JP2011156855A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、印字濃度、耐水性、溶剤バリア性、地肌カブリ防止、耐可塑剤性に優れた感熱記録体を提供することを目的とする。
【解決手段】
支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料および電子受容性フェノール系顕色剤を含有する感熱記録層、および該感熱記録層上に保護層を有する感熱記録体において、感熱記録層が塗工された後に、乾燥工程を挟むことなく保護層が塗工されることを特徴とする感熱記録体。さらに、特定の電子受容性フェノール系顕色剤を含有する感熱記録層であると、特に良好な品質が得られる。
【選択図】 なし
Description
感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンタ、自動券売機、計測用レコーダー等に広範囲に使用されており、その用途の多様化に伴い、高いレベルの画像安定性および白紙部の安定性が求められている。しかし、感熱記録層に含まれる電子供与性ロイコ染料および電子受容性顕色剤は、各種溶剤に容易に溶解するため、この感熱記録体は、水性インキペンや油性インキペン等のインキ、接着剤等に触れると白紙部が容易に発色したり、可塑剤などの薬品が記録画像に付着した場合に退色する問題がある。この様な欠点をなくす目的で、特許文献1および特許文献2には、顔料及び樹脂を主成分とする保護層を感熱記録層上に設ける技術が開示されている。
支持体上に塗工、乾燥して形成した感熱記録層上に保護層を設ける場合、保護層の塗料に含まれる水分によって感熱記録層は再湿潤化される。このとき、感熱記録層に含有させる顕色剤の水溶性が高いと、顕色剤の一部が再溶解して染料と反応し、地肌カブリ(地肌部の着色)が発生する。また、顕色剤が感熱記録層から溶出し、染料と反応する顕色剤量が減少するため印字濃度、保存性が低下する。更に、感熱記録層から溶出した顕色剤が保護層に混入し、保護層の耐水性、溶剤バリア性を著しく低下させる。この現象は、水溶性の高いフェノール系顕色剤において顕著であり、中でも2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノール、特に4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンにおいて顕著である。
このため、フェノール系顕色剤、特に4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを含有する感熱記録層上に保護層を設けた場合、十分な品質を得ることは困難であった。
そこで本発明は、感熱記録層中にフェノール系顕色剤を含有する感熱記録体において、十分な印字濃度、耐水性、溶剤バリア性、地肌カブリ防止、耐可塑剤性を備えた感熱記録体を提供することを課題とする。
また、保護層の塗工方法は、感熱記録層塗工後に乾燥工程を挟むことなく塗工することが可能であれば、特に制限されるものではない。保護層の塗工方法としては、エアーナイフ法、ロッドブレード法、ベントブレード法、ベベルブレード法、ロール法、スロット型カーテン法、スライド型カーテン法、スライドホッパー型カーテン法、ビード型カーテン法、スプレー法、ダイ法などを例示することが可能であり、これらの塗工方法から適宜選択され使用される。
本発明においては、感熱記録層と保護層の塗膜が接触する時間が短かく、拡散現象による材料の層間混合が最も少ないため、前記タンデムカーテン法により感熱記録層および保護層を塗工することが望ましい。タンデムカーテン法により感熱記録層および保護層を塗工する場合、感熱記録層を塗工してから保護層を塗工するまでの時間は、好ましくは1.0×10−4秒以上1秒以下、より好ましくは1.0×10−4秒以上0.1秒以下、特に好ましくは2.5×10−4秒以上0.01秒以下である。
保護層にカルボキシ変性ポリビニルアルコールと共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有させる。本発明の保護層が保護層1の構成、すなわちカルボキシ変性ポリビニルアルコールと共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有させる構成であると、優れた耐水性と耐水ブロッキング性が特異的に発現する。カルボキシ変性ポリビニルアルコールと共にエピクロロヒドリン系樹脂またはポリアミン/アミド系樹脂を各々単独で使用した場合、もしくはカルボキシ変性ポリビニルアルコールと共にエピクロロヒドリン系樹脂またはポリアミン/アミド系樹脂とその他一般的な架橋剤を併用した場合、例えばエピクロロヒドリン系樹脂またはポリアミン/アミド系樹脂とグリオキザールを併用した場合も前記効果は発現するが、保護層1の構成であると前記効果が顕著に発現するため好ましい。
保護層にガラス転移点(Tg)が50℃より高い非コアシェル型アクリル系樹脂を含有させる。本発明の保護層が保護層2の構成、すなわちガラス転移点(Tg)が50℃より高い非コアシェル型アクリル系樹脂を含有させる構成であると、優れた耐水性と耐水ブロッキング性が特異的に発現する。
保護層2の構成で使用する前記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分を含み、(メタ)アクリル酸がアクリル系樹脂100重量部中1〜10重量部であることが好ましい。(メタ)アクリル酸は、アルカリ可溶性であり、中和剤の添加によりアクリル系樹脂を水溶性樹脂にする特性を有している。アクリル系樹脂を水溶性樹脂に変化させることによって、特に保護層中に顔料を含有する場合、顔料への結合性が著しく向上し、多量の顔料含有下でも優れた強度を有する保護層を形成することができる。(メタ)アクリル酸と共重合可能な成分としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを例示できるが、特に(メタ)アクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチルを配合することが好ましい。(メタ)アクリロニトリルはアクリル系樹脂100部中15〜70部配合することが好ましい。また、メタクリル酸メチルはアクリル系樹脂100部中20〜80部含むことが好ましい。(メタ)アクリロニトリル及びメタクリル酸メチルを含む場合、(メタ)アクリロニトリルをアクリル系樹脂100部中15〜18部、メタクリル酸メチルをアクリル系樹脂100部中20〜80部配合することが好ましい。
前記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、水酸化アルミニウムなどの無機または有機充填剤などが挙げられる。サーマルヘッドの摩耗性などを考慮した場合、カオリン、焼成カオリン、水酸化アルミニウムが好ましい。
