JP2009285833A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に感熱記録層と保護層をカーテン塗布方法を用いて形成する際、安定した均一なカーテン膜を形成し、且つ塗布ムラが少なく、更にオフセット印刷適性(インキ転移性とインキ密着性)に優れた感熱記録体に関する。
【解決手段】支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層と、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層と前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、特定の化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
【選択図】なし
【解決手段】支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層と、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層と前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、特定の化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
【選択図】なし
Description
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録材料に関するものである。
無色または淡色のロイコ染料と、有機または無機の呈色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も容易なため、例えばファクシミリ、コンピューターのアウトプット、ハンディーターミナル、POSシステム(店舗販売時点情報管理システム)、交通機関での乗車券、定期券等幅広い分野において使用されているが、最近このような用途展開の多様化、システムの高機能化により、感熱記録シートに対する要求品質も高度なものとなっている。
即ち、記録の高速化に伴い、微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な印字画像が要求され、またPOSシステム用ラベル、乗車券、定期券等の用途では、水、食酢、油、可塑剤を含むラップ用塩化ビニルシート及び極性をもつ揮発性溶媒(エタノール、整髪剤)等の付着・接触によって、地肌カブリや印字画像の消色・退色が生じないということが重要である。印字部の保存性改良については、従来より、感熱記録層上に保護層を設ける方法があり、数多くのオーバーコート剤が提案されている。例えば、保護層としてフィルム形成能を有し、且つ耐酸性及び耐溶剤性に優れる樹脂からなる保護被膜を設ける方法(特許文献1参照)、特定の官能基を有するポリウレタン樹脂を含む保護層を設ける方法(特許文献2参照)、水溶性高分子化合物を主成分とし、更に疎水性樹脂または水溶性高分子化合物の親水基と架橋する耐水化剤を含有する被覆層を設ける方法(特許文献3参照)、ポリビニルアルコールをポリアクリル酸のグリオキザール変性体と共に含有する保護層を設ける方法(特許文献4参照)等が提案されている。
一方、感熱記録材料は、例えばチケットや、スーパーマーケット等で使用されている食品ラベル等のようにプレ印刷されて使用される場合が多い。近年、プレ印刷はオフセット印刷が主流となりつつあるが、保護層を設けた感熱記録紙にオフセット印刷をすると、印刷インキが再現性よく転写されない現象(所謂、水負け現象)が起き易い。
ここで水負け現象とは、以下のような現象と推察している。
オフセット印刷は、非画像部分に水を付けてインキが付かないようにした版を用いて、版からブランケットに移したインキを改めて用紙に転写する印刷方式である。ブランケットから転移されたインキは水を含んでいるが、通常、用紙が水を素早く吸収することによってインキと水を分離し、再現性のよい印刷を実現している。
保護層を設けた感熱記録紙のように、水の浸透がほとんどない用紙では、インキと水が素早く分離されずに用紙の上に転写されたままになる。通常の保護層はポリビニルアルコールや澱粉等の水溶性樹脂で構成されているため、親水性の塗工層である。インキは親油性であり、塗工層は水のほうが馴染み易いためインキが弾かれ、インキの印刷再現性が失われると考えられる。
オフセット印刷は、非画像部分に水を付けてインキが付かないようにした版を用いて、版からブランケットに移したインキを改めて用紙に転写する印刷方式である。ブランケットから転移されたインキは水を含んでいるが、通常、用紙が水を素早く吸収することによってインキと水を分離し、再現性のよい印刷を実現している。
保護層を設けた感熱記録紙のように、水の浸透がほとんどない用紙では、インキと水が素早く分離されずに用紙の上に転写されたままになる。通常の保護層はポリビニルアルコールや澱粉等の水溶性樹脂で構成されているため、親水性の塗工層である。インキは親油性であり、塗工層は水のほうが馴染み易いためインキが弾かれ、インキの印刷再現性が失われると考えられる。
かかる課題に対し、保護層を設けた感熱記録材料において、式
P=γ1cosθ1−γ2cosθ2
θ1:保護層表面の水による接触角
γ1:水の表面張力
θ2:保護層表面のアマニ油による接触角
γ2:アマニ油の表面張力
で示されるP値を40dyne/cm以下とした、オフセット印刷における水負けの改善が提案されている(特許文献5参照)。
また、保護層を設けた感熱記録材料において、保護層表面の水に対する接触角が45°以上である感熱記録材料も提案されている(特許文献6参照)が、更なるオフセット印刷適性の向上と、印刷インキと感熱記録材料との密着性の改良が要望されている。
P=γ1cosθ1−γ2cosθ2
θ1:保護層表面の水による接触角
γ1:水の表面張力
θ2:保護層表面のアマニ油による接触角
γ2:アマニ油の表面張力
で示されるP値を40dyne/cm以下とした、オフセット印刷における水負けの改善が提案されている(特許文献5参照)。
また、保護層を設けた感熱記録材料において、保護層表面の水に対する接触角が45°以上である感熱記録材料も提案されている(特許文献6参照)が、更なるオフセット印刷適性の向上と、印刷インキと感熱記録材料との密着性の改良が要望されている。
また、紙やフィルム等の基材に塗布液を塗布する方法として、エアナイフ塗布法、ブレード塗布法、ロッド塗布法、ロール塗布法、バー塗布法等の方法が用いられているが、このような方法で作製された感熱記録材料は、塗布品質が悪いこと、上層の塗布液の下層への浸み込み、上層塗布時のハジキ等に起因する上層のピンホール、長時間の連続塗布における品質のバラツキ等の問題が生じるほか、高速塗布に限界があること、多数回塗布から生じる生産性の低下等の問題がある。
これらの塗布方法に対して、特公昭49−24133公報等に開示されているカーテン塗布方法は、塗布液の自由落下カーテンを形成し、これを支持体に衝突せしめて塗布する方法であり、塗布品質が良好で、高速塗布に適性を有することが知られている。また、複数層の塗液膜からなる塗料膜を形成してカーテン塗布することも可能であり、多層塗布の生産性を大幅に向上することができる。このカーテン塗布方法は、基材上にスリット状のコーターリップから塗布液を膜状に垂らして塗布するもので、塗布液の物性が適切でない場合、カーテン膜の膜割れや、カーテンコーターのコーターリップ幅よりも塗工幅が狭くなる現象(ネックイン)が発生し易くなり、得られる感熱記録材料の性能や生産効率が大きく左右される。
かかる観点から、感熱記録材料のカーテン塗布において、カーテン膜の安定化のために感熱記録層及び保護層中に特定の界面活性剤を配合して塗工する方法が開示されている。例えば、感熱記録層用及び/または保護層用塗液に特定の硫酸エーテル型界面活性剤及び特定のリン酸エステル型界面活性剤を含有させる方法(特許文献7参照)が提案されている。また、保護層用塗液にドデシルベンゼンスルホン塩を添加する方法(特許文献8参照)や保護層用塗液にアセチレングリコール誘導体とアニオン系界面活性剤の組成物を添加する方法(特許文献9参照)も記載されている。その他に、テトラ・メチル・デシン・ジオールにエチレンオキサイドとそれ以外のアルキレンオキサイドを付加させた界面活性剤を感熱記録層用塗液や保護層用塗液に添加する方法(特許文献10参照)も提案されている。
また、保護層にアセチレングリコールを含む感熱記録材料も提案されている(特許文献11参照)。
