JP2018518240A - 改善されたコア−バックシート接着を有する吸収性物品 - Google Patents

Abstract

トップシートと、バックシートと、吸収性コアとを含む個人衛生用の吸収性物品であって、バックシートは、Ｎ／ｃｍの単位で測定される長手方向引き裂き強度を有するプラスチックフィルムを含み、吸収性コアは、第１の糊剤によってバックシートのプラスチックフィルムに部分的に取り付けられ、コアの下面の長手方向に１０ｍｍ及び横断方向に２５ｍｍの少なくとも連続領域が、第１の糊剤によって又は任意の他の取り付け手段によってバックシートに取り付けられていない、個人衛生用の吸収性物品。第１の糊剤塗布領域内において、吸収性物品は、Ｎ／ｃｍの単位で測定されるコア−バックシート剥離強度を有し、このコア−バックシート剥離強度は、プラスチックフィルムの長手方向引き裂き強度の１０％〜４０％の範囲である。

Description

本発明は、身体滲出物を吸収するために個人の股領域に着用するタイプの個人衛生用の吸収性物品に関する。吸収性物品とは、特には、乳児及び幼児用おむつ（トレーニングパンツを含む）、婦人向け生理用パッド、並びに／又は成人失禁用物品であり得る。より詳細には、本発明は、これらの物品の吸収性コアとバックシートとの取り付けに関する。

上述したタイプの個人衛生用の吸収性物品は、身体滲出物、特に大量の尿を吸収及び収容するように設計される。これらの吸収性物品は、異なる機能を提供するいくつかの層、例えば、様々な層の中でも、着用者に面する液体透過性トップシートと、衣類に面する液体不透過性バックシートと、それらの間の吸収性コアとを含む。吸収性コアの機能は、典型的には、滲出物を吸収して長時間にわたって保持すること、再湿潤を最小限に抑えて着用者を乾燥状態に維持すること、及び衣類又はベッドシーツの汚損を防止することである。

現在市販されている吸収性物品の大半は、吸収性材料として、吸収性ゲル材料（ＡＧＭ）とも称される、粉砕木材パルプと超吸収性ポリマー粒子（ＳＡＰ）との粒子形態のブレンドを含む。これについては、例えば米国特許第５，１５１，０９２号（Ｂｕｅｌｌ）を参照されたい。更に、基本的にＳＡＰからなる吸収性材料を有するコア（いわゆる「エアフェルトフリー」コア）も提案されており、これは例えば国際公開第９５／１１６５２号（Ｔａｎｚｅｒ）、米国特許第６，７９０，７９８号（Ｓｕｚｕｋｉ）、国際公開第２００８／１５５６９９号（Ｈｕｎｄｏｒｆ）、又は同第２０１２／０５２１７２号（Ｖａｎ Ｍａｌｄｅｒｅｎ）を参照されたい。更に、典型的にはコアの流体捕捉特性を増大させるため、又は折り畳みガイドとして機能するために、スリット又は溝を有する吸収性コアも提案されている。国際公開第２０１２／１７０７７８号（Ｒｏｓａｔｉら、同第２０１２／１７０７７９号、同第２０１２／１７０７８１号、及び同第２０１２／１７０８０８号も参照されたい）では、超吸収性ポリマー、任意選択的にセルロース系材料、及び少なくとも一対の実質的に長手方向に延在するチャネルを含む吸収性構造体が開示されている。

物品の様々な構成要素は、使用前及び使用中に所定の位置に留まるように、典型的には互いに取り付けられている。典型的な取り付け手段は、糊剤接着、熱接合及び／又は圧力接合、超音波接合である。取り付け手段は、製造業者によって、設備のコストと、糊剤材料のコストと、所望の性能とのバランスを取るように選択される。吸収性コアは、典型的には、糊剤接着によって、具体的にはコアとバックシートとの間の領域全体又はその大部分にメルトブロータイプの接着剤を吹き付けることによって、バックシートに取り付けられる。吸収性コアにスリット又は溝が存在する場合、吸収性コアとバックシート構成要素との間に非糊剤接着領域を残すことが都合よい場合がある。

代替的なコア−バックシート糊剤接着方法が提案されてきた。国際公開第２０１２／１７０３４１Ａ１号（Ｈｉｐｐｅ）は、コア−バックシート糊剤接着領域を低減させたおむつを開示している。Ｈｉｐｐｅでは、使用中にバックシートによじれやしわが形成されるのを低減するため、並びに吸収性コアからの尿の染みがバックシートを通してなるべく透けて見えないようにするために、吸収性コアは、バックシートの特定の限定的な領域内のみに取り付けられる。具体的には、吸収性コアとバックシートとの間のこうした非糊剤接着領域は、吸収性コアが超吸収性材料を実質的に含まない領域であるチャネルを含む場合に、特に有益であり、コアとバックシートの取り付けはこれらチャネル領域の外側のみに提供される。こうすることで、特に吸収性物品が充填された状態における該物品の適合性が更に改善される。

しかしながら、糊剤接着領域及び非糊剤接着領域がコアとバックシートとの間で互いに並んでいる場合、糊剤接着領域と非糊剤接着領域との間に境界線が必然的に形成される。本発明者らは、これらの境界線が吸収性物品の製造中の応力の対象となり、バックシートフィルムの破損の起始部となり得ることを観察した。具体的には、螺旋又は渦のような非連続的パターンで（糊剤塗布領域内に）糊剤を塗布することによって境界線が形成されると、この現象はよりいっそう顕著になる。

おむつなどの吸収性物品のバックシート材料は通常、不織布と共に非常に薄いプラスチックフィルムの積層体により形成され、その場合、不織布は物品の外側（衣類に面する面）に向けられて、流体バリア特性と柔らかい感触とを同時に提供する。これら２つの材料は、それぞれバックシートフィルム及びバックシート不織布と呼ばれる。

薄いプラスチックフィルムは、吸収性物品の環境影響を低減させ、かつ消費者にとっての重要な特徴であるフィルムの柔軟性を向上させるので、バックシートフィルムとして好ましいが、一般に、バックシートフィルムが薄くなればなるほど引張強度が低下する。引張強度が低いと、吸収性物品の製造中又は着用中の破損の可能性が高くなる。更に、水蒸気の移動を可能にし（「通気性フィルム」としても知られる）、着用中の皮膚の乾燥を向上させる多孔質バックシートフィルムを製造するために、バックシートフィルム組成物に炭酸カルシウムなどの追加の添加物が添加される場合がある。通気性バックシートフィルムは、低い引張強度を有する傾向があり、一般的に、同じ厚さの非多孔質フィルムよりも脆弱である。バックシートフィルム及びバックシート不織布を積層することにより、総引張強度を各個別層の引張強度よりも高くすることができる。この積層は、例えば、スロット、螺旋等のような糊剤パターンを用いて行うことができる。バックシートフィルムとバックシート不織布との間の糊剤のない領域は、積層体の柔軟性を向上させるために望ましく、本発明者らは、これらの領域内において、吸収性物品の製造中又は着用中にバックシートフィルムがより破損しやすく、裂けやすくなることを見出した。したがって、特に高速製造中にコア−バックシート糊剤接着領域の境界線に加わる応力に耐えるのを支援するために、フィルム特性と、バックシート積層体のバックシートフィルムとバックシート不織布との間で用いられる糊剤パターンと、バックシートフィルムとコアとの間の糊剤分布と、各材料の引張特性及び糊剤接合強度との間のバランスを見出す必要がある。

おむつなどの吸収性物品は、典型的には、３０ｋｍ／時間よりも高速であり得る速度で移動する高速ライン上で組み立てられ、プロセスの最後に、吸収性物品は、折り畳み及び包装のために３０ｋｍ／時間から０へと一瞬にして減速される。この吸収性物品の減速は、通常は、吸収性部物品の外部層（具体的にはバックシートの衣類側）を保持する、プレート、ベルト、又はフィンガのような、移動しない又は低速のラインの機械的部品によって達成される。コアとバックシートとが完全に取り付けられている領域内では、これら２つの構成要素は一緒に移動し、製品の運動エネルギーは、生産ラインの低速又は静止部品と接触している全域に沿って消散する。しかしながら、本発明者らは、コアとバックシートとが分離している（すなわち、互いに糊剤接着されていない）領域内では、バックシート基材よりもはるかに高い質量及び運動エネルギーを有する吸収性コアは、減速する際にこのエネルギーの一部を、糊剤接着領域と非糊剤接着領域との間の境界線に対して放出し、その結果バックシートフィルムが取り付け境界線に沿って裂ける場合があることを観察した。本発明者らは、バックシートが不織布と完全に糊剤接着されていない領域内では、バックシート積層体上に小さな折り目又はひだが形成され得ることを更に観察した。

バックシート上の折り目又はひだの形成は、製品の外観品質にマイナスの影響を与え、特にコアとバックシートとの間の糊剤接着領域と非糊剤接着領域とを分離する境界線上では、折り目又はひだの形成は、折り畳まれている間にフィルムがそれ自体に又は吸収性コアに粘着してしまう「スポット接合部（spot bond）」を作り出してしまう場合がある。吸収性物品（例えばおむつ）のユーザーがパッケージから物品を取り出すとき、物品は通常、折り畳まれている。物品は、典型的には、使用する前に長手方向に広げて延ばされ、応力はこれらのスポット接合部に集中する可能性があり、バックシート、又はバックシートフィルム上に裂け目が生じる場合がある。

当然ながら、接合強度の弱い糊剤はバックシートの破断の発生を減少させ得るが、糊剤は、コアとバックシートとの間の接合強度が十分であることを確実にして、流体で充填された後のコアが潰れるのを防止する必要がある。また、フィルムの厚さを増大させる又は製造ラインの速度を減少させることによってバックシートの破断を低減させることができるが、これらの解決策は共に、製造効率及び物品の環境影響を低下させ、更には製造コストに影響を与えるので、一般的に受け入れられない。

米国特許第５，１５１，０９２号 国際公開第９５／１１６５２号 米国特許第６，７９０，７９８号 国際公開第２００８／１５５６９９号 国際公開第２０１２／０５２１７２号 国際公開第２０１２／１７０７７８号 国際公開第２０１２／１７０７７９号 国際公開第２０１２／１７０７８１号 国際公開第２０１２／１７０８０８号 国際公開第２０１２／１７０３４１Ａ１号

本発明は、改善されたコア−バックシート糊剤接着方法、及びこの改善された糊剤接着方法を採用した吸収性物品を目的とする。本発明において、本出願人は、驚くべきことに、特にバックシートとコアとの間に非糊剤接着領域を有する吸収性物品に関して、バックシートの破裂の発生を防止しながら十分な接合強度を提供するパラメータ範囲を特定した。

本発明は、着用者に面する面と、衣類に面する面と、長手方向軸線とを有する個人衛生用の吸収性物品であって、
着用者に面する面上のトップシートと、
衣類に面する面上のバックシートであって、当該バックシートは着用者に面する表面と衣類に面する表面とを有する、バックシートと、
トップシートとバックシートとの間の吸収性コアであって、吸収性コアは着用者に面する表面と衣類に面する表面とを有し、吸収性コアは吸収性材料を含み、吸収性材料は超吸収性ポリマーを含む、吸収性コアと、を含み、
バックシートは、着用者に面する表面上にプラスチックフィルムを含み、プラスチックフィルムは、Ｎ／ｃｍの単位で測定される長手方向引き裂き強度を有し、
吸収性コアは、コア表面の少なくとも長手方向に１０ｍｍ及び横断方向に２５ｍｍの連続領域が、第１の糊剤によって又は任意の他の取り付け手段によってバックシートに取り付けられないように、第１の糊剤塗布領域及び第１の糊剤塗布パターンを有する第１の糊剤によってバックシートに取り付けられ、
吸収性物品は、第１の糊剤塗布領域内に、Ｎ／ｃｍの単位で測定されるコア−バックシート剥離強度を有し、
当該物品は、プラスチックフィルムの長手方向引き裂き強度の１０〜４０％の範囲内のコア−バックシート剥離強度を有することを特徴とする、個人衛生用の吸収性物品に関する。

本発明はまた、本発明の吸収性物品の製造プロセスに関する。具体的には、こうしたプロセスは、吸収性コアをバックシートに取り付けるために、
−コア表面の少なくとも長手方向に１０ｍｍ及び横断方向に２５ｍｍの連続領域が、第１の糊剤によって又は任意の他の取り付け手段によってバックシートに取り付けられないように、バックシートの表面又は吸収性コアの表面の第１の糊剤塗布領域に第１の糊剤を塗布する工程と、
−プラスチックフィルムの長手方向引き裂き強度の１０〜４０％の範囲内のコア−バックシート剥離強度となるように、吸収性物品のコアとバックシートとを接触させる工程と、を含む。

「取り付けられていない」とは、コアとバックシートとの間に糊剤が存在しないことだけでなく、この領域内に、機械的結合、縫い目、溶融結合、超音波結合、又は任意のその他の結合手段などの他の結合手段が存在しないことを意味する。その結果、この取り付けられていない領域内で、コア及びバックシートは、一方が他方に対して自由に移動する。

本発明による吸収性物品では、コア表面の少なくとも２０％がバックシートに取り付けられていなくてもよい。

本発明者らは、コアとバックシートとが相互に完全に取り付けられていない吸収性物品、特に、第１の糊剤が第１の糊剤塗布領域内に非連続的パターンで塗布されている吸収性物品では、コア−バックシート剥離強度（すなわち、コアとバックシートを分離するために必要な力のピーク）を、バックシートフィルムの長手方向引き裂き強度（すなわち、吸収性物品の長手方向に沿って測定されるバックシートフィルムの引張強度）の１０〜４０％、好ましくは１０〜３０％のレベルに制御することによって、製造及び使用中のバックシートの破断の発生を防止することができることを見出した。これは、例えば、第１の糊剤塗布領域内の第１の糊剤の塗布パターンを、コアとバックシートとの間に数は多いが強度の弱い接合点を提供するように選択する（例えば、塗布領域内の糊剤の平均量を同一に維持しながら、パターンの密度を増加させる）ことによって達成され得る。この解決策は、特に、コアとバックシート基材との間のせん断接合強度を最大にすることにより、コアが流体で充填されたときにコアが潰れるのを防止することも可能である。

一般に、当業者は、糊剤及びフィルム材料を選択する、糊剤の坪量を最適化する、及び糊剤接着領域内の糊剤塗布パターンを変更するなどして、既知の変数に作用する剥離強度及び引き裂き強度に修正を加えることができる。

具体的には、吸収性物品の吸収性コアがコアチャネルを含む場合、第１の糊剤塗布領域と異なる第２の糊剤塗布領域を有する追加の第２の糊剤を有利に使用することができる。好ましくは、第１の糊剤塗布領域と第２の糊剤塗布領域とは重なり合わない。

チャネルの存在下で使用する場合、第２の糊剤塗布領域は、少なくとも部分的にチャネルの間に存在し、その一方、上記の第１の糊剤塗布領域は、少なくとも部分的にチャネルの間の領域の外側である。第１のチャネル及び第２のチャネルが、第１の糊剤及び第２の糊剤、又はその他の方法によって、少なくとも部分的にバックシートに取り付けられていない。有利には、吸収性コアとバックシートとは、第１の糊剤及び第２の糊剤によってのみ取り付けられ得る。

既に述べたように、本発明者らは、驚くべきことに、物品の製造プロセス中にバックシート又はコアに対するせん断力が第１の糊剤塗布領域の境界に沿って集中して、バックシート基材を破裂させ得ることを見出した。本発明者らは、第１及び第２の糊剤の存在によりバックシート基材に加わる力がより良好に分配され、コアの係留が改善されるだけでなく、吸収性物品の製造又は着用中のバックシートの破損又は疲労が低減するが、第１の糊剤が本発明に従って選択されていない限り、第２の糊剤が存在したとしても、バックシートの破損が依然として観察されることを見出した。

本発明の糊剤接着方法は、比較的大量のＳＡＰを含む吸収性物品に対して特に有用であり得る。

チャネルは、吸収性材料を実質的に含まず、かつ吸収性材料によって包囲される領域に特に存在し得る。吸収性コアがコアラップを有している場合、コアラップの最上層は、チャネル領域を介してコアラップの最下層に接合され得る。第１のチャネル及び第２のチャネルは長手方向に延在してもよく、かつ吸収性コアの長さの少なくとも２５％である、長手方向軸線上に投影された通りの長さを有し得る。

チャネルの間に少なくとも部分的に塗布される第２の糊剤は、好ましくは第２の糊剤塗布領域内に、連続的である第２の糊剤塗布パターンを有し得る。「連続的」とは、糊剤が、糊剤が塗布される領域の実質的に全表面を被覆する均一層又はコーティングを形成することを意味する。連続的パターンは、典型的には、糊剤をスロットコーティング又印刷するなどして、糊剤を基材に直接塗布することによって得ることができる。連続的パターンは、一般に、糊剤の境界線に対する応力を良好に分配することができるので、第２の糊剤塗布領域の境界は、連続的パターンで塗布される場合には、バックシートの破断を生じさせる可能性がある応力の対象にならない。

