JP4526271B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、カンクリナイト様鉱物を含む消臭抗菌繊維製品に関する。また本発明は該消臭抗菌繊維製品を備えた吸収性物品に関する。
活性炭の吸着性能を利用した種々のシート状物が従来から知られている。例えば、特許文献1には活性炭微粒子を含有させた各種消臭用途に適用可能な活性炭含有パルプシートが記載されている。しかし、このシートには抗菌作用はない。また活性炭が脱落し易いという欠点がある。
消臭作用に加えて抗菌作用を有する物質として各種ゼオライトが知られている。ゼオライトをシートに担持させる方法の一つとして、使用する樹脂の中に練りこむ方法がある。しかしゼオライトの一部しか表面に露出しないので効率が悪い。一方シートの表面に付着させる場合、ゼオライトはパルプなどの繊維材料への付着性が良好でないことから、湿式抄造紙などの繊維材料からなるシートに多量に坦持させることが困難である。また多量に配合したとしても、効率の良い消臭抗菌効果を発現させられない。逆に言えば、少ない配合量であっても効果的に消臭抗菌効果を発現させられない。
特開平9−173429号公報
従って、本発明は、繊維材料への消臭及び抗菌作用を有する物質の付着量が少量であっても、消臭抗菌効果の高い消臭抗菌繊維製品を提供することを目的とする。
また本発明は、消臭及び抗菌作用を有する吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明は、抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物の粒子を、繊維材料に付着させてなる消臭抗菌繊維製品を提供することにより前記目的を達成したものである。
また本発明は、液透過性の表面シートと液保持性の吸収体との間、該吸収体内、又は該吸収体と液不透過性の裏面シートとの間に、シート状の形態をした前記の消臭抗菌繊維製品を配した吸収性物品を提供するものである。
本発明の消臭抗菌繊維製品は、消臭及び抗菌作用を有する物質である金属置換カンクリナイト様鉱物が繊維材料に多量に付着できるので、そのような場合には、消臭能及び抗菌能が極めて高くなる。また金属置換カンクリナイト様鉱物の付着量が少なくても、消臭能及び抗菌能が十分に高いものとなる。従って、本発明の消臭抗菌繊維製品を備えた吸収性物品は、排泄物に起因する悪臭の発生や雑菌の発生が効果的に防止される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の消臭抗菌繊維製品に用いられる消臭抗菌剤は、抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物(以下、これを金属置換カンクリナイト様鉱物という)からなる。金属置換カンクリナイト様鉱物の前駆体であるカンクリナイト様鉱物(以下、これを前駆体という)は、アルミノシリケート系化合物に類似の構造を有するものであり、以下の組成式(1)で表される。
aM2O・Al23・bSiO2・cRmn・dH2O (1)
式中、MはNa、K及びHからなる群より選ばれる一種以上であり、RはNa、K、Ca及びMgからなる群より選択される一種以上であり、QはCO3、SO4、NO3、OH及びClからなる群より選択される一種以上である。aは0<a≦1、bは1≦b≦50、cは0<c≦2、dはd≧0、mは1≦m≦2、nは1≦n≦2を満たす。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、組成式(1)においてMの一部が抗菌性を有する金属で置換されたものに相当する。従って抗菌性を有する金属をDで表すと、金属置換カンクリナイト様鉱物は、組成式(1)においてaM2Oで表される部分が、a12O・a22O(式中、a1+a2=aである)で表されるものに相当する。
