JP2009255359A - 感熱記録体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐熱性を有し、高温環境下に曝されても地肌カブリの発生が極めて少なく、しかも記録感度が良好で、最高記録濃度も高い感熱記録体およびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】染料前駆体含有複合微粒子と顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、染料前駆体含有複合微粒子が、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って得られた複合微粒子であることを特徴とする感熱記録体およびその製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】染料前駆体含有複合微粒子と顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、染料前駆体含有複合微粒子が、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って得られた複合微粒子であることを特徴とする感熱記録体およびその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、高耐熱性で地肌カブリの発生が極めて少なく、記録感度も高い感熱記録体およびその製造方法に関するものである。
染料前駆体と顕色剤との発色反応を利用し、加熱により両発色物質を溶融接触させ、発色画像を得るようにした感熱記録体が広く知られている。このような感熱記録体は、比較的安価であり、記録機器がコンパクトで、且つその保守も容易であるため、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算機、及びその他の用途の記録媒体として、幅広い分野において使用されている。しかしながら、従来用いられている染料前駆体からなる固体粒子と顕色剤を用いた感熱記録体は、熱または湿度の影響でその発色画像が消色するという欠点を有している。
こうした欠点を改良するために、染料前駆体をマイクロカプセル内に内包させた感熱記録体(特許文献1、2、3、4参照)が提案されている。しかし、このような多量の高沸点有機溶媒で染料前駆体を溶解した油性液を内包するマイクロカプセルを用いた感熱記録体は、擦れや圧力によるカブリが大きくなり、地肌が着色するといった問題がある。また、この地肌カブリは、記録感度を向上させるためにマイクロカプセル壁を薄くすると顕著になる。
また、染料前駆体を内包し、有機溶媒を実質的に内包しないマイクロカプセルと、乳化分散した顕色剤を使用した感熱記録材料(特許文献5参照)も提案されている。かかるマイクロカプセルは、染料前駆体とマイクロカプセル壁材とを有機溶剤に溶解した溶液を親水性保護コロイド溶液中に乳化分散した後、系を昇温すると共に反応容器内を減圧することにより、有機溶剤を留去しつつマイクロカプセルの壁を形成せしめることにより製造される。しかし、こうして製造されたマイクロカプセル分散液には、有機溶剤として酢酸エチルのような低沸点有機溶剤を使用した場合でも、微量の有機溶剤が残留するため、臭気の問題がある。また、有機溶剤を留去しつつマイクロカプセルの壁が形成されるため、壁形成が阻害されやすく、形成された壁の隔離性は必ずしも十分ではなく、これを用いた感熱記録体の生保存性や印字保存性は必ずしも満足のいくものではない。
また、多価イソシアネート化合物含有重合成分からなる溶媒中に染料前駆体を溶解し、この溶液を親水性保護コロイド含有水溶液中に乳化分散し、この乳化分散液を加温して得られた、ポリウレア又はポリウレタン樹脂からなる母材中に染料前駆体を含有させた複合微粒子を用いた感熱記録材料(特許文献6参照)も提案されている。この方法で製造された複合微粒子は、染料前駆体がポリウレア・ポリウレタンの高分子鎖に取り込まれた形状であるため、有機溶媒を含有するマイクロカプセルに比べ、圧力破壊やカブリが発生し難く、記録感度とのバランスも優れている。かかる複合微粒子を用いた感熱記録材料は、ある程度の耐熱保存性を有し、記録感度も良好であるが、より高温の環境下に曝されても地肌カブリを生じず、しかもより高い最高記録濃度が得られる感熱記録材料の要望が高まっている。
さらに、多価イソシアネート化合物を溶媒とし染料前駆体を溶質とする溶液を、親水性保護コロイド含有水溶液中に乳化分散した後、多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進させて複合微粒子を製造する際に、保護コロイド溶液中に水溶性脂肪族ポリアミン化合物を特定量添加して製造した複合微粒子を使用した感熱記録材料(特許文献7)も提案されている。しかし、こうして製造された複合微粒子を用いた感熱記録材料にも、高温環境下に曝された場合に発生する地肌カブリがより抑制されることが望まれている。
本発明の課題は、高耐熱性を有し、高温環境下に曝されても地肌カブリの発生が極めて少なく、しかも記録感度が良好で、最高記録濃度も高い感熱記録体およびその製造方法を提供することである。
本発明者等は、高耐熱性を有する感熱記録体を得るべく、特に、染料前駆体を含有する複合微粒子の改良について鋭意検討した。その結果、染料前駆体を含有する複合微粒子を製造する際の硬化剤として特定の分子量を有するポリエチレンイミンを使用することにより、耐熱性の顕著な向上が達成できることを見出した。また、複合微粒子を製造する際に、沸点150℃以上の有機溶媒を多価イソシアネート化合物含有重合成分の希釈溶媒として使用すると、最高記録濃度に優れた感熱記録体が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであって、次の感熱記録体およびその製造方法を提供するものである。
本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであって、次の感熱記録体およびその製造方法を提供するものである。
〔項1〕 支持体上に、染料前駆体含有複合微粒子と顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、染料前駆体含有複合微粒子が、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って得られた複合微粒子であることを特徴とする感熱記録体。
〔項2〕 ポリエチレンイミンの分子量が、400〜1500である、項1に記載の感熱記録体。
〔項3〕 ポリエチレンイミンが、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有する、項1または2に記載の感熱記録体。
〔項4〕 沸点150℃以上の有機溶媒を、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒との合計量に対して1〜50質量%含有する、項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
〔項5〕 沸点150℃以上の有機溶媒が、リン酸トリクレジルである、項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
〔項6〕 多価イソシアネート化合物含有重合成分の少なくとも1種が、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である、項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
〔項7〕 多価イソシアネート化合物含有重合成分として、さらにm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを含む、項6に記載の感熱記録体。
〔項8〕 (a)多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って染料前駆体含有複合微粒子を製造する工程
(b)得られた染料前駆体含有複合微粒子、顕色剤および接着剤を含有する感熱記録層用塗液を調製する工程
(c)得られた感熱記録層用塗液を支持体上に塗布・乾燥する工程
を包含する感熱記録体の製造方法。
(b)得られた染料前駆体含有複合微粒子、顕色剤および接着剤を含有する感熱記録層用塗液を調製する工程
(c)得られた感熱記録層用塗液を支持体上に塗布・乾燥する工程
を包含する感熱記録体の製造方法。
〔項9〕 ポリエチレンイミンの分子量が、400〜1500である、項8に記載の感熱記録体の製造方法。
〔項10〕 ポリエチレンイミンが、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有する、項8または9に記載の感熱記録体の製造方法。
〔項11〕 沸点150℃以上の有機溶媒を、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒との合計量に対して1〜50質量%含有する、項8〜10のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
〔項12〕 沸点150℃以上の有機溶媒が、リン酸トリクレジルである、項8〜11のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
