JP2013230619A - 記録材料用支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルヘッドを利用して記録を行う熱転写受容シート、感熱記録シート等の記録材料に関するものであり、印画濃度が高く、画像均一性に優れた記録材料を提供するための断熱層を有する支持体を提供する。
【解決手段】シート状基材の少なくとも一方の面に、断熱層を有する感熱方式の記録材料用支持体において、該断熱層が、中空粒子を含有し、かつ水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有することを特徴とする感熱方式の記録材料用支持体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、感熱方式の記録材料用支持体に関し、更に詳しくは、サーマルヘッドを利用して記録を行う熱転写受容シート、感熱記録シートに好適な、断熱性を有する記録材料用支持体に関するものである。
感熱方式の記録材料は、支持体の表面に熱により発色する感熱記録層を設けた感熱記録シート、支持体の表面に受容層を有する構成であり、着色成分を保持するインクリボン(熱転写シート)と組み合わせて使用され、熱により熱転写シートより着色成分が受容層に転写される熱転写受容シートなどが知られ、実用化されている。
近年サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、染料熱転写シートの染料を含む染料層と、熱転写受容シートの染料染着性樹脂を含む熱転写受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、熱転写受容層上に転写して画像を形成するものである。染料熱転写シートは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、染料熱転写シートの各色の染料を熱転写受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。
コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大している。またサーマルヘッドの温度制御技術の向上にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのためサーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
熱転写受容シートは一般に、シート状基材とその表面に形成された熱転写受容層とから構成されており、シート状基材としては、従来から種々のフィルム基材や紙基材、およびこれらの積層基材が使用されている。
更に記録感度や画質等を向上させる目的で、断熱性とクッション性を有する層として、紙基材と熱転写受容層との間に中空粒子を含有する下塗り層を設けた熱転写受容シートが開示されている(特許文献1)。下塗り層中に中空粒子を含有することによって、断熱性及びクッション性が向上し、感度や画質が良好な熱転写受容シートが得られる。しかし、一般に用いられている有機系中空粒子は、水に分散しにくく、分散性が良くない場合、凝集物が発生してしまうこともある。そのため、中空粒子を含有することによる所望の断熱性とクッション性が得られず、印画濃度の低下、及び画像均一性の低下がみられ、印画物の商品価値を損なう問題があった。
一方、感熱記録シートにおいても、印画濃度が高く、画像の均一性が優れた記録像が求められている。
特開平1−27996号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を改良し印画濃度が高く、画像均一性に優れた感熱方式の記録材料を得るための支持体を提供しようとするものである。
本発明者等は、このような課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、中空粒子を含有し、かつ水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有する断熱層を形成することで解決することを見出し、本発明に至ったのである。即ち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)シート状基材の少なくとも一方の面に、断熱層を有する感熱方式の記録材料用支持体において、該断熱層が、中空粒子を含有し、かつ水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有することを特徴とする感熱方式の記録材料用支持体。
(2)該断熱層の全固形分100質量部に対し、水溶性スチレンマレイン酸樹脂を10質量部以下で含有する(1)に記載の感熱方式の記録材料用支持体。
(3)該断熱層に水溶性スチレンマレイン酸樹脂と、保護コロイド剤を含有する(1)又は(2)に記載の感熱方式の記録材料用支持体。
(4)該断熱層の全固形分100質量部に対し、水溶性スチレンマレイン酸樹脂および保護コロイド剤を10質量部以下で含有する(3)に記載の感熱方式の記録材料用支持体。
(5)前記水溶性スチレンマレイン酸樹脂が、エステル化されたスチレンマレイン酸樹脂である(1)〜(4)のいずれかに記載の感熱方式の記録材料用支持体。
(6)該断熱層に水分散性バインダーを含有する(1)〜(5)のいずれかに記載の感熱方式の記録材料用支持体。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の感熱方式の記録材料用支持体の断熱層上に、染着性樹脂を含有する熱転写受容層を有する熱転写受容シート。
(8)熱転写受容層が、染着性樹脂を含有する水系の塗工液の塗布により形成された層である(7)記載の熱転写受容シート。
本発明の記録材料用支持体を用いた記録材料は、印画濃度が高く、画像均一性に優れた記録を行うことができる。
本発明の感熱方式の記録材料用支持体は、シート状基材の少なくとも一面に、断熱層を有する構成であるが、必要に応じて、更に他の層を設けて性能を向上させることも勿論可能である。以下これらの層について詳細に説明する。
(シート状基材)
