JP2003278004A - 吸水体、吸水品及び吸水体の製造方法 - Google Patents

吸水体、吸水品及び吸水体の製造方法

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JP2003278004A
JP2003278004A JP2002075450A JP2002075450A JP2003278004A JP 2003278004 A JP2003278004 A JP 2003278004A JP 2002075450 A JP2002075450 A JP 2002075450A JP 2002075450 A JP2002075450 A JP 2002075450A JP 2003278004 A JP2003278004 A JP 2003278004A
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needle
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water absorbent
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Akiyoshi Kariya
明美 狩谷
Eiko Tanaka
暎子 田中
Masao Hirasaka
征夫 平阪
Kenichi Mochizuki
研一 望月
Yoshiyuki Kobayashi
美幸 小林
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FUKUI TSUGUYA
NIKKAI NS KK
Original Assignee
FUKUI TSUGUYA
NIKKAI NS KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返して使用可能な吸水体を提供する。 【解決手段】 液体を吸収して保持するベース布2の繊
維中に、人の体温より高い温度が臨界温度であり、その
臨界温度までは液体を吸収して保持すると共に、臨界温
度を超えると吸収力及び液体の保持力がなくなる吸排水
ポリマ3を含有させる。ベース布2内に、水分を拡散さ
せる繊維からなる拡散層6を設けることが好ましい。吸
排水ポリマ3の含有はニードルパンチ法により行うこと
が好ましい。また、この吸水体1の一方の表面に、透水
性の表地12を設けると共に、他方の表面に、防水性の
裏地13を設けて吸水品を得てもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を吸収して処
理する吸水体に関し、特におむつ、おむつカバー、尿取
りパッド、女性の生理用布パッド等の生理用品、及びシ
ーツの素材に最適な吸水体、吸水品及び吸水体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体を吸収して処理する吸水体として
は、おむつ、尿取りパッド、生理用品等が知られてお
り、特におむつ、生理用品は多くのものがある。例え
ば、おむつは、布製のおむつと紙製のおむつとがあり、
吸水性、保水性が高く、使い捨ての紙製のおむつの方
が、近年、世界中で好んで消費されている。紙製のおむ
つは、多種多様のものが日本に限らず多くの国で多量に
生産されており、ごみの増加という問題があると共に、
紙製おむつを生産するためには、多くの資源が必要にな
るので、森林伐採による地球温暖化の問題等があり、世
界的に見てもこのまま紙おむつの使い捨てが許されない
背景がある。また、紙製のおむつは、蒸れたり、かぶれ
たり、かゆみがでたりすることがある。
【0003】このような背景から、吸水性、通気性があ
り、肌に馴染む布製のおむつが注目されつつあるが、布
製のおむつ例えばさらしのおむつは、吸収量が少なく、
一旦吸収するといつまでも湿っていて、使用者に冷た
く、不快感を与え易い。このため、表地と裏地との間の
中間層にレーヨンなど吸水性のよい繊維を含んだ吸収層
を設けた布製おむつが提案されている。この布製おむつ
は、表地(透水層)に、肌ざわりがよいと共に乾燥しや
すい、綿とポリエステルの混紡を使用し、裏地(防水
層)には、ポリエステル100%の生地にポリウレタン
フィルムが圧着されたものを使用する。吸収層には、ポ
リエステルとレーヨンの混織を使用して、尿が透水層を
