JP4905283B2 - 感熱記録体 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの従来技術によっても満足しうる特性を備えた感熱記録体が得られない場合があり、更なる改善が求められている。
本発明は、かかる知見に基づき完成されたものであって、次の感熱記録体を提供するものである。
F(CF2CF2)mCH2CH2O(CH2CH2O)nH 一般式(1)
〔式中、mは2〜5の整数を表し、nは3〜7の整数を表す。〕
F(CF2CF2)mCH2CH2O(CH2CH2O)nH 一般式(1)
〔式中、mは2〜5の整数を表し、nは3〜7の整数を表す。〕
F(CF2CF2)4CH2CH2O(CH2CH2O)5H 式(2)
F(CF2CF2)3CH2CH2O(CH2CH2O)5H 式(3)
なお、上記式(2)および(3)において、エチレンオキシドの付加モル数を表す「5」は、エチレンオキシド付加モル数の異なる混合物における最多頻度で存在するnの値を表す。
なお、上記特定のフッ素系化合物は、市販されている化合物の中から適宜選択して使用すればよい。
感熱記録層用塗液に特定のフッ素系化合物を添加することで、感熱記録層の表面張力が低下し、濡れ性が向上してハジキやピンホールといった塗工欠陥がなくなり、いわゆる“印画抜け(ドット抜け)”による細部画像の不鮮明さが抑制される。さらに、特定のフッ素系化合物が塗工直後の記録層表面近傍に多く存在し易いため、溶媒(水)の蒸発速度を制御する効果があり、その結果乾燥後の感熱記録層表面が平滑になり、その上に形成される層(例えば、保護層あるいは中間層と保護層)の膜厚も均一になり、記録画像の濃度ムラが抑制されるとともに、細部にいたるまで一層明瞭な画像が形成できるのではないかと考えられる。
ここで、ロイコ染料が、ロイコ染料と疎水性樹脂とを含む複合粒子の形態とは、例えば(1)1種以上のロイコ染料を特開昭60−244594号公報に記載された方法でマイクロカプセル化した形態、(2)1種以上のロイコ染料を特開平9−263057号公報に記載された方法で疎水性樹脂母材中に含有せしめた形態、(3)特開2000−158822号公報に記載された方法でロイコ染料の表面に疎水性樹脂からなる発色調節層を形成した形態を包含する。なお、かかる複合粒子の体積平均粒子径としては、0.5〜3.0μm程度が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5μm程度が望ましい。
更に、複合粒子中には記録感度を高めるため、後述するような増感剤や保存性改良剤等を含有させることもできる。
なお、呈色剤はロイコ染料1質量部に対して1〜4質量部程度使用するのが好ましい。
保護用塗液の塗布量は、乾燥後の塗布量で0.5〜10g/m2程度、好ましくは2〜5g/m2程度である。
かかる中間層は、一般に水を媒体とし、水性樹脂、及び必要により添加される顔料や各種助剤を、混合攪拌して得られる中間層用塗液を、感熱記録層上に塗布、乾燥することにより、形成することができる。
また、本発明の感熱記録体には、支持体の裏面(感熱記録層を設けた面の反対面)に接着剤と顔料を含有する裏面層を設けるなど、感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
・A液(複合粒子分散液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)−フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、及び3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン8部とを、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン社製)5部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート〔商品名:タケネート(登録商標)TMXDI、三井化学ポリウレタン社製〕15部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール〔商品名:ポバール(登録商標)PVA−217EE、クラレ社製〕8.5部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物〔商品名:オルフィン(登録商標)E1010、日信化学社製〕0.5部を含む水溶液100部に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物〔商品名:jERキュア(登録商標)T、ジャパンエポキシレジン社製〕3部を水22部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行い、体積平均粒子径0.8μmのロイコ染料含有複合粒子分散液を調製し、固形分濃度が25%となるように水で希釈した。
4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール23部、4,4′−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン14部、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン5部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、及び水18部からなる組成物を、ウルトラビスコミルを用いて体積平均粒子径が0.28μmとなるまで粉砕して呈色剤混合分散液を得た。
N−(p−トリルスルホニル)−N′−フェニルウレア42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、及び水18部からなる組成物を、ウルトラビスコミルを用いて体積平均粒子径が0.30μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液を得た。
A液88部、B液100部、C液20部、ポリウレタン系アイオノマーとスチレン−ブタジエン系樹脂のハイブリッド樹脂(商品名:パテラコールH2090、大日本インキ化学工業社製、固形分濃度41%)120部、前記一般式(1)においてm=4,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液10部、及び水45部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
カオリン〔商品名:UW−90(登録商標)、エンゲルハード社製〕80部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液(商品名:アロンT−50、東亞合成社製)1部、及び水53部を混合し、サンドミルを用いて体積平均粒子径が1.6μmとなるまで粉砕してカオリン分散液を得た。
焼成カオリン〔商品名:アンシレックス(登録商標)93、エンゲルハード社製〕100部、ポリ(アクリル酸−スチレン−マレイン酸)ナトリウムの40%水溶液(商品名:ポイズ520、花王社製)2.5部、及び水147.5部を強い撹拌により混合し、焼成カオリン分散液を得た。
