JPH0911620A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH0911620A
JPH0911620A JP7164097A JP16409795A JPH0911620A JP H0911620 A JPH0911620 A JP H0911620A JP 7164097 A JP7164097 A JP 7164097A JP 16409795 A JP16409795 A JP 16409795A JP H0911620 A JPH0911620 A JP H0911620A
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JP
Japan
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ester
methyl
oxalic acid
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basic dye
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JP7164097A
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Masanori Ohashi
正典 大橋
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】記録感度と記録像の経時的保存性に優れ、しか
も地肌カブリの少ない感熱記録体を提供することにあ
る。 【構成】支持体上に、無色ないしは淡色の塩基性染料、
呈色剤および増感剤を含有する記録層を設けた感熱記録
体において、塩基性染料が3−(N−エチル−p−トル
イジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランであ
り、且つ増感剤がシュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エ
ステルなどの下記一般式(1)で表されるシュウ酸エス
テルである感熱記録体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無色ないしは淡色の塩
基性染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に
関し、特に記録感度および記録像の経時的保存性に優れ
た感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無色ないしは淡色のロイコ染料と有機ま
たは無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発
色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体
はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価で
あり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も容
易な為、ファクシミリや各種計算機などの記録媒体とし
てのみならず巾広い分野において使用されている。近
年、このような感熱記録体を記録媒体に用いた高速記録
用プリンタが開発されいるが、高速記録に適した感熱記
録体は記録感度を高めるために記録層に種々の増感剤が
使用されている。しかし、用いる増感剤によっては記録
感度は高めるものの地肌カブリを新たに発生させる問題
がある。
【0003】また、地肌カブリの発生が少ない塩基性染
料として3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いた感熱記録体が特
開昭54−109454号公報に記載されているが、記
録感度および記録像の経時的保存性に問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、記録
感度と記録像の経時的保存性に優れ、しかも地肌カブリ
の少ない感熱記録体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者などは、支持体
上に、無色ないしは淡色の塩基性染料、呈色剤および増
感剤を含有する記録層を設けた感熱記録体において、塩
基性染料として3−(N−エチル−p−トルイジノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオランを用い、且つ増感
剤として下記一般式(1)で表されるシュウ酸エステル
を用いることにより、上記の課題が解決されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【化2】 〔一般式(1)において、R1 およびR2 は、置換基と
してハロゲン原子、C1〜C4 のアルキル基、C1 〜C
4 のアルキルオキシ基を有してもよいフェニール基また
はベンジル基、および置換基としてC1 〜C4 のアルキ
ル基を有してもよいシクロヘキシル基を示す。R1 およ
びR2 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
【0006】
【作用】本発明は、塩基性染料としては3−(N−エチ
ル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オランなる特定の塩基性染料を用いるものであるが、か
かる特定の塩基性染料は地肌カブリの発生は少ないもの
の、記録感度と記録像の経時的保存性に問題がある。と
ころが、かかる特定の塩基性染料は増感剤として上記一
般式(1)で表せられる特定のシュウ酸エステルを使用
することにより、記録感度と記録像の経時的保存性に優
れ、しかも地肌カブリの少ない感熱記録体が得られるこ
とが判明したものである。
【0007】特定の塩基性染料と呈色剤、および特定の
塩基性染料と特定のシュウ酸エステルとの使用比率につ
いては特に限定するものではないが、一般に特定の塩基
性染料100重量部に対して呈色剤を50〜500重量
部、好ましくは150〜400重量部、特定のしゅう酸
エステルを30〜500重量%、好ましくは50〜30
0重量%の範囲で調節するが望ましい。
【0008】一般式(1)で表される特定のシュウ酸エ
ステルの具体例としては、例えばシュウ酸ジベンジルエ
ステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル、
シュウ酸ジ(p−メチルシクロヘキシル)エステル、シ
ュウ酸ジ(p−メトキシフェニル)エステル、シュウ酸
ジ(o−エトキシフェニル)エステル、シュウ酸ジ(p
−クロロシフェニル)エステル、シュウ酸ジ(p−クロ
ロベンジル)エステル、シュウ酸ジ(o−クロロベンジ
ル)エステルなどが挙げられる。
【0009】また、特定のシュウ酸エステルとの固溶体
を使用すると記録感度が高まり、しかも地肌カブリの発
生が極めて少なくなる効果が得られる。かかる固溶体の
具体例としては、例えばシュウ酸ジ(p−メチルベンジ
ル)エステルとシュウ酸ジベンジルエステルとの固溶
体、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルとシュ
ウ酸ジ(o−クロロベンジル)エステルとの固溶体、シ
ュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルとグルタル酸
ジフェナシルエステルとの固溶体、シュウ酸ジベンジル
エステルとシュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル
とシュウ酸ジ(o−クロロベンジル)エステルとの固溶
体が挙げられる。なかでも、シュウ酸ジ(p−メチルベ
ンジル)エステルとシュウ酸ジ(o−クロロベンジル)
エステルとの固溶体、特にシュウ酸ジ(p−メチルベン
ジル)エステル1重量部に対してシュウ酸ジ(o−クロ
ロベンジル)エステル0.2〜5.0重量部、より好ま
しくは0.4〜2.0重量部の範囲の固溶体が、地肌カ
ブリの発生少なく好ましい。かかる固溶体は固溶体を形
成する各成分を共に、熱溶融したり、有機溶剤中に溶解
後、濃縮したり、或いは水を分散媒として微粉砕処理
後、分散媒を加熱処理するなどして形成される。
【0010】本発明の記録層には無色ないしは淡色の塩
基性染料として3−(N−エチル−p−トルイジノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオランを使用するもので
あるが、支障のない範囲で他の各種公知の無色ないしは
淡色の塩基性染料を併用でき、例えば3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベ
ンゾ〔a〕フルオラン、3−(N−エチル−N−p−ト
リル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3
−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル7
アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)
アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−
(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチ
ル)アミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル
−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチ
ル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−
N−n−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−p−エトキシアニリノフルオラン、3−ピ
ロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N
−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−
3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}
プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフル
オロメチルフェニル)アミノフルオラン、3,3−ビス
〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチル
アミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,
7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−
メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)
エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロ
フタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)ア
ニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−
(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−ク
ロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)
フタリドなどが挙げられる。勿論、これらに限定される
ものではなく、また必要に応じて二種以上を併用するこ
ともできる。なかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−
7−(o−クロロアニリノ)フルオランを併用すること
により、記録像の経時的保存性がより改善される。
【0011】上記の如き塩基性染料と組み合わせて使用
される呈色剤については、公知の各種の呈色剤が挙げら
れる。例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノー
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,
4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプ
ロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’
−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル
−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジ
ヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、
ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、
1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキ
サペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチ
ル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔α−
メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベ
ンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ス
ルフィド、2,2’−チオビス(3−tert−オクチルフ
ェノール)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチル
フェノール)などのフェノール性化合物、N,N’−ジ
−m−クロロフェニルチオウレアなどのチオ尿素化合
物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p
−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホ
ニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエス
テル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホア
ミド、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−
トリル)尿素などの分子内に−SO2 NH−結合を有す
るもの、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メ
トキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4
−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サ
リチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキ
シエトキシ)クミル〕サリチル酸などの芳香族カルボン
酸亜鉛などの芳香族カルボン酸の亜鉛、更にはチオシア
ン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸
と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩などの有機酸性
物質などが例示される。なかでも4−ヒドロキシ−4’
−イソプロポキシジフェニルスルホンは特に記録濃度の
経時的な低下が少なく特に好ましい。
【0012】増感剤としては、特定のシュウ酸エステル
を用いるものであるが、支障のない範囲で他の各種公知
の増感剤を併用することも可能である。例えば、ステア
リン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸
ベンズアミルド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベ
ヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−
メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジ
ル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ナフチ
ルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジル
ビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−
メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3
−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチル
フェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノ
キシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エ
タン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキ
シフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタ
ン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4
−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、
p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−ト
ルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p
−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロ
ピルフェニル−2−フェニルエタンなどが挙げられる。
【0013】本発明においては、記録層を構成する成分
として上記の如き特定の塩基性染料と呈色剤および特定
のシュウ酸エステルとを組み合わせることで、高温環境
下で取り扱われても充分な白色度を有する感熱記録体が
得られるものであるが、記録層中に、更に下記の如き保
存性改良剤を含有せしめると、記録保存性が一段と向上
した感熱記録体が得られるため好ましい。かかる保存性
改良剤としては、例えば次のものが挙げられる。
【0014】2,2’−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,
4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフ
ェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4”−ヒ
ドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシ
ルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパンなどのヒンダードフェノール化合物、1,4−ジ
グリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオ
キシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−
(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、
テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂などのエポキシ化合物、
