JP5106340B2 - シリカ容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリカを主な構成成分とするシリカ容器及びその製造方法に関し、特には、低コスト、高寸法精度、高耐久性のシリカ容器及びその製造方法に関する。
シリカガラスは大規模集積回路(LSI)製造用投影露光装置(リソグラフィー装置)のレンズ、プリズム、フォトマスクやディスプレイ用TFT基板、ランプ用チューブ、窓材、反射板、半導体工業用洗浄容器、及びシリコン半導体溶融容器等の材料として用いられている。しかしながら、これらシリカガラスの原料としては高価な高純度処理された天然水晶粉や四塩化ケイ素等の化合物を用いなければならず、またシリカガラス溶融温度や加工温度は約2000℃と著しく高温であるため、エネルギー消費量が多く地球温暖化ガスの1つとして考えられる二酸化炭素の大量排出を引き起してしまう。
そこで従来、比較的安価な粉体原料等を用いたシリカガラスの製造方法が考えられてきた。
例えば特許文献1では、シリコンアルコキシドを加水分解してシリカゾルとし、次いでゲル化させてウエットゲルとし、乾燥によりドライゲルとし、最後に高温焼成により透明ガラス体を得る方法(ゾル−ゲル法)が示されている。また特許文献2では、テトラメトキシシランもしくは、テトラエトキシシランと、シリカ微粒子を含むシリカゾル溶液とから構成されるシリカゾル混合溶液から、ゾル−ゲル法によって透明シリカガラスを得る方法が示されている。また、特許文献3では、シリコンアルコキシド及びシリカ微粒子を主原料として、透明シリカガラスを製造する方法において、200℃〜1300℃未満の加熱処理は酸素ガス含有雰囲気で行い、更に1700℃以上に昇温させる加熱処理を水素ガス含有雰囲気で行い、かつ前記2つの加熱処理の間に減圧雰囲気加熱処理を行うことが示されている。
しかし、これら従来のゾル−ゲル法では、作製されたシリカガラスの寸法精度や耐久性に問題があるばかりではなく、コストの面でもそれほど安価ではなかった。
また、例えば特許文献4では、少なくとも2つの異なるシリカガラス粒子、例えばシリカガラス微粉末とシリカガラス粒を混合して水含有懸濁液とし、次いで加圧成形し、高温下で焼結してシリカ含有複合体を得る方法(スリップキャスト法)が示されている。また、特許文献5では、100μm以下のサイズのシリカガラス粒子と100μm以上のサイズのシリカガラス顆粒を含有する混合溶液(スリップ)の作製、成形型枠への注入、次いで乾燥、焼結により不透明シリカガラス複合材を作製する方法を示されている。
しかし、これら従来のスリップキャスト法では、乾燥工程や焼結工程での成形体の収縮が大きく、寸法精度の高い肉厚のシリカガラス成形体を作ることは出来なかった。
特開平7−206451号公報 特開平7−277743号公報 特開平7−277744号公報 特開2002−362932号公報 特開2004−131380号公報
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、高寸法精度、高耐久性の、シリカを主な構成成分とするシリカ容器を、投入エネルギー量を少なく、低コストで製造するためのシリカ容器の製造方法、並びにこのようなシリカ容器を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、シリカを主な構成成分とし、回転対称性を有するシリカ容器の製造方法であって、少なくとも、
(1)骨材となるシリカ粒子である第一の原料粉、非晶質シリカからなり、平均粒径が前記第一の原料粉の平均粒径よりも小さく、球状である第二の原料粉、及び、結晶質シリカからなり、前記第一の原料粉及び前記第二の原料粉よりもシリカ純度が高い第三の原料粉を準備する工程と、
(2)前記第二の原料粉を、少なくとも有機質バインダー及び純水と混合して混合スラリーとし、該混合スラリーを乾燥させることにより、バインダーコーティングされた顆粒体を作製する工程と、
(3)前記第一の原料粉と前記第二の原料粉から作製した顆粒体とを混合して混合粉体を作製する工程と、
(4)前記混合粉体を、回転対称性を有する外型枠の内壁に導入し、前記外型枠を回転させながら、前記混合粉体を前記外型枠に応じた所定形状とする工程と、
(5)前記所定形状とした混合粉体を、前記外型枠と内型枠とで挟み、該混合粉体を加圧することにより基体を成形する加圧成形工程と、
(6)前記基体を酸素含有雰囲気下で焼成することにより該基体を不透明シリカ層からなるものとし、該焼成した基体を少なくとも徐冷点から歪点までの温度域を徐冷して歪除去する工程と、
(7)前記基体の内側から前記第三の原料粉を散布して供給しながら前記基体の内側に配置した加熱源により溶融することで、前記基体の内表面上に、透明シリカガラス層を形成する工程と
を有し、前記(5)の工程終了後に前記(6)の工程及び前記(7)の工程を順不同で行うことを特徴とするシリカ容器の製造方法を提供する(請求項1)。
このような工程によるシリカ容器の製造方法であれば、収容する内容物への不純物汚染を十分に防止できる能力を有し、高寸法精度、高耐久性を有するシリカ容器を、少ないエネルギー消費量で、高生産性かつ低コストで製造することができる。
そして、本発明のシリカ容器の製造方法では、前記第一の原料粉を、シリカ塊を粉砕、整粒することにより作製したものとすることができる(請求項2)。
このように、第一の原料粉を、シリカ塊を粉砕、整粒することにより作製したものとすれば、より安価なシリカ原料から製造し、低コストのシリカ容器とすることができる。
またこのような、シリカ塊を粉砕、整粒することにより作製したシリカ粉を原料としても、本発明のシリカ容器の製造方法であれば、容器に収容する内容物への不純物汚染を十分に防止することができる。
また、本発明のシリカ容器の製造方法では、前記第一の原料粉のシリカ純度を99.9〜99.999wt.%とすることができる(請求項3)。
このように、本発明のシリカ容器の製造方法の場合、原料とする第一の原料粉のシリカ純度を99.9〜99.999wt.%と比較的低純度のものとしても、収容する内容物への不純物汚染を十分に防止することができる。
また、本発明のシリカ容器の製造方法では、前記第一の原料粉の粒径を0.05〜5mmとすることが好ましい(請求項4)。また、前記第二の原料粉の粒径を0.1〜10μmとすることが好ましい(請求項5)。
このように、第一の原料粉の粒径を0.05〜5mmとしたり、第二の原料粉の粒径を0.1〜10μmとしたりすれば、低コストで、高寸法精度、高耐久性等の長所を有するシリカ容器の製造をより確実に行うことができる。
また、前記混合粉体の加圧成形を、加圧圧力0.1〜1MPa、温度50〜300℃の範囲で行うことが好ましい(請求項6)。
