JP5304528B2 - 透明感熱記録体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した透明感熱記録体及びその製造方法に関するものである。
ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体は比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易であるため、ファクシミリ、各種計算機、CAD用プロッター等の記録媒体としてのみならず、超音波画像診断用、X線画像診断用、NMR断層画像診断用等の医療用機器の記録媒体としても使用されている。
なかでも、医療診断用途であるシャウカステン用の感熱記録体は、透明性、画像の階調性と高い記録濃度、そしてムラのない精密な画像等の特性が求められる。
医療診断用の感熱記録体は、最高記録濃度の高いことが求められるため、サーマルヘッドの印加エネルギーが高い領域では、記録時にスティッキングや騒音といった記録障害が発生し易くなる。このような記録障害を解決する観点から、感熱記録層上に保護層が設けられるが、記録感度が低下して高濃度が得られ難い問題がある。
また、感熱記録体の記録濃度を向上させる手段のひとつとして、感熱記録層中の接着剤量を減少させることが考えられるが、接着剤の減少により基材と感熱記録層との密着性が低下し、感熱記録層が基材から容易に剥がれてしまう恐れがあり、仕上げ工程や医療現場等のクリーン環境における医療診断用途としては特に問題がある。
そのため、基材と感熱記録層との間にアンカーコート層を設け、アンカーコート層中に水分散性接着剤と青色顔料を含有させることにより、基材との密着性とシャウカステン適性を向上させること(特許文献1参照)、疎水性樹脂を含有するアンカーコート層を有し、アンカーコート層中にジアルキルスルホコハク酸塩を含有させることで、基材との密着性に優れ、且つ記録画像にムラのない感熱記録体を得ること(特許文献2参照)等が提案されているが、必ずしも満足すべき結果が得られていないのが現状である。
特開平10−305660号公報 特開2005−74701号公報
本発明の目的は、透明支持体との密着性に優れ、且つ記録画像にムラのない感熱記録体が得られる透明感熱記録体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記従来技術に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、前記アンカーコート層が、接着剤として水分散性接着剤及び特定のポリビニルアルコールを含有することにより、上記問題点を解決できることを見出し、更に鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記の透明感熱記録体及びその製造方法に係る。
項1:透明支持体上に少なくとも、接着剤を主成分として含有するアンカーコート層、ロイコ染料及び呈色剤を含有する1または2以上の感熱記録層、並びに保護層を備えた透明感熱記録体において、前記アンカーコート層が接着剤として水分散性接着剤及びポリビニルアルコールを含有し、前記ポリビニルアルコールの重合度が2000以上、且つ含有量が接着剤の全固形量に対して5〜25質量%であること特徴とする透明感熱記録体。
項2:前記ポリビニルアルコールの重合度が3000以上である、項1に記載の透明感熱記録体。
項3:前記水分散性接着剤が、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤である、項1または2に記載の透明感熱記録体。
項4:透明支持体上に少なくともアンカーコート層、1または2以上の感熱記録層、並びに保護層のうち、少なくとも隣接する2以上の層を同時多層塗布方法により形成することを特徴とする、項1〜3のいずれか1項に記載の透明感熱記録体の製造方法。
本発明は、透明支持体との密着性に優れ、且つ記録画像にムラのない透明感熱記録体及びその製造方法を提供し、特に、感熱記録層を塗布した焼面で判別できるさざ波模様の焼面ムラを改善できる。
本発明におけるアンカーコート層は、接着剤として水分散性接着剤及びポリビニルアルコールを含有し、ポリビニルアルコールの重合度が2000以上、且つ含有量が接着剤の全固形量に対して5〜25質量%であることを特徴とする。この範囲とすることにより、ムラの無い画像を維持することができ、密着性及び、均一性の高い塗布適性を向上できる。更に好ましくは、ポリビニルアルコールの重合度が3000以上、且つ含有量が接着剤の全固形量に対して5〜15質量%である。接着剤の合計量としては、アンカーコート層の全固形量に対して好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。なお、本発明において、単に「ポリビニルアルコール」と表示したものは、例えばカルボキシ変性等の変性処理が施されていない未変性のポリビニルアルコールを意味する。
本発明で用いられる水分散性接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の水不溶性重合体等が挙げられる。なお、水不溶性重合体はラテックスの状態で用いればよい。これらの水分散性接着剤は併用することもできる。
本発明では、透明支持体との密着性及び耐水性を向上する観点から、アンカーコート層が、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤を含有することが好ましい。
異相粒子構造のポリマーラテックスは、特にその異相粒子構造は限定しない。異相構造粒子の構造例及び調整法は「合成ラテックスの応用(杉村孝明・片岡靖男・鈴木聡一・笠原啓司編集(株)高分子刊行会発行(1993)」に記載されている。例としてコア−シェル構造、複合構造、局在構造、だるま状構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造、みかずき構造、IPN(相互貫入網目構造)等があるが、本発明はコア−シェル構造、複合構造、ラズベリー状構造、多粒子複合構造が好ましく、更にポリマーラテックスの好ましい異相粒子構造においてポリマーラテックスの中心部にウレタン樹脂成分を配合することがより好ましい。
