JP2001309968A - 消臭シート - Google Patents
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Abstract
強度を有し且つ活性炭の脱落がない消臭シート及びその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 同一の又は異なる2枚のパルプシート
7,8間に、消臭剤を含有する消臭剤含有シート6を介
在させ、少なくとも一方の前記パルプシート8に、該パ
ルプシート8に対して1.5〜5重量%の接着剤を含有
させた消臭シート10。
Description
の製造方法に関する。また本発明は、該消臭シートを用
いた吸収性物品に関する。
9−173429号公報には、活性炭微粒子を含有させ
た各種消臭用途に適用可能な活性炭含有パルプシートが
記載されている。しかし、このシートには、強度が弱
い、活性炭が脱落し易い等の欠点がある。また、液体を
吸収すると、活性炭が液体と共に外部に流出して付近を
汚すので、吸水用途には適用できない。
シートと、これを被覆するカバーシートとを、抄き合わ
せ又は貼り合わせにより積層させた積層シートが知られ
ている。しかし、この積層シートには、前記カバーシー
トによって通液性や通気性が阻害されるという欠点があ
る。また、製造時のスリット工程で活性炭が脱落し、製
品及び製造ラインが汚れるという欠点がある。
することなく、十分な強度を有し且つ活性炭の脱落がな
い消臭シート及びその製造方法を提供することを目的と
する。また、本発明は、製品や製造ラインを汚さずに製
造できる消臭シート及びその製造方法を提供することを
目的とする。
なる2枚のパルプシート間に、消臭剤を含有する消臭剤
含有シートを介在させ、少なくとも一方の前記パルプシ
ートに、該パルプシートに対して1.5〜5重量%の接
着剤を含有させた消臭シートを提供することにより前記
目的を達成したものである。
するスラリーから湿式抄紙法により消臭剤含有シートを
形成し、該消臭剤含有シートが含水状態のうちに該消臭
剤含有シートの上下面それぞれに、同一の又は異なる2
枚のパルプシートを重ね合わせ、重ね合わせにより形成
された重ね合わせ体を乾燥させると共にクレープ加工を
施して消臭シートを得る消臭シートの製造方法であっ
て、含水状態の前記消臭剤含有シートへの前記パルプシ
ートの重ね合わせに際して、少なくとも一方のパルプシ
ートに、該パルプシートに対して1.5〜5重量%(該
パルプシートの乾燥重量基準)の接着剤を付与する消臭
シートの製造方法を提供するものである。
記消臭シートを備えた吸収性物品であって、該消臭シー
トにおける前記クレープ加工された面が、前記吸収性物
品における液吸収面に臨むように、前記消臭シートが配
されている吸収性物品を提供するものである。
形態に基づき図面を参照しながら説明する。先ず、図1
を参照しながら、本発明の消臭シートの一実施形態の好
ましい製造方法を説明する。
好ましい製造装置が示されている。この製造装置1は、
抄紙部2、脱水部3、重ね合わせ部4及び乾燥部5に大
別される。
るスラリーの入ったタンク21及び該タンク21内に設
置された丸網型の抄紙ネット22を備えている。脱水部
3は、脱水ベルト31及び該脱水ベルト31に隣接して
設けられている脱水用の吸引ボックス32を備えてい
る。脱水ベルト31は、通常の抄紙機に用いられている
ワイヤーメッシュベルトやフェルトベルトから成ってい
る。吸引ボックス32は、脱水ベルト31上に形成され
た消臭剤含有シートを脱水し、その水分率を調整する。
巻き出し部41、第2のパルプシートの巻き出し部4
2、搬送ピックアップベルト43及び接着剤のスプレー
ノズル44を備えている。乾燥部5は、ヤンキードライ
ヤ51及びドクターブレード52を備えている。
臭シートの製造方法について説明すると、先ず、抄紙部
2において、タンク21内に供給された、消臭剤及び繊
維原料を含有するスラリーが、抄紙ネット22によって
漉き取られ、該抄紙ネット22上に消臭剤含有シート6
が形成される。スラリーの成分である消臭剤及び繊維原
料の詳細については後述する。
3における脱水ベルト31上で、吸引ボックス32の吸
引によって脱水され、所定の含水率を有する含水状態と
なる。
わせ部4において、搬送ピックアップベルト43に搬送
されながら、その上下面それぞれに、巻き出し部41,
