JP5871563B2 - 感熱記録体 - Google Patents

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Description

この発明は、プラスチックフィルムから成る支持体上に感熱記録層と保護層を設けた感熱記録体に関し、より詳細には、プラスチックフィルムを支持体として、塗工欠陥が減少した感熱記録体に関する。
感熱記録体は通常無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料(以下、「ロイコ染料」ともいう)とフェノール性化合物等の電子受容性顕色剤(以下、「顕色剤」ともいう)とを、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他の助剤を添加して得られた塗工液を、紙、合成紙、フィルム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザー光等の加熱による瞬時の化学反応により発色し、記録画像が得られる。感熱記録体は、ファクシミリ、コンピューターの端末プリンター、自動券売機、計測用レコーダー等に広範囲に使用されている。
寸法安定性や強度が良いことから、支持体にプラスチックフィルムを用いた感熱記録体が増加しているが(特許文献1等)、感熱記録体の支持体にプラスチックフィルムを用いた場合に、水分により塗工層が剥離する問題を解決するために、感熱記録層上にポリオレフィン系樹脂を含む保護層と光沢層を設けた感熱記録体が開発されている(特許文献2)。
また、耐久性や耐水性を要求される屋外用途で使用される感熱記録体においては、感熱記録層の上にアクリル系樹脂のエマルションを含有させた保護層を設けることが行なわれている(特許文献3〜6等)。
特開2007−130991 特開2001−150813 国際公開WO2010/110209 国際公開WO2007/049621 特開平6−262853 特開2004−74531
感熱記録体の支持体にプラスチックフィルムを用いた場合、表面強度や耐水性を高めるために、一般に感熱記録層上に保護層を設ける。
しかし、プラスチックフィルムは、紙に比べて水やその他の溶媒の吸液性がないため、感熱記録層に塗工液中の水などの溶媒が残存することにより、さざ波状の塗工欠陥が生じやすい(後述の比較例2、図1参照)。この塗工欠陥は光の透過状態の差異に起因することから、支持体に透明なプラスチックフィルムを用いた場合、より顕著に視認される。また、この問題は、プラスチックフィルムへの接着性や粘着性を向上させる塗工液を用いた場合には、さらに顕著になる。
この問題は、保護層にオレフィン系樹脂を含有させることにより解消することができるが(後述の比較例5)、その一方で、オレフィン系樹脂は耐熱性や表面強度が弱いため、印字時にスティッキングの問題が生じる。保護層上に更に塗工層を設けることにより、この問題を解決することが提案されている(特許文献2)。
そのため、本発明は、プラスチックフィルムを支持体とし、その上に順次感熱記録層と最外層として保護層を設けた感熱記録体において、塗工欠陥が減少した感熱記録体を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、支持体としてプラスチックフィルムを用い、順次感熱記録層と最外層として保護層を設け、この保護層にアクリル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を含有させることにより、このような感熱記録体に要求される耐水性等について通常の性能を示し、かつ塗工欠陥の発生を防ぐことができることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、プラスチックフィルム上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層及び該感熱記録層上に最外層として保護層を有する感熱記録体において、該保護層が、ガラス転移点が50℃より高く95℃以下であるアクリル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を含有する感熱記録体である。

比較例2で作製した感熱記録体(10.5×14cm)の保護層表面の写真である。支持体はPETフィルムであり、保護層表面にさざ波状の塗工欠陥が生じている。
本発明の感熱記録体は、プラスチックフィルム(支持体)上に感熱記録層を設け、その上に最外層として保護層を設け、この保護層がアクリル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を含有する。
本発明で用いるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等が挙げられる。また、具体的には、JSR社製ノルボルネン系フィルム(商品名:ARTONフィルム)、日本ゼオン社製シクロオレフィン系フィルム(商品名:ゼオノアフィルム)、これらのフィルムを組み合わせた複合フィルムを例示することができる。特に、光透過性を要求される用途に用いられる場合には、支持体は前述の樹脂フィルムのうち、全光線透過率が30%以上のものが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂は、エチレンやプロピレン等のオレフィンの重合体であり、モノポリマーでも、これら以外のビニル化合物とのコポリマーでもよい。
本発明で用いるポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン・不飽和カルボン酸共重合体が好ましい。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン等が好ましく、エチレンが特に好ましい。不飽和カルボン酸としては、好ましくは(メタ)アクリル酸(即ち、アクリル酸又はメタクリル酸)、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等、より好ましくは(メタ)アクリル酸である。オレフィン・不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体やプロピレンと(メタ)アクリル酸共重合体の共重合体が好ましい。
このようなポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは10,000〜50,000である。重量平均分子量が5,000未満であると、ブロッキングが生じることがある。また、重量平均分子量が100,000を越えるものは生産性に問題が生じることがある。
