JP2003153953A - 吸収体 - Google Patents

吸収体

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JP2003153953A
JP2003153953A JP2001358166A JP2001358166A JP2003153953A JP 2003153953 A JP2003153953 A JP 2003153953A JP 2001358166 A JP2001358166 A JP 2001358166A JP 2001358166 A JP2001358166 A JP 2001358166A JP 2003153953 A JP2003153953 A JP 2003153953A
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polymer
base cloth
water absorption
drainage
water
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JP2001358166A
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English (en)
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Akiyoshi Kariya
明美 狩谷
Eiko Tanaka
暎子 田中
Yoshiyuki Kobayashi
美幸 小林
Kenichi Mochizuki
研一 望月
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FUKUI TSUGUYA
NIKKAI NS KK
Original Assignee
FUKUI TSUGUYA
NIKKAI NS KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返して使用可能な吸収体を提供する。 【解決手段】 液体を吸収して保持するベース布2に、
人の体温より高い温度が臨界温度であり、その臨界温度
までは液体を吸収して保持すると共に、臨界温度を超え
ると吸収力及び液体の保持力がなくなる吸排水ポリマ3
を付着し、この吸排水ポリマ3を付着したベース布2の
外側全体をスポンジ4で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を吸収して処
理する吸収体に関し、特におむつ、おむつカバー、尿取
りパッド、女性の生理用布パッド等の生理用品、及びシ
ーツの素材に最適な吸収体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体を吸収して処理する吸収体として
は、おむつ、尿取りパッド、生理用品等が知られてお
り、特におむつ、生理用品は多くのものがある。例え
ば、おむつは、布製のおむつと紙製のおむつとがあり、
吸水性、保水性が高く、使い捨ての紙製のおむつの方
が、近年、世界中で好んで消費されている。紙製のおむ
つは、多種多様のものが日本に限らず多くの国で多量に
生産されており、ごみの増加という問題があると共に、
紙製のおむつを生産するためには、多くの資源が必要に
なるので、森林伐採による地球温暖化の問題等があり、
世界的に見てもこのまま紙製のおむつの使い捨てが許さ
れない背景がある。また、紙製のおむつは、蒸れたり、
かぶれたり、かゆみがでたりすることがある。
【0003】このような背景から、吸水性、通気性があ
り、肌に馴染む布製のおむつが注目されつつあるが、布
製のおむつの例えばさらしのおむつは、吸収量が少な
く、一旦吸収するといつまでも湿っていて、使用者に冷
たく、不快感を与え易い。このため、表地と裏地との間
の中間層にレーヨンなど吸水性のよい繊維を含んだ吸収
層を設けた布製おむつが提案されている。この布製おむ
つは、表地(透水層)に、肌ざわりがよいと共に乾燥し
やすい、綿とポリエステルの混紡を使用し、裏地(防水
層)には、ポリエステル100%の生地にポリウレタン
フィルムが圧着されたものを使用する。吸収層には、ポ
リエステルとレーヨンの混織を使用して、尿が透水層を
介して吸収層に吸水されて保水されるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の先に提案されて