また、保護層にアセチレングリコールを含む感熱記録材料も提案されている(特許文献11参照)。
しかしながら、カーテン膜を安定化するために感熱記録層用及び/または保護層用塗液に上記の界面活性剤を添加すると、保護層表面の接触角が低下するため、オフセット印刷時に水負けが生じ易くなるという問題があり、更なる改良が要望されている。
本発明の課題は、感熱記録体であって、特に感熱記録層と保護層をカーテン塗布方法を用いて形成する際、安定した均一なカーテン膜を形成し、且つ塗布ムラが少なく、更にオフセット印刷適性(インキ転移性とインキ密着性)に優れた感熱記録体に関するものである。
本発明者等は、上記課題を種々検討した結果、支持体上に、少なくともロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層用塗液、及び顔料と接着剤を主成分として含有する保護層用塗液を、カーテン塗布方法を用いて得られる感熱記録材料において、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、特定の構造を有する化合物を含有し、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーを0.1〜6質量%含有することにより、上記の課題を解決することを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の感熱記録材料を提供するものである。
項1:支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層と、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層と前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、下記一般式(1)で表される化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
項1:支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層と、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層と前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、下記一般式(1)で表される化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
(式中、m及びnは2≦m+n≦20を満たす整数を表し、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。)
項2:前記カーテン塗布方法が、感熱記録層用塗液と保護層用塗液との同時多層カーテン塗布方式、または感熱記録層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに感熱記録層が湿潤状態時に保護層用塗液がカーテン方式で塗布される、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記一般式(1)で表される化合物が2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテルである、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層と保護層の全固形分に対して0.1〜1.5質量%含有される、項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項5:前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層中に含有される、項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項6:前記保護層の接着剤として、重合度400〜3000のポリビニルアルコールを少なくとも1種以上含有し、且つ前記ポリビニルアルコールを保護層の全固形分に対して15〜50質量%含有する、項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項7:前記ポリビニルアルコールが変性ポリビニルアルコールである、項6に記載の感熱記録体。
項8:前記保護層表面の、水に対する0.1秒後の接触角(ASTM D5725に基づく)が60〜120°である項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項9:前記感熱記録層中に、顕色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアから選ばれる少なくとも1種を含有する、項1〜8のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項10:支持体と感熱記録層の間に下塗り層が設けられ、前記下塗り層が焼成カオリン100質量部に対してプラスチック中空粒子が10〜100質量%の比率で含有され、且つ前記下塗り層がブレード塗布法により塗布形成される、項1〜9のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項11:支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、中間層および顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層、前記中間層および前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記中間層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、下記一般式(1)で表される化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
(式中、m及びnは2≦m+n≦20を満たす整数を表し、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。)
項12:前記カーテン塗布方法が、感熱記録層用塗液、中間層用塗液および保護層用塗液の同時多層カーテン塗布方式、または感熱記録層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに感熱記録層が湿潤状態時に中間層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに中間層が湿潤状態時に保護層用塗液がカーテン方式で塗布される、項11に記載の感熱記録体。
項13:前記一般式(1)で表される化合物が2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテルである、項11または12に記載の感熱記録体。
項14:前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層、中間層および保護層の全固形分に対して0.1〜1.5質量%含有される、項11〜13のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項15:前記保護層の接着剤として、重合度400〜3000のポリビニルアルコールを少なくとも1種以上含有し、且つ前記ポリビニルアルコールを保護層の全固形分に対して15〜50質量%含有する、項11〜14のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項16:前記ポリビニルアルコールが変性ポリビニルアルコールである、項15に記載の感熱記録体。
項17:前記保護層表面の、水に対する0.1秒後の接触角(ASTM D5725に基づく)が60〜120°である項11〜17のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項18:前記感熱記録層中に、顕色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアから選ばれる少なくとも1種を含有する、項11〜17のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項19:支持体と感熱記録層の間に下塗り層が設けられ、前記下塗り層が焼成カオリン100質量部に対してプラスチック中空粒子が10〜100質量%の比率で含有され、且つ前記下塗り層がブレード塗布法により塗布形成される、項11〜18のいずれか一項に記載の感熱記録体。
