JP2001321397A - 積層材の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層材の製造方法において、ウェブの流れ方
向に連続した折りを作る。 【解決手段】 一対のウェブ１２，Ｂを移送しながら互
いに重ね合わせて積層材を得る積層材の製造方法に関す
る。第１のウェブ１２の幅方向に長い凸部および凹部を
繰り返し有する回転体の表面に沿って第１のウェブ１２
を移送しながら、第１のウェブ１２を該ウェブ１２の送
り方向に沿って波を打たせた波形形状に形成する工程
と、第１のウェブ１２に、平坦な第２のウェブＢを重ね
ると共に、第１のウェブ１２における波形形状の凸面に
おいて第２のウェブＢを接着する工程とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨て着用物品
や建材などの積層材の製造方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ナプキン、紙おむつ又は失禁パッドなど
の使い捨て着用物品においては、製品の表面を波状にし
て、表面積を増加させ、吸収能力を向上させたり、ある
いは、肌へのソフトな接触を実現させたりしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特許第２，８５１，７
８４号には、物品を物品の長手方向に直角に折り畳む方
法が開示されている。しかし、この従来技術は、物品を
個々に分割した後に、物品を折り畳む。したがって、連
続した波形を形成することはできない。

【０００４】ここで、図６（ａ）に示すように、上下一
対のニップロール１０１，１０２を設け、上ニップロー
ル１０１の周速を下ニップロール１０２よりも若干小さ
くして、上下のロール１０１，１０２間でスリップさせ
ることにより、図６（ｂ）に示すような波形を持つ物品
１００が得られる。しかし、この方法では基材ウェブ１
０３，１０４が破損したり、あるいは、上下のロールが
摩耗するので、実用化されていない。

【０００５】したがって、本発明の目的は、積層材の製
造方法において、ウェブの流れ方向に連続した折りを作
ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、一対のウェブを移送しながら互いに重ね
合わせて積層材を得る積層材の製造方法であって、第１
のウェブの幅方向に長い凸部および凹部を繰り返し有す
る回転体の表面に沿って前記第１のウェブを移送しなが
ら、前記第１のウェブを該ウェブの送り方向に沿って波
を打たせた波形形状に形成する工程と、前記第１のウェ
ブに、平坦な第２のウェブを重ねると共に、前記第１の
ウェブにおける波形形状の凸面において前記第２のウェ
ブを接着する工程とを備えている。なお、本発明におい
て、「ウェブ」とは、織布や不織布以外に、綿状に堆積
した吸液層や吸音層などの層状や膜状のシート状物が含
まれる。

【０００７】本発明によれば、第１のウェブの長手方向
に沿って、該第１のウェブの表面側および裏面側が、長
手方向の略全域にわたって波状にうねった波形に形成さ
れる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。まず、本発明の製造方法の説明に
先立って、本製造方法により得られる物品の一例につい
て説明する。

【０００９】図１においては、使い捨て着用物品の一例
として生理用のナプキンを示す。図１（ａ）の縦断面図
において、透液性のトップシートＴと、不透液性のバッ
クシートＢとの間には、コアＣが介挿してある。図１
（ｃ）に示すように、前記コアＣは、たとえば袋帯状の
キャリアシートＣｓに包まれている。なお、キャリアシ
ートＣｓとしては、一般に、ティッシュのような薄い紙
を用いるが、不織布を用いることもできる。

【００１０】コアＣは、パルプを解繊機（紛砕機）で繊
維状に解繊（紛砕）したフラッフパルプや、該フラッフ
パルプに高吸水性ポリマー粒子（高分子吸収体）を混入
したものを綿状に堆積させてなり、吸液性を有する。図
１（ａ），（ｂ）に示すように、前記コアＣ、キャリア
シートＣｓおよびトップシートＴは、表面側および裏面
側が、ナプキンＮの長手方向Ｌの略全域にわたって波状
にうねった波形に形成されている。

【００１１】前記コアＣの裏面側には、キャリアシート
Ｃｓを介して、略平坦なバックシートＢが波形の凸面Ｃ
ａにおいて、接着されている。これにより、コアＣの波
形形状が保形されている。なお、バックシートＢとトッ
プシートＴとは、図１（ｂ）に示すように、ラウンドシ
ール部Ｒｓにおいて、全周にわたって互いに接着されて
いる。

