JP2011000231A - 吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

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猛史 宮村
Takao Kasai
孝夫 笠井
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Masashi Kawazoe
雅史 川添
Rika Kakusawa
利夏 角澤
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Abstract

【課題】吸水性ポリマーを含んで構成される吸収体であって、吸水性ポリマーの移動や漏れが起こり難く且つ優れた液吸収能を有する吸収体、及び該吸収体を備えた吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収体10は、繊維材料を含む繊維構造体11と、所定の方法により測定される粘着率が0.9以下である吸水性ポリマー12とを含んで構成されている。繊維構造体11は、その厚み方向一端側である下面11b側に開口する開口部13と連通して該厚み方向の内方に延びる空間部を有しており、該空間部に、吸水性ポリマー12が密集した状態で収容されている。繊維構造体11の下面11b上に、該繊維構造体11とは別体の繊維シート20が配されており、該繊維シート20によって前記空間部は開口部13において閉塞されている。閉塞されている前記空間部は、飽和膨潤した吸水性ポリマー12を収容可能な大きさを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、経血、尿等の排泄物を吸収保持する吸収体及び該吸収体を備えた吸収性物品に関する。
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品として、液体透過性のトップシート、液体不透過性のバックシート、及び両シート間に配置され人体からの液体排泄物を吸収保持する吸収体を備えたものが知られている。例えば特許文献1には、斯かる構成の吸収性物品において、トップシートとアブソーバントパッド(吸収体)との間に、不織布からなる液体搬送帯を備えた吸収性物品が記載されている。該不織布は、該アブソーバントパッドの長手方向縁部に向けて主に傾向付けられた高繊維密度部を備えるスクリーンパターンを有している。特許文献1に記載の吸収性物品によれば、該液体搬送帯(不織布)のスクリーンパターンによる液体搬送特性等により、吸収性物品を比較的薄くすることができ、更には横漏れのおそれを減少することができるとされている。
また特許文献2には、吸水性ポリマー粒子を含有し、湿潤化されたときその粒子が自由に流体を吸収し、且つ未拘束の場合と実質上同様に膨潤するような層状吸収性構造物が記載されている。この層状吸収性構造物は、複数枚の繊維状物質のウエブが積層されて構成されており、吸水性ポリマー粒子は、隣接ウエブの2つの対向隣接接触面間に挟持固定されている。
また特許文献3には、浸透吸収可能性及び毛管吸収可能性の両方を備えた吸収構造体として、相対的に高密度の第1領域と相対的に低密度の第2領域とを有し、該第2領域に吸水性ポリマー粒子を配したものが記載されている。特許文献3に記載の吸収構造体によれば、特に、第2領域が非連続で且つ連続であることが必須の高密度網状構造が該第2領域の間にあることにより、ゲルブロッキングが起きることなく、液体の吸収が良好となるとされている。
また特許文献4には、吸収性物品内において高吸収性樹脂(吸水性ポリマー粒子)の膨潤に起因して発生する隆起を抑制する吸収性物品として、その吸収体が、高吸収性樹脂が密集する密集層と上下方向において該密集層に隣接する空間層とを備える、点在部を有しているものが記載されている。
ところで、インドネシア、マレーシア等を主な居住圏とするマレー民族に代表される一部の人々は、使用済みの生理用ナプキンを水で洗浄し、吸収した経血等を洗い流してから廃棄する習慣がある。従来、マレー民族居住圏で主に使用されてきた生理用ナプキンは、布製のナプキンや、パルプ繊維を主体とし、吸水性ポリマーを含まない吸収性材料で構成されたものであり、このため水洗いが可能であり、吸収した経血等を水で洗い流すことができるものであった。
しかし、このような生理用ナプキンは、経血の吸収・保持性能が劣るため、例えば吸収性材料表面に吸収された体液が滲み出すいわゆる液戻りを起こすおそれがある。そこで、吸水性ポリマーを含んでいない従来の水洗い可能な生理用ナプキンにおいては、パルプ繊維を多量に使用することで吸収性能の不足を補っている。しかしこのような生理用ナプキンはパルプ繊維の嵩高さのために厚くなってしまい、特に折り畳まれ包装されている状態で嵩張りやすくて、持ち歩きに不便であると共に、装着感が悪い。
現在のところ、上述したナプキンの水洗いに関する問題を提起した先行技術文献を本出願人は見出していない。しかし、ナプキンの洗浄習慣がある人々は、上述の居住圏以外の地域にも存在すると考えられ、吸水性ポリマーを含有し、薄く且つ水洗いが容易な生理用ナプキンは、広い地域で女性のライフスタイルに大きな影響を与える潜在性を秘めていると考えられる。
特開平6−38998号公報 特開平6−237958号公報 特表平9−505225号公報 特開2008−237382号公報
本発明者らは、吸水性ポリマーを含有することで実用上十分な吸収性能を有し、且つ吸収した経血等に起因する赤みを水洗いによって除去し得る吸収体について種々検討した結果、水濡れしたときに発現する粘着力が弱い(所定の方法により測定される粘着率が0.9以下である)吸水性ポリマーを含有するものが有効であるとの知見を得た。斯かる吸水性ポリマーは、吸収体の特定位置に密集させて配置した場合でも、ゲルブロッキングを起こし難く、通液性に優れた吸収体を提供し得る。
しかし、このような粘着性の低い吸水性ポリマーを、吸収体の構成材料として使用すると、その粘着力の弱さに起因して、製品加工時あるいは使用時に吸水性ポリマーが移動し、更には、吸収体あるいは該吸収体を組み込んだ吸収性物品の外部に漏れ出すおそれがあった。特に、図12に示す如き構成の吸収体、即ち、繊維材料を含む繊維構造体61とこれを包む液透過性の被覆シート62との間に吸水性ポリマーが密集してなる層63が配されている吸収体において、該層63を構成する吸水性ポリマーとして、前述した粘着性の低い吸水性ポリマーを使用した場合、吸水性ポリマーの移動や漏れが深刻である。
従って、本発明の課題は、吸水性ポリマーを含んで構成される吸収体であって、吸水性ポリマーの移動や漏れが起こり難く且つ優れた液吸収能を有する吸収体、及び該吸収体を備えた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、繊維材料を含む繊維構造体と、下記方法により測定される粘着率が0.9以下である吸水性ポリマーとを含んで構成される吸収体であって、前記繊維構造体は、その厚み方向一端側及び/又は他端側に開口する開口部と連通して該厚み方向の内方に延びる空間部を有しており、該空間部に、前記吸水性ポリマーが密集した状態で収容されている吸収体を提供することにより、前記課題を解決したものである。
<粘着率の測定方法>
乾燥した濾紙の中央部に生理食塩水1gを付与して該中央部を湿らし、水平な台の上に載置された該濾紙の該中央部に、吸水性ポリマー0.1gを均一に散布する。吸水性ポリマーを散布してから1分経過後、濾紙を垂直に傾けた状態で台の上方5mmの位置で支持し、該支持を解除して該濾紙を落下させる。この濾紙の落下操作を100回繰り返し、その間に濾紙から脱落した吸水性ポリマーの総重量aと、濾紙上に残留した吸水性ポリマーの総重量bとから、次式により吸水性ポリマーの粘着率を算出する。 粘着率=b/(a+b)
また本発明は、前記吸収体を具備する吸収性物品を提供することにより、前記課題を解決したものである。
本発明によれば、吸水性ポリマーの移動や漏れが起こり難く且つ優れた液吸収能を有する吸収体及び吸収性物品が提供される。
また、本発明の吸収体及び吸収性物品は、吸水性ポリマーを含有しているにもかかわらず、吸収した経血等に起因する赤みを水洗いによって除去できるので、使用後の吸収性物品を水で洗浄してから廃棄する習慣がある人々に好適である。
図1は、本発明の吸収体の第1実施形態の幅方向に沿った断面を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示す吸収体を構成する繊維構造体の下面側(開口部の形成面側)の一部を模式的に示す平面図である。 図3は、図1に示す吸収体の製造工程を示す模式図である。 図4(a)及び図4(b)は、それぞれ、図3に示す吸収体の製造工程における繊維構造体の連続体の搬送方向と直交する方向に沿った断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の吸収体の第2実施形態の一部を模式的に示す分解斜視図である。 図6は、図5に示す吸収体のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の吸収体の第3実施形態を模式的に示す斜視図である。 図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、それぞれ、本発明の吸収体を構成する繊維構造体における開口部(空間部)の配置パターンを模式的に示す斜視図である。 図9は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンを模式的に示す斜視図である。 図10は、図9のII−II線断面を模式的に示す断面図である。 図11は、本発明の吸収性物品の他の実施形態の図10相当図である。 図12は、従来の吸収体の幅方向に沿った断面を模式的に示す断面図である。