本発明は、少なくとも感熱記録層及び保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成される感熱記録体において、塗布ムラが少なく、更にオフセット印刷適性(インキ転移性とインキ密着性)に優れた効果を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
感熱記録体の印刷に使用するインキは紫外線硬化型インキがよく用いられるが、本発明では特に紫外線硬化型インキを使用したオフセット印刷を行う場合に発明の効果が得られるものである。
感熱記録体の印刷に使用するインキは紫外線硬化型インキがよく用いられるが、本発明では特に紫外線硬化型インキを使用したオフセット印刷を行う場合に発明の効果が得られるものである。
本発明は、支持体上に、少なくともロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層用塗液、及び顔料と接着剤を主成分として含有する保護層用塗液を、カーテン塗布方法を用いて形成される感熱記録体において、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、下記一般式(1)で表される化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーを0.1〜6質量%含有することを特徴とする感熱記録体である。
(式中、m及びnは2≦m+n≦20を満たす整数を表し、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。)
上記一般式(1)において、m及びnは2≦m+n≦20を満たす整数を表し、2≦m+n≦12である場合がさらに好ましい。m+nが2未満の場合は水に対する溶解度が低下するため実用上問題が生じ、m+nが20を超える場合は界面活性能が不十分となり、塗布ムラの問題が生じる。
上記一般式(1)で表される化合物において、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテルが特に好ましく用いられる。
本発明における前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、感熱記録層と保護層の全固形分に対して0.1〜1.5質量%であることが好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。0.1〜1.5質量%の範囲であれば、好ましい表面張力が得られ、カーテン膜切れが起こり難く、併せて塗液の泡立ちの少なく、その結果として塗工欠陥も起こり難い。0.1質量%未満では安定なカーテン膜を形成しない恐れがあり、塗工欠陥を生じるため、生産性低下の原因となる。また1.5質量%を超えるとオフセット印刷時に水負けが生じ易くなる。
なお、前記一般式(1)で表される化合物は、保護層の耐可塑剤性低下の理由で感熱記録層に含有されることがより好ましく、保護層には好ましい表面張力を得るために、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが含有されてもよい。
本発明では、保護層中にさらに疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが含有されるものである。
前記疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーは、ポリカルボン酸と疎水性モノマーとの共重合物の水溶性ポリマーを表し、例えば、ポリカルボン酸と疎水性モノマーとの共重合物のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
ポリカルボン酸とは、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等から選ばれるエチレン系不飽和カルボン酸を表し、ポリカルボン酸と共重合される疎水性モノマーとして、ビニルトルエン、ビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル等のアクリル酸、及びメタクリル酸のアルキルエステル及び酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、イソブチレン等が挙げられる。共重合する時には、ポリカルボン酸無水物を使用した後、酸或いは塩基で無水物を加水分解しても勿論よい。
ポリカルボン酸と疎水性モノマーの配合比率はそれぞれ40〜99.8質量%、0.2〜60質量%程度である。
前記疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーは、保護層の全固形分に対して、0.1〜6質量%含有されることが好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜4質量%が最も好ましい。0.1質量%未満では、オフセット印刷適性(特にインキ転移性)に難があり、6質量%を超えるとオフセット印刷適性(特にインキ密着性)に難を生じることもある。
オフセット印刷適性に疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが効果的である理由は、よく分かっていないが、保護層表面にポリカルボン酸の疎水性基が集まり、保護層表面の水を弾いてインキと水との分離を促進させることにより水負けを防止し、その結果として優れたインキ転移性が得られるものと推定される。
また、オフセット印刷を行う場合、保護層とインキとの密着性も重要な品質であり、密着性が弱いとセロテープ(登録商標)等で印刷面が簡単に剥がれてしまうといったトラブルが生じる可能性がある。
更に、オフセット印刷を行う場合、保護層の耐水性も重要な品質であり、より優れた耐水性がある場合は、オフセット印刷の湿し水により保護層が剥がれブランケットが汚れるといったトラブルから解消される可能性がある。
本発明において、保護層中の接着剤として重合度400〜3000のポリビニルアルコールを使用し、且つ前記ポリビニルアルコールを保護層の全固形分に対して15〜50質量%含有させることにより、安定なカーテン膜が得られ、且つ優れたオフセット印刷適性を得ることが可能である。なお、前記ポリビニルアルコールの重合度としては500〜2700であることが更に好ましく、含有量としては保護層の全固形分に対して15〜45質量%であることが更に好ましい。
本発明で使用されるポリビニルアルコールとしては、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ブチラール化ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。その中でも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを使用すると、保護層の耐水性も付与されて、オフセット印刷を行う場合に、オフセット印刷の湿し水によって塗膜が剥がれる恐れが少なくなる。
こうして得られた保護層は、ASTM D5725に基づく、水に対する0.1秒後の接触角が60〜120°であることが好ましく、より好ましくは70〜110°である。60〜120°の範囲であれば、オフセット印刷時に起こる水負け現象を改善することができ、優れたインキ転移性の感熱記録体を得ることができる。
本発明の効果を損なわない範囲で、保護層中には更にその他の水溶性高分子及び/または合成樹脂エマルジョンを使用することができる。
水溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられる。
合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等のラテックスが挙げられる。
保護層中に含有される顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
なかでも、カオリンと水酸化アルミニウムは、可塑剤や油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましい。
顔料の使用量は、保護層の全固形分に対して5〜80質量%程度であり、特に10〜70質量%程度の範囲が好ましい。
5質量%未満では、サーマルヘッドとの滑りが悪くなり、スティッキングを起こしたり、ヘッド粕の悪化を招く。一方、80質量%を超えると、バリア性が悪くなり、保護層としての機能が大幅に低下する。