介して吸収層に吸水されて保水されるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の先に提案されて
いる布製のおむつは、例えば、水につけて所定時間放置
してから洗濯機等で洗った後、天日による自然乾燥を行
えば再利用可能である。しかし、吸収能力を高めるため
に、吸収層の層厚を厚くしたり、吸収層のレーヨンの比
率を多くしたりするが、吸収層の層厚が厚いと吸収層に
吸収されている液体を十分に吸収層から排出することが
できない。また、レーヨンの比率に応じて吸水能力が高
くなるが、同時に熱を加えられたときの収縮も大きくな
り、繰り返して使用するにはいくつかの問題がある。
【0005】そこで、吸収層に紙おむつに使用されてい
る吸水ポリマを含有させたり、吸排水ポリマ(特開平8
−100010号公報、特願平10−368658号公
報等に開示されている吸排水ポリマ)を含有させたりす
ることが提案されるが、吸水ポリマはいったん吸水する
と、膨潤後はゲル化して粒子が融着してしまい、それら
を乾燥させても再使用はできなかった。つまり、吸水ポ
リマを布おむつに使用すると紙おむつに比較して失禁後
のベタつき、濡れなど著しく使用感が劣る。また、吸排
水ポリマをウレタン系等のバインダーでポリエステルと
レーヨンの混織に塗布しても、洗濯などによってバイン
ダーの効果が消失し、すぐに吸排水ポリマが脱落してし
まい。十分な繰り返し性能が得られないことがある。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みなされた
ものであり、その目的は、繰り返して使用することがで
きる吸水体、吸水品及び吸水体の製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の吸水体は、液体を吸収して保持するベース
布の繊維中に、人の体温より高い温度が臨界温度であ
り、その臨界温度までは液体を吸収して保持すると共
に、臨界温度を超えると吸収力及び液体の保持力がなく
なる吸排水ポリマを含有させたものである。前記ベース
布内に、水分を拡散させる繊維からなる拡散層を設ける
ことが好ましい。また、前記ベース布がニードルパンチ
処理により得られた不織布であることが好ましい。ま
た、本発明の吸水品は、前記吸水体の一方の表面に、透
水性の表地を設けると共に、他方の表面に、防水性の裏
地を設けたものである。
【0008】また、本発明の吸水体の製造方法は、液体
を吸収して保持する2枚のベース布を、人の体温より高
い温度が臨界温度であり、その臨界温度までは液体を吸
収して保持すると共に、臨界温度を超えると吸収力及び
液体の保持力がなくなる吸排水ポリマを間に散布して重
ね合わせ、この重ね合わしたベース布の複数箇所をニー
ドルパンチ処理して吸水体を製造したものである。ま
た、前記ベース布がニードルパンチ処理により得られた
ニードルパンチ不織布であり、これらニードルパンチ不
織布の一方が、一方の表面に水分を拡散させる繊維をニ
ードルパンチした拡散層が設けられた拡散層付ニードル
パンチ不織布であり、この拡散層付ニードルパンチ不織
布が、拡散層が内側となるように他方のニードルパンチ
不織布に重ね合わされることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。図1は本発明の吸水体を有す
る吸水品の一例を示す断面図である。図1において、1
は吸水体を示し、この吸水体1は、ベース布2に吸排水
ポリマ3を含有させたものである。
【0010】本発明において吸排水ポリマ3とは、人の
体温より高い温度が臨界温度であり、その臨界温度まで
は尿等の液体を吸収して膨潤し保持すると共に、臨界温
度を超えると吸収力及び液体の保持力がなくなるもので
ある。臨界温度としては、人の体温よりやや高めの温度
が好ましく、具体的には40〜50℃が好ましい。吸排
水ポリマ3は、平衡吸水倍率が40〜44g/gの粒状
のものを用いることが好ましく、その粒度は、好ましく
は250〜500μmである。具体的には、吸排水ポリ
マ3は、約15gあれば、約300〜500ccの尿を吸
収することができ、これは成人の1回の尿取りとしては
充分であり、充分に成人用の尿取りパッドとして使用す
ることができる。吸排水ポリマ3の含有量は、好ましく
は5〜15gである。吸排水ポリマ3の含有量が5g未
満では吸水性能が劣り、含有量が15gを超えるとかえ
