JP2006110329A - 吸収性物品 - Google Patents

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孝夫 笠井
Takuya Koda
拓也 幸田
Hiromi Tachikawa
裕美 立川
Takahiro Kato
隆弘 加藤
Masahiko Araya
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Abstract

【課題】 従来の吸収体と同程度の吸収容量を保ちつつ、薄型化及び低坪量化が図られた吸収体を有する吸収性物品を提供すること。
【解決手段】 本発明の吸収性物品は、親水性を有する長繊維のウエブ2を含む吸収体1を具備する。長繊維は40〜90%の捲縮率を有する。長繊維は吸収体1の平面方向に配向している。高吸収性ポリマーがウエブ中に埋没担持されている。吸収体1は、複数のウエブ2と、該ウエブ2,2間に散布された高吸収性ポリマーの層3とを含み、高吸収性ポリマーの一部がウエブ2中に埋没担持されていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。また本発明は吸収性物品に用いられる吸収体及びその製造方法に関する。
連続フィラメントの開繊トウを用いた吸収性物品の吸収体が知られている。例えば、捲縮性アセテート繊維のトウ層と、この層の片面に積層した粉砕パルプ層とからなる吸収体であって、該吸収体の厚さ方向に両層をプレスで一体化したものが知られている(特許文献1参照)。この吸収体によれば、体液の拡散性が向上するとされている。しかし、アセテート繊維はパルプよりも吸水能力が劣るので、この吸収体の吸収容量を高めるためには、多量の粉砕パルプを使用しなければならない。その結果、吸収体が厚くなってしまい、吸収性物品の着用感が低下してしまう。
また、吸水コアを上層、下層及び両層間に位置する吸収層から構成し、該吸収層として、高吸収性ポリマーの散布層上にアセテート繊維のトウからなる繊維層を配したものが知られている(特許文献2参照)。高吸収性ポリマーはその一部が接着剤によって下層に結合されており、また別の一部はトウの繊維層内に収容されている。この吸水コアでは、高吸収性ポリマーの一部がトウの繊維層内に収容されてはいるものの、大部分の高吸収性ポリマーは下層に結合された状態になっている。つまりトウの繊維層と高吸収性ポリマーの散布層とが別個に存在している。その結果、着用者の動作に起因して、吸収性物品の着用中に吸水コアが変形した場合、その構造が壊れやすい。
連続フィラメントのトウを有する吸収層として、トウが吸収層の厚み方向に延びているものも知られている(特許文献3参照)。特許文献3によれば、排泄物は、トウの繊維間間隙を通って上から下へ移動し、着用者の肌から遠く離せることができるので、むれやかぶれの原因になることがないとされている。この吸収層がこのような構造を有するためには、トウの長さがある程度長いことが必要である。そのために吸収層が厚くなってしまう。
これらの技術とは別に、本出願人らは先に、捲縮した繊維を含む吸収体を備えた吸収性物品を提案した(特許文献4参照)。この吸収性物品によれば、吸収体のヨレが防止され、また吸収性、着用感及びフィット性が向上する。吸収体に含まれる捲縮した繊維としては一般に短繊維が用いられる。
特開昭57−160457号公報 特表2004−500165号公報 特開2001−276125号公報 特開2004−159786号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、親水性を有する長繊維のウエブを含む吸収体を具備する吸収性物品であって、該長繊維は40〜90%の捲縮率を有し且つ吸収体の平面方向に配向しており、該ウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されている吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、40〜90%の捲縮率を有する、親水性を有する長繊維の複数のウエブと、該ウエブ間に散布された高吸収性ポリマーの層とを備え、該高吸収性ポリマーの一部が前記ウエブ中に埋没担持されており、また前記ウエブどうしが散点状に接着されている吸収体を提供するものである。
更に本発明は、捲縮を有する長繊維からなるウエブ中に高吸収性ポリマーを含んでいる吸収体の製造方法であって、
前記ウエブの原反に張力を加えて長手方向に引き伸ばした状態で開繊する工程と、開繊した該ウエブの張力を緩めた状態で、該ウエブに前記高吸収性ポリマーを供給する工程とを含む吸収体の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、吸収性物品の吸収体を、従来の吸収体と同程度の吸収容量を保ちつつ、薄型化及び低坪量化することができる。また、着用者が激しい動作を行っても吸収体の構造が破壊されにくい。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の吸収性物品は、主として尿や経血等の排泄体液を吸収保持するために用いられるものである。本発明の吸収性物品には例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等が包含されるが、これらに限定されるものではなく、人体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
本発明の吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。表面シート及び裏面シートとしては、当該技術分野において通常用いられている材料を特に制限無く用いることができる。例えば表面シートとしては、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。裏面シートとしては、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネート等の液透過性ないし撥水性のシートを用いることができる。裏面シートは水蒸気透過性を有していてもよい。吸収性物品は更に、該吸収性物品の具体的な用途に応じた各種部材を具備していてもよい。そのような部材は当業者に公知である。例えば吸収性物品を使い捨ておむつや生理用ナプキンに適用する場合には、表面シート上の左右両側部に一対又は二対以上の立体ガードを配置することができる。
図1には本発明に係る吸収体の一実施形態の模式図が示されている。本実施形態の吸収体1は、十分な吸収容量を有しながらも、薄型で低坪量であることによって特徴付けられる。そのような特徴を有する吸収体1は、主として長繊維のウエブ(以下、ウエブ2という)及び高吸収性ポリマーの散布層(以下、ポリマー層3という)を備えている。吸収体1はウエブ2を複数備えており、ウエブ2,2間にポリマー層3が位置している。ウエブは最低2層必要であるが、その上限の数に特に制限はなく、吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な数のウエブが用いられる。本発明に係る吸収体1は、薄型で低坪量であることによって特徴付けられるものだから、この観点からウエブの数の上限は自ずと決定される。
長繊維は親水性を有するものである。親水性を有する長繊維として本発明において用いられるものには、本来的に親水性を有する長繊維、及び本来的には親水性を有さないが、親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維の双方が包含される。好ましい長繊維は本来的に親水性を有する長繊維であり、特にアセテートやレーヨンの長繊維が好ましい。とりわけアセテートは湿潤しても嵩高性が保持されるので特に好ましい。アセテートとしては、セルローストリアセテート及びセルロースジアセテートが好ましい。
また、長繊維としては捲縮しているものを用いる。長繊維はその捲縮率(JIS L0208)が40〜90%であり、好ましくは50〜80%である。捲縮した長繊維からウエブを形成することで、該ウエブ中に高吸収性ポリマーを安定的に且つ多量に埋没担持することが容易となる。捲縮を有さないか、又は捲縮の程度が小さい長繊維のみからウエブを構成し、これを吸収体として用いると、高吸収性ポリマーを多量に用いた場合にその極端な移動や脱落が起こりやすい。逆に捲縮率が高すぎる長繊維を用いると、長繊維間に高吸収性ポリマーを入り込ませるのが容易でなく、やはり高吸収性ポリマーを多量に用いた場合にその極端な移動や脱落が起こりやすい。前記の範囲の捲縮率は、特に、表面がフラットな(つまり波打っていない)状態の吸収体を構成する上で好適な範囲を表すものである。吸収体全体をエンボス処理などで凹凸加工を施し、吸収体全体を波を打った状態にする場合は、上記範囲を超えて捲縮率を調整可能である。長繊維を捲縮させる手段に特に制限はない。また、捲縮は二次元的でもよく或いは三次元的でもよい。捲縮率は、長繊維を引き伸ばしたときの長さAと、元の長繊維の長さBとの差の、伸ばしたときの長さAに対する百分率で定義され、以下の式から算出される。
捲縮率=(A−B)/A × 100 (%)
元の長繊維の長さとは、長繊維が自然状態において、長繊維の両端部を直線で結んだ長さをいう。自然状態とは、長繊維の一方の端部を水平な板に固定し、繊維の自重で下方に垂らした状態をいう。長繊維を引き伸ばした時の長さとは、長繊維の捲縮がなくなるまで伸ばした時の最小荷重時の長さをいう。
長繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜25個、特に4〜20個、とりわけ10〜20個であることが好ましい。
埋没担持とは、高吸収性ポリマーが、捲縮した長繊維によって形成される空間内に入り込んで、着用者の激しい動作によっても該ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくくなっている状態を言う。このとき、長繊維は高吸収性ポリマーに絡みつき、あるいは引っ掛かりを生じ、あるいはまた、高吸収ポリマーは自身の粘着性により長繊維に付着している。長繊維が形成する空間は、外部から応力を受けても変形しやすく、また、長繊維全体で応力を吸収することができるので、空間が破壊されるのを防いでいる。高吸収性ポリマーは、その一部がウエブ2中に埋没担持されている。吸収体1の製造条件によっては高吸収性ポリマーのほぼ全部がウエブ2中に均一に埋没担持される場合もある。埋没担持の評価方法については後述する。