〔項13〕 多価イソシアネート化合物含有重合成分の少なくとも1種が、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である、項8〜12のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
〔項14〕 多価イソシアネート化合物含有重合成分として、さらにm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを含む、項13に記載の感熱記録体の製造方法。
本発明に係る感熱記録体は、高耐熱性を有しており、高温環境下に曝されても地肌カブリの発生が極めて少なく、且つ記録感度も良好で、しかも高い最高記録濃度を得ることができるという利点を有する。
本発明の感熱記録体で使用する染料前駆体含有複合微粒子(以下、単に「複合微粒子」と称する)は、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って得られた複合微粒子であることを特徴とする。
本発明において、沸点150℃以上の有機溶媒としては、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸オクチルジフェニル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、オレイン酸ブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート、モノイソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、1−メチル−1−フェニル−1−トリルメタン、1−メチル−1−フェニル−1−キシリルメタン、1−フェニル−1−トリルメタン、イソプロピルビフェニル、塩素化パラフィン等を挙げることができる。これらのうちでも、リン酸トリクレジルは、染料前駆体の溶解性と多価イソシアネート化合物含有重合成分との親和性に優れるため、好ましく使用される。
本発明では、上記の如く、沸点150℃以上の高沸点有機溶媒を希釈溶媒として用いるが、低沸点有機溶媒は使用しない。このため、高粘度の多価イソシアネート化合物含有重合成分を使用する場合でも、染料前駆体と多価イソシアネート化合物含有重合成分を含む溶液を水性媒体中に乳化分散する際の乳化分散性やハンドリング性が容易になるだけでなく、残存低沸点有機溶媒による塗料カブリや臭気の問題を生ずることがない。また、低沸点有機溶媒を使用しないため、形成された複合微粒子には、低沸点有機溶媒の蒸発に起因する欠陥が生じず、安定した分離膜が形成されている。このため、かかる複合微粒子を用いる本発明の感熱記録体は、複合微粒子中の染料前駆体と複合微粒子の外の顕色剤が十分に隔離されていることにより、白紙保存時においても極めて安定で、地肌カブリを生ずることがない。その上、複合微粒子中に沸点150℃以上の有機溶媒が包含されているため、本発明の感熱記録体は、高い最高記録濃度を得ることができる。
かかる沸点150℃以上の有機溶媒は、後述の多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒の合計量に対して1〜50質量%程度、好ましくは5〜35質量%程度となるように使用するのが望ましい。ちなみに、沸点150℃以上の有機溶媒の使用量が1〜50質量%程度の範囲であれば、所望する効果を得ることができ、しかも、硬化剤として使用するポリエチレンイミンが複合微粒子の表層でより強固な高分子膜を形成することと相俟って圧力や擦れによる地肌カブリがより抑制された感熱記録体を得ることができる。
本発明においては、前記のように、多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応の際に、硬化剤として、分子量200〜1500のポリエチレンイミンを使用する。
ポリエチレンイミンの分子量がこの範囲であれば、耐熱性の向上効果が遺憾なく発揮され、しかも耐熱性の向上に伴う記録感度の低下を最小限に抑制でき、記録感度にも優れ、その上、圧力や擦れによるカブリが十分に抑制された感熱記録体が得られる。
しかし、分子量が1500を超えると、より高い隔離性が得られ、耐熱性の向上効果は得られるものの、記録感度の低下が顕著となり、本発明には好ましくない。また、分子量400以上のポリエチレンイミンを用いた場合、安定した品質の複合微粒子が製造しやすいことから、得られる感熱記録体は、記録感度の安定性の点で、より優れたものとなる。また、使用するポリエチレンイミンの分子量が大きいほど、圧力や擦れによる地肌カブリの抑制効果が増大する傾向がある。従って、ポリエチレンイミンの分子量は、400〜1500の範囲がより好ましく、特に圧力や擦れによる地肌カブリの抑制を重視する場合は1000〜1500の範囲が好ましい。
なお、ここで規定する分子量は、沸点上昇法による数平均分子量である。
ポリエチレンイミンの分子量がこの範囲であれば、耐熱性の向上効果が遺憾なく発揮され、しかも耐熱性の向上に伴う記録感度の低下を最小限に抑制でき、記録感度にも優れ、その上、圧力や擦れによるカブリが十分に抑制された感熱記録体が得られる。
しかし、分子量が1500を超えると、より高い隔離性が得られ、耐熱性の向上効果は得られるものの、記録感度の低下が顕著となり、本発明には好ましくない。また、分子量400以上のポリエチレンイミンを用いた場合、安定した品質の複合微粒子が製造しやすいことから、得られる感熱記録体は、記録感度の安定性の点で、より優れたものとなる。また、使用するポリエチレンイミンの分子量が大きいほど、圧力や擦れによる地肌カブリの抑制効果が増大する傾向がある。従って、ポリエチレンイミンの分子量は、400〜1500の範囲がより好ましく、特に圧力や擦れによる地肌カブリの抑制を重視する場合は1000〜1500の範囲が好ましい。
なお、ここで規定する分子量は、沸点上昇法による数平均分子量である。
本発明において、硬化剤として用いるポリエチレンイミンは、分子量が上記範囲内であれば、一般に入手可能なものが使用でき、線状高分子化合物であってもよい。
しかし、各種のポリエチレンイミンのうちでも、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有するポリエチレンイミンを用いると、隔離性が向上し、耐熱性が格段に向上した複合微粒子が得られ、結果として、かかる複合微粒子を使用した感熱記録体の地肌カブリが抑制され、耐熱性が顕著に向上して高温環境下に曝された場合にも地肌カブリの発生が極めて少なく、しかも記録感度にも優れた感熱記録体が得られるため、特に好ましく用いられる。
しかし、各種のポリエチレンイミンのうちでも、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有するポリエチレンイミンを用いると、隔離性が向上し、耐熱性が格段に向上した複合微粒子が得られ、結果として、かかる複合微粒子を使用した感熱記録体の地肌カブリが抑制され、耐熱性が顕著に向上して高温環境下に曝された場合にも地肌カブリの発生が極めて少なく、しかも記録感度にも優れた感熱記録体が得られるため、特に好ましく用いられる。
上記の1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有するポリエチレンイミンは、株式会社日本触媒から「エポミン(登録商標)」シリーズとして市販されているものや、BASFジャパン株式会社から「ルパゾール(登録商標)」シリーズとして市販されているものなどを使用することができる。勿論、これらのポリエチレンイミンのうちから、分子量が上記範囲内にあるグレードを選択して使用する必要があることはいうまでもない。
本発明において、ポリエチレンイミンは、多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行う際に存在していることが必要で、そのために、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を溶媒とし、染料前駆体を溶質とする溶液を水性媒体中に乳化分散せしめた分散液中に存在させておく必要がある。ポリエチレンイミンの添加方法は、(A)水性媒体中に予め添加しておく方法、(B)乳化分散後の分散液に添加する方法、(C)高分子化反応を行うための乳化分散液の加温を開始してから添加する方法、のいずれを採用することもできるが、(B)または(C)の方法が好ましく、(C)の方法がより好ましい。
なお、本発明で使用するポリエチレンイミンは水溶性であるため、分散液を構成する連続相(水性媒体相)中に溶解した状態で存在する。
なお、本発明で使用するポリエチレンイミンは水溶性であるため、分散液を構成する連続相(水性媒体相)中に溶解した状態で存在する。
ポリエチレンイミンの使用量については、使用する多価イソシアネート化合物含有重合成分の種類および使用するポリエチレンイミンの分子量等に応じて適宜調節すべきもので特に制限はないが、一般に、複合微粒子の製造に使用する多価イソシアネート化合物含有重合成分に対して1〜20質量%程度であることが好ましく、5〜15質量%程度であることがより好ましい。
