JP4226843B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨ておむつに関するものであり、特に、高齢者が装着するための夜間用使い捨ておむつに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、使い捨ておむつは、主として、赤ちゃん、高齢者等を対象とした排出物を吸液する商品であり、介護者及び被介護者等、「生活者がさまざまな負担から解放されるよう、人々の心と体をやさしくサポートする商品を提供し、一人ひとりの夢をかなえるために力を尽くし続け」る、即ち、「やさしさをつくる」、そして、「やさしさでささえる」ことを究極目標とし、各種の商品が開発されている。
【0003】
これに関して、身体を動かすことも不自由な高齢者、即ち、「寝たきり老人」に対して用いることができる使い捨ておむつが提案されている。このような使い捨ておむつは、活動的とはいえない「寝たきり老人」に対して用いる場合には、両足を通して装着するパンツタイプの使い捨ておむつよりも、高齢者の身体をあまり動かさずに装着させることができるパッドタイプの使い捨ておむつの方が好まれている。
【0004】
また、このような使い捨ておむつは、女性の手により装着させるケースも考慮する必要がある。赤ちゃんのような体重の軽い者に対して用いる場合には、女性でも赤ちゃんの身体を自由に動かし装着させることもできるが、成人並に体重のある高齢者に対して装着させる場合には、女性の手では容易に身体を動かすことができず、「寝たきり老人」に対しては身体を横向きに回転させることが精一杯である。このため、女性の手により使い捨ておむつを装着させるためには、高齢者を横向きに寝かせ、上述した使い捨ておむつを敷き、高齢者の臀部等を使い捨ておむつにのせるように高齢者を仰向けにさせて、両腿間から使い捨ておむつを折り曲げながら、その使い捨ておむつの一端を身体の前面に引き出し、装着させる、という方法が一般的に採られている。
【0005】
また、夜間に用いる厚手の使い捨ておむつが提案されている。この厚手の使い捨ておむつは、夜間用いるために、400g以上の保水量が必要であり、この条件を満たすためには、最新の技術を用いても5mm程度の厚さが必要となる。
【0006】
一方、実開平6−21622号公報では、使い捨ておむつの身体側に条溝を形成し、衣服側が頂点となるよう折り曲げやすく、股下に皺がよらないようにした使い捨ておむつが提案されており、排出物を吸液し損ねることなく、違和感のない装着感が得られる。また、このような使い捨ておむつでは、股下域で幅方向に圧縮されてコ字形状に変形し、カップ型の空間が生じるので、その中に男性器を包み込むことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような使い捨ておむつでは、股下域では皺は寄らないが、男性器付近では、幅方向に力が加わらないため、コ字形状を保持することは容易ではなく、男性器を下向きに固定できないおそれがある。例えば、男性器が左右方向に向くこととなると、立体ギャザーを採用した使い捨ておむつであっても、その男性器が立体ギャザー外部にはみ出るおそれがあり、その場合には、体液を吸収することはできない。更には、男性器が上方向に向くこととなると、使い捨ておむつはその上方が閉じられておらず、防漏壁としての機能を果たすことなく、吸収体により体液を十分に吸収することができず、使い捨ておむつ外部に体液が漏れ出ることとなりかねない。
【0008】
また、「寝たきり老人」の男性器は、窪んだ男性器、斜めに変形した男性器等、個々人により形状が異なるものであり、その中でも、短い男性器は、下方向に固定することは難しく、上述した如く、左右向き、上向きとなる可能性が高く、全ての「寝たきり老人」の体液を吸収することとはならない。
【0009】
更には、「寝たきり老人」の「床ずれ」を予防するために不可欠な「体位変換」を行わなければならず、その「体位変換」により男性器が下向きとは異なる方向に向くことがあり、男性器が使い捨ておむつからはみ出し、体液を吸収しないおそれもある。
【0010】
一方、特開平10−5274号公報では、股下域の立体ギャザー外部に一対の吸収体を備え、股下域のフィット感を高めながら、股下域の吸収力を低下させることのない使い捨ておむつが提案されているが、男性器を固定することとはならず、男性器が立体ギャザーをはみ出した場合には、対処することはできない。
【0011】
更にまた、このような使い捨ておむつに関しては、男性と女性とでは、性器の位置が大きく異なるため、男性用、女性用というように両者を使い分けなければならず、両者を購入することは煩雑である。また、男性が女性用を装着することにより、女性が男性用を装着することにより、体液を吸収する可能性が低下するおそれもある。
【0012】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、「寝たきり老人」の男性器を固定するとともに、「寝たきり老人」の体液を十分に吸収し、液漏を防止することができるようにした使い捨ておむつを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明に係る使い捨ておむつは、着用者の身体側に向けて凹となるような折り曲げが行われて用いられる場合には、前記折り曲げが円滑に行われる凹状折り曲げ部を備え、当該凹状折り曲げ部は、前記使い捨ておむつの前記表面側シートの面から見た形状が、当該使い捨ておむつにおける長手方向端部に向かってハ字状であり、かつ、前記凹状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されているようなものであることを特徴とする。
【0014】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0015】
(1) 身体側に面する透水性の表面側シートと衣服側に面する透水性又は不透水性の裏面側シートとが体液を吸収する吸収体を内包させた形態で接合されて成るものであり、着用の際には、着用者の身体側に向けて凹となるような折り曲げが行われて用いられる使い捨ておむつであって、前記折り曲げが円滑に行われる凹状折り曲げ部を備え、当該凹状折り曲げ部は、前記使い捨ておむつの前記表面側シートの面から見た形状が、当該使い捨ておむつにおける長手方向端部に向かってハ字状であり、かつ、前記凹状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されているものであることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0016】
上述した(1)の発明によれば、「前記折り曲げが円滑に行われる凹状折り曲げ部を備え、当該凹状折り曲げ部は、前記使い捨ておむつの前記表面側シートの面から見た形状が、当該使い捨ておむつにおける長手方向端部に向かってハ字状であり、かつ、前記凹状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されているものである」ので、衣服側に突出するようカップ形状に折り曲げることが容易にできるため、男性器を下方向向きに固定することができるとともに、男性器が左右方向、上方向に向いた場合であっても、カップ形状に保持されているため、体液の漏れを防止することができる。もちろん、このような使い捨ておむつの前面上方をも覆うことができるので、上方からの漏れも防止することができる。更には、男性器が短いものの場合であっても、体液の漏れを防止することができる。
【0017】
また、使い捨ておむつを装着させることが容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に、適切に装着させることができる。更には、「夜用」といわれる厚手の使い捨ておむつに採用することにより、容易に、適切に装着させることができる。
【0018】
(2) 前記凹状折り曲げ部の折り曲げ方向に対する剛性が0.10N・cmから0.40N・cmであることを特徴とする(1)記載の使い捨ておむつ。
【0019】
