JP2008105223A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、しかも裏面に磁気記録特性を有する感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】 紙支持体の一方の面に下塗り層、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を順次形成してなる感熱記録体であって、下塗り層が第一下塗り層および第二下塗り層の少なくとも2層の下塗り層からなり、感熱記録層の厚さの標準偏差が0.30以下であり、且つ紙支持体の他方の面に磁気記録特性を有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関する。
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用し、熱により記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等のアウトプット、科学計測機器のプリンター等の記録媒体としてだけでなくPOSラベル、ATM、CAD、ハンディーターミナル、各種チケット用紙等の各種プリンターの記録媒体として、また最近は裏面に磁気記録層を有する乗車券、回数券、定期券等にも感熱記録体が用いられてきている。
感熱記録体の記録感度や画質を向上させるために、紙支持体と感熱記録層との間に顔料とバインダーを含有する下塗り層を設け、空隙を形成して多孔性、或いは嵩高にし、断熱性を付与することが知られている。例えば、均一で安定な下塗り層構造を得るために、特定粘度の下塗り層用塗液をブレード塗工することが提案されている(特許文献1参照)。また、感熱紙を高画質化するために下塗り層の厚さの変動を一定範囲内にすることが提案されている(特許文献2参照)。さらに表面の静摩擦係数を低くするために、ブレード塗工によって2層以上の下塗り層を形成することが提案されている(特許文献3参照)。
しかし、近年、印字の高速化はますます進み、感熱記録体の高感度高画質化の要求もますます高まってきており、高平滑化した原紙を使用したり、単に下塗り層を設けるだけでは十分な品質は得られなくなってきている。
下塗り層を設ける方法としては、下塗り層は通常塗工量が多いほど断熱効果を発揮し記録感度を向上させるが、高塗工量になるほど均一な塗工層が得られ難くなり、その後に形成する感熱記録層、保護層を均一な層とすることが難しくなるために、その結果として、記録感度や画質の低下を引き起こしたり、保護層のバリア性能の低下を招くことになる。
また、成熟市場に移行しつつある感熱記録体市場においては、製造コストは重要な問題となってきており、生産性の低い塗工方式や塗工欠陥の発生し易い塗工方式は、たとえ高品質な製品が得られる場合でも、実際に製造することは困難な状況になる。
一方、発色画像の耐性については様々な改良が施され、長期保管や、過酷な保管条件(例えば、耐温湿度性、耐水性、耐薬品性、耐擦性等)での使用にも耐えられるものが実用化されてきている。その結果、その使用方法が単なる情報記録の域に留まらず、画像耐性が上がることで、情報保持が行え、記録体そのものが金券としても用いられるようになっている。
かかる感熱記録体を、チケット類や投票券類、証券類、領収書類等の金券用途に応用する際、多くの情報入力が望まれたり、発行した券の真偽が簡単に確認できることが求められている。例えば、磁気記録層を設けたチケット類では、種々の情報が不可視情報として記録されるが、出所情報などは低濃度の地紋印刷として設けることが多い。この地紋印刷を情報記録と同時に感熱記録することができれば、印刷に要する大幅なコストを低減でき、経済的効果をも有する感熱記録体を得ることが可能であるが、感熱記録体として高感度高画質のものを使用する必要がある。
また、磁気記録の高密度化が進むにつれて、磁性体化合物の微粒化に伴う分散安定化が要求されているが、例えば磁気記録層中に助剤としてポリエチレンオキサイドを添加する場合、感熱記録層と磁気記録層とが接触する巻き取り状態で保管、使用中に感熱記録層を減感させるという欠点を有している。これに対し、感熱記録層上の保護層に、コア−シェル構造を有する軟化点200〜350℃の水分散性重合物を用いる方法(特許文献4参照)等が提案されているが、保護層の存在によって解決するためには、該保護層の厚さを大きくしなければならなく、感熱記録体の感度や画質の低下要因となる等、磁気記録層を設けた感熱記録体の高感度高画質について満足すべき効果が得られていないのが現状である。
特開平4−290789号公報 特開2004−122483号公報 特開2005−103864号公報 特開平6−135155号公報
本発明の課題は、記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、且つ裏面に磁気記録特性を有する感熱記録体を提供することにある。
本発明に係る感熱記録体は、紙支持体の一方の面に形成された下塗り層、および該下塗り層上に形成され、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体であって、前記下塗り層が少なくとも第一層および該第一層上に形成された第二層からなる多層構造を有しており、前記感熱記録層の厚さの標準偏差が0.30以下であり、且つ前記紙支持体の他方の面に磁性体化合物と接着剤を含有する磁気記録層を設けたものである。