本発明の複合微粒子の調製で用いる多価イソシアネート化合物含有重合成分とは、水と反応することによりポリウレアまたはポリウレア−ポリウレタンを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物のみであってもよいし、または多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオールとの混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物のほか、多価イソシアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であってもよい。
本発明に使用する多価イソシアネート化合物としては、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類等を例示することができる。
また、多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物等のイソシアネートプレポリマーを用いることができる。
また、多価イソシアネート化合物の多量体としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体等の多量体を挙げることができる。
また、多価イソシアネート化合物の多量体としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体等の多量体を挙げることができる。
本発明に使用するポリオール化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物、フェニルエチレングリコール、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等の芳香族ポリオール、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオキサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシアクリレートのような分子内にヒドロキシ基のあるアクリレート等が挙げられる。
勿論、多価イソシアネート化合物、多価イソシアネートとポリオールとの付加物及びポリオール化合物等は、上記化合物に限定されるものではなく、また必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明において、上記多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちでも、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、キシリレンジイソシアネート、及びこれらのトリメチロールプロパン付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体から選ばれる少なくとも1種を使用するのが好ましい。その中でも特に、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物は記録感度と地肌カブリの品質バランスが優れている為、好ましく用いられ、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートは染料前駆体の溶解性が非常に高いため、好ましく用いられる。
本発明で使用する染料前駆体としては、トリアリール系、ジフェニルメタン系、チアジン系、スピロ系、ラクタム系、フルオラン系などのロイコ体が好ましく使用できる。
その具体例としては、例えば、黒色発色を与える染料前駆体として、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、及び3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
その具体例としては、例えば、黒色発色を与える染料前駆体として、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、及び3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
本発明において、前記黒色発色を与える染料前駆体の中でも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−アミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フルオラン、及び3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオランが地肌カブリを生じ難いという点で好ましい。
赤若しくは赤紫、オレンジ色系統の発色を与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、及び3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン等を挙げることができる。
赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色色調を与える染料前駆体としては、更に3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、及び2−(N−メチルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン等を挙げることができる。
赤色、赤紫色、及びオレンジ色系統の発色色調を示す染料前駆体として、更に3,3′−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3′−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3′−ビス(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリド〕、及び7−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリド〕等を挙げることができる。
上記化合物のなかでも、発色感度が高く、地肌カブリが少ないという点で、赤色発色を与える染料前駆体としては、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、及び3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオランが好ましく、オレンジ色発色を与える染料前駆体としては、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、及び7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリド〕が好ましく、赤紫色発色を与える染料前駆体としては、3,3′−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリドが好ましい。
青色発色を与える染料前駆体としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、及び3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフルオラン等を挙げることができる。特に、これらの青発色性染料前駆体の中では、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドが地肌カブリが少ないという点から好ましい。
緑色発色を与える染料前駆体としては、3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7−クロロフルオラン、および3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリド等を挙げることができる。これら緑色発色を与える染料前駆体のなかでは、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)フタリドが、地肌カブリが少ないという点から好ましい。
黄色系統の発色を与える染料前駆体として、3,6−ジメトキシフルオラン、及び1−(4−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレン等が挙げられる。
なお、上記の各種染料前駆体は、必要に応じて、同じ色調に発色する2種以上の染料前駆体を併用することもできるし、色調補正のために他の色調に発色する染料前駆体と併用することもできる。
なお、上記の各種染料前駆体は、必要に応じて、同じ色調に発色する2種以上の染料前駆体を併用することもできるし、色調補正のために他の色調に発色する染料前駆体と併用することもできる。
本発明に使用される複合微粒子中には、染料前駆体の他に、必要に応じて、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶性蛍光染料、離型剤、有機錫化合物などの反応促進剤等を添加することもできる。
複合微粒子の製造における染料前駆体と多価イソシアネート化合物含有重合成分との比率は、記録感度と隔離性の点から、染料前駆体100質量部に対して、多価イソシアネート化合物含有重合成分を50〜500質量部程度使用するのが好ましく、50〜200質量部程度使用するのがより好ましい。
