JP2008149460A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】地肌カブリが少なく、油や可塑剤に対する記録の保存性に優れ、しかも耐熱性と記録感度に優れた感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを使用し、さらに呈色剤として4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを塩基性無機顔料と予め同一液体中において50〜90℃の温度で加熱処理して使用することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関する。
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用し、熱により記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等のアウトプット、科学計測機器のプリンター等の記録媒体としてだけでなくPOSラベル、ATM、CAD、ハンディーターミナル、各種チケット用紙等の各種プリンターの記録媒体として広範囲に使用されている。
その利用分野として、例えばPOS(point of sales)システム用のレジ用紙およびチケット用紙が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加してきている。さらに同用途では、領収書として使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等種々の薬品に対する保存性が良好なことも必要となる。
支持体上にロイコ染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色は高温、高湿雰囲気下で加速され、さらに油、可塑剤等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまで消色してしまう。またパーキングチケット用紙になると車中に放置され、特に夏場は高温の過酷な雰囲気下に置かれるため、感熱記録体の非印字部分が発色して、印字部分とのコントラストがなくなり、ひどい場合には読取りが不可能となる。これらに対して、記録の保存性を向上させるため、感熱記録層中にエポキシ化合物を添加する方法(特許文献1参照)等が提案されているが、油や可塑剤に対し十分な効果が得られていない。また近年、高保存性の呈色剤の開発が進み、感熱記録層中にウレアウレタン化合物を添加する方法(特許文献2参照)等が提案され、記録の保存性も解決されつつあるが、記録感度が低いという問題点がある。また非印字部分の安定性(耐熱性)を上げるためには、高融点の呈色剤を用いることが効果的であるが、これも記録感度が低下してしまうという問題点があり、近年の高速プリンターやバッテリー駆動のハンディーターミナルプリンター等の低エネルギー印字で要求される記録濃度への対応が困難である。
耐熱性があり高感度の呈色剤として、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを用いる方法が提案されているが(特許文献3〜5参照)、記録の保存性が劣っている。
かかる問題に対して、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンと4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを併用する方法が提案されている(特許文献6、7参照)。しかしながら、特許文献6では経時で白紙部が変色(地肌カブリ)してしまう問題がある。また、特許文献7では地肌カブリを抑えるため、カブリ防止剤として有機含窒素化合物を含有する事を提案しているが、有機含窒素化合物は消色性が強いため、記録の保存性が劣化する問題がある。さらに、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを用いた感熱記録体の耐湿地肌カブリ性を改良するために、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンと珪酸塩等の着色抑制剤を共分散した分散液を加熱処理する方法(特許文献8)も提案されているが、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを用いた感熱記録体において、地肌カブリが少なく、油や可塑剤に対する記録の保存性に優れ、しかも耐熱性と記録感度を満足するものが得られていないのが現状である。
特開平4−286685号公報 特開2002−144746号公報 特開昭60−125695号公報 特開昭60−228189号公報 特開昭60−247592号公報 特開2002−160462号公報 特開2003−72246号公報 WO2005/042263A1(実施例84)
本発明の課題は、地肌カブリが少なく、油や可塑剤に対する記録の保存性に優れ、しかも耐熱性と記録感度に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明にかかる感熱記録体は、支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンおよび4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが含有され、感熱記録層が4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンと塩基性無機顔料を含む分散液を、予め50〜90℃の温度で加熱処理して得られた分散液として感熱記録層用塗液に配合し、感熱記録層用塗液を塗布乾燥して形成された層である。
ロイコ染料100質量部に対して、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンが145〜180質量部および4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが40〜70質量部である。
さらに、感熱記録層がロイコ染料として、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有する。
塩基性無機顔料が、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物およびタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