保護層中に含有される助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、グリオキザール、硼酸、ジアルデヒド澱粉、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、疎水性ポリカルボン酸共重合物、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
保護層用塗液の塗布量は、乾燥重量で0.5〜7.0g/m2程度、好ましくは0.8〜6.0g/m2程度である。なお、保護層は必要に応じて2層以上に分けることができ、各層の組成、塗工量を変えることができる。
(感熱記録層)
本発明の感熱記録体においては、感熱記録層に含有されるロイコ染料と顕色剤としては各種のものが使用できる。例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N-イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、ロイコ染料としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明の感熱記録体においては、感熱記録層に含有されるロイコ染料と顕色剤としては各種のものが使用できる。例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N-イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、ロイコ染料としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明で使用されるロイコ染料はこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかるロイコ染料の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して3〜30質量%程度である。
本発明において、前記ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。
またロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明においては、ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、あるいは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される顕色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる顕色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、及び3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボニル)フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
これらの中でも2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアから選ばれる少なくとも1種を用いることが特に記録感度、地肌カブリ性、記録部の保存性に優れる点で好ましい。
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と顕色剤の使用比率は、用いるロイコ染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して1〜7質量部程度、好ましくは1〜4質量部程度の顕色剤が使用される。これらの物質を含む塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌、粉砕機により染料前駆体と顕色剤とを一緒に、または別々に分散する等して塗液として調製される。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤1質量部に対して4質量部以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配合量は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形分に対して50質量%以下であることが好ましい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物または硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を、感熱記録層の全固形分に対して1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層に添加されるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
感熱記録層に添加される金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、白紙部の色調調節のために有色染料、及び/または有色顔料を感熱記録層中に含有させることもできる。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等、各種添加剤を添加することができる。
感熱記録層中に添加される接着剤の具体例としては、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の併用が可能である。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録材料とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子と染料前駆体からなる複合粒子を使用して多色感熱記録材料を製造する方法がある。
感熱記録層用塗液の塗布量は特に制限はなく、乾燥重量で1〜12g/m2程度、特に2〜10g/m2程度であれば所望の品質を達成できる。
本発明では、カーテン塗布法により感熱記録層及び少なくとも1層以上の保護層を形成するものであり、カーテン塗布法としては、感熱記録層用塗液と保護層用塗液との同時多層カーテン塗布方式、または感熱記録層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに感熱記録層が湿潤状態時に保護層用塗液がカーテン方式で塗布される方法があげられる。これにより、生産効率を高めたり、製造時の消費エネルギーをより低減させることができる。
カーテン塗布に用いる塗布装置としては、特に限定されないが、エクストルージョンホッパー型カーテン塗布装置、スライドホッパー型カーテン塗布装置、2層式カーテンコーター等が挙げられる。
塗液の塗布後は乾燥され、その後は、好ましくはキャレンダー処理により平滑化処理され、使用に供される。
(中間層)
中間層は、接着剤を主成分とし、更に顔料、助剤、上記一般式(1)で表される化合物が含有されてもよい。
中間層は、接着剤を主成分とし、更に顔料、助剤、上記一般式(1)で表される化合物が含有されてもよい。
接着剤については、保護層に記載された、重合度400〜3000のポリビニルアルコールやその他のポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール以外の水溶性高分子、合成樹脂エマルジョンがあげられる。
顔料については、保護層に記載された各種の無機顔料や有機顔料があげられる。
助剤についても、保護層に記載された各種の助剤があげられる。
さらに、中間層をカーテン塗布方法を用いて形成する場合、上記一般式(1)で表される化合物が含有されることが好ましい。
中間層用塗液の塗布量は、乾燥重量で0.1〜5.0g/m2程度、好ましくは0.1〜3.0g/m2程度である。
(下塗り層)
本発明では、必要により支持体上に、プラスチック中空粒子と焼成カオリンを含有し、ブレード塗布法により下塗り層が形成されたものが好ましく用いられる。
本発明では、必要により支持体上に、プラスチック中空粒子と焼成カオリンを含有し、ブレード塗布法により下塗り層が形成されたものが好ましく用いられる。
