JP6070477B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と顕色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
無色乃至淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる呈色剤とを、熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
その利用分野として、例えばPOS(Point of Sales)システム用のレジ用紙及びチケット用紙等が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加してきている。更に同用途では、領収書としても使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等種々の薬品に対する保存性や、捺印性が良好なことも必要となる。
支持体上にロイコ染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色は高温、高湿雰囲気下で加速され、更に油、可塑剤等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまで消色してしまう。また食品用ラベルや病院での試験管等に添付されるラベルは、高濃度のアルコール溶液が付着することがあり、地肌部が発色し、印字部が消色するため、ひどい場合には読取り不可能となる。これらに対して、記録部の保存性を向上させるため、感熱記録層中にエポキシ化合物を添加する方法(特許文献1参照)等が提案されているが、油や可塑剤に対して十分な効果が得られていない。また、近年、高保存性の呈色剤の開発が進み、感熱記録層中にウレアウレタン化合物を添加する方法(特許文献2参照)等が提案され、上記問題も解決されつつあるが、記録感度が低いという問題点がある。また非印字部分の安定性(耐熱性)を上げるためには、高融点の呈色剤を用いることが効果的であるが、これも記録感度が低下してしまうという問題点があり、近年の高速プリンターやバッテリー駆動のハンディーターミナルプリンターでの対応が困難である。
かかる問題に対して、呈色剤としてN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアと4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを併用する方法が提案されている(特許文献3、4参照)。しかしながら、特許文献3では経時で白紙部が変色(地肌カブリ)してしまう問題がある。また、特許文献4では地肌カブリを抑えるため、カブリ防止剤として有機含窒素化合物を含有させることを提案しているが、有機含窒素化合物は消色性が強いため、保存性が劣化する問題がある。更に、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを用いた感熱記録体の耐湿地肌カブリ性を改良するために、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンと珪酸塩等の着色抑制剤を共分散した分散液を加熱処理して使用する方法(特許文献5)も提案されている。
特開平4−286685号公報 特開2002−144746号公報 特開2002−160462号公報 特開2003−72246号公報 WO2005/042263A1(実施例84)
本発明は、記録部の耐可塑剤性と耐アルコール性に優れ、しかも高温高湿保存下でも地肌カブリが少ない感熱記録体を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の感熱記録体に係る。
項1:支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種、並びに4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有し、更に保存性改良剤としてトリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートを含有することを特徴とする感熱記録体。
項2:前記感熱記録層がロイコ染料1質量部に対して、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種を0.5〜5質量部、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを0.1〜3質量部、並びにトリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートを0.1〜2質量部含有している、項1に記載の感熱記録体。
項3:前記4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが塩基性無機顔料の存在下で分散液を加熱処理して得られた呈色剤である、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記塩基性無機顔料がマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項5:前記ロイコ染料が3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランから選ばれる少なくとも1種である、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録部の耐可塑剤性と耐アルコール性に優れ、しかも高温高湿保存下でも地肌カブリが少ない。
本発明における支持体としては、特に限定されないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明における感熱記録層は、ロイコ染料を含有している。ロイコ染料としては、無色乃至淡色の各種公知のものが使用でき、具体的には、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。なかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは発色感度、印字保存性に優れているため、好ましく用いられる。
前記ロイコ染料の含有割合は、感熱記録層の全固形量中、5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%である。5質量%以上とすることにより発色能力を向上して、印字濃度を高めることができる。25質量%以下とすることにより、印字濃度と耐熱性のバランスに優れる。
本発明における感熱記録層は、呈色剤を含有しており、呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種、並びに4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有している。
本発明におけるN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種は、記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性、アルコールによる地肌カブリに優れる性質を有するが、記録部の耐アルコール性や高温高湿下での記録濃度低下などの問題がある。しかしながら、本発明においては、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン及びトリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートと併用することにより、地肌カブリが問題とならず、優れた記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性、及び耐アルコール性、高温高湿下での印字保存性をも確保することができる。
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種は、感熱記録層中に、ロイコ染料1質量部に対して、0.5〜5質量部含有させることが好ましく、より好ましくは0.8〜5質量部、更に好ましくは2.5〜5質量部含有される。
本発明における4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、特に油、可塑剤、アルコール等に対する記録保存性に優れた効果を発揮する。また、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが塩基性無機顔料の存在下で分散液を加熱処理して得られた呈色剤であることが好ましい。このようにして得られた呈色剤によれば、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で加熱処理された分散液として感熱記録層用塗液に配合することによって、感熱記録層用塗液の塗工及び乾燥後、感熱記録体としての余計な発色(地肌カブリ)が生じるのを抑制できる。処理時間は、加熱温度により適宜調整されるが、一般に2〜24時間加熱処理することが好ましい。加熱処理される前の分散液は、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを所定の粒子径に分散してから塩基性無機顔料を混合して得ることもできるし、各々を混ぜ合わせてから所定の粒子径に分散して得ることもできる。
塩基性無機顔料としては、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクからなる群れから選ばれる少なくとも1種が用いられるが、なかでも珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、タルクが塗料の安定性や塗工適性の面からも好ましく使用される。
塩基性無機顔料の使用量は、特に限定されないが、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100質量部に対して、0.5〜20質量部程度、好ましくは1〜10質量部程度である。
また、感熱記録層における4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、ロイコ染料1質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.25〜3.0質量部であり、更に好ましくは1.0〜3.0質量部である。4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンの含有量をロイコ染料1質量部に対して、0.1質量部以上とすることにより、記録部における耐油性、耐可塑剤性、耐アルコール性の十分な効果が得られ、3.0質量部以下とすることにより、アルコールによる地肌カブリを抑えることができる。