第２の糊剤塗布パターンは、有利には非連続的であってもよい。「非連続的」は、塗布領域上に連続層を形成しない糊剤パターンを指す。非連続的パターンは、例えば、糊剤フィラメント又は繊維の間の糊剤で被覆されていない、顕微鏡レベルで比較的大きなスペースを有するある程度規則的な糊剤のウェブを形成する、糊剤フィラメント、渦、小型の渦、糊剤の繊維などを含み得る。非連続的な糊剤パターンは、典型的には、吹き付け塗布又は螺旋状の糊剤塗布などの非接触型塗布方法によって得られる。例えば、非連続的な糊剤パターンは、１つの、典型的には複数の、大型の渦、小型の渦、又は不規則なパターンを含み得る。第２の糊剤が存在する場合、第１の糊剤塗布領域は第２の糊剤塗布領域よりも広くてもよい。具体的には、第１の糊剤塗布領域は第２の糊剤塗布領域よりも３倍を超えて大きくてもよく、又は５倍を超えて大きくてもよい。非連続的な第１の糊剤塗布パターンは、単位表面当たりで必要な糊剤材料が通常は少量でよいため、有利には、コア−バックシート界面の広い領域を被覆するのに用いられ得る。しかしながら、本発明者らは、非連続的な糊剤パターンは、製造中に糊剤の境界に加わる応力を増加させ、潜在的材料破損の起始部となることを観察した。

第１の糊剤塗布領域は、少なくとも部分的に（portion-wise）、吸収性コアの実質的に全長に沿って延在してもよい。具体的には、長手方向軸線の一方の側面上に第１の長手方向に延在する部分が存在し、長手方向軸線の他方の側面上に第２の長手方向に延在する部分が存在し得る。これにより、その全長に沿った吸収性コアがしっかりと取り付けられる。第１の糊剤塗布領域は、バックシートの全長に沿って少なくとも部分的により長く延在してもよく、したがってコアの前縁部及び後縁部を越えて延在してもよい。これは、バックシートと、物品のその他の構成要素、特にトップシートとの更なる取り付けを提供する上で望ましい場合がある。第１の糊剤塗布領域はまた、コアの前縁部及び後縁部の領域でより強いコア−バックシートの取り付けを提供するために、特にコアの角部をバックシートにしっかりと取り付けるために、これらの領域内で比較的大きくてもよい。

第１の糊剤は、有利には、非接触型アプリケータ、典型的には糊剤スプレーノズルによって塗布することができ、それにより少なくとも１つの、典型的には複数の、大型の渦、小型の渦、又は不規則な糊剤パターンを提供する。具体的には、第１の糊剤は、平行に配置された複数のノズルによって塗布されることができ、各物品に対して、ノズルのうちの少なくともいくつかがオン・オフされて、長手方向に延在する異なる長さの糊剤塗布領域を含む第１の糊剤塗布領域が提供される（糊剤の断続的な塗布）。このやり方で糊剤を所望の領域にのみ塗布することによって第１の糊剤の消費量を低減させることができ、具体的には、第１の糊剤塗布領域は概してローマ数字ＩＩの形状を画定する。

第２の糊剤が存在する場合には、第１の糊剤は上述したように塗布されてもよく、チャネルの間に塗布される第２の糊剤は、例えば、スロットコーターなどの接触型アプリケータによって、連続的パターンで塗布されてもよい。

吸収性コア及びそのチャネルの外郭線が点線で示され、読み易さのために物品の残部が省略されている、本発明による糊剤分布を有するバックシートを示す図である。 吸収性コア及びそのチャネルの外郭線が点線で示され、チャネルの間に第２の糊剤のストリップを有し、読み易さのために物品の残部が省略されている、本発明による糊剤分布を有するバックシートを示す図である。 図１ｂのバックシートを含む、吸収性物品の主要構成要素のうちのいくつかの概略分解図である。 図２の吸収性物品の、物品中心部の概略断面図である。 図２の吸収性物品の、物品前縁部に向かっての概略断面図である。 代替的なコア−バックシート糊剤分布を示す図である。 別の代替的なコア−バックシート糊剤分布を示す図である。 別の代替的なコア−バックシート糊剤分布を示す図である。 別の代替的なコア−バックシート糊剤分布を示す図である。 例示的な吸収性コアの単独での上側面図である。 図９のコアの横方向断面図である。 コア−バックシート糊剤分布を適用するためのプロセスの概略図である。 糊剤を塗布するために用いられ得る３つの異なるアプリケータの概略図である。 糊剤を塗布するために用いられ得る３つの異なるアプリケータの概略図である。 糊剤を塗布するために用いられ得る３つの異なるアプリケータの概略図である。 ３つの異なる非連続的な糊剤塗布パターンを示す図である。 ３つの異なる非連続的な糊剤塗布パターンを示す図である。 ３つの異なる非連続的な糊剤塗布パターンを示す図である。 フィルムのスポット接合部が形成された、バックシートのひだ又は折り目を示す図である。 吸収性コアの外郭線を有し、読み易さのために物品の残部が省略されている、本発明による糊剤分布を有するバックシートを示す図である。

序論
本明細書で使用するところの「含む、備える（comprise(s)、comprising）」なる用語は、無制限である。それぞれは、その語の後に記載される要素（例えば構成部材）の存在を特定するものであるが、他の要素、例えば、当該技術分野において既知であるか、又は本明細書に開示される要素、工程、構成部材の存在を除外するものではない。動詞「含む（comprise）」に基づくこれらの用語は、特徴がその機能を実施する方法に著しく影響を及ぼす、言及されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する、より狭義の用語「から本質的になる（consisting essentially of）」、及び明記されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する用語「からなる（consisting of）」を包含すると解釈されるべきである。以下に記載する好ましい又は例示的な実施形態はいずれも、特許請求の範囲を限定することが具体的に示されていない限り、特許請求の範囲を限定しない。「典型的には」、「通常は」、「好ましくは」、「有利には」、「詳細には」などの語も、特許請求の範囲を限定することが具体的に示されていない限り、特許請求の範囲を限定することを目的としない特徴を修飾する。

別段の指定がない限り、説明文及び特許請求の範囲は、吸収性コア、及び使用前（すなわち乾燥しており、液体を含んでいない）の、少なくとも２４時間、２１℃±２℃かつ相対湿度（ＲＨ）５０±２０％で状態調整された物品を指す。

ここで、図に記載した実施形態を参照しながら本発明を更に説明する。考察を容易にするために、吸収性物品及びその構成要素を、これらの図に示される数字を参照しながら説明する。しかしながら、これらの例示的実施形態及び数字は、具体的に指示がない限り、特許請求の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。本明細書に開示されている寸法及び値は、記載される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものとする。

「坪量」という用語が糊剤塗布に関連して使用される場合、これは単位面積に存在する糊剤の量を示し、概して（異なるように規定されない限り）糊剤が塗布された領域のみ（物品の全領域ではない）を基準とする。

図１ａ及び図１ｂの概説
図１ａは、本発明で使用可能な例示的なコア−バックシート糊剤接着分布を示す。「糊剤分布」なる用語は、糊剤塗布領域の組み合わせを意味し、糊剤塗布領域内に糊剤が塗布されるパターンである「糊剤塗布パターン」と混同してはならない。読み易さのために、バックシート２６は連続的な線分として表し、吸収性コア２８及びチャネル２６ａ、２６ｂの輪郭は破線で表し、トップシートなどの物品のその他の層は示していない。示される物品は、物品の衣類に面する側の前側ウエスト上で、いわゆるランディングゾーン（図示せず）に貼り付けられ得る解放可能なテープ４２を備えた後側耳部４０を含む、いわゆるテープ付きおむつである。示される物品はまた、ユーザーの前側ウエストに沿っておむつのより良好な被覆をもたらす前耳部４６を更に含む。当然ながら、同じコア−バックシート糊剤接着分布を、予め封着された側縁部を有するいわゆるパンツ型おむつ、コアがチャネルを有しないおむつで用いることも可能であり、図１ｂに示す物品によって例示されるような第２の糊剤パターンと組み合わせることも可能である。本物品のいくつかの追加層及び追加構成要素を図２に示し、これらについては以下でより詳細に説明する。

吸収性物品２０は、前縁部１０、後縁部１２、及び２つの長手方向に延在する側（横）縁部１３、１４を含む。前縁部１０は、着用時に使用者の前方に向かって置かれるように意図された、物品の縁部であり、後縁部１２はその反対側の縁部である。吸収性物品は、コアを長手方向（ｙ）及び横断方向（ｘ）によって形成される平面で見た場合、物品の前縁部から後縁部まで延在し、この軸線に対して物品を２つのほぼ対称な半部分に分割する長手方向軸線８０によって、また、物品を横断方向に沿って２つの半部分に分割する横断方向軸線９０によって、概念的（すなわち仮想的に）分割される。長手方向は物品の長さに沿って延在し、横断方向は長手方向に対して垂直である。

説明を容易にするために、例示的な吸収性物品は、横断方向及び長手方向に延在する平らな状態で示されている。物品の特定の部品に伸縮性要素によって張力が作用している場合、物品は典型的に、物品の外周に沿ってクランプを使用して平らにするか、かつ／又は粘着表面を使用して、トップシート及びバックシートをピンと引っ張ってほぼ平らにすることができる。トレーニングパンツのような閉じた物品は、平らな表面に適用することができるようにサイドシームに沿って切り開くことができる。特に断らない限り、本明細書に開示される寸法及び領域はこの平らに広げられた形態の物品に適用される。物品は、軸８０に沿って後縁部から前縁部まで測定した長さＬ’’を有する。

図に示すように、バックシート２６は略長方形であり得る。より狭いウエストを有して砂時計形状を形成するように形状決めされたバックシートも既知である。続いて、バックシートが前耳部及び後側耳部を形成し、これにより、これらの構成要素のための追加的な材料の必要性が排除され得る。しかしながら、この構造は、例えば、材料を切り抜く必要があるために廃棄物が生じ、また後側耳部を伸縮性にするのがより困難になるなどの他の欠点を有する。

この例示的な吸収性物品の吸収性コア２８は、図１ａ及び図１ｂに破線で示され、図９に分離して示されている、チャネル２６ａ、２６ｂ（前述のように任意の特徴部である）を含む。チャネル２６ａ、２６ｂは、存在する場合、概して長手方向に延在しており、長手方向軸線に対して互いに鏡像であり得る。図１ａ及び図１ｂに示すように、チャネルは湾曲していてもよいが、チャネルは真っ直ぐであってもよく、具体的には真っ直ぐでかつ長手方向に配向されていてもよい。コアをバックシートに取り付けるのと同じ糊剤接着方法を、吸収性コアにチャネルを有しない吸収性物品にも明らかに適用することができる。次の項でコア−バックシート糊剤接着分布について詳細に説明する。

第１の糊剤塗布領域１１０
この第１の糊剤塗布領域は、主に、着用中に充填されたコアの構造的支持を提供して、吸収性コアが潰れるのを防止するために必要である。第１の糊剤塗布領域は、少なくとも部分的にチャネル２６ａとチャネル２６ｂとの間の領域の外側にあり、具体的には、第１の糊剤はチャネルの間の領域内に全く存在しなくてもよい。第２の糊剤１００が存在する場合、第１の糊剤１１０は第１の糊剤１００と異なる塗布領域を有し得る。これによって、第１の糊剤領域とは異なる特性を第２の糊剤領域に提供することが可能となる。上述したように、第２の糊剤は全く任意であり、図１ａの実施例によって示されるように除外されてもよい。存在する場合、図１ｂに示すように、第２の糊剤は塗布領域１００を有する。第２の糊剤は、より高い坪量の糊剤を比較的狭い領域上に正確に堆積させる必要があり得る。第１の糊剤塗布領域１１０は相対的に大きな領域を占め、第２の糊剤塗布領域（存在する場合）の数倍の大きさである。コアとバックシートとの間に広い取り付け面積を提供することにより、第１の糊剤は、乾燥している又は充填されているときのコアを、物品のシャーシ内で確実に全体的に安定させる。

第１の糊剤は、有利には、用途内で、低い坪量で塗布され得る。例えば、第１の糊剤は、０．５〜９ｇｓｍ（平方メートル毎グラム）、とりわけ２〜４ｇｓｍの坪量で塗布領域内に塗布され得る。

乾いた及び湿潤したコアの安定性を最大限にするために、第１の糊剤領域１１０の様々な設計が考えられる。第１の糊剤領域は、図１ａ及び図１ｂ、図５〜図７、並びに図１３に示すように一体的であってもよいが、例えば２つの長手方向に延在する別個の部分１１１３、１１１４を有して図８に示されているように、第１の糊剤領域が互いに分離した別個の巨視的な下位領域又は部分を含むことを排除するものではない。

第１の糊剤領域は、有利には、コアの全長にわたり、更にはバックシートの全長に沿って、少なくとも部分的に延在してもよい。これら長手方向に延在する部分を、図中では参照番号１１１３、１１１４で示す。これによって、コアの全長にわたるバックシートとの取り付けが提供される。第１の糊剤領域がコアの前縁部（１０）及び後縁部（１２）を越えて長手方向に延在する場合、更にコアの前縁部及び後縁部を越えた領域においてもトップシートをバックシートに取り付けることができる。第１の糊剤塗布領域１１０は、前部１１１０及び後部１１１２を更に含んでもよく、これらは横断方向に比較的広く、具体的にはコア及びバックシートの前縁部１０及び後縁部１２の全体に重なり合うか又は覆って、こうした領域１１１０、１１１２におけるコアのより強固な取り付けを提供する。これらの横断方向に延在する下位領域によって、吸収性コアが層間剥離をより被りやすい自由角部を有さないことが実現され得る。要約すると、全体としての第１の糊剤領域は、図１ａ、図１ｂ、及び図１３に示すように、上方から見たときに概してローマ数字ＩＩの形状を有し得るが、その他の形状も可能である（例えば図６及び図８を参照されたい）。

上述したように、チャネルが吸収性コアに存在する場合、第１のチャネル及び第２のチャネルは、第１又は第２の糊剤によって、ないしは別の方法で、少なくとも部分的にバックシートに取り付けられていない。チャネルは、有利には、第１及び第２の糊剤によって、ないしは別の方法で、バックシートに実質的に取り付けられていなくてもよい。「実質的に取り付けられていない」とは、各チャネルの表面の２５％未満しかバックシートに取り付けられていないことを意味する。例えば、図１ａ及び図１ｂに示すように、チャネルの端部のみが第１の糊剤によって取り付けられてもよい。

第１及び第２の糊剤は、同じ組成を有しても異なる組成を有してもよいが、第１の糊剤塗布パターンは第２の糊剤塗布パターンと異なる。第１の糊剤塗布パターンは、具体的には非連続的であり得る。非連続的とは、第２の糊剤が塗布領域上（あるいはいくつかの下位領域が存在する場合は各下位領域上）に連続層を形成しないことを意味する。第１の糊剤塗布パターンは、例えば、糊剤フィラメント（又は繊維）の間に糊剤で覆われていない比較的広い面積を有するある程度規則的なウェブを形成する、フィラメント、繊維などを含み得る。これらのパターンの例は、例えば図１２ａ〜図１２ｃに例示される（それぞれ螺旋、小型の渦、及び不規則なパターン）。

第１の糊剤の塗布パターンは、典型的には、用いられる塗布装置によって決定される。糊剤吹き付け法などの非接触型塗布方法が有利である。非接触法は、糊剤材料の経済的な利用のために比較的広い面積を被覆することを可能にする。ＮｏｒｄｓｏｎによるＮｏｎｗｏｖｅｎｓの掲載記事は、おむつの構成要素を接着剤を用いて糊接着するための、当該技術分野において既知である通常の非接触型糊剤アプリケータの良好な概要を提供する。この文献はＮｏｒｄｓｏｎのウエブサイト上で入手可能であり、ウェブアドレスは次の通りである。ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｎｏｒｄｓｏｎ．ｃｏｍ／ｅｎ−ｕｓ／ｄｉｖｉｓｉｏｎｓ／ａｄｈｅｓｉｖｅ−ｄｉｓｐｅｎｓｉｎｇ／Ｌｉｔｅｒａｔｕｒｅ／Ｗｈｉｔｅ Ｐａｐｅｒ／ＨｏｌｄｉｎｇＩｔＴｏｇｅｔｈｅｒＢｙｌｉｎｅｆｒｏｍＮｏｎｗｏｖｅｎｓＲｅｐｏｒｔ．ｐｄｆ。