第一下塗り層がブレード塗工方式で塗工および乾燥することにより形成され、さらに、第二下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工および乾燥することにより形成される。
前記感熱記録層上に、さらに保護層が形成されている。
本発明の感熱記録体は、記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られ、且つ裏面に磁気記録特性を有するものである。
本発明において、下塗り層は少なくとも2層からなる。下塗り層の層数は、2層以上であれば特に限定されないが、上限は4層程度とすればよく、特に好ましくは2層である。下塗り層を2層以上の多層構造とすることで、バリア性が向上し、感熱記録層の浸透ムラが大幅に軽減できる。これにより、感熱記録層に含有される発色成分が、印字の際に表層から受ける印字エネルギーを有効に活用できるようになるため、記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られる。保護層についても感熱記録層の浸透ムラが少ないと感熱記録層表層を保護する有効成分が増加して、バリア性が向上するため、耐油性や耐可塑剤性に優れた効果が得られる。
下塗り層は、通常、i)吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、ii)有機中空粒子、およびiii)熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を紙支持体上に塗工および乾燥して形成することができる。
前記吸油性顔料、有機中空粒子および熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の顔料を用いることにより、下塗り層の空隙が増し、その上に感熱記録層等を設けた際に熱エネルギーの原紙方向への拡散を防ぎ、印字エネルギーの有効利用が可能となるため、高い発色濃度を得ることができるようになる。
ここで、上記吸油量はJIS K5101−13−2:2004の方法に従い求められる値である。
吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、シリカ、軽質炭酸カルシウム等の無機顔料が挙げられる。
吸油性顔料の平均粒子径は0.05〜5μm程度、特に0.08〜3μm程度であることが好ましい。ここで平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所製)による50%値である。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。
有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μm程度、特に0.7〜2μm程度であるのが好ましい。なお、この平均粒子径は上記吸油性顔料の平均粒子径と同様の測定方法で測られるものである。
熱膨張性粒子としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどの共重合体でマイクロカプセル化した熱膨張性微粒子等があげられる。低沸点炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン、n−ブタン等が挙げられる。
本発明において、下塗り層を構成する顔料成分は、吸油性顔料、有機中空粒子または熱膨張性粒子のみで構成することもできる。また、例えば、吸油性顔料と有機中空粒子との組合せ、あるいは吸油性顔料と熱膨張性粒子との組合せのように、上記顔料のうちの2種以上を併用することもできる。
上記顔料のうちの2種以上を併用する場合、各顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、例えば、吸油性顔料と有機中空粒子との組合せにおいては、吸油性顔料に対して有機中空粒子20〜180質量%、特に25〜120質量%程度、あるいは吸油性顔料と熱膨張性粒子との組合せにおいては、吸油性顔料に対して熱膨張性粒子1〜160質量%、特に10〜120質量%程度の範囲で調節して併用することが好ましい。
吸油性顔料、有機中空粒子および熱膨張性粒子から選ばれる1種または2種以上を併用する場合、合計量が下塗り層全固形分に対して、40〜90質量%、特に50〜85質量%程度であるのが好ましい。
下塗り層中に使用される顔料としては、上記の吸油性無機顔料、有機中空粒子および熱膨張性粒子の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で各種公知の塗工用顔料を使用することができ、例えば、カオリン、重質炭酸カルシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、合成マイカ、タルク、密実型の有機顔料等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上の顔料を併用することもできる。
下塗り層用塗液に使用される接着剤としては、例えば種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、シリル化ウレタン、アクリルーシリコン複合体、アクリル−シリコン−ウレタン複合体などの疎水性重合体のラテックスなどが挙げられ、1種または2種以上を併用することも可能である。