以下、先ず、本発明の吸収体を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。第1実施形態の吸収体10は、図1及び図2に示すように、繊維材料を含む繊維構造体11と、前記方法により測定される粘着率が0.9以下である粒子状の吸水性ポリマー12とを含んで構成されている。繊維構造体11は、図2に示すように、平面視において一方向に長い形状(矩形形状)を有している。
繊維構造体11は、その厚み方向一端側及び/又は他端側に開口する開口部13と連通して該厚み方向の内方に延びる空間部を有している。より具体的には、繊維構造体11は、厚み方向一端側である下面11b側に開口部13を有し且つ他端側である上面11a側が該繊維構造体11の構成材料(繊維等)によって閉塞している、凹部14を有しており、該凹部14の内部が前記空間部となっている。前記空間部は、繊維構造体11の構成材料が存していない領域であり、該空間部内(即ち凹部14内)に、粒子状の吸水性ポリマー12が密集した状態で収容されている。
凹部14は、図1に示すように、上面11aに最も近い位置に存する上面部14aと該上面部14aを包囲し且つ繊維構造体11の厚み方向に延びる周壁部14bとを有している。凹部14の内径は、開口部13側から繊維構造体11の厚み方向内方に向かって漸減している。開口部13(凹部14)は、図2に示すように、平面視において略円形である。
開口部13(凹部14)は、図2に示すように、繊維構造体11の下面11b側において、繊維構造体11の長手方向X及び該長手方向Xと直交する幅方向Yの両方向それぞれに所定間隔を置いて列をなすように多数形成されており、且つ、互いに隣接する開口部13の列L1,L2において、列L1を構成する多数の開口部13と、列L2を構成する多数の開口部13とが、列L1,L2の延びる方向と直交する方向(図2では幅方向Y)に隣接するようになされている。
図1に示すように、繊維構造体11の下面11b上には、該繊維構造体11とは別体の第2の繊維構造体としての繊維シート20が配されており、該繊維シート20によって凹部14内(前記空間部)は開口部13において閉塞されている。そして、この閉塞されている凹部14内に、粒子状の吸水性ポリマー12が密集した状態で収容されている。密集した状態の吸水性ポリマー12は、多数の粒子状の吸水性ポリマー12が互いに接した状態で重なり合って構成されている。
繊維シート20は、平面視において繊維構造体11の下面11bと略同形状同寸法であり、接着剤層15を介して、下面11bにおける開口部13が形成されていない部分16(以下、表面部16ともいう)に接合されている。接着剤層15は、接着剤を塗布して形成されており、繊維シート20における繊維構造体11との対向面の周縁を除く部分の略全域に、均一に、あるいは、所定のパターンで(塗布部と非塗布部を有するように)形成されている。
繊維シート20によって閉塞されている凹部14内(前記空間部)は、飽和膨潤した吸水性ポリマー12を収容可能な大きさを有している。そのため、閉塞されている凹部14内において経血等の付着・吸収によって吸水性ポリマー12が飽和膨潤しても、その飽和膨潤した吸水性ポリマー12は凹部14内から脱落し難い。
閉塞されている凹部14内(前記空間部)の大きさは、吸水性ポリマーの脱落防止と液吸収能の向上の観点から、該凹部14内に収容されている吸水性ポリマー12の乾燥状態(吸液前)の体積の100〜1500%、特に300〜1200%、とりわけ500〜1000%であることが好ましい。「凹部内に収容されている吸水性ポリマーの乾燥状態(吸液前)の体積」及び「閉塞されている空間部の大きさ(体積)」は、それぞれ下記測定方法によって測定される。
<凹部内に収容されている吸水性ポリマーの乾燥状態の体積の測定方法>
容量100cm3、深さ50mmの円柱状の容器内に、該容器の上端より10cm上方から、乾燥状態(吸液前)の粒子状の吸水性ポリマーを、該容器内が該吸水性ポリマーで満たされるまで流入させる。尚、容器内に流入した吸水性ポリマーからなる山において、該容器の深さよりも高い部分ができた場合には、その部分をすりきって、該山の高さを該容器の深さに一致させる。100cm3の容器内を埋めた吸水性ポリマーの総重量を測定し、次式により吸水性ポリマーのかさ密度(g/cm3)を算出する。 かさ密度=吸水性ポリマーの総重量(g)/100(cm3) また、繊維構造体(吸収体)における凹部の個数と吸水性ポリマーの散布坪量とから、凹部1個あたりの吸水性ポリマーの散布量(g)を算出し、これと前記かさ密度とから次式により、凹部内に収容されている吸水性ポリマーの乾燥状態の体積(cm3)を算出する。 凹部内に収容されている吸水性ポリマーの乾燥状態の体積=凹部1個あたりの吸水性ポリマーの散布量(g)/吸水性ポリマーのかさ密度(g/cm3)を算出する。
<閉塞されている空間部の大きさの測定方法>
凹部を含む繊維構造体(吸収体)に対し、キーエンス社製KS−1100を用い、該凹部の3次元形状を測定し、該凹部により構成される空間部の大きさ(空間部の体積)を測定する。3次元形状の測定条件は、測定範囲XY方向それぞれ40mm、測定ピッチXY方向それぞれ20μm、移動速度100000μm/sに設定する。また、空間部の体積は、KS−1100での測定結果を基に、KS−1100付属ソフトのKS−ANALYZERにて計算する。
凹部14は、後述するように、繊維構造体11の所定部位を厚み方向に圧縮変形することによって形成されている。そのため、凹部14の内面及びその近傍(上面部14a及び周壁部14b)が、該繊維構造体11の他の部分よりも高密度になっている。ここで、凹部の内面の近傍は、凹部が形成されている繊維構造体における、該凹部の内面から3mm以内の領域である。このように、前記空間部を形作る凹部14の内面及びその近傍の構成材料(繊維等)が相対的に密になっていることにより、凹部14は、該凹部14内の吸水性ポリマー12の膨潤による形状変化を起こし難く、前記空間部の形状安定性が向上する。前記空間部の形状安定性の向上は、吸水性ポリマーの脱落防止や液吸収能の向上に繋がる。
またこのように、第1実施形態の繊維構造体11においては、その下面11b側に該繊維構造体11の圧縮変形によって凹部14が形成され、該凹部14の内面及びその近傍が圧縮されてその構成材料(繊維等)が相対的に密になっているのに対し、上面11aから凹部14の内面の近傍に亘る領域はその構成材料が相対的に疎になっており、概ね、上面11aと凹部14の上面部14aとの間に亘る、繊維構造体11の上層領域が疎、凹部14の内面及びその近傍が密の粗密勾配が形成されている。繊維構造体11の内部にこのような粗密勾配が形成されていると、例えば、吸収体10を生理用ナプキン等の吸収性物品に組み込んで使用する場合に、繊維構造体11の上面11aを吸収性物品着用者の肌側に向けておくことで、上面11aから凹部14への液の移行が速やかに行われ、凹部14内の吸水性ポリマー12に液が優先的に受け渡されるようになる。従って、このような粗密勾配を有する吸収体10は、吸水性ポリマー12の能力を有効に活用することができため、液吸収能に優れたものとなる。
「凹部14の内面及びその近傍が、繊維構造体11の他の部分よりも高密度になっている」ことは、例えば、繊維構造体をフェザー刃等で厚み方向に切断し、凹部14を含む断面を、マイクロスコープ(キーエンスVHX−900)により、密度の違いを観察することによって確認することができる。
前述した、粗密勾配の付与による液吸収能の向上効果をより確実に奏させるようにする観点から、繊維構造体11の上面11aと凹部14の上面14aとの間の無荷重下における距離t(図1参照)は、繊維構造体11の無荷重下における厚みTに対して、好ましくは5〜90%、更に好ましくは10〜80%、より好ましくは15〜70%である。また距離tは、好ましくは0.5〜15mm、更に好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜8mmである。
繊維構造体11は、凹部14による前述した効果やその形状安定性の向上等の観点から以下の構成を有することが好ましい。
凹部14の無加重下における深さd(図1参照)は、繊維構造体の無荷重下における厚みTに対して、好ましくは10〜100%、更に好ましくは20〜90%、より好ましくは30〜80%である。また深さdは、好ましくは1〜14mm、更に好ましくは2〜12mmである。
開口部13の内径r(図2参照)は、好ましくは1〜20mm、更に好ましくは2〜18mm、より好ましくは3〜16mmである。
隣接する開口部13,13の間隔Px,Py(図2参照)は、好ましくは2〜25mm、更に好ましくは5〜20mmである。尚、繊維構造体11の長手方向Xにおける間隔Pxと、幅方向Yにおける間隔Pyとは、同じでも良く、異なっていても良い。
