JP2012179916A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な発色感度を有し、印刷適性(表面強度)、耐ヘッドカス性、耐水性が良好な感熱記録体を提供する。
【解決手段】感熱記録体の感熱記録層にアルキルケテンダイマー及びアクリル樹脂(ポリアクリル酸塩を除く。)を含有させる。この感熱記録体は保護層を設けなくとも、十分な発色感度を有し、印刷適性(表面強度)、耐ヘッドカス性、耐水性に優れる。
【選択図】なし

Description

この発明は、本発明は、十分な発色感度を有し、印刷適性(表面強度)、印字走行性、耐水性、耐ヘッドカス性、及び保管時の発色防止性に優れた感熱記録体に関する。
一般に、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料(以下、染料とする。)と電子受容性顕色剤(以下、顕色剤とする。)との熱による発色反応を利用して記録画像を得る感熱記録体は、発色が非常に鮮明であることや、記録時に騒音がなく装置も比較的安価でコンパクト、メンテナンス容易であるなどの利点から、ファクシミリやコンピューター分野、各種計測器等に広く実用化されている。最近では、ラベル、チケットの他、屋外計測用のハンディターミナルや配送伝票など、各種プリンター、プロッターの出力媒体として用途も急速に拡大している。このため、感熱記録体の品質も、従来以上に高い発色感度や優れた印字走行性(耐スティッキング性、耐カス付着性)が要求されるとともに、オフセット印刷などの一般印刷適性(表面強度、インキ着肉性など)に対する適性が要求されるようになってきている。さらに、ラベル、チケット、ハンディターミナル用紙、配送伝票などは、屋外で使用されるため、水分、湿気、日光、高温など過酷な環境下での使用に耐えることの出来る、高度な耐水性、保管時の発色防止性が要求されている。
この感熱記録方式とは全く異なるオフセット印刷などに対する適性を感熱記録体に付与するために、感熱記録層にフッ素系樹脂を含有した感熱記録体(特許文献1)、感熱記録層に特定の平均粒子径、比表面積、細孔容積を有する顔料を含有した感熱記録体(特許文献2)、感熱記録層に特定の吸油量の顔料と疎水性樹脂エマルジョンを含有した感熱記録体(特許文献3)が開発されている。
また感熱記録体の耐水性を改善するために、感熱記録層にアクリル樹脂を含有させる手法、感熱記録体の耐水性及び耐ヘッドカス性を改善するために、感熱記録層にアクリル系ポリマーやアクリルエマルジョン樹脂とコロイダルシリカとを併用して用いる手法(特許文献4、5)などが行われている。
また、本発明で用いたアルキルケテンダイマーは中性サイズ剤として用いられており、抄紙段階でセルロースと結合しサイズ効果を生じることはよく知られている(例えば、特許文献6等)。
特開平9−142018 特開平2005−199554 特開平10−250232 特開平9−207435 特開平7−266711 特許第3755483号
しかしながら、耐油性が高いフッ素系樹脂を含有した場合、十分な印刷適性(特にインキ着肉性)が得られず(特許文献1)、特許文献2のような顔料を含有した感熱記録体では十分な印刷適性(表面強度)が得られない。また、疎水性樹脂エマルジョンを含有した場合、印字走行性(特に耐スティッキング性)に問題がある(特許文献3)。
また感熱記録層やその保護層にアクリル樹脂を含有させた場合、耐水性は向上するが、感熱記録プリンターのサーマルヘッドからの熱で、アクリル樹脂が軟化し、ヘッドカスが発生するという問題が生じる。このため、感熱記録層にアクリル樹脂とコロイダルシリカを含有させることで耐水性、耐ヘッドカス性を向上させた従来の感熱記録体(特許文献4、5)は、コロイダルシリカ自体が有している活性の影響で、保存時に感熱記録層に含有されている染料や顕色剤と反応するため、白色部が着色するという問題が生じる。
そこで、本発明は、十分な発色感度を有し、印刷適性(表面強度)、印字走行性耐ヘッドカス性、耐水性、及び保管時の発色防止性に優れた感熱記録体を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、支持体上に、染料及び顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体の感熱記録層にサイズ剤としてアルキルケテンダイマー、及びバインダーとしてアクリル樹脂を含有させることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、支持体上に、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層にアルキルケテンダイマー及びアクリル樹脂(ポリアクリル酸塩を除く。)を含有することを特徴とする感熱記録体である。
本発明の感熱記録体は、アルキルケテンダイマー(AKD)を含有させることで、発色感度、表面強度、印字走行性(耐ヘッドカス性)、耐水ブロッキング性、白紙部保存性に優れた感熱記録体が得られる。さらに、アクリル樹脂を含有させることにより、さらに優れた耐水ブロッキング性が発現する。特に、この感熱記録体は保護層を設けなくとも、これらの性能において優れた効果を発現する。
本願発明の感熱記録体の感熱記録層はアルキルケテンダイマーを含有する。
