JP2001277394A

JP2001277394A - 粉体充填シートの製造方法

Info

Publication number: JP2001277394A
Application number: JP2000092210A
Authority: JP
Inventors: Yoichi Suzuki; 陽一鈴木; Kazuhiro Inaba; 一浩稲葉; Eiichi Hoshino; 栄一星野
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2000-03-29
Filing date: 2000-03-29
Publication date: 2001-10-09

Abstract

(57)【要約】【課題】剥離しづらく、製造後に所望の形状に裁断し
た場合にもその裁断端部から粉体が出てくる量を極力抑
えることができ、しかも２種類以上の粉体を充填しても
その個々の機能を損なうことがない粉体充填シートを提
供すること。【解決手段】通気性を有する第１のシート２と、第１
のシート２上の多数箇所に非連続に分配された２種類以
上の粉体３と、粉体を覆うように第１のシート２上に積
層された第２のシート４とを備えている。両シート２，
４は分配された粉体３をそれぞれ囲繞するように接合さ
れて１種類の粉体３を含む多数のセルＳが形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、除湿剤、又は消臭
剤等の機能性を有する粉体を充填した粉体充填シートの
製造方法及びその粉体充填シートに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】粉体充
填シートに関する従来技術としては、例えば、実開昭５
７−１０１７７９号公報に記載の技術に用いられている
積層シートが知られている。ところで、この種の積層シ
ートでは、脱臭吸湿性粉体を単に積層シートで挟持した
構成であるため、吸湿性粉体として、例えば吸水ポリマ
ーを使用した場合には、吸湿した粉体の膨潤により、シ
ートが剥離しやすくなる問題があった。また、製造後に
裁断の必要が生じた場合には、粉体が切断端部から外部
に出てきて取扱い辛くなる場合があった。さらに、この
種の積層シートでは、異なる機能を有する２種以上の粉
体を混合して積層シート上に単に散布して積層している
ため、例えば、除湿脱臭機能を有する積層シートの除湿
性粉体として吸水性ポリマーの粉体を使用した場合に
は、ポリマーのゲルブロッキングにより、臭気或いは臭
いのある液が脱臭性粉体に届かなくなり、脱臭性能が急
速に低下するといったように、使用する粉体によって
は、相互の機能が損なわれる問題があった。

【０００３】従って、本発明は、剥離しづらく、製造後
に所望の形状に裁断した場合にもその裁断端部から出て
くる粉体の量を極力抑えることができる粉体充填シート
の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、剥離しづらく、製造後に所望の形状に裁断した場合
にもその裁断端部から出てくる粉体の量を極力抑えるこ
とができ、しかも２種以上の粉体を充填してもその個々
の機能を損なうことがない粉体充填シートを提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、通気性を有す
る第１のシートの多数箇所において粉体を吸引して該粉
体を該第１のシート上に分配し、多数箇所に分配した該
粉体を覆うように該第１のシートの上に第２のシートを
積層してこれら両シートを該粉体をそれぞれ囲繞するよ
うに接合し、該粉体を含む多数のセルを形成する粉体充
填シートの製造方法を提供することにより上記目的を達
成したものである。

【０００５】また、本発明は、通気性を有する第１のシ
ートと、該第１のシート上の多数箇所に分配された２種
類以上の粉体と、該粉体を覆うように該第１のシート上
に積層された第２のシートとを備え、多数箇所に分配さ
れた前記粉体をそれぞれ囲繞するように前記両シートが
接合されて各々に１種類の粉体を含む多数のセルが形成
されてなる粉体充填シートを提供することにより上記目
的を達成したものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下本発明の粉体充填シートを、
その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明
する。図１は本発明の粉体充填シートの一実施形態を示
したものである。同図において、符合１は粉体充填シー
トを示している。

【０００７】同図に示すように、粉体充填シート１は、
通気性を有する第１のシート２と、第１のシート２上の
多数箇所に分配された２種類以上の粉体３、３’と、こ
れらの粉体を覆うように第１のシート上に積層された第
２のシート４とを備えている。そして、これら両シート
２，４が粉体を囲繞するように接合されて粉体３，３’
のみをそれぞれ含む多数のセルＳが形成されている。

