JP5834761B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
従来から、無色乃至は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる呈色剤とを、熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
このような感熱記録体に用いられる呈色剤としては、記録濃度が高い記録部が得られる一方、記録部以外の地肌部では、所謂地肌カブリの少ない(地肌部の白色度が高い)ものが求められる。更に、記録部については、種々の環境における長期間の保存性が求められることから、特に耐油性、耐可塑剤性に優れることが求められる。このような要件を充足すべく、呈色剤、呈色助剤について、種々の提案がなされている。
例えば、記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れた新たな電子受容体として、特定のN−アリールスルホニル(チオ)尿素類、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル等が提案されている(特許文献1、2、3参照)。前記特定のN−アリールスルホニル(チオ)尿素類、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル等は、感熱記録層中の含有量を上げるほど、感熱記録体の記録濃度、記録部の耐可塑剤性、耐油性を向上できるが、高温高湿保存下における白紙部の発色(地肌カブリ)が目立ち、高温高湿保存後の画像視認性が低下する問題がある。また、上記の如き感熱発色層の保存性を高められる材料は、熱発色時に発色成分が強固に結合するためか、印字の際にサーマルヘッドにも付着して粕を蓄積しやすい傾向があり実用上問題である。更に、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンと特定の石油系ワックスと特定の増感剤の組合せによって記録感度を向上することが提案されているが、地肌カブリとサーマルヘッドへのカス付着については、必ずしも満足すべき結果が得られていない。
一方、呈色剤または呈色剤の一部として、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用することが提案されている(特許文献4、5、6参照)。しかしながら、例えば、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン等を併用する場合、記録濃度と保存性のバランスに加え、サーマルヘッドへのヘッドカス付着や耐スティッキング性等のプリンター適性については、必ずしも満足すべき結果が得られていない。
また、前記呈色剤と併用して使用する呈色剤として、オリゴマー型呈色剤(特許文献7参照)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(特許文献8参照)、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(特許文献9参照)、ウレアウレタン化合物(特許文献10参照)等を使用することが提案されている。
更に、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンに加えて、特定の増感剤としてp−アセチルビフェニル(特許文献11参照)、特定の保存性改良剤としてメチル化メチロールメラミン縮合物(特許文献12参照)を使用した感熱記録体が記載されている。しかしながら、いずれの感熱記録体においても、記録感度、保存性及びプリンター適性について満足すべき結果が得られていないのが現状である。
特開平5−32061号公報 特開平5−147357号公報 特開平7−32743号公報 特開2001−310561号公報 特開2004−009593号公報 特開2011−31504号公報 特開2002−283741号公報 特開2004−130539号公報 特開2004−195747号公報 特開2004−255842号公報 特開2002−052842号公報 特開2004−237476号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性が極めて良好で長期保存性に優れ、しかもサーマルヘッドへのカス付着が少なく、耐スティッキング性に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、下記の技術的事項を基礎として構成される本発明に至ったのである。
項1:支持体上に、顔料を含有する下塗り層、並びにロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、下塗り層中に焼成カオリンとプラスチック中空粒子を顔料として含有し、感熱記録層中に4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種と4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを呈色剤として含有し、更に感熱記録層中にパラフィンワックスを含有することを特徴とする感熱記録体。
:前記パラフィンワックスを前記感熱記録層の全固形量中1〜7質量%の割合で含有する、項1に記載の感熱記録体。





前記保護層中のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールの重合度が1000〜3000である、項1に記載の感熱記録材料。
:前記4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを、前記4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種の合計量100質量部に対して10〜50質量部の割合で含有する、項1または2に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れ、サーマルヘッドへのカス付着が少なく、耐スティッキング性にも優れている。
〔支持体〕
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
〔感熱記録層〕
本発明における感熱記録層は、ロイコ染料と呈色剤を含有し、支持体上に形成されている。
<ロイコ染料>
感熱記録層に使用される無色乃至は淡色のロイコ染料としては、各種公知のものが使用でき、具体的には、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。
<呈色剤>
本発明では、呈色剤として、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル 4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種と4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを感熱記録層中に含有する。これにより、記録濃度が高く、記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れた感熱記録体を得ることができ、苛酷な環境保存後でも画像の視認性の良好な感熱記録体を得ることができる。
感熱記録層中における4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル 4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種の合計の含有割合は、感熱記録層の全固形量中5〜40質量%程度が好ましく、より好ましくは6〜37質量%、最も好ましくは7〜35質量%である。
前記呈色剤は、各種公知の粉砕処理により平均粒子径0.1〜3.0μmの粒子状にして感熱記録層に含有されることが好ましく、0.3〜1.5μmの粒子状にして感熱記録層に含有されることがより好ましい。
