粒径であるD50が1μmから500μmの範囲にある粉粒体を使用するものであるとは、嵩密度既知の粉粒体の粒度について、その粉粒体の粒度分布を計測し、粒径加積曲線における有効粒径であるD50に相当する粒度が1μmから500μmの範囲にあることを表している。
粒径加積曲線を決めるための粒度分布の計測については、どのような原理であっても良いが、それぞれの粒子を分散した状態で測定することができる方法であって、測定結果の再現性が5%以内に収まる方法であり、ハンドリングによる個人差が出にくいものであれば好適である。例えば、縮分操作した試料によるレーザー回折計測装置による計測を採用するのが好ましい。また焼結したものの計測の場合には、電子顕微鏡や各種微細構造の観測装置と得られた画像の解析装置等を併用することによって、流度分布を計測することで代用することも可能である。
また、本発明のガラス熔融用混合原料の嵩密度計測方法は、上述に加え混合原料塊が、加熱操作及び/又は乾燥操作によって得られたものであるため、強固に固結した混合原料塊を容易に得ることができるので好ましい。
ここで、混合原料塊が、加熱操作及び/又は乾燥操作によって得られたものとは、何らかの加熱条件を設定できる加熱装置によって熱エネルギーを付与することで固結状態を実現する、あるいはある程度の加熱条件に加えて、湿度の調整や風速の調整等も行うことによって混合原料塊となるのを促進することで固結状態を実現するものの一方あるいは両方の操作によって得られることを表している。
加熱装置については、ガス加熱や電気加熱等、どのような燃料によるものであってもよい。また加熱装置については、加熱雰囲気、加熱温度、昇温速度、定温保持温度そして定温保持時間などの各種の条件の調整が可能なものであってもよい。また減圧装置や湿分の吸収装置等による湿度の調整や雰囲気導入速度などを調整することで加熱環境の流速を適宜調整でき、特定雰囲気のガスの風速などもそれに伴って調節できるものであってもよい。さらにそのような調整を実現するための各種の計測機器を備えたものであることも可能である。また固結状態の混合原料塊の状態とするため、上記以外に例えば適切な材料により構成された押型を使用するプレス成形法、ロール成型法、有機溶媒等を使用する鋳込み成型法等を採用することができ、さらにスプレードライ等による顆粒化法、所定容量ごとに乾燥装置にて行う乾燥固化法等を適宜採用することができる。また焼結状態とするためには、例えば前記した固結状態とする方法との併用によって焼成炉やベルト炉等の適切な設備を使用し、加熱時に焼結時間、焼結温度、焼結雰囲気を適宜調整することで最適な焼結状態とすることができる。
混合原料塊については、上記した以外の他の工程が介在する状況で作製されたものであってもよい。例えば、分散された粒子の粒度を適切なものとするため、粉砕工程以外に増粒工程などを加えてもよく、分散状態を適切なものとするために意図的に偏析させた状態とすることもできる。また固結状態の混合原料塊は、結晶性粒子のみによって構成されたものである必要はなく、無定形状態、あるいはガラス状態等の粒子であってもよい。固結状態の混合原料塊の表面状態については、搬送等の操作に支障のある状態でなければ、どのようなものであってもよい。すなわち鏡面のように磨きあげられたものであってもよく、多孔体のような凸凹の表面を有するものであってもよい。
本発明の計測方法では、上述したような性能を有する固結状態の混合原料を固結した原料の未知の嵩密度を嵩密度既知の粉粒体を使用することで計測するものであるため、熔融炉に投入するガラス原料の実質的な投入速度を正確に把握することができる。そのためガラスの均質化の要因である適切な熔解速度を実現できるような加熱条件、操炉条件をそれに応じて選択することができる。また、熔融ガラスを均質化するに要するエネルギーを確実にガラス原料へと付与することができることになるので好ましい。このような計測方法を採用することで、イレギュラーな嵩密度を有する固結体がガラス熔融炉内に投入されることを防止することができ、熔融ガラスの不均質状態を生じさせることがなくなる。また本発明では、嵩密度既知の固体で未知の固体を置換するという操作を採用することによって、水などを置換媒体として使用する場合(例えばガラスの密度測定で頻繁に使用されるアルキメデス法)とは異なり、媒体中への未知固結体からの固結体を構成する粒子の溶出等を抑止した状態での再現性のある計測が可能となるので好ましい。
