JP2004530200A - ラップトップコンピュータ及びその他の携帯用機器のための触感インターフェイス - Google Patents

Abstract

【課題】コンピュータに入力を提供する触感フィードバックタッチ制御機器。
【解決手段】タッチ入力装置は、ユーザの接触位置に基づいて位置情報をコンピュータに与える平面状のタッチ面を備える。該コンピュータは、少なくとも前記位置情報に基づいて、表示されたグラフィック環境にカーソルを位置させるか、又は異なる機能を発揮させることができる。少なくとも一つのアクチュエータ（３３６）が、また前記タッチ入力装置に連結されており、ユーザに触感覚を与えるべく力を出力する。該アクチュエータ（３３６）は、タッチパッド（３３２）を横方向に移動させるか、又は別体の面が作動し得る。フラットＥコアアクチュエータ、圧電アクチュエータ、又はその他の種類のアクチュエータが力を与えるために利用できる。前記タッチ入力機器は異なるコンピュータの機能を制御するために複数の異なる領域を備え得る。
【選択図】図１３

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンピュータと機械的装置とのユーザによるインターフェイスに関するものであり、更に詳しくは、コンピュータシステムと電子機器のインターフェイスに使用される装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
人は、多様な応用例において、電子的又は機械的装置とのインターフェイスをとっており、より自然で、取り扱い容易で、情報量の豊かなインターフェイスが絶えず要望されている。本発明の背景には、人が多様な用途のためにコンピュータ装置とのインターフェイスをとっている事実が存在しているのである。かかる用途の一例として、ゲーム、シミュレーション、アプリケーションプログラム等、コンピュータにより創生される環境とのインタラクションがある。マウスやトラックボール等のコンピュータ入力装置は、グラフィック環境中でカーソルを手繰るためにしばしば使用され、これら用途の中で入力手段を提供している。
【０００３】
ある種のインターフェイス装置においては、フォースフィードバックや触覚フィードバックもまたユーザに与えられており、これらはいわゆる触感フィードバックとして知られている。例えば、触感対応型のジョイスティック、マウス、ゲームパッド、ハンドル、その他の種類の装置は、ゲームやその他のアプリケーションプログラム等のグラフィック環境中で起こるイベントやインタラクションに基づいて、ある種の力をユーザに出力することができる。
【０００４】
携帯用コンピュータや電子機器、例えば、ラップトップコンピュータにおいては、マウスは、一般にあまりに大きな作業領域を占め過ぎているため、実用性を損なっている。その結果、よりコンパクトな装置であるトラックボールがしばしば使用されている。最近では、携帯コンピュータ用として更に人気を博しているものとして、いわゆるタッチパッドがある。該タッチパッドは、コンピュータのキーボードの近傍に配されている小四辺形状且つ平面状のパッドであり、多様なセンサ技術のいずれか、例えば、タッチパッドに付与される圧力を検知する静電容量検知センサや圧力検知センサを利用して位置決め用物体の位置を検知するものである。ユーザは大抵、該タッチパッドに指先で触れ、該パッド上で指を動かすことにより、グラフィック環境中に出現しているカーソルを動かす。別の形態においては、ユーザはタッチパッドにペン先をあてがって該タッチパッド上でペン先を押しつけながら動かすことができる。かかるタッチパッドと類似の装置であるタッチスクリーンは、表示スクリ−ンに重ね合わせて配置されたセンサパッドに情報を入力するものである。このタッチスクリーンは、いわゆる携帯情報端末（ＰＤＡ）や、その他の携帯電子機器に使用されている。
【０００５】
タッチパッドとスクリーンにおける一つの問題点は、ユーザに触感フィードバックが何ら与えられていない点である。そのため、タッチバッドのユーザは、ユーザを補助し、グラフィック環境中でターゲティングやその他の制御タスクに関する情報を提供する触感を感じることができない。また、従来技術におけるタッチパッドは、コンピュータ上で実行される、触感覚を可能とした現状のソフトウエアに対しても優位に立つことができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、コンピュータシステムに入力を与えるための触感フィードバック平面状タッチ制御機器に関するものである。該制御機器は、携帯用コンピュータに設けられたタッチパッドや、多様な装置上で見出されるタッチスクリーンになり得るものである。該タッチ制御機器に出力される触感により、グラフィック環境中や電子機器を制御する際のインタラクションや操作が強調されるようになる。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
より詳細には、本発明はコンピュータに信号を入力すると共に、ユーザに力を出力する触感フィードバックタッチ制御機器に関するものである。該制御機器は、ユーザが触れる位置に基づいて前記コンピュータのプロセッサに位置信号を入力するための略平面状のタッチ面を有するタッチ入力装置を備えている。一以上のアクチュエータが、前記タッチ面に触れるユーザに触感を与えるべく該面に略平行に該タッチ入力装置を横方向に動かす力を出力し得るように、前記タッチ入力装置に連結されている。前記コンピュータは、前記位置信号に基づいて、表示装置に表示されるグラフィック環境中にカーソルを位置させることができる。前記タッチ入力装置は、別体のタッチパッドとすることもできるし、タッチスクリーンに含ませることもできる。
【０００８】
別の形態においては、触感フィードバックタッチ制御機器は、コンピュータプロセッサに位置信号を入力する略平面状のタッチ面を有するタッチ入力装置を備え、一の面が、前記タッチ入力装置に近接して配置されており、ここで、ユーザは、タッチ入力装置を押しているときに該面に触れることができ、そして、一のアクチュエータが前記面に連結されている。該アクチュエータは、前記面に力を出力することにより前記ユーザに触感を与える。前記面は、前記タッチ入力装置の表面に略平行な平面上で横方向に移動し得るものである。例えば、前記面は、前記タッチ入力装置に位置合わせされ、該タッチ入力装置の表面と同一の広がりを有するものとするか、又は、前記面は、ユーザが該タッチ入力装置を一本の指で触れると同時に、該面をそれと異なる指と手のひらで触れるように、前記タッチ入力装置の側部に配置することができる。例えば、前記面は、前記タッチ入力装置に近接して配置されている物理ボタンに位置合わせされ得るものである。前記面には、押圧力又は慣性力を出力することができる。
【０００９】
本発明の別の態様においては、アクチュエータが直線の力を出力すると共に、二つの側ポールの間に配置された中央のポールを有する強磁性体の部材を含んでおり、コイルが中央のポールに巻き付いており、磁石が前記中央のポールと二つの側ポールに近接して配置され、支持板が前記磁石に連結されており、前記支持板と前記磁石は、前記コイルに電流を流した際に前記強磁性体の部材に追従して動く。前記強磁性体の部材と支持板との間には、該運動を促すようにローラ群を配置し得る。フレキシャが支持板と強磁性体の部材との間の望ましくない方向へ相対運動を規制し、中央への弾性付勢力を与え得る。
【００１０】
別の態様では、タッチ入力装置は、セラミック製の部材に連結された金属ダイヤフラムを有する、（他の装置に）取り付けられた圧電変換器と、タッチバッド等の平面状のセンサ部材とを備える。スペーサが前記圧電変換器と前記平面状のセンサとの間に設けられており、金属ダイヤフラムが該スペーサーに接触している。バネ部材が前記平面状のセンサ部材にバネ復元力を与えている。
【００１１】
本発明の別の態様は、タッチ入力装置に触感フィードバックを与える方法であって、前記ユーザが触れている面上の場所を示す位置信号を前記タッチ入力装置から受け取り、該面上の複数の領域の内から、ユーザの触れている場所が位置する領域を決定する過程を備える方法である。出力される力は、前記タッチ入力装置の前記面に接した状態で又はその上方で離間した状態で物体を動かしている前記ユーザに関連付けられている。ある機能、例えば、ある値の速度制御の機能又は画像表示されているカーソルを動かす操作、が前記ユーザの触れている場所が位置する領域に関連付けられ得る。前記力は、前記ユーザが前記タッチ入力装置の異なる領域から前記ユーザの触れている場所が位置する領域に向けて境界を超えて前記物体を動かすときに出力され得る。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、タッチパッドやタッチスクリーン等、コンピュータにおける平面状のタッチ入力装置に触感フィードバックを与えることができる。該触感フィードバックは、画像インターフェイスやその他環境中におけるイベントやインタラクションの情報をユーザに与え、ユーザを補助することができる。更に、本発明は、携帯用コンピュータ装置にそのようなタッチ制御機器を装備させることで、従来の触感フィードバック対応のソフトウエアに対して優位に立たせることができる。本発明で開示される前記触感タッチ装置は、安価、コンパクト、且つ消費パワーが小さいものであり、多種多様な携帯用又はデスクトップコンピュータや、電子機器に組み込み可能なものとなる。
【００１３】
上述のそしてその他の本発明による有利な効果は、以下の記述と図面を参照することによって当業者に明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
図１は、本発明のタッチパッド（タッチ入力装置）を含む携帯用コンピュータを示す斜視図である。コンピュータ１０は、ユーザにより運搬されるか或いは移動させられ、電池又は携帯エネルギー源その他の静的エネルギー源によって電源が供給される携帯用コンピュータやラップトップコンピュータである。コンピュータ１０は、好ましくは周辺機器を通じてユーザが利用する一以上のホストアプリケーションプログラムを実行させるものである。
【００１５】
コンピュータ１０は、図１に示すように、多様な入出力装置を含み得るものであり、例えば、ユーザに画像イメージを出力するための表示装置１２と、ユーザからコンピュータに向けて文字やトグル入力を与えるためのキーボード１４と、本発明のタッチパッド１６を備えるものである。表示装置１２は、多種ある表示装置のいずれでも良く、平面表示装置は、携帯用コンピュータでは最も一般的なものである。表示装置１２は、コンピュータ１０のＣＰＵで実行されるアプリケーションプログラム及び／又はオペレーティングシステム、例えば、グラフィカルユーザインターフェイス（ＧＵＩ）に基づいてグラフィック環境１８を表示し得る。ＧＵＩは、ユーザの入力により動かし得るカーソル、並びにウインドウ２２、アイコン２４、その他のＧＵＩ環境中で良く知られる画像部品を含み得るものである。その他のグラフィック環境や図柄、例えば、ゲーム、映画、その他の表現、表計算ソフトやその他のアプリケーションプログラム等もまた画像表示し得る。
【００１６】
コンピュータ１０には、その他の装置、例えば、記憶装置（例：ハードディスクドライブ、ＤＶＤ−ＲＯＭ等）、ネットワークサーバー又はクライアントサーバー、ゲームコントローラ等を組み込み、連結し得る。その代わりに、コンピュータ１０は、卓上用又はその他の面上に置かれるコンピュータ装置を含み、ゲームセンターの据え置き型ゲーム機、その他の携帯用装置、又は個人使用の装置、例えば、片手で使用又は取り扱える装置を含む多様な形態を取り得る。例えば、ホストコンピュータ１０は、ビデオコンソール、パソコン、ワークステーション、テレビ受像機の「セットトップボックス」や「ネットワークコンピュータ」、又はその他の計算若しくは電子機器になり得るものである。
【００１７】
本発明におけるタッチパッド装置１６は、従来技術のタッチパッドと外見上似たものであることが好ましい。ここに含まれる多数の形態において、例えば、図１に示すように、パッド１６は、平面状の、四辺形状（又はその他の形状）の平滑な面を含むものであり、コンピュータ１０のハウジング上におけるキーボード１４の下方に配置され得るか、又は前記ハウジングのその他の領域に配置され得るものである。ユーザがコンピュータ１０を動かすとき、ユーザは、タッチパッド１０上に指先やその他の物体を容易に配置することができ、指先を動かすことでグラフィック環境１８中でカーソル２０を動かすことができる。
【００１８】
作動時においては、タッチパッド１６は、該タッチパッド上で（又は近傍で）検知した物体の位置に基づいて、コンピュータ１０のメインのマイクロプロセッサに座標データを入力する。従来技術の多くのタッチパッドと同様に、タッチパッド１６には、容量性、抵抗性、又は異なる種類のセンサを利用することができる。容量性のタッチパッドは、一般的に、タッチパッドと物体との間に形成されるコンデンサの静電容量に基づいて、タッチパッドの面上又は近傍の前記物体の位置を検知するものである。抵抗性のタッチパッドは、一般的に圧力検知であり、これによれば、該パッドに対して指、ペン先、又はその他の物体が触れることにより、導電性のレイヤー、軌跡、スイッチ等を生じて電気的接点を形成する。ある種の抵抗性又はその他の種類のタッチパッドは、ユーザにより付与される圧力の量を検知し得るものであり、コンピュータ１０に比例的に、又は可変に入力される圧力の程度を利用し得るものである。抵抗性のタッチパッドは、一般的に少なくとも一部が変形し得るものであり、それにより、ある特定される場所に圧力が付与されたとき、その場所における導電体が電気的接点に至らせる。このように変形し得ることは、パルスや振動等、タッチパッド上に出力される力の程度を増幅し得るため、本発明において有用となり得る。力は、アクチュエータと動かされる物体との間に程よく調整されたサスペンションが付与されたときに増幅され得るものである。容量性のタッチパッド及びその他の種類のタッチパッドで、強い接触力を必要としないものは、本発明のある形態において、より適したものである。その理由は、タッチパッドに過度の圧力が加えられることで、触感フィードバックのためのタッチパッドの動きが妨害される場合があるからである。タッチパッドには、その他の種類のセンサ技術を利用することもできる。ここで、「タッチパッド」なる用語には、タッチパッドユニットに含まれている任意のセンサ機構同様、タッチパッド１６の面が含まれていることが好ましい。
【００１９】
タッチパッド１６は、該タッチパッド上で指先が動く速さがグラフィック環境中でカーソルが動く距離に関連付けられている現行のタッチパッドと同様に作動する。例えば、ユーザがその指をパッド上で素早く動かした場合、ユーザは、より遅い速さで指先を動かした場合と比べ、カーソルは、より長い距離を移動する。ユーザの指が、その指を動かす方向における所望位置に到達する前にタッチパッドの縁に到達した場合、ユーザは、その指をタッチパッドから離すだけでよく、その縁から正常な位置に戻し、カーソルを動かし続けることができる。これはマウスの位置とカーソルの位置との間のオフセット量を変更するべくマウスを面から持ち上げる動作と類似した「インデクス」機能である。更に、多くのタッチパッドには、カーソルの位置とは無関係となり得る特定の機能にそれぞれ割り当てられた特別な領域を設け得る。そのような形態については、後で図１８に関連させてより詳細に説明する。ある形態では、タッチパッド１６は、コマンドを与えるためにある特定の場所において、ユーザにタッチパッドを「タップ」（素早く物体をパッドに接触させ、該物体を取り除くこと）させるもできる。例えば、ユーザは、カーソルの制御が終了してアイコンが選択されている間、指によってパッドをタップするか又は「２回タップ」することができる、
【００２０】
本発明において、タッチパッド１６には、該タッチパッド１６に物理的に触れているユーザに触感覚の如き触感フィードバックを出力する機能を設け得る。触感フィードバックタッチパッドの詳細な構造を有する多様な形態については、以下により詳細に説明される。ある形態では、タッチパッド自体ではなく、装置のハウジング又は別体の可動の面を動かしたりする場合がある。
【００２１】
タッチパッド１６に連結された一以上のアクチュエータ、又は関連付けられた面を使用することにより、多様な触感をタッチパッド（又はハウジング、又は別体化された面）に触れているユーザに出力することができる。例えば、衝撃、振動（変化するものか又は一定の強度の）、そして手触りが出力され得る。ユーザに出力される力は、少なくとも一部をパッド上の指の位置、若しくはホストコンピュータ１０のグラフィック環境中における被制御物体の状態に基づくものとする、及び／又は、指の位置又は物体の状態に無関係とすることができる。ユーザに出力されるそのような力は、マイクロプロセッサ又はその他の電子制御機器が、電子的信号を使用してアクチュエータにより出力される力の強度及び／又は方向を制御しているため、「コンピュータの制御下にある」と考えられる。
【００２２】
他の形態においては、タッチパッド１６は、ケーブル又はワイヤレス伝送装置を介してコンピュータ１０の入力端子に接続される別体化されたハウジングに設けられる。そして、該タッチパッド１６は、前記コンピュータ１０から力の情報を受け取り、コンピュータ１０に位置の情報を伝える。例えば、ユニバーサルシリアスバス（ＵＳＢ）、ファイヤワイヤ、又は標準シリアスバスによって、コンピュータ１０にそのようなタッチパッドを接続することができる。
【００２３】
一以上のボタン２６を、タッチパッド１６と関連させるべく、コンピュータ１０のハウジングに設けることができる。ユーザは、手によって容易にこのボタンに触れることができ、これらボタンのそれぞれは、ユーザにより押され、ホストコンピュータ１０に明瞭な出力信号を与えることができる。一般的には、それぞれのボタン２６は、マウス入力装置上で見出される類似のボタンに対応するものであり、即ち、左側のボタン（クリック又はダブルクリック）は画像物体を選択するために用いられ得るものであり、右側のボタンは、コンテキストメニュー等を提示し得るものである。ある形態では、一以上のボタン２６は、触覚フィードバックを備えることができる。
【００２４】