ってポリマ同士のくっつき、固まりなどが起きて、吸水
効果が低下することがあり、それぞれ好ましくない。
【0011】吸排水ポリマ3としては、例えば、N−置
換アクリルアミド類及びアクリロイルピペリジン、アク
リロイルピロリジンの中から選ばれるアクリルアミド誘
導体を主成分モノマとして、これに(メタ)アクリル酸
及びそのアルカリ金属塩、ジメチルアクリルアミド、ダ
イアセトンアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等の親水性モノマを共重合して架橋するこ
とにより得られる。この共重合体の臨界温度は、モノマ
の重合比率に依存しているため、例えば臨界温度が50
℃になるように、モノマの重合比率を設定する。具体的
には例えば、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイア
セトンアクリルアミド、及びアクリル酸の3種類のモノ
マを主成分とし共重合して得られ、3種類のモノマの成
分比率を変えることで、吸排水ポリマ3の吸水/排水の
感温点をコントロールすることができる。架橋方法とし
ては、特に限定されず周知の方法を用いられるが、例え
ば、メチレンビスアクリルアミド等の多官能ビニルモノ
マ等の架橋剤を用いる化学架橋方法や電子架橋方法等が
ある。
【0012】例えば、吸排水ポリマ3(興人社製、商品
名:サーモゲル)について、人の尿相当の生理食塩水に
おけるポリマ1g当りの吸水量を調べ、その結果を図4
に示した。図から分かるように、吸排水ポリマ3は40
℃未満が吸水領域A、40〜50℃が感温領域B、50
℃を超える領域が排水領域Cである。また、吸排水ポリ
マ3(興人社製、商品名:サーモゲル)について吸収速
度性能を調べ、その結果を図5に示した。吸排水ポリマ
3は、平衡吸水倍率が40〜44g/gで250〜500μm
の粒子径のものを用いて、人の尿相当の生理食塩水を測
定温度30℃で行った。図から分かるように、吸水倍
率、速度ともに紙おむつで使用されている吸排水ポリマ
3の性状と殆ど同一に近い性状を示しているものが得ら
れた。
【0013】ベース布2は、おむつ等の吸収層で使われ
ている布であり、具体的には例えば、不織布が使用され
る。不織布は、好ましくはニードルパンチ処理して得ら
れたもの(ニードルパンチ不織布)であることがよい。
不織布に用いる繊維としては、保水性繊維が好ましい。
保水性繊維としては、具体的には例えば、水を吸う繊維
(カネボウ株式会社製、商品名:アクワロン)等が使用
される。本発明でいうニードルパンチ法(ニードルパン
チ処理)とは、原綿を均一に混ぜ、予備開繊を施す調合
工程と、予備開繊をした原綿をさらに開繊し、このよう
に開繊した繊維を積層する(ウェブ作成)カーディング
工程と、積層した繊維を特殊針(ニードル針)にてニー
ドル絡合(ニードリング)を施すことにより、繊維と繊
維とが絡み合い例えばシート状の不織布を製造する方法
である。
【0014】ベース布2に吸排水ポリマ3を含有させる
には、不織布(ベース布2)の繊維の中に含有させるこ
とができるならばどのような方法を用いてもよく、例え
ば保水性の繊維層又は不織布を2層に重ね合わせる(積
層する)と共にこの間に吸排水ポリマ3を介在(散布)
させ、この積層した第1、第2層4、5をニードルパン
チ処理することが好ましい。具体的には例えば、第1、
第2層4、5としてニードルパンチ不織布を用い、第2
層5であるニードルパンチ不織布の一面に吸排水ポリマ
3を散布する。吸排水ポリマ3を散布した不織布の一面
に第1層4であるニードルパンチ不織布を積層して、こ
の2枚の不織布をニードルパンチで織り込むことによ
り、吸排水ポリマ3をベース布である不織布の繊維の中
に含有させることができる。
【0015】また、ベース布2内には、水分を拡散させ
る拡散層6を設けることが好ましい。拡散層6は、水を
拡散させる透水性の拡散繊維からなることが好ましい。
拡散層6を設ける手段としては、特に限定されず、例え
ば、第2層5の一面に拡散層6となる拡散繊維を積層
し、この上に吸排水ポリマ3を散布してから第1層4を
積層して、これをニードルパンチ処理し、拡散層6を設
けるようにしてもよいが、好ましくは、第2層5の一面
に拡散層6となる拡散繊維をニードルパンチ処理して織
り込ませてから、この上に吸排水ポリマ3を散布して第
1層4を重ね合わせ、これをニードルパンチ処理し、拡