アスペクト比が30以上の顔料は、一般的に製紙材料として使用されている顔料に比べて非常に扁平であり、アスペクト比が30未満の顔料を使用した場合に比べて同面積を被覆するのに必要な顔料の使用量は少なくなる。つまり、保護層を薄くできるため、感熱記録層への熱伝導率の低下を抑えられ、優れた発色感度及び画質が得られると考えられる。前記顔料のアスペクト比は好ましくは30以上100以下であり、より好ましくは30以上75以下である。アスペクト比が100より大きくなると、塗工液の保水性が下がり、塗工適性が著しく低下すると共に、保護層が局所的に密になり発色感度ムラなどの問題が生じることがある。
なお、本発明において、顔料のアスペクト比とは、粉体を電子顕微鏡で撮影し、ランダムに抽出した粒子100個について、計算式(アスペクト比=直径/厚さ)を用いて算出し平均を求めた値であり、アスペクト比の値が大きい程、顔料の扁平度合いが大きいことになる。顔料のアスペクト比は、顔料粒子100個について、最も短い軸の長さ(厚さ)に対する直径の比の平均値である。
なお、前記アスペクト比が30以上のカオリンは、特殊粉砕することによりデラミネーションしたカオリンを分級するなどして得ることが可能である。
また、該カオリンは、その特異的な形状により、保護層が含有する顔料として単独で使用すると大きな効果を発揮するため好ましいが、所望の効果を阻害しない範囲で前記顔料と併用してもよい。該カオリンと前記顔料を併用する場合、保護層が含有する全顔料100重量部中、該カオリンの割合は好ましくは50重量部以上、より好ましくは80重量部以上である。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3、3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン、2、4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3、6、6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9、3'−フタリド〕、3、6、6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9、3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3、3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4、5、6、7−テトラブロモフタリド、3、3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4、5、6、7−テトラクロロフタリド、3、3−ビス−〔1、1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4、5、6、7−テトラブロモフタリド、3、3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4、5、6、7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3、3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3、6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム、3、6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム、1、1−ビス−〔2'、2'、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジニトリルエタン、1、1−ビス−〔2'、2'、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン、1、1−ビス−〔2'、2'、2''、2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2、2−ジアセチルエタン、ビス−〔2、2、2'、2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
下塗層、バックコート層等、前記必要に応じて設ける各塗工層の塗工方法は特に限定されるものではなく、周知慣用技術に従って塗工することができる。前記必要に応じて設ける各塗工層の塗工方法としては、エアーナイフ法、ロッドブレード法、ベントブレード法、ベベルブレード法、ロール法、スロット型カーテン法、スライド型カーテン法、スライドホッパー型カーテン法、ビード型カーテン法、スプレー法、ダイ法などを例示することが可能であり、これらの塗工方法から適宜選択され使用される。
また、各層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
下記配合からなる配合物を攪拌分散して、下塗層塗工液を調製した。
<下塗層塗工液>
焼成カオリン(エンゲルハード社製:アンシレックス90) 100部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製:ST5526、
固形分48%) 40部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 30部
水 160部
顕色剤分散液(A液)
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 18.8部
水 11.2部
ロイコ染料分散液(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山田化学社製:
ODB−2) 3.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 6.9部
水 3.9部
増感剤分散液(C液)
ジフェニルスルホン 6.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 18.8部
水 11.2部
<感熱記録層塗工液>
顕色剤分散液(A液) 36.0部
ロイコ染料分散液(B液) 13.8部
増感剤分散液(C液) 36.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製:PVA117、
固形分10%) 10.0部
水 25.0部
<保護層塗工液1>
水酸化アルミニウム(マーティンスベルグ社製:マーティフィンOL、
アスペクト比:5、平均粒子径:3.5μm)50%分散液 12.0部
カルボキシ変性ポリビニルアルコール(クラレ社製:KL118、
