JP2008213377A - 感熱記録体 - Google Patents

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智恵子 押阪
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久佳 美藤
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Abstract

【課題】本発明は、特に記録感度、高速印画におけるバーコード読み取り性、地肌部の耐熱性および記録部の保存性に優れた感熱記録体を提供するものである。
【解決手段】支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として下記の特性(1)を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有することを特徴とする感熱記録体。
(1)170〜195℃の範囲に2つ以上のピークを有する融点を持つ。
【選択図】なし

Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関する。
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用し、熱により記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。このような感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も容易なため、ファクシミリや各種計算機等のアウトプット、科学計測機器のプリンター等の記録媒体としてだけでなくPOSラベル、ATM、CAD、ハンディーターミナル、各種チケット用紙等の各種プリンターの記録媒体として広範囲に使用されている。
その利用分野として、例えばPOS(point of sales)システム用のレジ用紙及びチケット用紙が挙げられるが、同システムの拡大と共にその使用環境、使用方法も多様化しており、厳しい条件下での使用が増加し、更なる印字の高速化の要望が強い。また同用途では、領収書として使用されるため、記録部の油や可塑剤、事務用品、ハンドクリーム等、種々の薬品に対する保存性や捺印性が良好なことも必要となる。
支持体上にロイコ染料と呈色剤を主成分とする感熱記録層を設けた感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色することが知られている。この消色は高温、高湿雰囲気下で加速され、更に油、可塑剤等の接触によって速やかに進行し、記録画像が読取り不可能なまでに消色してしまう。またパーキングチケット用紙になると車中に放置され、特に夏場は高温の過酷な雰囲気下に置かれるため、感熱記録体の非印字部分が発色してしまい、印字部分とのコントラストがなくなり、ひどい場合には読取りが不可能となる。これらに対し、記録の保存性を向上させるため、感熱記録層中にエポキシ化合物を添加する方法(特許文献1を参照)等が提案されているが、油や可塑剤に対し十分な効果が得られていない。また、近年高保存性の呈色剤の開発が進み、感熱記録層中にウレアウレタン化合物を添加する方法(特許文献2を参照)等が提案され、上記問題も解決されつつあるが、記録感度が低く高速印字によるバーコードの読取り性が低いという問題点がある。また非印字部分の安定性(耐熱性)を上げるためには、高融点の呈色剤を用いることが効果的であるが、これも記録感度が低下してしまうという問題点があり、近年の高速プリンターやバッテリー駆動のハンディーターミナルプリンターでの対応が困難である。
また、呈色剤として、それぞれ187〜189℃、188℃、189℃に融点を持つ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを使用する方法(特許文献3〜5を参照)、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン及び2,2−ビス〔(4−メチル−3−フェニルウレイドフェニル)アミノカルボニルオキシフェニル〕プロパンから選ばれる少なくとも1種と、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン及びp−トルエンスルホニル−p−アミノフェノールから選ばれる少なくとも1種を併用する方法(特許文献6参照)、ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランを用い、呈色剤として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを用い、増感剤として1−フェノキシ−2−(2−ナフトキシ)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プロパン、及びシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステルとシュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステルとの混合物とから選ばれる少なくとも1種を使用する方法(特許文献7を参照)等も提案されているが、記録感度や高速印画におけるバーコード読み取り性において、更なる改良が要望されている。
特開平4−286685号公報 特開2002−144746号公報 特開昭60−125695号公報 特開平02−080287号公報 特開平07−172057号公報 特開2002−160462号公報 特開平10−086528号公報
本発明の課題は、特に記録感度、高速印画におけるバーコード読み取り性、地肌部の耐熱性および記録部の保存性に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明に係る感熱記録体は、上記の課題を解決するために、支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として特定の特性をもつ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有することにより、上記の課題を解決することが可能となった。
即ち、本発明は、以下の感熱記録体を提供するものである。
項1:支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として下記の特性(1)を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有することを特徴とする感熱記録体。
(1)170〜195℃の範囲に2つ以上のピークを有する融点を持つ。
項2:前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンがさらに下記の特性(2)を有する、項1に記載の感熱記録体。
(2)Cu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕14.30、15.50、15.55、16.25、16.35、18.15の少なくとも一つのピークがI/I:500以上である。
項3:感熱記録層中に保存性向上剤として、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを、感熱記録層の全固形分に対して0.5〜25質量%含有する、項1または2に記載の感熱記録体。
項4:前記4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクから選ばれる少なくとも一種の塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃の温度で加熱処理された分散液である、項3に記載の感熱記録体。