下塗り層中の接着剤の含有量は、下塗り層の全固形分に対して5〜55質量%含有することが好ましく、より好ましくは10〜45質量%程度である。5質量%以上とすることにより、塗工層の強度を向上させることができる。一方、55質量%以下とすることにより、下塗り層の目的とする空隙を多くして、記録感度を向上させることができる。
さらに下塗り層用塗液中には必要により各種助剤が使用される。助剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの界面活性剤、グリオキザール、ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物などの耐水化剤(架橋剤)、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックスなどの滑剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤などが挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
下塗り層用塗液の調製方法については、特に制限されず、また塗液の濃度についても特に制限されないが、通常20〜50質量%、好ましくは35〜45質量%程度で塗工すればよい。20質量%以上とすることにより、塗液の粘度が高くでき、浸透ムラ、ひいては下塗り層のムラの発生を抑制でき、画質を向上させることができる。それと同時に、塗工速度を上げ、生産性を向上できる。また、50質量%以下とすることにより、塗料の粘度を適度なものとして、加工を容易にできる。
本発明における下塗り層用塗液については、液温25℃におけるハーキュレス粘度計の8800rpmにおける粘度が25〜40mPa・sであることが好ましい。また、液温25℃におけるBL粘度計の60rpmにおける粘度が700〜2000mPa・s程度であることが好ましい。前記粘度をそれぞれ25mPa・s以上又は700mPa・s以上とすることにより、浸透ムラの発生を抑制し、結果として高感度高画質の感熱記録体が得やすくでき、同時に生産性も高くできる。また前記粘度をそれぞれ40mPa・s又は2000mPa・s以下とすることにより、塗工を容易とできる結果、所望の感熱記録体を得やすくできる。
下塗り層用塗液の粘度の調整については、下塗り層用塗液の調製で使用される顔料、接着剤、助剤等の種類および配合量を選択することによって、適宜行えばよい。
下塗り層の塗工量については、特に制限はなく、下塗り層一層の厚さが3〜12μm(好ましくは、5〜10μm)、下塗り層の総厚さが6〜30μm(好ましくは、10〜25μm)になるように適宜調節すればよい。一層あたりの乾燥後の塗工量は1〜15g/m程度であり、より好ましくは2.5〜10g/m程度である。下塗り層の総塗工量としては、2〜35g/m程度であり、より好ましくは7〜20g/m程度である。
特に、第一下塗り層と第二下塗り層との乾燥後の塗工量の割合が、2:8〜8:2であることが好ましく、より好ましくは4:6〜6:4である。この範囲とすることにより、下塗り層が十分な断熱層としての機能を発揮すると共に感熱記録層塗工時の余計な浸透を抑制する効果を高めることができ、厚さムラの少ない感熱記録層を形成することができる。
本発明において、下塗り層を形成する塗工方法としては、メイヤーバー塗工方式、エアナイフ塗工方式、ブレード塗工方式、ロッド塗工方式などが採用できる。ここで、メイヤーバー塗工方式とは、塗料を一般的にはロール方式で紙にアプリケートした後、細いワイヤーを金属の円柱に巻き付けた棒(バー)を押し付けて塗料を掻き落とすことにより、塗工量を制御するという方式である。
エアナイフ塗工方式とは、塗料を一般的にはロール方式で紙にアプリケートした後、薄いスリットから塗出される高圧の空気を用いて、空気圧で掻き落とすことにより塗工量を制御するという方式である。
ブレード塗工方式とは、塗料をロールやファウンテン方式で紙にアプリケートした後、ベベルタイプやベントタイプに代表される厚さ数ミリの薄い鋼板を押し付けて塗料を掻き落とすことにより、塗工量を制御する方式である。
ロッド塗工方式は薄い鋼板の代わりに、金属の円柱を回転させながら押し付けることで、塗工した塗料を掻き落として塗工量を制御する方式である。
本発明においては、平滑性の高い塗工面が得やすいこと、高速塗工適性に優れていること、および塗工欠陥が少ないことから、第一下塗り層をブレード塗工方式、第二下塗り層以降をロッド塗工方式で形成するのが好ましい。
本発明における下塗り層の塗工方法として、第一下塗り層がブレード塗工方式で塗工および乾燥することにより形成されると、均一で平滑性の高い塗工面が得られ、さらに第二下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工および乾燥することにより形成されると、塗工欠陥の少ない均一で平滑性の高い塗工面が得られる。本発明の感熱記録体は、これらの塗工方式の相互作用により、高感度および高画質を達成できる。
また、下塗り層の形成に際しては、例えば2層の下塗り層形成の場合は、アンワインダーから繰り出した原紙に一層目を塗工および乾燥した後、巻き取り工程を経ずにそのまま、二層目を塗工および乾燥してから巻き取る方式が好ましい。すなわち、第一下塗り層を形成させた後、第一下塗り層形成紙支持体を巻き取らずに、連続して第二下塗り層を形成させることが好ましい。一層目を塗工した後、第二下塗り層を塗工する前に、一旦巻き取る工程を経ると、原紙裏面が接触することから、第一下塗り層表面に悪影響を及ぼすおそれがある。これに対し、上記巻き取り工程を下塗り層形成途中に行わなくすることにより、第一下塗り層表面が高平滑な状態で第二下塗り層を形成できることから、第二下塗り層以降の塗工層は高平滑な塗工面が形成されることになる。