本発明に使用される異相粒子構造のポリマーラテックスは、ウレタン樹脂以外の成分として、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等を含むラテックスである。ウレタン樹脂以外の成分としては、スチレン−ブタジエン系重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系重合体等が挙げられる。異相粒子構造のポリマーラテックス中のウレタン樹脂の含有割合は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。このような異相粒子構造を有するポリマーラテックスは、例えば、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマー及びブタジエンモノマーが重合された樹脂が挙げられ、パテラコールH2090、H2020A等(DIC社製)としてラテックスの状態で市販されており、容易に入手し利用することができる。
本発明におけるアンカーコート層は、本発明の効果を損なわない範囲においてポリビニルアルコール以外の水溶性接着剤を含有することができる。水溶性接着剤としては、例えば、変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等が挙げられる。
更に、アンカーコート層には助剤として、ジ(2−エチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウム等のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム等の顔料、グリオキザール、ホルマリン、グリシン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール尿素、ケテンダイマー、ジアルデヒド澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、アジピン酸ジヒドラジド、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、硼砂、硼酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、エポキシ系化合物等の架橋剤、消泡剤、蛍光染料、着色染料等を必要に応じて使用することができる。
アンカーコート層は、一般に水を媒体とし、例えば、異相粒子構造のポリマーラテックス、重合度2000以上のポリビニルアルコール、助剤等を混合することにより調製されたアンカーコート層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜5g/m程度となるように、透明支持体上に塗布及び乾燥して設けられる。
本発明における感熱記録層は、ロイコ染料及び呈色剤を含有し、アンカーコート層上に設けられている。ロイコ染料の具体例としては、例えば以下のロイコ染料を挙げることができる。
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3,3−ビス(1−n−アミル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−クロロフルオラン等の赤色発色性ロイコ染料。
3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン、3−(2−メチル−1−n−オクチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド等の青色発色性ロイコ染料。
3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン等の緑色発色性ロイコ染料、3,6−ジメトキシフルオラン、1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン、1,3,3−トリメチルインドリン−2,2’−スピロ−6’−ニトロ−8’−メトキシベンゾピラン等の黄色発色性ロイコ染料。
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン等の黒色発色性ロイコ染料。
ロイコ染料の使用量は特に限定されないが、感熱記録層の全固形量に対して5〜30質量%程度が好ましい。
本発明におけるロイコ染料は、ポリビニルアルコールやメチルセルロース等の保護コロイド物質と共にサンドミル等で湿式微粒子化された固体微粒子の状態で感熱記録層中に含有せしめることもできるが、ロイコ染料と疎水性樹脂とを含む複合粒子を形成した形態で使用するのが好ましい。
ロイコ染料と疎水性樹脂とを含む複合粒子を形成した形態としては、(1)1種以上のロイコ染料を疎水性樹脂を壁膜としてマイクロカプセル化した形態、(2)1種以上のロイコ染料を多価イソシアネート等の疎水性樹脂からなる母材中に含有せしめた形態、又は、(3)1種以上のロイコ染料の微粒子表面に不飽和炭素結合を有する化合物を重合せしめた形態、が挙げられる。
(1)の形態の粒子の作製方法としては、特開昭60−244594号公報に記載された方法が挙げられる。(2)の形態の粒子の作製方法としては、特開平9−263057号公報に記載された方法が挙げられる。(3)の形態の粒子の作製方法としては、特開2000−158822号公報に記載された方法が挙げられる。これら複合粒子中のロイコ染料は外部との隔離性が高く、熱や湿度による地肌カブリや発色画像の消色が少なく、更に、(1)及び(2)の形態はロイコ染料がイソシアネートや有機溶媒に溶解されているため、感熱記録層の透明度がロイコ染料を固体微粒子状態で使用する場合に比較して優れるという利点も備えている。
複合粒子中のロイコ染料の含有量は、複合粒子の全固形量に対して好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは25〜50質量%程度である。
