JP2005306004A - 感熱記録体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 記録感度に優れ、かつ環境湿度の影響による記録感度の変動が少なく、しかも高湿度下における耐地肌カブリ性に優れた感熱記録体を提供することにある。
【解決手段】 支持体の少なくとも片面上に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、上記の課題を解決するための一つの手段として、感熱記録層中に、呈色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種とを含有させ、且つロイコ染料を疎水性樹脂により複合粒子化させた形態で使用するものである。
【選択図】なし
【解決手段】 支持体の少なくとも片面上に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、上記の課題を解決するための一つの手段として、感熱記録層中に、呈色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種とを含有させ、且つロイコ染料を疎水性樹脂により複合粒子化させた形態で使用するものである。
【選択図】なし
Description
本発明は、ロイコ染料と呈色剤との発色反応を利用した感熱記録体に関するものである。
従来、ロイコ染料と呈色剤との熱による発色反応を利用した感熱記録体はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体としてのみならず、CRT医療診断、X線画像用プリンター、CAD用のプロッター等の記録媒体としても使用されている。
かかる感熱記録体の記録部の保存性を高めるために、ロイコ染料と疎水性有機溶剤とをポリウレアまたはポリウレタン等の疎水性樹脂からなる壁膜材によるマイクロカプセル中に内包させた複合粒子を用いた感熱記録体(特許文献1、2参照)、ロイコ染料とアクリル系の疎水性樹脂との複合粒子を用いた感熱記録体(特許文献3参照)、およびロイコ染料とポリウレアまたはポリウレタン系の疎水性樹脂との疎水性有機溶剤を含まない複合粒子を用いた感熱記録体(特許文献4参照)は公知であるが、感熱記録層中の水分が高くなると記録感度が高くなるというように、感熱記録体が使用される環境湿度の影響を受けて、常に一定の中間調記録濃度が得られ難い欠点がある。
このような欠点を改良するために、マイクロカプセルの壁膜材やマイクロカプセル製造時の保護コロイド剤として、特定の材料を使用する方法(特許文献5、6参照)も提案されているが、必ずしも充分な効果が得られない。
記録部の保存性を高めるために呈色剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩とフエノール系化合物とを用いた感熱記録体(特許文献7、8、9参照)は周知であるが、記録感度に問題がある。
本発明の課題は、記録感度に優れ、かつ感熱記録体が使用される環境湿度の影響による記録感度の変動が少なく、しかも高湿度下における耐地肌カブリ性に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明は、支持体の少なくとも片面上に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、感熱記録層中に、呈色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種とを含有させ、且つロイコ染料を疎水性樹脂と複合粒子を形成した形態で使用するものである。
本発明の感熱記録体は、記録感度に優れ、かつ感熱記録体が使用される環境湿度の影響による記録感度(記録濃度)の変動が少なく、しかも高湿度条件下における耐地肌カブリ性に優れた効果を発揮し、環境湿度の影響による中間調記録濃度の変動が特に嫌われる医療診断用の記録媒体としても利用できる利点を有する。
本発明においては、感熱記録層中に、呈色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種とを含有させ、且つロイコ染料を疎水性樹脂により複合粒子化させた形態で含有させることにより、記録感度に優れ、かつ環境湿度の影響による記録感度の変動が少なく、しかも高湿度環境下に曝されても地肌カブリが少ないという優れた効果が得られる。
サリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種と、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種との合計量は感熱記録層の全固形分に対して10〜60質量%程度が好ましく、20〜50質量%程度がより好ましい。
サリチル酸誘導体の亜鉛塩は記録感度の湿度依存性は少ないが、記録感度が低い問題がある。また、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンや1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンは、記録感度を高める効果を有するが、記録感度が湿度により大きく変動する問題と、記録部の耐湿保存性にも問題がある。しかし、サリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種と、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とを、質量比で95:5〜30:70、好ましくは80:20〜35:65、とりわけ75:25〜40:60の割合で併用すると、記録感度、記録感度の湿度依存性および記録部の耐湿保存性がバランスよく改善される。
呈色剤として使用されるサリチル酸誘導体の亜鉛塩の具体例としては、例えばサリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸、4−β−フェノキシエトキシサリチル酸、4−(4−フェノキシブトキシ)サリチル酸、4−(6−フェノキシヘキシルオキシ)サリチル酸、4−(5−フェノキシアミルオキシ)サリチル酸、4−(8−フェノキシオクチルオキシ)サリチル酸、4−(β−p−トリルオキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−m−トリルオキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−o−トリルオキシエトキシ)サリチル酸、4−β−p−シクロヘキシルフェノキシエトキシサリチル酸、4−(β−p−tert−オクチルフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−ノニルフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−ベンジルフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(2−p−α−フェネチルフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−エトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−ベンジルオキシフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−ドデシルオキシフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−フェニルフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−p−シクロヘキシルフェノキシエトキシ)サリチル酸、4−(β−フェノキシエトキシ−6−メチル)サリチル酸、4−(β−フェノキシイソプロピルオキシ)サリチル酸、4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸、4−[3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ]サリチル酸、5−[p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル]サリチル酸等の亜鉛塩を挙げることができる。
また、これらのサリチル酸誘導体の亜鉛塩は水和物であってもよいし、二種以上併用することもできる。
これらのサリチル酸誘導体の亜鉛塩のなかでも、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛および4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛が好ましく、4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛が特に好ましい。
本発明においては、呈色剤として、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種と、上記の如きサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種とを併用するものであるが、特に、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンと4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛で呈色剤を構成すると、記録感度、記録感度の湿度依存性、および記録部の耐湿保存性の何れもがとりわけバランス良く改善された感熱記録体が得られるため、好ましい。