なお、本発明において、染料前駆体を主体とする溶質を、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒に溶解する際に、必要に応じて、60〜200℃程度に加温することもできる。
本発明において、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒と染料前駆体を含む溶液を乳化分散する際に用いる水性媒体は、水と乳化剤(保護コロイド剤)とを含有する。かかる乳化剤としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそれらの誘導体等の水溶性合成高分子化合物を用いることができる。
水性媒体における乳化剤の固形分濃度については、特に限定するものではないが、一般に2〜20質量%程度、好ましくは5〜15質量%程度である。水性媒体中には、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等を添加してもよい。
複合微粒子調製の際の乳化剤の使用量については特に限定はないが、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒と染料前駆体を主成分とする溶液に対して、乳化剤が10〜50質量%程度、好ましくは15〜35質量%程度となるように水性媒体を使用するのが望ましい。
水性媒体における乳化剤の固形分濃度については、特に限定するものではないが、一般に2〜20質量%程度、好ましくは5〜15質量%程度である。水性媒体中には、必要に応じて界面活性剤、消泡剤等を添加してもよい。
複合微粒子調製の際の乳化剤の使用量については特に限定はないが、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒と染料前駆体を主成分とする溶液に対して、乳化剤が10〜50質量%程度、好ましくは15〜35質量%程度となるように水性媒体を使用するのが望ましい。
多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒と染料前駆体を含む溶液を水性媒体に乳化分散するには、公知の分散装置、例えば、ホモジナイザー、コーレス分散機等を使用して常法に従って行えばよい。
また、多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応は、一般に30〜120℃程度、好ましくは60〜120℃程度で行われる。反応時間は一般に1〜24時間、好ましくは3〜12時間の範囲とすればよい。
また、多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応は、一般に30〜120℃程度、好ましくは60〜120℃程度で行われる。反応時間は一般に1〜24時間、好ましくは3〜12時間の範囲とすればよい。
本発明で使用する複合微粒子の平均粒子径は、記録感度を考慮すると、体積平均粒子径で0.1〜15μm程度であることが好ましく、0.3〜6.0μm程度がより好ましく、特に0.5〜3.0μm程度が好ましい。なお、複合微粒子の平均粒子径を調節するには、染料前駆体と多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶液を水性媒体中に乳化分散して得た乳化物の平均粒子径を調節すればよい。
こうして得られた高分子化反応混合物は、通常、生成複合微粒子を単離することなく、そのまま又は水で希釈して、複合微粒子分散液として使用される。
こうして得られた高分子化反応混合物は、通常、生成複合微粒子を単離することなく、そのまま又は水で希釈して、複合微粒子分散液として使用される。
本発明の感熱記録体において、使用する顕色剤に制限はなく、公知の化合物を使用することができる。かかる化合物の具体例としては、例えば4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N′−フェニルウレア、4,4′−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4′−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N′−p−ブトキシフエニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基またはウレイレン基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩化合物等が挙げられる。勿論、上記顕色剤は、必要に応じて2種以上の化合物を併用することもできる。
上記顕色剤は、一般に、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、スルホン変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの保護コロイド剤、更には必要に応じて界面活性剤や消泡剤を溶解した水溶液を分散媒として使用し、サンドミル、アトライター、ボールミル、コボルミルなどの湿式粉砕機を用いて平均粒子径が1μm以下、好ましくは0.2〜0.5μmとなるように微粒子化して使用される。また、粉砕により微粒子化した顕色剤の代わりに、適当な有機溶剤と乳化剤を用いて顕色剤の乳化分散物を調製し、これを使用することもできる。
本発明の感熱記録体において、感熱記録層は、通常、水を分散媒体とし、染料前駆体含有複合微粒子、顕色剤、接着剤のほかに、必要に応じて、記録感度を高めるための増感剤、記録画像の保存性を高めるための画像安定化剤、顔料、さらには各種助剤を混合して得た感熱記録層用塗液を、支持体上に塗布・乾燥して形成される。一般に感熱記録層用塗液の調製の際には、前記複合微粒子分散液を用いるのが有利である。
本発明の感熱記録層は、基本的には、染料前駆体を前記複合微粒子の形態で含有している。本発明において染料前駆体と顕色剤との使用割合は、感熱記録層中に存在する染料前駆体の質量に対して100〜700質量%の割合で顕色剤を用いることが好ましく、より好ましくは、150〜400質量%の割合で使用される。
顕色剤の使用量は、感熱記録層の全固形分に対して、10〜60質量%程度、特に15〜50質量%程度とするのが好ましい。
顕色剤の使用量は、感熱記録層の全固形分に対して、10〜60質量%程度、特に15〜50質量%程度とするのが好ましい。
接着剤としては、例えば完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコールなどの各種変性ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並びにポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の水不溶性重合体のラテックス等を挙げることができる。
接着剤の使用量は、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度、特に5〜30質量%程度の範囲となるように使用するのが好ましい。
接着剤の使用量は、感熱記録層の全固形分に対して5〜50質量%程度、特に5〜30質量%程度の範囲となるように使用するのが好ましい。
増感剤としては、従来から感熱記録体の増感剤として知られている化合物を使用することができ、例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸メチロールアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、メチロール化脂肪酸アミド等のアミド化合物類、シュウ酸ジベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキシ−2−ナフトキシエタン、1−フェノキシ−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、1−(4−メチルフェノキシ)−2−ナフトキシエタン、1,3−ナフトキシプロパン、1,4−ナフトキシブタン、p−ベンジルビフェニル、m−ターフェニル、ベンジル−2−ナフチルエーテル、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン、ジフェニルスルホン、炭酸ジフェニル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。上記増感剤の中で特に白紙部の耐熱性を良好に保つためには、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステルとシュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステルとの混合体、または1−フェノキシ−2−ナフトキシエタン、または1−(4−メチルフェノキシ)−2−ナフトキシエタン、または2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。これらの増感剤を使用する場合、その使用量は、通常、染料前駆体1質量部に対して0.1〜5質量部程度の割合で使用される。