オレフィン・不飽和カルボン酸共重合体としては、例えば、ハイテックS−3121、ハイテックS−3123、ハイテックS−3127(以上、東邦化学工業株式会社製)、ザイクセン−A−GH、ザイクセン−AC、ザイクセン−N,ザイクセン−L(以上、住友精化株式会社製)等が挙げられる。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸及び、(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分(オレフィンを除く)から成る。(メタ)アクリル酸は、アクリル系樹脂100部中1〜10部配合することが好ましい。(メタ)アクリル酸は、アルカリ可溶性であり、中和剤の添加によりアクリル系樹脂を水溶性樹脂にする特性を有している。アクリル系樹脂を水溶性樹脂に変化させることによって、特に保護層中に顔料を含有する場合、顔料への結合性が著しく向上し、多量の顔料含有下でも優れた強度を有する保護層を形成することができる。(メタ)アクリル酸と共重合可能な成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを例示できるが、特に(メタ)アクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチルを配合することが好ましい。(メタ)アクリロニトリルはアクリル系樹脂100部中15〜70部配合することが好ましい。また、メタクリル酸メチルはアクリル系樹脂100部中20〜80部含むことが好ましい。(メタ)アクリロニトリル及びメタクリル酸メチルを含む場合、(メタ)アクリロニトリルをアクリル系樹脂100部中15〜18部、メタクリル酸メチルをアクリル系樹脂100部中20〜80部配合することが好ましい。
本発明におけるアクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)は50℃より高く95℃以下である。Tgが50℃以下であると、耐水性は向上するが、十分な耐熱性が得られないため、スティックを生じやすくなる。一方、Tgが高いアクリル系樹脂を含有させると耐スティック性や耐擦過性は向上する傾向だが、Tgが高すぎると保護層が脆くなり、耐水性、耐可塑剤性や耐溶剤性が十分ではなくなり、目的とする効果が得られない場合がある。なお、アクリル系樹脂のTgは示差走査熱量測定(DSC)によって測定する。
本発明で使用するアクリル系樹脂は、好ましくは非コアシェル型アクリル系樹脂である。一般に、コアシェル型アクリル系樹脂は、非コアシェル型アクリル系樹脂に比べて耐熱性が優れ、塗工層に用いた場合に耐スティック性に優れるため多用されている。しかし、コアシェル型アクリル系樹脂のシェル部は、通常熱伝導性が低いために発色感度が悪いという欠点も併せ持っている。一方、通常の非コアシェル型アクリル系樹脂は耐熱性が低く、スティックやヘッドカスなどが発生しやすい欠点を持っていたが、本願発明で使用するTgが50℃より高く95℃以下である非コアシェル型アクリル系樹脂は、耐熱性に優れているため、発色感度が良好であるとともに、耐スティック性や耐ヘッドカス性が良好であるという利点がある。
また、本発明の保護層は、顔料を含まないことが好ましい。顔料としては、カオリン、焼成カオリン、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、タルク、酸化チタンなどの無機又は有機充填剤などが挙げられる。
また、本発明の保護層は、上記成分以外に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、架橋剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を、本願発明の効果を阻害しない限り、含有してもよい。
本発明の保護層中の、ポリオレフィン系樹脂の配合量は、固形分で、好ましくは3〜60重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
本発明の保護層中の、アクリル系樹脂の配合量は、固形分で、好ましくは15〜97重量%、より好ましくは50〜95重量%である。
ポリオレフィン系樹脂/アクリル系樹脂の配合重量比(固形分)は、好ましくは3/97〜50/50、より好ましくは5/95〜40/60である。
保護層中のポリオレフィン系樹脂とアクリル系樹脂の合計配合量は、固形分として、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは40〜90重量%である。
本発明の感熱記録層は、無色ないし淡色のロイコ染料及び顕色剤を含有し、更に増感剤、バインダー、架橋剤、滑剤、上記の顔料、その他の各種成分を含有してもよい。
本発明で使用するロイコ染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のものは全て使用可能であり、特に制限されるものではないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以下に代表的な無色ないし淡色のロイコ染料(染料前駆体)の具体例を示す。また、これらの染料前駆体は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
<トリフェニルメタン系ロイコ染料>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド〔別名クリスタルバイオレットラクトン〕; 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド〔別名マラカイトグリーンラクトン〕
<フルオラン系ロイコ染料>
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン;3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン; 3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔c〕フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニリノフルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン; 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン; 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフェニル)アミノアニリノフルオラン; 2,4−ジメチル−6−〔(4−ジメチルアミノ)アニリノ〕−フルオラン
<フルオレン系ロイコ染料>
3,6,6'−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕; 3,6,6'−トリス(ジエチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3'−フタリド〕
<ジビニル系ロイコ染料>
3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド; 3,3−ビス−〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド; 3,3−ビス−〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
<その他>