下塗り層中に含有されるプラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば熱可塑性高分子を殻とする微小中空粒子であり、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリルースチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂とアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂、イソボニルメタクリレートとアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できるが、ここで中空率とは内径と外径の比であり、下記式で表示されるものである。
中空率(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100%
中空率(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100%
プラスチック中空粒子の含有量としては、焼成カオリン100質量部に対し、10〜100質量%であることが好ましい。下塗り層中のプラスチック中空粒子が100質量%を超えると、感熱記録層用塗液と保護層用塗液を同時カーテン塗布した場合に塗布均一性が劣り、バリア性が悪化する。また、熱溶融物を吸収する能力が不足し、サーマルヘッドへの貼り付き、所謂スティッキングが発生し易くなる。またプラスチック中空粒子が10質量%未満であると、優れた記録感度が得られない恐れがある。更に、下塗り層表面の平滑性の点から、プラスチック中空粒子の平均粒子径は0.4〜2.0μmであることが好ましい。平均粒子径が2μmより大きい場合は、ブレード塗工時にストリークやスクラッチ等のトラブルの原因となったり、品質面では表面平滑性が低下したり、塗布均一性が悪化してその下塗り層上に感熱記録層と保護層を同時カーテン塗布した場合、層の乱れが発生して層間混合によりバリア性が悪くなる。
本発明においては、プラスチック中空粒子は焼成カオリンと併用して使用される。焼成カオリンとしてはJIS−K5101で規定する吸油度が70ml/100g以上であることが好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、下塗り層中の顔料として、一般の無機及び有機顔料の全てを添加できるが、特に吸油度が40ml/100g以上の吸油性顔料が好ましい。吸油性顔料の具体例としては、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、焼成珪藻土、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、非晶質シリカ、タルク等が挙げられる。また本発明の効果を損なわない範囲で密実のプラスチック粒子を含有することもできる。前述のプラスチック中空粒子と焼成カオリンを含む顔料の合計量は、下塗り層の全固形分に対して40〜85質量%であることが好ましい。
下塗り層のバインダーとしては、水溶性高分子や水性バインダーが挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。前記水溶性高分子としては、例えば、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等が挙げられ、前記水性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョンが一般的であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
下塗り層のバインダーの使用量としては、塗膜強度や感熱記録層の発色感度との兼ね合いで決定されるが、下塗り層に含まれる顔料の質量に対して、3〜100質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜40質量%が特に好ましい。また、下塗り層中には、必要に応じて、増粘剤、ワックス、消泡剤、界面活性剤等を添加してもよい。
本発明では、下塗り層用塗液の塗布はブレードコーターを用いた塗布法により行われる。塗布、乾燥後は更に必要に応じてキャレンダー等の平滑化処理を施して使用してもよい。
前記ブレードコーターを用いた方法は、ベベルタイプやベントタイプのブレードを使用した塗工法に限らず、ロッドブレード法やビルブレード法等も含み、またオフマシンコーターに限られるものではなく、抄紙機に設置したオンマシンコーターで塗工してもよい。
下塗り層の塗布量としては、特に制限はないが、感熱記録材料の特性に応じて、2g/m2以上が好ましく、3g/m2以上がより好ましく、4〜10g/m2が特に好ましい。
感熱記録層と保護層との間に、上記に記載した中間層を設けることにより、より優れたバリア性が発現できる。
本発明では、支持体上に、プラスチック中空粒子と焼成カオリンを含有する塗液をブレード塗布法により塗布した下塗り層を設けることにより、感熱記録層と保護層の同時多層塗布におけるバリア性の低下等の品質低下を防ぐことができる。本発明において優れた効果が得られる理由は明らかではないが、次のように考える。プラスチック中空粒子は無機顔料やプラスチック密実粒子より比重が軽いため、支持体にブレード塗布法で塗布後、乾燥までの間により上方にマイグレートして下塗り層表面に整列する。プラスチック中空粒子が表面に整列した下塗り層は感熱記録層用塗液中の水分のしみ込みを抑えることができ、結果として感熱記録層用塗液と保護層用塗液の層間混合を抑えることができる。但し、プラスチック中空粒子を含有する代わりに、例えばプラスチック密実粒子を含有する下塗り層ではバリア性の低下が著しいが両者の水吸収性(ブリストー法試験や接触角の測定)には明確な差がなく、更に本発明の要因を追究中である。
また、本発明では、プラスチック中空粒子と焼成カオリンを含有する下塗り層用塗液をブレード塗布法で塗布することにより、下塗り層表面の凹凸がより少なくなるため、各層の塗布厚みが均一になり、更にバリア性が向上するものと考えられる。
なお、プラスチック中空粒子の配合量が焼成カオリンより多くなると、下塗り層表面の疎水性が極端に増加するため、感熱記録層用塗液のしみこみ性が低くなり、乾燥工程で不動化するまでの間に塗膜が乱れ易くなり、バリア性等の品質が悪化すると推測される。
なお、プラスチック中空粒子の配合量が焼成カオリンより多くなると、下塗り層表面の疎水性が極端に増加するため、感熱記録層用塗液のしみこみ性が低くなり、乾燥工程で不動化するまでの間に塗膜が乱れ易くなり、バリア性等の品質が悪化すると推測される。
本発明において、支持体としては、例えば上質紙、アート紙、合成紙、PETフィルム、不織布中質紙、コート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等のほか、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。
本発明においては、感熱記録材料の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙として使用することができる。或いは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録材料とすることもできる。勿論、両面感熱記録材料とすることもできる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス90、エンゲルハード社製)60部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、固形分濃度26%、中空率80%、平均粒子径1.0μm、JSR社製)80部、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ラテックス(固形分50%)20部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)の20%水溶液25部、水90部をカウレスデゾルバーで分散して下塗り層用塗液を得た。
(下塗り層用塗液の調製)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス90、エンゲルハード社製)60部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、固形分濃度26%、中空率80%、平均粒子径1.0μm、JSR社製)80部、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ラテックス(固形分50%)20部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)の20%水溶液25部、水90部をカウレスデゾルバーで分散して下塗り層用塗液を得た。