42からそれぞれ巻き出された第1のパルプシート7及
び第2のパルプシート8が重ね合わされる。消臭剤含有
シート6に重ね合わされる両パルプシート7,8は何れ
も乾燥状態となっている。この理由は、消臭剤含有シー
ト6に含まれている白水(自由水)には、微細な消臭剤
が含まれていることが多く、そのような状態下において
パルプシート7,8が必要以上に濡れていると、消臭剤
がパルプシート7,8へ移動し易くなり、その結果、装
置1が汚れてしまうためである。
7,8の重ね合わせに際しては、スプレーノズル44を
用いて、両パルプシート7,8のうち、後述するヤンキ
ードライヤ51に当接するシートである第2のパルプシ
ート8に所定の接着剤を噴霧する。接着剤の噴霧は、第
2のパルプシートにおけるヤンキードライヤ51との当
接面に行う。前述の通り、消臭剤による製造装置1の汚
れを回避するためには、両パルプシート7,8は乾燥状
態であることが好ましいが、両パルプシート7,8が乾
燥状態であると、特にヤンキードライヤ51と当接する
第2のパルプシート8が乾燥状態であると、後述する乾
燥部5において第2のパルプシート8とヤンキードライ
ヤ51の周面との密着が悪くなる。密着が悪くなると、
乾燥部5におけるクレープ加工が行いにくくなる。そこ
で、本実施形態においては、ヤンキードライヤ51と当
接する第2のパルプシート8に接着剤を付与して、第2
のパルプシート8とヤンキードライヤ51の周面との密
着を良好にし、クレープ加工が効果的に行えるようにし
ている。また、第2のパルプシート8に接着剤を付与す
ることで、消臭剤含有シート6と両パルプシート7,8
との密着性が良好になり、消臭剤含有シート6からの消
臭剤の脱落が効果的に防止される。
は、その付与量を、第2のパルプシート8に対して1.
5〜5重量%、好ましくは2〜3重量%とする(第2の
パルプシート8の乾燥重量基準)。接着剤の付与量が
1.5重量%に満たないと、第2のパルプシート8とヤ
ンキードライヤ51の周面との密着が弱く、後述するド
クターブレード52によるクレープ加工を効果的に行い
難い。接着剤の付与量が5重量%超となると、接着剤が
ヤンキードライヤ51の周面に付着し易くなり、該周面
を汚すおそれがあり、安定製造の妨げとなる。
ール、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩等が用
いられる。
プシート7,8は、その幅が消臭剤含有シート6の幅よ
りも大きくなっており、両パルプシート7,8が消臭剤
含有シート6へ重ね合わされるに際しては、両パルプシ
ート7,8の左右両側縁が、消臭剤含有シート6の左右
両側縁よりも外方に位置するようにする。これによっ
て、消臭剤含有シート6は、両パルプシート7,8によ
って完全に被覆されて外部に露出している部分が無くな
る。
7,8の三者からなる重ね合わせ体は、乾燥部5に設置
されたヤンキードライヤ51の周面に抱かれた状態で搬
送されて、この過程において含水状態の消臭剤含有シー
ト6が加熱乾燥される。またこの過程において、前記接
着剤によって、及び各シート6,7,8の構成繊維絡間
の絡み合いによって、三者の接合が促進される。
ーブレード52が配置されている。ヤンキードライヤ5
1の周面に密着していた消臭剤含有シート6と両パルプ
シート7,8との重ね合わせ体は、ドクターブレード5
2によって掻き取られて、第2のパルプシート8の面側
にクレープ加工が施される。このようにして、クレープ
加工が施された消臭シート10が得られる。
うに、2枚のパルプシート7,8間に、消臭剤含有シー
ト6を介在させて構成されている。消臭剤含有シート6
の幅は、パルプシート7,8の幅よりも小さくなってい
る。そして、消臭シート10の左右両側部10a,10
bは、消臭剤含有シートの左右両側縁から外方に延出し
た2枚のパルプシート7,8が、前述の接着剤によって
互いに接合されてなる2層構造となっており、消臭シー
ト10の左右両側部10a,10bには、その全体に亘
って消臭剤含有シート6が介在していない。これによっ
て、消臭剤含有シート6の両側縁が封止されて消臭シー
ト10の側部からの消臭剤の脱落が防止される。
0cm、特に1〜6cmであることが、消臭剤の効果的
な脱落防止を図る点、及び十分な消臭効果を発揮させる
点から好ましい。
7,8における一方のパルプシートである第2のパルプ
シート8には、前述の通り該パルプシートに対して1.