長繊維の繊維径は、高吸収性ポリマーの担持性に関連している。ウエブの坪量が同一であることを条件として、1.0〜7.8dtex、特に1.7〜5.6dtexの長繊維を用いることで満足すべき担持性が得られる。本発明において長繊維とは、繊維長をJIS L1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した場合、好ましくは70mm以上、更に好ましくは80mm以上、一層好ましくは100mm以上である繊維のことをいう。ただし、測定対象とするウエブの全長が100mm未満である場合には、当該ウエブ中の繊維の好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上、一層好ましくは80%以上がウエブ全長にわたって延びている場合に、当該ウエブの繊維は長繊維であるとする。本発明で用いられる長繊維は一般に連続フィラメントと呼ばれるものである。また、連続フィラメントの束は一般にトウと呼ばれている。従って、本発明における長繊維とは、連続フィラメントを含む概念のものである。また長繊維が配向したウエブとは、ウエブを形成する原料としての長繊維の束(いわゆるトウ)と、連続フィラメントのトウ層を含む概念のものである。
高吸収性ポリマーとしては、一般に粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでも良い。粒子状の高吸収性ポリマーを用いる場合、その形状が不定形タイプ、塊状タイプ又は俵状タイプである場合には、ウエブに対して同量以上、10倍以下の坪量で埋没担持させることができる。また、球粒凝集タイプや球状タイプの場合には、ウエブに対して同量以上、5倍以下の坪量で埋没担持させることができる。これらの粒子形状は、特に高吸収量と薄型化を両立させたい場合は前者を、風合い(高吸収性ポリマーのしゃり感の低減)を重視する場合は後者を選択することが望ましい。特に高吸収性ポリマーとして、塊状タイプのもの又は球粒凝集タイプのものを用いることが、ポリマーの担持量を高め得る点から好ましい。
高吸収性ポリマーは、ウエブ2,2間に層状に散布されている。高吸収性ポリマーは、その一部がウエブ2中に埋没担持されている。吸収体1の製造条件によっては高吸収性ポリマーのほぼ全部がウエブ2中に均一に埋没担持される場合もある。「均一」とは、吸収体1の厚み方向あるいは幅方向において、高吸収性ポリマーが完全に一様に配されている場合、及び吸収体1の一部を取り出した時に、高吸収性ポリマーの存在量のばらつきが、坪量で2倍以内の分布を持つ場合をいう。このようなばらつきは、吸収性物品を製造する上で、まれに高吸収性ポリマーが過剰に供給され、部分的に散布量が極端に高い部分が生じることに起因して生ずるものである。つまり前記の「均一」は、不可避的にばらつきが生ずる場合を包含するものであり、意図的にばらつきが生じるように高吸収性ポリマーを分布させた場合は含まれない。後述する「偏倚」とは、上記「均一」の定義を超えて意図的にバラツキを生じるように高吸収性ポリマーを分布させた場合を言う。
先に述べた通り、長繊維は捲縮を有するものであるから、粒子を保持し得る多数の空間を有している。その空間内に高吸収性ポリマーが保持される。その結果、多量の高吸収性ポリマーを散布してもその極端な移動や脱落が起こりにくくなる。また着用者が激しい動作を行っても吸収体1の構造が破壊されにくくなる。使用する高吸収性ポリマーによって、捲縮率や使用する長繊維の量を適宜調節する。
高吸収性ポリマーの長繊維ウエブへの担持性は、ウエブによって形成される網目構造、及びポリマーの物性に関係している。網目構造の観点からは、本発明においては、ウエブの立体規則性、即ちウエブの捲縮率、繊度、密度等を制御することによって網目を制御し、ポリマーの担持性が発現するようにしている。本発明においては、ウエブの構成繊維同士が接着されていないので、ウエブに形成される網目の大きさが、高吸収性ポリマーを保持可能な程度に変化し得る。ウエブにおける網目の大きさが変化し得ることで、不織布などの結合点を有する繊維集合体に高吸収性ポリマーを担持させる場合に比較して、ポリマーの担持性が高くなる。網目の大きさは、例えば(イ)繊維にテンションを加えた状態下に高吸収性ポリマーを散布した後、テンションを解放することにより、或いは(ロ)予めウエブのテンションを制御して特定の捲縮率を発現させた状態下に高吸収性ポリマーを散布し、更にウエブにテンションや圧力を加えることにより、制御することができる。
一方、ポリマーの担持性に関係しているポリマーの物性には形状、粒度分布、粒子サイズ、嵩密度、表面性状、内部摩擦係数、流動性、分散性、水分率、帯電性、付着性、凝集性などがある。これらのうち、ポリマーの粒度分布及び粒子サイズについては、前述のウエブの網目構造と密接に関連している。高吸収性ポリマーの担持性は、更に着用者の動きによって吸収体に外力や振動が伝わったときの、吸収体内部におけるポリマーと長繊維の衝突回数に影響を受ける。衝突回数が多いほど、高吸収性ポリマーが長繊維の作り出す網目によって篩分けされ、その結果、担持性が低くなる。衝突回数は、ポリマーの流動性に影響を受けている。衝突回数は、流動性の高いポリマーほど多くなる。また、流動性が高く、一旦ウエブの拘束から逃れたポリマーは、その後容易に移動して、ウエブに担持され難くなる。
ポリマーの流動性に関して、先に例示した塊状タイプのポリマーと球粒凝集タイプのポリマーを比較すると、球粒凝集タイプのポリマーの方が、塊状タイプのポリマーよりも流動性が高い。その結果、球粒凝集タイプのポリマーよりも、塊状タイプのポリマーの方が担持性が高い。また球粒凝集タイプのポリマーは、表面が滑らかなので、繊維との摩擦や繊維への引っかかりの程度が塊状タイプのポリマーよりも低い。この観点からも、塊状タイプのポリマーの方が、球粒凝集タイプのポリマーよりも担持性が高い。
捲縮を有する長繊維ウエブに高吸収性ポリマーを担持させた後に、様々な後加工を施すことで、ウエブ中に高吸収性ポリマーを一層効率よく担持することができる。前記の手段としては、例えば(1)ウエブ全体を、紙や不織布などのシート材で包むか又は該シート材を重ねる、(2)ウエブ全体を、高吸収性ポリマーを含むか又は含まないフラッフパルプの積繊体を重ねる、(3)ホットメルト粘着剤、熱、超音波を用いた接合手段でウエブの構造を拘束する、などが挙げられる。
以上の構造を有する吸収体1は、薄型で低坪量のものとなる。吸収体1の厚さや坪量は、吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。例えば乳幼児用の使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、各ウエブ2はその坪量が5〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。この場合、ウエブ2の坪量は同じでもよく或いは異なっていてもよい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は50〜500g/m2、特に100〜300g/m2であることが好ましい。各ポリマー層3の坪量は同じでもよく或いは異なっていてもよい。
生理用ナプキンの吸収体として用いる場合には、各ウエブ2はその坪量が5〜100g/m2、特に10〜50g/m2であることが好ましい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は10〜200g/m2、特に15〜100g/m2であることが好ましい。失禁パッドの吸収体として用いる場合には、各ウエブ2はその坪量が5〜200g/m2、特に10〜100g/m2であることが好ましい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は10〜500g/m2、特に15〜350g/m2であることが好ましい。
各層の坪量の関係において、ウエブ2の坪量が相対的に小さく、ポリマー層3の坪量が相対的に大きい場合には、高吸収性ポリマーは、ウエブ2の厚さ方向全域に亘って埋没担持されることになる。その結果、隣り合うポリマー層3,3どうし及びウエブ2,2どうしの区別が見かけ上つかなくなり、吸収体1の厚さ方向全域に亘って高吸収性ポリマーが分布している場合が生じる。つまり本発明は、40〜90%の捲縮率を有する、親水性を有する長繊維のウエブからなるマトリックスと、該マトリックスの厚さ方向全域に亘って均一に埋設分散された高吸収性ポリマーとを有する吸収体という実施形態を包含する。
高吸収性ポリマーは、捲縮した長繊維によって形成される空間内に安定的に保持されるので、本実施形態に係る吸収体1は高吸収性ポリマーを多量に保持することができる。従来の吸収体においても繊維材料の量を多くすれば高吸収性ポリマーを多量に保持することは可能であったが、その場合には吸収体の坪量及び厚みが大きくなってしまう。これに対して本発明においては、繊維材料の量に対して高吸収性ポリマーの量が相対的に大きくなっている。具体的には、吸収体全体で見たとき、好ましくは高吸収性ポリマーの坪量が長繊維の坪量以上、更に好ましくは2倍以上、更に好ましくは3倍以上となっている。これによって吸収体1の薄型化及び低坪量化が図られている。長繊維の坪量に対する高吸収性ポリマーの坪量の比率の上限値は、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落防止の観点から決定される。長繊維の捲縮の程度にもよるが、該上限値が10倍程度であれば、着用者が激しい動作を行っても高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落は起こりにくい。
高吸収性ポリマーが埋没担持される程度の評価法として、次の方法を用いることができる。100mm×200mmに作製したウエブの長手方向中央部を切断し、100mm×100mmの試験片を得る。この切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で左右に往復20回振動を与える。切断面からの落下したポリマーの重量を測定する。脱落した高吸収性ポリマーの重量が、試験片中に存在していた高吸収性ポリマーの全量に対して、25重量%以下、特に20重量%以下、とりわけ10重量%以下である場合、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こり難くなっている状態であると言える。
