JP2007211025A - オリゴヌクレオチド類似体 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図2
Description
この発明は、2環式および3環式ヌクレオシド類似体の分野および、1本鎖および2本鎖核酸と、核塩基(nucleobase)特異性な2重らせんおよび3重らせんを形成しうる合成オリゴヌクレオチド類の製造において有用な、そのようなヌクレオシド類似体の合成に関する。これら複合体は普通の核酸とから形成された対応する複合体よりも高い熱安定性を示す。この発明はまた、2環式および3環式ヌクレオシド類似体の分野、および治療薬として用いることができかつ、鋳型依存性核酸ポリメラーゼによりオリゴヌクレオチドに組み込むことができる、そのようなヌクレオシド類の製造にも関する。
合成オリゴヌクレオチド類は、分子生物学およびDNAベースの診断と治療のような異種の分野で広く用いられている化合物である。
治療においては例えば、オリゴヌクレオチド類は、特定のmRNA(メッセンジャーRNA)の生体内での翻訳をブロックしそれによって細胞/有機体にとって望ましくないかあるいは有害であるタンパク質の合成を妨げるのに、有効に用いられてきた。このオリゴヌクレオチド媒介の翻訳ブロックの概念は、"アンチセンス"アプローチとして知られている。機構的には、このハイブリッド化するオリゴヌクレオチドは、翻訳プロセスに対して物理的なブロックを作るかあるいは2重らせんのmRNA部分を特異的に退化させる細胞酵素(RNAseH)をリクルート(recruit)することによって、その効果を惹起すると考えられる。
分子生物学において、オリゴヌクレオチドは、例えば(i)ターゲット核酸の捕捉、同定および定量におけるハイブリダイゼーションプローブとして、 (ii)ターゲット核酸の精製の親和性プローブとして、(iii)配列決定反応およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のようなターゲット増幅プロセスにおけるプライマーとして、(iv)核酸をクローンし、突然変異化させるものとして、(vi)巨大分子構造集合体での基礎単位として種々の目的に日常的に用いられる。
上に概説した様々の広範な適用において有用であるためには、オリゴヌクレオチドは種々の多くの要件を満たさなくてはならない。アンチセンス治療法では例えば、有用なオリゴヌクレオチドであるためには、細胞膜を貫通することができ、細胞外および細胞内ヌクレアーゼに対する耐性が良好であり、好ましくはRNAseHのような内在性酵素をリクルートする能力を備えていなくてはならない。DNAベースの診断および分子生物学では、他の性質、例えば、天然の核酸に作用するように進化した種々の広範な酵素、例えばポリメラーゼ、キナーゼ、リガーゼおよびホスファターゼに対する効率のよい基質として作用するオリゴヌクレオチドの能力が重要である。しかしながら、全ての用途の基礎になるオリゴヌクレオチドの根本的な性質は、ワトソン・クリック水素結合(A-T およびG-C)あるいはフーグスティーンモードのような他の水素結合系を用いて、配列を認識し、特異的にハイブリッド化して相補的1本鎖核酸にする能力である。重要な2つの用語である親和性と特異性は、所定のオリゴヌクレオチドのハイブリッド化特性を特徴づけるのに共通して用いられる。親和性は、オリゴヌクレオチドの、その相補的ターゲット配列に対する結合強度の尺度である(2重らせんの熱安定性(Tm)として表わされる)。2重らせんの各核塩基対によって熱安定性が増し、したがってオリゴヌクレオチドのサイズ(核塩基のNo.)が大きいほど親和性が高くなる。特異性は、完全に相補的ターゲット配列とミスマッチのターゲット配列とを区別するオリゴヌクレオチドの能力の尺度である。換言すると、特異性は、ターゲットにおけるミスマッチの核塩基対に関連した親和性損失の尺度である。オリゴヌクレオチドが一定のサイズの場合、オリゴヌクレオチドとそのターゲットとの間でのミスマッチの数が増すにつれて(すなわち、ミスマッチのパーセンテージが大きくなる)、特異性が大きくなる。反対に、ミスマッチが一定の数の場合、オリゴヌクレオチドのサイズが大きくなるにつれて(すなわち、ミスマッチのパーセンテージが小さくなる)、特異性は小さくなる。別の言い方をすると、オリゴヌクレオチドの親和性の増大は特異性を犠牲にして生じ、逆もまた同じである。
オリゴヌクレオチド類は、ターゲット配列へハイブリッド化する過程で、1本鎖の状態の比較的ランダムなコイル構造から、2重らせんの状態の整列された構造へと立体配置が移行することが知られている。
716; M. Bolli および C. Leumann, Angew. Chem., Int. Ed. Engl., 1995, 34, 694; M. Bolli, P. Lubini および C. Leumann, Helv. Chim. Acta, 1995, 78, 2077; J. C. Litten, C. Epple および C. Leumann, Bioorg. Med. Chem. Lett., 1995, 5, 1231; J. C. Litten および C. Leumann, Helv. Chim. Acta, 1996, 79, 1129; M. Bolli, J. C. Litten, R. Schultz および C. Leumann, Chem.
Biol., 1996, 3, 197; M. Bolli, H. U. Trafelet および C. Leumann, Nucleic Acids Res., 1996, 24, 4660)。これらの類似体の2、3個を含むかあるいはこれらの類似体から全てを構成されているDNAオリゴヌクレオチド類は、ほとんどの場合、相補的DNAオリゴヌクレオチドおよびRNAオリゴヌクレオチドと、ワトソン・クリック型結合の2重らせんを形成することができる。しかしながら、得られた2重らせんの熱安定性は、天然のDNA対およびRNA対の熱安定性よりも顕しく低い(C)、少し低い(A)、同程度である(B)かのいずれかである。全てのbcDNAオリゴマーは、天然の対に比べ、ハイブリッド化媒体のイオン強度に対して著しく高い感度を示した。α-2環式-DNA (B) は、3'-エクソヌクレアーゼ ヘビ毒ホスホジエテラーゼに対してβ-2環式-DNA (A)よりも安定であり、β-2環式-DNA (A)は、修飾されていないオリゴヌクレオチドよりも少しだけより安定である。
D. Peoch, Y. S. Sanghvi および G. Just, Synlett, 1997, 378)。
Nielsen, Specialerapport (Odense University, Denmark), 1995)。
以前に知られているヌクレオシド類似体の欠点から、本発明者はここに新規なヌクレオシド類似体(LNA)を提供し、かつオリゴヌクレオチド類はその中に LNA
ヌクレオシド類似体を含有する。新規な LNA ヌクレオシド類似体は、全ての一般に使用される核塩基を備えており、それによりオリゴヌクレオチド類への組み込み用のヌクレオシド類似体の完全なセットを提供する。以下から明らかなように、LNA ヌクレオシド類似体および LNA 修飾オリゴヌクレオチドは、診断および治療の分野において使用されるオリゴヌクレオチド類に対し広範な改善を提供するものである。さらに、LNA ヌクレオシド類似体および LNA 修飾オリゴヌクレオチドはまた、ヌクレオシドおよびオリゴヌクレオチドをベースとした診断および治療において、完全に新しい前途を提供する。
非ジェミナル置換基の該対は、それにより(i)該非ジェミナル置換基が結合している原子および(ii)いずれかの介在原子と一緒になって単環式またはニ環式のものを形成し;かつ
RN は水素および C1-4-アルキルから選択され、かつここで2つの隣接した(非ジェミナルな)置換基は二重結合を生じる付加的な結合を意味し; かつ RN* は存在するがビラジカル中に含有されないとき、水素および C1-4-アルキルから選択され;
(i) LNA がニ環式ヌクレオシド類似体であるとき、R2 および R3 は一緒になって -O-CH2-CH2- および -O-CH2-CH2-CH2- から選択されるビラジカルを意味せず;
(ii) LNA がニ環式ヌクレオシド類似体であるとき、R3 および R5 は一緒になって -CH2-CH2- 、-O-CH2- から選択されるビラジカルを意味せず;
(iii) LNA が3環式ヌクレオシド類似体であるとき、R3、R5 および R5* は一緒になってトリラジカル -CH2-CH(-)-CH2- を意味せず;
(iv) LNA がニ環式ヌクレオシド類似体であるとき、R1* および R6* は一緒になってビラジカル -CH2- を意味せず; かつ
(v) LNA がニ環式ヌクレオシド類似体であるとき、R4* および R6* は一緒になってビラジカル -CH2- を意味しない]
され;
(ii) R2 および R3 は一緒になって、-O-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し;
(iii) R2* および R3 は一緒になって、-O-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し;
(iv) R3 および R4* は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し;
(v) R3 および R5 は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し;
または
(vi) R1* および R4* は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し;
(vii) R1* および R2* は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し;
(i) R2 および R3 は一緒になって -O-CH2-CH2- および -O-CH2-CH2-CH2- から選択されるビラジカルを意味せず; かつ
(ii) R3 および R5 は一緒になって -CH2-CH2-、-O-CH2- および -O-Si(iPr)2-O-Si(iPr)2-O- から選択されるビラジカルを意味せず;
ただし、第2の条件として、オリゴヌクレオチド合成で普及している条件下で反応性ないかなる化学基(核塩基を含む)も、任意に保護された官能基である]
のヌクレオシド類似体(以後、LNA)ならびにそれらの塩基性塩および酸付加塩に関する。
ここで使用されるとき、用語「LNA」 (ロックされたヌクレオシド類似体) は、この発明のオリゴマー(一般式I)に組みこまれたか、または分離した化学種(一般式II)として、この発明の2環式または3環式ヌクレオシド類似体を意味する。用語「モノマー性 LNA」は、特に後者の場合を意味する。
上述のとおり、この発明は、i.a.1またはそれ以上の2環式、3環式または多環式ヌクレオシド類似体(これ以後、「LNA」と称する)からなる新規オリゴマー類(オリゴヌクレオチド類)に関する。例えば公知ヌクレオシドの代わりに、または追加として、そのような LNA の組み込みにより、オリゴヌクレオチドに興味深い非常に有益な物性を与えることが見出されている。2環式および3環式、特に2環式、LNA は、この発明の範囲内で特に興味深いようである。
を有する。従って、オリゴマー中に組みこまれた LNA は、2環式、3環式または多環式構造の必須部位として、5員または6員環のいずれかからなってもよい。5-員環 (X = -O-、-S-、-N(RN*)-、-C(R6R6*)-) は、それらが天然で生じるヌクレオシドの天然のフラノース環として(しかし、1以上のビラジカル(以下参照)の導入によりロックされ)本質的に同じ配座を占めることができるという点において特に興味深いと、考えられる。可能な 5-員環の中で、X が -O-、-S- および -N(RN*)- を意味する情況が特に興味深いようであり、X が -O- である情況が特に興味深いようである。
California (1992), p. 137-ff参照)。通常、スペーサーの長さは、約 400 Å より短く、ある適用においては 100 Å より短いのが好ましい。スペーサーは、したがって、1以上の酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子のようなへテロ原子で任意に割り込まれるかまたは末尾をなす炭素原子鎖からなる。従って、スペーサー K は1以上のアミド、エステル、アミノ、エーテルおよび/またはチオエーテル官能性、および任意に芳香族またはモノ/ポリ不飽和な炭化水素、ポリエチレングリコールのようなポリオキシエチレン、ポリ-β-アラニン、ポリグリシン、ポリリジンのようなオリゴ/ポリアミド、ならびに一般のペプチド、オリゴサッカライド、オリゴ/ポリホスフェートからなってもよい。さらに、スペーサーはそれらの組み合わせた単位からなってもよい。スペーサーの長さは5-
または 6- 員環に関連して、該基の「活性な/官能基」部分の望ましいまたは必要な位置および空間的な配向を考慮にいれて、異なっていてもよい。特に興味深い具体例においては、スペーサーは化学的に開裂できる基を含む。そのような化学的に開裂できる基の例には、還元的条件下で開裂可能なジスルフィド基、ペプチダーゼにより開裂可能なペプチドフラグメントなどを含む。
(i) R2 および R3 は一緒になって、LNA が2環式ヌクレオシド類似体であるとき、-O-CH2-CH2- および -O-CH2-CH2-CH2- から選択されるビラジカルを意味し;(ii) R3 および R5 は一緒になって、LNA が2環式ヌクレオシド類似体であるとき、-CH2-CH2-、-O-CH2- から選択されるビラジカルを意味し;
(iii) R3、R5 および R5* は一緒になって、LNA が3環式 ヌクレオシド類似体であるとき、トリラジカル -CH2-CH(-)-CH2- を意味し;
(iv) R1* および R6* は一緒になって、LNA が2環式 ヌクレオシド類似体であるとき、ビラジカル -CH2- を意味し; または
(v) R4* および R6* が一緒になって、LNA が2環式ヌクレオシド類似体であるとき、ビラジカル -CH2- を意味する
[ただし、そのような2-または3-環式ヌクレオシド類似体がここで定義された新規な LNA の1またはそれ以上と組み合わさったものを除く];
の2-または3-環式ヌクレオシド類似体からなるオリゴマー類に関しないことは、(特に、公知な 2-または3-環式ヌクレオシド類似体を充分考慮した上で - 「発明の背景」 参照)理解されるであろう。
および R4* は一緒になって、-Y-、-(CR*R*)r+s+1-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-Y- から選択されるビラジカルを意味し; R2 および R3 は一緒になって -Y-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-Y- から選択されるビラジカルを意味し; R2* および R3 は一緒になって -Y-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-Y- から選択されるビラジカルを意味し; R3 および R4* は一緒になって -Y-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-Y- から選択されるビラジカルを意味し; R3 および R5 は一緒になって -Y'-、-(CR*R*)r+s+1-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-Y- から選択されるビラジカルを意味し; R1* および R4* は一緒になって-Y'-、-(CR*R*)r+s+1-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-NR*- から選択されるビラジカルを意味し;または R1* および R2* は一緒になって -Y-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-Y-(CR*R*)s- および -Y-(CR*R*)r+s-Y- から選択されるビラジカルを意味する; ここで、r および sの各々は 0〜3 であり、ただし r+s の合計が 1〜4 であり、Y は上記のとおりであり、かつ Y' は -NR*-C(=O)- および -C(=O)-NR*- から選択されることが特に興味深いことが(予備的な所見(実施例参照)をもとに)考えられる。
および R4* は一緒になって -(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し; R3 および R5 は一緒になって -(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し; R1* および R4* は一緒になって -(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s- および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味し; または R1* および R2* は一緒になって -(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-
および -(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s- から選択されるビラジカルを意味する; ここで、r および s の各々は 0〜3 である、ただし r+s の合計は 1〜4 であり、RH は水素または C1-4-アルキルを意味する。
R7* の各々は水素を意味する。
の R2* および R4* は一緒になって、ビラジカルを意味する。X は O であり、R2 は水素、ヒドロキシおよび任意に置換された C1-6-アルコキシから選択され、R1*、R3、R5 および R5* は水素を意味するのが好ましく、より詳細には、ビラジカルは -O-、-(CH2)0-1-O-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-S-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-N(RN)-(CH2)1-3- および -(CH2)2-4- から選択され、特に -O-CH2-、-S-CH2- および -NRH-CH2- から選択される。通常、これまでに得られた結果に関しては、R2* および R4* を構成するビラジカルは、2つの炭素原子橋を形成する、すなわちビラジカルはフラノース環(X=O)を有する5員環を形成するのが好ましい。
および R5* は水素を意味するのが好ましく、さらに詳細にはビラジカルは -(CH2)0-1-O-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-S-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-N(RH)-(CH2)1-3- および -(CH2)1-4- から選択され、特に -O-CH2-、-S-CH2-、-N(RH)-CH2- から選択される。後者の場合、アミノおよびチオ変形体が特に興味深いようである。
および R4* は、一緒になってビラジカルを意味する。 X は O であり、R2* は水素、ヒドロキシおよび任意に置換された C1-6-アルコキシから選択され、R1*、R2、R5 および R5* は水素を意味するのが好ましく、より詳細にはビラジカルは -(CH2)0-2-O-(CH2)0-2- である。
および R5* は、一緒になってビラジカルを意味する。 X は O であり、R2* は水素、ヒドロキシおよび任意に置換された C1-6-アルコキシから選択され、R1*、R2、R4 および R5 は水素を意味するのが好ましく、より詳細にはビラジカルは -O-(CHR*)2-3- および -(CHR*)1-3-O-(CHR*)0-3- から選択される。
-(CH2)0-2-O-(CH2)0-2- である。
が特に興味深いと考えられる。
または 5〜50 または 7〜50 のような範囲である。
および R3* の1つはさらに P* を意味すると考えられている。
C1-6-アルコキシ、任意に置換された C1-6-アルキルカルボニルオキシ、任意に置換されたアリールオキシおよび -W-A' [式中、W は -O-、-S- および -N(RH)- [ここで、RH は水素および C1-6-アルキルから選択される]から選択され、式中、A' は DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンド(ここで後者の基は置換基 B 用に定義したようなスペーサーを含んでもよい)から選択される]である。
q は 1〜50 であり;
n(0)、..、n(q) の各々は独立して 0〜10000 であり;
m(1)、..、m(q) の各々は独立して 1〜10000 である;
ただし、n(0)、..、n(q) および m(1)、..、m(q) の合計は 2〜15000 である;
G は 5'-末端基を意味し;
各 Nu は天然に存在するヌクレオシドおよびヌクレオシド類似体から選択されたヌクレオシドを独立して意味し;
各 LNA はヌクレオシド類似体を独立して意味し;
各 L は Nu および LNA から選択された2つの基の間のヌクレオシド間結合を独立して意味するか、または L は G* と一緒になって 3'-末端基を意味し;かつ
各 LNA-L は上記のような一般式I、または好ましくは一般式Iaのヌクレオシド類似体を独立して意味する]
を有する。
の PNA モノ- またはオリゴマーセグメントからなる。
の 2環式ヌクレオシド類似体 (LNA)からなる。
P. G. M., "Protective Groups in Organic Synthesis", 2nd ed., John Wiley, N.Y. (1991), および M.J. Gait, Oligonucleotide Synthesis, IRL Press, 1984)。
"Protocols for Oligonucleotide Conjugates"; Methods in Molecular Biology, vol. 26, Humana Press, Totowa, NJ (1994) および Protocols for Oligonucleotides and Analogs, vol 20, (Sudhir Agrawal, ed.), Humana Press, 1993, Totowa, NJ に記載されている) から選択されるかまたはアセタールとして保護され; -SH 用のどのような保護基もジメトキシトリチル (DMT)、モノメトキシトリチル(MMT) およびトリチルのようなトリチル、ならびに 9-(9-フェニル)キサンテニル (pixyl)、任意に置換された、テトラヒドロピラニル(thp) (ホスホルアミダイトオリゴヌクレオチド合成のための更に適当なメルカプト保護基もまた、Agrawal (上記参照)に記載されている)から選択され; かつ -NH(RH) 用のどのような保護基もジメトキシトリチル (DMT)、モノメトキシトリチル (MMT)およびトリチルのようなトリチル、ならびに 9-(9-フェニル)キサンテニル (pixyl)、任意に置換された、テトラヒドロピラニル(thp) (ホスホルアミダイトオリゴヌクレオチド合成のための更に適当なアミノ保護基もまた、Agrawal (上記参照)に記載されている)から選択されることが好ましい。
C1-6-アルキルから選択される]から選択される。
を有する。
DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから選択されてもよい。
類似体である。さらに、モノマーのメチレンオキシビラジカルがメチレンチオ、メチレンアミノまたは 1,2-エチレンビラジカルで置換された類似体は、また本発明の特に興味深い変形体を構成すると期待される。メチレンチオおよびメチレンアミノ類似体は、メチレンオキシ類似体として等しく適用可能であると考えられ、その結果、(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(シトシン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(ウラシル-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(グアニン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび (1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(アデニン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンの組み込み用に記載されたものに相当する特定の試薬はまた、本発明内の特に興味深い反応性モノマーとして、考えられる。メチレンアミン類似体としては、第2級アミンは、メチルおよびベンジルのような任意に置換された C1-6-アルキル、トリフルオロアセチルのような任意に置換された C1-6-アルキルカルボニル、任意に置換されたアリールカルボニルならびに任意に置換されたヘテロアリールカルボニルから選択された置換基を有してもよいことに注目されたい。
の LNA ならびにその塩基性塩および酸付加塩の少なくとも1つからなるオリゴマーに関する。特に、一つの R* は、水素、ヒドロキシ、任意に置換された C1-6-アルコキシ、任意に置換された C1-6-アルキル、DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから選択され、残りの置換基 R* は、水素である。特に、ビラジカルは -O-、-(CH2)0-1-O-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-S-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-N(RN)-(CH2)1-3-、および -(CH2)2-4- から選択される。
C1-6-アルキル、任意に置換された C2-6-アルケニル、任意に置換された C2-6-アルケニルオキシ、任意に置換された C2-6-アルキニル、任意に置換された C2-6-アルキニルオキシ、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基、リガンド、カルボキシ、スルホノ、ヒドロキシメチル、Prot-O-CH2-、Act-O-CH2-、アミノメチル、Prot-N(RH)-CH2-、Act-N(RH)-CH2-、カルボキシメチル、スルホノメチル[ここで、Prot はそれぞれ-OH、-SH および -NH(RH) の保護基であり、Act はそれぞれ -OH、-SH および -NH(RH) の保護基であり、RH は水素 および C1-6-アルキルである]から独立に選択され; R2* および
R4* は一緒になって、 -O-、-S、-N(R*)-、-(CR*R*)r+s+1-、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-、-O-(CR*R*)r+s-O-、-S-(CR*R*)r+s-O-、-O-(CR*R*)r+s-S-、-N(R*)-(CR*R*)r+s-O-、-O-(CR*R*)r+s-N(R*)-、-S-(CR*R*)r+s-S-、-N(R*)-(CR*R*)r+s-N(R*)-、-N(R*)-(CR*R*)r+s-S- および -S-(CR*R*)r+s-N(R*)- から選択されるビラジカルを意味し; ここで各 R* は、水素、ハロゲン、アジド、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノ、任意に置換された C1-6-アルコキシ、任意に置換された C1-6-アルキル、DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから独立して選択され、および/または2つの隣接した(非ジェミナルな) R* は一緒になって、二重結合を意味してもよく、かつ r および s の各々は、 0〜3 であり、ただし r+s の合計は 1〜4 である; 各置換基 R1*、R2、R3、R5 および R5* は、水素、任意に置換された C1-6-アルキル、任意に置換された C2-6-アルケニル、ヒドロキシ、C1-6-アルコキシ、C2-6-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、アジド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基、およびリガンド、ならびにハロゲン[ここで、2つのジェミナル置換基は一緒になってオキソを意味してもよい]から独立して選択され;]の LNA ならびにその塩基性塩および酸付加塩[ただし、オリゴヌクレオチド合成において普及している条件下で反応性な、いずれの化学基(いずれの核塩基も含む)も任意に官能基は保護される]に関する。好ましくは、一つの R* が水素、ヒドロキシ、任意に置換された C1-6-アルコキシ、任意に置換された C1-6-アルキル、DNA インターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから選択され、残りのいずれの置換基
R* も水素である。特に、ビラジカルは -O-、-(CH2)0-1-O-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-S-(CH2)1-3-、-(CH2)0-1-N(RN)-(CH2)1-3- および -(CH2)2-4- から選択される。
a) 10 mM Na2HPO4、pH 7.0、100 mM NaCl、0.1 mM EDTA;
b) 10 mM Na2HPO4 pH 7.0、0.1 mM EDTA; または
c) 3M テトラメチルアンモニウムクロライド (TMAC)、10 mM Na2HPO4、pH 7.0、0.1 mM EDTA;
の一つの下、
好ましくは条件 a) の下、オリゴマーおよび相補的な DNA オリゴヌクレオチドの等量(典型的には 1.0 μM) で測定する。
本文中で、用語「C1-12-アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、シクロプロピル、ブチル、tert-ブチル、イソ-ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、およびドデシルのような1 〜 12 の炭素原子を有する直鎖状、環状または分岐状炭化水素基を意味する。類似して、用語「C1-6-アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルのような1 〜 6 の炭素原子を有する直鎖状、環状または分岐状炭化水素基を意味し、用語「C1-4-アルキル」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、シクロプロピル、ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、シクロブチルのような 1 〜 4 の炭素原子を有する直鎖状、環状または分岐状炭化水素基を含めることを意図する。
(ケトまたはアルデヒド官能性を形成する)、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ;カルバモイル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノカルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキルカルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン[ここで、いずれのアリールおよびヘテロアリールも、「任意に置換されたアリールおよびヘテロアリール」用に以下で特に記載されたように置換されてもよい]から選択される基で1または何回か、好ましくは1〜3回、置換されていてもよいことを意味する。
Encyclopedia of Pharmaceutical Technology に記載されているものである。従って、ここで用いられる用語「それらの酸付加塩または塩基性塩」は、そのような塩を含むように意図している。さらに、オリゴマーおよび LNA ならびにいずれのその中間体または出発原料もまた、水和物の形態で存在してもよい。
好ましい具体例において、付加的な 2'-O,4'-C-結合環を含むヌクレオシドは、以下の方法により合成された。
(R. D. Youssefyeh, J. P. H. Verheyden および J. G. Moffatt, J. Org. Chem., 1979, 44, 1301; G. H. Jones, M. Taniguchi, D. Tegg および J. G. Moffatt, J. Org. Chem., 1979, 44, 1309; C. O-Yang, H. Y. Wu, E. B. Fraser-Smith および K. A. M. Walker, Tetrahedron Lett., 1992, 33, 37; H. Thrane, J. Fensholdt, M. Regner および J. Wengel, Tetrahedron, 1995, 51, 10389; K. D. Nielsen, F. Kirpekar, P. Roepstorff および J. Wengel, Bioorg. Med.