本発明では、上記の如き特定の呈色剤を使用するものであるが、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で他の呈色剤を含有させることもでき、例えば4,4’−イソプロピリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4’−メチルフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニルチオエトキシ)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、1,4−ビス[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等のフェノール化合物、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−(o−トリル)−p−トリルスルホアミド、N−(p−トリルスルホニル)−N’−フェニル尿素等の分子内に−SO2NHCO−結合を有する化合物等が挙げられる。
本発明において、ロイコ染料を疎水性樹脂により複合粒子化させた形態とは、例えば1種以上のロイコ染料と疎水性有機溶剤とが樹脂膜により内包されたマイクロカプセル化された形態、1種以上のロイコ染料の表面にアクリル系などの疎水性樹脂からなる発色調節層が形成された形態、または1種以上のロイコ染料が固体の樹脂粒子中に分散された形態である。なお、複合粒子の体積平均粒子径としては、0.5〜3.0μm程度が好ましい。
複合粒子を形成するロイコ染料の具体例としては、例えば3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−[1,1−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)]−3−p−ジエチルアミノフェニルフタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。
複合粒子中のロイコ染料の合計含有比率としては、複合粒子に対して10〜70質量%であり、好ましくは30〜60質量%である。
ロイコ染料と複合粒子を形成する疎水性樹脂としては、例えばウレア系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの疎水性樹脂のなかでも、ウレア系樹脂、ウレア−ウレタン系樹脂は、耐熱性に優れた複合粒子が得られるため好ましい。
ウレア系樹脂またはウレア−ウレタン系樹脂中にロイコ染料が分散された複合粒子は、例えば多価イソシアネート化合物とロイコ染料とを溶解した油性溶液をポリビニルアルコール等の親水性保護コロイド溶液中に平均粒子径が0.5〜3μm程度となるように乳化分散後、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進させることにより得られる。
複合粒子中のロイコ染料は外部との隔離性が高く、熱や湿度による地肌カブリや発色画像の消色が少なく、ロイコ染料が疎水性樹脂に溶解されるため、感熱記録層の透明度が結晶状のロイコ染料粒子で使用する場合に比較して高くなる効果があり、支持体として透明フイルムを用いることにより、極めて透明性に優れた感熱記録体が得られる。
多価イソシアネート化合物とは、水と反応することによりポリウレアまたはポリウレア−ポリウレタンを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物のみの使用であってもよいし、または多価イソシアネート化合物およびこれと反応するポリオールやポリアミンとの混合物の使用、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物の使用、さらにはビウレット体やイソシアヌレート体等の多量体の使用であってもよい。これら多価イソシアネート化合物にロイコ染料を溶解し、この溶液を、ポリビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性媒体中に乳化分散し、更に必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、高分子形成性原料を重合させることによって高分子化し、それによってロイコ染料と高分子物質とからなる複合粒子を形成することができる。
多価イソシアネート化合物としては、例えばm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、4,4’,4''−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物等が挙げられる。
なかでも、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、またはm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートとジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートとの併用が特に耐地肌カブリ性と記録感度に優れ、好ましい。
また、ポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、フェニルエチレングリコール、ペンタエリスリトール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2−ヒドロキシアクリレート等が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチルピペラジン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
勿論、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物およびポリオール化合物等は、前記化合物に限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用してもよい。
更に、複合粒子中には記録感度を高めるために融点が40〜150℃程度の芳香族有機化合物(増感剤)、耐光性を高めるための紫外線吸収剤、および安定化剤としてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等を含有させることもできる。
感熱記録層中の複合粒子の含有比率としては、感熱記録層の全固形分に対して10〜60質量%程度、好ましくは20〜50質量%程度である。
感熱記録層中にも複合粒子中に含有し得る増感剤、耐光性を高めるための紫外線吸収剤、および安定化剤としてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等を含有させることもできる。
感熱記録層は、一般には水を媒体とし、複合粒子、平均粒子径が0.1〜3μm程度に粉砕された呈色剤、接着剤、および助剤とを混合攪拌して調製された感熱記録層用塗液を支持体上に乾燥後の塗布量が3〜25g/m2程度となるように塗布乾燥して形成される。
感熱記録層は、複数のロイコ染料と疎水性樹脂からなる複合粒子を含有する感熱記録層用塗液を一度塗り、あるいは重ね塗りして設けることもできる。また、発色色調の異なる複数の感熱記録層用塗液を多層塗りして、感熱記録層を多層状に設けることもできる。
感熱記録層の形成方法については特に限定されず、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング等の公知の適当な塗布方法により形成される。
感熱記録層用塗液中の接着剤としては、例えばポリビニルアルコールおよびその誘導体、澱粉およびその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン等の水溶性接着剤、並びに酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系ラテックス、アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス等が挙げられる。
また、助剤としては、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム塩、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、カオリン、クレー、タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化チタン、無定形シリカ、水酸化アルミニウム等の顔料、グリオキザール、ホルマリン、グリシン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール尿素、アルキルケテンダイマー、ジアルデヒド澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、ホウ砂、ホウ酸、炭酸ジルコニウムアンモニウム、エポキシ系化合物等の耐水化剤、その他消泡剤、蛍光染料、着色染料等が挙げられる。