【００１２】つぎに、前記ナプキンＮの製造方法の一例
について説明する。図２において、パターンドラム２４
には、その外周にメッシュ状のパンチングプレートが所
定のパターンで形成されており、図示しないバキューム
ファンによって前記パターンの部分が内側に向って吸引
されている。一方、ロールパルプ２１から原料パルプを
巻出しつつ、解繊機２２によって前記原料パルプを解繊
し、解繊したフラッフパルプを前記パターンドラム２４
上に向って吹き付けると共に該パターンドラム２４内を
負圧吸引して、図３（ａ）の吸収体１０を得る。なお、
必要に応じて、前記フラッフパルプに図２の樹脂粉末供
給部２３から高吸水性ポリマー粒子を混合して供給す
る。

【００１３】一方、キャリアシートＣｓがキャリアロー
ル２０から巻き出され、このキャリアシートＣｓ上に前
記吸収体１０が積層される。つづいて、Ｃホールド機２
６により、前記吸収体１０の両端部をキャリアシートＣ
ｓで巻き込むようにして図３（ｂ）の第１積層体１１を
得る。

【００１４】一方、図２のトップシートＴがトップシー
トロール２５から巻き出され、塗布機２９によって接着
剤が前記トップシートＴに間欠的に塗布される。前記ト
ップシートＴと前記第１積層体１１とは積層機３０にお
いて積層され、図３（ｃ）の第２積層体１２が得られ
る。

【００１５】前記第２積層体１２は、次に説明する成形
機４０に供給される。成形機４０は、異形コンベヤ（回
転体）４１、異形ロール（駆動体）４２および平ベルト
コンベヤ４６を備えている。

【００１６】前記異形コンベヤ４１は、スラット付のチ
ェーンコンベヤに羽根板４３が等ピッチで取り付けられ
ており、曲線部分４１ｃにおいて羽根板４３の先端の間
隔が拡がり、直線部分４１ｓにおいて等間隔になって縮
む。前記異形コンベヤ４１は、前記各羽根板４３，４３
の間の空間が凹部４４を形成している。なお、羽根板４
３は、第２積層体１２の移送方向（長手方向）に直交す
る幅方向に長く形成されている。

【００１７】前記異形ロール４２は、前記幅方向に長い
複数個の凸部（駆動凸部）４５を備えている。該凸部４
５は、前記異形ロール４２が異形コンベヤ４１に同期し
て回転することにより、所定のサイクルで前記凹部４４
に進入し、かつ、前記凹部４４から退避する。

【００１８】前記第２積層体１２は、前記異形コンベヤ
４１の曲線部分４１ｃにおいて供給され、該曲線部分４
１ｃから直線部分４１ｓに沿って移送される。前記第２
積層体１２は曲線部分４１ｃから直線部分４１ｓに移送
される間に、羽根板４３，４３の先端の間隔が狭くなる
と伴に、波形の形状を有する図３（ｄ）の第３積層体１
３となる。図２の前記異形ロール４２は前記異形コンベ
ヤ４１に同期して回転することで、前記凸部４５が凹部
４４に所定のサイクルで進入して前記第３積層体１３の
波形の形状を均一化する。

【００１９】他方、図２のバックシートＢがバックシー
トロール５０から巻き出され、塗布機５１によって接着
剤がバックシートＢに間欠的に塗布され、平ベルトコン
ベヤ４６と異形コンベヤ４１の直線部分４１ｓとの間に
おいて、図３（ｅ）の波形の凸面ＣａとバックシートＢ
とが接着され、該バックシートＢが前記第３積層体１３
に積層される。これにより、図３（ｅ）の第４積層体１
４が得られる。

【００２０】得られた第４積層体１４は、図２のサイド
ガイド６０により周縁部を寝かせた状態とし、その後、
ヒートシール機２７に供給され、トップシートＴおよび
コアＣの外周囲がヒートシールされ、更に、周知のラウ
ンドカッタ２８に供給され、図１（ａ）のラウンドシー
ル部Ｒｓにおいてトリミングされる。その後、常法にし
たがって、図示しない包装紙ロールから剥離紙兼用の包
装紙を載せ、ナプキン本体と一緒に折り畳む。なお、周
知のように、バックシートＢの上面にズレ止めテープな
どを設けたり、ギャザーを形成するなどしてもよい。

【００２１】このようにして形成された図１のナプキン
は、単位面積当たりの重量つまり坪量が大きくなる。ま
た、本物品は紙おむつや失禁パッドにも適用できるが、
こうした物品においては、体液や固形排出物が長手方向
に移動するのを防止できる。しかも、人体との接触が線
接触に近いので、局部周辺の汚れが少なくなる。