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、大日本インキ化学工業社製、固形分濃度20%〕100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−410、日本合成化学工業社製、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%〕の8%水溶液650部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、D液28部、E液3.75部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、中京油脂社製、固形分濃度25%)18部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、松本油脂製薬社製、固形分濃度35%)3部、パーフルオロアルキルアミドのエチレンオキシド付加物〔商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製〕の10%水溶液6部、及び水490部からなる組成物を攪拌して保護層用塗液を得た。
青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム〔商品名:メリネックス(登録商標)912、帝人デュポン社製、厚さ175μm〕の片面上に、前記感熱記録層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録層を設け、その上に前記保護層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が3.5g/m2となるように塗布乾燥して保護層を設け、感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)においてm=4,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液の添加量を20部とし、水の添加量を35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)においてm=4,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液の添加量を30部とし、水の添加量を25部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)においてm=3,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液の添加量を10部とし、水の添加量を45部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)においてm=3,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液の添加量を20部とし、水の添加量を35部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)においてm=3,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液の添加量を30部とし、水の添加量を25部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)で表されるフッ素系化合物を添加せず、水の添加量を55部とした以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)においてm=4,最多頻度で存在するnの値=5であるフッ素系化合物の1.5%水溶液の代わりに、前記一般式(1)においてm=4,最多頻度で存在するnの値=10であるフッ素系化合物の1.5%水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)で表されるフッ素系化合物の代わりに、パーフルオロアルキルアミドのエチレンオキシド付加物〔商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製〕の1.5%水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、前記一般式(1)で表されるフッ素系化合物の代わりに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム〔商品名:ラピゾール(登録商標)B−07、日本油脂社製〕の1.5%水溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
(塗工欠陥)
記録装置として、感熱プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用い、各感熱記録体100枚(17inch×14inch/1枚)を全面ミディアムグレー(光学濃度1.0〜1.2)で印字し、ピンホールの有無を目視で観察し、ピンホール(0.08mm2以上)が1つでも出現した枚数を数え、下記の基準で評価した。
◎:0枚。
○:1〜4枚。
△:5〜9枚。
×:10枚以上。
記録装置として、感熱プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用い、各感熱記録体1枚(17inch×14inch/1枚)を全面ミディアムグレー(光学濃度1.0〜1.2)で印字し、濃度ムラを目視で観察して、下記の基準で評価した。なお、濃度ムラ発生部位の濃度差は、透過濃度計(X−Rite Model 301、X−Rite社製)にて濃度の濃い部分と薄い部分の透過濃度を測定し、その差を示した。
○:濃度ムラが見られないか、若しくは極僅かな濃度ムラが見られるが、その濃度差は
0.01未満である。
△:若干の濃度ムラが見られ、その濃度差は0.01以上、0.03未満である。
×:濃度ムラが見られ、その濃度差は0.03以上である。
Claims (4)
- 支持体上に、少なくとも、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層と、保護層を有する感熱記録体において、感熱記録層中に下記一般式(1)で表されるフッ素系化合物を含有せしめたことを特徴とする感熱記録体。
F(CF2CF2)mCH2CH2O(CH2CH2O)nH 一般式(1)
〔式中、mは2〜5の整数を表し、nは3〜7の整数を表す。〕 - フッ素系化合物を、感熱記録層の全固形分に対して0.05〜1.0質量%含有する請求項1に記載の感熱記録体。
- ロイコ染料が、ロイコ染料と疎水性樹脂とを含む複合粒子の形態で含有されている請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 支持体が、透明な合成樹脂フィルムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
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