(ロイコ染料分散液の調製・A液調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕してロイコ染料分散液の調製・A液を得た。
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕してロイコ染料分散液の調製・A液を得た。
(顕色剤分散液の調製・B液調製)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕して顕色剤分散液の調製・B液を得た。
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕して顕色剤分散液の調製・B液を得た。
(増感剤分散液の調製・C液調製))
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕して増感剤分散液の調製・C液を得た。
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン95部、メチルセルロースの5%水溶液100部、および水55部からなる組成物をサンドグラインダーで平均粒子径0.5μmになるまで湿式粉砕して増感剤分散液の調製・C液を得た。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液45部、B液90部、C液45部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42M、昭和電工社製)40部、重合度1000の完全鹸化PVA(商品名:PVA110、鹸化度98〜99mol%、クラレ社製)の10%水溶液70部、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、成分:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテル、m+n=4、日信化学社製)1部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
A液45部、B液90部、C液45部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42M、昭和電工社製)40部、重合度1000の完全鹸化PVA(商品名:PVA110、鹸化度98〜99mol%、クラレ社製)の10%水溶液70部、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、成分:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテル、m+n=4、日信化学社製)1部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
(保護層用塗液の調製)
カオリン(商品名:UW−90,エンゲルハード社製)の50%分散液130部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:Z−200、重合度:1100、日本合成化学工業社製)の10%水溶性液300部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分36%、中京油脂社製)20部、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(フマル酸90質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル10質量%の共重合体のアンモニウム塩、固形分濃度20%)5部、界面活性剤の10%水溶液(商品名:OT−70、成分:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、サンノプコ社製)8部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
カオリン(商品名:UW−90,エンゲルハード社製)の50%分散液130部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:Z−200、重合度:1100、日本合成化学工業社製)の10%水溶性液300部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分36%、中京油脂社製)20部、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(フマル酸90質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル10質量%の共重合体のアンモニウム塩、固形分濃度20%)5部、界面活性剤の10%水溶液(商品名:OT−70、成分:ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、サンノプコ社製)8部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
坪量60g/m2の上質紙の片面に、下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が7g/m2となるようにブレードコーターで塗布乾燥し、更に下塗り層上に感熱記録層用塗液と保護層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から感熱記録層用塗液、保護層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量が感熱記録層3.5g/m2、保護層2.5g/m2となるように、塗工速度600m/分で同時多層カーテン塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、表面の平滑度が王研式平滑度計で1000〜4000秒の感熱記録体を得た。
坪量60g/m2の上質紙の片面に、下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が7g/m2となるようにブレードコーターで塗布乾燥し、更に下塗り層上に感熱記録層用塗液と保護層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から感熱記録層用塗液、保護層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量が感熱記録層3.5g/m2、保護層2.5g/m2となるように、塗工速度600m/分で同時多層カーテン塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、表面の平滑度が王研式平滑度計で1000〜4000秒の感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)の代わりに、界面活性剤(商品名:オルフィンE1010、成分:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテル、m+n=10、日信化学社製)を添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)の代わりに、界面活性剤(商品名:オルフィンE1010、成分:2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテル、m+n=10、日信化学社製)を添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(フマル酸90質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル10質量%の共重合体のアンモニウム塩、前出)の代わりに、疎水性ポリカルボン酸共重合物のアンモニウム塩の水溶液(商品名:オロタン165A、固形分濃度21.8%、ロームアンドハース社製)5部を添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(フマル酸90質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル10質量%の共重合体のアンモニウム塩、前出)の代わりに、疎水性ポリカルボン酸共重合