【０００８】通気性を有する上記第１のシートは、繊維
ウェブで構成することが好ましく、繊維ウェブを構成す
る繊維としては、例えば、木材パルプや綿パルプ等の天
然セルロース、レーヨンやキュプラ等の再生セルロース
等のセルロース系繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチ
レン繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリルニトリル繊
維等の熱可塑性繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ
ウレタン繊維等のフィラメントやステープルファイバー
等を用いることができる。製造工程・製造コストの観点
からは、木材パルプが好ましく用いられる。繊維ウェブ
を構成する繊維としてセルロース系繊維を用いる場合
に、紙力増強を目的として、ポリアクリルアミド、澱
粉、ポリビニルアルコール、植物ガム、カルボキシメチ
ルセルロース等の乾燥紙力増強剤、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化樹
脂、カチオン性ポリアクリルアミド等の湿潤紙力増強剤
を用いることが好ましく、さらに熱溶融性繊維及びバイ
ンダーを用いることもできる。斯かる紙力増強剤・熱溶
融性繊維又はバインダーを用いることにより、繊維ウェ
ブの乾燥・湿潤の紙力強度を高めることができる。熱溶
融性接着繊維及びバインダーの場合は、繊維ウェブの
０．１〜５０重量％、特に５〜３０重量％用いることが
好ましい。紙力増強剤又はバインダーは、例えば、第１
のシートの加湿時に散布する水に含ませたり、シートの
製造原料に含ませることで配合することができる。熱溶
融性接着繊維は、例えば、粉体充填時又は粉体充填後に
シート状に散布したり、シートの製造原料に含ませるこ
とで配合することができる。また、上記第１のシート
は、不織布、織布、ネット又は通気性フィルムで構成す
ることもできる。

【０００９】紙力増強剤、熱溶融繊維又はバインダーの
配合時点は、特に制限されるものではないが、例えば、
第１のシートに乾燥したセルロース繊維シートを用い、
これに後述のように負圧吸引によりポケットを形成する
場合には、ポケットの形成を容易にする上で第１のシー
トは紙力増強剤、熱溶融繊維又はバインダーを配合しな
いようにすることが好ましい。ポケットの形成前に第１
のシートに紙力増強剤、熱溶融性繊維又はバインダーが
シートに事前に配合されて乾燥された場合には、紙力増
強剤、溶融性繊維又はバインダーの効果が発現され、シ
ートの湿潤では負圧吸引によってもシートに明瞭なセル
ポケットが形成し辛くなるためである。第１のシートを
湿潤状態で供給する場合には、予めこれらの紙力増強
剤、熱溶融性繊維又はバインダーを抄紙原料に配合する
こともできる。

【００１０】第１のシートには、粉体のすり抜け防止と
第２のシートとの接合強度維持の点において、その秤量
が１０ｇ／ｃｍ²以上ものを用いることが好ましい。ま
た、第１のシートには、粉体の吸引分配散布性及び粉体
すり抜け防止の点において、通気度が０．１〜２０秒
（３００ｍｌ・３２枚）のものを用いることが好まし
い。

【００１１】上記第２のシートは、上記第１のシートと
同じ構成とすることができる。また、その他に、熱可塑
性樹脂からなる不織布、クレープシート、通気性を有し
ないシートで構成することもできる。斯かる通気性を有
しないシートの構成材料には、ナイロン、ポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン等の
樹脂からなる樹脂フィルム若しくはこれらの樹脂から二
種以上組み合わせた複合物からなる樹脂フィルム、又は
これらの該樹脂フィルムと通気性のあるシートを貼り合
わせた複合シートであってもよい。第２のシートへの紙
力増強剤、熱溶融性繊維又はバインダーの配合及びその
配合時点も第１のシートと同様にすることができる。

【００１２】上記第１のシートに分配する粉体は、吸引
により当該粉体がシートを通り抜けたり、吸引の目詰ま
りを起こさないようにし、また、吸引により分配する上
で、平均粒径が１０〜５０００μｍのものを用いる。