本発明において、下塗り層塗工後の下塗り層の平滑度は200〜1200秒であることが好ましく、より好ましくは300〜1000秒である。平滑度は、王研式平滑度計(J.TAPPI No.5−2:2000)で測定したものである。
本発明では、平滑度を上記範囲とするため、例えばロッド塗工方式等で2層目以降の下塗り層を形成した後、スーパーカレンダー等の平滑化処理を施しても良い。
本発明の感熱記録層は、各種公知のロイコ染料、呈色剤、増感剤、顔料、接着剤、各種助剤等が使用できる。
ロイコ染料の具体例としては、例えば3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−(4−ジメチルアミノ)アリニノ−5,7−ジメチルフルオラン等が挙げられる。これらのうち、1種を単独で使用することもでき、2種以上を併用することも可能である。
呈色剤の具体例としては、例えば4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物等が挙げられる。これらは単独でも使用でき、また2種以上を併用することも可能である。
増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、4−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタン、1,3−ジ(ナフチルオキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロルベンジルエステル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸ジベンジル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは単独でも使用でき、また2種以上を併用することも可能である。
顔料としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、合成マイカ、カオリン、クレー、焼成カオリン、タルク、および表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、生デンプン粒子等の有機顔料等が挙げられる。
接着剤としては、種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等の水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体のラテックス等が挙げられる。なお、疎水性重合体を接着剤として用いるときは、ラテックスの状態で用いればよい。
その他、各種助剤としては、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤等公知のものを用いることができる。
本発明の感熱記録層において、上記ロイコ染料の感熱記録層中の含有率は、一般に3〜50質量%程度(好ましくは5〜20質量%程度)であり、呈色剤の含有率は一般に3〜60質量%程度(好ましくは5〜40質量%程度)である。増感剤が含まれる場合は、増感剤の含有率は10〜40質量%程度であることが好ましい。また、滑剤類は、5〜20質量%程度の含有率で含まれることが好ましく、顔料は、5〜50質量%程度の含有率で含まれることが好ましい。接着剤の含有率は一般に3〜50質量%程度(好ましくは5〜20質量%程度)である。
本発明の感熱記録層用塗液の調製方法は、一般的に知られている方法により作成することができる。例えば感熱記録層用塗液はロイコ染料、呈色剤、および必要に応じて増感剤などを別々に、水を分散媒としてボールミル等の分散機により粉砕し、得られた分散液を顔料、接着剤、各種助剤と混合撹拌して調製する。なお、粉砕に際して、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の水溶性高分子を保護コロイド剤として使用したり、界面活性剤や消泡剤などを添加することもできる。
感熱記録層用塗液の塗工方法は、特に限定されず、例えばエアナイフ塗工方式、ブレード塗工方式、グラビア塗工方式、ロッド塗工方式、ショートドウェル塗工方式、カーテン塗工方式、ダイ塗工方式等の従来公知の塗工方法がいずれも採用できる。
感熱記録層用塗液の塗工量は特に制限はなく、乾燥重量で1〜15g/m程度、特に2〜10g/m程度であれば所望の品質を達成できる。
本発明において、感熱記録層の厚さの標準偏差は0.30以下である。好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下である。このような厚さムラの少ない均一な記録層により、高感度および高画質な感熱記録体とすることができる。
なお、前記標準偏差は、感熱記録層用塗液の物性、例えば粘度等を調節することにより、調整することができる。感熱記録層用塗液の粘度の調節については、感熱記録層用塗液の調製で使用される顔料、接着剤、助剤等の種類および配合量を選択することによって、適宜おこなえばよい。
特に、本発明では、第一下塗り層をブレード塗工方式で形成し、さらに二層目以降の下塗り層をロッド塗工方式で形成した下塗り層上に感熱記録層を形成することにより、好適に上記標準偏差の厚さにすることができる。下塗り層の平滑度が200〜1200秒(好ましくは300〜1000秒)である場合は、より好適に上記標準偏差の厚さにすることができる。