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド; 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3'−ニトロ)アニリノラクタム; 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4'−ニトロ)アニリノラクタム; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジニトリルエタン; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2−β−ナフトイルエタン; 1,1−ビス−〔2',2',2'',2''−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−2,2−ジアセチルエタン; ビス−〔2,2,2',2'−テトラキス−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル〕−メチルマロン酸ジメチルエステル
本発明で用いる顕色剤としては、例えば、活性白土、アタパルジャイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4,4'−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−n−プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4'−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4'−ベンジルオキシフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4'−メチルフェニルスルホン、1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタン、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物、特開平8−59603号公報記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、1,5−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、ジ(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、2,2'−チオビス(3−tert−オクチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−tert−オクチルフェノール)、WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物等のフェノール性化合物、WO02/081229号あるいは特開2002−301873号公報記載の化合物、またN,N'−ジ−m−クロロフェニルチオウレア等のチオ尿素化合物、p−クロロ安息香酸、没食子酸ステアリル、ビス[4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛]2水和物、4−[2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸の芳香族カルボン酸、及びこれらの芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属塩との塩、さらにはチオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テレフタルアルデヒド酸と他の芳香族カルボン酸との複合亜鉛塩等が挙げられる。これらの顕色剤は、単独又は2種以上混合して使用することもできる。1−[4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ]−4−[4−(4−イソプロポキシフェニルスルホニル)フェノキシ]ブタンは、例えば、株式会社エーピーアイコーポレーション製商品名JKY−214として入手可能であり、特開2003−154760号公報記載のフェノール縮合組成物は、例えば、株式会社エーピーアイコーポレーション製商品名JKY−224として入手可能であり、国際公開WO97/16420号に記載のジフェニルスルホン架橋型化合物は、日本曹達(株)製商品名D−90として入手可能である。また、WO02/081229号等に記載の化合物は、日本曹達(株)製商品名NKK−395、D−100として入手可能である。この他、特開平10−258577号公報記載の高級脂肪酸金属複塩や多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を含有することもできる。
本発明で使用する増感剤としては、ジフェニルスルホン、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂肪酸アマイド、ベンジルオキシナフタレン、1,2−ジ−(3−メチルフェノキシ)エタン、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)などを例示することができるが、この限りではない。これらの増感剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
バインダーとしては、上記アクリル系樹脂、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、末端アルキル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロースエーテル及びその誘導体、澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉(例えば、ヒドロキシエチル化澱粉など)、カチオン化澱粉などの澱粉類、ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドなどのポリアクリルアミド類、ポリエステルポリウレタン系樹脂、ポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリウレタン系アイオノマー樹脂などのウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などのスチレン−ブタジエン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、アラビヤゴム、ポリビニルブチラール、ポリスチロース及びそれらの共重合体、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クマロン樹脂などを例示することができる。これらは併用してもよい。
本発明で使用するバインダーとしては、プラスチックフィルムへの接着性や粘着性を向上させるために、上記ウレタン系樹脂やスチレン−ブタジエン系樹脂のエマルションやラテックスが好ましい。
架橋剤としては、グリオキザール、メチロールメラミン、メラミンホルムアルデヒド樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、ホウ砂、ホウ酸、ミョウバン、塩化アンモニウムなどを例示することができる。
滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、ワックス類、シリコーン樹脂類などが挙げられる。