シート状基材としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。例えば、紙類としては上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられる。
合成樹脂を主成分としたシート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
多孔質延伸シート類としてはポリオレフィン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分とした、例えば合成紙、多孔質ポリエステルシートなどが挙げられる。これらの材料を単体で使用してもよいし、多孔質延伸シート同士、多孔質延伸シートと、他のシート類及び/又は紙類とを積層貼着させた積層体シートとしてもよい。
また、シート状基材としては、受容層が形成される第一の基材層、粘着剤層、離型剤層、第二の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるラベルタイプ(ステッカー、シールタイプとも称される)の構造を有するシート状基材も勿論使用可能である。
上記シート状基材の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類が好ましい。例えば、熱転写受容シートの風合いが印画紙に近く、低コストであり環境負荷も少ない。
(断熱層)
断熱層は、シート状基材の少なくとも一面に形成され、中空粒子を含有し、且つ、水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有する。例えば、シート状基材に、少なくとも中空粒子と水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有する塗液を塗工、乾燥することにより、断熱層を形成することができる。なお、シート状基材と断熱層の間に、下塗り層を形成することもできる。下塗り層は、断熱層用塗液がシート状基材にしみ込みすぎることを防ぐため、シート状基材と断熱層との密着性を高めるため、記録像の退色や変色させる成分がシート状基材の裏面からの記録面への移行を防ぐためのバリアー層、記録面の色調を調節するための着色層など、適宜採用することができる。
(中空粒子)
中空粒子としては、発泡性中空粒子、中空エマルジョンなど、公知の材料が例示できる。
発泡性中空粒子は、例えばn−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ネオペンタン等の低沸点炭化水素を核(コア)として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、スチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル等のモノマーの単独重合体樹脂、あるいはこれらの共重合体樹脂を壁(シェル)として、マイクロカプセル化し、加熱により低沸点炭化水素を気化、膨張させて粒子内部に空間を形成するものである。
中空エマルジョンは、重合体形成性材料をシェル形成用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、前記気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子である。
断熱層で使用される中空粒子の体積中空率は特に限定するものではないが、45〜97%が好ましく、更に好ましくは50〜90%である。中空粒子の体積中空率が45%以上であると断熱性が優れ、充分な画像濃度が得られやすくなる。また、体積中空率が97%以下であると、中空粒子の殻厚が薄くなり、中空粒子が潰れやすくなることを防ぐことができ、取り扱いの際、例えば記録の際の外部からの圧力や熱によって、傷や凹みがつき難く、取り扱いが容易となる。
尚、中空粒子の体積中空率とは粒子体積に対する中空部分の体積の割合を示したものである。前記発泡性中空粒子及び前記中空エマルジョンの体積中空率は、例えば電子顕微鏡による拡大映像から、中空部の体積及び中空粒子全体の体積を算出し、(中空部の体積)/(中空粒子全体の体積)から求めることが可能である。
但し、中空粒子の体積中空率が高く、断面試料作成の際に変形し易い場合、或いは中空粒子の形状が一定でない場合は、前記電子顕微鏡による拡大映像から体積中空率を求めることが困難な場合がある。このような場合、前記発泡性中空粒子の体積中空率は、中空粒子と貧溶媒からなる中空粒子分散液の比重、前記分散液における中空粒子の質量分率及び中空粒子のシェル(壁)を形成する重合体樹脂の真比重、及び貧溶媒の比重から求めることができる。なお貧溶媒とは中空粒子の壁を形成する樹脂を溶解及び/又は膨潤させない溶媒であり、例えば水、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
断熱層を構成する中空粒子の平均粒子径としては、0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜18μmである。例えば、発泡性中空粒子を使用する場合には、予め発泡させた粒子を含有する塗液を調整し、塗布、乾燥して断熱層を形成する方法と、未発泡状態の粒子を含有する塗液を調整し、塗布後、粒子を加熱して発泡させ断熱層を形成する方法等の何れを用いても良いが、得られる断熱層表面の均一性、平滑性の点で、予め発泡させた粒子を用いて断熱層を形成する方法がより好ましい形態である。前記断熱層において、発泡後の中空粒子の平均粒子径が20μm以下とすることにより、断熱層表面の平滑性が優れ、高画質の記録を行うことができる。一方、発泡後の中空粒子の平均粒子径が0.1μm以上とすることにより、充分な断熱性を得ることができ、画像濃度が高い記録を行うことができる。
断熱層には、異なる粒子径の中空粒子を併用すると、粒子径の大きい中空粒子の間に粒子径の小さい中空粒子が充填されるためか、表面の凹凸が軽減するので、画像均一性がより向上するので好ましい。
尚、本発明の中空粒子の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(商品名:SALD2000、島津製作所製、体積分布50%メジアン径)を用いて測定した値である。
