JP2011000720A - 透明感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】カールバランス、特に低湿環境によって発生するカールに対して優れた安定性を示し、且つ光による干渉縞の発生を抑制した透明感熱記録体を提供する。
【解決手段】透明支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設け、他方の面に接着剤を主成分とする裏面層を設けた透明感熱記録体において、裏面層が粗面の上に設けられ、粗面の中心線平均粗さ(Ra値)が0.08〜1.0μmであることを特徴とする。透明支持体と裏面層の間に、顔料と接着剤を主成分とする裏面中間層を設けてなる粗面が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】透明支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設け、他方の面に接着剤を主成分とする裏面層を設けた透明感熱記録体において、裏面層が粗面の上に設けられ、粗面の中心線平均粗さ(Ra値)が0.08〜1.0μmであることを特徴とする。透明支持体と裏面層の間に、顔料と接着剤を主成分とする裏面中間層を設けてなる粗面が好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、加熱により発色する感熱記録体に関し、特にシャウカステンによる医療画像診断用の透明感熱記録体に関するものである。
感熱記録体は比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易であるため、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算機、ビデオ用、医療画像診断用及びその他の用途の記録媒体として、従来から幅広い分野において使用されている。
近年、医療分野を中心に、銀塩X線フィルムの湿式プロセスに起因する廃液処理問題及び画像のデジタル化の流れから、医療画像用の銀塩フィルムに代わる記録媒体として、透明性と記録画質に優れた透明感熱記録体の開発要望が高まっている。これらの用途に使用される透明感熱記録体は透明性と高画質が必要とされるため支持体に平滑な透明フィルムが使用されている。
前記用途に使用されるフィルムメディアにおいて、カールバランス調整、印画時の給紙特性の向上、または運搬その他の取扱い時における摩擦や引っ掻き等による傷の発生防止等を目的として、記録面とは反対側の面に樹脂を主成分とした裏面層が設けられることがある。例えば、カールバランス調整、特に低湿環境における記録面側へのカールを矯正するため、裏面層の樹脂成分としてアクリルアミド系樹脂接着剤を使用することが提案されている(特許文献1)。また、帯電防止のため、バック層上にポリエステル樹脂で分散された導電性金属酸化物からなる帯電防止層を2層設けることが提案されている(特許文献2)。
ところで、剛度、透明性、寸法安定性といった点で優れた特性を持つポリエチレンテレフタレートフィルムは、透明なメディアの支持体として広く用いられているが、主鎖に含まれるベンゼン環のため他の汎用フィルムと比べ比較的高い屈折率を示す。このため、特に接着剤としてアクリルアミド系樹脂を主成分とした裏面層を用いた場合、裏面層と基材フィルムとの屈折率の差から、光による干渉縞が発生し易い問題があり、必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
本発明の課題は、カールバランス、特に低湿環境によって発生するカールに対して優れた安定性を示し、且つ光による干渉縞の発生を抑制した透明感熱記録体を提供することにある。
本発明者らは、透明支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設け、他方の面に接着剤を主成分とする裏面層を設けた透明感熱記録体において、裏面層が粗面の上に設けられ、粗面の中心線平均粗さ(Ra値)が0.08〜1.0μmであることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の透明感熱記録体にかかる。
項1:透明支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設け、他方の面に接着剤を主成分とする裏面層を設けた透明感熱記録体において、前記裏面層が粗面の上に設けられ、前記粗面の中心線平均粗さ(Ra値)が0.08〜1.0μmであることを特徴とする透明感熱記録体。
項2:前記粗面が前記透明支持体と前記裏面層の間に、顔料と接着剤を主成分とする裏面中間層を設けてなる粗面である、項1に記載の透明感熱記録体。
項3:前記裏面層が前記接着剤として(メタ)アクリルアミド及び前記(メタ)アクリルアミドと共重合可能な不飽和単量体からなる単量体成分を共重合させて得られる樹脂を含有する、項1または2に記載の透明感熱記録体。
項4:前記裏面層が前記接着剤として前記(メタ)アクリルアミド及び前記(メタ)アクリルアミドと共重合可能な不飽和単量体からなる単量体成分を共重合させて得られる樹脂成分を、少なくとも一相に含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤を含有する、項1〜3のいずれか1項に記載の透明感熱記録体。
本発明の透明感熱記録体は、湿度環境の変化により発生するカールの安定性に優れ、且つ光による干渉縞の発生を抑制できる。
本発明では、透明支持体の一方の面に感熱記録層が設けられ、他方の面の粗面上に裏面層が設けられている。かかる粗面は、サンドブラスト、ケミカルエッチング及びエンボス加工等の表面処理により透明支持体の他方の面を粗面化して形成することもでき、あるいは透明支持体と裏面層との間に、顔料と接着剤を主成分とする裏面中間層を設けることにより形成することもできる。本発明では、顔料の種類と粒子径を調節することにより、粗面の中心線平均粗さ(Ra値)を特定の範囲に調整できるため、裏面中間層を設けることが好ましい。
裏面中間層に使用される顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等の無機顔料、並びにアクリル系、スチレン系、シリコーン系、ポリカーボネート系等の有機フィラー等が挙げられる。これらの中でも、透明性を維持するため、接着剤成分と屈折率の近いアクリル系有機フィラー等が好ましい。また、無機顔料でも扁平性の高いカオリン等の顔料が、裏面中間層上に裏面層を設けた際に透明性を向上でき、好ましい。