また、記録画像の耐油性効果などを示す画像安定剤として、4,4'−ブチリデン(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチル−4,4'−スルホニルジフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4−ベンジルオキシ−4'−(2,3−エポキシ−2−メチルプロポキシ)ジフェニルスルホン等を添加することもできる。
このほかにベンゾフェノン系やトリアゾール系の紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料等を使用することができる。
本発明に使用するロイコ染料、顕色剤、増感剤、その他の各種成分の種類及び量は、要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定されるものではないが、感熱記録層においては、通常ロイコ染料1重量部に対して顕色剤0.5〜10重量部、顔料0.5〜20重量部、増感剤0.1〜10重量部程度、安定化剤0.01〜10重量部程度、その他の成分0.01〜10重量部が使用され、バインダーは感熱記録層固形分中5〜50重量%程度が適当である。
ロイコ染料、顕色剤並びに必要に応じて添加する材料は、ボールミル、アトライター、サンドグライダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とする。この塗液に用いる溶媒としては水あるいはアルコール等を用いることができ、その固形分は20〜40重量%程度である。
上記塗液を、プラスチックフィルムの支持体に塗工することによって目的とする感熱記録体が得られる。
各層の塗工方法としては、エアーナイフ法、ロッドブレード法、ベントブレード法、ベベルブレード法、ロール法、スロット型カーテン法、スライド型カーテン法、スライドホッパー型カーテン法、ビード型カーテン法、スプレー法、ダイ法などを例示することが可能であり、これらの塗工方法から適宜選択され使用される。
感熱記録層の塗工量は通常2〜10g/m程度であり、保護層の塗工量は通常1〜5g/m程度である。
また、各層の塗工後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理を施すなど、感熱記録体分野における各種公知の技術を必要適宜付加することができる。
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。なお説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
まず、下記配合の顕色剤分散液(A液)、ロイコ染料分散液(B液)及び増感剤分散液(C液)を、それぞれ別々にサンドグラインダーで平均粒子径0.5ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。
顕色剤分散液(A液)
4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン(日本曹達社製、D8)
6.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 18.8部
水 11.2部
ロイコ染料分散液(B液)
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(山田化学社製、ODB2) 3.0部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 6.9部
水 3.9部
増感剤分散液(C液)
シュウ酸ビス(p-メチルベンジル)(大日本インキ社製、HS3520)
1.5部
ポリビニルアルコール 10%水溶液 4.7部
水 2.8部
次いで、下記の割合で分散液を混合して感熱記録層用塗液を調製した。
<感熱記録層用塗液1(以下「SBR処方」という。)>
顕色剤分散液(A液) 36.0部
ロイコ染料分散液(B液) 13.8部
増感剤分散液(C液) 9.0部
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%) 16.0部
ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(花王社製、ペレックスOT−P、
固形分70%) 0.15部
水 15.0部
<感熱記録層用塗液2(以下「PVA処方」という。)>
顕色剤分散液(A液) 36.0部
ロイコ染料分散液(B液) 13.8部
増感剤分散液(C液) 9.0部
完全ケン化型ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)12%水溶液
25.0部
次いで、下記割合からなる配合物を混合して保護層用塗液とした。
<保護層用塗液1>
非コアシェル型アクリル樹脂エマルション(三井化学社製、ASN1004K、
Tg55℃、固形分18%) 24.0部
自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルション(住友精化社製、ザイクセン−A−GH、
固形分24.4%) 3.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、ハイドリンL536、固形分40%)
4.0部
ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(花王社製、ペレックスOT−P、
固形分70%) 0.07部
水 30.0部
<保護層用塗液2>
非コアシェル型アクリル樹脂エマルション(三井化学社製、ASN1004K、
Tg55℃、固形分18%) 24.0部
自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルション (住友精化社製、ザイクセン−AC、
固形分30.0%) 2.5部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、ハイドリンL536、固形分40%)
4.0部
ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(花王社製、ペレックスOT−P、
固形分70%) 0.07部
水 30.0部
<保護層用塗液3>
完全ケン化型ポリビニルアルコール(クラレ社製、PVA117)12%水溶液
42.0部
グリオキザール(40%水溶液) 5.0部
ステアリン酸亜鉛(中京油脂社製、ハイドリンL536、固形分40%)
4.0部
水 27.0部
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、テイジンテトロン330、厚さ38μm、全光線透過率82%。以下「PETフィルム」という。)上に、感熱記録層用塗液1(SBR処方)を乾燥後の塗布量が5.0g/mとなるように塗布、乾燥したのち、さらに保護層用塗液1を乾燥後の塗布量が3.0g/mとなるように塗布、乾燥して感熱記録体を作製した。
[実施例2]
実施例1のPETフィルムをトリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム社製、フジタック、厚さ40μm、全光線透過率90%。以下「TACフィルム」という。)に代えた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例3]