更に、ある形態では、コンピュータ装置１０のハウジングに一以上の可動部分２８を設け得るものとなる。該可動部分２８は、ユーザがタッチパッド１６を操作して触れたときに、ユーザに触感フィードバックを与え得るものである。触感フィードバック用にハウジングに可動部分を設けた形態は、米国特許第６，１８４，８６８号及び第６，０８８，０１９号に記載されている。ある形態では、いずれのハウジングも触感フィードバックを与えることができ（例えば、ハウジングに連結されたモータに過度の回転質量をかけることによって）、そして、タッチパッド１６は、別々の触感フィードバックを与えることができる。これにより、ホストコンピュータをユーザに２種の異なる触感覚を同時に与えるように制御することができる。例えば、低周波の振動がハウジングを通してユーザに伝えられ、高周波の振動がタッチパッド１６を通してユーザに伝えられ得るものとなる。触感フィードバックを備えたそれぞれのボタン又は制御機器は、その他の制御機器から独立して触感フィードバックを与えることができる。
【００２５】
ホストアプリケーションプログラム及び／又はオペレーティングシステムは、好ましくは、表示装置１２上にグラフィックイメージ環境を表示するものである。ホストコンピュータ１０上で実行されるソフトウエア及び環境は、多岐にわたるものとなり得る。例えば、ホストアプリケーションプログラムとしては、ワープロ、表計算、映画、ビデオ、コンピュータゲーム、描画プログラム、オペレーティングシステム、画像インターフェイス、シミュレーション、ＨＴＭＬ又はＶＲＭＬの使用説明を含むウエッブページやブラウザ、科学分析プログラム、仮想現実訓練プログラム若しくはその応用、又は、タッチパッド１６から入力し、タッチパッド１６に触感フィードバックコマンドを出力する形式を利用するその他のアプリケーションプログラムが挙げられる。例えば、力（フォース）フィードバック機能性を有する多くのゲームやその他のアプリケーションプログラムが挙げられ、そして、カリフォルニア州サンノゼのイマージョン社から利用できるＩ−Ｆｏｒｃｅ（登録商標）、ＦＥＥＬit（登録商標）、又はTouchsense（登録商標）等の標準的なプロトコル／ドライバを使用してタッチパッド１６に伝達する。
【００２６】
タッチパッド１６には、ホストコンピュータ１０のマイクロプロセッサに制御信号を伝え、ホストコンピュータのマイクロプロセッサからのコマンド信号を処理するのに必要な回路を設け得る。例えば、適当なセンサ（及び関連する回路）がタッチパッド１６上のユーザが触れる位置を伝えるために使用される。前記タッチパッド装置は、ホストコンピュータから信号を受け取り、一以上のアクチュエータを使用して、前記ホストコンピュータの信号に従って、触感覚を出力する回路を備えることができる。ある形態では、別体化された、タッチパッドセンサデータをホストコンピュータに伝えると共に／又はホストコンピュータから受け取った力コマンドを実行するために、ローカルマイクロプロセッサをタッチパッド１６に設け得る。このようなコマンドは、例えば、触感の種類や、伝達された触感を表すパラメータを含むものである。或いは、タッチパッドのマイクロプロセッサは、メインプロセッサからアクチュエータに向けたデータを通過させるのみである。「力の情報」なる用語には、コマンド／パラメータ、及び／又はストリームされたデータが含まれ得るものである。タッチパッドマイクロプロセッサは、ホストコマンドを受け取った後にタッチパッドアクチュエータを制御することにより独立して触感を提供し得るものである。或いは、ホストプロセッサは、アクチュエータをより直接的に制御することにより、触感をより強く制御する状態を維持し得るものとなる。他の形態においては、タッチパッド１６のために設けられたステート・マシン等のロジック回路は、ホストメインプロセッサによって管理される触感を処理することができる。センサ信号を読み取り、装置に触感フィードバックを与えるために使用し得る構成及び制御方法は、米国特許第５，７３４，３７３号により詳細に記載されている。
【００２７】
従来のタッチパッドの形態においては、シナプティクス社製のものに、特有の特徴と機能が設けられている。タッチパッド用の標準的な面材料は、マイラー織物であり、一般的に非電気伝導性の物体であればタッチパッドの面に使用することができ、ユーザの指が指し示すことに使用されたとき、織物の面を通じて検出され得るものとなる。タッチパッドは、薄いオーバーレイを通しても検知することができる。触感フィードバックの構成部品用の補助部材のために一般に使用できるスペースとしては、例えば、４０×６０のタッチパッド上では、半分以上の基板が触感回路のために利用できる。
【００２８】
多くのタッチパッドは、「手のひら照合」の機能を有しており、これにより、ラップトップに、ユーザが指、手のひら、又は手のその他の部位のいずれでタッチパッドに触れているかを検知させることができる。ユーザは手のひらを載置しているのみであり、入力を与えようとする意思はないので、前記手のひら照合の機能は、ユーザの手のひらにより与えられたと決定された入力を無視する。基本的には、前記手のひら照合の機能は、導電性の物体（指、手のひら、腕等）により形成される接触領域の広さを計算する。該接触領域が所定の閾値を越えた場合には、接触が拒絶される。この機能は、多くの形態において途中で停止することができる。
【００２９】
図２は、装置３０の別の形態を示す斜視図であり、本発明のアクティブタッチパッド１６を含み得るものである。該装置は、手で保持できる遠隔リモコン装置３０となり得るものであり、それは、電子機器、又はユーザにより遠隔操作される機器（例えば、テレビ受像機、ビデオ、カセットコーダ若しくはＤＶＤプレイヤー、オーディオ／ビデオレシーバ、テレビ受像機等に接続されるインターネット若しくはネットワークコンピュータ等）の諸機能にアクセスするべく、ユーザが片手で保持しつつ手で操作するものである。例えば、数個のボタン３２は、制御される機器の諸機能を操作するべく、リモコン装置３０に設け得るものである。タッチパッド１６は、ユーザによって更に洗練された方向付けを与える入力を可能とするために設けられる。例えば、制御される機器は、カーソルが移動する選択画面を有しており、そして、タッチパッド１６は、二次元の方向に該カーソルを動かすように操作し得るものである。タッチパッド１６は、制御された値又はイベントに基づいて、ここに説明されるようなユーザに触感を出力する能力を有するものである。例えば、ボリュームレベルが中間点を経るか又は最大レベルに到達すると、タッチパッドに出力されるパルスを生じ、ユーザに伝えられ得る。
【００３０】
一つの適用例においては、前記制御される機器は、マイクロソフト社のウエッブＴＶ等のコンピュータ装置、又はインターネット等のネットワークを介してアクセスされるウエップページ及び／又はグラフィックユーザインターフェイスを表示するその他のコンピュータ装置となり得るものである。ユーザは、指（又はその他の物体）をタッチパッド１６上で動かすことにより、カーソルの方向を制御することができる。該カーソルは、アイコン、ウィンドウ、メニューアイテム、画像ボタン、スライダーバー、スクロールバー、又はグラフィックユーザインターフェイス若しくはデスクトップインターフェイスにおけるその他の画像物体の操作及び／又は選択のために使用される。該カーソルは、例えば、リンク、図柄、ボタン等のウエッブページ上の画像物体を選択するか、又は操作するためにも使用される。画像物体に関連付けられるその他の力触感は、図１８を参照しながら以下に記述される。
【００３１】
図３は、本発明における触感装置のいずれの形態をも含み得る別のコンピュータ装置の形態５０を示す平面図であり、該装置５０は、「携帯情報端末」（ＰＤＡ）、「ペンベース」コンピュータ、「ウエッブパッド」、「電子手帳」、又は類似の装置（これらは、総括して「携帯情報端末」（ＰＤＡ）として知られている。）等の携帯用コンピュータ装置の形態を呈するものである。これら装置は、ユーザを表示スクリ−ンに触れさせることにより情報を入力させるか、又は、ある形式での読み出しを行わせるものであり、ボタン入力を可能とする装置と同様に、本発明に関連するものである。このような装置は、３ＣＯＭ社製のパームパイロット（登録商標）又は類似製品、カシオ社製、ヒューレットパッカード社製、その他のメーカー製のポケットサイズのコンピュータ装置、電子書籍、タッチスクリーンを有する携帯電話若しくはポケベル、タッチスクリーンを有するラップトップコンピュータ等を含み得るものである。
【００３２】
装置５０の一の形態においては、ハウジング５４に近接して配置された表示スクリ−ン５２は、コンピュータ装置５０の大部分の面をカバーするものである。スクリーン５２は、好ましくは、当業者に良く知られた平面パネルディスプレイ装置であり、文字、図柄、アニメーション等を表示し得るものである。ある形態では、スクリーン５２は、パソコンの画面と機能的に同等なものである。表示スクリ−ン５２は、スクリーン５２を物理的に触れることにより、コンピュータ装置５０（例えば、これは、図１に示すタッチパッド１６に類似した平面的な「タッチ装置」の別の形態を示すものである。）にユーザをして入力の情報を与えさせるセンサを有する「タッチスクリーン」になり得るものである。例えば、透明なセンサフィルムをスクリーン５２上に被せることができ、フィルムに触れる物体の圧力を検出し得るものとなる。タッチスクリーンを提供するセンサ装置は、当業者によく知られたものである。
【００３３】
ユーザは、画像物体が表示されている正確な場所におけるスクリーン５２に対して指先又はペン先を押すことにより、画像に表示されているボタン又はその他の画像物体を選択することができる。更に、ある形態では、ペン先の先端、例えば、ペン先５７、又は指、又はその他の物体をユーザが押しつけた場所にグラフィック「インク」イメージ５６を表示することによってスクリーン上で「図を描く」又は「文字を書く」動作をユーザに可能とさせ得る。手書きで描画された文字は、コマンド、データ、又はその他入力として、装置のマイクロプロセッサ上で実行されるソフトウエアによって認知され得る。他の形態では、ユーザは、補助的又は代替的に音声認知を通して入力を行うことができる。ここで、装置上のマイクロフォンには、ユーザの音声が入力され、該音声は、該装置上で実行されるソフトウエアによってしかるべきコマンド又はデータに変換される。物理ボタン５８もまた、該ボタンが押されたときに装置５０に特定されるコマンドを与えるべく装置５０のハウジングに設け得る。多くのＰＤＡは、ユーザの文字入力用の標準的なキーボードがないことで特徴付けられ、むしろ、スクリーン上に文字を描画するペン先を使用することや、音声認知等の代替的な入力様式が使用される。しかしながら、あるＰＤＡは、タッチスクリーンと並んで全ての機能を有するキーボードを備えており、該キーボードは、一般的に標準サイズのキーボードに比してかなり小さいものである。更に別の形態においては、標準的なキーボードを有する標準サイズのラップトップコンピュータに平面パネルタッチ入力表示スクリ−ンが設けられ、該スクリーン（図１に示すスクリーン１２と類似したスクリーン）には、本発明に従って触感フィードバックを設け得るものとなる。
【００３４】
本発明のある形態では、タッチスクリーン５２は、前記した形態で説明したタッチパッド１６に類似した触感フィードバックをユーザに与えるものである。一以上のアクチュエータが、前記タッチスクリーンに連結され、又は後述する形態に類似した態様でタッチスクリーンの近傍で可動のスクリーンを形成する。ユーザは、指又はスクリーン５２に接触しているペン先５７等の保持された物体を通して触感フィードバックを感じることができる。
【００３５】
前記タッチスクリーン５２は、ｚ軸に略沿ったスクリーンの動きを許容するべく一以上のバネ又は規格部品、例えば、つる巻きバネ、重ね板バネ、フレキシャ、又は規格材料（発泡体、ゴム等）を介して装置５０のハウジング５４に連結され得るものであり、それにより、触感フィードバックを与えるものである。該スクリーンには、後述する適切な形態に類似して、側部から側部に至る（ｘ及び／又はｙ）動きを可能とするフレキシャ又はその他の連結部材を設け得るものである。
【００３６】
図４は、本発明で説明されるいずれの形態にも適した触感フィードバックシステムを図示するブロックダイヤグラムである。該触感フィードバックシステムは、ホストコンピュータシステム（コンピュータ）７４及びインターフェイス装置（触感フィードバックタッチ制御機器）７２を備えている。
【００３７】
ホストコンピュータシステム７４は、好ましくはホストマイクロプロセッサ１００、クロック１０２、表示スクリ−ン７６、オーディオ出力装置１０４を備えるものである。該ホストコンピュータは、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリーメモリー（ＲＯＭ）、入出力（Ｉ／Ｏ）電子装置（図示せず）等のその他周知の装置も備えるものである。
【００３８】
上述したように、ホストコンピュータ７４は、ラップトップコンピュータ等のパーソナルコンピュータになり得るものであり、いかなる周知のオペレーティングシステム下でも作動するものである。その代わりに、ホストコンピュータシステム７４は、テレビ受像機セットやその他のディスプレイ装置に通常接続される、例えば、任天堂、セガ、ソニー、又はマイクロソフト社製の多種あるホームビデオゲーム機の一つとなり得るものである。他の形態においては、ホストコンピュータシステム７４は、「セットアップボックス」、その他のユーザが入力し得る電子装置になり得るものである。コンピュータ７４は、ＰＤＡ等の小型の携帯用コンピュータにもなり得るものであり、車載コンピュータ、ゲームセンターのゲーム機、ワークステーション等になり得るものである。
【００３９】
ホストコンピュータ７４は、好ましくは、触感フィードバック機能を有するインターフェイス装置７２を介してユーザがインタラクションするホストアプリケーションプログラムを提供することが良い。例えば、該ホストアプリケーションプログラムは、ビデオゲーム、ワープロ、表計算ソフト、ＨＴＭＬ若しくはＶＲＭＬの使用説明を含むウエッブページやブラウザ、科学分析プログラム、映像プレイヤー、仮想現実訓練プログラム若しくはその応用、又はマウス１２からの入力を利用し、前記装置７２に触感フィードバックコマンドを出力するその他のアプリケーションプログラムとなり得るものである。ここで、簡便のため、Ｗｉｎｄｏｗｓ（商標）、ＭＳ−ＤＯＳ、ＭａｃＯＳ、Ｕｎｉｘ、ＰａｌｍＯＳ等のオペレーティングシステムもまた、「アプリケーションプログラム」と呼ばれるものとする。ここで、コンピュータ７４は、「グラフィック環境」を与えるものであり、グラフィックユーザインターフェイス、ゲーム、シミュレーション、又はその他のグラフィック環境になり得るものであり、アイコン、ウィンドウ、ゲーム対象等の画像物体を含み得るものである。コンピュータ出入力（Ｉ／Ｏ）装置とインターフェイスをとるソフトウエアに適したソフトウエアドライバは、カリフォルニア州、サンホセのイマージョン社から購入できる。
【００４０】
ディスプレイ装置７６を、ホストコンピュータ７４に設けることができ、これは、標準表示スクリ−ン（ＬＣＤ、ＣＲＴ、プラズマ表示装置、平面パネル等）、３-Ｄゴーグル、又はその他いずれかの画像ディスプレイ装置になり得るものである。スピーカ等のオーディオ出力装置１０４は、好ましくは、ユーザに音声出力を与えるべく、ホストコンマイクロプロセッサ１００に接続され得るものである。その他の種類の周辺装置、例えば、記憶装置（例：ハードディスクドライブ、ＣＤ−ＲＯＭドライブ、フロッピー（登録商標）ディスクドライブ等）、その他の入出力装置もまた、ホストプロセッサ１００に接続し得る。
【００４１】
インターフェイス７２は、コンピュータ７４にバス８０によって接続され、装置７２と
コンピュータ７４との間で信号をやり取りするものであり、ある形態では、パワーを装置７２に与えるものである。他の形態においては、信号は、無線送信／受信によって装置７２とコンピュータ７４との間を伝送することができる。ある形態では、アクチュエータ用のパワーは、前記装置に設けられた、例えば、コンデンサ又は一以上の電池等のパワー蓄積装置によって補充されるか又は単に供給され得る。バス８０は、ホスト７４と装置７２との間でいずれの方向にも信号を供給するための双方向通信媒体となり得るものである。バス８０は、ＲＳ２３２等のシリアルインターフェイス、ＲＳ-４２２、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）、ＭＩＤＩ、又はその他の当業者に良く知られたプロトコルとすることができ、更には、パラレルバスやワイヤレスリンクとすることもできる。
【００４２】
装置７２は、そのハウジングがホストコンピュータ７４と別体化された装置とすることができ、又は図１に示すラップトップコンピュータにおける如く、ホストコンピュータのハウジングに一体化することもできる。装置７２には、専用のローカルプロセッサ１１０を設けるか、又は関連させることができる。プロセッサ１１０は、装置１２に対してローカルと考えられ、ここで、「ローカル」なる用語は、ホストコンピュータシステム７４においるいずれのホストプロセッサからも分離されたプロセッサであるプロセッサ１１０を指すものである。「ローカル」なる用語は、装置７２の触感フィードバック及びセンサＩ／Ｏに特化されたプロセッサ１１０をも指す場合がある。プロセッサ１１０には、ホストコンピュータ７４からのコマンド又は要求を待って、該コマンド又は要求をデコードし、該コマンド又は要求に従って入出力を処理／制御すべく、ソフトウエア命令（例：ファームウエア）を設け得る。加えて、プロセッサ１１０は、センサ信号を解読し、そしてこれらのセンサ信号、時間信号、ホストコマンドに従って選択された蓄積又はリレー命令からの適切な力を計算することによってホストコンピュータ７４と切り離して作動させ得る。ローカルプロセッサ１１０のような使用に適したマイクロプロセッサには、下級マイクロプロセッサ、並びに、イマージョンタッチセンスプロセッサ等のより洗練された触感フィードバックプロセッサを設け得る。プロセッサ１１０には、一つのマイクロプロセッサチップ、マルティプルマイクロプロセッサ及び／又はコプロセッサチップを設けることができ、デジタル信号プロセッサ（ＤＳＰ）機能、及び／又は、ロジック、ステート・マシン、ＡＳＩＣ等を設けることができる。
【００４３】