裏面中間層に使用される接着剤としては、フィルムとの密着性、及び裏面層よりも比較的高い屈折率を維持して、干渉縞を効果的に抑制する観点から、ウレタン系ラテックス若しくはウレタン−アクリル系ラテックスを、裏面中間層の全固形量に対して30質量%以上含有させることが好ましい。
本発明における粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.08〜1.0μmの範囲である。より好ましくは、0.20〜0.95μm程度である。0.08μm以上とすることにより、光による干渉縞の発生を抑制できる。一方、1.0μm以下とすることにより、透明性を維持できる。粗面の中心線平均粗さ(Ra値)を特定の範囲に調整するため、裏面中間層の塗布量は、使用される顔料の平均粒子径に近い厚さとなるように調節することが好ましい。
裏面中間層は、一般に水を媒体として、例えば、カオリン等の顔料、ウレタン系ラテックスを混合することにより調製された裏面中間層用塗液を、透明支持体の一方の面に設ける感熱記録層の反対側の他方の面上に、乾燥後の塗布量が好ましくは、使用される顔料の平均粒子径に近い厚さとなるように塗布及び乾燥して設けられる。
本発明における裏面層は、接着剤として(メタ)アクリルアミド及び(メタ)アクリルアミドと共重合可能な不飽和単量体からなる単量体成分を共重合させて得られる樹脂を含有することが好ましい。これにより、低湿環境下のカール調整に優れた効果を発揮する。本発明では、(メタ)アクリルアミド単独重合体をフィルムに塗布すると十分な柔軟性が得られない等の問題があるため、他の共重合可能な不飽和単量体と共重合することにより得られる共重合体を用いることにより、他の品質とのバランスを取ることができ、好ましい。
(メタ)アクリルアミドと共重合が可能な他の不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、タイコン酸、フマル酸、クロトン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
かかる樹脂の含有量は、裏面層の全固形量に対して30質量%以上が好ましい。30質量%以上とすることにより、効果的に低湿環境下のカールを抑えることができる。含有量の上限としては、98質量%程度が好ましい。
本発明においては、かかる接着剤が上記樹脂成分を少なくとも一相に含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤の状態で裏面層に含有されることが好ましい。異相粒子構造を持つポリマーラテックスは、異相粒子構造の構造例及び調製法については、例えば、「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(1993))に記載されているものが挙げられ、特にその異相粒子構造は限定されないが、例えば、特許第4160729号公報に記載される(a)(メタ)アクリルアミド及び(b)カルボキシル基を有するビニル単量体を重合して得られる共重合樹脂(A)が、(c)ビニル単量体を重合して得られる樹脂粒子(B)の実質的に表面に分布してなるエマルジョン、すなわち、コア・シェル構造を有する樹脂ラテックスが基材との密着性、塗液の安定性の観点から好ましい。
裏面層は、本発明の効果を損なわない範囲において、他の接着剤を含有することもできる。他の接着剤としては、例えば、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体の一価の塩、エチレン−アクリル酸共重合体の一価の塩、スチレン−アクリル酸共重合体の一価の塩等の水溶性接着剤類、並びに酢酸ビニル系樹脂ラテックス、スチレン−ブタジエン系樹脂ラテックス、アクリル系樹脂ラテックス、ウレタン系樹脂ラテックス等の水分散性接着剤類が挙げられる。これらの中でも、特にウレタン系樹脂ラテックスを併用すると、フィルム基材との密着性が向上し、好ましい。その含有量としては、接着剤の全合計量に対し3〜30質量%程度が好ましく、15〜25質量%程度がより好ましい。
更に、ウレタン系樹脂ラテックスの中でも、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤を併用することが好ましい。これにより、より一層優れた成膜性を発揮して密着性を向上できる。本発明で使用するポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤は、従来の乳化剤等によりポリウレタン樹脂を水中に分散させたエマルジョンタイプとは異なり、イオン性を有するウレタン樹脂、すなわちポリウレタンアイオノマーが有するイオン基により、乳化剤や有機溶剤を使用することなく、水中に溶解ないし極めて微細な粒子状に分散させたいわゆるコロイド分散型の水性ウレタン樹脂である。ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤の具体的な例としては、例えば、DIC社製のハイドラン(登録商標)AP−40、AP−30F、AP−20等、第一工業製薬社製のスーパーフレックスシリーズ等として市販されており、容易に入手し利用することができる。
裏面層は、本発明の効果を損なわない範囲において、ブロッキング防止のための樹脂粒子や、金属酸化物微粒子等の帯電防止剤等を含有することができる。樹脂粒子の具体例としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられ、なかでもアクリル系樹脂、及びスチレン系樹脂が好ましい。
裏面層は、一般に水を媒体として、例えば特定の接着剤、必要により帯電防止剤等を混合することにより調製された裏面層用塗液を、裏面中間層上に、乾燥後の平均厚さが好ましくは、0.5〜10μm程度となるように塗布及び乾燥して設けられる。
本発明における透明支持体としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。これらの中でも、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが剛度、機械強度、寸法安定性の点から好ましい。本発明では、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような高い屈折率(n=1.57〜1.58)を有する透明支持体を使用する場合であっても、裏面層を粗面の上に設けることにより、光による干渉縞の発生を抑制できる。
