JPH10250232A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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Publication number
JPH10250232A
JPH10250232A JP9064335A JP6433597A JPH10250232A JP H10250232 A JPH10250232 A JP H10250232A JP 9064335 A JP9064335 A JP 9064335A JP 6433597 A JP6433597 A JP 6433597A JP H10250232 A JPH10250232 A JP H10250232A
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JP
Japan
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latex
recording material
parts
heat
sensitive recording
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Application number
JP9064335A
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English (en)
Inventor
Yoshisane Ikezawa
善実 池澤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10250232A publication Critical patent/JPH10250232A/ja
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オフセット印刷適性、記録感度及びカス付着防
止性能に優れた感熱記録材料を提供する。 【解決手段】支持体上に、顔料としてJIS K−51
01法による吸油量が80ml/100g以上の焼成カ
オリンとTgが0℃以下であるラテックスを含有し、且
つ顔料とラテックスの混合比率が、該顔料100重量部
に対して該ラテックスが10〜20重量部であるアンダ
ーコート層、感熱記録層を順次積層した感熱記録材料で
あって、該アンダーコート層表面の、ブリストー法によ
る接触時間150msにおける水の転移量が3〜8ml
/m2であることを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、特にオフセット印刷適性に優れ、しかも記録感度や
熱ヘッドへのカス付着防止性能に優れた感熱記録材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、一般に、支持体上に電
子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容
性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けたもので
あり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱すること
により、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記録画像が
得られるもので、特公昭43−4160号公報、同45
−14039号公報等に開示されている。このような感
熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守
が容易なこと、騒音の発生がないこと等の利点があり、
ファクシミリやコンピューターの端末機のみならず広範
囲で利用されている。特に、各種機器類用のチャート
紙、レジのレシート、CD/ATMの明細書、ハンディ
ターミナルによって発行されるガス、水道料金等の領収
書等として使用される感熱記録材料においては、感熱記
録層上にオフセット印刷を施す必要があるために、オフ
セット印刷適性に優れた感熱記録材料の要望が高まって
いる。
【0003】ところが、支持体と感熱記録層との間に記
録感度や画質向上のためにアンダーコート層が設けられ
ている感熱記録材料の場合、このオフセット印刷適性が
極端に低下し易い。即ち、焼成カオリン等の吸油性顔料
を主成分とするアンダーコート層は感熱記録層に比べ著
しく脆弱な塗層強度であり塗層全体としての強度が不足
する結果、印刷中、ブランケットへ感熱記録層が剥がれ
落ち、徐々に堆積する「パイリング」が発生しやすい。
「パイリング」の発生は、印刷画像部の欠けやかすれ、
印刷非画像部の地汚れ等といった、非常に厄介な障害と
なるものである。
【0004】従来、感熱記録材料の印刷適性を改良する
ための方法として、例えば、感熱記録層のバインダー量
の増加が提案されている。また、特開平1−15077
号公報、同2−50844号公報、同5−286237
号公報等には、感熱記録層中にポリビニルアルコールや
変性ポリビニルアルコールと炭酸ジルコルアンモニウム
を含有することにより、耐水性向上により印刷適性を改
良する方法が提案されている。しかしながら、これらの
提案は、感熱記録層のみで改良するものであり、アンダ
ーコート層の脆弱さが残されたままとなり十分な改良に
到るものではなかった。
【0005】また、特開平4−14481号公報等に
は、感熱記録層上に保護層を設けた感熱記録材料の印刷
適性の改良が提案されている。しかしながら、保護層を
設けた場合、保護層皮膜が水で溶解することによって水
ブロッキングが発生しやすく、ハンディターミナル等の
用途では、保護層を設けた感熱記録材料は敬遠されてい
るのが現状である。
【0006】さて、アンダーコート層を備えた感熱記録
材料にとって、アンダーコート層の改良抜きに大幅な印
