JP5760637B2 - 感熱記録体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録体の製造方法に関するものであり、詳しくは、記録濃度が高く、記録部の耐可塑剤性、耐アルコール性に優れ、しかも高温高湿環境下でも地肌カブリが少ない感熱記録体の製造方法に関する。
無色乃至は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる呈色剤とを、熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
その利用分野として、例えばPOS(Point of Sales)システム用のレジ用紙及びチケット用紙等が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加してきている。更に同用途では、領収書として使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等種々の薬品に対する保存性や、捺印性が良好なことも必要となる。
支持体上にロイコ染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色は高温、高湿雰囲気下で加速され、更に油、可塑剤等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまで消色してしまう。また食品用ラベルや病院での試験管等に添付されるラベルは、高濃度のアルコール溶液が付着することがあり、地肌部が発色し、印字部が消色するため、ひどい場合には読取り不可能となる。これらに対して、記録部の保存性を向上させるため、感熱記録層中にエポキシ化合物を添加する方法(特許文献1参照)等が提案されているが、油や可塑剤に対して十分な効果が得られていない。また、近年、高保存性の呈色剤の開発が進み、感熱記録層中にウレアウレタン化合物を添加する方法(特許文献2参照)等が提案され、上記問題も解決されつつあるが、記録感度が低いという問題点がある。また非印字部分の安定性(耐熱性)を上げるためには、高融点の呈色剤を用いることが効果的であるが、これも記録感度が低下してしまうという問題点があり、近年の高速プリンターやバッテリー駆動のハンディーターミナルプリンターでの対応が困難である。
かかる問題に対して、呈色剤としてN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアと4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを併用する方法が提案されている(特許文献3、4参照)。しかしながら、特許文献3では経時で白紙部が変色(地肌カブリ)してしまう問題がある。また、特許文献4では地肌カブリを抑えるため、カブリ防止剤として有機含窒素化合物を含有させることを提案しているが、有機含窒素化合物は消色性が強いため、保存性が劣化する問題がある。更に、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを用いた感熱記録体の耐湿地肌カブリ性を改良するために、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンと珪酸塩等の着色抑制剤を共分散した分散液を加熱処理して使用する方法(特許文献5)も提案されている。
特開平4−286685号公報 特開2002−144746号公報 特開2002−160462号公報 特開2003−72246号公報 WO2005/042263A1(実施例84)
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録部の耐可塑剤性が改善され、しかも高温高湿保存下でも地肌カブリが問題とならない、耐アルコール性に優れた感熱記録体の製造方法を提供することにある。
本発明は次のとおりである。
(1)支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する塗液を塗布・乾燥して感熱記録層を形成する感熱記録体の製造方法において、該塗液は、ロイコ染料1質量部に対して、呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを0.5〜5質量部と4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを0.1〜3質量部を含有してなり、且つ、前記4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃の条件で加熱処理して得られた分散液として塗液に配合することを特徴とする感熱記録体の製造方法である。
(2)前記塩基性無機顔料が、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、(1)に記載の感熱記録体の製造方法である。
(3)前記塩基性無機顔料が、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、及びタルクから選ばれる少なくとも1種である、(1)又は(2)に記載の感熱記録体の製造方法である。
(4)前記ロイコ染料が、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランから選ばれる少なくとも1種である、(1)〜(3)のいずれか1に記載の感熱記録体の製造方法である。
本発明は、記録部の耐油性、耐可塑剤性が改善され、しかも高温高湿保存下でも地肌カブリが問題とならず、且つ耐アルコール性に優れた効果を有する感熱記録体を製造することができる。
本発明は、支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する特定の塗液を塗布・乾燥して感熱記録層を形成する感熱記録体の製造方法であるが、感熱記録体の層構成は、支持体と感熱記録層の構成だけに限るものではなく、支持体と感熱記録層の間に下塗り層を有する構成、感熱記録層の上に保護層を有する構成、支持体の感熱記録層を有さない面に裏面層を有する構成などを包含する。
〔支持体〕
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明または半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
〔感熱記録層〕
感熱記録層中には、少なくともロイコ染料と、呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有する。
<ロイコ染料>
感熱記録層に使用されるロイコ染料としては、無色乃至は淡色の各種公知のものが使用でき、具体的には、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、フルオラン等の青発色性染料、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン等の赤発色性染料、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−〔6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ〔フタリド−3,9’−キサンテン−2’−イルアミノ〕フェニル}プロパン、3−ジエチルアミノ−7−(3’−トリフルオロメチルフェニル)アミノフルオラン等の黒発色性染料、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用することもできる。中でも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランは発色感度、印字保存性に優れているため、好ましく用いられる。前記ロイコ染料の含有量は感熱記録層の全固形分に対して、5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%である。5質量%未満であると発色能力が低下し、印字濃度が低下する。25質量%を超えると、印字濃度と耐熱性のバランスが悪化する。
<呈色剤>
感熱記録層に使用される呈色剤としては、少なくともN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを併用する。
「N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア」