前記の脱落評価の試験を行った試験片に対して、次の評価法を行うこともできる。脱落評価の試験を行った試験片に対して、生理食塩水(0.9重量%NaCl)を50g均等に散布して、試験片の膨らみ方を目視観察する。試験片の厚みのばらつきが2倍以内の場合、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が起こり難くなっている状態であると言える。
前記の各評価法においては、ウエブを水平方向で見たときに、高吸収ポリマーが同一坪量で散布してある領域から試験片をサンプリングする。
ウエブへの高吸収性ポリマーの埋没担持性が十分でない時は、ホットメルト粘着剤、各種バインダー(例えばアクリル系エマルジョン粘着剤など)、カルボキシメチルセルロースやエチルセルロースなどの糖誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂等をウエブに適宜添加できる。さらに、凹凸加工や植毛を施したシートなどを併用しても良い。
本実施形態に係る吸収体1におけるウエブ及びポリマー層3の合計の坪量は、該吸収体1を例えば使い捨ておむつに用いる場合には、好ましくは120〜400g/m2、特に150〜300g/m2という値になる。生理用ナプキンに用いる場合には、好ましくは35〜200g/m2、特に50〜150g/m2である。失禁パッドに用いる場合には、好ましくは35〜500g/m2、特に50〜400g/m2である。
吸収体1における高吸収性ポリマーの厚み方向における散布状態は前述した通りであり、平面方向における散布状態としては、次に述べるものが挙げられる。先ず典型的な散布状態としては平面方向に均一に高吸収性ポリマーが散布される状態が挙げられる。別の散布状態として、図2(a)及び(b)に示すように、高吸収性ポリマーが吸収体の前側に偏倚するように散布される状態が挙げられる。図2(a)では吸収体の幅方向では散布坪量が同じになっており且つ吸収体の前側ほど散布坪量が高くなっている。図2(b)では、吸収体の後側に向けて開口したコ字状となるように高吸収性ポリマーが散布されている。高吸収性ポリマーが吸収体の前側に偏倚するように散布されている吸収体は、身体の前側からの液漏れの防止効果が高いものである。このような吸収体は、パンツ型使い捨ておむつの吸収体として特に有用である。
図3に示す吸収体では、高吸収性ポリマーが吸収体の後側に偏倚するように散布されている。具体的には、吸収体の前側に向けて開口したコ字状となるように高吸収性ポリマーが散布されている。高吸収性ポリマーが吸収体の後側に偏倚するように散布されている吸収体は、身体の後側からの液漏れの防止効果が高いものである。このような吸収体は、低月齢乳児や寝たきりの方用の使い捨ておむつの吸収体として特に有用である。
図4に示す吸収体では、吸収体の周縁領域には高吸収性ポリマーが散布されておらず、周縁領域に取り囲まれる中央領域に高吸収性ポリマーが散布されている。吸収体の周縁領域には高吸収性ポリマーが散布されていないことで、吸収体からの高吸収性ポリマーの脱落を効果的に防止できる。
図2〜図4に示す高吸収性ポリマーの散布状態に加えて、又はそれに代えて、吸収体1の幅方向において高吸収性ポリマーの散布状態を変化させることもできる。例えば吸収体の幅方向中央部における高吸収性ポリマーの散布坪量を、幅方向両側部における高吸収性ポリマーの散布坪量よりも高くすることができる。このようにすることで、着用者の足周りからの液漏れを効果的に防止できる。このような吸収体は、使い捨ておむつの吸収体として好適である。これとは反対に、吸収体の幅方向両側部における高吸収性ポリマーの散布坪量を幅方向中央部における高吸収性ポリマーの散布坪量よりも高くすることができる。このようにすることで、吸収体のスポット吸収性を高めることができる。このような吸収体は軽失禁者用の失禁パッドや生理用ナプキンの吸収体として好適である。吸収体1の幅方向において高吸収性ポリマーの散布状態を変化させる場合、吸収体1の少なくとも股下部が前述の構造となっていることが好ましい。
本実施形態に係る吸収体1においては、ウエブ2を構成する長繊維が、吸収体1の平面方向に一方向に配向している。長繊維が一方向に配向していることに起因して、吸収体1に液が吸収されると、該液は長繊維の配向方向へ優先的に拡散する。つまり吸収体の平面方向に優先的に拡散する。逆に、長繊維の配向方向と直交する方向への拡散は抑制される。長繊維が吸収性物品の長手方向に配向している場合には、吸収性物品の側部からの液漏れ(横漏れ)が効果的に防止される。
長繊維の配向は、長繊維の始点と終点を結んだベクトルが平面方向に向いていればよい。始点と終点の間で捻れや絡み合いが発生して、長繊維の一部が吸収体の厚み方向に向いてしまう場合も含まれる。より具体的には、長繊維の配向の程度は、配向度で表して1.2以上、特に1.4以上であることが好ましい。本実施形態において配向度はKANZAKI社のMicrowave molecular orientation analyzer MOA-2001Aを用いて測定する。サンプルサイズは長手方向100mm、幅50mmとし、3点の平均値を配向度とする。サンプルサイズがこの大きさに満たない場合は、複数のサンプルを互いに重ならないように配して測定する。
横漏れを一層防止する手段の一つとして、直線的な長繊維のウエブを用いることが挙げられる。かかる長繊維は、捲縮を有する長繊維のウエブに比較して、長繊維の配向方向への液の拡散性に優れているからである。この観点から、複数のウエブ2のうちの少なくとも一層における一部分の捲縮した長繊維を引き伸ばして直線的な状態にしておくことが好ましい。例えば吸収体1が2層のウエブ2を有する場合、表面シート側のウエブ2の一部分、例えば長手方向中央部に位置する捲縮長繊維を引き伸ばして直線的な状態にすることで、排泄された液を吸収体の前後方向へ優先的に導くことができる。
或いは、捲縮した長繊維からなるウエブ2に加えて、捲縮を有さない親水性長繊維のウエブを更に用いても同様の効果を得ることができる。例えば、捲縮した長繊維からなるウエブ2を2層用い、上側の層の上に、ポリマー層を介して捲縮を有さない長繊維からなるウエブを配することができる。
長繊維が吸収性物品の長手方向に配向している場合には、吸収体は、長繊維の配向方向を横切るような線状の接着ラインを有していないことが好ましい。かかる接着ラインが存在していると、長繊維の配向方向への液の円滑な拡散が遮断されてしまい、それに起因して横漏れが生じる可能性がある。
長繊維が吸収性物品の幅方向に配向している場合には、吸収性物品の長手方向への拡散が抑制され、スポット吸収性が得られる。この場合、側部からの液漏れ(横漏れ)を防止するために、吸収体は、長繊維の配向方向を横切るような線状の接着ラインを有していることが好ましい。「線状」とは、液体の浸透を抑制する連続的な線を意味し、個々のシール線等が途切れなく連続するものである必要はない。例えば、間欠のシール線を幾重にも重ねて並べることで液の移動を阻止できれば、それは線状である。また、線状は、直線状の他、曲線状、折れ線状であっても良い。線の幅は0.2〜15mmが好ましい。
接着ラインは、ウエブ2内にのみ形成されていても良い。ウエブ2がティッシュペーパー等に包まれて吸収体1が構成されている場合には、吸収体1の厚み方向全体にわたって接着ラインが形成されていても良い。更に、表面シートを含んで形成されていても良い。何れの場合においても、少なくとも吸収性物品の長手方向中央部に接着ラインが形成されていることが好ましい。また、接着ラインは、吸収体の幅方向の両側縁よりも外方に形成されていてもよい。このように接着ラインを設けることで、毛細管現象に起因して液がウエブ内を移動したとしても、接着ラインに突き当たってそれ以上の移動が阻止されるので、側部からの液漏れが生じにくくなる。
本実施形態に係る吸収体においては、高吸収性ポリマーが捲縮した長繊維によって形成される空間内に保持されているので、該ポリマーの極端な移動や脱落が起こりにくく、また着用者の激しい動作によっても吸収体1の破壊が起こりにくくなっている。これらの効果を一層顕著なものとするために、及び高吸収性ポリマーどうしが擦れ合うときに生じる「シャリ感」を低減させるために、本実施形態に係る吸収体1においては重なり合うウエブ2,2どうしが接着されている。この場合、先に述べた長繊維の配向方向への液の優先的な拡散が阻害されないようにするために、重なり合うウエブ2,2どうしは散点状に接着されている。散点状に接着されているとは、接着点の形状が大きな異方性を有しておらず、且つそのような接着点がウエブ2の平面方向全域に亘って均一に分散していることをいう。典型的な接着態様としては、重なり合うウエブ2,2どうしがドット状の多数の小さな接着点によって接着されている態様が挙げられる。散点状の接着には例えばホットメルト粘着剤をスプレー方式で塗工する方法が挙げられる。スプレー方式としては、スロットスプレー法、カーテンスプレー法、メルトブローン法、スパイラルスプレー法等が挙げられる。なお、このような塗工方法を用いると、ウエブ2どうしが接着することはもちろんのこと、ウエブ2と高吸収性ポリマーの一部も接着する場合がある。
本実施形態に係る吸収体1は、ウエブ2及びポリマー層3の積層体のみから構成されていてもよく、或いは該積層体が、例えば各種シート材料によって包まれていてもよい。また、ウエブ2及びポリマー層3の積層体の上面及び/又は下面に各種シート材料が配されていてもよく、更にそれら全体が別のシート材料によって包まれていてもよい。前記シート材料としては、フラッフパルプやティッシュペーパーなどの紙、乾式パルプシート、不織布(例えばエアスルー不織布、エアレイド不織布)等が挙げられる。吸収体1が使い捨ておむつに用いられる場合には、該吸収体1が前記のどのような形態である場合でもその厚みが好ましくは1〜4mm、更に好ましくは1.5〜3mmという薄型のものである。生理用ナプキンに用いられる場合には、好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは1〜2mmである。失禁パッドとして用いられる場合には、好ましくは0.5〜4mm、更に好ましくは1〜3mmである。
吸収体1の厚みは、吸収体1上に5cm×5cmの大きさのアクリル板に重りを載せ、2.5g/cm2の荷重が加わった状態下に測定される。本実施形態においては、キーエンス社のLK080クラス2レーザー変位計を用いて厚みを測定した。測定点数は5点の平均とし、20%以上測定値が振れた場合はそのデータを削除し、別の測定値を追加した。試料には予め250g/cm2の荷重を12時間掛けて、しわを伸ばした状態としておいた。