(水溶性スチレンマレイン酸樹脂)
中空粒子を含む断熱層には、水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有する。水溶性スチレンマレイン酸樹脂は、中空粒子とシート状基材を接合する接着剤の役割を有するが、本発明者の研究によれば、中空粒子を水系溶媒中に均一に分散させる作用効果を有する。水溶性スチレンマレイン酸樹脂を用いた断熱層は、中空粒子分布の均一性が優れ、適度なクッション性を有するため、感熱方式の記録材料に仕上げた際に、高濃度、高画質の記録が可能となる。
前記水溶性スチレンマレイン酸樹脂は、エステル化されたスチレンマレイン酸樹脂であることが好ましい。水溶性スチレンマレイン酸樹脂は、エステル化により、モノエステルとモノカルボン酸基の化学構造を有する。そのため、カルボン酸が増加することにより、界面活性能が向上し、中空粒子を水系溶媒中に更に均一に分散させることが可能となる。
水溶性スチレンマレイン酸樹脂の使用量は、該断熱層の全固形分100質量%に対して、10質量%以下で含有することが好ましい。10質量%を越える場合には、分散液の塗料粘度が低下し、断熱層の塗料粘度も低下する可能性があり、断熱層形成時に塗工ムラが生じて、画質が低下することがある。
本発明の断熱層には、水溶性スチレンマレイン酸樹脂以外に、保護コロイド剤を含有することが好ましい。保護コロイド剤として、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、変性デンプン、ゼラチン、アラビアガム、カゼイン、ポリビニルアルコール誘導体などを用いることができる。保護コロイド剤は、水溶性スチレンマレイン酸樹脂により分散された中空粒子分散物の分散安定性を良好にし、より均一な断熱層を形成することができる。
水溶性スチレンマレイン酸樹脂、及び保護コロイド剤の使用量は、該断熱層の全固形分100質量%に対して、10質量%以下で含有することが好ましい。10質量%を越える場合には、断熱層の耐水性が不足する可能性があり、断熱層上に水系の受容層や記録層を形成する場合、断熱層が水系の塗料に一部溶解し、均一な受容層が得られない可能性がある。
本発明の断熱層には、前記樹脂以外に水分散性樹脂を含有することが好ましい。水分散性樹脂として、スチレン・アクリル酸共重合樹脂、エチレン・アクリル酸共重合樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル・アクリル共重合樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂などを用いることができる。これらは、必要に応じて一種以上を適宜選択して使用することができる。水分散性樹脂を含有することにより、断熱層の塗膜強度が更に向上し、印画走行性が良好な記録材料を得ることができる。
また、断熱層を構成する材料として、架橋剤、各種の無機、有機の顔料、ワックス類、金属石鹸等が使用でき、更に必要に応じ紫外線吸収剤、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等各種添加剤を所望の効果を損なわない範囲で使用が可能である。
断熱層の固形分塗工量は、1〜50g/mであることが好ましく、より好ましくは5〜25g/mである。断熱層の固形分塗工量が1g/m以上とすることで、充分な断熱性やクッション性を得ることができる。なお、固形分塗工量が50g/mを超えると、断熱性、クッション性の効果が飽和し、経済的に好ましくない。なお、断熱層を形成した後、カレンダー処理を施し、表面の平滑性を高めることもできる。
本発明は、中空粒子及び水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有する断熱層を有する記録材料用支持体である。該記録材料用支持体は、該断熱層上に熱転写受容層や感熱記録層を設けることで記録材料となる。本発明の断熱層を有する記録材料は、感熱方式の記録を行った際の断熱性、クッション性を有し、高感度、高画質の記録を得ることができる。
(熱転写受容層)
熱転写受容シートの場合、前記断熱層上に熱転写受容層を設けるものである。熱転写受容層を形成する樹脂としては、インクリボンから移行する染料に対する親和性が高く、従って染料染着性の良好な樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル・アクリル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は使用する架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有している事が好ましい。
染料染着性樹脂と架橋剤との反応物を主成分との反応物を主成分とする熱転写受容層は、架橋反応の進み具合によって、印画濃度が変動し易い問題がある。特にイソシアネート系架橋剤は、熱転写受容層中の水分量によって架橋密度が変化し、熱転写受容シートの印画濃度が変化し易い。
カルボキシル基を有する染料染着性樹脂と、カルボジイミド系架橋剤又はオキサゾリン系架橋剤から選ばれる少なくとも1種との架橋反応物を主成分として形成された熱転写受容層は、架橋反応が熱転写受容層中の水分の影響を受け難く、一定の架橋密度の反応物が得られ、熱転写受容シートの印画濃度を一定範囲に収めることが容易であり好ましい。カルボキシル基を有する染料染着性樹脂の市販品としては、例えば、ネオステッカー#1200(日華化学製、ウレタン系樹脂)、ビンブラン603(日信化学製、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂)、ビンブラン690(日信化学製、塩化ビニル・アクリル共重合樹脂)、FK−555(中央理化工業製、アクリル樹脂)などが挙げられ、カルボジイミド系架橋剤の市販品としては、例えば、カルボジイミド(日清紡製)、オキサゾリン系架橋剤としては、NKアシストOX(日華化学製)が挙げられる。
またプリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、熱転写受容層とインクリボンとが融着することを防止するために、熱転写受容層中に、架橋剤、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。更に必要に応じて、上記の熱転写受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は塗工前に熱転写受容層の形成成分と混合されてもよいし、また熱転写受容層とは別の層として熱転写受容層の上に形成されていてもよい。
熱転写受容層の形成は、染料染着性樹脂および架橋剤、離型剤等の必要な添加剤等を適宜、有機溶剤或いは水等に溶解もしくは分散して熱転写受容層用塗工液を調整し、公知のコーターを使用して、断熱層上に、塗工、乾燥し、更に必要に応じて加熱キュアーして形成することができる。熱転写受容層用塗工液の溶媒として、有機溶剤を使用し、断熱層上に塗工、乾燥して得られた熱転写受容シートは、該塗工液が下塗り層の空隙を潰してしまい、断熱性、クッション性が低下し、画像濃度、画質が低下する場合がある。また、断熱層内に有機溶剤が残ってしまうという残留溶剤の問題があり、熱転写受容層用塗工液の溶媒として水を使用することが好ましい。
熱転写受容層の固形分塗工量は0.1〜12g/mが好ましく、1〜10g/mがより好ましい。熱転写受容層の固形分塗工量が0.1g/m未満では、熱転写受容層が断熱層表面を完全に覆うことができず、画質が低下する場合がある。一方、固形分塗工量が12g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、熱転写受容層の塗膜強度が不足して、印画中に受容層の一部が剥がれる、或いは断熱層の断熱効果が充分に発揮されず、画像濃度の低下を招く等の問題が発生することがある。
(感熱記録層)
感熱記録体の場合、上記の如き断熱層上に感熱記録層を形成することにより製造される。感熱記録層に含有されるロイコ染料と呈色剤としては各種のものが使用できる。例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、ロイコ染料としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
前記ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、該ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。またロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、あるいは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
感熱記録層に使用される呈色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる呈色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボイル)ウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
感熱記録層中のロイコ染料と呈色剤の使用比率は用いるロイコ染料と呈色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般には、感熱記録層全固形分に対して、呈色剤を10〜70質量%程度、特に12〜50質量%程度、塩基性染料を、3〜50質量%程度、特に5〜40質量%程度とするのが好ましい。
また、塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、蛍光染料、着色染料等が適宜添加される。
また、塗液中には各種顔料を併用することも可能であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。増感剤を使用する場合、その使用量は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して0.5〜40質量%程度、特に1〜25質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して1〜30質量%程度、特に2〜20質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
感熱記録層中に添加される接着剤の具体例としては、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全または部分鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の併用が可能である。接着剤の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度、特に8〜40質量%程度の範囲で配合される。
上記各種成分を含む感熱記録層用塗液は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの攪拌・粉砕機により染料、呈色剤、増感剤等を一緒に又は別々に分散するなどして得られた材料を配合して調製される。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配合量は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形量に対して50質量%以下であることが好ましい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物またはホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を感熱記録層の全固形量に対して1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層に添加されるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
感熱記録層に添加される金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、白紙部の色調調節のために有色染料、及び/または有色顔料を感熱記録層中に含有させることもできる。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等、各種添加剤を添加することができる。