Chem., 1995, 3, 1493)。2'-O,4'-C-結合 2環式ヌクレオシドの合成の例として、4'-C-ヒドロキシメチルフラノース誘導体 31 から出発する方法を選択した。ベンジル化、アセチル化およびアセトリシス続いて別のアセチル化により、ヌクレオシドカップリングのキー中間体であるフラノース 33 を与える。シリル化されたチミンとの立体選択的反応により、化合物 34 を与え、それを脱アセチル化してヌクレオシドジオール 35 を与えた。トシル化、引き続き塩基-誘導的閉環により 2'-O,4'-C-結合 2環式ヌクレオシド誘導体 36 を与えた。脱ベンジル化により保護されていない2環式 ヌクレオシド類似体 37 を生じ、それを 5'-O-4,4'-ジメトキシトリチル保護類似体 38 へ、および続いてオリゴヌクレオチド合成用ホスホルアミダイト誘導体 39 へ変換した。同様の方法を、実施例部分において例示したように、対応するウラシル、アデニン、シトシンおよびグアニンヌクレオシドの合成に使用した。このカップリング方法は、当該分野の当業者にとって明らかであろう幾つかの可能な方法のほんの一つである。 前もって形成された(preformed)ヌクレオシド から出発する方法も可能である。従って、例えば、ウリジン誘導体 62 の誘導体 44 への変換は、トシル化、脱イソプロピリデン化および塩基-誘導的閉環によりうまく達成された。別の例として、ヌクレオシド 67 のヌクレオシド 61B への変換は、図 34 に記載されているように達成された。2環式チミンヌクレオシド 37 の対応する 5-メチル-シトシンヌクレオシド 65 への変換は、トリアゾールおよび POCl3 を使用する公知反応連続、引き続きベンジル化およびアンモニアによる処理により達成された。同様の方法が44 からの 57C の合成にも適用可能であろう。別の可能な方法の例としては、既に付加的な環を含む予備環化されたフラノース誘導体を、核塩基誘導体とカップリングするものが可能である。そのような方法は、さらに対応する α-ヌクレオシド類似体も合成できるであろう。保護されたメチルフラノシドとの 4-C,2-O-メチレン-D-リボフラノースのカップリングにおいて、我々は主に環の開環した生成物を得た。しかし、1-O-アセチルフラノース 207 またはチオフェニルフラノース 212 のカップリングによっては、単一生成物として、うまくα-アノマーとの LNA ヌクレオシドを生じた。そのような α-LNA ヌクレオシドの組み込みは、通常のオリゴマー化技術を使用して可能であり( Zを含有する LNA オリゴマーに関して)、α-LNA オリゴマーを生じる。加えて、環閉環用に既に活性化された 4'-C-ヒドロキシメチルフラノース (例えば4'-C-ヒドロキシメチル基にメシルまたはトシル基を含むことにより)を使用するヌクレオシドカップリングを行う合成的方法は、フラノース 78 のヌクレオシド 79 への変換、引き続いて脱保護および環閉環して 36 を与えることにより例示されるのが可能である。適当なフラノース誘導体またはヌクレオシドの化学的もしくは酵素的グリコシド変換反応またはアノマー化は、今のところ他の可能な合成的方法である。これらのおよび他の関連する方法により、他の核塩基またはそれらの類似体を含有する 2環式ヌクレオシドの合成を、これらの核塩基または類似体とカップリングするか、または予め形成されたヌクレオシド誘導体から出発することのいずれかにより、可能とする。
本発明の直鎖状-、分岐状- (M. Grotli および B. S. Sproat, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1995, 495; R. H. E. Hudson および M. J. Damha, J. Am. Chem. Soc., 1993, 115, 2119; M. Von Buren, G. V. Petersen, K. Rasmussen, G. Brandenburg, J. Wengel および F. Kirpekar, Tetrahedron, 1995, 51, 8491) および 環状- (G. Prakash および E. T. Kool, J. Am. Chem. Soc., 1992, 114, 3523) オリゴ- およびポリヌクレオチドは、有機化学分野の当業者によく知られた核酸化学の重合技術を使用して合成してもよい。ホスホルアミダイト化学(S. L. Beaucage および R. P. Iyer, Tetrahedron, 1993, 49, 6123; S. L. Beaucage および R. P. Iyer, Tetrahedron, 1992, 48, 2223)を使用したが、しかし例えば H-ホスホネート化学、ホスホトリエステル化学または酵素的合成もまた使用できうる。通常、標準的なカップリング条件およびホスホルアミダイトアプローチを使用したが、この発明の幾つかのモノマーについては、より長いカップリング時間および/または新鮮な試薬での繰り返しカップリングおよび/またはより濃縮されたカップリング試薬を使用した。別の可能性として、1H-テトラゾールより活性な活性化剤も、カップリング反応速度を増加させるのに使用できる。ホスホロアミダイト 39、46、53、57D、61D および 66 すべては、>95% の逐次的カップリング収率を満たして結合した。全-ホスホロチオエート LNA オリゴマー(表7)を標準的な方法を使用して合成した。従って、ホスホジエステルオリゴマーの合成で使用される通常の、例えばヨウ素/ピリジン/H2O、酸化を、Beaucage's 試薬(市販で入手可能)を使用する酸化と交換することにより、ホスホチオエート LNA オリゴマーを効率的に合成した(逐次的カップリング収率 >= 98%)。2'-アミノ-LNA および 2'メチルアミノ-LNA オリゴヌクレオチド(表9)をアミダイト 74A および 74Fを使用して効率的に合成した(逐次的カップリング収率≧
98%)。2'-チオ-LNA オリゴヌクレオチド(表8)を、LNA オリゴヌクレオチド用に上記で記載したような、標準的なホスホルアミダイト方法を使用するアミダイト 76F を使用して、効率的に合成した。所望の配列の合成の後、後処理を標準的な条件を使用して行った(固形支持体からの開裂および55 ℃で5時間 30% アンモニアを使用する保護基の除去)。LNA オリゴヌクレオチドの精製を、使い捨ての逆相精製カートリッジおよび/または逆相 HPLC および/またはエタノールもしくはブタノールから沈殿させることを使用して行った。キャピラリーゲル電気泳動、逆相 HPLC および MALDI-MS を使用して合成したオリゴヌクレオチド類似体の純度を確認し、かつ本発明の 2環式 ヌクレオシド類似体の所望な数が予期したように組みこまれていることの確認をした。
90, 543)の分野でよく確立された方法を使用することにより可能である。
修飾オリゴヌクレオチド合成の材料として特に興味深い。この場合、固形支持体材料は、 CPG が好ましく、例えば容易に(市販で)入手可能な CPG 材料である。その上に、 3'-官能基化された、任意に保護された核塩基および任意に5'-OH 保護された LNA は、特定な材料用の供給者により示された条件を使用して結合される。BioGenex Universial CPG Support (BioGenex, U.S.A.) は、例えば使用することができる。 5'-OH 保護基は、例えば DMT 基であってもよい。3'-官能基は該 CPG 材料に適用可能な条件を充分考慮して選択されるべきである。
この発明は、種々の新規な2環式オリゴヌクレオシドモノマーの誘導体(LNA)がオリゴヌクレオチドに組みこまれると、これらの修飾されたオリゴヌクレオチドが、修飾されていないオリゴヌクレオチドに比べ、相補的ssDNAおよびssRNAの両方に対して劇的に高い親和性を示すという意外な発見を開示する。この発明はまた、完全にLNA修飾オリゴヌクレオチドおよび部分的にLNA修飾オリゴヌクレオチドが、それらの相補的核酸配列に対して非常に高いハイブリッド化特性を示すという意外な発見を開示する。適用に応じてこれらのLNAを用いることによって、標準的なオリゴヌクレオチドにおいて、特異性が脅かされることなく親和性が大いに高まる(オリゴヌクレオチドの一定の大きさ)、あるいは親和性が脅かされることなく特異性が非常に高まる(オリゴヌクレオチドの大きさの縮減)かのいずれかに興味をそそる可能性が提供される。この発明はまた、LNA修飾オリゴヌクレオチドが、非常に高いハイブリッド化特性に加え、正常なDNAオリゴヌクレオチドおよびRNAオリゴヌクレオチドの有用な物理化学特性の多くを示すという意外な発見を開示する。ここに挙げる例としては、LNA修飾オリゴヌクレオチドの優れた溶解性、塩化ナトリウムおよびテトラメチルアンモニウムクロリドのような塩に対する反応性(修飾されていないオリゴヌクレオチドのそれによく似ている)、種々のポリメラーゼのプライマーとして作用するLNA修飾オリゴヌクレオチドの能力、熱安定性DNAポリメラーゼを用いたターゲット増幅反応においてプライマーとして作用するLNA修飾オリゴヌクレオチドの能力、T4 ポリヌクレオチドキナーゼの基質として作用するLNA修飾オリゴヌクレオチドの能力、ストレプタビジン(streptavidine)被覆した固形表面上にPCR アンプリコンを配列特異的に捕捉するビオチニル化された(biotinylated)LNAの能力、アンプリコンを配列特異的に捕捉する固定化されたLNA修飾オリゴヌクレオチドの能力、および鎖侵入(invasion)による、2本鎖DNAを配列特異的にターゲットするLNA修飾オリゴヌクレオチドの非常に重要な能力が含まれる。したがって、これらの新規なヌクレオシド類似体が、治療、診断および分子生物学におけるオリゴヌクレオチドベースの技術の実施全般を向上させる非常に有用な道具であることは当業者にとって明らかである。
用語「鎖置換」は、オリゴヌクレオチドが、ターゲット鎖から他方の鎖を置き換えさせるように、2本鎖DNAまたはRNAにおけるその相補的ターゲット配列に結合するプロセスに関する。
種々のオリゴヌクレオチドのパネルを利用し、同時にターゲット核酸を分析して過度の突然変異の存在している可能性を調べるためのいくつかの診断的および分子生物学的方法が開発されている。代表的には、オリゴヌクレオチドパネルは、固形支持体上にあらかじめ決められたパターンで固定されており、ターゲット核酸において特定の突然変異の存在が、その核酸がハイブリダイズする固形支持体上の位置によって明らかとなる。核酸の分析における種々のオリゴヌクレオチドのパネルがうまく用いられるための1つの重要な必要条件は、1つの適用されたハイブリッド化の条件の下で、それらがその特定のターゲット配列に全て特異的であることである。標準的オリゴヌクレオチドの、その相補的ターゲット配列に対する親和性および特異性は、その配列およびサイズに大きく依存するので、この規範を満たすのは従来、困難であった。
試薬は全て製造販売業者から得、さらに精製せずに使用した。Na2SO4を用いて全ての有機相を乾燥した後、濾過を行った。カラムクロマトグラフィに使用したシリカゲル(0.040〜0.063 mm)はMerckより購入した。NMRスペクトルは1H NMRには300 MHzまたは250 MHzで、13C NMRには62.9 MHzで、また31P NMRには202.33 MHzで記録した。δ値は内部標準(1H NMRおよび13C NMR)としてのテトラメチルシラン、外部標準(31P NMR)としての85% H3PO4に関するppmで表す。NMRピークの帰属は標準ヌクレオシド命名法に従って行った。EI質量スペクトル、FAB質量スペクトルおよびプラズマ脱離質量スペクトルは合成した化合物の分子量に関する情報を得るために記録した。ホスホロアミダイト方法体系を用いてオリゴヌクレオチド類似体を合成した。5'-O-DMT-ONまたは5'-O-DMT-OFFオリゴヌクレオチド類似体の精製は必要に応じて使い捨ての逆相クロマトグラフィカートリッジまたは逆相HPLCを用いて行った。マトリクス補助レーザ脱離質量スペクトルは典型的なオリゴヌクレオチド試料の分子量およびモノマー組成を証明するために得た。典型的なオリゴヌクレオチド試料の純度を証明するために毛管ゲル電気泳動を行った。
実施例1
3-C-アリル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラノース(0A)。
方法1: 無水THF (980 cm3)中の5-O-t-ブチルジメチルシリル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラン-3-ウロース溶液 (Y. Yoshimura, T. Sano, A. Matsuda および T. Ueda, Chem. Pharm. Bull., 1988, 36, 162) (17.8 g, 58.9 mmol)を0℃で攪拌し、無水エーテル(130 cm3, 130 mmol)中の1 Mアリルマグネシウムブロミドを滴加した。2時間攪拌した後、混合物に塩化アンモニウム飽和水溶液(800 cm3)を加え、ジクロロメタン(3 x 400 cm3)で抽出した。有機相をブライン(3 x 450 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣を無水THF(700 cm3)に溶解した。混合物にTHF(54.4 cm3, 59.8 mmol)中のテトラブチルアンモニウムフルオライド1.1 M 溶液を加え、室温で1時間攪拌し、蒸発乾固した。残渣をジクロロメタン(1700 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 500 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。 溶媒を減圧下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィでジクロロメタン/メタノール(98:2、v/v)を溶出液として用いて精製し、白色固形物としてフラノース0Aを得た(9.42 g, 69%)。方法2:無水THF(425 cm3); 無水エーテル(130 cm3, 130 mmol)中のアリルマグネシウムブロミド1 M 溶液; 塩化アンモニウム飽和水溶液(490 cm3); 抽出用エーテル(350 + 2 x 160 cm3); ブライン(2 x 160 cm3); THF (22.3 cm3, 24.6 mmol)中の1.1 M テトラブチルアンモニウムフルオライド溶液; 無水THF(400 cm3); ジクロロメタン(1400 cm3); 炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 500 cm3); ブライン(500 cm3)および(Na2SO4)を用い、フラノース0Aを5-O-t-ブチルジフェニルシリル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラン-3-ウロース(T. F. Tam および B. Fraser-Reid, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1980, 556) (9.5 g, 22.2 mmol)から同様に合成した。
d, J 6.1, 3'-Ha), 5.06 (1H, br s, 3'-Hb), 4.76 (1H, s, 3-OH), 4.64 (1H,
t, J 5.4, 5-OH), 4.16 (1 H, d, J 3.8, 2-H), 3.84 (1 H, dd, J 2.2, 8.1, 4-H), 3.56 (1 H, ddd, J 2.3, 5.6, 11.8, 5-Ha), 3.42 (1 H, m, 5-Hb), 2.16
(1 H, dd, J 6.1, 14.3, 1'-Ha), 1.98 (1 H, dd, J 8.2, 14.3, 1'-Hb), 1.46
(3 H, s, CH3), 1.25 (3 H, s, CH3).
3-C-アリル-3,5-ジ-O-ベンジル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラノース (0B)。
無水DMF(100 cm3)中の60%水素化ナトリウム懸濁液(4.9 g, 123 mmol)を0℃で攪拌し、 無水DMF(65 cm3)中のフラノース 0A溶液(9.42 g, 40.9 mmol)を45分で滴加した。溶液を50℃で1時間攪拌し、0℃で冷却した。 臭化ベンジル(14.5 cm3, 121 mmol)および無水DMF(14.5 cm3)の混合物を滴加し、混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、ジクロロメタン(700 cm3)中の残渣溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 450 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣を石油エーテル/酢酸エチル(9:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、油として化合物0Bを得た(14.5 g, 86%)。
3.8, 1-H), 5.17-5.09 (2 H, m, 3'-Ha, 3'-Hb), 4.67 (2 H, m, Bn), 4.60 (1
H, d, J 12.2, Bn), 4.52 (1 H, d, J 12.1, Bn), 4.43 (1 H, m, 4-H), 4.42 (1 H, d, J 3.8, 2-H), 3.73 (1 H, dd, J 3.2, 10.8, 5-Ha), 3.66 (1 H, dd, J 7.4, 10.8, 5-Hb), 2.50 (1 H, dd, J 7.7, 14.9, 1'-Ha), 2.39 (1 H, dd, J
6.5, 14.9, 1'-Hb), 1.60 (3 H, s, CH3), 1.34 (3 H, s, CH3).
127.4, 127.4 (Bn), 118.5 (C-3'), 112.6 (C(CH3)2), 104.1 (C-1), 86.5, 82.1, 80.4 (C-2, C-3, C-4), 73.4, 68.6 (Bn), 67.0 (C-5), 35.8 (C-1'), 26.8, 26.6 (CH3).
(実測値: C, 73.4; H, 7.4; C25H30O5の理論値C, 73.2; H, 7.4%).
3-C-アリル-1,2-ジ-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-D-リボフラノース (0C)。
80%水性酢酸(150 cm3)中のフラノース 0B溶液(12.42 g, 30.3 mmol)を90℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエタノール(3 x 75 cm3)、トルエン(3 x 75 cm3) および無水ピリジン(2 x 75 cm3) と共に蒸発させ、無水ピリジン(60 cm3)に再び溶解した。無水酢酸(46 cm3)を加え、溶液を室温で48時間攪拌した。氷と水の混合物(300 cm3)を加え、得られた混合物をジクロロメタン(2 x 300 cm3)で抽出した。合わせた炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 200 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、残渣を石油エーテル/酢酸エチル(4:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、油としてアノマー混合物0C (β:α〜2:1)を得た(13.3 g, 97%)。
1-(2-O-アセチル-3-C-アリル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)チミン (1)。
無水アセトニトリル(250 cm3)中のアノマー混合物0C (β:α〜2:1, 11.8 g, 26.0 mmol) (P. Nielsen, H. M. Pfundheller および Wengel, Chem. Commun., 1997, 825; P. Nielsen, H. M. Pfundheller, C. E. Olsen および J. Wengel, J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 1997, 印刷中)およびチミン(6.55 g, 52.0 mmol)の攪拌溶液にN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(44.9 cm3, 182 mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら1時間攪拌し、0℃に冷却した。トリメチルシリルトリフレート(8.00 cm3, 44.0 mmol)を滴加し、溶液を室温で12時間攪拌した。氷で冷却した炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(270 cm3)を加え、混合物をジクロロメタン(3 x 125 cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 125 cm3)およびブライン(2 x 125 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド1を得た (11.6 g, 86%)。
118.5 (C-3''), 111.1 (C-5), 84.2, 83.4, 83.1, 77.4 (C-1', C-2', C-3', C-4'), 73.6, 69.2 (Bn), 65.6 (C-5'), 33.7 (C-1''), 20.8 (COCH3), 11.9 (CH3)
1-(3-C-アリル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)チミン(2)。
メタノール(110 cm3)中のヌクレオシド1(11.6 g, 22.3 mmol)の攪拌溶液にナトリウムメトキシド(3.03 g, 55.5 mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌し、希塩酸で中和した。溶媒の一部を蒸発させて残渣をジクロロメタン(2 x
400 cm3)に溶解した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 250 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、白色固形物として2を得た(10.1 g, 95%)。
(10 H, m, Bn), 6.14 (1H, m, 2''-H), 6.12 (1 H, d, J 7.8, 1'-H), 5.23 (1
H, m, 3''-Ha), 5.17 (1 H, br s, 3''-Hb), 4.68 (1 H, d, J 10.8, Bn), 4.59 (2 H, s, Bn), 4.55 (1 H, d, J 10.9, Bn), 4.39 (1 H, br s, 4'-H), 4.26 (1 H, dd J 7.8, 10.7, 2'-H), 3.84 (1 H, dd, J 3.1, 11.0, 5'-Ha), 3.58 (1
H, dd, J 1.4, 11.0, 5'-Hb), 3.04 (1 H, d, J 10.8, 2'-OH), 2.82-2.78 (2 H, m, 1''-Ha, 1''-Hb), 1.51 (3 H, d, J 1.0, CH3).
1-(3-C-アリル-3,5-ジ-O-ベンジル-2-O-メタンスルホニル-β-D-リボフラノシル)チミン(3)。
無水ピリジン(23 cm3)中のヌクレオシド2 (3.50 g, 7.31 mmol)の攪拌溶液に塩化メタンスルホニル(1.69 cm3, 21.89 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、水(100 cm3)を加え、ジクロロメタン(3 x 150 cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 200 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。 溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として3を得た(3.64 g, 89%)。
4'-H), 3.81 (1 H, dd, J 2.5, 11.1, 5'-Ha), 3.73 (1 H, dd, J 1.1, 11.1, 5'-Hb), 3.08 (1 H, dd, J 5.5, 5.7, 1''-Ha), 2.99 (3 H, s, CH3), 2.68 (1 H, m, 1''-Hb), 1.51 (3 H, d, J 0.8, CH3).
(C-5'), 38.7 (CH3), 33.0 (C-1''), 11.9 (CH3)
1-(3-C-アリル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-アラビノフラノシル)チミン(4)。
エタノール(72 cm3)中のヌクレオシド3(3.59 g, 6.45 mmol)溶液、水(72 cm3)および1 M 水性水素化ナトリウム(20.6 cm3)を還流させながら18時間攪拌した。希塩酸で中和した後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン(3 x 150 cm3)に溶解した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 200 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として4を得た(2.32 g, 74%)。
H, d, J 2.9, 1'-H), 5.80 (1H, m, 2''-H), 5.15-5.08 (2 H, m, 3''-Ha, 3''-Hb), 4.86-4.33 (6 H, m, 2 x Bn, 2'-H, 4'-H), 3.82-3.71 (2 H, m, 5'-Ha, 5'-Hb), 2.72 (1 H, m, 1''-Ha), 2.52 (1 H, dd, J 7.6, 16.1, 1''-Hb), 1.70
(3 H, d, J 0.9, CH3).
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-(2-ヒドロキシエチル)-β-D-アラビノフラノシル)チミン(5)。
THF(12 cm3)中のヌクレオシド4(2.26 g, 4.68 mmol)および水(12 cm3)の攪拌溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(3.04 g, 14.2 mmol)およびtert-ブタノール(w/w, 0.603 cm3, 40 μmol)中2.5%四酸化オスミウム溶液を加えた。溶液を室温で45分間攪拌した。水(25 cm3)を加え、溶液をジクロロメタン(2 x 50 cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 30 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をTHF (12 cm3)および水(12 cm3)に再び溶解した。混合物を室温で攪拌し、水素化ホウ素ナトリウム(182 mg, 4.71 mmol)を加えた。1時間半攪拌した後、水(25 cm3)を加え、溶液をジクロロメタン(2 x 50
cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 30 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として5を得た(1.13 g, 49%)。
(10 H, m, Bn), 6.22 (1 H, d, J 3.4, 1'-H), 4.62 (2 H, s, Bn), 4.60 (1 H, m, 4'-H), 4.46 (2 H, s, Bn), 4.35 (1H, dd, J 3.4, 7.5, 2'-H), 3.83-3.73 (4 H, m, 2 x 5'-H, 2 x 2''-H), 2.67 (1 H, br s, OH), 2.07-2.01 (2 H, m, 2 x 1''-H), 1.77 (3 H, d, J 0.5, CH3).
(実測値: C, 63.6; H, 6.2; N, 5.4. C26H30N2O7,0.5H2O の理論値 C, 63.5; H 6.4; N, 5.7%).
(1S,5R,6R,8R)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(6)。
無水ピリジン(5.0 cm3)中のヌクレオシド5(1.08 g, 2.20 mmol)溶液を0℃で攪拌し、無水ピリジン(2.0 cm3)中の塩化p-トルエンスルホニル(462 mg, 2.47 mmol)溶液を滴加した。室温で20時間攪拌し、水と氷の混合物(70 cm3)を加えた後、ジクロロメタン(2 x 75 cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 50 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物を得、それを蒸発させた後無水DMF (4.0 cm3)に溶解した。溶液を無水DMF (4.0 cm3)中60% 水素化ナトリウム(203 mg, 4.94 mmol)の攪拌懸濁液に0℃で滴加した。混合物を18時間攪拌し、水(20 cm3)を加えた。塩酸で中和した後、ジクロロメタン(75 cm3)を加えた。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 50 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物を得た(858 mg)。エタノール(10.0 cm3)中のこの白色固形物の溶液(846 mg, 1.80 mmol)を室温で攪拌し、炭素上の水酸化パラジウム(400 mg)を20%で加えた。混合物をアルゴンで脱ガスし、水素雰囲気下に置いた。2時間混合した後、混合物をジクロロメタン/メタノール(97:3, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで直接精製し、白色固形物として6を得た(444 mg, 82%)。
(C-1''), 12.7 (CH3)
(1S,5R,6R,8R)-6-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-5-ヒドロキシ-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]ノナン(7)。
無水ピリジン(2.5 cm3)中のヌクレオシド6(310 mg, 1.09 mmol)溶液を室温で攪拌し、4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(593 mg, 1.83 mmol)を加えた。3時間攪拌した後、さらに4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(100 mg, 0.310 mmol)を加えた。さらに2時間攪拌した後、メタノール(0.5 cm3)を加え、混合物を蒸発させた。残渣をジクロロメタン(5 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 5 cm3)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として7を得た(618 mg, 97%)。
(1S,5R,6R,8R)-5-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノシ)-6-(4,4'-ジメトキシトリルオキシメチル)-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]ノナン(8)。
無水ジクロロメタン(2.2 cm3)中のヌクレオシド7(436 mg, 0.743 mmol)溶液およびジイソプロピルエチルアミン(0.62 cm3)を室温で攪拌し、2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.33 cm3, 1.46 mmol)を加えた。1時間半攪拌した後、メタノール(0.4 cm3)および酢酸エチル(5 cm3)を加え、混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 5 cm3)およびブライン(3 x 5 cm3)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/トリエチルアミン(97:3, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製した。溶媒を蒸発させ、油を得、これをトルエン(1 cm3)中に溶解させた。これをヘキサンから-30℃で析出させ、白色固形物質として8を得た(517 mg,
88%)。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-(2-ヒドロキシエチル)-β-D-リボフラノシル)チミン(9)。
THF(5.4 cm3)および水(5.4 cm3)中のヌクレオシド2(1.00 g, 2.09 mmol)の攪拌溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(1.34 g, 6.27 mmol)およびtert-ブタノール(w/w, 0.265 cm3, 19 μmol)中の四酸化オスミウム2.5%溶液を加えた。溶液を室温で45分間攪拌した。水(25 cm3)を加え、溶液をジクロロメタン(2 x 50 cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 30 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をTHF(5.4 cm3)および水(5.4 cm3)に再び溶解した。混合物を室温で攪拌し、水素化ホウ素ナトリウム(79 mg, 2.08 mmol)を加えた。1時間半攪拌した後、水(25 cm3)を加え、溶液をジクロロメタン(2 x 50 cm3)で抽出した。有機相を炭酸水素飽和水溶液(3 x 30 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド9を得た(488 mg, 48%)。
(10 H, m, Bn), 6.25 (1 H, d, J 7.7, 1'-H), 4.59 (1 H, d, J 7.1 Bn), 4.49 (1 H, d, J 7.1 Bn), 4.39-3.30 (m, 8H, 4'-H, 2'-H, Bn, 5'-Ha, 5'-Hb, 2''-Ha, 2''-Hb), 2.23-2.00 (2 H, m, 1''-Ha, 1''-Hb), 1.49 (3 H, d, J 0.7, CH3).
6.3; N, 5.75%).
1-[3-C-(2-O-t-ブチルジメチルシリルオキシエチル)-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル]チミン(10)。
ヌクレオシド9(1.80 g, 3.4 mmol)およびt-ブチルジメチルシリルクロライド(0.585 g, 3.9 mmol)の混合物を無水ピリジン(20 cm3)に溶解した。室温で2時間後、反応混合物をトルエン(2 x 10 cm3)と共に乾燥するまで2回蒸発させ、ジクロロメタン(150 cm3)に再び溶解した。溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 50 cm3)で洗浄し、蒸発させて発泡体を得た。この物質を勾配溶出液(ジクロロメタン中0-3%メタノール、v/v)を用いた分取シリカゲルHPLCで精製し、白色固形物としてヌクレオシド10を得た(1.86 g, 92%)。
(実測値: C, 64.2; H, 7.4; N, 4.2; C32H44O7N2Siの理論値 C, 64.4; H, 7.4; N, 4.7%).
1-[3-C-(2-t-ブチルジメチルシリルオキシエチル)-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-エリスロ-ペントフラン-2-ウロシル]チミン(11)。
ヌクレオシド10(2.14 g, 3.59 mmol), 1.48 g (3.95 mmol)の2クロム酸ピリジニウム(1.48 g, 3.95)および活性化3Aモレキュラーシーブ粉末(4g)の混合物を無水ジクロロメタン(80 cm3)に懸濁した。混合物を-10℃に冷却した後、激しく攪拌しながら無水酢酸(10 cm3, 98 mmol)を滴加した。懸濁液を室温まで温め、1時間半攪拌を続け、トリエチルアミン(20 cm3)を加えることにより反応を停止した。混合物をジクロロメタンで300 cm3まで希釈し、水(2 x 200 cm3)で洗浄した。有機相を蒸発させ、残渣をジクロロメタン(v/v, それぞれ全容量250 cm3)中の1.0, 1.2, 1.3, 1.4, 1.5%メタノールの勾配を使用したフラッシュシリカゲルカラムクロマトフグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド11(1.89 g, 84.4%)を得た。
5'-Ha, 5'-Hb), 2.05 (1H, m, 1''-Ha), 2.42 (1H, m, 1''-Hb), 1.42 (3H, d,
J 1.1, 5-CH3), 0.86 (9H, s, CH3-C-Si), 0.01 (6H, s, CH3-Si).
57.6 (C-2''), 27.3 (C-1''), 25.9, 25.7, 18.2, -5.8, -5.9 (TBDMS), 11.7 (CH3).
(実測値: C, 64.1; H, 6.9; N, 4.5; C32H42O7N2Si の理論値C, 64.6; H, 7.1; N, 4.7%).
(1S,5R,6R,8R)-1-ヒドロキシ-5-ベンジルオキシ-6-ベンジルオキシメチル-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(12)。
化合物11 (1.80 g, 30.3 mmol)をメタノール(w/w, 20 cm3)中の0.5% HClに溶解し、混合物を室温で30分間攪拌した。蒸発乾固させた後、残渣をジクロロメタン(100 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 40 cm3)で洗浄した。有機相を蒸発させ、残渣をジクロロメタン(v/v)中の2%メタノールで溶出させたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド12(1.35 g, 93.5%)を得た。
(実測値: C, 64.6; H, 5.8; N, 5.7; C26H28O7N2 の理論値 C, 65.0; H, 5.9; N, 5.8%).
(1S,5R,6R,8R)-1,5-ジヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(13)。
6の合成と同様の方法でベンジル保護基を触媒的に除去することにより、化合物13を化合物12から連続的に誘導した。13の精製をジクロロメタン中のメタノールの勾配濃度(6〜14%)で溶出させながらカラムシリカゲルクロマトグラフィで行った。分析量の化合物13(15 mgまで)をヌクレオシルC18(10 μm)を充填したカラム(10 x 250 mm)で逆相HPLCにより追加的に精製した。流量:8 cm3/分; 溶出液:0-10%アセトニトリル、60分間。 収率82%.
(実測値: C, 46.6; H, 5.7; N, 8.5; C12H16O7N2 の理論値 C, 48.0; H, 5.4; N, 9.3%).
(1S,5R,6R,8R)-5-ベンジルオキシ-6-ベンジルオキシメチル-1-メトキシ-8-(3-N-メチルチミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(14)、(1S,5R,6R,8R)-5-ベンジルオキシ-6-ベンジルオキシメチル-1-ヒドロキシ-8-(3-N-メチルチミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(15)および(1S,5R,6R,8R)-5-ベンジルオキシ-6-ベンジルオキシメチル-1-メトキシ-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(16)。
化合物12(1.04 g, 2.16 mmol)と水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液、171 mg、4.30 mmol)の混合物を攪拌しながら無水ジクロロメタン(4 cm3)に10分間溶解した。ヨウ化メチル(1 cm3, 16 mmol)を加え、反応混合物を36℃で23時間インキュベートした。蒸発後、残渣をジクロロメタン(v/v)中0.4-2.4%メタノールの勾配で溶出させながらシリカゲルクロマトグラフィで精製し、生成物14、15および16ならびに出発材料12(212 mg, 20.5%)を得た。
δH (CDCl3) 7.25-7.37 (11H, m, Bn, 6-H), 6.15 (1H, s, 1'-H), 4.74 (1H, d, J 11.5, Bn), 4.67 (1H, d, J 11.3, Bn), 4.62 (1H, d, J 12.1, Bn), 4.55 (1H, d, J 11.9, Bn), 4.34 (1H, t, J 5.6, 4'-H), 3.99, (1H, m, 2''-Ha), 4.22 (1H, m, 2''-Hb), 3.72 (2H, m, 5'-Ha, 5'-Ha), 3.41 (3H, s, CH3-O), 3.35 (3H, s, CH3-N3), 2.27 (1H, m, 1''-Ha), 2.41 (1H, m, 1''-Hb), 1.93 (3H, s, 5-CH3).