本発明において、各塗工層の厚さについては、感熱記録体の断面を電子顕微鏡を使用して1000倍から3000倍の倍率で撮影した反射電子組成像の任意の5箇所から厚さを測定し、その最大値および最小値を除いた3箇所の平均値を求めたものであり、感熱記録層の厚さの標準偏差は、電子顕微鏡観察より得られた厚さデータより(数1)に基づき算出したものである。
Figure 2008105223
ここで、sは標準偏差、nはデータ数、xはデータ、xはデータの平均値を示す。
本発明の感熱記録体においては、保存性を向上させたり、記録時の走行性を向上させるために、感熱記録層上に保護層を設けることが好ましい。
保護層は、水溶性高分子及び/またはラテックスから得られる疎水性重合体を主成分とすることが好ましい。
水溶性高分子としては、例えば完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられる。
疎水性重合体のラテックスとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等が挙げられる。
なかでも、重合度が1000以上の変性ポリビニルアルコールは表面のバリア性を向上させ、耐薬品性等の保存性を向上させることができるという理由で好ましく使用される。重合度の上限は限定的でないが、通常は5000程度、好ましくは4500程度である。
水溶性高分子および/またはラテックスから得られる疎水性重合体の含有量は、総計で保護層の全固形分に対して20〜85質量%程度が好ましく、特に35〜80質量%程度がより好ましい。
20質量%以上とすることによりバリア性を十分に発揮させることができ、さらに表面強度が向上され、紙粉の悪化等を防止できる。一方、85質量%以下とすることにより、スティッキングの悪化を防止できる。
水溶性高分子および疎水性重合体のラテックスを併用する場合、その使用比率は、水溶性高分子100質量部に対してラテックスから得られる疎水性重合体が5〜100質量部程度である。
保護層は、水を媒体とし、上記水溶性高分子および/または疎水性重合体のラテックス、及び必要により添加される顔料や各種助剤を、混合撹拌して得られる保護層用塗液を、感熱記録層上に塗工、乾燥することにより得ることができる。
顔料としては、前記の感熱記録層用塗液に使用される顔料から適宜選択して使用することができる。なかでも、カオリン、合成マイカ及び水酸化アルミニウムは可塑剤、油等の薬品に対するバリア性の低下が少なく、しかも記録濃度の低下も小さいため、好ましい。
また、顔料として、無定形シリカを用いることも好ましい。これにより、スティッキングが実質上完全に又は実用上問題ないレベルに抑制され、サーマルヘッドへの粕付着が少なく、記録感度が高く、しかも耐可塑剤性(バリア性)に優れた感熱記録体が得られる。
顔料の使用量は、保護層の全固形量に対して10〜75質量%程度であり、特に15〜60質量%程度の範囲で調節して使用することが好ましい。
10質量%以上とすることにより、感熱ヘッドとの滑りを向上させ、スティッキングやヘッド粕の悪化を防止できる。一方、75質量%以下とすることにより、バリア性が向上し、保護層としての機能を大幅に向上できる。
助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、グリオキザール、ホウ酸、ジアルデヒドデンプン、メチロール尿素、エポキシ系化合物、ヒドラジン系化合物等の耐水化剤(架橋剤)、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
なお、保護層用塗液の塗工方法としては、前記の感熱記録層用塗液の塗工方法から適宜選択することができる。
保護層用塗液の塗工量は、乾燥重量で0.5〜3.0g/m程度、好ましくは0.8〜2.5g/m程度であり、保護層の厚さは0.4〜2.5μm程度であり、より好ましくは0.6〜2.0μm程度である。
0.5g/m2以上とすることにより、厚さを0.4μm以上とすることができるため、感熱記録層を効果的に保護できる。一方、3.0g/m2以下とすることにより、厚さを2.5μm以下とできるため、記録感度を向上させ、低エネルギーで印字された場合においても判読しやすくできる。
本発明の形態として、紙支持体の他方の面に、磁性体化合物と接着剤を含有する磁気記録層が形成される。磁気記録層は、必要に応じで分散剤、帯電防止剤、ワックス類、カーボングラファイト、添加剤などの各種助剤が適宜用いられ、水を媒体として混合撹拌して得られる磁気記録層用塗液を、紙支持体上に塗工および乾燥して形成することができる。
本発明の磁気記録層に用いられる磁性体化合物としては、例えばγ−フェライト、コバルト含有フェライト、バリウムフェライト、酸化クローム、ストロンチウムフェライト等があげられる。この中でも、磁気記録情報が通常の磁気で消去されないためには、1500〜5000のエルステッドのバリウムフェライト、ストロンチウムフェライトが好ましく用いられる。
本発明の磁気記録層に用いられる接着剤としては、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル重合体、酢酸ビニル重合体、ポリウレタン等のラテックスから得られる疎水性重合体、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、スチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体等の水溶性高分子が挙げられる。磁気記録層中の接着剤の含有量としては、磁気記録層に対して10〜40質量%程度が好ましい。
