JP5861548B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
一般に紙、合成紙または合成樹脂フィルム等からなる支持体の少なくとも片面上に、ロイコ染料と顕色剤とを熱エネルギーによって発色反応させて記録画像を得ることができる感熱記録体は、記録装置がコンパクトでしかも安価であり、且つ保守が容易であること等の利点を有し、ファクシミリや自動券売機、科学計測機の記録用媒体としてだけでなく、POSラベル、CAD、CRT医療画像用等の各種プリンター、プロッターの出力媒体として広く使用されている。これらの中で合成紙や合成樹脂フィルムを支持体として使用したものは、耐水性や画質の点で特に優れているため、食品用ラベル、医療用ラベルや、医療画像用等の各種プリンターの出力媒体として、使用量が著しく増加してきている。
しかしながら、合成紙等のフィルムベースは、紙ベースに比べ塗液の含浸がなく、ベース基材と感熱記録層との結着性、感熱記録層と保護層との結着性が、紙を支持体とした場合よりも低下し易い。この結着性不足による剥がれ、特に水に濡れた時の水溶性成分の溶出による基材からの剥がれ、更には、機械的外力が加わった場合には容易に剥がれが発生する。その結果、印字記録部が剥がれ、バーコード読取り機での読取り不良等の障害が発生する。
合成紙基材と感熱記録層との結着性を高めるために、特許文献1及び2では、感熱記録層中にスチレン−ブタジエン系共重合体を添加する感熱記録体が提案されており、結着性に優れるが、浸水時での塗膜剥がれが生じるため、更なる改良が求められている。
特開平8−175007号公報 特開平9−226246号公報
本発明は、記録部及び地肌部の耐水性、耐水ブロッキング性に優れ、且つ支持体と感熱記録層との密着性、及び発色性に優れた感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するため、合成紙または合成樹脂フィルムからなる支持体上に、ロイコ染料及び顕色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、感熱記録層がオレフィン−アクリル酸系共重合体塩とスチレン−ブタジエン系ラテックスを含有することによって、上記の課題が解決されることを見出した。即ち、本発明は下記の感熱記録体に係る。
項1:合成紙または合成樹脂フィルムからなる支持体上に、ロイコ染料、顕色剤及び接着剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、感熱記録層が接着剤としてオレフィン−アクリル酸系共重合体塩及びスチレン−ブタジエン系ラテックスを含有することを特徴とする感熱記録体。
項2:前記感熱記録層の全固形量中、前記オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の含有割合が2.5〜25質量%であり、前記スチレン−ブタジエン系ラテックスの含有割合が10〜40質量%である、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の含有量が前記スチレン−ブタジエン系ラテックス100質量部に対して10〜150質量部である、項1または2のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項4:前記オレフィン−アクリル酸系共重合体塩及びスチレン−ブタジエン系ラテックスの含有割合の合計が感熱記録層の全固形量中23〜50質量%である、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記合成紙または合成樹脂フィルムからなる支持体がポリオレフィン系樹脂を含む支持体である、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項6:前記感熱記録層上に接着剤としてアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有する保護層を備えた、項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録部及び地肌部の耐水性、耐水ブロッキング性に優れ、且つ支持体と感熱記録層との密着性、及び発色性に優れている。
本発明における支持体に用いられる合成紙または合成樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルムが挙げられる。また、支持体中には顔料を含有していてもよい。例えば、ポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料を加熱混練して、ダイから押し出し、縦方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と白色無機顔料からなるフィルムを片面当たり1〜2層積層し、横方向に延伸して半透明化あるいは不透明化して製造される合成紙を用いることもできる。かかる合成紙は、ポリオレフィン系樹脂を含むため、感熱記録層との密着性が依然として劣る一方、顔料によるボイドを形成するため、クッション性と断熱性を兼ね備え、発色性と画質に優れるが、感熱記録層の投錨効果が得られる反面、空隙に浸透する水を含んで耐水性を低下させることから、支持体としての用途が限られてきたが、本発明によれば、その効果を遺憾なく発揮させることができ、好ましく用いることができる。
本発明における感熱記録層は、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩とスチレン−ブタジエン系ラテックスを含有し、支持体上に形成されている。これにより、優れた耐水性、耐水ブロッキング性及び支持体と感熱記録層との密着性を得ることができる。
本発明に用いられるオレフィン−アクリル酸系共重合体塩は、オレフィン部分の疎水性が高いため、高い耐水性を発揮できる。また、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩のカルボキシ基部分は、フィルムとの密着性に優れ、高い結着性を発揮することができる。
オレフィン−アクリル酸系共重合体塩におけるオレフィン成分としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等が挙げられる。これらのなかでも、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂が、耐水性、密着性の観点から好ましく用いられる。オレフィン−アクリル酸共重合体塩中のオレフィン成分の比率は、50〜90mol%程度が好ましい。
オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の分子量は、2万〜20万が好ましく、3万〜15万がより好ましい。分子量を2万以上とすることにより、耐水性、密着性を向上できる。一方、分子量を20万以下とすることにより、成膜性に優れ、密着性を向上できる。
オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の塩としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。これらのなかでも、水分散性、耐水性を向上する観点からアンモニウム塩が好ましい。
オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の含有割合は、感熱記録層の全固形量中2.5〜25質量%が好ましく、4.0〜25質量%がより好ましい。2.5質量%以上とすることにより、耐水性を向上できる。一方、25質量%以下とすることにより、発色性を向上できる。
オレフィン−アクリル酸系共重合体塩は、例えば、三井化学株式会社製のケミパールS100、S650、S75N等、東邦化学工業株式会社製のハイテックS3121、S8512等として市販されており、エマルションの状態で容易に入手し利用することができる。
本発明に用いられるスチレン−ブタジエン系ラテックスとしては、ブタジエン単量体の含有割合が全単量体の固形分量中20〜45質量%、且つゲル含有率が70〜85%であるラテックスが好ましい。ブタジエンの共重合率を20質量%以上とすることにより、成膜性を向上できる。一方、45質量%以下とすることにより、凝集力を高めて、ドライピック強度を向上することができる。また、ゲル含有率を70%以上とすることにより、接着力を向上できる。また、スチレン−ブタジエン系ラテックスを構成するスチレン単量体の含有割合は、ラテックスの安定性を高める観点から、40〜70質量%程度が好ましい。
本発明に用いられるスチレン−ブタジエン系ラテックスは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとするが、更に変性を目的とする各種不飽和カルボン酸単量体の少なくとも1種を単量体組成物に含むことができる。かかる不飽和カルボン酸単量体の具体例としては、例えばイタコン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。これらの単量体を0.5〜10質量%の割合で単量体組成中に含有せしめるのが望ましい。更に、スチレン−ブタジエン系ラテックス単量体組成には、他のオレフィン系単量体を含有せしめることができ、かかる単量体の具体例としては、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリレート系単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のメタクリレート系単量体、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基を含有する単量体等が挙げられる。これらの単量体は本発明の効果を阻害しない範囲で、0〜35質量%程度使用することができる。
スチレン−ブタジエン系ラテックスの製造方法については特に限定されるものではなく、例えば連続乳化重合、一括乳化重合等、公知の乳化重合法が採用でき、またその際に各種公知の乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、電解質、キレート化剤等、一般の乳化重合に用いられる添加剤が適宜使用でき、更に重合温度も高温あるいは低温のいずれを選ぶこともできる。
スチレン−ブタジエン系ラテックスの含有割合は、感熱記録層の全固形量中10〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは15.0〜40質量%である。10質量%以上とすることにより密着性を向上できる。一方、40質量%以下とすることにより、発色性を向上できる。
オレフィン−アクリル酸系共重合体塩及びスチレン−ブタジエン系ラテックスの含有割合の合計は、感熱記録層の全固形量中、23〜50質量%が好ましく、25〜50質量%がより好ましく、30〜45質量%が更に好ましい。23質量%以上とすることにより、耐水性、耐水ブロッキング性及び密着性を向上できる。一方、50質量%以下とすることにより、発色性を向上できる。
感熱記録層におけるスチレン−ブタジエン系ラテックスに対するオレフィン−アクリル酸系共重合体塩の含有量は、スチレン−ブタジエン系ラテックス100質量部に対して、10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは30〜150質量部、更に好ましくは100〜150質量部である。オレフィン−アクリル酸系共重合体塩を10質量部以上とすることにより、耐水性、耐水ブロッキング性を向上できる。一方、150質量部以下とすることにより、発色性を向上でき、密着性について相乗効果が得られる。
本発明で感熱記録層に使用する接着剤は、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩とスチレン−ブタジエン系ラテックスであるが、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で各種公知のその他の接着剤を使用してもよい。その他の接着剤としては、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の水分散性接着剤が挙げられる。
本発明において、感熱記録層に含有されるロイコ染料と顕色剤としては各種公知のものが使用できる。例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N-イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、ロイコ染料としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明で使用されるロイコ染料は、これらに限定されるものではなく、2種以上を併用することもできる。かかるロイコ染料の含有割合は、感熱記録層の全固形量中3〜30質量%程度である。
本発明において、ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。
また、ロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明においては、ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、或いは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される顕色剤としては、各種公知の化合物を使用することができる。かかる顕色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム等の多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ブトキシカルボイル)ウレア、N−p−トルエンスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルスルホン等のウレア化合物、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン誘導体、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン誘導体等が挙げられる。