プロセッサ１１０は、センサ群１１２から信号を受け取り、バス８０を介してホストコンピュータ７４から与えられる指令に応じてアクチュエータ８８に信号を送ることができる。例えば、ローカル制御形態においては、ホストコンピュータ７４は、バス８０（例えば、コマンド識別子、及び触覚を特徴付ける一以上のパラメータ）を介してプロセッサ１１０に高レベルの監視コマンドを与え、そして、プロセッサ１１０は、該コマンドをデコードし、また、ホストコンピュータ７４と独立して、高レベルコマンドに関連付けてセンサ及びアクチュエータに対する低レベルの力制御ループを管理する。この処理は、米国特許第５，７３４，３７３号に詳しく記載されている。前記ホスト制御ループにおいては、力コマンドがホストコンピュータからプロセッサ１１０に出力され、該プロセッサに特定される性質を有する力又は力感覚を出力させる。ローカルプロセッサ１１０は、ホストコンピュータに対して、データ、例えば、一以上の与えられた自由度における装置の位置を表す位置データを伝送する。該データは、ボタン、スイッチ等の状態を表し得るものでもある。前記ホストコンピュータは、履行されたプログラムをアップデートするために該位置データを使用する。ローカル制御ループにおいては、アクチュエータ信号が、プロセッサ１１０からアクチュエータ８８に向けて伝送され、センサ信号が、センサ群１１２及びその他の入力装置１１８からプロセッサ１１０に向けて伝送される。ここでは、「触感覚」なる用語は、ユーザに触感を与えるアクチュエータ８８によって出力される単一の力又は連続した力のいずれかを指すものとする。例えば、振動、単一の衝撃、手触り感は、全て触感覚と見なされる。プロセッサ１１０は、蓄積された命令をフォローすることによって、入力されたセンサ信号を処理して、適正な出力アクチュエータ信号を決定することができる。該プロセッサは、ユーザの使用する物体に出力される力の位置を決定するにあたってセンサ信号を使用し得るものとなり、それと同時にセンサ信号に由来する位置データをホストコンピュータへ伝送する。
【００４４】
更に他の形態では、プロセッサ１１０代替の他のハードウエアを、プロセッサ１１０に類似した機能を与えるべく装置７２の一部に設けることができる。例えば、決まったロジックが組み込まれたハードウエアステート・マシーンは、アクチュエータ８８に信号を送り、センサ群１１２からセンサ信号を受け取り、触覚信号を出力するために使用することができる。
【００４５】
ホストコンピュータにより制御される、異なる形態においては、ホストコンピュータ７４は、バス８０を介して低レベル力コマンドを与えることができ、この信号は、プロセッサ１１０、又はプロセッサ１１０がない場合は、その他の回路を介してアクチュエータ８８に直接伝送される。ホストコンピュータ７４は、このようにして、装置７２とやりとりされる全ての信号を直接制御し処理する。例えば、ホストコンピュータは、アクチュエータ８８により出力される力を直接制御し、センサ群１１２からのセンサ信号を直接受け取り、装置１１８に出力する。他の形態では、ある種の種の力（閉ループ効果）がローカルプロセッサのみによって制御される一方、その他の種類の効果（開ループ効果）が、ホストコンピュータによって制御される「ハイブリッド」構成を採用する。
【００４６】
ローカルメモリ１２２、例えば、ＲＡＭ及び／又はＲＯＭは、好ましくは、プロセッサ１１０へのコマンドを蓄積するべく、装置７２におけるプロセッサ１１０に接続され、一時的なその他のデータを蓄積する。メモリ１２２は、更に又はその代わりに、プロセッサ１１０に含まれ得るものである。加えて、ローカルクロック１２４は、タイミングデータを与えるべく、プロセッサ１１０に接続され得るものである。
【００４７】
センサ群１１２は、望ましい自由度における位置又は動作（例えば、タッチパッド上の物体）を検知し、プロセッサ１１０（又はホストコンピュータ７４）に、前記位置又は動作を代表する情報を含んだ信号を伝える。動作を検知するために適したセンサには、タッチパッドにおける容量性又は抵抗性のセンサ、タッチスクリーンにおける接触センサ等が含まれる。その他の種類のセンサもまた使用し得る。任意のセンサインターフェイス１１４は、センサ信号をプロセッサ１１０及び／又はホストコンピュータシステム７４によって認知される信号に変換するために使用し得る。
【００４８】
アクチュエータ８８は、プロセッサ１１０及び／又はホストコンピュータ７４から受けた信号に応答して、力をハウジング、操作体、ボタン、又はその他の装置７２の部分に伝送する。装置７２は、好ましくは、該装置７２（又は、その構成部品）上でユーザに触感覚を与えるべく力を生成するように作動する一以上のアクチュエータを備えていることが良い。該アクチュエータは、「コンピュータの制御下にあり」、例えば、アクチュエータにより出力される力は、最終的には、マイクロプロセッサ、ＡＳＩＣ等の制御機器に由来する信号によって制御される。多くの種類のアクチュエータ、例えば、ロータリＤＣモータ、ボイスコイルアクチュエータ、可動磁石アクチュエータ、Ｅコアアクチュエータ、気圧／流体圧アクチュエータ、ソレノイド、スピーカ音声コイル、圧電変換アクチュエータ、受動アクチュエータ（ブレーキ）等を使用することができる。好ましい種類のアクチュエータのいくつかを、以下に説明する。アクチュエータインターフェイス１１６は、アクチュエータ８８とプロセッサ１１０との間に付加的に接続され、これにより、プロセッサ１１０からの信号をアクチュエータ８８を駆動するのに適した信号に変換し得る。インターフェイス１１６は、パワーアンプ、スイッチ、デジタルアナログ変換器（ＤＡＣ）、アナログデジタル変換器（ＡＤＣ）、及びその他の当業者に良く知られた機器を備え得る。
【００４９】
ここでの実施の態様によっては、アクチュエータは、或いは質量体を動かすことによって、装置のハウジング若しくは操作体上に短時間持続する力感覚を与える機能を有している。この短時間持続する力感覚は、「パルス」と表記される。該「パルス」は、ある形態では特定される方向に実質的に沿うように方向付けされ得る。ある形態では、パルスの強度は制御することができる。即ち、パルスの検知は、正又は負のいずれかのバイアスで制御することができる。つまり、「周期的な力感覚」が適用でき、強度と周波数を有し得るものとなる。この周期的感覚は、例えば、サイン波、矩形波、のこぎり波（上波）、のこぎり波（下波）、及び三角波の中から選択し得るものである。ここで、エンベロープがこの周期的な信号に適用し得るものとなり、時間外の強度変化が可能となる。該波形は、ホストコンピュータから装置に「ストリーム」するものとなり得るか、又は、強度、周波数、及び持続性等のパラメータを含んだ高レベルコマンドを通して伝達され得るものとなる。
【００５０】
他の入力装置１１８を、装置７２に設けることができ、ユーザによって操作されるときにプロセッサ１１０又はホストコンピュータ７４に向けて入力信号を伝送するものとなる。このような入力装置は、ボタン、ダイヤル、スイッチ、スクロール車輪、つまみ、又はその他の制御機器若しくは機構を備えるものである。パワー供給装置１２０は、アクチュエータにパワーを供給すべく、アクチュエータインターフェイス１１６及び／又はアクチュエータ８８に接続して装置７２に補助的に設け得るものである。その代わりに、パワーは、装置７２から別体化されたパワー供給源から引き出し得るか、又は、バス８０を横断して受け取り得る。また、受け取ったパワーは、装置７２（及び／又はホストコンピュータ７４）によって、蓄積されるか又は調節され得るものとなる。そして、アクチュエータ８８を駆動する必要があるとき、又は補助的な態様で使用される。
【００５１】
前記インターフェイス装置７２は、多様な種類を採り得る。ある形態については、以下に更に説明される。ここで説明されるタッチパッド又はタッチスクリーンは、多様な種類の装置、例えば、ゲームパッド、ジョイスティック、舵取りハンドル、タッチパッド、球状のコントローラ、指パッド、つまみ、トラックボール、リモコン装置、携帯電話、携帯情報端末等に設けることができる。
【００５２】
特異な形態
本発明は、ラップトップコンピュータ又はその他の携帯コンピュータ装置のユーザ、及び／又は、タッチパッド又は類似する入力装置を有するコンピュータ装置のユーザに触感フィードバックが与えられる多様な形態を提示する。
【００５３】
ある形態は、ユーザの指がタッチパッドに接触するときに該指の皮膚が移動することに基づいている。これら形態は、ユーザの指の先端において入出力の間に良好な相関関係がある間は、高い忠実度の感覚をもたらす。アクチュエータ及び連結部材による解決法は、移送の形態のいずれも駆動するように説明される。他の形態は、ラップトップコンピュータ１０に通常接触しているユーザの手のひら載置面の刺激に基づいたものである。これら面は、慣性的に結合した力、又は手のひら載置面の移動に基づいて触感覚を与え得るものである。タッチパッド又はラップトップの上面における面の平面移動（例：Ｘ及び／又はＹ軸上）は、触感情報を伝達するに際してＺ軸（タッチパッド又はラップトップの上面に通常な方向）上における振動又は移動と同様に効果的なものである。これは、ラップトップコンピュータの大きさ上の制約を考慮する場合に重要となり得る。
【００５４】
ここで説明される多くの形態の内、ユーザによる接触が、タッチ入力装置により検出されることもまた、有利なものである。その理由は、触感フィードバックは、ユーザがタッチ装置に接触したときにのみ出力される必要があるからであり、この検出により、触感フィードバックがタッチ入力装置に何も接触するものがないときに停止（アクチュエータがオフとなる）する。この特性により、携帯用装置のために電池パワーを保存することができる。もし、タッチ装置マイクロプロセッサ（又は同様の回路）が、コンピュータ内で使用されている場合、このようなマイクロプロセッサは、ユーザの接触が検知されないときにアクチュエータの出力をオフとし得るものとなる。これにより、再度ユーザの接触が再び検知されてアクチュエータが出力を再開する迄、ホストコンピュータの動作の負担が緩和される。
【００５５】
多くの好ましい形態では、触感装置は、ユーザがラップトップコンピュータの操作方法を改めて学習し直すことや、製造者が触感機構を提供するために従来のデザインから過大な変更を強いられることなく、ラップトップコンピュータやその他の装置に付属させるものである。例えば、ラップトップコンピュータの形態においては、ユーザが指をタッチパッドを横切って動かすと、ラップトップのスクリーンに表示されるカーソルは、それに従って移動される。触感効果は、カーソルが画像物体や領域とインタラクトしているとき、イベントが起こっているとき等にユーザが触れているタッチパッド又はその他のラップトップコンピュータの構成部品上に出力することができる。その他の適用例においては、触感効果は、ラップトップコンピュータ上で実行されるゲームやその他のアプリケーションにおいてイベントやインタラクションが起こったときに出力され得る。多くの種のアクチュエータ、センサ、連結部材、増幅伝達装置等は、本発明において使用され得る。
【００５６】
現在製造されているタッチパッドの面は、一般に、ラップトップコンピュータのタッチパッドに連結され、該タッチパッドを作動させるために必要な電子部品と標準的連結部材を備えるプリント回路基板（ＰＣＢ）に接続されている。このため、タッチパッドに力が与えられたとき、この力は、通常タッチパッドに直接接続されている前記ＰＣＢ（例えば、タッチパッドの下部に配置されている）にも与えられる。
【００５７】
ここでの形態は、特別な指針及び特性を考慮して設計されている。例えば、ある形態において強いて感覚される特定の触感、物理的に一点に感触が集中した場所、触感フィードバックと、タッチパッド上でユーザの指が指し示す位置との空間的な相対関係、具体的には、フィードバックが、指の直下にあり得ることであり、又は、ラップトップコンピュータのケース／ハウジングのいずれかの場所で開始すること、必要な力強度及びフィードバックを強いる力、ユーザが装置とインタラクションする方法、及びフィードバックの質と内容に与える効果（指の接触角度等）であり、そして、ラップトップコンピュータの形状因子／ハウジングに適用し得るアクチュエータ及び機構は、最も望ましいものとなる。
【００５８】
好ましくは、ここで説明される形態では、例えば、イマージョン社のタッチセンスソフトウエア等の従来の触感フィードバックソフトウエア及びドライバが使用できることが好ましい。ＰＤＡ装置、ラップトップコンピュータ、携帯電話、リモコン等の多くの異なる種の製品で稼動するある種のタッチパッド等の標準的なモジュールが望ましい。
【００５９】
これら工夫に富んだ形態が目的とするところは、第一には、触覚フィードバックを提供することであって、運動感覚フォースフィードバック形態ではない。ここで説明するように、本発明に適用される二種の基本的な触覚フィードバックがある。一つは慣性触感フィードバックであり。もう一つは動接触触感フィードバックである。慣性フィードバックは、慣性的に連結された振動を使用することで生成され、適切なフレキシャを通してハウジング／ユーザに連結される質量体を動かすことに基づいたものである。そして、その質量体の動きは、ユーザに接触される面に慣性振動を引き起こす。移動接触フィードバックとは、直接に面又部材を動かすことを指し、地表に対して、ユーザに対向して、通常、ユーザの皮膚を小さく移動させた状態を形成することで生成される。
【００６０】
慣性接触フィードバックと動接触フィードバックとの違いは、ユーザに情報を与えるべく実際に使用された機構の観点から明らかとなり得る。慣性刺激及び触覚刺激の両者は、結果として手又は指の組織を移動させる。即ち、慣性フィードバックは、エンクロージャの伝達性及び該エンクロージャを保持する物体のコンプライアンスに基づいて、該エンクロージャを通して伝達される。動接触フィードバックは、ユーザの組織をいかに刺激するかにおいてより直接的な機構を参照するものである。この実例は、局部的に指又は手のひらの組織を変形することにより感覚を生じさせるべく、指の皮膚を剥ぎ取るような触覚を生じる点又は面であろう。この相違は、以下に説明する二つの種の形態、即ち、慣性及び面移動、を分類する目的にぴったり合致する。
【００６１】
新規なアクチュエータ、ここでフラットＥと呼ぶものは、以下に説明され、ここでの全ての形態において使用でき、極めて低い姿勢、良好なエネルギー効率、高い性能、平面状アクチュエータを表現するものである。フラットＥアクチュエータは、許容できる性能レベルを実現し得るものであり、ラップトップコンピュータ及びその他の装置に必要な限られた容積及び形状因子を満たし得るものである。
【００６２】
慣性の形態
これら形態は、質量体を動かし、ユーザに向けて慣性触感フィードバックを生成するものであり、それは、ハウジングないしはその他の面等の、エンクロージャ又は機構を通して一般に伝達されるものである。多くの場合においては、質量体は、衝撃が代替的に補助的な触感効果を与えるのに用いられる場合でも、移動中にいずれの面にも該衝撃を与えない。
【００６３】
図５は、アクチュエータアセンブリの一形態１５０の斜視図であり、それは、タッチパッド及び本発明における装置のハウジング用に慣性触感を与えるべく使用されるものである。アクチュエータアセンブリ１５０は、下部のフレキシャ１６０及びアクチュエータ１５５を備えている。フレキシャ１６０には、ポリプロピレン樹脂（「一体の蝶番」材料）又はその他の屈曲容易な材料から形成された単一の部材で形成し得る。フレキシャ１６０は、装置７２のハウジングに、例えば部分１６１において取り付け得る。
【００６４】
アクチュエータ１５５は、フレキシャ１６０に連結される。該アクチュエータのハウジングは、図に示すように、アクチュエータ１５５を収納するフレキシャ１６０の収容部１６２に連結されている。該アクチュエータの回転シャフト１６４は、フレキシャ１６０に該フレキシャ１６０の穴で連結され、中央の回転部１７０にしっかりと連結されている。アクチュエータの回転シャフト１６４は、Ａ軸の周りを回転し、該Ａ軸の周りには、部分１７０も回転する。回転部１７０は、フレックスジョイント１７４によって角度部１７１の第一の部分１７２ａに連結されている。フレックスジョイント１７４は、回転部１７０によって第一の部分１７２ａが略直線状に動いたときに屈曲するように非常に厚みが薄く形成されている。第一の部分１７２ａは、前記フレキシャの基部１８０にフレックスジョイント１７８を介して連結されている。そして、第一の部分１７２ａは、角度部の第二の部分１７２ｂにフレックスジョイント１８２を介して連結されている。また、第二の部分１７２ｂは、その他端部でフレックスジョイント１８４を介して前記フレキシャの収容部１６２に連結されている。
【００６５】
第一の部分１７２ａ及び第二の部分１７２ｂを含む角度部１７１は、矢印１７６で示されるｘ軸に沿って直線状に動く。実際に、部分１７２ａ及び１７２ｂは略直線状にのみ動く。フレキシャが、その原位置（レスト位置）にあるとき、部分１７２ａ及び１７２ｂは、図示するように長手方向に角度が付けられていることが好ましい。これにより、回転部材１７０によって、矢印１７６で示すいずれかの方向に角度部１７１が押されるか又は引かれる。
【００６６】
アクチュエータ１５５は、回転部１７０を駆動しているとき、ハイバンド幅の作動と、パルスと振動の高周波の出力を可能としながら、その回転範囲の一部分の中で作動するのみである。フレックスジョイント１９２が、収容部１６２と基部１８０との間の屈曲部に設けられている。フレックスジョイント１９２は、収容部１６２（アクチュエータ１５５、回転部１７０、第二の部分１７２ｂも同様に）が、部分１７２ａ及び部分１７２ｂの動きに合わせてｚ軸に略直線状に沿って動けるようにする。フレックスジョイント１９０がｚ方向により容易に動くようにフレックスジョイント１９２の周りに屈曲自在とすべく角度部１７１の第一の部分１７２ａに設けられている。
【００６７】
アクチュエータシャフト１６４の回転方向を迅速に変更することによって、前記アクチュエータ／収容部は、前記ｚ軸に沿って振動させることができ、質量体として作用するアクチュエータ１５５によってハウジング上に振動を生成させる。加えて、フレキシャ１６０に設けられているフレックスジョイント１９２等のフレックスジョイントは、アクチュエータ１５５及び収容部１７２の原位置（レスト位置）に向けて復元力を与えるバネ部材として作用する。ある形態では、停止部をフレキシャ１６０に設けることにより、収容部１２２及びアクチュエータ１５５の動きを制限することができる。
【００６８】
他の形態では、その他の種類のアクチュエータアセンブリ、例えば、アクチュエータ自体に代わって、別体化された質量体を動かすフレキシャを設けることで、慣性触感を与えることができる。或いは、アクチュエータの回転シャフトに連結された偏心質量体は、前記ハウジングに回転慣性触感覚を与えるべく振動させることができる。該偏心質量体は、一方向又は二方向に駆動することができる。その他の種類のアクチュエータアセンブリ、例えば、リニアボイスコイルアクチュエータ、ソレノイド、可動磁石アクチュエータ等もまた使用することができる。
【００６９】
