JP2004358762A - 感熱記録体 - Google Patents

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伸一 土井
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Abstract

【課題】記録濃度、保存性、耐水ブロッキング性および耐スティッキング性がバランス良く改善された保護層を有する感熱記録体に関するものである。
【解決手段】支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層を順次設けた感熱記録体において、前記保護層中の顔料として水酸化アルミニウム及びタルクが保護層全固形分に対して25〜80質量%含有され、且つ、タルクが、水酸化アルミニウム100質量部に対して、5〜60質量部含有されていることを特徴とする感熱記録体。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層上に保護層を有する感熱記録体に関するものであり、特に記録濃度、保存性、耐水ブロッキング性および耐スティッキング性に優れた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無色または淡色のロイコ染料と、有機または無機の呈色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつその保守も容易なため、例えばファクシミリ、コンピューターのアウトプット、ハンディーターミナル、POSシステム(店舗販売時点情報管理システム)、交通機関での乗車券、定期券等幅広い分野において使用されているが、最近これらの記録装置の多様化、高性能化により、感熱記録シートに対する要求品質も高度なものとなっている。
【0003】
即ち、記録の高速化に伴い、微少な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な印字画像が要求され、又、POSシステム用ラベル、乗車券、定期券等の用途では、水、食酢、油、可塑剤を含むラップ用塩化ビニルシート及び極性をもつ揮発性溶媒(エタノール、整髪剤)等の付着、接触による地肌カブリ、印字画像の消色、退色しないということが重要である。印字部の保存性改良については、従来より、感熱発色層上に、保護層を設ける方法があり、数多くのオーバーコート剤が提案されている。例えば、保護層としてフィルム形成能を有し、かつ耐酸性及び耐溶剤性に優れる樹脂からなる保護被膜を設ける(特許文献1を参照)、特定の官能基を有するポリウレタン樹脂を含む保護層を設ける(特許文献2を参照)、水溶性高分子化合物を主成分とし、更に疎水性樹脂または水溶性高分子化合物の親水基と架橋する耐水化剤を含有する被覆層を設ける(特許文献3を参照)、ポリビニルアルコールをポリアクリル酸のグリオキザール変性体と共に含有する保護層を設ける(特許文献4を参照)などが提案されている。
【0004】
しかし,従来提案されているこれらの方法では、印字部の保存性は改良されるが、耐スティッキング性が悪化する傾向にある。スティッキング現象とは、ヘッドと感熱紙の間に生じる融着状態のことで、この融着による接着により印字音が発生したり、ドット再現性が低下したりする。本来、感熱記録システムは、ドットインパクトプリンターに比べかなり低騒音であることが大きな特徴であったが、スティッキング現象が大きくなるとかなり大きな印字音が生じるようになる。
また、印字ドットの再現性の低下は、感熱紙が熱ヘッドに融着し、印字のための紙送りの障害の影響で起こるものである。また、特に、高湿下で記録紙をプリンターにセットして保存しておくと記録紙表面と、これに接する面が接着力をもってしまい、印字再開時にヘッドと記録紙の貼り付きによる印字障害、所謂ブロッキングの問題もある。
【0005】
これらのスティッキングトラブルを解決するために、保護層に種々のフィラーを添加することが提案されている。例えば、水酸化アルミニウムを添加する(特許文献5を参照)、カオリンと無定形シリカとを併用する(特許文献6を参照)、カオリン又は水酸化アルミニウムの少なくとも一種とシリカを併用する(特許文献7を参照)などが提案されているが、感熱記録体として記録濃度、印字部の保存性、耐水ブロッキング性及び耐スティッキング性を同時に満足するものが得られていないのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開昭54−128347号公報
【特許文献2】
特公平4−22153号公報
【特許文献3】
特公平4−71716号公報
【特許文献4】
特公平4−77672号公報
【特許文献5】
特開平6−135149号公報
【特許文献6】
特開平7−9762号公報
【特許文献7】
特開2002−240430号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、記録濃度、保存性、耐水ブロッキング性および耐スティッキング性がバランス良く改善された保護層を有する感熱記録体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層を順次設けた感熱記録体において、前記保護層中の顔料として水酸化アルミニウム及びタルクが保護層全固形分に対して25〜80質量%含有され、且つ、タルクが、水酸化アルミニウム100質量部に対して、5〜60質量部含有されていることを特徴とする。
前記水酸化アルミニウムの平均粒子径が0.4〜5μmであり、タルクの平均粒子径が1〜10μmであることが好ましい。
前記保護層中の接着剤として、アセトアセチル変性PVAを含有することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
感熱記録体のスティッキングを改善させるために、保護層中のワックスを増量するとヘッドカスが発生し、走行性が悪化する。また、顔料比率を高めて表面を粗くすると、発色濃度が低下し、通常は記録部のアルコール、可塑剤、油等による耐薬品性が低下する。しかし、保護層中に、水酸化アルミニウム及びタルクが保護層全固形分に対して25〜80質量%含有され、且つ、水酸化アルミニウム100質量部に対して、タルクを5〜60質量部含有することにより、記録濃度、保存性、耐水ブロッキング性および耐スティッキング性のいずれもがバランス良く改善させる効果が得られることがわかった。
【0010】