なお、磁気記録層用塗液の塗工方法としては、前記の感熱記録層用塗液の塗工方法から適宜選択することができる。磁気記録層用塗液の塗工量については特に限定するものではないが、一般に乾燥重量で20〜50g/m2程度の範囲となるように調節される。
本発明の感熱記録体に用いられる紙支持体としては、LBKP、NBKP、DIP(古紙パルプ)等を主成分とするパルプに必要に応じて製紙用填料や紙力増強剤、歩留まり向上剤、サイズ剤等を少量の水溶性高分子と共に配合し、抄紙機で坪量30〜150g/m程度に抄造された原紙が適している。原紙に内添される填料としては、公知のものが使用でき、例えばカオリン、タルク、酸化チタン、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が挙げられる。填料の含有量は紙力、剛度により適宜調整されるものであるが、10質量%以下にすることが好ましい。
なお、古紙パルプを製造する際には、脱墨工程中にノニオン系界面活性剤が使用され、このため感熱記録体の耐地肌カブリ性と記録部の経時的保存性に難があるが、本発明で形成された2層以上の下塗り層によって、前記品質も良好なものが得られる。
なお、本発明には、各種層を形成した後、或いは全ての層を形成した後に、スーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、紙支持体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、感熱記録体にミシン目を入れたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。さらに、感熱記録体における感熱記録層を多色記録が可能な構成とすることもできる。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製、吸油量90ml/100g)85部を水100部に分散して得られた分散物(平均粒子径:1.6μm)に、スチレン−ブタジエン共重合物のラテックス(固形分50%)40部と、酸化でんぷんの10%水溶液50部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンAGガム、第一工業製薬社製)1部を混合攪拌し、下塗り層用塗液を得た。なお、下塗り層用塗液の粘度は、1380mPa・s(BL粘度計の60rpm)、34mPa・s(ハーキュレス粘度計の8800rpm)であった。
(各成分の調製)
・A液調製(ロイコ染料分散液の調製)
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液調製(呈色剤分散液の調製)
2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液調製(増感剤分散液の調製)
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水55部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕してC液を得た。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液25部、B液50部、C液50部、微粒子無定形シリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、平均粒子径0.3μm、固形分20%、グレースデビソン社製)20部、酸化デンプンの20%水溶液30部、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液の50部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
(磁気記録層用塗液の調製)
バリウムフェライト(商品名:MC127、戸田工業社製)100部、ポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンT−50、固形分40%、東亞合成社製)2部、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩(商品名:ポリマロン385、固形分25%、荒川化学工業社製)4部および水85部からなる組成物をサンドミルで分散した後、ポリウレタン系ラテックス(商品名:アイゼラックスS−3020N、固形分37%、保土谷化学社製)35部を加え、磁気記録層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
150g/mの原紙の片面に、磁気記録層用塗液を固形分で30g/mとなるように塗工、磁場配向後乾燥した。続いて他方の面に乾燥後の塗工量が7.0g/mになるようにブレード塗工方式にて下塗り層用塗液を塗工乾燥して第1下塗り層を形成し、さらに巻き取らずに乾燥後の塗工量が8.0g/mになるようにロッド塗工方式にて第1下塗り層上に、下塗り層用塗液を塗工乾燥して、第2下塗り層を形成した。得られた2層からなる下塗り層上に乾燥後の塗工量が5.0g/mとなるように感熱記録層用塗液を塗工乾燥した。その後、線圧78N/mの加圧条件でスーパーカレンダーによって平滑化処理し感熱記録体を得た。
実施例2
(保護層用塗液の調製)
カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)50部を水100部に分散して得られた分散物に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液の600部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分36%、中京油脂社製)25部を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
実施例1の感熱記録体の作製において、感熱記録層を形成後、前記保護層用塗液を乾燥後の塗工量が1.3g/mとなるように前記保護層用塗液を塗工乾燥した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録体の作製において、第1下塗り層及び第2下塗り層の塗工量をそれぞれ5.0g/m、10.0g/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録体の作製において、第1下塗り層及び第2下塗り層の塗工量をそれぞれ5.0g/m、5.0g/mとした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録体の作製において、下塗り層用塗液として下記の塗液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
(下塗り層用塗液の調製)
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製、吸油量90ml/100g)55部を水75部に分散して得られた分散物(平均粒子径:1.6μm)に、微小中空粒子(商品名:AE−851、JSR社製、固形分55%、平均粒子径0.9μm)55部、スチレン−ブタジエン共重合物のラテックス(固形分50%)40部と、酸化でんぷんの10%水溶液50部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲンAGガム、第一工業製薬社製)1部を混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。なお、下塗り層用塗液の粘度は、1580mPa・s(BL粘度計の60rpm)、37mPa・s(ハーキュレス粘度計の8800rpm)であった。
実施例6
実施例1の感熱記録体の作製において、第1下塗り層を塗工、乾燥した後に一旦巻き取り、その後第2下塗り層を塗工、乾燥した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録体の作製において、第2下塗り層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録体の作製において、第1下塗り層の塗工量を15.0g/mとし、且つ第2下塗り層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例2の感熱記録体の作製において、下塗り層として、比較例2を使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
・平滑度
感熱記録体において、下塗り層面を王研式平滑度計で測定した。
・記録感度
感熱評価機(商品名:TH−PMD、大倉電気社製)を用い、0.16mJ/dotで各感熱記録体を発色させ、記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・画質
上記0.16mj/dotで発色させた部分の発色状況をマイクロスコープで拡大観察し、以下のように評価した。
◎:ドットが均一に発色しており、濃淡ムラがない。
○:わずかにドットの未発色部分が見られるが、問題のないレベル。
△:明らかなドット未発色部分が見られ、目視評価でも濃淡ムラが大きく、実用上問題あり。
×:ドット未発色部分が多く、濃淡ムラが激しい。
Figure 2008105223
紙支持体の一方の面に形成された下塗り層、および該下塗り層上に形成され、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体であって、前記下塗り層が少なくとも第一層および該第一層上に形成された第二層からなる多層構造を有しており、前記感熱記録層の厚さの標準偏差が0.30以下であり、且つ前記紙支持体の他方の面に磁性体化合物と接着剤を含有する磁気記録層を設けた本発明の感熱記録体は、記録感度が高く、低エネルギーで印字されても良好な画質が得られるものであり、各種の感熱記録体に適用できる。

Claims (3)

  1. 紙支持体、該紙支持体の一方の面に形成された下塗り層、および該下塗り層上に形成され、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体であって、前記下塗り層が少なくとも第一層および該第一層上に形成された第二層からなる多層構造を有しており、前記感熱記録層の厚さの標準偏差が0.30以下であり、且つ前記紙支持体の他方の面に磁性体化合物と接着剤を含有する磁気記録層を設けたことを特徴とする感熱記録体。
  2. 第一下塗り層がブレード塗工方式で塗工および乾燥することにより形成され、さらに、第二下塗り層以降がロッド塗工方式で塗工および乾燥することにより形成されてなる、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記感熱記録層上に、さらに保護層が形成されている、請求項1または2に記載の感熱記録体。
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