JP4715565B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録体に関するものである。
無色乃至は淡色の塩基性染料と有機または無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発色物質を接触せしめて発色像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種プリンタ等の記録媒体としてのみならず、幅広い分野において使用されている。
更に近年ではラベルやチケット等記録画像の信頼性が重視される分野で多量に使用されるようになっている。従来、このような信頼性が要求される用途には、記録媒体が折れ曲がった時に感熱記録層の割れが生じないことが(折れ割れ耐性)要求されている。例えば、感熱記録体がチケット用途に利用される場合は、一般的に管理バーコードが印字されチケットの情報が記録されるが、チケット発券後、財布やポケットに折り曲げられて携帯される場合が多く、照合等の目的で読取り機にかけられた場合、折れ割れにより塗膜が欠落してバーコード読取りエラーが発生することがあり、また見かけ上も見苦しくなる等の欠点もあり、折れ割れ耐性に優れた感熱記録体が要望されている。
ところが、支持体と感熱記録層の間に記録感度や画質向上のために下塗り層が設けられている感熱記録体の場合、この折れ割れによる塗膜強度が極端に低下し易い。即ち、下塗り層は感度向上のためポーラスな状態になっており、層全体が脆くなることが避けられず、折り曲げに対して抵抗力のないものになっている。
一方、ファクシミリ用の感熱記録体では、感熱記録層面側に印刷する要望は殆どなかったが、ラベルやチケット用の場合、感熱記録層面側に印刷することが通常である。このような印刷を可能にするには、塗工層に印刷時に発生するピッキングに対して抵抗力を持たせなければならない。しかし、前述のように記録感度を上げる必要から下塗り層はポーラスな状態になっており、層自体が脆くなることが避けられず、ピッキングに対しても抵抗力のないものになっている。
従来、記録感度の低下を伴わず折れ割れ耐性や印刷適性に優れた感熱記録体を得るために、下塗り層中に特定の接着剤を用いる方法が開示されている。例えば、下塗り層中に、接着剤として単量体成分としてアクリロニトリルを2〜10質量%含有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体を使用する方法(特許文献1参照)が提案されている。また、下塗り層中にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを含有させ、且つ支持体の裏面にアルデヒド基を有する架橋剤を塗布する方法(特許文献2参照)も提案されている。更に、下塗り層表面の、ブリストー法による接触時間150msにおける水の転移量が3〜8ml/mであって、ガラス転移温度が0℃以下、粒子径が100〜150nm、且つカルボキシ化度が4〜8%のラテックスを使用する方法(特許文献3参照)も記載されている。更にまた、下塗り層中に中空粒子と鉛筆硬度がHB〜4Bのバインダーを含有し、その重量比が1:0.3〜1であることを特徴とする方法(特許文献4参照)も開示されているが、記録感度、地肌カブリ、折れ割れ耐性および印刷時のピッキング耐性について更なる改良の要望がある。
特開平11−147367号公報 特開平7−89231号公報 特開平10−250232号公報 特開平04−282290号公報
本発明は、記録濃度が高く、地肌カブリが少なく耐熱性に優れ、更に折れ割れ耐性及び印刷時のピッキング耐性に優れた感熱記録体に関するものである。
支持体上に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層、およびロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を順次積層した感熱記録体において、下塗り層の接着剤として、アクリロニトリルを単量体成分として13〜30質量%含有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体を含有し、かつ、そのガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする。
前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体のゲル含有量が50〜100質量%であることが好ましい。
前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体が、下塗り層の顔料全固形分に対して5〜50質量%含有されることが好ましい。
下塗り層中の接着剤として更に澱粉が含有され、澱粉の含有量が前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体の含有量に対して10〜80質量%であることが好ましい。
本発明によれば、記録濃度が高く、地肌カブリが少なく耐熱性に優れ、更に折れ割れ耐性及び印刷時のピッキング耐性に優れた感熱記録体が提供される。
本発明では、上述の如く下塗り層中に単量体成分としてアクリロニトリルを10〜30質量%含有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体(以下、特定の接着剤と称す)を接着剤として用いるところに重大な特徴を有するものであり、かかる接着剤を使用することで、記録感度が高く、温度に対する白色度保存性に優れ、特に折れ割れ耐性と印刷適性に優れた効果が得られる。特定の接着剤中、アクリロニトリルの単量体成分としての含有量は10〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは13〜30質量%程度である。10質量%未満になると折れ割れ耐性と印刷時のピッキング耐性が低下する恐れがあり、30質量%を超えると地肌カブリが強くなる恐れがある。
本発明で使用する特定の接着剤は、スチレン、ブタジエンおよびアクリロニトリルを主要な単量体成分とし、且つアクリロニトリルを単量体成分として、10〜30質量%含有するものであるが、他の単量体を共重合させることもできる。他の単量体としては、例えばイタコン酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、α−メチルスチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。なお、本発明の特定の接着剤中のスチレンとブタジエンの使用量としては、各々10〜60質量%程度であり、目標とするガラス転移温度になるように選択して使用される。