固形分12%) 26.7部
ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂溶液(星光PMC社製:WS4030、
固形分25%) 3.8部
変性ポリアミド樹脂溶液(住友化学社製:スミレッズレジンSPI102、
固形分45%) 2.1部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製:ハイドリンL536、固形分40%)3.8部
界面活性剤(日信化学社製:サーフィノール104P、固形分50%) 0.1部
下記の保護層塗工液2を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<保護層塗工液2>
水酸化アルミニウム(マーティンスベルグ社製:マーティフィンOL、
アスペクト比:5、平均粒子径:3.5μm)50%分散液 12.0部
非コアシェル型アクリル系樹脂(三井化学社製:ASN1004K、Tg55℃、
固形分18%) 30.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製:ハイドリンL536、固形分40%)2.0部
顕色剤分散液(A液)の4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホンに替え、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
タンデムカーテン法に替え、スライド多層カーテン法で、感熱記録層と保護層の間に乾燥工程を挟まずに塗工した以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を得た。
保護層用塗工液2の水酸化アルミニウムに替え、カオリン(IMERYS社製:Contour1500、アスペクト比:60、平均粒子径:2.5μm)を使用した以外は、実施例2と同様にして感熱記録体を作製した。
保護層を設けない以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
スロット型カーテンを用いて感熱記録層を塗工し、乾燥工程を挟んだ後にスロット型カーテンを用いて前記感熱記録層上に保護層を塗工した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
<印字濃度>
作製した感熱記録体について、印字試験機(大倉電機社製:TH−PMD、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.41mJ/dotでベタ印字した。記録部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、印字濃度を評価した。
作製した感熱記録体について、印字試験機(大倉電機社製:TH−PMD、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.41mJ/dotでベタ印字した。23℃、50%Rhの環境下で24時間水浸漬処理した後、印字部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値から残存率を算出し、耐水性を評価した。
残存率(%)=(処理後の記録濃度/処理前の記録濃度)×100
作製した感熱記録体について、保護層表面の上に水を10μl滴下し、保護層表面が内側になるように二つ折りにして、10gf/cm2の荷重を加えて40℃、90%Rhの環境下で24時間処理した。ブロッキング(張り付き)について目視にて下記の基準で評価した。
○:ブロッキングがなく、保護層表面の剥離もない。
△:ブロッキングがわずかに発生しているが、保護層表面の剥離はない。
×:ブロッキングが発生し、保護層表面の剥離がある。
作製した感熱記録体について、酢酸エチルを綿棒で保護層表面に塗布し、発色の度合いを目視で評価した。
◎:発色がなく、バリア性良好。
○:発色がほとんどない。
△:発色が少し発生している。
×:強く発色しており、バリア性が不足している。
作製した感熱記録体について、40℃、90%Rhの環境下で24時間処理し、非印字部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、地肌カブリの発生度合いを評価した。
作製した感熱記録体について、印字試験機(大倉電機社製:TH−PMD、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.41mJ/dotでベタ印字した。紙管に塩化ビニルラップ(三井東圧社製:ハイラップKMA)を1重に巻き付け、その上に印字部が外面となるように前記感熱記録体を置き、更にその上に前記塩化ビニルラップ塩ビラップを3重に巻き付けて固定した。23℃、50%RHの環境下で24時間処理した後、印字部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定し、処理前後の値から残存率を算出した。
残存率(%)=(処理後の記録濃度/処理前の記録濃度)×100
Claims (7)
- 支持体上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料および電子受容性フェノール系顕色剤を含有する感熱記録層、および該感熱記録層上に保護層を有する感熱記録体において、感熱記録層が塗工された後に、乾燥工程を挟むことなく保護層が塗工されることを特徴とする感熱記録体。
- 前記電子受容性フェノール系顕色剤が2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録体。
- 前記電子受容性フェノール系顕色剤が4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項2に記載の感熱記録体。
- 前記感熱記録層および前記保護層が、タンデムカーテン法によって塗工されることを特徴とする請求項2または3に記載の感熱記録体。
- 前記保護層が、カルボキシ変性ポリビニルアルコールと共に、エピクロロヒドリン系樹脂及びポリアミン/アミド系樹脂を含有することを特徴とした請求項4に記載の感熱記録体。
- 前記保護層が、ガラス転移点(Tg)が50℃よりも高い非コアシェル型アクリル系樹脂を含有することを特徴とした請求項4に記載の感熱記録体。
- 前記保護層が、アスペクト比が30以上の顔料を含有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の感熱記録体。
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2010
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