抗菌性を有する金属はその種類に特に制限はないが、抗菌能が高い点から、例えばAg、Cu又はZnを用いることが好ましい。金属置換カンクリナイト様鉱物における抗菌性を有する金属の量は、所望の消臭能及び抗菌能の発現並びに経済性の観点から、0.1〜30重量%、特に0.1〜10重量%であることが好ましい。これらの金属の量は、蛍光X線測定法によって測定できる。抗菌性を有する金属のうち、特に抗菌能が高く且つ繊維材料への付着性が良好な点からAgを用いることが好ましい。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、広い消臭スペクトルをもち、種々の悪臭、例えばアンモニア、アミン、ピリジン等のアルカリ性臭、低級脂肪酸、メルカプタン等の酸性臭、その他エステル、ケトン、アルデヒド等の中性臭からなる悪臭に対して良好な消臭作用を有することが本発明者らの検討によって判明した。また、高い抗菌作用を示すことも判明した。つまり、金属置換カンクリナイト様鉱物は、その使用量が少なくても高い消臭抗菌作用を示すことが判明した。その上、金属置換カンクリナイト様鉱物の粒子は、テトラポッド状、金平糖状ないし毬栗状の形状を有し、その形状に起因してパルプなどの繊維材料への付着性が極めて良いことも判明した。従って、本発明の消臭抗菌繊維製品には多量の金属置換カンクリナイト様鉱物を付着させることができ、該繊維製品は極めて高い消臭能及び抗菌能を発揮する。もちろん付着量が少量であっても該繊維製品は十分に高い消臭能及び抗菌能を発揮する。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、それに含まれているアルミニウムが酸によって溶出してその一部がアモルファス状態となっていることが好ましい。アルミニウムが溶出することで、金属置換カンクリナイト様鉱物に多数の微細孔が形成され、消臭能が一層高まる。酸によるアルミニウムの溶出については更に後述する。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、その比表面積が70〜800m2/g、特に80〜600m2/g、とりわけ100〜500m2/gであることが、適度な消臭速度及び広い消臭スペクトルを発現する観点から好ましい。比表面積は、フローソーブ2300型(島津製作所製)を使用して測定する。試料は0.1gとし、吸着ガスにN2/He=30/70(容積比)の混合ガスを用いる。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、その酸量が、アルカリ性悪臭ガスの消臭能を向上させる観点から、20meq/100g以上、特に100meq/100g以上、とりわけ170meq/100g以上であることが好ましい。「酸量」とは、金属置換カンクリナイト様鉱物の酸点の総量をいう。酸量は、試料0.5gを0.01mol/lのNaOH水溶液100ml中で1時間撹拌後、得られた試料懸濁液を遠心分離し(10000rpm×5分)、上澄み25mlを分取し、分取液を0.01mol/lのHNO3で滴定し消費されたNaOH量を求め、得られたNaOH量を元に算出する。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、その平均粒子径が好ましくは1〜500μm、更に好ましくは1〜300μm、一層好ましくは1〜100μmである。かかる範囲内であれば、適度な消臭速度が得られ、また取り扱い性も良好となる。平均粒子径は、例えばレーザー/散乱式粒度分布測定装置(LA−920 堀場製作所製)を用い、屈折率1.16にて測定する。
金属置換カンクリナイト様鉱物の前駆体、即ち組成式(1)で表されるカンクリナイト様鉱物においては、Mは、高い消臭能の発現および経済性の観点から、好ましくはNa及び/又はHである。MがNa及びHからなる場合、aM2Oは、a'lNa2O・a'22O(式中a'l+a'2=aである)で表わされる。Rは、Mと同様の観点から、好ましくはNaである。Qは、粒子の形態制御の容易性の観点から、好ましくはCO3又はNO3である。
aは、アルカリ性悪臭ガスの消臭能を向上させる観点から、好ましくは0<a≦0.5であり、より好ましくは0<a≦0.25である。bは、酸性悪臭ガスの消臭能を向上させる観点から、好ましくは1≦b≦40であり、より好ましくは1≦b≦30である。cは、高い消臭能の発現の観点から、好ましくは0<c≦1、より好ましくは0<c≦0.6、さらに好ましくは0<c≦0.3である。dは、前駆体に含まれる水の含有率(モル比)であり、前駆体の存在形態、例えば粉末状、スラリー状などの形態によって変化する。mとnはRとQの組み合わせにより任意に決まる。