感熱記録層用塗液1(SBR処方)中のスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%)16.0部を、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分48%)6.0部と自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルション(住友精化社製、ザイクセン−A−GH、固形分24.4%)15.0部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例4]
保護層用塗液1に代えて保護層用塗液2を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例5]
保護層用塗液1中の非コアシェル型アクリル樹脂エマルションを、非コアシェル型アクリル樹脂エマルション(三井化学社製、XNP3、Tg35℃、固形分18%)に代えた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例6]
保護層用塗液1中の非コアシェル型アクリル樹脂エマルション24.0部を、コアシェル型アクリル系樹脂(日本ペイント社製、N−538、Tg100℃、固形分20%)22.0部に代えた以外は、実施例1と同様に感熱記録体を作製した。
[実施例7]
保護層用塗液1中の非コアシェル型アクリル樹脂エマルションと自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルションの配合部数を、それぞれ12.0部に代えた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[実施例8]
保護層用塗液1中の非コアシェル型アクリル樹脂エマルションの配合部数を27.5部、自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルションの配合部数を0.3部に代えた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例1]
紙支持体(坪量60g/mの基紙)上に、感熱記録層用塗液2(PVA処方)を乾燥後の塗布量が5.0g/mとなるように塗布、乾燥したのち、さらに保護層用塗液3を乾燥後の塗布量が3.0g/mとなるように塗布、乾燥して感熱記録体を作製した。
[比較例2]
保護層用塗液1に代えて保護層用塗液3を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。作製した感熱記録体の保護層表面の写真を図1に示す。
[比較例3]
保護層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例4]
保護層用塗液1の自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルションを配合せず、非コアシェル型アクリル樹脂エマルションの配合部数を27.5部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
[比較例5]
保護層用塗液1の非コアシェル型アクリル樹脂エマルションを配合せず、自己乳化型ポリオレフィン樹脂エマルションの配合部数を20.5部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。
作製した感熱記録体について、下記評価を行った。
<印字濃度>
作製した感熱記録体について、大倉電機社製のTH−PMD(感熱記録紙印字試験機、京セラ社製サーマルヘッドを装着)を用い、印加エネルギー0.42mJ/dot、印字速度50mm/secで印字した。記録部の印字濃度を、マクベス濃度計(RD−914、アンバーフィルター使用)で測定した。
<塗工欠陥>
作製した感熱記録体について、塗工面の塗工欠陥(さざ波状)を目視にて下記の基準で評価した。
◎:さざ波状の塗工欠陥が見られない。
○:さざ波状の塗工欠陥がほとんどない。
△:さざ波状の塗工欠陥が僅かに見られる。
×:さざ波状の塗工欠陥が多く見られる。
<耐水性>
作製した感熱記録体について、23℃、50%Rhの環境下で24時間水浸漬処理した後、目視にて塗工層の状態を観察した。
◎:割れや剥離が見られない。
○:割れや剥離がほとんどない。
△:割れや剥離が僅かに見られる。
×:割れや剥離が多く見られる。
<印字走行性>
作製した感熱記録体について、印字試験機(キヤノン社製、HT180)を用い、0℃の環境下で印加エネルギー0.20mJ/dotでベタ印字した。この時の印字状態について、下記の基準で評価した。記録体の最表層が印字試験機のヘッドに粘着して、部分的に印字できないことを「白飛び」と言い、最表層が印字試験機のヘッドに粘着することにより引き起こされる印字試験機のノイズを「騒音」と言う。
◎:ベタ印字部に白飛びが発生せず、騒音もほとんどない。
○:ベタ印字部に白飛びが発生しないが、騒音が少し発生する。
△:ベタ印字部に白飛びが若干発生し、騒音は少し発生する。
×:ベタ印字部に白飛びが頻発し、騒音も大きい。
評価結果を表1に示す。

Claims (7)

  1. プラスチックフィルム上に、無色ないし淡色の電子供与性ロイコ染料及び電子受容性顕色剤を含有する感熱記録層及び該感熱記録層上に最外層として保護層を有する感熱記録体において、該保護層が、ガラス転移点が50℃より高く95℃以下であるアクリル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂を含有する感熱記録体。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂が、オレフィン・不飽和カルボン酸共重合体である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記アクリル系樹脂が、非コアシェル型アクリル系樹脂である請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記保護層中の、ポリオレフィン系樹脂の配合量(固形分)が、3〜60重量%である請求項1〜のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  5. 前記保護層中の、アクリル系樹脂の配合量(固形分)が、15〜97重量%である請求項1〜のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂/アクリル系樹脂の配合重量比(固形分)が、3/97〜50/50である請求項1〜のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  7. 前記感熱記録層が、ウレタン系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂のエマルション又はラテックスを含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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