感熱記録層が設けられる支持体としては、特に限定はなく、紙、合成紙、フィルム等が挙げられる。その厚みとしては20〜200μm程度であり、着色されていてもよい。また、感熱記録層との密着性を高めるのに支持体表面にアンカーコート層を設けたり、コロナ放電処理をしたりすることもできる。更に、導電剤による導電処理を施してもよい。
なお、支持体として透明なフイルムを用いることにより、未記録部の透明性と記録部の階調性に極めて優れた効果が得られる。
なお、本発明の感熱記録体においては、記録感度をより高めるために支持体と感熱記録層との間に吸油量が70ml/100g以上の顔料、或いは有機中空粒子と接着剤とを主成分とする下塗層を設けたり、記録走行性と耐薬品性を高めるために成膜性を有する接着剤を主成分とする保護層を感熱記録層上または支持体の裏面側に設けたり、或いは各層の塗布形成後にスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理をしたり、磁気記録層、粘着剤層を設けたりする等の各種公知の感熱記録体製造技術を付加することもできる。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
実施例1
・A液(複合粒子分散液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、および3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン8部とを、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールW)5部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、タケネート(登録商標)TMXDI)15部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール(登録商標)PVA−217EE)8.5部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(日信化学社製、オルフィンE1010)0.5部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物(シェル・インターナショナル・ペトロリウム社製、エピキュア(登録商標)T)3部を水22部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行い、体積平均粒子径0.8μm(レーザー光回折法による)のロイコ染料含有複合粒子分散液を調製した。なお、ロイコ染料含有複合粒子分散液が25%となるように水で調製した。
・A液(複合粒子分散液)の調製
ロイコ染料として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、および3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン8部とを、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、デスモジュールW)5部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製、タケネート(登録商標)TMXDI)15部からなる混合溶媒に加熱溶解(150℃)し、この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製、ポバール(登録商標)PVA−217EE)8.5部と、界面活性剤としてアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(日信化学社製、オルフィンE1010)0.5部を含む水溶液100部中に徐々に添加し、ホモジナイザーを用い、回転数10000rpmの攪拌によって乳化分散した。この乳化分散液に、水30部、多価アミン化合物(シェル・インターナショナル・ペトロリウム社製、エピキュア(登録商標)T)3部を水22部に溶解した水溶液を加えて均一化した。この乳化分散液を75℃に昇温し、7時間の重合反応を行い、体積平均粒子径0.8μm(レーザー光回折法による)のロイコ染料含有複合粒子分散液を調製した。なお、ロイコ染料含有複合粒子分散液が25%となるように水で調製した。
・B液(呈色剤分散液)の調製
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(B液)を得た。
3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(B液)を得た。
・C液(呈色剤分散液)の調製
4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛(三井化学社製、SZ110、4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛の2水和物)44部(無水物換算量:42部)、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水16部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(C液)を得た。
4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛(三井化学社製、SZ110、4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛の2水和物)44部(無水物換算量:42部)、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水16部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(C液)を得た。
・D液(呈色剤分散液)の調製
2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(D液)を得た。
2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(D液)を得た。
・感熱記録層用塗液の調製
A液144部、B液38部、C液37部、D液25部、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(日本A&L社製、スマーテックス(登録商標)PA−9280)50部、および水40部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
A液144部、B液38部、C液37部、D液25部、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(日本A&L社製、スマーテックス(登録商標)PA−9280)50部、および水40部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
・保護層用塗液の調製
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス(大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形濃度20%)100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール[日本合成化学工業社製、ゴーセファイマー(登録商標)OKS−3431、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%]の8%水溶液500部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部、ステアリン酸アミド(中京油脂社製、ハイミクロンL−271、固形濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(松本油脂製薬社製、ウーポール1800、固形濃度35%)4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(セイミケミカル社製、サーフロン(登録商標)S−145)の10%水溶液15部、および水300部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス(大日本インキ化学工業社製、ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形濃度20%)100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール[日本合成化学工業社製、ゴーセファイマー(登録商標)OKS−3431、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%]の8%水溶液500部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、平均粒子径0.8μmのカオリン(エンゲルハード社製、UW−90)の60%スラリー50部、ステアリン酸アミド(中京油脂社製、ハイミクロンL−271、固形濃度25%)26部、ステアリルリン酸エステルカリウム塩(松本油脂製薬社製、ウーポール1800、固形濃度35%)4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(セイミケミカル社製、サーフロン(登録商標)S−145)の10%水溶液15部、および水300部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