本発明では、必要に応じて、本発明の効果に支障のない範囲で呈色能を有する各種公知の材料、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’‐ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホンアミド、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−トリル)尿素等の分子内に−SONH−結合を有する有機化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質等を併用することができる。
感熱記録層における4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの含有量は、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種の合計量100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、20〜40質量部がより好ましい。10質量部以上とすることにより、記録感度を向上して記録濃度を高めることができる。一方、50質量部以下とすることにより、記録部の保存性(耐油性、耐可塑剤性)をより一層向上できる。
<バインダー>
感熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、各種の樹脂を含有させることができる。かかるバインダーとしては、例えば、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの少なくとも1種が、感熱記録層の全固形量中5〜50質量%程度、特に10〜40質量%程度の範囲で配合される。
<その他の成分>
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、前記呈色剤、ロイコ染料及びバインダーに加えて、更に、増感剤、保存性改良剤、その他の各種助剤を含有していてもよい。
(増感剤)
本発明の感熱記録層中には増感剤を添加してもよい。増感剤としては、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示され、支障のない範囲で併用できる。
増感剤を使用する場合、その使用量は、特に限定されず、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中2〜40質量%が好ましく、特に5〜25質量%程度の範囲で配合されるのがより好ましい。
(保存性改良剤)
本発明の感熱記録層中には保存性改良剤を添加してもよい。保存性改良剤としては、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
保存性改良剤の使用量は、特に限定されず、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形量中1〜30質量%程度、特に5〜20質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
また、感熱記録層用塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができる。助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、着色染料、及び顔料等が適宜添加される。顔料としては、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料や、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
本発明における感熱記録層は、更にパラフィンワックスを含有している。これにより、特定の呈色剤の組合せに対して、サーマルヘッドへのカス付着を抑え、カス付着に起因する印字障害を減らして、印画適性を高められる。パラフィンワックスは、一般に炭素数が約20〜40、分子量としては約300〜550の炭化水素よりなっているが、なかでも炭素数の分布ができるだけシャープになった高純度精製品の方がより好ましい。パラフィンワックスの含有割合は、感熱記録層の全固形量中1〜7質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。1質量%以上とすることにより、サーマルヘッドへのカス付着を抑制する効果を著しく向上でき、カス付着に起因する印字障害を効果的に減らすことができる。一方、パラフィンワックスが溶解して感熱記録層の軟化を引き起こすため、7質量%以下とすることにより、耐スティッキング性を向上することができる。
〔感熱記録層用塗液〕
以上のような成分、即ち、ロイコ染料、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル 4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、パラフィンワッククスを水媒体に分散させてなる塗布液(感熱記録層用塗液)を調製する。なお、一般には水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機によりロイコ染料、呈色剤、増感剤等を一緒にまたは別々に分散する等して得られた分散液を用いて、更に必要により接着剤、助剤等を配合して調製される。かかる感熱記録層用塗液を後述する下塗り層上に塗布及び乾燥することにより感熱記録層が形成される。感熱記録層用塗液の塗布量は、乾燥重量で2〜12g/m程度が好ましく、3〜10g/m程度がより好ましい。
〔下塗り層〕
本発明における下塗り層は、焼成カオリンとプラスチック中空粒子を含有し、支持体と感熱記録層との間に形成されている。焼成カオリンとプラスチック中空粒子の合計の含有割合は、本発明の効果を遺憾なく発揮するため、少なくとも下塗り層の全固形量中6質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。一方、多くとも95質量%未満で含有させることが好ましく、90質量%未満がより好ましく、80質量未満が更に好ましい。また、プラスチック中空粒子の含有割合は、焼成カオリン100質量部に対して10〜110質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましく、10〜40質量部が更に好ましく、15〜40質量部が特に好ましい。プラスチック中空粒子を10質量部以上とすることにより、耐油性と耐可塑剤性をより一層高めることができ、また、記録感度を向上して記録濃度を高めることができる。一方、110質量部以下とすることにより、特定の呈色剤の組合せに対して、サーマルヘッドへのカス付着を抑制し、耐スティッキング性を高める効果を著しく向上できる。
プラスチック中空粒子の体積中空率は、40〜95%程度が好ましい。体積中空率を40%以上とすることにより、記録感度を向上し、記録濃度をより一層高めることができる。一方、95%以下とすることにより、中空粒子の殻の強度を上げて中空状態を効果的に保って、下塗り層の表面強度を向上できる。ここで体積中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。なお、有機中空粒子の平均粒子径は、ヘッドカス付着や耐スティッキング性の観点から0.5〜10μm程度が好ましく、0.5〜3μm程度がより好ましく、0.5〜2.5μm程度が更に好ましい。
プラスチック中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、熱可塑性高分子を殻とする微小中空粒子であり、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル樹脂、塩化ビニリデン系樹脂とアクリルニトリルを主体とする共重合樹脂、イソボニルメタクリレートとアクリロニトリルを主体とする共重合樹脂からなる粒子が例示できる。
本発明は、下塗り層中に特定のプラスチック中空粒子と焼成カオリンを含有するものであるが、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、その他の顔料も使用できる。その他の顔料としては、無機及び有機のいずれの顔料も使用できる。特に、吸油度が40ml/100g以上の吸油性顔料を好適に使用できる。吸油性顔料としては、各種公知のものが使用できるが、具体例としては、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、焼成珪藻土、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度が好ましく、特に0.02〜3μm程度がより好ましい。