Figure 0005861548
一般式(1)
(式中、n=1〜7)
Figure 0005861548
一般式(2)
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と顕色剤の使用比率は用いるロイコ染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して1〜7質量部程度、好ましくは1〜4質量部程度の顕色剤が使用される。これらの物質を含む塗液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌、粉砕機によりロイコ染料と顕色剤とを一緒に、または別々に分散する等して塗液として調製される。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤1質量部に対して4質量部以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、保存性改良剤を併用することもできる。これにより記録像の保存性を高めることができる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(2、6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配合量は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形分に対して50質量%以下であることが好ましい。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。架橋剤の具体例としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物、グリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸カルシウム)またはグリオキシル酸アンモニウム並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物または硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等が挙げられる。架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。架橋剤の含有割合は、感熱記録層の全固形量中1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、必要により、ワックス類、金属石鹸、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等の助剤を含有させることができる。
感熱記録層に添加されるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
感熱記録層に添加される金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、白紙部の色調調節のために有色染料及び/または有色顔料を感熱記録層中に含有させることもできる。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録材料とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録材料を製造する方法がある。
本発明では、接着剤を含有する保護層を感熱記録層上に備えていることが好ましい。保護層は、従来から公知の感熱記録体に使用されている保護層を利用できる。保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、紫外線吸収剤を含むこともできる。また、光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。
保護層は、接着剤として水溶性接着剤及び水分散性接着剤のいずれの水性接着剤も使用することができる。水溶性接着剤としては、例えば、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩等が挙げられる。水分散性接着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等のラテックスが挙げられる。これらの中でも、重合度500〜3000のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、耐水性に優れ、表面のバリア性を向上させ、耐薬品性等の保存性を向上させることができるため、好ましく用いられる。重合度500以上とすることにより耐水性をより一層向上できる。一方、重合度3000以下とすることにより、保護層用塗液中に均一に溶解して塗布欠陥をなくし、バリア性を向上できる。
保護層中の接着剤の含有割合は、保護層の全固形量中15〜50質量%程度が好ましく、15〜45質量%程度がより好ましい。15質量%以上とすることにより、耐水性、バリア性を向上でき、更に表面強度を高めて紙粉を減らすことができる。一方、50質量%以下とすることにより、スティッキングを防止できる。
保護層は、更に顔料を含有することもできる。顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。
保護層中の顔料の含有割合は、保護層の全固形量中10〜80質量%程度が好ましく、10〜70質量%程度がより好ましい。10質量%以上とすることにより、サーマルヘッドとの滑りを高めて、スティッキングを防止でき、ヘッド粕の発生を抑制できる。一方、80質量%以下とすることにより、バリア性を向上できる。
保護層には、各種助剤を含有させることができる。助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、スルホン変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム等の界面活性剤、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩、疎水性ポリカルボン酸共重合物、紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料、離型剤、酸化防止剤等が挙げられる。助剤の使用量は、広い範囲から適宜設定することができる。