次に本実施形態に係る吸収体1の好ましい製造方法について説明する。先ず、先に述べた捲縮率を有する長繊維のトウを用意する。このトウに張力を加えて長手方向に引き伸ばした状態で搬送しながら所定手段によって開繊しウエブを得する。開繊には例えば圧縮空気を利用した空気開繊装置を用いることができる。長繊維は捲縮を有しているので、張力が加わることによって、該長繊維はその長手方向に容易に引き伸ばされた状態となる。開繊したウエブには、その上から高吸収性ポリマーが散布される。散布に際しては、開繊したウエブの搬送速度を減速した状態で、該ウエブをバキュームコンベア上に転写させる。ウエブは、該バキュームコンベア上で張力が緩められる。それによってウエブの引き伸ばし状態が解除され、長繊維は捲縮した状態に復帰する。またウエブは、その厚みが引き伸ばし状態時よりも大きくなり、高吸収性ポリマーの埋没担持性が向上する。この状態下に高吸収性ポリマーが散布される。捲縮状態となっている長繊維は、その繊維間に高吸収性ポリマーを収容し得る空隙を有する。この空隙に高吸収性ポリマーが埋没担持される。これにより、所望の坪量の高吸収性ポリマーを埋没担持させることができる。これに対して、ウエブに張力が加わって引き伸ばされた状態では、高吸収性ポリマーを収容するに足る十分な空隙が繊維間に形成されないので、高吸収性ポリマーを首尾良く埋没担持させることが容易でない。高吸収性ポリマーの散布と同時に、ウエブにおけるポリマーの散布面と反対側の面から吸引を行い、ポリマーの埋没担持を促進させることが効果的である。吸引の程度を適宜調整することで、ウエブの厚み方向におけるポリマーの分布を変えることができる。
前記の製造方法の別法として、開繊された長繊維からなるウエブ2を所定の長さに引き伸ばし、その状態下に高吸収性ポリマーを散布する方法が挙げられる。この場合、長繊維を完全に引き伸ばすことを要せず、高吸収性ポリマーがウエブ2内に安定的に埋没保持される程度に引き伸ばせば足りる。
高吸収性ポリマーの散布に先だっては、長繊維を引き伸ばした状態下に、ホットメルト粘着剤などの各種接着剤をウエブ2にロールコーター方式やスクリーン印刷方式等の接触方式やスプレー方式等の非接触方式により塗工する。塗工には、非接触で各パターンの切り替えが容易で接着剤の量を調整可能なスプレー方式の塗工が好ましく、散点状の接着を首尾良く行い得るスプレー塗工を用いることが好ましい。スプレー方式としては、スロットスプレー法、カーテンスプレー法、メルトブローン法、スパイラルスプレー法等が挙げられる。接着剤の塗工は、ウエブ間での液の透過が妨げられない程度の低量であることが好ましい。この観点から、接着剤の塗工量は、3〜30g/m2、特に5〜15g/m2であることが好ましい。
接着剤の塗工完了後に、ウエブ2上に高吸収性ポリマーを散布する。散布完了後に別途用意しておいたウエブ2を重ね合わせる。次いで長繊維の引き伸ばし状態を解除する。これによって引き伸ばされていた長繊維が収縮する。その結果、高吸収性ポリマーは長繊維の収縮によって形成された空間内に保持される。このようにして、ウエブ2中に高吸収性ポリマーが埋没担持される。これによって2つのウエブ2どうしが散点状に接着される。
別法として、ウエブ2上に高吸収性ポリマーが散布された後、該ウエブ2の引き伸ばし状態を解除し収縮させて得られた中間体を複数用意しておき、最後に該中間体を重ね合わせることで吸収体1を得ることもできる。なおこの場合には、吸収体1の最上層にポリマー層3が位置することになるので、高吸収性ポリマーの極端な移動や脱落が懸念されるが、ティッシュペーパーや不織布等を用いて吸収体1の全体を包むことでそのような不都合を回避することができる。
吸収体1が、後述する図7(c)又は図7(d)に示す形態である場合、即ち、高吸収性ポリマーが埋没担持された長繊維のウエブと、パルプ及び高吸収性ポリマーの積繊体との積層体から構成される場合には、以下の製造方法を採用することができる。
製造には図5に示す装置を用いることができる。図5に示す装置10は、フード11を有する積繊ドラム12を備えている。積繊ドラム12は、その周面に多数の凹部13を有している。凹部13は、積繊ドラム12の回転方向に沿って、所定間隔を置いて複数設けられている。凹部13の底面は通気性の素材から構成されている。積繊ドラム12の内部は吸引装置(図示せず)に接続されており、前記該通気性の素材を通じてドラム12の外部からドラム12内へ空気が吸引されるようになっている。積繊ドラム12の内部には、空気の吸引に関して仕切(図示せず)が設けられている。図5中、符号Aで示される領域に凹部13が位置している場合には、凹部13の底部を通じての吸引が行われる。符号Bで示される領域に凹部13が位置している場合には吸引は行われない。
パルプ及び高吸収性ポリマーの供給装置(図示せず)から供給されたパルプ及び高吸収性ポリマーは空気流に搬送されて、凹部13内に堆積する。これとは別に、長繊維のウエブの原反に張力を加えて長手方向に引き伸ばした状態で搬送しながら、開繊装置(図示せず)を用いて該ウエブを開繊する。開繊したウエブ14は、積繊ドラム12の周面に抱かれた状態で搬送される。符号Bで示される領域に位置する凹部13内に堆積されたパルプ及び高吸収性ポリマーの積繊体15は、当該領域において吸引状態が解除され、ウエブ14上に転写される。積繊体15の転写に際しては、ウエブ14における積繊体15の転写面と反対側の面にサクションボックス16を配置して吸引を行い、積繊体15の転写を確実に行っている。このようにしてウエブ14上に積繊体15が積層される。
積繊ドラム12へのパルプ及び高吸収性ポリマーの供給量は、パルプの供給量に比較して高吸収性ポリマーの供給量を大過剰とする。両者の供給量にこのような差を設けることで、凹部13内に形成される積繊体15においては、パルプと高吸収性ポリマーがほぼ等量で混合されるので、過剰分の高吸収性ポリマーは積繊体15の表面に堆積することになる。積繊体15の表面に堆積した過剰分の高吸収性ポリマーは、該積繊体15がウエブ14に転写されることで、ウエブ14中に埋没担持される。この埋没担持を効果的に行うために、開繊された後のウエブ14が積繊ドラム12の周面に抱かれる前に、ウエブ14をサクションボックス17によって吸引して、搬送の張力を緩めておく。それによってウエブの引き伸ばし状態が解除され、長繊維は捲縮した状態に復帰する。この状態下に過剰分の高吸収性ポリマーが積繊体15からウエブ14へ転写される。高吸収性ポリマーは、捲縮状態となっている長繊維間の空隙に埋没担持される。高吸収性ポリマーの埋没担持は、積繊ドラム12の下流側に設置されているサクションボックス16による吸引で一層確実なものとなる。
以上の方法により、高吸収性ポリマーが埋没担持された長繊維のウエブ14と、パルプ及び高吸収性ポリマーを含む積繊体15との積層体からなる吸収体を容易に製造することができる。以上の方法は、高吸収性ポリマーの供給を一回行うことで、ウエブ14及び積繊体15の双方に高吸収性ポリマーを含有させ得る点で効率的な方法である。
また、以上の方法によれば、積繊体15の表面に堆積する過剰分の高吸収性ポリマーの粒径をコントロールできるという利点もある。高吸収性ポリマーは一般に粒度分布を持っている。高吸収性ポリマーが空気流に搬送されるときには、その粒径の相違に起因して搬送のされやすさが相違する。その結果、粒度分布曲線における小粒径側のポリマーがパルプ中に混合されやすく、大粒径側のポリマーが積繊体15の表面に堆積されやすくなる。つまり、積繊体15中には相対的に小粒径のポリマーが存在し、ウエブ14中には相対的に大粒径のポリマーが存在することになる。ポリマーの粒径にこのような差を設けたウエブ14及び積繊体15からなる吸収体1を、例えば後述する図7(c)に示す形態で使用すると、吸収体1の液通過速度は良好になるという利点がある。
次に、本発明の他の実施形態について図6〜図10を参照しながら説明する。これらの実施形態に関して特に説明しない点については、図1に示す実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図6〜図10において、図1〜図4と同じ部材に同じ符号を付してある。
図6(a)に示す吸収体1は、単層のウエブ2から構成されている。そしてウエブ2中に高吸収性ポリマーが均一に埋没担持されている。図6(b)及び(c)に示す吸収体1も図6(a)に示す吸収体1と同様に単層のウエブ2から構成されている。しかし、図6(b)及び(c)に示す吸収体1では、高吸収性ポリマーがウエブ2の厚さ方向に関して偏倚して埋没担持されている。具体的には、図6(b)に示す吸収体1では、高吸収性ポリマーは、ウエブ2中において、ウエブ2の肌対向面側に偏倚して埋没担持されている。一方、図6(c)に示す吸収体1では、高吸収性ポリマーは、ウエブ2中において、ウエブ2の肌非対向面側に偏倚して埋没担持されている。図6(b)及び(c)に示す吸収体1では、高吸収性ポリマーの存在量は、ウエブ2の厚み方向に関して連続的に変化していてもよく、或いは段階的に変化していてもよい。図6(b)に示す吸収体1は、液のスポット吸収性が高いことから、軽失禁者用の失禁パッドや生理用ナプキンの吸収体として好適である。図6(c)に示す吸収体1は、液の拡散性が高く、吸収体全体での液の吸収性が高いことから、使い捨ておむつの吸収体として好適である。
図7(a)に示す吸収体1は、フラッフパルプの積繊層4上にウエブ2を重ねた構造を有している。ウエブ2中には高吸収性ポリマーが埋没担持されている。この吸収体1では、フラッフパルプの積繊層4が、排泄された液の一次ストック層として作用するので、液の排泄速度が高い場合(例えば尿が排泄される場合)であっても、液漏れを効果的に防止できる。この観点から、ウエブ2中に埋没担持される高吸収性ポリマーは、ウエブ2の肌非対向面側に偏倚して埋没担持されていることが好ましい。尤も、高吸収性ポリマーを図6(a)及び(b)に示すように散布することも可能である。この吸収体1は使い捨ておむつの吸収体として好適である。
図7(b)に示す吸収体1は、フラッフパルプの積繊層4上にウエブ2を重ねてなる積層体5を複数積層した構造を有している。この構造の吸収体1は、図7(a)に示す吸収体1よりも液漏れ防止効果が一層高い。