第１の糊剤塗布パターンは、具体的には、大型の渦（「螺旋状」糊剤パターンとも称され、図１２ａに示す）、小型の渦（図１２ｂに示す）、又は不規則な繊維性糊剤パターン（図１２ｃに示す）を吹き付ける複数のスプレーノズルを含み得る。バックシートとコアとの間に第１及び第２の糊剤を塗布するプロセスを示す図１１を参照して、様々な塗布装置を以下に更に例示する。

一般的に、第１の糊剤が糊剤フィラメントを含む非連続的パターン（例えば渦、小型の渦、又は不規則に配置された繊維など）で塗布される場合、各糊剤フィラメントの幅は、０．０５〜０．３ｍｍ幅、とりわけ０．１０〜０．２０ｍｍ幅を有するのが好ましい。

第１の糊剤塗布領域内の第１の糊剤の坪量は、０．５〜９ｇｓｍ（平方メートル毎グラム）、とりわけ２〜４ｇｓｍであり得る。

第１の糊剤塗布領域内のコア−バックシート剥離強度は、０．３〜４Ｎ／ｃｍ、又はとりわけ０．５〜２Ｎ／ｃｍとなり得る。

第２の糊剤塗布領域１００
図１ｂは、コアチャネルと、２つの異なる糊剤、すなわち、第１の糊剤塗布領域１１０（本明細書では「第１の糊剤領域」と略される）上の第１の糊剤、及び第２の糊剤塗布領域１００（本明細書では「第２の糊剤領域」と略される）上に塗布される第２の糊剤を有する、例示的な吸収性物品のコア−バックシート糊剤接着分布を示す。

チャネルが存在する場合、第２の糊剤領域１００は、少なくとも部分的にチャネル２６ａとチャネル２６ｂとの間に存在してもよい。チャネルが存在しない場合、吸収性コアの中心に長手方向に沿って塗布されるのが好ましい。チャネルと第２の糊剤領域との間にいくらかの重なりが存在する場合があるが、第２の糊剤領域とチャネルとが重なり合わないことが有利であり得る。使用中、チャネル周囲の吸収性材料が流体を吸収して膨潤する場合があり、チャネルはより三次元化する。第２の糊剤領域がチャネルと重なり合う場合、これらのより顕著となった三次元チャネルの形成にバックシートが追随するリスクが存在する。これによって、バックシート内に応力が作り出されて、バックシート内の断裂がもたらされる場合がある。このため、第２の糊剤領域の幅は、チャネル領域２６ａ、ｂを隔てる最小距離以下であるのが有利であり得る。第２の糊剤領域１００は、例えば図に表されるスロットコーティングされた糊剤のストライプ１００として、物品の長手方向軸線８０と概ね整列していてもよく、かつ重なり合ってもよい。

第２の糊剤領域の寸法は、概して変化してもよく、また、考慮される物品の種類、並びにチャネルの寸法に依存してもよい。チャネルは、概して横断方向よりも長手方向に延在し得る。このため、第２の糊剤領域も、長手方向により長く延在し得る。例えば、第２の糊剤領域はその幅と比較して少なくとも３倍、又は少なくとも５倍長い長さを有し得る（それぞれｙ軸及びｘ軸上に投影した場合）。第２の糊剤領域１００の長さは、例えばチャネル２６ａ、ｂの長さＬ’の１０％〜５００％の範囲であり得、例えばおむつの場合は５ｃｍ〜３０ｃｍであり得る。第２の糊剤領域の幅もまた変化してよく、例えばおむつの場合は０．５ｍｍ〜１０ｍｍであり得る。

図示していないが、第２の糊剤領域が、互いに離隔された複数の巨視的な下位領域を含み得ることも除外するものではない。例えば、第２の糊剤を断続的に塗布して、断続的な路面標識に似た、長手方向に位置合わせされた一連の後続ストライプを提供する場合もあり得る。特に第２の糊剤が顔料を含んでいるため第２の糊剤領域が物品の衣類に面する面上のバックシートを通して可視であるような場合に、小型の人物像又は玩具などの娯楽的な形状を含む多様な形状を有する下位領域を有して第２の糊剤を印刷することもまた可能である。より一般的には、糊剤のうちの１つ、特に第２の糊剤が、顔料又はその他の着色物質を含み、その結果、糊剤がバックシートを通して可視であってもよい。また、第２の糊剤は、顔料又は別の着色物質を含まず、その結果、第２の糊剤がバックシートを通して特に可視でなくてもよい。第２の糊剤は、複数の（２つ以上の）長手方向に平行に延在するストライプとして塗布されてもよい。こうした他の実施例では、上記で示した第１の領域の寸法は、１つの全体として取られた下位領域及びこれらの下位領域間の間隙に当てはまる。

第２の糊剤は、第２の糊剤塗布領域１００内に第２の糊剤塗布パターンを有する。塗布パターンは、第２の糊剤を基材に塗布するのに用いられる方法に応じて変化する。第２の糊剤は、具体的には連続的に塗布されてもよく、これはつまり、糊剤が糊剤塗布領域内に二次元連続層を形成することを意味する。第２の糊剤は、典型的には、アプリケータが糊剤を基材上面に直接塗布する接触法によって塗布され得る。糊剤を直接塗布する利点及び実施例は、上記のＮｏｒｄｓｏｎ社による出版物に掲載されている。

ノズルと基材との間には距離が全く存在しないか又はわずかな距離しか存在しないため、接触堆積法によって接着剤塗布をより良好に制御することができる。典型的な接触型アプリケータはスロットコーターである。スロットコーティングでは、接着剤は薄く幅広い通路を通ってアプリケータから出る（図１１ａを参照のこと）。別の周知の接触塗布技術は糊剤印刷法である。これらの接触法については、下記のプロセスの項で説明する。

接触法を用いることで、典型的には正確な第２の糊剤塗布領域１００を提供する利点をもたらすことができる。これは、特にチャネルが互いに最も近接する位置で湾曲している場合、チャネル間の距離が比較的小さくなり得るため、有利となり得る。チャネルの領域内に糊剤が全く存在しないか又は限られた量しか存在しないことが有利となり得るため、接触法は、接着剤吹き付け法などの非接触法と比較して塗布がより精密であるという利点を有する。接触法はまた、糊剤を塗布領域内に連続的に塗布することも可能にする。これは表面単位当たりより高い坪量の糊剤取り付けを提供することができ、第２の糊剤領域は典型的には第１の糊剤領域よりも小さいため、これは有利であり得る。一般に、第２の糊剤領域は、チャネルによってその側縁部に限定される。

第２の糊剤は、５〜１００ｇｓｍ、とりわけ１０〜５０ｇｓｍの坪量で塗布され得る。

代替的な設計（図５〜図８）
図１ｂは、ローマ数字のＩＩの輪郭と概して相似している、チャネルと第１の糊剤塗布領域との間にストライプの形態の第２の糊剤塗布領域を有するコア−バックシート糊剤接着分布を開示する。当然ながら代替的な糊剤接着領域分布も可能であり、そのうちのいくつかを図５〜図８に開示する。例えば、図５は、第２の糊剤領域の糊剤のストライプが図１よりも長く、その末端部が第１の糊剤領域と重なり合っている、代替的な糊剤分布を示す。図６は、第１の糊剤領域の前部１１１０及び後部１１１２が一体的ではなく、別個の中央下位領域を含む、別の代替的な設計を示す。この設計によって、吸収性コアの４つの角部全てをバックシートに糊剤接着する利点を依然として提供しつつも、第１の糊剤の使用量を減少させることが可能になる。

吸収性コアの長手方向に延在する部分１１１３、１１１４は、図１ａ及び図１ｂに示すように、典型的にはコアの長手方向側縁部２８４、２８６の内側に存在し得るが、これらの部分１１１３、１１１４が、図７に示すように、コアの側縁部２８４、２８６と重なり合うことを除外するものではない。

図８に示す簡略化設計では、第１の糊剤領域は、コア及びバックシートの全長に沿って延在する２つの別個の部分１１１３、１１１４のみから構成され得る。これらの部分はコアの側縁部の内側に配置されてもよく（図８に示すように）、あるいは横断方向に更に外側に配置されて、コアの側縁部の全長に沿って、コアの４つの角部を含むコアの側縁部を被覆してもよい（図示せず）。

コアチャネルを有しない吸収性物品では、図１３の実施例に示すように、第２の糊剤は存在しない場合があり、第１の糊剤だけが存在する場合があることに留意されたい。加えて、第１及び第２の糊剤塗布領域は、チャネル２６ａと２６ｂとの間で、又はチャネルの非存在下で、完全に又は部分的に重なり合ってもよいが、第１及び第２の糊剤の塗布領域は重なり合わないのが好ましい。

広くは、上で説明したように、第２の糊剤の存在は有利な特徴であるが、必須の特徴ではない。したがって、コアチャネルを有し又は有さず、かつ、「第１の糊剤」のみを特徴とする、つまり別の言い方をすると単一の糊剤を特徴とする吸収性物品は、本発明の範囲内である。

単一の糊剤を特徴とする例示的な物品は、図１ａ及び図１３に示されている。

第１の糊剤及び第２の糊剤を塗布するプロセス
第１の糊剤及び第２の糊剤は、図１１に概略的に示すように塗布してもよいが、当然ながらその他のプロセス及びその変形を用いてもよい。吸収性物品の残部を製造及び組み立てるプロセスは、当該技術分野において既知の任意のプロセスに従ってもよく、本明細書ではこれ以上説明しない。図１１の例示的なプロセスは、第１の連続的ウェブ供給２６として、図の左側から来て、２つの糊剤アプリケータを連続的に通過するバックシートを示す。第２の糊剤アプリケータ１０２は、第２の糊剤を第２の糊剤塗布領域１００上に塗布する。上述したように、この第２の糊剤アプリケータは、有利には、接触型糊剤アプリケータ、具体的には、簡単さ及びコストを目的として、スロットコーター１０２であり、これを通してスロット糊剤がバックシート上に直接塗布されるスロットコーティングノズル１０４（図１１ａ）を含む。スロットコーティングでは、接着剤は薄く幅広い通路、すなわちノズルを通ってアプリケータを出て、ノズルが接着剤を基材上面に直接積層する。糊剤のストライプは、用途の必要性に応じて幅及びパターンが変化してもよい。

例えば米国特許出願公開第２０１１／０２７４８３４号（Ｂｒｏｗｎ）に開示されるもののような、その他の接触法が存在する。本文献は、所定のパターンで接着剤などの粘性流体を前進する基材に塗布するための方法及び装置を開示する。液体塗布装置は、スロットダイアプリケータ及び基材キャリアを含んでもよい。基材キャリアは１つ又は２つ以上のパターン要素を含んでもよく、スロットダイアプリケータが基材上に接着剤を放出すると同時に、基材を前進させてスロットダイアプリケータを通過させるように構成してもよい。動作時、基材は基材キャリア上に配置される。基材キャリアが基材を前進させて、スロットダイアプリケータのスロット開口部を通過させる。次に、基材は断続的にスロットダイアプリケータとパターン要素のパターン表面との間で断続的に加圧される。基材が断続的に加圧される際、スロットダイアプリケータから放出された接着剤は、パターン表面により画定された形状とほぼ同一の形状を有する領域の基材に塗布される。米国特許出願公開第２００８／２２１５４３号（Ｗｉｌｋｅｓ）は、グラフィックとして用いられ得る着色ホットメルト接着剤を塗布するための別の接触法を開示している。米国特許第６，０３３，５１３号（Ｎａｋａｍｕｒａ）は、ホットメルト接着剤のための改善されたロールトランスファーコーティング法、及びいくつかの従来技術のロールトランスファープロセスを開示しており、その全てが本明細書でも用いられ得る。

第２の糊剤塗布の直後、第１の糊剤アプリケータ１１２が、第１の糊剤塗布パターンに従って、所望の第１の糊剤塗布領域１１０上に第１の糊剤を塗布する。第１の糊剤アプリケータは、具体的には非接触型アプリケータであり得る。第１の糊剤アプリケータ１１２は、図１１ｂ及び図１１ｃに表される通り、並列に設置された複数のノズル１１４ｂ、１１４ｃを含み得る。記載された実施例では、第２のアプリケータ１１２は６つのノズルを含み、これらは独立して制御され、かつオン・オフされて、図１ａ、図１ｂ、図５、図７、及び図１３のローマ数字ＩＩなどの所望の第１の糊剤領域を形成することが可能である。別の実施例では、第２のアプリケータ装置はそのようなノズルを５つ有し、第３のノズルは間隙によって隣接する２つのノズルから離隔されていて、図６に示す第１の糊剤塗布領域を提供することができる。別の実施例では、第２のアプリケータ１０２は、例えば、長手方向軸線の両側にノズルを２つだけ有して、図８に示す第１の糊剤塗布領域を提供することができる。

第１の糊剤アプリケータの個々のスプレーノズルは、当該技術分野において既知の任意のタイプのものであってよい。第１のアプリケータの実施例１１２ｂでは、ノズルは、例えばＮｏｒｄｓｏｎから商品名「ＣＦ ａｐｐｌｉｃａｔｏｒ」で入手可能なものであってもよい。これらのノズルはそれぞれ、各ノズル１１４ｂから図１２ａに示すような単一の大きな渦（螺旋とも称する）を供給する。かかる大型の螺旋の幅は、例えば１０ｍｍ〜３０ｍｍの範囲であり得る。６つのこうしたノズル１１４ｂが並列で設置された場合、ノズルのうちの一部（例えばノズル１、３、４、及び６）を断続的にオン・オフして、２つのノズル（２及び５）は絶えずオンにしておくことによって、バックシートのウェブ供給などの基材上にローマ字のＩＩのパターンを繰り返し塗布することができる。複数のノズルを並列に配置するという同じ原理を用いて、他のアプリケータでも所望のパターンを塗布することができる。第１の糊剤は、具体的には、例えば、Ｎｏｒｄｓｏｎから商品名「サミット」で入手可能な、複数のいわゆる小型渦巻ノズルを備えたいくつかのノズルのユニット１１４ｃを備えるアプリケータ１１４ｃによって塗布することができる。これらのノズルユニット１１４ｃのそれぞれが、ノズル１１４ｃに関して表されるような、共に合わせて接着剤の小型の渦（図１２ｂで示される通りの）をいくつか分配する、複数の、具体的には３つのサブノズルを有する。各ユニットは、上記で１つの大型の渦／螺旋パターンに関して示したものと同じ幅を共に有する、複数の渦を塗布し得る。更に、これらのノズルユニットを独立してオン・オフして、所望の被覆領域及び糊剤パターンを提供することができる。小型の渦は、大型の渦／螺旋よりも高速で使用することができ、スロット塗布ほどに精密ではないものの、糊剤パターンの境界のより良好なパターンエッジ仕上がり度を有することができる。大型及び小型の渦は、巨視的には、線状で長手方向に整列された境界を画定しているように見え得るが、このパターンは、ループの頂点の間に間隙を作り、製造が減速している間に形成されたバックシート上のひだ又は折り目がそこに接合して「スポット接合部」２２０を形成する場合がある（図１２ｄの図を参照のこと）。これらのスポット接合部２２０は、適用又は使用中に製品を開いて伸ばしたときに、バックシート上に裂け目又はスリットを形成し得る。リニアメータ当たりのループ数を増加させることによって、又は渦若しくは螺旋状の糊剤パターンを重なり合わせることによって、糊剤パターンの良好な境界エッジ仕上がり度を得ることが可能であるので、ループの最も外側の領域への応力の集中が緩和し、スポット接合部が減少する。

当然ながら、例えば、Ｎｏｒｄｓｏｎから「Ｓｉｇｎａｔｕｒｅ」スプレーノズルの商品名で供給されるものなどの、ランダムな糊剤パターンを吹き付けるノズルといった、任意の他の既知の種類の吹き付けノズルを用いてもよい。こうしたノズルは、複数の接合点に起因して各個別の糊剤繊維の剥離力は比較的低いが、せん断力は高い、繊維形状の糊剤の不規則なパターンを作り出すことができる。ランダムに吹き付けたにもかかわらず、ウェブが高速で移動していることから接着剤フィラメントは概ね長手方向に整列しているように見え（図１２ｃの図を参照されたい）、糊剤パターンの境界に沿って応力をより良好に分布させ、かつ糊剤フィラメントの間隙の間のフィルムのスポット接合を防止することができる。スプレーノズルと共に空気流を用いて、糊剤フィラメントを方向付けするか、又は分散させてもよい。