上述した(2)の発明によれば、「前記凹状折り曲げ部の折り曲げ方向に対する剛性が0.10N・cmから0.40N・cmである」ので、衣服側に突出するようカップ形状に折り曲げることが容易にできるため、男性器を下方向向きに固定することができるとともに、男性器が左右方向、上方向に向いた場合であっても、カップ形状に保持されているため、体液の漏れを防止することができる。もちろん、このような使い捨ておむつの前面上方をも覆うことができるので、上方からの漏れも防止することができる。更には、男性器が短いものの場合であっても、体液の漏れを防止することができる。
【0020】
また、使い捨ておむつを装着させることが容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に、適切に装着させることができる。更には、「夜用」といわれる厚手の使い捨ておむつに採用することにより、容易に、適切に装着させることができる。
【0021】
(3) 前記吸収体における前記凹状折り曲げ部には、前記吸収体の身体側の面に凹状領域を備えたことを特徴とする(1)又は(2)記載の使い捨ておむつ。
【0022】
上述した(3)の発明によれば、「前記吸収体における前記凹状折り曲げ部には、前記吸収体の身体側の面に凹状領域を備えた」ので、衣服側に突出するようカップ形状に折り曲げることが容易にできるため、男性器を下方向向きに固定することができるとともに、男性器が左右方向、上方向に向いた場合であっても、カップ形状に保持されているため、体液の漏れを防止することができる。もちろん、このような使い捨ておむつの前面上方をも覆うことができるので、上方からの漏れも防止することができる。更には、男性器が短いものの場合であっても、体液の漏れを防止することができる。
【0023】
また、使い捨ておむつを装着させることが容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に、適切に装着させることができる。更には、「夜用」といわれる厚手の使い捨ておむつに採用することにより、容易に、適切に装着させることができる。
【0024】
(4) 前記凹状領域の短手方向に対する幅は、前記凹状領域の深さの2倍以上の長さであることを特徴とする(3)記載の使い捨ておむつ。
【0025】
上述した(4)の発明によれば、「前記凹状領域の短手方向に対する幅は、前記凹状領域の深さの2倍よりも長い」ので、両端の角度を0度近くまで折り曲げることができ、容易に装着させることができ、更には、装着が容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に装着させることができる。
【0026】
(5) 前記凹状領域の短手方向に対する幅は、5mmから25mmであることを特徴とする(4)記載の使い捨ておむつ。
【0027】
上述した(5)の発明によれば、「前記凹状領域の短手方向に対する幅は、5mmから25mmである」ので、両端の角度を0度近くまで折り曲げることができ、容易に装着させることができ、更には、装着が容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に装着させることができる。
【0028】
尚、「夜用」の使い捨ておむつは、少なくとも400gの排出物を吸収可能とするため、使い捨ておむつの厚みは5mm以上となり、凹状領域の深さが使い捨ておむつの厚みの半分である2.5mmとすると、凹状領域の幅は、最低2.5mmの2倍である5.0mmとなる。更に、「夜用」の使い捨ておむつは、25.0mmの厚さがあれば排出物を充分吸収でき、凹状領域の深さが使い捨ておむつの厚みの半分である12.5mmとすると、凹状領域の幅は、その2倍である25.0mmあればよい。
【0029】
(6) (1)から(5)いずれか記載の使い捨ておむつは、その長手方向に対して弾性力を付与する弾性部材を備え、前記凹状折り曲げ部と、弾性部材と、が交差していることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0030】
上述した(6)の発明によれば、「(1)から(5)いずれか記載の使い捨ておむつは、その長手方向に対して弾性力を付与する弾性部材を備え、前記凹状折り曲げ部と、弾性部材と、が交差している」ので、折り曲げた状態を保持することが容易であり、折れクセをつけた後に、その状態を保持することとなるので、カップ形状を崩すことなく、容易に、適切に装着させることができる。
【0031】
(7) 前記凹状折り曲げ部は、(1)から(6)いずれか記載の使い捨ておむつにおける長手方向に対して、15度以上90度未満の角度のハ字状であることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0032】
上述した(7)の発明によれば、「前記凹状折り曲げ部は、(1)から(6)いずれか記載の使い捨ておむつにおける長手方向に対して、15度以上90度未満の角度のハ字状である」ので、折り曲げた状態を保持することが容易であるので、折れクセをつけた後に、その状態を保持することとなり、カップ形状を崩すことなく、容易に装着させることができる。また、上述した凹状折り曲げ部の角度は、15度以上90度未満としたが、30度以上60度以下の範囲が望ましい。
【0033】
(8) (1)から(7)いずれか記載の使い捨ておむつは、本体領域と、前記使い捨ておむつにおける前記折り曲げ部で前記本体領域と分けられた被折り曲げ領域と、を含むものであり、かつ、前記弾性部材は、前記被折り曲げ領域に固定されていることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0034】
(8)の発明によれば、「(1)から(7)いずれか記載の使い捨ておむつは、本体領域と、前記使い捨ておむつにおける前記折り曲げ部で前記本体領域と分けられた被折り曲げ領域と、を含むものであり、かつ、前記弾性部材は、前記被折り曲げ領域に固定されている」ので、折り曲げた状態を弾性力により保持することが容易であるので、折れクセをつけた後に、その状態を保持することとなり、カップ形状を崩すことなく、容易に装着させることができる。
【0035】
(9) (1)から(8)記載の使い捨ておむつは、その長手方向に沿って、当該長手方向に対する剛軟度がその周囲とは異なる形状安定領域を備えたことを特徴とする使い捨ておむつ。
【0036】
上述した(9)の発明によれば、「(1)から(8)記載の使い捨ておむつは、その長手方向に沿って、当該長手方向に対する剛軟度がその周囲とは異なる形状安定領域を備えた」ので、長手方向に対して折り曲がりにくくなるため、カップ形状を保持し易くなり、更には、幅方向に対する圧力を逃がすことができ、カップ形状を容易に保持することができる。
【0037】
また、このような形状安定部は、使い捨ておむつの長手方向に沿って、プレスをかけたり、使い捨ておむつの長手方向に沿って溝部を設けたりすることによって、剛軟性が周囲とは異なるように構成することができる。
【0038】
(10) 前記被折り曲げ領域における吸収体の吸収容量は、前記本体領域の吸収容量よりも小さいことを特徴とする(1)から(9)いずれか記載の使い捨ておむつ。
【0039】
上述した(10)の発明によれば、前記被折り曲げ領域は、折り曲がり、着用者の身体に当接するので、吸収体としてではなく、防漏壁としての機能が主となり、被折り曲げ領域における吸収体の吸収容量は、前記本体領域よりも少なくすることが可能である。例えば、その被折り曲げ領域のみを薄手にすることもできる。このように、「前記被折り曲げ領域における吸収体の吸収容量は、前記本体領域の吸収容量よりも少ない」ので、吸収体をコンパクトにし、更には、その吸収容量を少なくするために排除した吸収体を股下域等、吸収容量が多く必要な場所に位置付けることにより、より一層吸収性に優れた使い捨ておむつとなる。
【0040】
(11) 前記被折り曲げ領域において、本体領域とは剛軟性が小さく設定されていることを特徴とする(8)から(10)いずれか記載の使い捨ておむつ。
【0041】
上述した(11)の発明によれば、「前記被折り曲げ領域において、本体領域とは剛軟性が小さく設定されている」ので、被折り曲げ領域が外側に折り曲がり易くなり、カップ形状を保持するだけでなく、極端に身体側に突出することを防ぎ、より一層装着のしやすいカップ形状を形作ることができる。