本発明における下塗り層には、バインダーを含有させることもできる。バインダーとしては、感熱記録層に使用できるものの中から適宜選択することができる。下塗り層用塗液に使用されるバインダーとしては、例えば、水溶性バインダー及び水分散性バインダーのいずれの水性バインダーも使用できる。これらの中でも、澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。バインダーの使用割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形量中5〜30質量%程度が好ましく、10〜20質量%程度がより好ましい。
下塗り層は、一般に水を媒体として、焼成カオリン及び特定のプラスチック中空粒子、必要によりバインダー、助剤等を混合することにより調製された下塗り層用塗液を、支持体上に塗布及び乾燥することにより形成される。下塗り層用塗液の塗布量は、乾燥重量で3〜20g/m程度が好ましく、5〜12g/m程度がより好ましい。
〔保護層〕
本発明においては、感熱記録層上に保護層を設けてもよい。保護層は、例えば保護層用塗液を感熱記録層上に塗布及び乾燥することにより形成することができる。これにより、可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性をより一層向上できる。また、記録適性を高めることもできる。
保護層用塗液の調製方法については、特に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のバインダー、及び必要に応じてカオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカ等の顔料を混合、攪拌して調製される。
保護層は、顔料を使用することなく形成してもよく、バインダーと顔料を併用して形成してもよい。バインダーの使用量は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量中1〜95質量%程度が好ましく、2〜80質量%程度がより好ましい。また、顔料の使用量も、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形量中1〜95質量%程度が好ましく、2〜90質量%程度がより好ましい。
更に、保護層用塗液中には、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤を適宜添加することもできる。また、耐水性を一層向上させるためにグリオキザ−ル、硼酸、ジアルデヒド澱粉、ヒドラジド系化合物、エポキシ系化合物等の硬化剤を併用することもできる。
また、保護層中に2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを、紫外線吸収剤の含有割合が好ましくは保護層の全固形量中3〜40質量%、より好ましくは10〜40質量%、特に好ましくは15〜38質量%程度となるように添加すると、光暴露に対して地肌部の黄変や記録像の退色が著しく改良される。
保護層用塗液の塗布量は、特に限定されないが、乾燥重量で0.5〜15g/m程度、好ましくは1.0〜8g/m程度の範囲で調節される。
下塗り層、感熱記録層及び保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により下塗り層用塗液を支持体上に塗布・乾燥した後、感熱記録層用塗液、更に保護層用塗液を前記下塗り層上に塗布・乾燥する等の方法で形成される。
なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側にも塗布層を設け、保存性やプリンタ適性を高めたり、記録面側に強光沢を持たせることも可能である。また、各層を形成し終えた後、また全ての層を形成し終えた後の任意の過程でスーパーカレンダー等による平滑化処理を施すこともできる。感熱記録体の裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層、インクジェット記録層を設ける等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加することができる。
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、勿論、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。なお、平均粒子径は、特に断らない限り、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
体積中空率55%のプラスチック中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055、組成:スチレン−アクリル共重合樹脂、平均粒子径:1.0μm、ローム&ハース社製、固形分濃度26.5質量%)90部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、BASF社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)120部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)10部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合・攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・ロイコ染料分散液(A液)調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水80部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなるように粉砕処理してロイコ染料分散液(以下、A液ともいう)を得た。
・呈色剤分散液I(B液)調製
4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように粉砕処理して呈色剤分散液I(以下、B液ともいう)を得た。
・呈色剤分散液II(C液)調製
4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン(商品名:BPS−MAE、日華化学社製)100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように粉砕処理して呈色剤分散液II(以下、C液ともいう)を得た。
・増感剤分散液(D液)調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザ回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなるように粉砕処理して増感剤分散液(以下、D液ともいう)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液25.0部、B液37.5部、C液12.5部、D液37.5部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−527、水澤化学工業社製)10部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和軽金属工業社製)20部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの12%水溶液125部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)13.9部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンL−700、固形分濃度30%、中京油脂社製、融点75℃)6部、及び水18.6部を混合・攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