(感熱記録体の作製)
青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、感熱記録層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録層を設け、その上に保護層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が3.5g/m2となるように塗布乾燥して保護層を設け、感熱記録体を得た。
青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、感熱記録層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録層を設け、その上に保護層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が3.5g/m2となるように塗布乾燥して保護層を設け、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部の代わりにB液75部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部の代わりにB液75部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部の代わりにC液75部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部の代わりにC液75部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液50部、D液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液50部、D液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液30部、D液70部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液30部、D液70部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液25部の代わりに下記のE液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液25部の代わりに下記のE液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・E液(呈色剤分散液)の調製
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、及び水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(E液)を得た。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、及び水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(E液)を得た。
実施例7
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液75部、E液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液75部、E液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例8
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液40部、E液60部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液40部、E液60部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例9
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液50部、D液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液50部、D液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例10
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液50部、D液50部を用い、さらに、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(日本A&L社製、スマーテックス(登録商標)PA−9280)50部の代わりに、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマーおよびブタジエンモノマーが重合されたラテックス(パテラコール2090、固形分濃度41%、大日本インキ化学工業社製)59部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液50部、D液50部を用い、さらに、固形分濃度48%のスチレン−ブタジエン系ラテックス(日本A&L社製、スマーテックス(登録商標)PA−9280)50部の代わりに、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマーおよびブタジエンモノマーが重合されたラテックス(パテラコール2090、固形分濃度41%、大日本インキ化学工業社製)59部を使用した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例11
・アンカーコート層用塗液の調製
ポリビニルアルコール(ポバール(登録商標)PVA−217EE、クラレ社製)10%水溶液100部、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマーおよびブタジエンモノマーが重合されたラテックス(パテラコール2090、固形分濃度41%、大日本インキ化学工業社製)219部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(サンモリンOT−70、固形分濃度10%、三洋化成社製)2部および水3000部からなる組成物を混合攪拌してアンカーコート層用塗液を得た。
・アンカーコート層用塗液の調製
ポリビニルアルコール(ポバール(登録商標)PVA−217EE、クラレ社製)10%水溶液100部、ポリウレタンアイオノマーを含有する水性媒体中でスチレンモノマーおよびブタジエンモノマーが重合されたラテックス(パテラコール2090、固形分濃度41%、大日本インキ化学工業社製)219部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(サンモリンOT−70、固形分濃度10%、三洋化成社製)2部および水3000部からなる組成物を混合攪拌してアンカーコート層用塗液を得た。
実施例1の感熱記録体の作製において、青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、アンカーコート層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が1g/m2となるように塗布乾燥してアンカーコート層を設け、その上に実施例10と同様にして調製した感熱記録層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が20g/m2となるように塗布乾燥して感熱記録層を設け、その上に保護層用塗液をスロットダイコーターを用いて、乾燥後の塗布量が3.5g/m2となるように塗布乾燥して保護層を設けた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例1
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにB液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例2
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにC液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例3
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにD液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにD液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例4