項5:感熱記録層中に増感剤として、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、及びシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステルから選ばれる少なくとも一種を、感熱記録層の全固形分に対して3〜23質量%含有する、項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項6:感熱記録層中に保存性向上剤として、下記一般式(1)であらわされる化合物、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンから選ばれる少なくとも一種を、感熱記録層の全固形分に対して0.5〜25質量%含有する、項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
Figure 2008213377
(但し、nは1〜7の整数を表わす。)
項7:感熱記録層中に顔料として、粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を、感熱記録層の全固形分に対し1〜35質量%含有する、項1〜6のいずれか1項に記載の感熱記録体。
項8:前記感熱記録層上に、接着剤と顔料を含有する保護層を設け、且つ前記顔料として粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を含有する、項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
項9:支持体と感熱記録層の間に下塗り層を設け、且つ下塗り層が少なくとも第1層及び該第1層上に形成された第2層からなる多層構造を有している、項1〜8のいずれか1項に記載の感熱記録体。
本発明の感熱記録体は、記録感度、高速印画におけるバーコード読み取り性、地肌部の耐熱性および記録部の保存性に優れた効果を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として下記の特性(1)を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有することを特徴とする。
(1)170〜195℃の範囲に2つ以上のピークを有する融点を持つ。
さらに下記の特性(2)を有していてもよい。
(2)Cu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕14.30、15.50、15.55、16.25、16.35、18.15の少なくとも一つのピークがI/I:500以上である。
融点の測定は示差走査熱量計(機種名:TAS200、株式会社リガク社製)を用い、測定条件はアルミニウム容器を用い、サンプル量は5〜10mg、昇温条件は10℃/分で行う。なお、融点の測定において±2℃程度の誤差は許容されるものとする。
粉末蛍光X線回折法の測定条件は次の通りである。なお、回折角(2θ)〔°〕において±0.1程度の誤差は許容されるものとする。
装置名:株式会社マック・サイエンス M03XHF型
X線発生装置:3kW
線源:1.54050 A(Cu)
モノクロメーター:use
管電圧:40.0 kV
管電流:20.0 mA
サンプリング幅:0.0500 deg
走査速度:4.0000 deg/min
発散スリット:1.00 deg
散乱スリット:1.00 deg
受光スリット:0.15 mm
補助装置:no use
本発明において、呈色剤として用いる170〜195℃の範囲に2つ以上のピークを有する融点を持つ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(以下、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)と称す)は、記録感度が優れている。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)はさらにCu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕14.30、15.50、15.55、16.25、16.35、18.15の少なくとも一つのピークがI/I:500以上であってもよい。
また、前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)については、ポリビニルアルコール等の水溶性分散剤を用いて粉砕した時の分散物の平均粒子径を0.1〜1.5μm程度にすると、特に記録感度が向上するため好ましく、より好ましくは0.3〜1.0μm程度である。0.1〜1.5μmの範囲であれば、分散効率が良好であり、画質低下の恐れがない。
また、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)の含有量は、感熱記録層の全固形分に対し7〜35質量%程度、好ましくは10〜30質量%程度である。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において他の呈色剤を併用することができる。呈色剤の具体例としては、例えば4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
本発明では、保存性向上剤を使用してもよい。保存性向上剤としては4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが、特に油や可塑剤等に対する記録部の保存性に優れており、好ましく用いられる。
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンは、予め塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃、好ましくは60〜80℃の温度範囲で加熱処理された分散液として感熱記録層用塗液に配合することによって、感熱記録層用塗液の塗工及び乾燥後、感熱記録体としての余計な発色(地肌カブリ)が生じるのを抑制できる。処理時間は、加熱温度により適宜調整されるが、一般に2〜24時間加熱処理することが好ましい。加熱処理される前の分散液は、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを所定の粒子径に分散してから塩基性無機顔料を混合して得ることもできるし、各々を混ぜ合わせてから所定の粒子径に分散して得ることもできる。
塩基性無機顔料としては、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクから選ばれる少なくとも1種が用いられるが、なかでもケイ酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、タルクが感熱記録層用塗液の安定性や塗工適性の面からも好ましく使用される。
塩基性無機顔料の使用量は、特に限定されないが、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンに対して、0.5〜20質量%程度、好ましくは1〜10質量%程度である。
また、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンの含有量は、感熱記録層の全固形分に対し0.5〜25質量%程度、好ましくは1〜20質量%程度である。
また下記一般式(1)であらわされる化合物、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンも、油や可塑剤等に対する保存性に優れており、保存性向上剤として好ましく用いられ、含有量は感熱記録層の全固形分に対し0.5〜25質量%程度、好ましくは0.7〜24質量%程度である。