刷適性向上は望めないことは自明であるが、アンダーコ
ート層に関する従来の提案は、専ら、記録感度、画質及
び熱ヘッドへのカスの付着防止等の観点で進められい
る。ところが、これら記録感度等の向上は、逆に印刷適
性の低下をもたらす。即ち、構造性顔料である焼成カオ
リン等を主成分として、更にその熱遮断性能やカス付着
防止性能を損なわない様にバインダー量を少量に設定さ
せたアンダーコート層はバルキーな塗層構造であるか
ら、必然的に塗層強度が弱くなり印刷適性も期待できな
いものとなってしまう。
【0007】特開平4−59283号公報には、撹拌処
理後の高せん断粘度の範囲を特定した吸油量が80ml
/100g以上の焼成カオリン等の顔料とTgが0℃以
下であるラテックスを含有した水分散液を含むアンダー
コート液を塗布することにより、表面強度を低下させず
に記録感度に優れた感熱記録材料とする製造方法が提案
されているが、印刷適性を分散条件のみで改良するには
限界がある。
【0008】ところで、オフセット印刷の場合、湿し水
供給量を調節することにより印刷条件の最適化を行う
が、この湿し水の存在がアンダーコート層を備えた感熱
記録材料の印刷適性に対して大きい影響を与えている。
つまり、湿し水供給量を多くすると、いわゆる乳化イン
キとなってタックが下がり画像部のパイリングを抑制さ
せるものの、過剰な水分の浸透が塗層を脆弱化させ非画
線部のパイリングをもたらし、逆に、湿し水供給量を減
らすと非画像部のパイリングは改良されるものの、画像
部のパイリングが悪化しやすい。特に、多色オフセット
印刷の場合、2胴目以降のパイリングが問題となるが、
これは、湿ったブランケットと感熱記録層表面との接触
が連続して起きることにより、感熱記録層を通過してア
ンダーコート層迄湿し水が十分に浸透し、アンダーコー
ト層の脆弱化が一層進むために感熱記録材料全体として
の強度が著しく低下するためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感熱記録材
料に関し、特にオフセット印刷適性に優れ、しかも記録
感度や熱ヘッドへのカス付着防止性能に優れた感熱記録
材料を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、オフセット
印刷適性、特にパイリングに優れた感熱記録材料を得る
方法について鋭意検討を重ねてきた。その結果、所望の
結果を得るためには、オフセット印刷に用いられる湿し
水が感熱記録層の下にあるアンダーコート層への浸透を
調節すること、即ち、アンダーコート層の吸水性を制御
することによって脆弱化を防止することが重要であるこ
とを見出した。
【0011】本発明の感熱記録材料は、支持体上に、顔
料としてJIS K−5101法による吸油量が80m
l/100g以上の焼成カオリンとTgが0℃以下であ
るラテックスを含有し、且つ顔料とラテックスとの混合
比率が、該顔料100重量部に対して該ラテックスが固
形部で10〜20重量部であるアンダーコート層、感熱
記録層を順次積層した感熱記録材料であって、該アンダ
ーコート層表面の、ブリストー法(J.TAPPI紙パ
ルプ試験方法NO.51−87)による接触時間150
msにおける水の転移量が3〜8ml/m2以下である
ことを特徴とするものである。
【0012】好ましくは、ラテックスが、粒子径が10
0〜150nm、且つカルボキシ化度が4〜8%であ
る。
【0013】更に、好ましくは、ラテックスが、スチレ
ン−ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン系共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系
共重合体から選ばれる少なくとも1種類以上である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感熱記録材料につ
いて、詳細に説明する。紙等に対する水の浸透性を評価
する方法として、従来よりステキヒトサイズ度試験、コ
ブサイズ度試験等が一般的に用いられているが、これら
の試験法と比べ、本発明におけるブリストー法(J.T
APPI紙パルプ試験方法NO.51−87)は、1秒
以下の瞬間的な塗層表面の吸水特性を正確に捉えること
が可能であり、実際にオフセット印刷時の湿し水が感熱
記録層を通過し、アンダーコート層に到達し浸透する際
の瞬時の挙動を知る上で有効な指標となり得る。
【0015】ところで、接触時間150msにおける水
の転移量が3ml/m2未満になると、アンダーコート層
内の成膜が過剰に進んでいる、即ち、顔料粒子間及び粒
子内の空隙をバインダーで埋められいることを意味し、
水の浸透による脆弱化が避けられ印刷適性は向上するも
のの、記録感度向上やカス付着防止といった本来アンダ
ーコート層が備えるべき特性が著しく損なわれる。
【0016】一方、水の転移量が8ml/m2を超えると
アンダーコート層の強度低下が大きく、印刷時のパイリ
ングは改良されない。
【0017】本発明の特定要件を満たすための方法とし
て、先ず、アンダーコート層を構成するJIS K−5
101法による吸油量が80ml/100g以上の焼成
カオリンを含む顔料とTgが0℃以下であるラテックス
の配合比の調節が挙げられる。顔料100重量部に対し
てラテックス含有量は、固形部で10〜20重量部の範
囲とすることが好ましい。ここで、ラテックスが10重
量部よりも少ないとバルキーなアンダーコート層に対し
て成膜は不十分となり、ブリストー法による接触時間1
50msにおける水の転移量が8ml/m2を超えてしま
い、本発明の特定要件を満たすことが出来ず、又、20
重量部を超えて含有すると、成膜が進み過ぎるために水
の転移量が3ml/m2未満となって、やはり本発明の特
定要件を満たすことが出来ない。
【0018】本発明の顔料としては、焼成カオリンが、
記録感度、印字性、カス付着防止能力に優れたものとし
て用いられているが、焼成カオリン以外の顔料として、
タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、硫酸亜鉛等を適宜選択して焼成カオリンの3
0重量%以下の範囲で置換して含有することができ、ア
ンダーコート層の空孔を減らすことにより、水の転移量
に関する本発明の特定要件を満たすことが出来る。ここ
で、焼成カオリンの30重量%を超えて置換すると、印
刷適性は向上するものの記録感度やカス付着防止能力が
低下する。
【0019】本発明のバインダーとしては、Tgが0℃
以下であるラテックスが成膜性、接着強度、耐水性、ゴ
ム弾性に優れたものとして用いられる。具体的には、ポ
リブタジエン、スチレン−ブタジエン系共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン系共重合体、メチルメタクリ
レート−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリロニ
トリル−ブタジエン系共重合体、スチレン−ビニルピリ
ジン−ブタジエン系共重合体、ポリクロロプレン、ポリ
酢酸ビニル、酢酸ビニル−アルキルアクリレート系共重
合体、酢酸ビニル−エチレン系共重合体、酢酸ビニル−
プロピオン酸ビニル系共重合体、酢酸ビニル−分岐脂肪
酸ビニル(Veo Va)系共重合体、酢酸ビニル−ジブチル
マレエート系共重合体、メチルメタクリレート−アルキ
ルアクリレート系共重合体、スチレン−アルキルアクリ
レート系共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−
アルキルアクリレート系共重合体、塩化ビニル系共重合
体、塩化ビニリデン系共重合体等が挙げられる。
【0020】更に、本発明者は、Tgが0℃以下である
ラテックスの中でも、特に粒子径が100〜150nm
であり、且つカルボキシル化度が4〜8%であるラテッ
クスを用いることによって、本発明における特定要件を
容易に満たすことを可能とし、より一層の優れた印刷適
性が得られることを見出した。
【0021】これは、上記説明のラテックスが構造顔料
である焼成カオリンに対して理想的な融着形態を取り、
接着剤として有効に機能するためであり、ラテックスの
焼成カオリンに対する含有量を増やさずに本発明の特定
要件である吸水特性を得ることが出来るため、記録感度
やカス付着防止能力を低下させずに印刷適性を向上させ
ることを可能とするものである。
【0022】先ず、ラテックスの粒子径であるが、流動
性や形成されるフィルムの強度や耐水性に与える影響が
非常に大きい。流動性についてみた場合、小粒子径化は
ラテックス自体の粘度を上昇させ、更に、本発明のアン
ダーコート塗液の様に、ラテックス以外にも水溶性樹脂
を含有しているときには、小粒子径化はラテックス粒子
間の水溶性樹脂の橋かけを容易とし、チキソトロピー性
が増すためにアンダーコート塗液の保水性が改善され
る。
【0023】その結果、ラテックス粒子のマイグレーシ
ョンが抑制され、塗層中のラテックスが均一に分布する
こととなる。しかし、粒子径が小さくなりすぎると、粘
度が著しく上昇し塗抹適性の悪化を招いてしまう。又、
小粒子径化による接着強度や耐水性の効果についてみた
場合、小粒子径化は単に接着点の増加ばかりではなく、
構造顔料であって凹凸を多く含む焼成カオリン表面に隈
無くラテックスを配置させることを可能として融着が理
想的に行われるために、強度や耐水性をより増すことが
可能となる。しかし、粒子径が小さくなりすぎると、構
造顔料の表面以外に内部迄ラテックスが入り込みやすく
なり、強度や耐水性が逆に低下する。以上のことを考慮
してラテックスの粒子径を決定すると、100〜150
nmの範囲となり、これは本発明の特定要件を満たすの
に非常に有効である。
【0024】一方、本発明におけるラテックスのカルボ
キシル化は、上記の粒子径の特定と相俟って、アンダー
コート層の耐水性や強度を向上させるのに非常に有効で
ある。カルボキシル化とは、アクリル酸、メタクリル
酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸等の不飽和
カルボン酸の共重合を指し、これはラテックス粒子の安
定性やラテックス粒子と顔料粒子間の親和性に寄与し、
成膜の際にラテックス粒子が最密充填状態で融着すると
同時に、顔料との接着性も高まり、耐水性や強度が非常
に優れたものとなる。又、カルボキシル基は、ラテック
ス粒子表層を中心に配置されるといわれており、少量の
カルボキシル化でも効果が大きい。
【0025】本発明の場合、カルボキシル化度として、
4〜8%であることが重要である。カルボキシル化度と
は、重合成分中に含まれる不飽和カルボン酸の重量比で
あり、これが4%より小さいと耐水性や強度の発現が弱
く、又、8%を超えるとラテックス自体及びアンダーコ
ート塗液の増粘が激しく、塗抹適性の悪化を生じてしま
うので好ましくない。
【0026】更に本発明では、粒子径が100〜150
nmであり、且つカルボキシル化度が4〜8%であるラ
テックスが、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン系共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン系共重合体から選ばれる少なくとも1
種類以上であることが重要であり、これらのラテックス
の特徴はいずれも強度と耐水性に優れることである。
【0027】中でも、スチレン−ブタジエン系共重合体
は、強度に優れ、本発明の印刷適性に優れた感熱記録材
料のラテックスとして相応しい。スチレン−ブタジエン
系共重合体は、スチレンとブタジエンの重合比を変化さ
せると、容易に強度と成膜性を制御することが出来る。
スチレンの重合率が40%以下では成膜性に優れ形成さ
れるフィルムは柔軟であるが強度は低く、55%以上で
は強度は増すが柔軟性を失う。従って、スチレンの重合