本発明における感熱記録層は、加熱により呈色する性質を有するものであれば、いかなる組成のものでも使用することができる。このような感熱記録層としては、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成分Bとを含有する、所謂2成分型感熱記録層が挙げられるが、この2成分型感熱記録層を構成する2成分の組合せとしては、電子供与性染料前駆体(ロイコ染料)と電子受容性化合物(呈色剤)との組合せ、光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せ、ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩とプロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の還元剤との組合せ等が挙げられるが、発色感度の点から電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との組合せからなる感熱記録層を使用することがより好ましい。
感熱記録層を構成するロイコ染料及び呈色剤としては、各種公知のものが使用できる。かかるロイコ染料の具体例としては、例えば3−〔2,2−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)ビニル〕−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トルイジノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−〔1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)〕−3−p−ジエチルアミノフェニルフタリド、3,3'−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3'−(6'−ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。
勿論、これらに限定されるものではなく、また2種以上を併用することも可能である。また、ロイコ染料の使用量は、使用する呈色剤により異なるため限定できないが、感熱記録層全固形分に対して5〜35質量%程度が好ましい。
呈色剤としては、例えば4,4'−イソプロピリデンジフェノール、4,4'−シクロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−(sec−ブチル)フェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−(sec−ブチル)フェノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4'−アリルオキシジフェニルスルホン、3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2'−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、4,4'−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、N−p−トルエンスルホニル−N'−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、3,3'−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエステル、N,N'−ジ−m−クロロフェニルチオ尿素、N−p−トリルスルホニル−N'−フェニルウレア、4,4'−ビス(p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−{3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等が挙げられる。勿論必要に応じて2種以上を併用してもよい。
ロイコ染料と呈色剤との使用比率は、用いるロイコ染料や呈色剤の種類に応じて適宜選択されるものであり、特に限定するものではないが、一般にロイコ染料1質量部に対して1〜10質量部程度、好ましくは2〜6質量部程度の呈色剤が使用される。
ロイコ染料は、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等の保護コロイド剤と共にサンドミル等で湿式分散された固体微粒子の形態で感熱記録層中に含有されていてもよいし、ロイコ染料と疎水性樹脂を含む複合粒子を形成した形態で感熱記録層中に含有されていてもよい。
ロイコ染料と疎水性樹脂とを含む複合粒子を形成した形態としては、
(1)1種以上のロイコ染料を疎水性樹脂を壁膜としてマイクロカプセル化した形態、
(2)1種以上のロイコ染料を多価イソシアネート等の疎水性樹脂からなる母材中に含有せしめた形態、又は、
(3)1種以上のロイコ染料の微粒子表面に不飽和炭素結合を有する化合物を重合せしめた形態、
が挙げられる。
(1)の形態の粒子の作製方法としては、特開昭60−244594号公報に記載された方法が挙げられる。(2)の形態の粒子の作製方法としては、特開平9−263057号公報に記載された方法が挙げられる。(3)の形態の粒子の作製方法としては、特開2000−158822号公報に記載された方法が挙げられる。
(1)1種以上のロイコ染料を疎水性樹脂を壁膜としてマイクロカプセル化した形態、
(2)1種以上のロイコ染料を多価イソシアネート等の疎水性樹脂からなる母材中に含有せしめた形態、又は、
(3)1種以上のロイコ染料の微粒子表面に不飽和炭素結合を有する化合物を重合せしめた形態、
が挙げられる。
(1)の形態の粒子の作製方法としては、特開昭60−244594号公報に記載された方法が挙げられる。(2)の形態の粒子の作製方法としては、特開平9−263057号公報に記載された方法が挙げられる。(3)の形態の粒子の作製方法としては、特開2000−158822号公報に記載された方法が挙げられる。
これら複合粒子中のロイコ染料は外部との隔離性が高く、熱や湿度による地肌カブリ、記録部の消色等が少ない。更に、(1)及び(2)の形態はロイコ染料がイソシアネートや有機溶媒に溶解されているため、感熱記録層の透明性がロイコ染料を固体微粒子の形態で使用する場合に比較して優れている。
複合粒子を形成する疎水性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ウレア系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、ウレア系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂は耐熱地肌カブリ性に優れるため好ましい。