感熱記録層中に、さらに増感剤として1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、蓚酸ジ−p−メチルベンジルエステルおよび蓚酸ジ−p−クロルベンジルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を、感熱記録層の全固形分に対して3〜23質量%含有する。
感熱記録層中に顔料として、粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を、感熱記録層の全固形分に対して1〜35質量%含有する。
感熱記録層上に、接着剤と顔料を主成分とする保護層を設け、且つ顔料として粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を含有する。
本発明の感熱記録体は、地肌カブリが少なく、油や可塑剤に対する記録の保存性に優れ、しかも耐熱性と記録感度に優れた効果を有するものである。
本発明は、支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有させることにより耐熱性と記録感度に優れた感熱記録体が得られる。
本発明における1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンの含有量は、ロイコ染料100質量部に対して、好ましくは145〜180質量部程度、より好ましくは150〜170質量部程度である。145質量部未満であると記録感度が劣り、180質量部を超えると好ましい範囲以上の効果が得られないうえに、ロイコ染料の含有量が低下するため最高記録濃度が低下する恐れがある。
本発明の感熱記録体では、さらに呈色剤として、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを含有させることにより、油や可塑剤に対する記録の保存性に優れた感熱記録体が得られる。
本発明における4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンの含有量は、ロイコ染料100質量部に対して、好ましくは40〜70質量部程度、より好ましくは50〜60質量部程度である。40質量部未満であると記録の保存性を向上する効果が劣り、70質量部を超えると好ましい範囲以上の効果が得られないうえに、記録感度が低下する恐れがある。
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを感熱記録層中に含有させる方法としては、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンと塩基性無機顔料を含む分散液を、予め50〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で加熱処理して得られた分散液として感熱記録層用塗液に配合し、感熱記録層用塗液を塗布乾燥することにより感熱記録層が形成される。これにより、地肌カブリの少ない感熱記録体が得られる。処理時間は加熱温度により適宜調整されるが、一般に2〜24時間が好ましい。加熱温度50℃以上、処理時間2時間以上であれば、地肌カブリが減少する効果が発現し易くなり、90℃未満であれば4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンの安定性が損なわれずに、作業上も問題がない。
前記分散液は、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを所定の粒子径に粉砕してから塩基性無機顔料を混合した後に加熱処理して得ることもできるし、各々を混ぜ合わせてから所定の粒子径に粉砕した後に加熱処理して得ることもできる。
塩基性無機顔料としては、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物およびタルクからなる群れから選ばれる少なくとも1種が用いられるが、なかでもケイ酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、タルクが塗料の安定性や塗工適性の面からも好ましく使用される。
前記塩基性無機顔料の使用量は、特に限定されないが、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンに対して、0.5〜20質量%程度、好ましくは1〜10質量%程度である。
また、本発明の効果を損なわない範囲において他の呈色剤を併用することができる。他の呈色剤の具体例として例えば、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノ−ル、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノ−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
かかる呈色剤は、水を分散媒としてボールミル、サンドミル等の分散機により粉砕し、平均粒子径を0.1〜2.0μm程度にすると、特に記録感度が向上するため好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μm程度である。0.1μm以上とすることにより粉砕するのに時間をかけずに分散効率を向上させることができ、2.0μm以下とすることにより画質を向上させることができる。なお、粉砕に際して、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の水溶性高分子を保護コロイド剤として使用したり、界面活性剤や消泡剤などを添加することもできる。
本発明の感熱記録層に含有されるロイコ染料としては、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリルフタリド系等のロイコ染料が挙げられる。
ロイコ染料の具体例として例えば、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリドおよび3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。
これらのうちでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランは、耐熱性と記録感度のバランスが優れ、好ましく用いられる。
本発明におけるロイコ染料の含有量は、特に限定されるものではないが、感熱記録層の全固形分に対して、5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%程度である。5質量%以上であると十分な記録濃度が得られ、25質量%以下であると耐熱性に優れた感熱記録体が得られる。