金属置換カンクリナイト様鉱物は、例えば原料アルミノシリケートを酸処理して前駆体を形成し、得られた前駆体を水に懸濁させ、そこに抗菌性を有する金属の水溶性塩の水溶液を加えてイオン交換することで好適に製造される。別法として、原料アルミノシリケートの酸処理時に、抗菌性を有する金属の水溶性塩を共存させてイオン交換することでも好適に製造される。
原料アルミノシリケートは、以下の組成式(2)で表される。
wM2O・Al23・xSiO2・yRmn・zH2O (2)
式中、M、R、Q、m及びnは組成式(1)における定義と同様であり、wは0.1≦w≦3、xは0.2≦x≦6、yは0<y≦2、zはz≧0を満たす。原料アルミノシリケート粒子を製造する方法に特に限定はなく、例えばアルミナ原料とシリカ原料をCO3 2-、SO4 2-、NO3 -、Cl-等の存在下、アルカリ溶液中で反応させる方法等が挙げられる。
原料アルミノシリケートを酸処理して前駆体を得るに際して用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸を用いることが好ましい。特に、塩酸、硝酸を用いることが好ましい。原料アルミノシリケートを酸処理することで、原料アルミノシリケートの空孔中に存在するM2O及びRmnが溶出するのみならず、骨格を形成するAlも一部溶出する。これによって、比表面積、細孔容積及び酸点が増加し、また先に述べた通り、最終的に得られる金属置換カンクリナイト様鉱物がアモルファス状態となる。酸処理の程度は、最終的に得られる金属置換カンクリナイト様鉱物が所望の性質を有するよう適宜調節すればよい。酸処理は、前記酸を含む水溶液を原料アルミノシリケートに対して徐々に、或いは一度に添加して、酸と原料アルミノシリケートとを接触させることにより行う。添加速度は原料アルミノシリケート100gに対して、好ましくは0.01〜100ml/分、更に好ましくは0.1〜10ml/分である。
原料アルミノシリケートの酸処理によって得られた前駆体は、60〜150℃にて0.1〜10時間程度熟成させることが好ましい。次いで、スラリーを濾過し水洗して余分なイオン成分を取り除く。引き続き、濾別された前駆体を水に懸濁させ、所定温度に加熱した状態下、抗菌性を有する金属の水溶性塩の水溶液を加え所定時間熟成させる。これにより、目的とする金属置換カンクリナイト様鉱物が得られる。
本発明の消臭抗菌繊維製品は、その製造方法に応じて種々の形態をとり得る。例えばシート状若しくはその破断片状、粒状又は立体成形物状等の形態をとり得る。これらの形態は、本発明の消臭抗菌繊維製品を湿式法で製造することにより得ることができる。本発明の消臭抗菌繊維製品がシート状の形態である場合、シートは、金属置換カンクリナイト様鉱物を含む単層のシートの形態でもよく、或いは複数のシートが積層されてなる積層シートの形態であってもよい。単層のシートの形態である場合、該シートは、繊維材料及び金属置換カンクリナイト様鉱物の粒子を含むスラリーを原料とした湿式抄造法によって製造される。積層シートの形態である場合、該シートの一例としては図1に示される形態のシートが挙げられる。図1に示す消臭抗菌シート1は、同サイズの長方形形状の2枚のパルプシート、即ち第1のパルプシート2及び第2のパルプシート3間に、これらのパルプシート2,3よりも幅方向の長さが短い長方形形状の内層シート4を介在させてなる積層シートである。つまり、カンクリナイト様鉱物を含む湿式抄造シートの上下各面にパルプシートが積層された積層シートとなっている。内層シート4は金属置換カンクリナイト様鉱物の粒子を含む繊維材料のシートであり、このシートは先に述べた単層のシートと同様のものである。内層シート4は金属置換カンクリナイト様鉱物の混抄紙であり、2枚のパルプシート2,3間に幅方向中央部で挟持されている。内層シート4とパルプシート2,3とは、抄き合わせによって積層されている。
消臭抗菌シート1の側部1a,1bには、その長さ方向全体に亘って内層シート4が介在されておらず、当該側部は2枚のパルプシート2,3が積層されてなる2層構造部分となっている。側部1a,1bにおけるパルプシート2,3同士がそれぞれ接合されることにより、消臭抗菌シート1の両側端部が封止されて、側端部からの金属置換カンクリナイト様鉱物の脱落が防止される。側部1a,1bの幅は、好ましくは0.1〜20cm、更に好ましくは1〜6cmであることが、金属置換カンクリナイト様鉱物の脱落防止、及び金属置換カンクリナイト様鉱物の機能を十分に発現させる点から好ましい。