Figure 2008213377
(但し、nは整数1〜7の整数を表わす。)
本発明の効果を阻害しない範囲において他の保存性向上剤を併用することができる。保存性向上剤の具体例としては、例えば2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げられる。
本発明では、増感剤を使用することができる。増感剤としては1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−メチル−ベンジル、及びシュウ酸ジ−p−クロルベンジルの少なくとも一種があげられ、これらの増感剤は、本発明で使用する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)に対して、耐熱性と感度とのバランスが特に優れており、好ましく用いられる。
前記増感剤の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して3〜23質量%程度であり、好ましくは5〜20質量%程度である。3〜23質量%の範囲であれば、記録濃度低下の恐れはなく、記録感度や地肌部の耐熱性の良好なものが得られる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において他の増感剤を併用することができる。増感剤の具体例として例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、4−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタン、1,3−ジ(ナフチルオキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸ジベンジル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明で用いられるロイコ染料としては、例えばトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリルフタリド系などのロイコ染料が好ましく用いられる。ロイコ染料の具体例として例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、および3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。これらのロイコ染料は2種以上併用することもできる。
上記のロイコ染料のなかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランは発色感度が優れているため好ましく用いられる。
ロイコ染料の含有量は感熱記録層の全固形分に対し5〜30質量%程度、好ましくは7〜25質量%程度である。5〜30質量%の範囲であれば、記録濃度低下の恐れはなく、記録感度や地肌部の耐熱性の良好なものが得られる。
その他感熱記録層中には、通常の感熱記録体に使用される公知の顔料を添加することも可能である。顔料の具体例として、例えばカオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、プラスティックピグメント等が挙げられる。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層の顔料として粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を用いると、サーマルヘッドでの印字の際に溶融した感熱記録体の溶融成分が、すばやく、且つ多量に吸収されることで、スティッキングが抑制される。しかも、粒子径を制御することにより、スクラッチが起き難く、また透明性が高いため記録感度が向上する利点があり、特に好ましく用いられる。
本発明で使用する、粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、一般市販の合成無定形シリカ等の塊状原料や、例えば、珪酸ナトリウムと鉱酸との中和反応等の、液相での化学反応(沈降法、ゲル法)によって得られた沈殿物を機械的手段で粉砕する方法や、金属アルコキシドの加水分解によるゾル−ゲル法、気相での高温加水分解等の方法によって得ることができる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体撹拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー、メディアレス微粒化装置等が挙げられる。機械的粉砕をする場合は、水中で粉砕して、シリカ水分散液とするのが好ましい。
本発明で使用する無定形シリカ一次粒子の粒子径は、3nm以上30nm未満、特に3〜29nm程度、好ましくは5〜27nm程度、より好ましくは7〜25nm程度である。
ここで、一次粒子の粒子径Dpは、下記計算式から算出できる。
Dp(nm)=3000/Asp (1)
上記式において、Dpは一次粒子の粒子径を示し、Aspは比表面積を示す。
上記式(1)は、シリカの形状を真球と仮定し、且つ、シリカの密度d=2(g/cm)として導出されたものである。
より詳しくは、次の通りである。即ち、比表面積Aspは、表面積/(体積×密度)で算出される。ここで、密度の単位をg/cmとする。一次粒子の形状を真球と仮定し、その直径をDp(nm)とすると、当該一次粒子の表面積は4π(Dp/2)であり、体積は(1/3)×4π(Dp/2)であるから、比表面積Asp=6/(Dp×d)となる。ここで、シリカの密度を、シリカの一般的な値に基づき、d=2(g/cm)と仮定すると、Asp(m/g)=6/(Dp×10−9×2×10)=3000/Dpとなる。従って、一次粒子の粒子径Dp(nm)=3000/Asp、即ち、上記式(1)で算出される。
比表面積は、無定形シリカの質量当りの表面積であり、上記の式(1)からもわかるようにその値が大きいほど一次粒子径が小さくなる。一次粒子径が小さくなると、一次粒子から形成される細孔が小さくなり、毛管圧が高くなる。従って、感熱記録体の溶融成分が速やかに吸収され、スティッキングが抑制されるものと考えられる。また一次粒子から形成される二次粒子も複雑となり、溶融成分を十分吸収できる容量が確保できる。しかし一次粒子径が3nm未満であると、おそらく、形成される細孔が小さすぎて感熱記録体の溶融成分が吸収されず、スティッキングが発生する恐れがある。また30nmを超えると、おそらく毛管圧が低下し、感熱記録体の溶融成分が速やかに吸収されないためか、スティッキングが発生する恐れがある。
なお、上記「溶融成分」とは、感熱記録層中の成分が感熱記録時に溶融して形成された溶融物を指し、感熱記録層上に印刷部が存在する場合は、更に、該印刷部を形成している印刷インクが溶融して形成された溶融物をも指す。
ここで、無定形シリカの比表面積は、微細顔料(即ち、本発明で使用する無定型シリカ)を105℃にて乾燥し、得られた粉体試料の窒素吸脱着等温線を、比表面積測定装置(Coulter社製のSA3100型)を用いて、200℃で2時間真空脱気した後測定し、リファレンス定容法に基づくガス吸着・脱着方法により算出したものである(B.E.T比表面積)。
以上より、本発明で使用する無定型シリカの一次粒子の粒径は、上記比表面積測定装置(Coulter社製のSA3100型)で実測した比表面積の値を用いて、上記式(1)により、算出されたものである。
また、二次粒子の平均粒子直径は30〜900nm程度、好ましくは40〜700nm程度、より好ましくは50〜500nm程度、特に50〜450nm程度である。平均粒子直径が30nm未満であると形成される細孔の容積が小さすぎて感熱記録体の溶融成分が吸収できず、スティッキングが発生する恐れがある。また、900nmを超えると透明性が低下するため、記録感度が低下し、しかも塗工層の強度が低下する恐れがある。