また、本発明では記録感度の向上のため、増感剤を使用することができる。増感剤の具体例として例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、4−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタン、1,3−ジ(ナフチルオキシ)プロパン、蓚酸ジベンジルエステル、蓚酸ジ−p−メチルベンジルエステル、蓚酸ジ−p−クロルベンジルエステル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸ジベンジル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
これらの中でも、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、蓚酸ジ−p−メチルベンジルエステルおよび蓚酸ジ−p−クロルベンジルエステルは、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンと併用すると、耐熱性と記録感度とのバランスが優れ、好ましく用いられる。
増感剤の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して3〜23質量%程度であり、より好ましくは5〜20質量%程度である。3質量%以上であると記録感度が向上し、23質量%以下であると記録感度と耐熱性のバランスが優れる。
本発明において使用されるロイコ染料および増感剤は、水を分散媒として共に或いは別々に、ボールミル、サンドミル等の分散機により平均粒子径が2μm以下となるように粉砕して得られた分散液として感熱記録層用塗液に配合すればよい。なお、粉砕に際して、上記呈色剤で使用される水溶性高分子の保護コロイド剤、界面活性剤や消泡剤などを添加することができる。
本発明の感熱記録層中には、通常の感熱記録体に使用される公知の顔料を添加することも可能である。顔料の具体例として、例えばカオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、プラスチックピグメント等が挙げられる。
本発明の感熱記録層において、顔料として粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を用いると、サーマルヘッドでの印字の際に溶融した感熱記録体の溶融成分が素早く、且つ多量に吸収されることで、スティッキングが抑制される。しかも、粒子径を制御することにより、スクラッチが起き難く、また透明性が高いため記録感度が向上する利点があり、特に好ましく用いられる。
本発明で使用する、粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、一般市販の合成無定形シリカ等の塊状原料や、例えば、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応等の、液相での化学反応(沈降法、ゲル法)によって得られた沈殿物を機械的手段で粉砕する方法や、金属アルコキシドの加水分解によるゾル−ゲル法、気相での高温加水分解等の方法によって得ることができる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体撹拌ミル、ジェットミル、サンドミル、メディアレス微粒化装置等が挙げられる。機械的粉砕をする場合は、水中で粉砕して、シリカ水分散液とするのが好ましい。
本発明で使用する無定形シリカ一次粒子の粒子径は、3nm以上30nm未満、特に3〜29nm程度、好ましくは5〜27nm程度、より好ましくは7〜25nm程度である。
ここで、一次粒子の粒子径Dpは、下記計算式から算出できる。
Dp (nm)=3000/Asp (1)
上記式において、Dpは一次粒子の粒子径を示し、Aspは比表面積を示す。
上記式(1)は、シリカの形状を真球と仮定し、且つシリカの密度d=2(g/cm)として導出されたものである。
より詳しくは、次の通りである。即ち、比表面積Aspは、表面積/(体積×密度)で算出される。ここで、密度の単位をg/cmとする。一次粒子の形状を真球と仮定し、その直径をDp(nm)とすると、当該一次粒子の表面積は4π(Dp/2)であり、体積は(1/3)×4π(Dp/2)であるから、比表面積Asp=6/(Dp×d)となる。ここで、シリカの密度を、シリカの一般的な値に基づき、d=2(g/cm)と仮定すると、Asp(m/g)=6/(Dp×10−9×2×10)=3000/Dpとなる。従って、一次粒子の粒子径Dp(nm)=3000/Asp、即ち、上記式(1)で算出される。
比表面積は、無定形シリカの質量当りの表面積であり、上記の式(1)からもわかるようにその値が大きいほど一次粒子径が小さくなる。一次粒子径が小さくなると、一次粒子から形成される細孔が小さくなり、毛管圧が高くなる。従って感熱記録体の溶融成分が速やかに吸収され、スティッキングが抑制されるものと考えられる。また一次粒子から形成される二次粒子も複雑となり、溶融成分を十分吸収できる容量が確保できる。一次粒子径が3nm未満であると、おそらく、形成される細孔が小さすぎて感熱記録体の溶融成分が吸収されず、スティッキングが発生する恐れがある。また30nmを超えると、おそらく毛管圧が低下し、感熱記録体の溶融成分が速やかに吸収されないためか、スティッキングが発生する恐れがある。
なお、上記「溶融成分」とは、感熱記録層中の成分が感熱記録時に溶融して形成された溶融物を指し、感熱記録層上に印刷部が存在する場合は、さらに、該印刷部を形成している印刷インクが溶融して形成された溶融物をも指す。
ここで、無定形シリカの比表面積は、微細顔料(即ち、本発明で使用する無定型シリカ)を105℃にて乾燥し、得られた粉体試料の窒素吸脱着等温線を、比表面積測定装置(Coulter社製のSA3100型)を用いて、200℃で2時間真空脱気した後測定し、リファレンス定容法に基づくガス吸着・脱着方法により算出したものである(B.E.T比表面積)。
以上より、本発明で使用する無定型シリカの一次粒子の粒径は、上記比表面積測定装置(Coulter社製、SA3100型)で実測した比表面積の値を用いて、上記式(1)により、算出されたものである。
また、二次粒子の平均粒子直径は30〜900nm程度、好ましくは40〜700nm程度、より好ましくは50〜500nm程度、特に50〜450nm程度である。平均粒子直径が30nm未満であると形成される細孔の容積が小さすぎて感熱記録体の溶融成分が吸収できず、スティッキングが発生する恐れがある。また、900nmを超えると透明性が低下するため、記録感度が低下し、しかも塗工層の強度が低下する恐れがある。