特定の接着剤はラテックスの形態で使用され、かかるラテックスの製造方法については特に限定されるものではなく、例えば、連続乳化重合、一括乳化重合等の公知の乳化重合法が採用でき、またその際に各種公知の乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、電解質、キレート化剤等、一般の乳化重合に用いられる添加剤が適宜使用でき、更に重合温度も高温或いは低温のいずれを選ぶこともできる。なお、これら添加剤の使用量を極力少なく、中でも添加剤は使用せずに製造したものがより好ましい。
更に、特定の接着剤のガラス転移温度は10℃以下であり、好ましくは5℃以下であり、より好ましくは0℃以下である。また、下限値としては−50℃以上が好ましく、−40℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が10℃を超えると、柔軟性が不足して特に折れ割れ耐性、ピッキング耐性が悪化する。
更に、本発明者等は、特定の接着剤の中でもゲル含有量が50〜100質量%の範囲であれば、より一層優れた折れ割れ耐性と印刷時のピッキング耐性が得られることを見出した。その中でも、65〜98質量%の範囲がより好ましい。ゲル含有量は、使用する単量体の種類や配合割合、重合方法、乳化重合に使用する添加剤等を調節することによってコントロールできる。
ゲル含有量の測定方法については、ラテックスをポリプロピレンフィルムの上に塗布し、室温で2日間乾燥させた後、乾燥皮膜0.5g程度を正確に測り(初期試料重量A)、蓋付ガラス瓶に入れ、トルエン30mlを加えて3時間振とうし、ステンレス製325メッシュで試料をろ過し、トルエン及びトルエン可溶分を除去し、更に乾燥機(150℃、1時間)にてトルエンを完全に除去した後、乾燥重量を測定して(乾燥試料重量B)、次式によって求められる。
ゲル含有量(%)=(乾燥試料重量B)/(初期試料重量A)
更に、ラテックスの粒子径であるが、流動性や形成されるフィルムの強度や耐水性に与える影響が非常に大きい。流動性についてみた場合、小粒子径化はラテックス自体の粘度を上昇させ、更に、ラテックス以外にも水溶性樹脂を含有している時には、小粒子径化はラテックス粒子間の橋かけを容易とし、チキソトロピー性が増すために下塗り層用塗液の保水性が改善される。
その結果、ラテックス粒子のマイグレーションが抑制され、下塗り層中のラテックスが均一に分布することになる。しかし、粒子径が小さくなりすぎると、粘度が著しく上昇し塗工適性の悪化を招いてしまう。また小粒子径化による接着強度や耐水性の効果について見た場合、小粒子径化は接着点の増加と共に、下塗り層中の顔料表面に隈なくラテックスを配置させることを可能として融着が理想的に行われるために、強度や耐水性をより増すことが可能となる。しかし、粒子径が小さくなりすぎると、顔料の表面以外に内部までラテックスが入り込み易くなり、強度や耐水性は逆に低下する。以上のことを考慮して本発明のラテックスの粒子径を決定すると、50〜250nmの範囲となり、これは本発明の特定要件を満たすのに有効であり、更に好ましくは75〜200nmである。
一方、本発明におけるラテックスのカルボキシル化は、上記の粒子径の特定と相俟って、下塗り層の耐水性や強度を向上させるのに非常に有効である。カルボキシル化とは、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸の共重合を指し、これはラテックス粒子の安定性やラテックス粒子と顔料粒子間の親和性に寄与し、成膜の際にラテックス粒子が最密充填状態で融着すると同時に、顔料との接着性も高まり、耐水性や強度が非常に優れたものとなる。またカルボキシル基は、ラテックス粒子表層を中心に配置されるといわれており、少量のカルボキシル化でも効果が大きい。
本発明の場合、カルボキシル化度として、1〜5%であることが好ましい。カルボキシル化度としては、重合成分中に含まれる不飽和カルボン酸の重量比であり、カルボキシル化度が1〜5%の範囲であれば、良好な耐水性や皮膜強度が得られ、また、下塗り層用塗液の増粘も起こらず、良好な塗工適性が得られる。
下塗り層中に使用される顔料の例としては、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、
二酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、焼成クレー、水酸化アルミニウム、無定形シリカ、結晶性シリカ等の無機顔料が挙げられるが、記録感度と記録走行性を高めるために、吸油量が80ml/100g(JIS K 5101法に基づく)以上の吸油性顔料が好ましい。なかでも、焼成カオリン、焼成クレー及び無定形シリカは断熱性と圧縮弾性に優れているため、無機顔料のなかでは最も好ましく使用される。なお、これら吸油性顔料は2種以上の併用も勿論可能である。また、プラスチックピグメント、中空粒子、発泡体のような有機顔料も適宜使用することができ、単独または複数の組合わせで用いられる。
下塗り層中に使用される顔料と特定の接着剤の使用比率は、下塗り層の顔料全固形分に対して、特定の接着剤が5〜50質量%含有されることが好ましく、10〜40質量%程度の範囲がより好ましい。5〜50質量%の範囲であれば、折れ割れ耐性、ピッキング耐性、記録濃度および記録特性(印字障害を起こさず、感熱ヘッドへのカス付着が起こらない)に優れた感熱記録体が得られる。
下塗り層は水を媒体とし、特定の接着剤、顔料、及び必要により添加される助剤とを混合攪拌して得られる下塗り層用塗液を支持体上に塗布乾燥することにより形成される。
下塗り層用塗液中には、他の水性接着剤を使用してもよい。他の接着剤としては、例えば、未変性澱粉や酸化澱粉、酵素変性澱粉、酸変性澱粉、カチオン澱粉、アセチル化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、グラフト化澱粉、アルファー化澱粉等の変性澱粉、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全または部分鹸化の未変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール及びジアセトン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコンゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等の特定の接着剤以外のラテックス等の併用が可能である。
なかでも、水性接着剤として、特定の接着剤と澱粉とを併用した場合、記録濃度、記録画質および印刷時のピッキング耐性が良好であり、また塗工中にカスレが生じたり、所定の塗工量がつきにくくなるといった現象も生じない利点がある。使用比率としては、特定の接着剤に対して澱粉が10〜80質量%程度、好ましくは15〜60質量%程度の範囲である。澱粉の比率が10〜80質量%の範囲であれば、記録濃度、記録画質および印刷時のピッキング耐性が良好であり、また塗工中にカスレが生じたり、所定の塗工量がつきにくくなるといった現象も生じない。