保護層中の水酸化アルミニムおよびタルクの配合量は、保護層全固形分に対して25〜80質量%、より好ましくは35〜70質量%程度である。水酸化アルミニウムおよびタルクの配合量が25質量%未満だと、スティッキングが悪化し、耐水ブロッキング性も低下する恐れがある。また、80質量%を超えて使用すると、記録濃度および印字部の保存性が低下する。
【0011】
さらに、保護層中には、水酸化アルミニウム100質量部に対しタルクを5〜60質量部、より好ましくは10〜45質量部配合することが好ましい。タルクの配合量が5質量部未満では、耐水ブロッキング性が悪化し、逆に、60質量部を超えると、表面平滑性が低下し、記録濃度、印字部の保存性が悪化する。
【0012】
水酸化アルミニウムとしては、平均粒子径が0.4〜5μm、タルクとしては1〜10μm程度の平均粒子径をもつものが好ましい。本発明での平均粒子径とは、詳しくは、水溶媒中で、レーザー回折法(商品名:レーザ回折式粒度部分布測定装置 SALD−2000、島津製作所社製)で測定した50%体積平均粒径をいう。平均粒子径が0.4μm未満の水酸化アルミニウム、1μm未満のタルクを使用した場合、耐スティッキング性、耐水ブロッキング性が悪化し、逆に、4μmを超える水酸化アルミニウム、10μmを超えるタルクを使用すると、記録濃度、印字部の保存性が悪化する。
【0013】
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、他の顔料、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、シリカ、硫酸バリウム、尿素−ホルマリン樹脂フィラー等を併用しても何ら差し支えない。
【0014】
保護層中に含有される接着剤としてはポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ブチラール化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、スルフォン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉およびその誘導体、カゼイン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアマイド、スチレン−無水マレイン酸共重合体の塩、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の塩、イソプロピレン−無水マレイン酸共重合体の塩等の水溶性樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリ塩化ビニルエマルジョン、ポリ塩化ビニリデンエマルジョン、メタクリル酸エステル共重合エマルジョン、アクリル酸エステル共重合体エマルジョン等の水分散性樹脂が使用できる。この中でも、特にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、塗料のポットライフが長く、良好な耐水性が付与でき、しかも低濃度のアルコールに対するバリヤーも向上するため好ましく用いられる。
【0015】
保護層中の接着剤の使用量は特に限定されないが、保護層全固形分100質量部に対して10〜70質量部、より好ましくは20〜60質量部程度である。接着剤の使用量が10質量部未満では保護層のバリヤー性が不十分となり、耐薬品性が低下する。また、70質量部を超えると、耐スティッキング性および耐水ブロッキング性が劣る。
【0016】
保護層用塗液中には必要に応じてグリオキザール、メチロールメラミン、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、硼酸、塩化アンモニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム等の耐水化剤を添加してもよい。またステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等の滑剤、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム等の界面活性剤、消泡剤、カリミョウバンや酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩、ベンゾフェノン系、トリアゾール系等の紫外線吸収剤、蛍光染料、着色染料等の各種助剤を適宜添加することもできる。
【0017】
本発明の感熱記録体は、支持体上に、ロイコ染料と前記ロイコ染料を加熱接触時発色せしめる顕色剤を主成分とする感熱発色層を設けたものである。本発明で使用されるロイコ染料としては、各種公知のものが使用可能であるが、その具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオラン等が挙げられる。なお、これらのロイコ染料は必要に応じて2種類以上を併用することができる。
【0018】
また、本発明においては顕色剤として電子受容性の種々の化合物としては、各種公知のものが使用可能で、例えば4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’,4’−トリメチレンジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−3’,4’−テトラメチレンジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ安息香酸−p−メトキシベンジル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミン)ジフェニルメタン等のスルホニル尿素誘導体、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−イソプロピルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(3−p−トリルスルホニルプロピルオキシ)サリチル酸等の芳香族カルボン酸等の亜鉛塩等が挙げられる。なお、これらの呈色剤も勿論必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0019】
前記ロイコ染料と顕色剤の使用割合は、用いるロイコ染料と顕色剤の種類に応じて適宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、ロイコ染料100質量部に対して、顕色剤が100〜1000質量部程度、好ましくは200〜600質量部程度である。