更に、第１の糊剤塗布領域は、有利には、吸収性コアの前後方向に延在して、例えばバックシートとトップシートとの糊剤接着領域を拡張し得る。コアの前縁部及び後縁部を比較的広範に被覆し得る前糊剤部分１１１０及び後糊剤部分１１１２は、第１の糊剤の被覆量がより少ない中間領域によって離隔され得る。断続的に機能するノズル（本実施例では１、３、４、及び６番）を、領域１１１０、１１１２の間の中間領域ではオフにしてもよい。これにより、材料の節約のみならず、本中間領域でコアがバックシートに対してより自由に運動することが可能となる。各個別のコア−バックシート糊剤接着分布に関しては、断続的に機能するノズルはスイッチを１回だけオン・オフすればよい。例えば、間欠ノズルのスイッチをオンにしてより大きな後部の第１の糊剤部分１１１２を形成し、オンのまま維持して続く糊剤接着分布の前部のより大きな第１の糊剤部分１１１０を形成した後、この続く糊剤接着分布の中間中部領域（intermediate middle region）のためにスイッチをオフにする。

示したように、特に、第２の糊剤を接触型アプリケータで塗布し、第１の糊剤を非接触型アプリケータで塗布する場合は、第１の糊剤の前に第２の糊剤を塗布することが有利となり得る。さもなければ、第２の糊剤の接触型アプリケータが第１の糊剤によって汚されるリスクが存在する場合がある。同様に、バックシートは、典型的により取り扱いが容易な材料の連続ウェブであり、２つの連続するコア−バックシート糊剤接着分布上に第１の糊剤の連続的な塗布を提供し得るため、第１及び第１の糊剤を吸収性コアではなくバックシート上に塗布することが有利である場合がある。

糊剤を塗布した後、次に、図のように右側から来る吸収性コアの供給が、バックシートの糊剤塗布パターンと同期され、そうすることで、バックシート及び吸収性コアをいくらかの圧力を加えて向かい合わせで接触させたときに、これらは第１の糊剤によって、及び、存在する場合、第２の糊剤によって取り付けられる。吸収性コアの供給は、物品の構成要素となり得る連続的な基材上で支持することができる。吸収性コアを支持する基材は、具体的には、ライン上で予め組み立てられた物品の残りの構成要素であってもよく、これらの構成要素のうちトップシート２４が最も大きく、その他の構成要素はこの上で組み立てられる。続いて物品を、例えばダイカッティングによって個別化する。当然ながら、その他の糊剤、又は長手方向縁部１３、１４のそれぞれのシャーシ側部スロットなどの取り付け手段を加えて、最終物品のバックシートとトップシート及び／又はバリアレッグカフとの間に長手方向の封止を形成してもよい。これらの追加的な糊剤又はその他の取り付け手段は、分かりやすくするため図に表していないが、任意の従来型吸収性物品から既知であり得る。

第１の糊剤及び第２の糊剤の組成
第１の糊剤及び第２の糊剤は、当該技術分野において既知であり、かつ所望の塗布パターンに従って塗布するのに好適な、任意の種類の糊剤であってよい。第１の糊剤及び第２の糊剤の組成は、同一であっても異なっていてもよい。具体的に、吸収性物品の製造分野で用いられる任意の種類の熱可塑性ホットメルト接着剤が好適であり得る。そのような接着剤は一般に、凝集力をもたらすための１又は２種類以上のポリマー（例えば、エチレンプロピレンコポリマー、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、及びこれらの組み合わせなどの脂肪族ポリオレフィン、エチレンビニルアセテートコポリマー、スチレンブタジエン若しくはスチレンイソプレンブロックコポリマー、など）、接着強度をもたらすための樹脂若しくはその類似材料（粘着付与剤と呼ばれることもある）（例えば、石油蒸留物から蒸留された炭化水素、ロジン及び／若しくはロジンエステル、例えば、木材若しくは柑橘類に由来するテルペンなど）、並びに粘度を改変するための任意選択の蝋、可塑剤若しくは他の材料（例えば、鉱物油、ポリブテン、パラフィン油、エステル油など）、及び／又は酸化防止剤若しくは他の安定剤を含むがこれらに限定されない他の添加剤を含む。ホットメルト接着剤の化学的性質に関する更なる情報は、吸収性コアで用いられ得る繊維性熱可塑性接着剤層に関連して下記で論じる。

第１及び／又は第２の糊剤のための例示的な好適な市販の接着剤は、Ｆｕｌｌｅｒから参照番号１２８６又は１３５８で入手可能であり、又はＮａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ ＆ Ｃｈｅｍｉｃａｌから参照番号ＤＭ ５２６、ＤＭ５３８、又はＤＭ３８００で入手可能である。

第１の糊剤は、例えば、リニアメータ当たり５０〜３００ループ、とりわけ１メートル当たり８０〜１５０ループを供給するスワールアプリケータを使用して塗布されてもよい。

充填された吸収性物品は、典型的には１００〜２１０ｇの重量を有するが、５００ｇ以上もの重さになる場合がある。着用中に吸収性コアのこの重量を支持するために、３〜２０Ｎ／ｃｍ、とりわけ５〜１０Ｎ／ｃｍの範囲のコア−バックシート積層せん断強度を有するのが望ましい。

吸収性コア２８の概説
本明細書で使用する「吸収性コア」なる用語は、コアラップ内に封入された吸収性材料を含む吸収性物品の構成要素を指す。本明細書で使用する「吸収性コア」なる用語には、トップシート、バックシート、及び（存在する場合）吸収性コアの一体部分ではなく、具体的にはコアラップ内に配置されていない捕捉分配層又は多層システムは含まれない。吸収性コアは、典型的には、吸収性物品の全ての構成要素のうちで最も高い吸収能力を有し、超吸収性ポリマー（ＳＡＰ）の全体又は少なくとも大部分を含む吸収性物品の構成要素である。コアは、コアラップ、吸収性物品、及び接着剤から本質的になるか、又はそれらからなってよい。「吸収性コア」及び「コア」なる用語は、本明細書では互換可能に用いられる。

本発明で用いられ得る例示的なコア２８を図９〜図１０に示す。吸収性コアは、典型的には、図９に示すように表面に平らに置かれ得る。吸収性コアは、また、その製造プロセスの間に例えばドラムなどの平らでない表面上に置くか、又は吸収性物品に変換される前に貯蔵材料の連続的ロールとして保管することもできるように、典型的には薄く形状適合性であってもよい。説明の簡略化のため、図９の例示的な吸収性コアは、平らな状態で横断方向及び長手方向に延在するように表してある。特に断らない限り、本明細書に開示される寸法及び面積は、この平らに広げられた形態のコアに適用される。これは、コアが一体化した吸収性物品に対しても同様である。

吸収性コアは、典型的に、吸収性材料を封入していないコアラップの領域を、具体的には、封止され得る前端部２８０及び後端部２８２を含んで縁部から縁部までを測定した場合に、横断方向に幅Ｗを、長手方向に長さＬを有する概ね長方形であってよい。コアが長方形でない場合には、横断方向及び長手方向に沿って測定した最大の寸法を用いてコアの長さ及び幅を報告することができる。コアの幅及び長さは目的とする用途に応じて異なり得る。乳児及び幼児用のおむつでは、コアの長手方向軸線８０’に沿って測定して、幅Ｌは、例えば、４０ｍｍ〜２００ｍｍ、長さは１００ｍｍ〜５００ｍｍの範囲であってよい。コアの長手方向軸線８０’は、物品の長手方向軸線８０と隣接し得る。物品は、液体透過性トップシート２４、液体不透過性バックシート２５、及びトップシートとバックシートとの間に位置決めされた吸収性コア２８を更に備える。

吸収性コアは、前縁部２８０、後縁部２８２、及び前縁部と後縁部とを連結する２つの長手方向に延在する側縁部２８４、２８６を含む。コアの前縁部は、吸収性物品の前縁部に向けて配置されるように意図されるコアの縁部である。典型的には、コアの吸収性材料６０は、より高い吸収性が物品の前半分に向かって典型的には求められることから、後縁部に向かうよりも前縁部に向かって、幾分より多くの量を有利に分配することができる典型的には、コアの前縁部２８０及び後縁部２８２は、コアの側縁部２８４、２８６よりも短くてよい。吸収性コアは上面２８８及び下面２９０も含み得る。コアの上面とは、物品のトップシート２４に向かって配置されるか又は配置されることを意図した面であり、下面とは完成した物品のバックシート２５に向かって配置されるか又は配置されることを意図した面である。コアラップの上面は、典型的には、下面よりも高い親水性を有している。

コアの横断方向軸線（本明細書では「股ライン」とも称する）は、長手方向軸線に対して垂直であり、コアの股ポイントＣを通過する仮想線として定義される。股ポイントＣは、Ｌを図９に示されるように前縁部２８０から後縁部２８２の方向に測定したコアの長さとして、吸収性コアの前縁部からＬの０．４５の距離に配置された吸収性コアの点として定義される。

以下で、可能なコア構成要素の例示的な説明を提供する。更なる詳細が、例えば、国際公開第２０１２／１７０７７８号（Ｒｏｓａｔｉら）、同第２０１４／９３３１１Ａ１号（Ａｒｉｚｔｉら）、同第２０１４／０９３３１０号（Ｅｈｒｎｓｐｅｒｇｅｒら）で説明されており、これらは、超吸収性ポリマー、任意でセルロース系材料、及び少なくとも一対の実質的に長手方向に延在するチャネルを含む吸収性構造体を開示している。

コアラップ１６、１６’
コアラップは、コアの上面を概して形成する第１の基材１６と、コアラップの下面を概して形成する第２の基材１６’と、を含み得る。図１０に示すように、第１及び第２の基材は、２つの異なる材料によって形成され得るが、例えば、コアラップが単一の材料から形成され、１つの単一の長手方向封止を備えるような、任意の他の既知のコアラップ構造体を用いてもよい。第１及び第２の基材は、糊剤接着ないしは別の方法で取り付けられて、コアの側縁部２８４、２８６のそれぞれに沿って少なくとも１つのＣラップ封止７２を形成し得る。第１及び第２の基材は、スパンボンド（「Ｓ」）又はメルトブローン（「Ｍ」）層を含む積層体などの不織布ウェブであり得る。例えば、スパンメルトされたポリプロピレン不織布が好適であり、具体的には、積層体ウェブのＳＭＳ、ＳＭＭＳ、又はＳＳＭＭＳ構造を有するもの、及び坪量が約５ｇｓｍ〜１５ｇｓｍの範囲であるものが好適である。好適な材料は、例えば、米国特許第７，７４４，５７６号、米国特許出願公開第２０１１／０２６８９３２ Ａ１号、同第２０１１／０３１９８４８ Ａ１号、及び同第２０１１／０２５０４１３ Ａ１号に開示される。底部基材１６’は、本来的に疎水性であるが空気透過性であってもよく、頂部基材１６は親水性（hydrophillically）処理されてもよい。コアラップの前縁部２８２及び後縁部２８０に沿って封止が存在してもよい。

補助糊剤層を、コアの少なくとも１つ、好ましくは２つの長手方向縁部に沿って、Ｃラップシール、及び任意で更なる繊維状接着剤ウェブ（図示せず）と組み合わせることで、乾燥状態及び湿潤状態における吸収性材料の不動化をもたらすことができる。吸収性コアは、一般に有利には、米国特許出願公開第２０１０／００５１１６６Ａ１号に記載の湿潤不動化試験（Wet Immobilization Test）に従って、約７０％、６０％、５０％、４０％、３０％、２０％、又は１０％以下のＳＡＰ損失率を実現することができる。

吸収性材料６０
コア中の吸収性材料は、コアラップ内に封入された超吸収性ポリマー（本明細書では「ＳＡＰ」と略す）を比較的高い割合で含み得る。ＳＡＰ含有量は、具体的には吸収性材料の少なくとも８５重量％、９０重量％、９５重量％、及び最大１００重量％の超吸収性ポリマーを示し得る。吸収性材料は、具体的には、吸収性材料の２０重量％未満、具体的には１０重量％未満、５重量％、又は更に０重量％のセルロース繊維など、セルロース繊維を含まないか、又は少量のみ含み得る。したがって、吸収性材料は有利にはＳＡＰからなるか又はＳＡＰから本質的になり得る。ＳＡＰは、典型的には、粒子形態（超吸収性ポリマー粒子）であってよいが、例えば、超吸収性ポリマー発泡体などの他の形態のＳＡＰを使用し得ることを除外しない。これにより、吸収性コアを、比較的薄い、具体的には、セルロース繊維を含む従来のコアよりも薄いものとすることができる。具体的には、本明細書に述べられるコア厚さ試験に従って股ポイント（Ｃ）又はコアの表面の他の任意の点で測定されるコアの厚さ（使用前）が、０．２５ｍｍ〜５．０ｍｍ、詳細には０．５ｍｍ〜４．０ｍｍであってよい。

本明細書で言及する用語「超吸収性ポリマー」とは、架橋ポリマーであり得、遠心保持容量（ＣＲＣ）試験（ＥＤＡＮＡ法ＷＳＰ ２４１．２−０５Ｅ）を用いて測定したときに、典型的には、それらの重量の少なくとも１０倍の０．９％生理食塩水溶液を吸収し得る、吸収性材料を指す。ＳＡＰは、具体的には、２０ｇ／ｇ超、若しくは２４ｇ／ｇ超、又は２０〜５０ｇ／ｇ、２０〜４０ｇ／ｇ、若しくは２４〜３０ｇ／ｇのＣＲＣ値を有し得る。超吸収性ポリマーの流体透過性は、欧州特許出願第２，６７９，２０９号で開示される試験で測定されるような、尿透過率測定試験（ＵＰＭ）値を用いて定量化され得る。ＳＡＰのＵＰＭは、例えば、少なくとも１０×１０^−７ｃｍ^３秒／ｇ、又は少なくとも３０×１０^−７ｃｍ^３秒／ｇ、又は少なくとも５０×１０^−７ｃｍ^３秒／ｇ、又はそれ以上、例えば、少なくとも８０又は１００×１０^−７ｃｍ^３秒／ｇであってもよい。

吸収性材料堆積領域８
吸収性材料６０は、コアの平面内で上から見た場合に吸収性材料の堆積領域８を画定する。吸収性材料の堆積領域８は、図９に示されるように吸収性コアの上面から見た場合に、コアラップ内部の吸収性材料６０からなる層の周辺部によって画定され、その内部に包まれたチャネル領域２６ａ、ｂを含む。吸収性材料の堆積領域８は、例えば、図９に示すように、略長方形であってよいが、「Ｔ字」若しくは「Ｙ字」又は「砂時計」若しくは「犬用の骨」形状など他の形状を使用することもできる。具体的には、堆積領域は、コアの股領域においてその幅に沿ったテーパを示してもよい。このように、吸収性材料の堆積領域は、吸収性物品の股領域内に配置されることが意図されたコアの領域において、比較的狭い幅を有し得る。これにより、例えば、より良好な着用快適性を与えることができる。

チャネル２６ａ、ｂ
吸収性コアは、１つ又は２つ以上のチャネル、典型的には少なくとも２つのチャネル２６ａ、ｂ（本明細書では「チャネル領域」とも称する）を含み得る。「チャネル」なる用語は、排泄された流体（insulting fluid）がチャネルに沿ってコアの前後に向けて迅速に分散され得るように、周囲領域より少ない吸収性材料を含む、コアの長手方向に延在する領域を指す。チャネルは、具体的には吸収性材料を実質的に含まなくてもよい。「実質的に含まない」とは、これらの区域のそれぞれで、吸収性材料の坪量が、コアの吸収性材料の堆積区域の残りの部分における吸収性材料の平均坪量の少なくとも２５％未満、具体的には２０％未満、１０％未満であることを意味する。具体的には、吸収性材料はこれらの領域２６ａ、ｂ内に存在しなくてもよい。製造プロセスの間に生じ得る吸収性材料の粒子による意図せざる汚染などの最小量は、吸収性材料とはみなされない。チャネル２６は、コアの平面を検討した場合、吸収性材料によって有利に包囲されているが、これは、領域２６が吸収性材料６０の堆積領域８の縁部のいずれにも延在しないことを意味する。

コアラップの最上層１６と最下層１６’とは、これらのチャネル２６ａ、ｂを介して互いに接合され得る。これらの領域における基材間の接合部２７は、基材のうちの少なくとも１つ内面に直接塗布された補助糊剤７１によって少なくとも部分的に形成され得るが、その他の接合方法も除外されない。この接合により、吸収性材料が尿などの液体を吸収して膨潤するときに、チャネル２６がより顕著な三次元チャネル２６’を形成することが可能となる。本発明によるチャネルの例が、例えば、国際公開第２０１２／１７０７７８号（Ｒｏｓａｔｉら）、同第２０１４／９３３１１Ａ１号（Ａｒｉｚｔｉら）、同第２０１４／０９３３１０号（Ｅｈｒｎｓｐｅｒｇｅｒら）で詳述されており、これらは、超吸収性ポリマー、任意でセルロース系材料、及び少なくとも一対の実質的に長手方向に延在するチャネルを含む吸収性構造体を開示している。