このように、混合粉体の加圧成形を、加圧圧力0.1〜1MPa、温度50〜300℃の範囲で行えば、本発明に係るシリカ容器の製造をより確実に行うことができる。
また、前記混合粉体を作製する際の前記第一の原料粉と前記第二の原料粉との混合比を、(第二の原料粉)/{(第一の原料粉)+(第二の原料粉)}が5wt.%以上50wt.%未満であるようにすることが好ましい(請求項7)。
このように、混合粉体を作製する際の第一の原料粉と第二の原料粉との混合比を、(第二の原料粉)/{(第一の原料粉)+(第二の原料粉)}が5wt.%以上50wt.%未満であるようにすれば、シリカ容器の製造コストを十分に低減しながらも、寸法精度や耐久性を十分に確保することができる。
また、前記混合粉体をアルミニウム元素を含有するものとすることが好ましい(請求項8)。
このように、第一の原料粉と、第二の原料粉から作製した顆粒体との混合粉体を、アルミニウム元素を含有するものとすれば、不純物金属元素の容器内表面への拡散を防止する効果を付与することができる。
また、前記透明シリカガラス層を形成する工程の際の熱処理雰囲気に少なくとも水蒸気を含有させ、該透明シリカガラス層にOH基を50〜1000wt.ppmの濃度で含有させることが好ましい(請求項9)。
このように、透明シリカガラス層を形成する工程の際の熱処理雰囲気に少なくとも水蒸気を含有させ、透明シリカガラス層にOH基を50〜1000wt.ppmの濃度で含有させることによっても、不純物金属元素の容器内表面への拡散を防止する効果を付与することができる。
また、本発明のシリカ容器の製造方法は、前記第三の原料粉にカルシウム、ストロンチウム、バリウムの少なくとも一種を含有させる工程を有することが好ましい(請求項10)。
このように、第三の原料粉にカルシウム、ストロンチウム、バリウムの少なくとも一種を含有させる工程を有すれば、1300〜1600℃のような高温下でシリカ容器を使用する際に、透明シリカガラス層が再結晶化してクリストバライト層を形成して、収容する内容物への不純物汚染をより低減させることができるとともに、シリカガラス表面のエッチングや溶解を抑制することができる。
また、本発明のシリカ容器の製造方法では、前記透明シリカガラス層の厚さを0.1〜5mmとして形成することが好ましい(請求項11)。
このように、透明シリカガラス層の厚さを0.1mm以上として形成すれば、収容する内容物への汚染を十分に防止できる。また、透明シリカガラス層の厚さを5mm以下として形成すれば、製造に必要な投入エネルギーが大きくなりすぎることもなく、十分に低コストにシリカ容器を製造することができる。
また、前記有機バインダーをパラフィン系バインダーまたはステアリン酸系バインダーとすることができる(請求項12)。
このような有機バインダーを用いれば、低コストながらも高寸法精度、高耐久性を有する基体を構成することができる。その結果、シリカ容器の製造をより確実に低コストながらも高寸法精度、高耐久性を持たせて行うことができる。
また、前記シリカ容器を、シリコン単結晶引上げ用ルツボとして使用するものとすることができる(請求項13)。
このように、本発明のシリカ容器の製造方法によって製造されたシリカ容器は、シリコン単結晶引上げ用ルツボとして好適に使用することができる。その結果、シリコン単結晶製造のための総投入エネルギーや総コストを低減することができる。
また、前記第三の原料粉として、不純物量が、リチウム、ナトリウム、カリウムについては各々10wt.ppb以下、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、金については各々1wt.ppb以下のものを用いることが好ましい(請求項14)。
このように、第三の原料粉を、上記のような不純物量のものとすれば、シリカ容器から収容した内容物への不純物拡散が効果的に防止されるものであり、特には太陽電池用シリコン単結晶引き上げルツボとして好適に使用することができる。
また、本発明は、上記のいずれかのシリカ容器の製造方法によって製造されたシリカ容器を提供する。
このように、上記のいずれかのシリカ容器の製造方法によって製造されたシリカ容器であれば、少ないエネルギー消費量で、高生産性かつ低コストで製造されたシリカ容器であり、収容する内容物への不純物汚染を十分に防止できる能力を有し、高寸法精度、高耐久性を有するシリカ容器とすることができる。
また、本発明は、回転対称性を有するシリカ容器であって、少なくとも、前記シリカ容器は、その内側部分に、実質的に気泡を含有せず、無色透明であり、かさ密度が2.20〜2.21g/cmであり、厚さが0.1〜5mmである透明シリカガラス層を有し、前記透明シリカガラス層の外側に、気泡を含有し、白色不透明であり、かさ密度が1.90〜2.09g/cmであり、シリカ純度が99.9〜99.999wt.%である不透明シリカ層からなる基体を有するものであり、かつ、前記シリカ容器は、前記透明シリカガラス層がOH基を50〜1000wt.ppmの濃度で含有するものであること、前記透明シリカガラス層がカルシウム、ストロンチウム、バリウムの少なくとも一種を合計濃度値で50〜5000wt.ppm含有するものであること、及び、前記不透明シリカ層からなる基体がアルミニウムを30〜3000wt.ppm含有するものであることのうち、少なくともいずれか一つを満たすものであることを特徴とするシリカ容器を提供する。
このようなシリカ容器であれば、低コストのシリカ容器でありながらも、収容する内容物への不純物汚染を十分に防止できる能力を有し、高寸法精度、高耐久性を有する安価なシリカ容器とすることができる。
この場合、不透明シリカ層からなる基体のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの合計濃度が10〜100wt.ppmであることが好ましい。
このように、不透明シリカ層からなる基体のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの合計濃度が10〜100wt.ppmとすれば、シリカ容器の耐熱変形性をさらに向上させることができる。
以上のように、本発明に従うシリカ容器の製造方法であれば、安価なシリカ粉体を原料とし、これを成形、焼成して所定形状のシリカ容器を得るものであり、高寸法精度、高耐久性を有し、かつエネルギー消費量の少ない、高生産性かつ低コストの製造方法及びシリカ容器を得ることができる。
また、本発明に従うシリカ容器であれば、低コスト、低エネルギー消費量で得られるシリカ容器でありながらも、収容する内容物への不純物汚染を十分に防止できる能力を有するのみならず、高温で長時間使用しても熱変形しにくく、内容物による容器内表面のエッチングや溶解の少ない、高寸法精度、高耐久性を有するシリカ容器とすることができる。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に、以下では主に本発明を好適に適用できる一例として、太陽電池(太陽光発電、ソーラー発電)の材料とされる金属シリコン(Si)溶融用容器(ルツボ)として使用することができるシリカ容器の作製方法の説明を行うが、本発明はこれに限定されることなく、シリカを主な構成成分とするシリカ容器に広く適用することができる。