【0042】
(12) 身体側に面する透水性の表面側シートと衣服側に面する透水性又は不透水性の裏面側シートとが体液を吸収する吸収体を内包させた形態で接合されて成るものであり、着用の際には、着用者の身体側に向けて凸となるような折り曲げが行われて用いられる使い捨ておむつであって、前記折り曲げが行われる凸状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されていることを特徴とする使い捨ておむつ。
【0043】
(12)の発明によれば、「前記折り曲げが行われる凸状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されている」ので、女性器に密着するように、身体側が頂点となるようにも装着させることができる。
【0044】
(13) 前記吸収体における凸状折り曲げ部には、長手方向に沿って、前記吸収体の衣服側の面に凹状領域を備えたことを特徴とする(12)記載の使い捨ておむつ。
【0045】
(13)の発明によれば、「前記吸収体における凸状折り曲げ部には、長手方向に沿って、前記吸収体の衣服側の面に凹状領域を備えた」ので、男性器を覆うカップ形状として装着させるだけでなく、女性器に密着するように、身体側が頂点となるようにも装着させることができ、男女両用として用いることができ、簡便である。
【0046】
(14) 前記吸収体は、身体側に面する上層吸収体と、衣服側に面する下層吸収体と、前記上層吸収体を被覆する包装体と、を含みこむものであり、前記上層吸収体にはスリットが設けられており、前記包装体は、前記上層吸収体の外面に接着されるとともに、前記スリットを貫通させて接着されることを特徴とする(1)から(11)いずれか記載の使い捨ておむつ。
【0047】
(14)の発明によれば、「前記吸収体は、身体側に面する上層吸収体と、衣服側に面する下層吸収体と、前記上層吸収体を被覆する包装体と、を含みこむものであり、前記上層吸収体にはスリットが設けられており、前記包装体は、前記上層吸収体の外面に接着されるとともに、前記スリットを貫通させて接着される」ので、上層吸収体を強固に包装することができ、スリットのずれを防止することができる。尚、この接着方法は、上述した如く、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、各部材に対する熱溶着の技術を利用することが主流となっているが、そのホットメルト接着剤の塗工方法としては、スパイラル状、Ω字状、面状等を併せて用いることもあり、その目付は2g/m2から10g/m2であることが好ましい。
【0048】
(15) 前記下層吸液体は、前記上層吸液体よりも保水性が高いことを特徴とする(14)記載の使い捨ておむつ。
【0049】
上述した(15)の発明によれば、「前記下層吸液体は、前記上層吸液体よりも保水性が高い」ので、吸収した排泄物は、身体側から近い上層吸液体よりも身体側から遠い下層吸液体に蓄積され易く、所定の圧力を掛けても排出物が身体側に逆戻りすることを防止する。
【0050】
(16) 長手方向の剛性より短手方向の剛性が強い折り目部を設けたことを特徴とする(1)から(15)いずれか記載の使い捨ておむつ。
【0051】
上述した(16)の発明によれば、「長手方向の剛性より短手方向の剛性が強い折り目部を設けた」ので、前面として用いる一端を、折り曲げても他端側は折り曲がることなく、皺もよることがないため、適切に装着することができる。また、装着した際には、フィット感もよい。
【0052】
(17) 前記弾性部材を有し、着用者の身体に当接する防漏帯と、固形の排出物を蓄積するポケット部と、を備えたことを特徴とする(1)から(16)いずれか記載の使い捨ておむつ。
【0053】
上述した(17)の発明によれば、「前記弾性部材を有し、着用者の身体に当接する防漏帯と、固形の排出物を蓄積するポケット部と、を備えた」ので、液体の排出物だけでなく、固形の排出物を蓄積することができ、更に、両腿間からの排出物が漏れることを防止することができる。
【0054】
[用語の定義等]
請求項中における「ハ字状」とは、略ハ字状であればよく、長手方向端部に近づくほど幅方向に対する互いの距離が短くなる形状を含む概念である。例えば、長手方向端部に近づくほど幅方向に対する互いの距離が短くなり、かつ、その長手方向端部近傍で交わりあうような折り曲げ部であってもよく、その結果、長手方向端縁の少なくとも一部が面するように装着することができるものをいう。一般には、長手方向に対して略左右対称であるものが用いられる。
【0055】
「交差」とは、二本以上の線状のものが、実際に一点で重なる位置関係であることと、実際に交わりはしないが、使い捨ておむつの上方で交わるような位置関係であることと、を問わない。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。尚、本実施形態において、「幅」というときは使い捨ておむつ等の「短手方向」を意味し、「長さ」というときは使い捨ておむつ等の「長手方向」を意味し、更に、「厚さ」というときは使い捨ておむつ等の「高さ方向」を意味する。
【0057】
図1は、本実施形態の使い捨て吸液パッドを示す概略斜視図である。
【0058】
使い捨て吸液パッド10は、パッドタイプの使い捨ておむつであり、400g以上の保水量を有する、所謂、「夜用」といわれるものである。この使い捨て吸液パッド10は、主として身体の不自由な高齢者を対象としたものであり、両腿に挟み込むように装着された後に、その外面を覆うように紙製若しくは布製のおむつ、パンツ等を装着することにより固定されるものである。また、この使い捨ておむつは、長手方向に十分な長さを有する男女兼用の使い捨ておむつである。
【0059】
尚、本実施形態における使い捨ておむつは、パッドタイプで、「夜用」の使い捨て吸液パッド10について説明するが、折り曲げながら装着するものであればよく、更には、「夜用」でなくともよく、折り曲げ方向の剛性が強いものに対して本発明を採用することにより、より一層の効果が得られる。更にまた、パッドタイプには、パッドの端部を接合できるものや、パッドの端部を接合しないでもよいものがあるが、本発明は両者ともに用いることができる。
【0060】
この使い捨て吸液パッド10は、幅方向と交差する長手方向に胴回り域20、21と、これらの胴回り域20、21の間に位置する股下域22と、を有し、互いに対向して長手方向へ延び、股下域22において使い捨て吸液パッド10の内方へ湾曲する両側縁23、24と、両側縁23、24と交差して互いに対向して幅方向へ延びる両端縁25、26と、を有する前後対称、左右対称タイプのものである。
【0061】
この胴回り域20、21及び股下域22にかけて、幅方向中央部には、透液性のトップシート31が面しており、後述する不透液性のバックシート41(図2参照)とともに、後述する吸液性コア51(図2参照)を内包する。
【0062】
また、使い捨て吸液パッド10は、その両側縁23、24に、上述したトップシート31、バックシート41、吸液性コア51を接合する接合布61、71(図2参照)を有し、後述する如く、接合布61、71に内在する複数の弾性部材62、63、64、72、73、74(図2参照)により、使い捨て吸液パッド10を内方へ湾曲させる。また、この接合布61、71には、防漏カフ65、75が形成されており、上述した弾性部材62、63により、両腿の付根を両腿方向に締め付け、排出物を漏らすことを防止するのである。
【0063】
更にまた、使い捨て吸液パッド10は、股下域22の中央部22a近傍から胴回り域20、21の端縁25、26近傍に、使い捨ておむつ10の非肌当接面の方向へ凹むポケット27、28を備えており、このポケット27、28は、固形の排出物を蓄積する機能を有する。尚、本実施形態の使い捨て吸液パッド10は、前後対象タイプであり、胴周り域20を前面として使用する場合には、ポケット28が固形の排出物を蓄積する機能を有し、胴回り域21を前面として使用する場合には、ポケット27が固形の排出物を蓄積する機能を有するものである。