なお、特定の接着剤と併用して好ましく使用される澱粉としては、酸化澱粉、グラフト化澱粉があげられる。
支持体上に下塗り層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、ロッド法、グラビア法、ロールコーター法、カーテンコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。塗布量としては、乾燥重量が1〜20g/m、好ましくは3〜12g/mの範囲で調整され、一度塗り、もしくは二度塗り以上で下塗り層を形成してもよい。
支持体としては、例えば上質紙、アート紙、合成紙、PETフィルム、中質紙、コート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フィルム等のほか、各種透明支持体等も適宜選択して使用することができる。
本発明の感熱記録体は、上記の如き特定の下塗り層上に感熱記録層を形成することにより製造されるが、本発明において感熱記録層に含有されるロイコ染料と呈色剤としては各種のものが使用できる。例えば、黒色発色を与えるロイコ染料としては、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アリニノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン等の少なくとも1種を用いることができる。また、必要に応じて、ロイコ染料としては、黒とは異なる色調に発色する、例えば赤、赤紫、オレンジ、青、緑等の発色色調を与えるロイコ染料を使用してもよい。
本発明において、前記ロイコ染料を固体微粒子状態として使用する場合、該ロイコ染料を、水を分散媒体として、サンドグラインダー、アトライター、ボールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によって粉砕し、これをポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物のほか、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等と共に分散媒体中に分散させて分散液とし、この分散液を感熱記録層用塗液の調製に用いることができる。
またロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
本発明においては、ロイコ染料の使用方法として、上記固体微粒子状態で使用する以外に、有機高分子とロイコ染料とからなる複合粒子としても使用することができる。複合粒子の作製については、公知の方法により可能である。例えば、前記有機高分子がポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種である複合粒子の作製方法について記載する。上記複合粒子は、ロイコ染料、並びに重合によりポリウレア及びポリウレア−ポリウレタンの少なくとも1種を形成する高分子形成性原料を、100℃以下の沸点を有する水不溶性有機溶剤に溶解混合し、この有機溶剤溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加熱して前記有機溶剤を揮発除去し、その後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製されたもの、あるいは前記ロイコ染料を高分子形成性原料に溶解し、この溶解液を前述の方法で平均粒子径が0.5〜3μm程度に乳化分散後、前記高分子形成性原料を高分子化することにより調製される。
本発明において、感熱記録層に使用される呈色剤としては、公知の化合物を使用することができる。かかる呈色剤の具体例としては、例えば、4−tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、及びビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル等のフェノール性化合物、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール性化合物、または安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの多価金属との塩等の有機酸性物質、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)-N’-(p−ブトキシカルボイル)ウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア等のウレア化合物が挙げられる。
本発明において、感熱記録層中のロイコ染料と呈色剤の使用比率は用いるロイコ染料と呈色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、一般には、感熱記録層全固形分に対して、呈色剤を10〜70質量%程度、特に12〜50質量%程度、塩基性染料を、3〜50質量%程度、特に5〜40質量%程度とするのが好ましい。
また、塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、蛍光染料、着色染料等が適宜添加される。
また、塗液中には各種顔料を併用することも可能であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
更に、目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。増感剤を使用する場合、その使用量は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して0.5〜40質量%程度、特に1〜25質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
また、所望の効果を損なわない限り、目的に応じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−(2,2−プロピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(5−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−クロロ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して1〜30質量%程度、特に2〜20質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