金属置換カンクリナイト様鉱物を含む繊維材料のシート(つまり前述した単層のシート及び内層シート)は、前述した通り繊維材料及び金属置換カンクリナイト様鉱物の粒子を含むスラリーを原料とした湿式抄造法によって製造される。繊維材料への金属置換カンクリナイト様鉱物の付着量を高める観点から、スラリー中に凝集剤を添加してもよい。凝集剤としては例えばポリアクリルアミドが好適に用いられる。スラリー中における金属置換カンクリナイト様鉱物の量は、繊維材料100重量部に対して0.01〜50重量部、特に0.2〜30重量部であることが好ましい。また凝集剤の量は、繊維材料100重量部に対して0.05〜5.0重量部、特に0.2〜1.0重量部であることが好ましい。スラリー中における繊維材料の濃度は0.5〜5.0重量%、特に1.0〜3.0重量%であることが好ましい。
繊維材料としては、湿式抄紙の可能なものであれば特に制限はない。例えばパルプ、レーヨンなどのセルロース系繊維を用いることが好ましい。これらの繊維に加えて熱可塑性樹脂からなる熱融着性繊維を少量併用することもできる。
湿式抄造によって得られたシート(つまり前述した単層のシート及び内層シート)における金属置換カンクリナイト様鉱物の含有量は25重量%以上、特に50〜100重量%という高い値とすることができる。この理由は先に述べた通り、金属置換カンクリナイト様鉱物の形状に因るところが大きい。具体的な用途にもよるが、該シートはその坪量が10〜100g/m2、特に13〜70g/m2であることが好ましい。
本発明の消臭抗菌繊維製品がシート状である場合、これを破断片状に小さく切り刻んで使用することもできる。例えば、破断片状の消臭抗菌繊維製品を、後述する吸収性物品における吸収体の構成材料として用いることができる。
先に述べた通り、本発明の消臭抗菌繊維製品は、シート状の他に、粒状や立体成形物状の形態もとり得る。粒状の形態の場合、金属置換カンクリナイト様鉱物を含む繊維材料の高濃度スラリーを押出機からストランド状に押し出し、所定の大きさに切断することで得ることができる。立体成形物状の形態である場合には、例えばボトル状、カップ状、トレー状等の種々の容器形状となすことができる。そのような立体成形物を製造するためにはパルプモールド法を用いることが好適である。パルプモールド法の詳細は、例えば本出願人の先の出願に係るWO99/42661に記載されている。
本発明の消臭抗菌繊維製品は各種場面での消臭・抗菌に効果的である。例えば、本発明の消臭抗菌繊維製品がシート状又はその破断片状である場合には、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、吸収性パッドなどの吸収性物品の構成材料、壁紙、シーツ、押入シート、箪笥シート、下駄箱シート、マット、靴インソール、マスク、フィルター類、ラッピング食品の中敷シートなどとして有用である。また、本発明の消臭抗菌繊維製品が、ビーズ状、ペレット状等の粒状である場合には、例えば猫砂等のペット用消臭剤として有用である。本発明の消臭抗菌繊維製品が、立体成形物状である場合には、例えばダストボックス、収納ケース、食品トレイ等として有用である。
本発明の消臭抗菌繊維製品がシート状である場合、該シートを吸収性物品の構成材料として用いる場合には、該シートを、例えば液透過性の表面シートと液保持性の吸収体との間、該吸収体内、又は該吸収体と液不透過性の裏面シートとの間に配することができる。図2には、本発明の消臭抗菌シートを吸収性物品に適用した一例として、吸収性物品の吸収体を、本発明の消臭抗菌シートで被覆した状態が示されている。吸収体10は、高吸収性ポリマーの粒子とパルプ繊維とから構成されている。吸収体10は、消臭抗菌シート1の一側部1aと他側部1bとが重ね合わされるようにして、消臭抗菌シート1に被覆されている。この状態下、吸収体10は、図示しない表面シートと裏面シートとに挟持され、吸収性物品が形成される。従って、本形態においては、消臭抗菌シート1は、吸収性物品における表面シートと吸収体との間、及び裏面シートと吸収体との間に配されることになる。この場合、吸収性物品における何れかの部位に、悪臭の代表的な物質である硫化水素やメルカプタン類などの硫黄化合物の吸着物質を含ませておくと、金属置換カンクリナイト様鉱物中の金属と硫黄化合物とが結合することに起因する金属の抗菌性の低下が効果的に防止されるので、抗菌性の持続性という点で好ましい。また金属置換カンクリナイト様鉱物の消臭力も向上する。硫黄化合物の吸着物質としては酸化亜鉛が代表的なものとして挙げられる。硫黄化合物の吸着物質は、例えば本発明の消臭抗菌シートに付着させておくことができる他、吸収体中に含有させておくこともできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。以下の例中、特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