N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミ
ン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属
塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニ
ル)メタンなど。なかでも、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニ
ル)ブタンと1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンは、塩基
性染料3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオランと一般式(1)で表される
シュウ酸エステルとの併用において、記録された感熱記
録体を水に浸しても記録濃度の低下が極めて少ない耐水
性効果を有するので、特に好ましい。かかる保存性改良
剤は記録層の全固形量に対して2〜20重量%の範囲で
調節するのが望ましい。
【0015】これらの物質を含む記録層用塗料は、一般
に水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サン
ドミルなどの攪拌・粉砕機により塩基性染料、呈色剤、
増感剤および保存性改良剤を一緒に、または別々に分散
するなどして調製される。
【0016】記録層用塗液中には通常バインダーとし
て、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、
カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変
性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコー
ル、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチ
レン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル
酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチ
レン・ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの少な
くとも一種が、記録層の全固形分に対して5〜30重量
%程度の範囲で配合される。
【0017】また、記録層用塗液中には必要に応じて各
種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウ
ム、脂肪酸金属塩などの分散剤、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナ
バロウ、パラフィンワックス、エステルワックスなどの
ワックス類、消泡剤、着色染料、顔料などが適宜添加さ
れる。
【0018】顔料の具体例としては、例えばカオリン、
クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、
酸化チタン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土な
どの無機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウ
ダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フ
ィラー、生デンプン粒子などの有機顔料などが挙げられ
る。
【0019】本発明の感熱記録体は、記録層上に可塑剤
や油などの薬品に対する記録像の保存性、或いは記録適
性を改良する目的で保護層を設けることも可能で、保護
層用塗液の調製方法については特に限定するものではな
く、一般に水を分散媒体とし、デンプン類、ヒドロキシ
エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポ
リビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコ
ール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、珪
素変性ポリビニルアルコールなどのバインダーとカオリ
ン、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカなどの顔料を混
合、攪拌して調製される。
【0020】更に、保護層用塗液中には、必要に応じて
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチ
レンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エ
ステルワックスなどの滑剤、ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウムなどの界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡
剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウムなどの水溶性多
価金属塩などの各種助剤を適宜添加することもできる。
また耐水性を一層向上させるためにグリオキザ−ル、ホ
ウ酸、ジアルデヒドデンプン、エポキシ系化合物などの
硬化剤を併用することもできる。
【0021】特に、保護層中に、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾールなどの)常温で液体の紫外線吸収剤を内包し
たマイクロカプセルを保護層の全固形量に対して紫外線
吸収剤が10〜40重量%となるように添加すると光暴
露に対して地肌部の黄変や記録像の退色が著しく改良さ
れる。
【0022】記録層および保護層の形成方法については
特に限定されず、例えばエアーナイフコーティング、バ
リバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーテ
ィング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェ
ルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティ
ングなどの適当な塗布方法により記録層用塗液を支持体
上に塗布・乾燥した後、更に保護層用塗液を記録層上に
塗布・乾燥するなどの方法で形成される。なお、支持体
としては、紙、プラスチックフィルム、合成紙、不織
布、金属蒸着物などのうちから適宜選択して使用され
る。また、記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12
g/m2 、好ましくは3〜10g/m2 程度、保護層用
塗液の塗布量は乾燥重量で0.5〜15g/m2 、好ま
しくは1.0〜8g/m2 程度の範囲で調節される。
【0023】なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側に
も保護層を設け、一層保存性を高めたり、強光沢を持た
せることも可能である。さらに、支持体に下塗層を設け
たり、各層塗抹後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑
化処理を施したり、あるいは記録体裏面に粘着剤処理を
施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗
被層さらには熱転写記録層を設けるなど、感熱記録体製
造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得
るものである。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の部および%は、特に断らない限りそれぞれ重
量部および重量%を示す。
【0025】実施例1 A液調製 シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステル〔大日本イ
ンキ化学工業(株)製、HS−3520〕20部、シュ
ウ酸ジ(p−クロロベンジル)エステル〔大日本インキ
化学工業(株)製、HS−3519〕20部、ポリビニ
ルアルコール〔日本合成化学(株)製、ゴ−セランL−
3266〕の10%水溶液40部、および水20部から
なる組成物を縦型サンドミル〔アイメックス(株)製〕
にて、粒径0.7μmになるまで分散した。
【0026】B液調製 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%
水溶液5部および水40部からなる組成物をサンドミル
で平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕した。
【0027】 C液調製 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン30部、メチルセルロースの5%水溶液5部および
水70部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が2
μmになるまで粉砕した。
【0028】 D液調製 1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフエニル)ブタン30部、メチルセル
ロースの5%水溶液5部および水55部からなる組成物
をサンドミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕し
た。
【0029】 記録層の形成 A液34部、B液75部、C液122部、D液28部、
ポリビニルアルコールの10%水溶液170部、グリオ
キザールの40%水溶液3部および水酸化アルミニウム
4部を混合攪拌して得られた塗液を、44g/m2 の上
質紙の片面に乾燥後の塗布量が5g/m2 となるように
塗布乾燥し、記録層を形成した。