図1に、本発明に係るシリカ容器の製造方法の一例を示す。
(工程1:各原料粉の準備)
まず、図1の(1)に示すように、シリカ容器を製造するにあたって原料となるシリカ粉を準備する。なお、それぞれの原料粉は、少なくとも該原料粉を使用する工程の前に準備すれば良い。
ここで準備する原料粉は以下の通りである。
(a)骨材となるシリカ粒子である第一の原料粉11、
(b)非晶質シリカからなり、平均粒径が第一の原料粉の平均粒径よりも小さく、球状である第二の原料粉12、
(c)結晶質シリカからなり、第一の原料粉及び第二の原料粉よりもシリカ純度が高い第三の原料粉13。
なお、本明細書中では、シリカ純度(SiO純度)とは材料中のシリカ(SiO)分の割合を意味する。ただし、金属元素は不純物とするが、OH基やOガスは不純物としては考えない。
以下では、第一、第二、第三のそれぞれの原料粉の準備について一つずつ説明する。
(第一の原料粉)
第一の原料粉11は、本発明に係るシリカ容器のうち、不透明シリカ層からなる基体の骨材となるものであり、基体の主な構成材料となるものである。
この第一の原料粉は例えば以下のようにしてシリカ塊を粉砕、整粒することにより作製することができるが、これに限定されない。
まず、直径5〜50mm程度の天然シリカ塊(天然に産出する水晶、石英、珪石、珪質岩石、オパール石等)を大気雰囲気下、600〜1000℃の温度域にて1〜10時間程度加熱する。次いで該天然シリカ塊を水中に投入し、急冷却後取出し、乾燥させる。この処理により、次のクラッシャー等による粉砕、整粒の処理を行いやすくできるが、この加熱急冷処理は行わずに粉砕処理へ進んでもよい。
次いで、該天然シリカ塊をクラッシャー等により粉砕、整粒し、粒径を好ましくは0.05〜5mm、より好ましくは0.1〜1mmに調整して天然シリカ粉を得る。
次いで、この天然シリカ粉を傾斜角度を有するシリカガラス製チューブから成るロータリーキルンの中に投入し、キルン内部を塩化水素(HCl)又は、塩素(Cl)ガス含有雰囲気とし、800〜1100℃にて1〜10時間程度加熱することにより高純度化処理を行う。ただし高純度を必要としない製品用途では、この高純度化処理を行わずに次処理へ進んでもよい。
以上のような工程として得られる第一の原料粉は結晶質のシリカであるが、シリカ容器の使用目的によっては、第一の原料粉として非晶質のシリカガラススクラップを使用することもできる。
第一の原料粉の粒径は、上記のように、0.05〜5mmとすることが好ましく、0.1〜1mmとすることがより好ましい。
第一の原料粉のシリカ純度は、99.9wt.%以上とすることが好ましく、99.99wt.%以上とすることがさらに好ましい。また、本発明のシリカ容器の製造方法であれば、第一の原料粉のシリカ純度は99.999%以下と比較的低純度のものとしても、製造されるシリカ容器は、収容する内容物への不純物汚染を十分に防止することができる。そのため、従来よりも低コストでシリカ容器を製造することができることになる。
(第二の原料粉)
第二の原料粉12は、本発明に係るシリカ容器のうち、不透明シリカ層からなる基体を第一の原料粉11とともに構成する材料となるものである。この第二の原料粉12に必要な条件は非晶質シリカからなり球状であること(球状非晶質シリカ粉)と、平均粒径が第一の原料粉の平均粒径よりも小さいことである。
本発明のシリカ容器の製造方法において、基体を構成するために好ましい第二の原料粉12の粒径は0.1〜10μm、さらに好ましくは0.2〜5μmである。第二の原料粉12としての球状非晶質シリカ粉の作製方法は特に限定されないが、大きく分けて湿式法のゾル−ゲル法(アルコキシド法)と乾式法の溶融法(溶射法、燃焼法)があり、各種の公知の方法(例えば、「高純度シリカの応用技術」(株式会社シーエムシー、1991年3月1日発行、PP.306−310)に概要が記載されている)によって作製することができる。
なお、第一の原料粉11または第二の原料粉12に、例えば金属元素のアルミニウム(Al)を含有(ドープ)させておくと、製造するシリカ容器の不透明シリカ層からなる基体にアルミニウムを含有することができる。アルミニウムを含有させると、後述の透明シリカガラス層中にOH基を含有する場合の効果と同様に、不純物金属元素の拡散を低減させ、製造したシリカ容器の収容する被処理物に対する不純物金属元素の容器内表面への拡散を防止する効果があるので好ましい。
このアルミニウムの含有方法は特に限定されず、アルミニウムを含む溶液に原料粉を浸漬して含浸させ、次いで一定速度で引き上げて乾燥するなどの方法を用いることができる。
また、このアルミニウムのドープは、後述する、第一の原料粉と第二の原料粉(の顆粒体)とを混合粉体とした後に行ってもよい。ドープ濃度は30〜3000wt.ppmが好ましい。
(第三の原料粉)
第三の原料粉13として、透明シリカガラス層用の高純度のシリカ粉を準備する。
第三の原料粉の材質としては、高純度化処理された天然石英粉、天然水晶粉、又は合成クリストバライト粉、合成シリカガラス粉が考えられる。透明シリカガラス層の気泡量を少なくする目的であれば結晶質シリカ粉が好ましい。また、より高純度な透明シリカガラス層とする目的であれば、合成シリカガラス粉が好ましい。粒径は10〜500μm、好ましくは50〜200μmである。
第三の原料粉としては、純度はシリカ(SiO)成分が99.9999wt.%以上であることが好ましい。また、好ましくはアルカリ金属元素リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)の各々が10wt.ppb以下、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、金(Au)の各々が1wt.ppb以下である。
また、本発明によって製造するシリカ容器を、例えば太陽電池製造におけるシリコン単結晶連続引き上げ(マルチプリング)用容器のような、高耐久性が要求されるシリコン金属溶融用容器として用いる場合には、収容物のシリコン融液による透明シリカガラス層のエッチング溶解を低減する目的から、2族(2A族)のカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)の少なくとも1種以上を第三の原料粉に含有させることが好ましい。含有させる2族元素はSr又はBaであることがさらに好ましく、シリコン単結晶中に取り込まれづらい点からBaであることが特に好ましい。これらの2族元素が含有された第三の原料粉は、水又はアルコールに溶解する2族元素の塩化物、硝酸塩又は炭酸塩を選び、この化合物の水溶液又はアルコール溶液を作製し、この中にシリカ原料粉を浸漬させ、その後乾燥させることにより得ることができる。