(実測値: C, 65.7; H, 6.9; N, 4.8; C28H32O7N2 の理論値 C, 66.1; H, 6.3; N, 5.5%)。
δH (CDCl3) 7.37-7.28 (11H, m, Bn, 6-H), 5.86 (1H, s, 1'-H), 4.72 (2H, s, Bn), 4.64 (1H, d, J 11.9, Bn), 4.58 (1H, d, J 11.9, Bn), 4.37 (1H, t, J 5.6, 4'-H), 4.13 (1H, m, 2''-Ha), 3.93 (1H, m, 2''-Hb), 3.75 (2H, m, 5'-Ha, 5'-Hb), 3.34 (1H, s, CH3-N), 2.32-2.16 (2H, m, 1''-Ha, 1''-Hb), 1.93 (3H, s, CH3).
δH (CDCl3) 7.35-7.25 (11H, m, Bn, 6-H), 6.06 (1H, s, 1'-H), 4.73 (1H, d, J 11.5, Bn), 4.66 (1H, d, J 11.3, Bn), 4.61 (1H, d, J 11.9, Bn), 4.55 (1H, d, J 12.0, Bn), 4.34 (1H, t, J 5.6, 4'-H), 4.20 (1H, m, 2''-Ha), 3.98 (1H, m, 2''-Hb), 3.72 (2H, m, 5'-Ha, 5'-Hb), 3.40 (3H, s, CH3-O), 2.45-2.35 (1H, m, 1''-Ha), 2.30-2.20 (1H, m, 1''-Hb), 1.90 (3H, d, J 1.1, CH3).
(実測値: C, 66.2; H, 7.2; N, 4.4; C27H30O7N2 の理論値 C, 65.6; H, 6.1; N, 5.7%).
(1S,5R,6R,8R)-5-ヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-1-メトキシ-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(17)。
メタノール(10cm3)中のヌクレオシド16(1.20 g, 2.43 mmol)溶液に木炭上の20%水酸化パラジウム(250 mg)を加え、混合物を減圧下で注意深く脱気した。水素雰囲気を利用して攪拌を12時間続けた。反応混合物をメタノール中のシリカゲルを充填したガラスカラム(1 x 8 cm)で濾過することにより触媒を除去した。カラムをメタノール(20 cm3)でさらに洗浄した。全ての画分を回収し、蒸発乾固させて石油エーテルと共に蒸発させ、ガラス状の固形物を得た。この残渣をジクロロメタン(v/v)中の5-10%メタノール勾配で溶出させながらシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。生成物を含有する画分を回収し、合わせて蒸発乾固させた。残渣を無水メタノール(5 cm3)に溶解し、無水ベンゼン(100 cm3)を加えた。凍結乾燥により白色固形物としてヌクレオシド17を得た(0.61 g, 79%)。
1''-Ha), 2.03-1.93 (1H, m, 1''-Hb), 1.92 (3H, s, CH3).
(実測値: C, 49.9; H, 5.7; N, 8.2; C13H18O7N2 の理論値 C, 49.7; H, 5.8; N, 8.9%)。
(1S,5R,6R,8R)-6-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-5-ヒドロキシ-1-メトキシ-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(18)。
化合物17(0.95 g, 3.03 mmol)と4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(1.54 g,
4.77 mmol)の混合物を無水ピリジン(20 cm3)に溶解し、室温で4時間攪拌した。反応混合物を蒸発させ、油状の残渣を得た。これをトルエン(2 x 20 cm3)と共に蒸発させた。ジクロロメタン(50 cm3)および炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50 cm3)を加え、有機相を分離して蒸発させ、残渣をシリカゲルHPLCで精製した(残渣は0.5%トリエチルアミン(v/v)を含む最少量のジクロロメタンに溶解し、同一の溶媒で平衡させたカラムに付した)。カラムを洗浄し(酢酸エチル:石油エーテル:トリエチルアミン; 15:84.5:0.5 (v/v/v, 1000 cm3)、生成物を0.5%トリエチルアミン(v/v/v)を含むジクロロメタン中のメタノール勾配(0-2%)で溶出し、白色固形物として化合物18(1.71 g, 92.8%)を得た。
85.3, 85.0, 81.4 (DMT, C-1' , C-3', C-4'), 69.2, 62.4 (C-5', C-2''), 55.2 (CH3-DMT), 51.7 (CH3-O), 35.5 (C-1''), 12.7 (CH3).
(実測値: C, 66.4; H, 6.1; N, 4.2; C34H36O9N2 の理論値 C, 66.2; H, 5.9; N, 4.5%).
(1S,5R,6R,8R)-5-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-6-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-1-メトキシ-8-(チミン-1-イル)-2,7-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン(19)。
化合物18(1.2 g, 1.95 mmol)を無水ジクロロメタン(10 cm3)に溶解した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.35 cm3, 7.8 mmol)および2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト (0.92 g, 3.9 mmol)を室温で攪拌しながら加えた。72時間後、混合物をジクロロメタンで100 cm3に希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50 cm3)で洗浄した。有機相を蒸発させ、溶出液A (石油エーテル: ジクロロメタン: ピリジン; 50:50:0.5; v/v/v)中の溶出液B(石油エーテル:ジクロロメタン:酢酸エチル:ピリジン; 45:45:10:0.5; v/v/v)の勾配を用いたシリカゲルHPLCに付した。生成物を含む画分を濃縮し、トルエン(10 cm3)と共に蒸発させ、減圧下で乾燥した。残渣を無水ベンゼン(20 cm3)に溶解し、この溶液を無水石油エーテル(400 cm3)に攪拌しながら加えることによって析出した。得られた白色固形物を濾過して分離し、乾燥して化合物19 (0.96 g, 60.3%)を得た。
(実測値: C, 62.8; H, 6.4; N, 6.9; C43H53O10N4P の理論値C, 63.2; H, 6.5; N, 6.9%).
1,2-O-イソプロピリデン-3-C-ビニル-α-D-リボフラノース(20)。
無水THF(250 cm3)中の5-O-t-ブチルジメチルシリル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-エリスロ-ペント-3-ウロフラノース (Y. Yoshimura, T. Sano, A. Matsuda, T. Ueda, Chem. Pharm. Bull., 1988, 36, 162) (6.05 g, 0.020 mol)溶液を0℃で攪拌し、エーテル(44 cm3, 44 mmol)中のビニルマグネシウムブロマイド1 M溶液を滴加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、そこに飽和水性塩化アンモニウム(200 cm3)を加え、ジクロロメタン(3 x 300 cm3)を用いて抽出した。合わせた抽出物をブライン(3 x 250 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を除去し、残渣を無水THF(225 cm3)に再溶解した。この混合物にTHF(22 cm3, 22 mmol)中のテトラブチルアンモニウムフルオライド1 M溶液を加え、室温で20分間攪拌し、混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン(500 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 200 cm3)で洗浄した。12時間の継続抽出によって水相を抽出し、合わせた抽出物を乾燥し(Na2SO4) 、蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてフラノース20を得た(3.24 g, 75%)。
3,5-ジ-O-ベンジル-1,2-O-イソプロピリデン-3-C-ビニル-α-D-リボフラノース(21)。
無水DMF(50 cm3)中の60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 1.78 g, 44.5 mmol)を0℃で攪拌し、無水DMF(35 cm3)中のフラノース20 (3.20 g, 14.8 mmol)の溶液を30分間かけて滴加した。混合物を50℃で1時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。無水DMF(5.3 cm3)中の臭化ベンジル溶液(5.3 mL, 44.5 mmol)を滴加し、混合物を室温で20時間攪拌した。反応混合物を蒸発させ、ジクロロメタン(300 cm3)に再び溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 200 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣を石油エーテル/酢酸エチル(9:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてフラノース21を得た(5.36 g, 91%)。
1,2-ジ-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-ビニル-α,β-D-リボフラノース(22)。
80% 水性酢酸(50 cm3)中のフラノース21溶液(4.40 g, 11.1 mmol)を90℃で8時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣を99%エタノール(3 x 25 cm3)、トルエン(3 x 25 cm3)および無水ピリジン(2 x 25 cm3)と共に蒸発させ、無水ピリジン(20 cm3)に再び溶解した。無水酢酸(17 cm3)を加え、溶液を室温で48時間攪拌した。反応混合物を氷冷水(100 cm3)で失活させ、ジクロロメタン(2 x 100 cm3)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 100 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発し、残渣を石油エーテル/酢酸エチル(4:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、油としてフラノース22を得た(4.27 g, 87%, α:β〜1:1)。
1-(2-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-ビニル-β-D-リボフラノシル)チミン(23)。
無水アセトニトリル(100 cm3)中の化合物22(4.24 g, 9.6 mmol)およびチミン(2.43 g, 19.3 mmol)の攪拌溶液にN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(11.9 cm3, 48.1 mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら30分間攪拌した。0℃に冷却した後、トリメチルシリルトリフレート(3.2 cm3, 16.4 mmol)を滴加し、溶液を室温で24時間攪拌した。反応を冷たい炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100
cm3)で失活させ、得られた混合物をジクロロメタン(3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 50 cm3)およびブライン(2
x 50 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。抽出物を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色発泡体としてヌクレオシド23を得た(4.03 g, 83%)。
3.80 (1H, m, 5'-Ha), 3.54 (1H, m, 5'-Hb), 2.11 (3H, s, COCH3), 1.48 (3H, s, CH3).
5.5%。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-ビニル-β-D-リボフラノシル)チミン(24)。
無水メタノール(40 cm3)中のヌクレオシド23(3.90 g, 7.7 mmol)の攪拌溶液にナトリウムメトキシド(0.83 g, 15.4 mmol)を加えた。混合物を室温で42時間攪拌し、希塩酸水で中和した。混合物をジクロロメタン(2 x 150 cm3)で抽出し、合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 100 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、白色発泡体としてヌクレオシド24を得た(3.48 g, 97%)。
J 11.2, 5'-Hb), 3.23 (1H, d, J 10.6, 2'-OH), 1.50 (3H, s, CH3).
(C-5'), 70.0, 66.4 (Bn), 11.8 (CH3).
6.0%。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-2-O-メタンスルホニル-3-C-ビニル-β-D-リボフラノシル)チミン(25)。
ヌクレオシド24 (2.57 g, 5.53 mmol)を無水ピリジン(18 cm3)に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(1.28 cm3, 16.6 mmol)を滴加し、混合物を室温で30分間攪拌した。反応を水(5 cm3)で失活させ、得られた混合物をジクロロメタン(3 x 80 cm3)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 120 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、黄色の発泡体としてヌクレオシド25を得た(2.53 g, 84%)。
8.82 (1H, dd, J 2.6, 11.0, 5'-Ha), 3.55 (1H, dd, J 1.2, 11.0, 5'-Hb), 3.02 (3H, s, CH3), 1.47 (3H, d, J 1.1, CH3)。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-ビニル-β-D-アラビノフラノシル)チミン(26)。
エタノール(50 cm3)、水(50 cm3)および1 M 水性水素化ナトリウム (15 cm3)の混合物中のヌクレオシド25 (2.53 g, 4.66 mmol) 溶液を還流させながら16時間攪拌した。混合物を希塩酸水で中和し、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(3 x 120 cm3)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 150 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色発泡体として26を得た(1.61 g, 74%)。
6.0。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-3-C-ヒドロキシメチル-β-D-アラビノフラノシル)チミン(27)。
THF(15 cm3)と水(15 cm3)の混合物中のヌクレオシド26 (2.00 g, 4.31 mmol) 溶液に過ヨウ素酸ナトリウム(2.76 g, 12.9 mmol)およびt-ブタノール中の四酸化オスミウム2.5%溶液(w/w, 0.54 cm3, 43 μmol)を加えた。反応を室温で18時間攪拌し、水(50 cm3)で失活させ、混合物をジクロロメタン(2 x 100 cm3)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 75 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をTHF(15 cm3)と水(15 cm3)の混合物に再び溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(488 mg, 12.9 mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、水(50 cm3)を加え、混合物をジクロロメタン(2 x 100 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 75 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色発泡体としてヌクレオシド27を得た(732 mg, 36%)。
7.2, 9.7, 5'-Ha), 3.79 (1H, dd, J 5.6, 9.7, 5'-Hb), 2.49 (1H, t, J 6.4,
1''-OH), 1.68 (3H, d, J 0.6, CH3);
(1R,2R,4R,5S)-1-ベンジルオキシ-2-ベンジルオキシメチル-4-(チミン-1-イル)-3,6-ジオキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン(28)。
無水ピリジン(20 cm3)中の化合物27(2.26 g, 4.83 mmol)溶液を-40℃で攪拌し、無水ピリジン(10 cm3)中の塩化メタンスルホニル溶液(0.482 cm3, 4.83 mmol)を加えた。反応混合物を室温で17時間攪拌し、水(50 cm3)を加え、混合物をジクロロメタン(2 x 100 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 100 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物を得た。これを溶媒の蒸発後に無水DMF(15
cm3)に溶解した。この溶液を無水DMF(15 cm3)中の60%水素化ナトリウム懸濁液(461 mg, 11.5 mmol)に0℃で滴加した。反応を室温で30分間攪拌し、水(60 cm3)で失活させた。希塩酸水で中和した後、混合物をジクロロメタン(150 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 100 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色発泡体としてヌクレオシド28を得た(2.00 g, 93%)。
実測値: C, 66.3; H, 5.9; N, 6.1; C25H26N2O6 の理論値 C, 66.7; H, 5.8; N,
6.2%。
(1R,2R,4R,5S)-1-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-(チミン-1-イル)-3,6-ジオキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン(29)。
エタノール(3 cm3)中のヌクレオシド28溶液(180 mg, 0.40 mmol)に炭素上の10%水酸化パラジウム(90 mg)を加えた。混合物をアルゴンで数回脱気し、水素雰囲気下に置いた。反応混合物を室温で6時間攪拌し、次いでセライトで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(96:4, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド29を得た(92 mg, 86%)。
(1R,2R,4R,5S)-1-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-2-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-4-(チミン-1-イル)-3,6-ジオキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン(30)。
無水ピリジン(4 cm3)中のジオール29溶液(250 mg, 0.925 mmol)に4,4'-ジメトキシトリチルクロライド (376 mg, 1.11 mmol) を加え、混合物を室温で18時間攪拌した。反応をメタノール(1.5 cm3)で失活させ、混合物を減圧下で蒸発させた。ジクロロメタン(30 cm3)中の残渣の溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3
x 20 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し中間生成物を得、それを無水ジクロロメタン(7.0 cm3)に溶解した。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.64 cm3, 3.70 mmol)、次いで2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.41 cm3, 1.85 mmol)を加え、混合物を室温で25時間攪拌した。反応をメタノール(3 cm3)で失活させ、混合物を酢酸エチル(70 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 50 cm3)およびブライン(3 x 50 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣を石油エーテル/ジクロロメタン/酢酸エチル/トリメチルアミン(100:45:45:10, v/v/v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製した。得られた残渣をトルエン(2 cm3)に溶解し、-50℃で攪拌しながら石油エーテルから析出した。溶媒を蒸発させた後、残渣を無水アセトニトリル(4 x 5 cm3)と共に蒸発させ、白色発泡体として30を得た(436 mg, 61%)。
3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラノース(31)。
-5℃の無水DMF(100 cm3)中の3-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラノース(R. D. Youssefyeh, J. P. H. Verheyden および J. G. Moffatt, J. Org. Chem., 1979, 44, 1301)(20.1 g, 0.064 mol)溶液にNaH懸濁液(鉱油中60%(w/w), 1時間30分間に4回、合計2.85 g, 0.075 mol)を加えた。臭化ベンジル(8.9 cm3, 0.075 mol)を滴加し、室温で3時間攪拌し、そこへ氷冷水(50 cm3)を加えた。混合物をEtOAc (4 x 100 cm3)で抽出し、合わせた有機相を乾燥した(Na2SO4)。蒸発後、残渣を石油エーテル中5% EtOAc(v/v)で溶出させてシリカゲルクロマトグラフィで精製し、化合物31を得た(18.5 g, 71%)。
4-C-(アセトキシメチル)-3,5-ジ-O-ベンジル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラノース(32)。
無水ピリジン(4.5 cm3)中のフラノース31溶液 (913 mg, 2.28 mmol)に 無水酢酸(1.08 cm3, 11.4 mmol)を滴加し、反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応を氷冷水(50 cm3)を加えて失活させ、ジクロロメタン (3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 50 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、透明の油として化合物32を得た(911 mg, 90%)。
(1 H, d, J 10.5, H-1'b), 2.04 (3 H, s, COCH3), 1.64 (3 H, s, CH3), 1.34
(3 H, s, CH3)。
(Bn), 114.0 (C(CH3)2), 104.5 (C-1), 85.4 (C-4), 79.3, 78.6 (C-2, C-3), 73.7, 72.7, 71.2 (Bn, C-5), 64.9 (C-1'), 26.7, 26.3 (C(CH3)2), 21.0 (COCH3).
4-C-(アセトキシメチル)-1,2-ジ-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-D-リボフラノース(33)。
80%酢酸(10 cm3)中のフラノース32溶液 (830 mg, 1.88 mmol)を90℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエタノール(3 x 5 cm3)、トルエン(3 x 5 cm3)および無水ピリジン(3 x 5 cm3)と共に蒸発させ、無水ピリジン(3.7 cm3)に再び溶解した。無水酢酸(2.85 cm3)を加え、溶液を室温で72時間攪拌した。溶液を氷冷水(20 cm3)に注ぎ、混合物をジクロロメタン(2 x 20 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 20 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、透明の油として33(β:α〜1:3)を得た(789 mg, 86%)。
1-(4-C-(アセトキシメチル)-2-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)チミン(34)。
無水アセトニトリル(14.5 cm3)中のアノマー混合物33(736 mg, 1.51 mmol)とチミン(381 mg, 3.03 mmol)の攪拌溶液に、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.61 cm3, 10.6 mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら1時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。攪拌しながらトリメチルシリルトリフレート(0.47 cm3, 2.56 mmol)を滴加し、溶液を65℃で2時間攪拌した。反応を冷たい炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15 cm3)で失活させ、ジクロロメタン(3 x 10 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 10 cm3)およびブライン(2 x 10 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド34を得た(639 mg, 76%)。
H, d, J 10.2, 1''-Ha), 3.51 (1 H, d, J 10.4, 1''-Hb), 2.09 (3 H, s, COCH3), 2.03 (3 H, s, COCH3), 1.53 (3 H, d, J 0.9, CH3)。
実測値: C, 62.7; H, 5.9; N, 4.7; C29H32N2O9 の理論値 C, 63.0; H, 5.8; N,
5.1%。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-(ヒドロキシメチル)-β-D-リボフラノシル)チミン(35)。
メタノール(5.5 cm3)中のヌクレオシド34(553 mg, 1.05 mmol)の攪拌溶液にナトリウムメトキシド (287 mg, 5.25 mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間攪拌し、次いで希塩酸で中和した。溶媒を部分的に蒸発させ、ジクロロメタン (2 x 20 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液 (3 x
20 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4). 溶媒を減圧下で除去し、白色固形物として35を得た(476 mg, 97%)。
4.50-4.32 (4 H, m, Bn, 2'-H, 3'-H), 3.84-3.53 (4 H, m, 5'-Ha, 5'-Hb, 1''-Ha, 1''-Hb), 1.50 (3 H, d, J 1.1, CH3)。
実測値: C, 63.4; H, 6.0; N, 5.5; C25H28N2O7,1/4H2O の理論値 C, 63.5; H, 6.1; N, 5.9%。
中間生成物35A。
無水ピリジン(1.3 cm3)中のヌクレオシド35溶液(225 mg, 0.48 mmol)を0℃で攪拌し、塩化p-トルエンスルホニル (118 mg, 0.62 mmol)を少量ずつ加えた。溶液を室温で16時間攪拌し、塩化p-トルエンスルホニル(36 mg, 0.19 mmol)をさらに加えた。さらに4時間攪拌し、氷冷水(15 cm3)を加えた後、ジクロロメタン(2 x 15 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 15
cm3)で洗浄し、乾燥した (Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物35A (140 mg)を得た。これは精製せずに次の工程で用いられた。
(1S,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(36)。
中間生成物35A (159 mg)を無水DMF (0.8 cm3)に溶解した。この溶液を無水DMF
(0.8 cm3)中の鉱油中60% 水素化ナトリウム懸濁液 (w/w, 32 mg, 0.80 mmol)に0℃で攪拌しながら滴加した。混合物を室温で72時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(10 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 5 cm3)で洗浄し、乾燥した (Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として二環式ヌクレオシド36を得た(65.7 mg, 57%)。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(37)。
エタノール(1.5 cm3)中のヌクレオシド36溶液(97 mg, 0.215 mmol)を室温で攪拌し、炭素上の20%水酸化パラジウム(50 mg)を加えた。混合物をアルゴンで数回脱ガスし、風船で水素雰囲気に置いた。4時間攪拌した後、混合物をジクロロメタン-メタノール(97:3, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド37を得た(57 mg, 98%)。
Hz, 1''-Ha), 3.73 (1H, s, H'-5a), 3.76 (1H, s, 5'-Hb), 3.63 (1H, d, J 7.7 Hz, 1''-Hb), 1.78 (3H, d, J 0.7 Hz, CH3)。
(CH3).
(1R,3R,4R,7S)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-7-ヒドロキシ-3-チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(38)。
無水ピリジン(5 cm3)中のヌクレオシド37溶液(1.2 g, 4.44 mmol)に、4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(2.37 g, 7.0 mmol)を0℃で加えた。溶液を室温で2時間攪拌し、反応を氷冷水(10 cm3)で失活させ、ジクロロメタン(3 x 15 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 10 cm3)およびブライン(2 x 10 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド38を得た(2.35 g, 93%)。
113.14 (DMT), 110.36 (C-5), 89.17, 88.16, 87.05 (C-1', C-4', DMT), 79.36, 71.81, 70.25, 58.38 (C-2', C-3', C-5', C-1''), 55.22 (OCH3), 12.57 (CH3).
(1R,3R,4R,7S)-7-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(39)。
室温の無水ジクロロメタン(6 cm3)中のヌクレオシド38溶液(2.21 g, 3.86 mmol)にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4 cm3)および2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(1 cm3, 4.48 mmol)を加え、1時間攪拌した。MeOH(2 cm3)を加え、混合物を酢酸エチル(10 cm3)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 5 cm3)およびブライン(3 x 5 cm3)で連続的に洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いた塩基性アルミナカラムクロマトグラフィで精製し、白色発砲体として39を得た。この残渣をジクロロメタン(2 cm3)に溶解し、生成物を激しく攪拌しながら石油エーテル(100 cm3、-30℃に冷却)から析出させた。析出物を濾過によって回収し、乾燥し、白色固形物としてヌクレオシド39を得た(2.1 g, 70%)。
1-(2-O-アセチル-4-C-アセトキシメチル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)ウラシル(40)。
無水アセトニトリル(65 cm3)中のアノマー混合物33 (3.0 g, 6.17 mmol)とウラシル(1.04 g, 9.26 mmol)の攪拌溶液に、N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(9.16 cm3, 37.0 mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、0℃に冷却した。トリメチルシリルトリフレート(1.8 cm3, 10.0 mmol)を滴加し、溶液を60℃で2時間攪拌した。反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液 (10 cm3)を加えて0℃に失活させ、ジクロロメタン(3 x 20 cm3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(2 x 20 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド40を得た(2.5 g, 75%)。
(1H, d, J 11.6, Bn), 4.49-4.40 (5H, m, 3'-H, Bn, 1''-Ha), 4.37 (1H, d, J 12.3, 1''-Hb), 3.76 (1H, d, J 10.1, 5'-Ha), 3.49 (1H, d, J 10.1, 5'-Hb), 2.09 (s, 3H, COCH3), 2.04 (3H, s, COCH3).
102.57 (C-5), 87.41, 86.14 (C-1', C-4'), 77.09, 74.84, 74.51, 73.75, 70.60, 63.73 (C-2', C-3', C-5', C-1'', Bn), 20.79, 20.68 (COCH3).
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-β-D-リボフラノシル)ウラシル(41)。
メタノール(25 cm3)中のヌクレオシド40(2.0 g, 3.7 mmol)の攪拌溶液に、ナトリウムメトキシドを加えた(0.864 g, 95%, 16.0 mmol)。反応混合物を室温で10分間攪拌し、20% 水性塩酸で中和した。溶媒を部分的に蒸発させ、残渣を酢酸エチル(3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 20 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98.5:1.5, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として41を得た(1.58 g, 95%)。
J 11.7, Bn), 4.47 (1H, d, J 11.7, Bn), 4.45-4.24 (4H, m, Bn, 2'-H, 3'-H), 3.81 (1H, d, J 11.9, 1''-Ha), 3.69 (2H, br s, 2'-OH, 1''-OH), 3.67 (2H, m, 5'-Ha, 1''-Hb), 3.48 (1H, d, J 10.3, 5'-Hb).
中間生成物42。
ヌクレオシド41 (1.38 g, 3.0 mmol)、無水ピリジン(2 cm3)および無水ジクロロメタン(6 cm3)の溶液を-10℃で攪拌し、塩化p-トルエンスルホニル (0.648 g,
3.4 mmol)を1時間で少量ずつ加えた。溶液を-10℃で3時間攪拌した。反応を氷冷水 (10 cm3)を加えて失活させ、混合物をジクロロメタン (3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 20 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物42 (0.9 g)を得た。これは精製せずに次の工程で使用する。
(1S,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-(ウラシル-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(43)。
化合物42 (0.7 g)を無水DMF (3 cm3)に溶解し、60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 0.096 g, 24 mmol)を0℃で10分間で4回に分けて加え、反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応をメタノール(10 cm3)で失活させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン (20 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 6 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、ヌクレオシド43 を得た(0.30 g, 60%)。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(ウラシル-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(44)。
無水エタノール(2 cm3)中の化合物43溶液(0.35 g, 0.8 mmol)に炭素上の20%水酸化パラジウム (0.37 g)を加え、混合物を水素で数回脱ガスし、水素雰囲気下で4時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(9:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド44を得た(0.16 g, 78%)。
(1R,3R,4R,7S)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-7-ヒドロキシ-3-(ウラシル-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(45)。
無水ピリジン(0.5 cm3)中の化合物44溶液(0.08 g, 0.31 mmol)に、4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(0.203 g, 0.6 mmol) を0℃で加え、混合物を室温で2時間攪拌した。反応を氷冷水(10 cm3)で失活させ、ジクロロメタン(3 x 4 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 3 cm3) およびブライン(2 x 3 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98:2, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド45を得た(0.12 g,
69%)。
(DMT), 113.39, 113.17 (DMT), 101.79 (C-5), 88.20, 87.10, 86.87 (C-1', C-4', DMT), 79.25, 71.79, 69.70, 58.13 (C-2', C-3', C-5', C-1''), 55.33 (OCH3).