ウレア系樹脂またはウレア−ウレタン系樹脂中にロイコ染料が分散された複合粒子を作製する場合は、例えば多価イソシアネート化合物にロイコ染料を溶解した油性溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に体積平均粒子径が好ましくは0.5〜3.0μm程度、より好ましくは0.5〜1.5μm程度となるように乳化分散後、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進させることにより得られる。
多価イソシアネート化合物とは水と反応することによりポリウレア、またはポリウレア−ポリウレタンを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物単独であってもよいし、または多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオール、ポリアミンとの混合物、あるいは多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物、多価イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であってもよい。これらの多価イソシアネート化合物にロイコ染料を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、多価イソシアネート化合物を重合させることによって高分子化し、それによってロイコ染料と疎水性樹脂とを含む複合粒子を形成することができる。
多価イソシアネート化合物としては、例えばp−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物等が挙げられる。
更に、複合粒子中には後述の記録感度を高めるための融点が40〜150℃程度の芳香族有機化合物(増感剤)、耐光性を高めるための2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、及び記録部の保存性を高めるためのヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の保存性改良剤を含有させることもできる。
感熱記録層には、必要により添加剤として記録部の保存安定性を高めるための保存性改良剤を含有させることもできる。かかる保存性改良剤の具体例としては、例えば2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4'−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4'−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム塩または多価金属塩、ビス(4−エチレンイミノカルボニルアミノフェニル)メタン等が挙げられる。勿論、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
感熱記録層には、必要により添加剤として記録感度を高めるための増感剤を含有させることもできる。かかる増感剤の具体例としては、例えばステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。勿論、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、ロイコ染料の分散液、呈色剤の分散液、接着剤、必要により添加剤を混合することにより調製された感熱記録層用塗液を、透明支持体の一方の面に、乾燥後の塗布量が3〜30g/m2程度となるように塗布及び乾燥して形成される。呈色剤は、体積平均粒子径が好ましくは0.1〜3.0μm程度に分散された固体微粒子の形態で使用することができる。更に各分散液は、保存性改良剤、増感剤等の添加剤と共に微粉砕して得ることもできる。
感熱記録層用塗液中の接着剤としては、例えば澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体の一価の塩、エチレン・アクリル酸共重合体の一価の塩、スチレン・アクリル酸共重合体の一価の塩等の水溶性接着剤類、及び酢酸ビニル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の水分散性接着剤類が挙げられる。接着剤の使用量としては、感熱記録層の全固形量に対して8〜40質量%程度である。
感熱記録層には、上記以外のその他の各種添加剤を含有することもできる。かかる添加剤としては、例えば一次粒子の平均粒子径が0.01〜2.0μm程度の無定形シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホコハク酸ナトリウム塩、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩等の界面活性剤類、脂肪酸金属塩等の滑剤、消泡剤、増粘剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、アジピン酸ジヒドラジド等の架橋剤、蛍光染料、着色染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また2種以上を併用することもできる。
本発明では、感熱記録層上に成膜性を有する樹脂を主成分とする保護層を設けることにより、記録走行性、耐摩擦カブリ性、耐薬品性等を高めることができる。また、感熱記録体の透明性を高める効果も得られる。
かかる保護層に使用する樹脂としては、例えば感熱記録層に使用される接着剤の中から適宜選択して使用することができる。更に、保護層中には感熱記録層に使用される顔料類、架橋剤類、ワックス類、滑剤類等を使用することもできる。
保護層は、一般に水を媒体とし、例えば水性樹脂溶液、必要により顔料類、架橋剤類、ワックス類、滑剤類等と共に混合することにより調製された保護層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜10g/m2程度となるように感熱記録層上に塗布及び乾燥して形成される。
上記の各塗液は、例えば、スロットダイ法、スライドビード法、カーテン法、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法及びエクストルージョン法等の既知の塗布方法により塗布される。