散層6を設けることがよい。
【0016】具体的には例えば、まず、前述のニードル
パンチ不織布の製造方法により、ニードルパンチ不織布
を2つ製造し、図2に示すように、第1層4となる一方
を第1リール7に巻き付ける。第2層5となる他方のニ
ードルパンチ不織布の一面に透水性の拡散繊維をニード
ルパンチ処理して織り込ませて、拡散層6を有する不織
布(拡散層付ニードルパンチ不織布)を製造し、これを
第2リール8に巻き付ける。第2リール8を回転自在に
取り付け、この第2リール8から拡散層付ニードルパン
チ不織布を拡散層6が重力方向上方に向くように繰り出
し、ポリマ散布装置9及びニードルパンチ装置10に順
に導く。ポリマ散布装置9は、吸排水ポリマ3を拡散層
付ニードルパンチ不織布の拡散層6上に散布するもので
あり、吸排水ポリマ3が散布された拡散層付ニードルパ
ンチ不織布がニードルパンチ装置10に導かれる。
【0017】ニードルパンチ装置10には、回転自在に
取り付けられた第1リール7から繰り出された不織布も
導かれている。ニードルパンチ装置10は、第2リール
8からの不織布の吸排水ポリマ3が散布された面上に第
1リール7からの不織布が導かれ、これら不織布を積層
させてニードルパンチ処理する。これにより、2つの不
織布が織り込まれ、1つの不織布となり、図1に示すよ
うに、吸排水ポリマ3が不織布の繊維の中に入り込んだ
ベース布つまり本発明の吸水体1が得られる。なお、吸
排水ポリマ3を拡散層6の一方側の不織布にのみ含有さ
せたが、両方の不織布に含有するようにしてもよい。
【0018】このように得られた吸水体1は吸排水ポリ
マ3を含有するため、吸排水ポリマ3の臨界温度未満で
は液体を吸収して保持し、この液体を保持した吸水体1
を臨界温度を超える温度以上に加温することにより、保
持していた液体が吸水体1の外部に排出可能になるの
で、吸水体1を繰り返して洗って使用することができ
る。
【0019】また、吸排水ポリマ3はニードルパンチ処
理により第1、第2層4、5により挟まれたかたちとな
るため、吸水体1を洗濯しても吸排水ポリマ3が不織布
(ベース布2)から離脱することがないので、繰り返し
て使用することができる吸水体1が得られることにな
る。さらに、第1層4がニードルパンチ不織布である
と、吸排水ポリマ3が第1層4である不織布繊維中に入
り込む。すなわち、ニードルパンチ処理では特殊針にて
ニードル絡合を施すとき、繊維の中により多くの空気層
が形成されるため、特殊針をニードルパンチ不織布にさ
すとき、その針に沿って吸排水ポリマ3が繊維中に導か
れ、空気層に入り込む。このため、吸排水ポリマ3が不
織布繊維中の奥深い箇所に入り込むので、さらに一層吸
排水ポリマ3が不織布(ベース布2)から離脱すること
がない。
【0020】また、ベース布2(吸水体1)に拡散層6
が設けられていることにより、吸水体1の例えば一点に
集中して尿等の水分が吸収された場合には、その水分は
毛細管減少によって拡散層6を形成する繊維を伝わって
他の箇所に広がっていく。このため、局部的に尿等の水
分を吸収しても拡散層6により短時間で全体的に広が
り、全体の吸排水ポリマ3で吸収することができ、吸排
水ポリマ3を十分に利用することができる。よって、効
率よくしかも短時間で尿等の水分を吸収することができ
る。
【0021】また、第1、第2層4、5としてニードル
パンチ不織布を用いると共に、不織布中に吸排水ポリマ
3を含有させるのにニードルパンチ処理したので、やわ
らかなものとなる。すなわち、例えば、不織布をニード
ルパンチ処理したものであると、ニードルパンチ処理で
は特殊針にてニードル縫合を施すとき、繊維の中により
多くの空気層が形成されるため、クッション性に優れ、
やわらかなものとなる。
【0022】このように、本発明の吸水体1は、繰り返
して使用することができると共に、効率よくしかも短時
間で尿等の水分を吸収することができ、しかもやわらか
いものであり、布おむつ、生理用品、おむつカバー、尿
取りパット及びシーツ等の素材に最適なものである。
【0023】このため、吸水体1の一面(第1層4側の
不織布の表面)に、膜透水層11を介して表地12を設
けると共に、他の面に裏地13を設けて、吸水品14を
製造してもよく、この吸水品14は布製のおむつ等とし
てそのまま利用することが可能となる。
【0024】なお、吸水体1の一面(第1層4側の不織