(1R,3R,4R,7S)-7-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(ウラシル-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(46)。
無水ジクロロメタン(2 cm3)中の化合物45溶液(0.07 g, 0.125 mmol)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.1 cm3)および2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.07 cm3, 0.32 mmol)を室温で加えた。1時間攪拌した後、反応をMeOH (2 cm3)で失活させ、得られた混合物を酢酸エチル (5 cm3)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液 (3 x 2 cm3)およびブライン(3 x 2 cm3)で連続的に洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で蒸発し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色発泡体を得た。この発泡体をジクロロメタン(2 cm3)に溶解し、激しく攪拌しながら生成物を石油エーテル (10 cm3, -30℃に冷却)から析出した。析出物を濾過によって回収し、乾燥し、白色固形物として化合物46を得た (0.055 g, 58%)。
9-(2-O-アセチル-4-C-アセトキシメチル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)-2-N-イソブチリルグアニン(47)。
無水ジクロロエタン(60 cm3)中のアノマー混合物33 (1.28 g, 5.6 mmol)および2-N-イソブチリルグアニン(1.8 g, 3.7 mmol)の攪拌溶液にN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(4 cm3, 16.2 mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら1時間攪拌した。トリメチルシリルトリフレート(1.5 mL, 8.28 mmol) を0℃で滴加し、溶液を還流させながら2時間攪拌した。反応混合物を1時間半で室温に冷却させた。ジクロロメタンを加えて250 cm3に希釈した後、混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200 cm3)および水(250 cm3)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン中1.25% (200 cm3)および1.5% (750 cm3)のメタノール(v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として2.10 g (87%)を得た。 1H-NMR 分析により、これは3つのアイソマーからなる(12.5:2.5:1)。この条件で形成された主生成物は化合物47であると思われる(P. Garner, S. Ramakanth, J. Org. Chem. 1988, 53, 1294; H. Vorbruggen, K. Krolikiewicz, B. Bennua, Chem. Ber. 1981, 114, 1234)。 個々のアイソマーは分離しておらず、この混合物は次の工程で使用された。
δH (CDCl3) 12.25 (br s, NHCO), 9.25 (br s, NH), 7.91 (s, 8-H) 7.39-7.26
(m, Bn), 6.07 (d, J 4.6, 1'-H), 5.80 (dd, J 5.8, J 4.7, 2'-H), 4.72 (d,
J 5.9, 3'-H), 4.59-4.43 (m, Bn, 1''-Ha), 4.16 (d, J 12.1, 1''-Hb), 3.70
(d, J 10.1, 5'-Ha), 3.58 (d, J 10.1, 5'-Hb), 2.65 (m, CHCO), 2.05 (s, COCH3), 2.01 (s, COCH3), 1.22 (d, J 6.7, CH3CH), 1.20 (d, J 7.0, CH3CH)。
127.8, 127.7 (Bn), 121.2 (グアニン), 86.2, 86.0 (C-1', C-4'), 77.8 (C-3'), 74.9, 74.5, 73.7, 70.4 (Bn, C-2', C-5'), 63.5 (C-1''), 36.3 (COCH), 20.8, 20.6 (COCH3), 19.0 (CH3CH)。
実測値: C, 60.8; H, 6.0; N, 10.4; C33H36N5O9 の理論値 C, 61.3; H, 5.6; N, 10.8%。
9-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-β-D-リボフラノシル)-2-N-イソブチリルグアニン(48)。
THF/ピリジン/メタノール(2:3:4, v/v/v) (40 cm3)中の化合物47を含む実施例49に記載の混合物の溶液(2.10 g, 3.25 mmol)を-10℃に冷却し、ナトリウムメトキシド (320 mg, 5.93 mmol) を攪拌溶液に加えた。反応混合物を10℃で30分間攪拌し、2 cm3の酢酸で中和した。溶媒を減圧下で蒸発させ,残渣をジクロロメタン/水系(2 x 100 cm3)で2回抽出した。有機画分を合わせ、減圧下で蒸発させた。トルエンと共に蒸発させた後、 残渣をジクロロメタン(v/v)中のメタノールの勾配(2-7 %)によるシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物を得た (1.62 g)。1H-NMRより、これは3つのアイソマーからなる (比:13.5:1.5:1)。
δH (CD3OD) 8.07 (s, 8-H) 7.36-7.20 (m, Bn), 6.05 (d, J 3.9, 1'-H), 4.81
(d, J 11.5, Bn), 4.75 (m, 2'-H), 4.56 (d, J 11.5, Bn), 4.51-4.43 (m, Bn, 3'-H), 3.83 (d, J 11.7, 1''-Ha), 3.65 (d, J 11.7, 1''-Hb), 3.64 (d, J 10.6, 5'-Ha), 3.57 (d, J 10.3, 5'-Hb), 2.69 (m, CHCO), 1.20 (6 H, d, J 6.8, CH3CH)。
74.5, 74.3, 72.2 (Bn, C-2', C-5'), 63.1 (C-1''), 36.9 (COCH), 19.4 (CH3CH), 19.3 (CH3CH)。
中間生成物49。
無水ピリジン(6 cm3)中の48 (1.6 g)を含む実施例50に記載の混合物の溶液を-20℃で攪拌し、塩化p-トルエンスルホニル(0.81 g, 4.27 mmol)を加えた。溶液を-20℃で1時間、-25℃で2時間攪拌した。次いで混合物をジクロロメタンを加えて100 cm3に希釈し、すぐに水(2 x 100 cm3)で洗浄した。有機相を分離し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(1-2%, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物49を得た(980 mg)。カラムから化合物49を溶出した後、48を含む出発混合物(510 mg)をジクロロメタン中8%メタノール(v/v)を溶出液として溶出した。この物質を濃縮し、減圧下で乾燥し、上記と同様の方法にて処理し、252 mgの中間生成物をさらに得た。中間生成物(1.23 g)をシリカゲルHPLC(Porasilでパックされたプレパック(PrepPak)カートリッジ, 15-20 μm, 125A, 流量60 cm3/分、溶出液はジクロロメタン中0-4%メタノール(v/v)、120 分)で精製した。中間生成物49を含む画分をプールし、濃縮して白色固形物を得た (1.04 g)。1H-NMR によれば、これは2つの主生成物すなわち〜2:1の比の1''-O および 2'-O モノトシル化誘導体である。
実測値C, 60.4; H, 5.8; N, 9.3; C36H39N5O9S の理論値C, 60.2; H, 5.5; N, 9.8%。
(1S,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(50)。
無水THF (20 cm3)中の中間生成物49溶液(940 mg)に60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 130 mg, 3.25 mmol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。酢酸(0.25 mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。 残渣をジクロロメタン (100 cm3)に溶解し、水 (2 x 100 cm3)で洗浄した。有機相を分離し、減圧下で蒸発させた。残渣をメタノール/ジクロロメタン(1-1.5%, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド50を得た(451 mg, 57%)。
実測値: C, 63.3; H, 5.9; N, 12.5; C29H30N5O6の理論値 C, 64.0; H, 5.6; N,
12.9%。
化合物78(1.5g, 2.51 mmol)と乾燥DCM (50 mL)中のN2-イソブチリルグアニン(0.93 g, 4.06 mmol)の懸濁液に、BSA (N,O-ビストリメチルシリルアセトアミド; 3.33 mL, 13.5 mmol) を加え、混合物を2時間還流させた。トリメチルシリルトリフレート(1.25 mL, 6.9 mmol)を混合物に加え、さらに2時間還流させた。混合物を室温に冷却し、200 mLのDCMで希釈し、NaHCO3飽和水溶液および水で洗浄した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン中1- 2.5 % of CH3OH)により1.05g (55%)の所望のアイソマーG1AQおよび上記手順を繰り返すことによってG1AQに変換される380 mgの高流動性アイソマーを得た。水酸化アンモニウム(12 mLの25%水溶液)をG1AQ溶液(12 mL メタノール中1.05 g)に加え、混合物を室温で1時間攪拌した。濃縮後、生成物をシリカゲルコラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン中1-3 % CH3OH)で精製し、白色固形物として700 mgのG3を得た。無水THF (15 mL)中の700 mgのG3をNaH (鉱油中225 mgの60%懸濁液)で処理した。30分後、反応を1.25 mLの酢酸を加えることにより失活させ、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、NaHCO3および水で洗浄し、メタノール/DCMの0.5-3%勾配でシリカゲルクロマトグラフィで精製した。400 mg (75%)の50を得た。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(51)。
ヌクレオシド50 (717 mg, 1.31 mmol)と炭素上の10%パラジウム(500 mg)の混合物を室温でメタノール(8 cm3)に懸濁した。 混合物を減圧下で数回脱ガスし、水素雰囲気下に置いた。24時間攪拌した後、混合物をメタノール/ジクロロメタン(8-20%, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、ガラス状固形物としてヌクレオシド51を得た(440 mg, 92%)。
(1R,3R,4R,7S)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-7-ヒドロキシ-3-(2-N-イソブチリルグアニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(52)。
化合物51 (440 mg, 1.21 mmol)と4,4'-ジメトキシトリチルクロライド (573 mg, 1.69 mmol)の混合物を無水ピリジン (7 cm3)に溶解し、室温で4時間攪拌した。混合物を減圧下で蒸発させて油を得た。ジクロロメタン/水系(1:1, v/v, 40 cm3)で抽出した。有機相を分離して濃縮し、0.5%のピリジン(v/v)を含む最小容量の溶液を得た。これを同一の溶媒で平衡させたシリカゲルクロマトグラフィに付した。生成物を0.5%のピリジン(v/v)を含むジクロロメタン中のメタノールの濃度勾配(0.6 - 2%, v/v)で溶出し、白色固形物として化合物52を得た(695 mg, 86%)。
(1R,3R,4R,7S)-7-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(2-N-イソプロピオニルグアニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(53)。
1-(2-O-アセチル-4-C-アセトキシメチル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)-4-N-ベンゾイルシトシン(54)。
アノマー混合物33 (4.0 g, 8.22 mmol)と4-N-ベンゾイルシトシン(2.79 g, 13.0 mmol)の攪拌溶液にN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(8.16 cm3, 33.0
mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、0℃に冷却した。トリメチルシリルトリフレート (3.0 cm3, 16.2 mmol)を滴加し、混合物を60℃で2時間攪拌した。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 20 cm3)およびブライン(2 x 20 cm3)を連続的に加え、分離した有機相を乾燥した (Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物54を得た(3.9 g, 74%)。
12.3, 1''-Ha), 4.49-4.34 (4H, m, 3'-H, Bn), 4.21 (1H, d, J 12.3, 1''-Hb), 3.85 (1H, d, J 10.3, 5'-Ha), 3.47 (1H, d, J 10.3, 5'-Hb), 2.13 (3H, s, COCH3), 2.06 (3H, s, COCH3).
C-1''), 20.82 (COCH3)。
実測値: C, 65.0; H, 5.7, N, 6.5; C35H35N3O9の理論値C, 65.5; H, 5.5; N, 6.5%.
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-β-D-リボフラノシル)-4-N-ベンゾイルシトシン(55)。
メタノール(20 cm3)中のヌクレオシド54(3.4 g, 5.3 mmol)の攪拌溶液にナトリウムメトキシド(0.663 g, 11.66 mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間攪拌し、次いで20%水性塩酸で中和した。溶媒を部分的に蒸発させ、残渣をジクロロメタン(3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 20 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール(98.5:1.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物55を得た(1.6 g, 54%)。
73.70, 72.76, 70.26, 62.44 (C-2', C-3', Bn, C-5', C-1'').
中間生成物56。
無水テトラヒドロフラン(60 cm3)中のヌクレオシド55溶液(2.2 g, 3.94 mmol)を-20℃で攪拌し、鉱油中の60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 0.252 g, 6.30 mmol)を45分で7回に分けて加えた。溶液を-20℃で15分間攪拌し、次いで塩化p-トルエンスルホニル(0.901 g, 4.73 mmol)を少量ずつ加えた。溶液を-20℃で4時間攪拌した。さらに水素化ナトリウム(0.252 g, 6.30 mmol)および塩化p-トルエンスルホニル(0.751 g, 3.93 mmol)を加えた。反応混合物を48時間-20℃に維持した。反応を氷冷水 (50 cm3)を加えて失活させ、ジクロロメタン(3x 60 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 20 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物56 (1.80 g)を得た。
(1S,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(57)。
中間生成物56 (1.80 g) を無水DMF (30.0 cm3)に溶解し、鉱油中の60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 0.16 g, 3.9 mmol)を0℃で30分間で5回に分けて加えた。反応混合物を室温で36時間攪拌した。反応を氷冷水 (70 cm3)を加えて失活させ、得られた混合物をジクロロメタン (3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 30 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残査をジクロロメタン/メタノール(99.5:0.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物57を得た(1.08 g, 79%)。
(3H, m, 2'-H, Bn), 4.60 (1H, d, J 11.6, Bn), 4.47 (1H, d, J 11.6, Bn), 4.05-3.78 (5H, m, 3'-H, 5'-Ha, 1''-Ha, 5'-Hb, 1''-Hb)。
136.93, 133.35, 132.93, 129.11, 128.67, 128.50, 128.16, 128.11, 127.68,
127.60 (Bn), 96.35 (C-5), 88.38, 87.67 (C-1', C-4'), 76.14, 75.70, 73.79, 72.27, 72.09, 64.34 (Bn, C-5', C-1'', C-2', C-3').
実測値: C, 68.0; H, 5.5, N, 7.5; C31H29N3O6の理論値C, 69.0; H, 5.4; N, 7.8%)。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(シトシン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(57A)。
無水メタノール(22 cm3)中のヌクレオシド57溶液(0.3 g, 0.55 mmol)に1,4-シクロヘキサジエン(5.0 cm3)および炭素上の10%パラジウム(0.314 g)を加えた。混合物を還流させながら18時間攪拌した。炭素上の10%パラジウム(0.380 g)および1,4-シクロヘキサジエン(5.5 cm3)をさらに加え、混合物を54時間還流させた。反応混合物をシリカゲルパッドで濾過し、次いでメタノール(1500 cm3)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール (92.5:7.5, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物57Aを得た(0.051 g, 36%)。
(1H, d, J 7.7, 5-H), 5.61 (1H, br s, 3'-OH), 5.39 (1H, s, 1' -H), 5.12 (1H, m, 5'-OH), 4.08 (1H, s, 2'-H), 3.80 (1H, d, J 7.7, 1''-Ha), 3.81 (1H, s, 3'-H), 3.74 (2H, m, 5'-Ha, 5'-Hb), 3.63 (1H, d, J 7.7, 1''-Hb)。
中間生成物57B。
無水ピリジン(2.0 cm3)中に懸濁したヌクレオシド57A(0.030 g, 0.11 mmol)に塩化トリメチルシリル(0.14 cm3, 1.17 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。塩化ベンゾイル(0.07 cm3, 0.58 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で2時間攪拌した。 反応混合物を0℃に冷却した後、水(3.0 cm3)を加えた。5分間攪拌した後、アンモニア水溶液(1.5 cm3, 32%, w/w)を加え、室温で30分間攪拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(97.5:2.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として中間生成物57Bを得た(0.062 g)。
(1R,3R,4R,7S)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-7-ヒドロキシ-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(57C)。
無水ピリジン(1.5 cm3)中の中間生成物57B溶液(0.042 g, 0.11 mmol)に4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(0.06 g, 0.17 mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間攪拌し、0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20 cm3)を加えた。ジクロロメタン(3 x 10 cm3)を用いて抽出した。合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発乾固させた。残渣をジクロロメタン/メタノール/ピリジン(98.0:1.5:0.5, v/v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド57Cを得た(0.031g, 57Aから〜63%)。
(1R,3R,4R,7S)-7-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(57D)。
無水ジクロロメタン(1.5 cm3)中のヌクレオシド57C溶液(0.025 g, 0.03 mmol)にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.03 cm3, 0.17 mmol)を加え、次いで2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.02 cm3, 0.09 mmol)を滴加した。室温で5時間攪拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、ジクロロメタン/ピリジン(10.0 cm3, 99.5:0.5, v/v)を加え、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 8 cm3)で洗浄した。有機相を分離し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発乾固させた。残渣をジクロロメタン/メタノール/ピリジン(99.0:0.5:0.5, v/v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、薄黄色の油としてアミダイト57Dを得た(0.038 g)。
9-(2-O-アセチル-4-C-アセチルオキシメチル-3,5-ジ-O-ベンジル-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(58)。
無水ジクロロメタン(200 cm3)中のアノマー混合物33(5.0 g, 10.3 mmol)と6-N-ベンゾイルアデニン(3.76 g, 15.7 mmol)の攪拌懸濁液 にN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(15.54 cm3, 61.8 mmol)を加えた。反応混合物を還流させながら1時間攪拌し、次いで室温に冷却した。トリメチルシリルトリフレート(7.0 cm3, 38.7 mmol)を滴加し、混合物を20時間還流させた。 反応混合物を室温に冷却し、混合物の容量を減圧下で1/4に減らした。ジクロロメタン(250 cm3)を加え、溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 50 cm3)および水(50 cm3)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99.5:0.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド58を得た(3.65 g, 52%)。
9-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(59)。
メタノール(50 cm3)中のヌクレオシド58 (4.18 g, 6.28 mmol)の攪拌溶液にナトリウムメトキシド(0.75 g, 13.8 mmol)を0℃で加えた。反応混合物を2時間攪拌し、氷を加えた。混合物を20%HCl水溶液で中和した。ジクロロメタン(3 x 75 cm3)で抽出し、有機相を分離し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(98.5:1.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物59を得た(2.68 g, 73%)。
実測値: C, 65.6; H, 5.5; N, 11.7; C32H31N5O6 の理論値 C, 66.1; H, 5.4; N, 12.0%。
中間生成物60。
無水テトラヒドロフラン(25 cm3)中のヌクレオシド59(2.43 g, 4.18 mmol)溶液を-20℃で攪拌し、鉱油中60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 0.28 g, 7.0 mmol)を30分間で4回に分けて加えた。1時間攪拌した後、塩化p-トルエンスルホニル(1.34 g, 7.0 mmol)を少量ずつ加えた。混合物を-10℃で15時間攪拌した。氷冷水(50 cm3)を加え、ジクロロメタン(3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 25 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発した。残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、中間生成物60 を得た(1.95 g)。
(1S,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(61)。
中間生成物60 (1.90 g)を無水DMF (20 cm3)に溶解し、鉱油中の60%水素化ナトリウム懸濁液(w/w, 0.16 g, 3.87 mmol)を0℃で少量ずつ加えた。混合物を室温で10時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(75 cm3)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 25 cm3)で洗浄し、減圧下に蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド61を得た(1.0 g, 〜44%、 59より)。
実測値: C, 66.2; H, 5.5; N, 11.4; C32H29N5O5の理論値C, 66.2; H, 5.2; N, 12.4%。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(アデニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(61A)。
無水ジクロロメタン(30 cm3)中のヌクレオシド61(0.80 g, 1.42 mmol)攪拌溶液にBCl3 (ヘキサン中1 M溶液; 11.36 cm3, 11.36 mmol)を-78℃で30分かけて滴加した。混合物を-78℃で4時間攪拌し、さらにBCl3 (ヘキサン中1 M溶液, 16.0 cm3, 16.0 mmol)を滴加し、混合物を-78℃で3時間攪拌した。 次いで反応混合物の温度をゆっくりと室温まで上昇させ、30分間攪拌した。メタノール(25.0 cm3)を-78℃で加え、混合物を室温で12時間攪拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(92:8, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド61A を得た(0.332 g, 84%)。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(61B)。
無水ピリジン(1 cm3)中のヌクレオシド61A (0.32 g, 1.15 mmol)の攪拌溶液に塩化トリメチルシリル(0.73 cm3, 5.73 mmol)を加え、混合物を室温で20分間攪拌した。塩化ベンゾイル(0.67 cm3, 5.73 mmol)を0℃で加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、氷冷水(15.0 cm3)を加えた。5分間攪拌した後、32%(w/w)アンモニア水溶液 (1.5 cm3)を加え、混合物を30分間攪拌した。混合物を蒸発乾固させ、残渣を水(25 cm3)に溶解した。減圧下で混合物を蒸発させた後、残渣をジクロロメタン/メタノール(97:3, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド61Bを得た(0.55 g)。
(1R,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(61C)。
無水ピリジン(20 cm3)中の化合物61B (0.50 g)の攪拌溶液に4,4'-ジメトキシトリチルクロライド (0.71 g, 2.09 mmol)および4-N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.1 g)を加えた。室温で2時間、50℃で1時間攪拌した後、反応混合物を0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100 cm3)を加えた。ジクロロメタン(3 x 50 cm3)で抽出した後、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール/ピリジン(98.0:1.5:0.5)で溶出させてシリカゲルクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド61Cを得た(0.36 g, 61Aから、〜50%)。
141.45, 136.52, 136.28, 132.55, 130.76, 130.70, 129.32, 128.85, 128.76,
128.46, 127.38, 126.33 (DMT, Bz, C-2, C-4, C-8), 113.84 (C-5), 88.64, 87.20, 86.85, 80.52, 73.13, 72.16, 60.86 (C-1', C-4', DMT, C-2', C-3', C-1'', C-5'), 55.24 (OCH3)。
実測値: C, 68.3; H, 5.0; N, 9.7; C39H35N5O7 の理論値 C, 68.3; H, 5.1; N,
10.2%)。
(1R,3R,4R,7S)-7-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(61D)。
無水ジクロロメタン(1.5 cm3)中の化合物61C (190 mg, 0.277 mmol)溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.16 cm3, 0.94 mmol)および2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.1 cm3, 0.42 mmol)を0℃で加えた。混合物を室温に温め、5時間攪拌した。溶液をジクロロメタン(50 cm3)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 30 cm3)で洗浄し、減圧下で蒸発させた。生成物をシリカゲルHPLC (PrepPak カートリッジ, 25 x 100 mm, Prep Nova-Pak(商標) HR シリカでパックされている、6μm 60A; 溶液A中の溶液B勾配 (25分で0%〜15%、さらに25分で15%〜100%, 溶液A: 石油/ジクロロメタン/ピリジン, 60/39.6/0.4, v/v/v, 溶液B: 酢酸エチル)で分離した。2つの主生成物を含む画分(維持時間 30-40分)を結合し、減圧下で濃縮し、無水トルエン(2 x 40 cm3)と共に蒸発させ、真空中で一晩乾燥した。残渣を無水ジクロロメタン(4 cm3)に溶解し、この溶液を激しく攪拌しながら無水石油エーテル(80 cm3)に加えることにより析出した。析出物を濾過によって回収し、石油エーテル(2 x 20 cm3)で洗浄し、減圧下で乾燥し、白色固形物として化合物61Dを得た(178 mg, 73。
1-(2,3-O-イソプロピリデン-4-C-(4-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)ウリジン(62)。
無水ピリジン(28 cm3)中の1-(2,3-O-イソプロピリデン-4'-C-ヒドロキシメチル-β-D-リボフラノシル)ウリジン(2.0 g, 6.4 mmol) (R. Youssefyeh, D. Tegg, J. P. H. Verheyden, G. H. Jones および J. G. Moffat, Tetrahedron Lett., 1977, 5, 435; G. H. Jones, M. Taniguchi, D. Tegg および J. G. Moffat, J.
Org. Chem., 1979, 44, 1309)の攪拌溶液に無水ピリジン(10 cm3)に溶解した塩化p-トルエンスルホニル(1.46 g, 7.3 mmol)を-30℃で加えた。30分後、反応混合物を室温に到達させ、室温で12時間攪拌した。反応をメタノール(4 cm3)で失活させ、シリカゲル(2g)を加え、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン(v/v)中の0-3%メタノール勾配を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、薄赤色の固形物としてヌクレオシド62を得た(1.8 g, 60%)。
8.1, 6-H), 7.35 (2H, d, J 8.01, Ts), 5.72 (1H, d, J 8.0, 5-H), 5.54 (1H, d, J 3.5, 1'-H), 5.08 (1H, dd, J 3.5, 6.4, 2'-H), 4.94 (1H, d, J 6.4, 3'-H), 4.18 (2H, s, 1''-H), 3.82-3.70 (2H, m, 5'-H), 2.45 (3H, s, Ts), 1.46, 1.29 (6 H, s, CH3)。
1-(4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル-β-D-リボフラノシル)ウリジン(63)。
ヌクレオシド62 (1.33 g, 2.83 mmol)を80%酢酸(25 cm3)に溶解し、80℃で3時間攪拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をエタノール(10 cm3)と共に蒸発させ、ジクロロメタン(v/v)中0-2%メタノール勾配を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド63を得た(391
mg, 33%)。
d, J 8.6, Ts), 5.74 (1H, d, J 6.6, 1'-H), 5.69 (1H, d, J 8.1, 5-H), 4.17-4.33 (2H, m, 2'-H, 3'-H), 3.67-3.62 (2H, m, 1''-H), 3.26-3.20 (2H, m, 5'-H), 2.43 (3H, s, Ts)。
(1S,3R,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(ウラシル-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(44)。
無水DMF(2 cm3)中のヌクレオシド63 (64 mg, 0.14 mmol)の攪拌溶液に無水DMF(2 cm3)中の水素化ナトリウム(8.4 mg, 21 mmol, 鉱油中の60%懸濁液、w/w)を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を120℃で6時間熱した。反応を水(2 cm3)で失活させた後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン(v/v)中の5-7%メタノール勾配を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物44を得た(9 mg, 29%)。NMRデータは化合物44について報告されたものと一致した。
(1S,3R,4R,7S)-7-アセトキシ-1-アセトキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1] ヘプタン(64)。
無水ピリジン(2.5 cm3)中のヌクレオシド37 (209.8 mg, 0.78 mmol)の攪拌溶液に無水酢酸(0.3 cm3, 3.23 mmol)および触媒量のDMAP (5 mg)を加えた。2時間攪拌した後、エタノール(4 cm3)を加え、混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタンに再び溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(7 cm3)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(97:3, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物として64を得た(249 mg, 90%)。
71.70, 71.02, 58.60, 20.62, 20.53, 12.78.
FAB-MS m/z 355 [M+H]+。
(1S,3R,4R,7S)-1-ヒドロキシメチル-3-(5-メチル-4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(65)。
無水アセトニトリル(3 cm3)中のヌクレオシド64 (232.7 mg, 0.66 mmol)の溶液に無水アセトニトリル(5 cm3)中の1,2,4-トリアゾール(420 mg, 6.1 mmol)およびPOCl3 (0.12 cm3, 1.3 mmol)の溶液を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、無水トリエチルアミン(0.83 cm3)を加え、混合物を室温で90分間維持した。トリエチルアミン(0.54 cm3)および水(0.14 cm3)を加え、反応混合物を10分間攪拌し、減圧下で蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 × 9 cm3)および水(9 cm3)で洗浄した。水相をジクロロメタン(3 x 20 cm3)で抽出し、合わせた有機相を減圧下で蒸発させ、残渣をジオキサン(4 cm3)に再び溶解し、32% アンモニア水 (0.7 cm3)を加えた。3時間攪拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発させ、無水ピリジンと共に蒸発させた。残渣を無水ピリジン(3.6
cm3)に溶解し、塩化ベンゾイル(0.42 cm3, 3.6 mmol)を加えた。2時間攪拌した後、反応を水(1 cm3)で失活させ、反応混合物を減圧下で蒸発させた。次いで残渣をEtOAcに再び溶解し、水(3 × 7 cm3)で洗浄した。有機相を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をピリジン/メタノール/水(13:6:1, v/v/v, 14 cm3)に0℃で溶解し、ピリジン/メタノール/水(13:6:1, v/v/v, 7 cm3)中のNaOHの2M溶液を加えた。20分間攪拌した後、反応混合物をジオキサン中のHClの2M溶液で中和し、 反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(95:5, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、黄色の発泡体としてヌクレオシド65を得た(94.6 mg, 38%)。
88.86, 80.57, 72.47, 70.22, 57.53, 14.01.
FAB-MS m/z 374 [M+H]+。
(1R,3R,4R,7S)-1-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシメチル)-3-(5-メチル-4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-7-O-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノキシ)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1] ヘプタン(66)。
無水ピリジン(1.5 cm3)中のヌクレオシド65 (82 mg, 0.22 mmol)の攪拌溶液に4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(80 mg, 0.24 mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(80 mg, 0.24 mmol) をさらに加え、攪拌をさらに12時間継続した。メタノール(0.5 cm3)を加え、反応混合物を減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール/ピリジン(98.5:1.0:0.5,
v/v/v)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付した。得られた中間生成物(FAB-MS m/z 676) (50.2 mg)を無水アセトニトリルと共に蒸発させ、無水ジクロロメタン (0.62 cm3)に溶解した。N,N-ジイソプロピルエチルアミンを加え(0.1 cm3)、次いで2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.3 cm3, 0.11 mmol)を加えた。室温で3時間攪拌した後、水(1 cm3)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(10 cm3)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3
× 6 cm3) およびブライン(3 × 6 cm3)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムHPLCで精製した。化合物53について記載した析出により、白色固形物として化合物66を得た(29.5 mg, 0.03 mmol, 14%)。
9-(4-(ヒドロキシメチル)-2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(67)。
塩化オキサリル(0.93 mL, 10.75 mmol)およびジクロロメタン(25 mL)の混合物を-70℃に冷却した。ジメチルスルホキシド(DMSO, 1.7 mL, 22 mmol)を激しく攪拌しながら滴加した。混合物を-70℃で10分間攪拌し、ジメチルスルホキシド/ジクロロメタン(1:9 v/v, 20 mL)中の9-(2,3-O-イソプロピリデン-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン (3.4 g, 8.27 mmol)の溶液を5分で加えた。混合物を-60℃で30分間攪拌した。トリエチルアミン(7 mL, 50,3 mmol)を加え、混合物を室温まで温めた。溶液をジクロロメタン(50 mL)で希釈し、水(3 x 100 mL)で洗浄した。水の画分を100 mLのジクロロメタンでさらに洗浄した。有機相を濃縮して油状の塊とし、ジオキサン(50 mL)と共に蒸発させ、30 mLのジオキサンに再び溶解した。37%ホルムアルデヒド水溶液(2.95 mL, 33.4 mmol)およびNaOHの2M水溶液(8.26 mL)を加えた。混合物を室温で10分間攪拌し、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(640 mg, 16.9 mmol)を加え、反応混合物を15分間で室温まで温めた。反応を酢酸(5 mL)を加えることによって失活させ、この混合物にジクロロメタンと炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(それぞれ100 mL)を加えた。有機相を水(100 mL)で洗浄し、真空中で濃縮し、生成物をジクロロメタン(v/v)中の2 - 3.2 %メタノールを溶出液としてカラム(2.5 x 25 cm)シリカゲルクロマトグラフィで分離した。白色固形物として1.85 g (50.7 %)の化合物67を得た。
124.1, 114.7, 93.3, 90.2, 83.8, 82.5, 65.3, 62.9, 27.3, 25.1.