率は成膜性と強度を兼ね備えた設計とし、具体的には、
40〜55%とすることが好ましい。
【0028】本発明では、アンダーコート塗液のバイン
ダーとして、ラテックス以外にも保水性や保護コロイド
性等を補完するために、デンプン類、ヒドロキシエチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アル
ギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、変性ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド
/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/ア
クリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレ
ン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/
無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂を
混用して用いることが出来る。また、バインダーとの併
用で用いる架橋剤としては、メラミン、エポキシ、ジメ
チロールウレア、ポリアルデヒド、ジルコニウム塩等が
挙げられる。
【0029】本発明のアンダーコート塗液には、上記の
顔料とバインダーの他に、必要に応じて、顔料分散剤、
滑剤、耐水化剤、消泡剤、腐敗防止剤等を含有すること
が出来る。
【0030】アンダーコート塗液は、上記の顔料とバイ
ンダー等の組成物、そして水を適量混合した後、十分に
撹拌して調製される。
【0031】アンダーコート塗液の支持体上への塗布に
は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロール
コーター、ロッドコーター、カーテンコーター等が用い
られる。
【0032】アンダーコート層の塗工量としては、固形
で4〜14g/m2以下の範囲で調節することが好まし
い。
【0033】かくして形成されたアンダーコート層上に
設けられる感熱記録層の構成に関しては、従来の如何な
るものでもよいが、電子供与性の通常無色ないし淡色の
染料前駆体と電子受容性化合物が主成分として用いられ
る。染料前駆体と電子受容性化合物は、単独あるいは混
合で、通常、水溶性樹脂中で微細に粉砕処理され水系分
散液とし、この分散液を用い感熱記録塗液が調製され
る。感熱記録塗液には、他に、増感剤、バインダー、顔
料、スティッキング防止剤、分散剤、紫外線吸収剤等と
いった複数成分が必要に応じて添加される。
【0034】本発明に用いられる染料前駆体としては、
一般に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられているも
のであれば特に制限されない。
【0035】具体的な例を挙げれば、次のとおりであ
る。 (1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p
−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−
イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−
5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノ
フェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6
−ジメチルアミノフタリド等、
【0036】(2)ジフェニルメタン系化合物:4,
4’−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリル
ベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミ
ン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミン等、
【0037】(3)キサンテン系化合物:ローダミンB
アニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノ
ラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニ
リノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−ク
ロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリ
ル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキ
シル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
【0038】(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイ
コメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレ
ンブルー等、
【0039】(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロ
ジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、
3,3’−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジ
ルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メ
トキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベン
ゾピラン等、を挙げることができ、これらは単独もしく
は2つ以上混合して使うことができる。