本発明で用いるアルキルケテンダイマーは下式
Figure 2012179916
(式中、R、R’は同じであっても異なってもよく、炭素数が約8〜30の炭化水素基、通常はアルキル基を表す。)で表される。
感熱記録層にオフセット方式で印刷する場合、湿し水の影響により感熱記録層が膨潤し低下がするため、ウェットピックと呼ばれる感熱記録層が版にとられる現象が発生するが、本発明のアルキルケテンダイマーを感熱記録層に含有した感熱記録体はウェットピックが発生せず、優れた印刷適性を示す。このメカニズムは以下のように考えられる。
感熱記録層中のアルキルケテンダイマーは容易に再結晶化するため、サーマルヘッドからの瞬時の熱による溶出が抑制され、印字走行性(耐スティッキング性)が良好になる。
また、アルキルケテンダイマーは融点も50℃程度であり、紙面温度を70℃以下で制御している感熱記録体の操業(乾燥工程)で良好な流動性を示すため、感熱記録層に均一に分布し、感熱記録層全体を疎水性にすることができる。
このように、アルキルケテンダイマーを感熱記録層に含有することで、オフセット印刷における湿し水の影響を抑制することができるとともに、印字走行性(耐スティッキング性)に問題を生じることはない。更に、アルキルケテンダイマーは親油性であるため優れたインキ着肉性を付与することができる。
また、アルキルケテンダイマーは感熱記録層にこのような特性を付与するため、当該感熱記録層に保護層を設けなくとも十分な膜強度と印字走行性(耐スティッキング性)を確保することができる。
本発明のアルキルケテンダイマーは、通常、デンプン、合成ポリマー、界面剤など用いて乳化して水中に分散したエマルジョンとして使用される。このアルキルケテンダイマーとしては、一般に中性サイズ剤(内添用、外添用)として、ディックハーキュレス、荒川化学工業、ハリマ化成、BASF、花王などから市販されているものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用されるアルキルケテンダイマーの配合量としては、感熱層全固形分100重量部に対して0.1〜5重量部(以下、重量部は固形分換算とする)、好ましくは0.5〜2重量部である。アルキルケテンダイマーの配合量が0.1重量部以下のときは良好な印刷適性(表面強度)が得られず、5重量部以上のときは高い発色感度が得られにくく、塗料の増粘が著しくなる。
本発明の感熱記録層は、このほか、顕色剤及び染料を含有し、必要に応じて増感剤、バインダー、架橋剤、画像安定化剤、顔料、滑剤などを含んでもよい。
本発明で用いられる顕色剤としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙の分野で公知のものはすべて使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、国際公開WO02/098674号に記載の顕色剤組成物、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号に記載の化合物、4,4'−ビス3−(フェノキシカルボニルアミノ)メチルフェニルウレイド)ジフェニルスルホン(旭化成社製商品名:UU)、N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、およびこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物は、日本曹達社製商品名D−90として入手可能である。また、国際公開WO02/081229号あるいは特開2002−301873号に記載の化合物は、日本曹達社製商品名D−102、D−100として入手可能である。これらの顕色剤は、単独または2種以上混合して使用することもできる。中でも、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホンは、特に発色感度に優れ好ましい。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明で使用する染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色の染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独または2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕; 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)ルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕; 3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド; 3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン; ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル等があげられる。
本発明においては、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを含有する感熱記録層が更に、バインダーとして、アクリル樹脂を含有する。
このアクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸の誘導体(アクリルアミド、アクリルニトリルなど)マレイン酸及びその誘導体、スチレン及びその誘導体などを主成分に共重合した高分子をエマルジョン化したものであり、その組成比率、合成方法などは特に制限されるものではないが、耐水性、耐ヘッドカス性の点から、コアシェル型のスチレン−アクリル樹脂を感熱記録層に含有させることが好ましい。また、本発明において、アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)及び最低造膜温度(MFT)は特に制限されるものではないが、耐水性の点から、ガラス転移温度(Tg)は50℃以下、最低造膜温度は25℃以下であることが好ましく、より好ましくは、ガラス転移温度(Tg)は0〜50℃、最低造膜温度(MFT)は0〜25℃であることが好ましい。さらに好ましくは、ガラス転移温度(Tg)は15〜40℃、最低造膜温度(MFT)は5〜15℃であることが好ましい。
このアクリル樹脂は、通常分子量が約10万以上であり、エマルジョン化した状態で使用される。バインダーとして用いられるアクリル樹脂は、分子量は1000〜10万程度で、一般に親水基を付与して水溶液化した状態で使用されるサイズ剤に用いられるアクリル樹脂とは区別される。
感熱記録体は、製造時の発色を防止するため、通常感熱記録体の最高温度が60℃を超えないように乾燥をコントロールして製造されている。そのため、60℃程度で十分に造膜するような最低造膜温度(MFT)が低い樹脂を使用することが耐水性を向上させる上で好ましいが、一般に最低造膜温度とガラス転移温度(Tg)とは相関するので、感熱記録層に最低造膜温度が低い樹脂、即ちガラス転移温度の低い樹脂を含有させると、感熱記録プリンターのサーマルヘッドからの熱で、樹脂が軟化するため、ヘッドカスやスティッキングが発生する。このため、従来技術では最低造膜温度(MFT)が低いアクリル樹脂とコロイダルシリカを混合させることにより、言い換えれば、アクリル樹脂の周りにコロイダルシリカを付着させることで、アクリル樹脂の見かけ上のガラス転移温度(Tg)、最低造膜温度(MFT)をコントロールし、優れた耐水性及び耐ヘッドカス性を得る手法が用いられてきたが、コロイダルシリカ自身が有する活性の影響で、保存時に感熱記録層に含有されている染料や顕色剤と反応し、白色部が着色するという新たな問題が生じる。このように、従来の技術では、ガラス転移温度(Tg)50℃以下、最低造膜温度25℃以下であるアクリル樹脂を使用し、耐水性、耐ヘッドカス性、保管時の発色防止性に優れた感熱記録体を得ることは困難であった。
しかし、アクリル樹脂とアルキルケテンダイマーを併用すると、従来、耐水性は良好であるが、耐ヘッドカス性に問題があった低Tg、低MFTであるアクリル樹脂を感熱記録層に含有させることが容易となる。
なお、本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、樹脂を構成する組成(モノマー)単体各々をJIS K−7122に準拠して、走査型差動熱量計(窒素雰囲気下で10mgの試料を25℃/分で昇温)で測定した二次転移に伴う比熱の変化をガラス転移温度として、樹脂のガラス転移温度(Tg)=Tg1×α1+Tg2×α2+・・・+Tgn×αn(Tg1、Tg2・・・Tgn:実測した各組成単体のガラス転移温度、α1、α2・・・αn:樹脂全重量に対する各組成単体の重量分率(%))の計算式より求めた。
また、最低増膜温度(MFT)は、JIS K−6828に準拠して、20重量%に調整した樹脂をスライドガラス上一面に広げ、所定の温度で乾燥し、乾燥した樹脂が一様な連続皮膜であり、且つ皮膜が白濁してない最低の温度とした。
本発明において、コアシェル型のアクリル樹脂としては、コア部にアクリル、スチレンアクリル又はスチレンメタアクリル樹脂を用いシェル部にスチレンアクリル又はスチレンメタアクリル樹脂を用いたコアシェル型エマルジョンが例示することができ、具体例としては、ジョンクリル74J、ジョンクリル537、PDX7677(以上、BASF社製)、などが挙げられる。中でも、ガラス転移温度(Tg)50℃以下、且つ最低造膜温度(MFT)25℃以下であるコアシェル型アクリル樹脂としては、ジョンクリル74J、PDX7677(以上、BASF社製)などが挙げられる。
一方、コアシェル型ではないアクリル樹脂としては、モビニール718、モビニール735、モビニール8020、モビニール8030、モビニール9000、(以上、クラリアントポリマー社製)、SA−532(日本触媒社製)などが挙げられる。
本発明で使用されるアクリル樹脂の配合量は、感熱記録層の全固形分に対して1〜30重量%(以下、重量部は固形分換算とする)が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。アクリル樹脂の配合量が1重量%以下のときは耐水性が得られず、30重量%以上のときは高い発色感度が得られにくい。