(工程2:第二の原料粉をバインダーコーティングされた顆粒体とする工程)
次に、図1の(2)に示すように、上記した工程1において準備した第二の原料粉12をバインダーコーティングされた顆粒体とする。第二の原料粉をバインダーコーティングされた顆粒体とするには、例えば以下のような手順により行うことができる。
まず、第二の原料粉12を、少なくとも有機質バインダー及び純水と混合して混合スラリーとする。具体的には、顆粒体22のコアとなる球状非晶質シリカ粉である第二の原料粉12に、パラフィン系バインダー(融点40〜70℃)又はステアリン酸系バインダー(融点70〜150℃)を好ましくは重量比率1〜10wt.%程度さらに好ましくは2〜5wt.%程度混合し粘性値10〜20mPa・sとなるように純水を加え(水分率としては重量比で40〜60%程度)、その後20〜30μmに設定されたメッシュフィルターにより異物を除去して混合スラリー(シリカスラリー、懸濁液)を作製する。
有機バインダーは上記のパラフィン系バインダー、ステアリン酸系バインダーに限定されるものではないが、これらであれば、安価でありながらも安定して顆粒体22を作製でき、基体を作製できるので好ましい。
また、有機バインダーはその他ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル系バインダー、グリセリン等を適宜複数種類混合してもよい。
この混合スラリーを乾燥させることにより、バインダーコーティングされた顆粒体22を作製する。混合スラリーの乾燥方法は特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥機(スプレードライヤー)に投入してバインダーが表面にコーティングされている球状非晶質シリカ粉の顆粒体を作製することができる。このスプレードライヤーは円柱状のホッパー型チャンバーと該チャンバーの上部に設置された混合スラリーを噴霧する装置(アトマイザー)と、該チャンバーの横に設置された熱風給気ダクトと該チャンバー下部に設置された顆粒体捕集口からなる。熱風給気ダクトから流出する空気温度は使用するバインダーの融点より高く設定する必要があり、100〜250℃の範囲に設定する。これにより作製される顆粒体22は、バインダーが表面にコーティングされた球状非晶質シリカ粉の集合体であり、粒径20〜200μmの範囲で所定の平均粒径に設定することが可能である。
(工程3:第一の原料粉と、第二の原料粉の顆粒体との混合)
次に、図1の(3)に示すように、第一の原料粉11と、第二の原料粉12から作製した顆粒体22とを均一に混合して混合粉体31を作製する。
第一の原料粉と第二の原料粉の顆粒体の混合手法としては、比較的量が少ない場合には、V型ミキサー等を用いることもできるが、これに限定されない。
この混合粉体31を作製する際の第一の原料粉11と第二の原料粉12の混合比としては、(第二の原料粉)/{(第一の原料粉)+(第二の原料粉)}が5wt.%以上50wt.%未満であるようにすることが好ましく、10wt.%以上30wt.%以下とすることがさらに好ましい。これは以下のような理由による。
すなわち、製造コストを低減させる目的からは、なるべく第一の原料粉を多い割合とすることが好ましいからである。混合粉体中の第二の原料粉の混合比率を5wt.%以上とすれば、成形、焼成後のシリカ容器基体の空隙が多くなりすぎることもなく、かさ密度を十分に高くすることができる。その結果、シリカ容器の寸法精度や耐熱性を確保できる。
また、第二の原料粉の混合比率が高いほど、成形、焼成後のシリカ容器基体の空隙が少なくなり、かさ密度がシリカガラスの値の2.2g/cmに近づき、シリカ容器の寸法精度や耐熱性をより確保できるし、混合比率が50wt.%未満であれば、製造コストを十分に低く抑えることができる。
(工程4:混合粉体の外型枠への導入)
次に、図1の(4)に示すように、混合粉体31を成形するための回転対称性を有する外型枠に導入する。
この工程の様子を模式的に図3(a)に示す。
まず、図3(a)に示すように、混合粉体31を回転する外型枠101の内壁部へ徐々に投入し、回転による遠心力を利用しつつ、混合粉体31を外型枠101の内壁の形状に応じた所定の形状とする。またこのとき、内側成形用枠102等を利用して混合粉体31の内側形状を整えてもよい。
また、この混合粉体31の外型枠101への供給方法は特に限定されないが、例えば、攪拌用スクリュー104と計量フィーダ105を備えるホッパー103を用いることができる。この場合、ホッパー103に充填された混合粉体31を、攪拌用スクリュー104で攪拌し、計量フィーダ105で供給量を調節しながら供給する。
(工程5:混合粉体の加圧成形)
次に、図1の(5)に示すように、所定形状とした混合粉体31を、外型枠と内型枠とで挟み、混合粉体31を加圧することにより基体を成形する。
この工程の様子を模式的に図3(b)、(c)に示す。
まず、図3(b)に示すように、上記工程4で所定形状とした混合粉体31に、内型枠となるプランジャ111を挿入し、外型枠101の回転を停止する。その後、プランジャ111を加圧し、0.1〜1MPaの所定の圧力に調整しつつ混合粉体31の温度が50〜300℃の所定の温度に達するまで昇温し、ある程度圧密して、バインダーが溶着するまで保持する。
次いで、図3(c)に示すように、プランジャ111を引き抜き室温まで放冷し、混合粉体31を加圧成形した基体51を得る。
(工程6:雰囲気加熱処理による基体の焼成)
この工程では、まず、基体51を酸素含有雰囲気下で焼成することにより基体51を不透明シリカ層からなるものとする。
図5を参照しながら説明する。
基体51を外型枠101から取り出し、高純度アルミナボードを保温材とし、二珪化モリブデンをヒーター306とする電気抵抗加熱炉301内に設置する。なお、電気抵抗加熱炉301は、その他、雰囲気ガスを供給するガス供給口302、雰囲気ガスを排出するガス排出口303、ガス供給口302、ガス排出口303を通過するガスをそれぞれ制御する開閉バルブ304、305等を具備している。
なお、後述の工程7(透明シリカガラス層形成)を工程6(基体焼成、歪除去)よりも先に行う場合には、図5の基体51には既に透明シリカガラス層56が形成されていることになる。