感熱記録層中に添加される接着剤の具体例としては、例えば、酸化澱粉、酸変性澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉及び酢酸ビニル変性グラフト化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、完全または部分鹸化ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アクリル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子;ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレート、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共重合体等のラテックス等の併用が可能である。接着剤の使用量としては、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度、特に8〜40質量%程度の範囲で配合される。
上記各種成分を含む感熱記録層用塗液は、一般に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの攪拌・粉砕機により染料、呈色剤、増感剤等を一緒に又は別々に分散するなどして得られた材料を配合して調製される。
本発明においては、感熱記録層の白色度向上、及び画像の均一性向上のために、白色度が高く、平均粒径が10μm以下の微粒子顔料を感熱記録層に含有させることもできる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。顔料の配合量は、発色濃度を低下させない程の量、即ち感熱記録層の全固形量に対して50質量%以下であることが好ましい。
本発明において、感熱記録層を構成する他の成分材料として、必要により、架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、及び蛍光染料等を用いることができる。
また、感熱記録層の耐水性を向上させるために、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱記録層中に含有させることができる。例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、カルボン酸ジヒドラジド系化合物並びに過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、及び塩化マグネシウム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物またはホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を感熱記録層の全固形量に対して1〜10質量%の範囲で用いることが好ましい。
感熱記録層に添加されるワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、及びその誘導体等を挙げることができる。
感熱記録層に添加される金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。また、白紙部の色調調節のために有色染料、及び/または有色顔料を感熱記録層中に含有させることもできる。必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、感熱記録層中に、更に撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等、各種添加剤を添加することができる。
本発明においては、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙を使用することもでき、或は磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録体とすることもできる。もちろん両面感熱記録体とすることもできる。
本発明においては、感熱記録層の上に保護層を設けることもでき、従来から公知の感熱記録体に使用されている保護層を利用できる。保護層は、顔料及び接着剤を主体とし構成される。特に保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、紫外線吸収剤を含むこともでき、またこれを2層以上に構成することもできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。保護層の塗工量としては、乾燥後の重量として0.5〜15g/m程度、好ましくは1.0〜8.0g/m程度の範囲で調節される。
本発明においては、より製品の付加価値を高めるため、多色感熱記録体とすることもできる。一般に多色感熱記録体は、加熱温度の差、または熱エネルギーの差を利用する試みであり、一般に、支持体上に異なる色調に発色する高温発色層と低温発色層を順次積層して構成されたものであってこれらを大別すると消色型と加色型の2種類、マイクロカプセルを用いた方法及び有機高分子とロイコ染料からなる複合粒子を使用して多色感熱記録体を製造する方法がある。
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、カーテンコーター法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また印刷機等を使用して本発明の感熱記録層用塗液を部分印刷して使用することもできる。感熱記録層用塗液は、支持体の一方の面に乾燥後の重量が1〜10g/mとなるように塗布され、それによって感熱記録層が形成される。また感熱記録体裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制させることや、またはカールコントロールのためにバック層を設けることもできる。また感熱記録層をスーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その発色感度を高める事に効果がある。感熱記録層表面を、カレンダーの金属ロール及び弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
吸油量110ml/100gの焼成カオリン70部、接着剤として固形分濃度50%のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:14%、Tg:−21℃、ゲル含有量:92%)40部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)の20%水溶液25部及び水100部を均一に混合攪拌して下塗層用塗液を得た。