無水ピリジン(250 mL)中の2',3'-O-イソプロピリデンアデノシン(15 g)の溶液に塩化トリメチルシリル(15.5 mL)を加えた。反応混合物を室温で20分間攪拌し、0℃に冷却した。塩化ベンゾイル(17 mL)を滴加し、混合物を2〜3時間室温に維持した。水(50 mL)および25 %水酸化アンモニウム水溶液(100 mL)を加え、3時間攪拌した。次いで混合物を減圧下で濃縮し、トルエン(2 x 200 mL)とジクロロメタン(DCM)と共に蒸発させ、飽和炭酸水素ナトリウムを加えた。有機相を蒸発乾固させ、黄色の固形物を得た。エタノールから再結晶することにより、白色固形物の中間物質として12.5 g (約80 %)を得た。乾燥DCM (120 mL)中の塩化オキサリル(4.68 mL) を-70℃に冷却した。DMSO (8.5 mL) を激しく攪拌しながら加えた。その後(10分)、10% DMSO/DCM (100 mL)中の合成は上記に記載した中間生成物(17 g)の溶液を滴加した(20分)。30分で温度を-50℃に上げ、次いで反応をトリエチルアミン(35 mL)で失活させた。この混合物にDCM (200 ml)を加え、水(3 x 200 mL)で洗浄した。中間生成物を真空中で濃縮し、ジオキサンと共に蒸発させ、ジオキサン(120 mL)に再び溶解した。ホルムアルデヒド(37 %)および水酸化ナトリウムの2 M水溶液(40 mL)を加え、反応混合物を1時間攪拌した。混合物を酢酸(6 mL) およびDCM(400 ml)で中和し、飽和炭酸水素ナトリウム(400 mL)を加えた。有機相を濃縮した。生成物67をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル, 1.5
- 5.0 % メタノール/ DCM)で精製した。8.5 g (46 %)の67を得た。データはこの実施例の最初に記載した。
9-(2,3-O-イソプロピリデン-4-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(68)および9-(4-ヒドロキシメチル-2,3-O-イソプロピリデン-5-O-(p-トルエンスルホニル)-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン。
化合物67 (1.95 g, 4.42 mmol)と塩化p-トルエンスルホニル(1.26 g, 6.63 mmol)の混合物を10 mLの無水ピリジンに0℃で溶解した。反応混合物を4時間攪拌し、次いでジクロロメタン(100 mL)で希釈し、水(2x100 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。その混合物のジクロロメタン中のメタノール(1-4%)勾配のシリカゲルカラム(2.5 x 20 cm)クロマトグラフィで精製し、白色固形物として出発材料67 (360 mg, 18.5 %)および2つの構造アイソマー、すなわち68 (極性の低いアイソマー; 971 mg, 36.7 %)と9-(4-ヒドロキシメチル-2,3-O-イソプロピリデン-5-O-(4'-トルエンスルホニル)-β-D-リボフラノシル)-N6-ベンゾイルアデニン(極性の高いアイソマー; 352 mg, 13,1%)を分離した。
FAB-MS: m/z 596 [M+H]+
9-(4-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(69)。
10 mLの90 %トリフルオロ酢酸水溶液中の化合物 68 (940mg, 1.58 mmol)の溶液を室温で30分間維持し、真空中で濃縮して油質の塊とした。メタノール(2x20 mL)およびトルエン(20 mL)と共に蒸発させた後、混合物をジクロロメタン中のメタノール勾配(2-5.0%)を溶出液としたシリカカラム(2 x 25 cm)クロマトグラフィで精製し、白色固形物として化合物69を得た(825 mg, 94 %)。
(2H, d, J8.2), 7.63 (1H, m), 7.53 (2H, m), 7.32 (2H, d, J8.0), 5.94 (1H, d, J 7.1), 4.92 (1H, dd, J'7.1, J''5.3), 4.41 (1H, d, J5.1), 4.38 (1H,
d, J10.2), 4.28 (1H, d, J10.2), 3.80 (1H, d, J12.0), 3.68 (1H, d, J12.0), 2.35 (3H, s).
FAB-MS: m/z 556 [M+H]+
9-(4-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(70)。
無水ピリジン(7 mL)中の化合物69 (780 mg, 1.40 mmol)の溶液に1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(500 μL, 1.57 mmol)を0℃で加えた。0℃で2時間攪拌した後、1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(50 μL, 0.16 mmol)をさらに加えた。 反応混合物を室温に温め、ジクロロメタン(100 mL)で希釈し、水(2 x 100 mL)で洗浄した。 有機相を濃縮し、残渣を分取HPLC (PrepPak カートリッジ, Porasil 15-20 μm 125 Å; 溶出液: ジクロロメタン(v/v)中0-3%メタノール、120 分; 流量: 60 ml/分)を用いて精製した。真空中で濃縮し、白色固形物として870 mg (78%)の化合物70を得た。
7.58 (1H, m), 7.49 (2H, m), 7.34 (2H, d, J8.4), 5.87 (1H, s), 5.70 (1H,
d, J6.2), 4.68 (1H, d, J6.2), 4.59 (1H, d, J10.8), 4.31 (1H, d, J11.0),
3.91 (2H, s), 2.45 (3H, s), 1.03-0.84 (28H, m).
FAB-MS: m/z 798 [M+H]+
9-(2-O,4-C-メチレン-3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサ-1,3-ジイル)-β-D-リボフラノシル)-6-N-ベンゾイルアデニン(71)。
無水THF (20 mL)中の化合物70 (540 mg, 0.68 mmol)の溶液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(鉱油中の60%懸濁液130 mg、3.25 mmol)を攪拌しながら加えた。反応混合物を30分間攪拌し、次いで750 μLの酢酸を加えて中和した。ジクロロメタン(50 mL)を加え、混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 50 mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(2.5 x 25 cm)に付し、生成物をジクロロメタン中のメタノール濃度勾配(0.5 to 1.2 %)で溶出し、白色発泡体として化合物71を得た(356 mg, 84 %)。
FAB-MS: m/z 626 [M+H]+
7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1] ヘプタン(61B)。
トリエチルアミン トリス-フッ化水素 (300 μL, 1.84 mmol)を無水THF(7 mL)中の化合物71 (420 mg, 0.067 mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で1時間維持し、濃縮して油とし、それをジクロロメタン(v/v)中4 - 10%メタノールで溶出しながらシリカゲルカラム(2 x 25 cm)クロマトグラフィで精製した。 白色固形物として232 mg (92 %)の化合物61Bを得た。NMRデータは先の61Bについて報告されたものと同一である。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-2-O-p-トルエンスルホニル-β-D-リボフラノシル)チミン(72)。
ジクロロメタン(20 ml)中の1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-(ヒドロキシメチル)-β-D-リボフラノシル)チミン35 (1.48 g, 3.16 mmol)、DMAP (1.344 g, 0.011 mol)および塩化p-トルエンスルホニル(1.45 g, 7.6 mmol)の溶液を室温で3時間攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(30 ml)で希釈し、 炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 20 ml)および塩化ナトリウム(2 x 25 ml)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、減圧下で濾過し、蒸発させた。残渣をメタノール:ジクロロメタン(1:99, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、白色固形物としてヌクレオシド72を得た (1.95 g, 80%)。
δC (CDCl3) 162.9, 149.8 (C-2, C-4), 145.8, 145.2 (2 x Ts), 136.9, 136.8
(2 x Bn), 134.3 (C-6), 132.1, 132.0, 130.0, 129.9, 129.0 128.9, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.7 (2 x Ts, 2 x Bn), 111.2 (C-5), 85.3, 84.0 (C-1', C-4'), 78.9, 78.3, 75.2, 74.3, 72.7, 69.1 (C-2', C-3', C-5', C-1'', 2 x Bn), 21.7 (2 x CH3), 11.9 (CH3).
1-(2-ベンジルアミノ-2-デオキシ-3,5-ジ-O-ベンジル-2-N,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)チミン(73)。
ベンジルアミン(10 ml)中の72 (8.6 g, 11.1 mol)の溶液を130℃で36時間攪拌した。反応混合物をメタノール:ジクロロメタン(1:99, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに直接付し、白色固形物としてヌクレオシド73 (1.79 g, 30%)を得た。
δC (CDCl3) 163.9, 149.8 (C-2, C-4), 139.2, 137.6, 137.3 (3 x Bn), 135.6
(C-6), 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.7, 127.0 (3 x Bn), 109.6 (C-5), 88.2, 86.3 (C-1', C-4'), 76.7, 73.8, 72.0, 66.0, 63.8, 57.9, 57.8
(C-2', C-3', C-5', C-1'', 3 x Bn), 12.2 (CH3).
1-(2-アミノ-2-デオキシ-2-N,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)チミン(74)。
エタノール(150 ml)中のヌクレオシド73 (1.62 g, 0.003 mol)の溶液に炭素上の20%水酸化パラジウム(3 g)およびその懸濁液を水素下で5日間攪拌した。触媒を濾過して除去し(シリカゲル)、メタノール(20 ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮し、白色固形物を得、濾過して取り出し、メタノール:ジクロロメタン(1:4, v/v)で洗浄し、モノベンジル化中間生成物(0.82 g, 76%)を得た。
13C-NMR (DMSO-d6, 250 MHz): 163.7, 149.8 (C-2, C-4), 138.2 (Bn), 134.9 (C-6), 128.2, 127.5, 127.4 (Bn), 107.8 (C-5), 87.8, 87.6 (C-1', C-4'), 72.7, 68.9, 65.9, 61.7, 49.4 (C-2', C-3', C-5', C-1'', Bn), 11.9 (CH3).
H, 5.61; N, 11.56.
δH (DMSO-d6) 11.29 (bs, 1H, NH), 7.73 (d, 1H, J 1.1, 6-H), 5.31 (s, 1H,
1'-H), 5.29 (br s, 1H, 3'-OH), 5.13 (m, 1H, 5'-OH), 3.81 (s, 1H, 3'-H),
3.69 (m, 2H, 5'-H), 3.23 (s, 1H, 2'-H), 2.88 (d, 1H, J 9.8, 1''-Ha), 2.55 (d, 1H, J 9.8, 1''-Hb), 1.77 (d, 3H, J 0.8, CH3).
C, 47.54; H, 5.30; N, 14.79.
メタノール(6 ml)中の73 (0.045 g, 0.0834 mmol)の溶液に炭素上の10%Pd(0.118 g)および、 3時間で3回に分けて、蟻酸アンモニウム(0.145 g, 0.0023 mol)を加えた。懸濁液を4.5時間還流させた。触媒を濾過して除去し(シリカゲル)、メタノール(4 x 3 ml)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、残渣をメタノール:ジクロロメタン(1:9, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、ヌクレオシド74 (0.015 g, 67%)を得た。スペクトルデータは先の74の実施例について報告されたものと一致した。
1-(2-アミノ-2-デオキシ-2-N,4-C-メチレン-2-N-トリフルオロアセチル-β-D-リボフラノシル)チミン(74-COCF3)。
メタノール(2 mL)中のヌクレオシド74 (0.050 g, 0.186 mmol)懸濁液にDMAP (0.013 mg, 0.106 mmol)およびエチルトリフルオロアセテート(0.029 mL, 0.242 mmol)を加え、混合物を室温で2.5時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をメタノール:ジクロロメタン(2.5:97.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、白色固形物として表題のヌクレオシド74-COCF3 を得た(0.055 g, 81%)。
13C NMR (CD3OD, 62.9 MHz) δ 166.5, 157.7 (q, 2JC,F 37.5 Hz, COCF3), 157.6 (q, 2JC,F 37.2 Hz, COCF3), 151.8, 136.8, 136.8, 117.6 (d, 1JC,F 287.5
Hz, CF3), 117.5 (d, 1JC,F 286.5 Hz, CF3), 110.8, 110.8, 90.7, 89.3, 87.7, 87.3, 70.1, 68.6, 66.2, 66.2, 64.5, 57.9, 53.3, 12.7.
1-(2-アミノ-2-デオキシ-5-O-4,4'-ジメトキシトリチル-2-N,4-C-メチレン-2-N-トリフルオロアセチル-β-D-リボフラノシル)チミン(74-DMT)。
無水ピリジン(0.6 mL)中のヌクレオシド74-COCF3 (0.030 g, 0.082 mmol)溶液に無水ピリジン:ジクロロメタン(0.6 mL, 1:1, v/v)に溶解した4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(0.054 g, 0.159 mmol)を0℃で滴加し(20分)、混合物を室温で10時間攪拌した。氷と水の混合物を加え(5 mL)、得られた混合物をジクロロメタン(3 x 5 mL)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液 (3 x 2 mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。濾液を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をメタノール:ジクロロメタン:ピリジン (1.5:98.0:0.5, v/v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を蒸発した後、白色固形物としてヌクレオシド74-DMTを得た(0.051 g, 93%)。
1-(2-アミノ-3-O-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ-2-デオキシ)-5-O-4,4'-ジメトキシトリチル-2-N,4-C-メチレン-2-N-トリフルオロアセチル-β-D-リボフラノシル)チミン(74A)。
無水ジクロロメタン(2 mL)中のヌクレオシド74-DMT (0.121 g, 0.181 mmol)の溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.093 mL, 0.54 mmol)および2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.057 mL, 0.26 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で10時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(20 mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 10 mL)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。濾液を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をメタノール:ジクロロメタン:ピリジン(1.5:98.0:0.5, v/v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を蒸発した後、 粗生成物(0.107 g)を得た。残渣を無水ジクロロメタン (1 mL)に溶解し、激しく攪拌しながら石油エーテル(60-80 ℃, 30 mL)に-30℃で滴加し、濾過後、白色固形物としてヌクレオシド74Aを析出した(0.090 g, 57%)。
31P NMR (CD3CN, 121.5 MHz) δ 150.4, 150.2, 148.8, 149.1.
1-(2-アミノ-2-N,4-C-メチレン-3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-β-D-リボフラノシル)チミン(74B)。
無水ピリジン(3 mL)中のヌクレオシド74 (0.20 g, 0.74 mmol)の溶液に1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン (0.305 mL, 0.0011 mol)を-15℃で滴加し(3時間)、混合物を室温で10時間攪拌した。 MeOH (3 mL)を加え、混合物を減圧下で蒸発乾固させた。残渣をメタノール:ジクロロメタン(1:99, v/v)
を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を蒸発した後、白色固形物としてヌクレオシド74Bを得た (0.370 mg, 97%)。
1H NMR ((CD3)2SO, 400 MHz) δ 11.37 (bs, 1H), 7.48 (s, 1H), 5.32 (s, 1H), 4.06 (d, 1H, J 13.5 Hz), 4.00 (s, 1H), 3.84 (d, 1H, J 13.5 Hz), 3.41 (s, 1H), 2.92 (d, 1H, J 10.2 Hz), 2.64 (d, 1H, J 10.2 Hz), 1.74 (s, 3H), 1.10-0.92 (m, 28 H).
1-(2-デオキシ-2-メチルアミノ-2-N,4-C-メチレン-3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-β-D-リボフラノシル)チミン(74C)。
無水THF:ジクロロメタン(4:1, v/v)中のヌクレオシド74B (0.33 g, 0.64 mmol)の溶液に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU, 0.125 mL, 0.836 mmol)およびヨウ化メチル(0.05 mL, 0.79 mmol)を-10℃で滴加し(30分)、混合物を10℃で48時間攪拌した。反応混合物にDBU (0.05 mL, 0.33 mmol) およびヨウ化メチル(0.020 mL, 0.32 mmol)をさらに滴加し(15分)、 10℃で24時間攪拌した。混合物を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をメタノール:ジクロロメタン(1:99, v/v)
を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を蒸発した後、白色固形物としてヌクレオシド74C を得た(0.25 g, 74%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.19 (bs, 1H), 7.65 (d, 1H, J 1.3 Hz), 5.59 (s, 1H), 4.11 (s, 1H), 4.05 (d, 1H, J 13.2 Hz), 3.87 (d, 1H, J 13.2 Hz), 3.44 (s, 1H), 2.98 (d, 1H, J 9.5 Hz), 2.71 (d, 1H, J 9.5 Hz), 2.72 (s, 3H), 1.91 (d, 1H, J 1.1 Hz), 1.12-0.96 (m, 28 H).
54.4; H, 8.1; N, 7.7.
1-(2-デオキシ-2-メチルアミノ-2-N,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)チミン(74D).
THF中のヌクレオシド74C (0.40 g, 0.76 mmol)溶液にTHF中のテトラブチルアンモニウムフルオライド溶液(1.0 M, 2.2 mL, 2.2 mmol)を室温で加え、反応混合物を20分間攪拌し、ピリジン:水:メタノール(6 mL, 3:1:1, v/v/v)を加えた。混合物をピリジン:水:メタノール(6 mL, 3:1:1, v/v/v)に懸濁したDowex 50x200樹脂(2.2 g, H+ (ピリジニウム)形態, 100-200 メッシュ)に加え、得られた混合物を20分間攪拌した。濾過した後、残渣をピリジン:水:メタノール(3 x 3 mL, 3:1:1, v/v/v)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で蒸発乾固させ、メタノール(2 x 5
mL)と共に蒸発させた後、油状の残渣を得た。メタノール:ジクロロメタン(1:49, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィにより、減圧下で溶媒を除去した後、白色固形物としてヌクレオシド74Dを得た(0.17 g, 79%)。
284.12402.
1H, J 9.9 Hz, 5''-Ha), 2.68 (s, 3H, NCH3), 2.57 (d, 1H, J 9.9 Hz, 5''-Hb), 1.88 (d, 3H, J 1.1 Hz, CH3).
1-(2-デオキシ-5-O-4,4'-ジメトキシトリチル-2-メチルアミノ-2-N,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)チミン(74E)。
無水ピリジン(1.5 mL)中のヌクレオシド74D (0.135 g, 0.477 mmol)の溶液に無水ピリジン: ジクロロメタン(1.0 mL, 1:1, v/v)中の 4,4'-ジメトキシトリチルクロライド(0.238 g, 0.702 mmol)溶液を0℃で滴加し(20分)、得られた混合物を室温で10時間攪拌した。氷と水の混合物(5 mL)を加え、混合物をジクロロメタン(3 x 10 mL)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 5 mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。濾液を蒸発乾固させ、残渣をメタノール:ジクロロメタン:ピリジン(1:98:1, v/v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を除去した後、白色固形物としてヌクレオシド74Eを得た (0.20 g, 72%)。
1H NMR (C5D5N, 400 MHz) δ13.2 (bs, 1H), 7.98 (d, 1H, J 1.3 Hz), 7.98-7.00 (m, 13H), 6.12 (s, 1H), 4.78 (d, 1H, J 3.7 Hz), 3.88-3.79 (m, 4H), 3.71 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.29 (d, 1H, J 9.3 Hz), 2.84 (d, 1H, J 9.3 Hz), 2.81 (s, 3H), 1.85 (d, 3H, J 0.9 Hz).
C33H35N3O7,0.25H2Oについての分析: C, 67.2; H, 6.1; N, 7.1. 実測値: C, 67.2; H, 6.2; N, 6.9.
1-(3-O-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)-5-O-4,4'-ジメトキシトリチル-2-メチルアミノ-2-N,4-C-メチレン-2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)チミン(74F)。
無水ジクロロメタン(2 mL)中のヌクレオシド74E (0.130 g, 0.222 mmol) の溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.088 mL, 0.514 mmol) および 2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト(0.065 mL, 0.291 mmol)を0℃で加え、混合物を室温で10時間攪拌した。ジクロロメタン(30 mL)を加え、混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 10 mL)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。濾液を減圧下で蒸発乾固させ、残渣をメタノール:ジクロロメタン:ピリジン(0.5:98.5:1.0, v/v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、減圧下で溶媒を除去した後、粗生成物を得た(0.120 g)。残渣を無水ジクロロメタン(1 mL)に溶解し、激しく攪拌しながら石油エーテル (60-80℃, 30 mL)に-30℃で滴加し、濾過後、白色固形物としてヌクレオチド74Fを析出した(0.090 g, 52%)。
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-2-O-p-トルエンスルホニル-β-D-リボフラノシル)ウラシル(75)。
ジクロロメタン(50 cm3)中の1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-β-D-リボフラノシル)ウラシル41 (3.55 g, 7.81 mmol)の攪拌溶液に DMAP (3.82 g)および塩化p-トルエンスルホニル(4.47 g, 23.5 mmol)を室温で加えた。2時間攪拌し、ジクロロメタン(100 cm3)を加えた。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 75 cm3)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。有機相を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99.5:0.5, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド75を得た(4.65g, 78%)。
1-(2-デオキシ-3,5-ジ-O-ベンジル-2-S,4-C-メチレン-2-メルカプト-β-D-リボフラノシル)チミン(76)。
DMF (40 cm3)中のヌクレオシド75 (3.70g, 4.86 mmol)の攪拌溶液にチオ酢酸カリウム(0.83 g, 7.28 mmol)を加えた。混合物を攪拌し、110℃で80時間熱した。減圧下で蒸発させた後、 H2O (100 cm3)を加えた。抽出をジクロロメタン (4 x 50 cm3)で行い、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99.6:0.4, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド76
(1.65g, 75%)を得た。
1-(2-O-p-トルエンスルホニル-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)ウラシル(76A)。
無水エタノール(2 cm3)中の化合物75 (0.80 g, 1.0 mmol)の溶液に炭素上の20%水酸化パラジウム(0.80 g)を加え、混合物を水素で数回脱ガスし、水素下で48時間攪拌した。 触媒を濾過して除去し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99:1, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド76Aを得た (0.30 g, 49%)。
Hz), 4.17 (2H, m), 3.61 (2H, s), 2.40 (6H, s).
1-(3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサ-1,3-ジイル)-2-O-p-トルエンスルホニル-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)ウラシル(76B)。
無水ピリジン(4 cm3)中のヌクレオシド76A (0.27 g, 0.46 mmol)の攪拌溶液に1,3-ジクロロ-1,1,3,3-テトライソプロピルジシロキサン(0.22 cm3, 0.70 mmol)を加えた。48時間攪拌した後、混合物を0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15 cm3)を加えた。混合物をジクロロメタン (3 x 10 cm3) で抽出し、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン/メタノール(99.5:0.5, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド 76Bを得た(0.37 g, 97%)。
FAB-MS m/z 825 [M+H]+.
1-(2-デオキシ-2-メルカプト-2-S,4-C-メチレン-3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサ-1,3-ジイル)-β-D-リボフラノシル)ウラシル(76C)。
DMF (5 cm3)中のヌクレオシド76B (0.26 g, 0.32 mmol)の攪拌溶液に チオ酢酸カリウム(0.054 g, 0.47 mmol)を加えた。反応混合物を110℃で20時間攪拌した。減圧下で混合物を蒸発させた後、H2O (20 cm3)を加えた。抽出をジクロロメタン (3 x 10 cm3)で行い、合わせた有機相を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(99.25:0.75, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド 76C を得た(0.125 g, 77%)。
5.65 (1H, d, J 8.1 Hz), 4.37 (1H, d, J 2.1 Hz), 4.10 (1H, d, J 13.2 Hz), 3.90 (1H, d, J 13.1 Hz), 3.53 (1H, d, J 2.1 Hz), 2.92 (1H, d, J 10.1 Hz), 2.74 (1H, d, J 10.0 Hz), 1.30-0.80 (28H, m).
FAB-MS m/z 515 [M+H]+.
1-(2-デオキシ-2-メルカプト-2-S,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)ウラシル(76D)。
THF (1.0 cm3)中のヌクレオシド76C (25 mg, 0.049 mmol)の攪拌溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(THF中の1M 溶液0.20 cm3, 0.20 mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間攪拌した後、H2O (5 cm3)を加え、混合物を蒸発させた。残渣をジクロロメタン/メタノール(97:3, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド 76Dを得た (9.0 mg, 69%)。
(1H, d, J 2.2 Hz, 2'-H), 2.93 (1H, d, J 10.3 Hz, 1''-Ha), 2.73 (1H, d, J 10.3 Hz, 1''-Hb).
FAB-MS m/z 273 [M+H]+.
1-(2-デオキシ-5-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-メルカプト-2-S,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)ウラシル(76E)。
無水ピリジン(5 cm3)中の76D (0.2 g, 0.37 mmol)の溶液に4,4'-ジメトキシトリチルクロライド (0.186 g, 0.55 mmol)を室温で加えた。溶液を5時間攪拌し、反応混合物を0℃に冷却した。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30 cm3)を加え、得られた混合物をジクロロメタン(3 x 50 cm3)で抽出した。合わせた有機相を分離し、乾燥した (Na2SO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン/メタノール/ピリジン(98.5:1.0:0.5 v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白茶色の固形物としてヌクレオシド76Eを得た (0.175
g, 83%)。
(実測値: C, 65.2; H, 5.4; N, 5.0; C31H30N2O7S の理論値C, 64.8; H, 5.3; N, 4.9%).
1-(3-O-(2-シアノエトキシ(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)-(2-デオキシ-5-O-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-メルカプト-2-S,4-C-メチレン-β-D-リボフラノシル)ウラシル(76F)。
無水ジクロロメタン(2 cm3)中の76E (0.160 g, 0.28 mmol)の溶液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.27 cm3)および2-シアノエチルN,N-ジイソプロピルホスホラミドクロリダイト (97mg, 0.42 mmol)を0℃で加えた。室温で5時間攪拌した。 反応混合物を0℃に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30 cm3)を加えた。抽出はジクロロメタン(3 x 20 cm3)を用いて行い、合わせた有機相を乾燥し (Na2SO4) 減圧下で蒸発乾固させた。残渣をジクロロメタン/メタノール/ピリジン(99:0.5:0:5 v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色発泡体を得た。この残渣をジクロロメタン (2 cm3) に溶解し、生成物を激しく攪拌しながら揮発油 (100 cm3, -40℃に冷却)から析出した。析出物を濾過して回収し、最後に乾燥し、白色固形物としてヌクレオシド76F を得た
(95 mg, 44%)。
3,5-ジ-O-ベンジル-1,2-O-イソプロピリデン-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノース(77)。
3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-ヒドロキシメチル-1,2-O-イソプロピリデン-α-D-リボフラノース31 (15.38 g, 38.4 mmol)、無水ピリジン(20 cm3)および無水ジクロロメタン (80 ml) の溶液を-5℃で攪拌した。無水ジクロロメタン(8 cm3)に溶解した塩化p-トルエンスルホニル (8.75 g, 46.0 mmol) を15分で加えた。溶液を室温で17時間攪拌した。反応を氷冷水(200 cm3)で失活させた、抽出をジクロロメタン(5 x 150 cm3)で行い、合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 100 cm3)およびブライン(3 x 100 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン: メタノール(98.5:1.5, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、 透明の油として77を得た(17.4 g, 82%)。
26.0 (C(CH3)2), 21.6 (CH3).
FAB-MS m/z 555 [M+H]+.
(実測値: C, 64.8; H, 6.2; C30H34O8S の理論値 C, 64.9; H, 6.1%).
1,2-ジ-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル -4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-α,β-D-リボフラノース(78)。
80% 酢酸(250 cm3)中のフラノース77 (17.4 g, 31.4 mmol)の溶液を60℃で20時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をトルエン(3 x 20 cm3)と共に蒸発させた。残渣を無水ピリジン(100 cm3)に再び溶解した。 無水酢酸 (14.2 cm3)を加え、溶液を室温で15時間攪拌した。反応を氷冷水 (200 cm3)を加えて失活させ、混合物をジクロロメタン(4 x 150 cm3)で抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2 x 125 cm3)およびブライン(3 x 150 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を ジクロロメタン: メタノール(98.5:1.5, v/v) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として78を得た (α,β〜1:1) (13.5 g, 72%)。
129.7, 129.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.8, 127.7, 127.6 (Bn), 97.4, 94.2 (C-1), 86.4, 84.2 (C-4), 78.9, 77.5, 74.5, 74.1, 73.7, 73.5, 71.8, 70.6, 70.5, 69.6, 69.5 (Bn, C-2, C-3, C-1'), 21.6, 21.0, 20.8,
20.6, 20.4 (COCH3, C(CH3)2).
FAB-MS m/z 599 [M+H]+.