ここで、二次粒子の平均粒子直径とは、前記方法により得られたシリカの水分散液を固形分濃度5質量%に調整し、ホモミキサーにて5000rpmで30分間撹拌分散した直後に分散液を親水性処理したポリエステルフィルム上に乾燥後の重量が3g/m程度になるように塗工、乾燥してサンプルとし、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察し、1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、電子顕微鏡写真の5cm四方中の二次粒子のマーチン径を測定して平均したものである(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。なお、上記ホモミキサーでの撹拌分散は、単に測定の精度を上げるために均一分散させるために行うものであり、ホモミキサーでの撹拌分散の前後で二次粒子のサイズが変化することは実質上ないと考えられている。
感熱記録層中の無定形シリカ二次粒子の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して1〜35質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは1.5〜30質量%程度である。1質量%未満では、所望の効果が得られ難く、35質量%を超えると、溶剤等の吸収性が非常に高くなり、溶剤に対するバリア性が低下してしまう。
感熱記録層に使用される接着剤としては、例えば、種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉およびその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチンおよびカゼイン等の水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体等が挙げられ、1種類または2種類以上で併用することも可能である。なお、疎水性重合体を接着剤として感熱記録層用塗液に配合するときは、ラテックスの状態で用いればよい。
感熱記録層中の接着剤の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して5〜25質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは6〜18質量%程度である。5質量%以上であると塗工層の強度が十分に得られ、25質量%以下であると記録感度を向上することができる。
その他、各種助剤としては、滑剤(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、ポリオレフィン樹脂エマルジョン等)、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等、公知のものを用いることができる。
感熱記録層用塗液の塗布量は特に制限はなく、乾燥重量で1〜15g/m2程度、好ましくは2〜10g/m2程度であれば所望の品質を達成できる。
感熱記録層用塗液はロイコ染料、呈色剤、増感剤、各種公知の顔料および接着剤を含み、必要に応じて、各種助剤等を水に溶解または分散したものを混合して調製する。感熱記録層用塗液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、ダイコーティング等の従来公知の塗布方法がいずれも採用できる。
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、紙、表面に顔料、ラテックス等を塗工したコーテッド紙、ポリオレフィン系樹脂から作られた複層構造の合成紙、プラスチックフィルム、或いはこれらの複合体シート等から選ぶことができる。
本発明では必要に応じ、支持体と感熱記録層との間に、記録感度および記録時の走行性をより高めるために、下塗層を設けることもできる。下塗層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、有機中空粒子および熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに接着剤を主成分とする下塗層用塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。ここで、上記吸油量はJIS K 5101−1991の方法に従い求められる値である。
上記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の平均粒子径[レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値]は0.05〜5μm程度、特に0.08〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形分に対して2〜95質量%、特に5〜90質量%程度であるのが好ましい。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径[レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値]は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であるのが好ましい。上記有機中空粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形分に対して2〜90質量%、特に5〜70質量%程度であるのが好ましい。
なお、上記吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは上記使用量範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量が下塗層の全固形分に対して、5〜90質量%、特に10〜80質量%程度であるのが好ましい。
熱膨張性粒子としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合物でマイクロカプセル化した熱膨張性微粒子等が挙げられる。低沸点炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン等が挙げられる。
熱膨張性粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形分に対して1〜80質量%程度、特に10〜70質量%程度であることが好ましい。
接着剤としては、前記感熱記録層に使用される接着剤が適宜使用し得るが、特に澱粉−酢酸ビニルグラフト共重合体、各種ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスが好ましい。
各種ポリビニルアルコールとしては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