吸収性材料６０が液体を吸収して膨潤するとき、コアラップ接合部２７は、少なくとも当初はチャネル領域２６に取り付けられた状態を維持する。吸収性材料６０は、液体を吸収すると、コアラップがコアラップ接合部２７に沿って１つ又は２つ以上の顕著なチャネルを形成するように、コアの残りの部分で膨潤する。これらのチャネルは三次元的であり、排泄された流体をその長さに沿ってコアのより幅広の領域に分配する機能を有し得る。これらは、より速やかな流体捕捉速度及びコアの吸収能力のより効果的な利用を与えることができる。

図に示されている吸収性コア２８は、長手方向軸線８０’の両側に配置された第１及び第２のチャネル２６ａ、ｂを含む。コアが２つより多いチャネルを含み得ることは除外されない。例えば、国際公開第２０１２／１７０７７８号の図面に見られるように、吸収性材料を実質的に含まないより短いチャネル領域が、例えば、コアの後側領域又は前側領域に存在してもよい。

チャネルは実質的に長手方向に延在し得るが、これは典型的には、各領域が、（それぞれの軸上に投射した後に測定して）長手方向（ｙ）に横断方向（ｘ）と少なくとも同程度に延在し、典型的には、長手方向に横断方向の少なくとも２倍延在しているという意味である。チャネル２６は、吸収性コアの長さＬの少なくとも１０％、具体的には２０％〜８０％である、コアの長手方向軸線８０上に突出した長さＬ’を有し得る。チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿った幅Ｗｃが少なくとも２ｍｍ、又は少なくとも３ｍｍ、又は少なくとも４ｍｍ、最大で例えば２０ｍｍ、又は１６ｍｍ、又は１２ｍｍである、吸収性材料を実質的に含まない領域を有してもよい。幅Ｗｃは、そのほぼ全長にわたって一定であってもよく、又はチャネルの長さに沿って変化してもよい。

チャネル２６は、図に示すように湾曲していてもよいが、直線でかつ長手方向軸線に対して平行であってもよい。コアの長手方向軸線８０’と重なり合うチャネルが全く存在しないことが有利となり得る。一対のチャネル２６ａ、ｂとして存在する場合は、これらはその長手方向寸法全体にわたり互いに離間してもよい。最小の間隔は、例えば、少なくとも５ｍｍ、又は少なくとも１０ｍｍ、又は少なくとも１６ｍｍであってよい。

コアの製造プロセス
吸収性材料６０は、既知の技術を用いて基材１６、１６’のいずれに堆積させてもよい。具体的には、例えば米国特許出願公開第２００６／０２４４３３号（Ｂｌｅｓｓｉｎｇ）、同第２００８／０３１２６１７号、及び同第２０１０／００５１１６６Ａ１号（いずれもＨｕｎｄｏｒｆら）で開示される、比較的高速で比較的精密なＳＡＰの堆積を実現するＳＡＰ印刷技術が用いられ得る。この技術は、印刷ロールなどの転写装置を使用して、支持体のグリッド上に配置された基材上にＳＡＰを堆積するものであり、この支持体は、互いにほぼ平行に、かつ間隔を置いて延在する複数のクロスバーを含み得る。米国特許出願公開第２０１２／０３１２４９１号（Ｊａｃｋｅｌｓ）に例示的に開示されるように、吸収性材料を実質的に含まないチャネル領域２６は、選択された領域にＳＡＰが塗布されないように、例えば、グリッド及び受容ドラムのパターンを改変することによって形成することができる。この技術は、具体的には基材上へのＳＡＰの高速かつ精密な堆積を実現することで、吸収性材料によって包囲された、吸収性材料を実質的に含まない１つ又は２つ以上の領域２６を提供する。米国特許出願公開第２０１４／０２７０６６号（Ｊａｃｋｅｌｓ）は、チャネル領域を介してコア基材を接合するための、装置上の特定の隆起したストリップ及び嵌合ストリップを更に開示している。

吸収性材料は、堆積領域８内に実質的に連続して分配されてもよい。「実質的に連続して」とは、堆積領域の少なくとも５０％、又は少なくとも７０％〜最大で１００％が、コアの上面から見た場合に吸収性材料の連続した層を含むことを意味する。吸収性材料は、例えば、基材の１つに単一の連続層として適用することができ、これによりこの層は材料堆積領域８を直接形成する。米国特許出願公開第２００８／０３１２６２２Ａ１号（Ｈｕｎｄｏｒｆ）で例示的に教示されるように、吸収性材料、具体的にはＳＡＰの連続層はまた、一致する不連続的な吸収性材料の塗布パターンを有する２つの吸収性層を組み合わせることによっても得ることができ、結果として得られる層は、吸収性材料の堆積領域全体にわたって実質的に連続して分布する。

マイクロファイバー糊剤
吸収性コア２８はまた、コアの製造プロセス及び物品の使用中に吸収性材料６０を更に不動化するために、繊維状熱可塑性接着材料を更に含んでもよい。繊維状熱可塑性接着材料は、吸収性材料の二重層をそれらに対応する基材１６，１６’に不動化する上で特に有用であり得る。これらの吸収性層はそれぞれ、接合領域によって分離されたランド領域を含んでもよく、その結果、繊維状熱可塑性接着材料は、ランド領域において吸収性材料と少なくとも部分的に接触して、接合領域において基材層１６、１６’と少なくとも部分的に接触し得る。これによって、それ自体は本質的に長さ方向及び幅方向の寸法と比較して比較的薄い二次元構造である熱可塑性接着剤材料の繊維状層に本質的に三次元の網状構造が付与される。これにより、繊維状熱可塑性接着材料はランド領域において吸収性材料を覆うキャビティを提供することができ、それによりこの吸収性材料を固定する。繊維状接着剤は、例えば、コア製造プロセス中に吸収性層がその基材上に堆積された後、吸収性層上に吹き付けることができる。

繊維状熱可塑性接着材料は、典型的に、１０，０００超の分子量（Ｍｗ）、及び通常は室温よりも低い、又は−６℃＜Ｔｇ＜１６℃のガラス転移温度（Ｔｇ）を有し得る。ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約２０％〜約４０重量％の範囲である。熱可塑性ポリマーは、水非感受性（water insensitive）であってもよい。例示的なポリマーは、Ａ−Ｂ−Ａ三元ブロック構造、Ａ−Ｂ二元ブロック構造、及び（Ａ−Ｂ）ｎ放射状ブロックコポリマー構造を含む（スチレン性）ブロックコポリマーであり、Ａブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、Ｂブロックは、不飽和共役ジエン又はその（部分）水素添加物である。Ｂブロックは、典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン／ブチレン（水素化ブタジエン）、エチレン／プロピレン（水素化イソプレン）、及びこれらの混合物である。用いることができる他の好適な熱可塑性ポリマーとして、シングルサイト触媒又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーであるメタロセンポリオレフィンがある。ここにおいて、少なくとも１つのコモノマーをエチレンと重合してコポリマー、ターポリマー、又はより高次のポリマーを作製することができる。非晶質ポリオレフィン、又はＣ２〜Ｃ８アルファオレフィンのホモポリマー、コポリマー、若しくはターポリマーである非晶質ポリアルファオレフィン（ＡＰＡＯ）もまた、適用可能である。

粘着付与樹脂は、例示的に５，０００未満の分子量（Ｍｗ）、及び通常、室温よりも高いＴｇを有し、ホットメルト中の樹脂の典型的な濃度は、約３０〜約６０％の範囲であり、可塑剤は、典型的には１，０００未満の低い分子量（Ｍｗ）及び室温よりも低いＴｇを有し、典型的な濃度は約０〜約１５％である。

繊維状層に使用される熱可塑性接着剤は、ＳＡＰが膨潤すると、ＳＡＰ層上の繊維により形成されたウェブが伸張するように、好ましくはエラストマー特性を有する。例示的なエラストマーホットメルト接着剤としては、熱可塑性エラストマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、硬成分（一般に、ポリプロピレン又はポリエチレンなどの結晶性ポリオレフィン）及び軟成分（例えば、エチレン−プロピレンゴム）のポリオレフィンブレンド、ポリ（エチレンテレフタレート−コ−アゼライン酸エチレン）などのコポリエステル、及び熱可塑性末端ブロック及びＡ−Ｂ−Ａブロックコポリマーと指定される弾性中間ブロックを有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマー：構造的に異なるホモポリマー若しくはコポリマーの混合物、例えば、ポリエチレン若しくはポリスチレンのＡ−Ｂ−Ａブロックコポリマーとの混合物；熱可塑性エラストマーと低分子量の樹脂改質剤との混合物（例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーとポリスチレンとの混合物）、並びに本明細書に記載したエラストマーホットメルト感圧性接着剤が挙げられる。これらのタイプのエラストマーホットメルト接着剤は、米国特許第４，７３１，０６６号（Ｋｏｒｐｍａｎ）で、より詳細に説明される。

熱可塑性接着材料の繊維は、例示的には約１〜約５０マイクロメートル、又は約１〜約３５マイクロメートルの平均厚さ、及び約５ｍｍ〜約５０ｍｍ、又は約５ｍｍ〜約３０ｍｍの平均長さを有し得る。補助糊剤は、熱可塑性接着材料の基材に対する接着を改善させ得る。繊維は互いに接着して、メッシュとも説明され得る繊維状層を形成する。これは、上記で示したＲｏｓａｔｉ及びＪａｃｋｅｌｓの引用文献により詳細に説明される。

吸収性物品２０の概説
吸収性物品２０は、液体透過性トップシート２４、液体不透過性バックシート２５、及びトップシート２４とバックシート２５との間の本発明による吸収性コア２８を含んでいる。乳児用テープ付きおむつ２０のいくつかの典型的な構成要素を、図２の分解図、及び図３〜図４の断面図で更に示す。典型的には、全ての構成要素は、糊剤、熱接合及び加圧接合、ないしはその他の方法を用いて、その他の隣接する構成要素に取り付けられるが、分かりやすさのために、これらの図にはコア−バックシート糊剤接着分布のみが示されている。吸収性物品はまた、捕捉層５２、及び／又は分配層５４、シャーシ内の弾性ガスケットカフ３２、並びに部分的に立ち上がりのあるバリアレッグカフ３４などの更なる典型的な構成要素を含み得る。図には、物品の後縁部１２に向かって取り付けられ、物品の前縁部１０に向かってランディングゾーンと協働する締着タブ４２を含む締着システムなどの、他の典型的なテープ付きおむつ構成要素もまた示されている。吸収性物品は、後側弾性的ウエスト機構、前側弾性的ウエスト機構、横方向バリアカフ、ローションアプリケーション、第１又は第２の糊剤、具体的には第２の糊剤に組み込まれ得る、ｐＨ指示薬などの尿に反応する湿潤度表示器などといった、図示されていないその他の典型的な構成要素を更に含み得る。

トップシート２４、バックシート２５、吸収性コア２８、及び他の物品の構成要素は、種々の周知の構成にて、特に糊剤接着及び／又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。例示的なおむつの組立体が、例えば、米国特許第３，８６０，００３号、同第５，２２１，２７４号、同第５，５５４，１４５号、同第５，５６９，２３４号、同第５，５８０，４１１号、及び同第６，００４，３０６号に一般に記載されている。吸収性物品は、薄いことが好ましい。物品は、長手方向軸と横断方向軸との交点において、例えば、下記で説明する吸収性物品キャリパー試験を用いて測定される、１．０ｍｍ〜８．０ｍｍ、具体的には１．５ｍｍ〜６．０ｍｍの厚さを有して薄いことが有利であり得る。

物品のこれらの構成要素及び他の構成要素についてここで更に詳細に考察する。

トップシート２４
トップシート２４は吸収性物品の着用者に面する面の少なくとも一部分を形成し、着用者の皮膚と直接接触する。トップシート２４は、バックシート２５、吸収性コア２８、及び／又は当該技術分野では既知の任意の他の層と接合することができる（本明細書で使用するとき、用語「接合される」は、要素を直接的に他の要素に取り付けることにより、ある要素を他の要素に直接的に固定する構成、及び要素を中間部材に取り付け、それが他の要素に取り付けられることにより、ある要素を間接的に他の要素に固定する構成を包含する）。通常、トップシート２４及びバックシート２５は、いくつかの箇所（例えば、物品の周辺部又はその近く）で互いに直接接合され、他の箇所では、物品２０の１つ又は２つ以上の他の要素にこれらを直接接合することにより、間接的に一体に接合されている。

トップシート２４は、順応性があり、柔らかな感触で、着用者の皮膚を刺激しないものであることが好ましい。更に、トップシート２４の少なくとも一部分は、液体透過性であり、液体がその厚さを通して容易に浸透できる。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維（例えば、木材繊維又は綿繊維）、合成繊維若しくはフィラメント（例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分ＰＥ／ＰＰ繊維、又はこれらの混合物）、若しくは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布又は不織布材料などの幅広い範囲の材料から製造することができる。典型的なおむつのトップシートの坪量は、約１０〜約２８ｇｓｍであり、具体的には約１２〜約１８ｇｓｍであるが、他の坪量も可能である。

好適な成形フィルムのトップシートは、米国特許第３，９２９，１３５号、同第４，３２４，２４６号、同第４，３４２，３１４号、同第４，４６３，０４５号、及び同第５，００６，３９４号にも記載されている。その他の適当なトップシートは、米国特許第４，６０９，５１８号及び同第４，６２９，６４３号に従って作製することも可能である。かかる成形フィルムは、Ｔｈｅ Ｐｒｏｃｔｅｒ ＆ Ｇａｍｂｌｅ Ｃｏｍｐａｎｙ（Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ，Ｏｈｉｏ）から「ＤＲＩ−ＷＥＡＶＥ」として、及びＴｒｅｄｅｇａｒ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｒｉｃｈｍｏｎｄ，ＶＡを拠点とする）から「ＣＬＩＦＦ−Ｔ」として入手可能である。

トップシートの任意の部分を、当該技術分野において既知のローションでコーティングしてもよい。好適なローションの例としては、米国特許第５，６０７，７６０号、同第５，６０９，５８７号、同第５，６４３，５８８号、同第５，９６８，０２５号、及び同第６，７１６，４４１号に記載されるものが挙げられる。トップシート２４はまた、抗菌剤を含むか、あるいは抗菌剤にて処理されてもよく、その一部の例は国際公開第９５／２４１７３号に開示されている。更に、トップシート、バックシート、又はトップシート若しくはバックシートの任意の部分には、より布に近い外観を持たせるためにエンボス加工及び／又はつや消し加工を施してもよい。

トップシート２４は、尿及び／又は糞便（固体、半固体、又は液体）などの、トップシート２４への滲出物の浸透を容易にするための１つ又は２つ以上の開口部を含んでもよい。有孔トップシートの例が、米国特許第６，６３２，５０４号に開示されている。更に、国際公開第２０１１／１６３５８２号にも、１２〜１８ｇｓｍの坪量を有し、かつ複数の接合点を含む、好適な着色トップシートが開示されている。各接合点は、２ｍｍ^２〜５ｍｍ^２の表面積を有し、複数の接合点の累積表面積は、トップシートの合計表面積の１０〜２５％である。

バックシート２５
バックシート２５は、一般には、ユーザーが装着したときに物品の外部表面の大半を形成する吸収性物品２０の部分である。バックシート２５は、吸収性コア２８の下面２９０に向かって配置され、その中に吸収及び収容された排泄物がベッドシーツ及び下着などの物品を汚すのを防止する。バックシート２５は、典型的には、液体（例えば、尿）に対して不透過性である。バックシート２５は、例えば、薄いプラスチックフィルムであってもよく、又はそれを含んでもよく、触感を改善するためにその外表面に薄い不織布を取り付けてもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Ｔｒｅｄｅｇａｒ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｒｉｃｈｍｏｎｄ，ＶＡ）が製造し、商品名ＣＰＣ２フィルムで市販されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、物品２０から蒸気を逃しながらも滲出物がバックシート２５を通過することを防ぐ、通気性材料が挙げられ得る。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティングされた不織布ウェブなどの複合材料、Ｍｉｔｓｕｉ Ｔｏａｔｓｕ Ｃｏ．（日本）から商品名ＥＳＰＯＩＲ ＮＯで製造されるもの、及びＴｒｅｄｅｇａｒ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｒｉｃｈｍｏｎｄ，ＶＡ）が製造して商品名ＥＸＡＩＲＥで販売されるもののようなミクロ孔質フィルム、並びにＣｌｏｐａｙ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ，ＯＨ）によって商品名ＨＹＴＲＥＬブレンドＰ１８−３０９７又はＭｉｃｒｏＰｒｏで製造されるもののようなモノリシックフィルム又はミクロ孔質フィルムなどの材料を挙げることができる。いくつかの通気性複合材料については、国際公開第９５／１６７４６号（Ｅ．Ｉ．ＤｕＰｏｎｔ）、米国特許第５，９３８，６４８号（ＬａＶｏｎら）、同第４，６８１，７９３号（Ｌｉｎｍａｎら）、同第５，８６５，８２３号（Ｃｕｒｒｏ）、同第５，５７１，０９６号（Ｄｏｂｒｉｎら）、及び同第６，９４６，５８５号（Ｌｏｎｄｏｎ Ｂｒｏｗｎ）でより詳細に説明されている。