開口部13(凹部14)の個数は、該開口部13が形成されている面(第1実施形態においては繊維構造体11の下面11b)100cm2当り、好ましくは16〜2500個、更に好ましくは25〜400個である。
また、繊維構造体11における吸水性ポリマー12の坪量は、好ましくは20〜500g/m2、更に好ましくは30〜400g/m2、より好ましくは40〜300g/m2である。
本実施形態においては、閉塞されている凹部14内(前記空間部)においては、多数の粒子状の吸水性ポリマー12が互いに接した状態で重なり合って集合体を形成している。従来の吸水性ポリマーは、(水濡れ時の)表面粘着性が高くべたつきやすいため、第1実施形態のように繊維構造体の特定位置(凹部14内)に所定量を選択的に散布することが難しく、また第1実施形態のように多数を密集させた状態で配置すると、液の吸収により膨潤した吸水性ポリマーによって液の通路が閉塞される、いわゆるゲルブロッキングが発生し、吸収不良を起こすおそれがあった。これに対し、第1実施形態で用いる吸水性ポリマー12は、後述する方法によって測定される粘着率が0.9以下であり、(水濡れ時の)表面粘着性が従来に比して低く且つ硬いため、繊維構造体の特定位置(凹部14内)に所定量を選択的に散布することが容易であり、また、凹部14内で集合体を形成するように密集させてもゲルブロッキングを起こし難く、通液性を阻害し難い。第1実施形態のように、繊維構造体の特定位置に粒子状の吸水性ポリマーを密集させて配置することは、構成繊維の集合体による液の引き込みと、引き込まれた液の吸水性ポリマーによる液の吸収保持との促進に有効であるため、繊維構造体全体に均一に吸水性ポリマーを分布させた場合に比して、液吸収能の向上効果に優れる。
以下に吸水性ポリマー12について説明する。
吸水性ポリマー12は、前述したように、下記方法により測定される粘着率が0.9以下であり、好ましくは0以上0.8以下、更に好ましくは0以上0.7以下、より好ましくは0以上0.6以下である。粘着率が斯かる範囲外では、繊維構造体11の特定位置(凹部14内)に吸水性ポリマーを密集させて配置することが困難となり、また仮にそのように密集させて配置したとしても、凹部14内でゲルブロッキングを起こし、通液性が阻害されるおそれがある。
<粘着率の測定方法>
乾燥した濾紙の中央部に生理食塩水1gを付与して該中央部を湿らし、水平な台の上に載置された該濾紙の該中央部に、粒子状の吸水性ポリマー0.1gを均一に散布する。例えば、アドバンテック東洋製濾紙No.4A(Φ150)の中央部(Φ100)を生理食塩水で湿らし、該中央部に吸水性ポリマーを均一散布することができる。吸水性ポリマーを散布してから1分経過後、濾紙を垂直に傾けた状態で台の上方5mmの位置で支持し、該支持を解除して該濾紙を落下させる。この濾紙の落下操作を100回繰り返し、その間に濾紙から脱落した吸水性ポリマーの総重量aと、濾紙上に残留した吸水性ポリマーの総重量bとから、次式により吸水性ポリマーの粘着率を算出する。 粘着率=b/(a+b)
前記粘着率が0.9以下である吸水性ポリマー12は、例えば、従来の吸水性ポリマーにその表面架橋度が適度に高まるような処理を施すことによって得ることができる。より具体的には、例えば、後述する逆相懸濁重合重合法や水溶液重合法等の公知のポリアクリル酸系吸水性ポリマーの製造方法等を利用して、表面架橋処理が施された、カルボキシ基及び/又はカルボキシレート基を有する吸水性ポリマーを得、該吸水性ポリマーに対して改めて表面架橋処理を施すことにより、前記吸水性ポリマー12を得ることができる。2回の表面架橋処理は、何れも同様の方法・条件で行うことができる。
このように、表面架橋処理済みの吸水性ポリマーに対して改めて表面架橋処理を施すことによって、表面架橋処理を1回しか施さない場合に比して、吸水性ポリマーの表面付近の架橋度が高まって分子鎖の網目が細かくなり、その結果、得られる吸水性ポリマー12は、硬く且つ水濡れ時の表面粘着性が低いものとなる。また、このような分子鎖の網目が細かい吸水性ポリマー12は、その深部に、血液の赤みの主たる原因であるヘモグロビンが浸透し難いため、経血等の付着・吸収によって赤みを帯びても、その後の水洗いによって赤みを除去することが可能であり、これを用いることによって水洗いが容易な吸収体あるいは吸収性物品を得ることができる。
また、吸水性ポリマー12は、その表面架橋度が高いこと(粒子が硬いこと)に起因して、下記方法により測定される2.0kPaでの加圧下通液速度が速く、通液性に優れている。吸水性ポリマー12の2.0kPaでの加圧下通液速度は、好ましくは200ml/分以上、更に好ましくは400ml/分以上、より好ましくは600ml/分である。
<加圧下通液速度の測定方法>
加圧下通液速度は、特開2003−235889号公報に記載されている測定方法及び測定装置を利用して測定される。具体的には以下の手順で2.0kPaでの加圧下通液速度を測定する。下記測定は23±2℃、相対湿度50±5%で行い、測定の前に試料を同環境で24時間以上保存した上で測定する。100mLのガラスビーカーに、測定試料である吸水性ポリマー0.32±0.005gを膨潤するに十分な量の生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水)、例えば吸水性ポリマーの飽和吸収量の5倍以上の生理食塩水に浸して30分間放置する。別途、垂直に立てた円筒(内径25.4mm)の開口部の下端に、金網(目開き150μm、株式会社三商販売のバイオカラム焼結ステンレスフィルター30SUS)と、コック(内径2mm)付き細管(内径4mm、長さ8cm)とが備えられた濾過円筒管を用意し、コックを閉鎖した状態で該円筒管内に、膨潤した測定試料を含む前記ビーカーの内容物全てを投入する。次いで、目開きが150μmで直径が25mmである金網を先端に備えた直径2mmの円柱棒を濾過円筒管内に挿入して、該金網と測定試料とが接するようにし、更に測定試料に2.0kPaの荷重が加わるようおもりを載せる。この状態で1分間放置した後、コックを開いて液を流し、濾過円筒管内の液面が60mLの目盛り線から40mLの目盛り線に達する(つまり20mLの液が通過する)までの時間(T1)(秒)を計測する。計測された時間T1(秒)を用い、次式から2.0kPaでの通液速度を算出する。尚、式中、T0(秒)は、濾過円筒管内に測定試料を入れないで、生理食塩水20mlが金網を通過するのに要する時間を計測した値である。 通液速度(ml/min)=20×60/(T1−T0) 上記式で得られた値を円筒内の膨潤した吸水性ポリマー層の厚みで除して、20mmあたりの値に換算して加圧下通液速度とする。測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とした。尚、加圧下通液速度の更に詳細な測定方法は、特開2003−235889号公報の段落〔0008〕及び段落〔0009〕に記載されており、また測定装置は、同公報の図1及び図2に記載されている。
また、吸水性ポリマー12は、前述したように従来の吸水性ポリマーに比して表面架橋度が高く硬いことに起因して、遠心保持量が従来品に比して低下している。具体的には、吸水性ポリマー12の遠心保持量は、好ましくは20g/g以下、更に好ましくは15g/g以下である。遠心保持量は下記測定方法により測定される。
<遠心保持量の測定方法>
遠心保持量の測定は、JIS K 7223(1996)に準拠して行う。ナイロン製の織布(メッシュ開き255、三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250×メッシュ巾×30m)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。測定試料である吸水性ポリマー1.00gを精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。試料の入ったナイロン袋を、25℃に調温した生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)に浸漬させる。浸漬開始から30分後にナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、遠心脱水器(コクサン(株)製、型式H−130C特型)を用いて脱水する。脱水条件は、143G(800rpm)で10分間とする。脱水後、試料の質量を測定し、次式に従って目的とする遠心保持量を算出する。 遠心保持量(g/g)=(a’−b−c)/c ;式中、a’は遠心脱水後の試料及びナイロン袋の総質量(g)、bはナイロン袋の吸水前(乾燥時)の質量(g)、cは試料の吸水前(乾燥時)の質量(g)を表す。測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とした。
尚、本明細書において、「質量」は、特に断りがない限り、「乾燥時の質量」を意味する。吸収体又は吸収性物品の構成部材(例えば吸水性ポリマー)についての「乾燥時の質量」は、次のようにして測定する。乾燥時の質量の測定方法:測定対象物を温度23℃、湿度50%の恒温高湿状態の環境下に24時間放置した後、該環境下にて質量を測定し、その測定値を、測定対象物の「乾燥時の質量」とする。