【００２２】つぎに、前記成形機４０の他の例について
説明する。図４において、駆動体４２Ａは、一定の周期
で上下動する駆動凸部４５Ａを備えている。該駆動凸部
４５Ａは異形コンベヤ４１に同期して、上下動すること
により、凹部４４に進入して第２積層体１２に波形の形
状を与える。この駆動凸部４５Ａの進入量を制御するこ
とで、波の振幅を調整することができる。

【００２３】図５の成形機４０は、第１成形ロール（回
転体）４１Ｂ、第２成形ロール（駆動体）４２Ｂおよび
ヒータロール４６Ｂを備えている。前記第１および第２
成形ロール４１Ｂ，４２Ｂは、それぞれ、第２積層体１
２の幅方向に長い凸部４７と凹部４８とを備えた歯車状
に形成されており、第２積層体１２に波形の形状を付与
する。前記ヒータロール４６Ｂは断熱性を有する基材４
６ａに所定の角ピッチでヒータ４６ｂが埋設されてい
る。前記ヒータ４６ｂは、前記第１成形ロール４１Ｂお
よびヒータロール４６Ｂが互いに同期して回転すること
により、第２積層体１２を介して第１成形ロール４１Ｂ
の凸部４７の突出面に押し付けられる。これにより、第
２積層体１２の波形の凸面がバックシートＢに接着（ヒ
ートシール）される。なお、第１成形ロール４１Ｂおよ
びヒータロール４６Ｂの回転数を制御することにより、
波のピッチを調整することもできる。

【００２４】以上のとおり、図面を参照しながら好適な
実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見
て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定す
るであろう。たとえば、本製造方法は、使い捨て着用物
品以外に、建材の製造方法についても適用することがで
きる。建材としては、前記吸液性のフラッフパルプに代
えてグラスウールのような吸音性や断熱性を有する素材
を第１のウェブとして波形に成形する。この製造方法に
より作られた建材は、マット層の坪量（単位面積当たり
の重量）を自在に制御できるので、吸音性や断熱性が向
上する。したがって、そのような変更および修正は、請
求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈され
る。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
積層材の製造方法において、ウェブに連続した波形の折
りを形成することができる。

【００２６】また、請求項３の発明によれば、進退する
駆動凸部の進入量を制御することにより、波の振幅を調
整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の製造方法により得られる物品の一例を
示す縦断面図、平面図および横断面図である。

【図２】本製造方法を実現するための製造設備を示す概
略構成図である。

【図３】積層体の製造工程を示す図である。

【図４】成形機の他の例を示す概略構成図である。

【図５】成形機の更に他の例を示す概略構成図である。

【図６】従来の製造方法を示す概略構成図および積層材
の斜視図である。

【符号の説明】

１２：第２積層体 Ｂ：バックシート ４０：成形機 ４１：異形ロール ４２：異形ロール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ３２Ｂ 3/28 Ａ６１Ｆ 13/18 ３１０Ｚ 31/08 ３６０ // Ａ６１Ｆ 5/44 Ｆターム(参考） 3B029 BA02 BA03 BA05 BF03 4C003 AA02 BA03 GA02 GA03 GA05 4C098 AA09 CC14 CE06 4F100 AG00 AT00B BA02 DD11 DD11A DG06A DG06B DG10A DG10B EK01 EK03 EK04 GB07 GB72

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対のウェブを移送しながら互いに重ね
   合わせて積層材を得る積層材の製造方法であって、 第１のウェブの幅方向に長い凸部および凹部を繰り返し
   有する回転体の表面に沿って前記第１のウェブを移送し
   ながら、前記第１のウェブを該ウェブの送り方向に沿っ
   て波を打たせた波形形状に形成する工程と、 前記第１のウェブに、平坦な第２のウェブを重ねると共
   に、前記第１のウェブにおける波形形状の凸面において
   前記第２のウェブを接着する工程とを備えた積層材の製
   造方法。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記第１のウェブがキャリアシート内にコアを収容して
   なる積層材の製造方法。
3. 【請求項３】 請求項１もしくは２において、 前記回転体の回転に同期して駆動する駆動体を設け、該
   駆動体はウェブの幅方向に長い駆動凸部を有し、該駆動
   凸部が所定のサイクルで前記回転体の前記凹部に進入
   し、かつ、前記凹部から退避することで、前記波形形状
   が形成されるようにした積層材の製造方法。