【００１３】上記第１のシートに分配する粉体として
は、除湿剤、消臭剤等の粉体が挙げられ、例えば、本発
明の粉体充填シートを除湿脱臭シートに適用する場合に
は、上記粉体は、除湿剤及び脱臭剤を組み合わせて用い
る。

【００１４】上記除湿剤は、特に限定されるものではな
いが、吸水性ポリマー、シリカゲル、塩化カルシウム、
ゼオライト、モレキュラーシーブ、活性白土等を用いる
ことができる。吸水性ポリマーには、デンプン−アクリ
ル酸共重合体、架橋ポリアクリル酸塩、ビニルエステル
と不飽和カルボン酸との共重合体、イソブチレン−無水
マレイン酸共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重
合体架橋物、その加水分解物、架橋カルボキシメチル誘
導体、架橋ポリエチレンオキシド誘導体、ポリアクリル
アミドの部分加水分解物、架橋ポリビニルアルコール等
を用いることができる。これらの吸水性ポリマーは、粉
粒状、顆粒状、造粒状、鱗片状、塊状、ビーズ状、繊維
状等の形状うち任意の形状のものを用いることができる
が、取り扱い性や吸引分配性等の点から粉粒状のものを
用いることが好ましい。

【００１５】上記消臭剤は、特に限定されるものではな
いが、取り扱い性、製造コストの点から活性炭を用いる
ことが好ましい。

【００１６】上記第１、第２のシートの接合方法として
は、上述の天然セルロース系繊維からなる繊維ウェブを
用いる場合には、これらのシートの少なくとも一方を湿
潤状態にして圧着・乾燥させ、水素結合により接合する
方法が、製造工程、製造コストの点から好ましい。ま
た、第１のシートと第２のシートの接着力をより向上さ
せる目的や、水素結合による接着力が得られ難い材料と
の接合を行う目的において、これらのシートの少なくと
も一方に接着剤層を形成するか、或いは散布する粉体中
に接着性物質を混合させ、当該接着剤の接着力により接
合する方法を用いることもできる。

【００１７】接合により形成される接合部の線幅Ｗ（図
１参照）は、十分な接合強度と粉体分配性（個々のセル
内にきれいに分配散布されること）を得る上で、０．２
〜１０ｍｍとすることが好ましい。また、接合により形
成される各セルは、囲繞された粉体のセル内における偏
りを防止する点から、水平断面積Ａ（図１参照）は１０
ｃｍ²以下とすることが好ましい。

【００１８】各セルの水平断面の形態は、円形、多角形
いずれの形態でもよく、また、セルの断面形態は統一し
たものでもよく、異なる形態のものを組み合わせたもの
でもよい。さらに、一つ又は複数のセルにより、特定の
パターン模様や、キャラクター図柄などを表現すること
もできる。

【００１９】本発明の粉体充填シートの使用形態は、充
填する粉体の機能により適宜選択することができるが、
例えば、除湿性の粉体及び消臭性の粉体を充填した場合
には、スーツ、コート等の衣類のカバー、靴、鞄等の革
製品の保管袋、ふとん、枕等の寝具の保管袋等に当該粉
体充填シートを収容等する形態が特に好ましい。

【００２０】次に、本発明の粉体充填シートの製造方法
を、その好ましい実施形態としての上記粉体充填シート
の製造方法に基づき図面を参照しながら説明する。図２
は、上記粉体充填シートの製造方法に用いる製造装置に
よる製造プロセスを示した概略図である。同図におい
て、符合１０は製造装置を示している。

【００２１】同図に示すように、製造装置１０は、乾燥
状態の第１のシート２のロール２０を回転自在に支持す
る支持軸１１と、繰り出された第１のシートを水平状態
に維持しながら移送するコンベア１２と、コンベア１２
上で移送されている第１のシート１に２種類の粉体をそ
れぞれ供給する粉体供給ホッパ１３，１３’と、第２の
シート４のロール４０を回転自在に支持する支持軸１４
と、第１、第２のシート２，４を圧着させて接合する押
圧ローラ１５と、粉体充填シートを巻き取る巻き取り軸
１６と、第１、第２のシート２，４を湿潤状態とする散
水機１７と、接合後の粉体充填シートを乾燥させる乾燥
機１８とを備えている。なお、押圧ローラ１５と乾燥機
１８は一体になったものでもよい。