〔実施例1〕
水酸化ナトリウム103gをイオン交換水1000mlに溶解し、さらにアルミン酸ナトリウム溶液(Na2O=19.8%、Al23=25.9%、H2O=54.3%)157gを混合した溶液に、水ガラス(Na2O=9.8%、SiO2=29.6%、H2O=60.6%)259gを1分間かけて投入し、100℃で2時間反応させた。その後、水酸化ナトリウム32gをイオン交換水110mlに溶解した溶液と硝酸(61%)124gを混合した溶液を1分間かけて追加添加し、さらに100℃で10時間反応させてアルミノシリケート粒子を得た。反応後、生成したアルミノシリケート粒子を濾過洗浄し、105℃で12時間乾燥させて原料アルミノシリケート粒子の粉末を得た。得られた原料アルミノシリケート粒子は、柱状及び針状結晶が集合してテトラポッド状に発達した形態を有していた。得られた原料アルミノシリケート粒子の組成はNa2O・Al23・2.3SiO2・0.7NaNO3・1.3H2Oであった。
得られた原料アルミノシリケート粒子100gをイオン交換水900mlに懸濁させ100℃に保持した。撹拌下、61%硝酸を1ml/分の速度で120ml滴下し、120分間酸処理を行った。滴下後100℃で1時間熟成させた。ついで、スラリーを濾過、水洗し、105℃で12時間乾燥させて白色の前駆体を得た。前駆体の組成は0.07Na2O・0.93H2O・Al23・5.3SiO2・0.11NaNO3・4.10H2Oであった。
得られた前駆体100gをイオン交換水900mlに懸濁させ100℃に保持した。撹拌下、硝酸銀1.55gをイオン交換水30mlに溶解した硝酸銀水溶液を投入し、1時間熱成させた。その後、濾過、水洗し、105℃で12時間乾燥させて前駆体中のNaの一部をAgで置換させ、アモルファス状態のAg置換カンクリナイト様鉱物を得た。平均粒子径は7μm、比表面積は230m2/g、酸量は140meq/100g、組成は0.02Ag2O・0.02Na2O・Al23・5.30SiO2・0.11NaNO3・5.03H2Oであった。
得られたAg置換カンクリナイト様鉱物をイオン交換水に懸濁させ、更にパルプ及びポリアクリルアミドを添加混合して抄造用スラリーを得た。スラリー中のAg置換カンクリナイト様鉱物の濃度は0.01%、パルプの濃度は2.0%、ポリアクリルアミドの濃度は0.006%であった。このスラリーを原料として丸網抄紙機を用いて湿式抄造を行い、坪量20g/m2のAg置換カンクリナイト様鉱物含有紙を得た。Ag置換カンクリナイト様鉱物含有紙におけるAg置換カンクリナイト様鉱物の量は0.2%であった。この紙が湿潤状態のうちに、その各面に坪量16g/m2のパルプシートを抄き合わせ、図1に示す積層シートを得た。
得られた積層シートを用いて、図2に示すように、高吸収性ポリマーの粒子とフラッフパルプとからなる吸収体を被覆した。被覆された吸収体の上下面それぞれにエアスルー不織布からなる液透過性の表面シートと、ポリエチレンフィルムからなる液不透過性の裏面シートを重ね合わせ、常法に従い吸収性パッドを得た。
〔実施例2〕
水酸化ナトリウム94gをイオン交換水1000mlに溶解し、さらに硝酸(61%)130gとアルミン酸ナトリウム溶液(Na2O=19.8%、Al23=25.9%、H2O=54.3%)124gを混合した溶液に、水ガラス(Na2O=9.8%、SiO2=29.6%、H2O=60.6%)127gを1分間かけて投入し、100℃で8時間反応させてアルミノシリケート粒子を得た。反応後、生成したアルミノシリケート粒子を濾過洗浄し、105℃で12時間乾燥させて原料アルミノシリケート粒子の粉末を得た。得られた原料アルミノシリケート粒子は、針状結晶が集合した多孔質な毬栗状の球形形態を有していた。得られた原料アルミノシリケート粒子の組成はNa2O・Al23・2.3SiO2・0.7NaNO3・1.3H2Oであった。