粒子状の吸水性ポリマー12の形状は特に制限されず、例えば、不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球状凝集タイプ、球状タイプ等を用いることができる。球状あるいは球状に近い粒子状の形状を有する吸水性ポリマー12の平均粒子径は、好ましくは150〜600μm、更に好ましくは200〜500μm、より好ましくは250〜500μmである。
吸水性ポリマー12は、例えば、次の1)及び2)の製造方法によって得られる。
1)(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩を含むモノマーを重合してポリマーを得、該ポリマーを架橋剤により架橋処理する方法。
2)(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩を含むモノマーを、架橋剤の存在下で重合する方法。
前記1)及び2)の製造方法は、公知のポリアクリル酸系吸水性ポリマーの製造方法を利用して行うことができる。この公知の製造方法としては、例えば、(i)特許第2721658号公報に記載の陰イオン界面活性剤を分散剤として用いた逆相懸濁重合重合法、(ii)特開2003−235889号公報に記載の水溶液重合法が挙げられる。
前記1)の製造方法において、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩を含むモノマーを重合してポリマーを得る工程で架橋剤を用いても良く、また、前記2)の製造方法において、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩を含むモノマーを架橋剤の存在下で重合した後、該重合で得られたポリマーを更に架橋剤により架橋処理しても良い。即ち、前記1)及び2)の製造方法においては、2回以上の架橋処理を行っても良い。
前記1)の方法で調製する(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩を含むモノマーの重合体は、血液吸収性の制御、安全性、製造コスト等の観点から、(メタ)アクリル酸の単独重合体、その共重合体、又はそれらの架橋物である。(メタ)アクリル酸の単独重合体としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸が挙げられ、(メタ)アクリル酸の共重合体としては、アクリル酸又はメタクリル酸に、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はスチレンスルホン酸等のコモノマーを共重合せしめた共重合体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体等が挙げられる。該共重合体のコモノマー量は、血液吸収性能を低下させない範囲とすることが好ましい。また、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩としては、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のナトリウム塩が好ましい。
これらの中では、(メタ)アクリル酸又はそのアルカリ金属塩の単独重合体又は共重合体の架橋物、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体架橋物が好ましく、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の単独重合体の架橋物がより好ましい。これらのポリマーは、アクリル酸単量体単位を通常50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上含み、水には実質的に不溶であるが、高度の膨潤性を有する重合体である。
前記1)及び2)の方法で用いられる架橋剤としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基、又は分子中に2個以上のカルボキシ基及び/又はカルボキシレート基と反応しうる反応性基を有する化合物であればよく、例えば、分子中に2以上の水酸基を有する化合物、2以上の重合可能な二重結合を有する化合物、2以上のエポキシ基を有する化合物等が挙げられる。
前記「分子中に2以上の水酸基を有する化合物」としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミ ン、ポリオキシプロピレン、ソルビタン脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、1,3−プロパンジオール、ソルビトール等が挙げられる。
前記「分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する化合物」としては、ビス(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリルアミド、ポリオールによる(メタ)アクリル酸のジ−又はポリエステル(例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等)、C1−C10多価アルコールとヒドロキシル基につき2〜8個のC2−C4アルキレンオキシドとの反応から誘導される、ポリオールによる不飽和モノ−又はポリカルボン酸のジ−又はポリエステル(例えばエトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート等)等が挙げられる。
前記「分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物」としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが挙げられる。
これらの架橋剤の中では、分子中に2以上の重合可能な二重結合を有する化合物、及び2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物がより好ましく、具体的にはエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが特に好ましい。
前記1)及び2)の方法において、架橋剤の使用量は、血液吸収性能及び吸収した血液に起因する赤みの除去の観点から、〔架橋剤/モノマー〕の質量比で0.15/100〜40/100であり、0.2/100〜30/100が好ましく、0.3/100〜20/100がより好ましい。
吸収体10における各部の構成材料について更に説明すると、繊維構造体11を構成する繊維材料としては、当該技術分野において吸収体の構成材料として従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ等の木材パルプ;コットンリンター、コットンリントのような綿系パルプ;麦わらパルプ、バガスパルプ等の非木材系パルプ;ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン−ポリエステル複合繊維、低融点ポリエステル−ポリエステル複合繊維、繊維表面が親水性であるポリビニルアルコール−ポリプロピレン複合繊維、並びにポリビニルアルコール−ポリエステル複合繊維等の合成繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。繊維構造体11の坪量は、好ましくは5〜40g/m2、更に好ましくは10〜30g/m2である。また、繊維構造体11の無荷重下における厚みは、好ましくは0.02mm以上、更に好ましくは0.05〜0.5mmである。
繊維構造体11は、繊維材料以外の他の成分を含んでいても良く、例えば粒子状の吸水性ポリマーを含んでいても良い。吸水性ポリマーを含んでいる繊維構造体において、該吸水性ポリマーは該繊維構造体に担持されている。この吸水性ポリマーが担持されている状態は、吸水性ポリマーが繊維構造体の構成繊維によって形成される空間内に入り込み、該繊維構造体に対して外部から応力が加わっても、該粒子の極端な移動や脱落が起こりにくい状態である。繊維構造体11に担持させる吸水性ポリマーは、凹部13内に収容される吸水性ポリマー12と同じであっても良く、これと異なるものであっても良い。
繊維シート20(第2の繊維構造体)としては、繊維を含んで構成されるシート状のものが用いられ、適度な液吸収力を持つものが好ましい。繊維シート20としては、例えば、紙、織布、不織布、編布、パーチメント、パピルス等を用いることができる。不織布としては、例えば、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布、ステッチボンド不織布等が挙げられる。繊維シート20の坪量は、好ましくは5〜60g/m2、更に好ましくは10〜50g/m2である。また、繊維シート20の無荷重下における厚みは、好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは
0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1.0mmである。