【0040】本発明に用いられる電子受容性化合物とし
ては、一般に感熱記録材料に使用されているものであれ
ば、特に制限はなく、例えば、4−フェニルフェノー
ル、4−t−ブチルフェノール、4−ヒドロキシアセト
フェノン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、2,
2’−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−エチレンビス(2−メチルフェノ
ール)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2
−イソプロピルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒ
ドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)酢酸エステル類、没食子酸アルキルエステル類、
ノボラック型フェノール樹脂等のフェノール性化合物、
フタル酸モノアニリドパラエトキシ安息香酸、パラベン
ジロキシ安息香酸、3−5−ジ−t−ブチルサリチル
酸、3−5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、3−
メチル−5−t−ブチルサリチル酸、、4−n−オクチ
ルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−デシル
オキシカルボニルアミノサリチル酸等の芳香族カルボン
酸、およびこれらフェノール性化合物と亜鉛、カルシウ
ム、バリウム、ニッケル、マンガン、コバルト、アルミ
ニウム等の多価金属塩等を適宜添加することができる。
【0041】本発明の感熱記録材料を良好な熱応答性が
得られるものとするためには、増感剤が添加される。増
感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、N−ヒド
ロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、N
−ヒドロキシメチルベヘン酸アミド、N−ステアリルス
テアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等
の脂肪酸アミド類、N−ステアリル尿素等の尿素誘導
体、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導
体、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、4−
アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、2,
2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテ
ル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエ
ーテル化合物、アジピン酸ジフェニル、蓚酸ジベンジ
ル、蓚酸ジ(4−クロルベンジル)エステル、テレフタ
ル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル等のカルボン酸
エステル類、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル等の
スルホン酸エステル類、ビス(4−アリルオキシフェニ
ル)スルホン等のジフェニルスルホン類、4−アセチル
アセトフェノン等のジケトン類、アセト酢酸アニリド
類、脂肪酸アニリド類、1,2−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)エタン等の熱可融性物質が本発明の所望の
効果を阻害しない範囲で用いることができ、これらの化
合物は単独あるいは2種以上併用しても良い。
【0042】感熱記録塗液のバインダーとしては、ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプ
ン類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼ
ラチン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、
アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元
共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカ
リ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩
等の水溶性バインダーが一般的であるが、上記のアンダ
ーコート層に適用できるラテックスのなかからも適宜選
択して使用することができる。又、これらのバインダー
の架橋剤として、メラミン、エポキシ、ジメチロールウ
レア、ポリアルデヒド、ジルコニウム塩等を添加するこ
ともできる。
【0043】感熱記録塗液の顔料としては、ケイソウ
土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫
酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロ
イダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿
素−ホルマリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、
ナイロンパウダー等の有機顔料を使用することが出来
る。
【0044】スティッキング防止剤としては、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩、ステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミ
ド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、パラフィ
ン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレ
ン、カスターワックス等のワックス類といった滑剤を使
用することが出来る。又、分散剤としては、ジ−2−エ
チルヘキシルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸
塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ヘキサメタリ
ン酸塩等、消泡効果を目的とした分散助剤としては、ア
セチレンアルコール、アセチレングリコール、シリコー
ンオイルコンパウンド等を使用することが出来る。更
に、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外
線吸収剤、蛍光染料等を必要に応じて添加できる。
【0045】感熱記録塗液のアンダーコート層への塗布
には、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロー
ルコーター、ロッドコーター、カーテンコーター等が用
いられ、感熱記録層の塗抹量は、通常、染料前駆体塗抹
量で0.1〜1.0g/m2が適当である。0.1g/m2
よりも少量である場合には十分な発色特性が得られず、
また、1.0g/m2よりも量が多くても発色感度の向上
は見られず、経済的に不利である。
【0046】本発明に使用される支持体としては、紙が
主として用いられるが、不織布、プラスチックフィル
ム、合成紙、金属箔等或いはこれらを組み合わせた複合
シートを任意に用いることができる。又、表面平滑性を
改良するためには感熱記録層塗布後にマシンカレンダ
ー、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、ブラッシ
ング等の装置を利用することが出来る。更に、感熱記録
層上に感熱記録層を保護するためにオーバーコート層を
設けたり、支持体の裏面にバックコート層を設けたり、
粘着加工を施す等感熱記録材料製造に於ける種々の公知
技術を用いることができる。
【0047】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお以下に示す部および%はいずれも重量基準である。
【0048】 実施例1 <アンダーコート紙の作製> 焼成カオリン(ノート゛カオリン製ノーカル、吸油量114ml/100g) 100部 ヘキサメタリン酸ソーダ 0.4部 20%溶解リン酸エステル化澱粉(日本食品製、MS4600) 25部 48%スチレンーブタジエン系共重合体ラテックス(粒子径120nm、カルボ キシル化度6%、Tg−12℃)(固形部で12部) 25部 を固形分40%となるように調製し、分散機(特殊機化
工業製T.Kホモディスパー)で5分間撹拌してアンダ
ーコート塗液を得た。このアンダーコート塗液を、坪量
40g/m2の上質紙に固形分塗布量が9g/m2となるよ
うにテストブレードコーターにて塗工、乾燥しアンダー
コート紙を得た。
【0049】<感熱記録層塗液の作製>下記の(A)と
(B)の混合液を、各々ダイノミル(WEB製サンドミ
ル)で体積平均粒子径2μm以下となるように粉砕し、
各分散液を調製した。また、(C)の混合液をホモジナ
イザー(日本精機製)で5分間攪拌し、顔料分散液を得
た。
【0050】 (A)染料分散液 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30部 2.5%ポリビニルアルコール水溶液 70部
【0051】 (B)電子受容性化合物分散液 4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸亜鉛 40部 2.5%ポリビニルアルコール水溶液 60部 2.5%スチレンマレイン酸モノエステル共重合体のアンモニウム塩水溶液 60部
【0052】 (C)顔料分散液 炭酸カルシウム(白石カルシウム製:カルライトSA) 50部 2.5%ポリビニルアルコール水溶液 200部
【0053】次に、(A)、(B)、(C)の各分散液
の他に下記のものを混合、攪拌して感熱記録層塗布液を
調製した。 (A)染料分散液 100部 (B)電子受容性化合物分散液 160部 (C)顔料分散液 250部 40%ステアリン酸亜鉛水分散液 25部 40%メチロールステアリン酸アミド水分散液 25部 20%パラフィンワックス水分散液 25部 10%ポリビニルアルコール水溶液 200部 10%ジメチロールウレア水溶液 10部 水 100部
【0054】<感熱記録材料の作製>調製して得られた
感熱記録層塗液を、上記のアンダーコート紙表面に、固
形分塗布量が6g/m2となるようにエアーナイフコータ
ーで塗布、乾燥して感熱記録層を形成した後、感熱記録
層表面のベック平滑度が400〜500秒になるように
スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録材料を作製し
た。
【0055】実施例2 実施例1における48%スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスの代わりに48%アクリロニトリル−ブタジ
エン系共重合体ラテックス(粒子径120nm、カルボ
キシル化度6%、Tg−20℃)を用いた以外は、実施
例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0056】実施例3 実施例1における48%スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスの代わりに48%メチルメタクリレート−ブ
タジエン系共重合体ラテックス(粒子径120nm、カ
ルボキシル化度6%、Tg−14℃)を用いた以外は、