【0020】
また、本発明では目的に応じて増感剤を併用することもできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド類、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、パラベンジルビフェニル、ナフチルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−クロルベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル、1−ヒドロキシナフトエ酸フェニルエステルおよび各種公知の熱可融性物質等が挙げられる。増感剤の使用量は特に限定されないが、一般に顕色剤100質量部に対して400質量部以下程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0021】
感熱記録層の保存性を更に改良するために保存性改良剤を添加することも何ら差し支えない。このような保存性改良剤としては、例えば4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール類、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−3,4−エポキシブチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−2,3−エポキシブチル)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチルオキシ)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−2,3−エポキシブチルオキシ)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−1,2−グリシジルオキシ)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−グリシジルオキシ)−2’,4’−ジメチルジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−グリシジルオキシ)−2’,4’−ジクロロジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−グリシジルオキシメトキシ)ジフェニルスルフォン、4−(2−メチル−グリシジルオキシ)−4’−(p−メトキシベンジルオキシ)ジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン誘導体が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
【0022】
これらのロイコ染料、顕色剤、増感剤、保存性改良剤等は、一般に水を分散媒体とし、縦型あるいは横型サンドミル、アトライター、ボールミル、コボルミル等の各種湿式粉砕機によって、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩およびそれらの誘導体等のような水溶性高分子化合物のほか、界面活性剤等を使用して一緒に又は別々に平均粒子径が2μm以下となるように分散させ、分散液とした後、感熱記録層用塗料の調製に用いられる。本発明において、他に感熱記録層を構成する材料としては接着剤、無機または有機顔料、ワックス類、金属石鹸、更に必要に応じて紫外線吸収剤、蛍光染料、着色剤等を挙げることができる。
【0023】
接着剤の具体例としては、保護層に使用した接着剤を適宜選択して使用でき、感熱記録層の全固形分に対して5〜30質量%程度の範囲で配合される。
【0024】
感熱記録層に含有される顔料としては、例えばクレー、焼成クレー、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、珪藻土、合成珪酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系樹脂微粉末を挙げることができる。ワックスとしては、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックスのほか、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、および高級脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0025】
なお、本発明に使用できる支持体は、特に制限するものではなく、従来から感熱記録体の支持体として一般的に使用されているものであることができる。例えば、酸性紙あるいは中性紙さらには顔料塗工紙などの紙類、透明あるいは半透明の合成樹脂フィルム類、合成紙類等が挙げられる。
【0026】
感熱記録層および保護層の形成方法などについては特に限定されるものではなく、従来から周知慣用の技術に従って形成することができ、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショート・ドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、マイクログラビアコーティング等の適当な塗布方法により感熱記録層用塗液を乾燥重量で2〜15g/m、好ましくは3〜12g/m、また保護層用塗液を乾燥重量で0.5〜8.0g/m、好ましくは1.0〜5.0g/mの範囲となるように塗布・乾燥するのが望ましい。本発明の感熱記録体には感熱記録層と反対側に必要に応じて裏面層を設け、カールの矯正を図ることができる。裏面層(バックコート層)の塗料、および塗工方式は保護層と同様のものを利用してもよいし、必要に応じて塗工量、樹脂/顔料比率は変更して差し支えない。更に、必要に応じて感熱記録層の下にアンダーコート層を設ける等の諸々の変形をすることは何ら差し支えない。各層を設けた後、スーパーキャレンダー処理を施し、画質、画像濃度を向上させることもできる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中の「部」および「%」は、特記しない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0028】
(実施例1)