画像安定化剤としては、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、及び4,4′−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール等のフェノール系化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4′−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン、及び4−(2−エチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸等のイソシアヌル酸化合物等が挙げられる。これら画像安定化剤を使用する場合、その使用量は、通常、染料前駆体1質量部に対して0.1〜1質量部程度の割合で使用される。
増感剤及び画像安定化剤は、前記顕色剤と同様に、湿式粉砕により微粒子化するか、乳化分散物とした後、感熱記録層用塗液の調製の際に混合すればよい。
顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並びに尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。サーマルヘッドに対するカス付着、及びスティッキング防止のためには、吸油量が50ml/100g以上の顔料を使用することが好ましい。顔料の平均粒子径は、通常、10μm以下のものが使用される。顔料を使用する場合、その配合量は、発色濃度を低下させない程度の量、即ち感熱記録層の全固形分に対して50質量%以下、特に5〜30質量%程度であることが好ましい。
また、感熱記録層用塗液には、必要に応じて、架橋剤(耐水化剤)、ワックス類、金属石鹸のほか、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等の各種助剤を添加することができる。
かかる架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、ホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等が挙げられる。これらの架橋剤を使用する場合には、感熱記録層の全固形分に対して0.1〜10質量%程度の範囲で用いることが好ましい。
かかる架橋剤としては、例えば、グリオキザール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等のポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、ホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等が挙げられる。これらの架橋剤を使用する場合には、感熱記録層の全固形分に対して0.1〜10質量%程度の範囲で用いることが好ましい。
ワックス類としては、例えばパラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、及びポリエチレンワックス等のワックス類、並びに高級脂肪酸エステル及びその誘導体等を挙げることができる。
金属石鹸としては、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、及びオレイン酸亜鉛等を挙げることができる。
本発明に用いられる支持体の種類、形状、及び寸法等には、格別の限定はなく、例えば、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、古紙配合紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどの合成樹脂フィルム等から適宜選択して使用することができる。なお、合成樹脂フィルムは透明であってもよく、また青色などに着色された透明フィルムであってもよい。支持体の厚みは、一般に20〜200μm程度である。
支持体上に上記感熱記録層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、及びエクストルージョン法等、既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。また印刷機等を使用して本発明の感熱記録層用塗液を部分印刷して使用することもできる。
感熱記録層用塗液は、支持体の一表面に通常乾燥重量として1〜30g/m2程度、好ましくは3〜25g/m2程度となるように塗布・乾燥され、それによって感熱記録層が形成される。
また、記録体裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制したり、カールコントロールのため、または搬送性を向上させるためにバックコート層を設けることもできる。また感熱記録層をスーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その記録感度を高めることに効果がある。その場合、感熱記録層表面を、カレンダーの金属ロール及び弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
感熱記録層用塗液は、支持体の一表面に通常乾燥重量として1〜30g/m2程度、好ましくは3〜25g/m2程度となるように塗布・乾燥され、それによって感熱記録層が形成される。
また、記録体裏面からの油や可塑剤の浸透を抑制したり、カールコントロールのため、または搬送性を向上させるためにバックコート層を設けることもできる。また感熱記録層をスーパーカレンダーやソフトカレンダー等の既知の平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その記録感度を高めることに効果がある。その場合、感熱記録層表面を、カレンダーの金属ロール及び弾性ロールのいずれに当てて処理してもよい。
本発明においては、感熱記録体の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等を塗布することにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙としたり、或いは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録体とすることができる。また裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録体とすることもできる。もちろん両面感熱記録体とすることもできる。
本発明においては、感熱記録層上に保護層を設けたり、感熱記録層と支持体との間に下塗層を設けたりすることができる。保護層及び下塗層は共に、顔料及び接着剤を主成分として構成することができる。
保護層に含まれる接着剤としては、完全鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス、スチレン−ブタジエン系樹脂ラテックスなどの樹脂ラテックス類などを使用できる。保護層に含まれる顔料としては、焼成カオリン、カオリン、水酸化アルミニウム、無定形シリカなどの無機顔料のほか、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂などの有機顔料を使用できる。顔料の配合量は、保護層の固形分に対して5〜65質量%程度、特に15〜50質量%程度であることが好ましい。保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、またこれを2層以上に構成することもできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。保護層は、上記接着剤、顔料及び必要に応じて滑剤を水と均一混合して水系保護層用塗液を調製し、その保護層用塗液を感熱記録層上に塗布乾燥することにより形成される。保護層用塗液は、通常、乾燥重量として0.5〜10g/m2程度、好ましくは1〜6g/m2程度となるように塗布される。
保護層に含まれる接着剤としては、完全鹸化ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス、スチレン−ブタジエン系樹脂ラテックスなどの樹脂ラテックス類などを使用できる。保護層に含まれる顔料としては、焼成カオリン、カオリン、水酸化アルミニウム、無定形シリカなどの無機顔料のほか、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂などの有機顔料を使用できる。顔料の配合量は、保護層の固形分に対して5〜65質量%程度、特に15〜50質量%程度であることが好ましい。保護層には、サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的で、ポリオレフィンワックス、ステアリン酸亜鉛のような滑剤を添加することが好ましく、またこれを2層以上に構成することもできる。また光沢のある保護層を設けることにより、製品の付加価値を高めることもできる。保護層は、上記接着剤、顔料及び必要に応じて滑剤を水と均一混合して水系保護層用塗液を調製し、その保護層用塗液を感熱記録層上に塗布乾燥することにより形成される。保護層用塗液は、通常、乾燥重量として0.5〜10g/m2程度、好ましくは1〜6g/m2程度となるように塗布される。
本発明の感熱記録層上にUV硬化性樹脂、EB硬化性樹脂を含む保護層を設けることもできるし、その上に、UVインキ、フレキソインキ等で印刷することもできる。保護層にシリコン等の離型剤を用いることにより本発明の感熱記録体をライナーレスの粘着ラベルとして利用することもできる。この場合、印刷後に離型剤を塗工してもよい。