感熱記録層は、複数層積層して、多色感熱記録シートとすることもできる。また、感熱記録層の上には保護層を設けることもできる。
(裏面層)
シート状基材の断熱層が設けられていない側の面(裏面)上には、適宜、裏面層を設けることができる。
裏面層の目的は、走行性向上、静電気防止、熱転写受容シート相互の擦れによる受容層の傷つき防止、印画後の熱転写受容シートを重ね置きしたときの裏面への染料移行防止などである。裏面層はその目的に応じて、樹脂、顔料、帯電防止剤等を含有する。
また、本発明においては、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙を使用することもでき、或は磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する記録材料とすることもできる。また、裏面に表面と同様に感熱記録層や熱転写受容層を形成して、両面記録材料としてもよく、表面と異なる記録材料、例えば熱転写記録、感熱記録、インクジェット記録、ノーカーボン記録、ゼログラフィー記録などの機能を付与し、両面記録が可能な記録体とすることもできる。
(カレンダー処理)
記録材料(熱転写受容シートや感熱記録シート)は、カレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる記録材料表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
上記各塗工層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤などの各種助剤が適宜添加される。
各塗工層の塗工層は、バーコーター、グラビアコータ、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、及びスライドビードコーター等の公知のコーターを使用して、所定の塗工液を塗工、乾燥して形成することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。記録材料として鮮明な画像が要求される熱転写受容シートを代表例として例示するが、勿論これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
シート状基材として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、王子製紙製、坪量174.4g/m)を使用し、その片面に下記組成の断熱層用塗工液−1を、固形分塗工量が15g/mとなるように塗工、乾燥して断熱層を形成し、記録材料用支持体を得た。
(断熱層用塗工液−1の調製)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする既発泡中空粒子 55部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%)
マイクロカプセル型中空粒子 10部
(商品名:ローペイクHP−1055、ロームアンドハース製、平均粒子径1.0μm、体積中空率55%)
水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂 10部
(商品名:WR−300D、分子量1〜1.2万、荒川化学工業製)
ポリビニルアルコール 10部
(商品名:PVA205、クラレ製)
アクリル系樹脂 55部
(商品名:ES−Y1021N、中央理化工業製、Tg:47℃)
水 200部
実施例2
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR300D、荒川化学工業製)の代わりに、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:ポリマロン1318、WR300Dの分子量アップ品、分子量5〜6万、荒川化学工業製)を用いた以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例3
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)の代わりに、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:ポリマロン375C、WR300Dのエステル化度アップ品、荒川化学工業製)を用いた以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例4
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)を15部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製)を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例5
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)を5部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製)を15部に変更した以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例6
実施例5の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)の代わりに、水溶性スチレンマレイン酸樹脂(商品名:KS1570S、エステル化なし、荒川化学工業製)を用いた以外は、実施例5と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例7
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)を5部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製)を5部に変更した以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例8