【0064】
また、股下域22の中央部22aには、幅方向に延びる折り目29が形成されており、後述する如く、胴回り域20を前面とし、その胴回り域20を、身体側が頂点となるように、又は、衣服側が頂点となるように、折り曲げた場合であっても、胴回り域21及び股下域22に皺を生じさせない。
【0065】
図2は、本実施形態の使い捨て吸液パッド10を示す分解斜視図であり、図3は、本実施形態の使い捨て吸液パッド10を示す断面図である。尚、図2は、複数の弾性部材62〜64、72〜74により接合布61、71が縮まないことを想定して描かれており、図3は、本実施形態における使い捨て吸液パッド10が左右対称であるため、片側のみを描いたものである。
【0066】
使い捨て吸液パッド10は、図2に示す如く、透液性のトップシート31と、不透液性のバックシート41と、トップシート31及びバックシート41の間に介在する吸液性コア51と、これらのトップシート31、バックシート41、及び、吸液性コア51を接合し、長手方向に延びる一対の接合布61、71と、で構成されている。
【0067】
上述したトップシート31は、装着時に身体側に当接するものであり、透液性の不織布や開孔プラスチックフイルム等の透液性のシート、好ましくは透液性であって疎水性のシートが使用される。
【0068】
上述したバックシート41は、装着時に衣服側に当接するものであり、不透液性のプラスチックフイルムまたはプラスチックフイルムと疎水性不織布とのラミネートシート、好ましくは通気不透液性のシートが使用される。
【0069】
上述した吸液性コア51は、二層タイプの吸液性コアであり、上層吸液体101と、下層吸液体131と、それらの上層吸液体101及び下層吸液体131の各々の外周を被覆する透液性の包装シート121、151と、で構成されている。尚、本実施形態における吸液性コア51においては、上述した構成としたが、本発明はこの構成に限らず、例えば、高吸収シート等を挟み込んだものであってもよく、更には、後述する如く、一層タイプの吸液性コア201で(図29参照)であってもよい。
【0070】
図4は、本実施形態の上層吸液体101を示す平面図及び断面図であり、図5は、本実施形態の下層吸液体131を示す平面図及び断面図である。また、図6は、トップシート31を示す平面図であり、点線は、その下側に位置する上層吸液体101に設けられたスリット103〜106を示す。尚、図6に示すトップシート31には、符号66及び76を境界線として接合布61、71が接着されている。また、図7は、本実施形態のトップシート31及び接合布61、71を示す断面図である。
【0071】
上層吸液体101は、図4に示す如く、矩形状の吸液体に、長手方向に対する中央側縁部に半楕円形状の切り欠きを形成したものである。また、この上層吸液体101は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物であり、所要の厚みに圧縮され、全体がティシュペーパ等の透水性を有する包装シート121によって被覆されている。尚、上層吸液体101は、排出物を吸収しやすくすべく、その中央部を、その両端縁よりも厚目に形成されている。
【0072】
また、上層吸液体101は、その胴回り域20、21の各々に、ハ字状に延びる2対のスリット103〜106を備えている。このスリット103〜106は、同形状に形成されており、上下対照、左右対照に形成された使い捨て吸液パッド10の中心に対象に形成されている。また、このスリット103〜106は、後述する如く、略矩形状のスリットであり、その側面は上層吸液体101に対して略垂直に形成されている。
【0073】
また、上述したスリット103〜106は、長手方向に対して15度以上90度未満であればよく、30度以上60度以下であることが望ましい。これは、図6に示す如く、弾性部材62、72と、スリット103〜106が交差するようにするためである。尚、本実施形態において、スリット103〜106は、使い捨て吸液パッド10の長手方向に対する角度を約30度としていたが、図31に示す如く、使い捨て吸液パッド301の長手方向に対する角度を約80度としてもよく、図32に示す如く、使い捨て吸液パッド303の長手方向に対する角度を約20度としてもよい。
【0074】
このように、使い捨ておむつが「その長手方向に対して弾性力を付与する弾性部材を備え、前記凹状折り曲げ部と、弾性部材と、が交差している」ので、折り曲げた状態を保持することが容易であり、折れクセをつけた後に、その状態を保持することとなるので、カップ形状を崩すことなく、容易に、適切に装着させることができるのである。
【0075】
また、上述した上層吸液体101は、本体領域108と、その本体領域108からスリット103〜106で分けられた被折り曲げ領域109と、から構成されている。
【0076】
この被折り曲げ領域109に、スリット103〜106と平行に、ヒンジプレス、エンボスプレスを行うことにより、スリット103〜106に平行な方向に対する剛性を強める、即ち、被折り曲げ領域109を更に外側に折れ易くすることができることとなり、装着させた場合、その身体側に著しく突出することを防ぐことにより、より一層、装着し易い使い捨て吸液パッドとなる。
【0077】
尚、本実施形態における使い捨て吸液パッド10では、上層吸液体101及び下層吸液体131を略同じ外寸としたが、本発明はこれに限らず、上層吸液体101若しくは下層吸液体131を本体領域と略同じ形状としてもよい。
【0078】
これは、被折り曲げ領域109における機能が、吸液体としての機能としてではなく、防漏壁としての機能を果たすこととなるので、それほど体液を吸液する必要がないためである。これにより、このあまった吸液体を股下域22に補充することもでき、このケースでは、より一層吸収する機能を高めることができる。
【0079】
更には、上述した如く、ヒンジプレス、エンボスプレスを形成することなく、被折り曲げ領域109の剛性を弱め、被折り曲げ領域109を更に外側に折れ易くすることができるため、装着させた場合、その身体側に著しく突出することを防ぐことにより、より一層、装着し易い使い捨て吸液パッドとなる。
【0080】
更にまた、被折り曲げ領域109を薄手にすることにより、被折り曲げ領域109の剛性が弱まり、スリット103〜106を形成することなく容易に折り曲げることができることともなる。
【0081】
また、下層吸液体131は、図5に示す如く、上層吸液体101と同じように、矩形状の吸液体に、長手方向に対する中央側縁部に半楕円形状の切り欠きを形成したものである。また、この上層吸液体101は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物であり、所要の厚みに圧縮され、全体がティシュペーパ等の透水性を有する包装シート151によって被覆されている。尚、下層吸液体131は、排出物を吸収しやすくすべく、その中央部を、その両端縁よりも厚目に形成されている。
【0082】
更にまた、下層吸液体131は、その胴回り域20、21の各々の幅方向中央に、長手方向に延びる2つのスリット136、137を備えている。この2つのスリット136、137は、同形状に形成されており、上下対照、左右対照に形成された使い捨て吸液パッド10の中心に対象に形成されている。また、このスリット136、137は、後述する如く、矩形状のスリットであり、スリット136の側面は下層吸液体131に対して垂直に形成されている。
【0083】
また、上層吸液体101、下層吸液体131、包装シート121、151の固着には、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤により、図3に示す如く、接着され、接着剤や粘着剤の他に、各部材に対する熱溶着の技術を利用することができる。ホットメルト接着剤の塗工方法としては、スパイラル状、Ω字状、面状等を用いることができる。更に、包装シート121に被覆された上層吸液体101と、包装シート151に被覆された下層吸液体131と、は、上述した接着方法と同じように、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤等が用いられ、その他にも、スパイラル状、Ω字状、面状等を用いることができる。
