JP2007237582A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層、およびロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を順次積層した感熱記録体において、下塗り層の接着剤として、アクリロニトリルを単量体成分として10〜30質量%含有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体を含有し、かつ、そのガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体において、アクリロニトリルを単量体成分として13〜30質量%含有することが好ましい。
前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体のゲル含有量が50〜100質量%であることが好ましい。
前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体が、下塗り層の顔料全固形分に対して5〜50質量%含有されることが好ましい。
下塗り層中の接着剤として更に澱粉が含有され、澱粉の含有量が前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体の含有量に対して10〜80質量%であることが好ましい。
ゲル含有量(%)=(乾燥試料重量B)/(初期試料重量A)
二酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、焼成クレー、水酸化アルミニウム、無定形シリカ、結晶性シリカ等の無機顔料が挙げられるが、記録感度と記録走行性を高めるために、吸油量が80ml/100g(JIS K 5101法に基づく)以上の吸油性顔料が好ましい。なかでも、焼成カオリン、焼成クレー及び無定形シリカは断熱性と圧縮弾性に優れているため、無機顔料のなかでは最も好ましく使用される。なお、これら吸油性顔料は2種以上の併用も勿論可能である。また、プラスチックピグメント、中空粒子、発泡体のような有機顔料も適宜使用することができ、単独または複数の組合わせで用いられる。
またロイコ染料を溶剤に溶解した後、この溶液を水中で上記水溶性高分子を安定化剤として乳化分散後、この乳化液から溶剤を蒸発させロイコ染料を固体微粒子化して使用することもできる。いずれの場合も固体微粒子状態で使用するロイコ染料の分散粒子の平均粒子径は、適切な発色感度を得るために0.2〜3.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μmである。
(下塗り層用塗液の調製)
吸油量110ml/100gの焼成カオリン70部、接着剤として固形分濃度50%のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:14%、Tg:−21℃、ゲル含有量:92%)40部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)の20%水溶液25部及び水100部を均一に混合攪拌して下塗層用塗液を得た。
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕した。
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン15部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの15%水溶液10部、及び水30部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.5μmになるまで粉砕した。
A液55部、B液165部、微粒子状無水シリカ25部、軽質炭酸カルシウム5部、ジアセトン変性ポリビニルアルコール(商品名:DF−17、鹸化度98.5mol%、日本酢ビポバール社製)の10%水溶液120部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液10部、及び水55部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)10%液100部、カオリン200部、ステアリン酸亜鉛30%分散体(商品名:ハイドリンZ−7、中京油脂社製)10部及び水100部を均一に混合攪拌して保護層用塗液を得た。
坪量78g/m2の上質紙の片面に、下塗層用塗液、感熱記録層用塗液、保護層用塗液をそれぞれ乾燥後の塗布量が7g/m2、4g/m2、2g/m2となるようにブレードコーターにて塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、酸化澱粉(商品名:王子エースA、前出)の代わりに、グラフト化澱粉(商品名:ペトロコートC−8、日澱化学社製)の20%水溶液25部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:25%、Tg:−25℃、ゲル含有量:88%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:15%、Tg:+1℃、ゲル含有量:85%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:16%、Tg:−15℃、ゲル含有量:60%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、酸化澱粉を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、酸化澱粉(商品名:王子エースA、前出)の20%水溶液の配合量を100部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、固形分濃度50%のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:14%、Tg:−21℃、ゲル含有量:92%)の配合量を20部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1における下塗り層用塗液の調製において、固形分濃度50%のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:14%、Tg:−21℃、ゲル含有量:92%)の配合量を60部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:4%、Tg:−2℃、ゲル含有量:81%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:40%、Tg:−11℃、ゲル含有量:85%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
下塗り層用塗液の調製において、実施例1のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックスの代わりに50%濃度のスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合ラテックス(アクリロニトリル含有量:20%、Tg:+21℃、ゲル含有量:82%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
感熱記録用シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotにてベタ部を記録し、記録部の記録濃度をマクベス濃度計(商品名:RD914、ビジュアルモード使用)で測定した。
各感熱記録体を白紙状態で70℃、24時間処理した後、白紙部をマクベス濃度計(商品名:RD914、ビジュアルモード使用)で測定した。
上記で記録した記録部を感熱記録面が内側になるように二つに折り曲げ、折り目を指で5回擦り、折れ割れの発生状態を記録部のところで目視観察し、下記の基準に従って折れ割れ耐性の評価を行った。
◎:折れ割れの発生が全く認められない。
○:折れ割れにより記録部がわずかに白く抜けているが、紙粉発生はなく実用上問題ない。
△:折れ割れにより記録部が白く抜けており、紙粉も発生している。
×:折れ割れにより記録部が著しく白く抜け、多量の紙粉の発生も認められる。
紙試験用インキ(商品名:SD50紅B、タック13、TOKA社製)のインキを数回重ね刷りし、印刷面のピッキング状態を肉眼で判定し、下記の評価基準で評価した。
◎:ピッキング耐性が極めて優れている。
○:ピッキング耐性が優れている。
△:ピッキング耐性が少し劣り、実用上問題がある。
×:ピッキング耐性が劣る。
Claims (5)
- 支持体上に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層、およびロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を順次積層した感熱記録体において、下塗り層の接着剤として、アクリロニトリルを単量体成分として10〜30質量%含有するスチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体を含有し、かつ、そのガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする感熱記録体。
- 前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体において、アクリロニトリルを単量体成分として13〜30質量%含有する、請求項1記載の感熱記録体。
- 前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体のゲル含有量が50〜100質量%である、請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体が、下塗り層の顔料全固形分に対して5〜50質量%含有される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 下塗り層中の接着剤として更に澱粉が含有され、澱粉の含有量が前記スチレン/ブタジエン/アクリロニトリル系共重合体の含有量に対して10〜80質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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