ここで、二次粒子の平均粒子直径とは、前記方法により得られたシリカの水分散液を固形分濃度5質量%に調整し、ホモミキサーにて5000rpmで30分間撹拌分散した直後に分散液を親水性処理したポリエステルフィルム上に乾燥後の重量が3g/m程度になるように塗工、乾燥してサンプルとし、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察し、1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、電子顕微鏡写真の5cm四方中の二次粒子のマーチン径を測定して平均したものである(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。
なお、上記ホモミキサーでの撹拌分散は、単に測定の精度を上げるために均一分散させるために行うものであり、ホモミキサーでの撹拌分散の前後で二次粒子のサイズが変化することは実質上ないと考えられている。
感熱記録層中の無定形シリカ二次粒子の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して1〜35質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは1.5〜30質量%程度である。3質量%未満では、所望の効果が得られ難く、35質量%を超えると、溶剤等の吸収性が非常に高くなり、溶剤に対するバリアー性が低下してしまう。
感熱記録層に使用される接着剤としては、例えば、種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体のラテックス等が挙げられ、1種類または2種類以上で併用することも可能である。
感熱記録層中の接着剤の含有量は、感熱記録層の全固形分に対して5〜25質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは6〜20質量%程度である。5〜25質量%の範囲であれば、良好な感熱記録層の強度が得られ、記録感度低下の恐れがない。
その他、各種助剤としては、滑剤(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、ポリオレフィン樹脂エマルジョン等)、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等、公知のものを用いることができる。
感熱記録層用塗液はロイコ染料、呈色剤、増感剤、各種公知の接着剤を含み、必要に応じて、顔料、各種助剤等を水に溶解または分散したものを混合したものを用いる。感熱記録層用塗液の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、ダイコーティング等の従来公知の塗布方法がいずれも採用できる。
なお、感熱記録層の塗布量は、乾燥重量で1〜10g/m程度、好ましくは2〜8g/m程度である。
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、紙、表面に顔料、ラテックス等を塗工したコーテッド紙、ポリオレフィン系樹脂から作られた複層構造の合成紙、プラスチックフィルム、或いはこれらの複合体シートなどから選ぶことができる。
本発明によれば、必要に応じ、支持体と感熱記録層との間に、記録感度及び記録走行性をより高めるために、下塗り層を設けることもできる。
下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。ここで、上記吸油量はJIS K 5101−2004の方法に従い求められる値である。
上記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成クレー、焼成カオリン、無定形シリカ等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の平均粒子径(レーザ回折式 粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値)は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。
吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層全固形分に対して2〜95質量%、特に5〜90質量%程度であるのが好ましい。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径(レーザ回折式 粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値)は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であるのが好ましい。
上記有機中空粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形分に対して2〜90質量%、特に5〜70質量%程度であるのが好ましい。
なお、上記吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは上記使用量範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量が下塗層の全固形分に対して、5〜90質量%、特に10〜80質量%程度であるのが好ましい。
熱膨張性粒子としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合物でマイクロカプセル化した熱膨張性微粒子等が挙げられる。低沸点炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン等が挙げられる。
熱膨張性粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗層の全固形分に対して1〜80質量%程度、特に10〜70質量%程度であることが好ましい。
接着剤としては、前記感熱記録層に使用される接着剤が適宜使用し得るが、特にデンプン−酢酸ビニルグラフト共重合体、各種ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスが好ましい。
各種ポリビニルアルコールとしては、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
上記接着剤の使用割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形分に対して5〜30質量%程度、特に10〜25質量%程度であることが好ましい。
その他、各種助剤として、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等、公知のものを用いることができる。
下塗り層の塗布量は、乾燥重量で3〜20g/m程度、好ましくは5〜18g/m程度とするのが好ましい。また、下塗り層を2回以上に分けて塗布すると、記録感度や保存性が向上するため、より好ましい。
下塗り層用塗液の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等の従来公知の塗布方法がいずれも採用できる。
また、本発明の感熱記録体は、保護層を有しないものであってもよいが、必要に応じて、感熱記録層上に保護層を設けることもできる。保護層を構成する成分は公知の顔料、接着剤、各種助剤等を用いることができる。