布の表面)に表地12を、他の面に裏地13設けたが、
逆に吸水体1の一面に裏地13を、他の面に表地12を
設けるようにしてもよく、また、吸水体1として拡散層
6の両側に吸排水ポリマ3を含有したものを用いてもよ
い。また、表地12と裏地13との間に吸水体1を2つ
以上積層してもよく、具体的には例えば、図3に示すよ
うに、表地12と裏地13との間に2つの吸水体1、1
を仕切層15を介して積層してもよい。
【0025】表地12は、尿等の液体を通す透水層であ
り、好ましくは逆漏れ防水透水層であることがよい。逆
漏れ防水透水層としては、通水性がよいと共に肌ざわり
がよく、しかも乾燥しやすい布製のものが使用され、好
ましくは、肌ざわりは綿そのもののように柔らかく、か
ぶれにくい例えばメッシュネット等が用いられる。メッ
シュネットの素材としては、ポリプロピレン繊維(三菱
レイヨン株式会社製、商品名:三菱パイレン)等が使用
される。
【0026】膜透水層11は、吸水体が移動するのを抑
制するためのもので、例えば透水性の繊維の膜により形
成されている。裏地13は、例えば尿等の液体を通さな
い不透水性の防水層である。裏地13は、おむつの裏地
として従来使用されている布製のものが使用され、例え
ば撥水処理を施した布繊維等が使用される。仕切層15
は、2つの吸水体1、1の間を仕切るものであり、裏地
13と同じ素材つまりおむつの裏地として従来使用され
ている布製のものにより形成されている。
【0027】この吸水品14を処理したい個所に装着す
る。勿論、表地12をその個所に接触させるようにす
る。その個所に液体があると、液体は表地12にしみこ
み、表地12及び膜透水層11を通って吸水体1に吸収
されて保持される。このように、液体が表地12を通っ
て不織布及び吸排水ポリマ3に保持されていても、表地
12としてメッシュネットが使用されていると、表地1
2は、肌ざわりがよく、例えば肌に接触していても不快
感は感じない。
【0028】そして、この液体を保持した吸水品14
を、例えば、水につけて所定時間放置した後に軽く絞っ
てから洗濯機等で洗浄するか、または、温水洗濯により
洗浄する。洗浄後、乾燥機等で加熱して排水することに
より、吸水品14の再利用が可能となる。
【0029】したがって、本発明の吸水品14は、不織
布及び吸排水ポリマ3に液体が保持されていても、肌ざ
わりがよく、不快感はないと共に、繰り返して使用でき
るので、おむつとして最適である。
【0030】また、表地12と裏地13との間に、図3
に示すように、2つの吸水体1、1を仕切層15を介し
て積層することにより、通常は表地12側の吸水体1で
液体を吸収させ、その吸水体1で吸収できなかった液体
を裏地13側の吸水体1で吸収させるものである。つま
り、仕切層15が裏地13と同じ素材例えば撥水製の素
材で形成されているため、通常は表地12側の吸水体1
で液体が吸収され、裏地13側の吸水体1へは液体が吸
収されないが、表地12側の吸水体1の吸収量が限界を
超えると、その限界を超えた分の液体が仕切層15を透
水する(通る)。このため、吸水体1を仕切層15を介
して2層にすることにより、例えばおむつとして使用し
ている範囲では漏れることなく使用することができる吸
水品14が得られることになる。
【0031】また、本発明の吸水品14は、液体を吸収
して保持するので、女性の生理対策用のパッドやパット
以外の生理用品としても利用することができる。これに
より、本発明の吸水品14をおむつ、使い捨てのパッド
や生理用品として利用すれば、ごみ問題、森林伐採によ
る環境破壊の問題もないので、地球に優しいものとな
る。
【0032】また、本発明の吸水品14が布製であるた
め、おむつカバーにも利用することができ、おむつから
尿が漏れたとしてもある程度はおむつカバーでも吸収す
ることが可能となり、一層失禁対策を図れる。また、本
発明の吸水品14は、尿取りパッドとしても利用するこ
とができ、例えば、下着の中やおむつの中に入れれば、
より一層の失禁対策を図れる。また、本発明の吸水品1
4は、液体を吸収して保持するので、シーツ例えば介護
用シーツの素材として使用することができる。
【0033】このように、本発明の吸水品14は、主と
して軽失禁及び中失禁のある者、並びに女性の生理用と
して使い捨ての紙製ではなく、洗濯をすることによっ
て、繰り返して使用することが可能な、おむつ、おむつ
カバー、尿取りパッド、女性の生理用品、及びシーツに