おむつ及びパンツのような吸収性物品に用いられる典型的なフィルムは、典型的には、１０〜２５ｇｓｍであり、１〜１０Ｎ、特に２〜６Ｎの長手方向の強度（引張強度としても知られる）を有する。本発明による吸収性物品のバックシートで使用するのに好ましいフィルムは１０〜２０ｇｓｍの坪量を有し、これは改善された糊剤パターンによりより薄いバックシートフィルムを使用することが可能なためであり、薄いバックシートフィルムは、環境影響を低減させ、コストを低減させ、かつ柔軟性を向上させるので好ましい。

捕捉層５２及び分散層５４
本発明の吸収性物品は、捕捉層５２、分配層５４、その両方、又は流体を捕捉及び分配する機能の両方を有する単一層を含み得る。典型的には、ＳＡＰは流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るので、これらの層はＳＡＰを含まない。先行技術により、多くのタイプの捕捉／分配システムが開示されている。例えば、国際公開第２０００／５９４３０号（Ｄａｌｅｙ）、同第９５／１０９９６号（Ｒｉｃｈａｒｄｓ）、米国特許第５，７００，２５４号（ＭｃＤｏｗａｌｌ）、国際公開第０２／０６７８０９号（Ｇｒａｅｆ）を参照されたい。

捕捉層の機能は、着用者に良好な乾燥状態を提供するために、流体を迅速に捕捉してトップシートから遠ざけることである。捕捉層は、典型的には、トップシートの直下に配置される。存在する場合、分配層は、捕捉層の下に少なくとも部分的に配設され得る。捕捉層は、典型的には、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層、又は代替的に、カーディングを施された化学結合された不織布を含む、例えば、ＳＭＳ又はＳＭＭＳ材料など、不織布材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。不織布材料は、具体的にはラテックス結合されていてもよい。例示的な上部捕捉層５２が米国特許第７，７８６，３４１号に開示されている。使用される繊維が、中実で丸形又は丸形で中空のＰＥＴステープル繊維（６デニール繊維と９デニール繊維との５０／５０又は４０／６０の混合）である場合は特に、カーディングされた樹脂結合不織布が使用されてもよい。例示的なバインダは、ブタジエン／スチレンラテックスである。不織布は、加工ライン外で製造し、材料のロールとして保管及び使用することが可能であるという利点を有する。更なる有用な不織布が、米国特許第６，６４５，５６９号（Ｃｒａｍｅｒら）、同第６，８６３，９３３号（Ｃｒａｍｅｒら）、同第７，１１２，６２１号（Ｒｏｈｒｂａｕｇｈら）、米国特許出願公開第２００３／１４８６８４号（Ｃｒａｍｅｒら）、及び同第２００５／００８８３９号（Ｃｒａｍｅｒら）に記載されている。

捕捉層は、例えば、スチレン−ブタジエンラテックスバインダ（ＳＢラテックス）などのラテックスバインダにより、安定化されてもよい。かかるラテックスを得るための方法は、例えば、欧州特許第１４９８８０号（Ｋｗｏｋ）及び米国特許出願公開第２００３／０１０５１９０号（Ｄｉｅｈｌら）で既知である。特定の実施形態では、バインダは、約１２重量％、約１４重量％、又は約１６重量％を超えて捕捉層５２に存在してもよい。ＳＢラテックスは、商品名ＧＥＮＦＬＯ（商標）３１６０（ＯＭＮＯＶＡ Ｓｏｌｕｔｉｏｎｓ Ｉｎｃ．（Ａｋｒｏｎ，Ｏｈｉｏ））で入手可能である。

分配層５４が更に存在してもよい。分配層の機能は、コアの吸収性能をより効率的に使用できるように、排泄された流体液体（insulting fluid liquid）を物品内のより大きい表面にわたって広げることである。典型的には、分配層は、合成繊維又はセルロース繊維系の比較的密度の低い不織布材料によって作製される。分配層の密度は、物品の圧縮度に応じて変動してもよいが、典型的には、２．０７ｋＰａ（０．３０ｐｓｉ）で測定して、０．０３〜０．２５ｇ／ｃｍ^３、具体的には、０．０５ｇ〜０．１５ｇ／ｃｍ^３の範囲であってもよい。分配層５４はまた、米国特許第５，１３７，５３７号に開示されている手順に示される通りに測定して、２５〜６０、好ましくは３０〜４５の保水値を有する材料であってもよい。分配層５４は、典型的には、３０〜４００ｇ／ｍ^２、具体的には１００〜３００ｇ／ｍ^２の平均坪量を有し得る。図２に示すように、分配層は物品の後側に向かって丸みを帯びていてもよい。分配層は、物品の後側に向かってのその坪量が前側に向かってのその坪量と比較してより低くなるように外形決めすることもできる。

分配層は、例えば、少なくとも５０重量％の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋されたセルロース繊維は捲縮されるか、撚り合わされるか、若しくはカールされてもよく、又は、捲縮、撚り合わせ、及びカールを含むそれらの組み合わせであってもよい。この種類の材料は、過去に、例えば、米国特許出願公開第２００８／０３１２６２２Ａ１号（Ｈｕｎｄｏｒｆ）の捕捉システムの一部として使い捨ておむつに使用されている。架橋セルロース繊維は、製品の梱包における、又は、例えば、赤ちゃんの重量下の使用条件下における圧縮に対する高い復元力、ひいては高い耐性を提供する。

締着システム
吸収性物品は、締着システムを含んでもよい。締着システムを使用して、吸収性物品を着用者に保持するために吸収性物品の周囲に横方向の張力を付与できる。この締着システムは、トレーニングパンツ物品には必須ではないが、それはこれらの物品のウエスト領域が既に結合されているからである。締着システムは通常、例えば、テープタブ、フックアンドループ式締着要素、タブ及びスロットのような連結締着具、バックル、ボタン、スナップ、並びに／又は雌雄同体締着要素などの締着具４２を含んでもよいが、他の既知のいかなる締着手段も概ね許容される。締着具４２が着脱可能に取り付けられるように、通常は、ランディングゾーンが物品の前側ウエスト領域に設けられる。一部の例示的な表面締着システムが、米国特許第３，８４８，５９４号、同第４，６６２，８７５号、同第４，８４６，８１５号、同第４，８９４，０６０号、同第４，９４６，５２７号、同第５，１５１，０９２号、及び同第５，２２１，２７４号（Ｂｕｅｌｌ）に開示されている。例示的な連結締着システムが米国特許第６，４３２，０９８号に開示されている。締着システムはまた、米国特許第４，９６３，１４０号（Ｒｏｂｅｒｔｓｏｎら）に開示されるように、使い捨て構成で物品を保持するための手段を提供し得る。

締着システムはまた、重なり部分のずれを減らすために米国特許第４，６９９，６２２号に開示されるように、又はフィット感を向上するために米国特許第５，２４２，４３６号、同第５，４９９，９７８号、同第５，５０７，７３６号、同第５，５９１，１５２号に開示されるように、主要及び補助の締着システムを備えてもよい。

前耳部４６及び後側耳部４０
吸収性物品は、当該技術分野で既知であるように、前耳部４６と後側耳部４０とを含んでもよい。耳部は、例えば、トップシート及び／又はバックシートからサイドパネルとして形成される、シャーシの一体部分であり得る。あるいは、図２に示されるように、耳部は、糊剤接着及び／又は熱エンボス加工によって取り付けられる別個の要素であってもよい。後側耳部４０は、有利には、ランディングゾーン４４上へのタブ４２の取り付けを容易にし、かつテープ付きおむつを着用者のウエスト周辺の所定の位置に保持するように、伸縮性であってよい。また、前耳部４６は、最初に吸収性物品を着用者に適合するようにフィットさせ、続いて、弾性のある耳部によって吸収性物品の側部が伸縮し得るために、着用期間全体を通し、吸収性物品が滲出物で充填されてからかなりの時間が経過した後もこのフィットを維持することによって、より快適かつ体に巻き付くようなフィット感を提供するために、弾性又は伸張性であってもよい。

バリアレッグカフ３４及びガスケットカフ３２
おむつ又はトレーニングパンツのような吸収性物品は、典型的には、着用者の脚部周囲における物品のフィット性を改善する構成要素、具体的にはバリアレッグカフ３４及びガスケットカフ３２を更に含み得る。バリアレッグカフ３２は、１つの材料、典型的には、不織布によって形成することができるが、これは、物品の残りの部分に部分的に接合され、例えば、図３に示されるように物品を平ら引っ張った場合にトップシートによって画定される平面から離れる方向に部分的に隆起されて、したがって立ち上がることができる。バリアレッグカフ３４は、およそ着用者の胴部と脚部との接合部において、液体及び他の身体滲出物の改善された収容を提供することができる。バリアレッグカフ３４は、長手方向軸線の両側にある吸収性物品の前縁部と後縁部との間に少なくとも部分的に延在し、コアの股ポイント（Ｃ）に少なくとも隣接して存在する。

バリアレッグカフ３４は、物品の残りの部分、典型的にはトップシート及び／又はバックシートに接合される近位縁部６４と、着用者の皮膚と接触して封止を形成することが意図される自由末端縁６６とによって範囲を定めることができる。バリアレッグカフ３４は、例えば、接着剤による結合、融合結合、又は既知の結合手段の組み合わせによってなされ得る結合６５によって、近位縁部６４で物品のシャーシと接合することができる。近位縁部６４での結合部６５は、連続的であっても断続的であってもよい。

バリアレッグカフ３４は、トップシート若しくはバックシートと一体である（すなわちこれから形成される）か、又はより典型的には、物品の残りの部分に接合される別個の材料から形成され得る。典型的に、バリアレッグカフの材料は、物品の全長を通って延在してもよいが、物品の前縁部及び後縁部に向かってトップシートに「タック結合」され、その結果、これらのセクションでは、バリアレッグカフ材料はトップシートと同一平面のままとなる。各バリアレッグカフ３４は、より良好な封止を提供するように、この自由末端縁６６に近接して１つ、２つ、又はそれ以上のゴムひも３５を含み得る。

バリアレッグカフ３４に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシと同じ平面内で形成され、具体的にはトップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に封入されてよく、かつバリアレッグカフ３４に対して横方向外側きに配置することができるガスケットカフ３２を含むことができる。ガスケットカフ３２は、着用者の大腿部の周りにより良好な封止を提供することができる。通常、各ガスケットレッグカフ３２は、例えば、脚部開口部の領域のトップシートとバックシートとの間でおむつのシャーシに含まれる、１つ若しくは２つ以上のゴムひも又は弾性要素３３を含むであろう。

米国特許第３，８６０，００３号には、サイドフラップ、及び弾性レッグカフ（ガスケットカフ）を提供する１つ又は２つ以上の弾性部材を有する、収縮可能な脚部開口部を提供する使い捨ておむつが記載される。米国特許第４，８０８，１７８号（Ａｚｉｚ）及び同４，９０９，８０３号（Ａｚｉｚ）は、脚部領域の収容を改善させる「立ち上がった」弾性フラップ（バリアレッグカフ）を有する使い捨ておむつを説明している。米国特許第４，６９５，２７８号（Ｌａｗｓｏｎ）及び同第４，７９５，４５４号（Ｄｒａｇｏｏ）には、ガスケットカフとバリアレッグカフとを含む二重カフを有する使い捨ておむつについて記載されている。バリアレッグカフ及び／又はガスケットカフの全部又は一部は、ローションにより処理してもよい。

弾性的ウエスト機構
吸収性物品はまた、改善したフィット性及び閉じ込めを提供するために役立つ、少なくとも１つの弾性的ウエスト機構（図示せず）を含んでもよい。弾性的ウエスト機構は、弾性的に伸縮して、着用者のウエストに動的に適合することが概ね意図されている。弾性的ウエスト機構は、好ましくは、吸収性コア２８の少なくとも一方のウエスト縁部から少なくとも長手方向外側に延在し、吸収性物品の背面の少なくとも一部を概ね形成する。使い捨ておむつは、２つの弾性的ウエスト機構を有するように構成されてもよく、一方は前側ウエスト領域に位置決めされ、他方は後側ウエスト領域に位置決めされる。弾性的ウエスト機構は、米国特許第４，５１５，５９５号、同第４，７１０，１８９号、同第５，１５１，０９２号、及び同第５，２２１，２７４号に記載されるものを含む、多数の異なる構成で構築されてもよい。

層と構成要素との間の関係
上記で詳細に説明したコア−バックシート糊剤接着分布の他に、隣接する層は、層の表面の全体若しくは一部へのスロットコーティング又は吹き付けによる接着剤コーティング、又は熱接合、又は圧力接合、又はこれらの組み合わせなど、従来の接合法を用いて互いに接合することができる。構成要素間の結合の多くは、分かりやすさ及び読み易さのために図面には示されていない。物品の各層間の結合は、特に除外されない限りは存在するものと見なすべきである。接着剤は、異なる層の接着性、例えば、バックシートとコアラップとの間の接着性を改善するために一般的に使用され得る。使用される接着剤は、当該技術分野において既知の任意の標準的ホットメルト接着剤であってよい。

製造方法
上記で詳細に説明した糊剤接着分布を適用する方法の他にも、吸収性物品は当該技術分野において既知の任意の従来法によって、別のやり方で製造されてもよい。具体的には、物品は手製であってもよく、又は最新の加工ライン上で高速で工業的に製造することもできる。

本発明による以下の製品を作製した。

発明実施例１
図１ａに示すものと同様の、吸収性材料堆積領域と対のチャネル２本とを有するおむつを以下の仕様で作製した。

一対のチャネルは、吸収性コアの長手方向長さの前側２５％から、吸収性コアの後側２５％まで延在する。チャネルは本質的に吸収性材料を含まず、コアラップの上面及び下面は、以下に記載するコア糊剤によってこれらのチャネルを介して互いに取り付けられた。チャネルの幅は約８ｍｍであり、物品の長手方向軸線上に投影された長さは約２３０ｍｍであった。チャネルは、図１ａに示されるように物品の長手方向中心線に向かって凹状に湾曲し、最小分離は２０ｍｍで、それぞれ前側及び後側においてコアの側縁部から２２〜２５ｍｍに達するように湾曲していた。

吸収性コアは、３６０ｍｍの長さ及び１１０ｍｍの幅を有する堆積領域に適用された、合計で１２．７ｇの吸収の速いＳＡＰ（日本触媒ＮＳ ＣＡ ７００）を含んだ。ＳＡＰは、ＳＡＰの坪量が前側領域よりも股領域内で大きくなり、更に後側領域に向かって小さくなるように、吸収性コアの長手方向軸線に沿った全ＳＡＰの（コア長の４分の１当たり）約０．２５／．４０／０．３／０．１の比率で分配された。ＳＡＰは横断方向に均一に分配した（「機械横方向」つまり「ＣＤ」には輪郭加工しなかった）。吸収性コアは、米国特許出願公開第２０１０／００５１１６６Ａ１号に開示されているように、それぞれが、ＳＡＰ層及び各ＳＡＰ層に塗布されてＳＡＰ層を基材上に固定するマイクロファイバー弾性糊剤を支持する、２つの不織布基材を組み合わせるＳＡＰ印刷技術によって形成された。これらの不織布基材は、図３に示すように上部基材を下部基材上にＣ字型に包むことによってコアラップを形成する。補助糊剤（Ｈｅｎｋｅｌ製）を下部ＳＡＰ層とその対応する下部基材との間に塗布した。補助糊剤は、幅１ｍｍ、スロット間の距離１ｍｍの４１個のスロットにより、コアラップの全長（３９０ｍｍ）に沿ってスロットコーティングされ、合計で０．１３ｇの補助糊剤が塗布された。各ＳＡＰ層に塗布されるマイクロファイバー糊剤（Ｈ．Ｂ．Ｆｕｌｌｅｒ製）は、幅１１０ｍｍ、長さ３９０ｍｍで各ＳＡＰ層上に均一に塗布され、０．１７ｇのマイクロファイバー糊剤をコアカバー側で使用し、０．１３ｇのマイクロファイバー糊剤をダスティング層側で使用した。チャネル形状の範囲を定める好適な印刷ドラムを使用してチャネルを形成した。印刷したＳＡＰ技術を使用したチャネル形成方法についての更なる情報は、欧州特許出願第１２１７４１１７．７号に見出すことができる。