【００２２】コンベア１２は、ベルト１２０と、ベルト
１２０を回転駆動させる一対のローラ１２１，１２２
と、ベルト１２０を介して第１のシート２及び粉体を吸
引する負圧吸引機１２３とを備えている。ベルト１２０
は、形成するセルＳの水平断面形態に対応した形態の吸
気口１２０ａを多数備えている。粉体供給ホッパ１３、
１３’は、充填する粉体の種類の数に応じて分割されて
いる（図３参照）。負圧吸引機１２３は、固定式の吸引
ボックスであってもよく、サクションロールを吸引ポン
プ若しくはファンで吸引する方式のものであってもよ
い。なお、粉体供給ホッパ１３，１３’には粉体の供給
を間欠的に行う場合には、例えばその出口部に開閉シャ
ッタ（図示せず）を付設し、当該シャッタの開閉のタイ
ミングとコンベア１２によるシートの間欠搬送のタイミ
ングとを同期させるようにする。

【００２３】ベルト１２０は、シートにポケットを形成
できるものであれば特に制限されるものではないが、例
えば、３０メッシュ（ＪＩＳＬ０２０８以下同じ）以
下の細かいネットの上に感光性樹脂等を用いてポケット
形状を付与するとともに通気孔を設けて通気性を付与し
たものを用いることができる。また、１．５重織り、２
重織り、２．５重織り、３重織り等の重ね織りのネット
を裏返して用いることもできる。開口が１ｍｍ×１ｍｍ
以上の大きなポケット形状を得るためのネットを用いる
場合には、第１のシートの破れを防止する上で、ネット
の下に３０メッシュより細かいネットを更に配設したも
のを用いることが好ましい。

【００２４】斯かる装置１０において、まず、第１、第
２のシートのロール２０，４０を支持軸１１，１４に、
２種類の粉体を粉体供給ホッパ１３，１３’それぞれに
セットし、各シートの接合したものを巻き取り軸１６に
巻回可能にセットする。次に、コンベア１２を巻き取り
軸１６と同期作動させとともに、散水機１７、乾燥機１
８を作動させ、さらに、粉体供給ホッパ１３、１３’か
らの所定量の粉体の供給を開始する。ここでは、粉体の
供給は、連続的に行うが、粉体の分配形態をシートの搬
送方向に順次変化させたい場合（図４参照）等には、間
欠的に行う。

【００２５】ロール２０から供給された第１のシート
は、散水機１７によって加湿された後、負圧吸引機１２
３によって吸引され、ベルト１２０の吸気口１２０ａの
形状に対応した断面形状を有するポケットＰが形成され
る。第１のシートの紙力を向上させる場合には、散水機
１７の加湿に用いる水に上記紙力増強剤又はバインダー
を含ませる。

【００２６】これにより、図２に示すように、まず、湿
潤状態で連続的に供給される第１のシート２がベルト１
２０を介して負圧吸引機１２３で吸引されてその表面に
ベルト１２０の吸気口１２０ａの形状に対応した断面形
状を有するポケットＰが形成される。そして、粉体供給
ホッパ１３，１３’から供給される粉体も負圧吸引機１
２３で吸引されて第１のシート２上の多数箇所に形成さ
れたポケットＰ内に分配される。

【００２７】分配された粉体は第２のシート４で覆われ
ると略同時に、押圧ローラ１５により第１のシート２と
第２のシート４とが分配された粉体をそれぞれ囲繞する
ように接合され、各粉体を含む多数のセルＳが形成され
る。

【００２８】そして、乾燥機１８で乾燥されて粉体充填
シートが連続的に巻き取りローラ１６で巻き取られる。

【００２９】以上説明したように、上記実施形態の粉体
充填シート１は、分配された粉体を囲繞するように第
１、第２のシート２，４が接合されているので、膨潤す
るような粉体を充填した場合にも各シートの剥離を確実
に防ぐことができる。また、製造後に所望の形状に裁断
する場合にも、両シートの接合箇所において裁断するこ
とができるので、その裁断端部から出てくる粉体の量を
極力抑えることができる。さらに、吸引により形成され
る個々のポケット内に１種類の粉体を分配するので、２
種以上の粉体を充填してもその個々の機能を損なうこと
がないほか、従来に比べ、より多くの量の粉体を充填す
ることができる。また、本実施形態の粉体充填シートの
製造方法によれば、上記粉体充填シート１を連続的に良
好に製造することができる。