複合粒子を形成する疎水性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ウレア系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ウレア系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂は、耐熱地肌カブリ性に優れるため好ましい。
ウレア系樹脂またはウレア−ウレタン系樹脂中にロイコ染料が含有された複合粒子を作製する場合は、例えば、多価イソシアネート化合物とロイコ染料とを溶解した油性溶液を、ポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に、体積平均粒子径が好ましくは0.1〜3μm程度、より好ましくは0.3〜1.5μm程度となるように乳化分散し、更に必要によりポリエチレンイミン、ポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進させることにより得られる。
多価イソシアネート化合物とは水と反応することによりポリウレア、またはポリウレア−ポリウレタンを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物単独であってもよいし、または多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオール、ポリアミンとの混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物、多価イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアネート体等の多量体であってもよい。
多価イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物等が挙げられる。
ポリオール化合物の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、フェニルエチレングリコール、ペンタエリスリトール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられる。
ポリアミン化合物の具体例としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチルピペラジン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
勿論、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネートとポリオールの付加物、及びポリオール化合物等は、前記化合物に限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用してもよい。
更に、複合粒子中には記録感度を高めるために融点が40〜150℃程度の芳香族有機化合物(増感剤)、耐光性を高めるための2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、及び安定化剤としてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等を含有することもできる。
複合粒子の含有量は、感熱記録層の全固形量に対して好ましくは10〜60質量%程度、より好ましくは20〜50質量%程度である。また、複合粒子と呈色剤との比率は、複合粒子100質量部に対して好ましくは50〜300質量部程度、より好ましくは100〜250質量部程度である。
呈色剤の具体例としては、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、2−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−(sec−ブチル)フェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−(sec−ブチル)フェノール等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物等が挙げられる。なお、呈色剤の使用量は、ロイコ染料1質量部に対して1〜8質量部程度が好ましく、2〜7質量部程度がより好ましい。
感熱記録層は、一般に水を媒体とし、例えば、複合粒子化されたロイコ染料または平均粒子径が0.2〜1.0μm程度に固体微粒子化されたロイコ染料及び呈色剤、必要により保存性改良剤、増感剤等の分散液、並びに接着剤、助剤とを混合することにより調製された感熱記録層用塗液を、乾燥後の塗布量が3〜30g/m程度となるように、アンカーコート層上に塗布及び乾燥して設けられる。
感熱記録層に使用される接着剤としては、例えば、酸化澱粉、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、及びカゼイン等の水溶性接着剤、並びに、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等の疎水性接着剤等が挙げられる。感熱記録層用塗液の媒体が水の場合、疎水性接着剤はラテックスの形態で用いればよい。これらの中でも、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤が密着性を向上する観点から好ましい。接着剤の使用量としては特に限定されないが、感熱記録層の全固形量に対して5〜40質量%程度が好ましい。