【0084】
更にまた、この吸液性コア51は、パルプの目付が500g/m2〜550g/m2、高吸収性ポリマー粒子の目付が279g/m2〜319g/m2、そして、厚みが7.3mm〜8.5mmとなっている。一方、スリット103〜106、137及び138が形成された箇所では、パルプの目付が250g/m2〜300g/m2、高吸収性ポリマー粒子の目付が134g/m2〜149g/m2、そして、厚みが3.6mm〜4.6mmとなっている。
【0085】
更には、上層吸液体101及び下層吸液体131には、包装シート121、151とともに、エンボスプレスがなされるエンボス部107が形成されており、長手方向に沿った方向に対する剛性が強まり、折れクセの機能を発揮することとなる。
【0086】
尚、本実施形態におけるエンボス部107では、その幅が50mmとしたものであったが、本発明はこれに限らず、エンボス部107でカップ状に折れた形状が、股下域22に違和感なく入る寸法が望ましく、そのエンボス部107の幅が10mmから60mmであることが好ましい。
【0087】
また、本実施形態における使い捨て吸液パッド10では、上層吸液体101と下層吸液体131とを合計した目付が780g/m2であって、これらの上層吸液体101及び下層吸液体131を、包装シート121、151とともに、厚み3mmまでエンボスプレスしており、そのエンボス部107における密度が260000g/m3としたものであったが、本発明はこれに限らず、折れクセの機能を発揮しながら、違和感を感ずることなく、装着できることが望ましく、エンボス部107の密度が150000g/m3から300000g/m3であることが好ましい。
【0088】
更に、吸液性コア51の密度は、98000〜107000g/m3となっており、スリット103〜106、137及び138が形成された箇所に関わらず、密度は略均一に保たれている。
【0089】
接合布61、71は、図2及び図3に示す如く、その幅方向中央で折り曲げられ、上述したトップシート31、バックシート41、及び、吸液性コア51を挟み込むように接合する。また、この接合布61、71は、不織布や、プラスチックシートを合成したものであり、糸ゴム等の弾性部材62、63、64、72、73、74が内在しており、防漏カフ65、75を形成するとともに、使い捨て吸液パッド10を内方へ湾曲させる。
【0090】
また、これらのトップシート31、バックシート41、吸液性コア51、接合布61、71は、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤で接着されており、使い捨て吸液パッド10は、形成されるのである。また、接着手段としては、上述の接着剤や粘着剤の他にも、各部材に対する熱溶着の技術を利用することができる。
【0091】
以下、上層吸液体101及び下層吸液体131の寸法について、詳細に説明する。
【0092】
本実施形態におけるスリット103〜106においては、その幅を「a」、スリット103〜106の長さを「b」、スリット103、104とスリット105、106との間隔を「c」、スリット103〜106の深さを「d」とした。また、本実施形態におけるスリット136、137においては、その幅を「A」、長さを「B」、スリット136とスリット137との間隔を「C」、スリット136、137の深さを「D」とした。
【0093】
以下、図4及び図5、そして、符号a〜d、A〜Dを用いて、上層吸液体101及び下層吸液体131の寸法について説明する。
【0094】
本実施形態において、上層吸液体101のスリット103〜106の深さdは、下層吸液体131の厚みDと同じ寸法であり、約3.5mmである。更にまた、本実施形態において、スリット103〜106の幅aは、約10.0mmである。尚、スリット103〜106の深さdよりも2倍以上、即ち、厚みdmmの下層吸液体に対してスリットを形成する場合には、そのスリットの幅aは、2d以上となることが好ましい。例えば、厚み5.0mmの下層吸液体に対してスリットを形成する場合には、そのスリットの幅Aは、10.0mm以上となることが好ましい。
【0095】
一方、本実施形態において、スリット136の幅Aは、約10.0mmである。尚、スリット136の深さDよりも2倍以上、即ち、厚みDmmの下層吸液体に対してスリットを形成する場合には、そのスリットの幅Aは、2D以上となることが好ましい。例えば、厚み5.0mmの下層吸液体に対してスリットを形成する場合には、そのスリットの幅Aは、10.0mm以上となることが好ましい。
【0096】
このため、図7(A)に示す如き使い捨ておむつでは、スリット103、105は、衣服側が頂点となるように折り曲げられた場合には、図7(B)に示す如く、そのスリット103、105を形成したため、折り曲げられる位置において、上層吸液体101の身体側の面が互いに押圧されることはなく、剛性を弱めることができる。また、このスリット136は、身体側が頂点となるように折り曲げられた場合には、図7(C)に示す如く、そのスリット136を形成したため、折り曲げられる位置132において、下層吸液体131の衣服側の面が互いに押圧されることはなく、剛性を弱めることができる。
【0097】
尚、図8(A)に示す如き従来の使い捨ておむつでは、上層吸液体91及び下層吸液体81にスリットが設けられていないため、図8(B)に示す如く、衣服側が頂点となるように折り曲げられた場合には、折り曲げられる位置92、93で、上層吸液体91の面が互いに押圧することにより、剛性を強めることとなり、更には、図8(C)に示す如く、身体側が頂点となるように折り曲げられた場合には、折り曲げられる位置82で、下層吸液体81の衣服側の面が互いに押圧することにより、剛性を強めることとなるのである。
【0098】
更にまた、本実施形態において、スリット103〜106の長手方向の長さbは、約85mmである。このスリット103〜106の長手方向の長さbは、身体の前後方向の厚みが最低50mmであるため、50≦b≦(上層吸液体の長手方向全長)とすることが好ましい。
【0099】
また、本実施形態において、スリット103、104と、スリット105、106と、の間隔cは、約230.0mmである。これらのスリットの間隔cは、身体の前後方向の厚みが最低50mmであるため、50≦c≦(上層吸液体の長手方向全長)とすることが好ましい。
【0100】
一方、本実施形態において、スリット136の長さBは、約150mmである。このスリット136の長さBは、身体の前後方向の厚みが最低50mmであるため、50≦B≦(下層吸液体の長手方向全長)とすることが好ましい。
【0101】
また、本実施形態において、スリット136と、スリット137と、の間隔Cは、約100.0mmである。これら両スリット136、137の間隔Cは、身体の前後方向の厚みが最低50mmであるため、50≦C≦(下層吸液体の長手方向全長)とすることが好ましい。
【0102】
更にまた、上述した上層吸液体101及び下層吸液体131は、その厚さがともに約3.5mmであり、長さがともに約525mmである。更にまた、上層吸液体101の幅は、約190mmであり、下層吸液体131の幅は、約220mmである。このため、身体側から遠い下層吸液体131は、身体側から近い上層吸液体101よりも体積が大きくなるため、上層吸液体101よりも保水性が高くなり、吸収した排出物を身体側からより遠くに蓄積させ、圧力により身体側に逆戻りすることを防止するのである。
【0103】
更に、高吸収性ポリマー粒子の分量が上層吸液体101及び下層吸液体131で異なり、下層吸液体131の分量は、上層吸液体101よりも多くの分量を含む。これにより、上層吸液体101よりも保水性が高くなり、吸収した排出物を身体側からより遠くに蓄積させ、圧力により身体側に逆戻りすることをより一層防止するのである。
【0104】
また、トップシート31は、図6(A)に示す如く、接合布61及び71と境界線66及び76で接合されている。接合布61及び71の幅方向端縁には、弾性部材62及び72が設けられている。接合布61及び71は、図6(B)に示す如く、トップシート31との境界線66及び76で折り曲げられ、その接合布61及び71と4点の接着面36とを接着する。これにより、弾性部材62及び72は、点線で示すスリット103〜106を交差することとなるのである。