各層を形成した後、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の既知の平滑化処理を施してもよい。この処理により、発色感度を高めることができる。感熱記録面は、金属ロール及び弾性ロールのいずれに接触させて処理してもよい。
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例及び比較例で使用した複合粒子及び顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて体積平均粒子径を測定し、顕色剤の平均粒子径は動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)を用いて体積平均粒子径を測定した。
実施例1
・裏面中間層用塗液の調整
ウレタン−アクリル系樹脂ラテックス[大日本インキ化学工業社製、パテラコール(登録商標)H−2090、固形分濃度42%]143部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー67部、及び水290部からなる組成物を混合して、裏面中間層用塗液を得た。
・裏面中間層用塗液の調整
ウレタン−アクリル系樹脂ラテックス[大日本インキ化学工業社製、パテラコール(登録商標)H−2090、固形分濃度42%]143部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー67部、及び水290部からなる組成物を混合して、裏面中間層用塗液を得た。
・裏面層用塗液の調製
コア・シェル構造を有するアクリルアミド系樹脂ラテックス[三井化学社製、バリアスター(登録商標)B−1000、固形分濃度20%]400部、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤[大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%]100部、及び水195部からなる組成物を混合して、裏面層用塗液を得た。
コア・シェル構造を有するアクリルアミド系樹脂ラテックス[三井化学社製、バリアスター(登録商標)B−1000、固形分濃度20%]400部、ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤[大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%]100部、及び水195部からなる組成物を混合して、裏面層用塗液を得た。
・ロイコ染料含有複合粒子分散液(A液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トルイジノ)フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、及び3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド4部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン9部とを、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールW)12部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、TMXDI)5部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−217EE)8.5部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(日信化学社製、オルフィンE1010)0.5部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物(シェル・インターナショナル・ペトロリウム社製、エピキュアT)2部を水18部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行い、平均粒子径0.8μmのロイコ染料含有複合粒子分散液(A液)を調製した。なお、ロイコ染料含有複合粒子分散液が25%となるように水で調整した。
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トルイジノ)フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、及び3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド4部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン9部とを、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールW)12部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、TMXDI)5部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−217EE)8.5部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(日信化学社製、オルフィンE1010)0.5部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物(シェル・インターナショナル・ペトロリウム社製、エピキュアT)2部を水18部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行い、平均粒子径0.8μmのロイコ染料含有複合粒子分散液(A液)を調製した。なお、ロイコ染料含有複合粒子分散液が25%となるように水で調整した。
・呈色剤分散液(B液)の調製
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール[クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−203]の25%水溶液38部、天然油脂系消泡剤の2%エマルジョン[サンノプコ社製、ノプコ1407K]5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の2%水溶液20部、及び水22部からなる組成物を横型サンドミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミルUVX−2)を用いて、平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して、呈色剤分散液(B液)を得た。