下塗層には、シリカ、焼成カオリン等のような空隙率の高い顔料を使用することによって、その上の感熱記録層の記録感度を上げることができる。また下塗層中にプラスチックピグメント、中空粒子、及び発泡体等を含有させることもその上に形成される感熱記録層の記録感度向上に効果がありより好ましい。
支持体上に上記各層を形成する方法としては、エアナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、カーテン法、及びエクストルージョン法等、既知の塗布方法のいずれを利用してもよい。
本発明を下記の実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
複合微粒子および保護層に使用する顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)を用いて測定した体積平均粒子径である。
また、顕色剤の平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)を用いて測定した値である。
複合微粒子および保護層に使用する顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200(島津製作所社製)を用いて測定した体積平均粒子径である。
また、顕色剤の平均粒子径は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−500(堀場製作所社製)を用いて測定した値である。
実施例1
〔染料前駆体含有複合微粒子分散液(A液)の調製〕
ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート〔商品名:デスモジュール(登録商標)W、住友バイエルウレタン社製〕10部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート〔商品名:TMXDI(登録商標)(META)、日本サイテックインダストリーズ社製〕10部、および、リン酸トリクレジルにて30%濃度に希釈されたキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物〔商品名:タケネート(登録商標)D110N−30P、三井化学ポリウレタン社製〕10部を混合し、150℃に加熱して多価イソシアネート化合物含有重合成分と有機溶媒を含む溶液を調製した。
上記で得た150℃に加熱された溶液に、染料前駆体として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン10部、および3,3′−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド10部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン10部を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール〔商品名:ポバール(登録商標)PVA217EE、クラレ社製〕の10%水溶液150部に徐々に添加し、ホモジナイザー(商品名:T.K.ROBO MICS、特殊機化工業社製)を用い、回転数9500rpmの攪拌によって3分間乳化分散した。得られた乳化分散液を90℃に昇温し、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部を添加し、10時間の高分子化反応を行わせて、平均粒子径1.0μmの染料前駆体含有複合微粒子の分散液(A液)を調製した。なお、上記複合微粒子分散液の固形分濃度は30%であった。
〔染料前駆体含有複合微粒子分散液(A液)の調製〕
ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート〔商品名:デスモジュール(登録商標)W、住友バイエルウレタン社製〕10部、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート〔商品名:TMXDI(登録商標)(META)、日本サイテックインダストリーズ社製〕10部、および、リン酸トリクレジルにて30%濃度に希釈されたキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物〔商品名:タケネート(登録商標)D110N−30P、三井化学ポリウレタン社製〕10部を混合し、150℃に加熱して多価イソシアネート化合物含有重合成分と有機溶媒を含む溶液を調製した。
上記で得た150℃に加熱された溶液に、染料前駆体として3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン10部、および3,3′−ビス(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド10部と、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン10部を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール〔商品名:ポバール(登録商標)PVA217EE、クラレ社製〕の10%水溶液150部に徐々に添加し、ホモジナイザー(商品名:T.K.ROBO MICS、特殊機化工業社製)を用い、回転数9500rpmの攪拌によって3分間乳化分散した。得られた乳化分散液を90℃に昇温し、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部を添加し、10時間の高分子化反応を行わせて、平均粒子径1.0μmの染料前駆体含有複合微粒子の分散液(A液)を調製した。なお、上記複合微粒子分散液の固形分濃度は30%であった。
〔顕色剤分散液(B液)の調製〕
3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン20部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水40部からなる組成物をウルトラビスコミルにて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン20部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水40部からなる組成物をウルトラビスコミルにて平均粒子径が0.3μmとなるまで粉砕して顕色剤分散液(B液)を得た。
〔感熱記録層用塗液の調製〕
A液150部、B液115部、ポリビニルアルコール〔商品名:ポバール(登録商標)PVA235、クラレ社製〕の7%水溶液20部、スチレン−ブタジエン系ラテックス〔商品名:スマーテックス(登録商標)PA9281、固形分濃度48%、日本エイアンドエル社製〕30部、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%、大日本インキ化学工業社製〕50部、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液8部、及び水30部からなる組成物を攪拌して感熱記録層用溶液を得た。
A液150部、B液115部、ポリビニルアルコール〔商品名:ポバール(登録商標)PVA235、クラレ社製〕の7%水溶液20部、スチレン−ブタジエン系ラテックス〔商品名:スマーテックス(登録商標)PA9281、固形分濃度48%、日本エイアンドエル社製〕30部、アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%、大日本インキ化学工業社製〕50部、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液8部、及び水30部からなる組成物を攪拌して感熱記録層用溶液を得た。
〔保護層用塗液の調製〕
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%、大日本インキ化学工業社製〕100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−410、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%、日本合成化学工業社製〕の8%水溶液500部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、カオリン〔商品名:ULTRA WHITE(登録商標)90、BASF社製〕を平均粒子径が1.6μmとなるように微粒子化した固形分濃度60%のスラリー50部、ポリエチレンワックス(商品名:ノプコートPEM−17、固形分濃度40%、サンノプコ社製)10部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、固形分濃度25%、中京油脂社製)10部、ステアリル燐酸エステルカリウム塩〔商品名:ウーポール(登録商標)1800、固形分濃度35%、松本油脂製薬社製〕4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物〔商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製〕の10%水溶液15部及び水300部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