【0105】
このように、使い捨ておむつが「その長手方向に対して弾性力を付与する弾性部材を備え、前記凹状折り曲げ部と、弾性部材と、が交差している」ので、折り曲げた状態を保持することが容易であり、折れクセをつけた後に、その状態を保持することとなるので、カップ形状を崩すことなく、容易に、適切に装着させることができるのである。
【0106】
これを踏まえて、剛性に関する実施例を提示する。尚、本実施例は、JIS・P8125に基づいて行われたものであり、図9に示す如く、使い捨て吸液パッド10のスリット136を横断するように試験片138(138A及び138B)として切り取り、その試験片を使い捨て吸液パッド10が折り曲げられる幅方向に対する剛性を測定したものである。尚、試験片138は符号138A及び138Bの2箇所で測定し、同じような結果が得られた。また、図10は、本実施例の測定数値を示すものであり、図11は、それをグラフ化したものである。尚、本実施例は、一般的な「男女兼用パッド」、「スリットなし夜用パッド」、「スリットあり夜用パッド」の3種類の試験片に対して実験した。また、この実施例における「製品厚み」とは、使い捨て吸液パッド10における試験片の中央部、即ち、「スリットあり夜用パッド」のスリット136上の「製品厚み」となっており、更には、この実施例における「パルプ目付」とは、使い捨て吸液パッド10における試験片の中央部、即ち、「スリットあり夜用パッド」のスリット136上の「パルプ目付」となっている。
【0107】
図10に示す如く、「スリットあり夜用パッド」は、「製品厚み」が3.9mmとなっており、一般的な「男女兼用パッド」よりも薄くなっており、「スリットなし夜用パッド」よりもはるかに薄くなっている。尚、「スリットあり夜用パッド」は、スリット136上の「製品厚み」となっており、上層吸液体101及び下層吸液体131をはじめとする吸液性コア51全体によって、400g以上の保水量を維持している。
【0108】
また、図10及び図11に示す如く、剛性の平均値は、一般的な「男女兼用パッド」が0.21N・cm、「スリットなし夜用パッド」が0.51N・cm、そして、本実施形態である使い捨て吸液パッド10が含まれる「スリットあり夜用パッド」が0.34N・cm、という結果となった。
【0109】
このような測定結果に基づいて、本実施形態の使い捨て吸液パッド10は、「前記折り曲げが円滑に行われる凹状折り曲げ部を備え、当該凹状折り曲げ部は、前記使い捨ておむつの前記表面側シートの面から見た形状が、当該使い捨ておむつにおける長手方向端部に向かってハ字状であり、かつ、前記凹状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されているものである」ので、衣服側に突出するようカップ形状に折り曲げることが容易にできるため、男性器を下方向向きに固定することができるとともに、男性器が左右方向、上方向に向いた場合であっても、カップ形状に保持されているため、体液の漏れを防止することができる。もちろん、このような使い捨ておむつの前面上方をも覆うことができるので、上方からの漏れも防止することができる。更には、男性器が短いものの場合であっても、体液の漏れを防止することができるのである。
【0110】
また、使い捨ておむつを装着させることが容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に、適切に装着させることができる。更には、「夜用」といわれる厚手の使い捨ておむつに採用することにより、容易に、適切に装着させることができるのである。
【0111】
また、「前記折り曲げが行われる凸状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されている」ので、一般的な「男女兼用パッド」には及ばないが、「夜用パッド」としては幅方向の剛性が弱く、「拘縮」のある高齢者に対しても、容易に、かつ、適切に装着することができるのである。これによって、女性の手であっても、指で使い捨ておむつの先端を掴み、身体の前面方向に持ち上げることにより、身体側を頂点として、幅方向に、容易に折り曲げるができ、「拘縮」のある高齢者に対して容易、かつ、適切に装着させることができ、介護者を煩雑な作業から解放することができ得、被介護者の自尊心を傷つけることを防止するのである。また、一般的な「男女兼用パッド」に凹状領域を設けてもよく、更に折り曲げやすくなる。
【0112】
また、男性器を覆うカップ形状として装着させるだけでなく、女性器に密着するように、身体側が頂点となるようにも装着させることができ、男女両用として用いることができ、簡便である。
【0113】
更に、上述した上層吸液体101及び下層吸液体131は、上述した如く、その長手方向中央部に、幅方向に延びる折り目部29が形成されている。この折り目部29は、長手方向に対する剛性よりも幅方向に対する剛性のほうがはるかに強く、長手方向に対して折り曲がりやすく、幅方向に対して折り曲がりにくく形成されている。
【0114】
このため、使い捨て吸液パッド10は、図12及び図13に示す如く、その端縁25を持ち、胴回り域20を胴回り域21方向に折り曲げ、更に、胴回り域20を幅方向に折り曲げた場合であっても、折り目部29で長手方向に折り曲がるが、折り目部29で幅方向に折り曲がることがなく、胴回り域20側の股下域22が折り曲がることとなるので、胴回り域21及びその胴回り域21側の股下域22は、折り曲がることを防止するだけでなく、新たな皺がよることすらない。更には、ポケット28が形成されやすく、固形の排出物を漏れなく蓄積することができるのである。
【0115】
まず、図14から図19を用いて、男性の高齢者に用いる使い捨て吸液パッドの装着方法を説明する。
【0116】
まず最初に、図14に示す如く、上述した高齢者90を横向きに寝かせ、仰向けに寝かした際に、高齢者90の臀部91が股下域22に当接するように、上述した使い捨て吸液パッド10及びテープ止めタイプの布製若しくは紙製のおむつ96を敷く。尚、仰向けに寝かせた高齢者の両腿間92から使い捨て吸液パッド10を引き出せるように、使い捨て吸液パッド10の長手方向を身体の中心と同じ向きにする。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0117】
次いで、図15に示す如く、使い捨て吸液パッド10を衣服側が頂点となるように、折れクセをつける。
【0118】
次いで、図16に示す如く、高齢者90の臀部91が股下域22に当接するように高齢者を仰向けに寝かせる。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。尚、この工程において、高齢者90が使い捨て吸液パッド10の上側に被さることとなるが、この使い捨て吸液パッド10は、折れクセがついているため、ほとんどそのままの形状で維持される。
【0119】
次いで、図17に示す如く、高齢者90の両腿間92から、使い捨て吸液パッド10の一端縁25を、身体側を合わせるようにして衣服側から指で摘む。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0120】
次いで、図18に示す如く、摘んだ一端縁25を持ち上げるようにして、使い捨て吸液パッド10を高齢者に装着させる。また、この際には、高齢者の両腿の背面93と使い捨て吸液パッド10の胴回り域20とが当接するが、折れクセがついているため、型崩れしにくく、スリット103及び104が設けられた胴回り域20でハ字状に折り曲がった状態が維持される。また、折り目部29を設けたため、胴回り域20とは逆側の胴回り域21、及び、その胴回り域21側の股下域22は、形状を維持し、その領域21、22に皺が寄ることすらない。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0121】