物のアンモニウム塩の水溶液(商品名:オロタン165A、固形分濃度21.8%、ロームアンドハース社製)5部を添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(前出)5部の代わりに、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(マレイン酸55質量%とイソブチレン45質量%の共重合体のアンモニウム塩、固形分濃度20%)5部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(前出)5部の代わりに、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(マレイン酸55質量%とイソブチレン45質量%の共重合体のアンモニウム塩、固形分濃度20%)5部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(前出)5部の代わりに、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(商品名:ポリマロン1353、荒川化学社製、固形分濃度20%)5部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(前出)5部の代わりに、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(商品名:ポリマロン1353、荒川化学社製、固形分濃度20%)5部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
(中間層用塗液の調製)
カオリン(商品名:UW−90、前出)の50%分散液60部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:Z−200、前出)の10%水溶性液700部、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)1部からなる組成物を混合攪拌して中間層用塗液を得た。
(中間層用塗液の調製)
カオリン(商品名:UW−90、前出)の50%分散液60部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:Z−200、前出)の10%水溶性液700部、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)1部からなる組成物を混合攪拌して中間層用塗液を得た。
実施例3の感熱記録体の作製において、下塗り層上に感熱記録層用塗液、上記の中間層用塗液及び保護層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から感熱記録層用塗液、中間層用塗液、保護層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量が感熱記録層3.5g/m2、中間層1.0g/m2、保護層1.5g/m2となるようにした以外は、実施例3と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(フマル酸90質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル10質量%の共重合体のアンモニウム塩、前出)5部を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマー(フマル酸90質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル10質量%の共重合体のアンモニウム塩、前出)5部を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗液及び保護層用塗液の調製において、それぞれの界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)(商品名:OT−70、前出)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液及び保護層用塗液の調製において、それぞれの界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)(商品名:OT−70、前出)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)1部の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの10%水溶液10部を添加し、保護層用塗液の調製において、界面活性剤(商品名:OT−70、前出)8部の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの10%水溶液8部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、界面活性剤(商品名:オルフィンE1004、前出)1部の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの10%水溶液10部を添加し、保護層用塗液の調製において、界面活性剤(商品名:OT−70、前出)8部の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの10%水溶液8部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例3の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物のアンモニウム塩の水溶液(商品名:オロタン165A、前出)を40部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3の保護層用塗液の調製において、疎水性ポリカルボン酸共重合物のアンモニウム塩の水溶液(商品名:オロタン165A、前出)を40部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
カーテン膜切れについて、塗布膜(自由落下している膜)の安定度を目視評価した。
(カーテン膜切れ)
◎:膜切れが全く観察されない。
○:膜切れがわずかに観察されるが、実用上問題ない。
×:カーテン膜切れが発生し、実用上問題である。
◎:膜切れが全く観察されない。
○:膜切れがわずかに観察されるが、実用上問題ない。
×:カーテン膜切れが発生し、実用上問題である。
(記録濃度)
感熱評価機(商品名:TH−PMD、大倉電気社製)を用い、0.24mJ/dotで各感熱記録体を発色させ、記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
感熱評価機(商品名:TH−PMD、大倉電気社製)を用い、0.24mJ/dotで各感熱記録体を発色させ、記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
(接触角)
動的接触角測定機(商品名:FIBRO DAT1100、FIBRO systemab製)を用い、白紙部の純水滴下後0.1秒後の接触角を測定した。
動的接触角測定機(商品名:FIBRO DAT1100、FIBRO systemab製)を用い、白紙部の純水滴下後0.1秒後の接触角を測定した。
(オフセット印刷適性−インキ転移性)
各感熱記録体のオフセット印刷適性を、RI印刷機を用いて評価を行った。インキは、UVインク(商品名:ベストキュアーUV NVR 紅、T&K社製)0.25gに水0.5ccを加え、インキ練りローラーで1分間インキと水を練りインキを乳化させた後に印刷試験を行い、UV照射後に印刷部のベタ均一性を以下のように評価した。
○:一面に印刷されている。
×:印刷部が斑状に印刷されている。
各感熱記録体のオフセット印刷適性を、RI印刷機を用いて評価を行った。インキは、UVインク(商品名:ベストキュアーUV NVR 紅、T&K社製)0.25gに水0.5ccを加え、インキ練りローラーで1分間インキと水を練りインキを乳化させた後に印刷試験を行い、UV照射後に印刷部のベタ均一性を以下のように評価した。
○:一面に印刷されている。
×:印刷部が斑状に印刷されている。
(オフセット印刷適性−インキ密着性)
前記(オフセット印刷適性−インキ転移性)の得られた印刷部でのポリエステルテープを使用してのインキ密着性を以下のように評価した。
○:ポリエステルテープによるインキ層の剥がれがない。