図7(c)に示す吸収体1は、図7(a)に示す吸収体1において、フラッフパルプの積繊層4中に高吸収性ポリマーを混合させたものである。この構造の吸収体は、フラッフパルプの積繊層4による液の一次ストック層としての効果が一層高いものである。なお、図に示すまでもなく当業者であれば明らかなように、図7(c)に示す吸収体1を用いて、図7(b)に示すような積層体を構成することも可能であり、更に図7(a)と図7(c)に示す吸収体を用いて、図7(b)に示すような積層体を構成することもまた可能である。
図7(d)に示す吸収体1は、図7(c)に示す吸収体においてフラッフパルプの積繊層4とウエブ2との積層関係を上下逆転させたものである。この吸収体1を有する吸収性物品は、該吸収性物品に着用者の体圧が加わった場合、例えば着用者が寝た姿勢や座った姿勢の場合の吸収性が良好になる。
図8(a)及び(b)に示す吸収体1は、フラッフパルプの積繊層4の上下にウエブ2,2がそれぞれ配された構造を有している。図8(a)に示す吸収体では、各ウエブ2においては、高吸収性ポリマーが、ウエブ2の肌非対向面側に偏倚して埋没担持されている。一方、図8(b)に示す吸収体では、上側のウエブ2においては、高吸収性ポリマーが、ウエブ2の肌非対向面側に偏倚して埋没担持されているのに対して、下側のウエブ2においては、高吸収性ポリマーが、ウエブ2の肌対向面側に偏倚して埋没担持されている。図8(a)に示す吸収体によれば、液を一時的にストックすることができる。かつ、拡散する層が肌当接面側と、吸収体中間領域にあるので、上層側で吸収し切れなかった液を、さらに下層側で拡散させることができる。そのため、高吸収ポリマーの使用効率が高くなり、結果として、多量で高速の液を素早く吸収できる特性を有する。従って本実施形態の吸収体は、例えば、比較的月齢の高い幼児用のパンツ型おむつやトレーニングパンツ、おねしょパンツとして好適に用いられる。一方、図8(b)に示す吸収体は、フラッフパルプの積繊層4にストックさせた液を上下の高吸収性ポリマーで固定するメカニズムなので、あまり高速の液に対応することは難しい。しかし、最も非肌当接面側の空間により、クッション性が発現し、おむつの風合いを生かす設計ができる。さらに、液の最終的な固定位置が吸収体厚さ方向中央部になるため、液戻りが少ないといった特性を有する。従って本実施形態の吸収体は、肌へのやさしさと柔らかさが強く求められる、低月齢の幼児用のおむつとして好適に用いられる。
図9に示す吸収体1は、高吸収性ポリマーが埋没担持されているウエブ2の下側に、高吸収性ポリマーを含まない親水性を有する長繊維のウエブ6が配置された構造を有している。ウエブ6の長繊維が捲縮したものである場合、特に前記の捲縮率を有するものである場合には、ウエブ6が厚さ方向の押圧に対するクッション層として作用することから、吸収性物品の着用感が向上する。
図10に示す吸収体1は、長繊維のウエブ2がその長手方向に沿って、内折り状態で三つ折りされており、三つ折りされたウエブ2の内部に高吸収性ポリマー3が保持されているものである。このような構成の吸収体1を備えた吸収性物品には、高吸収性ポリマーの担持性が一層良好になるというという利点がある。これに加えて、表面シート側及び裏面シート側の何れの側から吸収性物品に触れた場合でも、高吸収性ポリマーに起因するしゃり感を与えにくく、吸収性物品にふんわりとしたやわらかさを付与できるという利点もある。また、ウエブが重なることで厚みが増し、ふんわり感が向上する。更に、身体へのフィット性が向上する。更には液の一次ストックとしての機能も果たし、素早い液の吸収と漏れ防止に効果的である。
図10に示す吸収体1においては、三つ折りされたウエブ2の内部に、親水性の短繊維と、高吸収性ポリマーと、熱可塑性の合成パルプ又は各種バインダー(ポリ酢酸ビニルやアクリルエマルジョンなど)とからなるエアレイド吸収体が保持されていてもよい。エアレイド吸収体は剛性が高いので、吸収性物品にコシを与えるという利点がある。特に圧力下での吸収速度が速いという利点がある。一方で、エアレイド吸収体は剛性が高いので、装着中の違和感や擦れによる皮膚トラブルが発生するおそれがあり、またふんわり感が十分でない場合がある。そこで、エアレイド吸収体の一部または全体をウエブ2で覆うことにより、エアレイド吸収体の特長を生かした上で、硬さのデメリットを低減することができる。
ところで、生理用ナプキンや失禁パッドは、紙おむつ等に比べると一般に製品の大きさ(面積)が小さい。そのため、製品の一部分に高吸収容量を有する吸収領域を設け、スポット吸収性を付与させる場合がある。前述の各実施形態に係る吸収体を高吸収領域として用いる場合、該高吸収領域は全体に凸型形状をなすことが好ましい。その場合、ウエブ2はその坪量が100〜1000g/m2、特に200〜500g/m2であることが好ましい。一方、高吸収性ポリマーの散布坪量は50〜1000g/m2、特に100〜500g/m2であることが好ましい。
前述の各実施形態におけるウエブの密度は好ましくは0.005〜0.20g/m3、更に好ましくは0.01〜0.10g/m3である。密度がこの範囲内であれば、液の透過速度を、高吸収性ポリマーの吸収速度に見合った適度な範囲に制御できる。また吸収体の柔らかさを維持することができる。更に、ウエブの繊維間隔を適度な範囲にすることができ、細かな高吸収ポリマーの担持性能を向上させることができる。
前述の各実施形態で用いられる高吸収性ポリマーは、その遠心脱水法による生理食塩水の吸水量が30g/g以上、特に30〜50g/gであることが、ポリマーの使用量の点や、液吸収後のゲル感が低下することを防止する点から好ましい。高吸収性ポリマーの遠心脱水法による吸収量の測定は以下のようにして行う。すなわち、高吸収性ポリマー1gを生理食塩水150mlで30分間膨潤させた後、250メッシュのナイロンメッシュ袋に入れ、遠心分離機にて143G(800rpm)で10分間脱水し、脱水後の全体重量を測定する。ついで、以下の式に従って遠心脱水法による吸水量(g/g)を算出する。
遠心脱水法による吸水量=(脱水後の全体重量−ナイロンメッシュ袋重量−乾燥時高吸収性ポリマー重量−ナイロンメッシュ袋液残り重量)/乾燥時高吸収性ポリマー重量
さらに、前述の各実施形態で用いられる高吸収性ポリマーは、以下の方法で測定される液通過時間が20秒以下、特に2〜15秒、とりわけ4〜10秒であることがゲルブロッキングの発生及びそれに起因する吸収性能の低下を防止し、また、吸収が間に合わないことに起因する液の素抜けによるもれの防止の点から好ましい。液通過時間の測定は以下の通りである。即ち、断面積4.91cm2(内径25mmφ)で底部に開閉自在のコック(内径4mmφ)が設けられた円筒管内に、該コックを閉鎖した状態で、該高吸収性ポリマー0.5gを生理食塩水とともに充填し、該生理食塩水により該高吸収性ポリマーを飽和状態に達するまで膨潤させる。膨潤した該高吸収性ポリマーが、沈降した後、該コックを開き、生理食塩水50mlを通過させる。該生理食塩水50mlが通過するのに要した時間を測定し、この時間を液通過時間とする。液通過時間は、高吸収性ポリマーのゲル強度を反映する指標のひとつである。液通過時間が短いものほどゲル強度は強くなる。
前述の各実施形態で用い得る高吸収性ポリマーとしては、前記の各特性を満足するものであれば特に制限されないが、具体的には例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられる。尚、前記の各特性を満たすようにするためには、例えば、高吸収性ポリマーの粒子表面に架橋密度勾配を設ければよい。或いは高吸収性ポリマーの粒子を非球形状の不定形粒子とすればよい。具体的には特開平7−184956号公報の第7欄28行〜第9欄第6行に記載の方法を用いることができる。
長繊維のウエブを有する本発明の吸収体は、フラップパルプを主体とする従来の吸収体に比較して繊維間の空隙の大きな疎な構造になっているので、該吸収体は液の透過性の良好なものでもある。従って、高吸収性ポリマーの吸収速度が遅い場合は、液が高吸収性ポリマーに吸収される前に吸収体を通過してしまい、該吸収体に十分吸収されない場合が起こりうる。この観点から、ウエブに含まれる高吸収性ポリマーは、充分に吸収速度の速いものであることが好ましい。それによって、吸収体に液を確実に保持できるようになる。高吸収性ポリマーの吸収速度は、当該技術分野においては一般にDW法の測定値によって表現される。DW法による吸収速度(ml/0.3g・30sec)は、DW法を実施する装置として一般的に知られている装置(Demand Wettability Tester)を用いて測定される。具体的には、生理食塩水の液面を等水位にセットしたポリマー散布台〔70mmφ、No.2濾紙をガラスフィルターNo.1上に置いた台〕上に、測定対象の高吸収性ポリマーを0.3g散布する。高吸収性ポリマーを散布した時点の吸水量を0とし、30秒後の吸水量(この吸収量は、生理食塩水の水位の低下量を示すビュレットの目盛りで測定される)を測定する。得られた吸収量の値を吸水速度とする。吸収速度は高吸収ポリマーの形状、粒径、かさ密度、架橋度等によって設計することができる。
吸収体がパルプを含まないか又は吸収体中の含有量が30重量%以下である実施形態においては、DW法に従い測定された吸収速度が2〜10ml/0.3g・30sec、特に4〜8ml/0.3g・30secである高吸収性ポリマーが好ましく用いられる。なお、このような吸収速度を有する高吸収性ポリマーは、フラッフパルプを主体とする従来の吸収体においては、ゲルブロッキング、ひいては液漏れを発生させる原因になるとしてその使用が避けられていたものである。これに反して、本実施形態においてはウエブが疎な構造を有していることに起因して、ウエブ内への液の取り込みと取り込まれた液の通過速度が高いため、高吸収速度を有する高吸収性ポリマーを用いてもゲルブロッキングが起こりにくく、逆に液漏れが効果的に防止される。ここで、吸収体の重量には、吸収体を包む被覆シートの重量が含まれる。