本発明では、アンカーコート層に隣接する感熱記録層上に、更に感熱記録層を設けてもよい。2種以上の感熱記録層用塗液を用いて、アンカーコート層上に2以上の感熱記録層を設ける場合、アンカーコート層に隣接する第1の感熱記録層に使用される接着剤の含有量は、第1の感熱記録層の全固形量に対して5〜25質量%程度が好ましい。一方、第1の感熱記録層上に設ける第2の感熱記録層に使用される接着剤の含有量は、第2の感熱記録層の全固形量に対して10〜40質量%程度が好ましい。感熱記録層に使用される接着剤の含有量は、アンカーコート層に隣接する第1の感熱記録層の含有量に比べ、第1の感熱記録層上に設ける第2の感熱記録層の含有量の方が多いことが好ましい。これにより、サーマルヘッドの高い印加エネルギーによって表面が粗れて記録障害となる印画焼けを抑制して、記録濃度をより一層高めることができ、しかも優れた階調再現性を得ることができる。
感熱記録層は、必要に応じて保存性改良剤を含有していてもよい。これにより、記録部の保存性を高めることができる。保存性改良剤の具体例としては、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、1,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール類;4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2,3−グリシジルオキシ)ジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン系エポキシ化合物類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
感熱記録層は、必要に応じて増感剤を含有していてもよい。これにより記録濃度を高めることができる。増感剤の具体例としては、例えば、ステアリン酸アミド、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−フェノキシエタン、パラベンジルビフェニル、ナフチルベンジルエーテル、ベンジル−4−メチルチオフェニルエーテル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル、テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル等が挙げられる。
更に、感熱記録層には、アンカーコート層に使用されるパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等の助剤を、必要に応じて使用することもできる。
本発明における保護層は、感熱記録層上または必要に応じて設けた中間層上に設けられる。保護層には、カオリン、水酸化アルミニウム、焼成カオリン、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、無定形シリカ、硫酸バリウム、タルク、スチレン樹脂フィラー、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料を含有することができる。これらの中でも、サーマルヘッドへのカス付着を抑制する観点から、カオリン及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種と共に、焼成カオリンを含有させることが好ましい。焼成カオリンの含有量は、保護層の全固形量に対して0.3〜5質量%程度が好ましく、0.5〜3質量%程度がより好ましい。また、保護層の全固形量に対する顔料の合計量は、5〜35質量%程度が好ましい。
保護層には、アンカーコート層に含有される水溶性接着剤及び水分散性接着剤のいずれの接着剤も使用することができる。これらの接着剤の中でも、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール及び珪素変性ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種からなる特定の変性ポリビニルアルコールが好ましく、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールがより好ましい。また、かかる特定の変性ポリビニルアルコールとウレタン系ラテックスから得られる樹脂を併用することにより、成膜性に優れた保護層が得られるため特に好ましい。なお、接着剤の使用量は、保護層の全固形量に対して40〜90質量%が好ましく、55〜85質量%がより好ましい。
かかるウレタン系ラテックスから得られる樹脂としては、例えば軟化点が80℃以上のポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、脂肪族系ポリウレタン樹脂等が挙げられる。なお、特定の変性ポリビニルアルコールとウレタン系ラテックスから得られる樹脂との使用割合については、特に限定するものではないが、特定の変性ポリビニルアルコール100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜70質量部のウレタン系ラテックスから得られる樹脂を使用できる。
更に、保護層には助剤として、ステアリルリン酸エステルカリウム塩等のアルキルリン酸塩、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の滑剤類、硼酸、硼砂、ジアルデヒド澱粉、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、アジピン酸ジヒドラジド等の架橋剤類、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエチレンオキサイド等の界面活性剤、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等のフッ素系界面活性剤等を使用することもできる。
保護層は、一般に水を媒体とし、例えばポリビニルアルコール等の水溶性接着剤、ウレタン系ラテックスから得られる樹脂、顔料、必要により架橋剤類、滑剤類、界面活性剤を混合することにより調製された保護層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜10g/m程度、好ましくは1〜5g/m程度となるように、感熱記録層上または必要に応じて設けた中間層上に塗布及び乾燥して設けられる。