このほか、本発明ではバインダーとして、一般に公知のものを用いることができる。具体的には、重合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、その他の変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロール、アセチルセルロースのようなセルロース誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチルラール、ポリスチレンおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロ樹脂を例示することができる。
これらの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他の媒体中に乳化あるいはペースト状に分散した状態で使用し、要求される品質に応じて併用することも可能である。
バインダーの配合量としては、感熱層全固形分に対して1〜30重量%が好ましい。バインダーの配合量が1重量%以下のときは耐水性及び表面強度が低く、30重量%以上のときは高い発色感度が得られにくい。
本発明の感熱記録層は、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の架橋剤を使用することができる。かかる架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
また、本発明の感熱記録層は、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の滑材を使用することができる。かかる滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコン樹脂類などが挙げられる。このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
また、本発明の感熱記録層は、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用することができる。かかる増感剤としては、エチレンビスアミド,モンタン酸ワックス,ポリエチレンワックス,1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン,p−ベンジルビフェニル,β−ベンジルオキシナフタレン,4−ビフェニル−p−トリルエーテル,m−ターフェニル,1,2−ジフェノキシエタン,4,4’−エチレンジオキシ−ビス−安息香酸ジベンジルエステル,ジベンゾイルオキシメタン,1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エチレン,1,2−ジフェノキシエチレン,ビス〔2−(4−メトキシ−フェノキシ)エチル〕エーテル,p−ニトロ安息香酸メチル,シュウ酸ジベンジル,シュウ酸ジ(p−クロロベンジル),シュウ酸ジ(p−メチルベンジル),テレフタル酸ジベンジル,p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル,ジ−p−トリルカーボネート,フェニル−α−ナフチルカーボネート,1,4−ジエトキシナフタレン,1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル,4−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル、オルトトルエンスルホンアミド、パラトルエンスルホンアミドを例示することができるが,特にこれらに制限されるものではない。これらの増感剤は,単独または2種以上混合して使用してもよい。
本発明で使用する填料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられ、これらを単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができるが、塗工層強度、印字走行性の点から、炭酸カルシウムとシリカを併用することが望ましく、さらに、平均粒子径が3μm以上の炭酸カルシウムと平均粒子径が5〜10μm、吸油量が150ml/100g以上及び比表面積が150m/g以下のシリカを併用することが好ましい。なお、炭酸カルシウム及びシリカを用いた場合、炭酸カルシウム/シリカの重量比は20/80〜80/20であることが好ましく、更に好ましくは40/60〜60/40であり、塩基性ロイコ染料1重量部に対して0.5〜10重量部程度が好ましい。
また、本発明の感熱記録層は、上記課題に対する所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性等を付与する安定剤として、4,4’−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルブタン、4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン、エポキシレジン等を添加することもできる。
本発明の感熱記録体に使用する塩基性ロイコ染料、顕色剤、その他の各種成分の種類及び量は要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、通常、塩基性ロイコ染料1部に対して顕色剤0.5〜10部、増感剤0.5〜10部、填料0.5〜10部程度が使用される。