また本発明のガラス熔融用混合原料は、上述のガラス用混合原料塊の嵩密度計測方法によって嵩密度が特定され、固結状態の混合原料塊を構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であることを特徴とする。
ここで、上述のガラス用混合原料塊の嵩密度計測方法によって嵩密度が特定され、固結状態の混合原料塊を構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であるとは、固結させた混合原料塊の嵩密度の計測を、容積質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行う計測方法によって、計測を行うことでその嵩密度が定まっており、さらにその混合原料塊を構成するそれぞれの粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50に相当する粒度が10μm以下であることを意味している。
固結状態の混合原料塊を構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であることによって、ガラス原料を加熱すると熱エネルギーの印加によって比表面積の大きい原料相互の相熔反応が高速に進行し、その結果熔融ガラス状態になるまでに要するエネルギーが少なくなり、それだけ均質な状態にも短時間で到達することが可能となる。このような観点から固結状態の混合原料塊を構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50は、より好ましくは9μm以下であることであって、さらに好ましくは7μm以下、一層好ましくは6μm以下、さらに一層好ましくは5μm以下であることである。
また、粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であるとは、JIS R1629(1997)に定義されるレーザー粒子径計測装置による粒子径の計測によるものである。
また、本発明のガラス熔融用混合原料は、上述に加え混合原料塊の平均外形寸法が2mm〜500mmの範囲にあるならば、原料のガラス熔融炉内への投入などの操作でガラス原料の飛散などの問題となる現象の原因とならないため好ましい。
混合原料塊の平均外形寸法が2mm〜500mmの範囲にあることによって、上述の原料飛散の問題ばかりでなく、原料の運搬、秤量などの一連の操作も行い易くなるので好ましい。固結状態の混合原料塊の平均外形寸法が500mmを越えると各種操作に支障を生じる場合もあるので好ましくない。一方固結状態の混合原料塊の平均外形寸法が2mmより小さいと上述の効果が充分に得られにくい。
また本発明のガラス熔融用混合原料は、上述に加え硼珪酸ガラス用、低アルカリガラス用、又は高アルミナ珪酸塩ガラス用の原料であるならば、ガラス原料により得られるガラス物品が産業界で利用される各種の高機能なガラス物品等として利用できるので好ましい。
ここで、硼珪酸ガラス用、低アルカリガラス用、又は高アルミナ珪酸塩ガラス用の原料であるとは、本発明のガラス熔融用混合原料が、硼素と珪素を主要成分として含有する硬質ガラス材質やアルカリ金属元素の含有量が酸化物換算で1質量%以下の化学的な耐久性に富むガラス材質や酸化物換算でアルミニウム酸化物の含有量が10質量%を越えるガラス材質であることを表している。
このようなガラス材質は、いずれも高い物理化学的な性能を有するものであるが、ガラス熔融時に均質な熔融状態とするのが困難となる場合が多く、本発明のガラス熔融用混合原料は特にこのようなガラス材質に対して好適なものである。
また、本発明のガラス用混合原料は、上記のガラス材質であってさらに元素としてP、Zn、Ca、Mg、K、Na、Li、Sb、Cl、S、Ga、Cs、Tl、Ti、Fe、Pb、Pt、Ba、As、V、Bi、F、Mn、La、Rh、Zr、Sn、N、Sr、Cu、Y、Ag、Ce、Mo、Coといった元素を含有することができるものである。