本発明では、感熱記録層と保護層との間に必要により中間層を設けてもよい。これにより、透明性及び耐水性をより一層高めることができる。
中間層は、一般に水を媒体とし、例えば、前述のアンカーコート層に使用される少なくとも一相にウレタン樹脂成分を有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤等の水分散性接着剤、水溶性接着剤、またはそれらの混合物、更に必要に応じて助剤とを混合することにより調製された中間層用塗液を、乾燥後の塗布量が0.5〜10g/m程度となるように、感熱記録層上に塗布及び乾燥して設けられる。
上記の各塗液は、スライドビード塗布法、多層スロットダイによるビード塗布法、スライドカーテン塗布法、多層スロットダイによるカーテン塗布法等の同時多層塗布する方法により、2つ以上の層を同時に塗布して形成することができる。ここで、同時多層塗布とは、2以上の層を塗布するに際し、上下層を同時に塗布する方法であり、下層を塗布した後に乾燥することなく上層を塗布する方法を含むものである。また、各塗液を1層ずつ塗布及び乾燥してもよいし、同一の塗液を2層以上に分けて塗布してもよい。例えばダイコーティング、エアナイフコーティング、ロッドブレードコーティング、バーコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、スロットコーティング、エクストルージョンコーティング、カーテンコーティング、スライドコーティング等の塗布法が挙げられる。
本発明では少なくとも、アンカーコート層、1または2以上の感熱記録層、並びに保護層のうち、少なくとも隣接する2以上の層を、スライドビード塗布法により同時多層塗布及び乾燥して設けることが好ましい。これにより隣接する層と層の間に気泡等が混入するのを抑制でき、透明性と記録濃度をより一層高めることができる。また、低塗布量のアンカーコート層や保護層等を感熱記録層と合計したウェット塗布量として塗布することができ、各塗液のレベリングを容易にし、塗布欠陥を減少して生産性を向上できる。更に、各塗液のアプリケーション時に加わる剪断力を小さくでき、水分散性接着剤の安定性を損なわずに、本発明の効果を十分に発揮させることができる。
同時多層塗布する場合の層の組合せの具体例としては、特に限定されず、例えばアンカーコート層と感熱記録層の組合せ、感熱記録層と保護層の組合せ、アンカーコート層、感熱記録層及び保護層の組合せ、種類の異なる2以上の感熱記録層の組合せ、感熱記録層、中間層及び保護層の組合せ、アンカーコート層、感熱記録層、中間層及び保護層の組合せ等が挙げられる。
本発明における透明支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム等が挙げられる。これらの中でも、高エネルギー領域での記録が要求される医療診断用の透明感熱記録体では、耐熱性のあるポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。透明支持体は、厚みが30〜300μm程度であり、青色に着色されていてもよく、ヘイズ値として10%以下が好ましい。また、透明支持体の表面には、アンカーコート層用塗液の塗布に先立ちコロナ放電処理を施してもよいし、導電剤による導電処理を施してもよい。更に、透明支持体の感熱記録層とは反対面に、透明感熱記録体の走行性を改良するため、樹脂粒子等の顔料と接着剤を含む裏面層を設けることもできる。
本発明においては、感熱記録層を多色感熱記録層としたり、保護層上に紫外線または電子線を照射して硬化された光沢層を設けたり、スーパーカレンダーによる平滑化処理を施す等の感熱記録体製造分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得るものである。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。また、実施例及び比較例で使用した複合粒子及び顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2200(島津製作所社製)を用いて測定し、呈色剤の平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所製)を用いて測定した。
実施例1
・複合粒子分散液(A液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン15部、及び3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド3部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン5部とを、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(商品名:デスモジュールW、住友バイエルウレタン社製)10部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(商品名:TMXDI、日本サイテックインダストリーズ社製)10部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−217EE、クラレ社製)9部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:オルフィンE1010、日信化学社製)2部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、ポリエチレンイミン(商品名:エポミンSP006、日本触媒社製)1.5部を水22.5部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、6時間の重合反応を行い、平均粒子径0.8μmの複合粒子分散液を調製した。なお、複合粒子分散液が25%となるように水で希釈した。