一の形態においては、上述したようなアクチュエータアセンブリは、ラップトップコンピュータのハウジング又はその他の装置のハウジングの任意の部位に連結することができ、そして、離隔して取り付けられたアクチュエータモジュールによって各製品のハウジングを通して振動を伝送しながら、ハウジングの一部を振動させるべく使用することができる。アクチュエータアセンブリは、前記質量体が振動させられるときに慣性触感フィードバックを与えるべく、ラップトップコンピュータのハウジング又は構成部品の異なる領域に取り付けることができる。
【００７０】
ユーザの体験は、ラップトップコンピュータ上のアクチュエータアセンブリの正確な位置及び出力される触覚効果に依存して変化する場合がある。アクチュエータアセンブリの連結のための場所は、ハウジングの底面、側面、又は前面、装置の操作時にユーザの手のひらに占有される面、タッチパッド又はタッチスクリ−ンに近接又は連結された領域を含む。効果的な場所はタッチパッド自体（例えば、タッチパッドの底面にアクチュエータアセンブリを連結する）である。ある形態では、タッチパッドが四辺形である場合は、より良好なコンプライアンスがタッチパッドの長軸に沿って得られるようになる。
【００７１】
一般に、感触は、ラップトップコンピュータ上にアクチュエータアセンブリを配置することによって限界周波数領域を越えてユーザに感知される。例えば、振動を伝達するのに最も効果的となる特定の場所は、実験により決定される。
【００７２】
多くの場合においては、数種類の触感効果の出力は、ユーザにとってぼんやり且つ濁ったように感じられる。そして、高周波数が支配的な効果は、より容易に感知される。本形態のための効果的な触覚効果の一つは、比較的に高周波数の「共鳴」効果である。ラップトップコンピュータのケース及びタッチパッドにおける共鳴振動は、これら振動を増幅することができる。ある仮想的な周波数において共鳴するように設計されたアクチュエータは、振幅変調技術によって広い周波数帯域を与えるために使用することができる。例えば、強制的に発生する２５Ｈｚの方形波は、大型の圧電セラミック振動子（図８ａ~８ｂ参照）等の同調共振アクチュエータによって生成される２５０Ｈｚの固有振動数を変調することで生成し得る。このような変調の仕組みは、存在する環境に同調させたアクチュエータ及び駆動すべき対象物に依存し得る。ある形態では、ある種の振動絶縁システムは、該エネルギーをラップトップコンピュータ又はその他の装置のその他の部分において、共鳴モードに分散させることとは対照的に、触感モジュールに限定されたエネルギーを維持するために使用され得る。
【００７３】
図６は、別の形態の斜視図である。ここでは、タッチパッドモジュールは、規格化された支持構造中に吊設され、高調波源に接続されており、そして、Ｚ軸に沿って振動し得る。本例では、タッチパッド２００は、該タッチパッドの面をＺ軸に沿ってタッチパッドの面に垂直に動かすアクチュエータアセンブリ２０２と共に動くことができる。前記タッチパッドは、一以上のレイヤー又は発泡材、ゴム、その他の適合した支持体によってラップトップコンピュータのハウジング２０４に連結され得る。ここでは、発泡材のストリップ２０６が、図６に示すようにタッチパッド２００とハウジング２０４との間のタッチパッドの周囲に設けられている。アクチュエータアセンブリ２０２は、タッチパッドアセンブリの底面（又はその他の場所）に連結され得るものであり、それにより、質量体が振動するときに、該振動がタッチパッドに伝わり、該タッチパッドがラップトップコンピュータのハウジング２０４に対してＺ軸方向に動く。例えば、アクチュエータアセンブリは、タッチパッドＰＣＢの底面に対して直接接着され得る。タッチパッドにおける浮動するアセンブリ及び表縁（タッチパッドを囲む面）は、Ｚ軸に沿って動くタッチパッドモジュールを単に動かすのとは対照的に、その代わりに動くことができる。
【００７４】
別の形態においては、スタンドアロン型のタッチパッドを使用することができ、ここでは、タッチパッドは、別体のハウジングに包囲され、ラップトップコンピュータ又はその他の装置とワイヤ又は伝動装置を介して通信できるようになっている。一の形態においては、該スタンドアロン型のタッチパッドは、手のひらパッド（又はその他の部材）に配置され、アクチュエータアセンブリが該パッドに連結され得るものである。アクチュエータアセンブリの質量体が振動するとき、慣性感覚は、これら部材を通してタッチパッドに伝達される。例えば、これは効果的にアクチュエータアセンブリからタッチパッドの面への慣性による連結を与える。発泡材のレイヤー（又はその他の柔軟材のレイヤー）は、パッドと地表との間に連結し得るものとなり、該パッドとタッチパッドを慣性的に動かし得るものとなる。この形態は、アクチュエータアセンブリが、前記一体化されたタッチパッドの近傍又はその上でラップトップコンピュータに取り付けられている形態よりもより強制的な感覚を与える。これはおそらく、より強く触感を出力し得る発泡材のコンプライアンスによるものと思われる。
【００７５】
タッチパッド全体は、一単位の部材として触覚を与えるものとなる。又は、他の形態においては、該パッドの独立して動く部分は、それぞれ触感フィードバックアクチュエータ自体及び関連する伝達装置となり、触覚が、特定される部位のみに与えられ得るものとなる。例えば、ある形態は、タッチパッドのその他の部位に対して屈曲するか又はそれ以外の場合は可動の異なる部位を有するタッチパッドを備え得るものとなる。
【００７６】
別の形態においては、前記タッチパッドの周囲又は近接した面は、調和振動源（例、アクチュエータアセンブリ）に連結されており、一以上の軸上で動く。例えば、手のひら載置面は前記ラップトップコンピュータのハウジングに収納された慣性アクチュエータアセンブリによって駆動され得るものとなる。図７は、慣性駆動される手のひら載置面の一例の斜視図である。ラップトップコンピュータ２１０は、一般的なタッチパッドのように機能するタッチパッド２１２を備える。手のひら載置面２１４は、タッチパッド２１２に近接して配置されており、そこでは、手のひら載置面２１４は、弾性のある発泡材又はその他の適合したレイヤー上で、前記ラップトップコンピュータのハウジングに取り付けられている。ある形態では、面２１４は、ユーザを面により強く接触させるために凹部及び／又は凸部からなる手触り感を設け得る。図示する形態では、アクチュエータアセンブリ２１６が手のひら載置面２１４に接続されているので、アセンブリ２１６は、面２１４の裏面に連結されている。該アセンブリは、上記したいずれのアクチュエータアセンブリにもなり得る。例えば、アクチュエータアセンブリ２１６は、手のひら載置面２１４にｚ軸の振動を与え得るものとなる。
【００７７】
ユーザは、好ましくは、指先でタッチパッド２１２に触れている間に手のひら載置面２１４上に手のひら及び／又は数本の指を載置することが良い。それにより、ユーザは、タッチパッドを操作中に該手のひら載置面を通して触感を感じることができる。或いは、ユーザの一の手が指示（ポインティング）及びタッチパッドの操作に使用され、他の手が手のひら載置面２１４上に置かれて触感フィードバックを検知することが好ましい。前記手のひら載置面は、実際には接触の避けられない面として提供され、その結果、ユーザは、タッチパッドを操作しているときに数多く生じる触感イベントを体感し損なうことがない。ある形態では、いくら強くユーザが手のひらによって面を押しても、有用な帯域幅上で感知される強度の範囲では微妙な相違を生じ得るのみである。そして、その結果、使用された特定の装置の剛性及び質量が感知される。手のひら載置面がハウジングと連結される剛性は、異なる形態においては、特別な感覚のために調整され得るものとなる。
【００７８】
関連する形態においては、アクチュエータアセンブリは、異なる領域内に取り付けられ得るものとなる。例えば、アクチュエータアセンブリは、弾性のある開放発泡材又はその他の弾性材で形成されたレイヤーの上に取り付けられている手触りのある材料で形成された手のひら載置面の拡張部の底面に取り付けられている。
【００７９】
他の形態においては、手のひら載置面は、以下に説明するタッチパッドの移動と同様に、Ｘ及び／又はＹ方向に沿って移動し得る。慣性アクチュエータアセンブリは、移動を強要するのに使用し得るものとなる。又は、異なる種のアクチュエータ、例えば、移動モードにおいて意図しない強烈な停止による限界ひずみ等が生じないようにするための高度のアクチュエータとして認められているもの、及び相当に高い剛性である。移動する手のひら面は、アセンブリが、前記ラップトップコンピュータのハウジングに組み込まれるために平面状のアクチュエータに好適になり得るものである。平面状のアクチュエータについては以下に説明する。
【００８０】
図８ａは、本発明の慣性触感フィードバック装置の別の形態に使用できるアクチュエータの斜視図である。この形態においては、より高周波の機械的振動装置であって、タッチパッドに機械的に連結されているものが変調される。かかる実施の一例には、市販の大径薄型圧電変換器２３０、例えば、直径が６０ｍｍであって周辺で支持されたときの固有振動数が３００〜４００Ｈｚのものを含む。該圧電変換器は、好ましくは、金属２３１の薄いダイヤフラム（シート）を含むことが良い。一の形態は、質量体及び振動する質量体からより強い慣性触感覚を得るべく質量体を加え、固有振動を下げるために、前記圧電ダイヤフラムのセラミック部の中心において補助荷重２３２を有する。圧電変換器２３０の外周辺は（他の装置に）取り付けることができ、前記荷重２３２は、円盤の面に対して普通に振動し得る。これにより、前記変換器が接触しているハウジングに慣性触感が生成される。
【００８１】
アクチュエータ２３０は、触れている手又はラップトップの一部に触感を伝送する比較的高い周波数において動く調和振動子として機能する。振幅変調（エンベロープ制御）は、単一の基本的な情報モードよりもむしろ、より広い触感周波数帯を生成するために使用される。大径の圧電駆動装置、例えば、台湾のKingstateのものを使用することができる。異なるサイズの円盤もまた使用することができる。
【００８２】
望ましい触感覚を与えるため、大きな圧電変換器又は「ブザー」は、質量の、持続可能な移転（加速）を与えるべきであり、搬送周波数（それが振動する周波数）は、触感信号に従って変調されるべきである。ある種の電子機器が、この種のアクチュエータを作動するときにのみ必要となり得る。高電位供給装置は５ボルトから生成できる。振動回路、例えば、自励型のものは、該素子を駆動することができる。該振動、並びに前記出力の強度の変調を行うための比例制御を開始、停止するために開閉機能を付与し得る。
【００８３】
図８ｂは、触感を与える圧電変換器の別の形態２３４を示す側面図である。ここでは、該変換器は、タッチパッド（又はタッチスクリーン）に対してｚ軸に沿って直接（非慣性の）振動を与える。ラップトップコンピュータ又はその他の装置のハウジング２３６は、タッチパッドの部材２３８を被うベゼル（表縁）を含み得るものであり、それにユーザが物理的に接触することでコンピュータ又はプロセッサに入力される。タッチパッド部材２３８は、タッチパッドとその他の電子機器とのインターフェイスをとるために、必要な電子部品を備え得るものである。タッチパッド部材２３８は、効果的な触感出力を可能とすべく選択された特定された質量を有するスペーサ２４０上に配置し得るものである。スペーサ２４０は、圧電変換器の一部である圧電金属ダイヤグラム２３１の周縁に配置されており、また、そこでは、電子リード２４１がダイヤフラム２３１と信号源２４６との間に接続されている。圧電セラミック部材２４２は、圧電変換器の一部でもあり、金属ダイヤフラム２３１に連結され、電子リード２４３は、前記部材２４２と信号源２４６との間に接続されている。導電性の電極が、セラミック部材２４２上に配置されている。接触パッド２４８が、前記部材２４２とハウジング底部２５０との間に配設されており、そこでは、該接触パッドは、セラミック部材２４２及びハウジング底部２５０の両者に強固に連結されている。接触パッド２４８は、小型に作られており、それにより、ダイヤフラム２３１の撓みが増加し、より強い加速を得てより強い触感効果をもたらす。ハウジング底部２５０は、例えば、プリント回路基板（ＰＣＢ）を備え得るものである。一以上の予め設けられたバネ部材２５２、例えば、重ね板バネ、つる巻きバネ等によって、タッチパッド部材２３８がハウジング底部２５０に連結されている。
【００８４】
作動時においては、圧電変換器は、信号源２４６から振動電流がダイヤフラム２３１及びセラミック部材２４２を通って流れているときにｚ軸に沿って動く。このため、スペーサ２４０は、ダイヤフラム２３１の周縁にのみ設けられ、これにより、ダイヤフラムの内部及びセラミック部材２４２の動きが可能となり、セラミック部材によってハウジング底部２５０が押圧され、その結果、前記ダイヤフラム２３１によってスペーサ２４０が押圧される。そして、該スペーサ２４０によってタッチパッド部材２３８が押圧される。これは、タッチパッド部材を持ち上げるように押圧し、バネ部材２５２は、タッチパッドにその中立位置に戻るようにバネ復元力を与える。該圧電変換器が、その反対方向に同様に動くとき、振動する信号によって駆動され、これはタッチパッド部材２３８をハウジング底部２５０に向けて下方に動かす。前記タッチパッド部材は、このようにｚ軸に沿って振動することで、該タッチパッド部材に触れているユーザに触感を与えるのである。
【００８５】
ある形態では、タッチパッド形態２３４の構成部品は、より効果的な触感を与えるために選択される。例えば、圧電変換器が機構システム（圧電変換器自体を含む）の固有振動数に近い状態で振動する場合、より強い力及びより効果的な触感が出力され得る。可動の機構システムの固有振動数は、以下のようにｋ１とｋ２との和をｍによって除した値の平方根で略表され得る。
ｆｎ≒√（ｋ１＋ｋ２／ｍ）
ここで、ｆｎは固有振動数、ｋ１は圧電変換器の金属ダイヤフラム２３１のバネ定数、ｋ２はバネ部材２５２のバネ定数、そして、ｍはスペーサ２４０、タッチパッド２３８及び該タッチパッドに取り付けられているサスペンションの各部分の総質量である。この質量、ならびにバネ定数は、望ましい低い固有振動数、例えば、約１２０Ｈｚ以下を実現するために選択し得るものであり、これにより、効果的な触感がもたらされる傾向がある。スペーサ２４０は、複数の圧電変換器、例えば、並行して位置するものを、ハウジング底部２５０に対向して位置させ得る。これにより、該複数の変換器は、より強い触感効果のために調和して駆動され得るものとなるか、又は異なる時間において、タッチパッド部材２３８の特定される位置において触感を与えるものとなる。
【００８６】
駆動信号を与える一つの方法は、固有振動数ｆｎ又はその近傍の振動数において開始振動搬送信号を与えることであり、この搬送信号を効果エンベロープによって変調し、該当する場合（例えば、望ましい周波数又は効果を与えるための望ましい構成のために振幅を形成する場合）、その変調された信号によって増幅器を駆動し、次には、それは圧電変換器を駆動するのである。サイン波の搬送信号は、方形波又はその他の種類のものと対照的に、図８ｂで説明される形態において静かな触感を与える傾向にあり、これはしばしば、より望ましいものである。
【００８７】
その代わりの形態においては、圧電変換器及びスペーサは、方向を変え得るものであり、それによりスペーサ２４０がハウジング底部２５０に接触し、ダイヤフラム２３１がスペーサ２４０上に載置され、セラミック部材２４２がダイヤフラムの上に配置され、セラミック部材が、駆動信号によって振動させられたときにタッチパッド部材２３８又は該タッチパッド部材に連結されたパッドに直接衝撃を与える。更に他の形態においては、セラミック部材は、タッチパッド部材に直接連結され得るが、この場合、一般に力が弱まり、より効果の小さい触感効果がもたらされる。
【００８８】
面移動の形態
これらの形態はユーザに触感を与えるために該ユーザに接触する面を移動させるものである。ユーザは、皮膚が剥ぎ取られる感覚で、迅速な感覚が形成されながら面が移動する感覚を覚える。この種の触感フィードバックは、固定された面とインターアクションすることなく、平面上の面の動き、又は、ユーザの指又は手に接触した近接した各面の間の相対的な動きのいずれかに基づいている。タッチパッドモジュールの面に接触しているか又は近接している面の両者の移動（図９〜１２）、並びにタッチパッドの面自体（図１３〜１４）を移動させる動作は、以下の形態で説明される。同様にアクチュエータは、いずれかの形態（図１５〜１７）に使用される。米国特許５，１８４，８６８号に記載された移動する面の発明もまた適用することができる。
【００８９】
近接した各面間における小さな（＜１ｍｍ）移動量は、指の組織に良好な信号を伝送する。強調された面は、物理的な面のざらつき（凹み、粗さ等）を有しており、任意の位置又は方向に向かうようにユーザを拘束すべく形成され得るものである。ある形態では、小さな横方向の移動（０．２５ｍｍ〜０．５ｍｍの間の指先における移動量）は、遠隔慣性振動、又は、タッチパッドの直下の平面から逸脱した（ｚ軸の）振動よりさえもより効果的なものとなり得る。例えば、慣性結合は、ある形態では、より離間した、接続を絶たれた感覚を有し得るものである。
【００９０】
別体化された面の移動
タッチパッドモジュールの最上層に位置する別体の面を移動させることは、良い相関を示すフィードバックを与えるに当たり非常に効果的である。このフィードバックからは、ＰＤＡ装置又はタッチスクリーンにおける如く、綺麗な面が画像表示部上で移動されるような十分に同期された感覚が得られる。その他の面を側部に移動させること又はタッチパッドに近接させることは、他の形態において実行される。
【００９１】
図９は、別体化された面の第一の移動形態２５０の斜視図である。ここでは、タッチパッドモジュールと滑り接触している別体化された薄い面が指の下で横に動いている。移動する面（「面」）２５２がタッチパッド２５４の最上層にあって固定されたタッチパッド２５４を被っている。拡張部材２５６ａ及び２５６ｂが移動面２５２に連結され、タッチパッド２５４から離れてｘ及びｙ方向に略垂直に拡張され得るようになっている。アクチュエータ２５８ａ及び２５８ｂが各々対応する拡張部材２５６ａ及び２５６ｂにそれぞれ結合されている。この説明される形態においては、アクチュエータ２５８は、関連する拡張部材２５６上に直線の力を出力するリニアアクチュエータであり、それにより出力される力の方向に前記移動面を移動させるのである。例えば、アクチュエータは、「Ｅ」コアアクチュエータになり得るものである。二つの棒状の磁石２５９は、強磁性体３８２の下のコイル２６０を露出させるために、アクチュエータ２５８ｂ上への図示を省略する。