次いで、酸素ガス含有雰囲気にて、室温から1000℃に至るまで50℃/時間〜200℃/時間の昇温速度にて昇温し、基体に含まれているバインダー等の有機物質を酸化、燃焼、除去する。次いで1000℃から1200〜1500℃に至るまでに、20℃/時間〜100℃/時間にて昇温し、引き続き1200〜1500℃好ましくは1300〜1400℃の範囲の所定温度にて、1〜10時間保持し、シリカ基体51中の第一の原料粉11であるシリカ骨材と第二の原料粉12の顆粒体22の混合粉体31を焼結させる。焼結中の電気抵抗加熱炉301内の雰囲気は酸素ガス含有雰囲気のままでも良いし、又は窒素ガス100%雰囲気とする事も可能であり、原料粉の特性に対応して、任意に選定することが出来る。
次に、焼成した基体51を少なくとも徐冷点(約1150℃)から歪点(約1050℃)までの温度域を徐冷して歪除去する。
例えば、焼成完了後、1150℃程度の温度(シリカガラスの除冷点付近)まで降温し、次いで950℃程度(シリカガラスの歪点以下)まで5℃/時間〜20℃/時間で徐々に降温を行い、シリカ容器基体51の残留歪を除去し、室温まで放冷させる。
(工程7:放電溶融法による仮成形体(以下、シリカ基体)内表面上への透明シリカガラス層の形成)
この工程では、基体51の内側から第三の原料粉13を散布して供給しながら基体13の内側に配置した加熱源により溶融することで、基体51の内表面上に、透明シリカガラス層を形成する。基本的な形成方法は、例えば特公平4−22861及び特公平7−29871に示される内容に従う。図4を参照しながら説明する。
シリカ基体の内表面上への透明シリカガラス層を形成する装置は回転軸対称性を有する回転可能な外型枠201、回転モーター(図示せず)、及び透明シリカガラス層56形成用の第三の原料粉13が入ったホッパー203、ホッパー203内で第三の原料粉13を攪拌する攪拌用スクリュー204、計量フィーダ205、及び放電溶融(アーク溶融)の熱源となるカーボン電極212、電線、高圧電源ユニット211から成る。
なお、この工程で用いる外型枠201は、工程5の外型枠101と同一でも構わない。
該透明シリカガラス層の形成手段としては、先ず外型枠を所定の回転速度に設定し、高圧電源ユニットから徐々に高電圧を負荷するのと同時に原料ホッパー203から徐々に透明シリカガラス層形成用高純度シリカ粉を基体上部から散布する。この時カーボン電極間に放電は開始されており、シリカ基体内部はシリカ粉の溶融温度域(1800〜2000℃程度と推定)にあるため、散布されたシリカ粉はシリカの溶融粒子となってシリカ基体の内表面に付着して行く。シリカ基体の上部開口部に設置されているカーボン電極、原料粉投入口、蓋213はシリカ基体に対してある程度位置が変化させられる機構となっており、これらの位置を変化させることにより、シリカ基体51の全内表面に均一厚さで透明シリカガラス層56を形成することができる。透明シリカガラス層56は、実質的に気泡を含有せず、無色透明である。
なお、透明シリカガラス層56の厚さは0.1〜5mmとして形成することが好ましい。透明シリカガラス層の厚さは0.1mm以上であれば、収容する内容物への汚染を十分に防止できる。また、透明シリカガラス層の厚さが5mm以下であれば、製造に必要な投入エネルギーが大きくなりすぎることもなく、十分に低コストにシリカ容器を製造することができる。
放電溶融中のシリカ基体内部の雰囲気ガスはカーボン電極の消耗を少なくするために、一般に窒素ガス(N)100%を用いるが水素ガス(H)含有雰囲気にするとより気泡の少ない高純度な透明シリカガラス層56が得られる。また、この雰囲気ガス中の水蒸気含有濃度を制御することにより、透明シリカガラス層56中のOH基濃度を所定の値に設定することが出来る。OH基を含有させる効果としては、例えば基材の中に含まれるアルカリ金属元素等の不純物金属元素の拡散を低減させることにより、シリカ容器として使用するときに中に入れる被処理物質に対する汚染を防止することが出来る。透明シリカガラス層56中のOH基濃度としては、50〜1000wt.ppmとすることが好ましい。50wt.ppm以上であれば不純物元素の拡散低減効果を十分に得ることができ、1000wt.ppm以下であれば、シリカガラスの化学的安定性、特に、シリコン融液に対する対エッチング性も十分に保持したままとすることができる。
透明シリカガラス層を形成するための第三の原料粉13は最終的に製造されるシリカ容器の用途により、高純度のシリカ粉としたり、特定の元素を所定濃度で含有させたシリカ粉を用いることが可能である。
例えば、結晶化促進剤としてアルカリ土類金属元素のカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)を第三の原料粉13に含有させておくと、透明シリカ層にこれらの元素が含有されることになる。含有濃度は、これらアルカリ土類金属元素の合計値として50〜5000wt.ppmの範囲とすることが好ましい。そしてシリカ容器として1300〜1600℃下で使用する時、透明シリカ層が再結晶化してクリストバライト層を形成し、基体に含まれる不純物金属元素の容器内被処理物(例えばシリコン融液)に対する拡散汚染を防止したり、また表面のエッチングや溶解を低減させることが可能となる。
なお、上記工程6と工程7は順不同で行うことができる。工程7を工程6よりも先に行う場合を、図2に示す。
この場合、透明シリカガラス層56が高温で焼成されることになるので、工程6を工程7よりも先に行うことが好ましいことが多い。
このようにして、本発明のシリカ容器71を得ることができるが、必要に応じて以下のようにシリカ容器の洗浄を行う。
(シリカ容器の洗浄、乾燥)
例えば、フッ化水素酸水溶液(HF)1〜10%程度にて、5〜30分間の表面エッチングを行い、次いで純水で洗浄し、クリーンエア中で乾燥させてシリカ容器を得る。
図6に、本発明に係るシリカ容器の製造方法の各製造工程におけるシリカ容器の断面の様子を模式的に示した。なお、ここでは工程6(基体焼成、歪除去)を工程7(透明シリカガラス層形成)よりも先に行った場合を示している。
図6(a)は、工程5で基体51を形成した直後である。右側の拡大図に示すように、第一の原料粉11の骨材としての構造、第二の原料粉12の球状非晶質シリカ粉の構造がそのまま残っている。また、原料粉一つ一つの間には微小空隙が存在している。
図6(b)は、工程6で基体51を焼成、歪除去した直後である。右側の拡大図に示すように、第一の原料粉11を元にした粒状の構造が残留しており、ところどころ気泡が見られる。このように気泡が存在するため、基体51は全体としては不透明であり、部分的には半透明な部分を有する。