得られた原料アルミノシリケート粒子100gをイオン交換水900mlに懸濁させ100℃に保持した。撹拌下、61%硝酸を1ml/分の速度で20ml滴下し、20分間酸処理を行った。滴下後100℃で1時間熟成させた。ついで、スラリーを濾過、水洗し、105℃で12時間乾燥させて白色の前駆体を得た。前駆体の組成は0.70Na2O・Al23・2.05SiO2・0.36NaNO3・1.98H2Oであった。その後は実施例1と同様にして前駆体中のNaの一部をAgで置換させ、アモルファス状態のAg置換カンクリナイト様鉱物を得た。平均粒子径は15μm、比表面積は110m2/g、酸量は51meq/100g、組成は0.01Ag2O・0.69Na2O・Al23・2.05SiO2・0.36NaNO3・2.25H2Oであった。その後は実施例1と同様にして吸収性パッドを得た。
〔比較例1〕
Ag置換カンクリナイト様鉱物に代えてゼオライトを用いる以外は実施例1と同様の条件下に湿式抄造して、坪量20g/m2のゼオライト含有紙を得た。ゼオライト含有紙におけるゼオライトの量は0.03%であった。この紙が湿潤状態のうちに、その各面に坪量16g/m2のパルプシートを抄き合わせ、図1に示す積層シートを得た。その後は実施例1と同様にして吸収性パッドを得た。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収性パッドについて、抗菌能及び悪臭の消臭能を以下の方法で評価した。結果を表1及び表2に示す。
〔抗菌能〕
大腸菌を混合した人工尿を吸収性パッドに注入し、30℃の環境で24時間保存した。この吸収性パッドを、その飽和吸収量よりも過剰量の生理食塩水中に浸漬し攪拌した。生理食塩水をろ過し、ろ液中の菌数を測定した。測定された菌数について、比較例1をベースとして以下の基準で抗菌効果を評価した。
−:ベースよりも菌の増殖が抑制されている。
+:ベースよりも菌が増殖するか同数である。
〔悪臭の消臭能〕
容量1リットルのテドラーバッグ(三商器機社製)に吸収性パッドを入れて封入し、そこへ室温(25℃)にて濃度調整したメチルメルカプタンを1リットル充填した。所定の時間経過後のバッグ内のメチルメルカプタン濃度を、ガス検知管(ガステック株式会社製、メルカプタン用70L)によって測定した。なお、表2中、0分は初期濃度を示す。
Figure 0004526271
Figure 0004526271
表1及び表2に示す結果から明らかなように、各実施例の吸収性パッド(本発明品)では、抗菌能及び消臭能が、比較例の吸収性パッドに比べて優れていることが判る。また、各実施例のAg置換カンクリナイト様鉱物は、同条件で抄造を行った比較例1のゼオライトに比べて、パルプへの付着量が多かった。
本発明の消臭抗菌シートの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す消臭抗菌シートで球種体を被覆した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 消臭抗菌シート
2,3 パルプシート
4 内層シート

Claims (4)

  1. 繊維材料及び抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物の粒子を湿式抄造法して、該粒子を該繊維材料に付着させてなるシート状の消臭抗菌繊維製品で、吸収体を被覆してなり、
    前記カンクリナイト様鉱物はその比表面積が70〜800m 2 /gで、酸量が20meq/100g以上である吸収性物品
  2. 前記カンクリナイト様鉱物はその一部がアモルファス状態となっている請求項1記載の吸収性物品
  3. 前記シート状の消臭抗菌繊維製品の各面にパルプシートが積層されてなる積層シートで前記吸収体を被覆してなり、該積層シートは少なくともその一側部の全体に亘って前記シート状の消臭抗菌繊維製品が介在していない請求項1又は2記載の吸収性物品
  4. 硫黄化合物の吸着物質を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品
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