【００９２】
滑り面２５２は、剛性があるか又は実質的に剛性のある材料のいずれかで形成し得るものであり、例えば、カプトン（ピラミッド）のフレキシブルプリント回路基板材料が使用し得る。前記拡張部材２５６には、座屈防止のために補強部材を組み込み得る。滑り面２５２は、ユーザの皮膚組織と該面とを互いに接触させるため摩擦力を与えるざらつきのある面とし得る。移動面２５２の最上層における領域は、手触りが粗い感覚を皮膚に覚えさせることなく十分な面粗度を有する手触りを備えるものとし得る。移動面の裏面に、面２５２とタッチパッド２５４との間の滑り移動を促進させるべく摩擦の小さなコーティングを施し得る。この裏面の構成部品は、相当に薄くし得るものであり、例えば、０．０１０インチ（０．２５ｍｍ）未満の厚さである。
【００９３】
ユーザは、移動面２５２がタッチパッド２５４自体であるかの如く該移動面２５２を指し示して接触をする。面２５２は、十分に薄く形成されることで、まるでユーザが面２５２上で触れている位置の直下のタッチパッドに触れているかの如く、タッチパッド２５４により面２５２へのユーザの全ての接触が検出し得るようになっている。
【００９４】
ある形態では、各アクチュエータは、移動面から比較的遠く（例えば、＞１０ｍｍ）に配置され得るものとなり、これらの場合においては、より剛性のある拡張部材２５６は、できる限り小さな摩擦で、且つ面外の運動によって張力及び圧縮を伝送する。例えば、ガラス又はカーボンの繊維積層体によれば、この機能を実現し得る。
【００９５】
いくつかの可動磁石アクチュエータの形態においては、薄い希土類磁石片を、移動面２５２に可動磁石の機能を果たさせるべく積層することができる。例えば、可動磁石片が厚さ＜１ｍｍのオーダーであり、「Ｅ」コア及びコイルが拡張部材２５６の末端部分の下部に位置している場合、具体的には、タッチパッドＰＣＢ自体に直接取り付けられている場合、高いレベルの調和が実現される。該コイルの線材は、タッチパッドＰＣＢ自体に半田付けすることができる。
【００９６】
図１０は、別の移動面の形態２７０の平面図であり、そこでは別体化された可動の触覚面が上方に位置し、タッチパッドに滑りながら接触している。その面は、高帯域幅アクチュエータによって、高忠実な機械連結を通して、タッチパッドに対して移動する。
【００９７】
この形態においては、移動面２７２が、図９に示す形態と同様に、タッチパッド２７４の上部に位置する。拡張部材２７６が回転アクチュエータ２７８に向けた方向（ここでは、ｘ方向）に突き出ており、これは、本例ではラップトップコンピュータのハウジング２８０に取り付けられている。アクチュエータ２７８は、順に拡張部材２７６に連結される連結部材２８４に連結された回転シャフト２８２を有するＤＣ回転モータになり得る。例えば、上述したアクチュエータアセンブリ１５０の連結部の一部を使用することができる。アクチュエータ２７８が、いずれかの方向にシャフト２８２を回転させるとき、前記連結部は、面２７２への前記回転を対応する方向（右又は左）への移動に変換する。例えば、約＋／−１ｍｍの移動量が実現される。ユーザは、面２７２上で指を動かすときに面の移動を感じる。モータの回転は、Ｘ軸における大変に綺麗で高忠実な移動をもたらす結果となる。ＤＣモータの配置設計は、ラップトップコンピュータにおいて、エンクロージャ又はハウジングの側面又は正面に予備的に設けられた空間内で行われる。同様な拡張部材、連結部材及びモータを、面２７２を動かす方向であるｙ方向に設けることができる。ユーザの入力は、動く触覚面を通してタッチパッド上で検出される。
【００９８】
前記薄い面は、タッチパッドの領域の内側に適合するべく、周囲全体の小さな縁によって形が整えられ得る。四辺形の拡張部材が、アクチュエータによって駆動されるかなり剛性の高いストリップ（細長い片）を形成するべく大きな薄板に切り出され得る。このストリップは、アクチュエータが作動により該ストリップを押すときにストリップが座屈することないように十分に面積が大きいことが要求される。
【００９９】
図９に示す形態のように、平滑な面を、タッチパッドに接触して、ユーザの指が通常触れる該タッチパッドのプラスチックの被いと摩擦の小さい平滑な滑り相互作用を与えるように、面２７２の裏面に設け得る。移動面の表面側は、ユーザに良好に把持されるように、例えば、ざらざらしたサンドペーパーのような摩擦を持たせることができる。これは、非常に良好なタッチ面を与えることができる。その理由は、それは指の表面と何らかの機械的接触を生じるからであるが、触れたときに粗く感じられる程には粗いものであってはならない。他の形態は、多種の摩擦面を適用することができる。他の形態は、より平たいアクチュエータ、例えば、可動磁石アクチュエータ又はボイスコイルアクチュエータを使用することができる。
【０１００】
プラスチック又はその他の材料製の二つのストリップ２８６を、タッチパッド（例えば、タッチパッドに向けて開口したハウジングの周縁）を囲むように、しかも、移動面２７２を拘束してそれをタッチパッド２７４に対向し且つ並行な平面状態を維持するべく面２７２の端部を被うように、前記周縁に取り付けることができる。
【０１０１】
図９及び図１０に示す形態は、強制的な触感を与えることができる。タッチパッド上に面を付加するにあたり、タッチパッドのセンサ作用を実質的に妨げるものであってはならない。ユーザは、固定されたタッチパッドに対する面の相対移動を通して、指示及び触感フィードバックの受容を同時に行うことができる。タッチパッド上で移動している面を指で触れて移動させる際にラップトップコンピュータ又はその他の電子機器に入力を与えることはユーザにとって容易である。ある形態では、移動面は、密着して接触させることなく、上方で保持することができ、タッチパッドへのユーザによるある程度の圧縮が、無制限に作動させ、センサアレイに接近させるために必要となる。
【０１０２】
表示されたスクロールバー上、及び、ラップトップコンピュータによって表示されたデスクトップＧＵＩ上の周囲にカーソルを動かすとき、ユーザは、明らかな、カーソルと空間的に良い相関関係にある高忠実再生を感じる。その相関性の性質は、ユーザがｘ又はｙ軸のいずれかに指又は物体を動かすことによって異なったものとなり得る。図示する形態２７０におけるアクチュエータは、ｘ軸に面２７２を動かす。その結果、前記カーソルをアイコン上に上方又は下方へ動かし、ユーザは、面２７２がカーソルの動きに対して垂直であるときの動きに集中しないか又は該動きを観察しない場合、同じ方向に突然の飛び出し（ポップス）又は同様な触覚効果を覚える。
【０１０３】
移動方向におけるユーザの動き（図１０の例におけるｘ軸）は、さらに強制的な傾向がある。例えば、ユーザが、一の表示された比率ボタンから次へカーソルを動かすためにｘ方向に指をドラッグすることによって、面２７２は、ユーザを次のボタンに誘導し、面の動きが大変小さく生成しているにも拘わらず、移動を阻止される感覚を感じ得る。動きの方向に対抗する面移動力は、効果的となり得る。例えば、ユーザがアイコン上に左に動かすとき、右方向に向かう移動力は、さわやかで自然に感じられる。触感フィードバックが一の軸においてのみ可能である場合、ｙ軸は、ある形態では、より良好な選択となる。その理由は、ＧＵＩデスクトップ及びアプリケーション上においては、より垂直方向に移動させられる内容があると考えられるからである。
【０１０４】
短く、明瞭なパルスは、一の物体から他の物体、例えば、各画像ボタンに亘ってカーソルを動かすときに優れた変化を与え得るものとなる。振動は、面移動形態におけるユーザに、面を駆動するアクチュエータ、例えば、サイン波又はその他の周期的波によって振動させることによって伝達され得る。そして、それにより、反対方向に移動面を振動させるのである。
【０１０５】
ユーザはまた、カーソルを制御する動きの間にタッチパッドから自然に指を離し勝ちである。そして、モータ及び連結部材における中央に付勢させる固有のバネ力は、次のインタラクションに備えて、移動面２５２又は２７２を中立（元の）位置に復帰させ得るものとなる。制御されたカーソルは、フィードバック装置が、中立の原点位置に引き返す間、動かない。その理由は、タッチパッド上の面のみが動き、ユーザの指の如くコンピュータに対してタッチパッドを通して入力を与えないからである。
【０１０６】
特定される方向における動きは、面の移動の形態を、ある形態において、局所的な擬似運動感覚のフィードバックを伴った相対的な指示装置のように振舞うことを可能とする。触覚フィードバックは、このような形態において与えられる触感フィードバックの依然として基本的な類型であるが、面の小さな移動量は、喩え、それらが突然の飛び出し（ポップス）に過ぎなくとも、ユーザの指をある方向に押し進める規制用「傾斜」のように感じられるように作用する駆動バネ力として劇的に感知し得る。
【０１０７】
アクチュエータの全体的な剛性は、結果に影響を与える。ユーザが移動面を強く押し過ぎた場合、ユーザは、指でドラッグ／指し示している間、面を動かすことで、アクチュエータをそのバネ中心から逸脱させ得る。より好ましい形態では、力強いが剛性の高いアクチュエータを有しており、ユーザは、強く押すことによっては、殆ど逆向きに駆動させることがない。
【０１０８】
移動面上に特定される移動量又はコンプライアンス量、例えば、約２ｍｍを有することは、ある形態では、望ましいものである。ここでは、モータ及び連結部材から強い中央へのバネ付勢力が存在しており、二つの物体の間、例えば、ＧＵＩにおける各ボタン間でカーソルを動かすことが大変現実的となり得る。その理由は、ユーザは、指の圧力が減少するまで真の運動感覚的なフォースフィードバックを感知し、その指は、相対モードにおいて、スクリーンを素早く横断するからである。出力される触感効果は、シンプルな触覚のポップスであり、実際の運動感覚的なバネは、Ｘ又はＹ方向に力を与えることがないのである。しかしながら、ユーザは、その指が近接した物体、例えば、次のボタンに引っ張られることを検知するのである。
【０１０９】
運動感覚的なフォースフィードバックが異なる形態においては可能であることは特筆すべきである。例えば、ユーザが、その指を移動面上の一の場所に保持し、移動面が移動のために十分に広いとき、力は、移動面が動く方向の自由度に出力され、運動感覚のフォースフィードバックを与え得るものとなる。タッチパッドのセンサは、力、例えば、バネの原位置から動いた距離に依存する強度を有するバネ力を計算することによって指／移動面の位置を示すセンサとして使用し得るものである。これにより、そのような形態は、触覚及び運動感覚の両者を兼備する両用モードとなり得るのである。
【０１１０】
移動面のある形態は、他の形態が滑りが小さく、大変剛直なものであり得るのに対して、ユーザによる滑り移動を可能とする。多くの形態においては、面の最大許容移動量が二つの近接した画像ターゲットの間で横移動を可能とするのに十分である場合、運動感覚モードは、効果的となり得、ユーザは、面上で動いているのに気づかない場合があるのである。ある形態は、二軸（Ｘ及びＹ）における移動及び力を与え、タッチパッドの全ての方向において、運動感覚的に駆動されたフィードバック（実際のバネ）を可能とする。
【０１１１】
触感効果は、ユーザがタッチパッド上で指又は物体を動かしていないときには同様には感じられない。しばしば、触感効果（移動止めポップ効果）を伴ったタッチパッドの動きに対応した内容及び値がある。例えば、これは、ユーザの指が動き、該指が各アイコン又は各ボタンの間を前記移動する面を転移点まで移動する際にポップ効果を受け取るときに効果的である。
【０１１２】
別体化された移動面のための上記した有利な点のうちの多くは、タッチパッドの面を移動させることにも適用できる。以下に詳述する。
【０１１３】
図１１は、別体化された移動面及び可動コイルの別の形態２９０を示す斜視図である。この形態においては、フレーム２９２が装置のタッチパッド２９４の上部に位置している。
フレーム２９２は、タッチパッド２９４の直上に位置する面部分２９６を含み、それは、部分２９６へのユーザの接触が下部のタッチパッド２９４によって検出されるように十分に薄いものである。フレーム２９２は、ボイスコイルアクチュエータ３００の一部である統合された音声コイル２９８も備える。コイル２９８は、フレーム２９２に成形により埋入された巻き線であっても良く、それはＰＣＢであっても良い。アクチュエータ３００のその他の部分は、コイル２９８の上部に配置された静止した２本の棒状磁石を備え、ラップトップコンピュータのハウジングに取り付けられている。また、支持板３０４は鉄製であり、フレーム２９２のその他の側面に配置され、前記ハウジングに取り付けられて磁束帰還路として使用されている。その鉄製のサブアセンブリは、例えば、ＰＣＢ自体に取り付けることができる。
【０１１４】
この状態で、磁石３０２の磁場と、コイル２９８を通って流れる電流とは、相互作用し、フレーム２９２上に直線の力を生じさせる、それは、該フレーム及び部分２９６を矢印３０６で示されるように動かす。これは、上述した別体化された移動面の形態と同様にして、ユーザに触感を与える。前記ハウジングは、フレーム２９２の部分２９６を包囲する開口部以外の全てのフレームを被い得る。ある形態では、コイル２９８の各線材は、可動フレーム２９２から分岐した別体の分岐回路を使用してタッチパッドＰＣＢに連結し得るものとなる。
【０１１５】
図１２は、別体化された移動面の別の形態の斜視図である。本形態においては、タッチパッドを包囲する面は、タッチパッドの面に対してｘ及び／又はｙ方向に移動する。親指用面３１２は、タッチパッド３１４の下側部に位置しており、連結部材２９５に強固に連結されている。連結部材３１６は、柔軟性連結部材３１８に連結されており、それは、ラップトップコンピュータのハウジングに取り付けられているアクチュエータ３２０の回転可能なシャフトに連結されている。アクチュエータ３２０がシャフトを回転させたとき、柔軟性連結部材３１８は、矢印３２２によって示されるように、直線状に連結部材３１６を動かす。それは、親指用面３１２をｘ軸に沿って直線状に動かす。親指用面３１２は、面３１２の直下にある標準ボタン（図示せず）に滑り接触している状態が示されている。
【０１１６】
ユーザは、その親指、手のひら、又は指を、触感を感じるためにタッチパッドを操作している際に親指用面３１２上に載置することができる。親指用面３１２の下部に配置されたボタンを押すことで、ユーザは、面３１２をただ押し下げるのみとなる。総じて、その感覚は、上述したその他の移動面による感覚と類似した傾向にある。他の形態においては、連結部材３１６は、ラップトップコンピュータ又はその他の装置において、アクチュエータ３２０の望ましい移動量を可能とするためにずっと全長の長いものとなり得る。
【０１１７】
一つの欠点は、ユーザが親指用面３１２上に親指、指、又は手のひらを置かない限りフィードバックが得られないことである。ユーザは、タイプするためにその他のボタンに触れなければならないであろうし、それによって触感体験を失うことになる。より大きな面３１２又は手のひら拡張パッドは、同じ手でタッチパッドを指し示す場合にユーザが親指を面３１２上に保持することが困難な形態で使用し得るものとなる。
【０１１８】
タッチ装置の移動
これらの形態は、別体化された面ではなく、タッチパッド（又はタッチスクリーン）の面自体を移動させる。ユーザは、横方向にタッチパッドが移動し、その皮膚が剥ぎ取られる感覚を覚えることで、迅速に触感が生成される様を体感する。タッチパッドは、ラップトップコンピュータのハウジング等の固定された周縁部に対して動かされ得る。
【０１１９】
図１３は、タッチパッドの面を移動させる一の形態３３０の斜視図である。タッチパッド３３２は、アクチュエータ３３６によって、ラップトップコンピュータのハウジング又はＰＤＡハウジング等のハウジング３３４に対して動かされる。ここで説明する形態においては、アクチュエータ３３６は、ＤＣモータ等の回転アクチュエータであり、連結部材３４０に連結された回転シャフト３３８を有する。該連結部材３４０は、その他端部でブラケット３４２に連結されており、そこでは、ブラケット３４２は、タッチパッド３３２モジュールの裏面に連結されている。該連結部材は、接合部、及び／又は、柔軟性／コンプライアンスを有しており、それにより、シャフト３３８の回転運動をブラケット３４２上の直線の力に変換させ、結果として、矢印３４４で示されるようにタッチパッド３３２を横方向に動かす。例えば、該連結部材は、図５に示すアクチュエータアセンブリの連結部材と同様に、ポリプロピレンで形成し得るものである。ラップトップコンピュータのハウジングは、可動のタッチパッドモジュールのための拘束構造の役割を果たす。
【０１２０】
例えば、標準的なＤＣモータは、アクチュエータ３３６、及び連結部材３４０のためのポリプロピレン連結アセンブリのために使用され得る。一の形態においては、触感フィードバック構成部品は、オプションのディスクドライブ装置等のラップトップコンピュータ用のオプション構成部品が通常位置する場所に配置され得るものとなる。
【０１２１】
他の形態においては、アクチュエータ３３６は、タッチパッド３３２から離間して配置され得るものとなり、例えば、図１３に図示するようにタッチパッドの直下においてハウジング中で空いているスペースならどこにでも配置し得る。連結部材は、下の図１４に示すように、タッチパッドから離間してアクチュエータを配置するべく使用することができる。
【０１２２】
タッチパッド全体を、一又は二の軸上で移動させることは、総合的な触感のためには好ましいといえる。タッチパッドの非常に小さな移動量（０．２ｍｍ＜ｘ＜０．５ｍｍ）は、有効な触感を与えるために望ましい。実用上の強度範囲を加味して評価した本形態のためのパワーの消費量は、現状入手可能な慣性マウスインターフェイス装置の消費量より小さくし得る。それは、ＵＳＢのようなホストコンピュータへのインターフェイスを含めた全てに必要なパワーを受け取り得る。
【０１２３】
この種の形態においては、いくつかの優位点が明らかである。フィードバック感覚が、直接的であり、指示と相関性が高く、正確であることである。形態の実施が、柔軟で且つ控えめであること、そして、触感の構成部品の付加によってタッチパッドの使用法が変化しないことである。前記移動する面は、慣性による場合と比較してより小さな移動量が必要とされる。−これにより、少ない消費パワー及び製造上の利点が実現される。ある形態では、タッチパッドの動きは、ｘ-ｙ平面上の角度に方向付けされる。欠点としては、比較的大きなＤＣモータを使用すること、柔軟な連結部材が多くの逃げ空間を必要とし、摩擦を生じる場合があること、そしてパワーの消費が比較的大きいことである。