次いで、図19に示す如く、装着した使い捨て吸液パッド10を覆うように、布製若しくは紙製のおむつ96を装着させる。この作業が終了した場合には、本作業が終了する。
【0122】
これによって、「前記折り曲げが円滑に行われる凹状折り曲げ部を備え、当該凹状折り曲げ部は、前記使い捨ておむつの前記表面側シートの面から見た形状が、当該使い捨ておむつにおける長手方向端部に向かってハ字状であり、かつ、前記凹状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されているものである」ので、衣服側に突出するようカップ形状に折り曲げることが容易にできるため、男性器を下方向向きに固定することができるとともに、男性器が左右方向、上方向に向いた場合であっても、カップ形状に保持されているため、体液の漏れを防止することができる。もちろん、このような使い捨ておむつの前面上方をも覆うことができるので、上方からの漏れも防止することができる。更には、男性器が短いものの場合であっても、体液の漏れを防止することができるのである。
【0123】
また、使い捨ておむつを装着させることが容易ではない「拘縮」のある高齢者に対しても容易に、適切に装着させることができる。更には、「夜用」といわれる厚手の使い捨ておむつに採用することにより、容易に、適切に装着させることができるのである。
【0124】
一方、図20から図24を用いて、女性の高齢者に用いる使い捨て吸液パッドの装着方法を説明する。
【0125】
まず最初に、図20に示す如く、上述した高齢者90を横向きに寝かせ、仰向けに寝かした際に、高齢者90の臀部91が股下域22に当接するように、上述した使い捨て吸液パッド10及びテープ止めタイプの布製若しくは紙製のおむつ96を敷く。尚、仰向けに寝かせた高齢者の両腿間92から使い捨て吸液パッド10を引き出せるように、使い捨て吸液パッド10の長手方向を身体の中心と同じ向きにする。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0126】
次いで、図21に示す如く、高齢者90の臀部91が股下域22に当接するように高齢者を仰向けに寝かせる。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0127】
次いで、図22に示す如く、高齢者90の両腿間92から身体の背面側に位置する使い捨て吸液パッド20の一端縁25を指で掴む。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0128】
次いで、図23に示す如く、掴んだ一端縁25を持ち上げるようにして、使い捨て吸液パッド10を高齢者に装着させる。また、この際には、高齢者の両腿の背面93と使い捨て吸液パッド10の胴回り域20とが当接し、スリット136が設けられた胴回り域20の幅方向中央部で自動的に折り曲がる。また、折り目部29を設けたため、胴回り域20とは逆側の胴回り域21、及び、その胴回り域21側の股下域22は、形状を維持し、その領域21、22に皺が寄ることすらない。この作業が終了した場合には、作業を次の行程に移す。
【0129】
次いで、図24に示す如く、装着した使い捨て吸液パッド10を覆うように、布製若しくは紙製のおむつ96を装着させる。この作業が終了した場合には、本作業が終了する。
【0130】
これによって、「前記折り曲げが行われる凸状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されている」ので、男性器を覆うカップ形状として装着させるだけでなく、女性器に密着するように、身体側が頂点となるようにも装着させることができ、男女両用として用いることができ、簡便である。
【0131】
上述した実施形態では、包装シート121を、上層吸液体101の外周を被覆するように接着させ、更には、包装シート151を、下層吸液体131の外周を被覆するように接着させたが、本発明はこれに限らず、図25に示す如く、上層吸液体101及び下層吸液体131の外周を被覆するとともに、そのスリット103、105、136を貫通させるように上下の包装シート121及び151を接着してもよく、これにより、上述した実施形態よりも強固に上層吸液体101、下層吸液体131を包装することができ、スリット103〜106、136、137のずれを防止することができるのである。尚、この接着方法は、上述した如く、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、各部材に対する熱溶着の技術を利用することが主流となっている。ホットメルト接着剤の塗工方法としては、スパイラル状、Ω字状、面状等を併せて用いることができ、その目付は2g/m2から10g/m2が好ましい。尚、図25〜図29に示すエンボス部は、その位置を記すために上方からのみエンボスプレスをかけたこととして表している。
【0132】
また、上述した実施形態では、上層吸液体101を包装シート121で、下層吸液体131を包装シート151で、別々に被覆したが、本発明はこれに限らず、図26に示す如く、上層吸液体101及び下層吸液体131を包装シート161、162により、ともに被覆してもよい。
【0133】
更にまた、上述した実施形態においては、上層吸液体101に略矩形状のスリット103〜106を形成し、下層吸液体131に矩形状のスリット136、137を形成したが、本発明はこれに限らず、液漏れを起こすことなく、折り曲げ方向の剛性が0.10N・cmから0.40N・cmであればよく、具体的には、図27(A)に示す如く、上層吸液体176に楔形状の溝部177を形成し、下層吸液体171に楔形状の溝部172を形成してもよく、また、図27(B)に示す如く、上層吸液体178に半円形状の溝部179を形成し、下層吸液体173に半円形状の溝部174を形成してもよい。
【0134】
更にまた、上述した実施形態においては、上層吸液体101、176、178に、スリット103〜106、溝部177及び179を形成し、下層吸液体131、171、173にスリット136、137、溝部172、174を形成したが、本発明はこれに限らず、上層吸液体、下層吸液体の各々のみに形成するものだけでなく、上層吸液体及び下層吸液体に溝部を形成し、併せて剛性を弱めてもよい。
【0135】
具体的には、図28(A)に示す如く、上層吸液体181に矩形状のスリット182を設けるとともに、下層吸液体191に矩形状のスリット192を設け、更には、下層吸液体191に矩形状の溝部193を設け、上層吸液体181に矩形状の溝部183を設けてもよい。また、図28(B)に示す如く、スリット182と溝部194とを併せて、更には、スリット192と溝部184とを併せて、楔形状としてもよい。また、図28(C)に示す如く、スリット182と溝部195とを併せて、更には、スリット192と溝部185とを併せて、半円形状としてもよい。
【0136】
更にまた、上述した実施形態では、上層吸液体101及び下層吸液体131を備えた二層タイプの使い捨て吸液パッド10であるが、本発明はこれに限らず、図29(A)に示す如く、1つの吸液性コア201を備えた一層タイプの使い捨て吸液パッドであってもよい。この場合、上述した二層タイプの使い捨て吸液パッド10と同じように、その衣服側に矩形状の溝部202を形成することにより、同じような効果が得られるのである。尚、図29(B)に示す如く、溝部203を楔形にしてもよく、更には、図29(C)に示す如く、溝部204を半円形状としてもよい。
【0137】
更にまた、上述した実施形態においては、前後対象な形状である使い捨て吸液パッド10であったが、本発明はこれに限らず、図30に示す如く、前後対象ではない使い捨て吸液パッド211でもよく、その場合には、身体の前面と当接する端縁212側に、剛性を弱められた溝部213を設けることにより、上述した使い捨て吸液パッド10を同じような効果が得られるのである。
【0138】
尚、上述した実施形態においては、凹状領域を備えるものであったが、本発明はこれに限らず、「折り曲げが行われる折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されている」ものであればよく、例えば、上述した折り曲げ部に剛性の弱い材質としてもよい。