実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0057】実施例4 実施例1における48%スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスの代わりに48%酢酸ビニル−エチレン系共
重合体ラテックス(粒子径120nm、カルボキシル化
度6%、Tg−8℃)を用いた以外は、実施例1と同様
にして感熱記録材料を作製した。
【0058】実施例5 実施例1における48%スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスの代わりに48%メチルメタクリレート−2
−エチルヘキシルアクリレート系共重合体ラテックス
(粒子径120nm、カルボキシル化度6%、Tg−5
℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材
料を作製した。
【0059】実施例6 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カ
ルボキシル化度を6%から3%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−10℃)を用
い、添加部数を25部から37.5部(固形部で18
部)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料
を作製した。
【0060】実施例7 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カ
ルボキシル化度を6%から3%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−12℃)を用
い、添加部数を25部から37.5部(固形部で18
部)とし、焼成カオリン(ノーカル)100部の代わり
に、下記の顔料を用いた以外は、実施例1と同様にして
感熱記録材料を作製した。 焼成カオリン(ノーカル) 75部 重質炭酸カルシウム(白石カルシウム製ソフトン2200、吸油量38ml/100g) 25部
【0061】実施例8 実施例1における48%スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カル
ボキシル化度を6%から9%とした48%スチレン−ブ
タジエン系共重合体ラテックス(Tg−14℃)を用
い、添加部数を25部から37.5部(固形部で18
部)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料
を作製した。
【0062】実施例9 実施例1における48%スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスの粒子径を120nmから90nm、カルボ
キシル化度を6%から3%とした48%スチレン−ブタ
ジエン系共重合体ラテックス(Tg−10℃)を用い、
添加部数を25部から37.5部(固形部で18部)と
した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
した。
【0063】比較例1 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カ
ルボキシル化度を6%から3%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−10℃)を用
い、添加部数を25部から20部(固形部で9.6部)
とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作
製した。
【0064】比較例2 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カ
ルボキシル化度を6%から3%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−10℃)を用
い、添加部数を25部から50部(固形部で24部)と
した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
した。
【0065】比較例3 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カ
ルボキシル化度を6%から3%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−10℃)を用
い、添加部数を25部から37.5部(固形部で18
部)とし、焼成カオリン(ノーカル)100部の代わり
に、下記の顔料を用いた以外は、実施例1と同様にして
感熱記録材料を作製した。 焼成カオリン(ノーカル) 50部 重質炭酸カルシウム(ソフトン2200) 50部
【0066】比較例4 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから180nm、カ
ルボキシル化度を6%から3%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−10℃)を用
い、添加部数を25部から37.5部(固形部で18
部)とし、焼成カオリン(ノーカル)100部の代わり
に、非晶質シリカ(水澤化学工業製ミズカシルP−52
7、吸油量160ml/100g)100部を用いた以
外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0067】比較例5 実施例1における48%スチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックスの粒子径を120nmから200nm、カ
ルボキシル化度を6%から1%とした48%スチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックス(Tg−3℃)を用