64g/mの上質紙(酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が5g/mとなるように塗布・乾燥して下塗り層を形成し、更に下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の塗布量が3.5g/mとなるように塗布・乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーキャレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のB液調製において、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のB液調製において、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレアを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のB液調製において、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、ブチル 4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5(参考例)
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、体積中空率55%のプラスチック中空粒子の代わりに、体積中空率84%のプラスチック中空粒子(商品名:FJ804ER、組成:塩化ビニリデン樹脂、平均粒子径:3.0μm、松本油脂社製、固形分濃度34.0質量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6(参考例)
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、体積中空率55%のプラスチック中空粒子の量を90部に代えて20部とし、焼成カオリンの50%水分散液の量を120部に代えて170部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7(参考例)
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、体積中空率55%のプラスチック中空粒子の量を90部に代えて250部用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、体積中空率55%のプラスチック中空粒子の量を90部に代えて40部とし、焼成カオリンの50%水分散液の量を120部に代えて140部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、プラスチック中空粒子を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の下塗り層用塗液の調製において、体積中空率55%のプラスチック中空粒子の代わりに、体積中空率30%のプラスチック中空粒子(商品名:ローペイクOP−3000、組成:スチレン−アクリル共重合体、平均粒子径:0.4μm、ローム&ハース社製、固形分濃度36.5質量%)を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1のB液調製において、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、2,2’−〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル(商品名:D−90、日本曹達社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1のB液調製において、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタンの代わりに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、パラフィンワックスを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが必要とされる一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(2)耐油性
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体の記録部にサラダ油を表面塗布し、24時間放置後に表面をガーゼで拭いた後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。サラダ油塗布処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(処理後の記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(3)耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。また、記録部の保存率を、耐油性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。処理後の記録濃度0.6以上で、保存率50%以上であれば問題ない。
(4)サーマルヘッドへのカス付着テスト
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、市松パターン(印字部の印加エネルギーは0.34mJ/ドット)で1m印字し、印字後のサーマルヘッドと印字物を目視で観察し、下記のように評価した。
○:サーマルヘッド上にカスの付着が見られず、印字障害も発生せず、優れた印画適性を有する。
△:サーマルヘッド上に僅かにカスの付着が見られるが、印字障害は発生せず、実用上問題ない。
×:サーマルヘッドにカスが付着し、印字障害が発生しており、実用とならない。
(5)耐スティッキング性
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、市松パターン(印字部の印加エネルギーは0.34mJ/ドット)で印字した際の、耐スティッキング性を下記の基準で評価した。感熱記録体の最表層がプリンターのヘッドに粘着して、部分的に印字できないことを「白飛び」といい、感熱記録体の最表層がプリンターのヘッドに粘着することにより引き起こされるプリンターの騒音を「騒音」という。
○:白飛びの発生がなく、騒音も殆どない。
△:極僅かに白飛びが見られるが、実用上問題ない程度で、騒音は殆どない。
×:白飛びが頻発し、騒音も大きい。
Figure 0005834761

Claims (3)

  1. 支持体上に、顔料を含有する下塗り層、並びにロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を備えた感熱記録体において、下塗り層中に焼成カオリンとプラスチック中空粒子を顔料として含有し、前記プラスチック中空粒子の平均粒子径が0.5〜2.5μmであり、前記プラスチック中空粒子の体積中空率が40〜95%であり、前記プラスチック中空粒子を前記焼成カオリン100質量部に対して10〜110質量部の割合で含有し、感熱記録層中に4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種と4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを呈色剤として含有し、更に感熱記録層中にパラフィンワックスを含有することを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記パラフィンワックスを前記感熱記録層の全固形量中1〜7質量%の割合で含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを、前記4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(3−トシルウレイド)ジフェニルエーテル、N−(p−トシル)−N’−フェニルウレア、及びブチル4−(3−トシルウレイド)ベンゾエートから選ばれる少なくとも1種の合計量100質量部に対して10〜50質量部の割合で含有する、請求項1または2に記載の感熱記録体。
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