適用することができ、工業的価値が高いものである。
【0034】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、繰り返し
て使用可能な吸水体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸水体を有する本発明の吸水品の一例
を示す断面図である。
【図2】本発明の吸水体を製造する装置の一例を示す概
略構成図である。
【図3】本発明の吸水品の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の吸排水ポリマの感温と吸水特性との関
係を示す図である。
【図5】本発明の吸排水ポリマの吸水速度を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 吸水体 2 ベース布 3 吸排水ポリマ 4 第1層 5 第2層 6 拡散層 7 第1リール 8 第2リール 9 ポリマ散布装置 10 ニードルパンチ装置 11 膜透水層 12 表地 13 裏地 14 吸水品 15 仕切層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/534 A61F 13/18 302 B32B 5/02 303 (72)発明者 田中 暎子 奈良県生駒市西松ヶ丘15−65 (72)発明者 平阪 征夫 大阪市中央区鎗屋町2−3−6 森内久株 式会社内 (72)発明者 望月 研一 東京都港区芝浦1丁目2番1号 日海エヌ エス株式会社内 (72)発明者 小林 美幸 東京都港区芝浦1丁目2番1号 日海エヌ エス株式会社内 Fターム(参考) 3B029 BA04 BA05 BA15 BA18 HA06 HA08 HB02 4C003 AA11 AA19 AA21 BA03 4C098 AA09 CC03 DD10 DD25 DD26 4F100 AK01A AK01H AR00C AR00D BA01 BA04 BA10C BA10D DE01A DE01H DG01B DG15A EC09A EC091 EC092 GB72 JB05B JD05C JD05D JD14A JD14H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吸収して保持するベース布の繊維
    中に、人の体温より高い温度が臨界温度であり、その臨
    界温度までは液体を吸収して保持すると共に、臨界温度
    を超えると吸収力及び液体の保持力がなくなる吸排水ポ
    リマを含有させたことを特徴とする吸水体。
  2. 【請求項2】 前記ベース布内に、水分を拡散させる繊
    維からなる拡散層を設けた請求項1に記載の吸水体。
  3. 【請求項3】 前記ベース布がニードルパンチ処理によ
    り得られた不織布である請求項1又は2に記載の吸水
    体。
  4. 【請求項4】 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記
    載の吸水体の一方の表面に、透水性の表地を設けると共
    に、他方の表面に、防水性の裏地を設けたことを特徴と
    する吸水品。
  5. 【請求項5】 液体を吸収して保持する2枚のベース布
    を、人の体温より高い温度が臨界温度であり、その臨界
    温度までは液体を吸収して保持すると共に、臨界温度を
    超えると吸収力及び液体の保持力がなくなる吸排水ポリ
    マを間に散布して重ね合わせ、この重ね合わしたベース
    布の複数箇所をニードルパンチ処理して吸水体を製造し
    たことを特徴とする吸水体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ベース布がニードルパンチ処理によ
    り得られたニードルパンチ不織布であり、これらニード
    ルパンチ不織布の一方が、一方の表面に水分を拡散させ
    る繊維をニードルパンチした拡散層が設けられた拡散層
    付ニードルパンチ不織布であり、この拡散層付ニードル
    パンチ不織布が、拡散層が内側となるように他方のニー
    ドルパンチ不織布に重ね合わされる請求項5に記載の吸
    水体の製造方法。
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