【０１２４】
図１４は、移動タッチパッドの別の形態３５０を説明する斜視図である。ここでは、Ｘ及びＹ方向の両方の方向に動き得る。タッチパッド３５１は、ポリプロピレン等の柔軟性部材３５４を介して第一の連結部材３５２に直接連結された回転シャフトに連結されている。アクチュエータ３５３は、ラップトップコンピュータのハウジングに取り付けられている。アクチュエータ３５３のシャフトが回転するとき、柔軟性部材３５４が該回転運動を直線運動に変換し、ｘ方向に連結部材３５２を移動させる。それは、順に矢印３５５で示すようにタッチパッドを移動させる。前記第一の連結部材３５４の末端に、例えば柔軟な連結によって、第二の連結部材３５６が連結されている。
【０１２５】
第二のアクチュエータ３５８は、ラップトップコンピュータのハウジングに取り付けられ、柔軟性部材３５７によって前記第二の連結部材３５６の他の末端に連結されている。アクチュエータ３５８の回転シャフトによって出力される回転力は、柔軟性部材３５７によって直線の力に変換される。この直線の力は、第二の連結部材３５６をその長手方向に沿って直線状に動かすことになり、それは、順に第一の連結部材３５２をその略末端においてアクチュエータ３５３の近傍でｙ軸に沿って回転させる。そして、タッチパッド３５１をｙ軸にほぼ沿って動かす。アクチュエータ３５３及び３５８は、例えば、図１５〜１７において以下説明するように、ＤＣモータ又はその他の種類のアクチュエータ（例えば、リニアアクチュエータも使用し得る）になり得るものである。これら連結部材は、任意の適当な材料、例えば、炭素繊維から形成し得るものである。好ましくは、その取り付け構造又は連結アセンブリにおける望ましくない変形によって吸収されるエネルギーが僅少であることが良い。
【０１２６】
このようにして、その機構は、ｘ及びｙの動きを干渉しないものとする。アクチュエータ３５３を作動させることによってｘ軸の動きが与えられ、アクチュエータ３５８を作動させることによってｙ-軸の動きが与えられる。ｘ及びｙ軸の両方の動きが、両方のモータを同時に作動させることによって与えられる。両方のアクチュエータは、純粋なＸ又はＹの動きを実現するため、連結部品を束縛することなく、協働して（通常モード）又は個別に（個別モード）、いずれかによって駆動され得る。更に、駆動の流れのいずれかの組み合わせによって、その結果として生じる力が、同様な忠実さをもって且つ束縛されることなく任意の軸に沿って生成される。
【０１２７】
一の形態においては迅速な評価及びＸ及びＹの力を出力するためにファームウエア（ＲＯＭに書き込まれたソフトウエア）、例えば、マイクロプロセッサ等の局所的な制御機器上で実行されるか又はホストＣＰＵで実行されないソフトウエアを使用できる。ある形態では、そのようなファームウエアは複雑すぎるため、その代わりに、前記二つの主要なフィードバック軸の間の電気的な方法によるスイッチングを伴う機構を使用し得る。一の形態においては、前記二つのＤＣモータは、該二つのモータの内の一つを通して電流を逆に流すスイッチを有する直列回路に接続され得る。
【０１２８】
図１４に示す形態においては、ユーザは、タッチパッド上で指又は物体を動かすときにｘ及びｙ方向の力の間の相違を感じる場合がある。指／カーソルの動きと触感フィードバックの相関及び連携をとるに際して、触感の値が存在している。ある場合では、連携によって触感のＳ／Ｎ比が増幅され得るようになる。例えば、アイコン又はボタン上をカーソルを右から左に動かすことによって、フィードバックがｘ軸に沿って水平な方向に向いているとき、より良好な感覚を覚え、ユーザにとってより現実のボタンに近い感覚が感じられるようになる。無指向な状態又は調整不良を生じることなく、フィードバックがカーソルの方向と合っている場合、全体としてパワーがより少なくて済むようになる。ある場合では、より微弱な触感効果は、調整不要によるより強力な効果よりも重要なものとなり得る。
【０１２９】
強化された手触りを有するタッチパッドの面は、強化された手触りを有する固定された周囲の面に対応して動く。該強化された手触りは、より粗く、波形の、或いは、テクスチャード加工されたもので、ユーザによる強い接触を許容する。
【０１３０】
いくつかの他の形態においては、タッチパッドの面は、ｘ及びｙ方向に相互に関連して動く、互いにかみ合った面特性を備え得るのものとなる。例えば、タッチパッドを半分に分割した部分のそれぞれは、互いに対応して動くようにアクチュエータによって駆動し得るものとなる。
【０１３１】
他の形態においては、タッチパッド、タッチスクリーン、又はその他の装置をｚ方向に動かすために、その他のアクチュエータを使用し得る。例えば、圧電変換アクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、可動磁石アクチュエータは、タッチ面を直接に動かすため、タッチパッド又はタッチスクリーンに直接に連結し得るものとなる。また、タッチパッドの面は、一定不変の触感面及び基準ピッチ面を備え得るものであり、ここでは、該基準ピッチ面は、ｚ軸に沿って前記一定不変の触感面に代用され得るものとなる。
【０１３２】
図１５ａ及び図１５ｂは、それぞれ、表面側及び底面側の斜視図であり、タッチパッドを移動させるのに使用される新規な「フラットＥ」アクチュエータ３６０の異なる形態である。図１５ｃは、アクチュエータ３６０の側面図である。アクチュエータ３６０は、非常に薄型に設計されており、このため、もともとタッチパッド、タッチスクリーン、又はその他の類似した装置の一部であり得た平面状のアセンブリ中にあって機能させるにあたりより適切なものとなり得る。「Ｅコア」アクチュエータの位相は、最小の磁化された材料を使用する優れたアクチュエータを提供するものであり、良好な力と帯域幅を提供するものである。可動磁石アクチュエータの欠点の一つは、大きな奥行きを必要とする点（「Ｅ」コア型の強磁性部品の幅は、アクチュエータの奥行き全体を減じることで、ある程度は高さに置き換え得る。）である。
【０１３３】
アクチュエータ３６０は、タッチパッドの移動（又は、その代わりに、図９〜１４に示す形態の如く、別体化された面を動かすために）に使用し得る「Ｅ」コアの工夫に富んだ形態を呈示するものである。図１５ａ〜１５ｂに示した、上方に折り重なった平面状の３-Ｄ形態、それは実質的に２-Ｄの場合のように作用し得るが、各棒状磁石におけるより大きな磁束の洩れ及び一様でない磁束を伴う可能性がある。
【０１３４】
アクチュエータ３６０は、「Ｅ」字状の強磁性体の部品３６２を備え、それは、鉄金属又は炭素鋼板等の金属により形成され得るもので、単体金属又は積層体になり得るものである。コイル３６４の線材が前記「Ｅ」字状の強磁性体の部品３６２の中央のポールの周囲に巻き付けられている。浮動性のプラスッチック製保持器３６８を強磁性部材３６２上に配置することができ、それは、前記保持器の開口に位置し、且つコイルが巻き付けられ貫通している軸に平行に該軸上を回転するように方向付けされている二又はそれ以上のローラ３７０を備え得る。該保持器は、例えば、他の構成部品に接触することなく、ローラを回転させるように、柔軟であり得て且つ浮動するものである。二本の棒状の磁石３６６は、強磁性部材３６２及び保持器３６８上に配置され、これにより、磁石と強磁性部材の間に空隙が形成されている。磁石３６６は、各ローラ３７０の上部でそれに接触した状態で配置されている鉄製の支持片３７２の裏面（他の方向でも良いが各指の方向に）に連結されている。このようにして、各ローラにおいて、磁石と強磁性部材３６２との間に呼び磁気ギャップが設定される。鉄製の支持片３７２は、図１５ｄに示すように、タッチパッド３７３に強固に連結され得るものであり、それにより、タッチパッド、鉄製の支持片３７２、及び磁石３６６が、強磁性部材３６２に対応して移動し得るようになる。例えば、磁石は、ある形態では、ネオジミウム製の基板に接着された二つのポールになり得るものであり、その鉄製の部品は、約１ｍｍ厚さの単一のシート材から型押しされてなり得るものである。補助ローラ又は発泡材が磁石３６６に対向した強磁性部材の末端を支持するために使用し得る。前記磁石、保持器、及び支持板は、その他のＥコアタイプのアクチュエータと同様、正面端部よりもむしろ「Ｅ」ポールの側部に配置されている。これにより、本発明のアクチュエータをラップトップコンピュータ及びその他の携帯応用装置用として大変薄型とすることが可能となる。
【０１３５】
作動時においては、コイル３６４を通って電流が流れ、それにより、磁束が前記強磁性部材を通って矢印３７４の方向に流れるようになる。作用時においては、鉄製の平板３７２は、矢印３７６で示す軸に沿った方向（この方向は、コイルにおける電流の方向に依存している）に動く。各ローラ３７０の回転により、鉄製の平板３７２及び磁石３６６が強磁性部材３６２に対して移動される。前記浮動性の保持器３６８により、各ローラが回転するときに該ローラの望まない方向への動きが阻止される。また、強磁性部材３６２及び磁石３６６との間で起こる通常の磁性引力は、前記複数のローラ３７０と協働する。その他のフラットＥに関する形態は、通常の磁性力に協働（からの動きを可能と）するフレキシャと刃形のサスペンションを備え得る。
【０１３６】
ここで説明されるフラットＥアクチュエータの形態は、タッチパッド（又はタッチスクリーン）又はタッチパッド上若しくはその側部におけて別体の面を移動するのに使用し得るものである。例えば、二つのフラットＥアクチュエータは、タッチパッド又は面を二つの軸、ｘ及びｙに駆動するために図９に示すそれと同様な配置で使用され得る。
【０１３７】
アクチュエータ３６０は、その他のアクチュエータと比較して非常に薄型に形成し得る。例えば、アセンブリは、約３又は４ｍｍの厚さ、その他の「Ｅ」コアアクチュエータの約半分の厚さ未満に形成し得る。磁気学上の設計は、最適な動作を得るために繰り返しが可能である。直線性及び移動止めの力は厚さに代替し得るものとなる。
【０１３８】
優位点には、ラップトップコンピュータ、ＰＤＡ、その他の携帯用装置のために適した平面状の、薄い設計が可能となることが含まれる。可動磁石を使用した手法では、大きな空隙を必要とせず、このため、ラップトップコンピュータの触感フィードバックにとってより魅力的なものとなる。典型的な「Ｅ」コアは、１０ｍｍ×２０ｍｍ×８ｍｍであり、大抵のＤＣモータより小さく、同等の力及びパワー消費を備える。更に、これは、直接駆動用の配置であるため、アクチュエータとタッチパッドとの間に何ら伝動装置は必要とされない。効率的で、低コストで、製造が容易な構成部品によって、アクチュエータは安価に生産し得るものとなる。アクチュエータは、従来のタッチパッドＰＣＢ基板及びモジュールを使用して組み立てるだけで済むようになる。欠点の一つとしては、通常の磁性引力が存在し、それによってサスペンションが必要となることがある。各ローラ及び／又はフレキシャ及び刃形のサスペンションは、磁性の通常引力と協働させるべく、ある形態において使用し得るものである。
【０１３９】
アクチュエータ３６０は、一般に、良好な帯域幅を与えるものである。より大きな（例えば、＞１ｍｍ）の移動量が得られる。これら形態では、発泡材を前記強磁性部材の反対側の末端を支持するために使用し、剥ぎ取りモードで操作される発泡材のサスペンションが大部分となる小さなバネ定数を有する復元バネを有する。可聴ノイズもまた発泡材及び／又はローラを使用することで減じることができる。触感動作が良好である間、面の移動量が十分に小さいため、ユーザがカーソルを卓上で動かすべく指をタッチパッド上で動かす際に、面の移動量は、カーソルの動きに目立った影響を与えない。
【０１４０】
図１６ａ及び図１６ｂは、図１５ａ〜図１５ｃに示す「フラットＥ」アクチュエータの別の形態３８０を示す表面側及び底面側の斜視図である。強磁性部材３８２（又は、他の形態における積層体）は、略「Ｅ」構造を有し、更にＥ中央ポール３８５に巻き付いたコイル３８４を有している。二つの棒状の磁石３８６がＥ中央ポール３８５を横切って、形態３６０と同様にして、空隙が強磁性部材３８２と磁石との間に形成されるように位置している。金属平板３８８（例えば、鉄）が磁石３８６に連結され、前記強磁性部材及び磁石に平行に設けられている。保持器３９０が中央のレイヤーに設けられており、そこでは、ローラ３８９（破線で示される）が保持器３９０の開口内に配置され、平板３８８を前記強磁性部材について横方向への移動を可能としている。タッチパッド又はタッチスクリーン（図示せず）を、部品３８２を（他の装置に）取り付けると共に平板３８８の表層に強固に連結することができる。その代りに、タッチパッド又はタッチスクリーンは、平板３８８を（他の装置に）取り付けると共に、部品３８２に連結することもできる。
【０１４１】
形態３８０は、柔軟性のあるサスペンションをも備え得る。それは、中央のレイヤーの柔軟な保持器３９０に連結し得るもので、また、鉄製の平板３８８及び強磁性部材３８２の間にこのように効果的に連結されている二つの連結部材３９２を備え得る。該連結部材３９２は、両末端部３９４で鉄製の平板３８８に着設され、保持器のレイヤー３９０に両末端部３９６で連結されている（又は該保持器のレイヤーに単一のプラスチックの部品として成形されている）。各連結部材は、細い部分３９８及び太い部分４００を有している。
【０１４２】
作動時においては、電流がコイル３８４を通して流れ、その電流により磁力が誘起され、その結果、磁石３８６によって平板３８８（及びタッチパッド）が軸４０２で示すように動く。連結部材３９２を含むサスペンションによって平板３８８が磁性通常力及びその他の力による歪みから防護される。各連結部材３９２が平板３８８の動きを順応させるべく屈曲し、そこでは、細い方の部分３９８が最初に屈曲し、該屈曲の境界が部分３９８に到達したときに太い方の部分４００が屈曲する。その細-太の構成は、より太い（より剛性の高い）横材がかみ合うまでバネの中央への付勢動作を可能とする。それは、動きを停止させるためのより柔らかい感触を与える。動きに対する最終的な制限は、両停止部４０４のいずれかが平板３８８の裏面の末端部を叩くことによってもたらされる。
【０１４３】
上述した柔軟なサスペンションは、平板及びタッチパッドの横方向への望ましい動きを効果的に可能とする。これは、平板３８８の更なる安定な動きを生成し、平板３８８を長い間その位置で浮動させることがない。更に、前記サスペンションは、望ましいバネの中央付勢力を平板３８８及びタッチパッドに与え、ユーザがタッチパッドへの接触を停止し、タッチパッドに力を加えたときに、該タッチパッドをその可動範囲の中心部に移動させる。
【０１４４】
図１７ａ〜１７ｇは、別のフラット-Ｅアクチュエータタッチパッド形態４２０を示す図であり、それは、この種のアクチュエータを小型化し、現存するリードフレームに対し及び成形製造技術上、優位となる組立面実装装置を提供するものである。このような小型の装置は、タッチパッドモジュールにウエーブソルダーにより組み込まれ得るものであり、タッチパッドの移動（又はその代替の形態におけるｚ軸の力）のための適切な行程及び力を同時に与えるように作動し得るものである。
【０１４５】
図１７ａ〜１７ｃは、複数のフラットＥアクチュエータ４２４を含むＰＣＢ４２２の平面図を示す。図示するように、アクチュエータ４２４がＰＣＢ４２２の各角部に配置され得るものとなる。図示されるよりも多いか又は少いアクチュエータが、他の形態においては、その代わりに配置し得る。複合的アクチュエータ４２２の使用により、より大きな強度の力が、出力され得るようになり、各アクチュエータ４２２をより小さな出力のものとして低コストなものとする。一の形態においては、ＰＣＢ４２２は、ラップトップコンピュータのハウジングに連結された別体のＰＣＢである。タッチパッド（例えば、ＰＣＢ４２２と異なるそれ自体のＰＣＢを備えるもの）は、更に、アクチュエータの移動部分（例えば、図１７ａに示されるパッド４２６）に連結される。別の形態においては、ＰＣＢ４２２は、タッチパッドであり、アクチュエータの可動部分は、ラップトップコンピュータの取り付け面、例えば、ハウジングに連結されている。このような形態においては、アクチュエータ４２４は、タッチパッドの周囲に拡がるハウジングの周縁部によって、ユーザの視野内にあるＰＣＢ４２２の中央部を残してユーザの視野から外され得る。
【０１４６】
図１７ｄは、ＰＣＢ４２２の一末端部を示す側面斜視図であり、それは、タッチパッドから別体化されており、フラットＥアクチュエータ４２４を含む。タッチパッド／ＰＣＢ部材４２８は、アクチュエータ４２４の可動部分４３０に連結されている。
【０１４７】
図１７ｅは、図１７ａに示すＰＣＢ４２２の底面側の一形態を示す斜視図であり、そこでは、フラットＥアクチュエータ４２４がＰＣＢ４２２の底面側に面実装されている。これは、「手動配置」構成部品として実施されたものであり、好ましくは、自動面実装技術の配列設備を使用したものであることが良い。該「Ｅ」強磁性部材４３２は、ＰＣＢ４２２に取り付け得るものであり、これにより、アクチュエータの磁石及び鉄製の支持板が動く。
【０１４８】
図１７ｆ及び１７ｇは、それぞれ３本のポールを有し、上述したフラットＥアクチュエータと同様に作動するフラットＥアクチュエータ４２４の表面側及び底面側からみた斜視図を示す。強磁性部材４３２は、Ｅ字状に成形され、中央のポールに巻き付いたコイル４３４を備える。フレキシャ４３６は、磁石４３８及び鉄製の支持板４４０の、強磁性部材４３２及びコイル４３４に対応した動きを可能とする。タッチパッド（図示せず）は、鉄製の支持片４４０に連結され、Ｅ積層部材４３２／コイル４３４は、図１７ａ〜１７ｅに示す形態に示す如く、（他の部材に）取り付けることができる。その代わりに、支持片４４０及び磁石４３８を（他の部材に）取り付け、タッチパッドを可動の強磁性部材４３２に連結することもできる。
【０１４９】
上述したようなフラットＥアクチュエータは、タッチパッドモジュール又は手のひら載置面を直接移動させるために使用し得る。説明された形態においては、フラットＥアクチュエータの総厚みは、３ｍｍ又はそれ未満とし得る。従来のタッチパッドの生産ラインに組み込み可能なフラットＥ磁石アセンブリは、サイズ、製造効率及びスケールメリットの観点から好ましい形態となる。
【０１５０】
他の形態においては、その他の可動磁石アクチュエータ設計、及びその他のボイスコイルアクチュエータ設計、例えば、米国特許第６，１６６，７２３号及び６，１００，８７４号に記載されているものを使用することができる。
【０１５１】