コアラップは３９０ｍｍの長さを有し、吸収性材料を含まない２つの末端フラップは吸収性コアの後側及び前側で１５ｍｍの長さを有した。コアの前端部及び後端部の封止部は共にスロット糊剤接着され、糊剤スロットは、使用している前端部の封止から３０ｍｍ、及び後端部の封止から２０ｍｍの長さを有した。コアラップの折幅は１２０ｍｍであった。コアラップは２枚の不織布を含み、上面基材（図３の１６、更に「コアカバー」と称される）は、親水性にするために界面活性剤で処理された８ｇｓｍのＳＭＭＳ不織布であった。下部基材（図３の１６’、更に「ダスティング層」と称される）は、１０ｇｓｍのＳＭＭＳ不織布であった。コアカバーを、３９０ｍｍの切り出し長さ及び１６５ｍｍの切り出し幅で切り出した。ダスティング層は３９０ｍｍの切り出し長さ及び１３０ｍｍの切り出し幅を有した。コアカバーでコアの側部のダスティング層の周囲をＣ字型に包み、折り畳んだコアラップの全幅が約１２０ｍｍになるように、ダスティング層の側縁部をコアの吸収性材料の縁部上にわずかに上向きに形成させた。

コアカバーとダスティング層をチャネルを介して接合した。接合は、本明細書で述べられている補助及びマイクロファイバー糊剤によって形成された。ダスティング層の周囲に折り畳まれたコアカバーは、幅３ｍｍ及び長さ３９０ｍｍで、片側当たり１スロットによって接合された。Ｈｅｎｋｅｌ糊剤を使用して、コアカバーをコアダスティング層に接合した。Ｈｅｎｋｅｌ糊剤は、折り畳まれたコアカバーの側縁部から４ｍｍの位置に０．０２４ｇの総量で塗布した。

３１８ｍｍの長さ及び９０ｍｍの幅を有する４３ｇｓｍのラテックス結合不織布の捕捉層、及び２９８ｍｍの長さ、８０ｍｍの幅、及び１９５ｇｓｍの均一な坪量を有し、捕捉層領域に中心が合わされた架橋セルロース繊維の分配層（５４）によって、捕捉分配（５２）システムを形成した。捕捉層を吸収性コア材料の前側から１８ｍｍの位置に配置し、Ｈｅｎｋｅｌホットメルト接着剤を、面積の１５％を被覆しかつ長さ３０８ｍｍ×幅７２ｍｍを有する糊剤印刷パターンで使用して、分配層に糊剤接着した。糊剤パターンは捕捉層に中心が合わされ、０．０２７ｇの総塗布領域を有した。

分配層を、それぞれの幅が３ｍｍで間隔が８ｍｍの７スロットコーティング糊剤塗布を用いて、不織布コアカバーに糊剤接着した。このパターンは長さ２９６ｍｍであり、分配層に中心が合わされ、総量０．０３ｇのホットメルト接着剤を使用した。

トップシート（２４）の長さは４７８ｍｍであり、１２ｇｓｍの毛羽立てられている不織布で形成され、バックシート（２６）は長さ４７８ｍｍ×幅２０８ｍｍであり、１６ｇｓｍのＣｌｏｐａｙフィルムと１５ｇｓｍのスパンボンド不織布とを積層することによって形成された。トップシートを、幅１ｍｍ、間隔５〜６ｍｍ、長さ４７８ｍｍの２３スロット糊剤塗布により、総量０．０９８ｇの糊剤塗布で捕捉層に接合した。

バックシートフィルムを、幅１ｍｍ、相互間隔約１ｍｍの８９個のスロットを使用して、バックシート不織布に糊剤接着した。バックシートフィルム−バックシート不織布糊剤塗布領域は、バックシート（２６）の長さ全体を占め、横断方向に中心が合わされた。使用したバックシートフィルムは、長さ４７８ｍｍ×幅２０６ｍｍのＣｌｏｐａｙ製のＰＰ／ＰＥ通気性１６ｇｓｍフィルムであった。バックシート不織布は、長さ４７８ｍｍ×幅２１２ｍｍの１５ｇｓｍスパンボンドであった。

吸収性コアは、Ｈｅｎｋｅｌ（ＤＭ３８００）から入手した第１の糊剤（１１０）を使用してバックシートフィルムに糊剤接着し、塗布領域は次の通りであった。
１．第１の中央糊剤塗布領域（１１１５）は、互いに等間隔に設けられた幅６ｍｍの８つのサミット螺旋によって形成され、幅５０ｍｍ×長さ４５ｍｍの塗布領域を形成する。糊剤パターンを製品の前縁部に横断方向に中心を合わせて適用した。モジュール当たり４つのサミットアプリケーションを有する幅２５ｍｍのＮｏｒｄｓｏｎ製サミットアプリケータを２つ使用してこのパターンを提供した。コアの前側を吸収性物品の前縁部から１７ｍｍの位置に横断方向に中心を合わせて置き、糊剤パターンを長手方向に２８ｍｍ重ね合わせた。同じ糊剤パターンを吸収性物品の後側（第２の中央糊剤塗布領域１１１６）内に（吸収性物品の後縁部から）幅５０ｍｍ×長さ９９ｍｍの面積を覆って塗布し、コアを長手方向に２８ｍｍ重ね合わせた。第１及び第２の中央糊剤塗布領域で使用した糊剤の総量は、製品の前側と後側で同一の糊剤坪量で０．０１７７ｇであった。
２．それぞれが互いに等間隔に設けられた６ｍｍ幅の４つのサミット螺旋によって形成されて２５ｍｍの塗布領域幅を形成する第１の側部糊剤塗布領域（１１１３）及び第２の側部糊剤塗布領域（１１１４）は、中央糊剤塗布領域１１１５及び１１１６の側縁部のそれぞれに適用された。これらの側部糊剤塗布領域はそれぞれ長さ４７８ｍｍ×幅２５ｍｍであり、コアの長手方向長さ全体をバックシートに接合し、着用中の充填されたコアに適切な支持を提供する。モジュール当たり４つのサミットアプリケーションを有する幅２５ｍｍのＮｏｒｄｓｏｎ製サミットノズルを使用して、これらの側部塗布領域を提供した。両方の側部糊剤塗布で使用した糊剤の総量は０．０５８８ｇであった。
３．それぞれが互いに等間隔に設けられた６ｍｍ幅の４つのサミット螺旋によって形成されて２５ｍｍの塗布領域幅を形成する第１の角部糊剤塗布領域（１１１７）、第２の角部糊剤塗布領域（１１１８）、第３（１１１９）の角部糊剤塗布領域、及び第４の角部糊剤塗布領域（１１２０）は、糊剤１１１３及び１１１４の各側縁部に適用されてコアの４つの角部を被覆した。

中央、側部、及び角部糊剤塗布領域の組み合わせは、図１ａに示されるローマ数字「ＩＩ」の形状を形成する。

レッグカフは図２に示されるのと同様の市販のレッグカフであり、おむつの両側の１５ｇｓｍ、長さ４７８ｍｍ×幅７７ｍｍの２つの不織布を含んだ。レッグカフを、自由縁から４ｍｍの距離にあるおむつの前側縁部から１００ｍｍ及び後側縁部から９１ｍｍの距離にわたって、幅６ｍｍの工具でトップシートに仮止め接合した。不織布を、接合ラインに沿った幅３ｍｍの一対の連続接合部（６５）により、それらの長さに沿ってトップシートに溶融結合した。幅１ｍｍ、間隔２ｍｍの３つのスロット糊剤を、接合したレッグカフ材料及びトップシートとバックシートとの間に連続接合部に沿って更に塗布した。連続接合部の間の距離は１４８ｍｍであった。ガスケットカフ（隆起状ではないカフの部分）を各側それぞれ３つの弾性体によって伸縮自在にし、カフの各側の接着糊（図３の３３）によっておむつに取り付けた。接着糊はおむつの前縁部から８５ｍｍの位置から始まり、２８１ｍｍの長さに沿って延在した。隆起状バリアレッグカフを、それぞれバリアレッグカフの末端縁部（図３の参照番号６６）に近接した各側２つの弾性体（図３の参照番号３５）で伸縮自在にした。バリアカフ弾性体は、吸収性物品の前側から１０１ｍｍ、３０２ｍｍの長さで塗布された糊剤によってカフ材料に取り付けられた。全ての弾性体はＤｕＰｏｎｔ製のＬＹＲＣＡ（登録商標）によって形成され、３００％の予ひずみを有した。別断の指定がない限り、おむつの様々な構成要素は従来の方法で、典型的には糊剤接着又は溶融結合によって組み立てられた。

発明実施例２
発明実施例２は実施例１と同様に作製されるが、異なるバックシートフィルム（１５ｇｓｍのＰＥ／ＰＰ通気性バックシートフィルム（Ｄａｅｄｏｎ））を使用する。

発明実施例３
発明実施例３は実施例２と同様に作製されたがＮａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ（ＤＭ５２６）糊剤を使用してバックシートをコアに適用した。同じパターン及び糊剤量を維持したが、バックシート−コア接合強度は向上した。糊剤塗布及び使用レベルに変化はなかった。

比較例
比較例は、バックシートをコアに適用するためにＮａｔｉｏｎａｌ Ｓｔａｒｃｈ（ＤＭ５２６）糊剤を使用したという違いはあるものの、実施例１と同じ方法で作製された。吸収性コアは、発明実施例の４つと対比させて、Ｎｏｄｓｏｎ糊剤モジュール当たり３つのサミット螺旋状糊剤を用いてバックシートに接合された。各螺旋状のサミットは幅７ｍｍで等間隔に離間されており、全パターンを形成した（断続的な中央塗布は６つの螺旋、側部塗布は片側当たり３つの螺旋、及び最外部の断続的又は角部糊剤塗布は片側当たり３つの螺旋）。加えて、使用したバックシート積層糊剤パターンは、幅１ｍｍ、間隔約２ｍｍの６１スロットで形成された。バックシートフィルムをバックシート不織布に接合するために使用した総量は０．０７２ｇであった。

バックシートをコアに適用するための糊剤の塗布当たりの糊剤の総量は、全発明実施例及び比較例にわたって同一に維持されたが、糊剤設計、使用法、及び坪量は、発明実施例と比較例を比較するために、剥離強度は低下させるがせん断力は大幅に低下させないように調節した（下表を参照されたい）。

実験結果
上記の比較例及び発明実施例を測定し、以下の剥離強度、引き裂き強度を得た（３つの複製の平均）。標準的な製造施設でのバックシートの破損又は穴あきを減少させるために、剥離強度／引き裂き強度の比率の低下が有効であること証明された。

^＊１００万当たりのパッドで報告された製品の品質（観察された欠陥の数／試験した全サンプル数×１．０００．０００）

試験手順
別段の指示がない限り、本明細書に示された値は、本明細書で以下に示される方法に従って計測されたものである。別段の指示がない限り、全ての測定は、２１℃±２℃及び５０％±２０％ＲＨで実施される。別段の指定がない限り、この試験を実施する前に、全てのサンプルは少なくとも２４時間、これらの条件に保たれて平衡化されるべきである。別段の指定がない限り、全ての測定は、少なくとも４つのサンプルで再現され、得られた平均値が示されているはずである。

コア−バックシート積層体の剥離強度
「剥離強度」法は、引張強度装置を使用する１８０°剥離試験中にコア−バックシート積層体を引き離すために必要な単位幅当たりの引張力のピーク量を測定する。試験は、第１の糊剤（上に述べたような）がコアとバックシートとの間の唯一の取り付け手段である積層体サンプルのバックシートとコアとの間に対して行われる。積層体を、本明細書に提供された吸収性物品内の材料の意図した向き及び糊剤塗布の意図した向きに関する定義に従って作製する。以下の指示に従って、吸収性物品からサンプルを得ることができる。

製造業者の指示書に従って引張試験機を較正しなければならない。

試験サンプルは、第１の糊剤塗布領域の一部である２５．４ｍｍ×２０ｍｍの四角形領域を含む、コア−バックシート積層体の一部でなければならない。サンプルは、四角形の２つの縁部がバックシートフィルム及び塗布パターンの長手方向に沿って配向されるように配置する必要がある。

この領域内の第１の糊剤は第１の糊剤塗布パターンに従って塗布される。この方法で測定する「剥離強度」は、コア材料、バックシートフィルム材料、糊剤の種類、及び糊剤の塗布パターンに依存する。

幅２５．４ｍｍ×長さ２００ｍｍのサンプルは、おむつの中央前縁部から図１に矩形「Ｓ」で示されるように切り出すことができる。

サンプルを切り出した後、バックシートを手でコアから長手方向に５０ｍｍにわたって剥離し（非接着領域が存在する場合、そこから開始する）、引張器具内にしっかりと固定することができるコア部分及びバックシート部分を得る。試験サンプルが小さい場合、固定する材料部分をより大きく作るか、又はサンプルを引張器具に固定することができるように適切な寸法及び強度の接着テープをサンプルのコア及びバックシートに取り付けることによってより大きくしてもよく、接着テープは全試験期間中コア及びバックシートとそれぞれ一体のままとする。最終サンプルは、試験の開始時に固定されるときに、第１の糊剤（及び第１の糊剤のみ）がコアとバックシートとを接続している場所の横断方向及び長手方向に、少なくとも２５．４×２０ｍｍの面積を確実に有している必要がある。Ｔａｅｒｏｓｏｌ製のＩＴ Ｉｃｅｒのような冷凍スプレー、又はジクロロメタンのような溶媒を使用して、手で層間剥離し易くしてもよい。

第２の糊剤又は任意の他の取り付け手段（他の糊剤、機械的接着、溶融結合等）が、測定の対象となる２５．４×２０領域内に存在する場合、そのサンプルは廃棄されなければならない。

バックシート材料を引張器に挿入し、バックシート材料を下部ジョーに、コアを上部ジョーに固定してサンプルのたるみを最小限にし、引張器具によって測定される予負荷が０．０５Ｎ以下であることを確認する。各ジョーは、バックシート及びコアをしっかり保持して積層体を引き離す際に滑らないようするために、サンプルと接触する好適な表面を有するべきである。

試験は、２３℃±２℃、及び５０％±２％の相対湿度に維持された空調室で行われる。引張試験機のジョー又はクランプは試験開始当初は３０ｍｍ離されている。ジョーが３０５ｍｍ／分の速度で離れていくように引張試験機を設定する。試験を開始し、ジョーが５ｍｍの距離を移動したときに開始し、ジョーが互いに離間して２００ｍｍの距離を移動するまで継続して、最大力（最大負荷とも呼ばれる）出力を記録する。試験の終了時には、サンプルは完全に引き離されていてよい。

各被検査物の「剥離強度」は、層間剥離中の各サンプルに関して測定された０．０１Ｎ単位で報告される最大力を、サンプル上の第１の糊剤塗布の幅（ｃｍ）（指示通りに収集したサンプルでは２．５４ｃｍ）で割ったものである。最終結果は、Ｎ／ｃｍの単位で、四捨五入して０．０１Ｎ／ｃｍまで報告される。

３つのサンプルの結果を平均する。平均は、Ｎ／ｃｍの単位で、四捨五入して０．０１Ｎ／ｃｍまで報告される。

この試験で使用するのに適した引張試験機としては、とりわけ、Ｚｗｉｃｋ ＧｍｂＨ ＆ Ｃｏ．ＫＧ（Ａｕｇｕｓｔ−Ｎａｇｅｌ Ｓｔ １１，Ｄ８９０７９ Ｕｌｍ Ｇｅｒｍａｎｙ）製のＺｗｉｃｋ ＲｏｅｌｌモデルＢＴＣ−ＦＲ２．５ＴＨ．Ｄ０９、Ｓｉｎｔｅｃｈ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（１００１ Ｓｈｅｌｄｏｎ Ｄｒ．，Ｃａｒｙ，Ｎ．Ｃ．２７５１３）から入手可能なＳｉｎｔｅｃｈ試験機、Ｉｎｓｔｒｏｎ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（２５００ Ｗａｓｈｉｎｇｔｏｎ Ｓｔ．，Ｃａｎｔｏｎ，Ｍａｓｓ．０２０２１）から入手可能なＩｎｓｔｒｏｎ試験機等が挙げられる。

コア−バックシート積層体のせん断強度
「せん断強度」法は、引張強度装置を使用して積層体の面内でコア−バックシート積層体を引き離すために必要な単位幅当たりの引張力のピーク量を測定する。試験は、第１の糊剤（上に述べたような）がコアとバックシートとの間の唯一の取り付け手段である積層体サンプルのバックシートとコアとの間に対して行われる。積層体を、本明細書に提供された吸収性物品内の材料の意図した向き及び糊剤塗布の意図した向きに関する定義に従って作製する。以下の指示に従って、吸収性物品からサンプルを得ることができる。

製造業者の指示書に従って引張試験機を較正する。

試験サンプルは、第１の糊剤塗布領域の一部である横断方向に２５．４ｍｍ×長手方向に２８ｍｍの矩形領域を含む、コア−バックシート積層体の一部でなければならない。サンプルは、四角形の２つの縁部がバックシートフィルム及び塗布パターンの長手方向に沿って配向されるように配置する必要がある。