×:ポリエステルテープによるインキ層の剥がれが生じ、実用上問題である。
前記(オフセット印刷適性−インキ転移性)の得られた印刷部でのポリエステルテープを使用してのインキ密着性を以下のように評価した。
○:ポリエステルテープによるインキ層の剥がれがない。
×:ポリエステルテープによるインキ層の剥がれが生じ、実用上問題である。
本発明によれば、感熱記録層塗液及び保護層用塗液をカーテン塗布する際、安定したカーテン膜を形成し、且つ塗布ムラがなく、更にオフセット印刷適性に優れた感熱記録体を提供することができる。
Claims (20)
- 支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層と、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層と前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、下記一般式(1)で表される化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
(式中、m及びnは2≦m+n≦20を満たす整数を表し、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。) - 前記カーテン塗布方法が、感熱記録層用塗液と保護層用塗液との同時多層カーテン塗布方式、または感熱記録層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに感熱記録層が湿潤状態時に保護層用塗液がカーテン方式で塗布される、請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記一般式(1)で表される化合物が2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテルである、請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層と保護層の全固形分に対して0.1〜1.5質量%含有される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層中に含有される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記保護層の接着剤として、重合度400〜3000のポリビニルアルコールを少なくとも1種以上含有し、且つ前記ポリビニルアルコールを保護層の全固形分に対して15〜50質量%含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記ポリビニルアルコールが変性ポリビニルアルコールである、請求項6に記載の感熱記録体。
- 前記保護層表面の、水に対する0.1秒後の接触角(ASTM D5725に基づく)が60〜120°である請求項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層中に、顕色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアから選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 支持体と感熱記録層の間に下塗り層が設けられ、前記下塗り層が焼成カオリン100質量部に対してプラスチック中空粒子が10〜100質量%の比率で含有され、且つ前記下塗り層がブレード塗布法により塗布形成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 支持体上に、ロイコ染料と顕色剤を含有する感熱記録層、中間層および顔料と接着剤を主成分として含有する保護層とを順次設けた感熱記録体において、前記感熱記録層、前記中間層および前記保護層が、カーテン塗布方法を用いて形成されるものであって、前記感熱記録層、前記中間層、前記保護層から選ばれる少なくとも1層中に、下記一般式(1)で表される化合物が含有され、且つ前記保護層中に、保護層の全固形分に対して、疎水性ポリカルボン酸共重合物の水溶性ポリマーが0.1〜6質量%含有されることを特徴とする感熱記録体。
(式中、m及びnは2≦m+n≦20を満たす整数を表し、R1〜R4は水素原子、炭素数1〜8の分岐、直鎖又は環状の無置換又は置換アルキル基、炭素数6〜10の無置換又は置換アリール基を表す。) - 前記カーテン塗布方法が、感熱記録層用塗液、中間層用塗液および保護層用塗液の同時多層カーテン塗布方式、または感熱記録層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに感熱記録層が湿潤状態時に中間層用塗液がカーテン方式で塗布され、さらに中間層が湿潤状態時に保護層用塗液がカーテン方式で塗布される、請求項11に記載の感熱記録体。
- 前記一般式(1)で表される化合物が2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール−ジ(ポリオキシエチレン)エーテルである、請求項11または12に記載の感熱記録体。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層、中間層および保護層の全固形分に対して0.1〜1.5質量%含有される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、感熱記録層中および中間層中に含有される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記保護層の接着剤として、重合度400〜3000のポリビニルアルコールを少なくとも1種以上含有し、且つ前記ポリビニルアルコールを保護層の全固形分に対して15〜50質量%含有する、請求項11〜15のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記ポリビニルアルコールが変性ポリビニルアルコールである、請求項16に記載の感熱記録体。
- 前記保護層表面の、水に対する0.1秒後の接触角(ASTM D5725に基づく)が60〜120°である請求項11〜17のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層中に、顕色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’-ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアから選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項11〜18のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 支持体と感熱記録層の間に下塗り層が設けられ、前記下塗り層が焼成カオリン100質量部に対してプラスチック中空粒子が10〜100質量%の比率で含有され、且つ前記下塗り層がブレード塗布法により塗布形成される、請求項11〜19のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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Cited By (7)
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JP2010094981A (ja) * | 2008-09-10 | 2010-04-30 | Ricoh Co Ltd | 感熱記録材料 |
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2008
- 2008-05-27 JP JP2008137344A patent/JP2009285833A/ja active Pending
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KR102216666B1 (ko) | 2013-02-13 | 2021-02-17 | 오지 홀딩스 가부시키가이샤 | 감열 기록체 |
JP2014172195A (ja) * | 2013-03-06 | 2014-09-22 | Oji Holdings Corp | 感熱記録体 |
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