【００３０】本発明は、上記実施形態に制限されない。
例えば、上記粉体充填シートの製造方法の実施形態で
は、２種類の粉体を第１のシート上に分配するようにし
たが、本発明は、１種類のみ又は３種類以上の粉体を分
配する実施形態を含むものである。

【００３１】また、多数種類の粉体の分配形態は、上記
実施の形態におけるようなシートの移送方向に沿った列
状の分配形態のほか、例えば、図４（ａ）に示したよう
に、移送方向に対して粉体の種類が異なるような分配形
態、あるいは同図４（ｂ）に示したような、粉体が種類
に応じて千鳥格子状となるような分配形態とすることが
できる。これらの分配形態とする場合には、同図に示し
たように２種類の粉体供給ホッパ１３，１３’を配置す
るとともに各粉体供給ホッパ１３，１３’の出口部に開
閉シャッタを付設し、さらにシートの移送を開閉シャッ
タの開閉タイミングと同期させて間欠的に行うことで所
望の分配形態とすることができる。

【００３２】また、本発明は、例えば図５に示す製造装
置１０においても製造することができる。なお、同図に
おいては図と共通する部分につては同一符号を付しその
説明は省略する。同図に示すように、製造装置１０は、
第１のシート２の進行方向に対して供給ホッパ１３，１
３’、同期駆動自在のコンベア１２、１２’をそれぞれ
配置したものである。この製造装置１０を用いることに
より、負圧吸引機１２３で所定間隔おきにシート２を負
圧吸引してベルト１２０上においてポケットＰを形成
し、このポケットＰに粉体３を充填した後に、さらに負
圧吸引機１２３’でシート２を負圧吸引してベルト１２
０’上において粉体３を充填したポケットＰの間に更に
ポケットＰ’を形成し、ポケットＰ’内に粉体３’を充
填することで、２種類の粉体をシート２の進行方向に交
互に吸引散布することができる。この場合、散布の間隔
（シートの進行方向の間隔）は狭くすることが好まし
い。さらに、供給ホッパ１３，１３’に隣合うようにシ
ート２の幅方向にも供給ホッパ（図示せず）を配置する
とともに、供給ホッパ１３に隣り合う供給ホッパに供給
ホッパ１３’に供給する粉体３’と同じ粉体を、また供
給ホッパ１３’に隣合うように配置した供給ホッパに供
給ホッパ１３に供給する粉体３と同じ粉体をそれぞれ供
給することで、２種類の粉体３，３’をシート２上に千
鳥格子状にパターン散布することもできる。

【００３３】また、本発明は、上記実施形態におけるよ
うに、押圧ローラによる圧着後、乾燥機１８で両シート
を乾燥してセルロース繊維の水素結合を発現させ、両シ
ートを接合させるようにしたが、本発明は、両シートの
接合方法として、接着剤、例えば、ホットメルト接着剤
を使用する場合には、押圧ローラにヒータを付設して当
該押圧ローラ周面へのシートの接触による熱伝導で接着
剤を溶融させて接合する実施形態、第２のシートを溶融
接着する実施形態も含むものである。

【００３４】また、上記実施形態では、第１、第２のシ
ートをいずれも散水機で加湿して湿潤状態として供給
し、接合後に乾燥させるようにしたが、本発明は、接合
方法、充填する粉体の種類に応じて、これらの一方又は
両方を湿潤状態とせずに供給する実施形態や乾燥工程を
省略する実施形態も含むものである。

【００３５】また、上記実施形態では、第１、第２のシ
ートとして、乾燥したシートをロールから供給して散水
機１７で加湿してポケットＰを形成するようにしたが、
本発明は、これらのシートとして、湿潤状態のシート
（例えば湿潤状態のセルロース繊維シート）をシート抄
造機から順次供給する方法も含むものである。この場合
には、ポケットを形成する場合に繊維が容易に移動でき
るので、特に、第１のシートの紙力を向上させる目的と
して、紙力増強剤、熱溶融性繊維又はバインダーを抄紙
原料に事前に配合することができる。さらなるシートの
紙力向上や両シートの接着性を向上させる目的で、その
後に散水機１７等からの紙力増強剤、熱溶融性繊維又は
バインダーをシートに付与することもできる。