そして上述のようなガラス材質は例えば、FRPやFRCなどの用途で使用されるガラス繊維、ガラスブロックのような建材用ガラス物品、液晶表示装置搭載用板ガラスやプラズマディスプレイのような各種フラットパネルディスプレイに搭載される板ガラス、光部材用途、例えば固体撮像素子用カバーガラスやフィルター用板ガラス、レーザーダイオード用カバーガラス、各種レンズ部品、さらに液晶バックライト用ガラス管、ダイオード用ガラス管、リードスイッチ用ガラス管、キセノンランプ用ガラス管、真空排気用ガラスステム管、蛍光灯用等照明用ガラス管、光ファイバー接続用フェルール用管ガラスといった各種ガラス管にも適用することができる。さらに、結晶化ガラスや粉末ガラス等の母材用ガラス、放射線遮蔽用ガラスブロック等の用途に供されるガラス物品にも適用できる。そしてさらに光ファイバー等の画像伝送部材や光磁気ディスク用基板ガラス、ガラス製、結晶化ガラス製の各種スペーサー部材、あるいはその他の機能性構成部材用途のガラスとしても好適なものである。
また本発明のガラス熔融用混合原料は、上述に加え上記した計測方法による計測操作によってその嵩密度が1.4g/mlから0.3g/mlの範囲であることが好適である。これは、前記したようなガラス熔融用の混合済みの粉砕された原料が固結した状態のものについて嵩密度を計測すると、単位体積当たりの質量数として表される嵩密度の値で1.4g/ml(=1.4×103kg/cm3)から0.3g/ml(=0.3×103kg/cm3)の範囲内にあるということである。
ここで、嵩密度が1.4g/mlから0.3g/mlの範囲とすることによって、嵩張らず、しかも加熱時に発生するガスを迅速に系外に放出するこのできる好適な原料構成が実現できるものとなる。嵩張りすぎる混合原料は、炉内の気流等により飛散し易い等の欠点に加え、原料粒子間に存在する気相が熔融時のガラスの均質化を遅らせる原因ともなるので好ましくない。
嵩密度が1.4g/mlを越える値とするのは、高密度となりすぎることによって熱の伝搬が遅くなり、熔融速度が必ずしも速くならなくなる。一方0.3g/mlより小さくなることによって固結体とすることによって得られる効果が小さくなる。
また本発明のガラス熔融用混合原料は、上述に加えガラスカレットを含有するならば、ガラス原料をそれだけ有効に活用することができるので好ましい。
ガラスカレットを含有するとは、一度熔融ガラスとし、冷却成形されたガラス物品の破砕物、粉砕物あるいは破砕されておらずともガラスビーズなどの球形状に成形されたガラス物品を所定割合だけ他の原料とともに含有することを表している。
よってガラスカレットの成形方法は急冷あるいは粉砕によるものなど、どのような方法で作成されたものであってもよく、その形態や粒度についても限定されることはない。またガラスカレットは、必ずしもそのガラスカレットを原料の一部として使用して熔融成形するガラス物品と同組成とする必要性はなく、異なる組成のガラスカレットを使用することも妨げるものではない。
(1)以上のように、本発明のガラス熔融用混合原料の嵩密度計測方法は、ガラス熔融炉に投入する混合原料粉体を固結させた混合原料塊の嵩密度についての計測方法であって、
容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うものであるため、水等の媒体で置換する密度の計測方法を適用し難い可溶性固体や固結力の弱い固結体であっても再現性のある嵩密度を迅速に計測できるため好ましい。
容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うものであるため、水等の媒体で置換する密度の計測方法を適用し難い可溶性固体や固結力の弱い固結体であっても再現性のある嵩密度を迅速に計測できるため好ましい。
(2)また本発明のガラス熔融用混合原料の嵩密度計測方法は、混合原料塊が、複数種のガラス原料を混合、粉砕する工程により得られた混合原料粉体を固結工程により固結させたものであるならば、ガラス熔融炉に投入された後に均質な熔融物へと単時間で均質な状態となりやすいかどうかを計測値によって判断することが可能となるものである。
(3)また本発明のガラス熔融用混合原料の嵩密度計測方法は、嵩密度既知の粉粒体として粒径加積曲線における有効粒径であるD50が1μmから500μmの範囲にある粉粒体を使用するものであるならば、ガラス熔融用混合原料の固結した混合原料塊の表面性状に応じて最適な粒度の置換用粉粒体を使用することによって、適切な原料管理を行うことが可能となるので好ましい。
(4)また本発明のガラス熔融用混合原料の嵩密度計測方法は、混合原料塊が、加熱操作及び/又は乾燥操作によって得られたものであるならば、ガラス熔融炉内に投入するために使用される投入機などへの運搬や一時的な保管において、混合原料塊が破砕されたりすることがなく、各種の工程操作上において支障の発生し難い性状を有する混合原料についての計測を確実に行えるので好ましい。