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアは、記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性、アルコールによる地肌カブリに優れる性質を有するが、記録部の耐アルコール性を満足できるレベルを確保できる量を添加すると、高温高湿保存により地肌カブリが起こるという問題がある。しかしながら、本発明においては、予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃の温度で加熱処理された4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンとの併用することにより、地肌カブリが問題とならず、優れた記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性、及び耐アルコール性を確保することができる。
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアは、感熱記録層中に、ロイコ染料1質量部に対して、0.5〜5質量部含有することが好ましく、より好ましくは0.8〜4質量部、最も好ましくは1〜3質量部含有される。
「4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン」
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、特に油、可塑剤、アルコール等に対する記録保存性に優れる性質を有しており、好ましく用いられる。4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で加熱処理された分散液として感熱記録層用塗液に配合することによって、感熱記録層用塗液の塗工及び乾燥後、感熱記録体としての余計な発色(地肌カブリ)が生じるのを抑制できる。処理時間は、加熱温度により適宜調整されるが、一般に2〜24時間加熱処理することが好ましい。加熱処理される前の分散液は、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを所定の粒子径に分散してから塩基性無機顔料を混合して得ることもできるし、各々を混ぜ合わせてから所定の粒子径に分散して得ることもできる。
塩基性無機顔料としては、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクからなる群れから選ばれる少なくとも1種が用いられるが、中でも珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、タルクが塗料の安定性や塗工適性の面からも好ましく使用される。
塩基性無機顔料の使用量は、特に限定されないが、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100質量部に対して、0.5〜20質量部程度、好ましくは1〜10質量部程度である。
また、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンの含有量は感熱記録層の全固形分に対して、2〜15質量%程度、好ましくは3〜12質量%程度である。
また、感熱記録層における4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、ロイコ染料1質量部に対して、0.1〜3.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2.5質量部であり、最も好ましくは0.5〜2.0質量部である。4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンの含有量が、ロイコ染料1質量部に対して、0.1質量部未満になると記録部における耐油性、耐可塑剤性、耐アルコール性の十分な効果が得られなくなり、3.0質量部を超えるとアルコールによる地肌カブリが劣る。
「その他の呈色剤」
本発明で使用する呈色剤は、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア及び4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを使用するが、必要に応じて、支障のない範囲で各種公知の材料、例えば活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’‐ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルメタン、4,4’−(3−(トシル)ウレイド)ジフェニルエーテル、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−アリルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン等のフェノール性化合物、N,N’−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−クミルフェニルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−トリル)尿素等の分子内に−SONH−結合を有する有機化合物、p−クロロ安息香酸、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、更にはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等の有機酸性物質等を併用することができる。
<バインダー>
感熱記録層用塗液中には通常バインダーとして、各種の樹脂が使用される。かかるバインダーとしては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の少なくとも1種が、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度、特に10〜40質量%程度の範囲で配合される。
<他の成分>
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、前記呈色剤、ロイコ染料及びバインダーに加えて、更に、増感剤、保存性改良剤、その他の各種助剤を含有していてもよい。
「増感剤」
本発明の感熱記録層中には増感剤を添加してもよく、例えばステアリン酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミルド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示され、支障のない範囲で併用できる。
増感剤を使用する場合、その使用量は、増感のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して2〜40質量%程度、特に5〜25質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
「保存性改良剤」
本発明の感熱記録層中には保存性改良剤を添加してもよく、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α’,α’−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウムまたは多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。
保存性改良剤を使用する場合、その使用量は、保存性改良のために有効な量とすればよいが、通常は、感熱記録層の全固形分に対して1〜30質量%程度、特に5〜20質量%程度の範囲で配合されるのが好ましい。
「各種助剤」
また、感熱記録層用塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、着色染料、及び顔料等が適宜添加される。顔料としては、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無機顔料や、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生澱粉粒子等の有機顔料等が挙げられる。
<感熱記録層用塗液>
以上のような成分、即ち、ロイコ染料、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、増感剤、バインダー、更に必要に応じて添加させる添加物を、水媒体に分散させて塗液(感熱記録層用塗液)を調製する。なお、一般には水を分散媒体とし、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機によりロイコ染料、呈色剤、増感剤等を一緒にまたは別々に分散する等して得られた材料を配合して調製される。
〔下塗り層〕
本発明では、必要であれば、支持体と感熱記録層との間に、記録感度をより高めるために、下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、及び/または有機中空粒子、及び/または熱膨張性粒子、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。ここで、前記吸油量はJIS K 5101に記載の方法に従い、求められる値である。