いる布製のおむつは、例えば、水につけて所定時間放置
してから洗濯機等で洗った後、天日による自然乾燥を行
えば再利用可能である。しかし、吸収能力を高めるため
に、吸収層の層厚を厚くしたり、吸収層のレーヨンの比
率を多くしたりするが、吸収層の層厚が厚いと吸収層に
吸収されている液体を十分に吸収層から排出することが
できない。また、レーヨンの比率に応じて吸水能力が高
くなるが、同時に熱を加えられたときの収縮も大きくな
り、繰り返して使用するにはいくつかの問題がある。
【0005】そこで、吸収層に紙製のおむつに使用され
ている吸水ポリマを含有させたり、吸排水ポリマ(特開
平8−100010号公報、特願平10−368658
号公報等に開示されている吸排水ポリマ)を含有させた
りすることが提案されるが、吸水ポリマはいったん吸水
すると、膨潤後はゲル化して粒子が融着してしまい、そ
れらを乾燥させても再使用はできなかった。つまり、吸
水ポリマを布製のおむつに使用すると紙製のおむつに比
較して失禁後のベタつき、濡れなど著しく使用感が劣
る。また、吸排水ポリマをウレタン系等のバインダでポ
リエステルとレーヨンの混織に塗布しても、洗濯などに
よってバインダの効果が消失し、すぐに吸排水ポリマが
脱落してしまい。十分な繰り返し性能が得られないこと
がある。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みなされた
ものであり、その目的は、繰り返して使用することがで
きる吸収体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の吸収体は、液体を吸収して保持するベース
布の少なくとも一方の面に、人の体温より高い温度が臨
界温度であり、その臨界温度までは液体を吸収して保持
すると共に、臨界温度を超えると吸収力及び液体の保持
力がなくなる吸排水ポリマを付着し、該吸排水ポリマを
付着したベース布の外側全体をスポンジで覆ったもので
ある。前記吸排水ポリマを付着したベース布の一方の面
側のスポンジの表面に、透水性の表地を設けると共に、
他方の表面に、防水性の裏地を設けることが好ましい。
前記ベース布に、前記スポンジの一部が入り込んでスポ
ンジ内でのベース布の移動を防止する移動防止用の孔を
1又は2以上穿設することが好ましい。前記吸排水ポリ
マの付着が、前記吸排水ポリマが入る孔であって、入っ
た吸排水ポリマが吸水して膨潤した後、液体の保持力が
なくなったとき孔から出難い大きさに形成されているポ
リマ挿入孔を前記ベース布に多数設け、これらポリマ挿
入孔に吸排水ポリマを入れて行われることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。図1は本発明の吸収体の第1
の例を示す断面図を示す図である。図1において、1は
吸収体を示し、この吸収体1は、ベース布2に吸排水ポ
リマ3を付着し、この吸排水ポリマ3を付着したベース
布2の外側全体をスポンジ4で覆ったものである。
【0009】ベース布2は、おむつ等の吸収層で使われ
ている布であり、具体的には例えば、レーヨンとポリエ
ステルの混紡等が使用される。ベース布2の一方の面に
吸排水ポリマ3が付着されている。なお、ベース布2の
両面に吸排水ポリマ3を付着させるようにしてもよい。
【0010】本発明において吸排水ポリマ3とは、人の
体温より高い温度が臨界温度であり、その臨界温度まで
は尿等の液体を吸収して膨潤し保持すると共に、臨界温
度を超えると吸収力及び液体の保持力がなくなるもので
ある。臨界温度としては、人の体温よりやや高めの温度
が好ましく、具体的には40〜50℃が好ましい。吸排
水ポリマ3は、平衡吸水倍率が40〜44g/gの粒状
のものを用いることが好ましく、その粒度は、好ましく
は250〜500μmである。具体的には、吸排水ポリ
マ3は、約15gあれば、約300〜500ccの尿を吸
収することができ、これは成人の1回の尿取りとしては
充分であり、充分に成人用の尿取りパッドとして使用す
ることができる。吸排水ポリマ3の含有量は、好ましく
は5〜15gである。吸排水ポリマ3の含有量が5g未
満では吸水性能が劣り、含有量が15gを超えるとかえ
ってポリマ同士のくっつき、固まりなどが起きて、吸水
効果が低下することがあり、それぞれ好ましくない。