(5)本発明のガラス熔融用混合原料は、上述に記載のガラス用混合原料塊の嵩密度計測方法によって嵩密度を特定され、混合原料塊を構成する原料粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であるため、表面積が大きいため熔融炉内での加熱によって固相反応が迅速に進行し、それだけ均質な熔融ガラスを容易に得やすいものである。
(6)また本発明のガラス熔融用原料は、混合原料塊の平均外形寸法が2mm〜500mmの範囲にあるならば微粉が発生し難いために原料を取り扱う操作が容易であり、取り扱いに要する装置にも不要な負担がかかりにくく長期間に亘るガラス物品の安定生産を支えるものである。
(7)また本発明のガラス熔融用原料は、硼珪酸ガラス用、低アルカリガラス用、又は高アルミナ珪酸塩ガラス用の原料であるならば、各種の高機能ガラス物品の原料として利用することができ、高機能ガラスの生産で頻繁に問題となる均質度に関する課題を解決するための1つの手段として好適なものとなる。
以下に本発明のガラス熔融用の混合原料とその嵩密度の計測方法について、実施例に基づいて具体的に説明する。
まず本発明のガラス熔融用の混合原料が、ガラスファイバの熔融用原料である場合について本発明の具体例として説明する。
ダイレクトメルト法によるガラスファイバの製造は、ブッシングと呼ばれる白金製の容器の底部に多数の細孔を有する成形装置を使用して行われるのが一般的なものであり、その成形装置に供給される熔融ガラスが不均質な状態である場合には、ガラスファイバの切断やブッシングの詰まりなどの操業を妨げるトラブルの原因となるため好ましくない。
そこで、このガラスファイバの製造に本発明のガラス熔融用混合原料塊の調整方法を適用した。まず、ガラスファイバの材質、すなわち熔融ガラス化すると、酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 54%、B2O3 7%、Al2O3 15%、CaO 21%、MgO 2%、R2O+MO(R=Na+K、M=Sr+Ba+Zn) 1%で表される組成となるようにガラス原料を選択した。このガラス材質は低アルカリガラスであり、高アルミナ珪酸塩ガラスでもあり、硼珪酸ガラスでもあることになる。ガラス原料としては、珪砂、コレマナイト(灰硼石)、ドロマイト(苦灰石、あるいは白雲石ともいう)、アルミナ、硼酸、石灰石があるが、この内の珪砂、アルミナの2種類の原料を所定量秤量し、その総量1kgを直径30mmのアルミナボール200個と純水2リットルと共にボールミル中に入れ、6時間に亘り混合操作と粉砕操作を同時に行った。
混合、粉砕後のスラリー状態の混合粉砕物を耐火性容器内に充填して、乾燥用電気炉内で100℃、72時間の乾燥操作を行った。そして得られたケーキ状の固結体を粗砕形状とするため、アルミナ製のインペラブレーカーを使用して破砕した。得られた固結体である混合原料塊の寸法は投影機を用いて計測したところ、その平均寸法は、18mmであった。また混合原料塊を構成する粒子の粒度についてレーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製 SALD−2000J)を使用して計測したところ、粒径加積曲線における有効粒径である平均粒径(D50)は7.2μmであった。
次いで、得られた混合原料塊の嵩密度の計測を予めこの混合原料塊の嵩密度の計測用として選定した嵩密度既知の珪砂を使用して、数1に従う算出式によって以下の算出した。
操作手順としては、まず平均的な寸法の混合原料塊1つをサンプリングしてその質量Aを予め計測し、100mlの内容積Cを有する質量Mの既知のステンレス容器(直径47.8mm×高さ56mm)に入れ、容器と混合原料塊の隙間に嵩密度既知(嵩密度B:1.56g/ml)の珪砂を充填した。こうして図1に示すように容器一杯になるまで珪砂を充填した状態で、振動機(バイブレーター)で所定の振動を加えてさらに珪砂の追加充填を行い、容器に満杯の状態となったところで総重量Zを計測して数1に示す式に従い、試料の嵩密度Kを算出した。以上の操作を3回行い、その平均値を最終的にこの混合原料塊の嵩密度として採用した。