保護層の耐水性を一層向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を保護層中に含有させることができる。架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、ジアルデヒド澱粉、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物、グリオキシル酸ナトリウム、ジ(グリオキシル酸カルシウム)またはグリオキシル酸アンモニウム並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四硼酸ソーダ、四硼酸カリウム等の無機化合物または硼酸、硼酸トリエステル、硼素系ポリマー等が挙げられる。架橋剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。架橋剤は、保護層の全固形量中0.1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層及び保護層の形成方法については、特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、支持体上に感熱記録層用塗液を塗布及び乾燥して感熱記録層を形成し、感熱記録層上に保護層用塗液を塗布及び乾燥して保護層を形成するか、感熱記録層用塗液と保護層用塗液を同時に塗布及び乾燥して感熱記録層と保護層を形成することができる。各層を形成し終えた後、また全ての層を形成し終えた後の任意の過程でスーパーカレンダー等による平滑化処理を施すこともできる。
感熱記録層用塗液は、一般に水を分散媒体とし、ロイコ染料の分散液、顕色剤の分散液、特定の接着剤、必要により顔料、助剤を、混合することにより調製される。保護層用塗液は、一般に水を媒体として、接着剤と必要により顔料、助剤等を混合することにより調製される。感熱記録層用塗液の塗布量は、乾燥重量で2〜12g/m程度、好ましくは2〜10g/m程度である。保護層用塗液の塗布量は、乾燥重量で0.5〜7.0g/m程度、好ましくは0.8〜6.0g/m程度の範囲で調節される。なお、感熱記録層、保護層は必要に応じて2層以上に分けることができ、各層の組成、塗布量を変えることができる。
本発明においては、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙として使用することができる。あるいは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録材料とすることもできる。勿論、両面感熱記録体とすることもできる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、及び水100部からなる組成物を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるように処理してロイコ染料分散液を得た。得られたロイコ染料分散液を、以下、A液ともいう。
・顕色剤分散液(B液)の調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、及び水100部からなる組成物を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように処理して顕色剤分散液を得た。得られた顕色剤分散液を、以下、B液ともいう。
・増感剤分散液(C液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、及び水100部からなる組成物を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように処理して増感剤分散液を得た。得られた増感剤分散液を、以下、C液ともいう。
・感熱記録層用塗液の調製
A液30部、B液80部、C液40部、微粒子無定形シリカ(商品名:Nipsil E−743、東ソー・シリカ社製)4.5部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:スマーテックスPA−9281、固形分濃度48%、日本A&L社製)40部、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩(商品名:ハイテックS−3121、エチレン−アクリル酸共重合体アンモニア塩の水性ディスパージョン、固形分濃度25%、東邦化学工業株式会社製)25部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液0.5部、アジピン酸ジヒドラジド0.5部、及び水100部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液を得た。
・カオリン分散液(D液)の調製
カオリン〔商品名:UW−90(登録商標)、BASF社製〕50部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−527、水澤化学工業社製)4部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.4部、及び水80部からなる組成物を混合し、カオリン分散液を得た。得られたカオリン分散液を、以下、D液ともいう。
・保護層用塗液の調製
D液135部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、重合度1000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液250部、ステアリン酸亜鉛水分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)20部、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、DIC社製、固形分濃度20%〕45部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液0.5部からなる組成物を混合して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
ポリオレフィン系樹脂と炭酸カルシウムを加熱混練して、ダイから押し出し、縦方向に延伸したものの両面にポリオレフィン系樹脂と炭酸カルシウムからなるフィルムを積層し、横方向に延伸して不透明化して製造される合成紙(商品名:ユポFPG95、紙厚95μm、ユポコーポレーション社製)の一方の面に、感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が5.0g/mとなるように塗布及び乾燥して感熱記録層を形成し、その上に保護層用塗液を乾燥後の重量が2.5g/mとなるように塗布及び乾燥して保護層を形成した後、スーパーキャレンダーを施し、感熱記録体を得た。
実施例2(参考例)
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の量を25部に代えて14部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3(参考例)