他の形態においては、他種の入力用面又は表示スクリ−ンが、ここで説明するいずれかのアクチュエータを用いて同様に移動させることができる。例えば、携帯端末装置（ＰＤＡ）の表示スクリ−ン、又はモニタ又はＣＲＴ上のタッチスクリーンを被っている入力センサ装置の如く綺麗な面は、触感フィードバックを与えるべくＸ及び／又はＹ方向（スクリーンの面に平行に）に同様に移動させ得る。このような綺麗なスクリーン移動体の一例は、ＡＴＭ機であり、そこでは、ユーザが一般にタッチスクリーン上に情報を入力する。触感フィードバックは、そのような入力をより親しみやすく、そして、標準以下の視力を有する人々にとって容易なものとする。触感フィードバックは、ユーザの指が、画像表示されたボタン上にあるとき、表示することができるか、又は、異なる触感覚によって、特定された表示ボタンを確認することができる。これは、可動のカーソルがないことから、多くのＡＴＭへの適用例において有用となり得る。触感フィードバックは、雑音の多い環境、例えば、音が容易に聞き取ることができない交通量の多い場所においてもユーザを補助し得るものとなる。
【０１５２】
ここに説明した形態は、ユーザがペン先又はその他の物体をタッチパッド、タッチスクリーン、又は入力領域上へのデータの入力に用いる形態においても触感フィードバックを与え得るものとなる。触感覚は、タッチパッド（又はその他の移動面）から、ペン先又はその他の物体を通してユーザに伝達し得るものとなる。
【０１５３】
その他の機能
触感フィードバックに関する人的要因は、ある形態では、力の過負荷からの防御を含む。理想的には、非慣性フィードバックアクチュエータ及び伝達設計、例えば、移動する面及び異なる面等としては、アクチュエータが、該アクチュエータへの負荷又はアクチュエータの移動範囲内の位置とは無関係に忠実さをもって大きな力を生成することが望まれる。換言すれば、ユーザの指又は手は、限界に逆らってアクチュエータを動かすこと、又は、振動周期が半分に減衰した移動条件の終わりに到達することがないことが望まれる。このため、ユーザの負荷から本質的に分断されているアクチュエータ及び伝達機構を設計することが望ましい。これの一例は、図１６ａ〜１６ｂに示す形態の如く、硬いサスペンションによる非常に高いバネ中央付勢力を有するＥコアアクチュエータが挙げられる。強力なアクチュエータは、このバネ力を容易に克服し、タッチパッドの面における指によるドラッグの力は、アクチュエータの出力全体に対して比率の小さなものに過ぎないものとなる。力の弱いアクチュエータは、よりコンプライアンスの良いサスペンションを必要とし、これにより、ユーザのインタラションが振動と干渉し、直線状の出力が生成されなくなる可能性がある。
【０１５４】
別の人的要因に関する触感フィードバックの問題には、ある形態では、可聴性がある。手のひら載置面及び慣性アクチュエータアセンブリの使用は、例えば、触感の共鳴板による不可避な副作用である音響を生じる結果となる。負荷が加わった面、例えば、ユーザが、ハウジング又はタッチパッドに触れているときは、弱い音が放射され、依然として非常に良好に力を伝達する。したがって、ある形態では、ユーザの手が存在する場合にのみ出力が可能となるように、負荷測定の装置を使用してユーザの手が移動面上に存在するか否かを測定しても良い。
【０１５５】
ラップトップコンピュータのタッチパッド又は類似の入力装置に触感機能を付与する場合のコストを削減するため、ある形態では、ラップトップコンピュータ、ＰＤＡ、又はその他の装置内の従来の音響電子機器を使用できる。例えば、従来の音声アナログ入力（例えば、デジタル−アナログコンバータ）及び音響パワーアンプは、上述したタッチパッド又はその他のラップトップコンピュータの構成部品における触感フィードバックのために使用されるアクチュエータを、補助のマイクロプロセッサ及び／又は補助のパワー供給電子機器を付加する必要を生じることなく駆動し得るものとなる。ノッチ・フィルタ又は音響信号からのその他のノイズ除去装置が、触感フィードバック信号を生成する際に使用し得る。例えば、触感効果制御用信号を音声スペクトルの非可聴域に供給し、フィルタリングされてこれら制御信号が触感アクチュエータに供給され、その一方、可聴域における残余の信号がラップトップコンピュータの音声スピーカに通じ得るようにする。或いは、可聴域外の音声信号が含まれない専用信号をフィルタリングするか又は触感フィードバックアクチュエータを制御させるようにする。
【０１５６】
さらに、従来、多くのラップトップコンピュータ上では、ソフトウエアによって、パワーレベルを表示し、ユーザに警告し、又は電源パワーを保存するためにラップトップコンピュータの電源を落とすべく、ラップトップコンピュータの電源パワーが探知されている。この探知用ソフトウエアは、触感フィードバック用アプリケーションに組み込み得る。例えば、電源パワーがあるレベルを下回ったとき、触感フィードバックソフトウエアのルーチンは、パワーレベルを縮小するか、又はユーザへの出力を停止することすらし得る。これは、力の強度を落とすこと、又は触感効果を組み込んでいるＧＵＩにおける画像物体のタイプ又は数字を減じることによって達成され得る。これは、触感の持続時間を短縮すること、例えば、通常５０ｍｓである効果を４０ｍｓに減少させ得ることによっても達成し得る。また、これらの組み合わせを使用し得る。最後に、いくつかのラップトップコンピュータでは、例えば、低出力設定では電源を長く持続させるような、ユーザが必要に応じて選択し得る高出力、中出力、及び低出力の異なる設定がされている。前記触感フィードバック制御は、この設定の中に組み込むことができ、この設定によって、同様に管理し得るものとなる。例えば、ユーザが低出力モードを選択した場合、上述したように、触感効果に必要なパワーを減少させるべく触感フィードバック制御機器を適用し得る。
【０１５７】
図１８は、本発明に係るタッチパッド４５０の平面図である。タッチパッド４５０は、ある形態では、単に位置決め装置として使用され得るものであり、そこでは、タッチパッドの全体領域が、カーソルの制御を提供する。他の形態においては、パッド上に機能によって異なる領域が設計され得る。これら領域を有するある形態では、各領域には、該領域の下部に配置されるか、或いは該領域に物理的に関連付けされたアクチュエータが設けられており、一方、その他の領域を有する形態では、タッチパッド４５０全体に力を与える単一のアクチュエータが使用され得る。図示する形態においては、中央カーソル制御領域４５２がカーソルを配置するか、又はラップトップコンピュータ若しくはその他の装置によって表示される表示域として使用される。
【０１５８】
前記タッチパッドのカーソル制御領域は、グラフィック環境及び／又は該領域におけるイベントと、制御されたカーソルとのインタラクションに基づいて、タッチパッド上に力を出力させる源となり得る。ユーザは、指又はその他の物体を領域４５２内で動かし、例えば、その結果、カーソル２０を動かすのである。力は、好ましくは、該カーソルと表示された画像物体との間のインタラクションに関連付けられていることが良い。例えば、素早く目標の強度に上昇し、その後、停止しするか、又は、０若しくは微小な強度に減衰して復帰する単一の力の刺激である衝撃又は「パルス」感覚が出力され得る。タッチパッド４５０は、一の方向に、又は、ｚ軸若しくはその他の軸における振動として、慣性触感フィードバック形態において慣性的に衝撃力を与えられ得るものとなるか、或いは、タッチパッドは、前記パルスを与えるべく、一の方向に移動されるか若しくは一又は複数回振動され得るものとなる。振動感覚もまた出力することができ、それは、一般には周期的である経時的に変化する力である。該振動は、タッチパッド４５０又はその各部を、繰り返して複数回振動させ得るものとなり、ホスト又はローカルマイクロプロセッサによってホストアプリケーションにおいて起こる特定される効果をシミュレートさせるべく出力され得るものとなる。
【０１５９】
タッチパッド上に出力され得る別の種類の力感覚は、手触りの力である。この種の力は、パルス力に類似しているが、タッチパッド及び／又はグラフィック環境におけるカーソルの配置場所における領域上でのユーザの指の位置に依存するものである。したがって、手触りにおける突起部は、グラフィック環境における突起部の位置をカーソルが通過したか否かに依存して出力され得る。この種の力は、空間に依存するものであり、例えば、力はカーソルが指定された手触り領域を通過する際のカーソルの位置に依存して出力される。即ち、カーソルが手触りの「突起」の間に位置するとき、何らの力も出力されず、カーソルが突起上を通過するとき、力が出力される。これは、カーソルが格子上をドラッグされて通過する際に、パルス信号を送信するホストコンピュータによって達成され得るか、又は、別体化されたタッチパッドプロセッサを触感フィードバックのためにタッチパッドに対して専用化し得るものとなる。そして、手触り効果がローカル制御（例えば、ホストコンピュータによって手触りパラメータを有する高レベルコマンドが伝送され、タッチパッドプロセッサによって感覚が直接制御される）を使用して達成される。その他の場合においては、ユーザに、その指（又はその他の物体）のタッチパッド上の現在の速度に依存した振動を与えることによって手触り感が実行され得るものとなる。その指が静止しているとき、該振動は停止した状態となる。指が早く動くにつれ、該振動の周波数及び強度は増加する。この感覚は、タッチパッドプロセッサ（存在する場合）又はホストコンピュータによって制御され得る。その他の空間的な力感覚もまた、出力され得る。加えて、ここで説明されている力感覚のいずれかは、同時に出力され得るか、或いは、要望どおりに組み合わせられる。
【０１６０】
異なる種類の画像物体が触感覚と関連付けられる。触感覚は、カーソルと、ウィンドウ、メニュー、アイコン、ウエッブページリンク等との間のインタラクションに基づいてタッチパッド上に出力され得る。例えば、「突起」又はパルスは、カーソルがウィンドウの境界を通過した際に、タッチパッド上にカーソルの位置についての信号をユーザに送るべく出力され得る。その他の関連するインタラクションにおいては、速度制御又はスクロールの機能がタッチパッド（カーソルの使用を通して）で実行されるとき、感覚が速度制御機能に関連して出力され得るものとなる。更に、タッチパッド上に出力された力の強度は、ユーザから独立したイベントを含んだグラフィック環境におけるイベントやインタラクションに依存し得るものとなる。これら力感覚は、ゲーム又はシミュレーションにおいても使用し得る。これら及びその他の触感覚については、米国特許第６，２１１，８６１号で説明されている。その他の制御機器又はグリップ装置は、本発明のタッチパッドを、カーソル又はその他のコンピュータにより生成された環境における画像物体を操作するべく、ゲームパッド、マウス、若しくはトラックボール装置、又は圧球体若しくは類似物を含んでそのハウジングに備え得るものとなる。
【０１６１】
タッチパッド及びタッチスクリーンの形状によって、ユーザがタッチパッドに検知されるように加える圧力の量を変化し得る場合がある。これによって、多様性のある触感覚が、少なくともある程度、検知された圧力に応じて決定されるようになる。例えば、周期的な振動が、検知された圧力に依存する周波数を有して出力され得るものとなる。或いは、出力された触感覚の利得（強度）は、検知された圧力に基づいて調整し得るものとなる。普段、強めの圧力でタッチパッドを使用する傾向にあるユーザは、常に効力が発揮される自動強度増大機能を選択し得る。
【０１６２】
タッチパッドとタッチスクリーンの他の形態は、ユーザの「ジェスチャー」、又は、カーソル制御領域若しくはその他の領域上の標識記号をなぞることによるショートカットを入力可能としており、それは、コマンド又はデータとしてプロセッサによって認知されるものである。触感覚は、特定されたジェスチャーに関連付けされるか、依存し得るものである。例えば、モードの確認は、モード確認用ジェスチャーが認知されたときに、特定される触感覚によって触感的に伝えられ得るものとなる。ジェスチャーから認知される文字は、それらと関連付けされる特定の触感覚をそれぞれ有し得るものである。大抵のタッチパッド形態においては、ユーザは、画像物体又はメニューアイテムをタッチパッドを軽く叩くことで選択することができる。いくつかのタッチパッドは、「半分の強度の叩き」又は二度の叩き、即ち、ユーザが軽く叩き、そして再び叩き、指を動かしているときにパッド上で指又は物体を保持することを認知することができる。例えば、そのようなジェスチャーは、物体がカーソルと共に動く「ドラッグ」モードを与え得る。ユーザがそのようなドラッグモードにあるとき、振動又はその他の触感覚がユーザに本モードがアクティブ状態であることを示すために出力され得る。
【０１６３】
上に規定したように、タッチパッド４５０は、メインのカーソル制御領域４５２から別体化された入力を与える制御領域をも有し得るものとなる。ある形態では、異なる領域が、線、境界、又はタッチパッド４５０の面上の手触り（及び／又はコンピュータ１０からの音）で物理的にマークされ得るものとなり、これによって、ユーザが視覚的、聴覚的、及び／又は、触覚的に、タッチパッド上のどの領域に触れているかが判るようになる。
【０１６４】
例えば、スクロール又は速度制御領域４５４ａ及び４５４ｂは、速度制御タスクを実行するべく入力を与えるために使用し得るものとなる。例えば、文書のスクロール、値の調整（例えば、音声ボリューム、スピーカバランス、画像モニタの輝度等）、又は、ゲーム又はシミュレーション中における視野への批評文／タイトルの挿入である。領域４５４ａは、指（又はその他の物体）を該領域内に置くことによって使用され得る。そこでは、領域の上部分では値が増加し、スクロ−ルアップ等し、領域の下部分では値が減少し、スクロールダウン等する。タッチパッド上に加わっている圧力の量を計ることが可能な形態においては、該圧力の量で直接に調整の速度を変化させ得る。例えば、より大きな圧力では文書のスクロールをより迅速にする等である。領域４５４ｂは、水平（左／右）スクローリング又は異なる値、視野等の速度制御の調整に同様に使用し得る。
【０１６５】
特定された触感効果を制御領域４５４ａ及び４５４ｂに関連付けることができる。例えば、速度制御領域４５４ａ又は４５４ｂを使用しているとき、特定される周波数の振動がタッチパッド上に出力され得る。複合アクチュエータを有する形態においては、領域４５４ａ又は４５４ｂの直下に配されたアクチュエータは、「アクティブ」（現在使用されている）領域に対してより局在化された触感覚を与えるために活動させ得るものとなる。領域４５４の部分が、速度制御のために押されると、ページが、何時、スクロールされたか、何時、特定される値が通過したか等を合図するべくパルスがタッチパッド（タッチパッドの領域）上に出力され得る。振動もまた、ユーザが領域４５４ａ及び４５４ｂに触れている間、連続して出力され得る。
【０１６６】
他の領域４５６もまた、タッチパッド４５０上に配置され得る。例えば、領域４５６のそれぞれは、ボタンのような、小さな四辺形状の領域とし得るものであり、それにはユーザが、指し示された領域に関連した機能を開始するために指し示し得るものである。領域４５６は、次のようなコンピュータの機能を開始することができる。例えば、プログラムの実行、ウィンドウの開閉、ウエッブブラウザにおけるウエップページの列に「フォワード」又は「バック」をかけること、コンピュータ１０の電源を入れること、又は「スリープ」モードを開始すること、メールのチェック、ゲーム中の銃撃、バッファからデータをカットし、又はペーストすること、記憶装置にファイルを保存すること、フォントを選択すること等である。領域４５６は、アプリケーションプログラム中に設けられた機能若しくはボタンを複製し得るものであるか、又は新しい、異なる機能を備え得るものである。
【０１６７】
領域４５４と同様に、領域４５６は、それぞれ触感覚に関連付けられ得るものである。例えば、領域４５６は、ユーザに選択されたときにパルス感覚を与え、機能が選択されたときに直ちにフィードバックを与え得るものである。例えば、ユーザが指又は物体によって領域４５６、４５２、又は４５４上を選択のために軽く叩いたときにパルスのような触感覚が出力され得る。ボタンが押された深さに基づいて出力の度合いを変える物理アナログボタン、一以上の領域４５６を、ユーザがタッチパッドに及ぼす圧力に基づいて、比例したとびとびの出力、又はアナログ出力によって、アナログ類似のボタンのようにし得る。
【０１６８】
更に、同様な種類の領域を同様な感覚の触感覚に関連付けることができる。例えば、それぞれワープロに関連した領域４５６は、指し示されたときに、それぞれゲームに関連した領域４５６が異なる強度又は振動のパルスを生じ得る一方で、特定される強度のパルスを生じ得る。更に、ユーザが指し示す物体を一の領域４５４又は４５６から他に移動させたとき、触感覚（例えば、パルス）がタッチパッド４５０上に出力され、これによって、ある領域の境界がすれ違ったことが意味される。例えば、素早くゼロ強度まで減衰する高周波振動は、指し示す物体が指定された領域に入ったときに出力され得る。これは、領域４５４及び４５６にユーザが知り得ない可能性のある境界を合図することから有用なものとなり得る。これは、また、領域のサイズ及び／又は位置の再配置を可能とし、ユーザに新しいレイアウトを触感的に迅速に習得させることにもなる。各領域は、グラフィック環境において領域を規定する「エンクロージャ」、及び、カーソルが入退するとき、並びに、カーソルがエンクロージャ及びそのような触感覚と関連する特定される境界で動かされたときに出力される異なる触感覚にもまた関連付けられる。
【０１６９】
加えて、領域は、好ましくは、サイズ及び外形において、並びに、それらが関連付けられる機能において、プログラム可能であることが良い。したがって、領域４５６の機能は、グラフィック環境中で実行中のアプリケーションプログラムに基づいて及び／又はユーザの嗜好によるコンピュータ１０への入力及び／又はコンピュータ１０への保存に基づいて変化し得るものとなる。好ましくは、それぞれの領域のサイズ及び配置は、ユーザによって又はアプリケーションプログラムによって調整し得ることが良く、そして、複数の領域のいずれか又は全体は、必要時には消去し得ることが良い。更に、ユーザは、好ましくは、特定された触感覚を特定された領域、又は必要時にはこれら領域に関連した機能の種類に基づいた種類の領域に割り当て得ることが好ましい。異なる触感覚は、カリフォルニア州、サンノゼのイマージョン社から入手できるイマージョンスタジオ（登録商標）等のツールにおいて設計され得る。
【０１７０】