その結果、この混合原料塊の嵩密度は、1.32g/ml(=1.32×103kg/m3)であって、本発明の実施例として好適なものであった。また、この混合原料塊を他のガラス繊維用の原料との混合物を一緒にし、さらにガラスカレットも加えてガラス熔融炉内へと投入機によって連続的に投入した。そしてこれらの原料を熔融炉内で高温状態に加熱して、熔融炉内で早期に均質な状態とし、その後ブッシング装置によってガラス繊維として成形したところ、ガラスの不均質に起因する糸切れ等の発生しない均質なガラスファイバとすることができた。またこのガラス繊維は、プリント配線基板に使用するFRP用のガラス繊維として他の性能についても申し分のないものであった。
次いで、液晶表示用等として利用され、固体撮像素子のカバーガラスやフィルターガラス材質、さらに建材用ガラスとしても使用されている板ガラスについて、そのガラス原料の調整方法として本発明のガラス熔融用混合原料の調整方法を適用して混合原料塊を得、それを利用して板ガラスを製造するに必要となる均質な熔融ガラスを得ることができるか評価した試験について、以下に説明する。そしてこの試験の内容と結果については、その全てを表1にまとめて示す。
この液晶用薄板ガラスは、構成元素がSi、Al、B及びR(R=Mg、Ca、Sr、Ba、Zn)よりなる無アルカリガラスであって、原料としてはSi、Al、Bは酸化物原料、Rは炭酸塩が使用されている。このガラス原料は、熔融温度を低下させるアルカリ金属元素成分が実質的に含まれない構成であるために、極めて難熔性であり、均質な熔融状態を実現するのが困難なものである。
まず試験1では、シリカ原料として平均粒径90μmの原料αを使用し、ガラス原料の全てについて、予めガラス1000g相当の原料を小数点3桁グラムの精度で秤量し、アルミナ製ボールミルを使用して2時間混合したバッチを作成した。次いで得られたバッチについて、3リットルの水を添加し、バッチが取り込んだ気体を脱気するため容器を転動させる手動操作を数回繰り返した後、ジルコニア製ボールミル(回転速度100rpm、ボール直径1.5〜2.5cm、ボール重量5.3kg)を使用して湿式環境下での粉砕処理を行った。
この操作で得られた粉砕処理物を乾燥操作として、常圧の大気雰囲気中で80℃、24時間乾燥し、続いてさらに100℃で72時間加熱して、最終的にケーキ状の固結体を得た。得られたケーキ状固結体について塊砕機で塊砕を行って混合原料塊とし、実施例1と同様の手順で嵩密度の計測など、混合原料塊についての一連の評価を行った。
また試験1では、シリカ原料として試験1と同様の粒径の原料を使用し、ガラス原料の全てについて、試験1と同様の精度で秤量し、タンブラーミキサーを使用して1時間混合したバッチを作成した。次いで得られたバッチについて、試験1では3リットルの水を添加し、バッチが取り込んだ気体を脱気するため容器を転動させる手動操作を数回繰り返した後、ジルコニア製ボールミル(回転速度100rpm、ボール直径1.5〜2.5cm、ボール重量5.3kg)を使用して湿式環境下での粉砕処理をおこなった。
この操作で得られた粉砕処理物を乾燥操作として、常圧の大気雰囲気中で100℃で85時間加熱して、最終的にケーキ状の固結体を得た。得られたケーキ状固結体については、塊砕して、前述したと同様に嵩密度の計測など、固結体の評価を行った。
さらに試験3では、シリカ原料として、予め平均粒径が10μmにまで微粉砕されたシリカ微粉末を使用して、試験1と同様の操作によって混合操作、粉砕操作を行い、最後の乾燥操作で110℃、90時間の加熱を行うことによってケーキ状固結体を得た。そして塊砕操作を行って得た混合原料塊について、同様の手順で嵩密度を計測した。その結果、試験1、試験2及び試験3について、混合原料塊の嵩密度は、それぞれ試験1が1.07g/ml、試験2が1.57g/ml、試験3が0.86g/mlとなり、さらに固結体の平均寸法は試験1が12mm、試験2が13mm、試験3が14mmであった。また固結体を構成する粒子の粒径加積曲線における有効粒径である平均粒径D50は、試験1が8μm、試験2が1.3μm、試験3が0.8μmであり、いずれも本発明の調整方法によって得られた混合原料塊として相応しいものが得られていることが判明した。
さらにそれぞれの試験で得られた混合原料魂について、ガラス熔融炉に投入した時の性能を評価するため、白金ロジウム坩堝を使用して間接電気抵抗炉内に1600℃、3時間保持した後、カーボンプレート上に流出させ、ガラスの初期熔解に関して、ガラスの均質度の評価を目視観察することによって従来の原料を使用した場合と比較して改善できたかどうかを調査した。その結果、いずれの試料についても脈理、泡の品位が改善され、均質な初期熔融が可能となることを確認できる品位であり、○判定であった。