上記接着剤の使用割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗層の全固形分に対して5〜30質量%程度、特に10〜25質量%程度であることが好ましい。
その他、各種助剤として、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等、公知のものを用いることができる。
下塗層用塗液の塗布量は、乾燥重量で3〜20g/m程度、好ましくは5〜18g/m程度とするのが好ましい。また、下塗層を2層以上に分けて塗布すると、記録感度や保存性が向上するため、より好ましい。
本発明の感熱記録体は、保存性を向上させたり、記録時の走行性を向上させるために、感熱記録層上に保護層を設けることが好ましい。保護層は水を媒体とし、接着剤と顔料を主成分として、必要により添加される各種助剤を混合撹拌して得られる保護層用塗液を、感熱記録層上に塗布乾燥して得ることができる。
保護層に使用する顔料としては、例えば無定形シリカ、カオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、合成層状雲母、尿素−ホルマリン樹脂フィラー等のプラスティックピグメント等が挙げられる。
特に、前記の粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を用いると、バリア性やスティッキングに優れるため、好ましく用いられる。
保護層中の粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子の含有量は保護層の全固形分に対して2〜35質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは3〜32質量%程度である。
また、保護層用塗液に使用する接着剤として、例えばポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、澱粉およびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体のラテックスが挙げられる。
なかでも、顔料とのバインダー効果、可塑剤や油等の溶剤に対する記録部の保存性に特に優れていることから、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが好ましく、とりわけアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール等の各種変性ポリビニルアルコールがより好ましく用いられる。
接着剤の含有量は、保護層の全固形分に対して20〜85質量%程度が好ましく、より好ましくは35〜80質量%程度である。
その他、保護層中に公知の助剤、例えば、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
保護層用塗液の塗布量は、乾燥重量で0.5〜10g/m2程度、好ましくは1〜5g/m2程度である。
下塗層および保護層用塗液の塗布方法としては、特に限定されず、上記の感熱記録層用塗液の塗布方法に挙げた従来公知の塗布方法がいずれも採用できる。
なお、本発明には、各種層を形成した後、或いは全ての層を形成した後に、スーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、必要に応じて感熱記録体の支持体の裏面側に保護層、印刷用塗被層、磁気記録層、帯電防止層、熱転写記録層、インクジェット記録層等を設けたり、支持体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに加工したり、感熱記録体にミシン目を入れたりする等、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値を測定した。
実施例1
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmとなるまで粉砕してロイコ染料分散液(A液)を得た。
・呈色剤分散液(B液)の調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン10部、ケイ酸マグネシウム0.5部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕した。さらに該分散液を70℃で4時間加熱処理を行い、呈色剤分散液(B液)を得た。
・呈色剤分散液(C液)の調製
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕して呈色剤分散液(C液)を得た。
・増感剤分散液(D液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕して増感剤分散液(D液)を得た。
・増感剤分散液(E液)の調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して増感剤分散液(E液)を得た。
・増感剤分散液(F液)の調製
シュウ酸ジ−p−クロルベンジルエステル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して増感剤分散液(F液)を得た。
・呈色剤分散液(G液)の調製
2,2’−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(G液)を得た。
・呈色剤分散液(H液)の調製
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部および水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(H液)を得た。
・下塗層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、スチレン−ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分50%)40部と、酸化澱粉の10%水溶液50部とを混合攪拌して下塗層用塗液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液34部、B液29部、C液57部、D液34部、シリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径11nm、固形分濃度20%、比表面積280m/g、グレースデビソン社製)25部、50%の軽質炭酸カルシウム分散液40部およびアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液100部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、重合度:1000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液100部、アクリル樹脂(商品名:バリアスターOT−1035−1、固形分濃度25%、三井化学社製)40部、40%水酸化アルミニウム分散液40部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液2部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