上述のように、液通過時間が短い高吸収性ポリマーや、吸収速度の高い高吸収性ポリマーは単独で用いてもよいが、液通過時間や吸収速度が上述の望ましい範囲内にある別の高吸収性ポリマーを混合あるいは共存させて用いてもよい。例えば、相対的に液通過時間の短い高吸収性ポリマーS1と相対的に液通過時間の長い高吸収性ポリマーS2を混合して用いる場合が挙げられる。この場合、高吸収性ポリマーS1と高吸収性ポリマーS2を比較すると、高吸収性ポリマーS2の方が吸収倍率や吸収速度が高い反面、ゲルブロッキングに対する耐性は低い。高吸収性ポリマーS1と高吸収性ポリマーS2を共存させることで、吸収性能の高い高吸収性ポリマーS2の間に、硬い(つまりゲルブロッキングが起こりくい)高吸収性ポリマーS1が入り込むので、吸収体をより効率的に利用することができる。別の例としては、相対的に吸収速度の高い高吸収性ポリマーS3と相対的に吸収速度の低い高吸収性ポリマーS4を共存させる方法がある。この場合、高吸収性ポリマーS3を裏面シート側に配し、高吸収性ポリマーS4を表面シート側に配することで、吸収体の液の取り込み速度を一層高めた上で、液の固定能力も高めることができる。更に別の例としては、液通過時間の短い高吸収性ポリマーS1を表面シート側に配し、吸収速度の高い高吸収性ポリマーS3を裏面シート側に配しても同様の効果が得られる。
上述の特定の吸収性能を有する吸収性ポリマーを用いることで、本発明の吸収体は薄くて柔らかいにもかかわらず、液戻りの量が一層少なくなる。液戻りの量は、好ましくは1g以下、更に好ましくは0.5g以下、一層好ましくは0.25g以下となる。液戻り量の測定方法は次の通りである。乳幼児用紙おむつ(Mサイズ)の場合、おむつの腹側の端縁部から150mmの位置の幅方向中央部に、着色した生理食塩水160gを、ロートを用いて注入する。着色には赤色1号を用い、色素の添加量は50ppmとする(生理食塩水10リットルに対して0.5g)。注入完了から10分後に、アドバンテック社製のろ紙No.4Aを10枚重ねたものをおむつ上に置く。ろ紙の上から3.43kPaの圧力を2分間加えてろ紙に生理食塩水を吸収させる。ろ紙の重量を測定し、重量の増加分を液戻り量とする。測定は3点行う。おむつのサイズが異なる場合は、生理食塩水の注入量、ろ紙の加圧条件を次のように変更する。ベビー用おむつの場合は、ろ紙の加圧は3.43kPaで統一し、生理食塩水の注入量をおむつのサイズによって変化させる(新生児、Sサイズは120g、その他のサイズは160g)。一方、生理用品も含め大人用の吸収性物品の場合には、ろ紙の加圧は5.15kPaで統一する。注入する液は、生理用品の場合には生理食塩水に代えて馬血10gとする。
ウエブ内には高吸収性ポリマーのほかに、他の粒子、例えば、活性炭やシリカ、アルミナ、酸化チタン、各種粘土鉱物(ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、カンクリナイト等)等の有機、無機粒子(消臭剤や抗菌剤)を共存させることができる。無機粒子は一部金属サイトを置換したものを用いることができる。或いは、各種有機、無機緩衝剤、即ち、酢酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、乳酸又はこれらの塩を単独あるいは組み合わせて用いたり、各種アミノ酸を用いることができる。これら成分の働きは、吸収体に吸収された排泄物のにおいや素材由来のにおいを抑制することである。また、各種有機、無機緩衝剤は、排泄物、例えば尿の分解による発生するアンモニアを中和し、おむつを中性〜弱酸性に保つ効果があり、それによって、万一おむつから肌への排泄物の液戻りがあっても、肌への影響を少なくすることができる。更に、各種有機、無機緩衝剤は、アンモニア等のアルカリを中和する働きがあるので、ウエブ2を構成する長繊維としてアセテート繊維のような分子構造内にエステル結合を有する繊維を用いた場合には、アルカリによるエステル結合の分解に起因する繊維の損傷が防止される効果も期待できる。
また、液保持性と吸収速度の向上、ドライの向上を目的に、親水性の微粉又は短繊維をウエブ中に共存させることができる。親水性の微粉又は短繊維としては、フィブリル化されているか又はフィブリル化されていないセルロースパウダー、カルボキシメチルセルロース及びその金属塩、カルボキシエチルセルロース及びその金属塩、ヒドロキシエチルセルロース及びその誘導体、シルクパウダー、ナイロンパウダー、レーヨン、コットン、羊毛などの短繊維が挙げられる。これらのうち、セルロースパウダーを用いると、前記の効果を最大限向上させ得るので好ましい。親水性の微粉又は短繊維は、高吸収性ポリマーの散布前にウエブに散布してもよく、或いは高吸収ポリマーと混合しておき、両者を同時にウエブに散布してもよい。
ウエブの形態保持性を向上させて、ウエブの圧縮回復性を高め、またウエブのよれを起こりにくくし、更にウエブの搬送性を良好にすることを目的として、ウエブを構成する長繊維どうしを接合することが好ましい。長繊維どうしの接合には、例えばポリ酢酸ビニル、アクリルエマルジョンのような水溶性接着剤を用いることができる。
長繊維がアセテートからなる場合には、アセテートを溶解・可塑化し得る剤、例えばトリアセチンを、高吸収性ポリマー散布後のウエブに散布してアセテートを溶解・可塑化させ、長繊維どうしを接合させることができる。
長繊維どうしの接合の他の方法には、図11に示すように、熱可塑性樹脂の合成パルプをウエブ中に分散させ、次いで加熱して合成パルプを溶融させる方法が挙げられる。合成パルプ7は、高吸収性ポリマーの散布と同時に又はその前後にウエブに散布することができる。散布に際しては、ウエブにおける散布面と反対側の面から吸引を行い、合成パルプ及び高吸収性ポリマーがウエブ中に十分に行き渡るようにすることが好ましい。長繊維が熱可塑性樹脂からなる場合には、該熱可塑性樹脂の融点よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂からなる合成パルプを用いることが好ましい。
図11に示す吸収体にエンボス加工を施して、図12に示すような吸収体1を製造することも好ましい。図12に示す吸収体1においては、エンボス加工によってウエブが圧密化した部分8が多数形成される。その結果、ウエブ中に繊維密度の高い部分と低い部分とが存在するようになる。従って、繊維密度の高い部分と低い部分とで毛管力に差が生じ、吸収体1は液の引き込み性が、図11に示す吸収体よりも高くなる。
ウエブの形態保持性を向上させるための別法として、ウエブの上及び/又は下に、或いはこれに加えて又はこれに代えて、ウエブの側部に、紙や不織布などのシート材料を一枚又は複数枚重ね合わせるか又は覆い、ウエブとシート材料とを接着剤によって接合するか、又は熱融着する方法が挙げられる。この方法によれば、一対のシート材料間にウエブが挟持固定されてなるシート状の吸収体が得られる。そのようなシート状の吸収体は、シート材料との接合及びシート材料そのものの剛性に起因して剛性が高くなり、それによってハンドリング性が良好になるので、それ単独で容易に搬送させることができる。また、このシート状の吸収体は、所望の形状に容易に裁断あるいはくり抜くことができるので、吸収性物品の形状に応じた吸収体を容易に製造できる。
前記のシート材料とウエブとを接着剤によって接合して、ウエブの保形性を高める場合には、ウエブの透水性、柔らかさ、通気性を損なわないように接着剤を塗布することが好ましい。そのためには、接着剤をできるだけ細い繊維状にして且つ断続的に(例えばスパイラル状、線状、連続したΩ形状に)塗布することが有利である。それによってウエブの特性を損なわずに繊維どうしを多数の接合点で接合することが可能になるからである。例えばホットメルト塗布装置の一種であるUFDファイバー(商品名)を用いることで、これを達成することができる。接着剤の種類に特に制限はなく、親水性接着剤及び疎水性接着剤の何れも用いることができる。特に好ましいものは親水性の接着剤である。親水性の接着剤としては例えば親水性ホットメルト粘着剤であるcycloflex(米国デラウエア州、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社の登録商標)が挙げられる。なお、シート材料とウエブの接着は、主に互いの表面同士で行われる。しかし、一部の接着剤がウエブ中にもぐり込み、ウエブの厚み方向内部の繊維同士が接着される場合もある。
前記のシート材料をウエブの上及び/又は下に重ねることは、吸収体の吸収性能を高める点からも有利である。吸収体の吸収性能を高めるためには、該シート材料として、各種繊維シートや繊維ウエブを用いることが好ましい。その例としては、エアスルー不織布、エアレイド不織布、乾式パルプ不織布、架橋パルプおよび架橋パルプを含む紙、及びそれらの複合体などが挙げられる。これらのシート材料は、1枚で用いてもよく、或いは複数枚を重ねて用いてもよい。これらのシート材料を構成する繊維は、その繊維径が1.7〜12dtex、特に2.2〜7.8dtex、とりわけ3.3〜5.6dtexであることが好ましい。坪量は15〜200g/m2、特に20〜150g/m2、とりわけ25〜120g/m2であることが好ましい。特に、液の取り込み速度を向上させたい場合、液戻りを防止したい場合、シート材料中での液拡散を促進させたい場合には、坪量を15〜100g/m2、特に20〜80g/m2、とりわけ25〜50g/m2とすることが好ましい。一方、吸収体のクッション性を高めたい場合、吸収体のヨレを起こりにくくしたい場合、吸収体に圧縮回復性を付与したい場合、吸収体からの水蒸気の蒸散を抑制したい場合には、坪量を25〜200g/m2、特に30〜150g/m2、とりわけ40〜120g/m2とすることが好ましい。
ウエブの形態保持性を向上させるための他の方法として、ウエブを構成する長繊維と網状体とを交絡により一体化させる方法が挙げられる。この方法においては、網状体の片面又は両面にウエブを積層し、次いで水流交絡(スパンレース)や、先端に鉤のついた針によるパンチング(ニードルパンチ)によってウエブを構成する長繊維を網状体に交絡させる。交絡後には、高吸収性ポリマーを散布し、ウエブ中に埋没担持させる。網状体としては、例えば合成樹脂製の格子状ネットや、多数の孔が形成された有孔フィルムを用いることができる。格子状ネットを用いる場合には、その線径は0.1〜3mmであることが好ましく、線間距離は2〜30mmであることが好ましい。有孔フィルムを用いる場合には、その開孔径は4〜40mmで、孔間の間隙は1〜10mmであることが好ましい。
以上の各実施形態の吸収体を具備する本発明の吸収性物品は、相対向する一対の立体ギャザーを2組以上有していてもよい。例えば図13に示すように、吸収体1の側縁から側方に延出したレッグフラッフ20の側縁部に、吸収性物品の長手方向に延びる弾性ストランド21を伸長状態で配してレッグギャザー22を形成し、更に、レッグギャザー22と吸収体1の側縁部との間に基端部を有する第1立体ギャザー23及び第2立体ギャザー24を配している。第1立体ギャザー23はレッグギャザー寄りに配されており、第2立体ギャザー24は吸収体寄りに配されている。