・複合粒子分散液(B液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン10部、及び3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2.5部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン3部とを、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名:タケネートD−170HN、三井化学ポリウレタン社製)15部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(商品名:TMXDI、日本サイテックインダストリーズ社製)5部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−217EE、クラレ社製)9部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(商品名:オルフィンE1010、日信化学社製)2部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、ポリエチレンイミン(商品名:エポミンSP006、日本触媒社製)1.5部を水22.5部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、6時間の重合反応を行い、平均粒子径0.8μmの複合粒子分散液を調製した。なお、複合粒子分散液が25%となるように調整した。
・呈色剤分散液(C液)の調製
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール42部、スルホン変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセランL3266、日本合成化学工業社製)の10%水溶液60部、及び水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液を得た。
・感熱記録層用塗液(I)の調製
A液100部、C液140部、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)25部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製]の10%水溶液0.8部、及び水100部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液(I)を得た。
・感熱記録層用塗液(II)の調製
B液100部、C液140部、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)65部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製]の10%水溶液0.8部、及び水100部からなる組成物を混合して感熱記録層用塗液(II)を得た。
・アンカーコート層用塗液の調製
少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)220部、重合度3500の部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−235、クラレ社製)の10%水溶液100部、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムの10%水溶液0.5部、及び水110部からなる組成物を混合してアンカーコート層用塗液を得た。
・中間層用塗液の調製
少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)200部、部分鹸化ポリビニルアルコール10%水溶液200部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製]の10%水溶液2.6部、及び水110部からなる組成物を混合して中間層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス[商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、DIC社製、固形濃度20%]100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール[商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−410、日本合成化学工業社製、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%]の8%水溶液500部、カオリン(商品名:UW−90、エンゲルハード社製)を平均粒子径が1.6μmとなるように微粒化した60%スラリー50部、平均粒子径2.5μmの焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、エンゲルハード社製)の40%スラリー2部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、中京油脂社製、固形濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(商品名:ウーポール1800、松本油脂製薬社製、固形濃度35%)4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物[商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製]の10%水溶液15部、及び水300部からなる組成物を混合して保護層用塗液を得た。
・透明感熱記録体の作製