本発明における感熱記録層は、本発明の効果を損なわない限り、各種公知の呈色剤を併用してもよい。呈色剤としては、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’‐ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−トリル)尿素等の分子内に−SO2NH−結合を有する有機化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質等が挙げられる。
本発明における感熱記録層は、保存性改良剤としては、トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートを含有している。
本発明では、特定の呈色剤と保存性改良剤を併用することにより、地肌カブリが問題とならず、記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性、及び耐アルコール性に優れ、高温高湿条件での記録部の保存性をも確保することができる。
感熱記録層におけるトリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートの含有量は、ロイコ染料1質量部に対して、0.1〜2.0質量部であることが好ましく、0.1〜1.5質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.5〜1.5質量部である。トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートの含有量をロイコ染料1質量部に対して、0.1質量部以上とすることにより、高温高湿条件下での記録部の保存性に十分な効果が得られ、1.5質量部以下とすることにより、高温高湿条件下での地肌カブリを抑えることができる。
本発明における感熱記録層は、本発明の効果を損なわない限り、各種公知の保存性改良剤を併用してもよい。保存性改良剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
感熱記録層は、感熱記録層用塗液を用いて、支持体上に塗布及び乾燥させることにより形成することができる。ロイコ染料、特定の呈色剤及び保存性改良剤、必要により増感剤等は、共に、あるいは別々に、例えば水を分散媒体としボールミル、アトライター、サンドミル等の撹拌・粉砕機により平均粒子径が2μm以下となるように微分散される。感熱記録層用塗液は、得られた分散液を必要により顔料、バインダー、助剤等と混合・撹拌することにより調製される。感熱記録層の塗布量は、乾燥重量で2〜12g/m程度が好ましく、3〜10g/m程度がより好ましい。
感熱記録層中に含有させるバインダーとしては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。バインダーの含有割合は、特に限定されないが、感熱記録層の全固形量中、好ましくは5〜50質量%程度、より好ましくは10〜40質量%程度の範囲である。
増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が挙げられる。
増感剤の含有割合は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中2〜40質量%程度、特に5〜25質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
各種助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、着色染料、及び顔料等が挙げられる。顔料としては、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料や、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
本発明では、必要であれば、支持体と感熱記録層との間に、記録感度をより高めるために、下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、及び/または有機中空粒子、及び/または熱膨張性粒子、並びにバインダーを主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。ここで、前記吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。
前記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中2〜95質量%程度、特に5〜90質量%程度であることが好ましい。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であることが好ましい。前記有機中空粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形量中2〜90質量%程度、特に5〜70質量%程度であることが好ましい。
なお、前記吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは前記使用量の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量が、下塗り層の全固形量中5〜90質量%程度、特に10〜80質量%程度であることが好ましい。
下塗り層中のバインダーとしては、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。特に澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。下塗り層中のバインダーの含有割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量中5〜30質量%程度、特に10〜20質量%程度の量で使用することが好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、有機中空粒子、吸油性顔料、バインダー、助剤等を混合・攪拌することにより調製された下塗り層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。下塗り層の塗布量は、特に限定するものではないが、乾燥重量で3〜20g/m程度が好ましく、5〜12g/m程度がより好ましい。
本発明の感熱記録体は、感熱記録層上に保護層を設けることができる。これにより、可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性、あるいは記録適性を改良することができる。
保護層は、例えば水を分散媒体として、バインダー、耐水化剤、顔料、助剤等を混合・撹拌することにより調製された保護層用塗液を、塗布量が乾燥重量で好ましくは0.5〜15g/m程度、より好ましくは1.0〜8g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
保護層中のバインダーとしては特に限定されず、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。顔料としてはカオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカ等が挙げられる。
保護層は、顔料を使用することなく、前記バインダー及び必要に応じて後述の各種助剤の1種以上を使用して形成することもできる。また、保護層は、前記バインダーと前記顔料とを併用して形成することもできる。この場合、前記バインダーの含有割合は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量中1〜95質量%程度、特に2〜80質量%程度とすることが好ましい。一方、顔料の含有割合も、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量中1〜95質量%程度、特に2〜90質量%程度とすることが好ましい。
保護層用塗液に使用する助剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等が挙げられる。また耐水性を一層向上させるためには、グリオキザ−ル、硼酸、ジアルデヒド澱粉、ヒドラジド系化合物、エポキシ系化合物等の耐水化剤が挙げられる。
特に、保護層中に、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを、保護層の全固形量中、紫外線吸収剤が10〜40質量%程度、特に15〜38質量%程度となるように添加すると光暴露に対して地肌部の黄変や記録像の退色が著しく改良される。
下塗り層、感熱記録層及び保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、必要により下塗り層用塗液を支持体上に塗布及び乾燥させて下塗り層を形成した後、感熱記録層用塗液、更に必要により保護層用塗液を前記下塗り層上に塗布及び乾燥させて感熱記録層及び保護層を形成することができる。
なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側にも保護層を設け、一層保存性を高めたり、強光沢を持たせることも可能である。各層を形成した後の任意の過程でスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、或いは感熱記録体の裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層やインクジェット記録層を設ける等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
有機中空粒子分散液(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:82%、平均粒子径:1.0μm、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5質量%)80部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)140部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)20部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・A液(ロイコ染料分散液)調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水80部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるまで粉砕してA液を得た。
・B液(呈色剤分散液)調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してB液を得た。
・C液(呈色剤分散液)調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物をサンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してC液を得た。