上記各塗液を紙、再生紙、合成紙、フィルム、プラスチックフィルム、発泡プラスチックフィルム、不織布等任意の支持体に塗布することによって目的とする感熱記録体が得られる。またこれらを組み合わせた複合シートを支持体として使用してもよい。塩基性ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダーおよび目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。塗布する手段は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗布することができ、例えばエアーナイフコーター、ロッドブレードコーター、ビルブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなど各種コーターを備えたオフマシン塗工機やオンマシン塗工機が適宜選択され使用される。感熱記録層の塗布量は特に限定されず、通常乾燥重量で2〜12g/mの範囲である。
また、本願発明の感熱記録体は、感熱記録層上に更に保護層を設けることを排除するものではない。この保護層としては、顔料と樹脂を主成分とすることが多く、例えば、ポリビニルアルコールや澱粉などの水溶性高分子が主成分として用いられる。特に、保護層にカルボキシル基含有樹脂、特にカルボキシ変性ポリビニルアルコールとエピクロロヒドリン系樹脂及び変性ポリアミン/アミド系樹脂を含有させることは、耐熱性、耐水性、耐湿熱性の点から望ましい。
更に、本発明の感熱記録体は、発色感度を高める目的で填料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層の下に設けることもできる。支持体の感熱記録層とは反対面にバックコート層を設け、カールの矯正を図ることも可能である。また、各層の塗工後にスーパーカレンダーがけ等の平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必適宜付加することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。なお、各実施例中、特に明記しない限り「部」は「重量部」を示す。
参考例1]
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、下塗り層塗液を調整した。
<下塗り層塗液>
焼成カオリン(エンゲルハード社製、アンシレックス90) 100部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 40部
完全鹸化ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)10%水溶液
30部
水 160部
次いで、下塗り層塗液を支持体(坪量50g/mの上質紙)の片面に塗布量が8.0g/mとなるように塗布した後、乾燥を行い、下塗り層塗工紙を得た。
染料、顕色剤、増感剤の各材料は、あらかじめ以下の配合の分散液をつくり、それぞれサンドグラインダーで平均粒径が0.5μmになるまで湿式磨砕を行った。粒径はレーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、マスターサイザーS)を用いて測定した。
<顕色剤分散液>
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン(APIコーポレーション社製) 6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液(日本合成化学社製、商品名:GL−3、重合度:300、ケン化度:88mol%) 18.8部
水 11.2部
<染料分散液>
3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製、ODB−2) 3.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液(GL−3) 6.9部
水 3.9部
<増感剤分散液>
1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン(三光社製、商品名:KS232)
6.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液(GL−3) 18.8部
水 11.2部
上記の各分散液を下記に示す割合で混合し、感熱記録層塗液を得た。
顕色剤分散液 36.0部
染料分散液 13.8部
増感剤分散液 36.0部
シリカ(商品名:カープレックス101、平均粒子径:7μm、吸油量:178ml/100g、BET比表面積、65m/g、デグサジャパン社製)50%分散液
13.0部
炭酸カルシウム(商品名:ツネックスE、平均粒子径:4.4μm、白石カルシウム社製)50%分散液 13.0部
30%ステアリン酸亜鉛分散液 6.7部
10%部分ケン化ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製商品名:PVA217 重合度:1750 ケン化度:88モル%) 20.0部
アルキルケテンダイマー(星光PMC社製、商品名:AD1604、固形分30%、内添用サイズ剤) 1.4部