4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール[クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−203]の25%水溶液38部、天然油脂系消泡剤の2%エマルジョン[サンノプコ社製、ノプコ1407K]5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の2%水溶液20部、及び水22部からなる組成物を横型サンドミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミルUVX−2)を用いて、平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して、呈色剤分散液(B液)を得た。
・呈色剤分散液(C液)の調製
3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール[クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−203]の25%水溶液38部、天然油脂系消泡剤の2%エマルジョン[サンノプコ社製、ノプコ1407K]5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の2%水溶液20部、及び水22部からなる組成物を横型サンドミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミルUVX−2)を用いて、平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して、呈色剤分散液(C液)を得た。
3,3'−ジアリル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン40部、ポリビニルアルコール[クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−203]の25%水溶液38部、天然油脂系消泡剤の2%エマルジョン[サンノプコ社製、ノプコ1407K]5部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の2%水溶液20部、及び水22部からなる組成物を横型サンドミル(アイメックス社製、ウルトラビスコミルUVX−2)を用いて、平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して、呈色剤分散液(C液)を得た。
感熱記録層用塗液の調製
A液110部、B液72部、C液43部、ポリビニルアルコール[クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−217EE]の8%水溶液20部、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックス[大日本インキ化学工業社製、パテラコール(登録商標)H−2090、固形分濃度42%]30部、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液16部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の5%水溶液4部、及び水25部からなる組成物を混合して、感熱記録層用塗液を得た。
A液110部、B液72部、C液43部、ポリビニルアルコール[クラレ社製、クラレポバール(登録商標)PVA−217EE]の8%水溶液20部、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックス[大日本インキ化学工業社製、パテラコール(登録商標)H−2090、固形分濃度42%]30部、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液16部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩の5%水溶液4部、及び水25部からなる組成物を混合して、感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤[大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%]100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール[日本合成化学工業社製、ゴーセファイマーZ410(登録商標)、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%]の8%水溶液500部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部、ステアリン酸アミド(中京油脂社製、ハイミクロンL−271、固形分濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(松本油脂製薬社製、ウーポール1800、固形分濃度35%)4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[セイミケミカル社製、サーフロン(登録商標)S−145]の10%水溶液15部、及び水300部からなる組成物を混合して、保護層用塗液を得た。
ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤[大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%]100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール[日本合成化学工業社製、ゴーセファイマーZ410(登録商標)、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%]の8%水溶液500部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部、ステアリン酸アミド(中京油脂社製、ハイミクロンL−271、固形分濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(松本油脂製薬社製、ウーポール1800、固形分濃度35%)4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[セイミケミカル社製、サーフロン(登録商標)S−145]の10%水溶液15部、及び水300部からなる組成物を混合して、保護層用塗液を得た。