図6(c)は、本発明の製造方法によって製造したシリカ容器を示しており、工程7で基体51の内表面に透明シリカガラス層56を形成した後である。右側の拡大図に示すように、実質的に気泡を含有せず、無色透明である透明シリカガラス層56を有している。また、透明シリカガラス層56のかさ密度は典型的には2.20〜2.21g/cmでである。透明シリカガラス層56の外側には、気泡を含有し、白色不透明である透明シリカ層からなる基体51を有している。基体51のかさ密度は、典型的には1.90〜2.09g/cmとなる。基体51のシリカ純度は99.9〜99.999wt.%であれば十分である。また、基体51のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)の合計濃度を10〜100wt.ppmとしておくと、シリカ容器をルツボとして使用するときに、1400〜1600℃の高温下で基体中にクリストバライト等の微結晶が生成し、耐熱変形性を向上させることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した本発明のシリカ容器の製造方法に従い、シリカ容器を以下のように製造した。
まず、第一の原料粉11を以下のように準備した。
天然珪石を100kg準備し、大気雰囲気下で、1000℃、10時間の条件で加熱後、純水の入った水槽へ投入し、急冷却した。これを乾燥後、クラッシャーを用いて粉砕し、粒径0.1〜1mm、シリカ(SiO)純度99.999wt.%、総重量80kgのシリカ粉(天然珪石粉)とした。
また、以下のように、第二の原料粉12を準備した。
溶融法によって球状非晶質シリカ粉(第二の原料粉)を合成した。この球状非晶質シリカ粉は、粒径0.3〜2μm、平均粒径0.6μm、平均比表面積5m/g、重量20kgであった。
このようにして準備した第二の原料粉を、以下のようにしてバインダーコーティングされた顆粒体22とした。
第二の原料粉20kgに対して、パラフィン系バインダー(融点55℃)200g、ステアリン酸系バインダー(融点100℃)200g、純水5kgを混合し、混合スラリーを作製した。この混合スラリーを、スプレードライヤーにより乾燥させ、バインダーコーティングされた顆粒体22を作製した。このバインダーコーティングされた球状非晶質シリカガラスの顆粒体の、顆粒径は10〜100μmであり、平均は50μmであった。
また、第三の原料粉13として、粒径50〜300μm、シリカ純度99.9999wt.%以上の、高純度処理を施した天然石英粉を、重量10kg準備した。
次に、V型混合器を使用し、第一の原料粉11と第二の原料粉の顆粒体22を均一に混合し、混合粉体31とした。
混合比は第一の原料粉80wt.%に対して第二の原料粉の顆粒体20wt.%とした(すなわち、重量混合比(第二の原料粉)/{(第一の原料粉)+(第二の原料粉)}=20wt%)。
次に、図3(a)に示すように、回転する円筒型ステンレススチール製外型枠101の内側へ混合粉体31を投入し、外型枠101の形状に合わせて均一の厚さになるように混合粉体31の形状を調整した。
次に、図3(b)、(c)に示すように、外型枠101内部にステンレススチール製内型枠(プランジャ)111を挿入し、約3t加重により混合粉体31に0.1MPa(1kgf/cm)の圧力で加圧しつつ、プランジャ111を加熱することにより100℃に昇温して1時間保持した。
プランジャ111を引抜き、混合粉体31の成形体を形成し、これを基体51とした。基体51の寸法は外径300mm、高さ300mm、厚さ10mmであった。
次に、図5に示すように、基体51の焼成及び歪除去処理(アニール処理)を以下のようにして行った。
二珪化モリブデンヒータ306を具備する、炉内寸法1m×1m×1mの高純度アルミナボードの耐熱材からなる電気抵抗加熱炉301内に基体51を設置した。そして、室温から1000℃まで200℃/時間の昇温速度で約5時間かけて昇温、1350℃まで20℃/時間の昇温速度で昇温した後、1350℃にて3時間保持した。
次いで1350℃から1150℃まで100℃/時間の降温速度で降温、1150℃から900℃まで10℃/時間の降温速度で降温し、除冷を行い、歪除去を行った。
次いで放冷して室温に戻した。
次に、図4のように、放電溶融(アーク溶融)によって透明シリカガラス層を形成した。
外型枠201に入っている基体51の内部にカーボン電極212を挿入し、透明シリカガラス層形成用原料供給口、蓋213を設定した。その後、外型枠201を回転しながら、第三の原料粉を徐々に投入しつつカーボン電極212で放電加熱(電気アーク加熱)した。
透明シリカガラス層56を厚さ約3mm形成した。
このようにして製造したシリカ容器71を5%フッ酸水溶液(HF)にて5分間洗浄後、純水洗浄し、乾燥させた。
(実施例2)
実施例1と同様に、ただし、第三の原料粉13としてバリウムをドープさせたものを準備し、透明シリカガラス層の形成のために用いてシリカ容器71の製造を行った。
具体的には、第三の原料粉13の準備を以下のようにして行った。
まず、実施例1の場合と同様に、粒径50〜300μm、シリカ純度99.9999wt.%以上の高純度処理した天然石英粉を10kg準備した。
また、硝酸バリウム(Ba(NO)100gをエチルアルコールCOH50wt.%を含む水溶液5Lを入れ、溶解させてバリウム含有溶液を作製した。
その後、円筒型シリカガラス製容器の中に上記高純度処理した天然石英粉を入れ、次いでバリウム含有溶液を入れ、撹拌し、クリーンオーブン内で100℃にて乾燥し、バリウムを含有する天然石英粉を作製し、第三の原料粉13とした。
このようにして準備したバリウムがドープされた第三の原料粉13を用いて以後は実施例1と同様にシリカ容器71の製造を行った。
(実施例3)
実施例2と同様に、ただし、以下のように製造条件を変更してシリカ容器71の製造を行った。
すなわち、第一の原料粉11を天然珪石粉(結晶質)とシリカガラス粉の混合粉(平均粒径0.5〜2mm、平均シリカ純度99.999wt.%)とした。また、第二の原料粉12を準備する際に、アルミニウムをドープさせた。また、第一の原料粉と第二の原料粉の混合比を第一の原料粉70wt.%に対して第二の原料粉の顆粒体30wt.%とした。また、基体51の焼成を温度1350℃、1時間で行った。また、第三の原料粉13をバリウムをドープしたものとし、透明シリカガラス層を形成する際に基体内部に水素(H)ガス10%と水蒸気を含んだ窒素(N)ガスを一定流量で供給しつつカーボン電極で放電加熱して、OH基とバリウム(Ba)を含有する厚さ3mmの透明シリカガラス層を形成してシリカ容器71の製造を行った。
(実施例4)
実施例3と同様に、ただし、第一の原料粉11として粒径2〜4mm、シリカ純度99.98wt.%のシリカガラススクラップ粉を、第三の原料粉13として、高純度処理した天然石英粉の代わりに合成クリストバライト粉を用いてシリカ容器71の製造を行った。また、基体51の焼成を1250℃、1時間とした。
(比較例1)
概ね従来法に従ってシリカ容器(シリカルツボ)を作製した。
実施例1とは以下のように異なる。