【0011】吸排水ポリマ3としては、例えば、N−置
換アクリルアミド類及びアクリロイルピペリジン、アク
リロイルピロリジンの中から選ばれるアクリルアミド誘
導体を主成分モノマとして、これに(メタ)アクリル酸
及びそのアルカリ金属塩、ジメチルアクリルアミド、ダ
イアセトンアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等の親水性モノマを共重合して架橋するこ
とにより得られる。この共重合体の臨界温度は、モノマ
の重合比率に依存しているため、例えば臨界温度が50
℃になるように、モノマの重合比率を設定する。具体的
には例えば、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイア
セトンアクリルアミド、及びアクリル酸の3種類のモノ
マを主成分とし共重合して得られ、3種類のモノマの成
分比率を変えることで、吸排水ポリマ3の吸水/排水の
感温点をコントロールすることができる。架橋方法とし
ては、特に限定されず周知の方法を用いられるが、例え
ば、メチレンビスアクリルアミド等の多官能ビニルモノ
マ等の架橋剤を用いる化学架橋方法や電子架橋方法等が
ある。
【0012】吸排水ポリマ3について、人の尿相当の生
理食塩水におけるポリマ1g当りの吸水量を調べ、その
結果を図5に示した。図から分かるように、吸排水ポリ
マ3は40℃未満が吸水領域A、40〜50℃が感温領
域B、50℃を超える領域が排水領域Cである。また、
吸排水ポリマ3について吸収速度性能を調べ、その結果
を図6に示した。吸排水ポリマ3は、平衡吸水倍率が4
0〜44g/gで250〜500μmの粒子径のものを用い
て、人の尿相当の生理食塩水を測定温度30℃で行っ
た。図から分かるように、吸水倍率、速度ともに紙おむ
つで使用されている吸排水ポリマ3の性状と殆ど同一に
近い性状を示しているものが得られた。
【0013】吸排水ポリマ3の付着の方法は、付着する
ことができるならばどのような方法を用いてもよく、例
えば紙おむつ等でバインダを用いて吸排水ポリマ3を塗
布(コーティング)する方法と同じ塗布方法を用いても
よいし、また、ベース布2に多数のポリマ挿入孔を多数
設け、これらポリマ挿入孔に吸排水ポリマ3を入れて付
着するようにしてもよい。
【0014】吸排水ポリマ3を塗布する方法としては、
例えば、図3に示すように、ベース布2の一方の面に、
まずバインダとしての水系のウレタン樹脂を樹脂塗布装
置7で塗布する。このウレタン樹脂を塗布した面に吸排
水ポリマ3を散布装置8で散布し、このベース布2を乾
燥機9で乾燥してからローラ10に巻き取らせることに
より、吸排水ポリマ3を塗布したベース布2が得られ
る。このとき、吸排水ポリマ3を塗布するベース布2の
面に、触感が低下しない範囲で凹凸を形成したり、孔を
設けたりして、吸排水ポリマ3がベース布2から剥がれ
ないようにしてもよい。バインダとしては、特に限定さ
れず、例えば水系のウレタン樹脂等が用いられる。
【0015】ポリマ挿入孔に吸排水ポリマ3を入れて付
着する方法としては、例えば、ベース布2に無数の打ち
抜きポリマ挿入孔を設けたり、ベース布2の表面を混紡
時に針で荒らすなどして多数のポリマ挿入孔を設けたり
し、このベース布2表面に吸排水ポリマ3を散布して、
ポリマ挿入孔内に吸排水ポリマ3を入れる。吸排水ポリ
マ3をポリマ挿入孔内に入れる方法としては、単に散布
するだけでもよいが、好ましくは、例えば散布後に振動
板でベース布2に振動を与えてポリマ挿入孔内に吸排水
ポリマ3を入れるようにしてもよいし、散布後にローラ
ーで圧をかけてポリマ挿入孔内に塗り込むようにしても
よいし、散布後に裏側から吸引してポリマ挿入孔内に吸
排水ポリマ3を入れるようにしてもよい。
【0016】ポリマ挿入孔としては、その形状は特に限
定されず、円形、四角形、楕円形、多角形、星型等どの
ように形成してもよい。ポリマ挿入孔は、吸排水ポリマ
3が入る大きさであって、入った吸排水ポリマ3が吸水
して膨潤した後、液体の保持力がなくなったとき孔から
出難い大きさに形成することが好ましい。具体的には例
えば、ポリマ挿入孔が円形に形成されている場合には、
直径1mm〜2mmくらいであり、その数は例えば5〜
10個/cmであることが好ましい。また、ポリマ挿
入孔はベース布2にほぼ均一に設けることが好ましい。