3-O-ベンジル-1,2:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-グルコフラノース(30B)。
ジメチルホルムアミド中の0℃の1,2:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-アロフラノース (30A) (Pfanstiehl Laboratories Inc.より入手)(40 g)の溶液に 水素化ナトリウムを少量ずつ加えた。反応混合物を1時間攪拌し、臭化ベンジルを1時間かけて滴加した。反応混合物を室温で16時間攪拌した。メタノールを加えて反応を失活させ、ジメチルホルムアミドを減圧下で除去した。酢酸エチルでシロップを抽出し、ブラインで洗浄した。酢酸エチル層を蒸発し、半固形物を得た(93%)。TLCにより同質。
30B (50 g)を75 %酢酸中で20時間部分加水分解した。少量に濃縮し、酢酸エチルで抽出し、40 g (90 %)の30Cを得た。TLCにより同質。
水/メタノール(1:1)中の30C (40 g)溶液を攪拌しながら水中の過酸化ナトリウム溶液に0℃で加えた。反応を2時間攪拌し、エチレングリコールを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。乾燥抽出物を蒸発させ、30D, 32 g, (89%)を得た。TLCにより同質。この工程において、メタノールの添加は反応を完了するために不可欠である。
37 %水性ホルムアルデヒドおよび1N水酸化ナトリウムを水およびテトラヒドロフラン(1:1)中の30D (32 g)の攪拌溶液に0℃で加え、反応を16時間継続し、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄した。有機層を蒸発させてエーテル/石油エーテルから白色固形物として結晶した23 gのシロップを得た。濾液は低融点固形物として固化した10 gの油であった。あわせて30E, 92%を得た. [23 g (白色固形物は TLCより純度99 %), 低融点固形物10 g (had faster moving impurities by TLC,
純度約75%)]。この工程において、テトラヒドロフランの添加は時間および反応を完了するために不可欠である。
NaH 60 %とBnBrを用いて30E (20 g)を-10℃でベンジル化し、2つのアイソマーを得た。フラッシュカラムクロマトグラフィにより、主アイソマーとして31、14
g, (54%)を得た。TLCにより同質。
ピリジン中の31 (12.5 g)の溶液を塩化p-トルエンスルホニルで0℃で処理し、反応を室温で14〜16時間継続した。ピリジンを除去し、塩化メチレンで抽出し、重炭酸塩溶液で飽和し、77, 14 g, (80%)を得た。TLCにより同質。
77 (14 g)の加水分解を75% 酢酸中65℃で18時間行った。溶媒を減圧下で除去し、残渣をエタノール (3x100)、トルエン(3x50)および無水ピリジン(2x50)で処理した。(この化合物78 は石油エーテルから細かい白色固形物として結晶化した。)残渣を乾燥ピリジンに入れ、室温で8時間無水酢酸で処理した。酢酸エチルで抽出し、重炭酸塩で飽和し、次いでブラインで洗浄し、αおよびβアノマーの混合物として12g, (83%)の78を得た。78 の信用あるサンプルと直接比較(TLC, HPLC,
NMR)することにより、その同定と純度を確認した。
1-(2-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)チミン (79)。
無水アセトニトリル (182 cm3)中のアノマー混合物78 (12.8 g, 21.4 mmol)およびチミン(5.38 g, 42.7 mmol)の攪拌溶液にN,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(31.68 ml, 128.23 mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、攪拌を60℃で1.5時間継続した。0℃に冷却した後、トリメチルシリルトリフレート(6.57 ml, 30.33 mmol)を滴加し、混合物を60℃で10時間攪拌した。反応混合物を氷冷した炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(90 mL)で中和した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で容量が半分になるまで濃縮した。ジクロロメタン (4 x 200 cm3)を用いて抽出した。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3
x 150 cm3)およびブライン(3 x 150 ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン:メタノール (99:1〜98:2, v/v)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド 79を得た(13.1 g, 92%)。
d, J 5.5, 1'-H), 5.37 (1H, d, J 5.6, 2'-H), 4.57-4.40 (5H, m, 3'-H, 5'-Ha, 5'-Hb, Bn), 4.14 (2H, s, Bn), 3.75 (1H, d, J 10.2, 1''-Ha), 3.57 (1H, d, J 10.2, 1''-Hb), 2.41 (3H, s, CH3C6H5), 2.02 (3H, s, COCH3), 1.54 (3H, s, CH3).
FAB-MS m/z 665 [M+H]+
(実測値 C, 61.2; H, 5.3; N, 4.1; S, 4.7, C34H36O10N2S の理論値 C, 61.4; H, 5.4; N, 4.2; S, 4.8 ).
1-(3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-(p-トルエンスルホニルオキシメチル)-β-D-リボフラノシル)チミン(80)。
ヌクレオシド79 (13.1 g, 19.7 mmol)をメタノール (200 cm3,飽和メタノール性アンモニアを同容量のメタノールで希釈することにより調製)中のアンモニア溶液に溶解し、室温で4時間攪拌した。次いで反応混合物を蒸発させ、残渣をジクロロメタン (400 cm3)に溶解した。有機相をブライン(3 x 150 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン:メタノール(99.5:0.5, v/v) 溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド 80 を得た(10.7 g, 87%)。
d, J 5.1, 1'-H), 4.75, 4.55 (2H, それぞれ d, J 11.5, Bn), 4.51 (2H, s, Bn), 4.37 (1H, t, J 5.4, 2*-H), 4.30-4.12 (3H, m, 3'-H, Bn), 3.76 (1H, d, J 10.2, 1''-Ha), 3.59 (1H, d, J 10.2, 1''-Hb), 2.39 (3H, s, CH3C6H5), 1.48 (3H, s, CH3).
129.8, 128.7, 128.6, 128.2, 128.1, 128.0, 127.6 (芳香族), 111.0 (C-5), 89.6, 85.3, 78.4, 74.5, 73.8, 71.1, 69.7, (Bn, C-1', C-3', C-2', C-4', C-1''), 21.6 (CH3), 12.0 (CH3).
(実測値C, 61.5; H, 5.2; N, 4.4; S, 5.2, C32H34O9N2S の理論値C, 61.7; H, 5.4; N, 4.5; S, 5.1 ).
(1S,3R,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンゾイルオキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン (36)。
無水 DMF (150 cm3)中のヌクレオシド 80 (10.65 g, 17.1 mmol)の攪拌溶液に鉱油中(0.9 g, 22.2 mmol)の水素化ナトリウム60%懸濁液を0℃で少量ずつ加えた。混合物を0℃°で15時間攪拌し、60%水素化ナトリウム(0.205 g, 5.12 mmol)をさらに加え、反応混合物を0℃で22時間攪拌した。メタノール(20 cm3)を加え、次いで反応混合物を減圧下で容量が半分になるまで濃縮した。氷冷水 (300 cm3)を加え、抽出をジクロロメタン (5 x 150 cm3)を用いて行った。合わせた有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(3 x 40 cm3)およびブライン(3 x 40 cm3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣をジクロロメタン:メタノール (99.5:0.5, v/v) 溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、白色固形物としてヌクレオシド 36 を得た(7.1 g, 92%)。スペクトルデータは36について先に得られたデータ(実測値 C, 66.2; H, 5.8; N, 6.1; C25H26N2O6の理論値 C, 66.6; H, 5.8; N, 6.2 )と一致した。
3,5-ジ-O-ベンジル-1,2-O-イソプロピリデン-4-C-メタンスルホニルオキシメチル-α-D-リボフラノース(200)。
無水ピリジン(3 mL)中のフラノース31 (2.16 g, 5.39 mmol)の攪拌溶液に塩化メタンスルホニル(0.61 mL, 16.0 mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で20時間攪拌し、氷冷水(300 mL)で失活させ、ジクロロメタン(2x300 mL)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(300 mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧下で蒸留して除去し、残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として生成物200を得た(2.55 g, 99%);
4.85 (1 H, d, J 11.7 Hz, Bn), 4.73 (1 H, d, J 11.9 Hz, Bn), 4.64 (1 H, dd, J 4.0, 5.3 Hz, H-2), 4.54 (1 H, d, J 11.9 Hz, H-5'), 4.52 (1 H, d, J
11.9 Hz, Bn), 4.46 (1 H, d, J 11.9 Hz, H-5'), 4.41 (1 H, d, J 11.8 Hz, Bn), 3.60 (1 H, d, J 10.4 Hz, H-5), 3.50 (1 H, d, J 10.5 Hz, H-5), 3.06 (3 H, s, SO2CH3), 1.68 (3 H, s, CH3), 1.34 (3 H, s, CH3);
実測値: C, 60.37; H, 6.29; S, 6.53; C24H30O8S の理論値 C, 60.24; H, 6.32; S, 6.70 %.
メチル3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-メタンスルホニルオキシメチル-α-D-リボフラノシド(201)。
メタノール性塩酸(20% w/w, 31.7 mL)および水(4.4 mL)中のフラノース200 (1.133 g, 2.37 mmol)の溶液を室温で2時間攪拌した。炭酸水素ナトリウムで中和した後、溶液をジクロロメタン (2x150 mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(150 mL)で洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧下で蒸留して除去し、残渣をジクロロメタン:メタノール (99:1) 溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油(1.018 g, 95%)として生成物201を得た(β:α〜2:1);
α), 3.46 (s, OCH3 α), 3.34 (d, J 9.1 Hz, H-5 β), 3.32 (d, J 9.7 Hz, H-5 α), 3.28 (s, OCH3 β), 2.97 (3 H, s, SO2CH3 β), 2.93 (3 H, s, SO2CH3 α);
実測値: C, 58.40; H, 6.33; C24H30O8S の理論値 C, 58.39; H, 6.24 %.
(3R)- および(3S)-(1S,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-メトキシ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン (202および203)。
無水 DMF (25 mL)中の 201 (3.32 g, 7.34 mmol)の溶液を0℃で攪拌し、水素化ナトリウムの60%油懸濁液(700 mg, 16.9 mmol)を加えた。混合物を室温で90分間攪拌し、水(300 mL)で失活させ、ジエチルエーテル(2x300 mL)で抽出した。合わせた抽出物を水(200 mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として2つの生成物202および203を得た(それぞれ1.571 g, 60% および0.777 g, 30%)。
1H NMR (CDCl3): δ7.36-7.26 (10 H, m, Bn), 4.81 (1 H, s, H-1), 4.65 (1 H, d, J 11.9 Hz, Bn), 4.61 (2 H, s, Bn), 4.56 (1 H, d, J 11.9 Hz, Bn), 4.11 (1 H, s, H-2), 4.09 (1 H, s, H-3), 4.01 (1 H, d, J 7.5 Hz, H-5'), 3.80-3.77 (3 H, m, H-5', H-5), 3.39 (3 H, s, OCH3);
72.26, 72.10 (Bn, C-5'), 66.50 (C-5), 55.34 (OCH3);
MS FAB: 379 (M+Na, 28%).
実測値: C, 70.55; H, 6.97; C21H24O5の理論値C, 70.77; H, 6.79 %.
1H NMR (CDCl3): δ7.36-7.26 (10 H, m, Bn), 5.00 (1 H, s, H-1), 4.67-4.54
(4 H, m, Bn), 4.18 (1 H, s, H-2), 3.99 (1 H, s, H-3), 3.99-3.90 (2 H, m, H-5'), 3.75-3.68 (2 H, m, H-5), 3.49 (3 H, s, OCH3);
MS FAB: 379 (M+Na, 100%).
(1R,2S,3S)-2-ベンジルオキシ-3-ベンジルオキシメチル-1-(メトキシ(チミン-1-イル)メチル)-3-トリメチルシリルオキシテトラヒドロフラン(204)。
無水アセトニトリル (9.3 mL)中の 202 (216 mg, 0.606 mmol)およびチミン (153 mg, 1.22 mmol)の溶液にBSA (N,O-ビス(トリメチルシリル)アセトアミド, 0.90 mL, 3.6 mmol)を加え、還流下に15分間攪拌した。溶液を0℃に冷却し、トリメチルシリルトリフレート (0.153 mL, 0.777 mmol)を滴加した。室温で18時間、60℃で24時間攪拌した後、反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20 mL)で失活させ、ジクロロメタン (2x50 mL)を用いて抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50 mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン:メタノール (98:2) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、固形物(196 mg, 67%)として生成物204 を得た(ジアステレオアイソマー〜 1.7:1の混合物)。
5.57 (1 H, d, J 5.8 Hz, H-1'), 4.68-4.43 (m, Bn, H-2'), 4.12-3.68 (m, H-5', H-5', H-3'), 3.32 (s, OCH3), 3.24 (s, OCH3), 1.93 (d, J 0.9 Hz, CH3), 1.86 (d, J 1.1 Hz, CH3), 0.14 (s, Si(CH3)3), 0.12 (s, Si(CH3)3);
127.95, 127.85, 127.77, 127.74 (Bn), 111.38, 111.01 (C-5), 86.89, 85.61, 85.40, 84.72, 83.40, 83.31, 82.10 (C-1', C-2', C-3', C-4'), 75.20, 73.98, 73.62, 73.59, 72.55, 72.13, 71.04, 70.74 (Bn, C-5', C-5''), 56.82, 56.54 (OCH3), 12.47, 12.38 (CH3), 1.72, 1.69 (Si(CH3)3);
実測値: C, 62.76; H, 6.88; N, 4.94; C29H38N2O7Si の理論値 C, 62.79; H, 6.90; N, 5.05 %.
(1R,2S,3S)-2-ベンジルオキシ-3-ベンジルオキシメチル-1-(メトキシ(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)メチル)-3-トリメチルシリルオキシテトラヒドロフラン(205)。
無水アセトニトリル(8.2 mL)中の202 (240 mg, 0.673 mmol) および 6-N-ベンゾイルアデニン(301 mg, 1.26 mmol)の溶液にBSA (0.67 mL, 2.7 mmol) を加え、室温で1時間攪拌した。溶液を0℃に冷却し、トリメチルシリルトリフレート(0.25 mL, 1.33 mmol) を滴加した。65℃で18時間攪拌した後、反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50 mL)で失活させ、ジクロロメタン(2x50 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン:メタノール (98:2) を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、固形物(185 mg, 41%)として生成物205を得た(ジアテレオアイソマー〜1.8:1の混合物。
(1 H, d, J 7.9 Hz, H-1'), 5.76 (1 H, d, J 6.0 Hz, H-1'), 4.74-4.40 (m, Bn, H-2'), 4.22-3.62 (m, H-5', H-5', H-3'), 3.33 (s, OCH3), 3.24 (s, OCH3), 0.15 (s, Si(CH3)3), 0.14 (s, Si(CH3)3);
(Bz), 128.97, 128.93, 128.45, 128.42, 128.38, 128.14, 127.97, 127.88, 127.82, 127.78 (Bn, Bz), 123.66, 122.85 (C-5), 86.41, 86.23, 85.70, 85.24, 84.78, 83.73, 83.58, 82.79 (C-1', C-2', C-3', C-4'), 75.32, 74.55, 73.61, 72.18, 71.98, 70.85, 70.59 (Bn, C-5', C-5''), 57.23, 57.04 (OCH3), 1.78 (Si(CH3)3);
実測値: C, 64.07; H, 6.01; N, 9.94; C29H38N2O7Si,0.5H2O の理論値 C, 63.88; H, 6.25; N, 10.34 %.
(1R,2R,3R)-2-ベンジルオキシ-3-ベンジルオキシメチル-3-ヒドロキシテトラヒドロフルフラール(206)。
80% 酢酸(3.8 mL)中の 202/203 (252 mg, 0.707 mmol)の溶液を90℃で2時間攪拌し、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣をトルエン(3x10 mL)中で共に蒸発させ、油として生成物206を得た(242 mg, 100%)。
4.68 (1 H, d, J 11.9 Hz, Bn), 4.60-4.39 (5 H, m, Bn, H-2, H-3), 3.98-3.92 (2 H, m, H-5), 3.85 (1 H, d, J 9.3 Hz, H-5'), 3.52 (1 H, d, J 9.2 Hz,
H-5');
128.12, 127.87, 127.83 (Bn), 87.17, 87.05 (C-4, C-2), 80.98 (C-3), 75.00, 73.70, 71.86 (Bn, C-5'), 67.84 (C-5);
MS FAB: 707 (2xM+Na, 100%).
(1S,3S,4R,7S)-3-アセトキシ-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン(207)。
無水ピリジン(2.0 mL)中の 206 (230 mg, 0.672 mmol)の攪拌溶液に無水酢酸(0.18 mL, 1.91 mmol)を加えた。反応混合物を室温で23時間攪拌し、水(0.13 mL)を加え、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣をトルエン(3x10 mL)中で共に蒸発させ、ジクロロメタン:メタノール(99:1)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として生成物207を得た(56.7 mg, 23%);
H-3), 4.01 (1 H, d, J 7.7 Hz, H-5'), 3.81-3.78 (3 H, m, H-5', H-5), 20.06 (3 H, s, COCH3);
MS FAB: 407 (M+Na, 55%).
実測値: C, 68.80; H, 6.11; C22H24O6の理論値 C, 68.74; H, 6.29 %.
(1S,3S,4R,7S)-3-(6-N-ベンゾイルアデニン-9-イル)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン (208)。
無水アセトニトリル (5.3 mL) 中のフラノース207 (167 mg, 0.434 mmol)および6-N-ベンゾイルアデニン(194 mg, 0.813 mmol)の溶液にBSA (0.43 mL, 1.76 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶液を0℃で冷却し、トリメチルシリルトリフレート (0.16 mL, 0.86 mmol) を滴加した。65℃で2時間攪拌した後、反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(40 mL)で失活させ、混合物をジクロロメタン(2x50 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥した(MgSO4)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン:メタノール (98:2)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、固形物として生成物208を得た(111 mg, 45%)。;
MS FAB: 564 (M+H, 100%).
メチル 2-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-メタンスルホニルオキシメチル-D-リボフラノシド (209)。
無水ピリジン(4 mL)中の 201 (687 mg, 1.52 mmol)の攪拌溶液に無水酢酸(0.43
mL, 4.56 mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を室温で2日間攪拌し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(75 mL)で失活させ、ジクロロメタン(150 + 75 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、溶媒を減圧下で蒸留して除去し、残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として生成物209を得た(β:α〜3:1, 750 mg, 100 %);
実測値: C, 58.53; H, 6.16; C24H30O9Sの理論値 C, 58.29; H, 6.11 %.
1H NMR (CDCl3): δ7.36-7.18 (10 H, m, Bn), 5.27 (1 H, d, J 4.9 Hz, H-2),
4.88 (1 H, s, H-1), 4.55-4.44 (6 H, m, H-5', Bn), 4.35 (1 H, d, J 5.0 Hz, H-3), 3.73 (1 H, d, J 9.2 Hz, H-5), 3.38 (1 H, d, J 9.3 Hz, H-5), 3.30 (3 H, s, OCH3), 2.95 (3 H, s, SO2CH3), 2.11 (3 H, s, OCCH3);
127.87, 127.77 (Bn), 105.40 (C-1), 82.65, 81.05, 74.55, 73.62, 73.56, 71.86, 70.22 (C-2, C-3, C-4, C-5, C-5', Bn), 55.03 (OCH3), 37.14 (SO2CH3), 20.73 (OCCH3)。
1H NMR (CDCl3): δ7.36-7.18 (10 H, m, Bn), 5.09 (1 H, d, J 4.5 Hz, H-1),
4.95 (1 H, dd, J 4.5, 6.8 Hz, H-2), 4.65-4.44 (6 H, m, H-5', Bn), 4.27 (1 H, d, J 6.6 Hz, H-3), 3.49 (1 H, d, J 9.9 Hz, H-5), 3.46 (3 H, s, OCH3), 3.36 (1 H, d, J 9.9 Hz, H-5), 2.92 (3 H, s, SO2CH3), 2.14 (3 H, s, OCCH3);
72.12, 70.39, 70.28 (C-2, C-3, C-4, C-5, C-5', Bn), 56.07 (OCH3), 36.94
(SO2CH3), 20.63 (OCCH3).
フェニル2-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-メタンスルホニルオキシメチル-1-チオ-β-D-リボフラノシド (210)。
方法a。
無水ジクロロメタン(6.4 mL)中の209 (738 mg, 1.49 mmol)の攪拌溶液にフェニルチオトリメチルシラン(2.42 mL, 12.8 mmol)を加え、0℃に冷却した。トリメチルシリルトリフレート (0.67 mL, 3.67 mmol) を滴加し、溶液を室温で4時間攪拌した。反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100 mL)で失活させ、ジクロロメタン(2x200 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として生成物210(564 mg, 66%)および未反応の出発材料(191 mg, 26%)を得た。
方法b。
無水ジクロロメタン(0.49 mL)中の211 (86 mg, 0.165 mmol)の溶液に フェニルチオトリメチルシラン(0.16 mL, 0.825 mmol)を加え、0℃に冷却した。トリメチルシリルトリフレート(0.037 mL, 0.206 mmol)を加え、溶液を室温で2時間攪拌した。反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(15 mL)で失活させ、得られた混合物をジクロロメタン(2x25 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として生成物210を得た(75
mg, 79%)。
H-2), 5.34 (1 H, dd, J 3.7, 5.2 Hz, H-1), 4.54-4.36 (7 H, m, H-3, H-5',
Bn), 3.66 (1 H, d, J 9.7 Hz, H-5), 3.48 (1 H, d, J 9.5 Hz, H-5), 2.89 (3 H, s, SO2CH3), 2.09 (3 H, s, OCCH3);
128.53, 128.52, 128.18, 128.14, 128.08, 127.91, 127.85 (Bn, SPh), 87.99, 84.35, 80.34, 75.33, 74.20, 73.67, 70.83, 69.34 (C-1, C-2, C-3, C-4, C-5, C-5', Bn), 37.27 (SO2CH3), 20.68 (OCCH3);
MS FAB: 463 (M-SPh, 100%), 595 (M+Na, 24%);
実測値: C, 61.17; H, 5.55; C29H32O8S2の理論値 C, 60.82; H, 5.63 %.
1,2-ジ-O-アセチル-3,5-ジ-O-ベンジル-4-C-メタンスルホニルオキシメチル-D-リボフラノース (211)。
80%酢酸(1.5 mL)中の201 (150 mg; 0.313 mmol)の溶液を90℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発して除去し、残渣をエタノール (3x5 mL)、トルエン(3x5 mL)およびピリジン(2x5 mL)と共に蒸発させた。残渣を無水ピリジン(0.62 mL)に溶解し、無水酢酸(0.47 mL)を加え、溶液を室温で16時間攪拌した。反応を水(50
mL)で失活させ、得られた混合物をジクロロメタン (2x50 mL)で抽出した。合わせた抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50 mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4)。溶媒を蒸発させ、残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、油として生成物211を得た(99 mg, 60%);
4.69-4.23 (m, H-3, Bn), 3.64 (d, J 9.7 Hz, H-5 α), 3.52 (d, J 10.1 Hz,
H-2 β), 3.45 (d, J 9.7 Hz, H-5 α), 3.39 (d, J 9.9 Hz, H-2 β), 2.99 (s, SO2CH3 α), 2.96 (s, SO2CH3 β), 2.14, 2.13, 2.06, 1.90 (4xs, COCH3);
128.50, 128.21, 128.12, 128.04, 127.94, 127.82, 127.79 (Bn), 99.35 (C-1
α), 94.24 (C-1 β), 86.36 (C-4 β), 84.28 (C-4 α), 79.15, 77.47, 74.58, 74.06, 73.73, 73.56, 71.67, 70.57, 70.19, 69.84 (Bn, C-2, C-3, C-5, C-5'), 37.61 (SO2CH3 β), 37.48 (SO2CH3 α), 21.07, 20.74, 20.63, 20.39 (COCH3);
実測値: C, 57.70; H, 5.56; C25H30O10S の理論値 C, 57.46; H, 5.79 %.
(3R)-および(3S)-(1S,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-フェニルチオ-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン (212)。
アンモニアで飽和させたメタノール(35 mL)中の 210 (553 mg, 0.966 mmol)の溶液を室温で2時間攪拌し、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣を無水DMF (3.5 mL)に溶解し、0℃で溶液を攪拌した。水素化ナトリウム60%懸濁液(118 mg, 2.88 mmol)を加え、混合物を室温で12時間攪拌した。反応を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100 mL)で失活させ、得られた混合物をジクロロメタン (2x100 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣をジクロロメタンを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、透明の油として生成物212を得た(404 mg, 96%)。
実測値: C, 71.76; H, 6.18; C26H26O4S の理論値 C, 71.86; H, 6.03 %.
(3R)- and (3S)-(1S,4R,7S)-7-ベンジルオキシ-1-ベンジルオキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン (36+213)。
チミン (175 mg, 1.38 mmol) をヘキサメチルジシラザン(6.8 mL)中で還流させながら攪拌し、硫酸アンモニウム(5 mg)を加えた。16時間攪拌した後、透明の溶液を40℃に冷却し、溶媒を減圧下で蒸留して除去した。残渣に無水ジクロロメタン (4.6 mL) 中の212 (201 mg, 0.463 mmol)溶液および4Åモレキュラーシーブス (180 mg)を加えた。室温で10分間攪拌した後、NBS (107 mg, 0.602 mmol)を加え、混合物をさらに30分間攪拌した。反応をチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液(25 mL)で失活させ、得られた混合物をジクロロメタン (2x50 mL)で抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(MgSO4)、蒸発し、残渣をジクロロメタン:メタノール (97:3)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、アノマー混合物(β:α〜1:2)として生成物36+213を得た (127 mg, 61%);
CH3 β);
MS FAB: 551 (M+H, 96%).
(3R)- および(3S)-(1S,4R,7S)-7-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-3-(チミン-1-イル)-2,5-ジオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン (37+214)。
エタノール(2.7 mL)中の 36+213 (175 mg, 0.39 mmol)の溶液を室温で攪拌し、炭素上の20%水酸化パラジウム(50 mg)を加えた。混合物をアルゴンで数回脱ガスし、水素雰囲気下に置いた。18時間攪拌した後、混合物をジクロロメタン:メタノール (95:5)を溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、37と214の混合物を得た(1:1.2) (26 mg, 25%);
1.2 Hz, CH3 α), 1.88 (d, J 1.1 Hz, CH3 β);
C-3', C-5' β), 59.29 (C-5'' α), 57.61 (C-5'' β), 12.52 (CH3 α), 12.39 (CH3 β);
MS EI: 270 (M+, 100%).
実施例 122
4-N-ベンゾイル-LNA-C [(1R, 3R, 4R, 7S)-3-(4-N-ベンゾイルシトシン-1-イル)-1-(ヒドロキシメチル)-7-ヒドロキシ-2,5-ジオキサビシクロ [2.2.1] ヘプタン]。
LNA-C (式 Z) を無水エタノールに入れ、還流させながら熱した。還流溶液に無水安息香酸(2等量)を加え、反応をHPLC (溶出駅: 0.1M TEAA中20%アセトニトリル pH 7.0, 流量: 1ml/分、 Novapak C-18 分析用カラム)で追跡した。HPLCで生成物の増加が見られなくなるまで0.5〜2h間隔でさらに無水物を加えた。反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣をエーテルで繰り返し洗浄し、濾過し、乾燥してオフホワイト色の固形物を得た。収量: 45%.