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにE液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、B液38部、C液37部、D液25部の代わりにE液100部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
比較例5
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液25部の代わりに下記のF液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、D液25部の代わりに下記のF液25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・F液(呈色剤分散液)の調製
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(F液)を得た。
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン42部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液60部、および水18部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して呈色剤分散液(F液)を得た。
比較例6
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、A液144部、および水40部の代わりに、下記ロイコ染料分散液55部、および水70部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・ロイコ染料の分散液の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、および3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン8部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、および水34部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.6μmとなるまで粉砕した。
実施例1の感熱記録層用塗液の調製において、A液144部、および水40部の代わりに、下記ロイコ染料分散液55部、および水70部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
・ロイコ染料の分散液の調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トルイジノ)フルオラン5部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン6部、および3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド2部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン8部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、および水34部からなる組成物をウルトラビスコミルを用いて平均粒子径が0.6μmとなるまで粉砕した。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行ない、その結果を表1に示す。
(記録感度)
感熱記録体を温度23℃湿度20%の環境下と温度23℃湿度80%の環境下で24時間放置後、各環境下で感熱印字プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用いて階調モードにて記録し、温度23℃湿度80%の環境下では全16階調の4、9、13および16階調目の記録部の濃度を測定した。また、温度23℃湿度20%の環境下では9階調目の記録部の濃度を測定した。未記録部および記録部の濃度はマクベス濃度計(商品名TR−927J型、マクベス社製)のビジュアルモードで濃度を測定した。
(記録感度)
感熱記録体を温度23℃湿度20%の環境下と温度23℃湿度80%の環境下で24時間放置後、各環境下で感熱印字プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用いて階調モードにて記録し、温度23℃湿度80%の環境下では全16階調の4、9、13および16階調目の記録部の濃度を測定した。また、温度23℃湿度20%の環境下では9階調目の記録部の濃度を測定した。未記録部および記録部の濃度はマクベス濃度計(商品名TR−927J型、マクベス社製)のビジュアルモードで濃度を測定した。
(耐湿保存性の評価)
温度23℃湿度80%の環境下で24時間放置後の各感熱記録体を感熱印字プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用いて9階調目のモードにて記録し、温度40℃湿度90%の環境下で24時間放置した後の未記録部と記録部をマクベス濃度計(商品名TR−927J型マクベス社製)のビジュアルモードで濃度を測定した。
温度23℃湿度80%の環境下で24時間放置後の各感熱記録体を感熱印字プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用いて9階調目のモードにて記録し、温度40℃湿度90%の環境下で24時間放置した後の未記録部と記録部をマクベス濃度計(商品名TR−927J型マクベス社製)のビジュアルモードで濃度を測定した。
支持体の少なくとも片面上に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、呈色剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種と、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とを用い、且つロイコ染料を疎水性樹脂により複合粒子化させた形態で使用することにより、感熱記録体の水分変化による記録感度の変動が少なく、かつ記録感度に優れ、しかも耐湿性や耐地肌カブリ性に優れたことが不可欠な医療用画像の記録媒体にも適用できる。
Claims (5)
- 支持体の少なくとも片面上に、ロイコ染料および呈色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、感熱記録層中に、呈色剤として2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種とサリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種とを含有し、且つロイコ染料が疎水性樹脂と複合粒子を形成した形態で含有されていることを特徴とする感熱記録体。
- サリチル酸誘導体の亜鉛塩が、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛および4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の感熱記録体。
- サリチル酸誘導体の亜鉛塩の少なくとも1種と、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタンから選ばれる少なくとも1種との割合が、質量比で95:5〜30:70である請求項1または2記載の感熱記録体。
- 呈色剤が、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンと4−(n−オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
- 複合粒子を形成する疎水性樹脂が、ウレア系樹脂またはウレア−ウレタン系樹脂である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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JP2009045760A (ja) * | 2007-08-14 | 2009-03-05 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録体 |
JP2010046849A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-03-04 | Oji Paper Co Ltd | 透明感熱記録体及びその製造方法 |
JP2010069871A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-04-02 | Fujifilm Corp | 感熱記録材料 |
JP2011037189A (ja) * | 2009-08-17 | 2011-02-24 | Oji Paper Co Ltd | 透明感熱記録体及びその製造方法 |
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2005
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