▲1▼下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス、EC社製)100部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液1部、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成社製)14部、酢ビ変性タピオカ澱粉(商品名:ペトロコートC−8、日澱化学社製)の10%水溶液50部及び水200部からなる組成物を混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
【0029】
▲2▼A液調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン15部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および水60部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して、A液を得た。
【0030】
▲3▼B液調製
4,4’−イソプロピリデンジフェノール35部、メチルセルロースの5%水溶液5部、および水60部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が1.0μmとなるまで粉砕して、B液を得た。
【0031】
▲4▼感熱記録層用塗液の調製
A液100部、B液100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、クラレ社製)の10%水溶液100部、軽質炭酸カルシウム10部、および水50部からなる組成物を混合・攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0032】
▲5▼保護層用顔料分散液の調製
▲5▼−1 保護層用タルク分散液の調製
水100部に、顔料としてタルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学社製)43部および分散助剤(商品名:ポイズ532A、花王社製)0.7部を加え4時間攪拌分散した後、平均粒子径が4.5μmである30%の保護層用タルク分散液を得た。なお、平均粒子径とは、分散直後の顔料分散物に水を加えて0.5質量%に希釈した被検液を、40℃の温水中に投入し回折/散乱光強度が70±10%になるように調整した後、30秒間超音波処理しレーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD−2000、島津製作所社製)により測定した、全顔料の50%体積に相当する顔料粒子の平均粒径である。
▲5▼−2 保護層用水酸化アルミニウム分散液の調製
水100部に、顔料として水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工社製)100部および分散助剤(商品名:ポイズ532A、花王社製)0.7部を加え4時間攪拌分散した後、平均粒子径が1μmである50%の保護層用水酸化アルミニウム分散液を得た。
【0033】
▲6▼保護層用塗液の調製
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、日本合成化学社製)の10%水溶液500部、前記タルクの30%水分散液40部、前記水酸化アルミニウムの50%水分散液180部及びステアリン酸亜鉛の36%水分散物6部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
【0034】
▲7▼感熱記録体の作製
坪量65g/mの上質紙の片面に、下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液および保護層用塗液を乾燥後の塗布量が8g/m、5g/m、3g/mとなるように順次塗布乾燥して、下塗り層、感熱記録層および保護層を設けた後、スーパーキャレンダー処理して感熱記録体を得た。
【0035】
(実施例2)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルクの30%水分散液40部のかわりに20部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0036】
(実施例3)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルクの30%水分散液40部のかわりに160部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0037】
(実施例4)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルクの30%水分散液40部のかわりに10部を使用し、水酸化アルミニウムの50%水分散液180部のかわりに42部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0038】
(実施例5)
実施例1の保護層用塗液の調製において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの10%水溶液500部のかわりに、完全ケン化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、クラレ社製)の10%水溶液500部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0039】
(比較例1)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学社製)の30%水分散液40部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0040】
(比較例2)
実施例1の保護層用塗液の調製において、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工社製)のかわりに、炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製)を使用して得られた、平均粒子径が1μmである50%水分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0041】