【0017】スポンジ4は、吸排水ポリマ3を付着した
ベース布2全体を覆う(包み込む)目の細かなもので、
例えば発泡ポリウレタン等のウレタン系やセルローズ等
が使用され、好ましくはウレタン系のものがよく、特に
好ましくは極微細な繊維同士の格子目を持った吸水ウレ
タン樹脂である。スポンジ4の強度は、特に限定されな
いが、引張り特性で引張り強度が1000KPa以上、
引張り伸度が400%以上であることが好ましく、密度
は0.25g/cm程度であることが好ましい。スポ
ンジ4の引張り強度が1000KPa未満、引張り伸度
が400%未満では機械的強度不足となり好ましくな
い。また、スポンジ4は乾燥時130℃、湿潤時100
℃程度の耐熱性を有することが望ましい。
【0018】スポンジ4の形成方法としては、どのよう
に形成してもよく、例えば射出成形により形成してもよ
いし、また、予めシート状に形成しておいて、吸排水ポ
リマ3を塗布したベース布2全体をシート状のスポンジ
4で挟持し、この縁を接着剤や縫製手段によって接合し
て形成してもよい。
【0019】この吸収体1は、吸排水ポリマ3の臨界温
度未満では液体を吸収して保持し、この液体を保持した
吸収体1を臨界温度を超える温度以上に加温することに
より、保持していた液体が表地5を通って吸収体1の外
部に排出可能になるので、吸収体1を繰り返して洗って
使用することができる。
【0020】このとき、ベース布2がスポンジ4で覆わ
れているので、吸収体1を何回か洗濯したとき、特に吸
排水ポリマ3が塗布されている場合には万一吸排水ポリ
マ3のバインダの効果が低下して、吸排水ポリマ3がベ
ース布2から剥れたとしても、スポンジ4にさえぎられ
て、吸排水ポリマ3がスポンジ4より外部には流出せ
ず、繰り返し使用することができる。例えば、吸排水ポ
リマ3を約15g付着したベース布2を用いた場合、5
0〜100回の洗濯に耐えて繰り返し300〜400c
cの尿を吸水することができた。
【0021】また、ベース布2に多数のポリマ挿入孔を
設け、これらポリマ挿入孔に吸排水ポリマ3を入れて排
水ポリマ3の付着を行うようにすると、ポリマ挿入孔に
入った吸排水ポリマ3は吸水して膨潤した後、液体の保
持力がなくなったとき孔から出難くなるので、繰り返し
て使用することが可能である。また、ベース布2にポリ
マ挿入孔をほぼ均一に設けることで、吸排水ポリマをベ
ース布2にほぼ均一に付着させることができる。
【0022】また、吸排水ポリマ3を付着したベース布
2をスポンジ4で覆ったので、やわらかなものとなる。
すなわち、例えば、前記吸排水ポリマ3を付着した布全
体を、布等で包んでその上からキルティングすると、結
果として硬いものになってしまい、使用感が劣化する
が、スポンジ4で覆うことで、やわらかくすることがで
きる。
【0023】このように、本発明の吸収体1は、繰り返
して使用することができ、かつキルティングした布のよ
うに硬くなくやわらかい、布おむつ、生理用品等に最適
な吸水体である。
【0024】また、ベース布2には、図2に示すよう
に、貫通する移動防止用の孔11を1又は2以上設ける
ことが好ましい。この移動防止用の孔11は、スポンジ
4内でベース布2が滑ったり、移動するのを防止するも
ので、例えば吸収体1を人体に装着したとき、移動しや
すい個所に設けることが好ましい。具体的には例えば、
吸収体1をおむつとして使用する場合、スポンジ4で覆
ったベース布2を図2に示すように、細長のほぼ楕円形
状に近い形状に形成し、両側部の中央部を内側に向って
アール状にカットした形状に形成したときのアール状に
カットしてなる2つの丸部(長て方向の両端部)の一方
の丸部2aの中央部に1個所、及び他方の丸部2bの2
個所にそれぞれ設けるようにする。なお、アール状にカ
ットした部分が股ぐり部となる。
【0025】移動防止用の孔11の形状は、図示例では
円形であるが、他の形状例えば四角形、多角形、楕円
形、星型等どのように形成してもよい。移動防止用の孔
11を円形に形成した場合の大きさは、直径5〜15m
mであることが好ましい。移動防止用の孔11の大きさ
が直径15mmを超えるとベース布の凹凸が大きくな
り、触感が低下するので好ましくない。
【0026】このように、ベース布2に移動防止用の孔
11を設けることにより、例えばスポンジ4を射出成形
してベース布2の外部を覆ったとき、スポンジ4の一部