保護層に使用する顔料としては、例えば、無定形シリカ、カオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、合成層状雲母、尿素−ホルマリン樹脂フィラー等のプラスティックピグメント等が挙げられる。
特に、前記の粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を用いると、記録感度、バリアー性およびスティッキングに優れるため、好ましく用いられる。
保護層中の粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子の含有量は保護層の全固形分に対して2〜70質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは3〜60質量%程度である。
また、保護層に使用する接着剤として、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、デンプン及びその誘導体、セルロース及びその誘導体、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
なかでも、顔料とのバインダー効果、可塑剤や油等の溶剤に対する記録部の保存性に特に優れていることから、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールが好ましく、とりわけアセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール等の各種変性ポリビニルアルコールがより好ましく用いられる。
なお、感熱記録層の塗布量は、乾燥重量で0.2〜8g/m程度、好ましくは0.5〜5g/m程度である。
その他、保護層中に公知の助剤、例えば、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等の各種助剤を適宜添加してもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
粒子径はレーザ回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製による50%値を測定した。
実施例1
・ロイコ染料分散液(A液)の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmとなるまで粉砕して(A液)を得た。
・保存性向上剤分散液(B液)の調製
4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン10部、ケイ酸マグネシウム0.5部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水15部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕した。更に分散液を70℃で4時間加熱処理を行い(B液)を得た。
・呈色剤分散液(C液)の調製
176.9℃、181.0℃、189.8℃にピークを有する融点を持ち、且つCu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕14.30、15.50、16.25にI/Iが500以上のピークを持つ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕して(C液)を得た。
・呈色剤分散液(D液)の調製
175.8℃、190.2℃にピークを有する融点を持ち、且つCu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕15.55、16.35、18.15にI/Iが500以上のピークを持つ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(A)10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕して(D液)を得た。
・増感剤分散液(E液)の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕して(E液)を得た。
・増感剤分散液(F液)の調製
シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して(F液)を得た。
・増感剤分散液(G液)の調製
シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して(G液)を得た。
・保存性向上剤分散液(H液)の調製
Figure 2008213377
前記一般式(1)で示された化合物(商品名:D−90、nが1〜7の合計含有比率が87質量%、日本曹達社製)10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(H液)を得た。
・呈色剤分散液(I液)の調製
191.8℃にピークを有する融点を持ち、且つCu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕16.95、17.30、20.65にI/Iが500以上のピークを持つ1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕して(I液)を得た。
・呈色剤分散液(J液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン10部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び水7.8部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.7μmになるまで粉砕して(J液)を得た。
・下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、スチレン−ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分50%)40部と、酸化澱粉の10%水溶液50部とを混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液34部、B液29部、C液25部、E液15部、シリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、平均二次粒子径300nm、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径11nm、濃度20%、比表面積280m/g、グレースデビソン社製)を25部、50%の軽質炭酸カルシウム分散液20部、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学工業社製)の10%水溶液100部からなる組成物を混合撹拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、重合度:1000、日本合成化学工業社製)の10%水溶液100部、アクリル樹脂(商品名:バリアスターOT−1035−1、固形分濃度25%、三井化学社製)40部、40%水酸化アルミニウム分散液40部、ステアリン酸亜鉛の30%分散液2部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
