JP5454113B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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更に、記録部については、種々の環境における長期間の保存性が求められることから、特に耐油性、耐可塑剤性に優れることが求められる。
(1)Cu―Kα線によるX線回折法における回折角(2θ)において、16.4°に鋭く強い1本のピーク、13°〜16°及び17°〜20.8°に鋭く中間強度の各3本のピーク並びに22°〜23°に少なくとも3本の中間強度のピークを有するX線回折図により特徴づけられる結晶形を有する。
更に、前記支持体と感熱記録層との間に、下塗り層を備えていることが好ましい。
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
感熱記録層中には、ロイコ染料と、呈色剤として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種が含有されており、更にCu―Kα線によるX線回折法における回折角(2θ)において、16.4°に鋭く強い1本のピーク、13°〜16°及び17°〜20.8°に鋭く中間強度の各3本のピーク並びに22°〜23°に少なくとも3本の中間強度のピークを有するX線回折図により特徴づけられる結晶形を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンが含有されている。
以下、各順に説明する。
感熱記録層に使用される無色乃至は淡色のロイコ染料としては、各種公知のものが使用でき、具体的には、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルは、記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れているが、記録濃度、耐油性及び耐可塑剤性を満足できるレベルを確保できる量を添加すると、高温高湿保存により地肌かぶりが起こるという問題がある。しかしながら、本発明においては、Cu―Kα線によるX線回折法における回折角(2θ)において、16.4°に鋭く強い1本のピーク、13°〜16°及び17°〜20.8°に鋭く中間強度の各3本のピーク並びに22°〜23°に少なくとも3本の中間強度のピークを有するX線回折図により特徴づけられる結晶形を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンとの併用により、地肌かぶりが問題とならず、優れた記録濃度、記録部の耐油性及び耐可塑剤性を確保することができる。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンは、公知の呈色性化合物であり、例えば本州化学工業(株)製、商品名:BisP−APとして市場から容易に入手できる。後記するように、上記の市販品はα型結晶の結晶形であることが判明している。
β型結晶の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンは、上記したα型結晶の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを、重量比で1〜10倍、好ましくは1〜5倍量のエタノールに完溶させ(必要により加温してもよい)、次いでその溶液に重量比で1〜5倍量の水を撹拌下に滴下して結晶を析出させ、次いで析出した結晶を濾取することにより得られる。即ち、α型結晶の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンをエタノール−水系にて晶析することにより、その結晶形をβ型結晶へと変換することができる。
なお、本明細書において、「鋭く強い1本のピーク」とは、X線回折図において最も強い強度を示すピークを指す。更に、本明細書において、「中間強度」のピークとは、「鋭く強い1本のピーク」の強度に対して中間程度の強度を有するピークを指し、具体的には、「鋭く強い1本のピーク」の強度に対し、おおよそ30〜70%の強度を有するものである。
測定機器;X’pert−PRO−MPD(スペクトリス(株)製)
ターゲット;Cu
走査角度;5°〜40.0°
走査速度;0.2°/分
管電圧;45KV
管電流;40mA
入射側スリット;0.04°ソーラースリット、自動可変型ダイバージェンススリット、AS1°
受光側スリット;0.04°ソーラースリット
感熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、各種の樹脂が使用される。かかるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の少なくとも1種が、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度、特に10〜40質量%程度の範囲で配合される。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、前記呈色剤、ロイコ染料及びバインダーに加えて、更に、増感剤、保存性改良剤、その他の各種助剤を含有していてもよい。
本発明の感熱記録層中には増感剤を添加してもよく、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示され、支障のない範囲で併用できる。
増感剤を使用する場合、その使用量は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して2〜40質量%程度、特に5〜25質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
本発明の感熱記録層中には保存性改良剤を添加してもよく、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して1〜30質量%程度、特に5〜20質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
以上のような成分、即ち、ロイコ染料、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種、β型結晶形を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、増感剤、接着成分、更に必要に応じて添加させる添加物を、水媒体に分散させてなる塗工液(感熱記録層用塗液)を調製する。なお、一般には水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機によりロイコ染料、呈色剤、増感剤等を一緒にまたは別々に分散する等して得られた材料を配合して調製される。
本発明では、必要であれば、支持体と感熱記録層との間に、記録感度をより高めるために、下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、及び/または有機中空粒子、及び/または熱膨張性粒子、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。ここで、前記吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い求められる値である。
前記接着剤の使用割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層全固形分に対して5〜30質量%程度、特に10〜20質量%程度の量で使用するのが好ましい。
本発明の感熱記録体は、感熱記録層上に可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性、或いは記録適性を改良する目的で保護層を設けることも出来る。
また、保護層は、前記バインダーと前記顔料とを併用して形成することもできる。この場合、前記バインダーの使用量は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量に対して1〜95質量%程度、特に2〜80質量%程度とするのが好ましい。また、顔料の使用量も、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量に対して1〜95質量%程度、特に2〜90質量%程度とするのが好ましい。
下塗り層、感熱記録層及び保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により下塗り層用塗液を支持体上に塗布・乾燥した後、感熱記録層用塗液、更に保護層用塗液を前記下塗り層上に塗布・乾燥する等の方法で形成される。
・下塗り層用塗液の調製
球状樹脂粒子分散液(商品名:グロスデール130S、組成:スチレン、平均粒子径:0.8μm、三井化学社製、固形分濃度53質量%)90部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)120部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)10部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水80部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなる様に処理してA液を得た。