繊維シート20としては、少なくとも片面に多数の起毛状突起を有する起毛シートを用いることもできる。繊維シート20としてこのような起毛シートを用いる場合、その起毛状突起が形成されている面が、繊維構造体11における開口部13の形成面(下面11b)と重なるように両者を重ね合わせることが好ましい。このように、起毛状突起を有する起毛シートによって開口部13を塞ぐことは、このような起毛状突起のない平坦なシートで開口部13を塞ぐ場合に比して、開口部13から凹部14内に入り込んだ起毛状突起の存在によって、該凹部14内の吸水性ポリマー12の移動が起こり難くなるため、吸水性ポリマー12の脱落がより効果的に防止され、また、吸水性ポリマー12の凹部14内での位置が安定することに起因して液吸収能の向上にも有効である。
前記起毛シートとしては、例えば、紙、織布、不織布、編布等に、エンボス加工や刃溝加工をしたものを用いることができる。また、ゴムシート、樹脂シート、不織布、織編地等からなる基材の表面に、必要に応じバインダー層を介して、短繊維を植毛したものも、前記起毛シートとして用いることができる。該短繊維としては、例えば、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ABS樹脂、綿、羊毛、これらの混紡繊維等が挙げられる。
繊維構造体11と繊維シート20とを接合する接着剤層15の構成材料としては、この種の吸収体において通常用いられる接着剤を特に制限無く用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤、水溶性バインダー等を用いることができる。接着剤層15の坪量(接着剤の塗布量)は、好ましくは0.5〜10g/m2、更に好ましくは1〜8g/m2である。
第1実施形態の吸収体10は、例えば次のようにして製造することができる。図3には、第1実施形態の吸収体10の製造工程を示す模式図が示されている。本実施態様の吸収体の製造方法は、繊維構造体の連続体11’に前記空間部(凹部14)を形成する空間部形成工程、形成された空間部(凹部14内)に吸水性ポリマー12を収容する粒子収容工程、及び該連続体11’に第2の繊維構造体の連続体20’を重ね合わせて該空間部を閉塞する空間部閉塞工程を含んでいる。繊維構造体の連続体11’は、積繊装置等の公知の装置を用いて常法に従って製造することができる。
先ず、前記空間部形成工程では、連続体11’を、加圧手段としての一対の回転する加圧ロール81,82間を通過させることによって、該連続体11’を厚み方向に加圧する。一対の加圧ロール81,82のうち、搬送中の連続体11’の上方に位置する加圧ロール81には、図3に示すように、その周面部に多数の凸部81aが所定間隔を置いて突出形成されている。多数の凸部81aは、いわゆるピンエンボスにおけるピンである。加圧ロール81によって連続体11’を、その一面11b’側から他面11a’側に向けて厚み方向に加圧した場合、該連続体11’における凸部81aで加圧された部分は、厚み方向に圧縮変形して凹部14となり、該連続体11’の一面11b’における、凸部81aで加圧されない部分は、凹部14に比して低圧縮又は非圧縮の表面部16となる。
次いで、前記粒子収容工程では、凹部14が形成された連続体11’の一面11b’側の略全域に粒子状の吸水性ポリマー12を散布することによって、該凹部14内に該吸水性ポリマー12を収容する。吸水性ポリマー12を連続体11’の一面11b’側の略全域に散布した場合、該吸水性ポリマー12が凹部14内に入らずに、凹部14の周囲に存する表面部16上に留まることがあるが、このような表面部16上に留まった吸水性ポリマー12は、連続体11’の搬送時の微振動等により、該表面部16上を転がって移動し、近傍の凹部14内に落ちる。このように、連続体11’を微振動させながら搬送しているときにその上方から該連続体11’の全域に吸水性ポリマー12を散布することによって、凹部14内のみに選択的に吸水性ポリマー12を収容することが可能である。こうして凹部14内に収容された多数の吸水性ポリマー12は、互いに接した状態で重なり合って集合体を形成する。
前述した、連続体11’の微振動による吸水性ポリマー12の凹部13内への誘導をより確実に実施する観点から、連続体11’の表面部16(一面11b’における凹部14の周囲)は、図4(a)に示すように、その頂部から近傍の凹部14に向かって斜め下方に延びる傾斜部16sを有している、即ち、連続体11’の厚み方向に沿った断面視において、該厚み方向の外方に向かって凸の円弧状あるいはV字状であることが好ましい。表面部16がこのような傾斜部を有していると、例えば図4(b)に示すように表面部16が平坦で傾斜部を有していない場合に比して、前記粒子収容工程において吸水性ポリマー12を散布したときに表面部16上に該吸水性ポリマー12が留まりにくく、凹部14内のみに選択的に吸水性ポリマー12を収容することが容易になる。
傾斜部16sを有する表面部16は、前記空間部形成工程で用いる加圧ロール81の凸部81aの形状、隣接する凸部81a,81aの間隔等を調整することで得られる。尚、傾斜部を有する連続体11’を用いて得られた吸収体10においては、その繊維構造体11における表面部16も傾斜部を有している。
次いで、前記空間部閉塞工程では、連続体11’における吸水性ポリマー12の散布面(一面11b’)上に、第2の繊維構造体の連続体20’を重ね合わせ、両繊維構造体11,20の積層体25を形成する。第2の繊維構造体の連続体20’は、積繊装置等の公知の装置を用いて常法に従って製造することができる。連続体20’は、連続体11’に重ね合わされる前に、該連続体11’との重ね合わせ面に、塗布装置83によって所定量の接着剤15’が所定の塗布パターンで塗布される。こうして、連続体11’と連続体20’とが接着剤15’を介して積層一体化されることにより、該連続体11’の一面11b’側に形成された多数の凹部14は、その内部に吸水性ポリマー12の集合体を収容した状態で、該連続体20’によって開口部13において塞がれる。こうして得られた積層体25を所定形状に切断することにより、第1実施形態の吸収体10が得られる。
次に、本発明の吸収体の他の実施形態について図面を参照して説明する。後述する吸収体の他の実施形態については、前述した第1実施形態の吸収体と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、第1実施形態の吸収体についての説明が適宜適用される。
図5は、本発明の吸収体の第2実施形態の一部を模式的に示す分解斜視図、図6は、図5のI−I線断面を模式的に示す断面図である。第2実施形態の吸収体30は、繊維構造体11をその上下から第2の繊維構造体としての2枚の繊維シート20,20で挟んだ構成を有している。第2実施形態における繊維構造体11と2枚の繊維シート20,20それぞれとの間は、第1実施形態のように接着剤層を介して接合されていても良く、あるいは接合されずに単に重ね合わされているだけであっても良い。
第2実施形態における繊維構造体11は、図6に示すように、該繊維構造体11を厚み方向に貫通し、該厚み方向の両端側(上面11a側及び下面11b側)それぞれに開口部13を有する貫通孔17を有しており、該貫通孔17の内部が、吸水性ポリマー12が収容される前記空間部となっている。貫通孔17は、平面視において略円形で且つ鉛直方向に沿って延びている。貫通孔17は、前述した第1実施形態における凹部14と同様の配置パターンで多数形成されている。貫通孔17内(前記空間部)は、2枚の繊維シート20,20によって両開口部13,13それぞれにおいて閉塞されており、この閉塞されている貫通孔17内に、吸水性ポリマー12が収容されている。閉塞されている貫通孔17内(前記空間部)の大きさ、隣接する貫通孔17,17の間隔、貫通孔17の個数は、それぞれ、第1実施形態で説明した凹部14(開口部13)と同様にすることができる。
このような貫通孔17を有する繊維構造体11は、例えば、A)貫通孔を有しない繊維構造体を製造し、該繊維構造体の所定部位を厚み方向にくり抜いて貫通孔を形成する方法、あるいはB)多孔性のネット上に繊維を積繊して繊維構造体を製造する際に、該ネットにおける貫通孔の形成予定部位に繊維を積繊させないようにする方法、等によって製造することができる。
第2実施形態の吸収体によっても第1実施形態の吸収体と同様の効果が奏される。但し、第1実施形態における繊維構造体11は、前述したように、前記空間部を形作る凹部14が繊維構造体11の圧縮変形によって形成されることに起因して、その内部に構成材料の粗密勾配が形成されているのに対し、第2実施形態における繊維構造体11は、前記空間部を形作るものが該繊維構造体11を厚み方向に貫通する貫通孔17であり、圧縮変形された部分を実質的に有しておらず、そのような構成材料の粗密勾配が実質的に形成されていないため、液吸収能の点では第1実施形態に劣る。
図7は、本発明の吸収体の第3実施形態を模式的に示す斜視図である。第3実施形態の吸収体40は、第2の繊維構造体として、繊維シート20に代えて、繊維マット21を備えている点で第1実施形態と異なる。繊維マット21は、繊維構造体11と同様に一方向に長い形状(矩形形状)で且つ繊維構造体11よりも幅広である。繊維構造体11は、その長手方向を繊維マット21の長手方向Xに一致させ且つ開口部13の形成面(下面111b)を繊維マット21に向けて、繊維マット21の一面における幅方向Yの中央部に重ね合わされている。繊維構造体11と繊維マット21との間は、第1実施形態のように接着剤層を介して接合されていても良く、あるいは接合されずに単に重ね合わされているだけであっても良い。2つの繊維構造体11,21がこのように積層されていることにより、第3実施形態の吸収体40は、その上面40a側における幅方向中央部が、他の部分に比して嵩高の中高部となる。