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックスの量を40部に代えて24部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックスの量を40部に代えて100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の量を25部に代えて100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6(参考例)
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の量を25部に代えて5部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7(参考例)
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックスの量を40部に代えて30部とし、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の量を25部に代えて50部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液の代わりに、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、重合度1000、クラレ社製)の10%水溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックスの量を40部に代えて70部とし、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の量を25部に代えて80部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の量を25部に代えて80部とし、スチレン−ブタジエン系ラテックスを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の代わりに、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン(商品名:ジョンクリル537J、酸価:40、Tg:49℃、固形分濃度46%、BASFジャパン株式会社製)13部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックスの代わりに、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン(商品名:ジョンクリル537J、酸価:40、Tg:49℃、固形分濃度46%、BASFジャパン株式会社製)42部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)発色性
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部の光学濃度(記録濃度)をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃く、発色性に優れていることを示しており、記録濃度1.20以上であれば問題のないレベルであり、1.30以上であれば極めて優れたレベルである。
(2)耐水性
10cm×5cmの感熱記録体の保護層面上に水を一滴(約30μl)垂らし、その上に指で保護層面を擦り、擦った回数と目視により下記の基準で評価した。
◎:30回でも感熱記録層が全く溶け出さない。
○:30回で僅かに感熱記録層が溶け出すが、実用上の問題はない。
×:20回で感熱記録層が溶け出し、実用上、問題である。
(3)耐水ブロッキング性
感熱記録体の保護層面上に水を一滴(約30μl)垂らし、その上に別の一枚の感熱記録体の保護層面を重ねて置き、更に直径5cmの円柱の真鍮製錘(9.8N)を載せ、3日後に錘を外し、保護層面同士を剥離させて、下記の基準で評価した。
◎:殆ど抵抗無く剥離する。
○:やや抵抗があるものの感熱記録層の剥離はなく、実用上の問題はない。
×:一部の感熱記録層が剥離し、実用上、問題である。
(4)密着性
保護層上に粘着セロハンテープを100g/cmの圧力で貼り付け、30m/分の速度で剥がし、感熱記録層の支持体からの剥がれの程度を目視により下記の基準で評価した。
◎:感熱記録層が剥がれない。
○:感熱記録層が少し剥がれる。
△:感熱記録層が大部分剥がれる。
×:感熱記録層が完全に剥がれる。
Figure 0005861548
本発明の感熱記録体は、記録部及び地肌部の耐水性、耐水ブロッキング性に優れ、且つ支持体と感熱記録層との密着性、発色性及び記録画質に優れているので、ファクシミリや自動券売機、科学計測機の記録用媒体としてだけでなく、POSラベル、CAD、CRT医療画像用等の各種プリンター、プロッターの出力媒体、食品用ラベル、医療用ラベルや、医療画像用等の各種プリンターの出力媒体としても適用できる。

Claims (5)

  1. 合成紙または合成樹脂フィルムからなる支持体上に、ロイコ染料、顕色剤及び接着剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、感熱記録層が接着剤としてオレフィン−アクリル酸系共重合体塩及びスチレン−ブタジエン系ラテックスを含有し、前記感熱記録層の全固形量中、前記オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の含有割合が4.0〜25質量%であり、前記スチレン−ブタジエン系ラテックスの含有割合が15.0〜40質量%であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記オレフィン−アクリル酸系共重合体塩の含有量が前記スチレン−ブタジエン系ラテックス100質量部に対して10〜150質量部である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記オレフィン−アクリル酸系共重合体塩及びスチレン−ブタジエン系ラテックスの含有割合の合計が感熱記録層の全固形量中25〜50質量%である、請求項1または2のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  4. 前記合成紙または合成樹脂フィルムからなる支持体がポリオレフィン系樹脂を含む支持体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  5. 前記感熱記録層上に接着剤としてアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有する保護層を備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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