まず、第一の原料粉に相当するものとしてシリカ純度99.9999wt.%以上の高純度である天然石英粉(粒径50〜300μm)を用いた。また、ルツボ基体(不透明シリカ層)を作製する際に第二の原料粉に相当するものを用いず、上記第一の原料粉に相当する高純度処理した天然石英粉のみを用いた。また、ルツボ基体の焼成を独立して行わず、第三の原料粉から透明シリカガラス層を形成する際の温度、雰囲気条件で内面からのカーボン電極放電加熱により基体を焼結させるものとした。
(比較例2)
比較例1と同様に、ただし、原料粉を低純度のシリカガラススクラップ粉(粒径50〜300μm)を用いると共に、不純物拡散防止を目的として第三の原料粉にアルミニウムをドープさせ、シリカ容器を作製した。
[実施例及び比較例における評価方法]
各実施例及び比較例において製造したシリカ容器の物性、特性評価を以下のようにして行った。
(気泡含有量の測定方法)
シリカ容器の基体及び透明シリカガラス層における気泡含有量の測定について、各々任意の位置3箇所から寸法10mm×10mm×厚さ1.2mmサンプルを切り出す。次いで該サンプルについて両面平行鏡面研磨を行い、寸法を10mm×10mm×厚さ1mmとする。これを実体顕微鏡により観察し、視野をスキャンさせつつ気泡の数量をカウントする。該サンプルにおける気泡数量を10倍することにより単位体積(cm)当たりの気泡数を求めた。この時サンプル中の気泡含有量に従って、観察しやすいようにサンプル厚さを調整した。
(不純物金属元素濃度分析)
透明シリカガラス層と、不透明シリカ層からなる基体の不純物金属元素濃度を以下のように測定した。
不純物金属元素濃度が比較的低い(高純度である)場合は、プラズマ発光分析法(ICP−AES、Inductively Coupled Plasma − Atomic Emission Spectroscopy)又はプラズマ質量分析法(ICP−MS、Inductively Coupled Plasma − Mass Spectroscopy)で行い、不純物金属元素濃度が比較的高い(低純度である)場合は、原子吸光光度法(AAS、Atomic Absorption Spectroscopy)で行った。
(かさ密度(比重))
水槽と精密重量計を使用して、アルキメデス法により測定した。
(シリコン単結晶連続引き上げ(マルチプリング)評価)
シリカ容器の中に純度99.99999wt.%の金属ポリシリコンを投入し、昇温を行いシリコン融液とし、次いでシリコン単結晶の引上げを10回繰り返して行い(マルチ引上げ)、単結晶育成の成功率(%)として評価した。引上げ条件は、CZ装置内を10Paアルゴン(Ar)ガス100%雰囲気で、引上げ速度0.5mm/分、シリコン単結晶寸法、直径100mm、長さ100mmとした。単結晶育成10回繰り返しの成功率の評価分類は以下の通りとした。
80%以上 ◎(特に良好)
60以上〜80%未満 ○(良好)
40以上〜60%未満 △(やや不良)
40%未満 ×(不良)
(シリカ容器の透明シリカガラス層の不純物拡散防止効果)
製造したシリカ容器を高純度アルミナボードの耐熱材とし、二珪化モリブデンをヒーターとする電気炉内に設置し、大気雰囲気、1450℃、24時間加熱処理を行う。次いで、該容器の内表面部分の厚さ30μmをフッ化水素酸(HF)50%水溶液にて溶解エッチング処理を行い、このエッチング溶液のアルカリ金属元素濃度値を分析することにより、シリカ純度の低い容器基体から高純度透明シリカガラス層への不純物金属元素の拡散が多かったか、少なかったかを評価した。
内表面厚さ30μm部分におけるLi、Na、Kの合計濃度値による分類は以下の通りとした。
1wt.ppm未満 ○(良好)
1以上〜10wt.ppm未満 △(やや不良)
10wt.ppm以上 ×(不良)
(シリカ容器の内表面再結晶化効果)
製造したシリカ容器を、高純度アルミナボードを耐熱材とし二珪化モリブデンをヒーターとする電気炉内に設置し、大気雰囲気、1450℃、6時間加熱処理を行う。次いで該容器内表面部分の白色失透(クリストバライト結晶)部分を目視観察することにより再結晶化効果を評価した。再結晶化効果の評価分類は以下の通りとした。
全内表面積の80%以上が白色失透化 ○(良好)
全内表面積の50%以上〜80%未満が白色失透化 △(やや不良)
全内表面積の50%未満が白色失透化 ×(不良)
(各原料粉の粒径測定方法)
光学顕微鏡又は電子顕微鏡で各原料粉の形状観察及び面積測定を行い、形状を真円と仮定し、その面積値から直径を計算した。この手法を統計的に繰り返し行い、粒径の範囲の値とした。
(シリカ容器の耐熱変形性)
シリコン単結晶10回連続引上げ後の、シリカ容器最上部の容器内側への倒れ込み量を評価した。耐熱変形性の評価分類は以下の通りとした。
内側への壁の倒れ込み量 1cm未満 ○(良好)
内側への壁の倒れ込み量 1〜5cm △(やや不良)
内側への壁の倒れ込み量 5cm以上 ×(不良)
実施例1〜4、比較例1〜2で製造したそれぞれのシリカ容器の製造条件と、測定した物性値、評価結果をまとめ、下記の表1〜3に示す。
Figure 0005106340
Figure 0005106340
Figure 0005106340
表1〜3からわかるように、本発明に係るシリカ容器の製造方法に従った実施例1〜4では、比較例1より安価で、高生産性で供給できる低純度シリカ粒子を用いているにもかかわらず、単結晶引上げにおいて比較例1の従来のシリカ容器と遜色ない結果を出せるシリカ容器を製造することができた。
また、透明シリカガラス層へのバリウムドープを行った実施例2、基体へのアルミニウムドープに加え、透明シリカガラス層へのバリウムやOH基のドープを行った実施例3、4は特に耐熱変形性、耐久性、不純物拡散防止効果が高かった。
比較例2のシリカ容器は、低コストで製造できたものの、耐熱変形性、耐久性が低く、また、不純物の拡散防止効果が薄かった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係るシリカ容器の製造方法の一例を示すフローチャート図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法の別の一例を示すフローチャート図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法の製造工程の一部を模式的に示す説明図である。 本発明に係る透明シリカガラス層の形成工程の一例を模式的に示す説明図である。 本発明に係る焼成工程の一例を模式的に示す説明図である。 本発明に係るシリカ容器の製造方法の各製造工程におけるシリカ容器の断面の様子を模式的に示す説明図である。
符号の説明
11…第一の原料粉、 12…第二の原料粉、 13…第三の原料粉、
22…バインダーコーティングされた顆粒体、
31…第一の原料粉と第二の原料粉の顆粒体の混合粉体、