繊維マット21としては、繊維を含んで構成され且つ第1実施形態における繊維シート20よりも厚みの大きいものが用いられ、繊維構造体11と同等かそれ以上の液吸収力を持つものが好ましい。繊維マット21としては、当該技術分野において吸収体として用いられているものを特に制限無く用いることができ、繊維構造体11と同じ組成のものを用いても良い。また、繊維マット21は吸水性ポリマーを担持しているものであっても良く、その場合、繊維マット21における吸水性ポリマーの坪量は、好ましくは20〜500g/m2、更に好ましくは30〜400g/m2、より好ましくは40〜300g/m2である。繊維マット21に担持させる吸水性ポリマーは、前述した吸水性ポリマー12と同じであっても良く、これと異なるものであっても良い。繊維マット21の坪量は、好ましくは30〜600g/m2、更に好ましくは50〜400g/m2である。また、繊維マット21の無荷重下における厚みは、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜8mmである。
第3実施形態の吸収体40によっても第1実施形態の吸収体と同様の効果が奏される。特に、吸収体40は、第2の繊維構造体として液吸収力が高い繊維マット21を備えているため、液吸収能に優れている。また例えば、吸収体40を生理用ナプキン等の吸収性物品に組み込んで使用する場合に、その上面40a側(繊維構造体11が配されている側)を吸収性物品着用者の肌側に向け且つ吸収性物品の排泄部対向領域(吸収性物品着用者の排泄部と対向する領域)に前記中高部が位置するようにすることで、該排泄部対向領域において吸収体40が着用者の肌側に向けて凸状に突出し、これにより吸収性物品の身体への密着性や漏れ防止性が高まる。
ところで、本発明の吸収体を構成する繊維構造体における開口部(前記空間部)の配置パターンは、前述した実施形態(図2及び図5参照)に制限されず、例えば図8に示すようにすることができる。尚、図8では、繊維構造体11の厚み方向一端側(下面11b側)の開口部の配置パターンを示し、他端側(上面11a側)を示していないが、該他端側に開口部を形成する場合も、図8に示した該一端側と同様にすることができる。また、図8に示す開口部の配置パターンは、第1及び第3実施形態における凹部14の如き、繊維構造体の厚み方向一端側が開口し且つ他端側が該繊維構造体の構成材料によって閉塞しているもの、あるいは第2実施形態における貫通孔17の如き、繊維構造体を厚み方向に貫通するもの、の何れにも適用することができる。
図8(a)に示す繊維構造体11においては、開口部13(前記空間部)はいわゆる千鳥状に配置されている。即ち、平面視において略円形の開口部13は、繊維構造体11の下面11b側において、繊維構造体11の長手方向X及び幅方向Yの両方向それぞれに所定間隔を置いて列をなすように多数形成されており、且つ、互いに隣接する開口部13の列L1,L2において、列L1を構成する多数の開口部13と、列L2を構成する多数の開口部13とが、列L1,L2の延びる方向と直交する方向(図8(a)では幅方向Y)に隣接しないようになされている。
図8(b)に示す繊維構造体11においては、平面視において四角形形状(正方形形状)の開口部13と、同じく平面視において四角形形状の表面部16とが、繊維構造体11の長手方向X及び幅方向Yの両方向それぞれに交互に配置されており、下面11b全体として市松模様をなしている。
図8(c)に示す繊維構造体11においては、繊維構造体11の長手方向Xに延びる帯状の開口部13と、同じく長手方向Xに延びる帯状の表面部16とが、幅方向Yに交互に配置されており、下面11b全体として縞模様をなしている。
次に、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である生理用ナプキンに基づき図面を参照して説明する。図9は、本実施形態の生理用ナプキンの斜視図、図10は、図9のII−II線断面を模式的に示す断面図である。本実施形態のナプキン50は、前述した第1実施形態の吸収体10を具備している。
ナプキン50は、図9に示すように一方向に長い形状をしており、液透過性の表面層としての表面シート51、液不透過性の裏面層としての裏面シート52、及び両シート51,52間に介在配置された吸収体10を具備している。吸収体10は、繊維構造体11の上面11aを肌当接面側とし且つその長手方向をナプキン50の長手方向に一致させて、ナプキン幅方向の中央部に配されている。尚、本明細書において、肌当接面は、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、吸収性物品の着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
吸収体10は、その略全体が被覆シート(図示せず)で被覆されていても良い。吸収体の略全体が被覆シートで被覆されていると、吸収体の形状安定性の向上及び吸水性ポリマーの脱落防止に特に有効である。該被覆シートとしては、例えば親水性の繊維シート、穿孔フィルム等が用いられ、この親水性の繊維シートとしては、例えばティッシュペーパー等の紙や各種不織布(スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布、アクリルやレーヨンなどの親水性繊維を含むスパンレース不織布等)を用いることができる。
図10に示すように、表面シート51は、吸収体10の肌当接面(繊維構造体11の上面11a)の全域を被覆し、裏面シート52は、吸収体10の非肌当接面(繊維シート20の下面)の全域を被覆している。裏面シート52の非肌当接面上には粘着剤が塗布されて、ナプキン50をショーツ等に固定するための固定部(図示せず)が形成されている。表面シート51は、従来公知のものと同様の材料から構成することができ、例えば親水性の不織布や開孔フィルム等が用いられる。裏面シート52は、例えば液不透過性のフィルムシートから構成されており、この液不透過性のフィルムシートは水蒸気透過性を有していてもよい。
ナプキン50の肌当接面側(表面シート51側)には、その長手方向左右両側部に、ナプキン50の長手方向へ延びる一対の防漏溝53,53が形成されている。防漏溝53は、表面シート51と吸収体10とが、表面シート51側からエンボス等の圧搾手段によって圧密化及び一体化されて形成されている。一対の防漏溝53,53は、ナプキン50を幅方向に二分する仮想直線(図示せず)を挟んで略対称な形状になっている。一対の防漏溝53,53は、それらの前後端が互いに連結しており、これによって全体として閉じた形状をなしている。このような一対の防漏溝53,53が形成されていることにより、ナプキン幅方向外方に流れる体液等が堰き止られ、ナプキン50の側部からの漏れ(横漏れ)が効果的に防止され、また、使用済みのナプキン50を水洗いする場合には、水洗い時におけるナプキン50の分解を抑えることができるため、洗浄操作がおこないやすく、血液の洗い流しが容易に行えるようになる。更に、防漏溝53が吸収体10の下部付近まで達していると、洗浄時、吸収体全体に水がいきわたりやすく、且つ、吸収体が偏って血液が残留するのを防止するため好ましい。
ナプキン50の周縁部には、吸収体10の外方に離間した位置にエンドシール部54が形成されている。本実施形態におけるエンドシール部54は、表面シート51と裏面シート52を一体化して形成されている。より具体的には、本実施形態においては、表面シート51、裏面シート52は、吸収体10の周縁部から延出しており、その延出部分において互いに熱エンボス処理により接合されてエンドシール部54が形成されている。エンドシール部54は、ナプキン50の湿潤時(洗浄時)に吸収体10を構成する吸水性材料が流れ出すことを防止する効果がある。エンドシール部54には、吸収体10に用いられる水による膨潤等がおこる材料が配置されていないことが、洗浄時にエンドシール部の構成材料である各シート材料の分離をおこさない観点から好ましい。また、エンドシール部54は、シート材料の所定部位にホットメルト等の接着剤を配して熱エンボス処理によって形成されることが、シール部の柔軟性及び湿潤時のシール強度を向上・安定化させる観点からより好ましい。
本実施形態のナプキン50は、通常のこの種の生理用ナプキンと同様に下着に装着して使用する。ナプキン50は、前記吸収体10を含んでいるため、吸水性ポリマーの移動や漏れが起こり難く、且つ通液性が高く優れた液吸収能を有している。また、ナプキン50は、吸収した経血等に起因する赤みを水洗いによって除去できるので、使用後の吸収性物品を水で洗浄してから廃棄する習慣がある人々に好適である。