この塗液を前記下塗り層塗工紙上に乾燥後の塗布量が6.0g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が200〜600秒になるように処理し、感熱記録体を得た。
[参考例2]
アルキルケテンダイマー1.4部に代えて、アルキルケテンダイマー(星光PMC社製、商品名:SE2360、固形分20%、表面サイズ用)2.1部を使用したほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[参考例3]
アルキルケテンダイマーの配合量を0.7部としたほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[参考例4]
アルキルケテンダイマーの配合量を2.0部としたほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例1]
アルキルケテンダイマーを用いないで参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例2]
アルキルケテンダイマー1.4部に代えて、変性ロジンエマルジョン(星光PMC社製、商品名:CC1404、固形分50%)0.8部を使用したほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例3]
アルキルケテンダイマー1.4部に代えて、スチレン−アクリル系表面サイズ剤(星光PMC社製、商品名:SE2064、固形分30%)1.4部を使用したほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例4]
アルキルケテンダイマー1.4部に代えて、アクリル系表面サイズ剤(星光PMC社製、商品名:SE2560、固形分25%)1.7部を使用したほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例5]
アルキルケテンダイマー1.4部に代えて、アクリル−オレフィン系表面サイズ剤(星光PMC社製、商品名:SE2647、固形分30%)1.4部を使用したほかは参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例]
参考例1で得た顕色剤分散液、染料分散液及び増感剤分散液を下記に示す割合で混合し、感熱記録層塗液2を得た。
参考例1の顕色剤分散液 36.0部
参考例1の染料分散液 13.8部
参考例1の増感剤分散液 36.0部
シリカ(水澤化学社製、商品名:P537)25%分散液 26.0部
炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名:ツネックスE、平均粒子径:4.4μm)50%分散液 13.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、商品名:ハイドリンZ−7−30)30%分散液
6.7部
ポリビニルアルコール水溶液(10%溶液)(クラレ社製、商品名:PVA217、重合度:1750、ケン化度:88モル%) 20.0部
スチレンアクリル樹脂(BASF社製、商品名:ジョンクリル74J、固形分濃度45%、ガラス転移点22℃、最低造膜温度5℃) 10.0部
アルキルケテンダイマー(星光PMC社製、商品名:AD1604、固形分30%)
1.4部
この塗液を参考例1で得た下塗り層塗工紙上に乾燥後の塗布量が6.0g/mとなるように塗布乾燥し、スーパーカレンダーでベック平滑度が200〜600秒になるように処理し、感熱記録体を得た。
[実施例]
実施例のスチレンアクリル樹脂を非コアシェル型のアクリル樹脂(クラリアントポリマー社製、商品名:モビニール735、固形分濃度43%、ガラス転移点14℃、最低造膜温度25℃)に置き換えた以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例]
実施例のアルキルケテンダイマーの部数を4.2部に変更した以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例]
実施例のアルキルケテンダイマーの部数を0.16部に変更した以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
[実施例
参考例1の感熱記録層塗料の部分ケン化ポリビニルアルコール水溶液(PVA217)20部の代わりに、スチレンアクリル樹脂(BASF社製、商品名:ジョンクリル74J)を15部添加した以外は参考例1と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例6]
実施例のスチレンアクリル樹脂を完全ケン化ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA117、重合度:1750、ケン化度:98モル%)に置き換え、かつ、アルキルケテンダイマーを用いない以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例7]
実施例のアルキルケテンダイマーを用いない以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例8]