51…基体、
56…透明シリカガラス層、
71…シリカ容器、
101…外型枠、 102…内側成形用枠、
103…ホッパー、 104…攪拌用スクリュー、 105…計量フィーダ、
111…内型枠(プランジャ)、
201…外型枠、
203…ホッパー、 204…攪拌用スクリュー、 205…計量フィーダ、
211…高電圧電源ユニット、 212…カーボン電極、 213…蓋、
301…電気抵抗加熱炉、 302…ガス供給口、 303…ガス排出口、
304、305…開閉バルブ、 306…ヒーター。

Claims (16)

  1. シリカを主な構成成分とし、回転対称性を有するシリカ容器の製造方法であって、少なくとも、
    (1)骨材となるシリカ粒子である第一の原料粉、非晶質シリカからなり、平均粒径が前記第一の原料粉の平均粒径よりも小さく、球状である第二の原料粉、及び、結晶質シリカからなり、前記第一の原料粉及び前記第二の原料粉よりもシリカ純度が高い第三の原料粉を準備する工程と、
    (2)前記第二の原料粉を、少なくとも有機質バインダー及び純水と混合して混合スラリーとし、該混合スラリーを乾燥させることにより、バインダーコーティングされた顆粒体を作製する工程と、
    (3)前記第一の原料粉と前記第二の原料粉から作製した顆粒体とを混合して混合粉体を作製する工程と、
    (4)前記混合粉体を、回転対称性を有する外型枠の内壁に導入し、前記外型枠を回転させながら、前記混合粉体を前記外型枠に応じた所定形状とする工程と、
    (5)前記所定形状とした混合粉体を、前記外型枠と内型枠とで挟み、該混合粉体を加圧することにより基体を成形する加圧成形工程と、
    (6)前記基体を酸素含有雰囲気下で焼成することにより該基体を不透明シリカ層からなるものとし、該焼成した基体を少なくとも徐冷点から歪点までの温度域を徐冷して歪除去する工程と、
    (7)前記基体の内側から前記第三の原料粉を散布して供給しながら前記基体の内側に配置した加熱源により溶融することで、前記基体の内表面上に、透明シリカガラス層を形成する工程と
    を有し、前記(5)の工程終了後に前記(6)の工程及び前記(7)の工程を順不同で行うことを特徴とするシリカ容器の製造方法。
  2. 前記第一の原料粉を、シリカ塊を粉砕、整粒することにより作製したものとすることを特徴とする請求項1に記載のシリカ容器の製造方法。
  3. 前記第一の原料粉のシリカ純度を99.9〜99.999wt.%とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ容器の製造方法。
  4. 前記第一の原料粉の粒径を0.05〜5mmとすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  5. 前記第二の原料粉の粒径を0.1〜10μmとすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  6. 前記混合粉体の加圧成形を、加圧圧力0.1〜1MPa、温度50〜300℃の範囲で行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  7. 前記混合粉体を作製する際の前記第一の原料粉と前記第二の原料粉との混合比を、(第二の原料粉)/{(第一の原料粉)+(第二の原料粉)}が5wt.%以上50wt.%未満であるようにすることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  8. 前記混合粉体をアルミニウム元素を含有するものとすることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  9. 前記透明シリカガラス層を形成する工程の際の熱処理雰囲気に少なくとも水蒸気を含有させ、該透明シリカガラス層にOH基を50〜1000wt.ppmの濃度で含有させることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  10. 前記第三の原料粉にカルシウム、ストロンチウム、バリウムの少なくとも一種を含有させる工程を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  11. 前記透明シリカガラス層の厚さを0.1〜5mmとして形成することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  12. 前記有機バインダーをパラフィン系バインダーまたはステアリン酸系バインダーとすることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  13. 前記シリカ容器を、シリコン単結晶引上げ用ルツボとして使用するものとすることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  14. 前記第三の原料粉として、不純物量が、リチウム、ナトリウム、カリウムについては各々10wt.ppb以下、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、金については各々1wt.ppb以下のものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のシリカ容器の製造方法。
  15. 回転対称性を有するシリカ容器であって、少なくとも、
    前記シリカ容器は、その内側部分に、実質的に気泡を含有せず、無色透明であり、かさ密度が2.20〜2.21g/cmであり、厚さが0.1〜5mmである透明シリカガラス層を有し、前記透明シリカガラス層の外側に、気泡を含有し、白色不透明であり、かさ密度が1.90〜2.09g/cmであり、シリカ純度が99.9〜99.999wt.%である不透明シリカ層からなる基体を有するものであり、
    かつ、前記シリカ容器は、
    前記透明シリカガラス層がOH基を50〜1000wt.ppmの濃度で含有するものであること、
    前記透明シリカガラス層がバリウムを50〜5000wt.ppm含有するものであること、
    及び、前記不透明シリカ層からなる基体がアルミニウムを30〜3000wt.ppm含有するものであること
    のうち、少なくともいずれか一つを満たすものであることを特徴とするシリカ容器。
  16. 前記不透明シリカ層からなる基体のリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの合計濃度が10〜100wt.ppmであることを特徴とする請求項15に記載のシリカ容器。
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