図11は、本発明の吸収性物品の他の実施形態の図10相当図(幅方向に沿った断面を模式的に示す断面図)である。図11に示すナプキン60は、吸収体10に代えて、前述した中高部を有する第3実施形態の吸収体40を具備している点以外は、前述したナプキン50と同じである。吸収体40において中高部の上層部分を構成する繊維構造体11は、ナプキン60の排泄部対向領域に位置している。ナプキン60は、前述したように、中高部の存在により身体への密着性や漏れ防止性に特に優れている。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、第1実施形態の吸収体10においては、接着剤層15は無くても良く、繊維構造体11と繊維シート20とは、接合されずに単に重ね合わされているだけであっても良い。また、第1実施形態の吸収体10においては、繊維構造体11の上面11a側を肌当接面側〔即ち開口部13の形成面側(下面11b側)を非肌当接面側〕として用いても良く、あるいはこれとは逆に、下面11b側を肌当接面側〔即ち開口部13の形成面側(下面11b側)を肌当接面側〕として用いても良い。但し、前述した繊維構造体11の粗密勾配による液吸収能の向上効果を最大限に発揮させる観点から、繊維構造体11の上面11a側を肌当接面側として用いることが好ましい。
また本発明の吸収体が適用可能な吸収性物品、あるいは本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンに制限されず、使い捨ておむつ、失禁パッド、尿取りパッド、ペット用おむつ、ペット用シーツ等にも適用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
以下に、本実施例で使用した吸水性ポリマーの合成方法を説明する。該合成方法は、吸水性ポリマーを合成する工程と、得られた吸水性ポリマーに架橋処理を施す工程とからなる。
〔吸水性ポリマーの合成〕
攪拌機、還流冷却管、モノマー滴下口、窒素ガス導入管、温度計を取り付けたSUS304製5L反応容器(アンカー翼使用)に分散剤としてポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル0.1%(対アクリル酸質量、有効成分量)を仕込み、ノルマルヘプタン1500mlを加えた。窒素ガスの雰囲気下に攪拌を行いながら90℃まで昇温した。一方、2L三つ口フラスコ中に、80%アクリル酸(東亞合成製、act.80.6%) とイオン交換水、48%苛性ソーダ水溶液(旭硝子製、act.49.7%)から、モノマー水溶液としてのアクリル酸ナトリウム(72%中和品)1000gを得た。このモノマー水溶液に、N−アシル化グルタミン酸ソーダ(味の素製、商品名アミソフトPS-11)0.25gをイオン交換水4.41gに溶解させたものを添加した後、550g(以下、モノマー水溶液Aという)、250g(以下、モノマー水溶液Bという)、250g(以下、モノマー水溶液Cという)に三分割した。
次いで、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬工業製、商品名V-50)0.05g、ポリエチレングリコール(花王製、K-PEG6000 LA)0.5g、クエン酸アンモニウム鉄(III)(関東化学製)4g、イオン交換水10gを混合溶解し、開始剤(A)溶液を調製した。また、過硫酸ナトリウム(和光純薬工業製)0.6gをイオン交換水10gに溶解し、開始剤(B)溶液を調製した。さらに、クエン酸チタン水溶液(50%クエン酸と7.6%(TiO2)硫酸チタニル水溶液を20/27の質量比で混合)を調製した。
モノマー水溶液Aに、開始剤(A)溶液12gを加えてモノマーAを調製し、モノマー水溶液Bに、開始剤(B)溶液5gを加えてモノマーBを調製し、モノマー水溶液Cに、開始剤(B)溶液5gとクエン酸チタン水溶液2gを加えてモノマーCを調製した。
前述の5L反応容器内に、モノマー滴下口からマイクロチューブポンプを用いて、5分以上静置したモノマーA、モノマーB、モノマーCの順で滴下し重合した。モノマー滴下終了後、脱水管を用いて共沸脱水を行い、吸水性ポリマー(ハイドロゲル)の含水率を調整した後、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製, 商品名デナコールEX-810)0.4gをイオン交換水10gに溶解したものを添加した。その後、60%1−ヒドロキシエチリデン−1,1'−ジホスホン酸水溶液(ローディア製、商品名ブリクエストADPA-60A)1.6gを添加した。冷却後、ノルマルヘプタンを除去・乾燥させることにより吸水性ポリマーを得た。
〔吸水性ポリマーの架橋処理〕
前記〔吸水性ポリマーの合成〕に用いたものと同様の反応容器(アンカー翼使用)に、前記〔吸水性ポリマーの合成〕で得られた吸水性ポリマー500質量部を仕込み、分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ製、商品名リョートーシュガーエステルS-770)2%(対吸水性ポリマー質量、有効成分量)を仕込み、シクロヘキサン1600mlを加えた。窒素雰囲気下、攪拌しながら、75℃まで昇温した。その後、滴下口から滴下ロートを用いて、イオン交換水300mlを滴下し、続いて、イオン交換水10gに、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製、商品名デナコールEX-810)を溶解したものを添加した。1.5時間還流させた後、シクロヘキサンを除去乾燥させることにより、架橋処理された吸水性ポリマーを得た。
〔合成例1及び2〕
前記〔吸水性ポリマーの合成〕及び〔吸水性ポリマーの架橋処理〕に従った合成例1及び2により、架橋処理された2種類の粒子状の吸水性ポリマーを得た。合成例1と合成例2とは、前記〔吸水性ポリマーの架橋処理〕における架橋剤の使用量のみが異なっており、合成例1では架橋剤を15g、合成例2では架橋剤を0.25g用いた。合成例1及び2で得られた吸水性ポリマーそれぞれについて、前記測定方法により粘着率、2.0kPaでの加圧下通液速度及び遠心保持量をそれぞれ測定した。これらの結果を下記表1に示す。
〔実施例1〕
図3に示す如き製造工程に従って、図1及び図2に示す如き吸収体を製造した。即ち、周面部に直径10mmの円柱状の凸部81aがピッチ15mmで多数形成された加圧ロール81と、周面部が平滑な加圧ロール82とを用いて、繊維構造体の連続体11’にエンボス加工を行い、多数の凹部14を形成した。次いで、連続体11’における凹部14の形成面の略全域に、合成例1で合成した粒子状の吸水性ポリマーを、坪量が50g/m2となるように散布した。次いで、一面側にホットメルト接着剤が5g/m2塗布された、第2の繊維構造体の連続体20’を、該一面側が連続体11’の吸水性ポリマー散布面と対向するように、該連続体11’に重ね合わせて両連続体を積層一体化させる。そして、この積層体を所定形状に切断することにより、図1及び図2に示す如き吸収体を得た。
こうして得られた吸収体の一面(図1に示す繊維シート20の表面)に接着剤を塗布し、該接着剤を介して裏面シートを固定した。次いで、前記吸収体の他面の全域を表面シートで覆い、更に、該表面シートの外面に対して常法に従ってエンボス処理を施して防漏溝を形成し、ナプキン前駆体を得た。こうして得られたナプキン前駆体の非肌当接面(裏面シートの外面)の所定箇所に粘着剤を塗布して粘着部を形成し、更に、表裏面シートそれぞれにおける吸収体の周縁部からの延出部分において常法に従ってエンドシールを施し、ナプキンを得た。このナプキンにおいて、表面シートは、エアスルー不織布(花王(株)製ロリエスーパースリムガードに使用の開孔シート)を使用し、裏面シートは厚み25μmのポリエチレン製フィルムを使用した。当該ナプキンは、概ね図9及び図10に示した構造である。こうして得られたナプキンを実施例1のサンプルとした。
〔実施例2〕
吸収体における繊維シート(第2の繊維構造体)側の全域を表面シートで覆い、且つ該吸収体の反対側に接着剤を介して裏面シートを固定した以外は実施例1と同様にしてナプキンを作製し、これを実施例2のサンプルとした。
〔実施例3〕
図5及び図6に示す如き吸収体(貫通孔17を有する繊維構造体11を備える吸収体30)を製造し、該吸収体を用いて実施例1と同様にしてナプキンを作製し、これを実施例3のサンプルとした。実施例3の吸収体は、貫通孔を有しない繊維構造体に公知の孔あけ加工を施して多数の貫通孔を形成することにより製造されたもので、貫通孔の内径、隣接する貫通孔の間隔、個数等は、実施例1の凹部と同じである。
〔比較例1〕
吸水性ポリマーとして合成例2の吸水性ポリマーを使用した以外は実施例1と同様にしてナプキンを作製し、これを比較例1のサンプルとした。
〔比較例2〕
凹部を形成しなかった以外は実施例1と同様にして吸収体を作製し、該吸収体を用いてナプキンを作製し、これを比較例2のサンプルとした。比較例2の吸収体は、図12に示す吸収体において、被覆シート62が存在せず、且つ吸水性ポリマーの層63における、繊維構造体61との対向面とは反対側の面に、繊維シート(第2の繊維構造体)が配置されて構成されている。
〔比較例3〕
凹部を形成しなかった以外は実施例2と同様にして吸収体を作製し、該吸収体を用いてナプキンを作製し、これを比較例3のサンプルとした。比較例3の吸収体は、比較例2の吸収体と同様に構成されている。比較例2と比較例3との違いは、実施例1と実施例2との違いと同様に、繊維シート(第2の繊維構造体)が裏面シートと重ね合わされているか(実施例1及び比較例2)、あるいは表面シートと重ね合わされているか(実施例2及び比較例3)だけである。