アイオノマー型ウレタン系樹脂ラテックス〔商品名:ハイドラン(登録商標)AP−30F、固形分濃度20%、大日本インキ化学工業社製〕100部、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセファイマー(登録商標)Z−410、重合度:約2300、鹸化度:約98モル%、日本合成化学工業社製〕の8%水溶液500部、ポリアミドアミン・エピクロルヒドリンの25%水溶液5部、カオリン〔商品名:ULTRA WHITE(登録商標)90、BASF社製〕を平均粒子径が1.6μmとなるように微粒子化した固形分濃度60%のスラリー50部、ポリエチレンワックス(商品名:ノプコートPEM−17、固形分濃度40%、サンノプコ社製)10部、ステアリン酸アミド(商品名:ハイミクロンL−271、固形分濃度25%、中京油脂社製)10部、ステアリル燐酸エステルカリウム塩〔商品名:ウーポール(登録商標)1800、固形分濃度35%、松本油脂製薬社製〕4部、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物〔商品名:サーフロン(登録商標)S−145、セイミケミカル社製〕の10%水溶液15部及び水300部からなる組成物を混合攪拌して保護層用塗液を得た。
〔感熱記録体の作製〕
175μmの青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム〔商品名:メリネックス(登録商標)914、帝人デュポンフィルム社製〕の一方の面に、塗工直前に脱泡処理された感熱記録層用塗液および保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ25g/m2、4g/m2となるように順次1層毎に塗布乾燥して感熱記録層及び保護層を設け、感熱記録体を得た。
175μmの青色透明なポリエチレンテレフタレートフィルム〔商品名:メリネックス(登録商標)914、帝人デュポンフィルム社製〕の一方の面に、塗工直前に脱泡処理された感熱記録層用塗液および保護層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ25g/m2、4g/m2となるように順次1層毎に塗布乾燥して感熱記録層及び保護層を設け、感熱記録体を得た。
実施例2
実施例1のA液調製において、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部の代わりに、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量1200のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−012、日本触媒社製〕の10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
実施例1のA液調製において、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部の代わりに、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量1200のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−012、日本触媒社製〕の10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
実施例3
実施例1のA液調製において、使用した3種類の多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちのジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート〔商品名:デスモジュール(登録商標)W、住友バイエルウレタン社製〕10部を、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体〔商品名:タケネート(登録商標)D170HN、三井化学ポリウレタン社製〕10部に置換した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.2μmであった。
実施例1のA液調製において、使用した3種類の多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちのジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート〔商品名:デスモジュール(登録商標)W、住友バイエルウレタン社製〕10部を、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体〔商品名:タケネート(登録商標)D170HN、三井化学ポリウレタン社製〕10部に置換した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.2μmであった。
実施例4
実施例1のA液調製において、使用した3種類の多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちのジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート〔商品名:デスモジュール(登録商標)W、住友バイエルウレタン社製〕10部を、イソフォロンジイソシアネート(商品名:IPDI、日本サイテックインダストリーズ社製)10部に置換した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は0.9μmであった。
実施例1のA液調製において、使用した3種類の多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちのジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート〔商品名:デスモジュール(登録商標)W、住友バイエルウレタン社製〕10部を、イソフォロンジイソシアネート(商品名:IPDI、日本サイテックインダストリーズ社製)10部に置換した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は0.9μmであった。
比較例1
実施例1のA液調製において、使用した3種類の多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちの、リン酸トリクレジルにて30%濃度に希釈されたキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物〔商品名:タケネート(登録商標)D110N−30P、三井化学ポリウレタン社製〕10部を、酢酸エチルにて75%濃度に希釈されたキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物〔商品名:タケネート(登録商標)D110N、三井化学ポリウレタン社製〕4部に置換した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.3μmであった。
実施例1のA液調製において、使用した3種類の多価イソシアネート化合物含有重合成分のうちの、リン酸トリクレジルにて30%濃度に希釈されたキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物〔商品名:タケネート(登録商標)D110N−30P、三井化学ポリウレタン社製〕10部を、酢酸エチルにて75%濃度に希釈されたキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物〔商品名:タケネート(登録商標)D110N、三井化学ポリウレタン社製〕4部に置換した以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.3μmであった。
比較例2
実施例1のA液調製において、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部の代わりに、ジエチレントリアミンを主成分とする変性脂肪族ポリアミン〔商品名:エピキュア(登録商標)T、ジャパンエポキシレジン社製〕の10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
実施例1のA液調製において、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部の代わりに、ジエチレントリアミンを主成分とする変性脂肪族ポリアミン〔商品名:エピキュア(登録商標)T、ジャパンエポキシレジン社製〕の10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
比較例3
実施例1のA液調製において、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部の代わりに、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量1800のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−018、日本触媒社製〕の10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