(比較例3)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学製)30%水分散液40部のかわりに100部とし、かつ水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工製)50%水分散液180部のかわりに76部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0042】
(比較例4)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学製)30%水分散液40部のかわりに4部とし、かつ水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工製)50%水分散液180部のかわりに76部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0043】
(比較例5)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学製)30%水分散液40部のかわりに90部とし、かつ水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42、昭和電工製)50%水分散液180部のかわりに450部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0044】
(比較例6)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学製)30%水分散液40部のかわりに5部とし、かつ水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42)50%水分散液180部のかわりに20部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0045】
(比較例7)
実施例1の保護層用塗液の調製において、水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42)のかわりに、カオリン(商品名:カオファイン90、シールカオリン社製)を使用して得られた、平均粒子径が0.5μmである50%水分散液を使用し、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学製)のかわりに、シリカ(商品名:ミズカシルP527、水澤化学製)を使用して得られた、平均粒子径が3.6μmである30%水分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0046】
(比較例8)
実施例1の保護層用塗液の調製において、タルク(商品名:ハイミクロンHE−5、竹原化学製)のかわりに、シリカ(商品名:ミズカシルP527、水澤化学製)を使用して得られた、平均粒子径が3.6μmである30%水分散液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0047】
かくして得られた13種類の感熱記録体について以下の評価試験を行い、得られた結果を表1に示した。
【0048】
・発色濃度
感熱シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を用いて、印加エネルギー0.4mj/dotで感熱記録体に記録を行い、得られた記録像の発色濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社製)で測定した。
【0049】
・耐可塑剤性
感熱シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電機社製)を使用し、印加エネルギー0.4mj/dotの条件で感熱記録体に記録を行い、三井化学プラテック製塩ビラップフィルム、ハイラップSASを発色部にのせ、500g/cmの荷重をかけ、40℃環境下で1週間おいた後、消色程度を目視で判定した。
◎:全く消色が認められない。
○:やや消色が認められるものの、十分判読ができ実用上問題ない。
△:消色が認められ、実用上問題がある。
×:完全に消色している。
【0050】
・耐水ブロッキング性
感熱記録プリンター(商品名:レスプリR12、サトー社製)にセットした状態で、35℃85%RH条件下で一昼夜放置した後、印字濃度:濃い、印字スピード:3インチ/秒の条件で印字し、印字開始時の印字障害の有無を確認する。
◎:紙と感熱ヘッドの貼り付きがなく、問題なく印字できる。
○:紙と感熱ヘッドがやや貼り付くが、実用上問題なく印字できる。
△:紙と感熱ヘッドが貼り付き、印字障害が発生し実用上問題がある。
×:紙と感熱ヘッドがかなり貼り付き、印字ができない。
【0051】
・耐スティッキング性
感熱記録プリンター(商品名:VP−35、精工舎社製)によって感熱記録体に黒べた部を含むテストパターンを記録し、発生したスティッキングの度合いを印字音及び印字面で判定した。
◎:スティッキングによる印字音はほとんどなく、印字面への影響もない。
○:スティッキングによる印字音は若干認められるが、印字面への影響はない。
△:スティッキングによる印字音は大きく、印字面でも白スジが若干みられる。
×:スティッキングによる印字音が激しくかつ、印字面で白スジが多発している。
【0052】
【表1】
Figure 2004358762
【0053】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明で得られた感熱記録体は、記録濃度、保存性、耐水ブロッキング性および耐スティッキング性がバランス良く改善された感熱記録体であった。

Claims (3)

  1. 支持体上に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、顔料と接着剤を主成分として含有する保護層を順次設けた感熱記録体において、前記保護層中の顔料として水酸化アルミニウム及びタルクが保護層全固形分に対して25〜80質量%含有され、且つ、タルクが、水酸化アルミニウム100質量部に対して、5〜60質量部含有されていることを特徴とする感熱記録体。
  2. 前記水酸化アルミニウムの平均粒子径が0.4〜5μmであり、タルクの平均粒子径が1〜10μmである請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記保護層中の接着剤として、アセトアセチル変性PVAを含有する請求項1または2に記載の感熱記録体。
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