レッグフラップ22に位置するこれら3つのギャザーは、最も外方に位置するギャザーの収縮力が、それよりも内方に位置するギャザーの収縮力よりも大きくなるように各ギャザーの収縮力を調整することが好ましい。即ち、レッグギャザー22の収縮力をL1、第1立体ギャザー23の収縮力をL2、第2立体ギャザー24の収縮力をL3としたとき、L1>L2,L3となることが好ましい。特に、最も外方に位置するギャザーから内側に向かってギャザーの収縮力が次第に小さくなることが好ましい。つまりL1>L2>L3となることが好ましい。この理由は次の通りである。
従来の吸収性物品の設計手法は、吸収性物品を薄くして、しかも液漏れしにくくするために、ギャザーの収縮力を強くし、着用者の身体と吸収性物品との間に隙間を空けないようにするという考えに基づいていた。しかしながら、ギャザーの収縮力が強すぎると、その跡が肌につきやすくなる。また、本発明のように薄くて柔軟や吸収体を用いた場合には、ギャザーの収縮力によって吸収性物品が収縮してしまい装着しづらくなってしまう。また、ギャザーの収縮力が強すぎると、吸収性物品の装着中に、該収縮力に起因する下向きの力が吸収性物品に働き、ずれが生じやすくなる。これに対して、レッグギャザー及び相対向する一対の立体ギャザーを2組以上用い、その収縮力を前述した関係とすることで、従来の吸収性物品に生じる前述の不都合を回避することができる。
ギャザーの収縮力は次の方法で測定される。吸収性物品からギャザーを切り取り測定試料とする。テンシロンORIENTEC RTC−1150Aを用いて測定試料のヒステリシス曲線を描かせる。このヒステリシス曲線の戻り時の応力を収縮力とする。引っ張りと戻しの速度は300mm/minとする。試料の初期長は100mm、最大伸びは100mm(元の長さの2倍)とする。ヒステリシス曲線の戻り時の応力は、試料を最大伸びから50mm戻したときの測定値とする。測定は5点の平均値とする。最大伸びが100mmに満たない試料の場合は、伸びを50mmまでとし、そのときの値を測定値とする。
各ギャザーの収縮力を調整するためには、例えば弾性体の太さを変える、弾性体の伸長率を変える、弾性体の本数を変える等の方法を、単独で、或いは組み合わせる。また、レッグギャザー22の伸縮域は、吸収性物品の股下部のみとすることが好ましい。
図13に示す吸収性物品においては、レッグギャザー及び相対向する一対の立体ギャザーが2組用いられている。これに代えて、各実施形態の吸収体を具備する本発明の吸収性物品では、レッグギャザーは用いずに、相対向する一対の立体ギャザーを2組以上用いてもよい。例えば図14では、第1立体ギャザー23及び第2立体ギャザー24の2組の立体ギャザーを用いている。この場合にも、吸収性物品の幅方向外方から内側に向かうに連れて立体ギャザーの収縮力を次第に小さくすることが、前述した理由と同様の理由により好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
ベビー用使い捨ておむつに使用される吸収体を製造した。先ず捲縮したアセテート長繊維のトウを用意した。この長繊維の繊維径は2.1dtex、トウの全繊維量は2.5万dtexであった。このトウを、空気開繊装置を用いて幅100mmに開繊した後、最大伸張長さの1/2まで引き伸ばし、開繊ウエブを得た。このとき、長繊維の捲縮率は70%、1cm当たりの捲縮数は15個であった。この状態下に、開繊ウエブの上面にホットメルト粘着剤をスプレー塗工した。塗工量は5g/m2であった。次いで、ホットメルト粘着剤の塗工面に、高吸収性ポリマーの粒子を散布坪量130g/m2で層状に均一散布した。散布完了後、開繊ウエブの引き伸ばし状態を解除した。これによって開繊ウエブは収縮して高吸収性ポリマーの粒子は開繊ウエブ中に埋設保持された。
以後、この操作と同様の操作をもう一度繰り返して、ウエブ2層とポリマー層2層とからなる積層体を得た。得られた積層体の上に坪量50g/m2のフラッフパルプ層を、また、積層体の下に坪量100g/m2のフラッフパルプ層を配した。次いでこれら全体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み、吸収体を得た。吸収体全体の坪量は488g/m2、厚さは2.2mmであった。また各ウエブの坪量は13g/m2であった。
〔実施例2〕
実施例1において、ウエブ間をホットメルト粘着剤で接着しない以外は実施例1と同様にして吸収体を得た。吸収体全体の坪量は443g/m2、厚さは2.7mmであった。
〔実施例3〕
実施例2において、積層体の上下にフラッフパルプ層を配せず、各ウエブの坪量を60g/m2とした以外は実施例2と同様にして吸収体を得た。吸収体全体の坪量は422g/m2、厚さは1.9mmであった。
〔実施例4〕
実施例1と同様に、高吸収性ポリマーの粒子が開繊ウエブ中に埋設保持された層を得た。ウエブの坪量は25g/m2、高吸収性ポリマーの坪量は180g/m2であった。さらに、開繊したフラッフパルプ100重量部と高吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、合計坪量150g/m2の混合体を得た。これら高吸収ポリマーを担持したウエブと、パルプ/高吸収ポリマーを均一混合した混合体の層を積層し(層間はホットメルト5g/m2で接着)、積層体を得た。次いで積層体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み(積層体の上下面とティッシュペーパー間はホットメルト5g/m2で接着)、吸収体を得た。吸収体全体の坪量は402g/m2、厚さは2.0mmであった。
〔実施例5〕
先ず、捲縮を有するアセテート長繊維のトウを用意した。この長繊維の繊維径は2.1dtex、トウの全繊維量は2.5万dtexであった。このトウを、伸張下に搬送し空気開繊装置を用いて開繊し開繊ウエブを得た。長繊維の捲縮率は70%、1cm当たりの捲縮数は15個であった。次いで、多数の円盤が軸周りに所定間隔おきに組み込まれたロールと、平滑な受けロールとの間に開繊ウエブを通して、該ウエブを梳いた。その後、ウエブを幅100mmに調節し、その搬送速度を減速した状態でバキュームコンベア上に転写し、当該バキュームコンベア上でのウエブの張力を緩めて捲縮を発現させた。これによって長繊維間の空間を広げ、高吸収性ポリマーを入り込ませ易くし、またウエブを厚くして高吸収性ポリマーの埋没担持性を向上させた。ウエブ上に高吸収性ポリマーを散布し、該高吸収性ポリマーを開繊ウエブ中に埋没担持させた。ウエブの坪量は26g/m2、高吸収性ポリマーの坪量は110g/m2であった。
これとは別に、開繊したフラッフパルプ100重量部と高吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、合計坪量300g/m2の積繊体を得た。この積繊体と、先に製造しておいた高吸収ポリマーを含むウエブとを積層し積層体を得た。積繊体とウエブとの間は、坪量5g/m2のホットメルト粘着剤で接着されていた。この積層体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み吸収体を得た。積層体の上下面とティッシュペーパー間は、坪量5g/m2のホットメルト粘着剤で接着されていた。吸収体全体の坪量は488g/m2で、厚さは2.1mmであった。
〔比較例1〕
開繊したフラッフパルプ100重量部と高吸収性ポリマー100重量部を気流中で均一混合し、合計坪量520g/m2の混合体を得た。フラッフパルプ及び高吸収ポリマーの坪量はそれぞれ260g/m2であった。得られた混合体を坪量16g/m2のティッシュペーパーで包み、吸収体を得た。混合体とティッシュペーパーの間は、ホットメルト粘着剤5g/m2をスプレー塗工し接着した。吸収体全体の坪量は 562g/m2、厚さは4.3mmであった。
〔比較例2〕
比較例1において合計坪量300g/m2の混合体を得た。このとき、フラッフパルプおよび高吸収ポリマーの坪量は150g/m2であった。それ以外は比較例1と同様にして吸収体を得た。吸収体全体の坪量は 342g/m2、厚さは2.7mmであった。
〔比較例3〕
比較例1において、開繊したフラッフパルプ100重量部と高吸収性ポリマー200重量部を気流中で混合し、合計坪量375g/m2の混合体を得るべく試みたが、混合体から高吸収性ポリマーが脱落し、積層体が得られなかった。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体について以下の方法で吸収容量を測定し、また構造安定性及び柔軟性を評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔吸収容量〕
得られた吸収体を45°の傾斜版に固定し、吸収体の上方側の端部から200mmの位置に生理食塩水を一定量、一定間隔ごとに繰り返し注入し、吸収体の下方側の端部からもれだすまでの注入量を比較した。比較例1の吸収容量を1.0とした時の相対値を以下の計算式を用いて算出した。
吸収容量(相対値)=(サンプルの吸収容量)/(比較例1の吸収容量)
〔構造安定性〕
(1)ドライ時
100×200mmに作製した吸収体の中央部を切断し、100×100mmの吸収体を得た。切断面を真下にして、振幅5cmで1回/1秒の速度で20回振動を与えたとき、切断面からの落下したポリマーの量を測定した。以下の判断基準に従って高吸収ポリマーの埋没担持性を評価した。
混合した高吸収ポリマーのうち、
○:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%以下である。
△:脱落した高吸収ポリマーの量が10%を超え、25%以下である。
×:脱落した高吸収ポリマーの量が25%を超える。
(2)ウエット時
100×200mmに切断した吸収体全面に、生理食塩水200gをほぼ均等に吸収させた後、静かに吸収体を持ち上げたとき、吸収体が破壊しないかどうかを目視判定した。
○:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%以下であり、吸収体の破壊がない。
△:脱落した高吸収ポリマーの割合が10%を超え、25%以下であり、吸収体の破壊がない。
×:脱落した高吸収ポリマーの割合が25%を超える、あるいは吸収体が破壊する。
〔柔軟性〕