青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:メリネックス(登録商標)912、厚さ175μm、帝人デュポン社製)の片面上に、支持体側からアンカーコート層用塗液、感熱記録層用塗液(I)の順に、それぞれ乾燥後の塗布量が1.5g/m、15g/mとなるように、スライドビードコーターを用いてスライドビード塗布法により2層を同時多層塗布及び乾燥し、続いて、感熱記録層用塗液(II)、中間層用塗液、保護層用塗液の順に、それぞれ乾燥後の塗布量が7g/m、3.0g/m、1.5g/mとなるように、スライドビードコーターを用いてスライドビード塗布法により3層を同時多層塗布及び乾燥して透明感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のアンカーコート層用塗液の調製において、重合度3500の部分鹸化ポリビニルアルコールを重合度2400の部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−224、クラレ社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1のアンカーコート層用塗液の調製において、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)の量を220部に代えて200部、重合度3500の部分鹸化ポリビニルアルコールの10%水溶液の量を100部に代えて200部とした以外は、実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1のアンカーコート層用塗液の調製において、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)220部をスチレン−ブタジエン−アクリル系ラテックス(商品名:L1571、旭日化成工業社製、固形分濃度48%)188部に代えた以外は、実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1のアンカーコート層用塗液の調製において、重合度3500の部分鹸化ポリビニルアルコールを重合度500の部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバールPVA−205、クラレ社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1のアンカーコート層用塗液の調製において、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)の量を220部に代えて240部、重合度3500の部分鹸化ポリビニルアルコールの10%水溶液の量を100部に代えて20部とした以外は、実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1のアンカーコート層用塗液の調製において、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックス(商品名:パテラコールH2020A、DIC社製、固形分濃度41%)の量を220部に代えて150部、重合度3500の部分鹸化ポリビニルアルコールの10%水溶液の量を100部に代えて400部とした以外は、実施例1と同様にして透明感熱記録体を得た。
かくして得られた透明感熱記録体について以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(記録画質)
感熱記録プリンター(商品名:UP−DF500、ソニー社製)で、パターン記録した透明感熱記録体をシャウカステンを用いて目視判定した。
◎:記録画像に感熱記録層の塗工ムラによる画像ムラが全く見られない。
○:記録画像に感熱記録層の塗工ムラによる画像ムラが僅かに見られるが、実用上問題ない。
×:記録画像に感熱記録層の塗工ムラによる画像ムラが見られる。
(焼面ムラ)
実施例1の透明感熱記録体の作製において、アンカーコート層用塗液、感熱記録層用塗液(I)までの2層同時多層塗布及び乾燥して得た感熱記録体を127℃のオーブン(商品名:DK63、ヤマト化学社製)に5分間入れた後、取り出して、シャウカステンを用いて目視判定した。
◎:焼面画質にさざ波模様のムラが全く見られない。
○:焼面画質にさざ波模様のムラが僅かに見られるが実用上問題ない。
×:焼面画質にさざ波模様のムラが見られる。
(密着性)
透明感熱記録体を折り曲げることにより、透明支持体からの塗布層の剥がれを目視にて評価した。
◎:塗布層の剥がれ無し。
○:塗布層の剥がれは生じず、折り曲げた箇所が僅かに白くなるが、実用上問題ない。
△:塗布層の剥がれは生じないが、折り曲げた箇所が全体的に白くなり、実用上問題である。
×:塗布層の剥れが生じる。
Figure 0005304528
本発明の透明感熱記録体は、透明支持体との密着性に優れ、且つ画像にムラがないため、医療診断用透明感熱記録体、特にマンモグラフィー診断用の透明感熱記録体等のような高濃度発色及びムラのない精密な画像が必要とされる透明感熱記録体として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 透明支持体上に少なくとも、接着剤を主成分として含有するアンカーコート層、ロイコ染料及び呈色剤を含有する1または2以上の感熱記録層、並びに保護層を備えた透明感熱記録体において、前記アンカーコート層が接着剤として水分散性接着剤及びポリビニルアルコールを含有し、前記ポリビニルアルコールの重合度が2000以上、且つ含有量が接着剤の全固形量に対して5〜25質量%であること特徴とする透明感熱記録体。
  2. 前記ポリビニルアルコールの重合度が3000以上である、請求項1に記載の透明感熱記録体。
  3. 前記水分散性接着剤が、少なくとも一相にウレタン樹脂成分を含有する異相粒子構造のポリマーラテックスから得られる水分散性接着剤である、請求項1または2に記載の透明感熱記録体。
  4. 透明支持体上に少なくともアンカーコート層、1または2以上の感熱記録層、並びに保護層のうち、少なくとも隣接する2以上の層を同時多層塗布方法により形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明感熱記録体の製造方法。
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