5〜5重量%の接着剤が含有されている。また、この消
臭シート10においては、第2のパルプシート8の面側
にクレープ加工が施されている。その結果、第2のパル
プシート8の通液性及び通気性がクレープ加工を施す前
に比して向上し、消臭シート10に含まれている消臭剤
の機能が十分に発揮される。クレープ加工後の第2のパ
ルプシート8においては、その通液性及び通気性の尺度
としてのガーレー透気度(JIS P 8117)が、
好ましくは1〜10秒、更に好ましくは2〜5秒となっ
ている。
6は、消臭剤の粉粒体及び繊維原料を主体として構成さ
れている。消臭剤としては、例えば活性炭、ゼオライ
ト、アモルファスシリカ、ベントナイト、活性アルミ
ナ、活性白土等が用いられ、消臭シート10の用途に応
じて適切な物質が選択される。消臭剤は、一種又は二種
以上を用いることができる。消臭剤含有シート6におけ
る消臭剤の含有率は、該シート6の重量に対して1〜5
0重量%、特に3〜30重量%であることが、十分な消
臭効果を発現させる点、及び十分なシート強度及び柔軟
性を確保する点から好ましい。
の木材パルプの他、藁、綿等の非木材パルプ等の公知の
天然繊維が使用できる。また、シート強度を向上させる
目的で、ポリエチレン繊維等の合成繊維を適宜混合して
もよい。消臭剤含有シート6における繊維原料の含有率
は、該シート6の重量に対して50〜99重量%、特に
70〜97重量%であることが、十分な消臭効果を発現
させる点、及び十分なシート強度及び柔軟性を確保する
点から好ましい。
〜70g/m2 、特に20〜50g/m2 であること
が、十分な柔軟性が確保でき、また十分な消臭性能が発
現する量の消臭剤を保持させられる点から好ましい。十
分な柔軟性を有することは、消臭剤含有シート6を、例
えば後述するように使い捨ておむつに用いる場合に、良
好な装着感が得られる点から好ましい。また、消臭剤含
有シート6は、その厚みが0.1〜10mm、特に0.
2〜0.5mmであることが、消臭剤の確実な保持とシ
ート6自身の通気性確保との両立の点から好ましい。
して構成されたシートであり、同一のものでもよく、或
いは異なるものでもよい。両パルプシート7,8は、湿
式抄紙法及び乾式抄紙法の何れの方法で形成されたもの
でもよい。両パルプシート7,8は、その坪量がそれぞ
れ、12〜40g/m2 、特に15〜25g/m2 であ
ることが、消臭剤の通過脱落の防止とシート6自身の通
気性確保との両立の点から好ましい。同様の理由から、
両パルプシート7,8は、その厚みがそれぞれ0.1〜
10mm、特に0.2〜0.5mmであることが好まし
い。
収性物品について図3を参照しながら説明する。図3に
は、吸収性物品の一つとしての使い捨ておむつ100の
斜視図が示されている。
着、おむつカバー等の着用具と共に着用されるもので、
液保持性の吸収体101が、液透過性のトップシート1
02と液不透過性のバックシート103との間に介在さ
れている。トップシート102及びバックシート103
は、吸収体101の左右両側縁及び前後端から外方に延
出しており、延出したトップシート102とバックシー
ト103とが接合固定されている。吸収体101の左右
両側縁から延出したトップシート102及びバックシー
ト103は、互いに接合固定されることで、おむつの左
右両側部に一対のサイドフラップ104,104がおむ
つ100の長手方向に亘って形成される。サイドフラッ
プ104の長手方向略中央部部には、サイドフラップ1
04の長手方向に沿って伸縮弾性部材105が配されて
いる。
おいては、内方(即ちトップシート102側)に折り返
されて第1の折り返し部106が形成されると共に、第
1の折り返し部106を構成するサイドフラップが外方
に折り返されて第2の折り返し部107が形成されてい
る。第1の折り返し部106はトップシート102に接
合固定されており、第2の折り返し部107は第1の折
り返し部106に接合固定されている。
いる。吸収体101は、本体部101aとこれを被覆す
る消臭シート10とから構成されている。本体部101
aは高吸収性ポリマーの粒子とパルプ繊維とから構成さ
れている。本体部101aは、消臭シート10の一側部