い、添加部数を25部から37.5部(固形部で18
部)とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料
を作製した。
【0068】以上の実施例1〜9および比較例1〜5で
作製したアンダーコート紙及び感熱記録材料を下記の試
験に供した。アンダーコート塗液配合で使用した顔料と
ラテックスの種類及び固形部数を表1、そして試験結果
を表2に示す。尚、表1中で、ラテックスの種類は次の
略称で示した。SBR(スチレン−ブタジエン系共重合
体)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン系共重合
体)、MBR(メチルメタクリレート−ブタジエン系共
重合体)、EVA(酢酸ビニル−エチレン系共重合
体)、MMA/EHA(メチルメタクリレート−2−エ
チルヘキシルアクリレート系共重合体)。
【0069】<アンダーコート紙のブリストー法による
水の転移量の測定>20℃、65%RH雰囲気下で、東
洋精機製作所製ブリストーテスターにて、40μlの
0.1%kayafect red B(日本化薬製直
接染料)水溶液を注入した0.5mmスリット幅のヘッ
ドボックスを使用し、アンダーコート層表面の接触時間
150msにおける水の転移量を測定した。
【0070】<オフセット印刷適性>明製作所製RI試
験機にてオフセット印刷適性を評価した。インキにトラ
ンスG藍ノーマル(大日本インキ化学工業製)を0.4
cc用いて、水ロールを通した後に印刷を行い、感熱記
録層表面の剥離状態を目視で評価した。評価は以下の指
標によった。 ◎:剥離が殆どない。 ○:剥離が僅かにあるが、実用上問題ない。 △:剥離がやや多いものの、実用可能である。 ×:剥離が非常に多く、実用不可である。
【0071】<発色特性及び熱ヘッドカス付着評価>セ
イコー電子工業製プリンターDPU−5300を使用
し、内蔵テストチャートを連続で1時間印字した後、発
色濃度をマクベスRD−918型反射濃度計で測定し
た。又、この時の熱ヘッドへのカス付着状態を目視で評
価した。評価は以下の指標によった。 ◎:カス付着が殆どない。 ○:カス付着が僅かにあるが、実用上問題ない。 △:カス付着がやや多いものの、実用可能である。 ×:カス付着が非常に多く、実用不可である。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】表2で明らかなように、実施例1〜9の感
熱記録材料は、いずれもアンダーコート層表面の水の転
移量が本発明の特定要件を満たしているために、実施例
1〜5では、印刷適性、記録感度及び熱ヘッドへのカス
付着防止性能の全ての面で良好であり、中でも、実施例
1〜3が、非常に優れていることを示している。又、実
施例6〜9では、印刷適性、記録感度及びカス付着防止
性能が実用可能な範囲の特性を有しいることを示してい
る。一方、比較例1〜5の感熱記録材料は、いずれもア
ンダーコート層表面の水の転移量が本発明の特定要件を
満たしておらず、印刷適性が優れていても記録感度やカ
ス付着防止性能が低かったり、逆に、記録感度やカス付
着防止性能が優れていても印刷適性が低く、実用不可で
あることを示している。
【0075】
【発明の効果】実施例から明らかなように、アンダーコ
ート層表面の、ブリストー法による接触時間150ms
における水の転移量を3〜8ml/m2とすることによ
り、オフセット印刷適性に優れ、しかも記録感度や熱ヘ
ッドへのカス付着防止性能に優れた感熱記録材料が得ら
れる。特に、アンダーコート層中に含有されるラテック
スが、粒子径が100〜150nm、且つカルボキシ化
度が4〜8%であり、スチレン−ブタジエン系共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン系共重合体から選ばれる少
なくとも1種類以上であることによって、より一層のオ
フセット印刷適性、記録感度及びカス付着防止性能に優
れた感熱記録材料が得られることが分かる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、顔料としてJIS K−5
    101法による吸油量が80ml/100g以上の焼成
    カオリンとTgが0℃以下であるラテックスを含有し、
    且つ顔料とラテックスの混合比率が、該顔料100重量
    部に対して該ラテックスが固形部で10〜20重量部で
    あるアンダーコート層、感熱記録層を順次積層した感熱
    記録材料であって、該アンダーコート層表面の、ブリス
    トー法(J.TAPPI紙パルプ試験方法NO.51−
    87)による接触時間150msにおける水の転移量が
    3〜8ml/m2であることを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 ラテックスが、粒子径が100〜150
    nm、且つカルボキシ化度が4〜8%であることを特徴
    とする請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 ラテックスが、スチレン−ブタジエン系
    共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体、
    メチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体から選ば
    れる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求
    項2記載の感熱記録材料。
JP9064335A 1997-03-18 1997-03-18 感熱記録材料 Pending JPH10250232A (ja)

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