実施例のスチレンアクリル樹脂を、アクリル樹脂(クラリアントポリマー社製、商品名:モビニール9000、固形分濃度40%)5部と球状コロイダルシリカ(クラリアントジャパン社製、商品名:クレボゾール40R12、固形分濃度40%)5部に置き換え、かつ、アルキルケテンダイマーを用いない以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
[比較例9]
実施例のアルキルケテンダイマーを、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC社製、商品名:WS4020、固形分濃度25%)1.8部に変更した以外は、実施例と同様にして感熱記録体を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた感熱記録体について次のような評価を行った。
[発色感度]
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、作成した感熱記録体に印加エネルギー0.34mJ/dot及び0.25mJ/dotで印字を行った。印字後及び品質試験後の画像濃度はマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
[表面強度]
プリューフバウ印刷機を用いて、枚葉インキ(東洋インキ製造社製、商品名:TK ハイユニティーMZ藍)を0.25ml(印刷ユニット圧:50kgf)、湿し水を0.015ml(湿し水ユニット圧:20kgf)使用して感熱記録層の表面に印刷(印刷速度:100m/min)を行った際のインクの付着状態をチェックし、参考例1〜4及び比較例1〜5の感熱記録体については、インクの抜けの有無を目視判定し、次の基準で評価した。
◎:インクの抜けが全くない
○:インクの抜けがほとんどない
×:インクの抜けが多い
また、実施例及び比較例6〜9の感熱記録体については、塗工層剥がれの有無を目視判定し、次の基準で評価した。
○:塗工層剥がれがほとんどない
△:塗工層剥がれが若干ある
×:塗工層剥がれが多い
[印字走行性]
参考例1〜4及び比較例1〜5の感熱記録体については、イシダラベルプリンター(商品名:IP21EX)を使用して、−5℃で印字を行い、ベタ印字部の抜けの具合を目視判定した。
◎:記録面の抜けが全くない
○:記録面の抜けがほとんどない
△:記録面の抜けが若干ある
×:記録面の抜けが非常に悪い
また、実施例及び比較例6〜9の感熱記録体については、サトー社製ラベルプリンタ(プリンタ名:レスプリR−8)にて長さ30cmの格子印字をおこない、印字後のサーマルヘッドに付着したヘッドカス及び印字サンプルを目視観察した。
○:サーマルヘッドにヘッドカスの付着がほとんどない
△:サーマルヘッドに僅かにヘッドカスが付着するが、印字部のかすれはみられない
×:サーマルヘッドにヘッドカスが付着し、印字部がかすれる
[耐水性(耐水ブロッキング性)]
感熱記録体の表面に水滴を50μl垂らし、記録面が内側になるように二つ折りにし、水滴を滴下した記録体の上に10g/cmの荷重をかけ、23℃50%Rhの環境下
で24時間放置し、その後記録面を剥がし、105℃で2分間発色させ、記録面の剥がれ
度合いを目視判定し、次の基準で評価した。
◎:記録面の剥がれが全くない
○:記録面の剥がれがほとんどない
△:記録面の剥がれが若干見られる
×:記録面の剥がれが多い
[保存時の白紙部保存性]
60℃に保持した送風乾燥機に感熱記録体を72時間放置し、試験前後の白色度の差をハンター白色度計(フィルター:Am)を用いて測定した。
○:白色度の低下が2ポイント未満
△:白色度が2ポイント以上10%未満低下する
×:白色度が10ポイント以上低下する
評価結果を下表に示す。
Figure 2012179916
Figure 2012179916

Claims (6)

  1. 支持体上に、無色又は淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体であって、該感熱記録層にアルキルケテンダイマー及びアクリル樹脂(ポリアクリル酸塩を除く。)を含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記アクリル樹脂の配合量が、感熱記録層全固形分100重量部に対して1〜30重量部である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記アクリル樹脂がコアシェル型のスチレン−アクリル樹脂である請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)が50℃以下、最低造膜温度(MFT)が25℃以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  5. 前記アルキルケテンダイマーの配合量が、感熱記録層全固形分100重量部に対して0.1〜5重量部である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  6. 前記感熱記録層上に保護層を有しない請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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