領域４５４及び４５６が、タッチパッド４５０の物理的領域を必要としないことは特筆すべきである。換言すれば、タッチパッドの面全体が、コンピュータのプロセッサに接触するユーザと、異なる領域が配置されている場所を指定し得るコンピュータ上のソフトウエアとの座標を備えていることを必要としているに過ぎないということである。コンピュータは、その座標を解釈して実行し得るものであり、ユーザが接触している場所に基づいてタッチパッドの入力信号をカーソル制御信号又は異なる種類の信号、例えば、速度制御、ボタン機能等として解釈して実行し得るものである（例えば、ドライバプログラムは、必要時には解釈して実行する機能を備え得ること）。タッチパッドマイクロプロセッサは、存在するならば、その代わりに、ユーザの触れる場所に関連した機能を解釈して実行するものであり、しかるべき信号又はデータをホストコンピュータに伝えるものである（例えば、位置座標又はボタン信号）、このようにして、ホストプロセッサ又はソフトウエアを低レベルの処理手続きから開放された状態に維持するのである。他の形態においては、タッチパッド４５０は、ユーザに接触されるタッチパッドの面上に物理的にマークされた異なる領域（例えば、各領域は、異なるセンサ又はセンサアレイによって検知され得る）に基づいて、コンピュータに異なる信号を出力するように物理的に設計され得る。
【０１７１】
タッチパッド又はタッチスクリーンに触れるユーザの指又は物体に触感フィードバックを与える、ここで説明されるいずれかの形態には、タッチパッド４５０の複数の領域が使用され得る。
【０１７２】
以上、本発明を、いくつかの好ましい形態によって説明してきたが、さまざまな変更や修正、均等形態との置換が可能なことは、詳細な説明の読み込み及び図面の観察によって考察すれば当業者には明白である。例えば、一の形態において説明された機能の多くは他の形態にも置換が可能である。更に、専門用語は、記載の明瞭性を担保するために使用したものであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【０１７３】
【図１】図１は、本発明に係る触感タッチパッドを備えるラップトップコンピュータ装置の斜視図である。
【図２】図２は、本発明に係るタッチパッドを有するリモコン（遠隔制御機器）を示す斜視図である。
【図３】図３は、本発明に係る触感タッチスクリーンの一形態を示す平面図である。
【図４】図４は、本発明に好適に使用できる触感システムのブロックダイヤグラムである。
【図５】図５は、本発明の慣性力を利用した一形態に好適に使用できるアクチュエータアセンブリの一形態を示す斜視図である。
【図６】図６は、タッチパッドに連結された図５に示すアクチュエータアセンブリを示す斜視図である。
【図７】図７は、慣性力の触感覚を与える、タッチパッドに近接した手のひら載置面を示す斜視図である。
【図８】図８ａは、本発明において、慣性力の触感覚を与えるにあたり好適に使用できる圧電変換器を示す斜視図であり、図８ｂは、本発明において、タッチ装置を用いて触感を与えるために好適な圧電変換器の側面図及び構造である。
【図９】図９は、リニアアクチュエータにより駆動され、移動する面の一形態を示す斜視図である。
【図１０】図１０は、ロータリアクチュエータにより駆動され、移動面の別の形態を示す平面図である。
【図１１】図１１は、ボイスコイルアクチュエータによって駆動され、移動面の別の形態を示す斜視図である。
【図１２】図１２は、タッチパッドに近接して移動面の一形態を示す斜視図である。
【図１３】図１３は、ロータリアクチュエータにより一方向に移動されるタッチパッドの一形態を示す斜視図である。
【図１４】図１４は、ロータリアクチュエータにより二方向に移動されるタッチパッドの一形態を示す斜視図である。
【図１５ａ】図１５ａは、本発明において、タッチパッド又は別体の面を移動させるのに適した平面状のＥコアアクチュエータの第一の形態を示す斜視図である。
【図１５ｂ】図１５ｂは、本発明において、タッチパッド又は別体の面を移動させるのに適した平面状のＥコアアクチュエータの第一の形態を示す斜視図である。
【図１５ｃ】図１５ｃは、図１５ａ及び図１５ｂに示すアクチュエータの側面図である。
【図１５ｄ】図１５ｄは、タッチパッドに連結された図１５ａ及び図１５ｂに示すアクチュエータの斜視図である。
【図１６ａ】図１６ａは、本発明におけるフラットＥコアアクチュエータの別の形態を示す表面斜視図である。
【図１６ｂ】図１６ｂは、本発明におけるフラットＥコアアクチュエータの別の形態を示す底面斜視図である。
【図１７ａ】図１７ａは、本発明における面実装されたＥコアアクチュエータの斜視図である。
【図１７ｂ】図１７ｂは、本発明における面実装されたＥコアアクチュエータの上面図である。
【図１７ｃ】図１７ｃは、図１７ａ及び図１７ｂに示すＥコアアクチュエータの斜視図である。
【図１７ｄ】図１７ｄは、図１７ａ及び図１７ｂに示すＥコアアクチュエータの側面図である。
【図１７ｅ】図１７ｅは、図１７ａ及び図１７ｂに示すＥコアアクチュエータの斜視図である。
【図１７ｆ】図１７ｆは、図１７ａ及び図１７ｂに示すＥコアアクチュエータの斜視図である。
【図１７ｇ】図１７ｇは、図１７ａ及び図１７ｂに示すＥコアアクチュエータの斜視図である。
【図１８】図１８は、本発明において、異なる制御領域を有する触感タッチパッドの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【０１７４】
１０，７４…コンピュータ、１６…タッチパッド（タッチ入力装置）、７２…触感フィードバックインターフェイス装置（触感フィードバックタッチ制御機器）、８８，１５５，３００，３３６…アクチュエータ

Claims (44)

1. コンピュータに信号を入力すると共に、ユーザに力を出力する触感フィードバックタッチ制御機器であって、
   該制御機器は、前記ユーザが触れる場所を二次元で表す位置信号を与える略平面状のタッチ面を有するタッチ入力装置と、該タッチ入力装置に連結された少なくとも一つのアクチュエータとを備え、
   前記コンピュータは、前記位置信号に由来する位置情報を受け取るものであり、前記アクチュエータは、前記タッチ面に触れるユーザに対して触感を与えるべく該タッチ入力装置を前記面に略平行に横方向に動かす力を前記タッチ入力装置に出力すると共に、前記コンピュータにより出力される力の情報に基づいて前記力を出力するものである触感フィードバックタッチ制御機器。
2. 前記コンピュータは、少なくとも前記位置信号にある程度基づいて、表示装置に表示されるグラフィック環境中にカーソルを位置させるものである請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
3. 前記タッチ入力装置は、タッチパッドであり、該タッチパッドは、前記コンピュータの表示スクリ−ンと別体化されている請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
4. 前記タッチ入力装置は、前記コンピュータのハウジングに一体化されている請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
5. 前記ユーザは、該ユーザの指で前記タッチ面に接触する請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
6. 前記ユーザは、該ユーザが保持する物体で前記タッチ面に接触する請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
7. 前記少なくとも一つのアクチュエータは、前記タッチ入力装置の面に略平行な第一の横方向に第一の力を出力する第一のアクチュエータであり、前記タッチ入力装置に連結されると共に、前記タッチ入力装置の面に、該面に略平行且つ前記第一の横方向に略垂直な第二の横方向に第二の力を出力する第二のアクチュエータを更に備えている請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
8. 前記アクチュエータは、直線方向の自由度に出力を与えるリニアアクチュエータであり、該アクチュエータは、前記タッチパッドと、下部のハウジングとの間に連結されている請求項３に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
9. 前記アクチュエータは、回転方向の自由度に出力を与えるロータリアクチュエータであり、該出力される力は、前記直線の力に変換される請求項８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
10. 前記アクチュエータは、Ｅコアアクチュエータである請求項８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
11. 前記アクチュエータは、該アクチュエータの支持板を前記アクチュエータの磁石に対応して滑らせる少なくとも一つのローラを有する請求項１０に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
12. 前記アクチュエータは、前記支持板と前記磁石との間にバネ復元力を与えるフレキシャを有する請求項１１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
13. 前記アクチュエータは、前記タッチ入力装置を横方向に振動させるものである請求項１１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
14. 前記タッチ入力装置は、複数の異なる領域を含み、該複数の領域の少なくとも一の領域は前記位置信号を与えるものであり、該複数の領域のその他の領域の少なくとも一の領域は異なる機能を制御するために前記コンピュータによって使用される信号を与えるものである請求項１１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
15. 前記複数の領域の少なくとも一の領域は、前記複数の領域の別の一の領域よりもむしろ、前記タッチ入力装置上への異なる触感出力に関連付けられる請求項１４に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
16. 触感覚が、前記ユーザが前記複数の領域の一の領域から、他の一の領域に向けて接触する物体を動かす際に出力されるものである請求項１４に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
17. 前記アクチュエータは、第一のアクチュエータであり、少なくとも前記タッチ入力装置に連結された別の一のアクチュエータを更に備えており、これらアクチュエータは、プリント回路基板に面実装されたＥコアアクチュエータである請求項１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
18. コンピュータに信号を入力するともに、ユーザに力を出力する触感フィードバックタッチ制御機器であって、
    該制御機器は、前記ユーザが押す場所を二次元で表す位置信号を与える略平面状のタッチ面を有するタッチ入力装置と、該タッチ入力装置に近接して配置された面と、該面に連結された少なくとも一つのアクチュエータとを備え、
    前記コンピュータは、前記位置信号に由来する位置情報を受け取るものであり、前記アクチュエータは、前記面に触れるユーザに対して触感を与えるべく前記面に力を出力すると共に、前記コンピュータにより出力される力の情報に基づいて前記力を出力するものである触感フィードバックタッチ制御機器。
19. 前記面は、前記タッチ面に略平行な平面中で横方向に移動するものである請求項１８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
20. 前記面は、前記タッチ入力装置に位置合わせされており、前記ユーザが該面を押すことで前記タッチ入力装置が押されるように、少なくとも前記タッチ入力装置の面と略同一の広がりを有するものである請求項１９に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
21. 前記アクチュエータは、リニアアクチュエータである請求項２０に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
22. 前記アクチュエータは、ロータリアクチュエータであり、その連結部材は、回転方向に出力される力を前記移動する面に対する略直線方向に出力される力に変換するものである請求項２０に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
23. 前記アクチュエータは、ボイスコイルアクチュエータであり、その巻き線は物理的に前記面に連結されている請求項１８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
24. 前記面は、前記ユーザが該タッチ入力装置を一本の指で触れると同時に該面を別の指又は手のひらで触れ得るように、前記タッチ入力装置の側部に位置している請求項１８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
25. 前記面は、前記タッチ入力装置に近接して配置されている物理ボタン上に配置されている請求項２１に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
26. 前記面に対する前記力は、該面の表面に略垂直に出力される直線の力である請求項１８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
27. 前記直線の力は、前記アクチュエータを有すると共に質量体を移動させるアクチュエータアセンブリにより出力される慣性力であり、該慣性力は、前記面を介して該面に触れているユーザに伝達されるものである請求項２６に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
28. 前記面は、前記コンピュータのハウジングに連結されると共に前記タッチ入力装置の側部に配置されている手のひら面である請求項１８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
29. 前記コンピュータに備えられた音響電子機器が前記少なくとも一つのアクチュエータを駆動するために使用される請求項１８に記載の触感フィードバックタッチ制御機器。
30. 直線出力を与えるアクチュエータであって、
    該アクチュエータは、二つのポールの間に配置された中央のポールを有する閉じた強磁性部材と、該中央のポールに巻き付いたコイルと、前記中央のポールと二つのポールに近接して位置する磁石と、該磁石に連結された支持板とを備え、
    エアギャップが、該磁石と前記強磁性部材との間に設けられており、前記支持板は、前記コイルに電流が流れたときに前記閉じた強磁性部材に追従して動くものであるアクチュエータ。
31. 前記支持板と前記強磁性部材との前記相対運動を促すべく、前記強磁性部材と前記支持板との間に位置するローラ群を更に備えている請求項３０に記載のアクチュエータ。
32. 前記ローラ群は、保持器により保持されている請求項３１に記載のアクチュエータ。
33. 前記支持板と前記強磁性部材との間に連結されたフレキシャを更に備え、該フレキシャは、前記支持板と前記強磁性部材の望まない方向への相対運動を規制すると共に、前記支持板と前記強磁性部材との間に中央への弾性付勢力を与える請求項３０に記載のアクチュエータ。
34. 前記アクチュエータの全厚が略４ｍｍ又はそれ以下である請求項３０に記載のアクチュエータ。
35. 触感タッチパッド装置であって、
    該触感タッチパッド装置は、セラミック製の部材に連結された金属ダイヤフラムを有する、（他の装置に）取り付けられた圧電変換器と、ユーザが触れる場所を検知すると共に、コンピュータの制御機器に前記場所を示す情報を与える平面状のセンサと、前記圧電変換器と前記平面状のセンサとの間に設けられると共に、前記金属ダイヤフラムが接触するスペーサと、前記平面状のセンサと前記取り付け部との間に連結されると共に、バネ復元力を前記平面状のセンサに与えるバネ部材とを備えている触感タッチパッド装置。
36. 前記圧電変換器は、前記触感タッチパッド装置の固有振動数近傍の信号により駆動されるものである請求項３５に記載の触感タッチパッド装置。
37. 前記固有振動数は、前記バネ部材のバネ定数を調整するか、又は、前記スペーサ若しくは前記平面状のセンサ部材の質量を調整することにより調整され得るものである請求項３５に記載の触感タッチパッド装置。
38. グラフィック環境を提供するコンピュータ装置に入力を与えるタッチ入力装置に触感フィードバックを与える方法であって、
    該方法は、前記タッチ入力装置から、該タッチ入力装置の面上の前記ユーザの触れている場所を示す位置信号を受け取る過程と、
    前記ユーザの触れている場所が位置する領域を複数の領域から決定する過程と、
    前記タッチ入力装置の前記面は、前記複数の領域に分けられ、少なくとも一つのアクチュエータから、前記タッチ入力装置を操作している前記ユーザに力を出力させるように、力の情報を与える過程とを備え、
    前記力は、前記タッチ入力装置の前記面に接した状態で又はその上方に離間した状態で物体を動かしている前記ユーザに関連付けられている方法。
39. 前記ユーザの触れている場所が位置する前記領域に関連付けられた機能を提供する過程を更に含む請求項３８に記載の方法。
40. 前記領域に関連付けられている前記機能は、ある値の速度制御の機能を含む請求項３９に記載の方法。
41. 前記領域に関連付けられている前記機能は、前記位置信号に基づいた画面位置に向けて画像表示されているカーソルを動かす操作を含む請求項３９に記載の方法。
42. 前記機能は、前記コンピュータ装置上で実行されるアプリケーションプログラムにより表示される画像ボタンを選択することによっても開始され得る機能を有する前記領域に関連付けられる請求項３９に記載の方法。
43. 前記力は、前記ユーザが前記タッチ入力装置の異なる領域から前記ユーザの触れている場所が位置する領域に向けて境界を超えて前記物体を動かすときに出力されるものである請求項３８に記載の方法。
44. 前記物体は、前記ユーザの指又は前記ユーザに保持された物体を含み、前記タッチ入力装置の前記面に接した状態で又はその上で離間した状態で動いたものである請求項３８に記載の方法。