48g/mの原紙の片面上に、乾燥後の塗布量が9.0g/mになるように下塗り層用塗液を塗布乾燥し、下塗り層上に乾燥後の塗布量が4.5g/mとなるように感熱記録層用塗液を塗布乾燥した。更に感熱記録層上に乾燥後の塗布量が2.0g/mとなるように保護層用塗液を塗布乾燥した。その後スーパーカレンダーによって平滑化処理し、その表面の平滑度が王研式平滑度計で1000〜4000秒程度の感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のC液25部の代わりにD液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のE液15部の代わりにF液15部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のE液15部の代わりにG液15部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1のE液15部の代わりにF液10部、G液5部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、シリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、前出)25部の代わりに、シリカ(商品名:ミズカシルP527、平均二次粒子径4500nm、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径54nm、比表面積56m/g、水沢化学社製)を水に20%分散したものを25部用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例7
実施例1の保護層用塗液の調整において、40%水酸化アルミニウム分散液40部の代わりに、シリカ分散液(商品名:サイロジェット703A、平均二次粒子径300nm、二次粒子の平均粒子直径300nm、一次粒子の粒子径11nm、濃度20%、比表面積280m/g、グレースデビソン社製)80部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1の感熱記録体の作成において、48g/mの原紙の片面上に、乾燥後の塗布量が4.5g/mになるように下塗り層用塗液を塗布乾燥した上に、更に下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が4.5g/mになるように下塗り層を2層設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液29部の代わりにH液29部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、C液25部の代わりにI液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のC液25部の代わりにJ液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
かくして得られた11種類の感熱記録体について以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
・記録濃度
感熱評価機(商品名:バーラベ300、サトー社製)を用い、印字速度4インチ、印字エネルギー0.20mJ/dotで各感熱記録体をベタ発色させ、記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・バーコード読み取り性
感熱評価機(商品名:SR408、サトー社製)を用い、印字速度8インチ、印字濃度3Aで各感熱記録体のバーコード印字を行い、バーコード読取り機(商品名:ScanCheckII、REA Electronic GmbH社製)でANSIグレードを測定した。
A:バーコード読み取り性が特に優れる。
B:バーコード読み取り性が優れる。
C:バーコード読み取り性に劣る。
・耐熱性
各感熱記録体を90℃の乾燥機に24時間放置後、白紙部分の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
・耐油性
記録濃度で評価した記録部にサラダ油を塗布し、1時間後に拭き取った後の記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
Figure 2008213377

Claims (9)

  1. 支持体上に、少なくともロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層を設けた感熱記録体において、呈色剤として下記の特性(1)を有する1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンを含有することを特徴とする感熱記録体。
    (1)170〜195℃の範囲に2つ以上のピークを有する融点を持つ。
  2. 前記1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンがさらに下記の特性(2)を有する、請求項1に記載の感熱記録体。
    (2)Cu−Kα線による粉末蛍光X線回折法において、回折角(2θ)〔°〕14.30、15.50、15.55、16.25、16.35、18.15の少なくとも一つのピークがI/I:500以上である。
  3. 感熱記録層中に保存性向上剤として、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンを、感熱記録層の全固形分に対して0.5〜25質量%含有する、請求項1または2に記載の感熱記録体。
  4. 前記4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホンが、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、チタニウム化合物、及びタルクから選ばれる少なくとも一種の塩基性無機顔料と同一液体中において、50〜90℃の温度で加熱処理された分散液である、請求項3に記載の感熱記録体。
  5. 感熱記録層中に増感剤として、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、及びシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステルから選ばれる少なくとも一種を、感熱記録層の全固形分に対して3〜23質量%含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  6. 感熱記録層中に保存性向上剤として、下記一般式(1)であらわされる化合物、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンから選ばれる少なくとも一種を、感熱記録層の全固形分に対して0.5〜25質量%含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感熱記録体。
    Figure 2008213377
    (但し、nは1〜7の整数を表わす。)
  7. 感熱記録層中に顔料として、粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を、感熱記録層の全固形分に対し1〜35質量%含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  8. 前記感熱記録層上に、接着剤と顔料を含有する保護層を設け、且つ前記顔料として粒子径3nm以上30nm未満の無定形シリカ一次粒子が凝集してなる平均粒子直径30〜900nmの二次粒子を含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  9. 支持体と感熱記録層の間に下塗り層を設け、且つ下塗り層が少なくとも第1層及び該第1層上に形成された第2層からなる多層構造を有している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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