【００３６】また、上記実施形態では、平滑なシートに
加湿した後に負圧吸引してポケットを形成し、粉体を充
填するようにしたが、本発明は、粉体充填用のシートの
ポケット形成方法として、パターンネット上で繊維を散
布してシートを製造しつつポケットを形成する方法を用
い、その後に粉体を充填する方法も含むものである。

【００３７】また、上記実施形態では、第１のシートに
予めポケットを形成した後に当該ポケットＰ内に粉体を
分配し、第２のシートと接合してセルを形成するように
したが、本発明は、例えば、図６（ａ）に示すように、
第１のシート２に粉体３を分配した後、同図（ｂ）に示
すように、第１のシート２と第２のシート４との接合と
併せてポケットを形成し、粉体を含むセルＳを多数形成
する実施形態も含むものである。

【００３８】

【発明の効果】本発明の粉体充填シートの製造方法によ
れば、剥離しづらく、製造後に所望の形状に裁断した場
合にもその裁断端部から出てくる粉体の量を極力抑える
ことができる粉体充填シートを良好に製造することがで
きる。また、２種類以上の粉体を充填する場合にも、各
セルに１種類の粉体を含むように第１のシート上に粉体
を分配することにより、その個々の機能を損なうことが
ない粉体充填シートを良好に製造することができる。さ
らに、本発明の粉体充填シートは、剥離しづらく、製造
後に所望の形状に裁断した場合にもその裁断端部から出
てくる粉体の量を極力抑えることができ、しかも２種類
以上の粉体を充填してもその個々の機能を損なうことが
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の粉体充填シートの一実施形態を示す図
であり、（ａ）は概略平面図、（ｂ）は要部概略縦断面
図である。

【図２】同実施形態の粉体充填シートの製造方法を説明
するための概略図である。

【図３】粉体の分配形態を説明するための要部概略平面
図である。

【図４】粉体の分配形態を説明するための要部概略平面
図であり、（ａ）はシートの移送方向に直交するように
２種類の粉体を分配する場合の概略平面図、（ｂ）は千
鳥格子となるように２種類の粉体を分配する場合の概略
平面図である。

【図５】本発明の粉体充填シートの製造方法を説明する
ための概略図である。

【図６】本発明の粉体充填シートの製造方法を説明する
ための概略図であり、（ａ）は粉体を散布した状体を示
す図、（ｂ）はシートを接合してセルを形成した状態を
示す図である。

【符号の説明】

１粉体充填シート２第１のシート３粉体４第２のシートＳセル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者星野栄一栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内Ｆターム(参考） 4F100 AA37 AJ04 AT00A AT00C BA03 BA06 BA10A BA10C CA30B DC21B DC28 DC28B DD20 DE01B DG01 DG02 EH132 EJ19 EJ192 EJ24 EJ86 GB90 JB20B JD02A JD04B JD15B JK06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】通気性を有する第１のシートの多数箇所
において粉体を吸引して該粉体を該第１のシート上に分
配し、多数箇所に分配した該粉体を覆うように該第１の
シートの上に第２のシートを積層してこれら両シートを
該粉体をそれぞれ囲繞するように接合し、該粉体を含む
多数のセルを形成する粉体充填シートの製造方法。
【請求項２】前記各セルに１種類の粉体を含むように
前記第１のシート上に２種類以上の粉体を分配すること
を特徴とする請求項１に記載の粉体充填シートの製造方
法。
【請求項３】通気性を有する第１のシートと、該第１
のシート上の多数箇所に分配された２種類以上の粉体
と、該粉体を覆うように該第１のシート上に積層された
第２のシートとを備え、多数箇所に分配された前記粉体
をそれぞれ囲繞するように前記両シートが接合されて各
々に１種類の粉体を含む多数のセルが形成されてなる粉
体充填シート。