塩基が保護されたLNAヌクレオシドをピリジン (2x)と共に蒸発させ、ピリジン (〜10 ml/ヌクレオシドのg)中で塩化ジメトキシトリチル(1.5等量)と攪拌した。反応をHPLC (0.1M TEAA中50% アセトニトリル pH 7.0、5分間、10分間で50-100%
アセトニトリル、5分間で100% アセトニトリル、流量: 1 ml/分、Novapak C-18
カラム)で追跡した。出発材料の>95%が反応すると、反応混合物を氷中で冷却した。反応を冷たい飽和NaHCO3 (〜15 ml xピリジンの容量)を加えて失活させた。混合物をジクロロメタン (3 x重炭酸ナトリウムの容量の半分)で抽出した。有機抽出物をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を真空中で乾燥し、ジクロロメタン中の0.5% ピリジンおよび 0-2% メタノールを溶出液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。純粋な生成物を含む画分をあわせ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を無水アセトニトリル (3x)と共に蒸発させ、真空中で乾燥した。
塩基が保護されたジメトキシトリチル-LNA ヌクレオシドを無水ジクロロメタン(2x)と共に蒸発させ、無水ジクロロメタン (A,G &T のヌクレオシドには10 ml/g、および Cには〜30 ml/g)に入れた。このビス(ジイソプロピルアミノ)(2-シアノエチル)ホスファイト(1.05-1.10 等量)に、テトラゾール(0.95 等量)を加えた。混合物を室温で攪拌し、次いで反応をHPLC (0.1M TEAA 中70% アセトニトリル、pH 7、2分間、 8分間で70-100% アセトニトリル、5分間で100% アセトニトリル 流量: 1 ml/分、 Novapak C-18 カラム)で追跡した。いったん反応が>90% まで進み、さらに攪拌してもアミダイト生成に増加が見られなくなると、混合物を氷中で冷却する。これをジクロロメタン (元の容量の〜15-20 倍)で希釈し、冷たい飽和重炭酸ナトリウム(2x)で洗浄し、次いで冷ブライン(1x)で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を無水アセトニトリル (3x) と共に蒸発させ、真空中で一晩乾燥した。HPLC純度は 93-98%であった。
実施例 123
LNA ヌクレオシド 5'-トリホスフェートの合成。(Tetrahedron Letters 1988, 29 4525)。
13x100 mm のポリプロピレンチューブ内に1 mLピリジン(CaH2で乾燥)にヌクレオシド37、 44, 51, 4-N-ベンゾイル化 57A または 61B (93.8 μmol)を懸濁した。溶液を高真空中にて乾燥するまでスピードバック(speedvac)で蒸発させた。残渣をアセトニトリル (CaH2で乾燥)に2回再懸濁し、蒸発乾固させた。ヌクレオシドを 313 μL のトリメチルホスフェート(4Å モレキュラーシーブスで乾燥)に懸濁し、そこへ30.1 mgのプロトンスポンジ(Proton Sponge)(商標)(1.5 等量)を加えた。混合物を密閉し、攪拌し、0℃に冷却し、POCl3 (9.8 μL, 1.1 等量) を攪拌しながら加えた。反応を0℃で2.5時間進行させた。この期間中、5 mLの水に469μmolsのピロリン酸ナトリウム(5 等量)を溶解し、5 mL のDow 50 H+ イオン交換樹脂に通過させた。排水が酸性に変わったらこれを220μLのトリブチルアミン中に集め、シロップ状になるまで蒸発させた。TBAピロリン酸を乾燥アセトニトリルと共に3回蒸発させた。最後に乾燥ピロリン酸を1.3 mL DMF (4Å
シーブス)に溶解した。2.5時間の反応時間後、TBAピロリン酸および130μL のトリブチルアミンをヌクレオシド溶液に激しく攪拌しながら加えた。1分後、反応を3 mLの0.1 M 酢酸トリメチルアンモニウム、pH 7.5を加えて失活させた。Mono Q クロマトグラフィによるアッセイにより、49%のヌクレオシド 5'-トリホスフェートが見られた。 反応混合物を水で100 mLに希釈し、Qセファロースイオン交換カラムに吸収させ、水で洗浄し、5 mM 硫酸ナトリウム中の0〜700 mM NaCl、pH 7.5の線勾配で溶出させた。トリホスフェートを含む画分をMono Q イオン交換クロマトグラフィでアッセイした。トリホスフェートを含む画分をプールし、NaCl飽和点まで濃縮した。生成物をC18カートリッジで脱塩した。トリホスフェートをUV 分光法で数値化し、10 mM 溶液に調整した。収量は17 - 44%であった。この方法で調製したLNA ヌクレオシドは U, T, A, GおよびCであった。
実施例 124
式 V, X, Y および ZT, ZU, ZG, ZC, ZA, ZMeCのLNAを含むオリゴヌクレオチドの合成。
二環式ヌクレオシド 3'-O-ホスホロアミダイト類似体8, 19, 30, 39, 46, 53, 57D, 61D, および66ならびに市販の3'-O-ホスホロアミダイトを、タイプV, X, Y
ならびに ZT, ZU, ZG, ZC, ZA, および ZMeCのLNAを1つ以上含む本発明のLNA オリゴヌクレオチドの例を合成するために使用した(0.2 〜 5μmol スケール)。合成したLNA オリゴヌクレオチドの純度および組成は毛管ゲル電気泳動および/またはHPLCおよび/またはMALDI-MSで確認した。一般的に、十分な結合効率は全てのモノマーで得られた。最良の結合効率(〜95-100%)は LNA39, 46, 53, 57D, 61Dおよび66 (式ZのLNAモノマーへ導く)で得られ、完全修飾LNAオリゴヌクレオチドを生成する際、またはLNAを非修飾DNAまたはRNA 鎖またはLNAを全-ホスホロチオエート オリゴヌクレオチドに組み込む際に非常に満足のいく結果を生じさせる。 LNAオリゴヌクレオチドを純水に溶解させ、濃度をOD260として測定する。可溶性は全ての場合において良好であった。単純な DNA/RNA 合成および部分修飾LNAオリゴマーにおいては、標準CPG支持体またはポリスチレン支持体を使用する。完全修飾LNA
ホスホロチオエート LNA オリゴヌクレオチドの合成。
全てのホスホロチオエート LNA (表7)を自動DNAシンセサイザーにて上記と同様の条件(実施例 124)で合成した。Beaucages' 試薬を硫化剤として使用した。段階的結合により、収量>98%を得た。合成終了後、固形支持体からの脱保護および開裂は濃縮アンモニア(55℃, 14時間)を用いて効果的に行った。
2'-チオ-LNA オリゴヌクレオチドの合成。
2'-thio-LNAオリゴヌクレオチド(モノマーUSを含む (図2の式Z (チオ-変異体))、図37、表8)を標準条件を用いて(実施例 124)自動DNAシンセサイザーで合成した。段階的結合により、アミダイト76Fの収量は約85% (12分間結合;上昇したアミダイト76Fの純度は結合収量の増加をもたらすと考えられる)であった。合成終了後、固形支持体からの脱保護および分割は濃縮アンモニア(55 ℃, 8時間)を用いて効果的に行った。
2'-アミノ-LNA オリゴヌクレオチドの合成。
実施例126に記載のと同様の手順により、2'-アミノ-LNA オリゴヌクレオチド(モノマーTNHおよびモノマーTNMeを含む (図2の式Z (アミノ変異体)),図35および36)をアミダイト74A および74Fを用いて自動DNAシンセサイザーで効果的に得た(段階結合収量≧98%)。
LNAオリゴマーのフルオレセイン標識。
μl のN,N-ジメチルホルムアミドを加えた。フルオレセイン標識したLNAオリゴを遠心分離で分離し、次いで上澄を吸引除去した。フルオレセイン標識したLNA-オリゴマーを逆相HPLCで次のように精製した:カラム Delta-Pack C-18, 300A, 0.4 x 30 cm; 溶出液 0.04 Mトリエチルアンモニウム緩衝液(pH 7.0)中0-50 % アセトニトリル; 流量 1.5 ml/分。 LNA-オリゴを含む画分をプールし、減圧下で12時間蒸発させた (オイルポンプおよびスピードバック システム)。
実施例 129
式V, X, Y およびZT, ZU, ZG, ZC, ZA, ZMeCのモノマーを含むオリゴヌクレオチドの耐熱性。
LNA修飾オリゴヌクレオチドの耐熱性を温度調節されたペルチエ エレメント(Peltier element)を備えた分光光度計で測定した。3つの異なる緩衝液(10mM Na2HPO4, pH 7.0, 100mM NaCl, 0.1mM EDTA; 10mM Na2HPO4 pH 7.0, 0.1mM EDTA; 3M テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC), 10mM Na2HPO4, pH 7.0, 0.1mM EDTA)のいずれか、および等モル (1 μM または 1.5 μM)量の異なるLNA修飾オリゴヌクレオチドおよびその相補的またはミスマッチDNA または RNA オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド混合物1 mlを調製した。同一のハイブリッド混合物を非修飾オリゴヌクレオチドを用いて基準として調製した。Tm'sを最初の誘導体の融解曲線として得た。表1〜4に結果を要約する(LNAは太字で表す)。図2に使用したモノマーLNAを示す。V, X, Y および ZT, ZU, ZG, ZC, ZA, ZMeCの命名は図2のV, X, YおよびZの構造を参照する。表中、LNAモノマーの核塩基をインキュベートした。さらに、最後の2つの表のLNA構造Zのチオおよびアミノ変異体について使用した命名はそれぞれ例えばZTS および ZTNHであった。
逆平行および平行配向の両方において、完全修飾LNAオリゴヌクレオチドは相補的DNAで安定なハイブリッドを形成する。
完全修飾LNAオリゴヌクレオチドを逆平行および平行配向の両方において相補的DNAにハイブリッドした。ハイブリッド化溶液(1 mL)は10 mM Na2HPO4 (pH 7), 100 mM NaClおよび0.1 mM EDTAおよびそれぞれ1 μMの2つのオリゴヌクレオチドを含む。表1に示すように、逆平行(71) および平行結合配向(77)の両方は安定な二重らせんを形成する。逆平行は明らかに2つのうちで最も安定している。しかしながら、平行二重らせんでも非修飾 DNA オリゴヌクレオチドの対応する逆平行二重らせんよりはるかに安定である(表1, 1)。
LNAモノマーは、相補的核酸についてのRNAオリゴマーの親和性を増加するために使用することができる。
3つのLNA-T モノマー(ZT)を含む9-量体 RNA オリゴヌクレオチドと相補的DNAまたはRNAオリゴヌクレオチドとの間の複合体の耐熱性を分光光度で測定した。10mM Na2HPO4, pH 7.0, 100mM NaCl, 0.1mM EDTA およびそれぞれ1μMの2つのオリゴヌクレオチドを含むハイブリッド化溶液(1 ml)。非修飾RNAオリゴヌクレオチドを用いた同一のハイブリッド混合物を基準として測定した。表5に示すように、LNA修飾RNAオリゴヌクレオチドは相補的DNA (1)およびRNA(3)オリゴヌクレオチドの両方にハイブリッドする。先にLNA修飾DNAオリゴヌクレオチドについて見られたように、LNA修飾RNAオリゴヌクレオチドの結合親和性はRNA相補体(3)に対して最も強かった。両方の場合においてLNA修飾RNAオリゴヌクレオチドの親和性は実質的に非修飾の対照(2および4)のそれよりも高かった。表5により、DNAおよびRNA標的にの両方対する特異性がLNA修飾RNAオリゴヌクレオチド中に保持されていることがわかる。
LNA-LNA塩基対。
3つのZT LNA モノマーまたはLNA Z モノマーから全て構成されるオリゴヌクレオチドを含むRNAまたはDNAオリゴヌクレオチドを相補的非修飾DNAオリゴヌクレオチドまたは3つのZA LNAモノマーを含むDNAオリゴヌクレオチドにハイブリッドした。ハイブリッドのTmは分光光度で測定した。10mM Na2HPO4, pH 7.0, 100mM NaClおよび0.1mM EDTAおよびそれぞれ1 μM の2つのオリゴヌクレオチドを含むハイブリッド化溶液(1 ml)。 表6に示すように、全てのLNA修飾オリゴヌクレオチドは相補的非修飾DNAオリゴヌクレオチド(2および3)および相補的LNA修飾オリゴヌクレオチド(4, 5および6)にハイブリッドした。先に見られたように、ハイブリッド(2および3)中の1つの鎖中のLNAモノマーの存在により非修飾の対照ハイブリッド(1)と比較してTMが顕著に増加する。ハイブリッド中のLNA-LNA塩基対の存在によりTMがさらに増加する(4および5)。さらに、完全修飾LNAオリゴヌクレオチドおよび部分LNA-ZA修飾DNAオリゴヌクレオチド(6)の間で高安定ハイブリッドを形成することができる。これによりハイブリッド中のLNA-LNA塩基対の第1の例が構成される。
LNA 全-ホスホロモノチオエート オリゴヌクレオチドでは相対的に相補的DNAおよびRNAに対する耐熱性が、対応する全-ホスホロチオエート DNA オリゴヌクレオチドよりも減少しない。
3つのZT LNA モノマーを含む全-ホスホロモノチオエート DNA オリゴヌクレオチド(LNAオリゴヌクレオチド)および対応する全-ホスホロモノチオエート 基準DNAオリゴヌクレオチドの相補的DNAおよびRNAに対する耐熱性を、EDTAを使用しないこと以外は実施例132に記載の条件と同一の条件下で評価した(表7)。3つのZT LNA モノマーを含むLNA 全-ホスホロモノチオエート オリゴヌクレオチドは対応する基準 LNA オリゴヌクレオチド(表1, 10および16)と比較して、耐熱性においてわずかな減少を示した(表7, 3および4)。対応する全-ホスホロモノチオエート
DNA オリゴヌクレオチド(表7, 1および2)は対応する基準DNA オリゴヌクレオチド(表1, 1および8)と比較して、耐熱性において顕著な減少を示した。これはアンチセンスにおける全-または部分的ホスホロモノチオエート LNA オリゴヌクレオチドの使用および他の治療的使用への重要な起こりうる影響を有する。したがって、LNAモノマーおよび非修飾モノマーのホスホロモノチオエート オリゴヌクレオチドでの適合性が証明された。このような構造がLNA増強ハイブリッド特性に加え、Rnaseリボヌクレアーゼ H 活性およびヌクレアーゼ耐性を示すことが考えられる。
2'-チオ-LNAはLNA(モノマーZ)に匹敵する核酸認識特性を示す。
ハイブリッド条件はEDTAを使用しないこと以外は実施例132に記載の条件と同様であった。2'-チオ-LNA(表8)の結果は2'-チオ-LNAモノマーUS(メチレンオキシ架橋がメチレンチオ架橋で置換されている図2の式Zに対応するモノマー)の導入によるDNAおよびRNAの両方に対する二重らせんの耐熱性における正の効果を明確に示している。この効果(△Tm 〜 +5℃ / DNAへの修飾; △Tm 〜 +8℃ / RNAへの修飾)は親LNAで見られる効果に匹敵する。情況は2つの修飾を同時に導入することにより複雑になった(2'-チオ官能性およびチミンのかわりのウラシル)。しかし、LNAチミンとウラシルモノマーで同一の融点が先にみられ、かつチミンのかわりに2'-デオキシウリジンを含む基準のように、Tm値を減少させるのであれば、この比較は意義がある。
2'-アミノ-LNA (モノマーZTNH)および2'-メチルアミノ-LNA (モノマーZTNMe)は親LNA(モノマーZ)に匹敵する核酸認識特性を示す。
ハイブリッド化条件はEDTAを使用しないこと以外は実施例132に記載の条件と同様であった。2'-アミノ-LNAを溶融した結果(表9)は2'-アミノ-LNAモノマーTNHまたはTNMe のいずれか(メチレンオキシ橋かけがメチレンアミノ橋かけまたはメチレン-(N-メチル)アミノ橋かけでそれぞれ置換されている図2の式Zに対応するモノマー) を導入することによるDNAおよびRNAの両方に対する二重らせんの耐熱性における正の効果を明確に示している。この効果(△Tm 〜 +3℃ / DNAへの修飾および△Tm 〜 +6〜+8℃/ RNAへの修飾)は親LNAの効果に匹敵する。増大した熱親和性が2'-アルキルアミノ-LNAモノマーおよび非アルキル化2'-アミノ-LNAモノマーの混合物からなるオリゴにおいても見られることは注目に値する。
オリゴマー 5'-VT 13Tおよび5'-ZT 13Tの3'-エキソ核酸分解性(Exonucleolytic)安定性。
2 mlの緩衝液(0.1 M Tris-HCl, pH 8.6, 0.1 M NaCl, 14 mM MgCl2)中のオリゴヌクレオチド(0.2 OD)溶液を25℃で1.2 U SVPDE(ヘビ毒ホスホジエステラーゼ)を用いて温浸した。温浸中、260 nmで吸収度の増加が生じた。非修飾の対照T14は10分の分解で完全に分解されたが、5-ZT 13Tおよび5'-VT 13Tは60分間変化しないままであった。
T4 ポリヌクレオチドキナーゼの基質としてのLNA修飾オリゴ。
Tris-HCl (pH 8.3), 90 mM ホウ酸および 2.5 mM 2ナトリウムEDTA-2 H2O)中の変性ポリアクリルアミドゲル(16 % アクリルアミド/ビスアクリルアミド溶液, 7
M尿素, 1 X TBE および0.1 mM EDTA)で電気泳動させた。ゲルをゲル乾燥器(BioRad model 583)で乾燥し、X線フィルム(CL-XPosure フィルム, Pierce 34075)に20分間オートラジオグラフした。結果を図6に示す(FP2: レーン1および2; AL2:レーン3および4; AL3: レーン5および6)。この実験に基づき、3つの結論が導き出される。第1に、部分および完全修飾オリゴは、ポリヌクレオチドキナーゼのような核酸特異酵素の基質として機能する能力において、天然核酸の優れた模倣物である。第2に、LNA修飾オリゴは標準的な核酸を析出する際に通常採用される手順によって効率よく析出することができる。実際に、オートラジオグラムにおける非修飾オリゴ(レーン1,2)、部分修飾オリゴ(レーン 3,4)、および完全修飾オリゴ(レーン5,6)の相対的なシグナル強度は、標準のDNAオリゴがLNAヌクレオシドを多く含むほど、標準のDNAオリゴがより効果的に塩/アルコール工程によって析出することができることを示唆している。第3に、オートラジオグラムにおける非修飾オリゴ、部分修飾オリゴおよび完全修飾オリゴのシグナル位置が近いことはLNAヌクレオシドのDNAオリゴへの組み込みがポリアクリルアミドゲル中での電気泳動運動性を変化させないことを示している。
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いたLNA含有オリゴヌクレオチドの3'-末端標識。
LNAモノマーを含むオリゴヌクレオチドを酵素のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いて3'-末端標識した。配列およびLNA修飾の程度は次の通りである(LNAモノマーは太字):
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)のLNA修飾オリゴヌクレオチド末尾への能力はオリゴマーデザインに依存する。
次の15量体プライマーおよび8〜32塩基オリゴヌクレオチドマーカー混合物を[γ33P] ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼで 5'末端標識した (LNAモノマーは太字):
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の基質としてのLNA-チミジン-5'-トリホスフェート (LNA-TTP)。
ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の基質として受容されるLNA-TTPのトリホスフェート(実施例123)の能力を試験するために、オリゴヌクレオチド末尾(tail)反応を行った。15量体プライマー(配列: 5'-TGC ATG TGC TGG AGA-3')および8〜32塩基オリゴヌクレオチド標識の混合物を[γ33P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて5'末端標識した。標識後、反応を5分間沸騰させてすべてのPNK 活性を除去した。4pmoleの標識プライマー、25 U ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼおよび32, 64または128 μM のdTTPまたはLNA-TTPを25 μl の100 mM カコジル酸塩緩衝液pH 7.2, 2 mM CoCl2および0.2 mM 2-メルカプトエタノール中で37℃で90分間インキュベートした。反応をホルムアミド停止液を加えることにより停止し、反応性生物を19% ポリアクリルアミド 7M 尿素ゲルに標識マーカーと共に流した。Biomax フィルムを用いたオートラジオグラフィを乾燥ゲル上で行った。図10に示すように、32 μM のdTTP (レーンB), 64 μM のdTTP (レーンC)または128 μM のdTTP (レーンD)のいずれかを用いた反応は全て(一番左と右のレーン)、8-32 オリゴヌクレオチド標識に基づくと100ヌクレオチド以上と推定される追跡オリゴヌクレオチドを生成した。LNA-TTP反応(32 μM のdTTP (レーン E), 64 μM のdTTP (レーン F) または 128 μM のdTTP (レーン G))は全て、1つの塩基で伸長したプライマーおよびそれ以上の塩基で伸長した〜50%のプライマーを生じた。この結果はリボヌクレオチド および TdTにおいて得られた結果と酷似している。LNA誘導トリホスフェートはTdT 酵素によって認識され、DNAオリゴヌクレオチドに組み込まれる。 LNA-TTPがポリメラーゼに結合できるというこの後者の発見はヌクレオシド製剤として LNA-モノマー誘導体を使用することができることを強調している。
エキソヌクレアーゼのないクレノーフラグメントDNAポリメラーゼ IはLNAアデノシン、シトシン、グアノジンおよびウリジン-5'-トリホスフェート(LNA ATP, LNA CTP, LNA GTP, LNA UTP)をDNA鎖に組み込むことができる。
LNA NTP's (実施例123を参照)およびリボヌクレオチドをエキソヌクレアーゼのないクレノーフラグメントDNA ポリメラーゼI (EFK)の基質として評価するためにプライマー伸長アッセイを使用した。33P 5' 末端標識15量体プライマーを使用したアッセイは、4つの異なる24量体テンプレートのうちの1つにハイブリッドした。プライマーおよびテンプレートの配列は(LNAモノマーは太字):
プラス LNA UTP, dCTPαS, dGTPαS およびdTTPαS。 レーン 8 - プラス dGTPαS。レーン 9 - プラス dCTPαS, dGTPαS およびdTTPαS。 レーン 10 - プラスLNA UTP, dATPαS, dCTPαS およびdGTPαS。 レーン 11 - プラス dATPαS, dCTPαS および dGTPαS。 レーン12 - 全 4つのdNTPαS全て。どちらのレーンも生成物を大きさ分類するために使用した8 - 32塩基オリゴヌクレオチド標識を示す。
CTPの添加が緩慢であることがわかる。 テンプレート1(トラック13-16)および4(トラック17-21)を用いた実験結果から、他のテンプレートにおける結果の同様の傾向がわかる。LNA CTPは効果的に取り込まれてテンプレート4で+1生成物を生じさせる(トラック20)。 この生成物のdTTPαS による伸長はまた緩慢である(トラック 21)。LNA GTP および dTTPαS をテンプレート1の反応に加えることにより、+2 生成物が生じる(トラック16)。 これはまた、一回のLNA トリホスフェートの添加は効果的であるが、連続的なLNA トリホスフェートの添加は緩慢であることを示す。
LNAモノマーはエキソヌクレアーゼIIIによる消化に対するオリゴヌクレオチドの耐性を向上するのに使用することができる。
オリゴヌクレオチドを含むLNAのエキソヌクレアーゼIII分解への耐性を試験するため、以下の反応を行った。以下の15量体プライマーおよび8-32塩基オリゴヌクレオチドマーカーを[γ33P] ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼで5'末端標識した(LNAモノマーは太字):
実施例 143
LNAモノマーはビオチン化-DNAオリゴの性能を、MTPフォーマットでのPCRアンプリコンの配列特異的捕捉において、顕著に増加させるために使用することができる。pUC19からの2つのDIG標識アンプリコンをPCR増幅により以下のように生成した:
1μl pUC19 (1 ng/μl),
1μl 逆プライマー(5'-AACAGCTATGACCATG-3') (20μM),
1μl 前進(forward)プライマー (5'- GTAAAACGACGGCCAGT-3') (20 μM),
10 μl dUTP-mix (2 mM dATP, 2 mM dCTP, 2 mM dGTPおよび6mM dUTP),
1.5 μl DIG-11-dUTP (1 mM)
10 μl 10x Taq緩衝液(ベーリンガー・マンハイム 含MgCl2)
1 μl Taqポリメラーゼ(ベーリンガー・マンハイム) 5 U/μl
H2O まで 100 μl
1μl pUC19 (1 ng/μl),
0.4 μl プライマー3 (5'-GATAGGTGCCTCACTGAT-3') (50 μM),
0.4 μl プライマー4 (5'-GTCGTTCGCTCCAAGCTG-3') (50 μM),
10 μl dUTP-mix (2 mM dATP, 2 mM dCTP, 2 mM dGTP および 6mM dUTP),
1.5 μl DIG-11-dUTP (1 mM)
10 μl 10x Taq緩衝液 (ベーリンガー・マンハイム 含MgCl2)
1 μl Taqポリメラーゼ (ベーリンガー・マンハイム) 5 U/μl
H2O まで 100 μl
15mM クエン酸, pH 7.0)中で5 pmolの5'ビオチン化捕捉プローブと全容量450 μlで混合した。以下の捕捉プローブを使用した:
5.0, 0.66mg/ml オルト-フェニレンジアミンジヒドロクロリド、 0.012% H2O2)を加えることにより、ウェルをペルオキシダーゼ活性についてアッセイした。反応を8分後に100 μl H2SO4 (0.5 M)を加えて停止し、492 nmでの吸収度をマイクロプレートリーダーで読みとった。図3に示すように、非修飾ビオ-DNA捕捉プローブ(B-DNA1およびB-DNA2)は両方とも予想した通りに機能した。つまりこれらはそれぞれの標的PCR アンプリコンのみを捕捉した。B-DNA1プローブと比較して、B-DNA2プローブは同じ性質のアンプリコンの捕捉にはそれほど効果的ではなかった。しかしながらB-DNA2プローブの捕捉効率は13のDNAヌクレオシドのうち12を対応するLNAヌクレオシドと置換したことにより劇的に向上した。図3に示すように、B-DNA2プローブの代わりにB-LNA2プローブを使用すると、アッセイの感度が10倍以上になる。B-LNA2は、関連および非関連アンプリコンを効果的に区別する非修飾B-DNA2の能力を維持すると同時に、LNA-オリゴの優れた特異性を強化する。1)LNA修飾オリゴに共有結合的に付着したビオチンはストレプタビジンと結合する能力を保持すること、2)LNA修飾オリゴはMTP ベース アンプリコン捕捉アッセイにおいて効果的に機能すること、および3)LNAはPCR アンプリコンの親和的捕捉における標準DNAオリゴの性能を劇的に向上させる手段を提供することが断定される。
LNA置換オリゴは同性質のPCR アンプリコンを鎖侵入によって捕捉することができる。 2組の独立したアンプリコン 1または2の10μl 反応物(実施例143と同様に生成)を、全容量450 μlの、1 x SSC (0.15 M NaCl, 15mM クエン酸塩, pH 7.0)中、1, 5または25pmolのB-LNA2捕捉プローブ
M Na+, pH 7.2, 0.05% Tween 20, 3x 300μl)で洗浄した後、200 μlのペルオキシダーゼ標識抗-DIG抗体を加えた(Boehringer Manheim, PBST中で1:1000に希釈)。プレートを37℃で30分間インキュベートし、洗浄した (PBST, 3x 300μl)。100 μl の基質溶液(0.1 M クエン酸-リン酸緩衝液 pH 5.0, 0.66mg/ml オルト-フェニレンジアミン2塩酸塩、 0.012% H2O2)を加えることにより、ウェルをペルオキシダーゼ活性についてアッセイした。10分後、100μlのH2SO4 (0.5 M)を加えて反応を停止し、492 nmでの吸収度をマイクロプレートリーダーで読み取った。アンプリコンがハイブリッド前に捕捉プローブ(図4A)で変性されているときは、実施例143と同様の効果的な配列特異的アンプリコンの捕捉が見られる。B-LNA2濃度を1から5pmolに増加すると捕捉親和性が増加する。プローブを25pmolにさらに増加させると、シグナルが減少する。これはストレプタビジンMTPにおける使用可能なビオチン結合部位が飽和状態であることと一致する。アンプリコンがハイブリッド前に捕捉プローブで変性されていないとき(図4B)においても、効果的な配列特異的アンプリコンの捕捉が確認される。実際、このデータから、変性していないアンプリコン捕捉は変性したアンプリコン捕捉と同様、効果的かつ特異的であることがわかる。これはビオ-LNA2プローブが標的配列を鎖侵入によって結合することができることを強力に示している。我々の知る限りでは、これは生理的食塩条件下で混合プリン/ピリミジンプローブによってdsDNAの配列特異的ターゲティングを行った最初の例である。基本的研究およびDNA診断手順の範囲を著しく簡素にできる可能性は別として、このLNA修飾オリゴの予期し得なかった特性には、アンチセンスによる効果的な新薬の開発および特に抗遺伝子の研究方法における主な重要性を予見することができる。
PCR アンプリコンの配列特異的捕捉において固形表面上に効果的に固定されたLNA置換オリゴ。
ストレプタビジンを塗布したマイクロタイタープレート(ベーリンガー・マンハイム)のウェルを全容量100μlの1xSSC (0.15 M NaCl, 15mM クエン酸, pH 7.0)中の5 pmolのB-DNA2プローブ(ビオチン-GGTGGTTTGTTTG-3'; アンプリコン 2に特異なDNAプローブ) または B-LNA2プローブ
完全に混合したLNAモノマーはMTPフォーマットにおけるPCR アンプリコンの配列特異的捕捉において固定したビオチン化-DNAオリゴの性能を有意に増加するために使用することができる。
Nras配列からの3つのDIG標識アンプリコン(参照: Nucleic Acid Research, 1985, Vol. 13, No. 14, p 52-55)をPCR増幅により次のように生成した:
PCRプライマー:
前進プライマー: NAR レファレンスによる 5'-CCAGCTCTCAGTAGTTTAGTACA-3'塩基701-723。
910 bp 逆プライマー: 5'-GTAGAGCTTTCTGGTATGACACA-3'塩基1612-1590 (NAR レファレンスによる逆配列)。
600 bp逆プライマー: 5'-TAAGTCACAGACGTATCTCAGAC-3'塩基1331-1308 (NAR レファレンスによる逆配列)。
200 bp逆プライマー: 5'-CTCTGTTTCAGACATGAACTGCT-3'塩基909-886 (NAR レファレンスによる逆配列)。
50μl 10x PCR緩衝液(MgCl2を含まない、パーキン・エルマー), 30μl 25 mM MgCl2, 50μl dNTP-mix (2 mM dATP, dCTP, dGTPおよび1.8 mM dTTP), 10μlの1 mM Dig-11-dUTP, 10μl の25μM 前進プライマー, 10μlの25μM 逆プライマー , 5μlの5 U/μl AmpliTaq Gold (パーキン・エルマー)および水を500μlまで。