・感熱記録体の作製
透明支持体として175μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面(裏面)に裏面中間層用塗液を乾燥後の塗布量が1g/m2となるように、スロットダイ法により塗布及び乾燥し、裏面中間層を形成して粗面とした後、裏面中間層上に裏面層用塗液を乾燥後の塗布量が4g/m2となるように、スロットダイ法により塗布及び乾燥して裏面層を設け、もう一方の面(おもて面)に感熱記録層用塗液と保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ23g/m2、4g/m2となるように、スロットダイ法により順次塗布及び乾燥して感熱記録層及び保護層とを形成し、感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.42μmであった。
透明支持体として175μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルムの他方の面(裏面)に裏面中間層用塗液を乾燥後の塗布量が1g/m2となるように、スロットダイ法により塗布及び乾燥し、裏面中間層を形成して粗面とした後、裏面中間層上に裏面層用塗液を乾燥後の塗布量が4g/m2となるように、スロットダイ法により塗布及び乾燥して裏面層を設け、もう一方の面(おもて面)に感熱記録層用塗液と保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ23g/m2、4g/m2となるように、スロットダイ法により順次塗布及び乾燥して感熱記録層及び保護層とを形成し、感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.42μmであった。
実施例2
実施例1の裏面中間層用塗液の調製において、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックスの量を143部に代えて71部とし、カオリンの60%スラリーの量を67部に代えて117部とし、水の量を290部に代えて312部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.83μmであった。
実施例1の裏面中間層用塗液の調製において、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックスの量を143部に代えて71部とし、カオリンの60%スラリーの量を67部に代えて117部とし、水の量を290部に代えて312部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.83μmであった。
実施例3
実施例1の裏面中間層用塗液の調製において、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックスの量を143部に代えて214部とし、カオリンの60%スラリーの量を67部に代えて17部とし、水の量を290部に代えて269部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.13μmであった。
実施例1の裏面中間層用塗液の調製において、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックスの量を143部に代えて214部とし、カオリンの60%スラリーの量を67部に代えて17部とし、水の量を290部に代えて269部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.13μmであった。
実施例4
実施例1の感熱記録体の作製において、下記の裏面層用塗液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録体の作製において、下記の裏面層用塗液を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・裏面層用塗液の調製
ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤[大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%]500部、及び水172部からなる組成物を混合して裏面層用塗液を得た。
ポリウレタンアイオノマーからなる水性接着剤[大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%]500部、及び水172部からなる組成物を混合して裏面層用塗液を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録体の作製において、裏面中間層を設けず、透明支持体の他方の面(裏面)上に裏面層用塗液を塗布及び乾燥して裏面層を形成した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。透明支持体の他方の面(裏面)の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.04μmであった。
実施例1の感熱記録体の作製において、裏面中間層を設けず、透明支持体の他方の面(裏面)上に裏面層用塗液を塗布及び乾燥して裏面層を形成した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。透明支持体の他方の面(裏面)の中心線平均粗さ(Ra値)は、0.04μmであった。
比較例2
実施例1の裏面中間層用塗液の調製において、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックスの量を143部に代えて24部とし、カオリンの60%スラリーの量を67部に代えて150部とし、水の量を290部に代えて326部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、1.1μmであった。