・D液(保存性改良剤分散液)調製
トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.5μmとなるまで粉砕してD液を得た。
・E液(増感剤分散液)調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるまで粉砕してE液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液25部、B液65部、C液25部、D液15部、E液40部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工社製)11部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの12%水溶液125部、及び水20部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・F液(カオリン分散液)調製
カオリン〔商品名:UW−90(登録商標)、BASF社製〕50部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−527、水澤化学工業社製)4部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)0.4部、及び水81部からなる組成物を混合攪拌して、F液を得た。
・保護層用塗液の調製
F液135部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、重合度1000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液250部、ステアリン酸亜鉛水分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)20部、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、DIC社製、固形分濃度20%〕45部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の10%水溶液0.5部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
64g/mの上質紙(酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が8g/mとなるように塗布及び乾燥させて下塗り層を形成し、下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の塗布量が4.5g/mとなるように塗布及び乾燥させ、更に感熱記録層上に乾燥後の塗布量が2.0g/mとなるように保護層用塗液を塗布及び乾燥させた後、スーパーキャレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアに代えて、1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を65部に代えて120部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を65部に代えて20部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を25部に代えて70部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を25部に代えて6部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・G液(呈色剤分散液)調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100部、珪酸マグネシウム5部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物をサンドミルによりレーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理した。更に、該分散液を70℃で4時間加熱処理を行い、G液を得た。
実施例7
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液に代えて上記のG液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液の量を15部に代えて35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液の量を15部に代えて6部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例10
実施例1のA液調製において、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランに代えて、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例11
実施例1のA液調製において、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランに代えて、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアに代えて、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1のC液調製において、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンに代えて、2,2’−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル(商品名:D−90、日本曹達社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例6
実施例1のD液調製において、トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートに代えて、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン(商品名:DH−43、ADEKA社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果は、表1に示す通りであった。
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.27mJ/dotにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが好ましい。一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(2)耐熱性
記録前の各感熱記録体を80℃、20%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(3)耐アルコール性A
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体に70%エタノール液を表面塗布し、室温で自然乾燥させた処理の後に、記録部と地肌部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。70%エタノール液処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上、地肌部濃度0.2未満であることが好ましい。
保存率(%)=[処理後の記録濃度÷処理前の記録濃度]×100
(4)耐アルコール性B
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を30%エタノール液に3時間浸漬し、乾燥させた処理の後に、記録部と地肌部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。30%エタノール液処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上、地肌部濃度0.2未満であることが好ましい。
保存率(%)=[処理後の記録濃度÷処理前の記録濃度]×100
(5)耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃で24時間放置した処理の後、記録部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、耐アルコール性の評価と同様に、記録部の保存率を上記式に基づいて算出した。処理後は、記録濃度1.0以上、保存率60%以上であることが好ましい。
(6)耐熱湿性
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を高温高湿下である40℃、90%RH雰囲気下で1週間放置した処理の後、記録部と地肌部の光学濃度を反射濃度計(商品名:マクベス濃度計RD−918、グレタグマクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。処理後の記録濃度は1.0以上で、保存率60%以上、地肌部濃度0.2未満であることが好ましい。
保存率(%)=[処理後の記録濃度÷処理前の記録濃度]×100
Figure 0006070477
本発明により得られた感熱記録体は、記録部の耐可塑剤性が改善され、しかも高温高湿保存下でも地肌カブリが問題とならない、耐アルコール性に優れた感熱記録体が得られるため、領収書、食品用や試験管用のラベルなどに適するものである。

Claims (2)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種、並びに4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有し、更に保存性改良剤としてトリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートを含有し、前記感熱記録層がロイコ染料1質量部に対して、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び1−(4−ブトキシカルボニルフェニル)−3−トシルウレアから選ばれる少なくとも1種を0.8〜5質量部、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを0.25〜3.0質量部、並びにトリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートを0.1〜1.5質量部含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記ロイコ染料が3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の感熱記録体。
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