48g/mの原紙の片面上に、乾燥後の塗布量が9.0g/mになるように下塗層用塗液を塗布乾燥し、下塗層上に乾燥後の塗布量が4.5g/mとなるように感熱記録層用塗液を塗布乾燥した。さらに感熱記録層上に乾燥後の塗布量が2.0g/mとなるように保護層装用塗液を塗布乾燥した。その後スーパーカレンダーによって平滑化処理し、その表面の平滑度が王研式平滑度計で1000〜4000秒程度の感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のD液34部の代わりに、E液34部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のシリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径11nm、固形分濃度20%、比表面積280m/g、グレースデビソン社製)25部の代わりに、シリカ(商品名:ミズカシルP527、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径54nm、比表面積56m/g、水沢化学社製)を水で20%に分散したものを25部用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のD液34部の代わりに、E液25.5部およびF液8.5部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例6の保護層用塗液の調製において、40%水酸化アルミニウム分散液40部の代わりにシリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径11nm、固形分濃度20%、比表面積280m/g、グレースデビソン社製)80部を用いた以外は実施例6と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のB液29部の代わりに、G液29部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のC液57部の代わりに、H液57部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
・記録濃度
感熱評価機(商品名:バーラベ300、サトー社製)を用い、印字速度4インチ、印字エネルギー0.20mJ/dotで各感熱記録体をベタ発色させ、記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・耐熱性
各感熱記録体を90℃の乾燥機に24時間放置後、白紙部分の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・耐油性
記録濃度で評価した記録部にサラダ油を塗布し、25℃で1時間放置して油を拭き取った後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・スティッキング
記録濃度で評価した記録部の印字開始から印字終了までの印字長さと、印字品質に問題あるか否かを目視観察し、以下のように評価した。
◎:印字長さ、印字品質とも問題ない。
○:印字長さは問題なく、印字品質が極僅かに劣るが実用上問題ない。
△:印字長さは極僅かに劣り、印字品質が劣る。
Figure 2008149460

Claims (7)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンおよび4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが含有され、感熱記録層が4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンと塩基性無機顔料を含む分散液を、予め50〜90℃の温度で加熱処理して得られた分散液として感熱記録層用塗液に配合し、感熱記録層用塗液を塗布乾燥して形成された層であることを特徴とする感熱記録体。
  2. ロイコ染料100質量部に対して、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンが145〜180質量部および4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが40〜70質量部である、請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 感熱記録層がロイコ染料として、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを含有する、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 塩基性無機顔料が、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物およびタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  5. 感熱記録層中に、さらに増感剤として1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、蓚酸ジ−p−メチルベンジルエステルおよび蓚酸ジ−p−クロルベンジルエステルからなる群から選ばれる少なくとも1種を、感熱記録層の全固形分に対して3〜23質量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  6. 感熱記録層中に顔料として、粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を、感熱記録層の全固形分に対して1〜35質量%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
  7. 感熱記録層上に、接着剤と顔料を主成分とする保護層を設け、且つ顔料として粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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