(ロイコ染料分散液A液調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕した。
(呈色剤分散液B液調製)
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕した。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液55部、B液165部、微粒子状無水シリカ25部、軽質炭酸カルシウム5部、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液120部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液10部、及び水55部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
(保護層用塗液の調製)
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)10%液100部、カオリン200部、ステアリン酸亜鉛30%分散体(商品名:ハイドリンZ−7、中京油脂社製)10部及び水100部を均一に混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
坪量78g/mの上質紙の片面に、下塗層用塗液、感熱記録層用塗液、保護層用塗液をそれぞれ乾燥後の塗布量が7g/m、4g/m、2g/mとなるようにブレードコーターにて塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、酸化澱粉(商品名:王子エースA、前出)の代わりに、グラフト化澱粉(商品名:ペトロコートC−8、日澱化学社製)の20%水溶液25部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:25%、Tg:−25℃、ゲル含有量:88%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:15%、Tg:+1℃、ゲル含有量:85%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:16%、Tg:−15℃、ゲル含有量:60%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、酸化澱粉を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、酸化澱粉(商品名:王子エースA、前出)の20%水溶液の配合量を100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、固形分濃度50%のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:14%、Tg:−21℃、ゲル含有量:92%)の配合量を20部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、固形分濃度50%のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:14%、Tg:−21℃、ゲル含有量:92%)の配合量を60部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:4%、Tg:−2℃、ゲル含有量:81%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:40%、Tg:−11℃、ゲル含有量:85%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:20%、Tg:+21℃、ゲル含有量:82%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
(発色性)
感熱記録用シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotにてベタ部を記録し、記録部の記録濃度をマクベス濃度計(商品名:RD914、ビジュアルモード使用)で測定した。
(耐熱性)
各感熱記録体を白紙状態で70℃、24時間処理した後、白紙部をマクベス濃度計(商品名:RD914、ビジュアルモード使用)で測定した。
(折れ割れ耐性)
上記で記録した記録部を感熱記録面が内側になるように二つに折り曲げ、折り目を指で5回擦り、折れ割れの発生状態を記録部のところで目視観察し、下記の基準に従って折れ割れ耐性の評価を行った。
◎:折れ割れの発生が全く認められない。
○:折れ割れにより記録部がわずかに白く抜けているが、紙粉発生はなく実用上問題ない。
△:折れ割れにより記録部が白く抜けており、紙粉も発生している。
×:折れ割れにより記録部が著しく白く抜け、多量の紙粉の発生も認められる。
(ピッキング耐性)
紙試験用インキ(商品名:SD50紅B、タック13、TOKA社製)のインキを数回重ね刷りし、印刷面のピッキング状態を肉眼で判定し、下記の評価基準で評価した。
◎:ピッキング耐性が極めて優れている。
○:ピッキング耐性が優れている。
△:ピッキング耐性が少し劣り、実用上問題がある。
×:ピッキング耐性が劣る。
Figure 0004715565

Claims (4)

  1. 支持体上に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層、およびロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を順次積層した感熱記録体において、下塗り層の接着剤として、アクリロニトリルを単量体成分として13〜30質量%含有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体を含有し、かつ、そのガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体のゲル含有量が50〜100質量%である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体が、下塗り層の顔料全固形分に対して5〜50質量%含有される、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 下塗り層中の接着剤として更に澱粉が含有され、澱粉の含有量が前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体の含有量に対して10〜80質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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