が移動防止用の孔11に入り込んで、ベース布2とスポ
ンジ4が一体化するので、スポンジ4内でベース布2が
滑ったり、移動しなくなる。
【0027】また、スポンジ4のベース布2の吸排水ポ
リマ3を付着した面に、表地5を設けると共に、その反
対側の面に裏地6を設けるようにしてもよく、このよう
にすれば布製のおむつ等としてそのまま利用することが
可能となる。
【0028】表地5は、例えば尿等の液体を通す透水層
である。表地5は、通水性がよいと共に肌ざわりがよ
く、しかも乾燥しやすい布製のものが使用され、好まし
くは、肌ざわりは綿そのもののように柔らかく、かぶれ
にくい不織布がよく、具体的には、綿とポリエステルの
混紡等が使用される。表地5は、スポンジ4全体を覆う
ように設けてもよいし、吸排水ポリマ3を付着した面に
のみに設けるようにしてもよい。なお前述したようにス
ポンジ4のままで、表地5を設けなくても良いことは言
うまでもない。裏地6は、例えば尿等の液体を通さない
不透水性の防水層である。裏地6は、布製のものが使用
され、例えばポリエステル100%の生地にポリウレタ
ンフィルムやPVC(ポリ塩化ビニル)フィルムが圧着
されたもの等が使用される。
【0029】この吸収体1を製造する工程の一例を説明
すると、図4に示すように、まず、ベース布2に吸排水
ポリマ3を塗布した後、所定の形状にベース布2を形成
する(打ち抜く)。所定の形状のベース布2にスポンジ
4を射出成形して覆う。そして、このスポンジ4の表面
に表地5を縫製により接合してから裏地6を縫製により
接合して吸収体1を製造する。
【0030】次に、この吸収体1を処理したい個所に装
着する。勿論、表地5をその個所に接触させるようにす
る。その個所に液体があると、液体は表地5にしみこ
み、表地5及びスポンジ4を通ってベース布2及び吸排
水ポリマ3に吸収されて保持される。このように、液体
が表地5を通ってベース布2及び吸排水ポリマ3に保持
されていても、表地5として綿とポリエステルの混紡が
使用されていると、表地5は、肌ざわりがよく、例えば
肌に接触していても不快感は感じない。
【0031】そして、この液体を保持した吸収体1を、
例えば、水につけて所定時間放置した後に軽く絞ってか
ら洗濯機等で洗浄するか、または、温水洗濯により洗浄
する。洗浄後、ホットプレスや温風乾燥等により、吸収
体1を吸排水ポリマ3の臨界温度を超える温度以上に加
温する。この加温により、吸排水ポリマ3の吸収力及び
液体の保持力がなくなり、保持していた液体が表地5を
通って吸収体1の外部に排出可能になる。このため、表
地5を重力方向下方に向けて加温を行えば、ベース布2
及び吸排水ポリマ3の液体は表地5を通って吸収体1の
外部に排出され、吸収体1の再利用が可能となる。ま
た、吸排水ポリマ3を付着したベース布2がスポンジ4
で覆われているので、吸収体1を何回か洗濯したとき、
万一吸排水ポリマ3のバインダの効果が低下して、吸排
水ポリマ3がベース布2から剥れたとしても、スポンジ
4にさえぎられて、吸排水ポリマ3がスポンジ4より外
部には流出せず、繰り返し使用することができる。例え
ば、吸排水ポリマ3を約15g塗布したベース布2を用
いた場合、50〜100回の洗濯に耐えて繰り返し30
0〜400ccの尿を吸水することができた。
【0032】また、吸排水ポリマ3を塗布したベース布
2をスポンジ4で覆ったので、やわらかな状態を維持で
きるる。すなわち、例えば、前記吸排水ポリマ3を付着
した布全体を、布等で包んでその上からキルティングす
ると、結果として硬いものになってしまい、表地5を介
しても使用感が劣化するが、スポンジ4で覆うことで、
やわらかい状態を維持することができる。
【0033】このように、50〜100回の洗濯に耐え
て繰り返し使用でき、かつキルティングした布のように
硬くなく、人間の体温付近では短時間で例えば300〜
400ccの尿を吸水し、吸水後も表面がベタつかず、
やわらかい、布おむつ用の吸水体1が得られる。
【0034】また、表地5として綿とポリエステルの混
紡を使用すると共に、裏地6としてポリエステル100
%の生地にポリウレタンフィルムが圧着されたものを使
用し、かつ、その表地5と裏地6との間に吸排水ポリマ
3を付着したベース布2をスポンジ4で覆ったものを設
けた吸収体1は、その厚さを、例えば表地が0.7mm
程度、裏地が0.3mm程度、ベース布が1.0〜1.