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)を15部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製)を15部に変更した以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
実施例9
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)を27.5部に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ製)を2.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
比較例1
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR−300D、荒川化学工業製)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
比較例2
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR300D、荒川化学工業製)の代わりに、水溶性ポリエステル樹脂(商品名:EW210、SKケミカルズ製)を用いた以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
比較例3
実施例1の断熱層用塗工液の調製において、水溶性エステル化スチレンマレイン酸樹脂(商品名:WR300D、荒川化学工業製)の代わりに、ウレタン樹脂(商品名:ネオステッカー#1700、日華化学製)を用いた以外は、実施例1と同様にして記録材料用支持体を得た。
(評価)
各実施例、比較例で得られた記録材料用支持体の断熱層上に、下記組成の熱転写受容層用塗工液を固形分塗工量が3g/mになるように塗工、乾燥して熱転写受容層を形成し、熱転写受容シートを得た。
(熱転写受容層用塗工液)
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体エマルジョン 100部
(商品名:ビニブラン603、日信化学工業製、Tg:63℃)
カルボジイミド架橋剤 5部
(商品名:カルボジイミドV−02、日清紡製)
カルナウバワックス 8部
(商品名:トラソルCN、中京油脂製)
水 300部
かくして得られた熱転写受容シートについて、以下の評価試験を行い、その結果を表1に示す。
(画像濃度)
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、黒ベタ画像を印画した。マクベス反射濃度計RD914を用いて、黒ベタ画像の印画濃度を測定し、画像濃度を評価した。
◎:黒ベタの印画濃度が2.0以上あり、高感度である。
○:黒ベタの印画濃度が1.9以上2.0未満であり、実用上問題なく使用できる。
△:黒ベタの印画濃度が1.8以上1.9未満であり、実用可能である。
×:黒ベタの印画濃度が1.8未満であり、実用には適さない。
(画像均一性)
昇華型熱転写インクリボン(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の熱転写ビデオプリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、受容シートに、マクベス反射濃度計RD914で測定したときの画像濃度が0.6〜0.7となるように画像を印画し、画像のドット再現性を以下の基準で目視評価した。
◎:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
○:僅かにドット抜けが見られるが、実用上問題なく使用できる。
△:ドット抜けは見られるが、実用可能である。
×:ドット抜けが目立ち、実用には適さない。
Figure 2013230619
表1から明らかなように、実施例1〜9の熱転写受容シートは、印画濃度が高く、画像均一性に優れた熱転写受容シートである。
本発明は、感熱方式の記録材料用支持体を提供するものであり、この支持体を用いた熱転写受容シートは、染料熱転写プリンターに適し、印画濃度が高く、画像均一性に優れた熱転写受容シートを提供することができ、実用上極めて有用である。また、熱転写受容シートに限らず、熱により発色する感熱記録シートにおいても適用できる。

Claims (8)

  1. シート状基材の少なくとも一方の面に、断熱層を有する感熱方式の記録材料用支持体において、該断熱層が、中空粒子を含有し、かつ水溶性スチレンマレイン酸樹脂を含有することを特徴とする感熱方式の記録材料用支持体。
  2. 該断熱層の全固形分100質量部に対し、水溶性スチレンマレイン酸樹脂を10質量部以下で含有する請求項1に記載の感熱方式の記録材料用支持体。
  3. 該断熱層に水溶性スチレンマレイン酸樹脂と、保護コロイド剤を含有する請求項1又は2に記載の感熱方式の記録材料用支持体。
  4. 該断熱層の全固形分100質量部に対し、水溶性スチレンマレイン酸樹脂および保護コロイド剤を10質量部以下で含有する請求項3に記載の感熱方式の記録材料用支持体。
  5. 前記水溶性スチレンマレイン酸樹脂が、エステル化されたスチレンマレイン酸樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の感熱方式の記録材料用支持体。
  6. 該断熱層に水分散性バインダーを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の感熱方式の記録材料用支持体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の感熱方式の記録材料用支持体の断熱層上に、染着性樹脂を含有する熱転写受容層を有する熱転写受容シート。
  8. 熱転写受容層が、染着性樹脂を含有する水系の塗工液の塗布により形成された層である請求項7記載の熱転写受容シート。
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