【0030】 保護層の形成 アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの10%水
溶液195部、平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニ
ウム40部、カオリン〔商品名:UW−90、EMC社
製〕10部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液16部、
濃度30%の硬化剤〔商品名:PA−800、日本PM
C社製〕0.7部および水100部からなる組成物を混
合攪拌して得られた保護層用塗液を、記録層上に乾燥後
の塗布量が4g/m2 となるように塗布乾燥し、保護層
を形成した後、スーパーカレンダー処理を行い感熱記録
体を得た。
【0031】実施例2 A液調製において、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)
エステル20部とシュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エ
ステル20部の代わりに、シュウ酸ジ(p−メチルベン
ジル)エステル20部とシュウ酸ジ(p−クロロベンジ
ル)エステル20部とを熱溶融して形成された固溶体4
0部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0032】実施例3 A液調製において、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)
エステル20部とシュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エ
ステル20部の代わりに、シュウ酸ジ(p−メチルベン
ジル)エステル40部を用いた以外は、実施例1と同様
にして感熱記録体を得た。
【0033】実施例4 A液調製において、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)
エステル20部とシュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エ
ステル20部の代わりに、シュウ酸ジ(p−クロロベン
ジル)エステル40部を用いた以外は、実施例1と同様
にして感熱記録体を得た。
【0034】実施例5 D液調製において、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン
30部の代わりに1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン30
部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を
得た。
【0035】実施例6 B液調製において、 3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部の代
わりに3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン5部および3−ジ(n−ブ
チル)アミノ−7−(o−アニリノ)フルオラン5部を
用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0036】比較例1 B液調製において、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部の代
わりに、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン10部を用いた以
外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0037】比較例2 B液調製において、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部の代
わりに、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン10部を用いた以外は、実施例1
と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】比較例3 B液調製において、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部の代
わりに、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン10部を用いた以外は、実施例1と同様
にして感熱記録体を得た。
【0039】比較例4 A液調製において、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)
エステル20部とシュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エ
ステル20部を熱溶融して形成された固溶体40部の代
わりに、2−ナフチルベンジルエ−テル40部を用いた
以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0040】かくして得られた感熱記録体について以下
の評価試験を行い、その結果を〔表1〕に記載した。
【0041】〔発色性〕感熱評価機〔商品名:TH−P
MD、大倉電気社製〕を用い、印加エネルギー0.45mJ
/dotにて各感熱記録体を発色させ、得られた記録像
の発色濃度をマクベス濃度計〔RD−914型、マクベ
ス社製〕でビジュアルモードにて測定し、発色性を評価
した。
【0042】〔耐湿性〕上記〔発色性〕で記録後の感熱
記録体を、40℃90%中に24時間放置した後の発色
濃度をマクベス濃度計(ビジュアルモード)にて測定
し、耐湿性を評価した。
【0043】〔耐高温性〕上記〔発色性〕で記録後の感
熱記録体を、80℃中に24時間放置した後の発色濃度
と地肌部濃度をマクベス濃度計(ビジュアルモード)に
て測定し、耐高温性を評価した。
【0044】〔耐水性〕上記〔発色性〕で記録後の感熱
記録体を、20℃の水道水に24時間浸漬放置した後の
発色濃度をマクベス濃度計(ビジュアルモード)にて測
定し、耐水性を評価した。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の感熱記録体は記録感度と記録像の経時的保存性に優
れ、しかも地肌カブリの少ないものであった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色ないしは淡色の塩基性染
    料、呈色剤および増感剤を含有する記録層を設けた感熱
    記録体において、塩基性染料が3−(N−エチル−p−
    トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランで
    あり、且つ増感剤が下記一般式(1)で表されるシュウ
    酸エステルであることを特徴とする感熱記録体。 【化1】 〔一般式(1)において、R1 およびR2 は、置換基と
    してハロゲン原子、C1〜C4 のアルキル基、C1 〜C
    4 のアルキルオキシ基を有してもよいフェニール基また
    はベンジル基、および置換基としてC1 〜C4 のアルキ
    ル基を有してもよいシクロヘキシル基を示す。R1 およ
    びR2 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
  2. 【請求項2】更に、記録層中に、塩基性染料として3−
    ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)
    フルオランを含有させた請求項1記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】一般式(1)で表されるシュウ酸エステル
    が、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステルおよび
    シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エステルである請求
    項1記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】増感剤がシュウ酸ジ(p−メチルベンジ
    ル)エステルとシュウ酸ジ(p−クロロベンジル)エス
    テルにより形成された固溶体である請求項3記載の感熱
    記録体。
  5. 【請求項5】呈色剤が4−ヒドロキシ−4’−イソプロ
    ポキシジフェニルスルホンである請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の感熱記録体。
  6. 【請求項6】記録層中に、1,1,3−トリス(2−メ
    チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
    ブタンまたは1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
    ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンを含有さ
    せた請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6784136B2 (en) 2000-11-24 2004-08-31 Oji Paper Co., Ltd. Heat-sensitive recording material
JP2010094986A (ja) * 2008-09-17 2010-04-30 Ricoh Co Ltd 感熱記録材料
JP2015123724A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 三光株式会社 ステアリン酸アミドを主成分とする感熱記録体用増感剤微粒子分散体、その製造方法、感熱記録層用混合分散体組成物及び感熱記録体

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