〔評価〕
実施例及び比較例の各サンプル(生理用ナプキン)について、下記の方法により吸水性ポリマーの脱落防止性を評価した。また、各サンプルの液吸収能の評価として、下記の方法により吸収時間及び液戻り量を測定すると共に、被水洗能(水洗いによる血液由来の赤みの除去しやすさ)の評価として、下記の方法により赤色度合いa*値を測定した。これらの結果を下記表1に示す。
<吸水性ポリマーの脱落防止性の評価方法>
一端が開口しているビニール袋内に、予め吸水性ポリマーの含有量を計測したサンプル(生理用ナプキン)を入れて該一端を閉じ、該ビニール袋を手で把持して、15cm程度の振り幅で該ビニール袋を1分間(約200回)振る。振った直後にビニール袋内を観察し、サンプルから漏れ出している吸水性ポリマーの量が、前記吸水性ポリマーの含有量の5重量%未満である場合を○、5重量%以上である場合を×とした。
<吸収時間の測定方法>
測定対象の生理用ナプキンを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した状態で、吸収体の中心部における該表面シート上に、円筒状の注入部の付いたアクリル板をのせ、更にそのアクリル板上に錘をのせ、吸収体の中心部に対して、5g/cm2の荷重を加える。アクリル板に設けられた注入部は、内径10mmの円筒状をなし、アクリル板には、長手方向及び幅方向の中心軸に、該円筒状注入部の中心軸線が一致し、該円筒状注入部の内部とアクリル板の表面シート対向面との間を連通する内径10mmの貫通孔が形成されている。次いで、円筒状注入部の中心軸が吸収体の平面視における中心部と一致するようにアクリル板を配置し、6gの血液を、円筒状注入部から注入し、生理用ナプキンに吸収させる。血液がナプキンの表面に到達した時点から6gの全量がナプキンに吸収されるまでの時間(秒)を計測し、これを吸収時間とした。この吸収時間の値が小さいほど、吸収速度が速く、高評価となる。
<液戻り量の測定方法>
前記<吸収時間の測定方法>において、血液注入時から3分後に、アクリル板と錘を取り除き、ナプキンの肌当接面上(表面シート上)に、7cm×15cmで坪量30g/m2の吸収紙(市販のティッシュペーパー)を10枚重ねて載置し、該吸収紙の上から68g/cm2の荷重を1分間かけた。荷重後、吸収紙10枚を取り除き、該吸収紙10枚の重さを測定した。この測定値と、予め求めておいた荷重前の吸収紙10枚の重さの測定値とから、吸収紙10枚に吸収された血液の質量(g)を求め、該質量を液戻り量とした。該液戻り量が少ないほど、ナプキンの吸収性能が高く、高評価となる。
<赤色度合いa*値の測定方法>
下記手順1〜3に従って血液が注入され水洗いされた後の、ナプキンにおける血液によって赤色に染まった赤色部分の赤色度合いa*値を測定する。下記手順1〜3に従って得られたa*値は、ナプキンの被水洗能の優劣を評価する尺度となるものであり、a*値が小さいほど、赤色部分の赤色の度合いが低く、血液が水洗いによってきれいに洗い流されていることを意味する。
手順1:生理用ナプキンの表面層側から該生理用ナプキンに血液12gを注入し、25℃の環境下で30分間放置後、水温25℃、硬度5°DHの水で該生理用ナプキンを3分間洗浄し、しかる後、該生理用ナプキンを手で絞り、ナプキン内部に含まれている水を可能な限り絞り出す。
手順2:前記手順1で得られた湿潤状態の生理用ナプキンの表面層側における、血液によって赤色に染まった赤色部分の最も赤みの強い点5箇所について、分光色差計を用いて赤色度合いa*値を測定する。
手順3:前記手順2で得られた5つの測定値から最大値及び最小値を除いた3つの測定値の平均を、生理用ナプキンの赤色度合いa*値とする。
前記手順1〜3において、ナプキンに注入する血液としては馬の血液を用いる。より具体的には、(株)日本バイオテスト研究所製の馬脱繊維血液を用いる。この馬脱繊維血液の粘性は、東機産業(株)製の(B型)粘度計TVB−10Mによる測定(測定温度25℃、ロータ Lアダプタ)で、15mPa・S未満である。
前記手順1〜3において、ナプキンの洗浄に用いる水としては、電気伝導度1μS/cm以下のイオン交換水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを溶解することにより調製される水で、カルシウムイオンとマグネシウムイオンとの含有比(カルシウムイオン:マグネシウムイオン)が7:3で且つドイツ硬度が5°DHの水を用いる。尚、使用済みの生理用ナプキンを水洗する習慣がある国の一つである、インドネシアの生活用水は、地域によってその硬度が異なるが、前記手順1〜3で用いるドイツ硬度5°DHの水は、少なくともインドネシアの一部で使用されている生活用水と略同じである。
前記手順1において、血液を注入されたナプキンを洗浄前に30分間放置する環境は、気温25℃、湿度60%とする。ナプキンの洗浄は、手で行ない、「一方の手で100g程度の水をナプキンにかけ、他方の手で該ナプキンを絞る動作」を10秒間に3回繰り返す。即ち、10秒間に行う動作は、「水をかける→ナプキンを絞る→水をかける→ナプキンを絞る→水をかける→ナプキンを絞る」である。従って、前記手順1においてナプキンの3分間洗浄に使用する水の量は、水をかける動作1回で使用する水の量が上述したようにおよそ100gであるので、およそ(100×3×6×3=)5400gである。前記式において、100×3は、10秒間に使用する水の量、100×3×6は、1分間に使用する水の量に相当する。ナプキンに水をかけるときはビーカー等を利用し、水をかけている最中はナプキンを絞らないようにする。前記手順1において、ナプキンを3分間洗浄した後で該ナプキンを手で絞るときの圧力、即ち、手の握力は、通常、10〜15kg程度である。
赤色部分の赤色度合いa*値を測定する際は、外光が入らないように、測定サンプルと分光色差計とを隙間なく密接させる。分光色差計としては、日本分光製の簡易型分光色差計「NF333」(ペン型検出器)を用いることができる。
Figure 2011000231
表1に示す結果から明らかなように、実施例は何れも吸水性ポリマーの脱落防止性に優れ、且つ液吸収能及び被水洗能に優れるものであった。これに対し、比較例1は、主として、吸水性ポリマーの粘着率が高過ぎるため、吸収時間が長く、またa*値が大きく、液吸収能及び被水洗能に劣る結果となった。尚、比較例1で用いた粘着率の高い吸水性ポリマー(合成例2の吸水性ポリマー)は、2.0kPaでの加圧下通液速度が他の例に比して遅く、また遠心保持量が他の例に比して大きく、他の例に比して表面架橋度が高く硬いものであることがわかる。また、比較例2及び3は、主として、繊維構造体(吸収体)に吸水性ポリマーを収容する空間部(凹部や貫通孔)が形成されていないため、吸水性ポリマーの脱落防止性に劣る結果となった。
10,30,40 吸収体
11 繊維構造体
12 吸水性ポリマー
13 開口部
14 凹部
15 接着剤層
16 表面部
17 貫通孔
20 繊維シート(第2の繊維構造体)
21 繊維マット(第2の繊維構造体)
50 生理用ナプキン(吸収性物品)
51 表面シート
52 裏面シート
53 防漏溝
54 エンドシール部

Claims (5)

  1. 繊維材料を含む繊維構造体と、下記方法により測定される粘着率が0.9以下である吸水性ポリマーとを含んで構成される吸収体であって、
    前記繊維構造体は、その厚み方向一端側及び/又は他端側に開口する開口部と連通して該厚み方向の内方に延びる空間部を有しており、該空間部に、前記吸水性ポリマーが密集した状態で収容されている吸収体。
    <粘着率の測定方法>
    乾燥した濾紙の中央部に生理食塩水1gを付与して該中央部を湿らし、水平な台の上に載置された該濾紙の該中央部に、吸水性ポリマー0.1gを均一に散布する。吸水性ポリマーを散布してから1分経過後、濾紙を垂直に傾けた状態で台の上方5mmの位置で支持し、該支持を解除して該濾紙を落下させる。この濾紙の落下操作を100回繰り返し、その間に濾紙から脱落した吸水性ポリマーの総重量aと、濾紙上に残留した吸水性ポリマーの総重量bとから、次式により吸水性ポリマーの粘着率を算出する。 粘着率=b/(a+b)
  2. 前記繊維構造体の上面及び/又は下面上に、該繊維構造体とは別体の第2の繊維構造体が配されており、該第2の繊維構造体によって前記空間部は前記開口部において閉塞されており、
    閉塞されている前記空間部は、飽和膨潤した前記吸水性ポリマーを収容可能な大きさを有している請求項1記載の吸収体。
  3. 前記空間部は、前記繊維構造体の厚み方向一端側に前記開口部を有し且つ他端側が該繊維構造体の構成材料によって閉塞している、凹部の内部に存しており、該凹部の内面及びその近傍が、該繊維構造体の他の部分よりも高密度になっている請求項1又は2記載の吸収体。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の吸収体を具備する吸収性物品。
  5. 前記吸収体は、その排泄部対向領域の肌当接面側に隆起する中高部を有している請求項4記載の吸収性物品。
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