10aと他側部10bとが重ね合わされるようにして、
消臭シート10に被覆されている。
が本体部101aに対向し、第2のパルプシート8が、
吸収体101の外面を構成するように配されている。そ
の結果、消臭シート10は、クレープ加工された面であ
る第2のパルプシート8が、おむつ100における液吸
収面であるトップシート102側に臨むように配され
る。消臭シート10をこのように配することによって、
排泄された液が、通液性の高い第2のパルプシート8を
通じて素早く吸収体101の内部に透過して、本体部1
01aで吸収・保持されると共に、消臭シート10に含
まれる消臭剤の消臭効果により、吸収された液から発生
する臭いが除去される。この場合、消臭シート10にお
ける消臭剤含有シート6は、その前後端部以外は2枚の
パルプシート7,8で被覆されているので、吸収された
液と共に消臭剤が吸収体101の外部に流出しずらく、
着用者の身体や着用具の汚れが効果的に防止される。
例えば、消臭シート10の形態は図2に示すものに限ら
れず、例えば図5に示すように、2枚のパルプシート
7,8の間に、複数の幅狭帯状の消臭剤含有シート6,
6,・・・を、所定間隔を置いて介在させた形態のもの
でも良い。このような形態の消臭シートを製造するに
は、例えば図1に示す製造装置1における抄紙部2の丸
網型の抄紙ネットとして、その周面に、周方向に亘っ
て、所定幅のマスキングテープを、所定間隔を置いて複
数本貼着したものを用いれば良い。
ルプシート8の面側にのみクレープ加工が施されていた
が、これに代えて第1のパルプシートの面側に又は両側
にクレープ加工を施してもよい。同様に、接着剤の付与
は、第2のパルプシート8に代えて第1のパルプシート
7に行ってもよく、或いは両シート7,8に行ってもよ
い。
着剤の付与方法は噴霧に限られない。
むつ以外の吸収性物品に適用してもよく、或いは吸収性
物品以外の用途、例えば箪笥や下駄箱の消臭剤、マスク
やフィルター類等に適用してもよい。
ることなく、十分な強度を有し且つ活性炭の脱落がない
消臭シート及びその製造方法が提供される。また本発明
によれば、製品や製造ラインを汚さずに製造できる消臭
シート及びその製造方法が提供される。
る製造装置を示す模式図である。
ートを示す模式図である。
示す一部破断斜視図である。
一部破断斜視図である。
図(図2相当図)である。
Claims (6)
- 【請求項1】 同一の又は異なる2枚のパルプシート間
に、消臭剤を含有する消臭剤含有シートを介在させ、少
なくとも一方の前記パルプシートに、該パルプシートに
対して1.5〜5重量%の接着剤を含有させた消臭シー
ト。 - 【請求項2】 前記接着剤を含有させた前記パルプシー
トがクレープ加工されている請求項1記載の消臭シー
ト。 - 【請求項3】 前記クレープ加工された前記パルプシー
トのガーレー透気度(JIS P 8117)が1〜1
0秒である請求項1又は2記載の消臭シート。 - 【請求項4】 前記消臭シートの少なくとも一側部の全
体に亘って前記消臭剤含有シートが介在していない請求
項1〜3の何れかに記載の消臭シート。 - 【請求項5】 消臭剤及び繊維原料を含有するスラリー
から湿式抄紙法により消臭剤含有シートを形成し、該消
臭剤含有シートが含水状態のうちに該消臭剤含有シート
の上下面それぞれに、同一の又は異なる2枚のパルプシ
ートを重ね合わせ、重ね合わせにより形成された重ね合
わせ体を乾燥させると共にクレープ加工を施して消臭シ
ートを得る消臭シートの製造方法であって、含水状態の
前記消臭剤含有シートへの前記パルプシートの重ね合わ
せに際して、少なくとも一方のパルプシートに、該パル
プシートに対して1.5〜5重量%(該パルプシートの
乾燥重量基準)の接着剤を付与する消臭シートの製造方
法。 - 【請求項6】 請求項2記載の消臭シートを備えた吸収
性物品であって、該消臭シートにおける前記クレープ加
工された面が、前記吸収性物品における液吸収面に臨む
ように、前記消臭シートが配されている吸収性物品。
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