ハンドルオ・メーターを用いて吸収体の柔軟性を評価した。ハンドルオ・メーターの測定値は、その数値が小さい程、装着しやすさやフィット性が良好であることを示す。ハンドルオ・メーターによる測定方法は次の通りである。JIS L1096(剛軟性測定法)に準じて測定を行う。幅60mmの溝を刻んだ支持台上に、長手方向に150mm、幅方向に50mm切断した吸収体を、溝と直交する方向に配置する。吸収体の中央を厚み2mmのブレードで押した時に要する力を測定する。本発明で用いた装置は、大栄科学精機製作所製、風合い試験機(ハンドルオ・メーター法)、HOM−3型である。3点の平均値を測定値とする。得られた測定値に基づき、以下の基準に従って柔軟性を評価した。
○:ハンドルオ・メーターの測定値が2N以下である。
△:ハンドルオ・メーターの測定値が2Nを超え、4N以下である。
×:ハンドルオ・メーターの測定値が4Nを超える。
Figure 2006110329
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の吸収体は、比較例の吸収体よりも繊維材料の使用割合が少ないにもかかわらず、吸収体の構造が安定していることが判る。また、薄く、低坪量で且つ柔軟であるにもかかわらず、高い吸収容量を有していることが判る。
〔実施例6〕
本実施例は、長繊維のウエブの捲縮率と高吸収性ポリマーの担持率との関係を調べたものである。この長繊維の繊維径は2.1dtexであった。このトウを、伸張下に搬送し空気開繊装置を用いて開繊し開繊ウエブを得た。次いで、多数の円盤が軸周りに所定間隔おきに組み込まれたロールと、平滑な受けロールとの間に開繊ウエブを通して、該ウエブを梳いた。その後、ウエブを幅100mmに調節し、その搬送速度を減速した状態でバキュームコンベア上に転写し、当該バキュームコンベア上でのウエブの張力を緩めて捲縮を発現させた。ウエブの張力を制御し、種々の捲縮率を有するアセテート長繊維のウエブを調製した。これによって長繊維間の空間を広げ、高吸収性ポリマーを入り込ませ易くし、またウエブを厚くして高吸収性ポリマーの埋没担持性を向上させた。ウエブ上に高吸収性ポリマーを散布し、該高吸収性ポリマーを開繊ウエブ中に埋没担持させた。ウエブの坪量は26g/m2であった。ポリマーの散布坪量は260g/m2であった。ポリマーとしては平均粒径330μmの塊状タイプのものを用いた。このようにして得られた吸収体について、前述の構造安定性(ドライ時)試験を行った。試験後にウエブ中に担持されていた高吸収性ポリマーの重量をウエブの重量で除して100を乗じ、得られた値を高吸収性ポリマーの担持率(%)とした。結果を図15に示す。図15に示す結果から明らかなように、長繊維のウエブの捲縮率が40〜90%の範囲の場合、担持率が高くなることが判った。
〔実施例7〕
本実施例は、高吸収性ポリマーの形状とその担持率との関係を調べたものである。この長繊維の繊維径は2.1dtexであった。このトウを実施例6と同様に開繊させ、捲縮率70%のアセテート長繊維ウエブを調製した。開繊したウエブ上に高吸収性ポリマーを散布し、該高吸収性ポリマーを開繊ウエブ中に埋没担持させた。ウエブの坪量は26g/m2であった。ポリマーとしては塊状タイプ及び球粒凝集タイプのものを用いた。これらのポリマーの平均粒径は塊状タイプのものは330μm、球粒凝集タイプのものは400μmであった。ポリマーの散布坪量を種々変えて、複数の吸収体を得た。このようにして得られた吸収体について、前述の構造安定性(ドライ時)試験を行った。試験後のウエブについてポリマーの担持率を求めた。結果を図16に示す。図16に示す結果から明らかなように、塊状タイプのポリマーの方が、球粒凝集タイプのポリマーよりも担持性が良好であることが判った。
〔実施例8〕
本実施例は、長繊維の繊維径と高吸収性ポリマーの担持率との関係を調べたものである。先ず、繊維径の異なる2種類のアセテート長繊維のトウを用意した。この長繊維の繊維径はそれぞれ2.2dtex及び5.6dtexであった。このトウを、実施例6と同様に開繊させ、捲縮率を70%に調整した状態で、開繊したウエブ上に高吸収性ポリマーを散布し、該高吸収性ポリマーを開繊ウエブ中に埋没担持させた。ウエブの坪量は26g/m2であった。ポリマーとしては平均粒径330μmの塊状タイプのものを用いた。ポリマーの散布坪量を種々変えて、複数の吸収体を得た。このようにして得られた吸収体について、前述の構造安定性(ドライ時)試験を行った。試験後のウエブについてポリマーの担持率を求めた。結果を図17に示す。図17に示す結果から明らかなように、2.2dtex及び5.6dtexの長繊維を用いるとポリマーよりも担持性が良好であることが判った。
高吸収性ポリマーの平均粒径は次の方法で測定した。高吸収性ポリマー50gを振とう機(レッチェ社製、AS200型)を用いて篩分けした。使用した篩はJIS Z 8801で規定された東京スクリーン社製の標準篩であり、目開き850、600、500、355、300、250、150のものを用いた。振とうの条件は、50Hz、振幅0.5mm、10分間とした。測定は3回行い、平均値を篩上の重量とした。得られた各篩上の重量を50で除して相対頻度を求め、粒度累積曲線を描いた。累積曲線の中央累積値(50%)に相当する粒子径を平均粒径とした。
図1は、本発明の吸収性物品における吸収体の一実施形態を示す模式図である。 図2(a)及び(b)は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図3は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図4は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図5は、本発明の吸収性物品における吸収体を製造するための好ましい装置を示す模式図である。 図6(a)〜(c)は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図7(a)〜(d)は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図8(a)及び(b)は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図9は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図10は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図11は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図12は、本発明の吸収性物品における吸収体の別の実施形態を示す模式図である。 図13は、本発明の吸収性物品の一実施形態における幅方向断面の構造を示す模式図である。 図14は、本発明の吸収性物品の他の実施形態における幅方向断面の構造を示す模式図(図13相当図)である。 図15は、長繊維のウエブの捲縮率と高吸収性ポリマーの担持率との関係を示すグラフである。 図16は、高吸収性ポリマーの形状とその担持率との関係を示すグラフである。 図17は、長繊維の繊維径と高吸収性ポリマーの担持率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 吸収体
2 ウエブ
3 ポリマー層
4 フラッフパルプの積繊層
5 積層体
6 高吸収性ポリマーを含まない長繊維のウエブ

Claims (15)

  1. 親水性を有する長繊維のウエブを含む吸収体を具備する吸収性物品であって、該長繊維は40〜90%の捲縮率を有し且つ吸収体の平面方向に配向しており、該ウエブ中に高吸収性ポリマーが埋没担持されている吸収性物品。
  2. 高吸収性ポリマーは、前記ウエブ中に均一に埋没担持されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 高吸収性ポリマーは、前記ウエブ中において、該ウエブの肌対向面側に偏倚して埋没担持されている請求項1記載の吸収性物品。
  4. 高吸収性ポリマーは、前記ウエブ中において、該ウエブの肌非対向面側に偏倚して埋没担持されている請求項1記載の吸収性物品。
  5. 前記高吸収性ポリマーの坪量が、前記長繊維のウエブの坪量以上である請求項1ないし4の何れかに記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収体が、複数の前記ウエブと、該ウエブ間に散布された高吸収性ポリマーの層とを含み、該高吸収性ポリマーの一部が該ウエブ中に埋没担持されている請求項1ないし5の何れかに記載の吸収性物品。
  7. 重なり合う前記ウエブどうしが散点状に接着されている請求項6記載の吸収性物品。
  8. 複数の前記ウエブの少なくとも一層における一部分の前記長繊維が引き伸ばされた状態になっている請求項6又は7記載の吸収性物品。
  9. 捲縮を有さない、親水性を有する長繊維のウエブを更に備える請求項1ないし8の何れかに記載の吸収性物品。
  10. 前記吸収体が、フラッフパルプの積繊層上に前記ウエブを重ねた構造を有している請求項1ないし5の何れかに記載の吸収性物品。
  11. 前記吸収体が、フラッフパルプの積繊層上に前記ウエブを重ねてなる積層体を複数積層した構造を有している請求項10記載の吸収性物品。
  12. 前記フラッフパルプの積繊層が更に高吸収性ポリマーを含む請求項10又は11記載の吸収性物品。
  13. 前記長繊維が吸収性物品の長手方向に配向しており、前記吸収体が、前記長繊維の配向方向を横切るような線状の接着ラインを有していないか、又は 前記長繊維が吸収性物品の幅方向に配向しており、前記吸収体が、前記長繊維の配向方向を横切るような線状の接着ラインを有している請求項1ないし12の何れかに記載の吸収性物品。
  14. 40〜90%の捲縮率を有する、親水性を有する長繊維の複数のウエブと、該ウエブ間に散布された高吸収性ポリマーの層とを備え、該高吸収性ポリマーの一部が前記ウエブ中に埋没担持されており、また前記ウエブどうしが散点状に接着されている吸収体。
  15. 捲縮を有する長繊維からなるウエブ中に高吸収性ポリマーを含んでいる吸収体の製造方法であって、
    前記ウエブの原反に張力を加えて長手方向に引き伸ばした状態で開繊する工程と、開繊した該ウエブの張力を緩めた状態で、該ウエブに前記高吸収性ポリマーを供給する工程とを含む吸収体の製造方法。
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