μl の基質溶液(0.1 M クエン酸-リン酸緩衝液 pH 5.0, 0.66 mg/ml オルト-フェニレンジアミン2塩酸塩, 0.012% H2O2)を加えることにより、ペルオキシダーゼ活性についてアッセイした。9分後、100 μlの0.5 M H2SO4 を加えて反応を停止し、492 nm での吸収度をマイクロタイタープレートリーダーで読み取る前にH2SO4 で4倍希釈した。図23Aに示すように、12個のLNAヌクレオシドでスパイクされた捕捉プローブ(LNA Nras Cap A および LNA Cap B)は前もって変性していない特異的なアンプリコン(天然のアンプリコン)を非常に効果的に捕捉した。4個のLNAヌクレオシドでスパイクされた捕捉プローブ(LNA/DNA Nras Cap A および LNA/DNA Nras Cap B)はそれほど効果的ではなく、同じアンプリコンを捕捉し、DNA捕捉プローブ(DNA Nras Cap A および DNA Nras Cap B)は特異なアンプリコンをまったく捕捉しなかった。対照のアンプリコンであるNras 200はLNA Cap B または LNA/DNA Nras Cap Bプローブのどちらにも捕捉されず、LNAでスパイクした捕捉プローブの優れた特異性を証明している。図23Bに変性したアンプリコンについて行った同様の実験を示す。本質的に、捕捉効率が概して向上したという本質的な違いをもって同一の情況が現れる。混合LNAヌクレオシド(A, T, G または
C LNA ヌクレオシド)を含むLNA修飾オリゴは固体表面に固定されたときのPCR アンプリコンの配列特異的捕捉において効果的に機能するといえる。LNAは前もって変性しないアンプリコンの捕捉、つまり鎖置換による捕捉において効果的に機能する捕捉プローブを構成する手段を提供するといえる。この能力はDNAに基づく現在のアンプリコン検出フォーマットを有意に簡略化することを容易にする。
LNA修飾オリゴは核酸ポリメラーゼのプライマーとして機能する。
KCl, 60mM MgCl2, 100mM DTT, pH 8.3 (37℃))、1μlの酵素(20U/μl)および水を20μlまで含んでいた。反応を37℃で60分間インキュベートした。クレノーポリメラーゼ(USB)との反応は2μlの標識LNA-またはDNAプライマー(10μM)のいずれか、2μlのDNAテンプレート(10μM)、2μlの2mM dNTP、2μl の 10 x 緩衝液(100mM Tris-HCl, 50mM MgCl2, 75mM DTT, pH 7.5)、1μlの酵素(10U/μl) および水を20μlまで含んでいた。これら反応を37℃で60分間インキュベートした。BM-Taq (ベーリンガー・マンハイム)との反応は 2μlの標識LNA-またはDNAプライマー(10μM)のいずれか、2μlのDNAテンプレート(10μM) 、2μlの2mM dNTP、2μl の 10 x 緩衝液(100mM Tris-HCl, 15mM MgCl2, 50mM KCL, pH 8.3)、1μlの酵素(5U/μl) および水を20μlまで含んでいた。反応を出発温度37℃から1℃/分で60℃まで勾配しながらインキュベートし、30分間維持した。インキュベート終了期に10μlのローディング緩衝液(0.25% (w/v) ブロモフェノールブルー、0.25% (w/v)キシレンシアノール、80% (v/v)ホルムアミド)を加え、反応を停止した。 試料を95℃で1分間熱し、氷上に置き、2μlを8% 配列ポリアクリルアミドゲルに入れ、(Life Technologies Inc.) BRL モデル 52で電気泳動させた。電気泳動後、ゲルをガラスプレート上で乾燥し、オートラジオグラフィ(X線フィルム: Kodak X-Omat AR)に付した。図7に示すように、クレノーポリメラーゼ (レーン3)またはBM-Taqポリメラーゼ(レーン5)を使用するときは、LNAおよびDNAプライマーの両方において透明で類似した伸長生成物が確認された。M-MuLV逆転移酵素を使用するとき(レーン2)、伸長生成物はLNA-プライマーの場合にのみ検出することができる。酵素的伸長に付さなかった標識LNAおよびDNAプライマーはレーン1、4および6に存在する。LNAヌクレオシドを標準DNAオリゴに組み込むことは、核酸ポリメラーゼによるオリゴ/テンプレート二重らせんの認識を妨害しないことがいえる。 また、LNA修飾オリゴは非修飾DNAオリゴとしてのプライマーとして効果的に機能するといえる。
LNA修飾オリゴは標的増幅工程においてプライマーとして機能する。
PCR増幅においてプライマーとして機能するLNA修飾オリゴの能力を、含有するLNAヌクレオシド数のみが異なる3つのオリゴ:
5'アントラキノンを有するLNA修飾オリゴマーは照射により固形支持体に共有結合的に固定され、固定されたオリゴマーは相補的DNAオリゴの捕捉に効果的である。
25 pmol/μlまたは12.5 pmol/μlのいずれかのアントラキノンDNAオリゴ(5'-AQ-CAG CAG TCG ACA GAG-3')またはアントラキノンLNA修飾DNAオリゴ(5'-AQ-CAG CAG TCG ACA GAG-3'; LNA モノマーには下線を付す)をポリカーボネートスライド(Nunc)上で0.2 M LiCl中でスポットした(1 μl/スポット)。オリゴを穏やかなUV線で15分間照射した。照射後、スライドをミルQウオーター(Milli-Q water)で3回洗浄し、空気乾燥した。25mlの0.5 pmol/μlの相補的ビオチン化オリゴマー(5'-ビオチン- CTC TGT CGA CTG CTG-3')を5 x SSCT (75 mM クエン酸, 0.75 M NaCl, pH 7.0, 0.1% Tween 20)中で固定オリゴマーと50℃で2時間ハイブリッドした。1 x SSCTで4回、リン酸緩衝生理食塩水(PBST, 0.15 M Na+, pH 7.2, 0.05% Tween 20)で1回洗浄した後、0.06 μg/mlのストレプタビジン共役ホースラディッシュペルオキシダーゼおよび1 μg/mlのストレプタビジンを含む25ml PBSTをスライドに加えた。スライドを30分間インキュベートし、25ml PBSTで4回洗浄した。製造業者の記載のとおりにスライドを化学発光基質(SuperSignal; Pierce)およびX線フィルム(CL-Xposureフィルム、Pierce 34075)で視覚化した。図9に示すように、AQ-DNAオリゴおよびAQ-LNA修飾DNAオリゴの両方において、明確に検出可能なシグナルを得た。アントラキノン結合LNA修飾DNAオリゴは照射により固体表面に効果的に付着し、このように付着したオリゴは相補的な標的DNAオリゴにハイブリッドすることができるといえる。
異なるLNA修飾Cy3-標識8量体との末端ミスマッチのアレイ上でのハイブリッド化および検出。
スライド標本: ガラススライドをアセトン中のアミノプロピルトリエトキシシラン10%溶液でアミノシラン化し、アセトン中で洗浄した。以下のオリゴヌクレオチドをスライドにスポットした:
nlのスポットを10回繰り返した。
スライド1、2および3はaZ1プローブ @ 300fmol/μl, 30fmol/μl, 3fmol/μlとハイブリッドした。
スライド4、5および6はaZ2プローブ @ 300fmol/μl, 30fmol/μl, 3fmol/μlとハイブリッドした。
スライド7、8および9はaZ3プローブ @ 300fmol/μl, 30fmol/μl, 3fmol/μlとハイブリッドした。
スライド10、11および12は配列16 プローブ @ 300fmol/μl, 30fmol/μl, 3fmol/μlとハイブリッドした。
30μlハイブリッド化緩衝液(5 x SSC, 7% ラウリルサルコシンナトリウム)に希釈したプローブを各スライドの長さにそってピペットで移し、カバーガラスで覆い、プラスチック挿入体上部のプラスチックボックスに入れ、それを水で湿らせたペーパータオルの上に置いた。ボックスはアルミニウム箔で覆って光を遮断し、+4℃で一晩インキュベートした。
LNA修飾Cy3-標識8量体との末端ミスマッチのアレイでのハイブリッドおよび検出。
スライド調製:ガラススライドをアセトン中の10% アミノプロピルトリエトキシシラン溶液を用いてアミノシラン化し、次いでアセトン中で洗浄した。以下のオリゴヌクレオチドを1pmol/μlでスライドにスポットした:
配列 No.9 5'-GTGTGGAG-3'
配列 No.15 5'-GTGTGGAA-3'
配列 No.131 5'-GTGTGGAT-3'
配列 No.132 5'-GTGTGGAC-3'
配列 No.133 5'-ATGTGGAA-3'
配列 No.134 5'-CTGTGGAA-3'
配列 No.135 5'-TTGTGGAA-3'
プローブ(LNAモノマーは太字):
ATおよび全てのLNA修飾Cy3-標識8量体との末端ミスマッチのアレイ上でのハイブリッド化および検出。
スライド標本: ガラススライドをアセトン中の10% アミノプロピルトリエトキシシラン溶液を用いてアミノシラン化し、次いでアセトン中で洗浄した。以下のオリゴヌクレオチドを1pmol/μlでスライドにスポットした:
配列 No.15 5'-GTGTGGAA-3'
配列 No.131 5'-GTGTGGAT-3'
配列 No.132 5'-GTGTGGAC-3'
配列 No.133 5'-ATGTGGAA-3'
配列 No.134 5'-CTGTGGAA-3'
配列 No.135 5'-TTGTGGAA-3'
プローブ(LNAモノマーは太字):
標的 135 へのプローブ 1 = CT ミスマッチ
標的131 へのプローブ 2 = GTミスマッチ
標的15 へのプローブ 3 = AAミスマッチ
標的131 へのプローブ 4 = CTミスマッチ
標的135 へのプローブ 5 = TTミスマッチ
標的135 へのプローブ 6 = GTミスマッチ
標的133 へのプローブ 6 = GAミスマッチ。
LNA T モノマーを含む配列 DNAテンプレートへの[α33P] ddNTP'sおよびサーモシーケンナーゼ(ThermoSequenase)(商標)DNAポリメラーゼの使用。
放射線標識ターミネーター配列決定反応をLNA T モノマーのDNAポリメラーゼのテンプレートとして受け入れられる能力を試験するために行った。15量体プライマー (配列: 5'- TGC ATG TGC TGG AGA -3')を次の短い配列を感作するために使用した(LNA モノマーは太字):
2μl x16 サーモシーケンナーゼ緩衝液
6μl プライマー 2pmole/μl
6μl テンプレート 1 1pmole/μl
4μl 水
2μl サーモシーケンナーゼ DNAポリメラーゼ (4U/μl)
20μl 全容量
2μl x16 サーモシーケンナーゼ緩衝液
6μl プライマー 2pmole/μl
6μl テンプレート TZ1 1pmole/μl
4μl 水
2μl サーモシーケンナーゼ DNAポリメラーゼ (4U/μl)
20μl 全容量
ddTTP トラック。
実施例 154
LNA修飾オリゴは細胞に転写可能である。放射線標識LNAオリゴを用いた実験。
LNAを生体のヒトMCF-7胸部ガン細胞に効果的に運搬する。
ヒトMCF-7細胞によるLNA-摂取効率を高めるため、異なる形質移入剤をさまざまの濃度の5'FITC-標識LNAおよびDNAで試験した。下表に記載のオリゴヌクレオチドを試験した。
LifeTechnologies cat. no. 163371A)、24 ウエルマルチディッシュ (Nunc, LifeTechnologies cat. no. 143982A)またはスライドフラスコ(Nunc, LifeTechnologies cat. no. 170920A)に接種した。実験は細胞が30 - 40 %集密性のときに行った。LNAおよびDNAの細胞摂取は血清の非存在下で試験した。つまり細胞に形質移入混合物を加える前に通常の血清含有DME/F12培地を除去し、血清を含まないDME/F12と取替えた。この条件下で、スーパーフェクトはMCF-7細胞に対して毒性であることが証明された。スーパーフェクトとプラスミドDNA (pEGFP-N1, Clontech cat. no. 6085-1)、オリゴDNAまたはオリゴLNAのいずれかからなる形質移入混合物もまた MCF-7細胞に毒性であった。スーパーフェクトと異なり、FuGene6およびリポフェクチンはプラスミドDNA (pEGFP-N1)と良好に作用した。しかしながら、リポフェクチンだけが生体MCF-7へのオリゴヌクレオチドの運搬を効果的に行うことができた。つまり、MCF-7細胞へのFITC-標識LNAおよびDNAの効果的な運搬は細胞を1% FCSを含むDME/F12中で約40%集密まで培養することにより得られる。次いでリポフェクチン試薬を血清を含まないDME/F12培地中で40倍に希釈し、750 nMのオリゴ濃度でオリゴとあわせた。オリゴ-リポフェクチン複合体を室温で15分間形成させ、血清なしの培地で最終オリゴ濃度250 nM、0.8 ug/ml リポフェクチンまでさらに希釈する。次いで培地を細胞から除去してオリゴ-リポフェクチン複合体を含む培地と入れ替えた。細胞を37℃で6時間インキュベートし、血清なしのDME/F12培地で一回洗浄し、1%FCSを含むDME/F12にて37℃でさらに18時間インキュベートした。実験結果は培養フラスコ中または24 ウエルマルチディッシュ中の生体細胞のいずれかから直接、またはスライドフラスコで培養し、4%氷冷PFA中で固定した細胞で評価した。全ての場合において、高解像度CCDカメラを備えたLeica DMRB蛍光顕微鏡を使用した。生体細胞での結果を図16に、スライドフラスコで培養した固定細胞での結果を図17に示す。図16および17の細胞は共にFITC-標識AL16 LNA分子で形質移入された。いくつかの領域で細胞の全個数および緑色蛍光細胞を数えることにより、FITC-標識AL16 LNAがMCF-7細胞の約35%に形質移入されたことがわかる。重要なのはLNAが主に細胞の核に集中していることである(図17)。これは核による蛍光オリゴ摂取がアンチセンス活性に相関していることから(Stein C.A. ら、 (1997) Making sense of antisense: A debate. In HMS Beagle: A BioMedNet Publication (http:// hmsbeagle. com/ 06/ cutedge/ overwiev. htm))注目に値する。オリゴおよびリポフェクチンの量を最終濃度のオリゴ1250 nM、リポフェクチン 4 ug/mlに高めたが、緑色蛍光細胞の比率はわずかに上昇しただけであった。濃度をこれ以上に高めることは細胞にとって有毒である。同様の結果が他のLNAおよびFITC-標識オリゴにおいても見られた(上記表参照)。 結論として: 1) LNA はリポフェクチン-媒介形質移入により生体MCF-7胸部ガン細胞に効果的に運搬されうる。 2) 30%以上の細胞の安定した高い細胞画分が、血清なしの成長培地mlあたりの最終濃度250 nM LNA, 0,8 ug リポフェクチンを用いて形質移入される。LNAおよびリポフェクチンの濃度を5倍以上に増加しても形質移入収量はわずかに上昇するだけである3)報告によるLNAを細胞核に形質移入する方法は、このような形質移入LNAが細胞にアンチセンス効果をもたらすことを示唆している。
LNA修飾オリゴは細胞に転写可能である。フルオレセイン標識LNAオリゴを用いた実験。
2つのLNAオリゴ:
LNA修飾オリゴは細胞培養条件下では相対的に安定である。
実施例156に記載の蛍光顕微鏡検査に続き、フルオレセイン標識AL16 LNAのみで処理した細胞をさらに3日間インキュベートした。この期間中、緑色蛍光細胞の数は変化していなかったようであった。結論として、フルオレセイン標識LNAオリゴは細胞培養中の条件下において良好な安定性を有する。
覚醒ラットを用いた温水尾軽打テスト(Warm Water Tail Flick Test)におけるアンチセンス ロックされた核酸(LNA)による [D-Ala2] デルトロフィン(Deltorphin)-誘導痛みを与える効果(Antinociception)の阻害。
オスのSprague-Dawley ラット(300 g)にポリエチレンカテーテルをクモ膜下挿入し、注入の前に少なくとも5日間回復させた(コントロールも含む)。アンチセンスLNA化合物(注入あたり12.5および2.5 μg)を3日間にわたり5 μl容量で1日2回投与した(08.00および17.00 h)。運動態度の観察や体重測定からわかるように、どのような非特異性効果または毒性の徴候も検出されなかった。最後の注入の翌日に、[D-Ala2]デルトロフィン (60μg, クモ膜下)をラットに注入し、温水(52℃)尾軽打試験でδオピオイド受容体-媒介痛みを与える効果について試験した。データをグループ中6-8個体のメジアンとして図14に示す(パーセント最大可能応答へ変換したデータ、 % MPE)。統計的な分析を階数によるKruskal-Wallis 1-way ANOVAを用いて行い、次いで処理とコントロールを比較した。図14に示すように、デルトロフィンは生理食塩水で処理したコントロールにおいて強健な抗痛みを与える効果を発揮した。統計的にはこの応答は、生理食塩水で処理したコントロールと比較して両方のアンチセンスLNAグループ(12.5および2.5 μg)において著しく抑制された。
実施例 159
DMT-LNA ヌクレオシドコハク酸塩の一般的方法。
塩基保護された DMT-LNA ヌクレオシドおよび無水コハク酸(1.5等量)を無水エチレンジクロライド(〜10 ml/ヌクレオシドのg)に入れた。この混合物にトリエチルアミン(2等量)を加え、混合物を室温で攪拌した。反応をHPLC (トリチル化と同条件)で追跡した。完全に反応した後(>95%)、反応混合物を濃縮し、エチレンジクロライドおよびアセトニトリルと共に蒸発させ、真空中で乾燥してトリエチルアミンを除去した。残渣をエチレンジクロライドまたは酢酸エチル(〜100 ml/出発のヌクレオシドのg)に溶解し、冷たい10%クエン酸(3 x 80 ml/g)および冷水(3 x 80 ml/g)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、1-2 等量のトリエチルアミンを加えるかまたは加えずに濃縮した。残渣の固体を無水アセトニトリル(2-3x)と共に蒸発させ、真空中で乾燥し、白色固形物として純粋生成物を得た。
塩基保護されたDMT-LNA-ヌクレオシドコハク酸塩(遊離酸またはトリエチルアンモニウム塩、65 μmol/支持体のg)、アミノ誘導支持体(Primer SupportTM 30HL,
160 μmol のアミノ基/支持体のg)、DMAP (3 mg/支持体のg)および1-(3-[ジメチルアミノ]プロピル)-3-エチルカルボジミド塩酸塩(80 mg/支持体のg)を無水ピリジン(6 ml/支持体のg)に入れた。この混合物にトリエチルアミン(16 μl/支持体のg)を加え、混合物を振盪装置で一晩150 rpmに維持した。支持体を濾過し、メタノール (3 x 10 ml/支持体のg)およびジクロロメタン (3 x 10 ml/支持体のg)で洗浄した。空気乾燥後、支持体を真空中で0.5時間乾燥した。これに無水アセトニトリル中の6% DMAP(Cap A, 支持体の〜3 ml/g)および20%無水酢酸/ 30% 2,4,6-コリジン/ 50% アセトニトリル(Cap B, 支持体の〜 3 ml/g)の混合物を加えた。混合物を振盪装置で5時間維持した。支持体を濾過し、無水ジクロロメタン(2 x 10 ml/支持体のg)で洗浄し、上記のように乾燥した。これをCap AおよびCap B (合計容量 6 ml/支持体のg)の混合物に再懸濁し、振盪装置で一晩維持した。支持体を濾過し、メタノール (6 x 10 ml/支持体のg)、ジクロロメタン (3 x 10 ml/支持体のg)で洗浄し、空気中で乾燥した。これをさらに真空中で5-6時間乾燥した。装填量をジメトキシトリチルアッセイによって測定したところ、約40 μmol/gであった。
LNA T モノマーを含むポリdTプライマーを用いた第1の鎖cDNA合成。
LNA T 残基を含むポリdT プライマーの第1鎖cDNA合成を感作する能力を試験するため、反応を設定した。以下のポリdTプライマーを試験した(LNAモノマーは太字):
2μl ポリdTプライマー 8pmole/μl
4μl x5 AMV 逆転写酵素緩衝液
1μl 水
8μl 全容量
1μl 80mM ピロリン酸ナトリウム
1μl ヒト胎盤リボヌクレアーゼ阻害因子20U/μl
7μl 0.5mM dNTP 溶液
2μl [α33P] dATP 10mCi/ml 3000Ci/mmole
1μl AMV 逆転写酵素 20U/μl
20μl 全容量
セファロースビーズに共有結合的に付着したLNA-修飾オリゴヌクレオチドはRNA分子の配列特異的捕捉において効果的に機能する。
化学(Amy Mueller)によって3つのオリゴを合成し、ポリ(rA)結合について評価した。
Claims (2)
- 一般式I
Bは、水素、ヒドロキシ、任意に置換されたC1-4-アルコキシ、任意に置換されたC1-4-アルキル、任意に置換されたC1-4-アシルオキシ、核塩基、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから選択され;
Pは、継続するモノマーへのヌクレオシド間結合のためのラジカル位置または5'-末端基を意味し、そのようなヌクレオシド間結合または5'-末端基は任意に置換基R5を含有し;
置換基R2、R2*、R3およびR3*の1つは、先行するモノマーへのヌクレオシド間結合または3'-末端基を意味する基P*であり;
R1*、R4*、R5、R5*、R6、R6*、R7、R7*、RN*の存在する置換基から選択される非ジェミナル置換基ならびにP*を意味しないR2、R2*、R3およびR3*の存在する置換基から選択される非ジェミナル置換基の1または2の対(ただし、R2*とR4*は唯一の対となり得ない)は、各々、-C(RaRb)-、-C(Ra)=C(Ra)-、-C(Ra)=N-、-O-、-Si(Ra)2-、-S-、-SO2-、-N(Ra)-および>C=Z[式中、Zは-O-、-S-および-N(Ra)-から選択され、かつRaおよびRbは各々独立して、水素、任意に置換されたC1-12-アルキル、任意に置換されたC2-12-アルケニル、任意に置換されたC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、C1-12-アルコキシ、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは任意に置換されていてもよく、ここで2つのジェミナル置換基RaおよびRbは、一緒になって任意に置換されたメチレン(=CH2)を意味してもよく、ここでRa、Rbならびに存在していてP、P*またはビラジカル(類)に含まれていない置換基R1*、R2、R2*、R3、R3*、R4*、R5、R5*、R6およびR6*、R7およびR7*のいずれかから選択される2つの非ジェミナルなまたはジェミナル置換基は、一緒になって上記と同じ種類のビラジカル類から選択された結合したビラジカルを形成してもよい]から選択される1−8の基/原子からなるビラジカルを意味し;
非ジェミナル置換基の該対は、それにより(i)該非ジェミナル置換基が結合している原子および(ii)いずれかの介在原子と一緒になって単環式または2環式のものを形成し;かつ
存在していてP、P*またはビラジカルに含まれていない置換基R1*、R2、R2*、R3、R4*、R5、R5*、R6ならびにR6*、R7およびR7*の各々は、水素、任意に置換されたC1-12-アルキル、任意に置換されたC2-12-アルケニル、任意に置換されたC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、C1-12-アルコキシ、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから独立して選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは任意に置換されていてもよく、ここで2つのジェミナル置換基は一緒になってオキソ、チオキソ、イミノまたは任意に置換されたメチレンを意味してもよく、または任意に-O-、-S-および-(NRN)-から選択される1以上のヘテロ原子/基によって割り込まれかつ/または末尾をなしている1〜5の炭素原子アルキレン鎖からなるスピロビラジカルを一緒になって形成してもよく、ここでRNは水素およびC1-4-アルキルから選択され、かつここで2つの隣接した(非ジェミナルな)置換基は二重結合を生じる付加的な結合を意味し;かつRN*は存在するがビラジカル中に含有されないとき、水素およびC1-4-アルキルから選択され;
ただし、
(i)LNAが2環式ヌクレオシド類似体であるとき、R2およびR3は一緒になって-O-CH2-CH2-および-O-CH2-CH2-CH2-から選択されるビラジカルを意味せず;
(ii)LNAが2環式ヌクレオシド類似体であるとき、R3およびR5は一緒になって-CH2-CH2-、-O-CH2-から選択されるビラジカルを意味せず;
(iii)LNAが3環式ヌクレオシド類似体であるとき、R3、R5およびR5*は一緒になってトリラジカル-CH2-CH(-)-CH2-を意味せず;
(iv)LNAが2環式ヌクレオシド類似体であるとき、R1*およびR6*は一緒になってビラジカル-CH2-を意味せず;かつ
(v)LNAが2環式ヌクレオシド類似体であるとき、R4*およびR6*は一緒になってビラジカル-CH2-を意味しない]
のヌクレオシド類似体(以後、「LNA」と称する)ならびにその塩基性塩および酸付加塩の少なくとも一つからなるオリゴマー(以後、「LNA修飾オリゴヌクレオチド」と称する)。 - 一般式II:
Xは、-O-、-S-、-N(RN*)-および-C(R6R6*)-から選択され;
置換基R2、R2*、R3およびR3*の一つは基Q*であり;
QおよびQ*の各々は、水素、アジド、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、Prot-O-、Act-O-、メルカプト、Prot-S-、Act-S-、C1-6-アルキルチオ、アミノ、Prot-N(RH)-、Act-N(RH)-、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノ、任意に置換されたC1-6-アルコキシ、任意に置換されたC1-6-アルキル、任意に置換されたC2-6-アルケニル、任意に置換されたC2-6-アルケニルオキシ、任意に置換されたC2-6-アルキニル、任意に置換されたC2-6-アルキニルオキシ、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基、リガンド、カルボキシ、スルホノ、ヒドロキシメチル、Prot-O-CH2-、Act-O-CH2-、アミノメチル、Prot-N(RH)-CH2-、Act-N(RH)-CH2-、カルボキシメチル、スルホノメチル(ここで、Protはそれぞれ-OH、-SHおよび-NH(RH)のための保護基であり、Actはそれぞれ-OH、-SHおよび-NH(RH)のための活性化基であり、RHは水素およびC1-6-アルキルから選択される)から独立して選択され;
(i)R2およびR3は一緒になって、-O-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-および-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-から選択されるビラジカルを意味し;
(ii)R2*およびR3は一緒になって、-O-、-(CR*R*)r+s-、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-および-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-から選択されるビラジカルを意味し;
(iii)R3およびR4*は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-および-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-から選択されるビラジカルを意味し;
(iv)R3およびR5は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-および-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-から選択されるビラジカルを意味し;または
(v)R1*およびR4*は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-、および-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-から選択されるビラジカルを意味し;
(vi)R1*およびR2*は一緒になって、-(CR*R*)r-O-(CR*R*)s-、-(CR*R*)r-S-(CR*R*)s-および-(CR*R*)r-N(R*)-(CR*R*)s-から選択されるビラジカルを意味し;
ここで、各R*は、水素、ハロゲン、アジド、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、モノ-またはジ(C1-6-アルキル)アミノ、任意に置換されたC1-6-アルコキシ、任意に置換されたC1-6-アルキル、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンド、から独立して選択され、かつ/または2つの隣接する(非ジェミナルな)R*は、一緒になって二重結合を意味してもよく、かつrおよびsの各々は0〜3であり、ただしr+sの合計は1〜4である;
Q、Q*またはビラジカル中に含有されない置換基R1*、R2、R2*、R3、R4*、R5およびR5*の各々は、水素、任意に置換されたC1-12-アルキル、任意に置換されたC2-12-アルケニル、任意に置換されたC2-12-アルキニル、ヒドロキシ、C1-12-アルコキシ、C2-12-アルケニルオキシ、カルボキシ、C1-12-アルコキシカルボニル、C1-12-アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ-カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ-カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)-アミノ-カルボニル、アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、モノおよびジ(C1-6-アルキル)アミノ-C1-6-アルキル-アミノカルボニル、C1-6-アルキル-カルボニルアミノ、カルバミド、C1-6-アルカノイルオキシ、スルホノ、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1-6-アルキルチオ、ハロゲン、DNAインターカレーター、光化学的に活性な基、熱化学的に活性な基、キレート基、リポーター基およびリガンドから独立して選択され、ここでアリールおよびヘテロアリールは任意に置換されてもよく、ここで2つのジェミナル置換基は一緒になってオキソ、チオキソ、イミノまたは任意に置換されたメチレンを意味してもよく、または-O-、-S-および-(NRN)-から選択される1以上のヘテロ原子/基により任意に割り込まれかつ/または末尾をなしている1〜5の炭素原子アルキレン鎖からなるスピロラジカルを一緒になって形成してもよく、ここでRNは水素およびC1-4-アルキルから選択され、ここで2つの隣接する(非ジェミナルな)置換基は二重結合を生じる付加的な結合を意味してもよく;かつRN*は存在するがビラジカル中に含有されないときは、水素およびC1-4-アルキルから選択され;
ただし第1の条件として、
(i)R2およびR3は一緒になって-O-CH2-CH2-および-O-CH2-CH2-CH2-から選択されるビラジカルを意味せず;かつ
(ii)R3およびR5は一緒になって-CH2-CH2-、-O-CH2-および-O-Si(iPr)2-O-Si(iPr)2-O-から選択されるビラジカルを意味せず;
ただし第2の条件として、オリゴヌクレオチド合成で普及している条件下で反応性ないかなる化学基(核塩基を含む)も、任意に保護された官能基である]
のヌクレオシド類似体(以後、LNA)ならびにその塩基性塩および酸付加塩。
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