前記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の一次粒子の平均粒子径は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形分に対して2〜95質量%程度、特に5〜90質量%程度であることが好ましい。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であることが好ましい。前記有機中空粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形分に対して2〜90質量%程度、特に5〜70質量%程度であることが好ましい。
なお、前記吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは前記使用量の範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量が、下塗り層の全固形分に対して5〜90質量%程度、特に10〜80質量%程度であることが好ましい。
また、前記接着剤としては、前記感熱記録層に使用される接着剤、特に澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が好ましい。
前記接着剤の使用割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形分に対して5〜30質量%程度、特に10〜20質量%程度の量で使用することが好ましい。
〔保護層〕
本発明の感熱記録体は、感熱記録層上に可塑剤や油等の薬品に対する記録像の保存性、或いは記録適性を改良する目的で保護層を設けることも出来る。
保護層用塗液の調製方法については特に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のバインダー、及び必要に応じてカオリン、水酸化アルミニウム、軽質炭酸カルシウム、微粒子シリカ等の顔料を混合、攪拌して調製される。
保護層は、顔料を使用することなく、前記バインダー及び必要に応じて後述の各種助剤の1種以上を使用して形成することもできる。
また、保護層は、前記バインダーと前記顔料とを併用して形成することもできる。この場合、前記バインダーの使用量は、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形分に対して1〜95質量%程度、特に2〜80質量%程度とすることが好ましい。また、顔料の使用量も、特に限定されず広い範囲から適宜選択できるが、一般には、保護層の全固形分に対して1〜95質量%程度、特に2〜90質量%程度とすることが好ましい。
更に、保護層用塗液中には、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤を適宜添加することもできる。また耐水性を一層向上させるためにグリオキザ−ル、硼酸、ジアルデヒド澱粉、ヒドラジド系化合物、エポキシ系化合物等の硬化剤を併用することもできる。
特に、保護層中に、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の常温で液体の紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセルを、保護層の全固形分に対して、紫外線吸収剤が10〜40質量%程度、特に15〜38質量%程度となるように添加すると光暴露に対して地肌部の黄変や記録像の退色が著しく改良される。
〔層の形成方法〕
下塗り層、感熱記録層及び保護層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法により、下塗り層用塗液を支持体上に塗布・乾燥した後、感熱記録層用塗液、更に保護層用塗液を前記下塗り層上に塗布・乾燥する等の方法で形成される。
下塗り層を設ける場合、下塗り層用塗液の塗布量は乾燥重量で3〜20g/m程度、好ましくは5〜12g/m程度である。感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m程度、好ましくは3〜10g/m程度である。保護層を設ける場合、保護層用塗液の塗布量は乾燥重量で0.5〜15g/m程度、好ましくは1.0〜8g/m程度の範囲で調節される。
〔裏面層〕
なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側にも保護層を設け、一層保存性を高めたり、強光沢を持たせることも可能である。各層塗抹後にスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、或いは感熱記録体の裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、磁気記録層や印刷用塗被層、更には熱転写記録層やインクジェット記録層を設ける等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、勿論、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。また、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
・下塗り層用塗液の調製
有機中空粒子分散液(商品名:ローペイクSN−1055、中空率:82%、平均粒子径:1.0μm、ダウケミカル社製、固形分濃度26.5質量%)80部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)140部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48質量%)20部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・A液調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン20部、及び水80部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.5μmとなる様に処理してA液を得た。
・B液調製
N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理してB液を得た。
・C液調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン100部、珪酸マグネシウム5部、スルホン変性ポリビニルアルコ−ル(商品名:ゴ−セランL−3266、日本合成化学社製)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン10部、及び水90部からなる組成物(懸濁液)をサンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理した。更に、該分散液を70℃で4時間加熱処理を行い、C液を得た。
・D液調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル100部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL−3266、前出)の20%水溶液50部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン2部、及び水98部からなる組成物を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.0μmとなる様に処理してD液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液25部、B液65部、C液40部、D液50部、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和軽金属工業社製)20部、鹸化度98モル%、重合度1000のポリビニルアルコールの12%水溶液125部、及び水20部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、重合度:1000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液100部、アクリル樹脂(商品名:バリアスターOT−1035−1、固形分濃度25%、三井化学社製)40部、40%水酸化アルミニウム分散液40部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液2部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