実施例1の裏面中間層用塗液の調製において、ウレタン−アクリル系樹脂ラテックスの量を143部に代えて24部とし、カオリンの60%スラリーの量を67部に代えて150部とし、水の量を290部に代えて326部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。裏面中間層を形成して得られた粗面の中心線平均粗さ(Ra値)は、1.1μmであった。
・感熱記録体の評価
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
かくして得られた感熱記録体について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(Ra値の測定)
白色光干渉顕微鏡(型式:New View 200、ザイゴ社製)により、以下の条件で測定した。
・倍率:50倍×25画面(オーバーラップ率25%)
・測定面積:10.99mm×8.25mm
・カメラモード:320×240、50Hz
・Advanced Textureソフトによる波長分割解析(逆フーリエ変換)
・Filter:Low pass
・Remove:plane
・解析面積:9×7mm
白色光干渉顕微鏡(型式:New View 200、ザイゴ社製)により、以下の条件で測定した。
・倍率:50倍×25画面(オーバーラップ率25%)
・測定面積:10.99mm×8.25mm
・カメラモード:320×240、50Hz
・Advanced Textureソフトによる波長分割解析(逆フーリエ変換)
・Filter:Low pass
・Remove:plane
・解析面積:9×7mm
(干渉縞)
卓上蛍光灯の反射光を用いて、感熱記録体裏面の干渉縞を観察した。
○:干渉縞が全く発生しない。
△:弱い干渉縞が気にならない程度に見られるが、実用上問題ない。
×:干渉縞がはっきりと見られる。
卓上蛍光灯の反射光を用いて、感熱記録体裏面の干渉縞を観察した。
○:干渉縞が全く発生しない。
△:弱い干渉縞が気にならない程度に見られるが、実用上問題ない。
×:干渉縞がはっきりと見られる。
(低湿環境カール)
未記録の感熱記録体の21cm×29.7cmのサンプルを15℃、10%RHの環境下で24時間感熱記録面を上に向けて平置きし、目視でカールの具合を評価した。
○:常温常湿環境下の試験前と比較してカールの変化がほとんどない。
△:常温常湿環境下の試験前と比較してわずかなカールの変化はあるが実用上問題ない。
×:常温常湿環境下の試験前と比較してカールの変化がある。
未記録の感熱記録体の21cm×29.7cmのサンプルを15℃、10%RHの環境下で24時間感熱記録面を上に向けて平置きし、目視でカールの具合を評価した。
○:常温常湿環境下の試験前と比較してカールの変化がほとんどない。
△:常温常湿環境下の試験前と比較してわずかなカールの変化はあるが実用上問題ない。
×:常温常湿環境下の試験前と比較してカールの変化がある。
(透明性)
シャウカステンを使用して印画画像の透過光観察を行い、画像の見易さを官能評価した。
○:クリアーな画像が観られる。
△:若干の曇りが感じられるが実用上問題ない。
×:曇りが強く観察に向かない。
シャウカステンを使用して印画画像の透過光観察を行い、画像の見易さを官能評価した。
○:クリアーな画像が観られる。
△:若干の曇りが感じられるが実用上問題ない。
×:曇りが強く観察に向かない。
本発明の感熱記録体は、カールバランス、特に低湿環境によって発生するカールに対して優れた安定性を示し、且つ光による干渉縞の発生を抑制した透明感熱記録体用の裏面層を提供でき、特にシャウカステンによる医療画像診断用の透明感熱記録体として有用である。
Claims (4)
- 透明支持体の一方の面に、ロイコ染料と呈色剤を含有する感熱記録層、並びに保護層を順次設け、他方の面に接着剤を主成分とする裏面層を設けた透明感熱記録体において、前記裏面層が粗面の上に設けられ、前記粗面の中心線平均粗さ(Ra値)が0.08〜1.0μmであることを特徴とする透明感熱記録体。
- 前記粗面が前記透明支持体と前記裏面層の間に、顔料と接着剤を主成分とする裏面中間層を設けてなる粗面である、請求項1に記載の透明感熱記録体。
- 前記裏面層が前記接着剤として(メタ)アクリルアミド及び前記(メタ)アクリルアミドと共重合可能な不飽和単量体からなる単量体成分を共重合させて得られる樹脂を含有する、請求項1または2に記載の透明感熱記録体。
- 前記裏面層が前記接着剤として前記(メタ)アクリルアミド及び前記(メタ)アクリルアミドと共重合可能な不飽和単量体からなる単量体成分を共重合させて得られる樹脂成分を、少なくとも一相に含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明感熱記録体。
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JP2009143089A JP2011000720A (ja) | 2009-06-16 | 2009-06-16 | 透明感熱記録体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012218350A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-12 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録体 |
JP2013095105A (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-20 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 感熱記録体 |
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2009
- 2009-06-16 JP JP2009143089A patent/JP2011000720A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012218350A (ja) * | 2011-04-12 | 2012-11-12 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録体 |
JP2013095105A (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-20 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 感熱記録体 |
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