以上の一連の評価によって、本発明のガラス熔融用混合原料は、難熔性の原料構成となるような場合であっても、高い初期熔解性を実現することのできるものであることが判明した。
次いで、実施例2の試験1にある原料構成を使用して、実際の板ガラス成形装置を備えたガラス熔融炉に混合原料塊を投入することで行った試験を示す。
まず、大型の原料調合設備で、各原料の秤量を行い、大型のアルミナボールミルを使用することよって10時間に亘り原料の混合操作及び粉砕操作を大気雰囲気中で行った。ちなみにボールミルでの最初の5時間は何ら添加はおこなわず、残りの5時間では水を添加して粉砕効率を向上させ、メカノケミカル粉砕を行った。
得られたスラリーは、耐熱性の朝底皿に拡げられ、そのままベルト加熱炉にて250℃の大気環境下で乾燥操作が行われた。得られたブロック状の固結体は碁盤の目状のブレードに押圧されて塊砕され、50mm角状の略立方体の混合原料魂となった。この混合原料魂を構成する粒子の粒径加積曲線における有効粒径であるD50は1.2μmであり、その嵩密度は、混合原料魂を入れる容器寸法のみ大きくしたものを使用して前記したと同様の方法によって嵩密度既知の珪砂を嵩密度未知の固結状態の混合原料塊と一緒に容器に充填することよって質量を計測し、他の諸量も計測して嵩密度を算出したところ、この固結状態の混合原料塊の嵩密度は1.1g/mlであることが判明した。
そしてこの混合原料塊をガラス熔融炉に投入して均質化を行い、最終的にオーバーフローダウンドロー法により画像入力装置に使用される薄板ガラスの成形を行ったところ、得られたガラス板の泡品位は0.01個/kg以下の極めて高い均質度を有する板ガラスの得られることが判明した。
以上により本発明のガラス熔融用混合原料を使用し、ガラス物品を製造することによって高い均質度を有するガラス物品を得ることのできることが明瞭となった。
上記本発明の技術は、ガラス原料固結体についての嵩密度の計測ばかりでなく、粉末ガラスの固結体や結晶混合粉末ガラス固結体の計測等にも使用することができるものである。
10 混合原料塊(嵩密度未知の固結体)
20 嵩密度既知の粉粒体
30 容器
20 嵩密度既知の粉粒体
30 容器
Claims (7)
- ガラス熔融炉に投入する混合原料粉体を固結させた混合原料塊の嵩密度についての計測方法であって、
容積及び質量既知の容器内に嵩密度既知の粉粒体と嵩密度未知の混合原料塊を充填し、充填された該容器の質量を測定することによって該嵩密度未知の混合原料塊の嵩密度の計測を行うことを特徴とするガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法。 - 混合原料塊が、複数種のガラス原料を混合、粉砕する工程により得られた混合原料粉体を固結工程により固結させたものであることを特徴とする請求項1に記載のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法。
- 嵩密度既知の粉粒体として粒径加積曲線における有効粒径であるD50が1μmから500μmの範囲にある粉粒体を使用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法。
- 混合原料塊が、加熱操作及び/又は乾燥操作によって得られたものであることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法。
- 請求項1から請求項4の何れかに記載のガラス熔融用混合原料塊の嵩密度計測方法によって嵩密度を特定され、混合原料塊を構成する原料粉体の粒径加積曲線における有効粒径であるD50が10μm以下であることを特徴とするガラス熔融用混合原料。
- 混合原料塊の平均外形寸法が2mm〜500mmの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載のガラス熔融用混合原料。
- 硼珪酸ガラス用、低アルカリガラス用、又は高アルミナ珪酸塩ガラス用の原料であることを特徴とする請求項5又は請求項6の何れかに記載のガラス熔融用混合原料。
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2005
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