64g/mの上質紙(酸性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布・乾燥して下塗り層を形成し、下塗り層上に感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が4.5g/mとなるように塗布・乾燥し、更に感熱記録層上に乾燥後の塗布量が2.0g/mとなるように保護層用塗液を塗布・乾燥した後、スーパーキャレンダー処理を施し、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を65部から120部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液の量を65部から20部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を40部から70部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液の量を40部から6部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1のC液調製において、珪酸マグネシウムを酸化チタンに変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1のA液調製において、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランに変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1のA液調製において、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランに変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1のC液調製において、70℃で4時間の加熱処理の代わりに、55℃で4時間の加熱処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例10(参考例)
実施例1のC液調製において、70℃で4時間の加熱処理の代わりに、85℃で4時間の加熱処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、B液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、B液の量を65部から150部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、C液を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗料の調製において、C液の量を40部から100部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1のC液調製において、70℃で4時間の加熱処理をしなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例6
実施例1のC液調製において、珪酸マグネシウムを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例7
実施例1のB液調製において、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアの代わりに、4−ヒドロキシ−4‘−イソプロポキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例8
実施例1のC液調製において、70℃で4時間の加熱処理の代わりに、45℃で4時間の加熱処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例9
実施例1のC液調製において、70℃で4時間の加熱処理の代わりに、95℃で4時間の加熱処理をした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.34mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、記録部については、実用上、1.20以上であることが必要とされる。一方、地肌部については数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(2)耐熱性
記録前の各感熱記録体を80℃、30%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(3)耐湿熱性
記録前の各感熱記録体を40℃、90%RH雰囲気下で24時間放置した後の地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が小さいほど好ましく、0.2を超えると、地肌カブリが問題となる。
(4)耐アルコール性A
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体に70%エタノール液を表面塗布し、室温で自然乾燥後に記録部と地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
また、下記式により、記録部の保存率を求めた。70%エタノール液処理後は、記録濃度1.0以上、地肌部濃度0.2未満であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(5)耐アルコール性B
記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を30%エタノール液に24時間浸漬し、乾燥後に記録部と地肌部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
また、下記式により、記録部の保存率を求めた。30%エタノール液処理後は、記録濃度1.0以上、地肌部濃度0.2未満であれば問題ない。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(6)耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に記録濃度測定用で発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
また、記録部の保存率を、耐油性の場合と同様に、上記式に基づいて、算出した。
処理後は、記録濃度1.0以上であれば問題ない。
Figure 0005760637

本発明の製造方法により得られた感熱記録体は、記録部の耐可塑剤性が改善され、しかも高温高湿保存下でも地肌カブリが問題とならない、耐アルコール性に優れた感熱記録体が得られるため、領収書、食品用や試験管用のラベルなどに適するものである。

Claims (5)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料及び呈色剤を含有する塗液を塗布・乾燥して感熱記録層を形成する感熱記録体の製造方法において、該塗液は、ロイコ染料1質量部に対して、呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを0.5〜5質量部と4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを0.1〜3質量部を含有してなり、且つ、前記4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜80℃の条件で加熱処理して得られた分散液として塗液に配合することを特徴とする感熱記録体の製造方法。
  2. 前記塗液は、ロイコ染料1質量部に対して、呈色剤として、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを0.8〜5質量部を含有する、請求項1に記載の感熱記録体の製造方法。
  3. 前記塩基性無機顔料が、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の感熱記録体の製造方法。
  4. 前記塩基性無機顔料が、珪酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、及びタルクから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
  5. 前記ロイコ染料が、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
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