実施例1のA液調製において、硬化促進剤として1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量600のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−006、日本触媒社製〕の10%水溶液20部の代わりに、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有し且つ分子量1800のポリエチレンイミン〔商品名:エポミン(登録商標)SP−018、日本触媒社製〕の10%水溶液20部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得た。この時の複合微粒子の平均粒子径は1.0μmであった。
かくして得られた感熱記録体について以下の評価を行い、得られた結果を表1に示した。
〔未記録部濃度、記録感度、最高記録濃度〕
感熱記録体を23℃・50%RHの環境下で24時間放置後、同環境下で感熱印字プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用いて階調モードにて記録した。全16階調の記録画像のうち、9階調(ステップ)目及び16階調(ステップ)目の記録部の透過濃度と未記録部の透過濃度を、マクベス濃度計(商品名:TR−927J型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
ここでは、9階調(ステップ)目の記録部の透過濃度を記録感度の指標とし、16階調(ステップ)目の記録部の透過濃度を最高記録濃度の指標とした。なお、要求される画像諧調性から諧調毎の濃度変化が必要であり、9ステップ目の記録濃度(9Step濃度)は0.90から1.20の範囲であることが好ましい。また、16ステップ目の記録濃度(16Step濃度)は3.00以上であることが好ましい。
〔未記録部濃度、記録感度、最高記録濃度〕
感熱記録体を23℃・50%RHの環境下で24時間放置後、同環境下で感熱印字プリンターUP−DF500(ソニー社製)を用いて階調モードにて記録した。全16階調の記録画像のうち、9階調(ステップ)目及び16階調(ステップ)目の記録部の透過濃度と未記録部の透過濃度を、マクベス濃度計(商品名:TR−927J型、マクベス社製)のビジュアルモードで測定した。
ここでは、9階調(ステップ)目の記録部の透過濃度を記録感度の指標とし、16階調(ステップ)目の記録部の透過濃度を最高記録濃度の指標とした。なお、要求される画像諧調性から諧調毎の濃度変化が必要であり、9ステップ目の記録濃度(9Step濃度)は0.90から1.20の範囲であることが好ましい。また、16ステップ目の記録濃度(16Step濃度)は3.00以上であることが好ましい。
〔耐熱性〕
記録前の各感熱記録体を70℃の環境下で24時間処理した後、透過濃度をマクベス濃度計にて測定し、耐熱性を評価した。また、70℃の環境下で24時間処理した感熱記録体を目視で観察して熱処理後の地肌カブリの程度を評価し、問題ないレベルを○とし、単品で評価した場合でも地肌カブリを認識できるレベルを×、試験前と比較して地肌カブリが認識できるレベルを△とした。
記録前の各感熱記録体を70℃の環境下で24時間処理した後、透過濃度をマクベス濃度計にて測定し、耐熱性を評価した。また、70℃の環境下で24時間処理した感熱記録体を目視で観察して熱処理後の地肌カブリの程度を評価し、問題ないレベルを○とし、単品で評価した場合でも地肌カブリを認識できるレベルを×、試験前と比較して地肌カブリが認識できるレベルを△とした。
〔耐スクラッチ性〕
記録前の各感熱記録体の表面を爪で強く擦って、擦れ汚れの発生度合いを目視にて評価した。高エネルギー印画部並に強く発色している場合を×、若干の発色が見られる場合を△、ごく僅かな発色が見られる場合を○、全く発色していない場合を◎とした。
記録前の各感熱記録体の表面を爪で強く擦って、擦れ汚れの発生度合いを目視にて評価した。高エネルギー印画部並に強く発色している場合を×、若干の発色が見られる場合を△、ごく僅かな発色が見られる場合を○、全く発色していない場合を◎とした。
表1の結果から明らかなように、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、特定の分子量を有するポリエチレンイミンの存在化で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って得た染料前駆体含有複合微粒子を用いた本発明の感熱記録体は、高耐熱性を有し、高温環境下に曝されても地肌カブリの発生が極めて少なく、しかも記録感度が良好で、最高記録濃度も高く、そのうえ擦れによる地肌カブリが抑制されており、高温環境下で使用される感熱記録体としても適用できる。
Claims (14)
- 支持体上に、染料前駆体含有複合微粒子と顕色剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、染料前駆体含有複合微粒子が、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って得られた複合微粒子であることを特徴とする感熱記録体。
- ポリエチレンイミンの分子量が、400〜1500である、請求項1に記載の感熱記録体。
- ポリエチレンイミンが、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有する、請求項1または2に記載の感熱記録体。
- 沸点150℃以上の有機溶媒を、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒との合計量に対して1〜50質量%含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 沸点150℃以上の有機溶媒が、リン酸トリクレジルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 多価イソシアネート化合物含有重合成分の少なくとも1種が、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱記録体。
- 多価イソシアネート化合物含有重合成分として、さらにm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを含む、請求項6に記載の感熱記録体。
- (a)多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒を含む溶媒中に染料前駆体を含有する溶質を溶解し、得られた溶液を水性媒体中に乳化分散した後、分子量200〜1500のポリエチレンイミンの存在下で多価イソシアネート化合物含有重合成分の高分子化反応を行って染料前駆体含有複合微粒子を製造する工程
(b)得られた染料前駆体含有複合微粒子、顕色剤および接着剤を含有する感熱記録層用塗液を調製する工程
(c)得られた感熱記録層用塗液を支持体上に塗布・乾燥する工程
を包含する感熱記録体の製造方法。 - ポリエチレンイミンの分子量が、400〜1500である、請求項8に記載の感熱記録体の製造方法。
- ポリエチレンイミンが、1級、2級および3級アミンを含む分岐構造を有する、請求項8または9に記載の感熱記録体の製造方法。
- 沸点150℃以上の有機溶媒を、多価イソシアネート化合物含有重合成分と沸点150℃以上の有機溶媒との合計量に対して1〜50質量%含有する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
- 沸点150℃以上の有機溶媒が、リン酸トリクレジルである、請求項8〜11のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
- 多価イソシアネート化合物含有重合成分の少なくとも1種が、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の感熱記録体の製造方法。
- 多価イソシアネート化合物含有重合成分として、さらにm−テトラメチルキシリレンジイソシアネートを含む、請求項13に記載の感熱記録体の製造方法。
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JP2008106276A JP2009255359A (ja) | 2008-04-16 | 2008-04-16 | 感熱記録体およびその製造方法 |
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JP2011115961A (ja) * | 2009-12-01 | 2011-06-16 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録体 |
JP2013188955A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Oji Holdings Corp | 感熱記録体 |
-
2008
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