【0139】
尚、上述した実施形態においては、ハ字状のスリット103〜106を、使い捨て吸液パッド10の周縁部に接することなく設けたが、本発明はこれに限らず、略ハ字状である、即ち、長手方向端部に近づくほど幅方向に対する互いの距離が短くなる形状であればよく、後述する如く、各種の形状であればよい。
【0140】
例えば、図33に示す如く、ハ字状のスリットを接するようにしたへ字状のスリット322を備えた使い捨て吸液パッド321であってもよい。また、本実施形態では、スリット103〜106の両端部は、使い捨て吸液パッド10の周縁部に接することがなかったが、本発明はこれに限らず、図34に示す如く、そのスリット331の一端が使い捨て吸液パッド331の周縁部に接するものであってもよく、更には、図35に示す如く、そのスリット341の両端が使い捨て吸液パッド331の周縁部に接するものであってもよい。更には、本実施形態におけるハ字状のスリットの他に、別のスリットを追加して設けてもよく、図36に示す如く、三つ又状のスリット351であってもよい。
【0141】
【発明の効果】
本発明によれば、「前記折り曲げが円滑に行われる凹状折り曲げ部を備え、当該凹状折り曲げ部は、前記使い捨ておむつの前記表面側シートの面から見た形状が、当該使い捨ておむつにおける長手方向端部に向かってハ字状であり、かつ、前記凹状折り曲げ部は、その剛軟度がその周囲よりも小さく設定されているものである」ので、衣服側に突出するようカップ形状に折り曲げることができるため、男性器を下方向向きに固定することができるとともに、男性器が左右方向、上方向に向いた場合であっても、カップ形状に維持されているため、体液の漏れを防止することができる。もちろん、このような使い捨ておむつの前面上方をも覆うことができるので、上方からの漏れも防止することができる。特に、男性器が短いものの場合であっても、体液の漏れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態における使い捨て吸液パッドを示す概略斜視図である。
【図2】 本実施形態における使い捨て吸液パッドを示す分解斜視図である。
【図3】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの概略を示す断面図である。
【図4】 本実施形態における上層吸液体の概略を示す平面図である。
【図5】 本実施形態における下層吸液体の概略を示す平面図である。
【図6】 本実施形態におけるトップシート及び接合布の概略を示す平面図である。
【図7】 本実施形態における上層吸液体及び下層吸液体の概略を示す断面図である。
【図8】 従来の実施形態における上層吸液体及び下層吸液体の概略を示す断面図である。
【図9】 本実施形態における使い捨て吸液パッドを示す平面図である。
【図10】 本実施形態における実験データを示す説明図である。
【図11】 本実施形態における実験データを示す説明図である。
【図12】 本実施形態における使い捨て吸液パッドを示す概略斜視図である。
【図13】 本実施形態における使い捨て吸液パッドを示す概略斜視図である。
【図14】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図15】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図16】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図17】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図18】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図19】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図20】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図21】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図22】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図23】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図24】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの装着方法を示す説明図である。
【図25】 本実施形態における吸液コアの概略を示す断面図である。
【図26】 本実施形態における吸液コアの概略を示す断面図である。
【図27】 本実施形態における上層吸液体及び下層吸液体の概略を示す断面図である。
【図28】 本実施形態における上層吸液体及び下層吸液体の概略を示す断面図である。
【図29】 本実施形態における上層吸液体及び下層吸液体の概略を示す断面図である。
【図30】 本実施形態における使い捨て吸液パッドの概略を示す平面図である。
【図31】 本実施形態におけるトップシート及び接合布の概略を示す平面図である。
【図32】 本実施形態におけるトップシート及び接合布の概略を示す平面図である。
【図33】 本実施形態における上層吸液体の概略を示す平面図である。
【図34】 本実施形態における上層吸液体の概略を示す平面図である。
【図35】 本実施形態における上層吸液体の概略を示す平面図である。
【図36】 本実施形態における上層吸液体の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
10、211 使い捨て吸液パッド
27、28 ポケット
29 折り目部
31 トップシート
41 バックシート
51、201 吸液性コア
61、71 接合布
62、63、64、72、73、74 弾性部材
101、176、178、181 上層吸液体
121、151、161 包装シート
131、171、173、191 下層吸液体
103、104、105、106、136、137、182、192 スリット
172、174、183、184、185、193、194、195、202、203、204、213 溝部
Claims (5)
- 身体側に面する透水性の表面側シートと、衣服側に面する透水性又は不透水性の裏面側シートと、該表面側シート及び該裏面側シートの間に介在される略矩形形状の吸収体と、を備える使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、前記身体側に位置する上層吸液体と、前記衣服側に位置する下層吸液体とを備え、
前記上層吸液体には、該上層吸液体の長手方向における一方の端部側に、幅方向に一対の第1スリットが設けられると共に、他方の端部側に、幅方向に一対の第2スリットが設けられ、
前記一対の第1スリット及び前記一対の第2スリットは、それぞれ、前記上層吸液体の長手方向に延びると共に、該上層吸液体における長手方向の端部側に向かって互いの間隔が徐々に小さくなっており、
前記下層吸液体には、該下層吸液体の幅方向中央部に、長手方向に延びる第3スリット及び第4スリットが互いに長手方向に直線状に所定間隔をあけて設けられ、
前記吸収体の長手方向中央部には、幅方向に延びる折り目が形成されている使い捨ておむつ。 - 請求項1記載の使い捨ておむつは、その長手方向に対して弾性力を付与する弾性部材を備え、前記一対の第1スリット及び前記一対の第2スリットと、前記弾性部材と、が交差するように配置されている使い捨ておむつ。
- 前記下層吸液体は、前記上層吸液体よりも保水性が高い請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 長手方向の剛性より短手方向の剛性が強い折り目部を備えた請求項1〜3の何れかに記載の使い捨ておむつ。
- 着用者の身体に当接する防漏帯と、固形の排出物を蓄積するポケット部と、を備えた請求項1〜4の何れかに記載の使い捨ておむつ。
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