サンプルは、引張器具内に固定することができるコア部分及びバックシート部分を有して提供される必要がある。これらの部分を作り出すため、剥離強度測定に関して記載したように、サンプルを部分的に層間剥離するか又は適切な接着テープを使用して作製することができる。

サンプルの同じ長手方向端部からコア及びバックシートを引き離すことによって積層体を開く「剥離強度」とは対照的に、この「せん断強度」試験では、コア−バックシート積層体がその面内に維持されるように、コア及びバックシートはサンプルの反対側の長手方向端部において固定されることに留意されたい。

幅２５．４ｍｍ×長さ少なくとも２００ｍｍのサンプルは、おむつの中央前縁部から図１ａに矩形「Ｓ」で示されるように切り出され得る。

サンプルを切り出した後、両方の長手方向縁部においてバックシートをコアから層間剥離し、層間剥離の後、第１の糊剤（及び第１の糊剤のみ）がコアとバックシートを接続している幅２５．４ｍｍ×長さ２８ｍｍの貼付領域が確実に存在しているようにする。第２の糊剤又は任意の他の取り付け手段（他の糊剤、機械的接着、溶融結合等）が、測定の対象となる２０×２０領域内に存在する場合、そのサンプルは廃棄されなければならない。

Ｔａｅｒｏｓｏｌ製のＩＴ Ｉｃｅｒのような冷凍スプレー、又はジクロロメタンのような溶媒を使用して、手で剥離し易くしてもよい。

一方の長手方向縁部からのバックシート材料を引張器の下部ジョーに挿入して固定し、反対側の長手方向縁部からのコア（又はおむつの残部）を上部ジョーに挿入して固定してサンプルのたるみを最小限にするが、引張器具によって測定される予負荷が０．０５Ｎ以下であることを確認する。各ジョーは、バックシート及びコアをしっかり保持して積層体を引き離す際に滑らないようするために、サンプルと接触する好適な表面を有するべきである。

試験は、２３℃±２℃、及び５０％±２％の相対湿度に維持された空調室で行われる。引張試験機のジョー又はクランプは試験開始当初は１００ｍｍ離されている。ジョーが３０５ｍｍ／分の速度で離れていくように引張試験機を設定する。試験を開始し、ジョーが５ｍｍの距離を移動したときに開始し、ジョーが互いに離間して２００ｍｍの距離を移動するまで継続して、最大力（最大負荷とも呼ばれる）出力を記録する。試験中のどの時点でも、力を受けてサンプルが完全に引き離される可能性があり、又はコア若しくはバックシートが完全に引き裂かれる可能性がある。これが起こったとしても、測定は有効であると見なされる。

各被検査物の「せん断強度」は、層間剥離中の各サンプルに関して測定された０．０１Ｎ単位で報告される最大力を、サンプル上の第１の糊剤塗布の幅（ｃｍ）（指示通りに提供されたサンプルでは２．５４ｃｍ）で割ったものである。最終結果は、Ｎ／ｃｍの単位で、四捨五入して０．０１Ｎ／ｃｍまで報告される。

３つのサンプルの結果を平均する。平均は、Ｎ／ｃｍの単位で、四捨五入して０．０１Ｎ／ｃｍまで報告される。

この試験で使用するのに適した引張試験機としては、とりわけ、Ｚｗｉｃｋ ＧｍｂＨ ＆ Ｃｏ．ＫＧ（Ａｕｇｕｓｔ−Ｎａｇｅｌ Ｓｔ １１，Ｄ８９０７９ Ｕｌｍ Ｇｅｒｍａｎｙ）製のＺｗｉｃｋ ＲｏｅｌｌモデルＢＴＣ−ＦＲ２．５ＴＨ．Ｄ０９、Ｓｉｎｔｅｃｈ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（１００１ Ｓｈｅｌｄｏｎ Ｄｒ．，Ｃａｒｙ，Ｎ．Ｃ．２７５１３）から入手可能なＳｉｎｔｅｃｈ試験機、Ｉｎｓｔｒｏｎ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（２５００ Ｗａｓｈｉｎｇｔｏｎ Ｓｔ．，Ｃａｎｔｏｎ，Ｍａｓｓ．０２０２１）から入手可能なＩｎｓｔｒｏｎ試験機等が挙げられる。

バックシートフィルムの「長手方向引き裂き強度」
ロール状の原材料から巻き方向の長手方向に２５．４ｍｍ×１５０ｍｍのバックシートフィルム材料のサンプルを切り出す。サンプルは、フィルムの一体性及び強度を変更する可能性がある機械的結合、溶融結合、若しくは同様の結合、弾性体、縫い目、又は他の特徴部を含まない、吸収性物品の任意の場所で吸収性物品から取り出してよい。バックシートフィルムのサンプルを吸収性物品から取り出す場合には、フィルムが損傷を受けていないことを確認しながら他の構成要素を注意深く層間剥離する。サンプルの配向は、最長寸法が吸収性物品の長手方向に沿うようにしなければならない。おむつにおいて代表的なものとして、バックシート材料が不織布又はコアに積層されている場合には、積層体の糊剤の溶剤としてジクロロメタン又は石油エーテル、あるいは上述したように冷凍スプレーを使用して、不織布又はコアを除去すべきである。

製造業者の指示書に従って引張試験機を較正する。

被検査物の一方の端部を上部ジョーに挿入し、ジョーを閉じる。他方の端部を下部ジョーに挿入し、試験サンプルのたるみを防止しかつロードセルに加わる予荷重張力を０．０５Ｎ以下に維持しながらジョーを閉じる。

試験は、２３℃±２℃、及び５０％±２％の相対湿度に維持された空調室で行われる。

引張試験機のジョー又はクランプは試験開始当初は５０．８ｍｍ離されている。引張試験機を、ジョーが５０８ｍｍ／分の速度で離れ、破壊感度が５０％となるように設定する（破壊感度とは、破壊が検出されて試験が停止した時点のピークからの低下率である）。

両方のジョーが１５ｍｍの距離を移動したときに始まり、両方のジョーが１５０ｍｍの距離移動するまで、又は破壊感度に達する（サンプルが裂ける）まで続く最大ピーク時のロードセル出力を記録する。試験終了時にはサンプルは完全に引き離されているか、又は引き裂かれていてよい。

各サンプルについて記録した最大ピーク負荷を報告し、これをサンプルの幅（ｃｍ）で割る。０．０１Ｎ／ｃｍの単位で報告されるこの数値は、サンプルの「長手方向引き裂き強度」である。次に、この数値を５つのサンプルにわたって平均する。

この試験で使用するのに適した引張試験機としては、とりわけ、Ｚｗｉｃｋ ＧｍｂＨ ＆ Ｃｏ．ＫＧ（Ａｕｇｕｓｔ−Ｎａｇｅｌ Ｓｔ １１，Ｄ８９０７９ Ｕｌｍ Ｇｅｒｍａｎｙ）製のＺｗｉｃｋ ＲｏｅｌｌモデルＢＴＣ−ＦＲ２．５ＴＨ．Ｄ０９、Ｓｉｎｔｅｃｈ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（１００１ Ｓｈｅｌｄｏｎ Ｄｒ．，Ｃａｒｙ，Ｎ．Ｃ．２７５１３）から入手可能なＳｉｎｔｅｃｈ試験機、Ｉｎｓｔｒｏｎ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（２５００ Ｗａｓｈｉｎｇｔｏｎ Ｓｔ．，Ｃａｎｔｏｎ，Ｍａｓｓ．０２０２１）から入手可能なＩｎｓｔｒｏｎ試験機等が挙げられる。

遠心保持容量（ＣＲＣ）
ＣＲＣは、過剰の液体中で自由膨潤する超吸収性ポリマー粒子によって吸収される液体を測定する。ＣＲＣは、ＥＤＡＮＡ法ＷＳＰ ２４１．２−０５に従って測定される。

乾燥吸収性コアキャリパー試験
この試験を使用して、標準化された様式で吸収性コアのキャリパー（使用前、すなわち、流体充填なし）を測定し得る。

機器：分解能が０．０１ｍｍのＭｉｔｕｔｏｙｏ製の手動キャリパーゲージ又は同等の計器。

コンタクトフット：直径１７．０ｍｍ（±０．２ｍｍ）の平坦な円形フット。円形の重りをフットに適用して（例えば、器具シャフト周囲に適用しやすくするためにスロットを有する重り）、目標重量を得てもよい。フット及び付加重量の総重量（シャフトを含む）は、サンプルに０．３０ｐｓｉ（２．０７ｋＰａ）の圧力を提供するように選択される。

キャリパーゲージは、コンタクトフットの下部表面が約２０×２５ｃｍの基部プレートの平坦で水平な上部表面の中心に接触するように、コンタクトフットの下部表面が水平面にあるように備え付ける。ゲージは、コンタクトフットを基部プレート上に静置してゼロであるように設定する。

定規：ｍｍ単位で目盛が付けられた較正済み金属定規。

ストップウォッチ：精度１秒。

サンプル調製：コアを上記のように少なくとも２４時間状態調整する。

測定手順：コアを、底側、すなわち、最終物品においてバックシートに向けて配置する予定の側を下向きにして平坦に置く。測定点（例えば、股ポイントＣ）は、コアを圧縮又は変形させないように注意しながら、コアの上面に注意深く描かれる。

キャリパーゲージのコンタクトフットを持ち上げ、コアを、コアの上面を上向きにしてキャリパーゲージの基部プレート上に平坦に配置して、下げたときにフットの中心が印を付けた測定点上にあるようにする。

フットを物品の上に慎重に下ろしてから解放する（測定開始前に較正が「０」であることを確認する）。キャリパー値は、フットを解放した１０秒後に０．０１ｍｍ単位で読み取る。

手順を各測定点について繰り返す。測定点に折り目がある場合には、この点に最も近いが折り目の一切ない領域で測定する。１０個の物品を所与の製品に対してこの様式で測定し、平均キャリパーを算出し、１０分の１ｍｍの精度で報告する。

吸収性物品キャリパー試験
吸収性物品キャリパー試験は、コアのキャリパーの代わりに最終吸収性物品のキャリパーを測定するという差異はありながら、乾燥吸収性コアキャリパー試験についてのように行うことができる。測定点は、上記で定義したコアの股ポイントに垂直方向で対応し得る。吸収性物品が折り畳まれて及び／又はパッケージ中で提供される場合は、測定する物品を広げる及び／又はパッケージの中心領域から取り出す。パッケージが４超の物品を含む場合、パッケージの各面上の最も外側の２つの物品は試験で使用されない。パッケージが４個より多いが１４個より少ない物品を含む場合には、試験を完了するために物品のパッケージ２個以上が必要である。パッケージが１４個以上の物品を含む場合には、試験を行うために物品のパッケージ１個のみが必要である。パッケージが４個以下の物品を含む場合には、パッケージ中の全ての物品を測定し、かつ複数のパッケージの測定を行う必要がある。キャリパーの読み取り値は、物品をパッケージから取り出し、広げ、状態調整してから２４±１時間後に取るべきである。製品の物理的操作は最小限であり、必要なサンプルの調製のみに限定されるべきである。

物品がキャリパーフットの下に平坦に配置されるのを阻止する物品のいずれの弾性構成要素も、切断するか、又は除去する。これらにはレッグカフ又はウエストバンドを挙げることができる。パンツ型物品は、必要に応じて、開くか、又はサイドシームに沿って切断する。十分な張力を加えて、全ての折り目／しわを平坦にならす。測定領域に触れること及び／又はそれを圧縮することは避けるように注意する。

本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものとする。

相互参照される又は関連する特許又は出願等の、本願に引用される全ての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。

Claims (15)

1. 着用者に面する面と、衣類に面する面と、長手方向軸線と、横断方向軸線とを有する個人衛生用の吸収性物品であって、前記物品は、
   前記着用者に面する面上のトップシートと、
   前記衣類に面する面上のバックシートと、
   前記トップシートと前記バックシートとの間の吸収性コアであって、上面と下面とを有し、超吸収性ポリマーを含む吸収性材料を含む、吸収性コアと、を含み、
   前記バックシートは、Ｎ／ｃｍの単位で測定される長手方向引き裂き強度を有するプラスチックフィルムを含み、
   前記吸収性コアは、第１の糊剤塗布領域及び第１の糊剤塗布パターンを有する第１の糊剤によって前記バックシートの前記プラスチックフィルムに部分的に取り付けられ、前記コアの前記下面の長手方向に約１０ｍｍ及び横断方向に約２５ｍｍの少なくとも連続領域が、前記第１の糊剤によって又は任意の他の取り付け手段によって前記バックシートに取り付けられておらず、
   前記吸収性物品は、前記第１の糊剤塗布領域内に、Ｎ／ｃｍの単位で測定されるコア−バックシート剥離強度を有し、
   前記コア−バックシート剥離強度が、前記プラスチックフィルムの前記長手方向引き裂き強度の約１０％〜約４０％の範囲である、吸収性物品。
2. 前記第１の糊剤塗布パターンが非連続的パターンであり、好ましくは、渦、小型の渦、又は不規則に配置された糊剤の繊維などの糊剤フィラメントを含むパターンである、請求項１に記載の吸収性物品。
3. 前記糊剤フィラメントの平均幅が、約０．０５ｍｍ〜約０．３ｍｍ幅である、請求項２に記載の吸収性物品。
4. 前記第１の糊剤塗布領域内の前記コア−バックシート剥離強度が、約０．３Ｎ／ｃｍ〜約４Ｎ／ｃｍである、請求項１〜３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
5. 前記吸収性コアが、前記長手方向軸線の一方の側に配設された第１のチャネルと、前記長手方向軸線の他方の側に配設された第２のチャネルとを含む、請求項１〜４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
6. 前記第１のチャネル及び前記第２のチャネルが、少なくとも部分的に、前記第１の糊剤及び前記第２の糊剤によって前記バックシートに取り付けられていない、請求項５に記載の吸収性物品。
7. 第２の糊剤塗布領域及び好ましくは連続的パターンである第２の糊剤塗布パターンを有する第２の糊剤を更に含み、前記第２の糊剤塗布領域が長手方向に細長く、かつ前記物品の横断方向中央に位置付けられる、請求項１〜６のいずれか一項に記載の吸収性物品。
8. 前記第２の糊剤塗布領域が、少なくとも部分的に前記チャネルの間に存在し、前記第１の糊剤塗布領域が、少なくとも部分的に前記チャネルの間の領域の外側である、請求項７に記載の吸収性物品。
9. 前記第１の糊剤塗布領域が前記第２の糊剤塗布領域よりも広く、前記第１の糊剤塗布領域が前記第２の糊剤塗布領域よりも少なくとも約３倍広い、請求項７又は８に記載の吸収性物品。
10. 約３Ｎ／ｃｍ〜約２０Ｎ／ｃｍのコア−バックシート積層体せん断強度を有する、請求項１〜９のいずれか一項に記載の吸収性物品。
11. 前記第１の糊剤塗布領域が、長手方向軸線の一方の側の少なくとも第１の部分と、前記長手方向軸線の他方の側の少なくとも第２の部分とを含み、これら両方の部分が前記吸収性コアの全長に沿って延在し、前記吸収性コアが前縁部と後縁部とを有し、これらの縁部が、それぞれ前記第１の糊剤領域の前部及び後部によってそれらの全幅に沿って取り付けられる、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の吸収性物品。
12. 前記吸収性コアの前記吸収性材料が、前記吸収性材料の約２０重量％未満のセルロース繊維を含む、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の吸収性物品。
13. 吸収性コアをバックシートに糊剤接着するプロセスであって、
    吸収性コアを提供する工程と、
    プラスチックフィルムを含むバックシートを提供する工程と、
    第１の糊剤塗布パターンに従って、第１の糊剤塗布領域上の前記バックシート又は前記吸収性コア上に第１の糊剤を塗布する工程と、
    第２の糊剤塗布パターンに従って、第２の糊剤塗布領域上の前記バックシート又は前記吸収性コア上に第２の糊剤を塗布する工程と、
    その後、前記バックシートと前記吸収性コアとが前記第１の糊剤及び前記第２の糊剤によって取り付けられるように、前記バックシートと前記吸収性コアとを接触させる工程と、を含み、
    前記第１の糊剤塗布領域内の結果として得られるコア−バックシート剥離強度が、前記バックシートの前記プラスチックフィルムの前記長手方向引き裂き強度の約１０％〜約４０％の範囲である、プロセス。
14. 前記第１の糊剤が非接触型アプリケータによって塗布され、前記第２の糊剤が、スロットコーターなどの接触型アプリケータを用いて塗布される、請求項１３に記載のプロセス。
15. 前記第１の糊剤が、平行に配設された複数のノズルによって塗布され、コア／バックシートの組み合わせのそれぞれに関して、様々な長さの長手方向に延在する部分を含む第１の糊剤塗布領域を提供するために、前記ノズルのうち少なくともいくつかがオン・オフされる、請求項１３又は１４に記載のプロセス。

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