4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理してB液を得た。
β型結晶のX線回折図を示す1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)をサンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理してC液を得た。
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理してD液を得た。
A液25.0部、B液37.5部、C液12.5部、D液37.5部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−527、水澤化学工業社製)10部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和軽金属工業社製)20部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの12%水溶液125部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)13.9部、及び水18.6部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
64g/m2の上質紙(酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が8g/m2となるように塗布乾燥して下塗り層を形成し、感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が3.5g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーキャレンダーを施し、感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を2.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を20部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を87.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のB液調製において、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を20部に、C液の量を20部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を45部に、C液の量を2部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のC液調製において、β型結晶のX線回折図を示す1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンの代わりに、α型結晶のX線回折図を示す1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、B液の量を100部に変更し、C液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のB液調製において、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、2,2’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル(商品名:D−90、日本曹達社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1のC液調製において、β型結晶のX線回折図を示す1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンの代わりに、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(商品名:D−8、日本曹達製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液を使用せず、C液の量を12.5部から50部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが必要とされる一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌かぶりが問題となる。
記録前の各感熱記録体を60℃、30%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌かぶりが問題となる。
記録前の各感熱記録体を40℃、80%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌かぶりが問題となる。
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体の記録部にサラダ油を表面塗布し、24時間放置後に表面をガーゼで拭いた後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。サラダ油塗布処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を三重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを三重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。また、記録部の保存率を、耐油性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。
処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
また、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタンを単独で30質量%以上含有させることによって記録濃度を確保することができても、地肌部の耐熱性、耐湿熱性が問題となるレベルにまで低下した(比較例2)。
Claims (5)
- 支持体上に、ロイコ染料及び呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記呈色剤として、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種を含有し、前記4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種に対する前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンの含有比率が、0.05〜0.90であり、更に下記の特性(1)を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有することを特徴とする感熱記録体。
(1)Cu―Kα線によるX線回折法における回折角(2θ)において、16.4°に鋭く強い1本のピーク、13°〜16°及び17°〜20.8°に鋭く中間強度の各3本のピーク並びに22°〜23°に少なくとも3本の中間強度のピークを有するX線回折図により特徴づけられる結晶形を有する。 - 前記感熱記録層は、前記感熱記録層全固形分に対して、前記4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種を5〜20質量%、及び前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを1〜15質量%含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層は、前記感熱記録層全固形分に対して、前記4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種を7〜18質量%、及び前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを2〜9質量%含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層は、前記4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン及び4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテルから選ばれる少なくとも1種と前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンの合計含有量が、前記感熱記録層全固形分に対して、9〜27質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 前記支持体と感熱記録層との間に、下塗り層を更に備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009279047A JP5454113B2 (ja) | 2009-12-09 | 2009-12-09 | 感熱記録体 |
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