5mm、スポンジが0.7mm〜1.0mm×2枚で、
合計3.4mm〜4.5mm程度の厚さとすることがで
きる。この厚さは、市販されている使い捨て生理用品や
紙おむつ等とほぼ同じ薄さであり、使い捨て生理用品や
紙おむつとほぼ同じ吸収力にでき、生理用品や紙おむつ
等として充分にそのまま利用することができる。
【0035】したがって、本発明の吸収体1は、ベース
布2及び吸排水ポリマ3に液体が保持されていても、肌
ざわりがよく、不快感はないと共に、繰り返して使用で
きるので、おむつとして最適である。また、本発明の吸
収体1は、液体を吸収して保持するので、女性の生理対
策用のパッドやパット以外の生理用品としても利用する
ことができる。これにより、本発明の吸収体1をおむ
つ、使い捨てのパッドや生理用品として利用すれば、ご
み問題、森林伐採による環境破壊の問題もないので、地
球に優しいものとなる。
【0036】また、本発明の吸収体1が布製であるた
め、おむつカバーにも利用することができ、おむつから
尿が漏れたとしてもある程度はおむつカバーでも吸収す
ることが可能となり、一層失禁対策を図れる。また、本
発明の吸収体1は、尿取りパッドとしても利用すること
ができ、例えば、下着の中やおむつの中に入れれば、よ
り一層の失禁対策を図れる。また、本発明の吸収体1
は、液体を吸収して保持するので、シーツ例えば介護用
シーツの素材として使用することができる。
【0037】このように、本発明の吸収体1は、主とし
て軽失禁及び中失禁のある者、並びに女性の生理用とし
て使い捨ての紙製ではなく、洗濯をすることによって、
繰り返して使用することが可能な、おむつ、おむつカバ
ー、尿取りパッド、女性の生理用品、及びシーツに適用
することができ、工業的価値が高いものである。
【0038】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、繰り返し
て使用可能な吸収体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収体の第1の例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のベース布の他の例を示す図で、その
(a)は断面図、(b)は(a)中のD−D線矢視断面
図である。
【図3】本発明のベース布に吸排水ポリマをコーティン
グする工程を示す図である。
【図4】図1に示されている本発明の第1の吸収体を製
造する工程を示す図である。
【図5】本発明の吸排水ポリマの感温と吸水特性との関
係を示す図である。
【図6】本発明の吸排水ポリマの吸水速度を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 吸収体 2 ベース布 2a 丸部 2b 丸部 3 吸排水ポリマ 4 スポンジ 5 表地 6 裏地 7 樹脂塗布装置 8 散布装置 9 乾燥機 10 ローラ 11 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/534 (72)発明者 田中 暎子 奈良県生駒市西松ヶ丘15−65 (72)発明者 小林 美幸 東京都港区芝浦1丁目2番1号 日海エヌ エス株式会社内 (72)発明者 望月 研一 東京都港区芝浦1丁目2番1号 日海エヌ エス株式会社内 Fターム(参考) 3B029 BA01 BA04 BA11 BA18 4C003 AA21 4C098 AA09 CC03 DD05 DD06 DD12 DD13 DD23 DD26 DD27 DD28 DD29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吸収して保持するベース布の少な
    くとも一方の面に、人の体温より高い温度が臨界温度で
    あり、その臨界温度までは液体を吸収して保持すると共
    に、臨界温度を超えると吸収力及び液体の保持力がなく
    なる吸排水ポリマを付着し、該吸排水ポリマを付着した
    ベース布の外側全体をスポンジで覆ったことを特徴とす
    る吸収体。
  2. 【請求項2】 前記吸排水ポリマを付着したベース布の
    一方の面側のスポンジの表面に、透水性の表地を設ける
    と共に、他方の表面に、防水性の裏地を設けた請求項1
    に記載の吸収体。
  3. 【請求項3】 前記ベース布に、前記スポンジの一部が
    入り込んでスポンジ内でのベース布の移動を防止する移
    動防止用の孔を1又は2以上穿設した請求項1又は2に
    記載の吸収体。
  4. 【請求項4】 前記吸排水ポリマの付着が、前記吸排水
    ポリマが入る孔であって、入った吸排水ポリマが吸水し
    て膨潤した後、液体の保持力がなくなったとき孔から出
    難い大きさに形成されているポリマ挿入孔を前記ベース
    布に多数設け、これらポリマ挿入孔に吸排水ポリマを入
    れて行われる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の吸
    収体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010187822A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Daiwa:Kk 医療用又は介護用シート
JP2020506020A (ja) * 2016-12-13 2020-02-27 劉万祥 充填物が内包された基材を製造する方法、機器及びその方法により製造された基材

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